(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】情報判断の方法、装置、電子機器、記憶媒体およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240710BHJP
【FI】
G16H20/10
(21)【出願番号】P 2023512260
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(86)【国際出願番号】 CN2021092019
(87)【国際公開番号】W WO2022021990
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】202010735811.1
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522437751
【氏名又は名称】ベイジン ジンドン トゥオシャン テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG TUOXIAN TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【氏名又は名称】鈴木 学
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ、 ジュン
(72)【発明者】
【氏名】クアン、 ツェシャン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ、 シャオロン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、 シジン
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0356252(US,A1)
【文献】特開平10-124578(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109670788(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109920508(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0358288(US,A1)
【文献】特開2019-115707(JP,A)
【文献】特開2016-045926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医師が発行した処方情報と薬剤師が前記処方情報に基づいて与えたレビュー情報とを含む処方レビュー情報を取得するステップと、
前記処方情報と前記レビュー情報に対して特徴抽出を行い、前記処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するステップと、
現在の審査ルールに基づいて前記特徴データセットに対して判断を行い、前記処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得するステップであって、前記審査ルールは、特徴データセットとレビュー結果との間の対応関係を表すために用いられ、訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて前記審査ルールを更新する、ステップと、
を含む
、コンピュータが行う、情報判断の方法。
【請求項2】
前記方法は、予め設定された条件に基づいて前記分類意思決定モデルを訓練するステップをさらに含み、
前記分類意思決定モデルは、
抽出して得られた異なる病院の各種類の特徴データセットと異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果とを含む訓練サンプルからなる訓練サンプルセットを取得するステップと、
機械学習方法を用いて、前記訓練サンプルセットにおける訓練サンプルに含まれる異なる病院の各種類の特徴データセットを検出ネットワークの入力とし、異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果を前記検出ネットワークの所望出力とし、訓練を行って分類意思決定モデルを取得するステップと、によって訓練されて得る請求項1に記載の方法。
【請求項3】
訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて前記審査ルールを更新するステップは、
前記分類意思決定モデルが訓練完了したか否かを判断するステップと、
前記分類意思決定モデルが訓練完了したことに応答して、前記分類意思決定モデルの入力パラメータと出力パラメータに基づいて、前記審査ルールに対して更新を行うステップと、を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記処方情報と前記レビュー情報に対して特徴抽出を行い、前記処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するステップの前に、および訓練サンプルセットを取得するステップの前に、
前記処方情報と前記レビュー情報に対してクレンジングを行い、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するステップをさらに含み、
前記クレンジングは、前記処方情報と前記レビュー情報をデータ構造化処理することにより行われる
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記処方情報と前記レビュー情報に対してクレンジングを行い、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するステップは、
前記処方情報に対して情報抽出を行い、前記処方情報に対応する個人情報、前記処方情報に対応する診断情報、および前記処方情報に対応する薬品情報を取得するステップと、
前記個人情報に基づいて、前記処方情報に対応する人群ラベルを特定し、前記診断情報を標準化して前記処方情報に対応する診断名を取得し、前記薬品情報に対して標準化・単位正規化を行って前記処方情報に対応する薬品標準情報を取得するステップと、
テキスト分類技術により前記レビュー情報を分類して前記レビュー情報の所属カテゴリを特定するステップと、
前記人群ラベル、前記診断名、前記薬品標準情報、および前記レビュー情報の所属カテゴリに基づいて、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するステップと、
を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記処方情報と前記レビュー情報に対して特徴抽出を行い、前記処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するステップの後に、および訓練サンプルセットを取得するステップの後に、
特徴データセットに対して符号化処理を行い、処理後の特徴データセットを取得するステップをさらに含む請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記処方情報と前記レビュー情報に対して特徴抽出を行い、前記処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するステップの後に、および訓練サンプルセットを取得するステップの後に、
予め設定された薬理知識に基づいて特徴データセットに対してスクリーニングを行い、スクリーニング後の特徴データセットを生成するステップをさらに含む請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記レビュー結果と製品との相関性に基づいて、製品の構造および/または製品戦略を最適化するステップをさらに含む請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
医師が発行した処方情報と薬剤師が前記処方情報に基づいて与えたレビュー情報とを含む処方レビュー情報を取得するように構成された取得ユニットと、
前記処方情報と前記レビュー情報に対して特徴抽出を行い、前記処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するように構成された特徴抽出ユニットと、
現在の審査ルールに基づいて前記特徴データセットに対して判断を行い、前記処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得するように構成された判断ユニットであって、前記審査ルールは、特徴データセットとレビュー結果との間の対応関係を表すために用いられ、訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて前記審査ルールを更新する、判断ユニットと、
を含む情報判断の装置。
【請求項10】
前記装置は、予め設定された条件に基づいて、前記分類意思決定モデルを訓練するように構成された訓練ユニットをさらに含み、
前記訓練ユニットにおける前記分類意思決定モデルは、
抽出して得られた異なる病院の各種類の特徴データセットと異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果とを含む訓練サンプルからなる訓練サンプルセットを取得するステップと、
機械学習方法を用いて、前記訓練サンプルセットにおける訓練サンプルに含まれる異なる病院の各種類の特徴データセットを検出ネットワークの入力とし、異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果を前記検出ネットワークの所望出力とし、訓練を行って分類意思決定モデルを取得するステップと、によって訓練されて得る請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記判断ユニットは、
前記分類意思決定モデルが訓練完了したか否かを判断するように構成された判断モジュールと、
前記分類意思決定モデルが訓練完了したことに応答して、前記分類意思決定モデルの入力パラメータと出力パラメータに基づいて、前記審査ルールに対して更新を行うように構成された更新モジュールと、
を含む請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記処方情報と前記レビュー情報に対してクレンジングを行い、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するように構成されたクレンジングユニットをさらに含み、
前記クレンジングは、前記処方情報と前記レビュー情報をデータ構造化処理することにより行われる請求項9~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記クレンジングユニットは、
前記処方情報に対して情報抽出を行い、前記処方情報に対応する個人情報、前記処方情報に対応する診断情報、および前記処方情報に対応する薬品情報を取得するように構成された抽出モジュールと、
前記個人情報に基づいて、前記処方情報に対応する人群ラベルを特定し、前記診断情報を標準化して前記処方情報に対応する診断名を取得し、前記薬品情報に対して標準化・単位正規化を行って前記処方情報に対応する薬品標準情報を取得するように構成された特定モジュールと、
テキスト分類技術により前記レビュー情報を分類して前記レビュー情報の所属カテゴリを特定するように構成された分類モジュールと、
前記人群ラベル、前記診断名、前記薬品標準情報、および前記レビュー情報の所属カテゴリに基づいて、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するように構成された生成モジュールと、
を含む請求項12に記載の装置。
【請求項14】
特徴データセットに対して符号化処理を行い、処理後の特徴データセットを取得するように構成された処理ユニットをさらに含む請求項9~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
予め設定された薬理知識に基づいて特徴データセットに対してスクリーニングを行い、スクリーニング後の特徴データセットを生成するように構成されたスクリーニングユニットをさらに含む請求項9~14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記レビュー結果と製品との相関性に基づいて、製品の構造および/または製品戦略を最適化するように構成された最適化ユニットをさらに含む請求項9~15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのプロセッサ及び前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリを含み、
前記メモリに前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶されており、前記指令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~8のいずれか1項に記載の方法を実施する電子機器。
【請求項18】
コンピュータ指令が記憶されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ指令は請求項1~8のいずれか1項に記載の方法を前記コンピュータに実施させるためのものであることを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実施させるために用いられることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2020年07月28日に出願された、出願番号202010735811.1、発明の名称「情報判断の方法および装置」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、当該特許出願の全文は、引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願はコンピュータ技術分野に関し、具体的にはスマート医療、情報処理技術分野に関し、特に情報判断の方法と装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、医療資源の分配が不均一であるため、一部の病院の薬剤師の専門領域の知識が不足し、病院から発行された処方に対する審査は完全かつ正確ではないことがあるので、処方審査に協力できる処方審査システムが必要となる。処方審査システムの核心は審査ルールにあり、現在通常に使用する審査ルールの獲得方式は2種類がある。1つ目は薬剤師が経験に基づいて審査ルールを構成することであり、2つ目はシステムが薬学知識マップから審査ルールを抽出することである。人工による審査ルールの構成は複雑で作業量が多く、不注意による審査ルールの構成ミスが起こりやすい。一方、薬学知識マップから審査ルールを抽出することは新しい方法として薬剤師の作業量を低減することができるが、取得したルールは固定されたものであり、処方の審査ルールを動的に学習することができず、しかも病院ごとに同じ薬品に対する審査ルールが異なるため、汎用の薬学知識マップから抽出したルールは複数の病院の多様な審査側の需要を満たすことができない。そのため、如何に各病院の大量の処方レビュー情報を通じて審査ルールを学習するかは、特に重要である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、情報判断の方法、装置、電子機器、記憶媒体およびコンピュータプログラムを提供する。
【0005】
本出願の第1の態様では、医師が発行した処方情報と薬剤師が処方情報に基づいて与えたレビュー情報とを含む処方レビュー情報を取得するステップと、記処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するステップと、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得するステップとを含み、前記審査ルールは、特徴データセットとレビュー結果との間の対応関係を表し、訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて更新される情報判断の方法を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法は、予め設定された条件に基づいて、分類意思決定モデルを訓練するステップをさらに含み、分類意思決定モデルは、抽出して得られた異なる病院の各種類の特徴データセットと異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果とを含む訓練サンプルからなる訓練サンプルセットを取得するステップと、機械学習方法を用いて、訓練サンプルセットにおける訓練サンプルに含まれる異なる病院の各種類の特徴データセットを検出ネットワークの入力とし、異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果を検出ネットワークの所望出力とし、訓練を行って分類意思決定モデルを取得するステップとによって訓練されて得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて審査ルールを更新するステップは、分類意思決定モデルが訓練完了したか否かを判断するステップと、分類意思決定モデルが訓練完了したことに応答して、分類意思決定モデルの入力パラメータと出力パラメータに基づいて、審査ルールに対して更新を行うステップと、を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するステップの前に、および訓練サンプルセットを取得するステップの前に、処方情報とレビュー情報に対してクレンジング(data cleansing)を行い、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するステップをさらに含み、クレンジングは、処方情報とレビュー情報をデータ構造化処理することにより行われる。
【0009】
いくつかの実施形態では、処方情報とレビュー情報に対してクレンジングを行い、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するステップは、処方情報に対して情報抽出を行い、処方情報に対応する個人情報、処方情報に対応する診断情報、および処方情報に対応する薬品情報を取得するステップと、個人情報に基づいて、処方情報に対応する人群ラベルを特定し、診断情報を標準化して処方情報に対応する診断名を取得し、薬品情報に対して標準化・単位正規化を行って処方情報に対応する薬品標準情報を取得するステップと、テキスト分類技術によりレビュー情報を分類してレビュー情報の所属カテゴリを特定するステップと、人群ラベル、診断名、薬品標準情報、およびレビュー情報の所属カテゴリに基づいて、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するステップと、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するステップの後に、および訓練サンプルセットを取得するステップの後に、特徴データセットに対して符号化処理を行い、処理後の特徴データセットを取得するステップをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するステップの後に、および訓練サンプルセットを取得するステップの後に、予め設定された薬理知識に基づいて特徴データセットに対してスクリーニングを行い、スクリーニング後の特徴データセットを生成するステップをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、方法は、レビュー結果と製品との相関性に基づいて、製品の構造および/または製品戦略を最適化するステップをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、特徴データセットは、特徴が比較的独立した離散特徴と特徴間に関連関係を有する関連特徴を含む。
【0014】
本出願の第2の態様では、情報判断の装置であって、医師が発行した処方情報と薬剤師が処方情報に基づいて与えたレビュー情報とを含む処方レビュー情報を取得するように構成された取得ユニットと、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するように構成された特徴抽出ユニットと、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得するように構成された判断ユニットと、を含み、審査ルールは、特徴データセットとレビュー結果との間の対応関係を表し、訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて更新される、情報判断の装置を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態では、装置は、予め設定された条件に基づいて、分類意思決定モデルを訓練するように構成された訓練ユニットをさらに含み、訓練ユニットにおける分類意思決定モデルは、抽出して得られた異なる病院の各種類の特徴データセットと異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果とを含む訓練サンプルからなる訓練サンプルセットを取得するステップと、機械学習方法を用いて、訓練サンプルセットにおける訓練サンプルに含まれる異なる病院の各種類の特徴データセットを検出ネットワークの入力とし、異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果を検出ネットワークの所望出力とし、訓練を行って分類意思決定モデルを取得するステップと、によって訓練されて得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、判断ユニットは、分類意思決定モデルが訓練完了したか否かを判断するように構成された判断モジュールと、分類意思決定モデルが訓練完了したことに応答して、分類意思決定モデルの入力パラメータと出力パラメータに基づいて、審査ルールに対して更新を行うように構成された更新モジュールと、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、装置は、処方情報とレビュー情報に対してクレンジングを行い、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するように構成されたクレンジングユニットをさらに含み、クレンジングは、処方情報とレビュー情報をデータ構造化処理することにより行われる。
【0018】
いくつかの実施形態では、クレンジングユニットは、処方情報に対して情報抽出を行い、処方情報に対応する個人情報、処方情報に対応する診断情報、および処方情報に対応する薬品情報を取得するように構成された抽出モジュールと、個人情報に基づいて、処方情報に対応する人群ラベルを特定し、診断情報を標準化して処方情報に対応する診断名を取得し、薬品情報に対して標準化・単位正規化を行って処方情報に対応する薬品標準情報を取得するように構成された特定モジュールと、テキスト分類技術により、レビュー情報を分類してレビュー情報の所属カテゴリを特定するように構成された分類モジュールと、人群ラベル、診断名、薬品標準情報、およびレビュー情報の所属カテゴリに基づいて、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するように構成された生成モジュールと、を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、装置は、特徴データセットに対して符号化処理を行い、処理後の特徴データセットを取得するように構成された処理ユニットをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、装置は、予め設定された薬理知識に基づいて特徴データセットに対してスクリーニングを行い、スクリーニング後の特徴データセットを生成するように構成されたスクリーニングユニットをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、装置は、レビュー結果と製品との相関性に基づいて、製品の構造および/または製品戦略を最適化するように構成された最適化ユニットをさらに含む。
【0022】
本出願の第3の態様では、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリを含み、メモリに少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶されており、指令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサが第1の態様のいずれか1つの実施形態に記載の方法を実施する電子機器を提供する。
【0023】
本出願の第4の態様では、コンピュータ指令が記憶されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータ指令はコンピュータに第1の態様のいずれか1つの実施形態に記載の方法を実施させるためのものであることを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0024】
本出願の第5の態様では、コンピュータに第1の態様のいずれか1つの実施形態に記載の方法を実施させるために用いられることを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
【0025】
本出願の技術によれば、処方レビュー情報を取得し、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成し、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得することにより、人工によるルール構成に起因する構成ミスの問題を解決し、薬剤師を煩雑なルール構成作業から解放するとともに、先行技術に見られる取得したルールが固定されたものであるため処方の審査ルールを動的に学習できないという問題を解決した。学習して得られた審査ルールを用いて処方レビュー情報を判断するための方法を実現し、処方審査システムの審査効率と精度を向上させた。
【0026】
この部分に記載された内容は、本明細書の実施形態の重要な特徴または重要な特徴を識別することが意図されているわけではなく、本明細書の範囲を制限するためにも使用されないことを理解すべきである。本出願の他の特徴は、以下の記載により理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図面は、本明細書をよりよく理解するために使用され、本明細書への限定ではない。
【
図1】本出願に係る情報判断の方法の第1の実施形態の概略図である。
【
図2】本出願の実施形態に係る情報判断の方法を実現可能なシーンの図である。
【
図3】本出願に係る情報判断の方法の第2の実施形態の概略図である。
【
図4A】クレンジング後の処方レビュー情報を例示した図である。
【
図5】本出願に係る情報判断の装置の一実施形態の概略構造図である。
【
図6】本出願の実施形態に係る情報判断の方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本出願の例示的な実施形態を説明する。理解を助けるために、本明細書の実施形態の様々な詳細が含まれており、それらは例示に過ぎないとみなされるべきである。したがって、当業者は、本明細書に記載された実施形態に対して、本明細書の範囲および精神から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができることを認識すべきである。同様に、以下の説明では、明確かつ簡略化のために、公知の機能および構造の説明を省略する。
【0029】
なお、本明細書の実施形態および実施形態における特徴は、矛盾しない場合に、互いに組み合わせられてもよい。以下、添付図面を参照し、実施形態を踏まえて本明細書について詳細に説明する。
【0030】
図1は、本出願に係る情報判断の方法の第1の実施形態の概略
図100を示す。この情報判断の方法は、以下のステップを含む。
【0031】
ステップ101では、処方レビュー情報を取得する。
【0032】
本実施形態では、実行主体は有線接続方式または無線接続方式により他の電子機器またはローカルから処方レビュー情報を取得してもよいし、処方審査要求を解析することにより処方レビュー情報を取得してもよい。ここで、処方レビュー情報には、処方情報とレビュー情報が含まれる。処方情報とは、医師が発行した、患者の個人情報(例えば年齢、性別など)、患者の診断情報(罹患疾患、アレルギー歴、健康診断指標などを含む)、および薬品情報(薬品の汎用名、規格、単回使用量、薬品投与経路、薬品投与頻度などを含む)を含む情報をいう。レビュー情報とは、薬剤師が処方情報に基づいて提供した、薬剤師の処方に対する合理的な判断情報を含む情報をいう。レビュー情報は、「投薬と診断が一致しない」、「投薬と性別が一致しない」、「単回投与量が高すぎる」などを含んでもよい。なお、上記の無線接続方式は、3G、4G、5G接続、WiFi接続、ブルートゥース(登録商標)接続、WiMAX接続、Zigbee接続、UWB(ultra wideband)接続、および他の現在知られているまたは将来開発される無線接続方式を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0033】
ステップ102では、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成する。
【0034】
本実施形態では、実行主体は、特徴抽出方法に基づいて、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成することができる。ここで、特徴データセットは、特徴が比較的独立した離散特徴と特徴間に関連関係を有する関連特徴を含む。例えば、特徴データセットの特徴は、患者の性別、年齢、人群特徴、患者の診断特徴、薬品の汎用名、薬品投与頻度、単回投与量、薬品投与経路の特徴を含んでもよい。そのうち、性別、人群、診断、汎用名、薬品投与経路などは離散特徴に属し、年齢、薬品投与頻度、単回投与量などは関連特徴に属する。
【0035】
ステップ103では、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得する。
【0036】
本実施形態では、実行主体は、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得することができる。そのうち、審査ルールは特徴データセットとレビュー結果との対応関係を表すために用いられ、審査ルールは訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて更新される。これにより、審査ルールを動的に学習させることで最適な審査ルールが得られる。
【0037】
なお、上述した更新方法は、現在広く研究および適用されている公知の技術であり、ここではこれ以上説明しない。
【0038】
引き続き
図2を参照すると、本実施形態に係る情報判断の方法200は、電子機器201において実行される。電子機器201は、審査要求を受信すると、まず、処方レビュー情報を取得する(ステップ202)。そして、電子機器201は、処方レビュー情報における処方情報と処方レビュー情報におけるレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成する(ステップ203)。最後に、電子機器201は、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得する(ステップ204)。
【0039】
本出願の上記実施形態が提供する情報判断の方法は、処方レビュー情報を取得し、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成し、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得する。ここで、審査ルールは、訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて更新される。これにより、人工によるルール構成に起因する構成ミス問題を解決し、薬剤師を煩雑なルール構成作業から解放するとともに、先行技術に見られる取得したルールが固定されたものであるため処方の審査ルールを動的に学習できないという問題を解決した。学習により得られた審査ルールを用いることで処方レビュー情報を判断するための方法を実現し、処方審査システムの審査効率と精度を向上させた。
【0040】
さらに
図3を参照すると、
図3は情報判断の方法の第2の実施形態の概略
図300を示す。この方法のフローチャートは、以下のステップを含む。
【0041】
ステップ301では、処方レビュー情報を取得する。
【0042】
ステップ302では、処方情報とレビュー情報に対してクレンジング(data cleansing)を行い、クレンジング後の処方レビュー情報を生成する。
【0043】
本実施形態では、実行主体は、処方情報とレビュー情報に対してクレンジングをそれぞれ行い、クレンジング後の処方情報とレビュー情報を生成し、クレンジング後の処方情報とレビュー情報をまとめてクレンジング後の処方レビュー情報を取得することができる。クレンジングは、処方情報とレビュー情報をデータ構造化処理することにより行われる。
【0044】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、処方情報とレビュー情報に対してクレンジングを行い、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するステップは、処方情報に対して情報抽出を行い、処方情報に対応する個人情報、処方情報に対応する診断情報、および処方情報に対応する薬品情報を取得するステップと、個人情報に基づいて、処方情報に対応する人群ラベルを特定し、診断情報に対して標準化を行い、処方情報に対応する診断名を取得し、薬品情報に対して標準化・単位正規化を行い、処方情報に対応する薬品標準情報を取得するステップと、テキスト分類技術に基づいて、レビュー情報に対して分類を行い、レビュー情報の所属カテゴリを特定するステップと、人群ラベル、診断名、薬品標準情報、およびレビュー情報の所属カテゴリに基づいて、クレンジング後の処方レビュー情報を生成するステップと、を含む。具体的な例示を
図4Aに示す。
【0045】
さらに、人群ラベルは、「新生児」、「子供」、「成人」、「老人」などを含んでもよい。よく見られる診断名の標準化方法は2種類に分けられる。1つ目は、国際共通のICD10コーディングテーブルを用いて標準化を行い、単語ベクトルに対して訓練を行い、コサイン類似度を用いて診断名をICD10コーディングテーブルの標準疾患名にマッピングすることである。2つ目は、パージングアルゴリズムを用いて診断名におけるフレーズの上下関係を抽出し、基礎診断名を診断の標準化疾病名とすることである。レビュー情報の所属カテゴリは、「合理的な処方」、「診断と投薬が一致しない」、「投薬と性別が一致しない」、「重複投薬」、「単回投与量が高すぎる」、「投与頻度が高すぎる」、「投与経路が間違っている」などを含んでもよい。薬品情報の標準化と単位正規化は、具体的に、処方から薬品の用法・用量情報を抽出し、用法・用量における薬品投与経路と薬品投与頻度の記述に対して標準化を行い、用法・用量における単回投与量の単位を正規化することを含んでもよい。処方レビュー情報における各特徴の記述を統一することにより、処方審査ルールの複雑さを低減した。
【0046】
ステップ303では、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成する。
【0047】
ステップ304では、特徴データセットに対して符号化処理を行い、処理後の特徴データセットを取得する。
【0048】
本実施形態では、実行主体は、ステップ303で生成された特徴データセットにおける診断記述の関連特徴に対して分類と符号化を行い、さらに薬品説明書を合わせてコードに対して次元削減処理を行い、処理後の特徴データセットを取得することができる。診断名の記述の複雑さや多様性の特徴から、ワンホットエンコーディングONE-HOTを直接用いると特徴の次元が高すぎ、分類意思決定モデルの訓練に不利である。特徴データセットに対して分類と符号化を行うことにより、特徴の次元を削減し、診断名のスパースネスの問題を解決した。
【0049】
一例として、脱毛と前立腺肥大の2種類の適応症に言及したフェナステリド錠の薬品説明書を例にとると、フィナステリド錠に関する処方における診断情報を2ビットコードに符号化し、テキスト類似度を用いて処方における診断名を上記2ビットコードにマッピングすることにより、診断名のスパースネスの問題を解決した。例えば、「禿げ」を「脱毛」にマッピングし、「前立腺炎肥大」を「前立腺肥大」にマッピングする。
【0050】
ステップ305では、予め設定された薬理知識に基づいて特徴データセットに対してスクリーニングを行い、スクリーニング後の特徴データセットを生成する。
【0051】
本実施形態では、実行主体は、予め設定された薬理知識に基づいて、薬品説明書を合わせて、ステップ304で取得された特徴データセットの特徴次元に対して重要度ランキングおよびスクリーニングを行い、スクリーニング後の特徴データセットを生成することができる。例えば、「診断と投薬が一致しない」ルールを生成する場合には、薬品の汎用名特徴、患者の診断特徴のみを使用する必要がある。「投薬と性別が一致しない」ルールを生成する場合には、薬品の汎用名特徴、患者の性別特徴のみを使用する必要がある。「重複投薬」のルールを生成する場合には、薬品の汎用名特徴、薬品の投与経路特徴のみを使用する必要がある。「単回投与量が高すぎる」、「投与頻度が高すぎる」などのルールを生成する場合には、患者の年齢、人群、診断特徴および薬品の汎用名、単回投与量、薬品投与頻度の特徴のみを使用する必要がある。スクリーニングにより正確かつ的確な特徴データが得られ、システムの効率と正確性が向上された。
【0052】
ステップ306では、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得する。
【0053】
本実施形態では、実行主体は、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得することができる。ここで、審査ルールは、訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて更新される。審査ルールの一例を
図4Bに示す。
【0054】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、方法は、予め設定された条件に基づいて、分類意思決定モデルに対して訓練を行うステップをさらに含み、分類意思決定モデルは、抽出して得られた異なる病院の各種類の特徴データセットと異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果を含む訓練サンプルからなる訓練サンプルセットを取得するステップと、機械学習方法により、訓練サンプルセットにおける訓練サンプルに含まれる異なる病院の各種類の特徴データセットを検出ネットワークの入力とし、異なる病院の各種類の特徴データセットに対応するレビュー結果を検出ネットワークの所望出力とし、訓練を行って分類意思決定モデルを取得するステップとによって、訓練されて得る。異なる病院の各種類の特徴データセットに基づいて訓練を行うことにより、各病院の同じ薬品に対する審査ルールが異なるため複数の病院の多様な審査側の需要を満たすことができない問題を解決し、システムの効率と応用範囲を高めた。従来の機械学習モデルが持つ非常に強い解釈可能性を利用することで、システムパフォーマンスを向上させた。
【0055】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、訓練を行って取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて審査ルールを更新するステップは、分類意思決定モデルが訓練完了したか否かを判断するステップと、分類意思決定モデルが訓練完了したことに応答して、分類意思決定モデルの入力パラメータと出力パラメータに基づいて、審査ルールに対して更新を行うステップと、を含む。モデル訓練が完了するたびに審査ルールに対して更新を行い、審査ルールと分類意思決定モデルを一致させることにより、審査ルールの更新過程を簡略化すると同時に、審査ルールの最適解を確保した。
【0056】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、方法は、レビュー結果と製品との相関性に基づいて、製品の構造および/または製品戦略を最適化するステップをさらに含む。レビュー結果に基づいて、薬剤師は分類意思決定モデルと審査ルールに対して再審査を行い、審査システムの審査結果の正確性を確保した。
【0057】
本実施形態では、ステップ301、303、および306の具体的な動作は、
図1に示す実施形態におけるステップ101、102、および103の動作と実質的に同じであり、ここではこれ以上説明しない。
【0058】
図3から分かるように、
図1に対応する実施形態と比較して、本実施形態における情報判断の方法の概略
図300は、処方情報とレビュー情報に対してクレンジングを行い、クレンジング後の処方レビュー情報を生成し、特徴データセットに対して符号化処理を行い、処理後の特徴データセットを取得し、予め設定された薬理知識に基づいて特徴データセットに対してスクリーニングを行い、スクリーニング後の特徴データセットを生成することにより、診断名のスパースネスの問題を解決し、特徴の次元が削減され、スクリーニングにより正確かつ的確な特徴データが取得され、システムの効率と精度を向上させた。
【0059】
さらに
図5を参照すると、本出願は、上述した各図に示す方法の実現として、様々な電子機器に具体的に適用可能な情報判断の装置の一実施形態を提供する。当該装置の実施形態は
図1に示す方法の実施形態に対応している。
【0060】
図5に示すように、本実施形態の情報判断の装置500は、取得ユニット501と、特徴抽出ユニット502と、判断ユニット503とを備える。ここで、取得ユニットは、医師が発行した処方情報と薬剤師が処方情報に基づいて与えたレビュー情報を含む処方レビュー情報を取得するように構成される。特徴抽出ユニットは、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成するように構成される。判断ユニットは、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得するように構成される。前記審査ルールは、特徴データセットとレビュー結果との間の対応関係を表すために用いられ、訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて前記審査ルールを更新する。
【0061】
本実施形態では、情報判断の装置500の取得ユニット501、特徴抽出ユニット502、および判断ユニット503の具体的な処理やそれらによって奏される技術的効果については、それぞれ
図1に対応する実施形態におけるステップ101~ステップ103を参照して説明することができる。ここではこれ以上説明しない。
【0062】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、フィルタリングユニットは、第1の製品ペアセットにおけるすべての製品ペアに対してクラスタリングを行った後、第1の製品ペアセットにおける各製品の再購入周期を計算して得るように構成されたクラスタリングモジュールと、各製品の再購入周期と対応製品の購入時刻に基づいて、第1の製品ペアセットにおける各製品が再購入期限を超えているか否かを判断するように構成された第1の判断モジュールと、第1の製品ペアセットにおける製品が再購入期限を超えた場合、当該製品の製品ペアをフィルタリングされた第1の製品ペアセットに格納し、第1の製品ペアセットにおける製品が再購入期限を超えていない場合、当該製品の製品ペアをフィルタリングされていない第1の製品ペアセットに格納するように構成された第1の記憶モジュールと、を含む。
【0063】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、フィルタリングユニットは、ユーザ行動の発生時刻および/またはユーザ行動の発生回数に基づいて、第1の製品ペアセットにおける各製品が免除条件を満たすか否かを判断するように構成された第2の判断モジュールと、第1の製品ペアセットにおける製品が免除条件を満たす場合、当該製品に対応する製品ペアをフィルタリングされた第1の製品ペアセットに格納し、第1の製品ペアセットにおける製品が免除条件を満たさない場合、当該製品に対応する製品ペアをフィルタリングされていない第1の製品ペアセットに格納するように構成された第2の記憶モジュールと、をさらに含む。ここで、免除条件はユーザ行動の発生時刻および/またはユーザ行動の発生回数に対する閾値判定を表すために使用され、判断は製品の標準製品単位SPUに基づいて行われる。
【0064】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、フィルタリングユニットは、第1の製品ペアセットから第3の製品ペアセットを取得するように構成された取得モジュールと、製品再購入選択モデルに基づいて第3の製品ペアセットをフィルタリングし、第3の製品ペアセットにおける各製品の再購入周期を生成するように構成されたフィルタモジュールと、をさらに含む。ここで、第3の製品ペアセットは再購入周期が得られていない各製品ペアのセットを表すために使用され、製品再購入選択モデルは製品の再購入周期に基づいて第3の製品ペアセットを選択することを表すために使用される。
【0065】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、第1の選択ユニットにおける製品フィルタリングポリシーは、フィルタリングされていない第1の製品ペアセットを複数の次元に基づいて組み合わせてスクリーニングする。第1の選択ユニットは、製品フィルタリングモデルに基づいて、フィルタリングされていない第1の製品ペアセットにおける各製品がユーザの購入商品であるか否かを判断するように構成された判断モジュールと、フィルタリングされていない第1の製品ペアセットにおける製品がユーザの購入商品である場合、当該製品に対応する製品ペアをフィルタリングされていない第1の製品ペアセットから削除し、第2の製品ペアセットを取得するように構成された削除モジュールと、を含む。ここで、製品フィルタリングモデルは、製品の製品語、製品の標準製品単位SPU、および製品の在庫保管単位SKUのうちの少なくとも2つに基づいて、フィルタリングされていない第1の製品ペアセットにおける各製品を組み合わせてフィルタリングすることを表すために使用される。
【0066】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、装置は、製品のカテゴリに基づいて、第2の製品ペアセットを選択し、選択後の第2の製品ペアセットを取得するように構成された第2の選択ユニットをさらに含む。
【0067】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、装置は、商品展示ポリシーに基づいてユーザの第2の商品セットをソートし、ユーザの商品リストを生成するように構成された生成ユニットをさらに含む。
【0068】
本出願の実施形態によれば、本出願はまた、電子機器および可読記憶媒体を提供する。
【0069】
図6は、本出願の実施形態に係る情報判断の方法を実現するための電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、および他の適切なコンピュータのような様々な形態のデジタルコンピュータを表すことが意図されている。電子機器はまた、個人デジタル処理、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、および他の同様の計算装置のような様々な形態のモバイルデバイスを表すことができる。本明細書に示す構成要素、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能は、あくまでも一例に過ぎず、本明細書に記載されたおよび/または要求される本出願の実装を限定することは意図されていない。
【0070】
図6に示すように、当該電子機器は、1つまたは複数のプロセッサ601と、メモリ602と、高速インターフェースおよび低速インターフェースを含む各構成要素を接続するためのインターフェースとを備える。各構成要素は、異なるバスで互いに接続されており、共通マザーボードに実装されていてもよく、必要に応じて他の方法で実装されていてもよい。プロセッサは、インターフェースに結合された表示装置などの外部入出力装置上にGUIのグラフィック情報を表示するために、メモリまたはメモリ上に格納された指令を含む電子機器内で実行される指令を処理することができる。他の実施形態では、複数のプロセッサおよび/または複数のバスは、必要に応じて、複数のメモリおよび複数のメモリと共に使用されてもよい。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各装置は、部分的に必要な動作を(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバのセット、またはマルチプロセッサシステムとして)提供することができる。
図6では、1つのプロセッサ601を例に挙げている。
【0071】
メモリ602は、本出願によって提供される非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに、本出願によって提供される情報判断の方法を実行させるために、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令を格納する。本出願の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、本出願によって提供される情報判断の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ指令を記憶する。
【0072】
メモリ602は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として、本出願の実施形態における情報判断の方法に対応するプログラム指令/モジュール(例えば、
図5に示す取得ユニット501、特徴抽出ユニット502、および判断ユニット503)のような非一時的ソフトウェアプログラム、非一時的コンピュータ実行可能プログラム、およびモジュールの格納に使用することができる。プロセッサ601は、メモリ602に記憶された非一時的ソフトウェアプログラム、指令、およびモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行する。すなわち、上記方法の実施形態によって提供される情報判断の方法を実施する。
【0073】
メモリ602は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションを記憶することができるプログラム記憶領域、および、情報判断の方法を実行する電子機器の使用によって生成されたデータなどを記憶することができるデータ記憶領域を含んでもよい。さらに、メモリ602は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよいし、少なくとも1つのディスクメモリ、フラッシュメモリデバイス、または他の非一時的ソリッドステートメモリのような非一時的メモリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、メモリ602は、オプション的に、情報判断の方法を実行する電子機器にネットワークを介して接続することができる、プロセッサ601に対して遠隔設定されたメモリを含んでもよい。上記ネットワークの実例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信網、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0074】
情報判断の方法を実現するための電子機器は、入力装置603および出力装置604をさらに含んでもよい。プロセッサ601、メモリ602、入力装置603、および出力装置604は、バスを介してまたはその他の方式で接続されてもよい。
図6はバスを介して接続される例である。
【0075】
入力装置603は、入力された数字または文字情報を受信し、情報判断の方法を実現するための電子機器のユーザ設定および機能制御に関するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングレバー、1つまたは複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置が挙げられる。出力装置604は、表示装置、補助照明デバイス(例えば、LED)、触覚フィードバックデバイス(例えば、振動モータ)などを含んでもよい。この表示装置は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、およびプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、表示装置はタッチスクリーンであってもよい。
【0076】
本明細書に記載されたシステムおよび技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実装されることができる。これらの様々な実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム内に実装されることを含むことができる。この1つまたは複数のコンピュータプログラムは少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行および/または解釈されることができる。このログラマブルプロセッサは、専用プログラマブルプロセッサであっても汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置からデータおよび指令を受信し、当該記憶システム、当該少なくとも1つの入力装置、および当該少なくとも1つの出力装置にデータおよび指令を送信することができる。
【0077】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、かつ高度プロセスおよび/またはオブジェクト指向プログラミング言語、および/またはアセンブリ言語/機械語を用いて実施されることができる。本明細書で使用されるように、「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム、機器、および/または装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を意味し、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を意味する。
【0078】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に記載されたシステムおよび技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有するコンピュータ上で実施されることができる。ユーザは、キーボードおよびポインティングデバイスを介して入力をコンピュータに提供することができる。他の種類のデバイスはまた、ユーザとのインタラクションを提供するために使用されることができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であり得る。ユーザからの入力は、任意の形態(音入力、音声入力、または触覚入力を含む)で受信されることができる。
【0079】
本明細書に記載されたシステムおよび技術は、バックエンド構成要素を含む計算システム(例えば、データサーバとして)、またはミドルウェア構成要素を含む計算システム(例えば、アプリケーションサーバ)、またはフロントエンド構成要素を含む計算システム(例えば、グラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有するユーザコンピュータ。ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを介して、本明細書に記載されたシステムおよび技術の実施形態とインタラクションすることができる)、またはそのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素、またはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む計算システムにおいて実装されることができる。システムの構成要素は、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって相互に接続されることができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、およびブロックチェーンネットワークを含む。
【0080】
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは通常、互いに離れており、通信ネットワークを介してインタラクションする。クライアントとサーバの関係は、対応するコンピュータ上で、互いにクライアント・サーバ関係を有するコンピュータプログラムを動作させることによって生成される。
【0081】
本出願の実施形態の技術的解決手段によれば、処方レビュー情報を取得すること、処方情報とレビュー情報に対して特徴抽出を行い、処方レビュー情報に対応する特徴データセットを生成すること、現在の審査ルールに基づいて特徴データセットに対して判断を行い、処方レビュー情報に対応するレビュー結果を取得し、訓練により取得された分類意思決定モデルの訓練結果に基づいて審査ルールを更新することにより、人工によるルール構成に起因する構成ミスの問題を解決し、薬剤師を煩雑なルール構成作業から解放するとともに、先行技術に見られる取得したルールが固定されたルールであるため処方の審査ルールを動的に学習できないという問題を解決した。学習して得られた審査ルールを用いて処方レビュー情報を判断する方法が実現され、処方審査システムの審査効率と精度を向上させた。
【0082】
なお、上述した様々な形態のフローを用いて、ステップを改めて並び替え、追加または削除を行うことができる。例えば、本出願に記載された各ステップは、本出願に開示された技術案の所望の結果が達成できる限り、並行して実行されてもよいし、順番で実行されてもよいし、異なる順番で実行されてもよい。本明細書はここで制限しない。
【0083】
上記具体的な実施形態は、本出願の保護範囲を限定するものではない。設計要件および他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、副次的な組み合わせ、および置換を行うことができることを当業者は理解すべきである。本出願の趣旨および原理を逸脱せずに行われたあらゆる修正、均等な置換および改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。