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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】農作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 35/04 20060101AFI20240711BHJP
   A01B 33/12 20060101ALI20240711BHJP
   A01B 33/08 20060101ALI20240711BHJP
   A01B 63/104 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A01B35/04 B
A01B33/12 B
A01B33/08 G
A01B63/104
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019194453
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2021065182
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】小澤 英樹
(72)【発明者】
【氏名】末平 直土
(72)【発明者】
【氏名】河原 文雄
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-095315(JP,A)
【文献】特開2006-020562(JP,A)
【文献】特開平06-343307(JP,A)
【文献】特開2000-029525(JP,A)
【文献】特開平04-063504(JP,A)
【文献】実開昭50-120916(JP,U)
【文献】実開昭52-017713(JP,U)
【文献】特開平06-153604(JP,A)
【文献】実開昭51-082614(JP,U)
【文献】特開2006-180798(JP,A)
【文献】特開2000-172356(JP,A)
【文献】独国特許発明第00948563(DE,C2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/00 - 33/16
A01B 35/00 - 35/32
A01B 59/00 - 59/06
A01B 63/00 - 63/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪と、
後輪と、
前記前輪と前記後輪との間で、前後方向に延びているメインフレームと、
前記メインフレームの前方側に接続され、前記メインフレームから下方に延び、前記前輪が取り付けられた前輪フレームと、
前記メインフレームの後方側に接続され、前記メインフレームから下方に延び、前記後輪が取り付けられた後輪フレームと、
前記メインフレームに接続され、前記メインフレームから下方に延びている接続部材と、
前記前輪と前記後輪との間において前記接続部材の下端に設けられ、圃場を耕す作業部と、
前記後輪の後方に設けられる第1整地部材と、
を有し、
前記作業部が上方に移動した状態において、前記接続部材の上端は前記メインフレームより上方に突出せず、
前記接続部材は、作業部昇降機構を介して前記作業部を支持し、
前記作業部は、回転する爪軸と、前記爪軸に取り付けられ、圃場を耕す作業爪と、前記作業爪の後方に設けられる第2整地部材と、を有し、
前記第1整地部材の上下回動は、前記第2整地部材の上下回動に連動する自走式の農作業機。
【請求項2】
左右方向において、前記第1整地部材の幅は、前記第2整地部材の幅より大きい、請求項に記載の農作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農作業機に関する。特に、本発明は自走式の農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、農作業の労働時間を軽減するために農作業機のオートマチック化が進められ、様々な農作業機が開発されている。特に、トラクタ等の走行機体の後方に装着され、耕耘や代かきなど、作業の種類に応じて交換可能な農作業機(耕耘機や代かき機)は、トラクタ等の走行機体に対してアタッチメントのように交換するだけで様々な農作業に対応することが可能であり、農作業のコスト低減に大きく寄与している。
【0003】
特に、近年無人で農作業を行う自走式の農作業機の開発が進められている。現在、無人の自走式の農作業機の開発は、走行機体を主体として進められており、例えば耕耘や代かきなどの農作業を無人で実現する場合、これらを走行機体に牽引させる構成のものしかなかった(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-201444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような牽引式の農作業機の場合、大面積の圃場では作業効率が良いが、たくさんの小面積の圃場が分散して存在する場合、圃場の数が多い分、全体の作業時間に対する圃場間の移動に要する時間の割合が大きくなるため、効率的な作業を行うことができなかった。また、上記のような農作業機は非常に大きいため、移動するためには大型トラックを準備する必要があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされた発明であり、走行機体による牽引を必要としない、新たな構成の自走式農作業機を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態における農作業機(100)は、前輪(300)と、後輪(400)と、前記前輪と前記後輪との間に設けられ、圃場を耕す作業部(500)と、前記後輪の後方に設けられる第1整地部材(600)と、を有する。
【0008】
前記作業部は、回転する爪軸と、前記爪軸に取り付けられ、圃場を耕す作業爪と、を有してもよい。
【0009】
前記作業部は、前記作業爪の後方に設けられる第2整地部材(750A)を有してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、走行機体による牽引を必要としない、新たな構成の自走式農作業機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る農作業機の構成を示す側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る農作業機の構成を示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る農作業機の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の農作業機について説明する。但し、本発明の農作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号又は同一の符号の後にアルファベットを付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
本願の明細書及び特許請求の範囲において、「上」は圃場から垂直に遠ざかる方向を示し、「下」は圃場に向かって垂直に近づく方向を示す。また、「前」は農作業機が圃場に対して作業をしながら進行する方向を示し、「後」は前とは180°反対の方向を示す。また、「左」又は「右」は、農作業機が前方を向いた状態における左右方向を示す。
【0014】
また、本願の明細書及び特許請求の範囲において、平面視における農作業機の中心線(進行方向に平行な線)を基準としたとき、相対的に、中心線に近い側を「内側」と呼び、中心から遠い側を「外側」という。「耕す」は、少なくとも「代かき」、「耕耘」、及び「砕土」を含む。
【0015】
以下の実施形態では、農作業機として代かき機を代表的に例示するが、この例に限定されない。例えば、代かき機以外にも耕耘機、砕土機など、圃場を耕耘する農作業機に本発明を適用することができる。また、特に技術的な矛盾が生じない限り、異なる実施形態間の技術を組み合わせることができる。また、特に技術的な矛盾が生じない限り、ある実施形態の変形例として挙げられた技術思想は、他の実施形態にも適用することができる。
【0016】
〈第1実施形態〉
[農作業機100の構成]
本実施形態の農作業機100は、前進しながら無人で作業を行う自走式の作業機である。図1は、本発明の一実施形態に係る農作業機の構成を示す側面図である。図1に示すように、農作業機100は、フレーム200、前輪300、後輪400、作業部500、及び第1整地部材600を有する。
【0017】
フレーム200は、メインフレーム210、1対(2つ)の前輪フレーム220、及び1対(2つ)の後輪フレーム230を備える。メインフレーム210は、農作業機100の骨格を構成する部材である。メインフレーム210は、前輪300と後輪400との間において、前輪300と後輪400とを結ぶ方向に延びている。一対の前輪フレーム220は、メインフレーム210の前方側に接続されており、メインフレーム210から下方に延びている。各前輪フレーム220の端部付近には前輪300が取り付けられている。一対の後輪フレーム230は、メインフレーム210の後方側に接続されており、メインフレーム210から下方に延びている。各後輪フレーム230の端部付近には後輪400が取り付けられている。
【0018】
作業部500は、前輪300と後輪400との間に設けられている。つまり、農作業機100はミッドマウント方式の農作業機である。作業部500は、所定の作業幅W3で圃場を耕す部材である(図2参照)。例えば、作業部500は、代かき、耕耘、及び砕土などの作業を行う部材である。作業部500は、上記の作業のうち、複数の作業を行う機能を有していてもよい。作業部500は、接続部材510を介してメインフレーム210に接続(支持)されている。図示省略したが、接続部材510には、作業部500を上下に移動する作業部昇降機構が設けられており、接続部材510は作業部昇降機構を介して作業部500を昇降自在に支持している。このとき、作業部500が上方に移動した状態において、接続部材510の一部がメインフレーム210よりも上方に突出してもよい。
【0019】
第1整地部材600は、後輪フレーム230及び後輪400の後方に設けられている。第1整地部材600は、後輪フレーム230に対して回動可能に支持されている。第1整地部材600は、作業部500によって耕された圃場であり、後輪400が通過した後の圃場を整地する部材である。第1整地部材600は、リンクアーム610及び接地部材620を備える。リンクアーム610は、接続部611で後輪フレーム230に回動可能に接続(支持)されている。リンクアーム610は、接地部材620を後輪400よりも十分に後方で圃場に接地させるための部材である。接地部材620は、接続部621で、リンクアーム610に回動可能に接続されている。接地部材620は、接続部621を回動中心として回動し、作業時には、接地して圃場の凹凸に追従しながら上下に回動する。これにより、接地部材620は圃場をならし、作業部500によって耕された跡及び後輪400の轍を均平化する。なお、均平化とは、凹凸がある圃場を完全に平らにすることを意味するものではなく、上記の跡や轍による段差を緩和することを意味する。
【0020】
リンクアーム610は接続部611を中心に回動自在に構成されている。本実施形態の農作業機100には、図示省略の整地部材昇降機構が設けられており、非作業状態のときには、接地部材620が圃場から十分に離れるように第1整地部材600の位置を整地部材昇降機構により調整することができる。
【0021】
なお、接地部材620が圃場を効率的に整地するように、接地部材620の下方への回動を付勢する部材が接地部材620とリンクアーム610との間に設けられていてもよい。例えば、接地部材620を下方に回動させる方向に接地部材620に作用する部材(例えば、バネのような弾性部材)が接地部材620とリンクアーム610との間に設けられていてもよい。また、作業部昇降機構による作業部500の上下移動に連動して、整地部材昇降機構によって第1整地部材600が上下に回動してもよい。例えば、作業部昇降機構とリンクアーム610との間にリンク機構を介在させる。これにより、作業部500の上方への移動に連動して第1整地部材600が上方に回動し、作業部500の下方への移動に連動して第1整地部材600が下方に回動する。なお、作業部500の上下移動と第1整地部材の上下回動を連動させる機構は、上記した構成に限定されるものではなく、この第1整地部材600の上方への回動の際に、リンクアーム610だけが上方に回動してもよく、リンクアーム610及び接地部材620の両方が上方に回動してもよい。
【0022】
作業部500が圃場を耕すときは、作業部500が圃場を適切に耕すことができる高さに調整される。例えば、作業時に農作業機100が前進走行するときは、作業部500及び第1整地部材600は下方に移動して、所定の耕深で圃場を耕すよう構成されている。一方、農作業機100が枕地旋回するときに作業部500及び第1整地部材600が上方に移動する。また、例えば、農作業機100が畦を乗り越えて圃場から脱出する際に、作業部500及び第1整地部材600が上方に移動する。
【0023】
なお、図示しないが、メインフレーム210には、農作業機100を動作させるために各種機能部材が設けられている。各種機能部材として、例えば、エンジン、トランスミッション、旋回機構、駆動制御機構、通信機構、及び燃料タンクなどの部材が備えられている。通信機構がサーバとの通信によってサーバ又はリモコンから制御信号を受信する。サーバから受信した制御信号に基づいて、駆動制御機構がエンジン、トランスミッション、及び旋回機構を駆動する。これらの動作によって農作業機100の自動走行が実行される。なお、旋回機構は、前輪300だけを左右に旋回してもよく、後輪400だけを左右に旋回してもよく、両輪を旋回してもよい。
【0024】
なお、図1では、前輪フレーム220及び後輪フレーム230の各々は、メインフレーム210が延びる前後方向に対して直交する方向(つまり、鉛直下方)に延びている構成を例示したが、この構成に限定されない。前輪フレーム220及び後輪フレーム230は、メインフレーム210が延びる前後方向に対して斜めの方向、すなわち鉛直方向に対して傾斜して延びていてもよい。また、図1では、前輪フレーム220及び後輪フレーム230の各々は、メインフレーム210と一体である構成、つまり、両フレームはメインフレーム210に固定された構成が例示されているが、この構成に限定されない。例えば、前輪フレーム220及び後輪フレーム230がメインフレーム210とは個別の構成であり、両フレームがメインフレーム210に取り付けられていてもよい。この場合、メインフレーム210が延びる前後方向に対して両フレームが延びる方向が可変に取り付けられていてもよく、制御機構によって可変に制御されてもよい。例えば、農作業機100の走行中に、自動制御によってメインフレーム210が延びる前後方向に対して、両フレームが延びる方向が変化するように制御されてもよい。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に係る農作業機の構成を示す平面図である。図2において、説明の便宜上フレーム200及びリンクアーム610は省略されている。図2に示すように、前輪300及び後輪400の各々は、左右に車輪を備えている。なお、本実施形態では、一対の前輪フレーム220に前輪300を2個、一対の後輪フレーム230に後輪400を2個支持させた4輪構成としているが、一対の前輪フレーム220に代えて1つの前輪フレーム220を有する構成とし、前輪フレーム220に前輪300を1個、後輪フレーム230に後輪400を2個支持させた3輪構成としてもよい。また、前輪300及び後輪400の各々は、車輪ではなく、各々独立して駆動するクローラを備えてもよく、前輪300及び後輪400の一方が車輪を備え、他方がクローラを備えてもよい。
【0026】
第1整地部材600(接地部材620)は、農作業機100を後方から見た場合に、少なくとも後輪400と重なる位置に設けられている。換言すると、第1整地部材600は、平面視において、後輪400に対し、作業の進行方向(前進方向)とは反対方向の延長線上に設けられている。さらに換言すると、第1整地部材600は、左右方向(後輪400の車軸が延びる方向)において、少なくとも後輪400と同じ位置に設けられている。つまり、第1整地部材600は、少なくとも後輪400の真後ろに、後輪400と重複するように設けられている。農作業機100は、このような構成を備えることで、第1整地部材600が後輪400によって発生した轍を均平化することができる。左右方向において、第1整地部材600の作業幅W1は後輪400の車輪幅W2よりも大きい。なお、車輪幅W2は、左右方向において後輪400の左の車輪の左端と右の車輪の右端との距離である。
【0027】
図2では、第1整地部材600が左右の後輪400の後方であって左右の後輪400の左端から右端にわたって連続して設けられた構成(いわゆる一体もの)を例示したが、この構成に限定されない。例えば、左右の後輪400に対して各々独立して第1整地部材600が設けられていてもよい。つまり、右側の後輪400の後方に設けられた第1整地部材600と、左側の後輪400の後方に設けられた第1整地部材600とが左右に分離して設けられていてもよい。換言すると、左右の後輪400の後方に複数の第1整地部材600が設けられていてもよい。
【0028】
左右方向において、作業部500の作業幅W3は前輪300の車輪幅W4よりも大きい。なお、車輪幅W4は、左右方向において前輪300の左の車輪の左端と右の車輪の右端との距離である。また、作業幅W3は、作業部500が圃場を耕す領域における左右方向の幅である。作業幅W3が車輪幅W4よりも大きいことで、前輪300によって発生した轍を均平化することができる。なお、作業幅W3は、車輪幅W4と同じであってもよく、車輪幅W4よりも小さくてもよい。また、作業幅W3は後輪400の車輪幅W2よりも大きい。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る農作業機100によると、作業部500が前輪300と後輪400との間にあることで、農作業機100の前後方向における重量バランスが安定し、農作業機100の移動を安定化することができる。また、後輪400の後方に第1整地部材600が設けられていることで、作業部500の作業の後に後輪400によって発生した轍を均平化することができる。このような構成によって、走行機体による牽引を必要としない、新たな構成の自走式農作業機を実現することができる。また、農作業機100が上記の構成を備えていることで、農作業機100のサイズをコンパクトにすることができる。その結果、例えば軽トラックのような小さいトラックでも運搬が可能なコンパクトな自走式農作業機を実現することができる。
【0030】
〈第2実施形態〉
図3を用いて、第2実施形態に係る農作業機100Aについて説明する。図3に示す農作業機100Aは図1及び図2に示す農作業機100と類似しているが、作業部500の代わりに代かき機700Aが設けられている点において、農作業機100と相違する。農作業機100Aのその他の構成は農作業機100と同じなので、説明を省略する。
【0031】
本実施形態では、農作業機100Aは代かき機700Aを備える。代かき機700Aはフレーム710A、ロータ720A、シールドカバー730A、エプロン740A、及び第2整地部材750Aを備える。ロータ720Aはフレーム710Aに対して回転自在に取り付けられている。ロータ720Aは回転する爪軸と、爪軸に取り付けられた複数の作業爪を有しており、その作業爪を回転させながら所定の作業幅W3で圃場を耕耘又は攪拌する(図2参照)。エプロン740Aはロータ720Aの後方において、フレーム710A及びシールドカバー730Aに対して回動可能に設けられている。なお、シールドカバー730Aとフレーム710Aとの位置関係は固定されているため、シールドカバー730Aをフレーム710Aの一部と見なすこともできる。第2整地部材750Aはロータ720A(作業爪)の後方に設けられている。第2整地部材750Aはエプロン740Aに対して回動可能に設けられている。エプロン740A及び第2整地部材750Aは、圃場に接触することで、ロータ720Aによる作業によって耕耘又は攪拌された圃場を均平化する。なお、左右方向におけるエプロン740Aの幅及び第2整地部材750Aの幅は、作業幅W3と必ずしも一致する必要はなく、エプロン740Aの幅及び第2整地部材750Aの幅を作業幅W3より小さく構成することも可能である。
【0032】
第1整地部材600Aの上下回動は代かき機700Aの上下動に連動してもよい。例えば、代かき機700Aの上方への移動に連動して第1整地部材600Aが上方に回動してもよい。又は、第1整地部材600Aの上下回動がエプロン740A及び第2整地部材750Aの上下回動に連動してもよい。例えば、エプロン740Aの上下回動がリンクアーム610Aの上下回動に連動してもよい。また、第2整地部材750Aの上下回動が接地部材620Aの上下回動に連動してもよい。
【0033】
代かき機700Aが圃場を耕すときは、代かき機700Aが圃場を適切に耕すことができる高さに調整される。例えば、作業時に農作業機100Aが前進走行するときは、代かき機700A及び第1整地部材600Aは下方に移動して圃場を耕し、整地する。一方、農作業機100Aが枕地旋回するときに代かき機700A及び第1整地部材600Aが上方に移動する。また、例えば、農作業機100Aが畦を乗り越えて圃場から脱出する際に、代かき機700A及び第1整地部材600Aが上方に移動する。
【0034】
以上のように、本実施形態に係る農作業機100Aによると、第1実施形態と同様の効果を得ることに加えて、作業爪の後方にも整地部材を設けることによって、圃場をより均平化させることができる。つまり、第2整地部材750Aを作業爪の近くに設けることによって、作業爪で耕された圃場を速やかに整地することができ、圃場を均平化させやすい。そして、後輪400Aの後方(第2整地部材750Aの後方)に第1整地部材600Aを設けることによって、後輪400Aによって発生した轍を均平化するだけでなく、後輪400Aが通過していない圃場も整地することができるので、圃場をより一層均平化させることができる。
【0035】
なお、上記の実施形態では、接地部材620、620Aが板状の部材である構成が例示されているが、この構成に限定されない。例えば、接地部材620、620Aは、板状部材の他にローラー、カゴローラー、ケンブリッジローラーなど、轍を均平化することができる他の部材であってもよい。
【0036】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の作業機を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0037】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0038】
100:農作業機、 200:フレーム、 210:メインフレーム、 220:前輪フレーム、 230:後輪フレーム、 300:前輪、 400:後輪、 500:作業部、 510:接続部材、 600:第1整地部材、 610:リンクアーム、 611:接続部、 620:接地部材、 621:接続部、 700A:代かき機、 710A:フレーム、 720A:ロータ、 730A:シールドカバー、 740A:エプロン、 750A:第2整地部材
図1
図2
図3