(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】基板保持ハンドおよび基板搬送ロボット
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240710BHJP
B25J 15/00 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J15/00 C
(21)【出願番号】P 2022546867
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(86)【国際出願番号】 JP2020041027
(87)【国際公開番号】W WO2022049784
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2020148491
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】清水 一平
(72)【発明者】
【氏名】高氏 龍之介
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-179420(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0047532(KR,A)
【文献】実開平04-113445(JP,U)
【文献】特開2018-161729(JP,A)
【文献】米国特許第05907895(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
基板を各々支持する複数のブレードと、
前記複数のブレードを支持するとともに、前記複数のブレードを前記フレームに取り付けるための取付部材と、を備え、
前記複数のブレードは、前記ブレードの主面に垂直な方向に並ぶように配置されており、前記ブレードの主面に垂直な方向における端部に位置する端部の前記ブレードを前記取付部材に取り付けた状態で、中間の前記ブレードを前記取付部材から取り外し可能であ
り、
前記端部のブレードは、前記端部のブレードを前記取付部材に締結固定する第1締結部材を挿通するための第1挿通孔部と、前記中間のブレードを前記取付部材に締結固定する第2締結部材を挿通するとともに、前記端部のブレードの主面に垂直な方向から見て前記第2締結部材を露出するための第2挿通孔部とを含む、基板保持ハンド。
【請求項2】
前記中間のブレードは、前記ブレードの主面に垂直な方向から見て前記第2挿通孔部を介して露出している前記第2締結部材を前記第2挿通孔部を介して取り外すことにより、前記第1締結部材により前記端部のブレードを前記取付部材に取り付けた状態で、前記取付部材から取り外し可能である、請求項1に記載の基板保持ハンド。
【請求項3】
前記第2挿通孔部は、前記第2締結部材を取り外すための工具を挿入可能な大きさを有する、請求項2に記載の基板保持ハンド。
【請求項4】
前記第2挿通孔部は、前記第2締結部材を挿入可能な大きさを有する、請求項3に記載の基板保持ハンド。
【請求項5】
前記第1締結部材は、前記第1挿通孔部に挿通した状態で露出しており、
前記端部のブレードは、露出している前記第1締結部材を取り外すことにより、前記第2締結部材により前記中間のブレードを前記取付部材に取り付けた状態で、前記取付部材から取り外し可能である、請求項2に記載の基板保持ハンド。
【請求項6】
前記取付部材は、前記端部のブレードを支持する第1支持部と、前記中間のブレードを支持する第2支持部と、を含み、
前記第1支持部は、前記ブレードの主面に垂直な方向において前記第1挿通孔部とオーバーラップする位置に配置されているとともに、前記第1挿通孔部に挿通された前記第1締結部材が締結される第1締結孔部と、前記ブレードの主面に垂直な方向において前記第2挿通孔部とオーバーラップする位置に配置されているとともに、前記第2挿通孔部と共に前記第2締結部材を挿通するための第3挿通孔部と、を有し、
前記第2支持部は、前記ブレードの主面に垂直な方向において前記第2挿通孔部および前記第3挿通孔部とオーバーラップする位置に配置されているとともに、前記第2締結部材が締結される第2締結孔部を有する、請求項2に記載の基板保持ハンド。
【請求項7】
前記第2支持部は、前記ブレードの主面に垂直な方向に隣接する前記中間のブレードを共通に支持する、請求項6に記載の基板保持ハンド。
【請求項8】
前記第1挿通孔部は、一対の第1挿通孔部を含み、
前記第2挿通孔部は、一対の第2挿通孔部を含み、
前記一対の第1挿通孔部と前記一対の第2挿通孔部とは、矩形状の角部に配置されているとともに、矩形の互いに異なる対角線上に配置されている、請求項2に記載の基板保持ハンド。
【請求項9】
前記ブレードの主面に垂直な方向において前記第1挿通孔部とオーバーラップする位置に配置されているとともに、前記第1締結部材を挿通するための第4挿通孔部と、前記ブレードの主面に垂直な方向において前記第2挿通孔部とオーバーラップする位置に配置されているとともに、前記第2締結部材を挿通するための第5挿通孔部とを含むプレートをさらに備え、
前記端部のブレードは、前記プレートを介して前記第1締結部材により締結固定されている、請求項2に記載の基板保持ハンド。
【請求項10】
前記複数のブレードは、前記ブレードの主面に垂直な方向における一方側および他方側の両側において、前記端部のブレードを前記取付部材に取り付けた状態で、前記中間のブレードを前記取付部材から取り外し可能である、請求項1に記載の基板保持ハンド。
【請求項11】
前記中間のブレードは、前記ブレードの主面に垂直な方向において、前記端部のブレードに隣接するブレードである、請求項1に記載の基板保持ハンド。
【請求項12】
フレームと、
基板を各々支持する複数のブレードと、
前記複数のブレードを支持するとともに、前記複数のブレードを前記フレームに取り付けるための取付部材と、を備え、
前記複数のブレードは、前記ブレードの主面に垂直な方向に並ぶように配置されており、前記ブレードの主面に垂直な方向における端部に位置する端部の前記ブレードと、前記端部のブレードに隣接する前記ブレードとを、前記ブレードの主面に垂直な方向における同一側から取り外し可能であるとともに、前記端部のブレードを前記取付部材に取り付けた状態で、前記端部のブレードに隣接する前記ブレードを前記取付部材から取り外し可能であ
り、
前記端部のブレードは、前記端部のブレードを前記取付部材に締結固定する第1締結部材を挿通するための第1挿通孔部と、前記端部のブレードに隣接する前記ブレードを前記取付部材に締結固定する第2締結部材を挿通するとともに、前記端部のブレードの主面に垂直な方向から見て前記第2締結部材を露出するための第2挿通孔部とを含む、基板保持ハンド。
【請求項13】
前記端部のブレードに隣接する前記ブレードは、前記ブレードの主面に垂直な方向から見て前記第2挿通孔部を介して露出している前記第2締結部材を前記第2挿通孔部を介して取り外すことにより、前記第1締結部材により前記端部のブレードを前記取付部材に取り付けた状態で、前記取付部材から取り外し可能である、請求項12に記載の基板保持ハンド。
【請求項14】
基板保持ハンドと、
前記基板保持ハンドを移動させるアームと、を備え、
前記基板保持ハンドは、
フレームと、
基板を各々支持する複数のブレードと、
前記複数のブレードを支持するとともに、前記複数のブレードを前記フレームに取り付けるための取付部材と、を含み、
前記複数のブレードは、前記ブレードの主面に垂直な方向に並ぶように配置されており、前記ブレードの主面に垂直な方向における端部に位置する端部の前記ブレードを前記取付部材に取り付けた状態で、中間の前記ブレードを前記取付部材から取り外し可能であ
り、
前記端部のブレードは、前記端部のブレードを前記取付部材に締結固定する第1締結部材を挿通するための第1挿通孔部と、前記中間のブレードを前記取付部材に締結固定する第2締結部材を挿通するとともに、前記端部のブレードの主面に垂直な方向から見て前記第2締結部材を露出するための第2挿通孔部とを含む、基板搬送ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板保持ハンドおよび基板搬送ロボットに関し、基板を各々支持する複数のブレードを備える基板保持ハンドおよび基板搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を各々支持する複数のブレードを備える基板保持ハンドが知られている。このようなハンドは、たとえば、特開2006-313865号公報に開示されている。
【0003】
上記特開2006-313865号公報には、基板を搬送するためのロボットアーム(基板保持ハンド)が開示されている。このロボットアームは、基板を各々支持する薄板状の複数(5つ)のエンドエフェクタ(ブレード)を備えている。この複数のエンドエフェクタは、エンドエフェクタの主面に垂直な方向に並ぶように、エンドエフェクタ取付用板に取り付けられている。
【0004】
また、上記特開2006-313865号公報には明記されていないが、上記特開2006-313865号公報に記載されたような従来のロボットアームは、エンドエフェクタをエンドエフェクタ取付用板から取り外す場合、エンドエフェクタの主面に垂直な方向における一方側から他方側に向かって、順にエンドエフェクタをエンドエフェクタ取付用板から取り外すように構成されていると考えられる。すなわち、この従来のロボットアームでは、エンドエフェクタの主面に垂直な方向における端部に位置するエンドエフェクタをエンドエフェクタ取付用板から取り外さなければ、中間のエンドエフェクタをエンドエフェクタ取付用板から取り外すことができないと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のロボットアームでは、端部のエンドエフェクタを取り外さなければ、中間のエンドエフェクタを取り外すことができないため、端部のエンドエフェクタ(ブレード)のレベル(水平状態)を維持した状態で、中間のエンドエフェクタ(ブレード)を取付部材から取り外して、中間のエンドエフェクタ(ブレード)に対する整備(メンテナンス)などの作業を行うことが困難であるという問題点がある。
【0007】
この発明の課題(目的)は、端部のブレードのレベル(水平状態)を維持した状態で、中間のブレード(端部のブレードに隣接するブレード)を取付部材から取り外して、中間のブレード(端部のブレードに隣接するブレード)に対する整備(メンテナンス)などの作業を行うことが可能な基板保持ハンドおよび基板搬送ロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の局面による基板保持ハンドは、フレームと、基板を各々支持する複数のブレードと、複数のブレードを支持するとともに、複数のブレードをフレームに取り付けるための取付部材と、を備え、複数のブレードは、ブレードの主面に垂直な方向に並ぶように配置されており、ブレードの主面に垂直な方向における端部に位置する端部のブレードを取付部材に取り付けた状態で、中間のブレードを取付部材から取り外し可能であり、端部のブレードは、端部のブレードを取付部材に締結固定する第1締結部材を挿通するための第1挿通孔部と、中間のブレードを取付部材に締結固定する第2締結部材を挿通するとともに、端部のブレードの主面に垂直な方向から見て第2締結部材を露出するための第2挿通孔部とを含む。
【0009】
この発明の第2の局面による基板保持ハンドは、フレームと、基板を各々支持する複数のブレードと、複数のブレードを支持するとともに、複数のブレードをフレームに取り付けるための取付部材と、を備え、複数のブレードは、ブレードの主面に垂直な方向に並ぶように配置されており、ブレードの主面に垂直な方向における端部に位置する端部のブレードと、端部のブレードに隣接するブレードとを、ブレードの主面に垂直な方向における同一側から取り外し可能であるとともに、端部のブレードを取付部材に取り付けた状態で、端部のブレードに隣接するブレードを取付部材から取り外し可能であり、端部のブレードは、端部のブレードを取付部材に締結固定する第1締結部材を挿通するための第1挿通孔部と、端部のブレードに隣接するブレードを取付部材に締結固定する第2締結部材を挿通するとともに、端部のブレードの主面に垂直な方向から見て第2締結部材を露出するための第2挿通孔部とを含む。
【0010】
この発明の第3の局面による基板搬送ロボットは、基板保持ハンドと、基板保持ハンドを移動させるアームと、を備え、基板保持ハンドは、フレームと、基板を各々支持する複数のブレードと、複数のブレードを支持するとともに、複数のブレードをフレームに取り付けるための取付部材と、を含み、複数のブレードは、ブレードの主面に垂直な方向に並ぶように配置されており、ブレードの主面に垂直な方向における端部に位置する端部のブレードを取付部材に取り付けた状態で、中間のブレードを取付部材から取り外し可能であり、端部のブレードは、端部のブレードを取付部材に締結固定する第1締結部材を挿通するための第1挿通孔部と、中間のブレードを取付部材に締結固定する第2締結部材を挿通するとともに、端部のブレードの主面に垂直な方向から見て第2締結部材を露出するための第2挿通孔部とを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上記のように、複数のブレードは、ブレードの主面に垂直な方向における端部に位置する端部のブレードを取付部材に取り付けた状態で、中間のブレード(端部のブレードに隣接するブレード)を取付部材から取り外し可能であることにより、複数のブレードを一括して取り外す必要がある場合と異なり、端部のブレードを取付部材に取り付けた状態で、中間のブレード(端部のブレードに隣接するブレード)を取付部材から取り外すことができるので、端部のブレードのレベル(水平状態)を維持した状態で、中間のブレード(端部のブレードに隣接するブレード)を取付部材から取り外して、中間のブレード(端部のブレードに隣接するブレード)に対する整備(メンテナンス)などの作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態による基板搬送ロボットの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による基板保持ハンドの構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による基板保持ハンドの構成を示す平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態によるブレードと取付部材との構成を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態によるブレードと取付部材との構成を説明するための側面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による取付部材からの中間のブレードの取り外しを説明するための側面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態による締結部材および工具を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施形態による取付部材からの端部のブレードの取り外しを説明するための側面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態による基板保持ハンドの構成を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第2実施形態によるブレードと取付部材との構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1~
図8を参照して、第1実施形態による基板搬送ロボット100の構成について説明する。
【0015】
図1に示すように、基板搬送ロボット100は、基板保持ハンド1と、基板保持ハンド1を移動させるアーム2と、を備えている。
図2~
図8に示すように、基板保持ハンド1は、フレーム10と、基板(半導体ウエハ)Wを各々支持する複数(4つ)のブレード20と、複数のブレード20を支持するとともに、複数のブレード20をフレーム10に取り付けるための取付部材30と、を備えている。複数(4つ)のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)に並ぶように配置されており、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)における端部に位置する端部のブレード20(1段目または4段目のブレード20)を取付部材30に取り付けた状態で、中間のブレード20(2段目または3段目のブレード20)を取付部材30から取り外し可能である。
【0016】
第1実施形態によれば、上記のように、複数のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)における端部に位置する端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外し可能であることにより、複数のブレード20を一括して取り外す必要がある場合と異なり、端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外すことができるので、端部のブレード20のレベル(水平状態)を維持した状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外して、中間のブレード20に対する整備などの作業を行うことができる。
【0017】
図3~
図8に示すように、端部のブレード20は、端部のブレード20を取付部材30に締結固定する締結部材41を挿通するための挿通孔部21と、中間のブレード20を取付部材30に締結固定する締結部材42を挿通するとともに、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)から見て締結部材42を露出するための挿通孔部22とを含んでいる。中間のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)から見て挿通孔部22を介して露出している締結部材42の頭部の6角穴42aに工具(6角レンチ)Tを挿入して挿通孔部22を介して取り外すことにより、締結部材41により端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、取付部材30から取り外し可能である。なお、締結部材41および42は、それぞれ、請求の範囲の「第1締結部材」および「第2締結部材」の一例である。また、挿通孔部21および22は、それぞれ、請求の範囲の「第1挿通孔部」および「第2挿通孔部」の一例である。
【0018】
挿通孔部22は、締結部材42を取り外すための工具(6角レンチ)Tを挿入可能な大きさを有する。
【0019】
挿通孔部22は、締結部材42を挿入可能な大きさを有する。
【0020】
締結部材41は、挿通孔部21に挿通した状態で露出している。端部のブレード20は、露出している締結部材41の頭部の6角穴41aに工具(6角レンチ)Tを挿入して取り外すことにより、締結部材42により中間のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、取付部材30から取り外し可能である。
【0021】
取付部材30は、端部のブレード20を支持する第1支持部31と、中間のブレード20を支持する第2支持部32と、を含んでいる。第1支持部31は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において挿通孔部21とオーバーラップする位置に配置されているとともに、挿通孔部21に挿通された締結部材41が締結される締結孔部31aと、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において挿通孔部22とオーバーラップする位置に配置されているとともに、挿通孔部22と共に締結部材42を挿通するための挿通孔部31bと、を有している。第2支持部32は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において挿通孔部22および挿通孔部31bとオーバーラップする位置に配置されているとともに、締結部材42が締結される締結孔部32aを有している。なお、締結孔部31a、挿通孔部31b、および、締結孔部32aは、それぞれ、請求の範囲の「第1締結孔部」、「第3挿通孔部」、および、「第2締結孔部」の一例である。
【0022】
第2支持部32は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)に隣接する中間のブレード20を共通に支持する。
【0023】
挿通孔部21は、一対の挿通孔部21を含んでいる。挿通孔部22は、一対の挿通孔部22を含んでいる。一対の挿通孔部21と一対の挿通孔部22とは、矩形状の角部に配置されているとともに、矩形の互いに異なる対角線上に配置されている。
【0024】
基板保持ハンド1は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において挿通孔部21とオーバーラップする位置に配置されているとともに、締結部材41を挿通するための挿通孔部51と、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において挿通孔部22とオーバーラップする位置に配置されているとともに、締結部材42を挿通するための挿通孔部52とを含むプレート50をさらに備えている。端部のブレード20は、プレート50を介して締結部材41により締結固定されている。
【0025】
複数のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)における一方側(Z1方向側)および他方側(Z2方向側)の両側において、端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外し可能である。
【0026】
中間のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において、端部のブレード20に隣接するブレード20である。
【0027】
図1に示すように、アーム2は、水平多関節ロボットアームである。アーム2は、第1アーム2aと、第2アーム2bとを含んでいる。第1アーム2aは、一方端部を回動中心として後述するベース3に対して回動可能に構成されている。具体的には、第1アーム2aの一方端部は、第1関節を介してベース3に回動可能に接続されている。第2アーム2bは、一方端部を回動中心として第1アーム2aに対して回動可能に構成されている。具体的には、第2アーム2bの一方端部は、第2関節を介して第1アーム2aの他方端部に回動可能に接続されている。また、第2アーム2bの他方端部には、第3関節を介して基板保持ハンド1が回動可能に接続されている。第1関節、第2関節および第3関節の各関節には、回転駆動の駆動源であるサーボモータと、サーボモータの出力軸の回転位置を検出する回転位置センサと、サーボモータの出力を関節に伝達する動力伝達機構とを含む駆動機構が設けられている。
【0028】
また、基板搬送ロボット100は、アーム2が取り付けられるベース3と、ベース3が取り付けられるアーム昇降機構4とをさらに備えている。ベース3は、一方端部が第1アーム2aの一方端部に接続されるとともに、他方端部がアーム昇降機構4に接続されるように構成されている。アーム昇降機構4は、ベース3を昇降させることにより、アーム2を昇降させるように構成されている。アーム昇降機構4は、昇降駆動の駆動源であるサーボモータと、サーボモータの出力軸の回転位置を検出する回転位置センサと、サーボモータの出力をベース3(アーム2)に伝達する動力伝達機構とを含んでいる。
【0029】
図2に示すように、基板保持ハンド1には、複数(4つ)のブレード20が設けられている。すなわち、基板保持ハンド1は、複数(4つ)の基板Wを搬送可能(保持可能)に構成されている。
【0030】
図2および
図3に示すように、基板保持ハンド1は、フレーム10と、ブレード20と、取付部材30とを備えている。フレーム10は、ブレード20を支持する支持体である。フレーム10は、一対の側壁部10aと、一対の側壁部10aを接続する基端部10bとを含んでいる。一対の側壁部10aは、ブレード20の後述する一対の前支持部23が並ぶ方向に平行な方向(X方向)に、壁面が対向するように、離間して設けられている。また、一対の側壁部10aは、一対の前支持部23が並ぶ方向に直交し、かつ、ブレード20の主面20aに平行な方向(Y方向)に延びるように設けられている。基端部10bは、一対の側壁部10aの各々の基端部(Y2方向側の部分)を接続している。基端部10bは、基端側(Y2方向側)に凸状に湾曲する形状を有している。一対の側壁部10aと、基端部10bとは、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)から見て、U字状をなすように設けられている。
【0031】
ブレード20は、基板Wを支持する薄板状の支持板である。ブレード20は、先端部20b側(Y1方向側)に設けられた前支持部23と、基端部20c側(Y2方向側)に設けられた後支持部24と、を有している。また、ブレード20は、先端部20b側が二股に分かれた形状を有している。ブレード20では、二股に分かれた部分の各々に、一対の前支持部23が振り分けて設けられている。一対の前支持部23は、互いに異なる高さに設けられた複数(2つ)の支持面を有している。また、一対の後支持部24は、一対の前支持部23の下側(Z2方向側)の支持面と略同じ高さに設けられた支持面を有している。なお、「高さ」とは、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)における、ブレード20の主面20aからの距離を意味している。
【0032】
一対の前支持部23と、一対の後支持部24とは、ブレード20の主面20a上に設けられている。一対の前支持部23と、一対の後支持部24との各支持面は、略円形状の基板Wの外周縁部の裏面(Z2方向側の面)を下側から支持するように構成されている。
【0033】
また、
図3および
図4に示すように、ブレード20は、挿通孔部21と挿通孔部22とが設けられ、取付部材30に取り付けられる固定部25をさらに有している。固定部25は、ブレード20の基端部20cに設けられている。また、固定部25は、一対の固定部25を含んでいる。一対の固定部25は、一対の前支持部23が並ぶ方向(X方向)において、一方側(X1方向側)および他方側(X2方向側)に設けられている。
【0034】
取付部材30は、一対の固定部25に対応するように、一対の取付部材30を含んでいる。一対の取付部材30は、フレーム10の側壁部10aに側方から取り付けられている。具体的には、X1方向側の取付部材30は、フレーム10のX1方向側の側壁部10aの先端部側の部分に、外側の側方(X1方向側)から取り付けられている。また、X1方向側の取付部材30には、複数のブレード20のX1方向側の固定部25が取り付けられている。また、X2方向側の取付部材30は、フレーム10のX2方向側の側壁部10aの先端部側の部分に、外側の側方(X2方向側)から取り付けられている。また、X2方向側の取付部材30には、複数のブレード20のX2方向側の固定部25が取り付けられている。
【0035】
また、
図4~
図6に示すように、取付部材30には、2つの第1支持部31と、1つの第2支持部32とが設けられている。第1支持部31と、第2支持部32とは、フレーム10側(Y2方向側)からブレード20の先端部20b側(Y1方向側)に向かって延びるように設けられている。また、2つの第1支持部31は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において、第2支持部32に対して一方側(Z1方向側)および他方側(Z2方向側)に設けられている。また、上側(Z1方向側)の第1支持部31は、上側(Z1方向側)の端部のブレード(1段目のブレード)20を上面側において支持している。また、下側(Z2方向側)の第1支持部31は、下側(Z2方向側)の端部のブレード(2段目のブレード)20を下面側において支持している。また、第2支持部32は、上面側および下面側の各々において、中間のブレード(2段目および3段目のブレード)20を支持している。
【0036】
図5および
図6に示すように、上側(Z1方向側)の中間のブレード(2段目のブレード)20を取付部材30から取り外す場合、上側(Z1方向側)から下側(Z2方向側)に向かって、工具Tが、上側(Z1方向側)の端部のブレード(1段目のブレード)20の挿通孔部22と、取付部材30の上側(Z1方向側)の第1支持部31の挿通孔部31bに挿入される。そして、取付部材30の第2支持部32の締結孔部32aに締結した状態の締結部材42の6角穴42aに工具Tの先端部が挿入される。なお、工具Tの挿通孔部22と挿通孔部31bとへの挿入前には、上側(Z1方向側)から見て、挿通孔部22と挿通孔部31bとを介して、締結部材42の頭部が工具Tによる取り外し操作が可能なように露出されている。
【0037】
そして、工具Tによる取り外し操作(締結部材42を緩めて締結孔部32aから取り外す操作)が行われた後、締結部材42が、挿通孔部22と挿通孔部31bとを介して、下側(Z2方向側)から上側(Z1方向側)に向かって、取り外される(取り出される)。そして、締結部材42による上側(Z1方向側)の中間のブレード20の取付部材30の第2支持部32への締結固定が解除された状態で、上側(Z1方向側)の中間のブレード20が引き抜かれるように移動される。その結果、上側(Z1方向側)の端部のブレード(1段目のブレード)20を取付部材30の上側(Z1方向側)の第1支持部31に取り付けた状態で、上側(Z1方向側)の中間のブレード(2段目のブレード)20が取付部材30の第2支持部32から取り外される。
【0038】
下側(Z2方向側)の中間のブレード(3段目のブレード)20を取付部材30から取り外す場合も同様の手順である。すなわち、下側(Z2方向側)から上側(Z1方向側)に向かって、工具Tが、下側(Z2方向側)の端部のブレード(4段目のブレード)20の挿通孔部22と、取付部材30の下側(Z2方向側)の第1支持部31の挿通孔部31bに挿入される。そして、取付部材30の第2支持部32の締結孔部32aに締結した状態の締結部材42の6角穴42aに工具Tの先端部が挿入される。なお、工具Tの挿通孔部22と挿通孔部31bとへの挿入前には、下側(Z2方向側)から見て、挿通孔部22と挿通孔部31bとを介して、締結部材42の頭部が工具Tによる取り外し操作が可能なように露出されている。
【0039】
そして、工具Tによる取り外し操作(締結部材42を緩めて締結孔部32aから取り外す操作)が行われた後、締結部材42が、挿通孔部22と挿通孔部31bとを介して、上側(Z1方向側)から下側(Z2方向側)に向かって、取り外される(取り出される)。そして、締結部材42による下側(Z2方向側)の中間のブレード20の取付部材30の第2支持部32への締結固定が解除された状態で、下側(Z2方向側)の中間のブレード20が引き抜かれるように移動される。その結果、下側(Z2方向側)の端部のブレード(4段目のブレード)20を取付部材30の下側(Z2方向側)の第1支持部31に取り付けた状態で、下側(Z2方向側)の中間のブレード(3段目のブレード)20が取付部材30の第2支持部32から取り外される。なお、2段目のブレード20と、3段目のブレード20とは、互いに独立して取り外し可能である。
【0040】
また、
図4~
図6に示すように、基板保持ハンド1は、プレート50に加えて、プレート61~63をさらに備えている。プレート50は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において、締結部材41の頭部と、端部のブレード20との間に挟まれるように配置されている。プレート61は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において、端部のブレード20と、取付部材30の第1支持部31との間に挟まれるように配置されている。プレート62は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において、締結部材42の頭部と、中間のブレード20との間に挟まれるように配置されている。プレート63は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)において、中間のブレード20と、取付部材30の第2支持部32との間に挟まれるように配置されている。詳細な説明は省略するが、各プレート61~63には、締結部材41または42を挿通するための挿通孔部が設けられている。
【0041】
図2および
図3に示すように、基板保持ハンド1は、基板Wを支持するための進退移動する可動支持ユニット71と、基板Wを押圧するための進退移動する第1可動押圧ユニット72および第2可動押圧ユニット73とをさらに備えている。可動支持ユニット71は、基板Wを支持する一対の支持部材71aと、一対の支持部材71aをY方向に進退移動させるためのアクチュエータとしてのエアシリンダ71bとを有している。可動支持ユニット71は、エアシリンダ71bにより、一対の支持部材71aをY1方向に前進させて、基板Wを支持する支持位置に配置させることが可能なように構成されている。また、可動支持ユニット71は、エアシリンダ71bにより、一対の支持部材71aをY2方向に後退させて、基板Wを支持しない退避位置に配置させることが可能なように構成されている。また、一対の支持部材71aは、一対の前支持部23の上側(Z1方向側)の支持面と略同じ高さに設けられた支持面を有している。一対の支持部材71aの各支持面は、略円形状の基板Wの外周縁部の裏面(Z2方向側の面)を下側から支持するように構成されている。
【0042】
第1可動押圧ユニット72は、基板Wを押圧する一対の押圧部材72aと、一対の押圧部材72aをY方向に進退移動させるためのアクチュエータとしてのエアシリンダ72bとを有している。第1可動押圧ユニット72は、エアシリンダ72bにより、一対の押圧部材72aをY1方向に前進させて、基板Wを押圧することが可能なように構成されている。また、第1可動押圧ユニット72は、エアシリンダ72bにより、一対の押圧部材72aをY2方向に後退させて、基板Wを押圧しない退避位置に配置させることが可能なように構成されている。
【0043】
第2可動押圧ユニット73は、基板Wを押圧する一対の押圧部材73aと、一対の押圧部材73aをY方向に進退移動させるためのアクチュエータとしてのエアシリンダ73bとを有している。第2可動押圧ユニット73は、エアシリンダ73bにより、一対の押圧部材73aをY1方向に前進させて、基板Wを押圧することが可能なように構成されている。また、第2可動押圧ユニット73は、エアシリンダ73bにより、一対の押圧部材73aをY2方向に後退させて、基板Wを押圧しない退避位置に配置させることが可能なように構成されている。
【0044】
基板保持ハンド1では、一対の前支持部23の上側(Z1方向側)の支持面と、可動支持ユニット71の一対の支持部材71aの支持面とは、処理後(洗浄後)の基板Wを支持する。そして、第1可動押圧ユニット72の一対の押圧部材72aは、一対の前支持部23の上側(Z1方向側)の支持面と、可動支持ユニット71の一対の支持部材71aの支持面とにより支持された、処理後(洗浄後)の基板Wを押圧する。
【0045】
また、基板保持ハンド1では、一対の前支持部23の下側(Z2方向側)の支持面と、一対の後支持部24の支持面とは、処理前(洗浄前)の基板Wを支持する。そして、第2可動押圧ユニット73の一対の押圧部材73aは、一対の前支持部23の下側(Z2方向側)の支持面と、一対の後支持部24の支持面とにより支持された、処理前(洗浄前)の基板Wを押圧する。一対の前支持部23と、一対の後支持部24と、可動支持ユニット71と、第1可動押圧ユニット72と、第2可動押圧ユニット73とは、処理前(洗浄前)の基板Wと処理後(洗浄後)の基板Wとで使い分けられる。
【0046】
また、可動支持ユニット71のエアシリンダ71bと、第1可動押圧ユニット72のエアシリンダ72bと、第2可動押圧ユニット73のエアシリンダ73bとは、フレーム10の内側に配置されている。また、可動支持ユニット71のエアシリンダ71bと、第1可動押圧ユニット72のエアシリンダ72bと、第2可動押圧ユニット73のエアシリンダ73bとは、フレーム10の内側において、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)に並んで配置されている。具体的には、可動支持ユニット71のエアシリンダ71bと、第1可動押圧ユニット72のエアシリンダ72bと、第2可動押圧ユニット73のエアシリンダ73bとは、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)から見て、オーバーラップするように設けられている。これにより、エアシリンダ71b、72bおよび73bがフレーム10の幅方向(X方向)に並んで配置されないので、エアシリンダ71b、72bおよび73bをフレーム10の幅方向(X方向)にコンパクトに配置可能である。
【0047】
また、基板保持ハンド1は、フレーム10とは別個に設けられたカバー(ケーシング)80(
図2参照)をさらに備えている。カバー80は、フレーム10と、可動支持ユニット71、第1可動押圧ユニット72および第2可動押圧ユニット73の一部(フレーム10の内側に配置された部分)とを覆うように設けられている。
【0048】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0049】
第1実施形態では、上記のように、複数のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向における端部に位置する端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外し可能であることにより、複数のブレード20を一括して取り外す必要がある場合と異なり、端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外すことができるので、端部のブレード20のレベル(水平状態)を維持した状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外して、中間のブレード20に対する整備(メンテナンス)などの作業を行うことができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、端部のブレード20は、端部のブレード20を取付部材30に締結固定する締結部材41を挿通するための挿通孔部21と、中間のブレード20を取付部材30に締結固定する締結部材42を挿通するとともに、ブレード20の主面20aに垂直な方向から見て締結部材42を露出するための挿通孔部22とを含む。また、中間のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向から見て挿通孔部22を介して露出している締結部材42を挿通孔部22を介して取り外すことにより、締結部材41により端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、取付部材30から取り外し可能である。これにより、締結部材42を挿通孔部22を介して取り外すだけで、中間のブレード20を取付部材30から簡単に取り外すことができるので、中間のブレード20に対する整備などの作業を簡単に行うことができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、挿通孔部22は、締結部材42を取り外すための工具Tを挿入可能な大きさを有する。これにより、挿通孔部22に締結部材42を取り外すための工具Tを容易に挿入することができるので、挿通孔部22に挿入した工具Tにより締結部材42を容易に取り外すことができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、挿通孔部22は、締結部材42を挿入可能な大きさを有する。これにより、中間のブレード20の取付部材30への取り付け時に、挿通孔部22に締結部材42を容易に挿入することができる。また、中間のブレード20の取付部材30からの取り外し時に、挿通孔部22から締結部材42を容易に取り出すことができる。これらの結果、中間のブレード20の取付部材30への取り付けおよび中間のブレード20の取付部材30からの取り外しを容易に行うことができる。
【0053】
また、第1実施形態では、上記のように、締結部材41は、挿通孔部21に挿通した状態で露出している。また、端部のブレード20は、露出している締結部材41を取り外すことにより、締結部材42により中間のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、取付部材30から取り外し可能である。これにより、中間のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、端部のブレード20を取付部材30から取り外すことができるので、中間のブレード20のレベル(水平状態)を維持した状態で、端部のブレード20を取付部材30から取り外して、端部のブレード20に対する整備などの作業を行うことができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、取付部材30は、端部のブレード20を支持する第1支持部31と、中間のブレード20を支持する第2支持部32と、を含む。また、第1支持部31は、ブレード20の主面20aに垂直な方向において挿通孔部21とオーバーラップする位置に配置されているとともに、挿通孔部21に挿通された締結部材41が締結される締結孔部31aと、ブレード20の主面20aに垂直な方向において挿通孔部22とオーバーラップする位置に配置されているとともに、挿通孔部22と共に締結部材42を挿通するための挿通孔部31bと、を有する。また、第2支持部32は、ブレード20の主面20aに垂直な方向において挿通孔部22および挿通孔部31bとオーバーラップする位置に配置されているとともに、締結部材42が締結される締結孔部32aを有する。これにより、挿通孔部22と挿通孔部31bとを介して締結部材42を取り外すことができるので、端部のブレード20を取付部材30の第1支持部31に取り付けた状態で、中間のブレード20を取付部材30の第2支持部32から取り外すことができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、第2支持部32は、ブレード20の主面20aに垂直な方向に隣接する中間のブレード20を共通に支持する。これにより、ブレード20の主面20aに垂直な方向に隣接する中間のブレード20を支持する支持部が中間のブレード20毎に個別に設けられている場合と異なり、中間のブレード20の各々に対して支持部を設ける必要がないので、取付部材30の構造を簡素化することができる。
【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、挿通孔部21は、一対の挿通孔部21を含む。また、挿通孔部22は、一対の挿通孔部22を含む。また、一対の挿通孔部21と一対の挿通孔部22とは、矩形状の角部に配置されているとともに、矩形の互いに異なる対角線上に配置されている。これにより、一対の挿通孔部21に対応する一対の締結部材41と、一対の挿通孔部22に対応する一対の締結部材42とを、矩形状の角部に配置するとともに、矩形の互いに異なる対角線上に配置して、端部のブレード20と中間のブレード20とを取付部材30に締結固定することができるので、端部のブレード20と中間のブレード20とをバランスよく締結固定することができる。
【0057】
また、第1実施形態では、上記のように、基板保持ハンド1は、ブレード20の主面20aに垂直な方向において挿通孔部21とオーバーラップする位置に配置されているとともに、締結部材41を挿通するための挿通孔部51と、ブレード20の主面20aに垂直な方向において挿通孔部22とオーバーラップする位置に配置されているとともに、締結部材42を挿通するための挿通孔部52とを含むプレート50をさらに備える。また、端部のブレード20は、プレート50を介して締結部材41により締結固定されている。これにより、端部のブレード20をプレート50を介して締結部材41により締結固定することができるので、締結部材41の締結固定する力が端部のブレード20に直接加わることを抑制することができる。また端部のブレード20をプレート50を介して締結部材41により締結固定する場合にも、挿通孔部22と挿通孔部52とを介して締結部材42を取り外すことができるので、端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外すことができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、複数のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向における一方側および他方側の両側において、端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外し可能である。これにより、ブレード20の主面20aに垂直な方向における一方側および他方側のいずれにおいても、端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、中間のブレード20を取付部材30から取り外すことができるので、中間のブレード20に対する整備などの作業をより容易に行うことができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、中間のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向において、端部のブレード20に隣接するブレード20である。これにより、端部のブレード20を取付部材30に取り付けた状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材30から取り外すことができるので、端部のブレード20のレベル(水平状態)を維持した状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材30から取り外して、端部のブレード20に隣接するブレード20に対する整備などの作業を行うことができる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、
図9および
図10を参照して、第2実施形態による基板保持ハンド101の構成について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0061】
図9に示すように、基板保持ハンド101は、フレーム10と、基板Wを各々支持する複数(2つ)のブレード20と、複数のブレード20を支持するとともに、複数のブレード20をフレーム10に取り付けるための取付部材130と、を備えている。複数(2つ)のブレード20は、複数のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)に並ぶように配置されており、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)における端部に位置する端部のブレード20(1段目のブレード20)と、端部のブレード20に隣接するブレード20(2段目のブレード20)とを、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)における同一側(Z1方向側、上側)から取り外し可能であるとともに、端部のブレード20を取付部材130に取り付けた状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130から取り外し可能である。
【0062】
第2実施形態によれば、上記のように、複数のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)における端部に位置する端部のブレード20を取付部材130に取り付けた状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130から取り外し可能であることにより、複数のブレード20を一括して取り外す必要がある場合と異なり、端部のブレード20を取付部材130に取り付けた状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130から取り外すことができるので、端部のブレード20のレベル(水平状態)を維持した状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130から取り外して、端部のブレード20に隣接するブレード20に対する整備などの作業を行うことができる。
【0063】
図10に示すように、端部のブレード20は、端部のブレード20を取付部材130に締結固定する締結部材41を挿通するための挿通孔部21と、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130に締結固定する締結部材42を挿通するとともに、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)から見て締結部材42を露出するための挿通孔部22とを含んでいる。端部のブレード20に隣接するブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向(Z方向)から見て挿通孔部22を介して露出している締結部材42の頭部の6角穴42aに工具(6角レンチ)Tを挿入して挿通孔部22を介して取り外すことにより、締結部材41により端部のブレード20を取付部材130に取り付けた状態で、取付部材130から取り外し可能である。
【0064】
図9および
図10に示すように、基板保持ハンド101には、複数(2つ)のブレード20が設けられている。すなわち、基板保持ハンド101は、複数(2つ)の基板Wを搬送可能(保持可能)に構成されている。
【0065】
端部のブレード(1段目のブレード)20に隣接するブレード(2段目のブレード)20を取付部材130から取り外す手順は、上記第1実施形態と同様である。すなわち、上側(Z1方向側)から下側(Z2方向側)に向かって、工具Tが、端部のブレード(1段目のブレード)20の挿通孔部22と、取付部材130の第1支持部31の挿通孔部31bに挿入される。そして、取付部材130の第2支持部32の締結孔部32aに締結した状態の締結部材42の6角穴42aに工具Tの先端部が挿入される。なお、工具Tの挿通孔部22と挿通孔部31bとへの挿入前には、上側(Z1方向側)から見て、挿通孔部22と挿通孔部31bとを介して、締結部材42の頭部が工具Tによる取り外し操作が可能なように露出されている。
【0066】
そして、工具Tによる取り外し操作(締結部材42を緩めて締結孔部32aから取り外す操作)が行われた後、締結部材42が、挿通孔部22と挿通孔部31bとを介して、した側(Z2方向側)から上側(Z1方向側)に向かって、取り外される(取り出される)。そして、締結部材42による端部のブレード20に隣接するブレード20の取付部材130の第2支持部32への締結固定が解除された状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20が引き抜かれるように移動される。その結果、端部のブレード(1段目のブレード)20を取付部材130の第1支持部31に取り付けた状態で、端部のブレード20に隣接するブレード(2段目のブレード)20が取付部材130の第2支持部32から取り外される。
【0067】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0068】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0069】
第2実施形態では、上記のように、複数のブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向における端部に位置する端部のブレード20を取付部材130に取り付けた状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130から取り外し可能であることにより、複数のブレード20を一括して取り外す必要がある場合と異なり、端部のブレード20を取付部材130に取り付けた状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130から取り外すことができるので、端部のブレード20のレベル(水平状態)を維持した状態で、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130から取り外して、端部のブレード20に隣接するブレード20に対する整備などの作業を行うことができる。
【0070】
また、第2実施形態では、上記のように、端部のブレード20は、端部のブレード20を取付部材130に締結固定する締結部材41を挿通するための挿通孔部21と端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130に締結固定する締結部材42を挿通するとともに、ブレード20の主面20aに垂直な方向から見て締結部材42を露出するための挿通孔部22とを含む。また、端部のブレード20に隣接するブレード20は、ブレード20の主面20aに垂直な方向から見て挿通孔部22を介して露出している締結部材42を挿通孔部22を介して取り外すことにより、締結部材41により端部のブレード20を取付部材130に取り付けた状態で、取付部材130から取り外し可能である。これにより、締結部材42を挿通孔部22を介して取り外すだけで、端部のブレード20に隣接するブレード20を取付部材130から簡単に取り外すことができるので、端部のブレード20に隣接するブレード20に対する整備などの作業を簡単に行うことができる。
【0071】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0072】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0073】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、アームが、水平多関節ロボットアームである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、アームが、垂直多関節ロボットアームなどの水平多関節ロボットアーム以外のアームであってもよい。
【0074】
また、上記第1実施形態では、基板保持ハンドに、4つのブレードが設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、基板保持ハンドに、4つ以外の複数のブレードが設けられていてもよい。
【0075】
また、上記第1および第2実施形態では、ブレードが、二股に分かれた形状を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ブレードが、二股に分かれた形状以外の形状を有していてもよい。
【0076】
また、上記第1および第2実施形態では、ブレードが、互いに異なる高さで2つの基板を支持可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ブレードが、1つの基板のみを支持可能(1つの高さでのみ基板を支持可能)に構成されていてもよい。
【0077】
また、上記第1および第2実施形態では、可動支持ユニットが設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、可動支持ユニットが設けられていなくてもよい。
【0078】
また、上記第1および第2実施形態では、可動支持ユニットが一対の支持部材を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、可動支持ユニットが1つの支持部材を含んでいてもよい。
【0079】
また、上記第1および第2実施形態では、第1可動押圧ユニットと第2可動押圧ユニットとの2つの押圧ユニットが設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、可動押圧ユニットが1つのみ設けられていてもよい。
【0080】
また、上記第1および第2実施形態では、可動押圧ユニットが一対の押圧部材を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、可動押圧ユニットが1つの押圧部材のみを含んでいてもよい。
【0081】
また、上記第1実施形態では、中間のブレードが、ブレードの主面に垂直な方向において、端部のブレードに隣接するブレード(1つ隣りのブレード)である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、中間のブレードが、ブレードの主面に垂直な方向において、端部のブレードに隣接するブレード(1つ隣りのブレード)と、2つ以上隣りのブレードとを含んでいてもよい。すなわち、1つ隣りブレードと2つ以上隣りのブレードとの各々が、ブレードの主面に垂直な方向の同一側(たとえば、上側)から、端部のブレードを取付部材に取り付けた状態で、取り外し可能であってもよい。
【0082】
また、上記第1実施形態では、取付部材が、ブレードの主面に垂直な方向に隣接する中間のブレードを共通に支持する第2支持部を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、取付部材が、中間のブレードを各々支持する複数の第2支持部を含んでいてもよい。
【0083】
また、上記第1および第2実施形態では、端部のブレードを締結固定する締結部材(第1締結部材)を挿通するための挿通孔部(第1挿通孔部)と、中間のブレードを締結固定する締結部材(第2締結部材)を挿通するための挿通孔部(第2挿通孔部)とが、一対(2つ)ずつ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1挿通孔部(第1締結部材)および第2挿通孔部(第2締結部材)が、1つまたは3つ以上設けられていてもよい。
【0084】
また、上記第1および第2実施形態では、端部のブレードが、プレートを介して締結部材により締結固定されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、端部のブレードが、プレートを介さずに締結部材により締結固定されていてもよい。
【0085】
また、上記第1実施形態では、複数のブレードが、ブレードの主面に垂直な方向における一方側および他方側の両側において、端部のブレードを取付部材に取り付けた状態で、中間のブレードを取付部材から取り外し可能である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数のブレードが、ブレードの主面に垂直な方向における一方側および他方側のいずれか一方のみにおいて、端部のブレードを取付部材に取り付けた状態で、中間のブレードを取付部材から取り外し可能であってもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 基板保持ハンド
2 アーム
10 フレーム
20 ブレード
20a 主面
21 挿通孔部(第1挿通孔部)
22 挿通孔部(第2挿通孔部)
30、130 取付部材
31 第1支持部
31a 締結孔部(第1締結孔部)
31b 挿通孔部(第3挿通孔部)
32 第2支持部
32a 締結孔部(第2締結孔部)
41 締結部材(第1締結部材)
42 締結部材(第2締結部材)
50 プレート
51 挿通孔部(第4挿通孔部)
52 挿通孔部(第5挿通孔部)
100 基板搬送ロボット
W 基板