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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】打ち合わせシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240711BHJP
   G06Q 10/0635 20230101ALI20240711BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/0635
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023173772
(22)【出願日】2023-10-05
(62)【分割の表示】P 2020147160の分割
【原出願日】2020-09-01
(65)【公開番号】P2023175941
(43)【公開日】2023-12-12
【審査請求日】2023-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】520336481
【氏名又は名称】株式会社シーサイト
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(74)【代理人】
【識別番号】100211753
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 紳吾
(72)【発明者】
【氏名】土屋 潤一
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-358343(JP,A)
【文献】特開2019-003257(JP,A)
【文献】特開2020-067686(JP,A)
【文献】特開2004-118686(JP,A)
【文献】特開2005-284567(JP,A)
【文献】特開2004-362088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の業者がそれぞれ利用する端末と、該端末にネットワークを介して接続されたサーバと、を備えた、複数のエリアを有する工事現場における打ち合わせのために用いられる打ち合わせシステムであって、
前記端末が、打ち合わせ時において特定の前記エリアにおける作業の予定を入力するための作業予定入力画面を作成する作業予定入力手段と、前記作業に関して予見される危険予知を入力するための危険予知入力画面を作成する危険予知入力手段と、作業の実績を入力するための作業実績入力画面を作成する作業実績入力手段と、入力補助手段と、を有し、
前記サーバが、前記端末により入力された前記作業予定入力画面を作業予定データ、前記端末により入力された前記危険予知入力画面を危険予知データ、及び、前記端末により入力された前記作業実績入力画面を作業実績データとして日付及びアカウントごとに集約して保存するものであり、
前記端末が、前記サーバにリクエストを送信することにより、前記サーバから送信された前記作業予定データ、前記危険予知データ、又は前記作業実績データを表示するものであり、
前記危険予知入力画面及び前記作業実績入力画面が、日付及びアカウントごとに集約された前記作業予定データに基づき編集され、かつ日付及びアカウントごとに集約された前記作業予定データの一部を含むものであり、
前記入力補助手段が、前記作業予定入力画面、前記危険予知入力画面、又は前記作業実績入力画面に予め記録された内容をサーバより抽出して表示し、ユーザーが選択することで当該記録された内容を入力するものであり、
日付及びアカウントごとに集約された前記作業予定データから前記作業実績データにおいて変更された内容が識別可能に表示されるものであり、
前記作業予定入力画面、前記危険予知入力画面、及び前記作業実績入力画面に入力された内容を外部に出力可能な打ち合わせシステム。
【請求項2】
前記危険予知入力画面が、前記作業の内容に関する前記危険予知を入力するために設定された入力項目を前記作業予定データに付加したものである請求項1記載の打ち合わせシステム。
【請求項3】
前記打ち合わせが繰り返し行われるものであり、
前記作業実績入力画面が、前回の前記打ち合わせにおいて入力された前記作業予定データを含むものである請求項1又は2記載の打ち合わせシステム。
【請求項4】
前記サーバが、複数の前記端末から入力された前記作業予定データ、前記危険予知データ、及び前記作業実績データを前記端末ごとに割り当てられた前記アカウントと関連付け、
該アカウントごとに整列して保存するものである請求項1~3いずれか1項に記載の打ち合わせシステム。
【請求項5】
前記作業予定入力画面が、入力項目として少なくとも前記作業の内容である「作業予定」と、前記作業に要する資機材又は大型機材である「搬入資機材」、及び「使用大型機材」と、を有し、
前記作業予定入力画面が、画像データを入力可能なものであり、
前記危険予知入力画面が、入力項目として少なくとも危険予知の内容である「KY活動」と、前記作業時に行う点検である「始業点検」と、及び各作業員のサインである「各自サイン」と、を有し、
前記作業実績入力画面が、入力項目として少なくとも前記作業の内容である「本日の作業実績」と、前記作業に用いた資機材又は大型機材である「搬入資機材」、及び「使用大型機材」と、を有する請求項1~4いずれか1項に記載の打ち合わせシステム。
【請求項6】
前記作業予定入力画面が、前記アカウントが他の前記アカウントが入力した内容と抵触する内容を入力した場合に、アラートを表示するアラート表示機能を有する請求項1~5いずれか1項に記載の打ち合わせシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は打ち合わせシステムに関し、更に詳しくは工事現場において各業者が有する情報を効率的に共有し、かつ紙資料の作成を省略することが可能な打ち合わせシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場においては、工事を請け負った元請け業者と規模の様々な複数の外注業者(企業、個人事業主)が共働して作業を行うことが通常である。これらの複数の外注業者が手掛ける作業には危険を伴うものが多く、またスペースや動線の取り合いが発生することも多くある。これらの作業場の不都合を調整し、また危険を予防するため、工事現場においては、少なくとも毎日1回、元請け業者の取り仕切りのもと、通常全ての外注業者が集まり打ち合わせが行われている。打ち合せにおいて、各業者が共有しようとする情報は、紙媒体の資料として共有されている。
【0003】
ちなみに、工事現場において用いられるシステムとして、例えば特許文献1の材料運搬履歴管理システムや特許文献2の削孔データ管理システムが挙げられる。
特許文献1のシステムは、土木工事において使用する土質材料や骨材等の運搬履歴を把握するためのシステムである。
また、特許文献2のシステムは、作業効率の向上と正確な管理データの取得を目的とする、補強部材を挿入するための削孔データ管理システムである。
【0004】
また、特許文献3の建築コミュニケーションシステムは、住宅等を建築するに際して、施主と建築業者とがコミュニケーションをとるためのシステムであり、施工途中に撮影された施工写真画像を表示する表示手段と打合せ日程を調整するための調整依頼送信手段及びこれを受け付ける打合せ日程登録手段を備えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-57882号公報
【文献】特開2019-90263号公報
【文献】特開2007-286792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の通り、工事現場における打ち合わせには紙資料が用いられる。このため、紙資料を作成する手間が掛かり、予定外に打ち合わせに参加する人数が増加又は減少した場合には資料の複製のために手間と時間が掛かる。また、打ち合わせは工事期間中毎日行われるものであり、資料は打ち合わせごとに用意されるものであることから、紙資源を膨大に消費することとなる。
【0007】
特許文献1のシステムや特許文献2のシステムは、それぞれ特定の目的で用いられるものであり、打ち合わせの用途に転用することは困難である。
【0008】
特許文献3のシステムにおいては、施主と建築業者との一対一、或いは一対複数のコミュニケーションを想定したものであり、複数の業者が相互に予定を確認及び調整する建築現場における打ち合わせには向かない。
また、施主と建築業者との関係においては、場所の取り合いや当日の進捗確認等、工事現場において業者間に必要となる情報共有は想定されておらず、同様に打ち合わせの用途に転用することは困難である。
【0009】
工事現場における打ち合わせにおいては、各業者それぞれが有する情報の共有が行われる。これにシステムを導入した場合、多岐にわたる共有すべき情報について、それぞれ人が入力することとなる。したがって、入力の手間が膨大となり、これに伴うヒューマンエラーの恐れも高くなる。
【0010】
本発明は、上述の課題を受けて開発されたものである。
すなわち、本発明は工事現場において各業者が有する情報を効率的に共有し、かつ紙資料の作成を省略することが可能な打ち合わせシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は鋭意検討の結果、作業予定入力画面、危険予知入力画面、及び作業実績入力画面を設け、複数の端末から入力されるデータを共通のサーバにおいて集約し、かつ危険予知入力画面及び作業実績入力画面が、作業予定データに基づき編集され、かつ作業予定データの一部を含んで編集されることで、上記課題を解決可能であることを見出した。本発明はこの知見に基づく。
【0012】
本発明は(1)、複数の業者がそれぞれ利用する端末と、端末にネットワークを介して接続されたサーバと、を備えた、複数のエリアを有する工事現場における打ち合わせのために用いられる打ち合わせシステムであって、端末が、打ち合わせ時において特定のエリアにおける作業の予定を入力するための作業予定入力画面を作成する作業予定入力手段と、作業に関して予見される危険予知を入力するための危険予知入力画面を作成する危険予知入力手段と、作業の実績を入力するための作業実績入力画面を作成する作業実績入力手段と、入力補助手段と、を有し、サーバが、端末により入力された作業予定入力画面を作業予定データ、端末により入力された危険予知入力画面を危険予知データ、及び、端末により入力された作業実績入力画面を作業実績データとして日付及びアカウントごとに集約して保存するものであり、端末が、サーバにリクエストを送信することにより、サーバから送信された作業予定データ、危険予知データ、又は作業実績データを表示するものであり、
危険予知入力画面及び作業実績入力画面が、日付及びアカウントごとに集約された作業予定データに基づき編集され、かつ日付及びアカウントごとに集約された作業予定データの一部を含むものであり、入力補助手段が、作業予定入力画面、危険予知入力画面、又は作業実績入力画面に予め記録された内容をサーバより抽出して表示し、ユーザーが選択することで当該記録された内容を入力するものであり、日付及びアカウントごとに集約された作業予定データから作業実績データにおいて変更された内容が識別可能に表示されるものであり、作業予定入力画面、危険予知入力画面、及び作業実績入力画面に入力された内容を外部に出力可能な打ち合わせシステムに存する。
なお、以下本願明細書において、打ち合わせが実施される時点を「作業開始時」という。
また、端末を操作する業者を「ユーザー」という。
【0013】
本発明は(2)、危険予知入力画面が、作業の内容に関する危険予知を入力するために設定された入力項目を作業予定データに付加したものである上記(1)記載の打ち合わせシステムに存する。
【0014】
本発明は(3)、打ち合わせが繰り返し行われるものであり、作業実績入力画面が、前回の打ち合わせにおいて入力された作業予定データを含むものである上記(1)又は(2)記載の打ち合わせシステムに存する。
【0015】
本発明は(4)、サーバが、複数の端末から入力された作業予定データ、危険予知データ、及び作業実績データを端末ごとに割り当てられたアカウントと関連付け、アカウントごとに整列して保存するものである請求項1~3いずれか1項に記載の打ち合わせシステムに存する。
【0016】
本発明は(5)、作業予定入力画面が、入力項目として少なくとも作業の内容である「作業予定」と、作業に要する資機材又は大型機材である「搬入資機材」、及び「使用大型機材」と、を有し、作業予定入力画面が、画像データを入力可能なものであり、危険予知入力画面が、入力項目として少なくとも危険予知の内容である「KY活動」と、作業時に行う点検である「始業点検」と、及び各作業員のサインである「各自サイン」と、を有し、作業実績入力画面が、入力項目として少なくとも作業の内容である「本日の作業実績」と、作業に用いた資機材又は大型機材である「搬入資機材」、及び「使用大型機材」と、を有する(1)~(4)いずれか1つに記載の打ち合わせシステムに存する。
【0017】
本発明は(6)、作業予定入力画面が、アカウントが他のアカウントが入力した内容と抵触する内容を入力した場合に、アラートを表示するアラート表示機能を有する上記(1)~(5)いずれか1つに記載の打ち合わせシステムに存する。
【発明の効果】
【0018】
打ち合わせシステムにおいては、サーバが、作業予定データ、危険予知データ、及び、作業実績データとして集約して保存するものであることにより、複数の業者が有する情報を集約することが可能となる。
【0019】
また、端末が、作業予定データ、危険予知データ、又は作業実績データを表示するものであることにより、当該工事現場で作業をする全ての業者が参加する打ち合わせのみならず、一部の業者のみで行われる打ち合わせにおいても、打ち合わせシステムに入力された内容を基に打ち合わせ(情報共有)を行うことが可能である。また、新たに情報共有のために紙資料を作成する手間が省かれる。
【0020】
また、危険予知入力画面及び作業実績入力画面が、作業予定データに基づき編集され、かつ作業予定データの一部を含んで編集されるものであることにより、危険予知入力画面や作業実績入力画面において、新たに作業内容を入力する必要がなく、ユーザーの入力の負担が軽減される。
また、ユーザーによる入力漏れ等のヒューマンエラーを防止することが可能となる。
【0021】
打ち合わせシステムは、危険予知入力画面が、作業の内容に関する危険予知を入力するために設定された入力項目を作業予定データに付加したものであることにより、危険予知入力画面において、新たに作業内容を入力する必要がなく、ユーザーの入力の負担が軽減される。
また、ユーザーによる入力漏れ等のヒューマンエラーを防止することが可能となる。
【0022】
打ち合わせシステムは、作業実績入力画面が、前回の打ち合わせにおいて入力された作業予定データを含むものであることにより、作業実績入力画面において、新たに作業内容を入力する必要がなく、ユーザーの入力の負担が軽減される。
また、ユーザーによる入力漏れ等のヒューマンエラーを防止することが可能となる。
【0023】
打ち合わせシステムにおいては、入力補助手段が、作業開始時より前に入力された内容をサーバより抽出して表示し、ユーザーが選択することで当該選択された内容を入力するものであることにより、ユーザーの入力作業に係る負担を軽減し、入力ミスを防止することが可能となる。
【0024】
打ち合わせシステムにおいては、入力補助手段が、予め記録された内容を表示し、ユーザーが選択することで当該記録された内容を入力するものであることにより、ユーザーの入力作業に係る負担を軽減し、入力ミスを防止することが可能となる。
【0025】
打ち合わせシステムは、サーバが、複数の端末から入力された作業予定データ、危険予知データ、及び作業実績データを端末ごとに割り当てられたアカウントと関連付け、アカウントごとに整列して保存するものであることにより、例えば作業予定データが業者単位で整列されることとなる。したがって、データの視認性が向上し、打ち合わせにおける情報共有を効率化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、打ち合わせシステムを示す説明図である。
図2図2は、打ち合わせシステムを示すブロック図である。
図3図3は、作業予定入力画面を示す説明図である。
図4図4は、危険予知入力画面を示す説明図である。
図5図5は、作業実績入力画面を示す説明図である。
図6図6は、作業予定データから、危険予知データ及び作業実績データが作成されるフローを示す説明図である。
図7図7は、端末に表示される作業予定データの例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0028】
本発明の打ち合わせシステムは、土木、建築等の工事現場において毎日行われる打ち合わせのために用いられるものである。工事現場においては複数の業者が参加し、工事を行うことが通常である。
例えば、建築のための工事現場においては、足場を組む業者、コンクリートを扱う業者等の業者が参加し、情報共有のために打ち合わせが行われる。そのため、業者ごとに端末が割り当てられ、各端末を操作する業者がそれぞれユーザーとなり、ユーザーごとにアカウントが割り当てられる。
【0029】
図1は、打ち合わせシステムを示す説明図である。
打ち合わせシステムは、サーバと、該サーバとネットワークを介して接続された複数の端末により構成される。
【0030】
サーバは、データ処理機能とデータ保存機能を有する。サーバは、複数の端末から入力されたデータを集約して保存する。
なお、サーバは単一であっても、複数であってもよく、クラウド上に存在するものであってもよい。
また、ネットワークは有線であっても無線であってもよい。
【0031】
端末は、データ入力機能及びデータ出力機能を有する。端末には、公知のスマートフォンやタブレット、PC等を利用することができる。この場合、端末のデータ入力機能としては画面のタッチ操作やキーボード、マウス等による入力操作を、データ出力機能としては画面表示等を用いることができる。
【0032】
図2は、打ち合わせシステムを示すブロック図である。
端末は、打ち合わせ時における作業の予定を入力するための作業予定入力画面を作成する作業予定入力手段と、作業に関して予見される危険予知を入力するための危険予知入力画面を作成する危険予知入力手段と、作業の実績を入力するための作業実績入力画面を作成する作業実績入力手段と、入力補助手段と、を有する。
作業予定入力手段、危険予知入力手段、作業実績入力手段、及び入力補助手段は、予め端末にインストールするアプリケーションとして設けられる。これらについては、後述する。
【0033】
図3は、作業予定入力画面を示す説明図である。
上述したように、端末には予め作業予定入力手段がアプリケーションとしてインストールされており、当該作業予定入力手段が作業予定入力画面を作成する。作業予定入力画面は、入力すべき項目が最上段に固定の項目として表示された複数の行列形式の表である。
本実施形態においては、作業の予定を入力する「明日の作業予定」、工事現場に搬入される資材を入力する「搬入資機材」、及び、使用する大型機材を入力する「使用大型機材」の3つの表題の表が設けられている。
作業予定入力画面において、これら複数の表に項目を分けることにより、それぞれの項目についてユーザーが作業の予定を入力する。これにより、例えば同一時間帯に複数の大型機材が搬入される予定があることが作業予定データとして保存されることとなり、工事現場における支障の有無を打ち合わせにおいて判断することが容易となる。
【0034】
ここで、上述した表の一行目には、予め作業予定入力手段に設定された入力すべき項目が表示されており、ユーザーは2行目以下の空欄にそれぞれ対応する内容を入力する。例えば、「明日の作業予定」の表においては、1行目に「作業現場」、「作業内容」、「予定時間」、「人数」、「予定作業員」及び「注意事項」と表示されている。作業の予定を入力するユーザーは、作業予定入力画面において入力しようとする空欄を選択することにより、当該空欄が入力可能な状態となる。
【0035】
例えば、A-1エリアにおいて10時から15時までの作業予定を入力しようとする場合、ユーザーは「明日の作業予定」の表において2行目以下の「作業現場」列の空欄を選択し、「A-1エリア」と入力する。
次に、同じ行の「予定時間」を選択して「10:00~15:00」と入力することで、上記内容が作業予定入力画面に入力される。
【0036】
端末は、ユーザーの入力を補助する入力補助手段を有する。
入力補助手段は、入力補助手段のユーザーが入力のために空欄を選択すると、当該項目において予め登録された内容をサーバより抽出して表示する。また、過去に(例えば、前日に)同一項目において作業予定入力画面に入力された内容がある場合、当該内容を表示する。
ユーザーが、表示された内容又は過去の入力内容を選択すると、入力補助手段により、当該内容が作業予定入力画面に入力される。
【0037】
例えば、「作業現場」項目においては、「A-1エリア」、「A-2エリア」、及び「A-3エリア」を予め登録された内容を表示することができる。
また、前日には「作業現場」項目に「北側外構エリア」と入力されたとする。この場合、ユーザーが作業予定入力画面において、「作業現場」の空欄を入力のために選択すると、入力補助手段が予め登録された「A-1エリア」、「A-2エリア」、及び「A-3エリア」、並びに過去の入力内容である「北外構エリア」を表示する。
【0038】
ユーザーの入力したい内容が、入力補助手段により表示された内容のいずれかである場合、ユーザーが当該内容を選択することにより、入力補助手段により入力表示画面に入力される。例えば、上記の例でユーザーが、表示された「A-1エリア」を選択すると、「作業現場」項目の空欄に「A-1エリア」と入力される。
端末が入力補助手段を有することにより、ユーザーの入力作業に係る負担を軽減し、また入力ミスを防止することが可能となる。
【0039】
ユーザーが作業の予定を入力した作業予定入力画面は、作業予定データとして、端末からネットワークを介してサーバに送信され、サーバに保存される。
ここで、サーバは複数の端末からここに送信される作業予定データを、作業予定の日付及びアカウント(すなわち業者)ごとに集約して保存する。作業は連日行われるものであり、作業予定データは作業を予定している日付ごとに集約して保存されることで、日付ごとに参照することが可能な状態となる。
【0040】
また、アカウントごとに集約することで同一の業者が手掛ける作業が集約されて参照可能な状態となり、例えば特定の業者における作業員のみでの打ち合わせの際に用いることができる。
【0041】
作業予定入力画面においては、必要に応じてbmp形式、jpg形式等による画像データを入力することができる。これにより、予め設定した入力項目に加えて、作業予定の動線を示す図面等の追加的な情報を、作業予定データとしてサーバに保存することが可能となる。
【0042】
図4は、危険予知入力画面を示す説明図である。
ここで、危険予知とは工事現場で予定されている作業に関して、予め予見される危険とそれに対する対策を確認する作業である。
上述したように、端末は予め危険予知入力手段をアプリケーションとしてインストールされており、当該危険予知入力手段が危険予知入力画面を作成する。
危険予知入力手段は、作業予定データに基づき編集される。
【0043】
また、危険予知入力手段は作業予定データの一部を含むものである。具体的には、行列形式に集約された作業の予定に関する作業予定データに入力項目を列として付加して編集された表と、作業予定データとは独立に生成される表との、複数の表として危険予知入力画面を作成する。
【0044】
危険予知入力手段において、作業予定データから作成される表である「KY活動」の表は、作業手予定入力画面同様に1行目に予め設定された入力項目が表示されている。本実施の形態において、危険予知入力画面においては、作業予定データに入力項目として「作業の危険性」、「低減対策」、「重篤性」、及び「評価点」が項目として加えられる。すなわち、作業予定入力画面における「明日の作業予定」の表に付加された入力項目の数だけ列が加えられた表となっている。
【0045】
また、本実施の形態において危険予知入力画面には作業予定データと独立して「始業点検」、「各自サイン」及び「危険予知活動」の表が加えられている。
これらの表は、作業予定入力画面と同様に、2行目以降が入力のための空欄となっている。ユーザーが入力しようとする空欄を選択することにより、当該空欄が入力可能な状態になる。
【0046】
端末は入力補助手段を有し、上述作業予定入力画面におけるものと同様に、過去に危険予知入力画面に入力された内容及び/又は予め登録された内容を表示することで、ユーザーの入力を補助する。
【0047】
危険予知入力画面においては、ユーザーが入力した内容を画像として入力することが可能である。
例えば、作業員の健康状態について当該作業員が、画面タッチにより入力した署名をbmp形式等の画像として入力することができる。
【0048】
ユーザーが危険予知を入力した危険予知入力画面は、危険予知データとして端末からネットワークを介してサーバに送信され、日付及びアカウントごとに集約されて保存される。
【0049】
図5は、作業実績入力画面を示す説明図である。
上述したように、端末は予め作業実績入力手段をアプリケーションとしてインストールされており、当該作業実績入力手段が作業実績入力画面を作成する。作業実績入力画面は、作業予定データに基づき編集される。
また、作業実績入力画面は、作業予定データの一部を含むものである。作業予定データ同様の行列形式の表として作成される。
すなわち、作業実績入力画面においては、作業予定データの内容が予め入力項目として入力された状態となっている。
【0050】
本実施の形態において、作業実績入力画面は作業予定入力画面における「明日の作業予定」、「搬入資機材」及び「使用大型機材」それぞれの表に対応する、「本日の作業実績」、「搬入資機材」及び「使用大型機材」の3つの表からなる。
作業予定入力画面においては、作業予定入力画面同様にそれぞれの表における2行目以降が入力欄である。ユーザーが入力しようとする欄を選択することにより入力可能な状態となり、ユーザーは予定された作業、すなわち作業予定入力画面において入力された内容について、作業の実績を入力する。
【0051】
作業実績入力画面においては、予め入力された作業予定データと作業実績入力画面において入力された内容が、識別可能に表示される。
具体的には、両者は異なる書体や色で表示される。
本実施の形態において、予め入力された作業予定データは黒字で表示されている。
一方で、作業実績入力画面においてユーザーが入力した内容は赤字で表示され、ユーザーが予め入力された項目を削除した場合は赤字、かつ取り消し線を付した状態で表示される。
【0052】
例えば、作業予定データにおいて入力された作業内容が実施されなかった場合、ユーザーが当該項目を選択し作業予定データにあった作業内容を削除することで、作業実績入力画面においては、当該項目は当初の作業予定データから変更された内容が赤字、又は赤字かつ取り消し線を付した状態で表示されることとなる。
これにより、作業の予定と作業の実績との相違点が視認しやすい状態となり、予定通りに行われなかった内容が容易に認識できることとなる。このため、打ち合わせにおける情報共有の効率化を図ることが可能となる。
【0053】
作業実績入力画面において、端末は作業予定入力画面及び危険予知入力画面と同様の入力補助手段を有し、過去に危険実績入力画面に入力された内容又は予め登録された項目を表示することで、ユーザーの入力を補助する。
【0054】
ユーザーが作業の実績を入力した作業実績入力画面は、作業実績データとして、端末からネットワークを介してサーバに送信され、日付及びアカウントごとに集約されて保存される。
【0055】
図6は、作業予定データから、危険予知データ及び作業実績データが作成されるフローを示す説明図である。
上述してきたように、危険予知入力画面及び作業実績入力画面は作業予定データを編集することにより作成される。
このため、例えば危険予知入力画面や作業実績入力画面において、新たに作業内容を入力する必要がなく、ユーザーの入力の負担が軽減される。
また、ユーザーによる入力漏れ等のヒューマンエラーを防止することが可能となる。
【0056】
図7は、端末に表示される作業予定データの例である。
打ち合わせシステムにおいては、サーバに集約された作業予定データ、危険予知データ、又は作業実績データを出力する出力機能を有する。
端末においては、出力機能として端末からサーバにリクエストを送信することにより、サーバから作業予定データ、危険予知データ、又は作業実績データが送信され、端末に表示される。
端末においては、これらのデータを適宜の方法により表示する。
例えば、作業予定データ、危険予知データ、及び作業実績データをタブ形式で表示し、ユーザーがタブを切り替えることにより、任意のデータを表示する。
【0057】
端末が作業予定データ、危険予知データ、又は作業実績データを表示することにより、当該工事現場で作業をする全ての業者が参加する打ち合わせのみならず、一部の業者のみで行われる打ち合わせにおいても、打ち合わせシステムに入力された内容を基に情報共有を行うことが可能である。
また、新たに情報共有のために紙資料を作成する手間が省かれる。
【0058】
さらに、サーバが複数の端末から入力されたデータを端末ごとに割り当てられたアカウントと関連付け、アカウントごとに整列して保存するものであることにより、例えば作業予定データが業者単位で整列されることとなる。したがって、端末が表示する現状データの視認性が向上し、打ち合わせにおける情報共有を効率化することが可能となる。
【0059】
また、打ち合わせシステムは、出力機能により現状データをデータとして、例えばpdf形式により外部に出力する。
これにより、サーバに集約された各種のデータを外部のコンピュータで利用したり、紙に出力したりすることが可能となる。
例えば、危険予知入力画面における作業員のサイン等を外部のコンピュータに表示させることができる。
【0060】
打ち合わせシステムにおいては、特定のアカウントを予め管理者権限を有するアカウントとして設定することが可能である。管理者権限は、端末の入力権限を付与又は撤回したり、作業予定入力画面、危険予知入力画面、及び作業実績入力画面において予め設定された入力項目の増減や変更を行うことができる権限である。
管理者権限は、例えば工事全体の進行管理を担う元請け業者に割り当てることができる。これにより、業者の増減に対応し、当該現場の作業に応じた入力項目を設定することができる。
【0061】
以下、打ち合わせシステムを適用する流れについて述べる。
打ち合わせが行われる時間(作業開始時)を、当日の13時とする。打ち合わせ時においては、各ユーザーにより、打ち合わせシステムに作業予定データ及びこれに対応する危険予知データが入力された状態となっている。
また、打ち合わせ当日の作業実績データが入力された状態となっている。
【0062】
具体的に言うと、例えば6月2日の打ち合わせ時においては、6月3日に行われる作業の予定である作業予定データ、当該作業に関する危険予知である危険予知データ、及び作業実績データが入力された状態となっている。6月2日当日の作業実績データは、13時以降に行われる作業、すなわち打ち合わせの時点で完了していない作業についても入力された状態となっている。仮に、作業実績データの内容と実際に完了した作業とに差異が生じた場合、当該差異は、作業終了時に作業実績入力画面より実際に完了した作業の内容が入力されることで修正される。すなわち、6月2日の打ち合わせの時点では、前日である6月1日についての作業実績データは、6月1日の作業終了時に修正された状態となっている。
【0063】
これにより、前日までの進捗、当日の作業予定、これに伴う危険予知、及び仮の当日の作業実績が、現状データとして集約された状態となっている。
打ち合わせにおいては、各ユーザーが利用する端末に現状データを表示することにより情報共有を行う。
【0064】
上述の通り、ユーザーは作業終了時に既に入力された作業実績データを実際に完了した作業に則して修正する。
具体例に則して述べると、ユーザーは、6月2日の作業終了時に作業実績入力画面から、6月2日についての実際に完了した内容に則して作業の実績を入力(修正)する。この入力は、翌日である6月3日の打ち合わせ時までに行われる。同様に、翌日である6月3日の作業の予定についての作業予定データも、6月3日の打ち合わせ時までに、適宜、ユーザーにより入力される。
これらの入力された作業予定データ、及び作業実績データは、翌日6月3日の打ち合わせにおいて用いられる。
なお、危険予知データは翌日6月3日の作業前の朝礼時までに、適宜、ユーザーにより入力され、6月3日の朝礼におけるKY(危険予知)活動において用いられる。
【0065】
ここで、打ち合わせシステムが端末からのリクエストに応じ作業予定データ、危険予知データ、又は作業実績データを表示するものであることにより、全ての業者が参加する打ち合わせ以外においても、現状データを利用することが可能となる。
例えば、危険予知活動は、工事現場を区分けした区域ごと、或いは扱う重機ごと等の単位で、これに関係するユーザーのみで行うことが可能である。
【0066】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0067】
作業予定入力画面、危険予知入力画面、及び作業実績入力画面における表の個数及び入力項目は任意である。
【0068】
本実施の形態において、作業予定入力手段、危険予知入力手段、及び作業実績入力手段は端末にインストールされたアプリケーションとして設けられているが、サーバにインストールするものとしてもよい。
この場合、端末にアプリケーションをインストールしないので、端末の空き容量に左右されず、さらに端末の種類を限定することなく、スマホ、タブレット、パソコンなどユーザーが所有する端末を使用することができるとともに、端末側に一切データを持たないので同期などの必要がない。
【0069】
作業予定入力画面において、アラート機能を設けることが可能である。アラート機能は、例えば、複数のアカウントが同一の時間に同一の場所を使用する予定を入力し、これが実現不可能であると判断される場合、干渉があるものとして当該作業予定入力画面にアラートを表示するものである。
干渉の有無の判定基準は、予め設定してサーバ又は端末に保存することも、機械学習により作成することも可能である。
【0070】
本実施の形態において、作業予定入力画面、危険予知入力画面、及び作業実績入力画面は、各画面から直接入力する形式としているが、これに限られない。
例えば、ユーザーが入力したい項目を選択すると、別途入力のためのダイアログが表示される形式とすることが可能である。この場合、入力する項目に応じて直接入力の他、プルダウンによる選択方式等、適宜の入力方式を設定することができ、入力に係るユーザーの負担を軽減し、入力ミスを防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の打ち合わせシステムは、工事を請け負った元請け業者と規模の様々な複数の外注業者(企業、個人事業主)が共働して作業を行う工事現場の打ち合わせにおいて、広く用いることが可能である。
また、単独の業者が作業を行う現場においても、効率的な情報共有のために用いることが可能である。
【符号の説明】
【0072】
A・・・打ち合わせシステム
1・・・サーバ(クラウドサーバ)
2・・・端末
M1・・・作業予定入力手段
M2・・・危険予知入力手段
M3・・・作業実績入力手段
M4・・・入力補助手段
D1・・・作業予定データ
D2・・・危険予知データ
D3・・・作業実績データ
S1・・・作業予定入力画面
S2・・・危険予知入力画面
S3・・・作業実績入力画面
U・・・ユーザー
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図7