(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】環境に優しい食器
(51)【国際特許分類】
A47G 21/00 20060101AFI20240710BHJP
A47G 21/02 20060101ALI20240710BHJP
D21J 3/00 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
A47G21/00 V ZBP
A47G21/02 Z ZAB
D21J3/00
(21)【出願番号】P 2023507528
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(86)【国際出願番号】 CN2021104130
(87)【国際公開番号】W WO2022110810
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202011371893.2
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519456594
【氏名又は名称】沙伯特(中山)有限公司
【氏名又は名称原語表記】SABERT (ZHONGSHAN) LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.231, Pingchang Road, Sanxiang Township Zhongshan, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黄 錦耀
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0128983(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0155229(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0365127(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0340152(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 21/00-21/04
D21J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル及び前記ハンドルの一端に位置する本体部を含む
パルプモールド食器であって、
前記ハンドルの延伸方向の断面において、前記ハンドルは底壁及び前記底壁の両端に位置する側壁を有し、前記側壁の自由端に第1エッジシートが設置され、前記第1エッジシートの厚さは前記側壁の厚さと同じであり、且つ前記第1エッジシートのコーナーは円弧面取りであ
り、前記パルプモールド食器に補強リブが設置され、前記補強リブは前記ハンドルから前記本体部まで延伸し、前記補強リブの延伸方向の断面において、前記補強リブは凹部及び前記凹部の両端に位置する凸部を含むことを特徴とする
パルプモールド食器。
【請求項2】
2つの前記側壁に対応する前記第1エッジシートは同一の平面にあることを特徴とする請求項1に記載の
パルプモールド食器。
【請求項3】
前記側壁と前記第1エッジシートは斜めに設置され、且つ前記側壁と前記第1エッジシートとの間の夾角は鈍角であることを特徴とする請求項2に記載の
パルプモールド食器。
【請求項4】
前記本体部の周縁に第2エッジシートが設置され、前記第2エッジシートの厚さは前記本体部の厚さと同じであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の
パルプモールド食器。
【請求項5】
前記
パルプモールド食器はフォークであり、前記本体部に2つ以上の歯が設置され、各前記歯の周縁にいずれも前記第2エッジシートが設置されることを特徴とする請求項4に記載の
パルプモールド食器。
【請求項6】
少なくとも1つの前記歯の中央部に凹んだ補強部が設置されることを特徴とする請求項5に記載の
パルプモールド食器。
【請求項7】
前記凹部は隣接する2つの第1表面及び第2表面を有し、前記第1表面と前記第2表面との間の夾角は110°~140°の間にあることを特徴とする請求項
1に記載の
パルプモールド食器。
【請求項8】
前記凹部の外側面の曲率半径は2.0ミリメートル~2.5ミリメートルの間にあることを特徴とする請求項
1に記載の
パルプモールド食器。
【請求項9】
前記凸部の外側面の曲率半径は2.5ミリメートル~3.0ミリメートルの間にあることを特徴とする請求項
1に記載の
パルプモールド食器。
【請求項10】
前記凸部の内側面の曲率半径は1.5ミリメートル~2.0ミリメートルの間にあることを特徴とする請求項
1に記載の
パルプモールド食器。
【請求項11】
前記補強リブの延伸方向の断面において、前記凹部の厚さは前記補強リブの厚さよりも小さいことを特徴とする請求項
1に記載の
パルプモールド食器。
【請求項12】
前記凹部の厚さは、
パルプモールド食器の上面に最も近い前記凸部の端点から
パルプモールド食器の下面に最も近い前記凹部の端点までの距離であることを特徴とする請求項
11に記載の
パルプモールド食器。
【請求項13】
前記補強リブの厚さは、
パルプモールド食器の上面に最も近い前記凸部の端点から
パルプモールド食器の下面に最も近い前記第1エッジシートまでの距離であることを特徴とする請求項
11に記載の
パルプモールド食器。
【請求項14】
前記補強リブは波形であることを特徴とする請求項
1に記載の
パルプモールド食器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食器分野に関し、具体的にパルプ等の環境に優しい材料で製造された環境に優しい食器に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨て食器は一般的な食器であり、現在の使い捨て食器は主にプラスチック食器であり、例えば、プラスチックで製造された皿、ナイフ、フォーク、スプーン等である。プラスチック食器は、通常、食品と直接接触可能な材料で製造され、人々の環境保護意識の継続的な高まりに伴い、市場のほとんどのプラスチック食器、例えばPP、PET、PE等が生分解不能であることを意識している。従って、人々はプラスチック食器の代わりに分解性の食器の研究を考慮し始めている。ポリ乳酸(PLA)材料で製造された食器はプラスチック食器を代替できる工業分解性のある食器である。しかし、ポリ乳酸材料のコストが高いため、ポリ乳酸食器の価格が高くなり、広く応用されにくい。
【0003】
従って、人々は環境により優しく且つ生産コストが低い材料で環境に優しい使い捨て食器を製造することを考慮し始めている。パルプモールド食器は近年の市場で人気が比較的に高い環境に優しい食器であり、この食器は一部のプラスチック食器を代替する長所及び特徴を有する。従来のパルプモールド食器を生産するときに、紙、植物残滓等の原料を破砕して一定濃度のパルプスラリー溶液を形成する必要があり、真空システムによって水を吸い取ってウエットブランクを形成し、さらに高温ホットプレスによってウエットブランクを乾燥させ、それにより乾燥製品を形成する。
【0004】
しかし、パルプモールド食器は主に紙等の原料で製造され、硬度が低く、使用過程で変形しやすく、例えば、ナイフ、フォーク、スプーン等の食器を製造した場合、そのハンドルは使用者により一定の時間把持された後に変形しやすく、また、フォークの歯に破断しやすい問題が存在し、さらに、ナイフ、フォーク、スプーンのハンドルと操作部(以下、「本体部」と呼ばれる)との間が曲がって変形する等の問題が存在する。ナイフ、フォーク、スプーン等の食器は曲がって変形すると、該食器は引き続き使用することができなくなり、パルプモールド食器の普及を制限する。
【0005】
このため、従来のいくつかのパルプモールド食器は本体部の周縁にシートを設置することで本体部の強度を増加するが、ハンドルが応力を受けて変形するという問題を考慮しておらず、例えば、ハンドルの断面は底壁及び2つの側壁を含み、使用者はハンドルを把持するときに、指がハンドルの2つの側壁に当接することが多く、2つの側壁が中央部に向かって変形し、パルプモールド食器の反発性が悪いため、使用者がハンドルを長時間把持した後、ハンドルは変形しやすく、特にナイフを把持して力を入れて食べ物を切断する必要があるときに、把持力が大きすぎるためハンドルが変形しやすくなり、パルプモールド食器の使用に影響を与える。
【0006】
また、従来のいくつかのパルプモールド食器は本体部又はハンドルに補強リブを設置したが、補強リブは1つの方向に凹み、即ち、補強リブは1つの平面から1つの方向に凹んで設置され、このように、補強リブのエッジの傾斜比は急変し、モールド成形時に、補強リブのエッジに亀裂が発生しやすくなり、パルプモールド食器の不良率が増加してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1目的は強度が大きく且つ変形しにくい環境に優しい食器を提供することである。
本発明の第2目的はモールド成形時に亀裂が発生しにくく且つ歩留まりが高い環境に優しい食器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の第1目的を実現するために、本発明に係る環境に優しい食器はハンドル及びハンドルの一端に位置する本体部を含み、ハンドルの延伸方向の断面において、ハンドルは底壁及び底壁の両端に位置する側壁を有し、側壁の自由端に第1エッジシートが設置され、第1エッジシートの厚さは側壁の厚さと同じであり、且つ第1エッジシートのコーナーは円弧面取りである。
【0009】
1つの好ましい解決手段としては、2つの側壁に対応する第1エッジシートは同一の平面にある。
さらなる解決手段として、側壁と第1エッジシートは斜めに設置され、且つ側壁と第1エッジシートとの間の夾角は鈍角である。
【0010】
さらなる解決手段として、本体部の周縁に第2エッジシートが設置され、第2エッジシートの厚さは本体部の厚さと同じである。
【0011】
さらなる解決手段として、該環境に優しい食器はフォークであり、本体部に2つ以上の歯が設置され、各歯の周縁にいずれも第2エッジシートが設置される。
【0012】
さらなる解決手段として、少なくとも1つの歯の中央部に凹んだ補強部が設置される。このように、補強部によって歯の強度をさらに増加し、歯が破断する状況を効果的に回避することができる。
【0013】
さらなる解決手段として、環境に優しい食器に補強リブが設置され、補強リブはハンドルから本体部まで延伸し、補強リブの延伸方向の断面において、補強リブは凹部及び凹部の両端に位置する凸部を含む。
【0014】
さらなる解決手段として、凹部は隣接する2つの第1表面及び第2表面を有し、第1表面と第2表面との間の夾角は110°~140°の間にある。
【0015】
さらなる解決手段として、凹部の外側面の曲率半径は2.0ミリメートル~2.5ミリメートルの間にあり、及び/又は凸部の外側面の曲率半径は2.5ミリメートル~3.0ミリメートルの間にあり、及び/又は凸部の内側面の曲率半径は1.5ミリメートル~2.0ミリメートルの間にある。
【0016】
さらなる解決手段として、補強リブの延伸方向の断面において、凹部の厚さは補強リブの厚さよりも小さい。
【0017】
さらなる解決手段として、凹部の厚さは、環境に優しい食器の上面に最も近い凸部の端点から環境に優しい食器の下面に最も近い凹部の端点までの距離である。
【0018】
さらなる解決手段として、補強リブの厚さは、環境に優しい食器の上面に最も近い凸部の端点から環境に優しい食器の下面に最も近い第1エッジシートまでの距離である。
【0019】
さらなる解決手段として、補強リブは波形である。
【発明の効果】
【0020】
本発明はハンドルの2つの側壁の自由端に第1エッジシートを設置し、使用者がハンドルを把持するときに、指が2つの第1エッジシートに当接し、このように、2つのエッジシートによって側壁に力を印加し、印加された力が側壁に垂直な方向に側壁に付勢し、側壁に斜め上の力を付勢することを回避し、それにより付勢された力の方向を変え、側壁が受けた応力の分布が不均一である状況を減少させる。2つの第1エッジシートに印加された力がなくなった後、2つの側壁が反発でき、ハンドルが破損して引き続き使用できない状況の発生を回避する。
【0021】
また、第1エッジシートの厚さが側壁の厚さと同じであるため、一方では、厚い第1エッジシートによってハンドルの耐押圧の能力を増加し、他方では、環境に優しい食器のモールド成形時に、上型と下型との間の距離を一定に維持すればよく、成形プロセスが簡単であり、環境に優しい食器の生産に有利である。
【0022】
第1エッジシートのコーナーを円弧面取りとして設け、即ち、第1エッジシートのコーナーに辺稜部を設置せず、このように、使用者がハンドルを把持するときに第1エッジシートの辺稜部に触れて違和感を生じることを回避することができ、使用者は対向する方向に作用力をよりよく印加することができ、ハンドルの破損を回避する。
【0023】
そして、使用者がハンドルを把持するときに、印加される作用力は実際に同一の平面から対向して付勢するものであり、2つの側壁の応力がより均一であり、ハンドルは破損しにくい。
【0024】
また、側壁と第1エッジシートが相互に垂直ではないため、ハンドル断面の開口端は大きく、2つの側壁が力の押圧によりわずかに変形した後、開口端はやや内側に寄っただけであり、ハンドルの形状の根本的な変化を招くことなく、ハンドルの強度を向上させることができる。
【0025】
本発明は本体部に第2エッジシートを設置することによって本体部の強度を向上させ、本体部が使用過程で変形して環境に優しい食器が使用できない状況の発生を回避する。
【0026】
環境に優しい食器はフォークである場合、各歯の周縁にいずれも第2エッジシートが設置され、第2エッジシートによって各歯の強度を増加し、フォークの使用過程で歯が破断する状況の発生を回避する。また、補強部によって歯の強度をさらに増加し、歯が破断する状況を効果的に回避することができる。
【0027】
また、補強リブによってハンドル及び本体部の強度を増加し、特にハンドルと本体部の接続部の強度を増加することができる。補強リブが凹部及び凸部を含むため、即ち、補強リブの断面が波形であり、単一方向に凹むものではないため、補強リブのエッジの傾斜比は急変することなく、モールド成形時に、補強リブのエッジに亀裂の状況が発生しにくく、それによりパルプモールド食器の歩留まりを大幅に向上させる。
【0028】
また、本発明は凹部の2つの表面間の適切な夾角を設定することによって、補強リブの応力を分散することができ、環境に優しい食器の耐屈曲強度を効果的に向上させる。
【0029】
また、凹部の外側面、凸部の外側面、凸部の内側面の曲率半径を設定することによって、凹部、凸部の曲率半径が小さすぎることによるモールド成形過程での亀裂状況の発生を回避し、環境に優しい食器の歩留まりを向上させることができる。
【0030】
そして、本発明は凹部の厚さを小さくすることによって、環境に優しい食器の包装、輸送に有利であり、補強リブの凹部の厚さが大きすぎるため、環境に優しい食器の包装及び使用に影響を与えることを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図25】
図25は比較例のスプーンのハンドルの断面図である。 以下、図面及び実施例を参照して本発明をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の環境に優しい食器は使い捨て食器であり、パルプ、植物繊維等の環境に優しく、自然分解性を有する材料を使用してモールドホットプレスを経て成形し、この食器は環境に優しく、自然環境で分解可能であり、使用後に捨てても環境に汚染をもたらしにくい。
【0033】
本発明の環境に優しい食器は主にナイフ、スプーン、フォーク等の、ハンドル及び本体部を有する食器であり、従って、本発明は主にハンドル及び本体部に対して改良を行うことで環境に優しい食器の耐屈曲強度を向上させる。
【0034】
第1実施例
図1~
図3を参照し、本実施例の環境に優しい食器はパルプモールド成形スプーンであり、該スプーンは長尺状のハンドル10及び本体部20を有し、本体部20はハンドル10の一端に設置される。スプーンが使用されるときに、使用者は、通常、指でハンドル10を把持し、本体部20は食べ物を入れることに用いられ、スプーンが食べ物を取るときに、本体部20が通常、皿等の硬い物体に触れるため、本体部20とハンドル10との接続部は最も屈曲が発生しやすい場所であり、本体部20がハンドル10に対して屈曲すると、スプーンは引き続き使用できなくなり、本体部20とハンドル10との接続部の硬度を補強するために、本実施例はハンドル10と本体部20との間に補強リブ30を設置する。
【0035】
図1及び
図2から分かるように、補強リブ30は略長尺状であり、ハンドル10から本体部20まで延伸し、
図4を参照し、補強リブ30はスプーンの上面から下面方向へ凹み、且つ、補強リブ30の延伸方向の断面において、補強リブ30は凹部33及び凹部33の両端に位置する凸部34、36を含む。
【0036】
凹部33の底壁は平面ではなく、本実施例では、凹部33は第1表面31及び第2表面32を有し、第1表面31と第2表面32との間に形成された夾角αは1つの鈍角であり、好ましくは、夾角αは110°~140°の間にあり、より好ましくは、夾角αは120°~130°の間にある。そして、第1表面31の一端に側壁35が接続され、側壁35と第1表面31との間に凸部34が形成され、第2表面32の一端に側壁37が接続され、側壁37と第2表面32との間に凸部36が形成される。
【0037】
図1及び
図2から分かるように、補強リブ30の断面は1つの方向に凹むものではなく、2つの方向に凹凸の形状を形成し、即ち、凹部33はスプーンの上面から下面方向へ凹み、2つの凸部34、36はスプーンの下面から上面方向へ突起し、このように、補強リブ30の断面は波形であり、凹部33と凸部34、36には平面から斜面への傾斜比が急変する状況が発生することはなく、つまり、辺稜部を形成せず、このように、モールド成形時に、凹部33と凸部34、36に亀裂の状況が発生しにくく、パルプモールドスプーンの歩留まりを向上させる。
【0038】
好ましくは、凹部33の外側面の曲率半径R2は2.0ミリメートル~2.5ミリメートルの間にあり、凹部33の外側面は凹部33のスプーンの下面に近い表面であり、凸部34、36の外側面の曲率半径R3は2.5ミリメートル~3.0ミリメートルの間にあり、凸部34、36の外側面は凸部34、36のスプーンの上面に近い表面であり、凸部34、36の内側面の曲率半径R1は1.5ミリメートル~2.0ミリメートルの間にあり、凸部34、36の内側面は凸部34、36のスプーンの下面に近い表面である。
【0039】
凹部33の外側面の合理的な曲率半径、凸部34の内側面、外側面の合理的な曲率半径を設定することによって、曲率半径が小さくなるように設計されるため、モールド成形時に凹部33又は凸部34、36の表面に亀裂の状況が発生することを回避することができる。
【0040】
側壁35の自由端にエッジシート38が接続され、側壁37の自由端にエッジシート39が接続され、好ましくは、エッジシート38、39の厚さは側壁35、37の厚さと同じである。エッジシート38、39を設置することによって補強リブ30の耐屈曲強度を増加させることができ、補強リブ30が押圧されて曲がって変形することを回避する。
【0041】
図4を参照し、凹部33の厚さはD1とされ、即ち、スプーンの上面に最も近い凸部34の端点からスプーンの下面に最も近い凹部33の端点までの距離はD1である。補強リブ30の厚さはD2とされ、即ち、スプーンの上面に最も近い凸部34の端点からスプーンの下面に最も近いエッジシート38までの距離はD2である。
図4から分かるように、凹部33の厚さD1は補強リブ30の厚さD2よりも小さい。
【0042】
ハンドル10の強度を向上させるために、本実施例はハンドル10を一側が開口する中空形状に設計し、
図5及び
図6を参照し、ハンドル10の延伸方向において、ハンドル10の断面は底壁11及び底壁11の両端に位置する側壁12、13を含み、側壁12の一端は底壁11に接続され、側壁12の他端は自由端であり、側壁12の自由端に第1エッジシート14が設置される。好ましくは、側壁12と底壁11は円弧状に遷移し、即ち、側壁12と底壁11との間に辺稜部が設置されない。側壁13の一端は底壁11に接続され、側壁13の他端は自由端であり、側壁13の自由端に第1エッジシート15が設置される。好ましくは、側壁13と底壁11は円弧状に遷移し、即ち、側壁13と底壁11との間に辺稜部が設置されない。従って、ハンドル10はスプーンの下面方向に凹み16が形成され、2つの側壁12、13の自由端は応力を受ける場合に相互に接近することができる。
【0043】
図5及び
図6から分かるように、対向する2つの側壁12、13にそれぞれ第1エッジシート14、15が設置され、好ましくは、2枚の第1エッジシート14、15は同一の表面に位置し、このように、使用者はハンドル10を把持するときに、印加された力F1はそれぞれ第1エッジシート14、15の端部に作用し、且つ印加された力F1は対向してハンドルの中央部に向く。このように、側壁12、13は応力を受けた後に中央部に接近して変形する。印加された力F1がなくなった後、側壁12、13は反発し、パルプ等の材料の弾性が小さいため、側壁12、13の反発幅は大きくないが、第1エッジシート14、15への付勢が大きすぎない限り、側壁12、13は一定の範囲内で反発でき、それによりハンドル10の深刻な変形を防止する。
【0044】
スプーンのハンドルに第1エッジシートが設置されないと仮定し、
図25に示すように、スプーンのハンドルに底壁18及び2つの側壁19が設置され、使用者はハンドルを把持するときに直接側壁19に押圧し、使用者が側壁19に押圧する位置は一定ではないため、使用者が側壁19の自由端に押圧する場合、印加された力の方向は対向するものではなく、傾斜するものであり、そのため、側壁19の応力が不均一である状況が発生し、側壁19に深刻な変形が発生しやすく、2つの側壁19を内側に接近させ、スプーンの使用に影響を与える。
【0045】
本実施例では、側壁12と第1エッジシート14は垂直に設置されるものではなく、相互に傾斜し、且つ側壁12は略弧状であり、側壁12と第1エッジシート14との間の角度は鈍角である。側壁13と第1エッジシート15も相互に傾斜し、側壁13は略弧状であり、側壁13と第1エッジシート15との間の角度も鈍角である。
【0046】
好ましくは、第1エッジシート14、15の厚さは同じであり、且つ第1エッジシート14、15の厚さは側壁12、13の厚さと同じであり、このように、一方では、第1エッジシート14、15の厚さを大きく設計することによって、第1エッジシート14、15の耐押圧の能力を向上させ、第1エッジシート14、15の厚さが小さすぎるために押圧されて変形しやすいことを、回避することができる。他方では、スプーンのモールド成形過程で、上型と下型との間の距離を均一に維持することができる。本実施例のスプーンはプレス成形機でプレス成形され、そのため、ホットプレスを行うときに、上型と下型との間の距離を調整するだけで、厚さ要件を満たすスプーンをプレス成形することを確保することができ、上型と下型の構造は簡単であり、スプーンのモールド成形プロセスの簡略化に有利である。
【0047】
ハンドル10の2つの側壁12、13に第1エッジシート14、15が設置されることに加えて、ハンドル10の末端にも第1エッジシートが設置され、
図7を参照し、ハンドル10の自由端にも第1エッジシート17が設置され、第1エッジシート17の厚さはハンドル10の厚さと同じである。また、第1エッジシート14、15、17のコーナーはいずれも円弧面取りであり、即ち、辺稜部を設置しない。使用者はハンドル10を把持するときに、辺稜部に押圧して違和感を生じることはない。これで分かるように、ハンドル10の周縁に1周の第1エッジシートを設置することによって、ハンドル10の全体的な耐屈曲性能を向上させることができる。
【0048】
スプーンの本体部20の周縁に第2エッジシート21が設置され、本実施例では、第2エッジシート21の厚さは本体部20の厚さと同じであり、且つ第2エッジシート21は本体部21の円周方向をめぐって延伸する。同時に、第2エッジシート21のコーナーも円弧面取りとして設計される。本体部20の周縁に第2エッジシート21を設置する目的は、本体部20の耐屈曲強度を向上させ、本体部20が応力を受けて曲がって変形することを回避することである。
【0049】
好ましくは、スプーン全体の厚さは同じであり、即ち、ハンドル10、本体部20であるか、補強リブ30の各部分であるかに関わらず、厚さはいずれも同じであり、このような設計はスプーンの生産プロセスを簡略化させることができ、具体的に、スプーンがパルプモールドでホットプレス成形されるため、プレス成形機でプレス成形するときに、ウエットブランクを下型に置く必要があり、上型の下り距離を制御することによって成形後のスプーンの厚さを制御する。そのため、ホットプレス成形時に、下型と下型の距離を制御することによって、厚さが均一なスプーンをプレスして得ることができ、上型と下型の設計は簡単であり、且つ制御も複雑ではない。好ましくは、スプーンの厚さは0.2ミリメートル~5.0ミリメートルの間にあってもよく、好ましくは、0.5ミリメートル~1.0ミリメートルの間にある。
【0050】
また、本実施例は補強リブ30の断面を波形に設計し、且つハンドル10の周縁に第1エッジシートを設置し、本体部20の周縁に第2エッジシートを設置し、スプーンの積み重ねを容易にすることができ、生産過程で複数のスプーンの積み重ね及び位置決めを容易に実現することができ、それにより自動化生産を容易に実現し、スプーンの輸送にも有利である。スプーンを使用する前に、積み重ねられた複数のスプーンから1つのスプーンを容易に分離することができ、スプーンの取り出しを容易にする。
【0051】
第2実施例
図8~
図10を参照し、本実施例の環境に優しい食器は環境に優しい材料で製造されたナイフであり、ナイフはハンドル40及び本体部50を含み、ハンドル40は長尺状であり、本体部50はハンドル40の一端に位置する。本体部50とハンドル40との接続部が最も屈曲が発生しやすい場所であるため、本体部50とハンドル40との接続部の硬度を補強するために、本実施例はハンドル40と本体部50との間に補強リブ60を設置する。
【0052】
補強リブ60は略長尺状であり、ハンドル40から本体部50まで延伸し、
図11を参照し、補強リブ60はナイフの上面から下面方向へ凹み、且つ、補強リブ60の延伸方向の断面において、補強リブ60は凹部63及び凹部63の両端に位置する凸部64、65を含む。
【0053】
凹部63の底壁は平面ではなく、具体的に、凹部63は隣接する2つの表面を有し、2つの表面の間に形成された夾角は1つの鈍角であり、好ましくは、該夾角は110°~140°の間にあり、より好ましくは、該夾角は120°~130°の間にある。そして、凹部33の両端にそれぞれ側壁61、62が設置され、側壁61と凹部33との間に凸部64が形成され、側壁62と凹部63との間に凸部65が形成される。
【0054】
図8~
図10から分かるように、補強リブ60の断面は1つの方向に凹むものではなく、2つの方向に凹凸の形状を形成し、即ち、凹部63はナイフの上面から下面方向へ凹み、2つの凸部64、65はナイフの下面から上面方向へ突起し、このように、補強リブ60の断面は波形であり、凹部63と凸部64、65には平面から斜面への傾斜比が急変する状況が発生することはなく、つまり、辺稜部を形成せず、このように、モールド成形時に、凹部63と凸部64、65に亀裂の状況が発生しにくく、パルプモールドナイフの歩留まりを向上させる。
【0055】
また、凹部63及び凸部64、65の内側面、外側面の曲率半径を合理的に設定することによって、凹部63及び凸部64、65の内側面、外側面の曲率半径が小さくしたため、モールド成形時に凹部63又は凸部64、65の表面に亀裂の状況が発生することを回避する。また、凹部63の厚さは補強リブ60の総厚さよりも小さい。
【0056】
側壁62の自由端にエッジシート67が接続され、エッジシート67の厚さは側壁62の厚さと同じである。エッジシート67を設置することによって補強リブ60の耐屈曲強度を増加させることができ、補強リブ60が押圧されて曲がって変形することを回避する。
【0057】
ハンドル40の強度を向上させるために、本実施例はハンドル40を一側が開口する中空形状に設計し、即ち、ハンドル40の延伸方向において、ハンドル40の断面は底壁及び底壁の両端に位置する側壁を含み、側壁の一端は底壁に接続され、側壁の他端は自由端であり、側壁の自由端に第1エッジシートが設置される。そして、2つの側壁の第1エッジシートは同一の表面に位置し、このように、使用者はハンドル40を把持するときに、印加された力はそれぞれ第1エッジシートの端部に作用し、2つの側壁は応力を受けた後に中央部に接近して変形する。印加された力がなくなった後、2つの側壁は反発する。また、2枚の第1エッジシートの厚さは同じであり、且つ第1エッジシートの厚さと側壁の厚さも同じである。本実施例のハンドル40の断面形状は第1実施例のハンドルの断面形状と基本的に同じであり、ここで繰り返して説明しない。
【0058】
図12を参照し、ハンドル40の自由端にも第1エッジシート42が設置され、第1エッジシート42の厚さはハンドル40の厚さと同じである。これで分かるように、ハンドル40の周縁にいずれも第1エッジシートが設置され、且つ第1エッジシートのコーナーはいずれも円弧面取りであり、即ち、辺稜部を設置しない。使用者はハンドル40を把持するときに、辺稜部に押圧して違和感を生じることはない。
【0059】
また、ナイフの本体部50の一側に複数の歯51が設置され、本体部50の他側に第2エッジシート52が設置される。
図13を参照し、本体部50の端部に第2エッジシート53が設置され、好ましくは、第2エッジシート52、53の厚さは本体部50の厚さと同じであり、且つ第2エッジシート52、53のコーナーも円弧面取りとして設計される。本体部50に第2エッジシート52、53を設置する目的は、本体部50の耐屈曲強度を向上させ、本体部50が応力を受けて曲がって変形することを回避することである。
【0060】
本実施例は補強リブ60の断面を波形に設計し、且つハンドル40の周縁に第1エッジシートを設置し、本体部50に第2エッジシートを設置し、ナイフの積み重ねを容易にすることができ、生産過程で複数のナイフの積み重ね及び位置決めを容易に実現することができ、それにより自動化生産を容易に実現し、ナイフの輸送にも有利である。ナイフを使用する前に、積み重ねられた複数のナイフから1つのナイフを容易に分離することができ、ナイフの取り出しを容易にする。
【0061】
第3実施例
図14~
図16を参照し、本実施例の環境に優しい食器は環境に優しい材料で製造されたフォークであり、フォークはハンドル70及び本体部80を含み、ハンドル70は長尺状であり、本体部80はハンドル70の一端に位置する。本体部80とハンドル70との接続部が最も屈曲が発生しやすい場所であるため、本体部80とハンドル70との接続部の硬度を補強するために、本実施例はハンドル70と本体部80との間に補強リブ90を設置する。
【0062】
補強リブ90は略長尺状であり、ハンドル70から本体部80まで延伸し、
図17を参照し、補強リブ90はフォークの上面から下面方向へ凹み、且つ、補強リブ90の延伸方向の断面において、補強リブ90は凹部99及び凹部99の両端に位置する凸部95、96を含む。
【0063】
凹部99の底壁は平面ではなく、具体的に、凹部99は隣接する第1表面91と第2表面92を有し、第1表面91と第2表面92との間に形成された夾角は1つの鈍角であり、好ましくは、該夾角は110°~140°の間にあり、より好ましくは、該夾角は120°~130°の間にある。そして、第1表面91の一端に側壁93が接続され、第2表面92の一端に側壁94が接続され、第1表面91と側壁93との間に凸部95が形成され、第2表面92と側壁94との間に凸部96が形成される。
【0064】
図14~
図16から分かるように、補強リブ90の断面は1つの方向に凹むものではなく、2つの方向に凹凸の形状を形成し、即ち、凹部99はフォークの上面から下面方向へ凹み、2つの凸部95、96はフォークの下面から上面方向へ突起し、このように、補強リブ90の断面は波形であり、凹部99と凸部95、96には平面から斜面への傾斜比が急変する状況が発生することはなく、つまり、辺稜部を形成せず、このように、モールド成形時に、凹部99と凸部95、96に亀裂の状況が発生しにくく、パルプモールドフォークの歩留まりを向上させる。
【0065】
また、凹部99及び凸部95、96の内側面、外側面の曲率半径を合理的に設定することによって、凹部99及び凸部95、96の内側面、外側面の曲率半径が小さくしたため、モールド成形時に凹部99又は凸部95、96の表面に亀裂の状況が発生することを回避する。また、凹部99の厚さは補強リブ90の総厚さよりも小さい。
【0066】
側壁93のエッジシート97が接続され、エッジシート97の厚さは側壁93の厚さと同じであり、側壁94の自由端にエッジシート98が接続され、エッジシート98の厚さは側壁94の厚さと同じである。エッジシート97、98を設置することによって補強リブ90の耐屈曲強度を増加させることができ、補強リブ90が押圧されて曲がって変形することを回避する。
【0067】
ハンドル70の強度を向上させるために、本実施例はハンドル70を一側が開口する中空形状に設計し、即ち、ハンドル70の延伸方向において、ハンドル70の断面は底壁及び底壁の両端に位置する側壁を含み、側壁の一端は底壁に接続され、側壁の他端は自由端であり、側壁の自由端に第1エッジシートが設置される。且つ、2つの側壁の第1エッジシートは同一の表面に位置し、このように、使用者はハンドル70を把持するときに、印加された力はそれぞれ第1エッジシートの端部に作用し、2つの側壁は応力を受けた後に中央部に接近して変形する。印加された力がなくなった後、2つの側壁は反発する。また、2枚の第1エッジシートの厚さは同じであり、且つ第1エッジシートの厚さと側壁の厚さも同じである。本実施例のハンドル70の断面形状は第1実施例のハンドルの断面形状と基本的に同じであり、ここで繰り返して説明しない。
【0068】
図18を参照し、ハンドル70の自由端にも第1エッジシート71が設置され、第1エッジシート71の厚さはハンドル70の厚さと同じである。これで分かるように、ハンドル70の周縁にいずれも第1エッジシートが設置され、且つ第1エッジシートのコーナーはいずれも円弧面取りであり、即ち、辺稜部を設置しない。使用者はハンドル70を把持するときに、辺稜部に押圧して違和感を生じることはない。
【0069】
また、フォークの本体部80の周縁に第2エッジシート83が設置され、且つ、フォークの本体部80に4つの歯81が設置され、各歯81の周縁にいずれも第2エッジシート84が設置され、且つ、第2エッジシート83、84の厚さは本体部80の厚さと同じであり、且つ第2エッジシート83、84のコーナーも円弧面取りとして設計される。これで分かるように、本体部80の周縁にいずれも第2エッジシートが設置され、本体部80に第2エッジシート83、84を設置する目的は、本体部80の耐屈曲強度を向上させ、本体部80が応力を受けて曲がって変形することを回避することである。
【0070】
また、中間の2つの歯81の中央部に凹んだ補強部82が設置され、補強部82はフォークの上面から下面方向へ凹む。補強部82によって歯81の耐屈曲性能を向上させ、フォークの使用過程で、歯81が破断する状況の発生を回避することができる。
【0071】
本実施例は補強リブ90の断面を波形に設計し、且つハンドル70の周縁に第1エッジシートを設置し、本体部80の周縁に第2エッジシートを設置し、フォークの積み重ねを容易にすることができ、生産過程で複数のフォークの積み重ね及び位置決めを容易に実現することができ、それにより自動化生産を容易に実現し、フォークの輸送にも有利である。フォークを使用する前に、積み重ねられた複数のフォークから1つのフォークを容易に分離することができ、フォークの取り出しを容易にする。
【0072】
第4実施例
図19及び
図20を参照し、本実施例の環境に優しい食器は環境に優しい材料で製造されたフォークであり、第3実施例とは異なり、本実施例のフォークに3つの歯が設置される。フォークはハンドル110及び本体部120を含み、ハンドル110は長尺状であり、本体部120はハンドル110の一端に位置する。本体部120とハンドル110との接続部が最も屈曲が発生しやすい場所であるため、本体部120とハンドル110との接続部の硬度を補強するために、本実施例はハンドル10と本体部120との間に補強リブ130を設置する。
【0073】
補強リブ130は略長尺状であり、ハンドル110から本体部120まで延伸し、
図21を参照し、補強リブ130はフォークの上面から下面方向へ凹み、且つ、補強リブ130の延伸方向の断面において、補強リブ130は凹部131及び凹部131の両端に位置する凸部134、135を含む。
【0074】
凹部131の底壁は平面ではなく、具体的に、凹部131は隣接する第1表面132と第2表面133を有し、第1表面132と第2表面133との間に形成された夾角は1つの鈍角であり、好ましくは、該夾角は110°~140°の間にあり、より好ましくは、該夾角は120°~130°の間にある。そして、第1表面132の一端に側壁136が接続され、第2表面133の一端に側壁137が接続され、第1表面132と側壁136との間に凸部134が形成され、第2表面133と側壁137との間に凸部135が形成される。
【0075】
図19及び
図20から分かるように、補強リブ130の断面は1つの方向に凹むものではなく、2つの方向に凹凸の形状を形成し、即ち、凹部131はフォークの上面から下面方向へ凹み、2つの凸部132、135はフォークの下面から上面方向へ突起し、このように、補強リブ130の断面は波形であり、凹部131と凸部132、135には平面から斜面への傾斜比が急変する状況が発生することはなく、つまり、辺稜部を形成せず、このように、モールド成形時に、凹部131と凸部132、135に亀裂の状況が発生しにくく、パルプモールドフォークの歩留まりを向上させる。
【0076】
また、凹部131及び凸部132、135の内側面、外側面の曲率半径を合理的に設定することによって、凹部131及び凸部132、135の内側面、外側面の曲率半径が小さくするため、モールド成形時に凹部131又は凸部132、135の表面に亀裂の状況が発生することを回避する。また、凹部131の厚さは補強リブ130の総厚さよりも小さい。
【0077】
側壁136の自由端にエッジシート138が接続され、エッジシート138の厚さは側壁136の厚さと同じであり、側壁137の自由端にエッジシート139が接続され、エッジシート139の厚さは側壁137の厚さと同じである。エッジシート138、139を設置することによって補強リブ130の耐屈曲強度を増加させることができ、補強リブ130が押圧されて曲がって変形することを回避する。
【0078】
ハンドル110の強度を向上させるために、本実施例はハンドル110を一側が開口する中空形状に設計し、即ち、ハンドル110の延伸方向において、ハンドル110の断面は底壁及び底壁の両端に位置する側壁を含み、側壁の一端は底壁に接続され、側壁の他端は自由端であり、側壁の自由端に第1エッジシートが設置される。且つ、2つの側壁の第1エッジシートは同一の表面に位置し、このように、使用者はハンドル110を把持するときに、印加された力はそれぞれ第1エッジシートの端部に作用し、2つの側壁は応力を受けた後に中央部に接近して変形する。印加された力がなくなった後、2つの側壁は反発する。また、2枚の第1エッジシートの厚さは同じであり、且つ第1エッジシートの厚さと側壁の厚さも同じである。本実施例のハンドル110の断面形状は第1実施例のハンドルの断面形状と基本的に同じであり、ここで繰り返して説明しない。
【0079】
図23及び
図24を参照し、ハンドル110の自由端にも第1エッジシート111が設置され、第1エッジシート111の厚さはハンドル110の厚さと同じである。これで分かるように、ハンドル110の周縁にいずれも第1エッジシートが設置され、且つ第1エッジシートのコーナーはいずれも円弧面取りであり、即ち、辺稜部を設置しない。使用者はハンドル110を把持するときに、辺稜部に押圧して違和感を生じることはない。
【0080】
図19及び
図22を参照し、フォークの本体部120の周縁に第2エッジシート123が設置され、且つ、フォークの本体部120に3つの歯121が設置され、各歯121の周縁にいずれも第2エッジシート124が設置され、且つ、第2エッジシート123、124の厚さは本体部120の厚さと同じであり、且つ第2エッジシート123、124のコーナーも円弧面取りとして設計される。これで分かるように、本体部120の周縁にいずれも第2エッジシートが設置され、本体部120に第2エッジシート123、124を設置する目的は、本体部120の耐屈曲強度を向上させ、本体部120が応力を受けて曲がって変形することを回避することである。
【0081】
また、3つの歯121の中央部に凹んだ補強部122が設置され、補強部122はフォークの上面から下面方向へ凹む。補強部122によって歯121の耐屈曲性能を向上させ、フォークの使用過程で、歯121が破断する状況の発生を回避することができる。
【0082】
本実施例は補強リブ130の断面を波形に設計し、且つハンドル110の周縁に第1エッジシートを設置し、本体部120の周縁に第2エッジシートを設置し、フォークの積み重ねを容易にすることができ、生産過程で複数のフォークの積み重ね及び位置決めを容易に実現することができ、それにより自動化生産を容易に実現し、フォークの輸送にも有利である。フォークを使用する前に、積み重ねられた複数のフォークから1つのフォークを容易に分離することができ、フォークの取り出しを容易にする。
【0083】
最後に強調する必要がある点として、本発明は上記の実施形態に制限されず、ナイフ、フォーク、スプーンのハンドルの長さ、幅の変更、又はフォーク本体部の歯の数量の変更、又はナイフ、フォーク、スプーンの厚さの変更等は、本発明の請求項の保護範囲内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の環境に優しい食器はナイフ、フォーク、スプーン又はスポーク等であってもよく、環境に優しい材料で製造され、環境に優しい。そして、本発明はハンドルの2つの側壁の自由端に第1エッジシートを設置し、使用者がハンドルを把持するときに、指が2つの第1エッジシートに当接し、このように、2つの第1エッジシートによって側壁に力を印加し、印加された力が側壁に垂直な方向に側壁に付勢し、側壁に斜め上の力を付勢することを回避し、それにより付勢された力の方向を変え、側壁が受けた応力の分布が不均一である状況を減少させ、本発明の環境に優しい食器は良好な耐屈曲性能を有し、使用時に破断しにくい。