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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20240710BHJP
【FI】
F16K31/04 K
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022567485
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 CN2021089387
(87)【国際公開番号】W WO2021253984
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】202021130734.9
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 少軍
(72)【発明者】
【氏名】徐 冠軍
(72)【発明者】
【氏名】楼 金強
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102252121(CN,A)
【文献】中国実用新案第207213207(CN,U)
【文献】国際公開第2020/083065(WO,A1)
【文献】特開2003-207065(JP,A)
【文献】特開2011-021749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ロータ(10)と、
少なくとも一部が前記磁気ロータ(10)内に固定して設けられており、第1係合孔(21)を有し、射出成形構造である接続部材(20)と、
前記接続部材(20)に当該制限部材(30)及び前記接続部材(20)の周方向における制限がされるように係合され、前記第1係合孔(21)に対応して設けられた第2係合孔(31)を有する制限部材(30)と、
前記第1係合孔(21)を通過し、且つ前記第2係合孔(31)の内壁に固定接続されるスクリュ(40)と、
前記制限部材(30)に固定接続されて、前記磁気ロータ(10)の軸方向に沿って前記磁気ロータ(10)内に延在する移動ガイド軸(50)と、を含む、電子膨張弁。
【請求項2】
前記移動ガイド軸(50)と前記制限部材(30)とは一体構造である、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記接続部材(20)は、ポリエーテル系プラスチックより作製される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記接続部材(20)は、板体(22)及び前記板体(22)に設けられたカム(23)を含み、前記第1係合孔(21)は前記板体(22)に位置し、前記カム(23)と前記制限部材(30)とが前記制限部材(30)及び前記接続部材(20)の周方向における制限がされるように係合される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記カム(23)は制限溝(24)を有し、前記制限部材(30)の少なくとも一部が前記制限溝(24)内に設けられ、前記制限部材(30)の外周面は前記制限溝(24)の内周面に前記制限部材(30)及び前記接続部材(20)の周方向における制限がされるように係合される、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記制限部材(30)の外周面は、複数の平面及び/又は円弧面からなり、前記制限溝(24)の内周面の形状と前記制限部材(30)の外周面の形状とがマッチングしている、請求項5に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記制限部材(30)と前記制限溝(24)とは、インターフェアランスフィットされる、請求項5に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記板体(22)に捨て孔(25)を有し、前記移動ガイド軸(50)が前記捨て孔(25)を通過する、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記スクリュ(40)が前記第2係合孔(31)を通過し、前記スクリュ(40)の外壁は前記第2係合孔(31)の内壁に溶接される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記接続部材(20)の外周面は、複数の平面及び/又は円弧面からなり、前記磁気ロータ(10)の内壁に環状凹溝を有し、前記接続部材(20)の周縁が前記環状凹溝内に設けられており、前記環状凹溝の環状底壁と前記接続部材(20)の外周面の形状とがマッチングしている、請求項1に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は電子膨張弁の技術分野に関し、具体的には、電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子膨張弁における磁気ロータ及びスクリュに係合される接続部材は、通常、粉末冶金構造であり、このようなプロセスのコストは比較的高い。また、粉末冶金材の特性上、他の部品と溶接する場合、接続部材の溶接位置が黒くなり、溶接強度が不十分で、溶接品質を把握することが難しい。従って、電子膨張弁を最適化して、コストダウンし、品質を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本出願は、電子膨張弁の製造コストを低減させるための電子膨張弁を提供する。
【0004】
上記の目的を実現するために、本出願は、磁気ロータと、少なくとも一部が磁気ロータ内に固定して設けられており、第1係合孔を有し、射出成形構造である接続部材と、接続部材に制限係合され、第1係合孔に対応して設けられた第2係合孔を有する制限部材と、第1係合孔を通過し、且つ第2係合孔の内壁に固定接続されるスクリュと、制限部材に固定接続されて、磁気ロータの軸方向に沿って磁気ロータ内に延在する移動ガイド軸と、を含む電子膨張弁を提供する。
【0005】
更に、移動ガイド軸と制限部材とは一体構造である。
【0006】
更に、接続部材は、ポリエーテル系プラスチックより作製される。
【0007】
更に、接続部材は、板体及び板体に設けられたカムを含み、第1係合孔は板体に位置し、カムと制限部材とが制限係合される。
【0008】
更に、カムは制限溝を有し、制限部材の少なくとも一部が制限溝内に設けられ、制限部材の外周面は制限溝の内周面に制限係合される。
【0009】
更に、制限部材の外周面は、複数の平面及び/又は円弧面からなり、制限溝の内周面の形状と制限部材の外周面の形状とがマッチングしている。
【0010】
更に、制限部材と制限溝とは、インターフェアランスフィットされる。
【0011】
更に、板体に捨て孔を有し、移動ガイド軸が捨て孔を通過する。
【0012】
更に、スクリュが第2係合孔を通過し、スクリュの外壁は第2係合孔の内壁に溶接される。
【0013】
更に、接続部材の外周面は、複数の平面及び/又は円弧面からなり、磁気ロータの内壁に環状凹溝を有し、接続部材の周縁が環状凹溝内に設けられており、環状凹溝の環状底壁と接続部材の外周面の形状とがマッチングしている。
【0014】
本出願の技術態様を適用すると、磁気ロータと、少なくとも一部が磁気ロータ内に固定して設けられており、第1係合孔を有し、射出成形構造である接続部材と、接続部材に制限係合され、第1係合孔に対応して設けられた第2係合孔を有する制限部材と、第1係合孔を通過し、且つ第2係合孔の内壁に固定接続されるスクリュと、制限部材に固定接続されて、磁気ロータの軸方向に沿って磁気ロータ内に延在する移動ガイド軸と、を含む電子膨張弁を提供する。この態様を採用すると、接続部材は射出成形構造であり、且つ接続部材と制限部材とが制限係合され、従来の粉末冶金構造の接続部材と比較して、単一部品の製造コストを低減させることができ、且つ接続部材と制限部材とを溶接する必要がないため、組み立てのコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は本出願を解釈するためのもので、本出願を不当に限定するものではない。
【0016】
図1】本出願の実施例で提供される電子膨張弁の構造模式図を示す。
図2図1における電子膨張弁の別の模式図を示す。
図3図1における部分構造の模式図を示す。
図4図1における接続部材の模式図を示す。
図5図1における制限部材及び移動ガイド軸の模式図を示す。
【0017】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 磁気ロータ、20 接続部材、21 第1係合孔、22 板体、23 カム、24 制限溝、25 捨て孔、30 制限部材、31 第2係合孔、40 スクリュ、50 移動ガイド軸。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様について明確且つ完全に説明する。説明した実施例は、本出願の実施例の一部にすぎず、実施例の全部ではないことは明らかである。以下の少なくとも1つの例示的な実施例に対する説明は、実際には単なる例示であり、本出願及びその適用又は使用に対するいかなる制限とされるものではない。当業者が、本出願における実施例に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0019】
図面に示すように、本出願の実施例は、磁気ロータ10と、少なくとも一部が磁気ロータ10内に固定して設けられており、第1係合孔21を有し、射出成形構造である接続部材20と、接続部材20に制限係合され、第1係合孔21に対応して設けられた第2係合孔31を有する制限部材30と、第1係合孔21を通過し、且つ第2係合孔31の内壁に固定接続されるスクリュ40と、制限部材30に固定接続されて、磁気ロータ10の軸方向に沿って磁気ロータ10内に延在する移動ガイド軸50と、を含む電子膨張弁を提供する。
【0020】
本出願の技術態様を適用すると、磁気ロータ10と、少なくとも一部が磁気ロータ10内に固定して設けられており、第1係合孔21を有し、射出成形構造である接続部材20と、接続部材20に制限係合され、第1係合孔21に対応して設けられた第2係合孔31を有する制限部材30と、第1係合孔21を通過し、且つ第2係合孔31の内壁に固定接続されるスクリュ40と、制限部材30に固定接続されて、磁気ロータ10の軸方向に沿って磁気ロータ10内に延在する移動ガイド軸50と、を含む電子膨張弁を提供する。この態様を採用すると、接続部材20は射出成形構造であり、且つ接続部材20と制限部材30とが制限係合され、従来の粉末冶金構造の接続部材20と比較して、単一部品の製造コストを低減させることができ、且つ接続部材20と制限部材30とを溶接する必要がないため、組み立てのコストを低減させることができる。
【0021】
本実施例において、移動ガイド軸50と制限部材30とは一体構造である。これにより、部品数を減少させることができ、加工が容易になる。
【0022】
本実施例において、接続部材20は、ポリエーテル系プラスチックより作製される。このような材料を採用すると、強度が高く、コストが低い。
【0023】
本実施例において、接続部材20は、板体22及び板体22に設けられたカム23を含み、第1係合孔21は板体22に位置し、カム23は制限部材30に制限係合される。これにより、接続部材20と制限部材30とを容易に係合することができる。
【0024】
選択的に、スクリュ40を容易に挿入させるために、第1係合孔21の下端の周縁に面取りを有する。
【0025】
選択的に、板体22は、第1係合孔21と連通し、直径が第1係合孔21の直径より大きく、第1係合孔21と制限部材30との間に位置する第3係合孔を有する。スクリュ40と制限部材30との溶接を容易にするために、第3係合孔に溶接材料を入れることができる。
【0026】
具体的には、カム23は制限溝24を有し、制限部材30の少なくとも一部が制限溝24内に設けられ、制限部材30の外周面は制限溝24の内周面に制限係合される。上記の設計により、制限部材30及び接続部材20の周方向における制限を実現することができる。
【0027】
本実施例において、制限部材30の外周面は、複数の平面及び/又は円弧面からなり、制限溝24の内周面の形状と制限部材30の外周面の形状とがマッチングしている。上記の設計により、制限部材30及び接続部材20の周方向における制限を容易に実現して、両者が周方向において相対的に移動することを防止することができる。
【0028】
本実施例において、制限部材30と制限溝24とは、インターフェアランスフィットされる。具体的には、制限部材30は、押圧装着により制限溝24内に組み立てることができるので、プロセスが簡単で、操作が容易であり、生産コストが低い。
【0029】
本実施例において、板体22に捨て孔25を有し、移動ガイド軸50が捨て孔25を通過する。捨て孔25により材料の使用量を減らすことができ、且つ移動ガイド軸50を回避することができる。
【0030】
本実施例において、スクリュ40が第2係合孔31を通過し、スクリュ40の外壁は第2係合孔31の内壁に溶接される。これにより、スクリュ40と制限部材30との確実な固定を実現することができる。また、これにより、スクリュ40を接続部材20に固定接続せず、制限部材30と接続部材20とを溶接しなくても、三者の確実な固定を実現することができ、組み立てが容易になる。
【0031】
選択的に、スクリュ40は、互いに接続された第1ロッドセグメント及び第2ロッドセグメントを含み、第1ロッドセグメントの直径が第2ロッドセグメントの直径より小さく、第1ロッドセグメントが第1係合孔21及び第2係合孔31を通過し、第1ロッドセグメントと第2ロッドセグメントとの間の段差が接続部材20に当接して、両者の軸方向における制限及び位置決めを実現する。
【0032】
本実施例において、接続部材20の外周面は、複数の平面及び/又は円弧面からなり、磁気ロータ10の内壁に環状凹溝を有し、接続部材20の周縁が環状凹溝内に設けられており、環状凹溝の環状底壁と接続部材20の外周面の形状とがマッチングしている。上記の設計を採用することにより、接続部材20と磁気ロータ10との確実な接続を実現し、且つ両者が周方向において相対的に移動することを回避することができる。
【0033】
本出願は、磁気ロータ10と、少なくとも一部が磁気ロータ10内に固定して設けられており、第1係合孔21を有し、射出成形構造である接続部材20と、接続部材20に制限係合され、第1係合孔21に対応して設けられた第2係合孔31を有する制限部材30と、第1係合孔21を通過し、且つ第2係合孔31の内壁に固定接続されるスクリュ40と、制限部材30に固定接続されて、磁気ロータ10の軸方向に沿って磁気ロータ10内に延在する移動ガイド軸50と、を含む電子膨張弁を提供する。この態様を採用すると、接続部材20は射出成形構造であり、且つ接続部材20と制限部材30とが制限係合され、従来の粉末冶金構造の接続部材20と比較して、単一部品の製造コストを低減させることができ、且つ接続部材20と制限部材30とを溶接する必要がないため、組み立てのコストを低減させることができる。
【0034】
以上の説明は本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するためのものではなく、当業者は本出願に対して各種の修正及び変更を行ってもよい。本出願の趣旨及び原則内でなされた如何なる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5