(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】空中走行型自動搬送車システム、自動搬送車および移動キット
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240710BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240710BHJP
B61B 13/00 20060101ALI20240710BHJP
B60L 15/20 20060101ALN20240710BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
H01L21/68 A
B61B13/00 A
B61B13/00 U
B61B13/00 P
B60L15/20 J
(21)【出願番号】P 2023004492
(22)【出願日】2023-01-16
【審査請求日】2023-01-16
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517224908
【氏名又は名称】盟立自動化股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 彦文
(72)【発明者】
【氏名】黄 政毅
(72)【発明者】
【氏名】鍾 全銘
(72)【発明者】
【氏名】羅 正澄
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-131985(JP,A)
【文献】特開2005-297683(JP,A)
【文献】特開2021-185353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
H01L 21/677
B61B 13/00 - 13/12
B60L 15/00 - 15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の直線下側レール、複数の上側レール群、及び少なくとも1つの自動搬送車を備える、空中走行型自動搬送車システムであって、
前記複数の直線下側レールは、工場の天井付近に互いに並んで配置され、そのうち、同じ側にある2つの前記直線下側レールの端部は分岐間隔を形成するように互いに離間して配置され、当該端部はそれぞれカーブ下側レールに接続されており、複数の前記直線下側レールには少なくとも1つの前記分岐間隔が形成され、
前記上側レール群は、直線上側レール及びカーブ上側レールを有し、前記上側レール群は、直線上側レールおよびカーブ上側レールを備え、各前記上側レール群は、前記分岐間隔の1つに隣接して設けられ、前記カーブ上側レールは、前記分岐間隔を形成する前記直線下側レールの1つが接続される前記カーブ下側レールの上方に位置し、
前記自動搬送車は、搬送対象物を載置するための車両フレームと、前記車両フレームに設けられる少なくとも1つの移動キットと、を含み、
前記移動キットは、
制御モジュールと、
少なくとも1つの本体部と、
それぞれが前記本体部の下端に隣接するように前記本体部における反対となる側に配置され、それぞれが少なくとも1つの駆動輪を有し、前記制御モジュールの制御によって前記直線下側レールで移動する少なくとも2つの駆動輪群と、
前記制御モジュールに電気的に接続される2つのスイッチングモジュールと、
それぞれが前記本体部の上端に位置するように前記スイッチングモジュールの1つに接続される、少なくとも2つの上側案内輪と、
を含み、
前記各上側案内輪は前記カーブ上側レールまたは前記直線上側レールに対して当接され、前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪が前記本体部に対して傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるようにそれぞれの前記スイッチングモジュールを制御し得、
前記制御モジュールは、運転情報を受信することができ、前記制御モジュールが、前記運転情報に基づいて、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過しようとしていると判断すると、対応する前記上側案内輪が前記傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるように移動することを促すように、前記制御モジュールは、前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御
し、
同一の前記上側レール群において、前記直線下側レールが位置する平面から前記直線上側レールの下縁部までの距離は、前記カーブ上側レールの下縁部までの距離に、等しくない、
ことを特徴とする、空中走行型自動搬送車システム。
【請求項2】
前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪が前記傾斜路に沿って前記本体部に近い下側位置と前記本体部から離れた上側位置との間で移動するように、前記各スイッチングモジュールを制御可能であり、前記上側位置または前記下側位置にある前記上側案内輪の一方が前記カーブ上側レールの1つまたは前記直線上側レールの1つに当接すると、前記本体部が傾斜し、前記駆動輪の一方は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールに接触しない、
請求項
1に記載の空中走行型自動搬送車システム。
【請求項3】
前記制御モジュールは、前記運転情報に従って、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過する前に、対応する前記上側案内輪の少なくとも1つを前記上側位置または前記下側位置に移動するように前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御し、
前記移動キットは、少なくとも2つの下側案内輪をさらに含み、前記下側案内輪の一方は前記駆動輪の一方に隣接して設置され、前記下側案内輪の他方は前記駆動輪の他方に隣接して設置され、
前記自動搬送車が前記上側レール群を通過する間に、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールに接触しない前記駆動輪は、前記分岐間隔またはレール間隔を横断でき、
前記レール間隔は、並んで設置されている2つの前記直線下側レールで形成されるか、あるいは、1つの前記直線下側レールと1つの前記カーブ下側レールで形成され、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過する間、一方の前記駆動輪とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールと接触せず、他方の前記駆動輪とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールと接触する、
請求項
2に記載の空中走行型自動搬送車システム。
【請求項4】
前記制御モジュールは前記運転情報に基づいて、前記自動搬送車がデフォルトの主運動経路に沿って移動すると判断した場合、前記自動搬送車が前記デフォルトの主運動経路に沿って移動する前に、前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪の少なくとも1つが前記上側位置または前記下側位置の一方に位置するように前記スイッチングモジュールを制御するとともに、前記自動搬送車が前記デフォルトの主運動経路に沿って移動する間に、前記制御モジュールは、前記スイッチングモジュールを制御しなくなり、
前記自動搬送車が前記デフォルトの主運動経路に沿って移動する間に、前記自動搬送車は、少なくとも1つの前記分岐間隔及び少なくとも1つの前記上側レール群を通過する、
請求項
3に記載の空中走行型自動搬送車システム。
【請求項5】
前記デフォルトの主運動経路は、直線、旋回後直線、または直線後旋回であり、
前記デフォルトの主運動経路が直線である場合、前記自動搬送車が連続的に旋回する中に、前記制御モジュールは、位置を変更するために前記上側案内輪を制御せず、
前記デフォルトの主運動経路が直線である場合、前記制御モジュールは、前記自動搬送車が前記上側レール群に沿った旋回を行う前に、前記上側案内輪の少なくとも1つを位置変更するように制御する、
請求項
4に記載の空中走行型自動搬送車システム。
【請求項6】
前記移動キットは、案内輪移動装置をさらに備え、前記案内輪移動装置は、駆動ユニットと2つの連動組立体とを備え、前記案内輪移動装置は前記本体部に設けられ、前記駆動ユニットは前記制御モジュールに電気的に接続され、各前記連動組立体の一端は前記駆動ユニットに接続され、各前記連動組立体の他端は前記スイッチングモジュールの1つに接続され、
前記制御モジュールは、2つの前記連動組立体が2つの前記スイッチングモジュールを駆動することによって、前記上側案内輪のそれぞれを前記傾斜路に沿って、前記本体部に近づけるか、または前記本体部から遠ざけるように、前記駆動ユニットを制御することが可能である、
請求項1に記載の空中走行型自動搬送車システム。
【請求項7】
前記空中走行型自動搬送車システムは、複数の識別ユニットをさらに備え、前記識別ユニットの各々は、前記直線下側レールの1つに設けられ、または、代わりに、前記識別ユニットの各々は、前記直線下側レールの1つに隣接して設けられ、
前記自動搬送車が、少なくとも1つのセンサーをさらに備え、前記センサーは、前記識別ユニットを感知することで位置情報を生成することが可能であり、
前記制御モジュールは、前記運転情報及び前記位置情報に基づいて、前記自動搬送車が、前記上側レール群を通過する前に、前記上側案内輪の少なくとも1つの現在位置を変更するために前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御する必要があるかどうかを決定する、
請求項1に記載の空中走行型自動搬送車システム。
【請求項8】
前記スイッチングモジュールの各々は、2つの傾斜案内レールと、少なくとも1つの上側停止部と、少なくとも1つの下側停止部とを備え、前記傾斜案内レールの各々はスライダーを備え、前記スライダーの各々は前記上側案内輪の少なくとも1つに接続され、前記上側案内輪は前記傾斜案内レール上で前記スライダーと共に移動することで、前記本体部に近い下側位置と前記本体部から離れた上側位置との間で移動することが可能であり、
前記移動キットは、少なくとも2つの下側案内輪をさらに含み、前記下側案内輪のうちの一方は、前記駆動輪のうちの一方に隣接して設置され、前記下側案内輪のうちの他方は、前記駆動輪のうちの他方に隣接して設置され、前記上側案内輪の一方が前記カーブ上側レールまたは前記直線上側レールに当接すると共に、対応する前記スライダーが前記上側停止部または前記下側停止部当接した場合、前記本体部が傾斜して、前記駆動輪の一方とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールに接触せず、そして、前記駆動輪の一方とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールに接触する、
請求項1に記載の空中走行型自動搬送車システム。
【請求項9】
前記カーブ下側レールの少なくとも1つの上方には、前記上側レール群の代わりに、補助カーブ上側レールが設けられ、前記上側位置または前記下側位置に位置する前記上案内輪が前記補助カーブ上側レールに当接すると、前記本体部が傾斜になる、請求項1に記載の空中走行型自動搬送車システム。
【請求項10】
複数の直線下側レール及び複数の上側レール群を備える空中走行型自動搬送車システムに適用する自動搬送車であって、前記複数の直線下側レールは、工場の天井付近に互いに並んで配置され、そのうち、同じ側にある2つの前記直線下側レールの端部は分岐間隔を形成するように互いに離間して配置され、当該端部はそれぞれカーブ下側レールに接続されており、複数の前記直線下側レールには少なくとも1つの前記分岐間隔が形成され、
前記上側レール群は、直線上側レール及びカーブ上側レールを有し、前記上側レール群は、直線上側レールおよびカーブ上側レールを備え、各前記上側レール群は、前記分岐間隔の1つに隣接して設けられ、前記カーブ上側レールは、前記分岐間隔を形成する前記直線下側レールの1つが接続される前記カーブ下側レールの上方に位置し、
前記自動搬送車は、搬送対象物を載置するための車両フレームと、前記車両フレームに設けられる少なくとも1つの移動キットと、を含み、
前記移動キットは、
制御モジュールと、
少なくとも1つの本体部と、
それぞれが前記本体部の下端に隣接するように前記本体部における反対となる側に配置され、それぞれが少なくとも1つの駆動輪を有し、前記制御モジュールの制御によって前記直線下側レールで移動する少なくとも2つの駆動輪群と、
前記制御モジュールに電気的に接続される2つのスイッチングモジュールと、それぞれが前記本体部の上端に位置するように前記スイッチングモジュールの1つに接続される、少なくとも2つの上側案内輪と、
を含み、
前記各上側案内輪は前記カーブ上側レールまたは前記直線上側レールに対して当接され、前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪が前記本体部に対して傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるようにそれぞれの前記スイッチングモジュールを制御し得、
前記制御モジュールは、運転情報を受信することができ、前記制御モジュールが、前記運転情報に基づいて、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過しようとしていると判断すると、対応する前記上側案内輪が前記傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるように移動することを促すように、前記制御モジュールは、前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御
し、
同一の前記上側レール群において、前記直線下側レールが位置する平面から前記直線上側レールの下縁部までの距離は、前記カーブ上側レールの下縁部までの距離に、等しくない、
ことを特徴とする、自動搬送車。
【請求項11】
前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪が前記傾斜路に沿って前記本体部に近い下側位置と前記本体部から離れた上側位置との間で移動するように、前記各スイッチングモジュールを制御可能であり、
前記上側位置または前記下側位置にある前記上側案内輪の一方が前記カーブ上側レールの1つまたは前記直線上側レールの1つに当接すると、前記本体部が傾斜し、前記駆動輪の一方は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールに接触しない、
請求項
10に記載の自動搬送車。
【請求項12】
前記制御モジュールは、前記運転情報に従って、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過する前に、対応する前記上側案内輪の少なくとも1つを前記上側位置または前記下側位置に移動するように前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御し、
前記移動キットは、少なくとも2つの下側案内輪をさらに含み、前記下側案内輪の一方は前記駆動輪の一方に隣接して設置され、前記下側案内輪の他方は前記駆動輪の他方に隣接して設置され、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過する間に、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールに接触しない前記駆動輪は、前記分岐間隔またはレール間隔を横断でき、
前記レール間隔は、並んで設置されている2つの前記直線下側レールで形成されるか、あるいは、1つの前記直線下側レールと1つの前記カーブ下側レールで形成され、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過する間、一方の前記駆動輪とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールと接触せず、他方の前記駆動輪とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールと接触する、
請求項
11に記載の自動搬送車。
【請求項13】
前記制御モジュールは前記運転情報に基づいて、前記自動搬送車がデフォルトの主運動経路に沿って移動すると判断した場合、前記自動搬送車が前記デフォルトの主運動経路に沿って移動する前に、前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪の少なくとも1つが前記上側位置または前記下側位置の一方に位置するように前記スイッチングモジュールを制御するとともに、前記自動搬送車が前記デフォルトの主運動経路に沿って移動する間に、前記制御モジュールは、前記スイッチングモジュールを制御しなくなり、
前記自動搬送車が前記デフォルトの主運動経路に沿って移動する間に、前記自動搬送車は、少なくとも1つの前記分岐間隔及び少なくとも1つの前記上側レール群を通過する、
請求項
12に記載の自動搬送車。
【請求項14】
前記デフォルトの主運動経路は、直線、旋回後直線、または直線後旋回であり、
前記デフォルトの主運動経路が直線である場合、前記自動搬送車が連続的に旋回する中に、前記制御モジュールは、位置を変更するために前記上側案内輪を制御せず、
前記デフォルトの主運動経路が直線である場合、前記制御モジュールは、前記自動搬送車が前記上側レール群に沿った旋回を行う前に、前記上側案内輪の少なくとも1つを位置変更するように制御する、
請求項
13に記載の自動搬送車。
【請求項15】
前記移動キットは、案内輪移動装置をさらに備え、前記案内輪移動装置は、駆動ユニットと2つの連動組立体とを備え、前記案内輪移動装置は前記本体部に設けられ、前記駆動ユニットは前記制御モジュールに電気的に接続され、各前記連動組立体の一端は前記駆動ユニットに接続され、各前記連動組立体の他端は前記スイッチングモジュールの1つに接続され、
前記制御モジュールは、2つの前記連動組立体が2つの前記スイッチングモジュールを駆動することによって、前記上側案内輪のそれぞれを前記傾斜路に沿って、前記本体部に近づけるか、または前記本体部から遠ざけるように、前記駆動ユニットを制御することが可能である、
請求項
10に記載の自動搬送車。
【請求項16】
前記自動搬送車が、少なくとも1つのセンサーをさらに備え、前記センサーは、それに隣り合う識別ユニットを感知することで位置情報を生成することが可能であり、
前記制御モジュールは、前記運転情報及び前記位置情報に基づいて、前記自動搬送車が、前記上側レール群を通過する前に、前記上側案内輪の少なくとも1つの現在位置を変更するために前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御する必要があるかどうかを決定し、前記空中走行型自動搬送車システムは、複数の前記識別ユニットをさらに備え、前記識別ユニットの各々は、前記直線下側レールの1つに設けられ、または、代わりに、前記識別ユニットの各々は、前記直線下側レールの1つに隣接して設けられる、
請求項
10に記載の自動搬送車。
【請求項17】
前記スイッチングモジュールの各々は、2つの傾斜案内レールと、少なくとも1つの上側停止部と、少なくとも1つの下側停止部とを備え、前記傾斜案内レールの各々はスライダーを備え、前記スライダーの各々は前記上側案内輪の少なくとも1つに接続され、前記上側案内輪は前記傾斜案内レール上で前記スライダーと共に移動することで、前記本体部に近い下側位置と前記本体部から離れた上側位置との間で移動することが可能であり、
前記移動キットは、少なくとも2つの下側案内輪をさらに含み、前記下側案内輪のうちの一方は、前記駆動輪のうちの一方に隣接して設置され、前記下側案内輪のうちの他方は、前記駆動輪のうちの他方に隣接して設置され、前記上側案内輪の一方が前記カーブ上側レールまたは前記直線上側レールに当接すると共に、対応する前記スライダーが前記上側停止部または前記下側停止部当接した場合、前記本体部が傾斜して、前記駆動輪の一方とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールに接触せず、そして、前記駆動輪の一方とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールに接触する、
請求項
10に記載の自動搬送車。
【請求項18】
自動搬送車の車両フレームに取り付けるための移動キットであって、
前記車両フレームは、搬送対象物を載置するために用いられ、
前記自動搬送車は、前記移動キットを利用し、空中走行型自動搬送車システムに含まれる複数の直線下側レール、複数の上側レール群に沿って移動することが可能であり、
前記複数の直線下側レールは、工場の天井付近に互いに並んで配置され、そのうち、同じ側にある2つの前記直線下側レールの端部は分岐間隔を形成するように互いに離間して配置され、当該端部はそれぞれカーブ下側レールに接続されており、複数の前記直線下側レールには少なくとも1つの前記分岐間隔が形成され、
前記上側レール群は、直線上側レール及びカーブ上側レールを有し、前記上側レール群は、直線上側レールおよびカーブ上側レールを備え、各前記上側レール群は、前記分岐間隔の1つに隣接して設けられ、前記カーブ上側レールは、前記分岐間隔を形成する前記直線下側レールの1つが接続される前記カーブ下側レールの上方に位置し、
前記移動キットは、
制御モジュールと、
少なくとも1つの本体部と、
それぞれが前記本体部の下端に隣接するように前記本体部における反対となる側に配置され、それぞれが少なくとも1つの駆動輪を有し、前記制御モジュールの制御によって前記直線下側レールで移動する少なくとも2つの駆動輪群と、
前記制御モジュールに電気的に接続される2つのスイッチングモジュールと、それぞれが前記本体部の上端に位置するように前記スイッチングモジュールの1つに接続される、少なくとも2つの上側案内輪と、
を含み、
前記各上側案内輪は前記カーブ上側レールまたは前記直線上側レールに対して当接され、前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪が前記本体部に対して傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるようにそれぞれの前記スイッチングモジュールを制御し得、
前記制御モジュールは、運転情報を受信することができ、前記制御モジュールが、前記運転情報に基づいて、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過しようとしていると判断すると、対応する前記上側案内輪が前記傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるように移動することを促すように、前記制御モジュールは、前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御
し、
同一の前記上側レール群において、前記直線下側レールが位置する平面から前記直線上側レールの下縁部までの距離は、前記カーブ上側レールの下縁部までの距離に、等しくない、
ことを特徴とする、移動キット。
【請求項19】
前記移動キットは、少なくとも2つの下側案内輪をさらに含み、前記下側案内輪のうちの一方は、前記駆動輪のうちの一方に隣接して設置され、前記下側案内輪のうちの他方は、前記駆動輪のうちの他方に隣接して設置され、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過する間、一方の前記駆動輪とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールと接触せず、他方の前記駆動輪とそれに隣接の前記下側案内輪は、隣り合う前記直線下側レールまたは前記カーブ下側レールと接触する、
請求項
18に記載の移動キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動搬送車システム、自動搬送車及び移動キットに関し、特に、空中走行自動搬送車システム、空中走行自動搬送車及び空中走行自動搬送車に搭載される移動キットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体産業では、一般に市販されている空中走行型自動搬送車がすでに広く使われている。これらのシステムは一般的に、レールと、レールに沿って移動し、特定のワークステーションに搬送対象物を運ぶ多数の自動搬送車から構成される。
【0003】
実際には、このようなシステムでは、車両が旋回する前に、あるいはカーブレールを通過して直進を行う前に、関連部品を駆動するための複雑な制御を必要とすることが多く、車両がスムーズに旋回することができない、あるいはカーブレールを直進できないため、自動搬送車システムの搬送効率を向上させることができないのである。
【0004】
実際には、自動搬送車が旋回を行う前、またはカーブレールを通過して直進する前に、自動搬送車がスムーズに旋回できるように、あるいは自動搬送車がカーブレールを通過して直進できるように、複雑な制御によって関連部品を駆動する必要があることが多く、自動搬送車システムの効率を高めることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のことから、本発明は、主に既存の空中走行型自動搬送車システムにおいて、搬送効率を向上させることができない問題を改善するための空中走行型自動搬送車システム及び自動搬送車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、複数の直線下側レール、複数の上側レール群、及び少なくとも1つの自動搬送車を備える、空中走行型自動搬送車システムを提供する。前記複数の直線下側レールは、工場の天井付近に互いに並んで配置され、そのうち、同じ側にある2つの前記直線下側レールの端部は分岐間隔を形成するように互いに離間して配置され、当該端部はそれぞれカーブ下側レールに接続されており、複数の前記直線下側レールには少なくとも1つの前記分岐間隔が形成され、前記上側レール群は、直線上側レール及びカーブ上側レールを有し、前記上側レール群は、直線上側レールおよびカーブ上側レールを備え、各前記上側レール群は、前記分岐間隔の1つに隣接して設けられる。前記カーブ上側レールは、前記分岐間隔を形成する前記直線下側レールの1つが接続される前記カーブ下側レールの上方に位置する。前記自動搬送車は、搬送対象物を載置するための車両フレームと、前記車両フレームに設けられる少なくとも1つの移動キットと、を含み、前記移動キットは、制御モジュールと、少なくとも1つの本体部と、それぞれが前記本体部の下端に隣接するように前記本体部における反対となる側に配置され、それぞれが少なくとも1つの駆動輪を有し、前記制御モジュールの制御によって前記直線下側レールで移動する少なくとも2つの駆動輪群と、前記制御モジュールに電気的に接続される2つのスイッチングモジュールと、それぞれが前記本体部の上端に位置するように前記スイッチングモジュールの1つに接続される、少なくとも2つの上側案内輪と、を含む。前記各上側案内輪は前記カーブ上側レールまたは前記直線上側レールに対して当接され、前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪が前記本体部に対して傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるようにそれぞれの前記スイッチングモジュールを制御し得、前記制御モジュールは、運転情報を受信することができ、前記制御モジュールが、前記運転情報に基づいて、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過しようとしていると判断すると、対応する前記上側案内輪が前記傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるように移動することを促すように、前記制御モジュールは、前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御する。
【0007】
本発明の一実施形態は、複数の直線下側レール及び複数の上側レール群を備える空中走行型自動搬送車システムに適用する自動搬送車を提供する。前記複数の直線下側レールは、工場の天井付近に互いに並んで配置され、そのうち、同じ側にある2つの前記直線下側レールの端部は分岐間隔を形成するように互いに離間して配置され、当該端部はそれぞれカーブ下側レールに接続されており、複数の前記直線下側レールには少なくとも1つの前記分岐間隔が形成される。前記上側レール群は、直線上側レール及びカーブ上側レールを有し、前記上側レール群は、直線上側レールおよびカーブ上側レールを備え、各前記上側レール群は、前記分岐間隔の1つに隣接して設けられ、前記カーブ上側レールは、前記分岐間隔を形成する前記直線下側レールの1つが接続される前記カーブ下側レールの上方に位置する。前記自動搬送車は、搬送対象物を載置するための車両フレームと、前記車両フレームに設けられる少なくとも1つの移動キットと、を含む。前記移動キットは、制御モジュールと、少なくとも1つの本体部と、それぞれが前記本体部の下端に隣接するように前記本体部における反対となる側に配置され、それぞれが少なくとも1つの駆動輪を有し、前記制御モジュールの制御によって前記直線下側レールで移動する少なくとも2つの駆動輪群と、前記制御モジュールに電気的に接続される2つのスイッチングモジュールと、それぞれが前記本体部の上端に位置するように前記スイッチングモジュールの1つに接続される、少なくとも2つの上側案内輪と、を含む。前記各上側案内輪は前記カーブ上側レールまたは前記直線上側レールに対して当接され、前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪が前記本体部に対して傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるようにそれぞれの前記スイッチングモジュールを制御し得、前記制御モジュールは、運転情報を受信することができ、前記制御モジュールが、前記運転情報に基づいて、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過しようとしていると判断すると、対応する前記上側案内輪が前記傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるように移動することを促すように、前記制御モジュールは、前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御する。
【0008】
本発明の一実施形態は、自動搬送車の車両フレームに取り付けるための移動キットを提供する。前記車両フレームは、搬送対象物を載置するために用いられ、前記自動搬送車は、前記移動キットを利用し、空中走行型自動搬送車システムに含まれる複数の直線下側レール、複数の上側レール群に沿って移動することが可能である。前記複数の直線下側レールは、工場の天井付近に互いに並んで配置され、そのうち、同じ側にある2つの前記直線下側レールの端部は分岐間隔を形成するように互いに離間して配置され、当該端部はそれぞれカーブ下側レールに接続されており、複数の前記直線下側レールには少なくとも1つの前記分岐間隔が形成される。前記上側レール群は、直線上側レール及びカーブ上側レールを有し、前記上側レール群は、直線上側レールおよびカーブ上側レールを備え、各前記上側レール群は、前記分岐間隔の1つに隣接して設けられ、前記カーブ上側レールは、前記分岐間隔を形成する前記直線下側レールの1つが接続される前記カーブ下側レールの上方に位置する。前記移動キットは、制御モジュールと、少なくとも1つの本体部と、それぞれが前記本体部の下端に隣接するように前記本体部における反対となる側に配置され、それぞれが少なくとも1つの駆動輪を有し、前記制御モジュールの制御によって前記直線下側レールで移動する少なくとも2つの駆動輪群と、前記制御モジュールに電気的に接続される2つのスイッチングモジュールと、それぞれが前記本体部の上端に位置するように前記スイッチングモジュールの1つに接続される、少なくとも2つの上側案内輪と、を含む。前記各上側案内輪は前記カーブ上側レールまたは前記直線上側レールに対して当接され、前記制御モジュールは、対応する前記上側案内輪が前記本体部に対して傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるようにそれぞれの前記スイッチングモジュールを制御し得、前記制御モジュールは、運転情報を受信することができ、前記制御モジュールが、前記運転情報に基づいて、前記自動搬送車が前記上側レール群を通過しようとしていると判断すると、対応する前記上側案内輪が前記傾斜路に沿って前記本体部から近づくかまたは遠ざかるように移動することを促すように、前記制御モジュールは、前記スイッチングモジュールの少なくとも1つを制御する。
【発明の効果】
【0009】
要約すると、上述した本発明の空中走行型自動搬送車システム及び自動搬送車は、移動キットに含まれる制御モジュール、案内輪移動装置、駆動輪群、上側案内輪等の設計を通じて、直線下側レール及び上側レール群に含まれる直線上側レール及びカーブ上側レール等の設計とともに、既存の自動搬送車システムと比べて、より良い搬送効率を有することができる。
【0010】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態を示した立体模式図である。
【
図2】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態を異なる視角で示した立体模式図である。
【
図3】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態の第1の上側レール群の第1の直線上側レールと第1のカーブ上側レールの断面図である。
【
図4】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態の第2の上側レール群の第2の直線上側レールと第2のカーブ上側レールを示す断面図である。
【
図5】本発明の空中走行型自動搬送車の発明を示す概略図である。
【
図6】本発明の空中走行型自動搬送車の移動キットの上側案内輪が上側位置にある状態を示す概略図である。
【
図7】本発明の空中走行型自動搬送車の移動キットの上側案内輪が上側位置にある状態を異なる視角で示した概略図である。
【
図8】本発明の空中走行型自動搬送車の移動キットの上側案内輪が下側位置にある状態を示す模式図である。
【
図9】本発明の空中走行型自動搬送車の移動キットの上側案内輪が上側位置にある状態を示す背面図である。
【
図10】本発明の空中走行型自動搬送車の移動キットの上側案内輪が下側位置にある状態を示す背面図である。
【
図11】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態において、自動搬送車が直進走行する様子を示す上面図である。
【
図12】本発明の自動搬送車の異なる状態の背面図である。
【
図13】本発明の自動搬送車の異なる状態の背面図である。
【
図14】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態において、自動搬送車が旋回中の様子を示す上面図である。
【
図15】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態において、自動搬送車が旋回中の様子を示す側面図である。
【
図16】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態において、自動搬送車が旋回中の様子を示す背面図である。
【
図17】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態において、自動搬送車が直進後旋回の状態を示す上面図である。
【
図18】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態において、自動搬送車が旋回中の様子を示す背面図である。
【
図19】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態において、自動搬送車が旋回した後、直進後旋回の様子を示す立体模式図である。
【
図20】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態において、第3の上側レール群における第3の直線上側レールと第3のカーブ上側レールを示す断面模式図である。
【
図21】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態において、自動搬送車が旋回した後、直進後旋回の様子を示す上面模式図である。
【
図22】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第2の実施形態を示す立体模式図である。
【
図23】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第2の実施形態において、第4の上側レール群における第4の直線上側レールと第4のカーブ上側レールを示す断面模式図である。
【
図24】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第2の実施形態において、自動搬送車が旋回した後、直進走行の様子を示す上面模式図である。
【
図25】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第2の実施形態において自動搬送車の旋回時の背面図である。
【
図26】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第3の実施形態を示す立体模式図である。
【
図27】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第3の実施形態において、第5の上側レール群における第5の直線上側レールと第5のカーブ上側レールを示す断面模式図である。
【
図28】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第3の実施形態において、自動搬送車が旋回した後、直進後旋回の様子を示す上面模式図である。
【
図29】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第3の実施形態において自動搬送車の旋回時の背面図である。
【
図30】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第4の実施形態を示す上面図である。
【
図31】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第4の実施形態において、第6の上側レール群における第6の直線上側レールと第6のカーブ上側レールを示す断面模式図である。
【
図32】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第5の実施形態の立体図である。
【
図33】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第5の実施形態の上面図である。
【
図34】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第6の実施形態を示す立体図である。
【
図35】本発明の空中走行型自動搬送車システムの第6の実施形態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明において、特定の図面または特定の図面に示されるように参照されることが示される場合、これは、後続の説明において説明される関連する内容の大部分がその特定の図面に現れることを強調するためだけであり、後続の説明における参照を前記特定の図面にのみ制限するものではない。
【0013】
図1及び
図2は、それぞれ、本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態を示す立体図である。本発明の空中走行型自動搬送車システムAは、各種工場建屋の天井付近に固定され、特に半導体工場に好適に使用される。空中走行型自動搬送車システムAは、複数の直線下側レールと、複数の旋回型レールと、複数の上側レール群と、それぞれが被搬送物を搭載する複数の自動搬送車100とを備え、自動搬送車100は、主に複数の直線下側レール及び複数の旋回型レールに沿って工場内を移動させるものである。自動搬送車100は、直線下側レールとカーブ下側レールに沿って、旋回が必要な位置を通過すると、隣接する上レール群に誘導されて旋回を行うことになる。
【0014】
なお、本実施形態の図面では、空中走行型自動搬送車システムAにおいて、直線下側レールの一部、カーブ下側レールの一部、上側レール群の一部、自動搬送車の一部のみを図示している。実際には、空中走行型自動搬送車システムAに含まれる直線下側レール、カーブ下側レール、上側レール群、自動搬送車100の数は、実際の工場内のスペースに応じて設計すればよく、ここで限定されるものではない。
【0015】
複数の直線下側レールと複数のカーブ下側レールは、天井の付近に配置されてもよい。実際には、個々の直線下側レールと個々のカーブ下側レールは、ブラケットを用いて工場の天井から吊り下げることができる。複数の直線下側レールを並べて配置し、複数の直線下側レールが少なくとも1つの分岐間隔を形成する。具体的には、同じ側の2本の直線下側レールは、一端が互いに向き合って配置され、それに応じて分岐間隔を形成し、分岐間隔を一緒に形成する2本の直線下側レールは、それぞれその端部がカーブ下側レールに接続されていてもよい。
【0016】
なお、説明の便宜上、本実施形態の図面に示す4つの直線下側レールを、第1の直線下側レールRD1、第2の直線下側レールRD2、第3の直線下側レールRD3、第4の直線下側レールRD4とし、本実施形態の図面に示す4つのカーブ下側レールを、第1のカーブ下側レールRR1、第2のカーブ下側レールRR2、第3のカーブ下側レールRR3、第4のカーブ下側レールRR4と定義している。第1の直線下側レールRD1の一端と第2の直線下側レールRD2の一端は、互いに対向して設けられ、共に第1の分岐間隔Z1を形成し、第1の直線下側レールRD1のその端は第1のカーブ下側レールRR1に接続され、第2の直線下側レールRD2のその端は第2のカーブ下側レールRR2に接続される。第3の直線下側レールRD3の一端と第4の直線下側レールRD4の一端は互いに向き合って設けられ、共に第2の分岐間隔Z2を形成し、第3の直線下側レールRD3のその端は第3のカーブ下側レールRR3に接続され、第4の直線下側レールRD4のその端は第4のカーブ下側レールRR4に接続される。
【0017】
第1の直線下側レールRD1と第2の直線下側レールRD2が同じ側に配置され、第1の直線下側レールRD1と第2の直線下側レールRD2が並んで配置され、第3の直線下側レールRD3と第4の直線下側レールRD4が同じ側に配置され、第3の直線下側レールRD3と第4の直線下側レールRD4が並んで配置される。第1の直線下側レールRD1と第3の直線下側レールRD3は並んで設置され、第2の直線下側レールRD2と第4の直線下側レールRD4は並んで設置されている。分岐間隔には、直線下側レールもカーブ下側レールもない。分岐間隔を形成する2つの直線下側レール間の距離およびレール分離の幅は、図面に1つの例のみが示されている自動搬送車100の実際の寸法に従って設計することができる。
【0018】
なお、本実施形態の図では、第1の分岐間隔Z1と第2の分岐間隔Z2とは、例えば、異なる側にあるが、これに限定されるものではない。実際には、自動搬送車100が実際に旋回する必要がある場所に応じて、隣接する2つの分岐間隔を同じ側に配置するか、異なる側に配置するかを決定することが可能である。
【0019】
2つの上側レール群は、第1の上側レール群RU1および第2の上側レール群RU2と定義され、第1の上側レール群RU1および第2の上側レール群RU2は、それぞれ第1の分岐間隔Z1および第2の分岐間隔Z2に隣接して配置される。
【0020】
第1の上側レール群RU1は、第1の直線上側レールRU11と第1のカーブ上側レールRU12とを含み、第1の直線上側レールRU11の一端は、第1のカーブ上側レールRU12の一端に接続されている。第1の直線上側レール群RU1は、第1の直線下側レールRD1及び第2の直線下側レールRD2の上方に位置し、第1の直線上側レールRU11の一部は第1の分岐間隔Z1の上方に位置し、第1の旋回直線上側レールRU12は第1の旋回直線下側レールRR1の上方に位置している。様々な実施形態において、第1のカーブ下側レールRR1は、第2のカーブ下側レールRR2の上方に位置することもできることに留意されたい。
【0021】
第2の上側レール群RU2は、第2の直線上側レールRU21と第2のカーブ上側レールRU22とを含み、第2の直線上側レールRU21の一端は、第2のカーブ上側レールRU22の一端に接続されている。第2の上側レール群RU2は、第3の直線下側レールRD3及び第4の直線下側レールRD4の上方に位置し、第2の直線上側レールRU21の一部は第2の分岐間隔Z2の上方に位置し、第2のカーブ上側レールRU22は、第3のカーブ下側レールRR3の上方に位置している。様々な実施形態において、第2のカーブ下側レールRR2は、第4のカーブ下側レールRR4の上方に位置することもできることに留意されたい。
【0022】
注意すべきは、すべての直線下側レールがその上に上側レール群を持つわけではなく、すべての上側レール群は必ず分岐間隔の1つに隣接して、つまり分岐間隔の上だけに位置することである。
【0023】
第1の上側レール群における第1の直線上側レールと第1のカーブ上側レールを示す断面模式図である
図3を参照されたい。第1の上側レール群RU1における第1の直線上側レールRU11の下縁部から第1の直線下側レールRD1が位置する平面E1までの最短距離を第1の高さH1と定義し、第1のカーブ上側レールRU12の下縁部から平面E1までの最短距離を第2の高さH2と定義する。なかでも、第1の高さH1は第2の高さH2よりも大きい。駆動輪が動く面は、平面E1と同一平面上にある。
【0024】
図4を参照して、第2の上側レール群の第2の直線上側レール及び第2のカーブ上側レールの断面模式図である。第2の上側レール群RU2における第2の直線上側レールRU21の下縁部から、隣接する第3の直線下側レールRD3が位置する平面E2までの最短距離を第3の高さH3とし、第2のカーブ上側レールRU22の下縁部から平面E2までの最短距離を第4の高さH4とした場合、第3の高さH3は第4の高さH4よりも大きい。第3の直線下側レールRD3で駆動輪が移動する面は、平面E2と同一平面上にある。
【0025】
本発明の空中走行型自動搬送車の概略を示す
図5を参照すると、自動搬送車100は、例えば、2つの移動キット1、車両フレーム2、およびキャリア保持装置3を含んでもよい。2つの移動キット1は、車両フレーム2の上方に配置され、車両フレーム2は、キャリアを保持するための収納空間21を下側に含み、キャリア保持装置3は、車両フレーム2内に配置され、キャリア保持装置3が収納空間21に配置されてキャリアを保持できるように構成される。前記キャリアは、搬送対象物を搬送するために使用することができる。自動搬送車100は、主に移動キット1により、直線下側レールとカーブ下側レールとに沿って移動し、車両フレーム2とキャリア保持装置3とを用いて、搬送対象物を載置する。なお、直線下側レール、カーブ下側レール、及び上側レール群に沿った自動搬送車100の移動を明確に説明するために、各実施形態の図面では自動搬送車100における単一の移動キット1のみを代表して示し、自動搬送車100に含まれる他の構成要素は省略されていることに留意すべきである。
【0026】
本発明の空中走行型自動搬送車システムAを半導体工場で使用する場合、前記キャリアは例えばウエハのキャリア(例えばFOUP等)であってもよく、キャリア保持装置3は、ウエハを保持するキャリアであっても、保持しないキャリアであってもよい。様々な実施形態において、キャリア保持装置3は、保持しているウエハを回転させることができるキャリアであることも可能である。
【0027】
なお、本実施形態では、自動搬送車100は半導体工場で使用され、自動搬送車100は2つの移動キット1、車両フレーム2およびキャリア保持装置3を含むが、異なる適用場面では、自動搬送車100が単一の移動キット1のみを含んで、自動搬送車100がキャリア保持装置3を含まなくても良い。車両フレーム2は、搬送対象物の運搬に直接使用することができる。
【0028】
図6~
図10を併せて参照すると、
図6及び
図7は、本発明の空中自動搬送車の移動キットの上側案内輪が上側位置にあるときの異なる角度を示す図、
図8は、本発明の空中自動搬送車の移動キットの上側案内輪が下側位置にあるときの図、
図9及び
図10は、本発明の空中自動搬送車の移動キットの上側案内輪が上側位置及び下側位置にあるときの図である。
【0029】
移動キット1は、本体部11、制御モジュール12、2つの駆動輪群(第1の駆動輪群及び第2の駆動輪群)、4つの下側案内輪(2つの第1の下側案内輪15A及び第2の下側案内輪15B)、案内輪移動装置17、2つのスイッチングモジュール18及び4つの上側案内輪(第1の上側案内輪19A及び第2の上側案内輪19B)を備える。なお、移動キット1に含まれる駆動輪群、下側案内輪、スイッチングモジュール18及び上側案内輪の数は、図示のものに限定されず、実際の要求に応じて変化させることが可能である。
【0030】
制御モジュール12は、外部の電子装置(例えば、工場内の中央制御システム)から車両に関する情報を受信し、自動搬送車100が直線下側レール及び旋回直線下側レールに沿って直進、旋回等の方法で移動できるように、2つの駆動輪群及び案内輪移動装置17を制御して、自動搬送車100が所定の位置(例えば、直線下側レールがあるワークステーションに隣接したエリア)。
【0031】
2つの駆動輪群は、それぞれ第1の駆動輪群と第2の駆動輪群として定義される。第1の駆動輪群と第2の駆動輪群とは、本体部11の互いに反対側の面に配置されている。第1の駆動輪群は、例えば、第1の駆動輪13と駆動モータとを含んでもよく、第2の駆動輪群は、例えば、第2の駆動輪14と駆動モータとで構成されてもよい。第1の駆動輪13及び第2の駆動輪14は、いずれも本体部11の下端に隣接して設けられている(すなわち、本体部11が直線下側レールの端部に隣接して配置されている)。制御モジュール12は、運転情報に従って各駆動モータを制御し、移動キット1が自動搬送車100を直線下側レール上で移動させることができるように、第1の駆動輪13及び第2の駆動輪14を回転させることが可能である。異なる実施形態において、第1の駆動輪群および第2の駆動輪群は、同じ駆動モータを共有してもよく、同じ駆動モータは、関連する歯車またはベルト伝動部品によって、第1の駆動輪13および第2の駆動輪14を同期して回転させるように駆動することができる。
【0032】
本体部11の下端には4つの下側案内輪が回転可能に設けられており、各下側案内輪は本体部11と独立して回転可能で、各下側案内輪は縦軸に回転し、各駆動輪は横軸に回転するようになっている。つまり、2つの駆動輪は直線下側レールの上面に当接ながら転がり、下側案内輪は直線下側レールの側面(上面に隣接する面)に当接しながら移動する。4つの下側案内輪の設計を通じて、直線下側レールに沿って移動する際に本体部11が傾きにくく、本体部11を直線下側レールに沿ってより安定して移動させることができ、また、下側レールの屈曲に沿って移動する際に本体部11がふらつきにくく、本体部11を下側レールの屈曲に沿ってより安定して移動させることができる。なお、説明の便宜上、本体部11の同じ側にある2つの下側案内輪を第1の下側案内輪15Aとし、反対側にある2つの下側案内輪を第2の下側案内輪15Bとして定義する。
【0033】
案内輪移動装置17は、制御モジュール12に電気的に接続され、案内輪移動装置17は、2つのスイッチングモジュール18に接続され、そのうちの一方のスイッチングモジュール18は2つの第1の上側案内輪19Aに接続され、他方のスイッチングモジュール18は2つの第2の上側案内輪19Bに接続されている。2つのスイッチングモジュール18、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bは本体部11の上端部に配置されている。制御モジュール12は、各上側案内輪を、本体部11から離れる上側位置(
図9に示すように)と本体部11に近づく下側位置(
図10に示すように)との間で、本体部11に近づく方向または離れる方向に傾斜路Pに沿って移動できるように、案内輪移動装置17を作動させるように、2つのスイッチングモジュール18を制御する。実際には、各上側案内輪は、本体部11の中心位置に近づくように実質的に傾斜路Pに沿って移動してもよいし、本体部11の中心位置から実質的に離れた傾斜路Pに沿って移動してもよい。個々の上側案内輪は、本体部11が上側レール群の直線上側レールまたはカーブ上側レールに沿って移動できるように、上側レール群に当接するように使用される。
【0034】
実際には、個々のスイッチングモジュール18は、2つの傾斜案内レール181、2つのスライダー182、上側停止部183および4つの下側停止部184を含んでもよい。2つの傾斜案内レール181は本体部11の上端部に並んで配置され、2つの傾斜案内レール181の一端は互いに隣接して配置されてもよい。
【0035】
各傾斜案内レール181には、スライダー182が設けられており、一方のスライダー182は、2つの第1の上側案内輪19Aに接続され、それぞれがスライダー182上で独立して回転することができ、他方のスライダー182は、2つの第2の上側案内輪19Bに接続され、それぞれがスライダー182上で独立して回転することができるようになっている。第1の上側案内輪19Aの各々および第2の上側案内輪19Bの各々は、スライダー182に対して長手軸方向に回転することが可能である。実際には、各第1の上側案内輪19A、各第2の上側案内輪19B、各第1の下側案内輪15A及び各第2の下側案内輪15Bは、互いに平行な長手軸で回転される。
【0036】
各第1の上側案内輪19Aは、対応するスライダー182によって傾斜案内レール181に沿って移動して、上側位置と下側位置との間の傾斜路Pに沿うことができ、各第2の上側案内輪19Bは、対応するスライダー182によって傾斜案内レール181に沿って移動して、上側位置と下側位置との間の傾斜路Pに沿うことができる。
【0037】
2つの第1の上側案内輪19Aが上側位置にあるとき、2つの第1の上側案内輪19Aは、本体部11の中心位置よりも実質的に上方に位置してもよく、2つの第1の上側案内輪19Aが下側位置にあるとき、2つの第1の上側案内輪19Aは、本体部11の一側部に実質的に位置してもよい。同様に、2つの第2の上側案内輪19Bが上側位置にあるとき、2つの第2の上側案内輪19Bは、本体部11の中心位置よりも実質的に上に位置してもよく、2つの第2の上側案内輪19Bが下側位置にあるとき、2つの第2の上側案内輪19Bは本体部11の1つの側に実質的に位置してもよい。
【0038】
すなわち、スライダー182でいずれかの上側案内輪(第1の上側案内輪19Aまたは第2の上側案内輪19B)を斜行経路Pに沿って下側位置から上側位置に移動させると、上側案内輪は本体部11の中心に近い方向と本体部11の側面から離れる方向の両方に移動し、逆にスライダー182でいずれかの上側案内輪を斜行経路Pに沿って上側位置から下側位置に移動させると、上側案内輪は本体部11の中心に離れる方向と本体部11の側面から近い方向の両方に移動するようになっている。これに対し、いずれかの上側案内輪が斜行経路Pに沿って上側位置から下側位置へ移動すると、上側案内輪は、本体部11の中心から離れる方向と本体部11に近い側へ向かう方向の両方向に移動する。
【0039】
案内輪移動装置17は、駆動ユニット171と、伝動組立体(図示せず)と、2つの連動組立体172とから構成されてもよい。駆動ユニット171は、本体部11内に配置され、例えば、モータであってもよい。伝動組立体は、駆動ユニット171に接続されており、伝動組立体は、例えば、歯車やベルト等であってもよい。各連動組立体172は、伝動組立体を介して駆動ユニット171に接続されており、一方の連動組立体172は一方のスライダー182に接続され、他方の連動組立体172は他方のスライダー182に接続されている。
【0040】
制御モジュール12が案内輪移動装置17の駆動ユニット171を動作させると、駆動ユニット171は、伝動組立体を介して、2つの連動組立体172を同時に回転させ、同時に回転する2つの連動組立体172は、それらに接続されたスライダー182を傾斜案内レール181上の傾斜路Pに沿って移動するよう駆動するので、それぞれのスライダー182に配置された2つの上側案内輪(第1の上側案内輪19Aまたは第2の上側案内輪19B)は本体部11から近づくまたは離れる上側位置または下側位置に移動できるようにする。
【0041】
異なる実施形態において、移動キット1はまた、2つの案内輪移動装置17を含んでもよく、そのうちの1つはスイッチングモジュール18の1つに接続され、他の1つは他のスイッチングモジュール18に接続され、制御モジュール12は、案内輪移動装置17のいずれかを個別に制御して、対応する2つの上側案内輪(第1の上側案内輪19A又は第2の上側案内輪19B)が他の2つの上側案内輪(第2の上側案内輪19B又は第1の上側案内輪19A)から独立して上側位置又は下側位置に移動されるようにしてもよい。即ち、ある場合、一方のスライダー182に設けられた2つの上側案内輪(第1の上側案内輪19Aまたは第2の上側案内輪19B)が上側位置にあり、他方のスライダー182に設けられた2つの上側案内輪(第1の上側案内輪19Aまたは第2の上側案内輪19B)が下側位置にあってもよい。
【0042】
図6、
図8、
図9、
図10に示すように、上側停止部183は、2つの傾斜案内レール181の隣接する端部の間に配置され、2つの下側停止部184は、一方の傾斜案内レール181の他端部に配置され、他の2つの下側停止部184は他方の傾斜案内レール181の他端部に配置されている。2つの第1の上側案内輪19Aと2つの第2の上側案内輪19Bが上側位置にあるとき、スライダー182の一辺が上側停止部183に当接し、スライダー182が上方に移動できなくなり、2つの第1の上側案内輪19Aと2つの第2の上側案内輪19Bが下側位置にあるとき、スライダー182の一辺が下側停止部184に当接し、スライダー182が下方に移動しなくなるように構成する。上側停止部183は、主に上側レール群と協働してスライダー182を上側位置に共同で拘束するために用いられ、一方、下側停止部184は、主に上側レール群と協働してスライダー182を下側位置に共同で拘束するために用いられる。
【0043】
なお、本実施形態では、各スイッチングモジュール18には、上側案内輪(第1の上側案内輪19Aまたは第2の上側案内輪19B)が本体部11から離れた上側位置と本体部11に近い下側位置との間で傾斜路Pに沿って移動できるように、傾斜案内レール181やスライダー182などの部品が含まれているが、各スイッチングモジュール18に含まれる部品は本実施形態で述べた部品に限定されない。ただし、各スイッチングモジュール18の構成要素は、本実施例で説明したものに限られず、制御モジュール12によって、上側案内輪(第1の上側案内輪19A又は第2の上側案内輪19B)を本体部11から離れた上側位置と本体部11に近い下側位置との間の斜行経路Pに沿って移動するように制御できれば、スイッチングモジュール18の適用範囲に含まれると考えてよい。
【0044】
図1に戻って、実際には、空中走行型自動搬送車システムAは、複数の識別ユニット200も含み、これらの識別ユニット200は、直線下側レール上に配置され、または、代替的に、識別ユニット200は、直線下側レールに隣接して配置される。また、自動搬送車100は、本体部11に配置されていてもよく、隣接する識別ユニット200を感知し、それに応じて位置情報を生成する少なくとも1つのセンサ(図示せず)を含む。
【0045】
例えば、一実施形態では、識別ユニット200は各種バーコードとすることができ、識別ユニット200は直線下側レールに設置することができ、センサーはバーコードリーダーとすることができるが、もちろん、識別ユニット200とセンサーはこれに限定されるものではない。様々な実施形態において、識別ユニット200は、様々なスマートタグ(例えば、RFIDタグ、NFCタグなど)にもなり得るので、センサーは、スマートタグを読み取ることができるリーダに相当する。異なる実施形態では、識別ユニット200は、反射ストリップ、磁気感知素子などにもなり得るので、センサーは、光ビーム発光器/受光器、磁気センサーなどに対応する。
【0046】
なお、本実施形態の説明では、識別ユニット200を例えば直線下側レール上に設置したが、識別ユニット200の設置場所はこれに限定されず、実際には、識別ユニット200を直線下側レールや上側レール群とは独立してスタンド上に設置し、そのスタンドの先端を天井に固定することもできることを強調しておきたい。
【0047】
前述したように、各上側レール群は分岐間隔に隣接して配置されており、自動誘導車100は分岐間隔を通過する際に直進または旋回する。したがって、実際には、制御モジュール12は、走行情報および位置情報に基づいて、自動誘導車100が分岐間隔を通過する際に直進または旋回するかどうかを決定し、したがって、案内輪移動装置17を制御してスイッチングモジュール18に上側ガイド輪を駆動させて上側位置または下側位置へ移動させることとする。
【0048】
より具体的には、制御モジュール12は、運転情報に基づいて自動搬送車100がデフォルトの主運動経路に沿って移動すると判断した場合、自動搬送車100がデフォルトの主運動経路に入る前に、スイッチングモジュール18を制御して上側案内輪を上側位置または下側位置に配置し、制御モジュール12はもはや、自動搬送車100がデフォルトの主運動経路に沿って移動する間、上側案内輪を上側位置または下側位置に位置するように、スイッチングモジュール18の動作を制御しない。ここで、デフォルトの主運動経路に沿った自動搬送車100の移動中、自動搬送車100は、少なくとも1つの分岐間隔及び少なくとも1つの上側レール群を通って移動していてもよい。
【0049】
好ましい実施形態では、同じスライダー182上の2つの上側案内輪(第1の上側案内輪19Aまたは第2の上側案内輪19B)が上側位置または下側位置にあるとき、2つの上側案内輪は上側カーブ下側レールの側面の1つに当接し、あるいは代わりに、2つの上側案内輪は、本体部11が傾斜するように直線下側レールの1つの側面に当接してもよい。なお、駆動輪群の駆動輪(第1の駆動輪13または第2の駆動輪14)の1つがその隣接する直線下側レールまたはカーブ下側レールに接触しないように、直線下側レールまたはカーブ下側レールに対して配置されるだろう、すなわち駆動輪群の1つが直線下側レールの1つにより駆動されることになるだろう。一方の駆動輪(第1の駆動輪13または第2の駆動輪14)は、隣接する直線または曲線状の直線下側レールに接触しない、言い換えれば、一方の駆動輪を持ち上げて吊り上げたまま、吊り上げた駆動輪は、分岐間隔またはレール間隔を横断することができるようにする。もちろん、本体部11が傾き、一方の駆動輪が隣接する直線下側レールまたはカーブ下側レールに接触していない場合は、他方の駆動輪が隣接する直線下側レールまたはカーブ下側レールに接触し、同じ側にある2つの下側案内輪(第1の下側案内輪15Aまたは第2の下側案内輪15B)が直線下側レールの内側に当接する。
【0050】
実際には、プリ群マスター移動経路は、本明細書に限定されることなく、自動搬送車100の最も頻繁な経路に従って、関連するレール構築者によって計画及び設計され得る。例えば、工場における自動搬送車100の最頻経路が:直進であれば、当該レール構築者は、デフォルトの主運動経路を直進に配置し、デフォルトの主運動経路に従って上側レール及び自動搬送車を設計すればよい。
【0051】
より具体的には、
図1、
図6、
図11~
図13を参照すると、
図11は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態を直線的に示す上面図、
図12、
図13はそれぞれ異なる状態の本発明の自動搬送車の背面図である。
【0052】
図11において、デフォルトの主運動経路が第1の上側レール群RU1及び第2の上側レール群RU2を直線で通ると仮定すると、制御モジュール12は、運転情報及び位置情報に基づいて自動搬送車100が第1の上側レール群RU1の前に移動したと判断すると、制御モジュール12は、案内輪移動装置17を制御して、2つのスイッチングモジュール18を駆動させて2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bを共に上側位置まで移動させて、制御モジュール12がデフォルトの主運動経路(直線)に沿って自動搬送車100が移動中に案内輪を制御しないようになる。制御モジュール12は、案内輪移動装置17を制御しなくなるが、自動搬送車100がデフォルトの主運動経路(直進)に沿って移動している間は、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bを上側位置に維持することになる。言い換えれば、制御モジュール12は、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過する前に、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bを一緒に上側位置に制御し、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過中、第2の上側レール群RU2を通過する前及び第2の上側レール群RU2を通過中に、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bは、制御モジュール12が案内輪移動装置17を制御する必要をなくすように、上側位置に留まり、したがって、自動搬送車100は、第1の上側レール群RU1及び第2の上側レール群RU2を迅速に通過し、これにより、複数の分岐間隔を比較的高速で通過する効果を達成することが可能である。
【0053】
図12に示すように、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過すると、2つの第1の上側案内輪19Aが第1の直線上側レールRU11の片側に載り、2つの第1の上側案内輪19Aに連結されたスライダー182が上側停止部183に載り、自動搬送車100は
図12に示すように右に傾いた状態となる。自動搬送車100は傾斜しているので、第1の駆動輪13が持ち上げられて、第1の駆動輪13と第1の下側案内輪15Aとが隣接する第1の直線下側レールRD1と接触しない、すなわち第1の駆動輪13と第1の下側案内輪15Aとが空いた状態となり、これに対して第2の駆動輪14と第2の下側案内輪15Bとは第3の直線下側レールRD3と接触することになる。これに対し、第2の駆動輪14及び第2の下側案内輪15Bが第3の直線下側レールRD3に接触し、第2の駆動輪14及び第2の下側案内輪15Bによって、自動搬送車100が第3の直線下側レールRD3上を移動することになる。
【0054】
図11及び
図12に示すように、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過する間、自動搬送車100が傾いているため、第1の駆動輪13は第1の直線下側レールRD1に接触せず、第1の駆動輪13が第1の分岐間隔Z1を横切ることができる。つまり、第1の上側案内輪19Aを第1インラインレールRU11に当接させることで無人搬送車100が傾き、持ち上げられた第1の駆動輪13が分岐間隔を横切ることが可能である。
【0055】
逆に、第1の分岐間隔Z1を通過する際に自動搬送車100が傾いていないと仮定すると、第1の駆動輪13の下面が第1の直線下側レールRD1に接触していないため、レールのない分岐間隔Z1を通過する際に自動搬送車100が突然傾き、自動搬送車100が第1の分岐間隔Z1を通過後、第1の駆動輪13の下面が第1の直線下側レールRD1に接触していないので第2の直線下側レールRD2の上面へスムーズに移動しない場合がある。第1の駆動輪13は、その下側が第1の直線下側レールRD1に接触していないため、第2の直線下側レールRD2の上面までスムーズに移動することができない。したがって、自動搬送車100と上側レール群とを協働させることにより、自動搬送車100を傾けた状態で設計することができ、自動搬送車100の駆動輪が分岐間隔をスムーズに横切ることができる。
【0056】
図11及び
図13に示すように、自動搬送車100が第2の上側レール群RU2を通過する間に、2つの第2の上側案内輪19Bが第2の直線上側レールRU21の一側面に接触し、自動搬送車100は
図13に示すように左側に傾くことになる。
図13に示すような自動搬送車100の傾斜状態では、第2の駆動輪14が第3の直線下側レールRD3との接触しないように持ち上がり、第1の駆動輪13と第1の下側案内輪15Aとが第2の直線下側レールRD2に接触していることになり、第1の駆動輪13と第1の下側案内輪15Aとで第2の直線下側レールRD2に沿って自動搬送車100が移動しつつある。
図13に示すように傾斜位置にある自動搬送車100が第2の上側レール群RU2を通過する間、第2の駆動輪14は第2の分岐間隔Z2をスムーズに横切ることができる。
【0057】
上述したように、制御モジュール12は、自動搬送車100がデフォルトの主運動経路に沿って直進する前に、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bが共に上側位置に移動するように制御する。そして、制御モジュール12は、自動搬送車100がいくつの上側軌道群を通過しても、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bの位置を変更する必要がないので、自動搬送車100はデフォルトの主運動経路に沿って直進しながら比較的高い速度を維持でき、自動搬送車システムの昇降効率を有効に向上することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、自動搬送車100は、例えば、デフォルトの主運動経路に沿って直進する過程で、異なる側の2つの上側レール群を通過するが、自動搬送車100がデフォルトの主運動経路に沿って直進する過程で通過する上側レール群の数、複数の上側レール群が異なる側か否かなどは、実際のニーズに応じて変化させることが可能である。例えば、本実施形態の一変形例では、デフォルトの主運動経路に沿った自動搬送車100の直進移動中に自動搬送車100が通過する上側レール群の全てが同じ側にあってもよく、あるいは、上側レール群の一部が同じ側にあって、上側レール群の一部が異なる側にあってもよい。
【0059】
また、第1の上側レール群RU1は第1の分岐間隔Z1に近い位置にのみ設定され、第2の上側レール群RU2は第2の分岐間隔Z2に近い位置にのみ設定されているので、自動搬送車100が傾くのは第1の上側レール群RU1及び第2の上側レール群RU2を通過する過程に限られ、自動搬送車100が傾かないのは上側レール群を通らない移動の過程であると言っておくことができよう。すなわち、
図11に示すように、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過する間、第1の駆動輪13が第1の分岐間隔Z1を越えることができるように自動搬送車100が傾き、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過した後、自動搬送車100が傾かなくなり、第1の駆動輪13が第2の直線下側レールRD2に接触することになる。自動搬送車100が第2の上側レール群RU2を通過すると、第2の駆動輪14が第2の分岐間隔Z2を横切ることができるように自動搬送車100は再び傾き、自動搬送車100が第2の上側レール群RU2を通過した後、自動搬送車100はもはや傾くことがなく、第2の駆動輪14は第4の直線下側レールRD4に当接することになる。
【0060】
図1、
図6、
図14~
図16を併せて参照すると、
図14は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態の自動搬送車旋回時の上面図、
図15は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態の自動搬送車旋回時のも模式図、
図16は本発明空中自動搬送車の第1の実施例の自動搬送車旋回時の背面図である。
【0061】
図11で説明した実施形態に引き続き、デフォルトの主運動経路が直線であると仮定すると、制御モジュール12が、運転情報に従って、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過する際に旋回する必要があると判断した場合、制御モジュール12は、2つの第1の上側案内輪19Aと2つの第2の上側案内輪19Bは、同時に下側位置に配置させるように、案内輪移動装置17を制御する。
【0062】
図14ないし
図16に示すように、制御モジュール12が2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bを下側位置にした場合、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過する過程において、第1の上側案内輪19Aは第1のカーブ上側レールRU12の一側面に当接し、第1の上側案内輪19A付きのスライダー182はそれに隣り合う下側停止部184に当接するようになる。このとき、自動搬送車100は、第1の上側案内輪19A、スライダー182、下側停止部184及び第1のカーブ上側レールRU12の互いの位置関係により、
図16に示すように左方向に傾くことになる。第2の駆動輪14と第2の下側案内輪15Bは、第3の直線下側レールRD3には接触せず、宙に浮く状態となり、第1の駆動輪13と第1の下側案内輪15Aは、第1の直線下側レールRD1、第1のカーブ下側レールRR1を順に当接する。
【0063】
そして、2つの第1の上側案内輪19Aが第1のカーブ上側レールRU12の一側面に当接し、自動搬送車100が傾斜している場合、自動搬送車100は第1のカーブ上側レールRU12及び第1のカーブ下側レールRR1に沿って旋回し、自動搬送車100の旋回中にリフトした第2の駆動輪14が第3の直線下側レールRD3と第2の直線下側レールRD2間の第1のレール間隔X1を横切ることになる。
【0064】
図14及び
図16に示すように、自動搬送車100は、第1の上側レール群RU1を通る旋回中も傾斜を続け、第2の駆動輪14が第1のレール間隔X1を横切ることができるようになる。そして、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過した後、自動搬送車100の第2の駆動輪14が第2カーブ下側レールRR2に接触できるように自動搬送車100が傾くことはなくなる。
【0065】
なお、
図3及び
図6に示すように、第1の高さH1が第2の高さH2よりも大きいので、第1の上側レール群RU1に沿った自動搬送車100の旋回中に、2つの第2の上側案内輪19Bが第1の直線上側レールRU11の下方を通過し、第2の上側案内輪19Bが第1の直線上側レールRU11に接触しない。
【0066】
現在の技術では、自動搬送車が直進している時の速度を1m/sと仮定すると、旋回する前に自動搬送車の速度を0.4~0.5m/sに低下させ、自動搬送車の制御モジュールが旋回関連部品の作用を直ちに制御して、自動搬送車の内側と外側に位置する2つの駆動輪間の速度差を小さくし、これにより自動搬送車からこれにより、自動搬送車はスムーズに曲がることができるようになった。
【0067】
これに対し、本発明の空中走行型自動搬送車システム及び自動搬送車は、旋回時に自動搬送車100が傾斜し、自動搬送車100の一方の駆動輪が隣接する直線下側レールやカーブ下側レールに接触することがないため、自動搬送車100の直進時の速度を1m/sとすると、自動搬送車100は依然として0.75~1m/sの速度で旋回可能である。したがって、本発明の自動搬送車は、上記従来の自動搬送車と比較して、比較的高速に旋回することができるので、従来技術と比較して、搬送効率を向上させることができる。
【0068】
図17及び
図18を併せて参照すると、
図17は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態の自動搬送車が直進後旋回する状態の上面図であり、
図18は旋回時の自動搬送車の後面図である。
図11で説明した実施形態に引き続き、デフォルトの主運動経路が直線であると仮定すると、制御モジュール12が、運転情報に基づいて、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過するときに直進する必要があり、第2の上側レール群RU2を通過するときに旋回する必要があると判断した場合、制御モジュール12は、位置情報に基づいて、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過する直前と判断すると、制御モジュール12は、2つの第1の上側案内輪19Aと2つの第2の上側案内輪19Bが同時に上側位置にするように案内輪移動装置17を制御し、それで、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過する場合、直進することになる。
【0069】
自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過し、制御モジュール12が位置情報に基づいて、自動搬送車100が第2の上側レール群RU2を通過する直前と判断すると、制御モジュール12は、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bが上側位置から下側位置へ移動するように、案内輪移動装置17を制御する。
【0070】
2の第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bを下側位置に移動させた場合、自動搬送車100が第2の上側レール群RU2を通過すると、2つの第2の上側案内輪19Bが第2のカーブ上側レールRU22の一面に当接し、自動搬送車100が傾斜するとともに、第1の駆動輪13及び第1の下側案内輪15Aは第2の直線下側レールRD2と接触しない。第1の駆動輪13は宙に浮く状態となる。第2の駆動輪14及び第2の下側案内輪15Bは順に第3の直線下レールRD3、第3のカーブ下側レールRR3に当接され、これによって、自動搬送車100は第3のカーブ下側レールRR3及び第1の上レールRU2に沿って旋回することになる。
【0071】
自動搬送車100が第2の上側レール群RU2を通過する間、第1の駆動輪13は、第2の直線下側レールRD2と第4の直線下側レールRD4との間の第2のレール間隔X2を横断できるように、吊り下げ位置にある。
【0072】
以上のように、簡単に言えば、デフォルトの主運動経路が直進である場合に、制御モジュール12は、ある上側レール群を通過した後、自動搬送車100が旋回する必要があると判断した場合、自動搬送車100が旋回しようとする前に、運転情報及び位置情報に従って案内輪移動装置17を制御し、4つの上側案内輪を位置変更させ、それで、もともと直進する車両100が、次の上側レール群を通過する際に、隣接するカーブ下側レールおよび上側レール群に沿って旋回できるように位置を変更する。
【0073】
また、従来の技術では、旋回前の自動搬送車の移動経路が直進後旋回である場合、自動搬送車が1m/sの速度で直進していれば、自動搬送車がスムーズに旋回できるように、旋回前に関連部品が作用する時間を十分に確保するために、旋回前に自動搬送車の速度を0.5m/sまで下げなければならず、さらに、学習した自動搬送車の旋回前の関連部品の動きによって自動搬送車に振動も生じる可能性もあります。さらに、旋回前の関連部品の動きは、自動搬送車に振動を与え、荷物の安定性に影響を与える可能性がある。
【0074】
これに対し、本発明の自動搬送車100は、制御モジュール12が案内輪移動装置17を制御することなく、デフォルトの主運動経路に沿って移動(直進してから旋回)するので、自動搬送車100は旋回前にデフォルトの主運動経路に沿って1m/sの速度で移動でき、自動搬送車100は旋回前にも旋回時にも速度を落とさずに移動することが可能だ。旋回前または旋回中にこのように、本発明の自動搬送車100は、周知の自動搬送車と比較して、搬送効率が優れている。さらに、本発明の自動搬送車100は、デフォルトの主運動経路(直進、その後旋回)に沿った移動の際に、制御モジュール12が案内輪移動装置17の移動を制御しないため、従来の自動搬送車について上述した振動が発生することがない。
【0075】
図17では、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を直進した後、第2の上側レール群RU2に沿って旋回する例が示されているが、自動搬送車100は逆方向にも走行できることを言及しておく必要がある。すなわち、自動搬送車100の2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bは、まず下側位置にあることができるので、自動搬送車100はまず第2の上側レール群RU2に沿って旋回し、その後、制御モジュール12は2つの第1の上側案内輪19A及び第2の上側案内輪19Bを上側位置に移動させて、自動搬送車100が直進通過するようにすることができる。
【0076】
図6、
図19~
図21を共に参照してください。
図19は、本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態の自動搬送車が旋回した後、直進してさらに旋回するようにする状態を示す立体図、
図20は、本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態の第3の上側レール群の第3の直線上側レールと第3のカーブ上側レールの断面図、
図21は、本発明の空中走行型自動搬送車システムの第1の実施形態の自動搬送車が旋回した後、直進してさらに旋回するようにする状態の上面図である。
【0077】
本実施形態が
図11に示すものと異なる点は、本実施形態も第5の直線下側レールRD5、第5のカーブ下側レールRR5、第6のカーブ下側レールRR6を含み、第5のカーブ下側レールRR5に第5の直線下側レールRD5の一端が、第6のカーブ下側レールRR6に第3の直線下側レールRD3の一端が接続される。第5の直線下側レールRD5と第5のカーブ下側レールRR5が接続する端部と、第3の直線下側レールRD3と第6のカーブ下側レールRR6が接続しり他端部に、分岐間隔が形成される。
【0078】
本実施形態は、
図11に示す実施形態と比較して、第3の上側レール群RU3も含み、第3の上側レール群RU3は、第3の直線上側レールRU31と第3のカーブ上側レールRU32を含み、第3の直線上側レールRU31の下縁部が、隣接する第3の直線下側レールRD3が位置する平面E3までの最短距離は第5の高さH5であり、第3のカーブ上側レールRU32の下縁部までの最短距離は第6の高さH6である。第5の高さH5は第6の高さH6よりも大きく、第3の直線下レールRD3上を駆動輪が移動する面は、平面E3と同一平面上にある。
【0079】
図11で説明した実施形態に引き続き、デフォルトの主運動経路が直進であると仮定すると、制御モジュール12が、運転情報に基づいて、自動搬送車100が最初に第3の上側レール群RU3に沿って曲がり、次にある直進距離を直進し、最後に第1の上側レール群RU1に沿って再び曲がると決定した場合、制御モジュール12は、自動搬送車100が第3の上側レール群RU3を通過する前に、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bが同時に下側位置になるように案内輪移動装置17を制御し、それによって、自動搬送車100が第3の上側レール群RU3を通過する間に2つの第2の上側案内輪19Bが第3の旋回上側レールRU32の一側面に当接し、自動搬送車100が旋回する。
【0080】
第3の上側レール群RU3に沿った自動搬送車100の旋回中、自動搬送車100は傾斜し、第1の駆動輪13は宙に浮かれ、第1の駆動輪13は第1の直線下側レールRD1と第5の直線下側レールRD5との間の第3のレール間隔X3を通り渡ることができるようにする。
【0081】
制御モジュール12は、運転情報に基づいて直進距離が所定の距離よりも小さいと判断した場合、自動搬送車100が第3の上側レール群RU3を通過した後、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bが位置変更するように制御しなくなり、第1の上側案内輪19A及び第2の上側案内輪19Bが下側位置に留まるようにしてもよい。自動搬送車100が第3の直線上側レールRU3を通過して直進距離を移動した後、2つの第1の上側案内輪19Aが第1のカーブ上側レールRU12の片側に当てられ、自動搬送車100は第1の直線上側レールRU1に沿って旋回を継続することができる。
【0082】
すなわち、自動搬送車100がまず第3の上側レール群RU3に沿って旋回し、その後ある距離だけ直進し、再び第1の上側レール群RU1に沿って旋回するとき、制御モジュール12は、自動搬送車100が第3の上側レール群RU3を通過する前に案内輪移動装置17を制御し、各上側案内輪が下側位置にあるようにすればよく、その後、制御モジュール12は、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を完全に通過するまで、個々の上側案内輪の位置を変更しない。
【0083】
自動搬送車100は、上側レール群を通過することなく、主に2つの駆動輪によって直線下側レール上を移動するため、上側案内輪が上側位置または下側位置にあるかどうかは、自動搬送車100が上側レール群を通過せずに直線下側レール上を移動することに影響しないことに留意されたい。つまり、上記の所定の距離は、実際の要求に応じて設計することができるのである。
【0084】
また、自動搬送車100は、上側レール群を通過するときのみ傾き、上側レール群を通過した後は、自動搬送車100はもはや傾くことはなく、自動搬送車100に含まれる各駆動輪はその隣接する直線下側レールに接触し、自動搬送車100はその含まれる駆動輪を介して直線下側レールを移動することができる。
【0085】
上記のように、簡単に言えば、主移動経路が旋回した後、直進してさらに旋回するようにする場合、制御モジュール12は、自動搬送車100の複数の旋回の間、前記上側案内輪のいずれも位置を変更するように制御してもよく、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1に沿って旋回する前に制御モジュール12は少なくとも一つの上側案内輪を上側位置又は下側位置に制御するだけとする。
【0086】
先行技術では、自動搬送車が旋回で進入後に直進してからさらに旋回する場合、関連部品の変更を繰り返さなければならないので、自動搬送車が進入後にスムーズに直進旋回するために、自動搬送車の速度を極端に低下させるようになってしまう。これに対し、本発明の自動搬送車は、旋回後に比較的速い速度で直進することができるため、本発明の自動搬送車は、公知の自動搬送車に比べて搬送効率を向上させることが可能である。
【0087】
図22~
図25を併せて参照すると、
図22は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第2の実施形態の立体模式図、
図23は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第2の実施形態の第4の上側レール群の第4の直線上側レールと第4のカーブ上側レールの断面図、
図24は本発明の空中ロープウェイシステムの第2の実施形態の自動搬送車が旋回後に直進する様子を示す上面図、
図25は本発明の空中ロープウェイシステムの第2の実施形態の自動搬送車が旋回中に示す背面図である。
【0088】
本実施形態と
図11に示す先の実施形態との第1の相違点は、デフォルトの主運動経路が、まず旋回し、その後直進することである。本実施形態と
図11に示す実施形態との第2の相違点は、第3の直線下側レールRD3が第3のカーブ下側レールRR3と反対側の端部で第6の直線下側レールRD6に接続され、第6の直線下側レールRD6が第3の直線下側レールRD3と向かい合う端部で第7カーブ下側レールRR7に接続されており、第3の直線下側レールRD3が第6の直線下側レールRD6と向かい合う端部で第8のカーブ下側レールRR8に接続されていることである。第3の直線下側レールRD3は、第6の直線下側レールRD6と向かい合い、第8のカーブ下側レールRR8と接続されており、第3の直線下側レールRD3と第6の直線下側レールRD6との間に分岐間隔が形成される。
【0089】
この実施形態と
図11に示す実施形態との第3の相違点は、この実施形態も第4の上側レール群RU4からなることである。第4の上側レール群RU4は第4の直線上側レールRU41と第4のカーブ上側レールRU42を含み、第4の直線上側レールRU41は第1の直線下側レールRD1のほぼ上方に配置され、第4のカーブ上側レールRU42は第8のカーブ下側レールRR8ほぼ上方の位置に配置されている。第4の直線上側レールRU41の下縁部から隣接する第1の直線下側レールRD1が位置する平面E4までの直線距離は第7高さH7であり、第4のカーブ上側レールRU42の下縁部から平面E4までの直線距離は、第8の高さH8であり、第8の高さH8は第7高さH7より大きく、駆動輪が第1の直線上側レールRD1上を移動する面は平面E4と同じ平面である。
【0090】
図24に示すように、第1の上側レール群RU1の第1のカーブ上側レールRU12に沿った自動搬送車100の旋回中、2つの第2の上側案内輪19Bは第1のカーブ上側レールRU12の一側面に静止し、第1の駆動輪13は持ち上げられて第1のレール間隔X1をまたぐことになる。
【0091】
図24及び
図25に示すように、デフォルトの主運動経路は旋回してから直進するため、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1に沿って旋回した後、制御モジュール12はもはや案内輪移動装置17を制御せず、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bを下側位置に維持させる。自動搬送車100が第4の直線上側レールRU4に沿って移動すると、2つの第2の上側案内輪19Bが第4の直線上側レールRU41の片側に当接し、自動搬送車100が傾斜して、第1の駆動輪13が第3の直線下側レールRD3、第6の直線下側レールRD6に接触しないので、第1の駆動輪13が第3の分岐間隔Z3を横切ることになる。前記第3の分岐間隔Z3は、第7カーブ下側レールRR7に接続された第6の直線下側レールRD6の端部と第8の動ロアレールRR8に接続された第3の直線下側レールRD3の端部によって形成されている。
【0092】
図24に示すように、本実施形態の変形例の1つにおいて、デフォルトの主運動経路は、直進から旋回するようにされてもよい。すなわち、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1に沿って旋回する前に第4の上側レール群RU4を通るようになり、これで、自動搬送車100が第4の上側レール群RU4を通過するまで、制御モジュール12は2つの第1の上側案内輪19A及び第2の上側案内輪19Bを下側位置に移動し、その後、制御モジュール12は、自動搬送車100が第4の上側レール群RU4を完全に通過するまで、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bを再び制御しなくても良い。
【0093】
図26~
図29を併せて参照すると、
図26は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第3の実施形態の立体模式図、
図27は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第3の実施形態の第5の上側レール群の第5の直線上側レールと第5のカーブ上側レールの断面図、
図28は本発明空中ロープウェイシステムの第3の実施形態の自動搬送車が旋回した後、直進してさらに旋回するようにする様子を示す上面図、
図29は、本発明空中ロープウェイシステムの第3の実施形態の自動搬送車が旋回する際の様子を示す背面図である。
【0094】
本実施形態と
図11に示す先の実施形態との第1の相違点は、デフォルトの主運動経路が、まず旋回し、その後直進することである。本実施形態と
図11に示す実施形態との第2の相違点は、第3の直線下側レールRD3における第3のカーブ下側レールRR3から離れる端部は、第7直線下側レールRD7に対向し、第7直線下側レールRD7が第3の直線下側レールRD3と対向する端部は、第9カーブ下側レールRR9と接続され、第3の直線下側レールRD3が第7直線下側レールRD7と対向する端部は、第10のカーブ下側レールRR10と接続されていることである。第3の直線下側レールRD3と第7直線下側レールRD7との間に分岐間隔が形成される。
【0095】
この例と
図11に示す実施形態との第3の相違点は、本実施形態はさらに第5の上側レール群RU5を有することである。第5の上側レール群RU5は、第5の直線上側レールRU51と第5のカーブ上側レールRU52を含む。第5の直線上側レールRU51は第1の直線下側レールRD1のほぼ上に配置され、第5のカーブ上側レールRU52は第9のカーブ下側レールRR9のほぼ上に配置される。RU52は、RR9の9つ目の曲がり角のほぼ真上に位置する。第5の直線上側レールRU51の下縁部から、隣接する第1の直線下側レールRD1が位置する平面E5までの最短距離を第9高さH9とし、第5のカーブ上側レールRU52の下縁部から平面E5までの最短距離を第10の高さH10とする。第10の高さH10は第9の高さH9よりも大きい。第1の直線下側レールRD1上の駆動輪が移動する面は、平面E5と同一平面上にある。
【0096】
図28に示すように、制御モジュール12が、運転情報に基づいて、自動搬送車が第1の上側レール群RU1に沿って旋回し、その後直進してから第5の上側レール群RU5に沿って旋回すると判断した場合、自動搬送車100は既定の主運動経路(直進前に旋回)に沿って移動しないため、制御モジュール12は、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過してから自動搬送車100が第5の上側レール群RU5に入っていくまでに2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bを制御する。したがって、制御モジュール12は、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過した後、自動搬送車100が第5の上側レール群RU5に入る前に、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bが下側位置から上側位置へ移動するように制御することになる。
【0097】
図28及び
図29に示すように、自動搬送車100が第5の上側レール群RU5を通過する間、上側位置にある2つの第2の上側案内輪19Bは第5のカーブ上側レールRU52の片側に当接し、自動搬送車100は傾斜して第2の駆動輪14が懸架され、第2の駆動輪14は、第1の直線下側レールRD1と第5の直線下側レールRD5との間の第4のレール間隔X4を跨ぐようになり、第1の駆動輪13及び第1の下側案内輪15Aは、第10のカーブ下側レールRR10に当接しながら移動することになる。
【0098】
これに対し、制御モジュール12は、運転情報に基づいて、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過した後に第5の上側レール群RU5を直線的に通過すると判断した場合、制御モジュール12は、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過する前に2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bを下側位置に制御し、その後制御モジュール12は、自動搬送車100が第5の上側レール群RU5を完全に通過するまで、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bの位置を変更する必要がない。
【0099】
図30及び
図31を併せて参照すると、
図30は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第4の実施形態の上面図、
図31は本発明の空中走行型自動搬送車システムの第4の実施形態の第6の上側レール群の第6の直線上側レール及び第6のカーブ上側レールの断面図である。
図11に示す従来の実施形態との第1の相違点は、本実施形態はさらに、第11の第11のカーブ下側レールRR11、第12の第12のカーブ下側レールRR12、第8の直線下側レールRD8、第9直線下側レールRD9、第10の直線下側レールRD10、第6の上側レール群RU6を含む点である。
【0100】
第1のカーブ下側レールRR1における第1の直線下側レールRD1から離れた端部は、第11のカーブ下側レールRR11に接続され、第2のカーブ下側レールRR2における第2の直線下側レールRD2から離れた端部は、第12のカーブ下側レールRR12に接続される。第11のカーブ下側レールRR11の他方の端部は、第8の直線下側レールRD8と接続し、第12のカーブ下側レールRD12の他方の端部は、第9直線下側レールRD9と接続される。第10の直線下側レールRD10の一部は第8の直線下側レールRD8と並んで設けられ、第10の直線下側レールRD10の一部は第9の直線下側レールRD9と並んで設けられる。第8の直線下側レールRD8と第10の直線下側レールRD10の間に第5のレール間隔X5が形成されている。第8の直線下側レールRD8と第9の直線下側レールRD9の間に分岐間隔が配置される。
【0101】
第6の上側レール群RU6は、第6の直線上側レールRU61と第6のカーブ上側レールRU62とを含み、第6の直線上側レールRU61は第8の直線下側レールRD8と第9直線下側レールRD9のほぼ上方に位置し、第6のカーブ上側レールRU62は第12のカーブ下側レールRR12のほぼ上方に位置する。第6の直線上側レールRU61の下縁部から隣接する第9直線下側レールRD9が位置する平面E6までの高さを第11の高さH11とし、第6のカーブ上側レールRU62の下縁部から平面E6までの高さを第12の高さH12とし、第11の高さH11が第12の高さH12より大きく、第9直線下側レールRD9上の駆動輪が動く面は平面E6と同じ平面である。
【0102】
第6の上側レール群RU6に沿った自動搬送車100の旋回中、2つの第2の上側案内輪19Bは第6のカーブ上側レールRU62に当接し、自動搬送車100は傾斜して、第8の直線下側レールRD8および第10の直線下側レールRD10に接触することはなく、第1の駆動輪13は第5のレール間隔X5を横切る。
【0103】
デフォルトの主運動経路が直進であり、自動搬送車100の移動経路が:直線、連続旋回(第1の上側レール群RU1に沿って転回する、第6の上側レール群RU6に沿って転回する)、さらに直線であると仮定すると、制御モジュール12は、自動搬送車100が第1の上側レール群RU1を通過する前に2つの第1の上側案内輪19A及び2つ2つの第2の上側案内輪19Bを下側位置に配置する必要があり、その後、自動搬送車100が第6の上側レール群RU6を完全に通過するまで、制御モジュール12は、2つの第1の上側案内輪19A及び2つの第2の上側案内輪19Bの位置を再び変更する必要がない。
【0104】
すなわち、主運動路が直線であるように予め配置され、自動搬送車100が
図30の経路に沿って直線的に連続して旋回しながら移動する間、制御モジュール12は、各上側案内輪を制御して位置を変更する必要がなくなり、制御モジュール12が各上側案内輪を制御して位置を変更する頻度が少なくなるので、自動搬送車100は
図30の経路に沿ってより効率的に移動できるようになる。
【0105】
従来技術では、自動搬送車が
図30の経路に沿って移動する場合、自動搬送車が2つの連続したカーブをスムーズに通過できるように、関連制御モジュールが関連部品を繰り返し制御しなければならず、結果として自動搬送車が比較的低い速度で移動しなければならず、自動搬送車の効率が悪くなってしまう。
【0106】
要約すると、本発明の空中走行型自動搬送車システム及び自動搬送車は、前述した直線下側レール、カーブ下側レール、上レール群及び移動キットの設計を通じて、関係者が工場のニーズに応じてデフォルトの主運動経路を計画することができ、従って、自動搬送車が既存技術に比べて比較的高い速度で主移動路を通過でき、これにより、効果的にこれにより、自動搬送車の移動効率を向上させることができる。
【0107】
また、上述した実施形態及び図面では、例えば、上側レール群に含まれる直線上側レールの一端とカーブ上側レールの一端とが相互に接続されているが、上側レール群に含まれる直線上側レールとカーブ上側レールとは非接続であってもよく、すなわち、直線上側レールとカーブ上側レールとは独立して当該ブラケットにより天井付近の工場から懸架されていてもよい。
【0108】
また、前述の例で説明したように、自動搬送車は、主に上側案内輪と相互協力の直線上側レールまたはカーブ上側レールの上側レール群を介して、自動搬送車をまっすぐまたは旋回させる。したがって、各上側レール群における直線上側レールとカーブ上側レール、およびそれに隣り合う直線下側レール及びカーブ下側レールと互いの位置関係は、実際のニーズに応じてすることができる設計することである。
【0109】
特に、上述の各カーブ下側レールは、曲線である少なくとも1つの部分を含むレール部を意味し、すなわち場合によって、カーブ下側レールは部分的に直線であるレール部も含むことができ、これに対し、上述の各直線下側レールは、直線であるレール部のみを含むレールを意味する。また、実際には、平面E1~E6が同じ高さにある場合もある。
【0110】
図32及び
図33を併せて参照すると、
図32及び
図33は、それぞれ本発明の空中走行型自動搬送車システムの第5の実施形態の立体図及び上面図である。本実施形態が
図15に示す実施形態と主に異なる点は、第1のカーブ下側レールRR1に隣接して第1の上側レール群RU1を設けず、第2のカーブ下側レールRR2に隣接して補助カーブ上側レールRU7を設け、第2のカーブ下側レールRR2を第3の直線下側レールRD3と接続したことである。
【0111】
自動搬送車100の2つの第2の上側案内輪19Bが下側位置にあり、補助カーブ上側レールRU7に当接する場合、自動搬送車100は傾斜し(
図25に示す移動キット1と同じ姿勢)、2つの第2の上側案内輪19Bが補助カーブ上側レールRU7と当接しなくなるまで、自動搬送車100の第1の駆動輪13は第1の直線下側レールRD1および第1のカーブ下側レールRR1に接触しないよう持ち上げられることになる。
【0112】
以上のように、補助カーブ上側レールRU7の設計では、自動搬送車100の旋回過程において、第2の駆動輪14および第2の下側案内輪15Bは第3の直線下側レールRD3および第2のカーブ下側レールRR2に当接し、第1の駆動輪13および第1の下側案内輪15Aは第1の直線下側レールRD1および第1のカーブ下側レールRR1には当接しないことになる。この設計により、自動搬送車100を比較的高速に旋回させることができる。
【0113】
本発明の空中走行型自動搬送車システムの第6の実施の形態を示す立体図および上面図をそれぞれ
図34および
図35に参照する。本実施形態と第5の実施形態との主な相違点は、補助カーブ上側レールRU8が第1のカーブ下側レールRR1の上方に隣接して配置され、補助カーブ上側レールRU8、第3の直線下側レールRD3及び第2のカーブ下側レールRR2に沿った自動搬送車100の旋回中、2つの第1の上側案内輪19Aが上側位置に位置し、かつ、自動搬送車100は傾斜状態となる(
図12に示された移動キット1の姿勢と同様)。自動搬送車100における第1の駆動輪13は、2つの第1の上側案内輪19Aが補助回動上側レールRU8に当たらなくなるまで、第1の直線下側レールRD1及び第1のカーブ下側レールRR1に接触しないように持ち上げておく。
【0114】
なお、本発明において提供した空中走行型自動搬送車システムの自動搬送車及び移動キットは、独立して製造、実施及び販売することができ、本発明において上述した自動搬送車は、直線下側レール、カーブ下側レール及び上側レール群と共に製造、実施及び販売することに限られないことに留意すべきである。
【0115】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0116】
A:空中走行型自動搬送車システム
100:自動搬送車
1:移動キット
11:本体部
12:制御モジュール
13:第1の駆動輪
14:第2の駆動輪
15A:第1の下側案内輪
15B:第2の下側案内輪
17:案内輪移動装置
171:駆動ユニット
172:連動組立体
18:スイッチングモジュール
181:傾斜案内レール
182:スライダー
183:上側停止部
184:下側停止部
19A:第1の上側案内輪
19B:第2の上側案内輪
2:車両フレーム
21:収容空間
3:キャリア保持装置
200:識別ユニット
E1,E2,E3,E4,E5,E6:平面
H1:第1の高さ
H2:第2の高さ
H3:第3の高さ
H4:第4の高さ
H5:第5の高さ
H6:第6の高さ
H7:第7の高さ
H8:第8の高さ
H9:第9の高さ
H10:第10の高さ
H11:第11の高さ
H12:第12の高さ
P:傾斜路
RD1:第1の直線下側レール
RD2:第2の直線下側レール
RD3:第3の直線下側レール
RD4:第4の直線下側レール
RD5:第5の直線下側レール
RD6:第6の直線下側レール
RD7:第7の直線下側レール
RD8:第8の直線下側レール
RD9:第9の直線下側レール
RD10:第10の直線下側レール
RR1:第1のカーブ下側レール
RR2:第2のカーブ下側レール
RR3:第3のカーブ下側レール
RR4:第4のカーブ下側レール
RR5:第5のカーブ下側レール
RR6:第6のカーブ下側レール
RR7:第7のカーブ下側レール
RR8:第8のカーブ下側レール
RR9:第9のカーブ下側レール
RR10:第10のカーブ下側レール
RR11:第11のカーブ下側レール
RR12:第12のカーブ下側レール
RU1:第1の上側レール群
RU11:第1の直線上側レール
RU12:第1のカーブ上側レール
RU2:第2の上側レール群
RU21:第2の直線上側レール
RU22:第2のカーブ上側レール
RU3:第3の上側レール群
RU31:第3の直線上側レール
RU32:第3のカーブ上側レール
RU4:第4の上側レール群
RU41:第4の直線上側レール
RU42:第4のカーブ上側レール
RU5:第5の上側レール群
RU51:第5の直線上側レール
RU52:第5のカーブ上側レール
RU6:第6の上側レール群
RU61:第6の直線上側レール
RU62:第6のカーブ上側レール
RU7:補助カーブ上側レール
RU8:補助カーブ上側レール
X1:第1のレール間隔
X2:第2のレール間隔
X3:第3のレール間隔
X4:第4のレール間隔
X5:第5のレール間隔
Z1:第1の分岐間隔
Z2:第2の分岐間隔
Z3:第3の分岐間隔