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  • 特許-地図データ更新方法、装置及び電子機器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】地図データ更新方法、装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240710BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G09B29/10 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023514970
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 CN2021134367
(87)【国際公開番号】W WO2022267346
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】202110691680.6
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孟 張偉
(72)【発明者】
【氏名】董 士惜
(72)【発明者】
【氏名】石 朝雨
(72)【発明者】
【氏名】馬 ▲ヒン▼橋
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112131332(CN,A)
【文献】特開2002-056399(JP,A)
【文献】特開平08-329215(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111630348(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第02626668(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第112783911(CN,A)
【文献】特開2003-050543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを更新する方法であって、
第一地図データの更新情報、及び前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを取得することと、
前記更新情報の空間更新範囲に基づいて、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、前記ターゲットデータにおける前記空間更新範囲内にあるデータが含まれる第一ターゲット地図シートデータを得ることと、
前記第一ターゲット地図シートデータ及び前記更新情報に基づいて、前記第一地図データを更新することとを含み、
前記更新情報には、M個の更新すべき要素が含まれ、Mは正整数であり、上述の前記第一ターゲット地図シートデータ及び前記更新情報に基づいて、前記第一地図データを更新することは、
前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得ることと、
前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることとを含み、
上述の前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得ることの前に、前記方法は、
前記第一ターゲット地図シートデータに対応する編集可能範囲をマーキングして、第一範囲を得ることを更に含み、
上述の前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得ることは、
前記M個の更新すべき要素には、更新位置が前記第一範囲内にある第一更新すべき要素が含まれる場合、前記第一更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得ることを含む、地図データ更新方法。
【請求項2】
前記M個の更新すべき要素には、更新位置が前記第一範囲内にない第二更新すべき要素が含まれる場合、上述の前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることは、
前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第三ターゲット地図シートデータを得ることと、
前記第二更新すべき要素に基づいて、前記第三ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二地図データを得ることとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
上述の前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることの前に、前記方法は、
前記第二ターゲット地図シートデータに対してデータ正確性のチェック処理を行って、チェック結果を得ることを更に含み、
上述の前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることは、
前記第二ターゲット地図シートデータが正確であることを前記チェック結果が表している場合、前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
地図データを更新する装置であって、
第一地図データの更新情報、及び前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを取得するための取得モジュールと、
前記更新情報の空間更新範囲に基づいて、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、前記ターゲットデータにおける前記空間更新範囲内にあるデータが含まれる第一ターゲット地図シートデータを得るためのクリッピング処理モジュールと、
前記第一ターゲット地図シートデータ及び前記更新情報に基づいて、前記第一地図データを更新するための更新モジュールとを含み、
前記更新情報には、M個の更新すべき要素が含まれ、Mは正整数であり、前記更新モジュールは、
前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得るための編集処理ユニットと、
前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得るための融合処理ユニットとを含み、
前記装置は、
前記第一ターゲット地図シートデータに対応する編集可能範囲をマーキングして、第一範囲を得るためのマーキングモジュールを更に含み、
前記編集処理ユニットは、具体的に、前記M個の更新すべき要素には、更新位置が前記第一範囲内にある第一更新すべき要素が含まれる場合、前記第一更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得るために用いられる、地図データ更新装置。
【請求項5】
前記M個の更新すべき要素には、更新位置が前記第一範囲内にない第二更新すべき要素が含まれる場合、前記融合処理ユニットは、具体的に、
前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第三ターゲット地図シートデータを得て、
前記第二更新すべき要素に基づいて、前記第三ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二地図データを得るために用いられる、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、
前記第二ターゲット地図シートデータに対してデータ正確性のチェック処理を行って、チェック結果を得るためのチェック処理モジュールを更に含み、
前記融合処理ユニットは、具体的に、前記第二ターゲット地図シートデータが正確であることを前記チェック結果が表している場合、前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得るために用いられる、請求項に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されたメモリとを含む電子機器であって、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されることの可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~の何れか1項に記載の方法を実行可能となる、電子機器。
【請求項8】
コンピュータ命令を記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、請求項1~の何れか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのものである、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項9】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~の何れか1項に記載の方法が実現される、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年6月22日に中国で出願された中国特許出願第202110691680.6号の優先権を主張し、その内容の全ては、参照により本開示に組み込まれる。
本開示は、データ処理の技術分野、特に地図の技術分野に関し、具体的に地図データ更新方法、装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地図データ作成業界では、地図シートは、保管及び流通のための最小のデータ単位であり、地図シートとは、通常、10KM*10KMの大きさのデータタイルを指し、全国ひいては全地球の地図データとして繋ぎ合わせることが可能である。
【0003】
現在、現実世界の更新変化に対しては、通常、作業タスクパッケージに応じて地図データが修正され、作業タスクパッケージには、いくつかの更新資料(当該更新資料には、更新情報が含まれ得る)及びいくつかの地図シートが含まれる。
【0004】
具体的に、作業タスクパッケージの生成過程としては、通常、優先度及び空間的関係等の条件に従って作業資料を選択して集約させ、作業資料とは空間的に交わっている地図シートを選択して地図シート集合内に加え、地図シート集合内の地図シートデータ及び作業資料に基づいて、地図データを更新するようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、地図データ更新方法、装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一局面によれば、地図データを更新する方法であって、
第一地図データの更新情報、及び前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを取得することと、
前記更新情報の空間更新範囲に基づいて、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、前記ターゲットデータにおける前記空間更新範囲内にあるデータが含まれる第一ターゲット地図シートデータを得ることと、
前記第一ターゲット地図シートデータ及び前記更新情報に基づいて、前記第一地図データを更新することとを含む、地図データ更新方法を提供している。
【0007】
本開示の第二局面によれば、地図データを更新する装置であって、
第一地図データの更新情報、及び前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを取得するための取得モジュールと、
前記更新情報の空間更新範囲に基づいて、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、前記ターゲットデータにおける前記空間更新範囲内にあるデータが含まれる第一ターゲット地図シートデータを得るためのクリッピング処理モジュールと、
前記第一ターゲット地図シートデータ及び前記更新情報に基づいて、前記第一地図データを更新するための更新モジュールとを含む、地図データ更新装置を提供している。
【0008】
本開示の第三局面によれば、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサに通信接続されたメモリとを含む電子機器であって、
メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行されることの可能な命令が記憶されており、当該命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されることで、少なくとも1つのプロセッサが第一局面における何れか1つの方法を実行可能となる、電子機器を提供している。
【0009】
本開示の第四局面によれば、コンピュータ命令を記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、当該コンピュータ命令が、第一局面における何れか1つの方法をコンピュータに実行させるためのものである、コンピュータ読取可能な記憶媒体を提供している。
【0010】
本開示の第五局面によれば、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第一局面における何れか1つの方法が実現される、コンピュータプログラム製品を提供している。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る技術によれば、地図データ更新中に作業タスクパッケージのデータ量が多いことに起因して作業効果が比較的悪くなるという問題が解決され、地図データ更新中の作業効果が向上される。
【0012】
理解されたいのは、この部分で説明された内容は、本開示の実施例における肝心又は重要な特徴を特定することを意図せず、本開示の範囲を制限するためのものでもない。本開示の他の特徴は、以下の説明により、理解され易くなるであろう。
【0013】
図面は、本技術案をより好く理解するためのものであり、本開示に対する制限を構成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の第一実施例による地図データ更新方法のフロー模式図である。
図2】或る地図シートのデータ表示の模式図である。
図3】或る地図シートのクリッピング後のデータ表示の模式図である。
図4】別の地図シートのデータ表示の模式図である。
図5】別の地図シートのクリッピング後のデータ表示の模式図である。
図6】局所データ作業システムの構造模式図である。
図7】本開示の第二実施例による地図データ更新装置の構造模式図である。
図8】本開示の実施例を実施するための例示的な電子機器の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本開示の例示的な実施例を説明する。理解を助けるために、その中には、本開示の実施例の様々な詳細を含むが、これらの詳細は、単に例示的なものであると理解されたい。したがって、当業者であれば、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に記載の実施例に対して様々な変更及び修正を加えることができると認識すべきである。同様に、説明の明確化及び簡素化のために、以下の説明では、周知の機能及び構造についての記載が省略される。
【0016】
第一実施例
図1に示すように、本開示は、地図データを更新する方法であって、以下のステップS101~S103を含む地図データ更新方法を提供している。
【0017】
ステップS101:第一地図データの更新情報、及び前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを取得することである。
【0018】
本実施例において、地図データ更新方法は、データ処理技術、具体的に地図の技術分野に関し、地図データ更新シーンに幅広く応用可能である。当該方法は、本開示の実施例に係る地図データ更新装置によって実行されることが可能である。地図データ更新装置は、本開示の実施例に係る地図データ更新方法を実行するために任意の電子機器内に設置されることが可能であり、当該電子機器は、サーバであってもよいし、端末であってもよいが、ここで具体的に限定しない。
【0019】
前記第一地図データは、地図更新前のデータであってもよく、当該地図は、複数の地図シートが繋ぎ合わせられたものであってもよい。すると、繋ぎ合わせられたデータは、第一地図データと称されてもよい。
【0020】
前記第一地図データは、全地球の地図データであってもよいし、或る国の地図データであってもよく、或る行政地域の地図データ又は他の地域の地図データであってもよいが、ここで具体的に限定しない。
【0021】
前記更新情報は、現実世界の更新変化を表し得るものであり、それには、少なくとも1つの作業資料が含まれ得る。ここで、作業資料とは、地図データ更新中の駆動情報を指してもよい。1つの作業資料は、現実世界における1つの更新変化を表し、例えば、1つの作業資料には、オービスを区域Aに1つ新規追加したことに関する情報が含まれてもよい。すると、当該作業資料に基づいて地図データ更新装置を駆動して地図データを更新させることが可能となる。
【0022】
前記第一地図データの更新情報の取得方式は、複数であり得る。例えば、ユーザからアップロードされた作業資料を取得して、前記第一地図データの更新情報を生成してもよいし、ネットワークから作業資料をダウンロードして、前記第一地図データの更新情報を生成してもよい。または、予め記憶された作業資料を取得して、前記第一地図データの更新情報を生成してもよいし、他の電子機器から送信された作業資料を受信して、前記第一地図データの更新情報を生成してもよい。
【0023】
前記更新情報の作業資料には、地図について空間的に更新を必要とされる位置、例えば、オービスを区域A内の或る位置に1つ新規追加したことに関する情報が含まれてもよい。すると、作業資料と地図との空間的関係に応じて、前記第一地図データに対応する地図シートの中から、前記更新情報の作業資料と地図とが空間的に交わっている地図シートを取得して、前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを得ることが可能となる。
【0024】
前記更新情報に対応する地図シートの数は、更新情報の作業資料における空間的な更新範囲に応じて確定され、その地図シートの数は、1つであってもよいし、複数であってもよいが、ここで具体的に限定しない。例えば、更新情報の作業資料における空間的な更新範囲が1つの地図シートのデータのみに関わるものであれば、前記更新情報に対応する地図シートの数は1つとなり、更新情報の作業資料における空間的な更新範囲が複数の地図シートのデータに関わるものであれば、前記更新情報に対応する地図シートの数は複数となる。
【0025】
実際の応用では、地図データ更新作業の前に、第一地図データの作業資料を収集してその更新情報を準備し、それに合わせて、前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを取得し、これらの情報に基づいて作業タスクパッケージを生成してもよい。
【0026】
ステップS102:前記更新情報の空間更新範囲に基づいて、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、前記ターゲットデータにおける前記空間更新範囲内にあるデータが含まれる第一ターゲット地図シートデータを得ることである。
【0027】
当該ステップにおいて、前記空間更新範囲とは、前記更新情報の作業資料の、地図上での空間作用範囲を指し、空間作用範囲とは、地図データ更新時の実際編集範囲を指し、当該空間更新範囲は、前記更新情報に対応する地図シートの空間範囲以上であってもよい。つまり、地図データ更新時は、前記更新情報に対応する地図シートの空間範囲内の全てのデータではなく、前記更新情報に対応する地図シートにおける実際編集範囲内のデータのみに関わっている可能性がある。
【0028】
一例として、前記更新情報に対応する地図シートの空間範囲内のデータには、区域A及び区域Bの地図データが含まれるが、更新情報の作業資料によって、区域Aの地図データの更新を必要とされることだけが表されていれば、更新情報に対応する空間更新範囲は、区域Aとなる。
【0029】
このように、前記更新情報の空間更新範囲に基づいて、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、第一ターゲット地図シートデータを得ることが可能である。前記ターゲットデータとは、前記地図シートの空間範囲内の全てのデータを指してもよい。
【0030】
前記更新情報の空間更新範囲に基づいて、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行う方式は、複数であり得る。例えば、前記地図シートを更新情報の空間更新範囲に従ってクリッピングを行ってもよく、例えば、前記地図シートから、区域Aが含まれる部分の地図シートをクリッピングすると、クリッピングされた部分の地図シートの空間範囲内のデータは、第一ターゲット地図シートデータとなる。
【0031】
別の一例として、前記更新情報の空間更新範囲に従って、前記地図シートのターゲットデータから、或る一部のデータを消去してもよく、例えば、前記地図シートにおける空間更新範囲内のデータを残して、地図シート内の他のデータを削除すると、最終的に得られた第一ターゲット地図シートデータには、前記ターゲットデータにおける空間更新範囲内にあるデータが含まれることになる。
【0032】
作業資料の特性に応じてターゲットデータに対してクリッピング処理を行ってもよく、例えばオービス資料のような、点状特性の更新内容に関わる作業資料の場合は、点放射空間に応じてクリッピングを行ってもよく、更に、例えば道路資料のような、道路リンク特性の更新内容に関わる作業資料の場合は、道路リンク空間に応じてクリッピングを行ってもよい。
【0033】
図2は、或る地図シートの模式図であり、同図に示すように、当該地図シート200内のライン201は、地図シート内のデータを表し、当該地図シートに対応する作業資料は、オービス資料202に関わるものであり、オービスの更新位置を中心とし、例えば500メートルのような所定距離を半径として、ターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、クリッピング後の地図シートデータを得るようにしてもよく、図3に示すように、その中の木の枝状のデータ301は、残されたデータであり、即ち第一ターゲット地図シートデータとなる。
【0034】
図4は、別の地図シートの模式図であり、同図に示すように、当該地図シート400内のライン401は、地図シート内のデータを表し、当該地図シートに対応する作業資料は、道路車線数資料402に関わるものであり、道路車線数資料に紐付けられた道路を基准とし、道路リンクの左右の空間として100メートルを取り、道路リンクに沿って前後へそれぞれ1000メートル(合計2000メートル)追跡して、ターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、クリッピング後の地図シートデータを得るようにしてもよく、図5に示すように、道路リンク501は、残されたデータであり、即ち第一ターゲット地図シートデータとなる。
【0035】
実際の応用では、地図データ更新作業の前に、前記更新情報の空間更新範囲に基づいて前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、第一ターゲット地図シートデータを得て、具体的に更新情報及び第一ターゲット地図シートデータに基づいて、作業タスクパッケージを集約して生成してもよく、当該作業タスクパッケージは、地図データ更新作業を行うために用いられる。
【0036】
ステップS103:前記第一ターゲット地図シートデータ及び前記更新情報に基づいて、前記第一地図データを更新することである。
【0037】
当該ステップにおいて、前記更新情報の作業資料に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、更新後の地図シートデータを得てもよく、その後、更新後の地図シートデータとターゲットデータとを融合させて、前記第一地図データを更新してもよい。
【0038】
前記更新情報に対応する作業資料によって表された更新位置、更新類型及び更新内容等に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、更新後の地図シートデータを得てもよい。更新類型には、削除、新規追加及び修正等が含まれ、更新内容は、現実世界にどんな変化があったのかを表す。
【0039】
一例として、更新位置が区域A内の位置Aであり、更新類型が新規追加であり、更新内容がオービスであり、即ち作業資料は、区域A内の位置Aにオービスが1つ新規追加されたことを表していると、クリッピング後の地図シートにおける位置Aに対応する位置で編集が行われて、クリッピング後の地図シート内にオービスのデータが1つ新規追加され、即ち、第一ターゲット地図シートデータ内に、オービス情報を表す地図データが新規追加されて、更新後の地図シートデータが得られるようになる。
【0040】
別の一例として、更新位置が区域A内の位置Bであり、更新類型が削除であり、更新内容がオービスであり、即ち作業資料は、区域A内の位置Bにオービスが1つ削除されたことを表していると、クリッピング後の地図シートにおける位置Bに対応する位置で編集が行われて、クリッピング後の地図シートからオービスのデータが1つ削除され、即ち、第一ターゲット地図シートデータから、オービス情報を表す地図データが削除されて、更新後の地図シートデータが得られるようになる。
【0041】
さらなる別の一例として、更新位置が区域A内の位置Cであり、更新類型が修正であり、更新内容が道路車線数増加であり、即ち作業資料は、区域A内の位置Cで当該道路の車線数が修正されることを表していると、クリッピング後の地図シートにおける位置Cに対応する位置で編集が行われて、クリッピング後の地図シートの中で道路車線数のデータが、当該道路車線数が増加するように修正され、即ち、第一ターゲット地図シートデータの中で、道路車線数を表す地図データが修正されて、更新後の地図シートデータが得られるようになる。
【0042】
また、編集処理の前に、前記第一ターゲット地図シートデータに対応する編集可能範囲をマーキングしてもよいし、前記第一ターゲット地図シートデータに対応する編集可能範囲をマーキングしなくてもよいが、ここで具体的に限定しない。
【0043】
それに合わせて、前記更新情報の作業資料数が1よりも多い場合は、前記更新情報の全ての作業資料に基づいて前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、更新後の地図シートデータを得てもよく、その後、更新後の地図シートデータとターゲットデータとを融合させて、第二地図データを得てもよく、当該第二地図データは、第一地図データの更新後の地図データとなり、且つ当該第二地図データには、融合後の地図シートデータ、及び、前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを除く他の地図シートのデータが含まれる。
【0044】
更新情報の一部の作業資料に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、更新後の地図シートデータを得てもよく、その後、更新後の地図シートデータとターゲットデータとを融合させ、更に他の作業資料に基づいて、融合後の地図シートデータに対して編集処理を行って、最終的に第二地図データを得てもよい。
【0045】
実際の応用では、地図データ更新作業中に、集約して生成された作業タスクパッケージについて、作業タスクパッケージ内の第一ターゲット地図シートデータ及び前記更新情報に基づいて、前記第一地図データを更新してもよい。
【0046】
本実施例において、第一地図データの更新情報、及び前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを取得し、前記更新情報の空間更新範囲に基づいて、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、前記ターゲットデータにおける前記空間更新範囲内にあるデータが含まれる第一ターゲット地図シートデータを得て、前記第一ターゲット地図シートデータ及び前記更新情報に基づいて、前記第一地図データを更新するようにしている。これにより、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理が行われているため、作業タスクパッケージの集約時の地図シート集合のデータ量を低減でき、その結果、作業タスクパッケージのデータ量を低減でき、ひいては、地図データ更新中の作業効果を向上させることができる。例えば、作業タスクパッケージの流通速度が加速され、その占用帯域幅が低減され、地図データ更新作業時のロード時間が短縮され、データ処理スピードが向上される。
【0047】
そして、作業タスクパッケージの集約時には、作業タスクパッケージ内の作業資料数を経済的な区間に収めることが可能である。これにより、頻繁な手動タスク切替による時間コスト及び継続コストを削減できる。1つの作業資料に対応するデータ量を低減して、データ量を制御可能にすることができるため、流通コスト及びロードコストを大幅に削減できる。
【0048】
選択的に、前記更新情報には、M個の更新すべき要素が含まれ、Mは正整数であり、前記ステップS103は、具体的に、
前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得ることと、
前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることとを含む。
【0049】
本実施形態において、更新すべき要素とは、作業資料内の更新内容、例えば或るオービスの更新や、道路車線数の更新を指し、各々の作業資料には、更新すべき要素が1つ含まれてもよい。
【0050】
前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、更新後の地図シートデータを得てもよく、その後、更新後の地図シートデータとターゲットデータとを融合させて、第二地図データを得てもよく、当該第二地図データは、第一地図データの更新後の地図データとなり、且つ当該第二地図データには、融合後の地図シートデータ、及び、前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを除く他の地図シートのデータが含まれる。
【0051】
前記M個の更新すべき要素のうち、一部の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、更新後の地図シートデータを得てもよく、その後、更新後の地図シートデータとターゲットデータとを融合させ、更に他の作業資料に基づいて、融合後の地図シートデータに対して編集処理を行って、最終的に第二地図データを得てもよい。
【0052】
ここで、前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理は、具体的に、前記第二ターゲット地図シートデータにおける新規追加されたデータを前記ターゲットデータ内に加えるとともに、前記ターゲットデータにおける前記第二ターゲット地図シートデータにより修正されたデータを入れ替えることであってもよい。
【0053】
例えば、ターゲットデータをD1とし、クリッピング後の地図シートデータ、即ち第一ターゲット地図シートデータをD2とし、編集後の地図シートデータ、即ち第二ターゲット地図シートデータをD3とすると、最終的に融合された地図シートデータは、D4=(D3-D2)+D1であってもよい。
【0054】
実際の応用では、地図データ更新作業、即ち編集の後に、編集後の地図シートデータとターゲットデータとを融合させて融合後の地図シートデータをサブミットしてもよく、最終的に融合された地図シートデータと他の地図シートのデータとによって、第二地図データが構成されてもよい。
【0055】
本実施形態において、前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得て、前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得るようにしている。これにより、作業資料に基づく地図シートの局所データ作業の方式で第一地図データの更新を実現でき、地図データ更新の作業効果が大幅に向上される。
【0056】
選択的に、上述の前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得ることの前に、前記方法は、
前記第一ターゲット地図シートデータに対応する編集可能範囲をマーキングして、第一範囲を得ることを更に含み、
上述の前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得ることは、
前記M個の更新すべき要素には、更新位置が前記第一範囲内にある第一更新すべき要素が含まれる場合、前記第一更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得ることを含む。
【0057】
本実施形態において、更新すべき要素の関わる編集データは、第一ターゲット地図シートデータ内の境界データである可能性があり、当該境界データは、前記更新情報に対応する地図シートを除く他の地図シートのデータに繋がっている可能性があるし、前記地図シート内の削除されるデータに繋がっている可能性もあり、その境界データを修正すると、編集後の地図シートデータと他の地図シートデータとの不整合の問題が発生し得る。したがって、クリッピング処理の後に、第一ターゲット地図シートデータに対応する編集可能範囲をマーキングして、マーキングの編集可能範囲内でデータ編集が行われるようにしてもよい。
【0058】
そのマーキング方式は、複数であり得る。例えば、境界点をマーキングする方式で範囲のマーキングを行ってもよく、データのロード時には、境界点マーカーに応じて、それと関連付けられたデータに対応する範囲を編集不可範囲にセットし、前記第一ターゲット地図シートデータにおける他のデータに対応する範囲を編集可能範囲にセットしてもよく、当該編集可能範囲は、第一範囲となる。別の一例として、多角形を用いて前記第一ターゲット地図シートデータに対応する編集可能範囲をマーキングして括って、第一範囲を得てもよい。
【0059】
そうすると、ユーザは、当該第一範囲内で、作業資料に基づいて第一ターゲット地図シートデータを編集可能となる。つまり、前記M個の更新すべき要素には、更新位置が第一範囲に入る更新すべき要素、即ち第一更新すべき要素があれば、前記第一更新すべき要素に基づいて、直接に第一範囲内で前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、編集後の地図シートデータ、即ち第二ターゲット地図シートデータを得ることが可能である。
【0060】
例えば、M個の更新すべき要素として、更新すべき要素1、更新すべき要素2及び更新すべき要素3が含まれ、更新すべき要素1及び更新すべき要素2の更新位置が第一範囲内に位置する場合は、更新すべき要素1及び更新すべき要素2に基づいて、第一ターゲット地図シートデータを直接修正可能であるのに対して、更新すべき要素3の更新位置は、境界領域に関わっており、第一ターゲット地図シートデータを直接修正することが許可されない。
【0061】
本実施形態において、前記第一ターゲット地図シートデータに対応する編集可能範囲をマーキングして、第一範囲を得るとともに、前記M個の更新すべき要素には、更新位置が前記第一範囲内にある第一更新すべき要素が含まれる場合、前記第一更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得るようにしている。これにより、第一ターゲット地図シートデータにおける境界範囲内にあるデータが修正されることによる編集後の地図シートデータと他の地図シートデータとの不整合の問題を回避して、地図データ更新の正確性を向上させることができる。
【0062】
選択的に、前記M個の更新すべき要素には、更新位置が前記第一範囲内にない第二更新すべき要素が含まれる場合、上述の前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることは、
前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第三ターゲット地図シートデータを得ることと、
前記第二更新すべき要素に基づいて、前記第三ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二地図データを得ることとを含む。
【0063】
本実施形態において、第二更新すべき要素について、前記第二更新すべき要素の更新位置が前記第一範囲内になく、即ち前記第一ターゲット地図シートデータに対応する編集不可範囲例えば境界領域内にある場合は、前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第三ターゲット地図シートデータを得ることが可能である。
【0064】
例えば、M個の更新すべき要素として、更新すべき要素1、更新すべき要素2及び更新すべき要素3が含まれ、更新すべき要素1及び更新すべき要素2の更新位置が第一範囲内にある場合は、更新すべき要素1及び更新すべき要素2に基づいて、第一ターゲット地図シートデータを直接修正して、第二ターゲット地図シートデータを得ることが可能であるのに対して、更新すべき要素3の更新位置は、境界領域に関わっている。
【0065】
この場合、第二ターゲット地図シートデータとターゲットデータとを融合させて、1つの地図シートの完全なデータ、即ち第三ターゲット地図シートデータを得てもよい。更新すべき要素3に基づいて1つの地図シートの完全なデータ上でデータ修正を行うことで、第一ターゲット地図シートデータにおける境界範囲内にあるデータが修正されることによる編集後の地図シートデータと他の地図シートデータとの不整合の問題を回避して、地図データ更新の正確性を向上させることに加え、境界領域にある更新すべき要素を更新することもできる。
【0066】
選択的に、上述の前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることの前に、前記方法は、
前記第二ターゲット地図シートデータに対してデータ正確性のチェック処理を行って、チェック結果を得ることを更に含み、
上述の前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることは、
前記第二ターゲット地図シートデータが正確であることを前記チェック結果が表している場合、前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得ることを含む。
【0067】
本実施形態において、前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行った後に、編集後の地図シートデータ、即ち第二ターゲット地図シートデータに対して品質検査を行い、主には、前記第二ターゲット地図シートデータに対してデータ正確性のチェックを行い、即ち編集後の地図シートデータが正確であるかを確定して、チェック結果を得てもよい。ここで、既存又は新しい品質検査方式を用いて前記第二ターゲット地図シートデータに対してデータ正確性のチェックを行ってもよいが、ここで具体的に限定しない。
【0068】
前記第二ターゲット地図シートデータが正確であることを前記チェック結果が表している場合、前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得る。その一方、前記第二ターゲット地図シートデータが正確ではないことを前記チェック結果が表している場合、地図シートデータが正確になるまで手動修正を行う。
【0069】
本実施形態において、第二ターゲット地図シートデータは、1つの地図シートの完全なデータに比べて、そのデータ量が大幅に低減されているため、データ品質検査の時間及びコストを大幅に削減できる。また、局所データ品質検査モードを用いて前記第二ターゲット地図シートデータに対して品質検査を行うことができ、局所データ品質検査モードとは、1つの地図シートの局所的なデータに対して品質検査を行うモードを指し、1つの地図シートの完全なデータに対する品質検査モードに比べて、道路連通性等の検査を省くことができ、データ品質検査の時間及びコストをより一層に削減できる。
【0070】
さらには、前記M個の更新すべき要素に第二更新すべき要素が含まれる場合、更に前記第二更新すべき要素に基づいて、前記第三ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行う必要がある。したがって、今回の編集後データの正確性を保証するためには、編集後の第三ターゲット地図シートデータに対して品質検査を行う必要もあり、その品質検査モードについては、完全地図シート品質検査モデル、即ち地図シートの完全なデータに対する品質検査モードとされてもよく、品質検査に合格した場合に限って、編集後の第三ターゲット地図シートデータをサブミットして、最終的に第二地図データが得られる。
【0071】
本開示の実施例に係る技術案をより詳細に紹介するために、以下、局所データ作業システムを例として詳しく説明する。
【0072】
図6を参照して、図6は、局所データ作業システムの構造模式図である。図6に示すように、局所データ作業システムは、クリッピングモジュール、手動作業モジュール、融合モジュール及び品質検査モジュールを含む。
【0073】
クリッピングモジュールは、地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、クリッピング後の地図シートデータを得るものであり、
手動作業モジュールは、クリッピング後の地図シートデータにおける編集可能範囲のデータを修正して、編集後の地図シートデータを得るものであり、
品質検査モジュールは、編集後の地図シートデータに対して品質検査を行うものであり、
融合モジュールは、編集後の地図シートデータとターゲットデータとを融合させるものである。
【0074】
オービス新規追加の作業資料1及び道路車線数増加の作業資料2に基づいて地図データを更新する場合を例とする。作業タスクパッケージには、地図シート1、地図シート2、作業資料1及び作業資料2があり、詳細なフローは、次の通りである。
【0075】
手動作業の前に、クリッピングモジュールは、資料の特性に応じて地図シート1及び地図シート2に対してクリッピング処理を行うとともに、境界点をマーキングする。具体的に、地図シート1は、点放射空間に応じてクリッピング処理を行って、例えばオービスを中心とし、500メートルを半径として、地図シート1のターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、地図シート1のクリッピング後の地図シートデータを得てもよい。地図シート2については、道路リンク空間に応じてクリッピングを行って、例えば道路車線数資料に紐付けられた道路を基準とし、道路リンクの左右の空間として100メートルを取り、道路リンクに沿って前後へそれぞれ1000メートル(合計2000メートル)追跡して、地図シート2のターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、地図シート2のクリッピング後の地図シートデータを得てもよい。
【0076】
手動作業の際は、データロード時に境界点マーカーに応じて地図シート1のクリッピング後の地図シートデータ及び地図シート2クリッピング後の地図シートデータにおけるそれと関連付けられた要素を編集不可要素としてセットする。
【0077】
作業中には、更新すべき要素が編集可能要素であれば、直接修正する。例えば、作業資料1に基づいて、地図シート1のクリッピング後の地図シートデータを修正する場合は、修正されるデータが境界に関係していないため、直接修正して、地図シート1の編集後の地図シートデータを得ることが可能である。
【0078】
更新すべき要素が編集不可要素であれば、融合モジュールを呼び出して編集後の地図シートデータとターゲットデータとを融合させ、融合後の地図シートデータを再ロードして、融合後のデータ上で編集する。
【0079】
例えば、作業資料2に基づいて、地図シート2のクリッピング後の地図シートデータを修正する場合は、修正されるデータが境界に広がっており、修正が許可されないため、次の操作を実行する。つまり、融合モジュールを介して融合機能を活性化し、融合を必要とされるデータ、即ち地図シート2のクリッピング後の地図シートデータをサブミットし、バックグラウンドサービスにより、サブミットされた地図シートデータと地図シート2のターゲットデータとの融合を行ってそれを返し、地図シート2のクリッピング後の地図シートデータに対応する地図シートを閉じて、融合後の地図シートを再ロードする。その後、再ロードされた地図シート上で、作業資料2に基づいてデータ修正を行って、地図シート2の編集後の地図シートデータを得る。
【0080】
品質検査モジュールは、それぞれ地図シート1の編集後の地図シートデータ及び地図シート2の編集後の地図シートデータに対して品質検査を行い、地図シート1については、局所データ品質検査モードでデータ正確性の検査を行うことが可能であるが、地図シート2については、完全地図シート品質検査モードでデータ正確性の検査を行うことが可能である。
【0081】
地図シート1については、そのデータ品質検査に合格したことを品質検査モジュールによって指示された後に、融合モジュールを用いて、地図シート1の編集後の地図シートデータと地図シート1のターゲットデータとを融合させてサブミットしてもよく、地図シート2については、そのデータ品質検査に合格したことを品質検査モジュールによって指示された後に、再度融合することなく、最終的に第二地図データが得られる。
【0082】
第二実施例
図7に示すように、本開示は、地図データを更新する装置であって、
第一地図データの更新情報、及び前記第一地図データにおける前記更新情報に対応する地図シートを取得するための取得モジュール701と、
前記更新情報の空間更新範囲に基づいて、前記地図シートのターゲットデータに対してクリッピング処理を行って、前記ターゲットデータにおける前記空間更新範囲内にあるデータが含まれる第一ターゲット地図シートデータを得るためのクリッピング処理モジュール702と、
前記第一ターゲット地図シートデータ及び前記更新情報に基づいて、前記第一地図データを更新するための更新モジュール703とを含む、地図データ更新装置700を提供している。
【0083】
選択的に、前記更新情報には、M個の更新すべき要素が含まれ、Mは正整数であり、前記更新モジュール703は、
前記M個の更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得るための編集処理ユニットと、
前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得るための融合処理ユニットとを含む。
【0084】
選択的に、前記装置は、
前記第一ターゲット地図シートデータに対応する編集可能範囲をマーキングして、第一範囲を得るためのマーキングモジュールを更に含み、
前記編集処理ユニットは、具体的に、前記M個の更新すべき要素には、更新位置が前記第一範囲内にある第一更新すべき要素が含まれる場合、前記第一更新すべき要素に基づいて、前記第一ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二ターゲット地図シートデータを得るために用いられる。
【0085】
選択的に、前記M個の更新すべき要素には、更新位置が前記第一範囲内にない第二更新すべき要素が含まれる場合、前記融合処理ユニットは、具体的に、
前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第三ターゲット地図シートデータを得て、
前記第二更新すべき要素に基づいて、前記第三ターゲット地図シートデータに対して編集処理を行って、第二地図データを得るために用いられる。
【0086】
選択的に、前記装置は、
前記第二ターゲット地図シートデータに対してデータ正確性のチェック処理を行って、チェック結果を得るためのチェック処理モジュールを更に含み、
前記融合処理ユニットは、具体的に、前記第二ターゲット地図シートデータが正確であることを前記チェック結果が表している場合、前記第二ターゲット地図シートデータと前記ターゲットデータとの融合処理を行って、第二地図データを得るために用いられる。
【0087】
本開示による地図データ更新装置700は、上記地図データ更新方法の実施例によって実現された各手順を実現できるとともに、同じ有益な効果を奏することできるが、重複を避けるため、ここで繰り返して説明しない。
【0088】
本開示の実施例によれば、本開示は、電子機器、読取可能な記憶媒体及びコンピュータプログラム製品を更に提供している。
【0089】
図8は、本開示の実施例を実施するために使用できる例示的な電子機器600の概略ブロック図を示している。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークベンチ、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及びその他の適切なコンピュータなど、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを目的としている。電子機器は、パーソナルデジタルプロセッシング、セルラフォン、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、及びその他の類似なコンピューティング装置など、様々な形態のモバイル装置を表すこともできる。本明細書で示されるコンポーネント、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は単なる例であり、本明細書で説明及び/又は要求される本開示の実現を制限することを意図するものではない。
【0090】
図8示すように、機器800は、読取専用メモリ(ROM)802に記憶されたコンピュータプログラム、又は、記憶ユニット808からランダムアクセスメモリ(RAM)803にロードされたコンピュータプログラムに従って、各種の適切な動作及び処理を実行可能なコンピューティングユニット801を含む。RAM803には、機器800の操作に必要な各種のプログラム及びデータが記憶されてもよい。コンピューティングユニット801と、ROM802とRAM803とは、バス804を介して互いに接続されている。入力/出力(I/O)インターフェース805も、バス804に接続されている。
【0091】
機器800における複数のコンポーネントは、I/Oインターフェース805に接続されており、前記複数のコンポーネントは、例えばキーボード、マウス等の入力ユニット806、例えば様々な類型のディスプレイ、スピーカ等の出力ユニット807、例えば磁気ディスク、光ディスク等の記憶ユニット808、及び、例えばネットワークカード、モデム、無線通信トランシーバ等の通信ユニット809を含む。通信ユニット809は、機器800がインターネット等のコンピュータネットワーク及び/又は様々な電気通信ネットワークを介して他の機器と情報/データを交換することを可能にする。
【0092】
コンピューティングユニット801は、処理及びコンピューティング能力を有する様々な汎用及び/又は専用処理構成要素とすることができる。コンピューティングユニット801のいくつかの例としては、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、様々な専用人工知能(AI)コンピューティングチップ、機械学習モデルアルゴリズムを実行する様々なコンピューティングユニット、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び任意の適切なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含むが、これらに限定されない。コンピューティングユニット801は、上述した各方法及び処理、例えば地図データ更新方法を実行する。例えば、いくつかの実施例において、地図データ更新方法は、記憶ユニット808等の機械読取可能な媒体に有形に含まれるコンピュータソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。いくつかの実施例において、コンピュータプログラムの一部又は全部は、ROM802及び/又は通信ユニット809を介して機器800にロード及び/又はインストールされてもよい。コンピュータプログラムがRAM803にロードされてコンピューティングユニット801によって実行されると、上述した地図データ更新方法における1つ又は複数のステップを実行可能となる。代替的に、他の実施例において、コンピューティングユニット801は、他の任意の適切な方式によって(例えば、ファームウェアを通じて)、地図データ更新方法を実行するように構成されてもよい。
【0093】
本明細書において上述したシステム及び技術の様々な実装形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現可能である。これらの様々な実施例は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行及び/又は解釈可能な1つ又は複数のコンピュータプログラムで実装されてもよく、当該プログラマブルプロセッサは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、データ及び命令を当該ストレージシステム、当該少なくとも1つの入力装置、及び当該少なくとも1つの出力装置に送信可能な専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよい。
【0094】
本開示の方法を実施するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで作成することが可能である。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されてもよく、こうした場合、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定された機能及び/又は操作が実施される。プログラムコードは、全てマシン上で、部分的にマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージの一部として、部分的にリモートマシン上で、又は全部でリモートマシン又はサーバ上で実行することが可能である。
【0095】
本開示の記載において、機械読取可能な媒体は、命令実行システム、装置やデバイスによって使用されるか、或いは命令実行システム、装置やデバイスと組み合わせて使用されるプログラムを包含又は記憶可能な有形の媒体であってもよい。機械読取可能な媒体は、機械読取可能な信号媒体又は機械読取可能な記憶媒体であってもよい。機械読取可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体のシステム、装置やデバイス、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。機械読取可能な記憶媒体のより具体的な例としては、1つ又は複数の線による電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶機器、磁気記憶機器、又はこれらの任意の適切な組み合わせが含まれる。
【0096】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載のシステム及び技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティング装置(例えば、マウス又はトラックボール)とを有するコンピュータ上で実施されてもよく、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティング装置を介してコンピュータに入力を提供可能である。他の種類の装置を使用してユーザとの対話を提供してもよい。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、また、任意の形式(音響入力、音声入力、又は触覚入力を含む)を使用してユーザからの入力を受信してもよい。
【0097】
本明細書に記載のシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとして)、又はミドルコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインターフェース又はWebブラウザを備えたユーザコンピュータ。ユーザは、当該グラフィカルユーザインターフェース又は当該Webブラウザを介して、ここで説明されるシステム及び技術の実施形態と対話できる)、又はこのようなバックエンドコンポーネント、ミドルコンポーネント、又はフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステム内で実施することができる。任意の形式又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互接続してもよい。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット及びブロックチェーンネットワークが含まれる。
【0098】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含むことが可能である。一般的に、クライアントとサーバとは互いに離れており、通常は通信ネットワークを介してインタラクションする。それぞれのコンピュータで実行され且つ互いにクライアント-サーバの関係を持つコンピュータプログラムによってクライアントとサーバとの関係を生成する。サーバとしては、従来の物理ホスト及びVPSサービス(「Virtual Private Server」、又は「VPS」と略す)に存在する管理の困難さ及びサービスのスケーラビリティの弱さの欠点を解決するために、クラウドコンピューティングサーバとも呼ばれるクラウドサーバ、又は、クラウドコンピューティングサービスシステムにおけるホスト製品の1つとなるクラウドホストであってもよい。サーバは、分散型システムのサーバ、又は、ブロックチェーンと組み合わせたサーバであってもよい。
【0099】
なお、上記の様々な形態のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加又は削除可能であることを理解されたい。例えば、本願に記載の各ステップは、並列、順次、又は異なる順序で実行可能である。本開示による技術案の望ましい結果を達成できればよく、本明細書は、これについて限定しない。
【0100】
上記の具体的な実施形態は、本開示の保護範囲に対する制限を構成するものではない。当業者でれば、設計要件及び他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、サブ組み合わせ、及び置き換えを行えることを理解するべきである。本開示の精神及び原則内で行われた修正、同等の置き換え、及び改善は、何れも本開示の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8