(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】印刷システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240711BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240711BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240711BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 357
G06F3/12 354
B41J29/00 Z
B41J29/38 202
H04N1/00 127B
(21)【出願番号】P 2020198910
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】疇地 悠
(72)【発明者】
【氏名】南川 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】奥野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】堀田 彩加
(72)【発明者】
【氏名】出浦 祐視
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-263485(JP,A)
【文献】特開2016-172452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/00
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データを取得するデータ取得部と、
前記印刷データに対応する画像を、印刷設定値に基づき被印刷媒体に形成する印刷部と、
前記印刷部が前記画像を形成する際に複数の前記印刷設定値をそれぞれ適用した場合に対応する複数の料金を決定する料金決定部と、
外部装置における所定の操作がなされたことを契機に、前記印刷部が前記画像を形成する際に適用可能な互いに異なる第3印刷設定値及び第4印刷設定値を新たに生成する第2印刷設定値生成部と、
を備え、
前記料金決定部は、
前記第3印刷設定値を適用した場合に対応する第3料金、及び、前記第4印刷設定値を適用した場合に対応する第4料金、を含む前記複数の料金を決定する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記第2印刷設定値生成部は、
前記第3印刷設定値又は前記第4印刷設定値として、前記印刷部において直近に適用された印刷設定値と同一の印刷設定値を生成する
ことを特徴とする
請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記第2印刷設定値生成部は、
前記第3印刷設定値又は前記第4印刷設定値として、前記印刷部への適用頻度が最も高い印刷設定値と同一の印刷設定値を生成する
ことを特徴とする
請求項1記載の印刷システム。
【請求項4】
前記第2印刷設定値生成部は、
前記第3印刷設定値又は前記第4印刷設定値として、前記印刷部に備えられている消耗品情報に適合する印刷設定値を生成する
ことを特徴とする
請求項1記載の印刷システム。
【請求項5】
画像を被印刷媒体に形成する印刷部と、
第1制御部と、
を有する印刷装置と、
前記印刷装置と通信可能な通信I/Fと、
第2制御部と、
を有するデータ処理サーバと、
を備え、
前記第2制御部は、
印刷用ファイルが添付され、前記印刷装置に割り当てられた印刷装置用メールアドレスを宛先とする第1電子メールであって、印刷設定用ページの第1URLへユーザがアクセスすることにより前記印刷用ファイルの印刷設定がなされた印刷設定値を含む、第1メールを外部装置から受信するメール受信処理と、
前記第1電子メールに添付された前記印刷用ファイルに基づく画像を前記被印刷媒体に形成する場合に課金する料金を決定する第1料金決定処理と、
前記第1料金決定処理で決定した前記料金の第1金額、その第1金額を支払うための支払用ページの第2URL、前記印刷装置における前記印刷用ファイルの前記印刷設定値の少なくとも1つの変更例、前記変更例に基づき前記
被印刷媒体への前記画像の形成を行う場合に課金する料金の第2金額、及び、前記第2金額で決済を行うための決済用ページの第3URL、を記載した第2電子メールを生成するメール生成処理と、
前記メール生成処理で生成した前記第2電子メールを、前記第1電子メールの返信として前記外部装置に送信するメール返信処理と、
前記第1料金決定処理により決定された前記料金の第1金額に対し、前記第3URLへのアクセスに対応する印刷設定値に基づく変更を反映させた前記第2金額を決定する第2料金決定処理と、
前記第2電子メールに記載された前記第2URLへユーザがアクセスすることにより前記第2料金決定処理により決定された前記第2金額での決済が行われた後、前記印刷用ファイルに基づく印刷データ、若しくは、当該印刷データの格納先情報、を前記通信I/F経由で前記印刷装置へ送信する第1情報送信処理と、
を実行し、
前記第1制御部は、
前記第1情報送信処理で送信された前記印刷データを取得する、若しくは、前記第1情報送信処理で送信された前記格納先情報でアクセス可能な格納先から前記印刷データを取得する、
データ取得処理と、
前記データ取得処理で取得した前記印刷データに対応する前記画像を、前記第3URLへのアクセスに対応する印刷設定値に基づき前記印刷部により前記被印刷媒体に形成する第1印刷処理と、
を実行する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
被印刷媒体に画像を形成する印刷部と、
操作部と、
第1制御部と、
を有する印刷装置と、
サーバメモリと、
第2制御部と、
を有するデータ処理サーバと、
を備え、
前記第1制御部は、
外部装置から送信される印刷ジョブに係わる印刷設定がなされた第1印刷設定値を前記外部装置から取得する印刷設定値取得処理と、
前記印刷設定値取得処理で取得した前記第1印刷設定値を前記データ処理サーバへ送信する印刷設定値送信処理と、
を実行し、
前記第2制御部は、
前記印刷設定値送信処理で送信された前記第1印刷設定値を受信する第1印刷設定値受信処理と、
前記第1印刷設定値受信処理で受信された前記第1印刷設定値に準ずる第2印刷設定値を新たに生成する第1印刷設定値生成処理と、
前記第1印刷設定値受信処理で受信した前記第1印刷設定値に対応して課される課金の第1料金、及び、前記第1印刷設定値生成処理で生成された前記第2印刷設定値に対応して課される課金の第2料金、を決定する第3料金決定処理と、
前記第3料金決定処理で決定した前記第1料金及び前記第2料金を前記印刷装置へ送信する料金送信処理と、
を実行し、
前記第1制御部及び前記第2制御部は、
前記外部装置において前記第1料金又は前記第2料金の選択に係わる所定操作がなされるまでは、前記第1印刷設定値生成処理、前記第3料金決定処理、及び、前記料金送信処理を繰り返し、
前記外部装置において前記所定操作がなされたら、
前記第1制御部は、
前記外部装置から送信された前記印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得処理と、
前記印刷ジョブ取得処理で取得した印刷ジョブを前記データ処理サーバへ送信する第1印刷ジョブ送信処理と、
前記第2制御部は、
前記第1印刷ジョブ送信処理で送信された前記印刷ジョブを受信する第1印刷ジョブ受信処理と、
前記第1印刷ジョブ受信処理で受信した前記印刷ジョブを前記サーバメモリに記憶する印刷ジョブ記憶処理と、
前記所定操作に対応する前記第1料金又は前記第2料金の決済を承認する決済承認が送信されたことを契機に、前記サーバメモリに記憶されていた前記印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第2印刷ジョブ送信処理
を実行し、
前記第1制御部は、さらに、
前記第2印刷ジョブ送信処理で送信された前記印刷ジョブを受信する第2印刷ジョブ受信処理と、
前記印刷部を制御し、前記第2印刷ジョブ受信処理で受信された前記印刷ジョブに基づく画像の形成を、前記所定操作に対応する前記第1印刷設定値又は前記第2印刷設定値に対応して行う、第2印刷処理と、
を実行する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
被印刷媒体に画像を形成する印刷部と、
操作部と、
第1制御部と、
を有する印刷装置と、
サーバメモリと、
第2制御部と、
を有するデータ処理サーバと、
外部装置と、
を備え、
前記第2制御部は、
前記外部装置における第1所定操作がなされたことを契機に、前記印刷部が前記画像を形成する際に適用可能な互いに異なる第3印刷設定値及び第4印刷設定値を新たに生成する第2印刷設定値生成処理と、
料金決定情報を、前記第3印刷設定値及び前記第4印刷設定値とともに前記印刷装置へ送信する第2情報送信処理と、
を実行し、
前記第1制御部は、
前記第2情報送信処理で送信された前記料金決定情報、前記第3印刷設定値、及び前記第4印刷設定値を取得する第1情報取得処理と、
前記第1情報取得処理で取得した前記料金決定情報 、前記第3印刷設定値、及び前記第4印刷設定値を前記外部装置へ送信する第3情報送信処理
を実行し、
前記外部装置は、
前記第3情報送信処理で送信された前記料金決定情報 、前記第3印刷設定値、及び前記第4印刷設定値を受信する第2情報取得処理と、
前記第2情報取得処理で受信した前記料金決定情報を用いて、前記第2情報取得処理で受信した前記第3印刷設定値及び前記第4印刷設定値に対応してそれぞれ課される課金の第3料金及び第4料金を決定する第4料金決定処理と、
を実行し、
前記第1制御部、前記第2制御部、及び前記外部装置は、
当該外部装置において第2所定操作がなされるまでは、前記第4料金決定処理を繰り返し、
前記外部装置において前記第2所定操作がなされたら、
前記第1制御部は、
前記外部装置から送信された印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得処理と、
前記印刷ジョブ取得処理で取得した印刷ジョブを前記データ処理サーバへ送信する第3印刷ジョブ送信処理と、
前記第2制御部は、
前記第3印刷ジョブ送信処理で送信された前記印刷ジョブを受信する第3印刷ジョブ受信処理と、
前記第3印刷ジョブ受信処理で受信した前記印刷ジョブを前記サーバメモリに記憶する印刷ジョブ記憶処理と、
前記
第1所定操作に対応する前記第3料金又は前記第4料金の決済を承認する決済承認が送信されたことを契機に、前記サーバメモリに記憶されていた前記印刷ジョブを前記印刷装置へ送信する第4印刷ジョブ送信処理
を実行し、
前記第1制御部は、さらに、
前記第4印刷ジョブ送信処理で送信された前記印刷ジョブを受信する第4印刷ジョブ受信処理と、
前記印刷部を制御し、前記第4印刷ジョブ受信処理で受信された前記印刷ジョブに基づく画像の形成を、前記
第1所定操作に対応する前記第3印刷設定値又は前記第4印刷設定値に対応して行う、第3印刷処理と、
を実行する
ことを特徴とする印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷媒体への画像の印刷に応じて料金が課金される印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、印刷対象とする画像の内容に応じてユーザに対し課金を行い、課金された料金の決済処理が完了してから画像の印刷を行う、電子決済に基づく印刷サービスが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電子決済を伴う印刷サービスを受ける場合、通常、画像を印刷するときの印刷設定において1つの印刷設定値が決定される。サービス提供者側から事前に1つの設定値に設定済の場合もあれば、ユーザが所望の設定値を1つ設定する場合もある。しかしながら、例えば課金される料金の観点から見て、その1つの印刷設定値よりもさらにユーザの意図や好みに適合する他の印刷設定値が存在する可能性がある。したがって、最終的な適用決定の前に、上記のような他の印刷設定値を含む複数の印刷設定値及びそれぞれに対応する複数の料金を候補としてユーザに提示すれば便利であるが、そのような点に配慮した技術は、従来存在しなかった。
【0005】
本発明の目的は、画像の印刷に応じユーザに対し課金が行われる電子決済による印刷システムにおいて、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示できる構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、印刷データを取得するデータ取得部と、前記印刷データに対応する画像を、印刷設定値に基づき被印刷媒体に形成する印刷部と、前記印刷部が前記画像を形成する際に複数の前記印刷設定値をそれぞれ適用した場合に対応する複数の料金を決定する料金決定部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本願発明の印刷システムにおいては、データ取得部と、印刷部と、料金決定部とが備えられている。データ取得部により印刷データが取得され、印刷部により、その印刷データに対応する画像が印刷設定値に基づき被印刷媒体に形成される。印刷部が画像を被印刷媒体へ形成するときに課金される料金は料金決定部により決定される。その際、料金決定部は、複数の印刷設定値をそれぞれ適用して画像を形成した場合の料金をそれぞれ表す、複数の料金を決定する。
以上のように、本願発明によれば、複数の印刷設定値をそれぞれ適用した場合に対応する複数の料金を決定する料金決定部が設けられていることにより、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像の印刷に応じユーザに対し課金が行われる電子決済による印刷システムにおいて、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態による印刷システムの全体概略構成を表す機能ブロック図である。
【
図2】モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図3】モバイル端末に表示される印刷設定用ポータルページの一例を表す説明図である。
【
図4】モバイル端末に表示されるメール送信画面の一例を表す説明図である。
【
図5】モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図6】モバイル端末に表示されるメール受信画面の一例を表す説明図である。
【
図7】モバイル端末に表示される支払用ポータルページの一例、及び、モバイル端末に表示される設定変更用ポータルページの一例、を表す説明図である。
【
図8】モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図9】モバイル端末に表示される設定変更用ポータルページの一例を表す説明図である。
【
図10】モバイル端末等に表示される、支払用ポータルページの例を表す説明図である。
【
図11】本発明の第2実施形態による印刷システムの全体概略構成を表す機能ブロック図である。
【
図12】PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図13】PC端末の表示装置において表示される料金表示画面及び料金一覧表示画面の例を表す説明図である。
【
図14】PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図15】複合機の表示部に表示される登録ジョブリスト表示画面の例を表す説明図である。
【
図16】複合機の表示部に表示されるファイル情報表示画面の例を表す説明図である。
【
図17】PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図18】複合機の表示部に表示される支払画面の例を表す説明図である。
【
図19】PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図20】PC端末が料金テーブルを取得して料金計算を行う変形例において、PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図21】PC端末の表示装置において表示される料金一覧表示画面の例を表す説明図である。
【
図22】PC端末の表示装置において表示される印刷設定画面の例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0011】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態を
図1~
図10により説明する。本実施形態に係る印刷システムを
図1に示す。本実施形態は、顧客であるユーザが料金を支払って複合機200の印刷機能を使用するプリントサービスが提供される、印刷システム1の実施形態であって、ユーザが電子メールで印刷対象となる印刷ファイルを送信する場合の実施形態である。
【0012】
<印刷システムの概要>
図1において、この印刷システム1は、データ処理サーバ100と、複合機200と、モバイル端末300と、取引サーバ400と、を含んでいる。これらデータ処理サーバ100、複合機200、モバイル端末300、及び取引サーバ400は、ネットワークNTに接続されており、互いに通信可能である。
【0013】
<データ処理サーバ>
データ処理サーバ100は、例えば複合機200のメーカーが設置及び管理するサーバであり、プロセッサ110と、記憶装置115と、インタフェース190と、を有している。プロセッサ110が第2制御部の一例であり、インタフェース190が通信I/Fの一例である。これらプロセッサ110、記憶装置115、及びインタフェース190は、バス105を介して互いに接続されている。
【0014】
記憶装置115は、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、を備えている。
揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、取引ID記憶領域123と、印刷設定記憶領域124と、データ記憶領域125と、を有している。データ記憶領域125はサーバメモリの一例である。不揮発性記憶装置130は、例えば、ハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブであり、各種プログラムを記憶するプログラム記憶領域131と、料金テーブル記憶領域132と、を有している。なお、それぞれの記憶内容については後に詳述する。
【0015】
プログラム記憶領域131に格納された各種プログラムのうち、後述の
図2、
図5、
図8、
図12、
図14、
図17、
図19、
図20等のシーケンスフローの実行に係わる印刷処理プログラムは、例えば不揮発性記憶装置130に予め格納されている。
【0016】
プロセッサ110は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ110は、プログラム記憶領域131に格納された上記情報処理プログラムを実行し、本実施形態の印刷システム1における印刷処理方法を、複合機200の後述するプロセッサ210と協働して実行する。これによって、ネットワークNTに接続されたモバイル端末300、複合機200、取引サーバ400に対するデータ通信を含む、後述の
図2、
図5、
図8、
図12、
図14、
図17、
図19、
図20等に示す各種の処理が実行される。
【0017】
インタフェース190は、他の装置と通信するための有線LANインタフェース又は無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0018】
<取引サーバ400>
取引サーバ400は、例えば、後述する適宜の決済アプリケーションプログラムを用いてネット決済を行うサービスを行う会社に設置されており、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。
【0019】
<複合機>
複合機200は、例えば、上記印刷サービスを提供する事業者によって保有されている。なお、複合機200は印刷装置の一例である。複合機200は、スキャナ部280と、印刷部290と、プロセッサ210と、記憶装置215と、表示部240と、ユーザが操作可能な操作部250と、通信インタフェース270と、を有している。これらスキャナ部280、印刷部290、プロセッサ210、記憶装置215、表示部240、操作部250、及び通信インタフェース270は、バス205を介して互いに接続されている。
【0020】
記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230とを、含んでいる。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMであり、画像データを記憶可能なデータ保存領域222を備えている。不揮発性記憶装置230は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置230は、プログラム記憶領域232を備えている。プログラム記憶領域232に格納された各種プログラムのうち、後述の
図2、
図5、
図8、
図12、
図14、
図17、
図19、
図20等のシーケンスフローの実行に係わる印刷プログラムは、例えば、ファームウェアとして不揮発性記憶装置230に予め格納されている。
【0021】
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ210は、プログラム記憶領域232に格納された上記印刷処理プログラムを実行し、本実施形態の印刷システム1による印刷方法をプロセッサ210と協働して実行する。これによって、プロセッサ210は、モバイル端末300から送信された画像データに基づき、印刷部290に画像を形成させることができる。なおプロセッサ210が第1制御部の一例である。なお、本願明細書においては、用紙に対し画像を形成することを、適宜、単に「印刷する」等と称する場合がある。
【0022】
表示部240は、例えば、液晶ディスプレイである。操作部250は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を複合機200に入力可能である。通信インタフェース270は、他の装置と通信するための有線または無線のネットワークインタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0023】
スキャナ部280は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に読取り対象物である原稿を読み取ることによって、読み取った画像を表す画像データを生成する。
【0024】
印刷部290は、図示しない搬送機構により給紙トレイ中の用紙を取り出して搬送しつつ、その搬送される用紙上に所定の方式で画像を印刷する。以下は、インクジェット方式で印刷が行われる場合を例にとって説明する。なお、用紙が被印刷媒体の一例である。
【0025】
<モバイル端末>
モバイル端末300は、この例ではユーザの所有するスマートフォン等のモバイル端末であり、無線通信を介してネットワークNTに接続される。モバイル端末300は、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。モバイル端末300が本実施形態における外部装置の一例である。なお、外部装置として、モバイル端末300に代えて、例えばパソコンやタブレットコンピュータ、等の他の情報端末を用いてもよい。
【0026】
<印刷ファイルのメール添付による処理>
上記構成の印刷システム1において、本実施形態においては、モバイル端末300から画像データを含む印刷ファイルをメールに添付し、データ処理サーバ100に送信することによって、当該印刷ファイルの印刷を複合機200で行う。またそのときの印刷料金の支払いに係わる処理が、いわゆる電子決済によって行われる。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0027】
<処理の流れ>
本実施形態において、複合機200のプロセッサ210と、データ処理サーバ100のプロセッサ110と、取引サーバ400のプロセッサと、モバイル端末300のプロセッサと、により実行される処理を表す制御手順を、
図2、
図5、及び
図8により説明する。なお、以下、
図2、
図5、
図8に関する説明においては、各プロセッサの記述を省略し、「複合機200のプロセッサにおいて」「複合機200のプロセッサにより」等、を単に「複合機200において」「複合機200により」等で記載する。
【0028】
<印刷ジョブの送受信>
図2において、まずユーザが、例えばモバイル端末300又はその他の適宜の端末等を適宜に操作することで、複合機200とデータ処理サーバ100とを接続して本実施形態の上記印刷処理方法によるサービスを開始するよう指示する(S11)。複合機200からはこれに応じてサービス開始依頼が送信され、データ処理サーバ100で受信される(S13)。
【0029】
上記サービス開始依頼の受信に応じて、データ処理サーバ100からPINコードが発行され、複合機200において受信される(S15)。このPINコードが用いられることで、複合機200とデータ処理サーバ100との無線通信の接続が確立される(S17)。接続が確立した後、データ処理サーバ100から複合機200に対するメールアドレスの割り当てが行われることで、上記サービスが開始される(S19)。複合機200では、このサービス開始に応じて、上記割り当てられたメールアドレスが発行され、上記モバイル端末300等へ送信される(S21)。なお、この複合機200に対し割り当てられたメールアドレスを、以下適宜、単に「複合機200のメールアドレス」と称する。この複合機200のメールアドレスが印刷装置用メールアドレスの一例である。
【0030】
その後ユーザがモバイル端末300等を介し適宜の操作を行うことで、複合機200における印刷時の印刷設定を行うための、ポータルサイトの印刷設定用ページのURLへのアクセスがなされ、当該ページの表示を要求する表示指示がなされる(S23)。なお当該URLが第1URLの一例であり、以下適宜、このURLのことを単に「第1URL」と称する。モバイル端末300等からはこれに応じてポータルページ取得要求が送信され、データ処理サーバ100で受信される(S25)。データ処理サーバ100からこのポータルページ取得要求に対応する当該ポータルページの表示データがモバイル端末300へ出力されることで、モバイル端末300において印刷設定用のポータルページが表示される(S27)。
【0031】
図3に、モバイル端末300に表示される、上述した印刷設定用ポータルページ650の一例を示す。この印刷設定用ポータルページ650には、上記印刷設定を行うための欄として、印刷する部数を入力する部数設定欄651と、用紙サイズを選択する用紙サイズ設定欄652と、カラーかモノクロかの印刷色を選択する印刷色設定欄653と、が備えられている。この例では、部数設定欄651には「1」部と設定され、用紙サイズ設定欄652には「A4」サイズと設定され、印刷色設定欄653には「カラー」が設定されている。これら部数、用紙サイズ、印刷色は一例であり、図示を省略しているが、それら以外にも、例えば、普通紙又は光沢紙等を選択する用紙タイプ設定欄、「ふつう」モード又は「きれい」モードを選択する印刷品質設定欄、フチあり印刷又はフチなし印刷を選択するフチ有無設定欄、等が設けられている。上記設定欄651,652,653を含む全設定欄におけるそれらの設定内容が印刷設定値の一例である。すなわち、この「印刷設定値」とは、部数設定欄651の内容のような数値で表されるものに限られず、上記の用紙サイズ設定欄652、印刷色設定欄653、用紙タイプ設定欄、印刷品質設定欄、フチ有無設定欄、の内容のように種類やタイプ等の数値でない態様で表されユーザが選択・指定可能な設定因子が含まれる。
【0032】
また印刷設定用ポータルページ650には、上記設定欄651,652,653のほかに、「この内容で設定する」ボタン654が設けられている。各設定欄651,652,653に所望の設定を行った後、ユーザが「この内容で設定する」ボタン654を操作することで当該印刷設定の指示がなされる(S31)。このときに設定されている印刷設定値が第1印刷設定値の一例である。その後、当該設定の反映要求がモバイル端末300から送信され、データ処理サーバ100において受信される(S33)。S33を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110が本実施形態における印刷設定値取得部の一例である。S33での受信に対応してデータ処理サーバ100から上記印刷設定を反映した当該ポータルページの表示データがモバイル端末300へ出力されることで、モバイル端末300において、反映後の印刷設定用ポータルページが表示される(S35)。
【0033】
以上のようにして、複合機200における印刷実行時の印刷設定が完了する。この状態で、ユーザは、モバイル端末300を適宜に操作することで、複合機200で印刷したい所望の画像データを含む印刷ファイルを電子メールに添付して、上記S21で受信したメールアドレス宛に送信する。このとき、モバイル端末300において、適宜のメーリングソフトウェアにより表示されるメール送信画面の一例を
図4に示す。
【0034】
図4において、このメール送信画面700には、送信先表示欄701と、件名欄702と、添付ファイル表示欄703と、本文欄704と、「送信する」ボタン705と、が備えられている。この例では、送信先表示欄701には、複合機200のメールアドレスである「machine01@mfp.co.jp」が宛先として入力され、また添付ファイル表示欄703には、このメールに添付される、画像データを含む印刷ファイルのファイル名「Document01.pdf」が表記されている。モバイル端末300におけるユーザの適宜の操作で「送信する」ボタン705が押されることで、印刷ファイル「Document01.pdf」を添付したメールの送信が指示され(S37)、当該メールがモバイル端末300から送信される(S39)。前述のようにこのときのメールアドレスは、複合機200に対しデータ処理サーバ100から割り当てられたものである。しかしながら、当該メールアドレスに対し送信されたメールは、データ処理サーバ100で受信され、当該データ処理サーバ100の所定領域に格納されるように予め構成されている。すなわち、前述のようにしてモバイル端末300から送信されたメールはデータ処理サーバ100において受信される(S41)。このメールが第1電子メールの一例であり、S41で実行する処理がメール受信処理の一例である。なお、印刷ファイルの形式は、「jpeg」形式、「pdf」形式、「tiff」形式、「gif」形式等、複合機200において印刷可能な形式であれば何でもよい。
【0035】
そして、
図5に移り、データ処理サーバ100では、S75で、
図2に示したS33で受信したモバイル端末300による印刷設定値に対し変更を加えた、少なくとも1つの変更例が適宜の手法にて生成される。S75で実行する処理が第1印刷設定値生成処理の一例である。S75を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110が第1印刷設定値生成部の一例である。このときの変更例の詳細については後述する。
【0036】
そして、データ処理サーバ100では、その後、S76で、上記S41で受信したメールに添付された印刷ファイルが解析され、その印刷ファイルに含まれる画像データの印刷を行う場合にユーザに課金されるべき、料金が計算される。この金額が第1金額の一例である。以下適宜、この金額のことを単に「第1金額」と称する。このS76ではさらに、上記画像データの印刷時に上記S75で生成した印刷設定値の変更例を適用した場合の料金の金額も、併せて計算される。この金額が第2金額の一例であり、本実施形態においては以下適宜、この金額のことを単に「第2金額」と称する。S76で実行する処理が第1料金決定処理の一例であり、第2料金決定処理の一例でもある。S76を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110が本実施形態における料金決定部の一例である。この計算の際には、例えば、揮発性記憶装置120の上記料金テーブル記憶領域132に記憶された所定の料金テーブルに基づき、料金が計算される。またその際には、前述のS33で受信された、上記印刷設定用ポータルページ650の各設定欄651,652,653等における印刷設定値が加味されて、計算が行われる。すなわち、上記料金テーブルには、例えば印刷する用紙のページ数、印刷部数、用紙サイズ、印刷色、用紙タイプなどの基本的な情報、及び、画像データのデューティ比、印刷カバレッジ等を含む拡張的な情報、等の印刷設定値のうち少なくとも1つの印刷設定値に関する、所定の相関が設定されている。そして当該少なくとも1つの印刷設定値の値が決まれば、その所定の相関に代入することで、対応する料金が算出可能となっている。料金決定テ-ブルが料金決定情報の一例である。
【0037】
その後、S79で、データ処理サーバ100において、決済予約処理が行われる。具体的には、上記印刷ファイルの画像データを印刷するサービスの実行に対し発行された商品IDと、S76での計算結果である上記第1金額及び上記第2金額と、取引サーバ400での認証に用いるための認証情報と、決済完了確認用のURL(本実施形態ではデータ処理サーバ100のURL)であるConfirmURLと、が取引サーバ400へ送信される。
また、それらの送信に応じて取引サーバ400から送信された、ユーザがアクセスして第1金額を支払うためのPaymentURL及び第2金額を支払うためのPaymentURLと、当該料金支払い手続きに係わる取引IDと、がデータ処理サーバ100において受信される。なお、第1金額を支払うための上記PaymentURLが第2URLの一例であり、本実施形態では以下適宜、このPaymentURLのことを単に「第2PaymentURL」と称する。また第2金額を支払うための上記PaymentURLは第3URLの一例であり、本実施形態では以下適宜、このPaymentURLのことを単に「第3PaymentURL」と称する。
【0038】
その後、データ処理サーバ100においては、S81で、第1金額と、S79で取得した上記第2PaymentURLと、上記S75で生成した印刷設定値の変更例の内容と、これに対応する上記第2金額と、これに対応してS79で取得した上記第3PaymentURLと、が記載された、モバイル端末300への返信メールが作成される。さらにこのS81では、上記第1金額に係わる、S33で受信した印刷設定値をユーザが所望に変更するためのポータルページにアクセスするためのURLも併せて返信メールに記載される。上記返信メールが第2電子メールの一例であり、S81で実行する処理がメール生成処理の一例である。
【0039】
その後、データ処理サーバ100において、上記S81で生成された返信メールが、S41で受信したメールの返信として、モバイル端末300へと送信される(S83)。なお、このS83で実行される処理がメール返信処理の一例である。送信された上記返信メールは、モバイル端末300において受信される(S85)。この受信された返信メールが開封されたとき、モバイル端末300において上記メーリングソフトウェアにより表示されるメール受信画面の一例を
図6に示す。
【0040】
図6において、このメール受信画面710には、送信メール表示欄711と、計算結果表示欄712と、決済用URL表示欄713と、印刷設定変更用URL表示欄714と、変更例表示欄715,717とが、備えられている。
【0041】
送信メール表示欄711は、前述のモバイル端末300から送信されたメールの概要を表示する欄であり、送信元表示欄711aと、件名欄711bと、添付ファイル表示欄711cと、本文欄711dと、が含まれている。この例では、前述に沿い、送信元表示欄711aには、複合機200のメールアドレスである「machine01@mfp.co.jp」が表記され、添付ファイル表示欄711cには、前述の「Document01.pdf」が表記されている。
【0042】
計算結果表示欄712には、前述の印刷設定用ポータルページ650の設定欄651,652,653での印刷設定の設定値の内容、すなわち、印刷部数「1」、用紙サイズ「A4」、色設定「カラー」が表記されている。なお図示を省略しているが前述の用紙タイプ設定欄、印刷品質設定欄、フチ有無設定欄、等における印刷設定値の内容も表記されている。さらに、上記S76で計算された支払金額がこの例では「180円」と表記されている。なお、以下適宜、上記返信メールの記載内容について説明する際に、メール受信画面710に含まれる上記表示欄711,712等の各表示欄等を引用し、単に「返信メールの表示欄」等と称する場合がある。
【0043】
決済用URL表示欄713には、上記PaymentURLの内容である、この例でURL「https://hogehoge.payment.html」と、「決済へ進む」の文字と、が表記されている。
【0044】
<印刷設定を変更せずに決済する場合>
メール受信画面710を確認したユーザが、後述のような印刷設定値の変更を行わない場合には、モバイル端末300での適宜の操作で上記決済用URL表示欄713の「https://hogehoge.payment.html」をクリックする。すると、モバイル端末300における上記S85の後のS92がYes判定され、これに応じてモバイル端末300から決済要求が送信され、データ処理サーバ100で受信される(S102)。データ処理サーバ100ではこれに応じてS99で決済再予約処理が実行される。すなわち、上記第1金額に対するユーザの承認がなされていることから、上記S79の処理のうち第1金額に係わる処理と同様の処理が再度行われる。つまり、前述の商品IDと、前述の認証情報と、S76で計算した上記第1金額と、決済完了確認用のConfirmURLと、が取引サーバ400へ送信され、第2PaymentURLと、取引IDと、がデータ処理サーバ100で受信される。
【0045】
上記S99の後、データ処理サーバ100では、S102で受信した決済要求に対応する支払用ポータルページの表示データがモバイル端末300へ出力されることで、モバイル端末300において支払用ポータルページが表示される(S103)。本実施形態におけるこの支払用ポータルページの一例を
図7(a)に示す。
【0046】
図7(a)において、この支払用ポータルページ720には、支払金額表示欄721と、支払内訳表示欄722と、アプリケーション用決済ボタン724と、ブラウザ用決済ボタン725と、が備えられている。
【0047】
支払金額表示欄721は、前述の例に沿い、この例では「180円」と表示されている。
支払内訳表示欄722は、単価表示欄722aと、ファイル形式・ページ数表示欄722bと、部数表示欄722cと、計算式表示欄722dと、が含まれている。
【0048】
単価表示欄722aでは、この例ではカラー印刷のA4サイズの単価が60円であることに対応して、「A4カラー1枚単価60円」と表示されている。
ファイル形式・ページ数表示欄722bでは、前述の内容に対応して、「pdfファイル 3ページ」と表示されている。
部数表示欄722cでは、部数が1部であることに対応して「部数 1」と表示されている。
計算式表示欄722dでは、以上の単価表示欄722a、ファイル形式・ページ数表示欄722b、部数表示欄722c、の表示内容に対応して料金が計算されたときの計算式が、上述の例に沿い、「3ページ*1部*60円 =180円」と表示されている。
【0049】
アプリケーション用決済ボタン724は、上記取引サーバ400に係わる決済アプリケーションプログラム上で、ネット決済を実行するためのボタンである。
ブラウザ用決済ボタン725は、上記取引サーバ400に係わる決済アプリケーションプログラム上ではなく、通常のブラウザ上で、ネット決済を実行するためのボタンである。
【0050】
上記支払用ポータルページ720の表示内容により、ユーザは今回のサービスの利用により自分が支払うべき料金を知ることができる。ユーザがモバイル端末300での適宜の操作でアプリケーション用決済ボタン724をクリックすることで、
図5に続く
図8に示すように、前述の支払金額表示欄721及び支払内訳表示欄722の内容を了解したユーザからの決済承認指示が下されたことになる(S91)。この結果、決済承認通知が、モバイル端末300から前述の決済アプリケーション上において取引サーバ400へと通知される(S105)。なお、ブラウザ用決済ボタン725をクリックした場合も、上記同様、決済承認通知が、モバイル端末300からブラウザ上において取引サーバ400へと通知される(S105)。
【0051】
<印刷設定を所望に変更する場合>
また本実施形態では、ユーザの希望に応じて、印刷対象である上記印刷ファイルに対して、各印刷ファイルごとに前述の印刷設定値を変更可能となっている。すなわち、前述の
図6において、メール受信画面710には、前述したように印刷設定変更用URL表示欄714が備えられ、この例では、URL「https://hogehoge.setting.html」が表記されている。送信メール表示欄711及び計算結果表示欄712の内容を確認したユーザが印刷設定値の変更を行いたい場合には、印刷設定変更用URL表示欄714の「https://hogehoge.setting.html」をクリックする。すると、モバイル端末300における上記S85の後のS92がNo判定され、さらにその後のS93がYes判定され、これに応じてモバイル端末300から、設定変更用ポータルページ取得要求が送信され、データ処理サーバ100で受信される(S94)。データ処理サーバ100からこの設定変更用ポータルページ取得要求に対応する当該ポータルページの表示データがモバイル端末300へ出力されることで、モバイル端末300において設定変更用のポータルページが表示される(S95)。
【0052】
図7(b)に、モバイル端末300に表示される、上述した設定変更用ポータルページ850の一例を示す。この設定変更用ポータルページ850には、前述の
図3と同様、上記印刷設定を改めて行うための欄として、印刷する部数を入力する部数設定欄851と、用紙サイズを選択する用紙サイズ設定欄852と、カラーかモノクロかの印刷色を選択する印刷色設定欄853と、が備えられている。なお、前述と同様、図示を省略しているが、上記以外にも、用紙タイプ設定欄、印刷品質設定欄、フチ有無設定欄、等が設けられている。
図7(b)に示す例では、ユーザによる変更がなされる前の状態を表しており、前述の例に沿い、部数設定欄851には「1」部と設定され、用紙サイズ設定欄852には「A4」サイズと設定され、印刷色設定欄853には「カラー」が設定されている。
【0053】
またこの設定変更用ポータルページ850には、上記設定欄851,852,853の内容に対応する料金の金額を表す、金額表示欄854が設けられている。
図7(b)に示す、変更前の状態では、上述した、1部、A4サイズ、カラーの設定値に対応して前述のS76で計算済の、「180円」が表示されている。
【0054】
この状態で、モバイル端末300での適宜の操作により、ユーザが上記設定欄851,852,853の少なくとも1つの内容を変更した場合、印刷設定値の変更指示がなされたことになり(S96)、その設定値変更の反映要求がモバイル端末300から送信される。送信された反映要求は、データ処理サーバ100において受信される(S97)。その後、データ処理サーバ100では、その設定値変更の反映要求の受信に対応した印刷設定の変更、すなわち印刷設定値が更新される(S89)。
【0055】
その後、上記S76と同様の手法で上記設定値変更に対応した印刷時の料金が再計算される(S98)。言い換えれば、S76で計算された第1金額に対し、S89での印刷設定値の変更を反映させた料金が計算される。その後、上記設定値変更及び料金再計算結果を反映した当該ポータルページの表示データがモバイル端末300へ出力される。これにより、モバイル端末300において、印刷設定値の変更を反映後のポータルページが表示される(S100)。その後、上記S89で変更された印刷設定値が複合機200へと送信され、当該印刷設定値が複合機200へとセットされる(S90)。
【0056】
図9には、
図7(b)に示した状態から、例えば用紙サイズ設定欄852の内容を「A3」サイズに変更した場合における、上記設定変更用ポータルページ850の例を示している。この場合、この用紙サイズの変更によって金額表示欄854の表示が前述の「180円」から変わり、「360円」と表示されている。
【0057】
上記
図9に示す、変更後の内容を反映した設定変更用ポータルページ850には、「決済へ進む」ボタン855が設けられている。ユーザが、「決済へ進む」ボタン855を操作することで、モバイル端末300における上記S100の後のS101がYes判定される。これに応じて、モバイル端末300からの決済要求がデータ処理サーバ100で受信され(S102)、S99で決済再予約処理が実行される。すなわち、前述の金額に対するユーザの承認がなされていることから、前述の上記S79と同様の処理が再度行われる。つまり、前述の商品IDと、前述の認証情報と、S98で計算した金額と、決済完了確認用のConfirmURLと、が取引サーバ400へ送信され、対応するPaymentURLと、取引IDと、がデータ処理サーバ100で受信される。
【0058】
その後、データ処理サーバ100では、S102で受信した決済要求に対応する支払用ポータルページの表示データがモバイル端末300へ出力されることで、モバイル端末300において、支払用ポータルページが表示される(S103)。この支払用ポータルページは、上記のような印刷設定値の変更後の料金支払いについての最終確認が行われる。前述と同様、ユーザがアプリケーション用決済ボタン724又はブラウザ用決済ボタン725をクリックすることで、
図8において前述した決済承認指示がなされたこととなり(S91)、決済承認通知がモバイル端末300から送信され、取引サーバ400において受け付けられる(S105)。
【0059】
なお、
図7(b)に示す設定変更用ポータルページ850において、上記「決済へ進む」ボタン855が操作されない場合はS101がNo判定となり、S93に戻って前述の処理が繰り返される。
【0060】
<印刷設定の変更例の表記>
図6に戻り、本実施形態の特徴として、前述したように、メール受信画面710には、印刷設定の上記設定値を変更する変更例が記載される上記変更例表示欄715,717が備えられている。
【0061】
この例では、変更例表示欄715には、計算結果表示欄712に記載された変更前の内容すなわち、印刷部数「1」、用紙サイズ「A4」、色設定「カラー」のうち、用紙サイズを「B5」に変更した例が示されている。なおこれら印刷部数「1」、用紙サイズ「B5」、色設定「カラー」の内容の設定が、この例での第2印刷設定値の一例である。またこの変更に伴い、上記料金の支払金額が「150」円に変わることが示されている。
また変更例表示欄717には、さらに色設定を「モノクロ」に変更した例が示され、この変更に伴って上記料金の支払金額が「75」円に変わることも示されている。この場合は刷部数「1」、用紙サイズ「B5」、色設定「モノクロ」の内容の設定が、この例での第2印刷設定値の一例である。
【0062】
そして、変更例表示欄715,717それぞれの下方には、上記第3PaymentURLが記載された決済用URL表示欄716,718がそれぞれ備えられている。
決済用URL表示欄716には、上記第3PaymentURLの内容である、この例でURL「https://XXXX.payment.html」と、「この設定で決済へ進む」の文字と、が表記されている。変更例表示欄715の内容を確認したユーザが当該変更例に設定値を変更してそのまま決済を行いたい場合には、決済用URL表示欄716の「https://XXXX.payment.html」をクリックする。また、変更例表示欄717の内容を確認したユーザが当該変更例に設定値を変更してそのまま決済を行いたい場合には、決済用URL表示欄718の「https://YYYY.payment.html」をクリックする。
【0063】
上記クリックにより、前述と同様、モバイル端末300における上記S85の後のS92がYes判定され、これに応じてモバイル端末300から決済要求が送信され、データ処理サーバ100で受信される(S102)。データ処理サーバ100ではこれに応じてS99で決済再予約処理が実行される。すなわちこの場合、上記第2金額に対するユーザの承認がなされていることから、上記S79の処理のうち第2金額に係わる処理と同様の処理が再度行われる。つまり、前述の商品IDと、前述の認証情報と、S76で計算した上記第2金額と、決済完了確認用のConfirmURLと、が取引サーバ400へ送信され、第3PaymentURLと、取引IDと、がデータ処理サーバ100で受信される。
【0064】
上記S99の後、データ処理サーバ100では、S102で受信した決済要求に対応する支払用ポータルページの表示データがモバイル端末300へ出力されることで、モバイル端末300において支払用ポータルページが表示される(S103)。
【0065】
上記決済用URL表示欄716の「https://XXXX.payment.html」をクリックしたときに上記S103で表示される支払用ポータルページの一例を、上記
図7(a)に対応する
図10(a)に示す。
図10(a)に示すこの支払用ポータルページ720Bにおいて、変更例表示欄715の記載内容に沿い、支払金額表示欄721には「150円」と表示されている。また支払内訳表示欄722には、単価表示欄722aに「B5カラー1枚単価50円」、ファイル形式・ページ数表示欄722bに「pdfファイル 3ページ」、部数表示欄722cに「部数 1」と表示されている。また計算式表示欄722dには「3ページ*1部*50円 =150円」と表示されている。また、前述と同様の、アプリケーション用決済ボタン724及びブラウザ用決済ボタン725も設けられている。
【0066】
上記決済用URL表示欄718の「https://YYYY.payment.html」をクリックしたときに上記S103で表示される支払用ポータルページの一例を、上記
図7(a)に対応する
図10(b)に示す。
図10(b)に示すこの支払用ポータルページ720Cにおいて、変更例表示欄717の記載内容に沿い、支払金額表示欄721には「75円」と表示されている。また支払内訳表示欄722には、単価表示欄722aに「B5モノクロ1枚単価25円」、ファイル形式・ページ数表示欄722bに「pdfファイル 3ページ」、部数表示欄722cに「部数 1」と表示されている。また計算式表示欄722dには「3ページ*1部*25円 =75円」と表示されている。また、上記同様、アプリケーション用決済ボタン724及びブラウザ用決済ボタン725も設けられている。
【0067】
上記
図10(a)の支払用ポータルページ720B及び
図10(b)の支払用ポータルページ720Cにおいて、ユーザがアプリケーション用決済ボタン724又はブラウザ用決済ボタン725をクリックすることで、前述と同様、
図8における決済承認指示となり(S91)、決済承認通知がモバイル端末300から取引サーバ400へと通知される(S105)。
【0068】
なお、
図6に示す例では、上記S76で計算された第1金額、第2金額、及び、各PaymentURL等が上記返信メールのメール本文に直接記載されていたが、これに限られない。例えば、図示を省略するが、返信メールの件名の欄に上記第1金額、第2金額、及び各PaymentURLの少なくとも1つが記載されていてもよい。あるいは、それらのうち少なくとも一方が「CC」又は「BCC」の欄に記載されていたり、「CC」又は「BCC」に記載されたアクセス先のWebページ等に、それらのうち少なくとも一方が記載されていてもよい。
【0069】
以上のようにして
図8におけるS105までが実行された後、上記承認の通知を受信した取引サーバ400においては、決済予約時(S79)でのPaymentURLに対応するConfirmURLがモバイル端末300へと送信される(S107)。このConfirmURLに基づきモバイル端末300から決済完了要求が送信され、データ処理サーバ100において受信される(S109)。これにより、データ処理サーバ100におけるS111がYes判定されて、決済完了確認処理が行われる(S113)。すなわち、ConfirmURLに対応する前述の認証情報、商品ID、及び取引IDが取引サーバ400へと送信される。またこれとともに、これに対応して取引サーバ400から送信されたreturncodeがデータ処理サーバ100において受信される。
【0070】
上記決済完了確認処理の後、データ処理サーバ100では、決済完了通知が送信され(S115)、モバイル端末300において受信される(S117)。そして、データ処理サーバ100では、前述のS41で受信したメールに添付された印刷ファイルに含まれる画像データに対し所定の変換を施し、さらに当初S33で受信した印刷設定に対してこの時点までに何らかの印刷設定値の変更が行われていた場合はその変更を反映させた形で、印刷データが生成される(S120)。その後、データ処理サーバ100から、S41で受信した印刷ファイルに基づく印刷データが送信され(S125)、複合機200において受信される(S126)。上記印刷データとしては、印刷ファイルのデータそのものでもよいし、印刷用にラスタライズされたデータであってもよい。なお、上記S125で実行する処理が第1情報送信処理の一例である。またS126で実行する処理がデータ取得処理の一例であり、S126を実行するプロセッサ210が本実施形態におけるデータ取得部の一例である。
【0071】
なお、上記S125,S126での処理のように、データ処理サーバ100から複合機200へ直接印刷データを送信する手法に限られず、他の手法でもよい。
すなわち例えば、データ処理サーバ100において、取引サーバ400からの決済完了確認通知を受信したことに対応して、上記印刷データを、ネットワークNTに接続されている適宜の外部機器に格納してもよい。この場合、その後、データ処理サーバ100から複合機200へ上記外部機器のURL等のアクセス情報を含むデータ取得指示が送信される。複合機200では、上記送信されたデータ取得指示が受信される。そしてこのデータ取得指示の受信を契機に、複合機200はネットワークNTを介し上記外部機器にアクセスすることで、外部機器から上記印刷データを取得する。この場合、データ処理サーバ100がデータ取得指示を送信する処理が第1情報送信処理の別の一例である。また複合機200が外部機器から印刷データを取得する処理がデータ取得処理の別の一例であり、この処理を実行する複合機200のプロセッサ210がこの場合のデータ取得部の別の一例である。
【0072】
その後、複合機200では、印刷部290により、S126で受信された印刷データに対応した画像データの、用紙上への印刷が行われる(S127)。またその際には、前述のS33で受信された、上記印刷設定用ポータルページ650の各設定欄651,652,653等における印刷設定値、若しくは、S75で生成され変更例表示欄715,716に記載された印刷設定値、若しくは、S89で設定変更された後の印刷設定値に基づき、印刷が行われる。このS127で実行する処理が第1印刷処理の一例である。その後、このシーケンスフローを終了する。
【0073】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の印刷システム1では、S126で印刷データが取得され、印刷部290により、その印刷データに対応する画像が印刷設定値に基づき用紙に形成される。印刷部290が画像を用紙へ形成するときに課金される料金はS76において決定される。その際、S76では、S33での受信内容及びS75で生成した変更例にそれぞれ対応する複数の印刷設定値を適用した場合の料金をそれぞれ表す、複数の料金が決定される。このように、本実施形態によれば、複数の印刷設定値をそれぞれ適用した場合に対応する複数の料金が決定されることにより、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる。
【0074】
また、本実施形態では特に、画像形成前に設定済の第1印刷設定値、上記の例ではユーザが設定した印刷設定値が、S33において取得される。S75では、取得された上記第1印刷設定値に準ずる第2印刷設定値が新たに生成される。S76では、第1印刷設定値に対応する第1料金、及び、第2印刷設定値に対応する第2料金、が決定される。このようにして、本実施形態によれば、設定済の上記第1印刷設定値に対応する第1料金と、第1印刷設定値に準ずる第2印刷設定値に対応する第2料金とが決定されるので、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる。
【0075】
また、本実施形態では特に、いわゆる電子メールプリントが実行される。すなわち、モバイル端末300から送信された、印刷対象とする印刷ファイルが添付された電子メールがS41において受信される。この電子メールには、上記第1URLへユーザがアクセスすることによりなされた印刷ファイルの印刷設定(S31)に係わる印刷設定値が含まれている。この電子メールが受信されると、S76において当該添付された印刷ファイルに基づく画像を形成する場合の課金料金が決定される。上記決定された料金の第1金額と、当該第1金額を支払うための支払用ページの第2PaymentURLと、が記載された電子メールが、S83においてモバイル端末300へ送信される。また本実施形態においては、この電子メールには、S75で生成された、印刷設定値の少なくとも1つの変更例と、その変更例に基づき画像形成を行う場合の料金の第2金額と、その第2金額で決済を行うための決済用ページの第3PaymentURLと、も含まれている。これによりユーザは、モバイル端末300でS85において受信された電子メールに記載された上記第3PaymentURLに対し当該モバイル端末300を用いてアクセスすることができ(S103)、上記印刷設定値の変更例を用いた画像形成を行う際の第2金額を電子決済にて支払うことができる(S91~S117)。上記第2金額での決済が完了すると、S125において、上記印刷ファイルに基づく印刷データ、若しくは、その印刷データの格納先情報が複合機200へと送信され、S127において、その印刷データに対し上記変更例の印刷設定値を適用して画像形成が行われる。
以上のように、本実施形態によれば、ユーザが事前に決めた印刷設定値(S31)で画像形成する場合の第1金額、及び、印刷設定値の変更例(S75)で画像形成する場合の第2金額を含む、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる。ユーザは、上記の事前に決めた印刷設定又は上記変更例の印刷設定によって電子メールプリントを実行することができる。
【0076】
<第1実施形態の変形例>
なお、この第1実施形態は、上記の態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0077】
すなわち、前述したように、印刷ファイルに含まれる画像データに対し所定の変換を行う必要がある。この変換には、互いに異なる複数段階の処理が含まれており、また元の画像データがどのようなデータ形式であるかによっても処理が異なってくる。これに対応し、複数段階の処理のうち、実行時間が長くなる処理と、実行時間が比較的短くなる処理と、の実行タイミングを別々にしてもよい。すなわち、変換処理に必要な時間が比較的長くなる項目、例えば
図3を用いて前述した部数、用紙サイズ、印刷色、フチ有無等については比較的早い段階で変換処理を実行して印刷データを生成する一方、用紙タイプ及び印刷品質等については、比較的遅い段階で変換処理を実行するようにしてもよい。
【0078】
さらに上記に対応し、S75においては、上記実行時間が長くなる処理に関する印刷設定値の変更例のみを生成するようにしてもよい。この場合、印刷設定値が最終的に確定してから印刷が開始されるまでの間に実行される処理を最低限にし、その処理に要する時間を短縮することができる。
【0079】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を
図11~
図20により説明する。本実施形態も、上記第1実施形態と同様、顧客であるユーザが料金を支払って複合機200の印刷機能を使用するプリントサービスが実行される実施形態であり、複合機200に対しネットワーク接続されたPC端末を介してユーザが印刷対象となる印刷ファイルを送信する場合の実施形態である。その送信によって当該印刷ファイルの印刷が複合機200で行われ、またそのときの印刷料金の支払いに係わる処理が前述の第1実施形態と同様のいわゆる電子決済によって行われる。上記第1実施形態及びその変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0080】
<印刷システムの概要>
本実施形態の印刷システム1を、前述の
図1に相当する
図11に示す。
図11に示す本実施形態の印刷システム1は、前述のデータ処理サーバ100、複合機200、モバイル端末300、及び取引サーバ400に加え、PC端末500を含んでいる。なお、本実施形態ではPC端末500が外部装置の一例である。PC端末500は、前述のデータ処理サーバ100、複合機200、モバイル端末300、取引サーバ400と同様にネットワークNTに接続されており、それらと互いに通信可能である。
【0081】
PC端末500は、この例ではユーザのオフィス又は自宅に設置されており、無線通信又は有線通信を介してネットワークNTに接続される。PC端末500は、プロセッサと、記憶装置と、表示装置と、操作部と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。
また本実施形態では、揮発性記憶装置120に、さらに、JOBID記憶領域121とマシンID記憶領域122とが備えられている。なお、それぞれの記憶内容については後に詳述する。
【0082】
<処理の流れ>
上記構成の印刷システム1では、PC端末500から送信された印刷ファイルを複合機200で受信し、その後データ処理サーバ100へ送信する、いわゆるPCプリントが実行される。なお、本実施形態では、上記印刷ファイルは、印刷対象となる画像データと、この画像データを印刷するための印刷コマンドとを含む印刷ジョブとして送受信される。以下、本実施形態で実行される上記PCプリントの詳細を、順を追って説明する。本実施形態において、複合機200のプロセッサ210と、データ処理サーバ100のプロセッサ110と、取引サーバ400のプロセッサと、モバイル端末300のプロセッサと、PC端末500のプロセッサと、により実行される処理を表す制御手順を、
図12、
図14、
図17、
図19により説明する。なお、前述の第1実施形態と同様、以下、
図14、
図17、
図19に関する説明においては、各プロセッサの記述を省略し、「複合機200のプロセッサにおいて」「複合機200のプロセッサにより」等、を単に「複合機200において」「複合機200により」等で記載する。
【0083】
<印刷設定と料金計算>
図12において、まず、ユーザがPC端末500の上記操作部を適宜に操作することで適宜の印刷設定値入力画面(図示省略)を開き、ユーザが印刷するために予め用意した画像データを含む印刷ジョブに対して個別に設定したい、印刷設定値の入力を行う(S501)。例えばこの印刷設定値入力画面には、上記第1実施形態のモバイル端末300において表示した印刷設定用ポータルページ650と同様、印刷設定を行うための欄として、印刷する部数を入力する部数設定欄、用紙サイズを選択する用紙サイズ設定欄と、カラーかモノクロかの印刷色を選択する印刷色設定欄と、普通紙又は光沢紙等を選択する用紙タイプ設定欄、「ふつう」モード又は「きれい」モードを選択する印刷品質設定欄、フチあり印刷又はフチなし印刷を選択するフチ有無設定欄、等が設けられている。本実施形態においてもこれら全設定欄において設定される内容が印刷設定値の一例であり、特にこのS501で入力される印刷設定値が第1印刷設定値の一例である。印刷設定値は、上記第1実施形態と同様、数値で表されるものに限られず、種類やタイプ等の数値でない態様で表されユーザが選択・指定可能な設定因子が含まれる。
【0084】
上記のように入力された印刷設定内容はPC端末500で受け付けられた後(S502)、複合機200へと送信され、複合機200において取得される(S503)。S503で実行する処理が印刷設定値取得処理の一例である。取得された印刷設定はさらに複合機200から送信され(S504)、データ処理サーバ100において受信される(S505)。受信された印刷設定は印刷設定記憶領域124に記憶される。なお、S504で実行する処理が印刷設定値送信処理の一例であり、S505で実行する処理が第1印刷設定値受信処理の一例であり、S505を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110が本実施形態における印刷設定値取得部の一例である。
【0085】
その後、データ処理サーバ100では、S575で、S505で受信したPC端末500による印刷設定値に対し変更を加えた、少なくとも1つの変更例が適宜の手法にて生成される。生成された変更例の印刷設定値が第2印刷設定値の一例である。生成された印刷設定値は上記同様に印刷設定記憶領域124に記憶される。なおこのS575を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110が第1印刷設定値生成部の一例である。このときの変更例の詳細については後述する。
【0086】
その後、S543で、印刷設定記憶領域124に記憶された、前述の印刷ジョブに対する複数の印刷設定内容すなわち複数の印刷設定値それぞれに基づき、当該印刷ジョブに含まれる画像データの印刷が行われる場合にユーザに課金されるべき料金がそれぞれ計算される。S505で受信された上記第1印刷設定値に対応して計算される料金が第1料金の一例であり、S575で生成された第2印刷設定値に対応して計算される料金が第2料金の一例である。またこのS543で実行する処理が、第3料金決定処理の一例であり、S543を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110は本実施形態における料金決定部の一例である。この計算の際には、例えば、揮発性記憶装置120の上記料金テーブル記憶領域132に記憶された前述の料金テーブルに基づき、料金が計算される。
【0087】
上記S543での料金計算結果はデータ処理サーバ100から送信され(S506)、複合機200において取得される(S507)。S506で実行する処理が料金送信処理の一例である。取得された料金計算結果はさらに複合機200から送信され、PC端末500において受信される(S508)。その受信結果に基づき、PC端末500では、上記印刷ジョブの印刷実行時の料金、すなわち上記第1料金が前述の表示装置の料金表示画面において表示される(S509)。
【0088】
S509で表示装置において表示される料金表示画面950の一例を
図13(a)に示す。図示のように、この料金表示画面950には、印刷する部数を入力する部数設定欄951と、用紙サイズを選択する用紙サイズ設定欄952と、カラーかモノクロかの印刷色を選択する印刷色設定欄953と、が備えられている。なお、前述と同様、図示を省略しているが、上記以外にも、用紙タイプ設定欄、印刷品質設定欄、フチ有無設定欄、等が設けられている。図示の例では、部数設定欄851には「1」部と設定され、用紙サイズ設定欄852には「A4」サイズと設定され、印刷色設定欄853には「カラー」が設定されている。またこの料金表示画面950には、上記設定欄951,952,953等の内容に対応して前述のS543で計算された第1料金の金額を表す、金額表示欄954が設けられている。図示の例では、上述した、1部、A4サイズ、カラーの設定値に対応して前述のS543で計算済の、「180円」が表示されている。
【0089】
上記表示装置における料金表示を見たユーザが上記第1料金を確認し、PC端末500の操作部を適宜に操作して「設定完了」の旨の操作入力を行う(S510:Yes)。すると、PC端末500においてS511に移行し、S575で生成されS543で計算された、前述の設定値の変更例に係わる第2料金が上記第1料金とともに上記表示装置において表示される。このときに表示装置において表示される料金一覧表示画面960の一例を
図13(b)に示す。
【0090】
図13(b)に示すように、この料金一覧表示画面960には、現在設定表示ボタン961と、変更設定表示ボタン962,963と、が備えられている。なお、変更設定表示ボタンは、S575で生成された前述の変更例の数に合わせ、図示のように2つではなく1つ設けられていてもよいし、3つ以上設けられていてもよい。
【0091】
現在設定表示ボタン961には、「現在の設定」の表記と、上述したこの時点での印刷設定値の内容及びこれに対応する第1料金を表す、「部数1/用紙サイズA4/カラー ¥180」の表記とがなされている。
【0092】
一方、この例では、印刷部数1部、用紙サイズA4、印刷色カラー、の上記第1印刷設定値に対し、前述のS575において、印刷物1部、用紙サイズA3、印刷色カラー、の1つの第2印刷設定値と、印刷物1部、用紙サイズA4、印刷色モノクロ、の別の1つの第2印刷設定値と、が生成されている。またそれら2つの第2印刷設定値に対し、S543ではそれぞれ360円、90円の第2金額が算出されている。これに対応して、変更設定表示ボタン962には、「A3サイズにすると」の表記と、当該第2印刷設定値の内容及びこれに対応する第2料金を表す、「部数1/用紙サイズA3/カラー ¥360」の表記とがなされている。変更設定表示ボタン963には、「モノクロにすると」の表記と、当該第2印刷設定値の内容及びこれに対応する第2料金を表す、「部数1/用紙サイズA4/モノクロ ¥90」の表記とがなされている。なお、この例では、前述のS575で生成された印刷物1部、用紙サイズA3、印刷色カラーの第2印刷設定値は360円で上記第1料金より高く、印刷物1部、用紙サイズA4、印刷色モノクロの第2印刷設定値は90円で上記第1料金よりも安い。これに限られず、S575では、第1金額以下となる第2料金を与えるような第2印刷設定値のみを変更例として生成するようにしてもよい。
【0093】
ユーザが上記ボタン961,962,963のいずれかを操作して対応する印刷設定値を最終的に選択し、上記ボタン961~963の下部に設けた「選択完了」ボタン965を操作することで(S512:Yes)、後述の
図14のS521以降の処理へと移行する。
【0094】
一方、ユーザが料金表示画面950に設けた「キャンセル」ボタン956を操作する(S510:No)、又は、料金一覧表示画面960に設けた「キャンセル」ボタン966を操作する(S512:No)ことにより、上記S501に処理が戻る。これにより、ユーザが料金表示画面950の「設定完了」の操作入力を行い、かつ、料金一覧表示画面960の「選択完了」ボタン965を操作するまでは、S501~S511が繰り返されることで何度でも印刷設定をやり直すことができる。なお、料金一覧表示画面960の「選択完了」ボタン965の操作が第1料金又は第2料金の選択に係わる所定操作の一例である。
【0095】
<印刷ジョブの送受信>
ユーザが料金一覧表示画面960の「選択完了」ボタン965を操作すると(S512:Yes)、前述のボタン961,962,963での選択結果、すなわちどの印刷設定値を選択したかが複合機200、さらにはデータ処理サーバ100へと通知される(S513,S514)。その後、処理が
図14に移行し、ユーザがPC端末500の上記操作部を適宜に操作することで、PC端末500に対し前述の印刷設定済の印刷ジョブの送信が指示される(S521)。このとき併せて、ユーザは、PC端末500に対し、自らのユーザIDと、上記印刷ジョブのセキュリティ確保のためのPINコードと、をPC端末500に入力する。この操作は、例えばPC端末にインストールされたプリンタドライバやアプリケーションを介して実行可能である。
【0096】
これに対応して、PC端末500から、上記印刷ジョブ、PINコード、ユーザIDが、送信される(S523)。送信された印刷ジョブ等は、複合機200において受信し、取得される(S524)。このS524で取得された印刷ジョブは、取得後、順次、データ保存領域222への記憶が開始される。このS524で実行する処理が、印刷ジョブ取得処理の一例である。
【0097】
複合機200では上記S524で受信した印刷ジョブと、当該複合機200のマシンIDと、S524で受信されたユーザIDと、が併せて送信される(S533)。このS533で実行する処理が、第1印刷ジョブ送信処理の一例である。
【0098】
データ処理サーバ100では、上記S533で複合機200から送信された印刷ジョブ及びユーザID、マシンIDが受信される(S535)。このS535で実行する処理が第1印刷ジョブ受信処理の一例である。その後、データ処理サーバ100では、JOBIDを生成し(S540)、S535で受信した印刷ジョブが、生成したJOBID、及び、S535で受信済のマシンID、と紐づけられ、データ記憶領域125に記憶される(S542)。このS542で実行する処理が印刷ジョブ記憶処理の一例である。JOBIDは、ジョブを識別するため、言い換えれば画像データを識別するための情報である。
【0099】
その後、データ処理サーバ100では、S544において、S535で受信した当該印刷ジョブを印刷するサービスの実行に対する、商品IDが発行される。すなわちこの商品IDは、1つの印刷ジョブごとに個別に生成される。
【0100】
そして、S545で、上記印刷ジョブと、対応するマシンIDと、上記S54で生成された商品IDと、上記S543で算出された料金と、が、互いに対応付けられる。この結果、印刷ジョブ、JOBID、マシンID、が、上記料金及び商品IDと対応付けられた態様で、それぞれ、揮発性記憶装置120のデータ記憶領域125、JOBID記憶領域121、及びマシンID記憶領域122に記憶され、登録される(S545)。なお、このとき、これら印刷ジョブ、JOBID、及び、マシンID、はS535で受信されたユーザIDに対しても対応付けた形で記憶される。
【0101】
そして、データ処理サーバ100では、S547において、上記S545において登録が完了したことを表す登録完了通知が送信され(S547)、複合機200において受信される(S549)。
【0102】
なお、以上のS521~S549までの手順は、S521においてPC端末500から印刷ジョブが送信される都度、実行される。そして、その際、印刷ジョブがS535で受信される都度、各印刷ジョブがデータ記憶領域125に順次格納され、蓄積される。したがって、データ記憶領域125に記憶されている印刷ジョブは1つとは限られず、複数の場合もある。すなわち、データ記憶領域125には、少なくとも1つの印刷ジョブが、それぞれ、対応するJOBID及びマシンIDと対応付けられた態様で、記憶されている。
【0103】
複合機200は、上記S549の後、後述の登録ジョブリストの表示指示が受信されるまで待機する(S553)。少なくとも1つの印刷ジョブがデータ記憶領域125に蓄積された状態で、ユーザが複合機200の操作部250を適宜に操作し、データ処理サーバ100に登録済の印刷ジョブのリストを表示する指示を行うと、対応する表示指示が複合機200で受信される(S551)。その結果、上記S553がYes判定されて、登録ジョブリスト要求が複合機200からデータ処理サーバ100へと送信される(S555)。
【0104】
データ処理サーバ100では、上記登録ジョブリスト要求が受信されると、これに対応して、要求した複合機のマシンIDに基づいて、前述のようにデータ記憶領域125に蓄積され登録済の、少なくとも1つの印刷ジョブを一覧表示する登録ジョブリストが作成される(S557)。作成された登録ジョブリストはS559で送信されることで、複合機200において受信される(S560)。
【0105】
複合機200では、前述の印刷ジョブのリストを表示する指示を受け付けた後、S560での登録ジョブリストの受信に対応して、表示部240において、適宜のユーザID入力画面(図示省略)が表示される。このユーザID入力画面が表示部240に表示された状態で、ユーザが操作部250により適宜の操作を行ってユーザ自己のユーザIDの入力を行うと(S561)、複合機200においてその操作が受け付けられる。
【0106】
そして、上記のようにデータ処理サーバ100に登録済の印刷ジョブのうち、当該ユーザIDに対応する印刷ジョブのみを含む登録ジョブリストが表示部140に表示される(S563)。以下適宜、上記のように表示部240に表示された画面に対し「操作部250を介した操作により入力が行われる」ことを、単に、表示部240の「画面に入力される」等のように称する。同様に、表示部240に表示されたボタン・キー又は表示等に対し「操作部250を介して操作又は選択又は指定等が行われる」ことを、単に、表示部240の「ボタン・キーが操作される」「ボタン・キーが押される」又は表示された名称に対応する内容が「選択される又は指定される」等のように称する。
【0107】
上記のように表示部140に表示される登録ジョブリストの一例を
図15に示す。
図15において、表示部140に登録ジョブリスト表示画面242が表示されており、この登録ジョブリスト表示画面242に、「登録済のジョブは下記のとおりです。印刷するジョブをお選び下さい。」のメッセージM2と、当該ユーザIDに係わる複数の印刷ジョブの識別情報、この例ではジョブのファイル名が一覧表示されている。図示の例では、ファイル名「document.U-eno.doc」「document.D-tec.doc」「document.B-S5tarS5.doc」「document.A-Mpf.doc」の4つの印刷ジョブが、印刷対象の候補として指定可能に表示されている。なお、前述したように、これら4つの印刷ジョブ中の前述の画像データに対し、
図12のS501~S505において印刷ジョブごとにそれぞれ印刷設定がなされている。
【0108】
上記の登録ジョブリスト表示画面242が表示されている状態で、ユーザがジョブのファイル名の横のチェックボックスにチェックを入れることで所望の印刷ジョブを指定すると(S565)、複合機200においてその指定が受け付けられる(S567)。なお、S565でユーザが指定可能な印刷ジョブは1つであるが、複数の印刷ジョブを指定可能としてもよい。
【0109】
上記1つの印刷ジョブの指定が行われると、複合機200では、表示部240において適宜のPINコード入力画面(図示省略)が表示される。このPINコード入力画面には、ユーザは、このPINコード入力画面において、上記S565で指定した印刷ジョブを送信する際にS521で入力したPINコードの再入力を行う(S569)。すると、複合機200において当該PINコードが受け付けられ(S571)、当該印刷ジョブの指定が確定し、指定した印刷ジョブのファイル情報の詳細が表示される(S572)。
【0110】
上記のように表示部140に表示される印刷ジョブのファイル情報の一例を
図16に示す。
図16において、表示部140にファイル情報表示画面244が表示されており、この例では、前述のファイル名「document.U-eno.doc」の印刷ジョブが指定された場合を一例として示している。
図16に示すように、このファイル情報表示画面244において、ファイル情報表示欄244aと、「戻る」ボタン244bと、「支払って印刷に進む」ボタン244cと、が設けられている。
【0111】
ファイル情報表示欄244aには、ファイル情報として、ファイル名「document.U-eno.doc」と、当該印刷ジョブのファイルのページ数と、当該印刷ジョブの実行に課金される料金と、が表示されている。なおこの料金は、データ処理サーバ100において上記S543において計算した額の情報が例えば上記ジョブに含められる形で送信され複合機200において取得される。
【0112】
ユーザが「支払って印刷に進む」ボタン244cを操作すると、この操作が、ユーザから複合機200への最終的な印刷実行指示となる(S574)。当該操作の結果、その印刷実行指示に対応した印刷要求が、上記1つの印刷ジョブの指定結果を表す指定情報及び上記マシンIDとともに、複合機200から送信され(S575)、データ処理サーバ100において受信される。
【0113】
その後、
図17に移り、上記S575の印刷要求に対応し、データ処理サーバ100においては、S576で、上記S575で受信した1つの印刷ジョブの指定結果に基づき、今回の印刷サービス、すなわち上記指定された1つの印刷ジョブの印刷に対応してユーザに課金される料金金額が再度改めて計算される。この際にも、前述同様、例えば所定の料金テーブルに基づき、料金が計算される。なお、このS576で実行する処理もまた第3料金決定処理の一例であり、S576を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110もまた本実施形態における料金決定部の一例である。
【0114】
その後、S578で、データ処理サーバ100において、上記S576で計算された料金と、上記指定された印刷ジョブに対し上記S544で発行されていた商品IDとが、互いに対応付けられて登録される(S578)。
【0115】
その後、S579で、データ処理サーバ100において、決済予約処理が行われる。具体的には、指定された1つの印刷ジョブに対応付けられた上記商品IDと、S576での計算結果であるユーザの支払金額と、取引サーバ400での認証に用いるための認証情報と、決済完了確認用のURL(本実施形態ではデータ処理サーバ100のURL)であるConfirmURLと、が取引サーバ400へ送信される。また、それらの送信に応じて取引サーバ400から送信された、ユーザがアクセスして料金支払いをするためのPaymentURLと、当該料金支払い手続きに係わる取引IDと、がデータ処理サーバ100において受信される。
【0116】
その後、データ処理サーバ100においては、S576での計算結果である支払金額と、S579で取得した上記取引ID及びPaymentURLと、が前述のJOBIDと対応付けられる(S581)。そして、公知の適宜の手法により、PaymentURLに対応するバーコード、例えばQRコード(登録商標)が生成され(S583)、そのQRコード(登録商標)を含む、支払いに必要なデータが、対応する上記マシンIDを備えた複合機200へと送信される(S585)。
【0117】
支払いに必要なデータには、QRコード(登録商標)のほか、上記PaymentURLと、JOBIDとが含まれ、これらが複合機200において受信される(S587)。それらを受信した複合機200では、表示部240において、少なくとも上記QRコード(登録商標)を含む上記支払いに必要なデータを表示する所定の支払画面が表示される(S589)。
【0118】
この支払画面の一例を、
図18に示す。
図18に示す支払画面249には、QRコード(登録商標)QCと、「下記URLにアクセスして支払いを行って下さい。」のメッセージM7と、そのアクセス先を示すURLを表示するURL表示欄249aと、が表示されている。
【0119】
その後、
図19に移り、ユーザは、前述の支払画面249に表示されたQRコード(登録商標)QCに対し、モバイル端末300に備えられたスキャナまたはカメラによって読取りを行う(S591)。これにより、モバイル端末300に、図示しないPaymentURLの表示画面が表示される。このPaymentURL表示画面に表示されたPaymentURLにアクセスすることで上記計算された料金等を含む料金表示画面が表示され、ユーザは今回の印刷サービスの利用により自分が支払うべき料金を知ることができる。
【0120】
その後、料金を見たユーザは、モバイル端末300に表示された上記料金表示画面において適宜の操作を行う。これにより、前述の決済処理を承認したこと、言い換えれば前述の料金の支払いを承諾したこと、を表す支払承認通知が、モバイル端末300から取引サーバ400へと通知される(S605)。
【0121】
その後、上記承認の通知を受信した取引サーバ400から決済予約時(S579)でのPaymentURLに対応するConfirmURLがモバイル端末300へと送信され(S607)、このConfirmURLに基づきモバイル端末300から決済完了要求が送信され、データ処理サーバ100において受信される(S609)。これにより、データ処理サーバ100におけるS611がYes判定されて、決済完了確認処理が行われる(S613)。すなわち、ConfirmURLに対応する前述の認証情報、商品ID、及び取引IDが取引サーバ400へと送信される。またこれとともに、これに対応して取引サーバ400から送信されたreturncodeがデータ処理サーバ100において受信される。上記決済完了確認処理の後、データ処理サーバ100では、決済完了通知が送信され(S615)、複合機200において受信される(S617)。
【0122】
その後、データ処理サーバ100では、S535で受信した印刷ジョブのうち、S575でのジョブ指定情報において指定されかつその料金が上記のように決済された1つの印刷ジョブに含まれる画像データに対し所定の変換を施し、さらにS514で受信した印刷設定値の選択結果を反映させた形で、印刷データが生成される(S620)。前述のようにして少なくとも1回印刷設定の変更が行われた場合は、このS620ではその変更後の最新の印刷設定値を反映する形で印刷データが生成される。このように印刷データが生成された後は、印刷ジョブには、前述の印刷コマンドと、印刷データとが含まれることとなる。
【0123】
その後、データ処理サーバ100から、上記生成された印刷データを含む1つの印刷ジョブが送信され(S625)、複合機200において受信される(S626)。このときの印刷データとしては、印刷ファイルのデータそのものでもよいし、印刷用にラスタライズされたデータであってもよい。なお、上記S625で実行する処理が第2印刷ジョブ送信処理の一例である。S626で実行する処理が第2印刷ジョブ受信処理の一例である。S626を実行する複合機200のプロセッサ210が本実施形態におけるデータ取得部の一例である。
【0124】
その後、複合機200では、印刷部290により、S626で受信された印刷ジョブが実行され、用紙への印刷が開始される(S627)。このS627で実行する処理が第2印刷処理の一例である。
【0125】
複合機200において、印刷ジョブの実行が完了しS777がYes判定されると、S779において、印刷完了通知がJOBIDとともに送信される。これに対応して、データ処理サーバ100では、上記送信された印刷完了通知及びJOBIDが受信された後(S781)、データ記憶領域125に保持されていた、上記受信されたJOBIDに対応する印刷ジョブが削除される(S783)。その後、このシーケンスフローを終了する。
【0126】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の印刷システム1においては、S626において印刷データが取得され、印刷部290により、その印刷データに対応する画像が印刷設定値に基づき用紙に形成される。印刷部290が画像を用紙へ形成するときに課金される料金はS543において決定される。その際、S543では、複数の印刷設定値をそれぞれ適用して画像を形成した場合の料金をそれぞれ表す、複数の料金、前述の例では3つの料金が決定される(
図13(b)参照)。本実施形態によれば、第1実施形態と同様、複数の印刷設定値をそれぞれ適用した場合に対応する複数の料金がS543において決定されることにより、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる(
図13(b))。
【0127】
また、本実施形態では特に、画像形成前に設定済の第1印刷設定値、上記の例ではユーザが設定した印刷設定値が、S505において取得される。S575では、取得された上記第1印刷設定値に準ずる第2印刷設定値が新たに生成される。S543では、第1印刷設定値に対応する第1料金、及び、第2印刷設定値に対応する第2料金、が決定される。以上の結果、本実施形態によれば、設定済の第1印刷設定値に対応する第1料金と、第1印刷設定値に準ずる第2印刷設定値に対応する第2料金とを決定できるので、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる。
【0128】
また、本実施形態では特に、S575において第2印刷設定値が生成される際、前述したように、その値に対応した第2料金が、第1印刷設定値に対応する第1料金よりも安くなるような値を生成することもできる。この場合、第1印刷設定値を適用した場合よりも経済的負担が小さくなるような第2印刷設定値を代替候補としてユーザに提示することができる。
【0129】
また、本実施形態では特に、印刷ジョブの送信に先立ちその印刷ジョブの印刷設定に係わる第1印刷設定値がPC端末500から送信されると、その第1印刷設定値がS503において取得され、さらにS504でデータ処理サーバ100へ送信される。データ処理サーバ100では、S505で受信された上記第1印刷設定値に準ずる第2印刷設定値がS575で新たに生成される。その後、第1印刷設定値受信処理で受信された上記第1印刷設定値に対応した第1料金と、上記新たに生成された第2印刷設定値に対応した第2料金とが、S543において決定され、それら第1料金及び第2料金がS506により複合機200へと送信される。
上記のS575、S543、及びS506は、PC端末500において「選択完了」ボタン965の操作がなされるまでは繰り返される。これにより、ユーザがPC端末500を介し第1印刷設定値を入力すると、これに対応して第1印刷設定値に準ずる第2印刷設定値が生成され、それに対応する第2料金が、第1印刷設定値に対応する第1料金とともに複合機200へ送信される。この結果、複合機200がそれら第1料金及び第2料金と第2印刷設定値とをS508においてPC端末500に送信することで、PC端末500において、それら第1料金及び第2料金を対応する第1印刷設定値及び第2印刷設定値とともにユーザに対し提示することができる(S511)。
その後、PC端末500において上記「選択完了」ボタン965の操作がなされ、印刷ジョブが送信されると(S523)、その印刷ジョブは複合機200において取得された後(S524)、データ処理サーバ100へと送信されて受信される(S535)。受信された印刷ジョブはデータ処理サーバ100において記憶される。
その後、上記S543で決定された第1料金又は第2料金をユーザが了解しその決済を承認する決済承認がPC端末500から送信されると(S605)、データ処理サーバ100に記憶されていた印刷ジョブが読み出され、複合機200へ送信される(S625)。送信された印刷ジョブはS626において受信された後、S627において前述の第1印刷設定値又は第2印刷設定値に基づき印刷部290による画像の形成が行われる。
以上のように、本実施形態によれば、PC端末500から送信された第1印刷設定値で画像形成する場合の第1金額、及び、第1印刷設定値に準ずる第2印刷設定値で画像形成する場合の第2金額を含む、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる(S511)。ユーザは、事前に設定した上記第1印刷設定値又は上記新たに生成された第2印刷設定値によっていわゆるPCプリントを実行することができる。
【0130】
<第2実施形態の変形例>
なお、この第2実施形態は、上記の態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。上記第1実施形態及び第2実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0131】
例えば、上記第2実施形態においてはデータ処理サーバ100が料金テーブルを用いてS543において印刷ジョブに対する料金計算を行っていたが、これに代えて、PC端末500が上記料金テーブルを取得して料金計算を行うようにしてもよい。そのような変形例において、複合機200のプロセッサ210と、データ処理サーバ100のプロセッサ110と、取引サーバ400のプロセッサと、モバイル端末300のプロセッサと、により実行される処理を表す制御手順の要部を、上記
図12に対応する
図20により説明する。
【0132】
図20において、まずS600で、ユーザがPC端末500の上記操作部を適宜に操作することで、PC端末500から複合機200へ、当該複合機200が前述のプリントサービスに係わる契約締結済の契約ビジネスモードにあるか否かのチェックが行われる(S600)。なおこのときの上記操作部における適宜の操作が外部装置における所定の操作の一例であり、第1所定操作の一例でもある。その後複合機200からデータ処理サーバ100へ予め定めた認証用の情報を送信することで認証が行われ、複合機200とデータ処理サーバ100との接続確認が行われる(S601)。この認証により、後述するようにデータ処理サーバ100から複合機200を経てPC端末500へと送信される料金テーブルが本物であることが保証され、悪意の第三者によるすり替えを回避することができる。
【0133】
そして、複合機200において、前述の料金テーブルの送信要求が送信され(S602)、データ処理サーバ100において受信される(S603)。その後、データ処理サーバ100では、この後に行われる印刷ジョブの印刷実行時に適用される前述の印刷設定値について、ユーザに対し参考値として提唱する複数の参考印刷設定値が生成される(S675)。これら複数の参考印刷設定値は互いに異なる値となっている。それら複数の参考印刷設定値のうち1つの参考印刷設定値が第3印刷設定値の一例であり、別の1つの参考印刷設定値が第4印刷設定値の一例である。参考印刷設定値の具体例については後述する。生成された参考印刷設定値は前述と同様に印刷設定記憶領域124に記憶される。なおこのS675で実行する処理が第2印刷設定値生成処理の一例であり、S675を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110が第2印刷設定値生成部の一例である。
【0134】
その後、上記料金テーブルの送信要求の受信に対応して、データ処理サーバ100では料金テーブル記憶領域132に記憶されている料金テーブルが読み出され、複合機200へと送信される(S604)。その際、上記S675で生成された、上記第3参考印刷設定値及び第4参考印刷設定値を含む複数の参考印刷設定値も、併せて送信される。S604で実行する処理が第2情報送信処理の一例である。複合機200では、送信された料金テーブル及び参考印刷設定値が受信された後(S605)、さらにPC端末500へと送信される(S606)。S605で実行する処理が第1情報取得処理の一例であり、S606で実行する処理が第3情報送信処理の一例である。PC端末500では、送信された料金テーブル及び参考印刷設定値が取得される(S607)。S607で実行する処理が第2情報取得処理の一例である。
【0135】
その後、S643で、S607で受信した前述の料金テーブルを用いて、S607で受信した複数の印刷設定値それぞれに基づき印刷ジョブに含まれる画像データの印刷が行われる場合に、ユーザに課金されるべき料金がそれぞれ計算される。S607で受信された上記第3印刷設定値に対応して計算される料金が第3料金の一例であり、S607で受信された上記第4印刷設定値に対応して計算される料金が第4料金の一例である。またこのS643で実行する処理が、第4料金決定処理の一例であり、S643を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110は本変形例における料金決定部の一例である。
【0136】
その後、PC端末500では、S609において、S607で計算された複数の印刷設定値それぞれに対応する複数の料金が前述の表示装置の料金一覧表示画面において表示される。このときに表示装置において表示される料金一覧表示画面970の一例を
図21に示す。
【0137】
図21において、この料金一覧表示画面970には、第1印刷設定値表示ボタン971と、第2印刷設定値表示ボタン972と、第3印刷設定値表示ボタン973と、が備えられている。これら設定表示ボタンは、S675で生成された前述の参考印刷設定値の数に合わせ、図示のように3つではなく2つ設けられていてもよいし、4つ以上設けられていてもよい。この例では、S675において3つの参考印刷設定値が設定された場合を示している。
【0138】
第1印刷設定値表示ボタン971には、前述のように3つ設定された参考印刷設定値のうち第1番目であることに対応する「A:」の表記と、印刷設定値の内容及びこれに対応する料金を表す「部数1/用紙サイズA4/カラー ¥180」の表記と、がなされている。この印刷設定値の内容は、例えばこの時点で印刷部290において直近に適用された印刷設定値と同一となっている。すなわち、直近において、印刷部数1部、用紙サイズA4、印刷色カラー等の印刷設定値に基づき印刷部290により印刷が行われたことに対応し、前述のS675にて同一内容の印刷設定値が参考印刷設定値の1つとして生成されている。
【0139】
第2印刷設定値表示ボタン972には、前述のように3つ設定された参考印刷設定値のうち第2番目であることに対応する「B:」の表記と、印刷設定値の内容及びこれに対応する料金を表す「部数1/用紙サイズA3/カラー ¥360」の表記と、がなされている。この印刷設定値の内容は、例えばこの時点で印刷部290又は複合機200に備えられている消耗品情報に適合する内容となっている。例えば、消耗品情報の1つである、複合機200の給紙トレイに備えられている用紙サイズ情報がA3を表している場合である。例えば、消耗品情報の1つである、印刷部290に備えられた全インクカートリッジ内のインク残量情報が全色について十分な量であり、カラー印刷が良好に実行できる場合である。このような各種の消耗品情報の内容に対応した印刷設定値が、前述のS675にて参考印刷設定値の1つとして生成されている。
【0140】
第3印刷設定値表示ボタン973には、前述のように3つ設定された参考印刷設定値のうち第3番目であることに対応する「C:」の表記と、印刷設定値の内容及びこれに対応する料金を表す「部数1/用紙サイズA4/モノクロ ¥180」の表記と、がなされている。この印刷設定値の内容は、例えば所定期間内において印刷部290への適用頻度が最も高い印刷設定値と同一となっている。すなわち、上記所定期間において、印刷部290で、印刷部数1部、用紙サイズA4、印刷色モノクロ等の印刷設定値に基づく印刷が最も数多く行われたことに対応し、前述のS675にてそれと同一内容の印刷設定値が参考印刷設定値の1つとして生成されている。
【0141】
上記3つの印刷設定値表示ボタン971,972,973の表記内容を見たユーザがいずれかの印刷設定値により印刷してよいと判断した場合は、対応するいずれか1つの印刷設定値表示ボタン971~973を操作選択した状態で「料金OK」ボタン975を操作する(S610:Yes)。この場合、上記第2実施形態と同様、前述の
図14のS521以降の処理へと移行する。「料金OK」ボタン975の操作が本変形例における第2所定操作の一例である。上記印刷設定値表示ボタン971,972,973の表記内容の印刷設定値で印刷に進むのではなくそれに基づき印刷設定値の変更を行いたいとユーザが判断した場合は、「設定変更する」ボタン976の操作を行う(S510:No)。これにより、PC端末500の前述の表示装置には、例えば
図22(a)に示す印刷設定画面980が表示される。
【0142】
図示のように、この印刷設定画面980には、印刷する部数を入力する部数設定欄981と、用紙サイズを選択する用紙サイズ設定欄982と、カラーかモノクロかの印刷色を選択する印刷色設定欄983と、が備えられている。なお、前述と同様、図示を省略しているが、上記以外にも、用紙タイプ設定欄、印刷品質設定欄、フチ有無設定欄、等が設けられている。
図22(a)に示す例では、前述の第2印刷設定値表示ボタン972が選択されて「設定変更する」ボタン976が操作された後、ユーザによる変更がなされる前の状態を表している。
図22(a)に示す例では、部数設定欄981には「1」部と設定され、用紙サイズ設定欄982には「A3」サイズと設定され、印刷色設定欄983には「カラー」が設定されている。印刷設定画面980には上記設定欄981,982,983の内容に対応する料金の金額を表す、金額表示欄984が設けられている。
図22(a)に示す、変更前の状態では、上述した、1部、A3サイズ、カラーの設定値に対応して前述のS76で計算済の、「360円」が表示されている。
【0143】
図22(a)に示す印刷設定画面980が表示された状態で、ユーザは、前述の
図12と同様、印刷ジョブに対して設定したい印刷設定値の入力を行う(S501)。ユーザは、印刷設定画面980の各設定欄981,982,983等のうち、内容を置き換えたい欄に対し印刷設定値を改めて入力する。入力後、印刷設定画面980の「設定完了」ボタン985を操作することで、入力された印刷設定内容がPC端末500で受け付けられる(S502)。その後、PC端末500では、前述したS643に対応するS643′において、前述の料金テーブルを用いて、S502で受け付けた印刷設定値に基づき印刷ジョブに含まれる画像データの印刷が行われる場合にユーザに課金されるべき料金が計算される。S643′での計算結果は、その後にPC端末500の表示装置において表示される、例えば
図22(b)に示す印刷設定画面980において表示される(S609′)。
【0144】
図22(b)に示す印刷設定画面980は、前述したように、
図22(a)の印刷設定画面980において印刷色設定欄983の内容を変更した場合を示している。印刷色設定欄853において、
図22(a)の「カラー」から
図22(b)では「モノクロ」に変更されている。この変更に対応して、金額表示欄984には、「1部、A3サイズ、モノクロ」の印刷設定値に対応して前述のS643′で計算済の、「180円」が表示されている。
【0145】
図22(b)の印刷設定画面980を見たユーザが内容を確認し、そのまま印刷に進んでよいと判断した場合は、PC端末500の操作部を適宜に操作して印刷設定画面980の「設定完了」ボタン985を操作する(S510:Yes)ことで、前述の
図14のS521以降の処理へと移行する。
【0146】
一方、ユーザが印刷設定画面980に設けた「キャンセル」ボタン986を操作する(S510:No)ことにより、上記S501に処理が戻る。これにより、ユーザが印刷設定画面980の「設定完了」ボタン985を操作するまでは、S501~S609′が繰り返されることで何度でも印刷設定をやり直すことができる。
【0147】
これ以降の処理は、上記第2実施形態における
図14、
図17、
図19と同様の処理が行われるため、詳細な説明を省略する。なお、
図14、
図17、
図19におけるS533で実行する処理が、第3印刷ジョブ送信処理の一例である。S535で実行する処理が第3印刷ジョブ受信処理の一例である。S625で実行する処理が第4印刷ジョブ送信処理の一例である。S626で実行する処理が第4印刷ジョブ受信処理の一例である。S627で実行する処理が第3印刷処理の一例である。S576で実行する処理もまた第4料金決定処理の一例であり、S576を実行するデータ処理サーバ100のプロセッサ110もまた料金決定部の一例である。
【0148】
<変形例の効果>
以上のように構成した本変形例においても、上記第2実施形態と同様の効果を得る。また、本変形例では特に、以下の効果を得る。
【0149】
すなわち、本変形例では特に、PC端末500での所定操作を契機に、S675において、互いに異なる第3印刷設定値及び第4印刷設定値を含む複数の参考印刷設定値が新たに生成される。S643では、第3印刷設定値に対応する第3料金、及び、第4印刷設定値に対応する第4料金、が決定される。本変形例によれば、新たに生成した第3印刷設定値及び第4印刷設定値にそれぞれ対応する第3料金及び第4料金を決定できるので、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる(S609)。
【0150】
また、本変形例では特に、S675において第3及び第4印刷設定値が生成される際、印刷部290においてその時点の直近に使用された印刷設定値と同じものが生成される。前述の第1印刷設定値表示ボタン971の表記内容がその例である。これにより、印刷部290において直前に適用実績のある印刷設定値を有力な代替候補としてユーザに提示することができる。
【0151】
また、本変形例では特に、S675において第3及び第4印刷設定値が生成される際、印刷部290で使用された頻度が最も高い印刷設定値と同じものが生成される。前述の第3印刷設定値表示ボタン973の表記内容がその例である。これにより、印刷部290において最も多く使用されている印刷設定値を汎用性の高い代替候補としてユーザに提示することができる。
【0152】
また、本変形例では特に、S675において第3及び第4印刷設定値が生成される際、印刷部290に既に備えられている消耗品の状況を表す消耗品情報に適合する印刷設定値が生成される。前述の第2印刷設定値表示ボタン972の表記内容がその例である。これにより、その時点で印刷部290に設置されている例えば用紙の種類、インクの残量、等に合致する印刷設定値を代替候補としてユーザに提示することができる。後述のように複合機200がレーザ方式で印刷を行う場合にはトナーの残量に合致する印刷設定値をユーザに提示することも可能である。
【0153】
また、本変形例では特に、印刷ジョブの送信に先立ち、S600においてPC端末500で操作部の適宜の操作がなされたことを契機に、S675においてデータ処理サーバ100により印刷部290が画像を形成する際に適用可能な互いに異なる第3印刷設定値及び第4印刷設定値が新たに生成される。その後、S604においてデータ処理サーバ100により上記第3印刷設定値及び第4印刷設定値とともに料金テーブルが複合機200へ送信され、S605,S606を経てPC端末500へと送信され、S607で取得される。PC端末500では、取得した上記第3印刷設定値及び第4印刷設定値に対応して課される第3料金及び第4料金がS643において決定される。PC端末500では、所定操作がなされるまでは、上記S675,S604,S605,S606,S607,S643が繰り返される。これにより、ユーザが「料金OK」ボタン975を操作するまで、第3及び第4印刷設定値の生成とこれらに対応する第3及び第4料金の決定が繰り返し実行される。この結果、PC端末500において、それら第3料金及び第4料金を対応する第3印刷設定値及び第4印刷設定値とともにユーザに対し提示することができる(S609)。
その後、PC端末500において上記「料金OK」ボタン975の操作がなされ、印刷ジョブが送信されると、その印刷ジョブはS524において複合機200により取得された後、データ処理サーバ100へと送信され、S535において受信される。受信された印刷ジョブは、S542においてデータ処理サーバ100に記憶される。
その後、上記S643において決定された第3料金又は第4料金をユーザが了解しその決済を承認する決済承認がPC端末500から送信されると、S625においてデータ処理サーバ100により記憶されていた印刷ジョブが読み出され、複合機200へ送信される。送信された印刷ジョブはS626において受信された後、S627において印刷部290による画像の形成が行われる。
以上のように、本変形例によれば、データ処理サーバ100で新たに生成した第3及び第4印刷設定値で画像形成する場合の第3及び第4金額を含む、複数の印刷設定値に対応した複数の料金をユーザに対し提示することができる(S609)。ユーザは、上記新たに生成された第3印刷設定値又は第4印刷設定値によっていわゆるPCプリントを実行することができる。
【0154】
<その他、全実施形態共通の変形例>
また、以上では、印刷に係わる料金について、前述の料金テーブルを用いた「計算」による算出を例にとって説明しているが、料金を決定する手法はこれに限られない。すなわち、前述の料金テーブルとは別の料金テーブルにおいて、例えば印刷する用紙のページ数、及び、前述の印刷部数、用紙サイズ、印刷色、用紙タイプなどの基本的な情報、及び、画像データのデューティ比、印刷カバレッジ等を含む拡張的な情報、等の印刷設定値の複数の区分範囲それぞれに対し個別に料金金額が対応付けられていてもよい。そして、そのテーブルを参照し、特に演算をすることなく料金を決定してもよい。
例えば上記ページ数の例でいうと、1つのテーブルに、例えば印刷ページ数が〇ページ~△ページの場合××円、印刷ページ数が△ページ~□ページの場合××円、・・・・のように記録されている。そして印刷ファイルの印刷データにおけるページ数が取得されたら、当該テーブルを参照することで、前述のような計算による算出を行わなくても、直接料金を決定することができる。
【0155】
また、以上は、複合機200がインクジェット方式で印刷を行う場合に本発明を適用した例で説明したがこれに限られない。すなわち、複合機200がレーザ方式で印刷を行う場合にも本発明は適用でき、上記同様の効果を得る。さらにはインクジェット方式やレーザ方式にも限られず、熱転写方式等の他の公知の方式で印刷を行う複合機200に対しても適用可能である。
【0156】
また、以上において、
図2、
図5、
図8、
図12、
図14、
図17、
図19、
図20等に示すシーケンスフローは本発明を当該フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0157】
また、以上既に述べた以外にも、上記第1実施形態、第2実施形態、及び各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0158】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0159】
1 印刷システム
100 データ処理サーバ
110 プロセッサ(第2制御部の一例)
125 データ記憶領域(サーバメモリの一例)
200 複合機(印刷装置の一例)
210 プロセッサ(第1制御部の一例)
240 表示部
250 操作部
290 印刷部
300 モバイル端末
400 取引サーバ
500 PC端末