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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】配膳車
(51)【国際特許分類】
   A47B 31/00 20060101AFI20240711BHJP
   A47B 31/02 20060101ALI20240711BHJP
   F25D 23/12 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A47B31/00 H
A47B31/02 A
A47B31/02 D
A47B31/00 E
F25D23/12 L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023165997
(22)【出願日】2023-09-27
【審査請求日】2024-02-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504288627
【氏名又は名称】株式会社井上製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121418
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 修
(72)【発明者】
【氏名】井上 茂
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-071291(JP,A)
【文献】特開2021-094321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 31/00
A61G 12/00
F25D 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にカート収容室を有し、且つ該カート収容室内の食品を加熱するための加熱装置並びに同食品を冷却するための冷却装置を備えた配膳車本体と、該配膳車本体の前記カート収容室内に収容される配膳カートとで構成される配膳車であって、前記カート収容室は、前面に開口部を有し、該開口部に対して前記カート収容室の一側壁前縁に本体扉が開閉自在に取り付けてあり、少なくとも前記配膳カートは、下部に取り付けられたキャスターで移動可能であり、前記配膳カートは、上下壁および左右壁を有し、前後側に開口部を有する仕切り壁のないカート本体を備え、該カート本体の前記開口部に対して前記左右壁の一側壁前縁にカート扉が開閉自在に取り付けられており、前記配膳カートの左右壁には、互いに同一高さとなされた左右一対のカート内ステイが上下方向に所定間隔をあけて設けられ、前記カート内ステイは、カート本体の前後方向に伸び且つ前記左右壁からカート本体の中央側方向へ突出した形状となされ、前記左右一対のカート内ステイによって、ホテルパンおよび/またはトレイが前記配膳カート内に多段に配置可能となされており、カート本体内に冷気を供給する冷却装置と、蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記冷却装置から供給される冷気の供給と前記蒸気供給手段から供給される蒸気の供給を切換える切換ダンパーとが配膳車本体の上部に設けられ、該切換ダンパーによって、カート本体の上部から冷気と蒸気が選択的に供給されるようになされている、配膳車。
【請求項2】
切換ダンパーが、略立方体形状のダンパー本体と、ダンパー本体の上壁に形成された蒸気通過口と、ダンパー本体の側壁に形成された冷気通過口と、基部がダンパー本体の上壁と側壁が交わる隅部に回動自在に軸支された切換え用プレートを備え、該切換え用プレートが水平状態では、該プレートによって、前記蒸気通過口が閉止されると共に、前記冷気通過口が開放されて、冷気が供給され、前記切換え用プレートを90°回動させることで、該切換え用プレートによって、前記蒸気通過口が開放されると共に、前記冷気通過口が閉止されて、蒸気が供給されるようになされている、請求項1記載の配膳車。
【請求項3】
蒸気供給手段が、送風を行うファンと、ファンに隣接して設けられた蒸気発生装置と、蒸気発生装置に隣接して設けられ、蒸気発生装置で発生し、前記ファンによって送気される蒸気を加熱する加熱手段とが一体となった蒸気供給ユニットである、請求項1または請求項2記載の配膳車。
【請求項4】
蒸気供給ユニットにおける加熱手段がヒータである、請求項3記載の配膳車

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や介護施設等において、患者や入所者等に給食を提供する際に使用される配膳車に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に配膳車は、御飯やみそ汁等の温めて食べる食品を保管するための温蔵室と、サラダやデザート等の冷食で提供する食品を保管するための冷蔵室とに区画され、前記温蔵室ではヒータ等の加熱手段を用いて前記食品を所定の温度に加熱することが行われ、前記冷蔵室では冷却装置を用いて前記食品を所定の温度帯で冷却することが行われている。
【0003】
より詳細には、例えば2つの温蔵室と2つの冷蔵室を有する配膳車の場合、配膳車本体内において、冷却装置に連通して冷気流通用ダクトを兼ねた中間壁によって、左右2室に分けられ、更にこれら各室の中央部分には、仕切り壁部材が上下方向に列設されて、その一側が冷蔵室、他側が温蔵室となされたものが知られている。
【0004】
そして、前記各温蔵室の一方の側壁部には、ヒータを内蔵したダクト部が形成され、その天井部には、シロッコファンを有する送風ユニットが着脱可能に配設されている。また、各送風ユニットのオゾン発生室内には、当該送風ユニットの吸込口にオゾンを供給するオゾン発生器、オゾン発生回路部及び小型ファンが設けられている。そして、前記オゾン発生器によって発生されたオゾンは、送風ユニットの吸込口に供給され、該送風ユニットのシロッコファンによって、送風ユニットの吸込口からダクト部の吸気口に送り込まれ、ヒートパネルの両側端縁部の各貫通孔及び下端部の排気口から温蔵室内に供給される構造となされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005―95313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した構造の配膳車では、オゾン発生手段は温蔵室の天井部に着脱可能に配設される送風ユニットの本体内に設けられ、該オゾン発生手段から発生されたオゾンは、送風ユニットの送風手段によって温風の流路に沿って温蔵室内に供給されるため、オゾンを温蔵室内に送り込むための専用のオゾン送り用ファンや配管等を設ける必要が無く、製造コストの削減化を図ることができるというものであった。また、オゾン発生手段は温蔵室の天井部に着脱可能に配設される送風ユニットの本体内に設けられるため、該オゾン発生手段の点検・修理を容易に行うことができるというものであった。
しかしながら、前述したオゾン供給のために、通常のヒータ等の加熱手段や冷却装置の他に、前述したオゾン発生手段等が必要となり、また送風ダクトの複雑化につながる等の問題があった。
【0007】
また他のこの種配膳車では、オゾン発生手段は温蔵室の天井部に配設される送風ユニットの送風ユニット本体内に形成された流路部内に設けられ、該オゾン発生手段から発生されたオゾンは、オゾン送風手段によって送風ユニットの吸込口に送風され、その後、送風手段によってダクト部に供給されて温風の流路に沿って温蔵室内に循環されるため、オゾンを温蔵室内に送り込むための専用のオゾン送り用ファンや配管等を設ける必要が無く、製造コストの削減化を図ることができるというものであった。
しかしながら、このような配膳車の場合、温蔵室内の空気だけを送風ユニットの送風手段によって循環させながらオゾンを供給することができるため、温蔵室内の脱臭や雑菌繁殖の抑制効率の向上を図ることができるものの、前記オゾン発生手段を配膳車に設置するためのスペースの確保が難しいという問題があった。
また、前記送風ユニット内に形成された流路部内にオゾン発生手段が配設されるため、この流路部の空気排出口近傍に設けられたオゾン送風手段を停止することによって、温蔵室内の温風が直接、このオゾン発生手段に当たることを防止することができ、オゾン発生手段の長寿命化が図られ、更に、温蔵室内の空気だけを送風ユニットの送風手段によって循環させながらオゾンを供給することができるため、温蔵室内の脱臭や雑菌繁殖抑制の効率の向上できるというものであった。
【0008】
しかしながら、前述したいずれの配膳車においても、オゾン供給の効率化や製造コストの低廉化が図られるのみで、配膳車内に保管される食品の食感や食味等の向上を図ることができないという問題があった。
【0009】
また、前述した配膳車は、全体構造が一体のものであるため、病院や介護施設等において、給食を準備する厨房場所から給食を提供する場所までの移動にかなりの労力を必要とするという問題もあった。
【0010】
本発明の目的は、配膳車内に保管される食品の食感や食味等の向上を図ることができ、且つ移動も容易な配膳車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の本発明は、内部にカート収容室を有し、且つ該カート収容室内の食品を加熱するための加熱装置並びに同食品を冷却するための冷却装置を備えた配膳車本体と、該配膳車本体の前記カート収容室内に収容される配膳カートとで構成される配膳車であって、前記カート収容室は、前面に開口部を有し、該開口部に対して前記カート収容室の一側壁前縁に本体扉が開閉自在に取り付けており、少なくとも前記配膳カートは、下部に取り付けられたキャスターで移動可能であり、前記配膳カートは、上下壁および左右壁を有し、前後側に開口部を有する仕切り壁のないカート本体を備え、該カート本体の前記開口部に対して前記左右壁の一側壁前縁にカート扉が開閉自在に取り付けられており、前記配膳カートの左右壁内側には、互いに同一高さとなされた左右一対のカート内ステイが上下方向に所定間隔をあけて設けられ、前記カート内ステイは、カート本体の前後方向に伸び且つ前記左右壁からカート本体の中央側方向へ突出した形状となされ、前記左右一対のカート内ステイによって、ホテルパンおよび/またはトレイが前記配膳カート内に多段に配置可能となされており、配膳車本体の上部にカート本体内に、冷気を供給する冷却装置と、蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記冷却装置から供給される冷気の供給と前記蒸気供給手段から供給される蒸気の供給を切換える切換ダンパーとが設けられ、該切換ダンパーによって、カート本体の上部から冷気と蒸気が選択的に供給されるようになされている配膳車である。
【0012】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載の配膳車について、切換ダンパーが、略立方体形状のダンパー本体と、ダンパー本体の上壁に形成された蒸気通過口と、ダンパー本体の側壁に形成された冷気通過口と、基部がダンパー本体の上壁と側壁が交わる隅部に回動自在に軸支された切換え用プレートを備え、該切換え用プレートが水平状態では、該プレートによって、前記蒸気通過口が閉止されると共に、前記冷気通過口が開放されて、冷気が供給され、前記切換え用プレートを90回動させることで、該プレートによって、前記蒸気通過口が開放されると共に、前記冷気通過口が閉止されて、蒸気が供給されるようになされていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の本発明は、前記請求項1または請求項2記載の配膳車について、蒸気供給手段が、送風を行うファンと、ファンに隣接して設けられた蒸気発生装置と、蒸気発生装置に隣接して設けられ、蒸気発生装置で発生し、前記ファンによって送気される蒸気を加熱する加熱手段とが一体となった蒸気供給ユニットであることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の本発明は、請求項3記載の配膳車について、蒸気供給ユニットにおける加熱手段がヒータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るカート収容型配膳車は、 内部にカート収容室を有し、且つ該カート収容室内の食品を加熱するための加熱装置並びに同食品を冷却するための冷却装置を備えた配膳車本体と、該配膳車本体の前記カート収容室内に収容される配膳カートとで構成される配膳車であって、前記カート収容室は、前面に開口部を有し、該開口部に対して前記カート収容室の一側壁前縁に本体扉が開閉自在に取り付けており、前記配膳車本体並びに前記配膳カートは、それぞれの下部に取り付けられたキャスターで移動可能であり、前記配膳カートは、上下壁および左右壁を有し、前後側に開口部を有する仕切り壁のないカート本体を備え、該カート本体の前記開口部に対して前記左右壁の一側壁前縁にカート扉が開閉自在に取り付けられており、前記配膳カートの左右壁には、互いに同一高さとなされた左右一対のカート内ステイが上下方向に所定間隔をあけて設けられ、前記カート内ステイは、カート本体の前後方向に伸び且つ前記左右壁からカート本体の中央側方向へ突出した形状となされ、前記左右一対のカート内ステイによって、ホテルパンおよび/またはトレイが前記配膳カート内に多段に配置可能となされており、配膳車本体の上部にカート本体内に、冷気を供給する冷却装置と、蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記冷却装置から供給される冷気の供給と前記蒸気供給手段から供給される蒸気の供給を切換える切換ダンパーとが設けられ、該切換ダンパーによって、カート本体の上部から冷気と蒸気が選択的に供給されるようになされているものであるため、配膳にあたっては、配膳車本体のカート収容室からカートを引き出して、カートだけを配膳場所まで移動させることができることは勿論、配膳車本体の上部に設けられた蒸気供給手段によって、カートのトレイ収容室内の上部から適度の温度の蒸気を供給してトレイ上の御飯、主菜、副菜等を蒸気で適宜加熱することができるため、これら食品が乾燥せず、食感・食味に優れた給食の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る配膳車の斜視図である。
図2】同実施形態の配膳車の下部拡大斜視図である。
図3】同実施形態の配膳車の本体扉を開けた状態の正面図であって、配膳カートのカート扉が閉まった状態を示す。
図4】同実施形態の配膳車の本体扉を開けた状態の正面図であって、配膳カートのカート扉を開けた状態を示す。
図5】配膳カートの内部拡大正面図である。
図6】実施形態に係る配膳車本体の断面図である。
図7】切換ダンパーの断面図であって、(a)が冷気送入状態、(b)が蒸気送入状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0018】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0019】
なお、本発明の配膳車において、前後、左右および上下は、図3を基準とし、前とは図3の図紙面の表側方向を指し、後とは同裏側方向を意味する。また、左とは図3の左側方向を指し、右とは同右側方向を意味する。更に、上とは図3の上側方向を指し、下とは同下側方向を意味する。
【0020】
図1図3に示すように、本発明に係る配膳車1は、内部にカート収容室9を有し、且つ該カート収容室9内の食品を加熱するための加熱装置(図示せず)並びに同食品を冷却するための冷却装置(図示せず)を備えた配膳車本体10と、該配膳車本体10の前記カート収容室9内に収容される配膳カート5とで構成される。
【0021】
前記カート収容室9は、前面に開口部9aを有し、開口部9aに対して、前記カート収容室9の一側壁前縁の上下部分にそれぞれ設けられたヒンジ3を介して本体扉2が開閉自在に取り付けられており、該本体扉2の内面には該本体扉2を気密に閉止させるためのパッキン2aが方形枠状に貼着されている。
【0022】
また、前記配膳車本体10は、その下底面の四隅に移動用の本体キャスター4が取り付けられて、移動自在となされている。
【0023】
図3図5に示すように、前記配膳カート5は、上下壁17・18および左右壁19・20を有し、前後側部に開口部5bを有する仕切り壁のないカート本体5aを備え、該カート本体5aの前記開口部5bに対して、前記左壁19前縁の上下側部分にそれぞれ設けられたヒンジ6aを介してカート扉6が開閉自在に設けられ、また前記カート本体5aの下壁18の下面四隅にはカートキャスター7が取り付けられている。
【0024】
そして、本実施形態では、配膳カート5の左右壁19・20に、互いに同一高さとなされた左右一対のカート内ステイ8が上下方向に所定間隔をあけて設けられている。
【0025】
前記カート内ステイ8は、本実施形態では、カート本体5aの左右壁19・20から同カート本体5aの中央側方向へ伸び、ステイ幅中央部分に段部22を備え、該段部22からカート本体5aの中央側方向部分が下段部23、段部22からカート本体5aの中央側方向と反対側部分が上段部24となされている。また、本実施形態では、カート内ステイ8は、その基部に垂下壁8aが形成され、該垂下壁8aがボルトBで左右壁19・20に固定されることで該左右壁19・20に取り付けられている。更に、本実施形態では、カート内ステイ8は、その長さ方向に一定間隔で透孔21が列設されている。
前述した構造のカート内ステイ8によれば、フランジ11aを有するホテルパン11のパン本体11bを左右のカート内ステイ8における下段部23上に載置することができ、そして、同様の要領で各段の左右一対のカート内ステイ21の下段部23上にそれぞれホテルパン11を載置することで、該ホテルパン11が配膳カート5内に多段に収容され得る。
【0026】
また、本実施形態に係る前述したカート内ステイ8によれば、前記ホテルパン11ではなく、トレイ12のフランジ12aの左右部分を左右一対のカート内ステイ21の上段部24上に掛止することで、トレイ12をカート本体5a内に収容することもでき、そして、同様の要領で各段の左右一対のカート内ステイ8の上段部24上にそれぞれトレイ12を掛止することで、該トレイ12が配膳カート5内に多段に収容され得る。
【0027】
以上要するに、本実施形態に係る配膳車によれば、配膳カート5内に、ホテルパン11だけを多段に収容したり、トレイ12だけを多段に収容したり、或いはホテルパン11とトレイ12の両方を収容することもできる。そして、配膳車本体10の後壁9bから過熱蒸気や熱風等の加熱媒体や冷気を供給することで、前記ホテルパン11やトレイ12に載置された調理済食品を冷蔵したり、温蔵することができ、該温蔵による食品の再加熱後においては、配膳車本体10の本体扉2を開けると共に、配膳カート5のカート扉6を閉めて、該配膳カート5を病院や介護施設内の配膳場所まで移動させて入院患者や入所者に給食を提供することができる。なお、配膳カート5のカート扉6は、配膳カート5の前後にヒンジ6aを介してそれぞれ取り付けられており、配膳カート5を配膳車本体10内に収容する際には、各カート扉6を開けた状態で収容する。
【0028】
図6に示すように、配膳車本体10のカート収容室9内に収容されたカート5に対する蒸気と冷気の供給構造について説明すると、本実施形態では、前記カート5の天井壁17に、温冷気噴出口31Aが設けられ、配膳車本体10におけるカート収容室9の天井壁10aには、前記温冷気噴出口31Aと連通する温冷気噴出連通口31Bが形成されている。
また、前記温冷気噴出口31Aと温冷気噴出連通口31Bとの間には、前記温冷気噴出連通口31Bの周縁部に一体に固着された筒状ゴム部材Rを介在される。
【0029】
更に、本実施形態では、前記カート5の天井壁17には温冷気吸込口32Aが形成され、配膳車本体10におけるカート収容室9の天井壁10aには、前記温冷気吸込口32Aと連通する温冷気吸込連通口32Bが形成されている。温冷気吸込口32Aと温冷気吸込連通口32Bとの間にも、前記温冷気吸込連通口32Bの周縁部に一体に固着された筒状ゴム部材Rを介在される。
【0030】
そして、前記温冷気噴出連通口31Bの上部には切換ダンパー35が設けられ、該切換ダンパー35は蒸気と冷気の切換えを行うものである。
【0031】
図7に示すように、前記切換ダンパー35は、略立方体形状のダンパー本体41と、ダンパー本体41の上壁42に形成された蒸気通過口43と、ダンパー本体41の右側壁44に形成された冷気通過口45と、ダンパー本体41の隅部41aに回動自在に軸支CPされた切換え用プレート46と、該切換え用プレート46を回動させるモータ(図示せず)を備えている。そして、切換え用プレート46は、ダンパー本体41の隅部41a側を支点CPとして90°と回動するようになされている。なお、図48は、ダンパー本体41の下壁47に形成された送気口を示す。
【0032】
また、前記切換ダンパー35の上側には、後述する蒸気供給ユニット36が接続されている。
【0033】
前記蒸気供給ユニット36は、前記切換ダンパー35側にコイルヒータ等のヒータ37が配置され、該ヒータ37に隣接して蒸気発生器38が設けられ、更に蒸気発生器38に隣接してファン39が設けられている。そして、このような構成の蒸気供給ユニット36によれば、ファン39を回動させて、前記蒸気発生器38で発生した蒸気をヒータ37側に送り、該ヒータ37によって、蒸気が所定の温度に加熱される。この場合、蒸気温度は、特に限定されず、前記ヒータ37の出力設定によって、飽和蒸気や過熱蒸気等、必要に応じて種々の温度の蒸気が供給される。
【0034】
また、前記切換ダンパー35の切換え用プレート46が図7(a)の状態において、配膳車本体2におけるカート収容室10の天井壁10a上に設置された冷却装置40から冷気が切換ダンパー35側にファン42を介して送気されて、該冷気が切換ダンパー35を介してカート3内に供給され得る。この場合、冷気は温冷気噴出口31Aおよび温冷気噴出連通口31Bを介してカート収容室10内のカート3におけるトレイ収容室30内に供給される。
【0035】
一方、蒸気が供給される場合、前記切換ダンパー35の切換え用プレート46が図7(b)の状態において、蒸気供給ユニット36から所定温度の蒸気が送出され、切換ダンパー35を介して蒸気がカート3内に供給され得る。この場合も蒸気は温冷気噴出口31Aおよび温冷気噴出連通口31Bを介してカート収容室10内のカート3におけるトレイ収容室30内に供給されることとなる。
【0036】
また、温冷室11内に送入された冷気や蒸気は、温冷気吸込口33Aおよび温冷気吸込連通口33Bを介して回収され、図示しないダクトを介して蒸気供給ユニット36や冷却装置41側に循環するようになされている。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の配膳車によれば、比較的簡単な構成で冷気と所定温度の蒸気が供給されるため、
【符号の説明】
【0038】
1 配膳車
10 配膳車本体
5 カート
4 カートの天井壁
8 カート内ステイ
9 カート収容室
10a カート収容室の天井壁
11 ホテルパン
31A 温冷気噴出口
31B 温冷気噴出連通口
33A 温冷気吸込口
33B 温冷気吸込連通口
35 切換ダンパー
36 蒸気供給ユニット
37 ヒータ
38 蒸気発生器
39 ファン
41 ダンパー本体
46 切換え用プレート
【要約】
【課題】 配膳車内に保管される食品の食感や食味等の向上を図ることができる。
【解決手段】 内部にカート収容室9を有し、且つ該カート収容室9内の食品を加熱するための蒸気発生手段36並びに同食品を冷却するための冷却装置41を備えた配膳車本体10と、該配膳車本体10の前記カート収容室9内に収容される配膳カート5とで構成される配膳車であって、前記左右一対のカート内ステイ24によって、ホテルパン等が前記配膳カート5内に多段に配置され、配膳車本体10の上部にカート本体内に、冷気を供給する前記冷却装置41と、蒸気を供給する前記蒸気供給手段36と、冷気の供給と蒸気の供給を切換える切換ダンパー35とが設けられ、該切換ダンパー35によって、カート本体の上部から冷気と蒸気が選択的に供給されるようになされている。
【選択図】 図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7