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特許7518836薬剤を凍結乾燥、再構成、及び送達するためのシステム、並びに関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】薬剤を凍結乾燥、再構成、及び送達するためのシステム、並びに関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20240710BHJP
   A61M 5/24 20060101ALI20240710BHJP
   A61J 1/20 20060101ALI20240710BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
A61M5/28
A61M5/24
A61J1/20 314C
A61K39/395 N
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021540245
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 IB2020050183
(87)【国際公開番号】W WO2020144640
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】62/791,182
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514010601
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(72)【発明者】
【氏名】ツウィルンマン,ラルフ フリッツ
(72)【発明者】
【氏名】ピセルキオ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード,エマ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-000627(JP,A)
【文献】実開平02-135040(JP,U)
【文献】特開平11-155951(JP,A)
【文献】特開2004-105234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/28
A61M 5/24
A61J 1/20
A61K 39/395
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式注射器組立体であって、
近位端及び遠位端を有する管状注射器筒であって、長手方向軸を画定する、管状注射器筒と、
前記管状注射器筒内で摺動可能なプランジャと、
共成形又は互いに接合された停止部分及びルアーチップを含むキャップ組立体であって、前記停止部分が、前記管状注射器筒の前記遠位端に受け入れ可能であり、通気窓を画定する、キャップ組立体であって記キャップ組立体は、前記キャップ組立体と前記管状注射器筒との間の通気を防止するために前記通気窓が前記管状注射器筒によって覆われている密封位置と、前記キャップ組立体と前記管状注射器筒との間に前記通気窓が通気を形成する通気位置との間で、前記長手方向軸に沿って前記管状注射器筒内を摺動可能である、キャップ組立体と、
前記モジュール式注射器組立体を前記密封位置で密封するために前記キャップ組立体の上に固定されるように構成された圧着リングであって、前記圧着リングは、その中に開口を画定し、前記開口を通る前記ルアーチップを受け入れるように構成される、圧着リングと、を備える、
モジュール式注射器組立体。
【請求項2】
前記停止部分が、フランジを画定する遠位端と、前記遠位端の反対側にある近位端と、を更に備え、前記通気窓が、前記停止部分の前記近位端と交差する、請求項1に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項3】
前記キャップ組立体が前記密封位置にあるとき、前記フランジが前記管状注射器筒の前記遠位端に接触し、前記キャップ組立体が前記通気位置にあるとき、前記フランジが前記管状注射器筒の前記遠位端から離隔される、請求項1に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項4】
前記キャップ組立体が、前記停止部分と、前記管状注射器筒の前記遠位端との間に適合する密封リングを備える、請求項1に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項5】
前記通気窓が、前記密封リング内に位置している、請求項4に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項6】
前記通気窓が、前記停止部分に成形されている、請求項1に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項7】
前記ルアーチップ上に位置するOVS閉鎖部を更に備える、請求項1に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項8】
前記プランジャが、プランジャロッドへの取り外し可能な取り付けのための連結具を含む、請求項1に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項9】
前記連結具を介して前記プランジャに取り外し可能に連結されたプランジャロッドを更に備える、請求項8に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項10】
前記管状注射器筒内に位置する凍結乾燥された薬剤を更に含む、請求項1に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項11】
前記凍結乾燥された薬剤が、インフリキシマブを含む、請求項10に記載のモジュール式注射器組立体。
【請求項12】
薬剤を凍結乾燥する方法であって、
前記薬剤を収容するモジュール式注射器組立体を提供することであって、前記モジュール式注射器組立体が、管状注射器筒と、前記管状注射器筒内で摺動可能なプランジャと、前記管状注射器筒上で密封位置と通気位置との間を移動可能なキャップ組立体と、を含前記キャップ組立体が、共成形又は互いに接合された停止部分及びルアーチップを含む、提供することと、
前記キャップ組立体が前記通気位置にある状態で前記薬剤を凍結乾燥させることであって、それにより、蒸気が前記キャップ組立体を通して通気される、凍結乾燥させることと、
前記キャップ組立体を前記通気位置から前記密封位置まで移動させることと、
圧着リングを、前記ルアーチップが前記圧着リングの開口を通るように延びる前記密封位置で前記モジュール式注射器組立体を密封するために、前記キャップ組立体の上に固定することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記プランジャを前記管状注射器筒の近位端に挿入することと、
前記管状注射器筒を前記薬剤で充填することと、
前記キャップ組立体が前記通気位置に位置する状態で、前記キャップ組立体を前記管状注射器筒の遠位端に挿入することと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記キャップ組立体を前記通気位置から前記密封位置まで移動させることが、前記キャップ組立体を前記管状注射器筒の前記遠位端に押し込むことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記キャップ組立体を前記管状注射器筒の前記遠位端に押し込むことが、前記キャップ組立体内に位置している通気窓を密封する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記キャップ組立体を前記通気位置から前記密封位置まで移動させることが、凍結乾燥棚を使用して前記キャップ組立体に力を加えることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記凍結乾燥棚を使用して前記キャップ組立体に力を加えることが、前記凍結乾燥棚と前記キャップ組立体との間に位置する圧縮治具に力を加えることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ルアーチップ上にOVS閉鎖部を適用することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
プランジャロッドを前記プランジャに取り付けることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記薬剤が、インフリキシマブを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
凍結乾燥された薬剤を再構成する方法であって、
前記凍結乾燥された薬剤を収容するモジュール式注射器組立体を提供することであって、前記モジュール式注射器組立体が、管状注射器筒と、前記管状注射器筒内で摺動可能なプランジャと、通気窓を画定し、ルアーチップと共成形又は互いに接合された停止部分を含むキャップ組立体と、前記ルアーチップが前記圧着リングに画定された開口を通るように延びる前記キャップ組立体の上に固定された圧着リングと、を含む、提供することと、
プランジャロッドを前記プランジャに連結することと、
前記ルアーチップを希釈剤の供給源に連結することと、
前記希釈剤を前記管状注射器筒内に引き込むために、前記プランジャロッドを後退させることと、を含む、方法。
【請求項22】
前記再構成された薬剤を送達することであって、
前記希釈剤の供給源を前記ルアーチップから分離することと、
前記ルアーチップを通して前記凍結乾燥された薬剤を排出するために、前記プランジャを押下することと、によって、送達すること(但し、ヒトに送達することを除く)を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記再構成された薬剤を送達することが、
前記プランジャを押下する前に、針、バイアル、バイアルアダプタ、又はIVバッグのうちの少なくとも1つを前記ルアーチップに連結することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ルアーチップを露出させるために、OVS閉鎖部の一次閉鎖部分を取り外すことを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記凍結乾燥された薬剤が、インフリキシマブを含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年1月11日に出願された米国仮出願第62/791,182号の優先権を主張するものであり、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、液体又は粉末などの2つ又は3つ以上の物質を混合するためのモジュール式システムに関する。より詳細には、本発明は、薬剤を凍結乾燥、再構成、及び送達する際に使用することができるモジュール式システム、並びに関連する同システムを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
凍結乾燥された薬剤は、当該技術分野では既知のものである。一般に、凍結乾燥された薬剤はバイアルで提供される。薬剤を再構成するには、医療提供者は、典型的には、注射器に針を取り付けることと、針を介してバイアルから注射器内に希釈液を引き込むことと、注射器から、凍結乾燥された薬剤を収容するバイアル内に希釈剤を注入し、それにより、薬剤を再構成することと、を含む、多段階工程を含む。再構成後に薬剤を送達するには、医療提供者は、典型的には、針が取り付けられた注射器を介して、再構成された薬剤をバイアルから引き込み、次いで、薬剤をIVバッグ又は患者に注入する。この工程では、医療提供者が意図せずに自分又は他人を針で刺してしまう機会が何度もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当該技術分野において、先行技術のこれら及び他の欠点を克服する、薬剤を凍結乾燥、再構成、及び送達するためのシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態によると、モジュール式注射器組立体は、近位端及び遠位端を有する管状注射器筒であって、長手方向軸を画定する、管状注射器筒と、管状注射器筒内で摺動可能なプランジャと、停止部分及びルアーチップを含むキャップ組立体であって、停止部分が、管状注射器筒の遠位端に受け入れ可能であり、通気窓を画定する、キャップ組立体と、を備えることができる。キャップ組立体は、キャップ組立体と管状注射器筒との間の通気を防止するために通気窓が管状注射器筒によって覆われている密封位置と、通気窓が、キャップ組立体と管状注射器筒との間に通気窓が通気を形成する通気位置との間で、長手方向軸に沿って管状注射器筒内を摺動可能であり得る。
【0006】
別の実施形態によれば、薬剤を凍結乾燥する方法は、薬剤を収容するモジュール式注射器組立体を提供することであって、モジュール式注射器組立体が、管状注射器筒と、管状注射器筒内で摺動可能なプランジャと、管状注射器筒上で密封位置と通気位置との間を移動可能なキャップ組立体と、を含む、提供することと、キャップ組立体が通気位置にある状態で薬剤を凍結乾燥させることであって、それにより、蒸気がキャップ組立体を通して通気される、凍結乾燥させることと、キャップ組立体を通気位置から密封位置まで移動させることと、を含むことができる。
【0007】
更に別の実施形態によれば、凍結乾燥された薬剤を再構成する方法は、凍結乾燥された薬剤を収容するモジュール式注射器組立体を提供することであって、モジュール式注射器組立体が、管状注射器筒と、管状注射器筒内で摺動可能なプランジャと、ルアーチップを含むキャップ組立体と、を含む、提供することと、プランジャロッドをプランジャに連結することと、ルアーチップを希釈剤の供給源に連結することと、希釈液を管状注射器筒内に引き込むために、プランジャロッドを後退させることと、を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】モジュール式注射器組立体の一実施形態の側面図である。
図2図1のモジュール式注射器組立体の斜視図である。
図3図1のモジュール式注射器組立体の分解組立図である。
図4図1のモジュール式注射器組立体のキャップ組立体の一部分の側面図である。
図5図4のキャップ組立体の一部分の底面図である。
図6】キャップ組立体が通気位置にある状態で示されている、図1のモジュール式注射器組立体の側面断面図である。
図7】キャップ組立体が密封位置にある状態で示されている、図1のモジュール式注射器組立体の側面断面図である。
図8図1のモジュール式注射器組立体の代替の実施形態の分解組立図である。
図9図1のモジュール式注射器組立体の別の代替の実施形態の分解組立図である。
図10】圧縮治具と組み合わせた、図1のモジュール式注射器組立体の斜視図である。
図11図10の圧縮治具の側面断面図である。
図12】プランジャロッドが連結された、図1のモジュール式注射器組立体の斜視図である。
図13】薬剤を凍結乾燥する方法の一実施形態のフロー図である。
図14】IVバッグに連結された、図12のモジュール式注射器組立体の側面図である。
図15】バイアルアダプタを介してバイアルに連結された、図12のモジュール式注射器組立体の側面図である。
図16】バイアル内に挿入された針に連結された、図12のモジュール式注射器組立体の側面図である。
図17】針に連結された、図12のモジュール式注射器組立体の斜視図である。
図18A】プランジャの一実施形態の斜視図、側面図、及び横方向断面図を示す。
図18B】プランジャの一実施形態の斜視図、側面図、及び横方向断面図を示す。
図18C】プランジャの一実施形態の斜視図、側面図、及び横方向断面図を示す。
図19A】プランジャの別の実施形態の斜視図、側面図、及び横方向断面図を示す。
図19B】プランジャの別の実施形態の斜視図、側面図、及び横方向断面図を示す。
図19C】プランジャの別の実施形態の斜視図、側面図、及び横方向断面図を示す。
図20A】プランジャの更に別の実施形態の斜視図、側面図、及び横方向断面図を示す。
図20B】プランジャの更に別の実施形態の斜視図、側面図、及び横方向断面図を示す。
図20C】プランジャの更に別の実施形態の斜視図、側面図、及び横方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に引用されている特許及び特許出願を含む(但しそれらに限定されない)全ての刊行物は、完全に記載されているかのように、参照により本明細書に援用される。
【0010】
本明細書及び特許請求の範囲において使用するところの単数形「a」、「and」、及び「the」は、文脈によりそうでない旨が明確に示されない限り、複数の対象物を含む。
【0011】
本出願は、液体又は粉末などの2つ又は3つ以上の物質を組み合わせるために使用することができるモジュール式注射器組立体に関する。特定の実装形態では、モジュール式注射器組立体は、凍結乾燥された薬剤と共に使用することができる。モジュール式注射器組立体は、薬剤の凍結乾燥、再構成、及び/又は送達中にモジュール式注射器組立体を使用することができるように、様々な異なる構成間で変形させることができる。前述のステップのいくつか又は全ての間にモジュール式注射器組立体を利用することにより、凍結乾燥された薬剤の従来の処理(様々な容器間で薬剤を移送するために針を使用することが多い)に関連する針刺しのリスクを低減又は排除することができる。
【0012】
図1図3を参照すると、モジュール式注射器組立体100の一実施形態が示されている。図1は、モジュール式注射器組立体100の側面図である。図2は、モジュール式注射器組立体100の斜視図である。図3は、モジュール式注射器組立体100の分解組立図である。モジュール式注射器組立体100は、管状注射器筒102を含むことができる。管状注射器筒102は、図3に示す長手方向軸Aを画定することができる。管状注射器筒102は、薬剤を収容するための中空内部部分を画定することができ、近位端104及び遠位端106を含むことができ、それらの両方とも開放されている。突出唇108は、近位端104に設けることができる。突出唇108は、管状注射器筒102への摘みの取り付けを容易にすることができる。突出唇110は、遠位端106に設けることができる。管状注射器筒102は、ガラス、プラスチック、又は当該技術分野において既知の他の好適な耐久性のある材料で作製することができる。例えば、限定するものではないが、管状注射器筒102は、ホウケイ酸ガラス、ポリプロピレン、クリスタルゼニス、Makrolon RX、又はポリカーボネートで作製することができる。
【0013】
図3を参照すると、モジュール式注射器組立体100は、管状注射器筒102内で摺動可能なプランジャ112を含むことができる。図3の実施形態では、プランジャ112は、ゴム製プランジャチップ116が連結された剛性のプランジャ基部114を備えるが、代替の実施形態では、剛性のプランジャ基部114を省略することができ、プランジャ112は、ゴムなどの柔軟な材料で全体的に形成することができる。プランジャ112は、管状注射器筒102内で摺動し、管状注射器筒102の内部に密封部を形成することができる。図6及び図7を参照すると、プランジャ112の実施形態では、取り外し可能なプランジャロッド(図示せず)に接続するための連結具118を含むことができる。例えば、連結具118には、プランジャロッド上に雄型対応物を受け入れるように構成された雌ネジ又は1/4回転カム、あるいはその逆を備えることができる。実施形態によれば、限定するものではないが、剛性のプランジャ基部114は、ポリプロピレン、クリスタルゼニス、Makrolon RX、又はポリカーボネートで形成することができる。実施形態によれば、限定するものではないが、プランジャチップ116は、ブロモブチルゴムで形成することができる。
【0014】
図1図5に戻って参照すると、モジュール式注射器組立体100は、管状注射器筒102の遠位端106に取り付けられるキャップ組立体120を更に含むことができる。図4及び図5を参照すると、キャップ組立体120は、停止部分122と、ルアーチップ124と、を含むことができる。停止部分122及びルアーチップ124は、共成形部品であってもよく、あるいは、例えば、結合によって互いに接合された別々の部品であってもよい。停止部分122は、管状注射器筒102との密封部を形成しながら、管状注射器筒102の遠位端106内で摺動することを可能にする外径を有することができる。図4に示すように、停止部分122は、管状注射器筒102との密封部を形成し、これとの摺動境界面を更に提供する、リブ126又は他の表面特徴部を含むことができる。図4及び図5で最もよく分かるように、停止部分122は、通気窓128を画定することができる。
【0015】
図6及び図7を参照すると、モジュール式注射器組立体が長手方向断面で示されている。キャップ組立体120は、図6に示す通気位置と図7に示す密封位置との間で、長手方向軸A(図3)に沿って管状注射器筒102に対して摺動可能である。図6の通気位置では、キャップ組立体120は、管状注射器筒102の遠位端106から持ち上げられている。この位置では、通気窓128は、停止部分122と管状注射器筒102との間に通気通路を形成し、蒸気が管状注射器筒102内から周囲へと逃げることを可能にする。図7の密封位置では、通気窓128は、管状注射器筒102によって覆われ、それにより、管状注射器筒102とキャップ組立体120との間の空気流を遮断する(かつ管状注射器筒102の内部と周囲との間の通気を妨げる)。キャップ組立体120が密封位置にあり、かつプランジャ112が管状注射器筒102内にある状態で、キャップ組立体120とプランジャ112との間の空間が密封される。凍結乾燥された薬剤などの薬剤は、以下により詳細に記載されるように、キャップ組立体120とプランジャ112との間の密封空間内の管状注射器筒102内に位置することができる。凍結乾燥された薬剤の例としては、インフリキシマブが挙げられ得る。
【0016】
具体的に図4を参照すると、停止部分122は、遠位端130、及び遠位端130の反対側にある近位端132を含む。遠位端130は、例えば、停止部分122から放射状に突出するフランジ134を画定することができる。実施形態によれば、通気窓128は、遠位端130から離隔していてもよく、近位端132と交差していてもよい。図3で最もよく分かるように、ガスケットなどの密封リング136は、停止部分122の周囲に位置することができる。キャップ組立体120が図7の密封位置にあるとき、密封リング136は、図7に示すように、フランジ134と、管状注射器筒102の遠位端106との間に挟まれ得る。キャップ組立体120が図6の通気位置にあるとき、キャップ組立体120は、フランジ134が密封リング136から離隔され、かつ/又は密封リング136が管状注射器筒102の遠位端106から離隔されるように、持ち上げることができる。密封リング136を省略する実施形態によれば、フランジ134は、通気位置にあるとき、管状注射器筒102の遠位端106から離隔することができ、フランジ134は、密封位置にあるとき、管状注射器筒102の遠位端106と接触することができる。図3及び図7を参照すると、キャップ組立体120を密封位置に保持するために、フランジ134の上に圧着リング138を配置することができる。管状注射器筒102の遠位端106上の突出唇110は、圧着リング138の保持を補助することができる。
【0017】
図1図3を参照すると、キャップ組立体120は、ルアーチップ124を更に含むことができる。実施形態によれば、ルアーチップ124は、停止部分122と共成形することができる(図6を参照)が、他の実施形態も可能である。例えば、ルアーチップ124及び停止部分122は、成形プラスチック部品を含むことができるが、後述するように他の実施形態も可能である。実施形態によれば、限定するものではないが、ルアーチップ124及び/又は停止部分122は、ポリプロピレン、クリスタルゼニス、Makrolon RX、又はポリカーボネートで形成することができる。
【0018】
更に図1図3を参照すると、OVS閉鎖部142(例えば、Ravensburg,GermanyのVetter Pharma社製)は、ルアーチップ124上に提供することができる。OVS閉鎖部142は、ルアーチップ124上にスナップ嵌めすることができる。OVS閉鎖部142は、脆弱な不正開封防止密封部148(図1を参照)によって接合された、主要閉鎖部144及びネジ付き部分1 146を含むことができる。使用時に、不正開封防止密封部148は、ユーザによって破断されて、主要閉鎖部144の取り外しを可能にし、それにより、ルアーチップ124及びOVS閉鎖部142のネジ付き部分146を露出させることができる。以下により詳細に記載されるように、モジュール式注射器組立体100の内容物を供給するために、別の構成要素をルアーチップ124及びネジ付き部分146に連結することができる。例えば、Ompi,Stevanato Group of Newtown,Pennsylvania,USAのEZ Fill(登録商標)Integrated Tip Capを使用することができる。
【0019】
図8は、モジュール式注射器組立体100の代替の実施形態の分解組立図である。図8の実施形態は、以下に記載される相違点を除いて、図1図7と同じである。図8の実施形態によれば、密封リング136は、停止部分122と、管状注射器筒102の遠位端106の内壁との間で放射状に適合することができ、それらの間に密封部を形成する。この実施形態では、密封リング136はまた、キャップ組立体120が密封位置にあるとき、管状注射器筒102の遠位端106と、停止部分122上のフランジ134との間に挟まれるフランジ150も含むことができる。加えて、通気窓128は、密封リング136に位置することができる。したがって、密封リング136は、管状注射器筒102の遠位端106に対して上方及び下方に移動して、キャップ組立体が密封位置にあるか、又は通気位置にあるかを調整することができる。図8の実施形態によれば、停止部分122は、比較的剛性のプラスチック物品であってもよく、密封リング136は、停止部分122と管状注射器筒102との間の密封を促進する比較的可撓性のゴム又はプラスチック物品を含むことができる。
【0020】
図9は、モジュール式注射器組立体の更に別の代替の実施形態の分解組立図である。図9の実施形態は、以下に記載される相違点を除いて、図1図7と同じである。図9の実施形態では、密封リングを省略することができる。追加的に又は代替的に、停止部分122、フランジ134、及びルアーチップ124は、ゴム材料から共成形することができる。図示のように、通気窓128は、停止部分122に共成形することができる。実施形態によれば、限定するものではないが、停止部分122、フランジ134、及び/又はルアーチップ124は、停止部分及びフランジがブロモブチルゴムから、ルアーチップがポリプロピレン、クリスタルゼニス、Makrolon RX、又はポリカーボネートから共成形することができる。
【0021】
図10は、圧縮治具160と組み合わせた、図1のモジュール式注射器組立体100の斜視図である。図11は、図10の圧縮治具160の側面断面図である。圧縮治具160を使用して、キャップ組立体120に圧力を加えて、管状注射器筒102の遠位端106に押し込み、例えば、キャップ組立体120を通気位置から密封位置に移動させることができる。圧力は、例えば、凍結乾燥棚又は他の可動面などの機械表面によって圧縮治具160に加えることができる。圧縮治具160は、OVS閉鎖部142には圧力がかからない方法でキャップ組立体120と嵌合する幾何学的形状を有することができ、キャップ組立体120が密封位置に移動されるときに、OVS閉鎖部142又はキャップ組立体120の部品が損傷する可能性を低減する。
【0022】
図11に示すように、例えば、圧縮治具160は、接触面166によって分離された第1の空洞162及び第2の空洞164を含むことができる。第1の空洞162は、第1の空洞162が、キャップ組立体120及び管状注射器筒102の遠位端106を通過することを可能にする内径を画定することができる。実施形態によれば、第1の空洞162の内径はまた、通気窓128からの蒸気が圧縮治具160とモジュール式注射器組立体100との間を通過するための隙間を提供することができる。第2の空洞164は、OVS閉鎖部142を通過することを可能にする内径を画定することができる。接触面166は、キャップ組立体120の上面上に載置されて、圧縮治具160からキャップ組立体120に圧力を加える実質的に横向きの面を備えることができる。一実施形態によれば、第2の空洞164の内径は、第1の空洞162の内径よりも小さくてもよい。使用時に、圧縮治具160は、キャップ組立体120の接触面166を介してフランジ134に圧力を加えて、キャップ組立体120を管状注射器筒102の遠位端106内に移動させて、例えば、キャップ組立体120を通気位置から密封位置に移動させることができる。圧縮治具160内の第2の空洞164は、OVS閉鎖部142のリリーフとして機能することができ、それにより、圧縮治具160とOVS閉鎖部142との間の接触を低減又は排除する。これは、キャップ組立体120が密封位置に移動されるときに、OVS閉鎖142及び/又はルアーチップ124が損傷する可能性を低減又は排除する助けとなり得る。接触面166は、第1の空洞162の軸及び第2の空洞164の軸に対して実質的に垂直であるように図11に示されているが、接触面166がキャップ組立体120に十分な力を伝達して、それを管状注射器筒102の遠位端106に押し込むことができるならば、他の構成も可能である。
【0023】
図12は、プランジャロッド168が連結された、例えば、プランジャ112に取り外し可能に連結された、図1のモジュール式注射器組立体100の斜視図である。
【0024】
図13は、薬剤を凍結乾燥する方法の一実施形態のフロー図である。本方法は、本明細書に記載されるモジュール式注射器組立体100の実施形態によって実行することができる。ステップ200では、プランジャ112は、管状注射器筒102内、例えば、近位端104内に挿入することができる。管状注射器筒102内のプランジャ112の場所は、凍結乾燥される薬剤の体積が異なることを考慮して変化させることができる。より大きな体積の場合、プランジャ112は、近位端104に向かって位置することができ、一方、より小さい体積の場合、プランジャ112は、近位端104から上方に向かって離隔することができる。
【0025】
次に、ステップ202では、例えば、従来の実験室装置を使用して、管状注射器筒102に凍結乾燥させる薬剤を充填することができる。この工程で凍結乾燥され得る薬剤の例は、インフリキシマブである。一実施形態によれば、管状注射器筒102の近位端104は、充填ステップ中に凍結乾燥ラインの冷却棚上に載置することができる。
【0026】
ステップ204では、キャップ組立体120は、管状注射器筒102の遠位端106に挿入され、通気位置に位置する。様々な実施形態によれば、ステップ200は、薬剤が添加される前にプランジャ112又はキャップ組立体120のいずれかが管状注射器筒102に適用されていれば、ステップ204の前又は後に実行することができる。薬剤が管状注射器筒内に収容されると、従来の凍結乾燥装置を使用して凍結乾燥することができる。一実施形態によれば、凍結乾燥工程は、約72時間未満を要する可能性がある。キャップ組立体120が通気位置にある状態で、凍結乾燥工程中に放出された蒸気は、キャップ組立体120内の開放通気窓128を通って逃げることができる。
【0027】
ステップ206では、キャップ組立体120は、通気位置から密封位置に移動される。例えば、キャップ組立体120は、フランジ134が管状注射器筒102の遠位端106に接触するまで、管状注射器筒102の遠位端106に押し込むことができる。あるいは、密封リング136を含む実施形態では、キャップ組立体120は、密封リング136がフランジ134と、管状注射器筒102の遠位端106との間に挟まれるまで押圧することができる。いずれの場合も、キャップ組立体120が密封位置に移動されたとき、管状注射器筒102は、通気窓128を密封する、例えば、通気窓128を介した管状注射器筒102の内部と周囲との間の空気の通過を妨げる。管状注射器筒102の近位端部を更に密封するために、誘導箔シールを近位端104に適用することができる。
【0028】
ステップ206は、管状注射器筒102を定位置に保持しながらキャップ組立体120に力を加え、それにより、キャップ組立体120を管状注射器筒102の遠位端106内に変位させることによって実行することができる。これは、例えば、キャップ組立体120を押圧することによって行うことができる。実施形態によれば、これは、従来の凍結乾燥棚を使用してキャップ組立体120に力を加えることによって実行することができるが、他の表面又は構造を代替的に使用することができる。実施形態によれば、凍結乾燥棚とキャップ組立体120との間に位置する圧縮治具160を介して、凍結乾燥棚からキャップ組立体120に力を伝達することができる。
【0029】
ステップ208では、モジュール式注射器組立体を凍結乾燥棚から取り外すことができ、圧着リング138をキャップ組立体120の上に固定して、モジュール式注射器組立体100及びその中に収容された凍結乾燥された薬剤を密封することができる。これは、従来の装置を使用して実行することができる。
【0030】
前述の方法は、単一のモジュール式注射器組立体100に関連して上述したが、同じ方法を実行して、複数のモジュール式注射器組立体及びそれらに収容された薬剤を同時にバッチ処理することができる。
【0031】
更に図13を参照すると、ステップ210では、プランジャロッド168をプランジャ112に連結して、凍結乾燥された薬剤の再構成及び/又は送達を容易にすることができる。例えば、プランジャロッド168は、ネジ接続部、カムロック、又はプランジャロッド168とプランジャ112との間の他の接続部を固定することによって、プランジャ112に連結することができる。
【0032】
本発明の実施形態はまた、凍結乾燥された薬剤を再構成及び/又は送達する方法も含む。薬剤を再構成するには、一次閉鎖部144は、脆弱密封部148を介してOVS閉鎖部142から分離されて、キャップ組立体120のルアーチップ124を露出させることができる。OVS閉鎖部142のネジ付き部分146は、ルアーチップ124上にスナップ嵌めされたままであり得、バイアルなどの希釈剤の供給源をルアーチップ124に取り付けるために利用することができる。次いで、プランジャロッド168を後退させて、希釈剤を管状注射器筒102内に引き込み、それにより、凍結乾燥された薬剤を再構成することができる。希釈剤の供給源は、例えば、ネジ付き部分146からねじれを解くことによって、ルアーチップから分離することができる。実施形態によれば、限定するものではないが、希釈剤は、注射用水(water for injection、WFI)、生理食塩水、又は薬品用に特別に調合された液体を含むことができる。実施形態によれば、限定するものではないが、希釈剤の供給源は、ガラス又はプラスチックバイアル、ボトル、又はバッグを含むことができる。
【0033】
再構成後、薬剤は、例えば、プランジャロッド168を押圧することによって、モジュール式注射器組立体100を介して送達することができる。図14図17を参照すると、ルアーチップは、限定するものではないが、IVバッグ300(図14)、バイアル304に取り付けられたバイアルアダプタ302(図15)、バイアル308(図16)内に挿入された針306、又は針310(図17)に取り付けることができる。図示されていないが、他の実施形態によれば、モジュール式注射器組立体100のうちの1つ又は2つ以上を、自動シリンジポンプ、又は自動注入器などのカスタマイズされたデバイスに配置して、再構成された薬剤を供給することができる。次いで、このデバイスを使用して、当該技術分野において既知の技術を使用して、再構成された薬剤を患者に投与することができる。
【0034】
図18A図18C図19A図19C、及び図20A図20Cは、例えば、図3の剛性のプランジャ基部114を必要とせずに、プランジャロッドに直接接続することができるプランジャ112の代替の実施形態を示す。図18A図18Cの実施形態では、プランジャ212は、プランジャロッドの遠位端上の対応するネジ山と係合するように適合されたネジ山を含む空洞の形の連結具218を含む。図19A図19Cの実施形態では、プランジャ312は、プランジャロッドの遠位端上の対応するリブと係合するように適合された複数のリブを含む空洞の形の連結具318を含む。図20A図20Cのプランジャ412はまた、プランジャロッドの遠位端上のリブと係合するリブを含むリブ付き空洞の形の連結具418を含む。図19A図19Cの連結具318は、対応する平坦な上部を有する、プランジャロッドを受け入れるための実質的に平坦な上部分を含む。図20A図20Cの連結具418は、対応するドーム形状の上部を有する、プランジャロッドを受け入れるための実質的にドーム形状の上部分を含む。
【0035】
ゴムプランジャ212、312、412はまた、プランジャと管状注射器筒102との間に密封部を形成するように適合された複数のリブ212A、312A、412Aをそれぞれ含むことができる。実施形態によれば、限定するものではないが、プランジャ212、312、412は、ブロモブチルゴムで形成することができる。
【0036】
代替の実施形態によれば、モジュール式注射器組立体100の様々な構成要素は、感光性薬品を保護するために、着色する、染色する、及び/又はソリッドカラーとすることができる。更なる代替の実施形態によると、モジュール式注射器組立体100を使用して、2つの液体、又は粉末と液体、若しくは薬品をコーティングした微小球と液体を組み合わせることができる。粉末及び微小球を利用する実施形態によれば、粉末及び微小球は、凍結乾燥された薬品と同様に後から添加される液体と共にデバイスに充填することができるが、既存の工程ラインに応じて別の順序も可能である。また更なる代替の実施形態によれば、モジュール式注射器組立体100のうちの2つは、雄/雄アダプタで端部と端部が接合され、予め充填された注射器の場合のように、一方から他方に液体を移送するために使用することができる。 なお、本発明には以下の態様が含まれ得ることを付記する。
[態様1]
モジュール式注射器組立体であって、
近位端及び遠位端を有する管状注射器筒であって、長手方向軸を画定する、管状注射器筒と、
前記管状注射器筒内で摺動可能なプランジャと、
停止部分及びルアーチップを含むキャップ組立体であって、前記停止部分が、前記管状注射器筒の前記遠位端に受け入れ可能であり、通気窓を画定する、キャップ組立体と、を備え、
前記キャップ組立体は、前記キャップ組立体と前記管状注射器筒との間の通気を防止するために前記通気窓が前記管状注射器筒によって覆われている密封位置と、前記キャップ組立体と前記管状注射器筒との間に前記通気窓が通気を形成する通気位置との間で、前記長手方向軸に沿って前記管状注射器筒内を摺動可能である、モジュール式注射器組立体。
[態様2]
前記停止部分が、フランジを画定する遠位端と、前記遠位端の反対側にある近位端と、を更に備え、前記通気窓が、前記停止部分の前記近位端と交差する、態様1に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様3]
前記キャップ組立体が前記密封位置にあるとき、前記フランジが前記管状注射器筒の前記遠位端に接触し、前記キャップ組立体が前記通気位置にあるとき、前記フランジが前記管状注射器筒の前記遠位端から離隔される、態様1に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様4]
前記キャップ組立体が、前記停止部分と、前記管状注射器筒の前記遠位端との間に適合する密封リングを備える、態様1に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様5]
前記通気窓が、前記密封リング内に位置している、態様4に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様6]
前記通気窓が、前記停止部分に成形されている、態様1に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様7]
前記ルアーチップ上に位置するOVS閉鎖部を更に備える、態様1に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様8]
前記プランジャが、プランジャロッドへの取り外し可能な取り付けのための連結具を含む、態様1に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様9]
前記連結具を介して前記プランジャに取り外し可能に連結されたプランジャロッドを更に備える、態様8に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様10]
前記管状注射器筒内に位置する凍結乾燥された薬剤を更に含む、態様1に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様11]
前記凍結乾燥された薬剤が、インフリキシマブを含む、態様10に記載のモジュール式注射器組立体。
[態様12]
薬剤を凍結乾燥する方法であって、
前記薬剤を収容するモジュール式注射器組立体を提供することであって、前記モジュール式注射器組立体が、管状注射器筒と、前記管状注射器筒内で摺動可能なプランジャと、前記管状注射器筒上で密封位置と通気位置との間を移動可能なキャップ組立体と、を含む、提供することと、
前記キャップ組立体が前記通気位置にある状態で前記薬剤を凍結乾燥させることであって、それにより、蒸気が前記キャップ組立体を通して通気される、凍結乾燥させることと、
前記キャップ組立体を前記通気位置から前記密封位置まで移動させることと、を含む、方法。
[態様13]
前記プランジャを前記管状注射器筒の近位端に挿入することと、
前記管状注射器筒を前記薬剤で充填することと、
前記キャップ組立体が前記通気位置に位置する状態で、前記キャップ組立体を前記管状注射器筒の遠位端に挿入することと、を更に含む、態様12に記載の方法。
[態様14]
前記キャップ組立体を前記通気位置から前記密封位置まで移動させることが、前記キャップ組立体を前記管状注射器筒の前記遠位端に押し込むことを含む、態様12に記載の方法。
[態様15]
前記キャップ組立体を前記管状注射器筒の前記遠位端に押し込むことが、前記キャップ組立体内に位置している通気窓を密封する、態様14に記載の方法。
[態様16]
前記キャップ組立体を前記通気位置から前記密封位置まで移動させることが、凍結乾燥棚を使用して前記キャップ組立体に力を加えることを含む、態様12に記載の方法。
[態様17]
前記凍結乾燥棚を使用して前記キャップ組立体に力を加えることが、前記凍結乾燥棚と前記キャップ組立体との間に位置する圧縮治具に力を加えることを含む、態様16に記載の方法。
[態様18]
前記密封位置に位置するときに、前記キャップ組立体の上に圧着リングを適用することを更に含む、態様12に記載の方法。
[態様19]
プランジャロッドを前記プランジャに取り付けることを更に含む、態様12に記載の方法。
[態様20]
前記薬剤が、インフリキシマブを含む、態様12に記載の方法。
[態様21]
凍結乾燥された薬剤を再構成する方法であって、
前記凍結乾燥された薬剤を収容するモジュール式注射器組立体を提供することであって、前記モジュール式注射器組立体が、管状注射器筒と、前記管状注射器筒内で摺動可能なプランジャと、ルアーチップを含むキャップ組立体と、を含む、提供することと、
プランジャロッドを前記プランジャに連結することと、
前記ルアーチップを希釈剤の供給源に連結することと、
前記希釈剤を前記管状注射器筒内に引き込むために、前記プランジャロッドを後退させることと、を含む、方法。
[態様22]
前記再構成された薬剤を送達することであって、
前記希釈剤の供給源を前記ルアーチップから分離することと、
前記ルアーチップを通して前記凍結乾燥された薬剤を排出するために、前記プランジャを押下することと、によって、送達することを更に含む、態様21に記載の方法。
[態様23]
前記再構成された薬剤を送達することが、
針、バイアル、バイアルアダプタ、又はIVバッグのうちの少なくとも1つを前記ルアーチップに連結することを更に含む、態様22に記載の方法。
[態様24]
前記ルアーチップを露出させるために、OVS閉鎖部の一次閉鎖部分を取り外すことを更に含む、態様21に記載の方法。
[態様25]
前記凍結乾燥された薬剤が、インフリキシマブを含む、態様21に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C