(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240710BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2023223270
(22)【出願日】2023-12-28
【審査請求日】2023-12-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】花井 一寛
(72)【発明者】
【氏名】五百崎 太郎
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-142361(JP,A)
【文献】米国特許第11295395(US,B1)
【文献】特開2023-053760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
所定の申請を行うユーザからの入力により、ユーザ同士があらかじめ連携された状態でテキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップと、
前記申請を行うユーザからの投稿データから、前記申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が前記申請投稿データである場合、前記申請投稿データを解析して前記申請の内容に対応する申請データを生成するステップと、
前記申請に対する所定の承認を行うユーザからの入力により、前記コミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップと、
前記承認を行うユーザからの投稿データか
ら、前記申請データに対する前記承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が前記承認投稿データである場合、前記承認投稿データを解析して前記承認の内容に対応する承認データを生成するステップと、
前記生成された申請データ及び承認データを出力するステップと、を実行させ、
前記承認投稿データを解析するステップにおいて、前記申請を行うユーザによる投稿データと、前記承認を行うユーザによる投稿データとを解析し、前記申請を行うユーザと前記承認を行うユーザとの関係を割り出し、前記申請を行うユーザと前記承認を行うユーザとの関係に基づいて前記承認データを生成する、プログラム。
【請求項2】
前記プログラムは、さらに、
設定された所定の条件に基づき、
前記申請データに対する所定の承認を行うための承認データを生成して出力するステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記承認データを生成して出力するステップにおいて、前記承認データとともに、前記承認の内容に対応する関連情報を出力する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記申請の内容に対応する申請データを生成するステップにおいて、前記申請投稿データ以外の情報を補完して申請データを生成する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記申請の内容に対応する申請データを生成するステップにおいて、画像による前記申請投稿データを解析して申請データを生成する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記申請の内容に対応する申請データを生成するステップにおいて、前記申請投稿データの宛先を示す宛先情報を解析して申請データを生成する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
制御部と、メモリとを備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
所定の申請を行うユーザからの入力により、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップと、
前記申請を行うユーザからの投稿データから、前記申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が前記申請投稿データである場合、前記申請投稿データを解析して前記申請の内容に対応する申請データを生成するステップと、
前記申請に対する所定の承認を行うユーザからの入力により、前記コミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップと、
前記承認を行うユーザからの投稿データから
、前記申請データに対する前記承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が前記承認投稿データである場合、前記承認投稿データを解析して前記承認の内容に対応する承認データを生成するステップと、
前記生成された申請データ及び承認データを出力するステップと、を実行し、
前記承認投稿データを解析するステップにおいて、前記申請を行うユーザによる投稿データと、前記承認を行うユーザによる投稿データとを解析し、前記申請を行うユーザと前記承認を行うユーザとの関係を割り出し、前記申請を行うユーザと前記承認を行うユーザとの関係に基づいて前記承認データを生成する、情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行されるための方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
所定の申請を行うユーザからの入力により、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップと、
前記申請を行うユーザからの投稿データから、前記申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が前記申請投稿データである場合、前記申請投稿データを解析して前記申請の内容に対応する申請データを生成するステップと、
前記申請に対する所定の承認を行うユーザからの入力により、前記コミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップと、
前記承認を行うユーザからの投稿データか
ら、前記申請データに対する前記承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が前記承認投稿データである場合、前記承認投稿データを解析して前記承認の内容に対応する承認データを生成するステップと、
前記生成された申請データ及び承認データを出力するステップと、を実行し、
前記承認投稿データを解析するステップにおいて、前記申請を行うユーザによる投稿データと、前記承認を行うユーザによる投稿データとを解析し、前記申請を行うユーザと前記承認を行うユーザとの関係を割り出し、前記申請を行うユーザと前記承認を行うユーザとの関係に基づいて前記承認データを生成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業等では、従業員等から各種申請を受け付け、その申請に対する意思決定を示す決裁をすることで当該申請に対する承認/不承認を示す。このような決裁は、従来、申請書を作成して上長である承認者へ示し、押印してもらうことで承認の手続きを行っていた。しかし、近年では、このような申請、承認について、コンピュータを活用して電子的手続きにより行うシステムが提供されている。
【0003】
このような申請、承認の手続きを支援する決裁システムの技術として、特許文献1には、決裁システムと連係するチャットボットを利用することにより、決裁申請に対する通知と決裁内容の確認、および承認を含んだ全般的な決裁プロセスを行うシステムについての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、業務上の連絡をするためのツールとして、チャットツールが普及してきている。チャットツールは、あらかじめ従業員等のユーザ同士がアカウントとして連携され、この状態でテキスト、及びスタンプ等と呼ばれる画像によりコミュニケーションを行うためのツールである。
【0006】
上記のような各種申請をする際、実際に各種申請の手続きを行う前に申請の内容について事前に相談等のコミュニケーションをすることがあり、このようなチャットツールによるコミュニケーションも活用されている。しかし、コミュニケーションによる合意の後、従来のシステムではあらためて申請内容をシステム上に入力する必要があり、申請者にとって手間であった。
【0007】
そこで、本開示では、各種申請を行うための申請システムにおいて、コミュニケーションツールに対する投稿内容から、自動で各種申請をするための申請データを生成する技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施の形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、所定の申請を行うユーザからの入力により、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップと、申請を行うユーザからの投稿データから、申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定するステップと、判定の結果が申請投稿データである場合、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成するステップと、生成された申請データを出力するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コミュニケーションツールに対する投稿を受け付けると、各種申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定し、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成して出力する。そのため、自動で各種申請をするための申請データを生成することが可能になる。これにより、各種申請に要する手間を削減し、申請データを改めて作成する際に生じるミスを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1の申請システム1の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3の申請データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】
図3の投稿データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【
図6】申請システム1による申請投稿データ受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】申請システム1による承認投稿データ受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】端末装置10に表示するコミュニケーションツールに投稿された画面例を示す図である。
【
図9】端末装置10に表示する生成された申請データの画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。以下の説明では、同一の構成には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、CPU(a Central Processing Unit)、従来型の回路、および/又はそれらの組合せを含む、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含み、circuitry又はprocessing circuitryとみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。
【0013】
本明細書において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。
【0014】
当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成するために用いられるソフトウェアの組合せである。
【0015】
<概要>
以下、本開示に係る申請システムについて説明する。本開示に係る申請システムは、企業や個人事業主等の事業者に対して、従業員等から各種申請を受け付けて申請に対する承認/不承認の決裁を行うためのシステムである。企業や個人事業主で行われる各種申請とは、例えば、経費、購買、出張による交通費等についての申請であり、企業等における上長に承認を求めるために行われる手続きである。本開示に係る申請システムは、従業員等の申請者から申請に係る申請データを受け付け、従業員等の上長である承認者から承認されたことを示す承認データを受け付ける、決裁についての手続きを支援するコンピュータシステムである。また、本開示に係る申請システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムである。
【0016】
ところで、上記のように、業務上の連絡をするためのツールとして、チャットツールが普及してきており、各種申請の手続きにおいてもチャットツールを活用したい、というニーズがある。例えば、各種申請をする際、実際に各種申請の手続きを行う前に申請の内容について事前に相談等のコミュニケーションをすることがあり、その際にチャットツールによるコミュニケーションが行われている。しかし、コミュニケーションにより合意が得られた後、従来のような申請(決裁)システムでは、あらためて申請内容をシステム上に入力する必要があり、申請者にとって手間であった。
【0017】
そこで、本開示に係る申請システムは、チャットツールのような、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿を受け付けると、各種申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定し、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成して出力する。
【0018】
また、本開示に係る申請システムは、コミュニケーションツールに対する投稿を受け付けると、申請データに対する承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定し、承認投稿データを解析して承認の内容に対応する承認データを生成して出力する。
【0019】
上記のような構成により、自動で各種申請をするための申請データを生成することが可能になる。これにより、各種申請に要する手間を削減し、申請データを改めて作成する際に生じるミスを防止することを可能にしている。
【0020】
<実施の形態1>
以下、申請システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0021】
<1 申請システム1の全体構成>
図1は、実施の形態1の申請システム1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、申請システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施の形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)であり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0022】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して申請システム1の機能である、各種申請、及び申請に対する承認をする者であり、例えば事業者である企業の従業員、及びその上長等である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0023】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0024】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0025】
サーバ20は、企業や個人事業主等の事業者に対して、従業員等から各種申請を受け付けて申請に対する承認/不承認の決裁を行うサービスを提供する装置である。サーバ20は、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿を受け付けると、各種申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定し、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成して出力する。また、サーバ20は、コミュニケーションツールに対する投稿を受け付けると、申請データに対する承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定し、承認投稿データを解析して承認の内容に対応する承認データを生成して出力する。
【0026】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0027】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0028】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、
図1の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
図2に示す端末装置10は、移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末として説明するが、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。
【0029】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0030】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0031】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0032】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0033】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0034】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0035】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0036】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0037】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15及び記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0038】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して、申請システム1の機能である各種申請及び申請に対する承認の処理を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、従業員の氏名等の情報が含まれる。
【0039】
制御部170は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10の記憶部160に格納され、インストールされているアプリケーションである図示しないプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、通知制御部173と、データ処理部174としての機能を発揮する。
【0040】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0041】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0042】
通知制御部173は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部173は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0043】
データ処理部174は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0044】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、
図1のサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0045】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0046】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26から構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、申請データベース2021と、投稿データベース2022と、解析モデルデータベース2023等を記憶する。
【0047】
申請データベース2021は、申請システム1の管理対象である、各種申請に必要な項目、項目の内容、及び申請投稿データからのデータ取得先を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0048】
投稿データベース2022は、申請システム1の管理対象である、各種申請を行うための申請投稿データと、申請投稿データから取得した項目別のデータを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0049】
解析モデルデータベース2023は、申請システム1において、コミュニケーションツールに対する投稿が投稿申請データまたは承認投稿データであるか否かを判定し、投稿申請データまたは承認投稿データの内容を解析するためのモデル情報を保持するためのデータベースである。解析モデルデータベース2023は、具体例として、コミュニケーションツールに対する投稿内容と、投稿申請データまたは承認投稿データとを学習して、投稿申請データまたは承認投稿データであるか否かを判定して出力する機械学習モデルでもよい。この機械学習モデルは、例えば、所定の教師データを使用した教師あり機械学習による学習モデルでもよく、教師なし機械学習による学習モデルでもよく、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)を用いた学習モデル等が含まれてもよい。
【0050】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、投稿データ取得モジュール2033、投稿データ判定モジュール2034、投稿データ解析モジュール2035、データ出力モジュール2036、及び関連データ出力モジュール2037に示す機能を発揮する。
【0051】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0052】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0053】
投稿データ取得モジュール2033は、申請システム1のユーザによる端末装置10の操作により、所定の申請を行うユーザから入力された、コミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得する処理を制御する。このとき、投稿データ取得モジュール2033がユーザから取得する投稿は、申請システム1への所定の申請についてのものである。所定の申請とは、例えば、経費、購買、出張による交通費等についての申請であり、ユーザが所属する企業に対して行うものである。
【0054】
ここで、コミュニケーションツールとは、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うツールをいうものであり、具体的には、Slackのようなチャットツール、SNS(Social Networking Service)メッセージ、SMS(Short Message Service)メッセージ等を含む。投稿データ取得モジュール2033が受け付ける投稿は、テキストで入力された投稿と、スタンプ等と呼ばれる画像による投稿を含む。コミュニケーションツールに投稿されるスタンプ等と呼ばれる画像とは、例えば、「確認します」、「OK」のような端的なメッセージ内容を小さな画像にしたものであり、テキスト入力を省略できるようにするため、このようなコミュニケーションツールで幅広く用いられているものである。
【0055】
また、投稿データ取得モジュール2033は、申請システム1のユーザによる端末装置10の操作により、申請に対する所定の承認を行うユーザから入力された、コミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得する。このとき、投稿データ取得モジュール2033が取得する投稿は、申請システム1への申請に対する所定の承認についてのものである。所定の承認とは、例えば、経費、購買、出張による交通費等についての申請に対して承認/不承認の結果を通知するものである。この場合も、投稿データ取得モジュール2033がユーザから受け付ける投稿は、テキストで入力された投稿と、スタンプ等と呼ばれる画像による投稿を含む。
【0056】
投稿データ取得モジュール2033は、例えば、コミュニケーションツールに対する所定の投稿、具体的には所定の画像(スタンプ)が投稿されたこと、所定の宛先への投稿がされたことを検出すると、上記の投稿データを取得する。
【0057】
投稿データ取得モジュール2033は、受け付けた投稿による投稿データを、例えば投稿データベース2022に格納して記憶させる。
【0058】
投稿データ判定モジュール2034は、申請システム1に対して申請を行う、申請システム1のユーザからの投稿データから、上記のような申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定する処理を制御する。このとき、投稿データ判定モジュール2034は、例えば解析モデルデータベース2023に格納されているモデル情報に基づき、投稿データのテキストまたは画像が申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定する。
【0059】
また、投稿データ判定モジュール2034は、申請システム1に対して承認を行う、申請システム1のユーザからの投稿データから、上記のような申請に対する承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定する。このとき、投稿データ判定モジュール2034は、例えば解析モデルデータベース2023に格納されているモデル情報に基づき、投稿データのテキストまたは画像が申請に対する承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定する。
【0060】
投稿データ判定モジュール2034は、例えば、テキスト入力の投稿データから申請投稿データまたは承認投稿データであるか否かを判定する際、自然言語処理の手法であるテキストマイニング等を用いて投稿データのテキストの文言解析を行い、申請に係る投稿内容または承認投稿データであるか否かを判定する。また、投稿データ判定モジュール2034は、例えば、スタンプ等の画像の投稿データから申請投稿データまたは承認投稿データであるか否かを判定する際、画像解析処理による特徴量抽出等を行い、投稿データの画像解析を行うことで申請または承認に係る投稿内容であるか否かを判定する。
【0061】
投稿データ解析モジュール2035は、投稿データ判定モジュール2034の判定結果が申請投稿データである場合、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成する処理を制御する。このとき、投稿データ解析モジュール2035は、例えば解析モデルデータベース2023に格納されているモデル情報に基づき、投稿データのテキストまたは画像から申請の内容に対応する申請データを生成する。また、投稿データ解析モジュール2035は、例えば申請データベース2021に格納されている申請に必要な項目、項目の内容、及び申請投稿データからのデータ取得先のデータに基づき、申請の内容に対応する申請データを生成する。
【0062】
また、投稿データ解析モジュール2035は、投稿データ判定モジュール2034の判定結果が承認投稿データである場合、承認投稿データを解析して承認の内容に対応する承認データを生成する処理を制御する。このとき、投稿データ解析モジュール2035は、例えば解析モデルデータベース2023に格納されているモデル情報に基づき、投稿データのテキストまたは画像から申請の内容に対応する承認データを生成する。
【0063】
また、投稿データ解析モジュール2035は、投稿データ判定モジュール2034の判定結果が申請投稿データである場合、かつ当該申請の内容について、所定の条件が設定されている場合、対応する承認データを生成する処理を制御する。すなわち、投稿データ解析モジュール2035は、ユーザからの申請に対して自動で承認してもよい旨の設定がされている場合、自動で承認データを生成してもよい。このような構成は、例えば所定の金額以下の購買申請の場合、承認者の承認を不要とする場合等に有用である。
【0064】
さらに、投稿データ解析モジュール2035は、申請投稿データの内容だけでは申請データを生成するためのデータ(項目)が不足している場合、申請投稿データ以外のデータを補完して申請データを生成してもよい。例えば、交通費に関する申請の場合、実際の交通費は経路検索等のWebサービス等により取得してもよい。
【0065】
また、投稿データ解析モジュール2035は、申請を行うユーザによる投稿データと、承認を行うユーザによる投稿データとを解析し、申請を行うユーザと承認を行うユーザとの関係を割り出し、申請を行うユーザと承認を行うユーザとの関係に基づいて承認データを生成してもよい。投稿データ解析モジュール2035は、例えば、申請を行うユーザによる投稿データと、承認を行うユーザによる投稿データとを文言解析し、申請を行うユーザが承認を行うユーザの部下のような立場であることを解析する。また、投稿データ解析モジュール2035は、例えば、申請を行うユーザによる投稿データの宛先(宛先情報)を解析する。このような解析結果に基づき、投稿データ解析モジュール2035は、承認データを生成してもよい。
【0066】
投稿データ解析モジュール2035は、例えば、テキスト入力の申請投稿データを解析して申請データを生成する場合、またはテキスト入力の承認投稿データを解析して承認データを生成する場合、自然言語処理の手法であるテキストマイニング等を用いて申請投稿データまたは承認投稿データのテキストの文言解析を行い、申請データまたは承認データを生成する。また、投稿データ解析モジュール2035は、例えば、スタンプ等の画像の申請投稿データを解析して申請データを生成する場合、または画像の承認投稿データを解析して承認データを生成する場合、画像解析処理による特徴量抽出等を行い、申請投稿データまたは承認投稿データの画像解析を行うことで申請データまたは承認データを生成する。
【0067】
データ出力モジュール2036は、投稿データ解析モジュール2035が生成した申請データを出力する処理を制御する。データ出力モジュール2036は、例えば申請データを所定のデータベース(図示は省略)へ出力し、承認待ち状態として記憶させる。また、データ出力モジュール2036は、例えば申請データを、申請に対する所定の承認を行うユーザの端末装置10へ送信し、ディスプレイ150に表示させることによりユーザに提示して承認を求める。
【0068】
また、データ出力モジュール2036は、投稿データ解析モジュール2035が生成した承認データを出力する処理を制御する。データ出力モジュール2036は、例えば承認データを所定のデータベース(図示は省略)へ出力し、承認済状態として記憶させ、当該申請が通ったことが認識できるようにする。また、データ出力モジュール2036は、例えば承認データを、申請を行ったユーザの端末装置10へ送信し、ディスプレイ150に表示させることによりユーザに提示する。
【0069】
関連データ出力モジュール2037は、データ出力モジュール2036が承認データを出力するとき、承認データとともに、承認の内容に対応する関連情報を出力する処理を制御する。関連データ出力モジュール2037が出力する関連情報とは、例えば、承認の内容が購買申請の場合、当該購買に係る商品を購入可能なWebページ等である。
【0070】
<2 データ構造>
図4は、
図3の申請データベース2021のデータ構造の例を示す図である。また、
図5は、
図3の投稿データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【0071】
図4に示すように、申請データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「申請ID」と、項目「申請手続名」と、項目「申請データ項目情報」等を含む。
【0072】
項目「申請ID」は、申請システム1で管理する、各種申請の手続きそれぞれを識別する情報である。
【0073】
項目「申請手続名」は、申請システム1にて管理する、各種申請の手続きの名称である。
【0074】
項目「申請データ項目情報」は、申請システム1にて管理する、各種申請の手続きに必要な項目のデータであり、具体的には、項目「項目名」と、項目「内容」と、項目「データ取得先」等を含む。この項目「申請データ項目情報」は、投稿データ解析モジュール2035が申請データを生成する際に、項目ごとにどのデータを取得するかを登録した情報である。
【0075】
項目「項目名」は、申請システム1にて管理する、各種申請の手続きに必要な項目の名称である。
【0076】
項目「内容」は、申請システム1にて管理する、各種申請の手続きに必要な項目の属性や意味を示すデータである。
【0077】
項目「データ取得先」は、申請システム1にて管理する、各種申請の手続きに必要な項目の申請投稿データからのデータ取得先を示すデータである。例えば、
図4に示す項目「申請ID」が「#0101」における項目「項目名」が「申請者氏名」の場合、投稿者のアカウント情報から取得することが格納されている。
【0078】
サーバ20は、申請システム1が受け付ける申請手続きの種類が増減することに伴って、申請データベース2021のレコードを増減させる。
【0079】
図5に示すように、投稿データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「投稿ID」と、項目「投稿ユーザID」と、項目「投稿日時」と、項目「申請ID」と、項目「投稿内容詳細」等を含む。
【0080】
項目「投稿ID」は、申請システム1にて管理する、コミュニケーションツールに投稿された投稿それぞれを識別する情報である。
【0081】
項目「投稿ユーザID」は、申請システム1にて管理する、コミュニケーションツールに投稿したユーザそれぞれを識別する情報である。
【0082】
項目「投稿日時」は、申請システム1にて管理する、コミュニケーションツールに投稿された投稿の日時を示す情報である。
【0083】
項目「申請ID」は、申請システム1にて管理する、コミュニケーションツールに投稿された投稿に該当する申請手続きそれぞれを識別する情報であり、申請データベース2021の項目「申請ID」に対応する。
【0084】
項目「投稿内容詳細」は、申請システム1にて管理、コミュニケーションツールに投稿された投稿の内容を項目ごとに抽出したデータであり、具体的には、項目「項目名」と、項目「記載内容」等を含む。
【0085】
項目「項目名」は、投稿データに記載されている項目の項目名である。
【0086】
項目「記載内容」は、投稿データに記載されている項目ごとの記載内容である。
【0087】
サーバ20の投稿データ取得モジュール2033は、投稿データを受け付けることに伴って、投稿データベース2022のレコードを追加する。
【0088】
<3 動作>
以下、
図6及び
図7を参照しながら、実施の形態1における申請システム1による申請投稿データ受付処理、及び承認投稿データ受付処理について説明する。
【0089】
図6は、申請システム1による申請投稿データ受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0090】
ステップS121において、サーバ20の投稿データ取得モジュール2033は、端末装置10から送信された、所定の申請を行うユーザから入力されたコミュニケーションツールに対する投稿データを、通信部201を介して取得する。投稿データ取得モジュール2033は、例えば、コミュニケーションツールに対する所定の投稿、具体的には所定の画像(スタンプ)が投稿されたこと、所定の宛先への投稿がされたことを検出すると、上記の投稿データを取得し、ステップS121の処理を行う。
【0091】
ステップS122において、サーバ20の投稿データ判定モジュール2034は、ユーザからの投稿データから、例えば解析モデルデータベース2023に格納されているモデル情報に基づき、各種申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定する。ステップS122では、例えば、自然言語処理の手法であるテキストマイニング等を用いて投稿データのテキストの文言解析を行い、または画像解析処理による特徴量抽出等を行って投稿データの画像に対する画像解析を行うことで、各種申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定する。
【0092】
ステップS123において、サーバ20の投稿データ解析モジュール2035は、ステップS122の判定結果が申請投稿データである場合、例えば解析モデルデータベース2023に格納されているモデル情報に基づき、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成する。なお、ステップS123では、申請投稿データに係る申請の内容について、所定の条件が設定されている場合、対応する承認データを自動で生成してもよい。
【0093】
ステップS124において、サーバ20のデータ出力モジュール2036は、ステップS123で生成した申請データを出力する。ステップS124では、例えば、申請データを所定のデータベースへ出力し、承認待ち状態として記憶させる。また、ステップS124では、例えば申請データを、申請に対する所定の承認を行うユーザの端末装置10へ送信し、ディスプレイ150に表示させることによりユーザに提示して承認を求める。
【0094】
以上のように、申請システム1では、コミュニケーションツールに対する投稿データが各種申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定し、該当する場合、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成して出力する。
【0095】
図7は、申請システム1による承認投稿データ受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS221において、サーバ20の投稿データ取得モジュール2033は、端末装置10から送信された、申請に対する所定の承認を行うユーザから入力されたコミュニケーションツールに対する投稿データを、通信部201を介して取得する。投稿データ取得モジュール2033は、例えば、コミュニケーションツールに対する所定の投稿、具体的には所定の画像(スタンプ)が投稿されたこと、所定の宛先への投稿がされたことを検出すると、上記の投稿データを取得し、ステップS221の処理を行う。
【0097】
ステップS222において、サーバ20の投稿データ判定モジュール2034は、ユーザからの投稿データから、例えば解析モデルデータベース2023に格納されているモデル情報に基づき、各種申請に対する承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定する。ステップS222では、例えば、自然言語処理の手法であるテキストマイニング等を用いて投稿データのテキストの文言解析を行い、または画像解析処理による特徴量抽出等を行って投稿データの画像に対する画像解析を行うことで、各種申請に対する承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定する。
【0098】
ステップS223において、サーバ20の投稿データ解析モジュール2035は、ステップS222の判定結果が承認投稿データである場合、例えば解析モデルデータベース2023に格納されているモデル情報に基づき、承認投稿データを解析して承認の内容に対応する承認データを生成する。
【0099】
ステップS224において、サーバ20のデータ出力モジュール2036は、ステップS223で生成した承認データを出力する。ステップS224では、例えば、承認データを所定のデータベースへ出力し、承認済状態として記憶させる。また、ステップS224では、例えば承認データを、申請を行ったユーザの端末装置10へ送信し、ディスプレイ150に表示させることによりユーザに提示する。
【0100】
以上のように、申請システム1では、コミュニケーションツールに対する投稿データが各種申請に対する承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定し、該当する場合、承認投稿データを解析して承認の内容に対応する承認データを生成して出力する。
【0101】
<4 画面例>
以下、
図8及び
図9を参照しながら、申請システム1によるコミュニケーションツールに投稿された画面例、及び生成された申請データの画面例について説明する。
【0102】
図8は、端末装置10に表示するコミュニケーションツールに投稿された画面例を示す図である。
図8の画面例は、コミュニケーションツールに対してユーザが各種申請、当該申請に対する承認の投稿をした状態を、端末装置10のディスプレイ150に表示した画面例を示す。
図6のステップS121、
図7のステップS221に相当する。
【0103】
図8に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ウィンドウ1031が表示されている。このウィンドウ1031には、コミュニケーションツールの表示画面であるツール表示画面1031aが表示されている。
【0104】
ツール表示画面1031aには、投稿内容として、投稿者を示すアカウント表示欄1031b,1031e,1031h,1031jと、投稿の宛先を示すメンション表示欄1031c,1031f,1031kと、投稿の内容を示す投稿内容表示欄1031d,1031g,1031i,1031lとが表示されている。
【0105】
アカウント表示欄1031b,1031e,1031h,1031jには、当該コミュニケーションツールに登録されたアカウントが表示される。このアカウントは、例えば企業等の従業員のみで構成されてもよく、他社と連携される場合は他社の従業員等が含まれてもよい。メンション表示欄1031c,1031f,1031kには、投稿をする際に誰に向けた投稿なのかを示すための宛先であり、当該コミュニケーションツールに登録された特定のアカウント(特定の複数のアカウント、すべてのアカウントも含む)が投稿者によって指定され、表示される。なお、このメンション表示欄は、投稿に宛先の記載がない場合は表示されない。投稿内容表示欄1031d,1031g,1031i,1031lは、投稿者の投稿内容が表示される。投稿内容は、投稿内容表示欄1031d,1031g,1031iのようにテキスト入力された文字情報と、投稿内容表示欄1031lのようにスタンプ等と呼ばれる画像とが含まれる。
【0106】
サーバ20の投稿データ取得モジュール2033は、これらの投稿データを取得し、投稿データ判定モジュール2034で申請投稿データまたは承認投稿データであるか否かが判定され、投稿データ解析モジュール2035で申請データまたは承認データの生成が行われる。
【0107】
図9は、端末装置10に表示する生成された申請データの画面例を示す図である。
図9の画面例は、データ出力モジュール2036により出力された申請データの例として、出張申請が承認者の端末装置10へ送信され、ディスプレイ150に表示された状態の画面例を示す。
図6のステップS124に相当する。
【0108】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ウィンドウ1032が表示されている。このウィンドウ1032には、データ出力モジュール2036により出力された申請データ画面1032aが表示されている。
図9に示す例では、申請データの例として、出張申請が表示されている。
【0109】
申請データ画面1032aには、申請データのタイトルを示すタイトル表示欄1032bと、申請データに係る申請を行った申請者を示す申請者表示欄1032cと、申請内容を示す申請内容表示欄1032dとが表示されている。
【0110】
サーバ20の投稿データ解析モジュール2035は、
図8に示すような投稿内容から、
図9に示すような申請データが生成される。
【0111】
<小括>
以上のように、本実施の形態によると、コミュニケーションツールに対して各種申請を行うための投稿がされると、この投稿に係る投稿データが各種申請を行うための申請投稿データであるか否かが判定され、該当する場合、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データが生成され、出力される。そのため、コミュニケーションツールに対する投稿から、自動で各種申請をするための申請データを生成することが可能になる。これにより、各種申請に要する手間を削減し、申請データを改めて作成する際に生じるミスを防止することが可能になる。
【0112】
また、本実施の形態によると、コミュニケーションツールに対して各種申請に対する承認を行うための投稿がされると、この投稿に係る投稿データが各種申請に対する承認を行うための承認投稿データであるか否かが判定され、該当する場合、承認投稿データを解析して承認の内容に対応する承認データが生成され、出力される。そのため、コミュニケーションツールに対する投稿から、自動で各種申請に対する承認データを生成することが可能になる。これにより、各種申請に対する承認に要する手間を削減し、承認データを改めて作成する際に生じるミスを防止することが可能になる。
【0113】
以上、開示に係る実施の形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施の形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0114】
<付記>
以上の各実施の形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0115】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサ29に、所定の申請を行うユーザからの入力により、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップ(S121)と、申請を行うユーザからの投稿データから、申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定するステップ(S122)と、判定の結果が申請投稿データである場合、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成するステップ(S123)と、成された申請データを出力するステップ(S124)と、を実行させる、プログラム。
【0116】
(付記2)プログラムは、さらに、申請に対する所定の承認を行うユーザからの入力により、コミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップ(S221)と、承認を行うユーザからの投稿データから、出力された申請データに対する承認を行うための承認投稿データであるか否かを判定するステップ(S222)と、判定の結果が承認投稿データである場合、承認投稿データを解析して承認の内容に対応する承認データを生成して出力するステップ(S223,S224)と、を実行させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0117】
(付記3)承認投稿データを解析するステップにおいて、申請を行うユーザによる投稿データと、承認を行うユーザによる投稿データとを解析し、申請を行うユーザと承認を行うユーザとの関係を割り出し、申請を行うユーザと承認を行うユーザとの関係に基づいて承認データを生成する、(付記2)に記載のプログラム。
【0118】
(付記4)プログラムは、さらに、設定された所定の条件に基づき、出力された申請データに対する所定の承認を行うための承認データを生成して出力するステップを実行させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0119】
(付記5)承認データを生成して出力するステップにおいて、承認データとともに、承認の内容に対応する関連情報を出力する、(付記2)から(付記4)に記載のプログラム。
【0120】
(付記6)申請の内容に対応する申請データを生成するステップにおいて、申請投稿データ以外の情報を補完して申請データを生成する、(付記1)に記載のプログラム。
【0121】
(付記7)申請の内容に対応する申請データを生成するステップにおいて、画像による申請投稿データを解析して申請データを生成する、(付記1)に記載のプログラム。
【0122】
(付記8)申請の内容に対応する申請データを生成するステップにおいて、申請投稿データの宛先を示す宛先情報を解析して申請データを生成する、(付記1)に記載のプログラム。
【0123】
(付記9)制御部203と、メモリ25(記憶部202)とを備える情報処理装置であって、制御部203は、所定の申請を行うユーザからの入力により、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップ(S121)と、申請を行うユーザからの投稿データから、申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定するステップ(S122)と、判定の結果が申請投稿データである場合、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成するステップ(S123)と、成された申請データを出力するステップ(S124)と、を実行する、情報処理装置。
【0124】
(付記10)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行されるための方法であって、方法は、プロセッサ29が、所定の申請を行うユーザからの入力により、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップ(S121)と、申請を行うユーザからの投稿データから、申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定するステップ(S122)と、判定の結果が申請投稿データである場合、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成するステップ(S123)と、成された申請データを出力するステップ(S124)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0125】
1 :申請システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :ディスプレイ
160 :記憶部
161 :ユーザ情報
170 :制御部
171 :入力操作受付部
172 :送受信部
173 :通知制御部
174 :データ処理部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
2021 :申請データベース
2022 :投稿データベース
2023 :解析モデルデータベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :投稿データ取得モジュール
2034 :投稿データ判定モジュール
2035 :投稿データ解析モジュール
2036 :データ出力モジュール
2037 :関連データ出力モジュール
【要約】
【課題】各種申請を行うための申請システムにおいて、コミュニケーションツールに対する投稿内容から、自動で各種申請をするための申請データを生成する技術を提供する。
【解決手段】申請システムのサーバは、その機能として、所定の申請を行うユーザからの入力により、ユーザ同士があらかじめ連携された状態で、テキスト及び画像によるコミュニケーションを行うコミュニケーションツールに対する投稿に係る投稿データを取得するステップ(S121)と、申請を行うユーザからの投稿データから、申請を行うための申請投稿データであるか否かを判定するステップ(S122)と、判定の結果が申請投稿データである場合、申請投稿データを解析して申請の内容に対応する申請データを生成するステップ(S123)と、生成された申請データを出力するステップ(S124)と、を実行させる。
【選択図】
図6