(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240710BHJP
H01L 21/324 20060101ALI20240710BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240710BHJP
B01J 3/00 20060101ALI20240710BHJP
B01J 3/02 20060101ALI20240710BHJP
B01J 3/04 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
H01L21/31 E
H01L21/324 R
C23C16/44 B
B01J3/00 A
B01J3/02 A
B01J3/04 H
(21)【出願番号】P 2022203609
(22)【出願日】2022-12-20
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0182552
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522494798
【氏名又は名称】エイチピエスピ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HPSP Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】26, Samsung 1-ro 1-gil, Hwaseong-si, Gyeonggi-do, 18449, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イム グンヨン
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-129925(JP,A)
【文献】特表2020-526925(JP,A)
【文献】特開2010-016285(JP,A)
【文献】特開2012-134325(JP,A)
【文献】特開2011-199214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/324
C23C 16/44
B01J 3/00
B01J 3/02
B01J 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を備えるハウジングと、
前記内部空間に配置され、高圧熱処理装置の内部チャンバと外部チャンバにガスを供給するように構成された給気モジュールと、
前記内部空間に配置され、前記内部チャンバから対象物に対する熱処理によるガスを排気するように構成された排気モジュールと、
前記内部空間において前記排気モジュールに連結されて、前記内部チャンバに残留する残留ガスを検出するように構成される検出モジュールと、
前記残留ガスに対する前記検出モジュールの検出結果に基づいて、前記給気モジュール及び前記排気モジュールのうち少なくとも1つを制御する制御モジュールとを含
み、
前記排気モジュールは、
前記内部チャンバに連通されて、前記内部チャンバからガスを外部に案内するように形成される排気ラインを含み、
前記検出モジュールは、
前記排気ラインから分岐する分岐ラインと、
前記内部空間に配置され、前記分岐ラインに設置される検出バルブと、
前記検出バルブの開放により前記内部チャンバから流入する流動から前記残留ガスを検出するように構成されるガス検出器とを含む、高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項2】
前記検出モジュールは、
前記ガス検出器
が前記ハウジングの外部に配置される、請求項1に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項3】
前記ガス検出器は、
活性ガス検出器と流入ガス検出器の少なくとも1つを含み、
前記活性ガス検出器は、対象物に作用するように前記内部チャンバに投入された活性ガスを検出するように構成され、
前記流入ガス検出器は、外部から前記内部チャンバに流入された流入ガスを検出するように構成される、請求項2に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項4】
前記検出モジュールは、
前記活性ガス検出器の前流に配置されて、前記活性ガス検出器に流入する前記流動の圧力を基準圧力以下に下げる圧力調節器をさらに含む、請求項3に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項5】
前記制御モジュールは、
前記活性ガス検出器を対象物に対する熱処理後に作動するよう制御し、
前記流入ガス検出器を対象物に対する熱処理前に作動するように制御する、請求項3に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項6】
前記制御モジュールは、
前記ガス検出器を作動させる場合、前記内部チャンバに不活性ガスを供給するように前記給気モジュールを制御する、請求項2に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項7】
前記内部空間のガスを排出するように構成される排出モジュールをさらに含み、
前記ガス検出器は、
前記排出モジュールに連通される、請求項2に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項8】
前記内部空間に外部空気の流入を許容するように構成される流入モジュールをさらに含み、
前記排出モジュールの作動により前記外部空気は前記流入モジュールを介して前記内部空間に流入した後に前記排出モジュールを介して排出される、請求項7に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項9】
前記内部空間の環境を感知する感知モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、
前記感知モジュールの感知結果から前記内部空間においてガス漏れが発生したと判断した場合、前記給気モジュールによるガス供給を中止させる、請求項8に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項10】
内部空間を備えるハウジングと、
前記内部空間に配置され、高圧熱処理装置のチャンバから対象物に対する熱処理によるガスを排気するように構成される排気モジュールと、
前記内部空間において前記排気モジュールに連結され、対象物に対する熱処理の前及び後の少なくとも1つの時点で前記チャンバに残留する残留ガスを検出するように構成される検出モジュールと、
前記残留ガスに対する前記検出モジュールの検出結果に基づいて、前記排気モジュールを作動させて前記チャンバ内のガスを排気するように構成される制御モジュールとを含み、
前記排気モジュールは、
前記チャンバに連通されて、前記チャンバからガスを外部に案内するように形成される排気ラインを含み、
前記検出モジュールは、
前記排気ラインから分岐する分岐ラインと、
前記内部空間に配置され、前記分岐ラインに設置される検出バルブと、
前記検出バルブの開放により前記チャンバから流入する流動から前記残留ガスを検出するように構成されるガス検出器とを含み、
前記残留ガスは、
前記熱処理によるガスの排気圧力より低い圧力で前記検出モジュールに入力される、高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項11】
前記検出モジュールは、
前記ガス検出器
が前記ハウジングの外部に配置される、請求項10に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項12】
前記ガス検出器は、
活性ガス検出器と流入ガス検出器の少なくとも1つを含み、
前記活性ガス検出器は、対象物に作用するように前記チャンバに投入された活性ガスを感知するように構成され、
前記流入ガス検出器は、外部から前記チャンバに流入した流入ガスを感知するように構成される、請求項11に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項13】
前記内部空間に配置され、前記対象物に対する熱処理のためのガスを前記チャンバに供給するように構成された給気モジュールと、
前記内部空間の環境を感知する感知モジュールとをさらに含み、
前記制御モジュールは、
前記感知モジュールの感知結果から前記内部空間においてガス漏れが発生したと判断した場合、前記給気モジュールによるガス供給を中止させる、請求項10に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【請求項14】
前記制御モジュールの制御下で、前記内部空間のガスを排出するように構成される排出モジュールをさらに含み、
前記ガス検出器は、
前記排出モジュールに連通する、請求項11に記載の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧熱処理装置に対するガスの給気、排気などを行う高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体製作中においてイオンインプランテーション(Ion implantation)工程はウェハの界面にダメージを発生させる。アニーリング(Annealing)は熱処理により該当ウェハのダメージを治癒する工程である。アニーリング以外にも不純物を活性化する時、薄膜(CVD)を形成する時、Ohmic接触合金工程を進行する時にも、ウェハに対して熱処理が行われる。
【0003】
熱処理時にはウェハに対してガスが作用する。該当ガスは、ウェハが収容されたチャンバに対して高圧で供給される。熱処理の終了後に、使用されたガスはチャンバから排気される。ガス排気の後に、熱処理されたウェハはチャンバから引き出される。以後、新しいウェハとガスが次の熱処理のためにチャンバに提供される。
【0004】
熱処理用ガスとしては、水素、重水素などの可燃性が非常に高いガスが使用される。使用されたガスに対する排気にもかかわらず、当該ガスがチャンバに残留する場合もある。残留したガスがチャンバに流入した酸素と出会う場合は、爆発などの問題が発生する可能性も排除できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、チャンバ内にガスが残留することによる危険を構造的に予防できる、高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を実現するための本発明の一側面による高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリは、内部空間を備えるハウジングと、前記内部空間に配置され、高圧熱処理装置の内部チャンバと外部チャンバにガスを供給するように構成される給気モジュールと、前記内部空間に配置され、前記内部チャンバから対象物に対する熱処理によるガスを排気するように構成される排気モジュールと、前記内部空間において前記排気モジュールに連結されて、前記内部チャンバに残留する残留ガスを検出するように構成される検出モジュールと、前記残留ガスに対する検出モジュールの検出結果に基づいて、前記給気モジュール及び前記排気モジュールのうち少なくとも1つを制御する制御モジュールとを含む。
【0007】
ここで、前記排気モジュールは、前記内部チャンバに連通されて、前記内部チャンバからガスを外部に案内するように形成される排気ラインを含み、前記検出モジュールは、前記排気ラインから分岐される分岐ラインと、前記内部空間に配置され、前記分岐ラインに設置される検出バルブと、前記検出バルブの開放により前記内部チャンバから流入する流動から前記残留ガスを検出するように構成されるガス検出器とを含む。
【0008】
ここで、前記ガス検出器は、活性ガス検出器と流入ガス検出器の少なくとも1つを含み、前記活性ガス検出器は、対象物に作用するように前記内部チャンバに投入された活性ガスを検出するように構成され、前記流入ガス検出器は、外部から前記内部チャンバに流入された流入ガスを検出するように構成される。
【0009】
ここで、前記検出モジュールは、前記活性ガス検出器の前流に配置されて、前記活性ガス検出器に流入する前記流動の圧力を基準圧力以下に下げる圧力調節器をさらに含んでもよい。
【0010】
ここで、前記制御モジュールは、前記活性ガス検出器を対象物に対する熱処理後に作動するように制御し、前記流入ガス検出器を対象物に対する熱処理前に作動するように制御する。
【0011】
ここで、前記制御モジュールは、前記ガス検出器を作動させる場合、前記内部チャンバに不活性ガスを供給するように前記給気モジュールを制御する。
【0012】
ここで、前記制御モジュールの制御下で、前記内部空間のガスを排出するように構成される排出モジュールがさらに含まれ、前記ガス検出器は前記排出モジュールに連通される。
【0013】
ここで、前記内部空間に外部空気の流入を許容するように構成される流入モジュールがさらに含まれ、前記排出モジュールの作動により、前記外部空気は前記流入モジュールを介して前記内部空間に流入された後、前記排出モジュールを介して排出される。
【0014】
ここで、前記内部空間の環境を感知する感知モジュールがさらに含まれ、前記制御モジュールは、前記感知モジュールの感知結果から前記内部空間においてガス漏れが発生したと判断した場合、前記給気モジュールによるガス供給を中止させる。
【0015】
本発明の他の一側面による高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリは、内部空間を備えるハウジングと、内部空間に配置され、高圧熱処理装置のチャンバから対象物に対する熱処理によるガスを排気するように構成される排気モジュールと、前記内部空間において排気モジュールに連結され、対象物に対する熱処理前及び後の少なくとも1つの時点でチャンバに残留する残留ガスを検出するように構成される検出モジュールと、前記残留ガスに対する検出結果に基づいて、前記排気モジュールを作動させて前記チャンバ内のガスを排気するように構成される制御モジュールとを含み、前記残留ガスは、前記熱処理によるガスの排気圧力より低い圧力で前記検出モジュールに入力される。
【0016】
ここで、前記排気モジュールは、前記チャンバに連通されて、前記チャンバからガスを外部に案内するように形成される排気ラインを含み、前記検出モジュールは、前記排気ラインから分岐される分岐ラインと、前記内部空間に配置され、前記分岐ラインに設置される検出バルブと、前記検出バルブの開放により前記チャンバから流入する流動から前記残留ガスを検出するように構成されるガス検出器とを含む。
【0017】
ここで、前記ガス検出器は、活性ガス検出器と流入ガス検出器の少なくとも1つを含み、前記活性ガス検出器は、対象物に作用するように前記チャンバに投入された活性ガスを感知するように構成され、前記流入ガス検出器は、外部から前記チャンバに流入された流入ガスを感知するように構成される。
【0018】
ここで、前記内部空間に配置され、前記対象物に対する熱処理のためのガスを前記チャンバに供給するように構成される給気モジュールと、前記内部空間の環境を感知する感知モジュールがさらに含まれ、前記制御モジュールは、前記感知モジュールの感知結果から前記内部空間においてガス漏れが発生したと判断した場合、前記給気モジュールによるガス供給を中止させる。
【0019】
ここで、前記制御モジュールの制御下で、前記内部空間のガスを排出するように構成される排出モジュールがさらに含まれ、前記ガス検出器は前記排出モジュールに連通される。
【発明の効果】
【0020】
前記のように構成される本発明による高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリによれば、高圧熱処理装置のチャンバに対してガスを供給するための給気モジュールと前記チャンバからガスを排気するための排気モジュールがハウジング内に備えられるとともに、ハウジング内において排気モジュールに連結されて前記チャンバに残留する残留ガスを検出する検出モジュールとその検出結果に基づいて給気モジュールと排気モジュールを制御する制御モジュールとが備えられるため、前記チャンバ内の残留ガスが検出されると、熱処理工程の進行が中断され、当該残留ガスが排気される。それにより、前記チャンバ内にガスが残留することによる危険を構造的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例による高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ100を示す概念図である。
【
図2】
図1の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ100の制御的構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】
図1の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ100の制御方式を説明するためのフローチャートである。
【
図4】本発明の他の実施例による高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ200に対する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施例による高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリについて添付の図面を参照して詳細に説明する。本明細書においては、異なる実施例であっても同一・類似の構成に対しては同一・類似の参照番号を付与し、その説明は最初の説明に代える。
【0023】
図1は、本発明の一実施例による高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ100を示す概念図である。
【0024】
本図を参照すると、高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ100は、高圧熱処理装置HAにガスを給気/排気するだけでなく、装置HAに残留するガスを検出するための構成である。
【0025】
まず、高圧熱処理装置HAについて説明する。高圧熱処理装置HAは、内部チャンバICと外部チャンバECを有する。
【0026】
内部チャンバICは、熱処理のための対象物を収容する収容空間を備える。内部チャンバICは、高圧、さらに高温の作業環境において汚染物質(パーティクル)の発生を減少させるために、非金属材、例えば、石英で製作することができる。図面上に簡略化されているが、内部チャンバICの下段には前記収容空間を開放するドア(図示せず)が備えられる。前記ドアが下降することにより前記収容空間が開放され、前記対象物はホルダー(図示せず)に装着されたまま内部チャンバICに投入される。内部チャンバICの外側に配置されるヒータ(図示せず)の作動により、内部チャンバICは数百℃に達するように加熱される。前記対象物は、例えばウェハであってもよい。その場合、前記ホルダーは前記ウェハを複数層に積層できるウェハボート(wafer boat)であってもよい。
【0027】
外部チャンバECは内部チャンバICを包むように形成される。内部チャンバICとは異なり、外部チャンバECは対象物に対する汚染問題から自由であるため、外部チャンバECは金属材で製作されてもよい。外部チャンバECも下部にはドアが備えられるが、内部チャンバIC及び外部チャンバECのドアは一緒に下降して開放されることができる。
【0028】
以下、ガス管理アセンブリ100について説明する。ガス管理アセンブリ100は、ハウジング110、給気モジュール120、排気モジュール130、検出モジュール140、及び排出モジュール150を含む。
【0029】
ハウジング110は内部空間111を備える。ハウジング110は、概ね長方形の胴体を有する。内部空間111には給気モジュール120及び排気モジュール130などが設置される。ハウジング110は、作業者が内部空間111に接近して後述の給気モジュール120などを取り替え/修理するためのドア(図示せず)を備えてもよい。
【0030】
給気モジュール120は高圧熱処理装置HA、具体的に、チャンバ(IC及びEC)に対してガスを供給するための構成である。給気モジュール120は半導体工場のユーティリティライン(ガス給気ライン)に連通されることができる。給気モジュール120は内部チャンバICに連通される第1給気ライン121と外部チャンバECに連通される第2給気ライン125を有する。
【0031】
第1給気ライン121を介しては、対象物の熱処理のためのガス、例えば、水素/重水素、フッ素、アンモニア、塩素、窒素などが選択的に内部チャンバICに供給される。ここで、水素/重水素などは活性ガスであり、窒素は不活性ガスである。活性ガスと不活性ガスは内部チャンバICにおいて混合されたまま対象物に作用することができる。第2給気ライン125を介しては、不活性ガス、例えば、窒素又はアルゴンが外部チャンバECに供給される。外部チャンバECに投入されたガスは、具体的に外部チャンバECと内部チャンバICの間の空間に満たされる。
【0032】
内部チャンバIC及び外部チャンバECに供給されるガスは、大気圧より高い圧力であって、例えば、数気圧ないし数十気圧に達する高圧を形成することができる。内部チャンバICに供給されるガスの圧力が第1圧力であり、外部チャンバECに供給されるガスの圧力が第2圧力である場合、前記第2圧力は前記第1圧力と関連して設定される。例えば、前記第2圧力が前記第1圧力より多少大きく設定されることができる。そのような圧力差は内部チャンバIC内のガスが漏れることなく、内部チャンバICが破損しないようにする利点を提供する。
【0033】
前記第1圧力と前記第2圧力との関係設定及び維持のために、第1給気ライン121には給気バルブ123が設置される。給気バルブ123は内部チャンバICに対するガス投入量を計測して供給することができる。第2給気ライン125には、他の給気バルブ127が設置されてもよい。給気バルブ127は外部チャンバECにおいてのガス圧力に基づいて開閉が調節されるものであってもよい。給気バルブ123及び給気バルブ127は、便宜上単純なバルブ形態として同一に表示しているが、それらの具体的作用は相異なる場合もある。
【0034】
排気モジュール130は、チャンバ(IC及びEC)から対象物の熱処理によるガスを排気するための構成である。前記熱処理によるガスは高温工程の進行に応じては前記活性ガスの発火点より高い温度を有することもある。排気モジュール130、具体的に、その排気ラインは半導体工場のユーティリティライン(ガス排気ライン)に連通されることができる。
【0035】
排気モジュール130は、具体的に、内部チャンバICからガスを排気するための第1排気ライン131と、外部チャンバECからガスを排気するための第2排気ライン135とを有する。第1排気ライン131は内部チャンバICの上部に連通され、また、外部チャンバECの外に延長されることができる。第1排気ライン131には排気バルブ133が設置される。第2排気ライン135は外部チャンバECに連通され、また排気バルブ137を有する。第2排気ライン135は第1排気ライン131に統合されてもよい。その場合、第1排気ライン131に沿って排気される活性ガスは、第2排気ライン135に沿って排気される不活性ガスに希釈される。
【0036】
検出モジュール140は排気モジュール130が作動されてもチャンバ(IC及びEC)、主に内部チャンバICに残留する残留ガスを検出するための構成である。検出モジュール140は、内部空間111において排気モジュール130、具体的に第1排気ライン131から分岐する分岐ライン141を有する。
【0037】
分岐ライン141にはガス検出器143、145が設置される。ガス検出器143、145は内部チャンバICからのガスの流動を入力されて残留ガスを検出する。具体的に、ガス検出器143、145は、活性ガス検出器143と流入ガス検出器145を含む。活性ガス検出器143は、内部チャンバIC内に残留する水素、重水素などの活性ガスを感知する。流入ガス検出器145は内部チャンバIC{及び外部チャンバEC}のドアが開放された場合に外部から流入した流入ガス、具体的に酸素を感知する。ガス検出器143、145は、後述の排出ダクト151に連通することができる。ガス検出器143、145の種類や個数は本実施例のように制限されず、必要に応じてはより多い/少ない個数のガス検出器が採用されてもよい。
【0038】
ガス検出器143、145に対する内部チャンバICからのガスの流動を断続するために、分岐ライン141には検出バルブ147、149が設置されてもよい。検出バルブ147、149は、活性ガス検出器143と流入ガス検出器145のそれぞれに対応するように備えられる。検出バルブ147、149は、前記熱処理によるガスの排気過程では開放されない場合がある。それにより、前記熱処理によるガスの高い排気圧力はガス検出器143、145に作用しない。代わりに、前記熱処理によるガスの排気圧力に比べて非常に低い圧力を有するガスがガス検出器143、145に入力されることができる。
【0039】
以上のように低圧のガスがガス検出器143、145に入力されるとしても、活性ガス検出器143にはそれよりさらに低い圧力のガスのみが許容できる。これは検出バルブ147の前流に設置される圧力調節器148により可能である。圧力調節器148は検出バルブ147を通過するガスの圧力を基準圧力以下に下げる。活性ガス検出器143は、活性ガスをPPMレベルで検出するために敏感な構成を有するため、圧力調節器148により追加で保護されることが好ましい。圧力調節器148は活性ガス検出器143に対応して設置されるものであると説明しているが、設計に応じては流入ガス検出器145に対応して設置されてもよい。
【0040】
ガス検出器143、145はハウジング110の外部に配置されてもよい。それに対して、第1排気ライン131に対する分岐ライン141の接続部位及び検出バルブ147、149は内部空間111に配置されてもよい。これは、前記接続部位と検出バルブ147、149から前記活性ガスが漏れる可能性に対応するためである。前記接続部位と検出バルブ147、149には前記熱処理によるガスの高い排気圧力が作用するため、それらからは前記活性ガスが漏洩する可能性が存在する。ガス検出器143、145はハウジング110の外部に配置されなければならないものではなく、内部空間111に配置されてもよい。
【0041】
排出モジュール150は、内部空間111のガスを排出するように構成される。内部空間111のガスは、給気モジュール120や排気モジュール130から漏れた前記活性ガスを含む。
【0042】
排出モジュール150は内部空間111に連通される排出ダクト151を備える。排出ダクト151は、半導体工場のユーティリティライン(ガス排気ライン)に連通されることができる。排出ダクト151にはゲートバルブ155が設置されてもよい。内部空間111のガスに対する排出が必要である場合、ゲートバルブ155は制御モジュール170(
図2を参照)の制御下で開放されることができる。
【0043】
以上とは異なり、検出モジュール140は、外部チャンバECにおいての残留ガスを検出することもできる。その場合、分岐ライン141は第2排気ライン135に連結される。外部チャンバECにおいての残留ガスを検出する方式は、本明細書において内部チャンバICを中心に説明された方式と概ね同一である。
【0044】
ガス管理アセンブリ100の制御に関する構成は、
図2を参照して説明する。
図2は、
図1の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ100の制御的構成を説明するためのブロック図である。
【0045】
本図(及び
図1)を参照すると、ガス管理アセンブリ100は、前述の給気モジュール120、排気モジュール130、検出モジュール140などに加えて、制御モジュール170、そして格納モジュール180をさらに含む。
【0046】
制御モジュール170は、給気モジュール120、排気モジュール130、検出モジュール140、及び排出モジュール150などを制御する構成である。制御モジュール170は、具体的に、残留ガスに対する検出モジュール140の検出結果に基づいて、給気モジュール120及び排気モジュール130などを制御する。
【0047】
格納モジュール180は、制御モジュール170が制御のために参照できるデータ、プログラムなどを格納する。格納モジュール180はフラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスク(hard disk)、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの格納媒体を含む。
【0048】
このような構成によれば、制御モジュール170は、検出モジュール140を作動させる場合、給気モジュール120を制御して内部チャンバICに不活性ガスが供給されるようにする。これは、内部チャンバICに存在するガス(残留ガス)がガス検出器143、145に向かって流動するよう誘導するためである。
【0049】
制御モジュール170が残留ガスを検出し、その結果に基づいて給気モジュール120などを制御するより具体的な内容は、
図3を参照して説明する。
図3は、
図1の高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ100の制御方式を説明するためのフローチャートである。
【0050】
本図(及び
図1ないし
図2)を参照すると、制御モジュール170は高圧熱処理装置HAにおいての熱処理工程の段階別に異なる対応をするために、熱処理の進行段階を把握する(S1)。
【0051】
熱処理が行われる前の段階であれば(S3)、制御モジュール170は流入ガス検出器145を作動させて、内部チャンバICに流入ガスが残留するか否かを検出する(S5)。ここで、熱処理前段階は、具体的に、内部チャンバICに新規ウェハがロードされてチャンバ(IC及びEC)のドアは閉じた時点である。チャンバ(IC及びEC)に対するガス供給及び加熱は行われる前である。
【0052】
熱処理中の段階であれば(S7)、制御モジュール170は一定時間待機後に(S9)熱処理進行段階を再び判断する(S1)。
【0053】
熱処理進行後の段階であれば(S11)、制御モジュール170は活性ガス検出器143を作動させて、内部チャンバICに活性ガスが残留するか否かを検出する(S13)。ここで、熱処理後段階は、具体的に、ロードされたウェハに対する熱処理が行われてからチャンバ(IC及びEC)内のガスが排気された時点である。その場合、チャンバ(IC及びEC)のドアは開放されていないため、熱処理されたウェハは依然としてチャンバ(IC及びEC)内に位置する。
【0054】
熱処理の前と後にガス検出器143、145が残留ガスを検出した場合であれば、制御モジュール170は給気モジュール120の作動を中断させるか、その作動を再開しない(S15)。これは、給気モジュール120が高圧熱処理装置HAの内部チャンバIC{及び外部チャンバEC}に前記活性ガス及び前記不活性ガスを供給しないようにする。
【0055】
制御モジュール170はまた、排気モジュール130を作動させて内部チャンバIC{及び外部チャンバEC}内のガスが排気されるようにする(S15)。これは、内部チャンバIC内に存在する活性ガス及び/又は流入ガスを排気して、残留ガスの存在による危険を解消するためである。
【0056】
熱処理の前と後にガス検出器143、145が残留ガスを検出していない場合であれば、制御モジュール170は残留ガスに対する検出を終了する。
【0057】
以上のガス管理アセンブリ100の他の形態についても
図4を参照して説明する。
【0058】
図4は、本発明の他の実施例による高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリ200に対する概念図である。
【0059】
本図を参照すると、ガス管理アセンブリ200は、前述の実施例のガス管理アセンブリ100と概ね同一であるが、感知モジュール260と流入モジュール280が追加された点が異なる。以下では、前述の実施例と異なる構成を中心に説明する。また、高圧熱処理装置HA(
図1を参照)の構成は図面の単純化のために省略されている。
【0060】
感知モジュール260は内部空間211の環境を感知するための構成であり、ガス感知器261を備える。ガス感知器261は、内部空間211に漏れた前記活性ガスを感知する。
【0061】
流入モジュール280は、内部空間211に外部空気の流入を許容する構成である。流入モジュール280は、手動操作によって、又は制御モジュール170(
図2を参照)の制御によって開閉されるダンパーであってもよい。前記ダンパーが開放された状態で、外部空気は排出モジュール250の作動による陰圧により内部空間211に流入する。
【0062】
流入モジュール280は、ハウジング210において排出モジュール250の反対側に配置されてもよい。本図において、排出モジュール250はハウジング210の上辺に配置されるのに対して、流入モジュール280はハウジング210の下辺に配置される。これは、ハウジング210内において外部空気の流動経路を長くして、内部空間211の全ての領域から漏れガスが効果的に排出されるようにする。
【0063】
このような構成によれば、流入モジュール280の開放及び排出モジュール250の作動により内部空間211には外部空気が持続的に流入する。外部空気は内部空間211内のガスが排出モジュール250を介して排出されるようにする。例えば、分岐ライン241の接続部位及び検出バルブ247、249などからのガス漏れが微弱に発生したとしても、漏れたガスは排出モジュール250を介して排出される。それにより、内部空間211内の活性ガス濃度は設定濃度未満に管理されることができる。
【0064】
排出モジュール250の作動中に、制御モジュール170はガス検出器261を介して現在の活性ガス濃度を把握する。制御モジュール170は内部空間211においての活性ガスの現在濃度が前記設定濃度を超過すると、意味のある水準のガス漏れと判断して追加措置を行う。制御モジュール170は、例えば、給気バルブ223を閉じてチャンバIC、ECに対するガス供給を停止させる。それにより、活性ガスなどは内部空間211にも入らないようになる。前記接続部位及び検出バルブ247、249などからのガス漏れが問題になる水準になっても、このような追加措置によりガス管理アセンブリ200は安全に運用できる。
【0065】
前記のような高圧熱処理装置用ガス管理アセンブリは、前述した実施例の構成と作動方式に限定されるものではない。前記実施例は、各実施例の全部又は一部が選択的に組み合わされて多様な変形ができるように構成されることもできる。
【符号の説明】
【0066】
100、200:ガス管理アセンブリ
110、210:ハウジング
120、220:給気モジュール
130、230:排気モジュール
140、240:検出モジュール
150、250:排出モジュール
170:制御モジュール
180:格納モジュール
260:感知モジュール
280:流入モジュール