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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】浴槽洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20240711BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20240711BHJP
【FI】
A47K3/00 Q
F24H15/196
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020158171
(22)【出願日】2020-09-23
(65)【公開番号】P2022052024
(43)【公開日】2022-04-04
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】小幡 恭士
(72)【発明者】
【氏名】市丸 秀仁
(72)【発明者】
【氏名】濱田 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤原 克博
(72)【発明者】
【氏名】後藤 洋明
(72)【発明者】
【氏名】中塚 悠介
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-065485(JP,A)
【文献】実開平04-073366(JP,U)
【文献】特開2009-162460(JP,A)
【文献】特開2016-087547(JP,A)
【文献】特開平10-267400(JP,A)
【文献】特開2019-068220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
F24H 15/196
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯装置から供給される湯水に洗剤を加えた洗浄液を浴槽に散布して浴槽を自動洗浄する浴槽洗浄装置を含む浴槽洗浄システムにおいて、
浴槽洗浄に係る情報を報知する報知手段を備え洗浄運転の開始操作を浴室の内部及び外部から行う為の複数の操作リモコンと、浴室内の人の有無を検知する人感センサと、給湯装置から給湯使用情報を取得可能で浴槽洗浄装置を制御する制御手段を備え、
浴室外の操作リモコンから洗浄開始を指令した時に、前記人感センサで人が検知された場合には、洗浄運転開始を一時停止し、洗浄開始することを浴室内の操作リモコンで報知し、
前記洗浄開始を報知後に、所定時間の間宅内の操作リモコンでの操作がない場合には、前記洗浄開始を指令した操作リモコンに待機中を示す情報が表示され、その後更に設定時間の間宅内の操作リモコンの操作がなければ、洗浄開始をキャンセルする旨の情報が宅内の操作リモコンに表示されることを特徴とする浴槽洗浄システム。
【請求項2】
前記洗浄運転の開始操作時に、給湯使用ありの情報が取得された場合には、洗浄運転開始を一時停止し、洗浄開始することを浴室内の操作リモコンで報知することを特徴とする請求項1に記載の浴槽洗浄システム。
【請求項3】
前記人感センサで人が検知されて洗浄運転開始を一時停止した場合には、洗浄開始することを浴室外の操作リモコンでも報知することを特徴とする請求項1に記載の浴槽洗浄システム。
【請求項4】
前記給湯使用ありの情報が取得されて洗浄運転開始を一時停止した場合には、洗浄開始することを浴室外の操作リモコンでも報知することを特徴とする請求項2に記載の浴槽洗浄システム。
【請求項5】
前記洗浄開始を報知後に、報知を行った操作リモコンにより洗浄運転開始の要否を選択可能に構成されていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の浴槽洗浄システム。
【請求項6】
前記洗浄開始を報知後に、浴室内の操作リモコンにより洗浄開始がキャンセル可能に構成されていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の浴槽洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽洗浄装置を含む浴槽洗浄システムに関し、特に浴室外の操作リモコンから洗浄運転の開始を指令する場合の不具合を解消したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽の底部に洗浄ノズルを設け、浴槽の付近に給湯装置からの湯水を貯留する貯留タンク、バルブ類(開閉弁や定流量弁)、洗浄用ポンプ、逆止弁、流量センサ等を有する洗浄ユニットと、吐出される湯水に洗剤を供給する洗剤供給系等を設け、湯水に洗剤を加えた洗浄液を洗浄ノズルから浴槽の内面に噴射して浴槽の内面を自動的に洗浄する浴槽洗浄装置が実用化されている。
【0003】
上記の浴槽洗浄装置は、基本的には洗浄操作リモコンにより操作されるが、浴槽洗浄装置は給湯装置と信号授受可能に接続されており、浴室操作リモコンや台所操作リモコンによっても操作可能になっている。
しかも、最近では、給湯装置及び浴槽洗浄システムをインターネットを介してスマートフォン等によっても遠隔操作可能になっている。
【0004】
ここで、特許文献1には、風呂機能運転の実行中には浴槽洗浄運転の運転スイッチがオンされても浴槽洗浄運転を行わないようにした技術が開示されている。
【0005】
特許文献2には、所定の部屋内に設けた機能ユニットと、所定の部屋外から上記機能ユニットを遠隔操作可能なリモコンと、上記部屋内の人の有無を検知する検知手段とを有し、部屋内の人が検知されている場合にはリモコンからの指令を無効とする遠隔操作システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3593841号公報
【文献】特開平2019-68220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
浴槽洗浄装置を浴室外の操作リモコン(台所操作リモコンやスマートフォン)により遠隔操作する場合、浴室内の状況が分からないため、浴室内に人がいるような場合にも浴槽洗浄装置が運転開始する。しかし、浴室内に人がいる状態で、浴槽の洗浄運転が開始されると、浴室内の本人の意思とは関係なく開始され、浴槽の蓋が開放状態の場合には、洗浄液が浴室内に飛散したり、人の顔面に洗浄液が噴射されたり、浴室内に干してある衣類に洗浄液を噴射してしまうという問題が生じる。
特許文献2のように、浴室に人がいる場合に外部からの洗浄開始指令を一律に無効とする場合は、浴槽の蓋が閉じていて洗浄が可能であり、洗浄を希望する場合にも洗浄開始できないという不具合がある。
【0008】
本発明の目的は、遠隔から洗浄運転の開始を指令した場合に、種々の所定条件を満たした場合に洗浄運転が開始されるようにした浴槽洗浄システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の浴槽洗浄システムは、 給湯装置から供給される湯水に洗剤を加えた洗浄液を浴槽に散布して浴槽を自動洗浄する浴槽洗浄装置を含む浴槽洗浄システムにおいて、 浴槽洗浄に係る情報を報知する報知手段を備え洗浄運転の開始操作を浴室の内部及び外部から行う為の複数の操作リモコンと、浴室内の人の有無を検知する人感センサと、給湯装置から給湯使用情報を取得可能で浴槽洗浄装置を制御する制御手段を備え、浴室外の操作リモコンから洗浄開始を指令した時に、前記人感センサで人が検知された場合には、洗浄運転開始を一時停止し、洗浄開始することを浴室内の操作リモコンで報知し、前記洗浄開始を報知後に、所定時間の間宅内の操作リモコンでの操作がない場合には、前記洗浄開始を指令した操作リモコンに待機中を示す情報が表示され、その後更に設定時間の間宅内の操作リモコンの操作がなければ、洗浄開始をキャンセルする旨の情報が宅内の操作リモコンに表示されることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、浴室外の操作リモコンから洗浄開始を指令した時に、人感センサで人が検知された場合には、洗浄運転開始を一時停止し、洗浄開始することを浴室内の操作リモコンで報知するため、浴室内の人が知らない状態で不意に、洗浄運転が開始されることがなくなる。
また、所定時間(例えば2分)の間宅内の操作リモコンでの操作がない場合には、宅内に人がいない可能性が高いため洗浄開始を指令した操作リモコンに待機中を示す情報が表示されて一旦待機し、その後更に設定時間(例えば3分)の間宅内の操作リモコンの操作がなければ、宅内に人がいない可能性が非常に高いため、洗浄開始をキャンセルする旨の情報を宅内の操作リモコンに表示してから、洗浄開始がキャンセルされる。
【0011】
請求項2の浴槽洗浄システムは、請求項1の発明において、前記洗浄運転の開始操作時に、給湯使用ありの情報が取得された場合には、洗浄運転開始を一時停止し、洗浄開始することを浴室内の操作リモコンで報知することを特徴としている。
上記構成によれば、給湯使用ありの場合には、洗浄運転開始を一時停止し、洗浄開始することを浴室内の操作リモコンで報知する。給湯使用ありの場合には、浴室に人がいる可能性があるため、その人に洗浄開始することを報知することができる。
【0012】
請求項3の浴槽洗浄システムは、請求項1の発明において、前記人感センサで人が検知されて洗浄運転開始を一時停止した場合には、洗浄開始することを浴室外の操作リモコンでも報知することを特徴としている。
上記の構成によれば、子供が浴室で遊んでいるような場合、洗浄開始することを浴室外の操作リモコン(例えば台所操作リモコン)でも報知することで、子供を浴室から退避させることができる。
【0013】
請求項4の浴槽洗浄システムは、請求項2の発明において、前記給湯使用ありの情報が取得されて洗浄運転開始を一時停止した場合には、洗浄開始することを浴室外の操作リモコンでも報知することを特徴としている。
上記の構成によれば、請求項3と同様の効果が得られる。
【0014】
請求項5の浴槽洗浄システムは、請求項1~4の何れか1項の発明において、前記洗浄開始を報知後に、報知を行った操作リモコンにより洗浄運転開始の要否を選択可能に構成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、洗浄運転開始の要否を選択可能にしたため、浴槽洗浄が本当に必要な場合だけ洗浄することができ、無駄な洗浄を防止することができる。
【0015】
請求項6の浴槽洗浄システムは、請求項1~4の何れか1項の発明において、 前記洗浄開始を報知後に、浴室内の操作リモコンにより洗浄開始がキャンセル可能に構成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、浴室内の人が洗浄開始をキャンセルできるため、その人の意思に反して洗浄が実行されることを防ぐことができる。
【0016】
【0017】
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記のような種々の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る浴槽洗浄システムの構成図である。
図2】洗浄運転開始制御の第1例のフローチャートである。
図3】洗浄運転開始制御の第2例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0021】
最初に、浴槽洗浄装置10とその周辺機器を含む浴槽洗浄システムの全体構成について説明する。
図1に示すように、浴槽1には、浴槽1の湯張りや追焚きのための給湯装置2が湯張り追焚き配管3を介して接続されている。また、浴槽1の底部には、湯水を排水するための排水栓4と、洗剤と湯水を散布して浴槽1を洗浄するための洗浄ノズル5が配設されている。
【0022】
浴槽1の近傍には、洗浄ノズル5に洗剤と湯水を供給する洗浄ユニット6と、洗剤をためておく洗剤タンク7と、排水栓4の開閉操作を行うための排水スイッチ4aが配設されている。浴槽洗浄装置10は、洗浄ユニット6と洗剤タンク7と洗浄ノズル5を有し、複数の配管類によってこれらを接続して構成されている。
【0023】
洗浄ユニット6には、洗剤タンク7から洗剤を供給するための洗剤配管7aと、給湯装置2から湯水を供給するための給湯配管2aが接続されている。例えば浴室の天井に配設された電源通信ユニット8は、電源コードと通信コードにより給湯装置2に接続され、電源通信ユニット8と洗浄ユニット6は複数の駆動制御コードにより接続されている。浴室には浴室内の人の有無を検知する人感センサ9が設けられ、この人感センサ9は電源通信ユニット8に接続されている。
【0024】
給湯装置2は、例えば燃料の燃焼熱を利用して加熱した湯水を給湯する燃焼式給湯装置であるが、ヒートポンプ式熱源機を有する給湯装置等であってもよい。給湯装置2には、湯張り運転や追焚き運転の開始操作、給湯設定温度の設定操作等を行うための浴室操作リモコン11や台所操作リモコン12が接続されている。
【0025】
また、浴槽洗浄装置10による洗浄運転の開始操作等を行うための洗浄操作リモコン13が電源通信ユニット8及び給湯装置2に信号授受可能に接続されている。この洗浄操作リモコン13は脱衣室に設置されている。尚、リモコンとはリモートコントローラの略称である。台所操作リモコン12及び浴室操作リモコン11も、給湯装置2と電源通信ユニット8を介して浴槽洗浄装置10と通信可能である。
【0026】
台所操作リモコン12は、タッチ操作可能な表示部12aと音声出力部12bを有する。浴室操作リモコン11は、タッチ操作可能な表示部11aと、音声出力部11bを有する。洗浄操作リモコン13は、タッチ操作可能な表示部13aと、音声出力部13bを有する。
【0027】
浴室操作リモコン11、台所操作リモコン12、洗浄操作リモコン13は、例えばルータ機能を備えた回線終端装置14によって構築された家庭内無線ネットワークを介してインターネット15に接続されている。インターネット15には、給湯装置2、浴槽洗浄装置10の提供者(製造者等)が設置したサーバ16が接続されている。
【0028】
サーバ16は、給湯装置2及び浴槽洗浄装置10のユーザが外出先でスマートフォン17等からインターネット15を介して操作を行うことができるように中継する。これら浴室操作リモコン11、台所操作リモコン12、洗浄操作リモコン13、スマートフォン17等は、浴槽洗浄装置10による洗浄運転の開始操作が可能なリモートコントローラである。
【0029】
浴槽洗浄装置10の洗浄ユニット6は、湯水を貯める貯留タンク22と、給湯配管2aに接続され且つ貯留タンク22に湯水を供給する湯水供給管23であって、2本の分岐通路23a,23bとこれら分岐通路23a,23bが合流した合流通路23cを有する湯水供給管23と、この湯水供給管23に介装されたフィルタ24と、一方の分岐通路23aに上流側から順に介装された電磁開閉弁25a及び定流量弁26aと、他方の分岐通路23bに上流側から順に介装された電磁開閉弁25b及び定流量弁26bを有する。
【0030】
貯留タンク22には、低水位と高水位を検出可能なフロート式の水位検知計22aが設けられ、その検出信号は電源通信ユニット8内の制御部21に供給される。また、貯留タンク22にはオーバーフロー管22bも設けられている。
【0031】
更に、洗浄ユニット6は、貯留タンク22から洗浄ノブル5まで延びる吐出配管27と、この吐出配管27に上流側から順に介装されたポンプ28とサーミスタ29と2つの逆止弁30と流量センサ31と洗剤供給管7aが接続されたベンチュリ32等を有する。洗剤タンク7から延びる洗剤供給管7aには電磁開閉弁7cが介装されている。
【0032】
電源通信ユニット8に内蔵されている制御部21は、例えば演算部と記憶部と入出力部と時計回路を備えたマイクロコンピュータを備えており、記憶部に格納された制御プログラム等に基づいて洗浄運転に関連する機器や排水栓4の制御及び後述の洗浄運転開始制御を行う。
この制御部21は、洗浄運転では、排水栓4を開け、湯水供給管23や洗剤供給管7aの電磁開閉弁25a,25b,7c等の開閉やポンプ28の駆動等を制御すると共に、洗浄運転の開始時刻又は終了時刻、洗浄コース、洗浄運転の回数(自動洗浄回数)等を含む洗浄運転履歴を記憶する。
【0033】
洗浄運転について説明する。
浴室操作リモコン11、台所操作リモコン12、洗浄操作リモコン13、スマートフォン17等の何れかの操作によって浴槽洗浄装置10による洗浄運転の開始操作が行われると、浴槽の蓋を閉じた状態で、制御部21は排水栓4を開き、貯留タンク22に湯水を貯めながら、ポンプ28を駆動して洗浄ノズル5に供給する湯水に洗剤を混合した洗浄液を洗浄ノズル5から噴射、散布する。
【0034】
1回の洗浄処理は、初期の湯水のみでの濯ぎ洗浄と、その後洗浄液を用いた複数回の洗浄及び待機動作と、最後の湯水のみでの濯ぎ洗浄とを含む。洗浄及び待機動作は、洗浄液を用いた洗浄動作と、この洗浄動作に続く待機動作とを含むものである。
【0035】
前記定流量弁26a,26bの流量は、例えば夫々5L/min、ポンプ28の吐出量は例えば6.5L/minであり、貯留タンク22内の水位が低水位になると、電磁開閉弁25a,25bが両方とも開弁されて10L/minの流量で湯水が供給され、また、貯留タンク22内の水位が高水位になると、電磁開閉弁25a,25bの一方が閉弁されて5L/minの流量で湯水が供給される。
【0036】
次に、制御部21により行なわれる洗浄運転開始制御について説明する。
最初に、洗浄運転開始制御の第1例について図2に基づいて説明する。図2のフローチャート中の符号Si(i=1,2,・・)は各ステップを示す。
【0037】
この洗浄運転開始制御がスタートすると、浴室外の操作リモコンから洗浄運転の開始指令を受信したか否か判定される(S1)。本実施では、浴室外の操作リモコンは例えばスマートフォン17である。S1の判定がNoのときはS1を繰り返し、開始指令を受信してS1の判定がYesのときは、S2において人感センサ9が人を検知しているか否か判定され、その判定がNoのときはS8へ移行し、S2の判定がYesのとき(つまり、浴室に人がいる場合)はS3において洗浄運転開始が一時停止される。
【0038】
浴室に人がいる場合に、遠隔操作により浴槽1の洗浄が突然開始されると、洗浄液が目に入ったり、衣服に洗浄液が掛かったりするため、一時停止する。
次に、S4において、浴室操作リモコン11でもって洗浄開始する旨を報知する。この報知は、文字表示と音声出力の両方で行う。但し、何れか一方で行ってもよい。
【0039】
次に、S5において、浴室内の人による浴室操作リモコン11の操作が有りか否か判定され、その判定がNoのときはS11へ移行し、その判定がYesのときはS6において、洗浄運転開始のキャンセルを希望するか否か、文字表示にて質問し、その判定がNoのときはS11へ移行するが、その判定がYesのときは、S7において洗浄運転開始をキャンセルして、リターンする。
【0040】
S2の判定がNoのときはS8へ移行し、S8において給湯使用ありか否か判定され、その判定がNoのときはS17へ移行する。給湯使用ありの場合は、S9において洗浄運転開始が一時停止する。給湯使用ありのときは、宅内に人がいて浴室に行く可能性があるため、S3と同様に洗浄運転開始を一時停止する。
【0041】
次のS10では、S4と同様に、浴室操作リモコン11でもって洗浄開始する旨を報知する。この報知は、文字表示と音声出力の両方で行う。但し、何れか一方で行ってもよい。
【0042】
S11では、報知後所定時間(例えば2分)、浴室操作リモコン11又は台所操作リモコン12(つまり、宅内の操作リモコン)の操作なしか否か判定され、その操作ありのときはS17へ移行し、操作なしの場合はS12へ移行する。
次のS12においては、開始指令を出した操作リモコン(本実施例では、スマートフォン17)に、待機中を示す旨の報知(文字表示、音声出力)が出される。
【0043】
次のS13においては、S12の報知後設定時間(例えば3分)の間に、浴室操作リモコン11又は台所操作リモコン12(つまり、宅内の操作リモコン)の操作なしか否か判定され、その操作ありのときはS17へ移行し、操作なしの場合はS14へ移行する。
S14においてはS2と同様に人感センサが人を検知しているか否か判定され、その判定がYesのときはS15へ移行し、その判定がNoのときはS17へ移行する。
【0044】
次のS15においては、洗浄運転開始をキャンセルする旨を浴室操作リモコン11及び台所操作リモコン12(つまり、宅内の操作リモコン)に文字表示にて報知する。但し、音声出力も併用してもよい。
また、本実施例のように開始指令した操作リモコンが宅内の操作リモコンでなければ、開始指令した操作リモコンでも洗浄運転開始をキャンセルする旨を報知してもよい。
そして、次のS16では、洗浄運転開始をキャンセルし、その後リターンする。
他方、S17においては、洗浄運転を開始し、この制御が終了する。
【0045】
上記の洗浄運転開始制御の第1例の作用、効果について説明する。
浴室内に人がいる場合には、洗浄運転開始を一時停止し、浴室操作リモコン11に洗浄運転が開始することを報知する。そのため、浴室内の人が知らない状態で不意に洗浄運転が開始されることがなくなる。
【0046】
S5の判定により浴室内に人がいることを確認してから、洗浄運転開始のキャンセルを希望するか質問し、キャンセルを希望する場合には洗浄運転開始をキャンセルするため、浴室内の人の意思を尊重した制御となる。
【0047】
一方、給湯使用がある場合は宅内に人がいて、その人が浴室に行く可能性があるため、この場合も洗浄運転開始を一時停止し、浴室操作リモコン11に洗浄運転が開始することを報知する。
S11では、洗浄運転開始を報知後、所定時間の間、浴室操作リモコン11又は台所操作リモコン12の操作がない場合は、洗浄開始指令を出した操作リモコン(スマートフォン17)に待機を示す旨の報知を行うため、指令を出した操作者は状況が分かって安心できる。
【0048】
その後、更に設定時間の間、浴室操作リモコン11又は台所操作リモコン12の操作がない場合は、宅内に人がいない可能性が高いため、洗浄運転開始をキャンセルする旨を浴室操作リモコン及び台所操作リモコンに表示してから洗浄運転開始をキャンセルする。
S11の判定がNoであったり、S13の判定がNoであったりした場合は、宅内に人がいる可能性が高いため、S17において洗浄運転が開始される。
【0049】
次に、洗浄運転開始制御の第2例について図3に基づいて説明する。図3のフローチャート中の符号Si(i=1,2,・・)は各ステップを示す。
尚、図3の中の、S1~S4、S8~S10は、図2のS1~S4、S8~S10と略同様であるので説明を省略する。
【0050】
S4は、第1例のS4と僅かに相違しており、S4では、浴室操作リモコン11と台所操作リモコン12でもって、洗浄運転開始する旨を報知(文字表示、音声出力)する。
S4の次のS20においては、浴室操作リモコン11と台所操作リモコン12に洗浄運転開始の要否選択画面を表示する。次のS21においては洗浄運転開始不要か否か判定し、その判定がYesのときはS22において、洗浄運転開始をキャンセルしてリターンする。
S21の判定がNoのときはS26へ移行する。
【0051】
S10は図2のS10と僅かに相違しており、このS10では、浴室操作リモコン11及び台所操作リモコン12に洗浄開始する旨を報知(文字表示、音声出力)する。
S10の次のS23においては、浴室操作リモコン11及び台所操作リモコン12に洗浄運転開始の要否選択画面を表示する。次のS24においては洗浄運転開始不要か否か判定し、その判定がYesのときはS25において、洗浄運転開始をキャンセルしてリターンする。S24の判定がNoのときはS26へ移行する。
S26では、洗浄運転を開始し、この制御が終了する。
【0052】
上記の洗浄運転開始制御の第2例の作用、効果について説明する。
S1~S4の作用、効果については第1例の場合と略同様である。
S4では浴室操作リモコン11と台所操作リモコン12でもって洗浄開始する旨を報知し、S20において浴室操作リモコン11と台所操作リモコン12に洗浄運転開始の要否を選択する画面を表示し、S21において洗浄運転開始の要否を判定し、不要の場合には洗浄運転開始をキャンセルする。こうして、浴室又は台所にいる人の意思を尊重して洗浄運転開始又はキャンセルを行うことができる。
【0053】
S10では、浴室操作リモコン11と台所操作リモコン12に、洗浄開始する旨を報知し、S23では、浴室操作リモコン11と台所操作リモコン12に、洗浄運転開始の要否を選択する画面を表示する。
【0054】
そのため、人が浴室にいる場合も、台所にいる場合も、上記の選択画面を見ることができ、洗浄運転開始の要否を選択することができる。
S21とS24において、洗浄運転開始の要否の選択結果を確認してから、洗浄運転開始不要の場合にはキャンセルし、洗浄運転開始必要の場合には洗浄運転を開始するため、
宅内にいる人の意思を尊重した制御とすることができる。
【0055】
次に、前記実施形態を変更する例について説明する。
(1)図2のS4の報知やS6の表示は、脱衣室の洗浄操作リモコン13でも報知したり、表示してもよい。また、S14の表示も洗浄操作リモコン13にも表示してもよい。
(2)図2のS10の報知も、浴室操作リモコン11だけでなく、洗浄操作リモコン13で報知してもよい。
【0056】
(3)図3のS4の報知やS20の表示は、洗浄操作リモコン13でも報知したり、表示してもよい。また、S14の表示も洗浄操作リモコン13にも表示してもよい。S10の報知やS23の表示は、洗浄操作リモコン13でも報知したり、表示してもよい。
(4)その他、当業者ならば本発明の趣旨を逸脱することなく、種々の変更を付加して実施可能であり、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
【符号の説明】
【0057】
1 浴槽
2 給湯装置
6 洗浄ユニット
8 電源通信ユニット
9 人感センサ
10 浴槽洗浄装置
11 浴槽操作リモコン
12 台所操作リモコン
13 洗浄操作リモコン
17 スマートフォン
21 制御部
図1
図2
図3