IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社中川パッケージの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】梱包用緩衝材
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
B65D81/05 500A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020067635
(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公開番号】P2021160827
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】592184371
【氏名又は名称】株式会社中川パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(72)【発明者】
【氏名】中川 秀明
(72)【発明者】
【氏名】加田 悟
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-034852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の板厚の段ボール紙板又は紙板で形成される平板体を備える梱包用緩衝材であって、
前記平板体は、
第1上板縁、前記第1上板縁に第1間隔を隔てて平行配置される第1下板縁、左右の第1側板縁、前記各第1側板縁に第2間隔を隔てて配置され、前記第1上板縁及び前記第1下板縁に直交する一対の第1立上げ直線を有し、前記第1下板縁の前記各第1立上げ直線の間に第1折返し直線を形成する第1平板と、
第2上板縁、前記第2上板縁に第3間隔を隔てて配置される第2下板縁、左右の第2側板縁、前記各第2側板縁に第4間隔を隔てて配置され、前記第2上板縁に直交し及び前記第2下板縁に交差する一対の第2立上げ直線を有し、前記第2上板縁の前記各第2立上げ直線の間に第2折返し直線を形成し、前記第1平板に板間隔を隔てて、前記第2折返し直線を前記第1折返し直線に平行配置し、及び前記各第2立上げ直線を前記各第1側板縁及び前記各第1立上げ直線の間に配置して、前記第1平板に並設される第2平板と、
前記第1平板及び前記第2平板の間に配置され、前記第1平板及び前記第2平板に一体に形成され、前記各第1立上げ直線に側縁間隔を隔てて、前記各第1立上げ直線の間に配置される左右の押付側板縁を有し、前記第1折返し直線、前記第2折返し直線及び前記各押付側板縁とで区画され、複数のスリットが形成される押付板と、を備え、
前記第1平板は、
前記第1上板縁、前記第1下板縁及び前記各第1立上げ直線とで区画される積載板部と、
前記第1上板縁、前記第1下板縁、前記各第1側板縁及び前記各第1立上げ直線とで区画され、前記各第1立上げ直線に沿って前記積載板部の表面側に立上げられる一対の第1立上げ板部と、を有し、
前記第2平板は、
前記第2上板縁、前記第2下板縁及び前記各第2立上げ直線とで区画され、前記第2折返し直線に沿って前記積載板部の裏面に折返される折返し板部と、
前記第2上板縁、前記第2下板縁、前記各第2側板縁及び前記各第2立上げ直線とで区画され、前記各第1立上げ板部の裏面に折返され、及び前記第2立上げ直線に沿って前記積載板部の表面側に立上げられる一対の第2立上げ板部と、を有し、
前記押付板は、
前記各スリットを前記第1折返し直線と直交する方向に展開して形成されるエキスパンド格子を有し、
前記第1折返し直線に沿って前記積載板部の表面に折返され、及び前記エキスパンド格子にて前記積載板部の表面に載置した梱包対象物を覆って配置される
ことを特徴とする梱包用緩衝材。
【請求項2】
所定の板厚の段ボール紙板又は紙板で形成される平板体を備える梱包用緩衝材であって、
前記平板体は、
第1上板縁、及び前記第1上板縁に第1間隔を隔てて平行配置される第1折返し直線を有する第1平板と、
第2折返し直線を有し、前記第1平板の前記第1折返し直線に板間隔を隔てて、前記第2折返し直線を前記第1折返し直線に平行配置して、前記第1平板に並設される第2平板と、
前記第1平板の前記第1折返し直線、及び前記第2平板の第2折返し直線の間に配置され、前記第1平板及び前記第2平板に一体に形成され、及び複数のスリットが形成される押付板と、を備え、
前記第1平板は、
前記第1平板の表面に梱包対象物が載置され、
前記第2平板は、
前記第2折返し直線に沿って前記第1平板の裏面に折返され、
前記押付板は、
前記各スリットを前記第1折返し直線と直交する方向に展開して形成されるエキスパンド格子を有し、
前記第1折返し直線に沿って前記第1平板の表面に折返され、及び前記エキスパンド格子にて前記梱包対象物を覆って配置される
ことを特徴とする梱包用緩衝材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包対象物(物品又は商品)を梱包して運搬(運送)する梱包用緩衝材に関する。
【背景技術】
【0002】
梱包用緩衝材として、特許文献1は、衝撃緩和運搬容器を開示する。衝撃緩和運搬容器は、一対(2個)の製品保持部材を備える。各製品保持部材は、第1~第4側片、各側片の内側に形成される製品押圧片、及び可撓性フィルムを有する。可撓性フィルムは、製品押圧片を覆って側片に貼着される。各製品保持部材は、展開した紙片の第1~第4側片を折り曲げ部に沿って製品押圧片の裏面に折返し、第1及び第4側片の両端部の隅片を第2及び第3側片の裏面に貼着することで、直方体に組立てられる。
衝撃緩和運搬用器は、各製品保持部材を上下に重ねて、双方の可撓性フィルムにより製品を挟持して保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3145636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、紙片を折返し、及び貼着して一対(2個)の製品保持部材を製作する必要があるため、製品の梱包作業が複雑となる。
また、近年、可撓性フィルム等の合成樹脂を使用しない梱包用緩衝材の要望が高まりつつある。
【0005】
本発明は、梱包対象物(物品又は商品)を梱包する際に、簡単又は容易に、梱包対象物を梱包できる梱包用緩衝材を提供することにある。
本発明は、可撓性フィルム等の合成樹脂を使用しない、環境に優しい梱包用緩衝材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る請求項1は、所定の板厚の段ボール紙板又は紙板で形成される平板体を備える梱包用緩衝材であって、前記平板体は、第1上板縁、前記第1上板縁に第1間隔を隔てて平行配置される第1下板縁、左右の第1側板縁、前記各第1側板縁に第2間隔を隔てて配置され、前記第1上板縁及び前記第1下板縁に直交する一対の第1立上げ直線を有し、前記第1下板縁の前記各第1立上げ直線の間に第1折返し直線を形成する第1平板と、第2上板縁、前記第2上板縁に第3間隔を隔てて配置される第2下板縁、左右の第2側板縁、前記各第2側板縁に第4間隔を隔てて配置され、第2上板縁に直交し及び前記第2下板縁に交差する一対の第2立上げ直線を有し、前記第2上板縁の前記各第3間隔の間に第2折返し直線を形成し、前記第1平板に板間隔を隔てて、前記第2折返し直線を前記第1折返し直線に平行配置し、及び前記各第2立上げ直線を前記各第1側板縁及び前記各第2立上げ直線の間に位置して、前記第1平板に並設される第2平板と、前記第1平板及び前記第2平板の間に配置され、前記第1平板及び前記第2平板に一体に形成され、前記各第1立上げ直線に側縁間隔を隔てて、前記各第1立上げ直線の間に配置される左右の押付側板縁を有し、前記第1折返し直線、前記第2折返し直線及び前記各押付側縁とで区画され、複数のスリットが形成される押付板と、を備え、前記第1平板は、前記第1上板縁、前記第1下板縁及び前記各第1立上げ直線とで区画される積載板部と、前記第1上板縁、前記第1下板縁、前記各第1側板縁及び前記各第1立上げ直線とで区画され、前記各第1立上げ直線に沿って前記積載板部の表面側に立上げられる一対の第1立上げ板部と、を有し、前記第2平板は、前記第2上板縁、前記第2下板縁及び前記各第2立上げ直線とで区画され、前記第2折返し直線に沿って前記積載板部の裏面に折返される折返し板部と、前記第2上板縁、前記第2下板縁、前記各第2側板縁及び前記各第2立上げ直線とで区画され、前記各第立上げ板部の裏面に折返され、及び前記第2立上げ直線に沿って前記積載板部の表面側に立上げられる一対の第2立上げ板部と、を有し、前記押付板は、前記各スリットを前記第1折返し直線と直交する方向に展開して形成されるエキスパンド格子を有し、前記第1折返し直線に沿って前記積載板部の表面に折返され、及び前記エキスパンド格子にて前記積載板部の表面に載置した梱包対象物を覆って配置されることを特徴とする梱包用緩衝材である。
請求項1では、押付板は、板厚方向で押付板を切断する複数のスリット(切込み又は切断線)を有し、各スリットが第1折返し直線と直交する方向に展開(拡開)することで、複数の網目を有するエキスパンド格子を形成する構成も採用できる。
請求項1では、押付板は、複数のスリットを有し、各スリットを第1折返し直線と直交する方向に展開(拡開)したエキスパンド格子を有する構成も採用できる。
請求項1では、押付板には、複数のスリットが形成され、各スリットは、第1折返し直線に平行して配置され、第1折返し直線に平行する方向において、相互の間にスリット間隔を隔てて並列され、第1折返し直線と直交する方向にスリット行間隔を隔てて複数行に配列され、及び各行において、千鳥状に配置(配列)される(千鳥配置又は千鳥配列)構成の採用できる。
【0007】
本発明に係る請求項1では、第1に、展開した梱包用緩衝材において、梱包対象物を積載板部の表面に載置する。梱包対象物は、押付板の各押付側板縁の間において、積載板部の表面に載置される。第2に、積載板部上に梱包対象物を載置した状態において、折返し板部を第1折返し直線と直交する方向に引っ張りつつ、押付板を第1折返し直線に沿って積載板部の表面に折返す。このとき、押付板には、折返し板部の引っ張りに伴って、各スリットが第1折返し直線と直交する方向に展開(拡開)したエキスパンド格子が形成される。押付板は、エキスパンド格子を形成しつつ、第1折返し直線に沿って積載板部の表面に折返される。押付板は、第1折返し直線に沿った折返しによって、エキスパンド格子を押付板の表面側から梱包対象物に当接し、エキスパンド格子にて積載板部上の梱包対象物を覆う。積載板部上の梱包対象物は、押付板を積載板部の表面に折返した状態において、押付板のエキスパンド格子及び積載板部の間に配置される。また、押付板の折返しに伴って、折返し板部及び各第2立上げ板部は、積載板部の表面に折返される。第3に、押付板を積載板部の表面に折返した状態において、折返し板部を第2折返し直線に沿って積載板部の裏面に折返す。このとき、折返し板部を積載板部の裏面に折返した状態において、押付板は、エキスパンド格子を梱包対象物の形状に沿って緊張(伸長)し、エキスパンド格子の弾性力(バネ力)によって、積載板部上の梱包対象物を積載板部に押付けて定着する。また、折返し板部の折返しに伴って、各第2立上げ板は、各第1立上げ板部の裏面に折返される。折返し板部は、積載板部に重ねて配置され、各第2立上げ板部は、各第1立上げ板部に重ねて配置される。第4に、各第2立上げ板部を各第1立上げ板部の裏面に折返した状態において、重ねて配置した各第1立上げ板部及び各第2立上げ板部を各第1立上げ直線及び各第2立上げ直線に沿って積載板部の表面側に立ち上げる。各第1立上げ板部は、各第1立上げ直線に沿って積載板部の表面側に立上げられ、各第2立上げ板部は、各第2立上げ直線に沿って積載板部の表面側に立上げられる。
このようにして、請求項1の梱包用緩衝材は、組立てられて梱包対象物を梱包する。
本発明に係る請求項1では、梱包対象物を梱包する際に、梱包対象物を積載板部の表面に載置して、押付板を積載板部の表面に折返し、及び折返し板部を積載板部の裏面に折返すことで、押付板に形成されるエキスパンド格子にて梱包対象物を被覆でき、更に、エキスパンド格子で梱包対象物を積載板部に定着できる。
これにより、請求項1では、梱包対象物を梱包する際に、押付板及び折返し板部を第1及び第2折返し直線に沿って折返すことで、梱包対象物を梱包でき、梱包対象物の梱包作業が簡単、容易となる。
請求項1では、第1平板、第2平板及び押付板を段ボール紙板又は紙板で形成し、可撓性フィルム等の合成樹脂を使用することなく、梱包対象物を梱包でき、環境に優しい梱包用緩衝材となる。
【0008】
本発明に係る請求項2は、所定の板厚の段ボール紙板又は紙板で形成される平板体を備える梱包用緩衝材であって、前記平板体は、第1上板縁、及び前記第1上板縁に第1間隔を隔てて平行配置される第1折返し直線を有する第1平板と、第2折返し直線を有し、前記第1平板の前記第1折返し直線に板間隔を隔てて、前記第2折返し直線を前記第1折返し直線に平行配置して、前記第1平板に並設される第2平板と、前記第1平板の前記第1折返し直線及び前記第2平板の前記第2折返し直線の間に配置され、前記第1平板及び前記第2平板に一体に形成され、及び複数のスリットが形成される押付板と、を備え、前記第1平板は、前記第1平板の表面に梱包対象物が載置され、前記第2平板は、前記第2折返し直線に沿って前記第1平板の裏面に折返され、前記押付板は、前記各スリットを前記第1折返し直線と直交する方向に展開して形成されるエキスパンド格子を有し、前記第1折返し直線に沿って前記第1平板の表面に折返され、及び前記エキスパンド格子にて前記梱包対象物を覆って配置されることを特徴する梱包用緩衝材である。
請求項2では、押付板は、板厚方向で押付板を切断する複数のスリット(切込み又は切断線)を有し、各スリットが第1折返し直線と直交する方向に展開(拡開)することで、複数の網目を有するエキスパンド格子を形成する構成も採用できる。
請求項2では、押付板は、複数のスリットを有し、各スリットを第1折返し直線と直交する方向に展開(拡開)したエキスパンド格子を有する構成も採用できる。
請求項2では、押付板には、複数のスリットが形成され、各スリットは、第1折返し直線に平行して配置され、第1折返し直線に平行する方向において、相互の間にスリット間隔を隔てて並列され、第1折返し直線と直交する方向にスリット行間隔を隔てて複数行に配列され、及び各行において、千鳥状に配置(配列)される(千鳥配置又は千鳥配列)構成の採用できる。
【0009】
本発明に係る請求項2では、第1に、展開した梱包用緩衝材において、梱包対象物を第1平板の表面に載置する。第2に、第1平板上に梱包対象物を載置した状態において、第2平板を第1折返し直線と直交する方向に引っ張りつつ、押付板を第1折返し直線に沿って第1平板の表面に折返す。このとき、押付板には、第2平板の引っ張りに伴って、各スリットが第1折返し直線と直交する方向に展開(拡開)したエキスパンド格子が形成される。押付板は、エキスパンド格子を形成しつつ、第1折返し直線に沿って第1平板の表面に折返される。押付板は、第1折返し直線に沿った折返しによって、エキスパンド格子を押付板の表面側から梱包対象物に当接し、エキスパンド格子にて第1平板上の梱包対象物を覆う。第1平板上の梱包対象物は、押付板を第1平板の表面に折返した状態において、押付板のエキスパンド格子及び第1平板の間に配置される。第3に、押付板を第1平板の表面に折返した状態において、第2平板を第2折返し直線に沿って第1平板の裏面に折返す。このとき、第2平板を第1平板の裏面に折返した状態において、押付板は、エキスパンド格子を梱包対象物の形状に沿って緊張(伸長)し、エキスパンド格子の弾性力(バネ力)によって、第1平板上の梱包対象物を第1平板に押付けて定着する。
このようにして、請求項2の梱包用緩衝材は、組立てられて梱包対象物を梱包する。
本発明に係る請求項2では、梱包対象物を梱包する際に、梱包対象物を第1平板の表面に載置して、押付板を第1平板の表面に折返し、及び第2平板を第1平板の裏面に折返すことで、押付板に形成されるエキスパンド格子にて梱包対象物を被覆でき、更に、エキスパンド格子で梱包対象物を第1平板に定着できる。
これにより、請求項2では、梱包対象物を梱包する際に、第1平板及び第2平板を第1及び第2折返し直線に沿って折返すことで、梱包対象物を梱包でき、梱包対象物の梱包作業が簡単、容易となる。
請求項2では、第1平板、第2平板及び押付板を段ボール紙板又は紙板で形成し、可撓性フィルム等の合成樹脂を使用することなく、梱包対象物を梱包でき、環境に優しい梱包用緩衝材となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、梱包作業を簡単、容易にでき、環境に優しい梱包用緩衝材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】梱包用緩衝材を示す表面斜視図である。
図2】梱包用緩衝材を示す表面図である。
図3】梱包用緩衝材を示す裏面図である。
図4】梱包用緩衝材を示す側面図である。
図5図2のA-A断面図である。
図6図2のB-B断面図である。
図7図2のC-C断面図である。
図8図2の一部拡大図であって、各支持板部、第1立下げ横スリット、第2立下げ横スリット、及び立下げ縦スリットを示す表面図である。
図9図2の部分拡大図であって、押付板、各スリット(第1スリット及び第2スリット)、及び第1乃至第4折曲げ直線を示す表面図である。
図10図9の一部拡大図であって、第1スリット、及び第2スリットを示す表面図である。
図11図9の一部拡大図であって、(a)は、第1折曲げ直線及び第2折曲げ直線と、第1スリットの関係を示す表面図、(b)は、第3折曲げ直線及び第4折曲げ直線と、第2スリットの関係を示す表面図である。
図12】梱包用緩衝材であって、第2平板(折返し板部)を、第1折返し直線と直交する方向に引っ張ってエキスパンド格子を形成した状態を示す表面図である。
図13図12のD-D断面図である。
図14図12のE-E断面図である。
図15図12の一部拡大図であって、押付板のエキスパンド格子(格子骨、結節部、網目)を示す表面図である。
図16】梱包用緩衝材において、梱包対象物を積載板部の表面(第1平板の表面)に載置した状態を示す斜視図である。
図17】梱包用緩衝材において、押付板(エキスパンド格子)を第1折返し直線に沿って積載板部の表面(第1平板の表面)に折返し、及び折返し板部(第2平板)を第2折返し直線に沿って積載板部の裏面(第1平板の裏面)に折返した状態を示す斜視図である。
図18】梱包用緩衝材において、押付板(エキスパンド格子)を第1折返し直線に沿って積載板部の表面(第1平板の表面)に折返し、及び折返し板部(第2平板)を第2折返し直線に沿って積載板部の裏面(第1平板の裏面)に折返した状態を示す表面図である。
図19】梱包用緩衝材において、押付板(エキスパンド格子)を第1折返し直線に沿って積載板部の表面(第1平板の表面)に折返し、及び折返し板部(第2平板)を第2折返し直線に沿って積載板部の裏面(第1平板の裏面)に折返した状態を示す側面図である。
図20】梱包用緩衝材において、押付板(エキスパンド格子)を第1折返し直線に沿って積載板部の表面(第1平板の表面)に折返し、及び折返し板部(第2平板)を第2折返し直線に沿って積載板部の裏面(第1平板の裏面)に折返した状態を示す裏面図である。
図21図18のF-F断面図である。
図22】梱包用緩衝材において、各第1立上げ板部及び各第2立上げ板部を第1立上げ直線、第2立上げ直線に沿って積載板部の表面側(第1平板の表面側)に立上げた状態を示す斜視図である。
図23】梱包用緩衝材において、各第1立上げ板部及び各第2立上げ板部を第1立上げ直線、第2立上げ直線に沿って積載板部の表面側(第1平板の表面側)に立上げた状態を示す表面図である。
図24】梱包用緩衝材において、各第1立上げ板部及び各第2立上げ板部を第1立上げ直線、第2立上げ直線に沿って積載板部の表面側(第1平板の表面側)に立上げた状態を示す側面図である。
図25】梱包用緩衝材において、各第1立上げ板部及び各第2立上げ板部を第1立上げ直線、第2立上げ直線に沿って積載板部の表面側(第1平板の表面側)に立上げた状態を示す裏面図である。
図26】組立てた梱包用緩衝材、及び梱包箱を示す斜視図である。
図27】組立てた梱包用緩衝材を、梱包箱に収納した状態を示す表面図である。
図28図27のG-G断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る梱包用緩衝材について、図1乃至図28を参照して説明する。
【0013】
図1乃至図25において、梱包用緩衝材Xは、平板体1を備える。平板体1は、所定の板厚Tの段ボール紙板、又は紙板で形成される。平板体1は、板厚T=0mmを超え8mm未満(0mm<T<8mm)の段ボール紙板って、例えば、板厚T=5mmの段ボール紙板で形成される。
【0014】
平板体1は、図1乃至図25に示すように、第1平板2、第2平板3及び押付板4を備え、第1平板2、第2平板3及び押付板4は、所定の板厚Tの段ボール紙板(又は紙板)で形成される。
【0015】
第1平板2は、図1乃至図8、及び図12乃至図14に示すように、第1上板縁2a、第1下板縁2b、左右の第1側板縁2c,2d、左右一対(複数)の第1立上げ直線L1,L1及び第1折返し直線L2を有する。
第1上板縁2a、第1下板縁2b、及び各第1側板縁2c,2dは、第1平板2の板端(板端面)である。
【0016】
第1上板縁2a及び第1下板縁2bは、図1乃至図3に示すように、横直線(直線)の板縁(第1上板直線縁、第1下板直線縁)である。
第1下板縁2bは、図2に示すように、第1上板縁2a(第1折返し直線L2)と直交する方向UD(以下、「上下方向UD」という)において、第1上板縁2aに第1間隔δ1(第1上下間隔)を隔てて平行配置される。
各第1側板縁2c,2d(右側の第1側板縁2c及び左側の第1側板縁2d)は、図2に示すように、上下方向UDと直交する方向LR(以下、「左右方向LR」という)において、相互の間に第1側縁間隔δAを隔てて配置される。各第1側板縁2c,2dは、例えば、第1上板縁2aに交差し、及び第1下板縁2bに直交して配置される。
【0017】
各第1立上げ直線L1,L1(右側の第1立上げ直線L1、左側の第1立上げ直線L1)は、図2に示すように、左右方向LRにおいて、各第1側板縁2c,2dに第2間隔δ2(第1左右間隔)を隔てて、各第1側板縁2c,2dの間に配置される。
各第1立上げ直線L1,L1は、第1上板縁2a、及び第1下板縁2bに直交して配置される。
【0018】
第1折返し直線L2は、図1乃至図3に示すように、第1下板縁2bの一部であって、第1下板縁2bの各第1直線L1,L1の間に形成される。第1折返し直線L2は、左右方向LRにおいて、各第1直線L1,L1の間に延在され、第1下板縁2bに沿って第1上板縁2aに平行配置される。第1折返し直線L2は、上下方向UDにおいて、第1上板縁2aに第1間隔δ1を隔てて平行配置される。
これにより、第1平板2は、左右方向LRにおいて、第1下板縁2bの各第1立上げ直線L1,L1の間に第1折返し直線L2を形成する。第1平板2は、第1上板縁2aに第1間隔δ1を隔てて平行配置される第1折返し直線bL2を有する。
【0019】
第1平板2は、図1乃至図8、及び図12乃至図14に示すように、積載板部11、左右一対(複数)の第1立上げ板部12,13、及び左右一対(複数)の支持板部14,15を有する。
【0020】
積載板部11は、図1乃至図3、及び図5に示すように、第1上板縁2a、第1下板縁2b、及び各第1立上げ直線L1,L1とで区画される。
積載板部11は、図16に示すように、積載板部11の表面11Aに梱包対象物GD(物品又は商品)が載置される。
これにより、第1平板2は、第1平板2の表面2Aに梱包対象物GDが載置される。
【0021】
各第1立上げ板部12,13(右側の第1立上げ板部12、左側の第1立上げ板部13)は、図1乃至図4図6及び図7に示すように、第1上板縁2a、第1下板縁2b、各第1側板縁2c,2d、及び各第1立上げ直線L1,L1とで区画される。
各第1立上げ板部12,13は、図22乃至図25に示すように、各第1立上げ直線L1,L1に沿って積載板部11の表面11A側(板表面側)に立上げられる。各第1立上げ板部12,13は、例えば、積載板部11(表面11A)に直交して起立(立設)される。
【0022】
第1平板2は、図2図3及び図8に示すように、左右一対(複数)の第1立下げ横スリットLA,LA(切込み又は切断線)、左右一対(複数)の第2立下げ横スリットLB,LB(切込み又は切断線)、及び左右一対(複数)の立下げ縦スリットLC,LC(切込み又は切断線)を有する。
各立下げ横スリットLA,LA、LB,LB、及び各立下げ縦スリットLC,LCは、第1平板2(平板体1)の板厚方向FRにおいて、第1平板2(積載板部11)を貫通して、積載板部11の表面11A及び裏面11B(第1平板2の表面2A及び裏面2B)に開口する。
板厚方向FLは、上下方向UD及び左右方向LRと直交する方向である。
【0023】
各第1立下げ横スリットLA,LA(各第1立下げ横切込み)は、図8に示すように、積載板部11に形成される。各第1立下げ横スリットLA,LAは、左右方向LRにおいて、各第1立上げ直線L1,L1から延在され、各第1立上げ直線L1,L1の間に配置される。
各第1立下げ横スリットLA,LAは、各第1立上げ直線L1,L1に直交して配置される。
【0024】
各第2立下げ横スリットLB,LB(各第2立下げ横切込み)は、図8に示すように、積載板部11に形成される。各第2立下げ横スリットLB,LBは、上下方向UDにおいて、各第1立下げ横スリットLA,LA、及び第1下板縁2b(第1折返し直線L2)の間に配置される。
各第2立下げ横スリットLB,LBは、上下方向UDにおいて、各第1立下げ横スリットLA,LAに第1立下げスリット間隔δBを隔てて配置される。各第2立下げ横スリットLB,LBは、左右方向LRにおいて、各第1立上げ直線L1,L1から延在して、各第1立上げ直線L1,L1の間に配置される。各第2立下げ横スリットLB,LBは、各第1立上げ直線L1,L1に直交し、及び各第1立下げ横スリットLA,LAに平行配置される。
【0025】
各立下げ縦スリットLC,LC(各立下げ縦切込み)は、図8に示すように、積載板部11に形成される。各立下げ縦スリットLC,LCは、左右方向LFにおいて、各第1立上げ直線L1,L1に第2立下げスリット間隔δCを隔てて、各第1立上げ直線L1,L1の間に配置される。各立下げ縦スリットLC,LCは、上下方向UDにおいて、各第1立下げ横スリットLA,LA及び各第2立下げ横スリットLB,LBの間にわたって延在される。各立下げ縦スリットLC,LCは、各第1立下げ横スリットLA,LA、及び各各第2立下げ横スリットLB,LBに直交し、及び各第1立上げ直線L1,L1に平行配置される。
各立下げ縦スリットLC,LC及び各第1立上げ直線L1,L1の間において、第2立下げスリット間隔δCは、第1平板2(積載板部11)の板厚Tの2倍(δC=2×T)である。
【0026】
各支持板部14,15(右側の支持板部14、左側の支持板部15)は、図2図3及び図8に示すように、各第1立下げ横スリットLA,LA、各第2立下げ横スリットLB,LB及び各立下げ縦スリットLC,LCとで区画される。
各支持板部14,15は、図22及び図24に示すように、各第1立上げ板部12,13の立上げに伴って、各第1及び第2立下げ横スリットLA,LA,LB,LB及び各立下げ縦スリットLC,LCに沿って切取られ、横積載板部11の裏面11Bに直交して立下げられ、及び積載板部11の裏面11Bから突出量σを有して突出される。各支持板部14,15の突出量σは、第2平板3(折返し板部21)の板厚Tである。
【0027】
第1平板2は、上下方向UDにおいて、第1間隔δ1の板長を有し、及び左右方向LRにおいて、第1側板縁間隔δAの板幅を有する。
【0028】
第2平板3は、図1乃至図7図12及び図13に示すように、第2上板縁3a、第2下板縁3b、左右の第2側板縁3c,3d、左右一対(複数)の第2立上げ直線L3,L3、及び第2折返し直線L4を有する。
第2上板縁3a、第2下板縁3b、及び各第2側板縁3c,3dは、第2平板3の板端(板端面)である。
【0029】
第2上板縁3a、及び第2下板縁3bは、図1乃至図3に示すように、横直線(直線)の板縁(第2上板直線縁、第2下板直線縁)である。
第2下板縁3bは、図2に示すように、第2上板縁3a(第2折返し直線L4)と直交する方向UD(上下方向UD)において、第2上板縁3aに第3間隔δ3(第2上下間隔)を隔てて平行配置される。
第2側板縁3c,3d(右側の第2側板縁3c、左側の第2側板縁3d)は、図2に示すように、上下方向UDと直交する方向LR(左右方向LR)において、相互の間に第2側板縁間隔δDを隔てて配置される。各第2側板縁3c,3dは、第2上板縁3aに直交し、及び第2下板縁3bに交差して配置される。
【0030】
各第2立上げ直線L3,L3(右側の第2立上げ直線、左側の第2立上げ直線)は、図2に示すように、左右方向LRにおいて、各第2側板縁3c,3dに第4間隔δ4(第2左右間隔)を隔てて、各第2側板縁3c,3dの間に配置される。
各第2立上げ直線L3,L3は、第2上板縁3aに直交し、及び第2下板縁3bに交差して配置される。
【0031】
第2折返し直線L4は、図1乃至図3に示すように、第2上板縁3aの一部であって、第2上板縁3aの各第2立上げ直線L3,L3の間に形成される。第2折返し直線L4は、左右方向LRにおいて、各第2立上げ直線L3,L3の間に延在され、第2下板縁3bに平行配置される。第2折返し直線L4は、上下方向UDにおいて、第2下板縁3bに第3間隔δ3を隔てて平行配置される。
これにより、第2平板3は、左右方向LRにおいて、第2上板縁3aの各第2立上げ直線L3,L3の間に第2折返し直線L4を形成する。第2平板3は、第2上板縁3aに第3間隔δ3を隔てて平行配置される第2折返し直線L4を有する。
【0032】
第2平板3は、図2に示すように、第1平板2(第1折返し直線L2)に板間隔δ5(板上下間隔)を隔てて、第2折返し直線L4を第1折返し直線L2に平行配置して、第1平板2に並設される。
第1平板2(第1折返し直線L2)及び第2平板3(第2折返し直線L4)の間において、板間隔δ5は、例えば、第1平板2の第1間隔δ1(板長)より大きい間隔である。なお、板間隔δ5は、第1平板2の第1間隔δ1(板長)と同一又は小さい間隔であっても良い。
【0033】
第2平板3は、各第2立上げ直線L3,L3を、第1平板2の各第1側板縁2c,2d及び各第1立上げ直線L1,L1の間に配置して、第1平板2に並設される。
【0034】
第2平板3は、図1乃至図7図12及び図13に示すように、折返し板部21、及び左右一対(複数)の第2立上げ板部22,23を有する。
【0035】
折返し板部21は、図1乃至図3に示すように、第2上板縁3a、第2下板縁3b、及び各第2立上げ直線L3,L3とで区画される。
折返し板部21は、図20及び図21に示すように、第2折返し直線L4に沿って積載板部11の裏面11Bに折返される。折返し板部21は、表面21A(板表面)を積載板部11の裏面11Bに当接して折返される。
【0036】
各第2立上げ板部22,23(右側の第2立上げ板部22、左側の第2立上げ板部23)は、図1乃至図3に示すように、第2上板縁3a、第2下板縁3b、各第2側板縁3c,3d、及び各第2立上げ直線L3,L3とで区画される。
各第2立上げ板部22,23は、図17図18及び図20に示すように、各第1立上げ板部12,13の裏面12B,13B(板裏面)に折返される。各第2立上げ板部22,23は、折返し板部21の折返しによって、折返し板部21と共に各第1立上げ板部12,13の裏面12B,13B(第1平板2の裏面2B)に折返される。
各第2立上げ板部22,23は、表面22A,23A(板表面)を各第1立上げ板部12,13の裏面12B,13Bに当接して折返される。
これにより、第2平板3(折返し板部21及び各第2立上げ板部22,23)は、第2折返し直線L4に沿って第1平板2の裏面2B(積載板部11の裏面11B、各第1立上げ板部12,13の裏面12B,13B)に折返される。
【0037】
各第2立上げ板部22,23は、図22乃至図25に示すように、各第2立上げ直線L3,L3に沿って積載板部11の表面11A側に立上げられる。各第2立上げ板部22,23は、各第1立上げ板部12,13と共に積載板部11の表面11A側に立上げられる。
各第2立上げ板部22,23は、例えば、積載板部11(表面11A)に直交して起立(立設)される。
【0038】
第2平板3は、上下方向UDにおいて、第3間隔δ3板長を有し、及び左右方向LRにおいて、第2側板縁間隔δDの板幅を有する。第2平板3は、上下方向UDにおいて、例えば、第1平板2の第1間隔δ1(板長)より短い板長である。
【0039】
押付板4は、図1乃至図7図9図12図13及び図15に示すように、第1平板2(第1折返し直線L2)及び第2平板3(第2折返し直線L4)の間に配置される。
押付板4は、第1平板2及び第2平板3に一体に形成される。
これにより、平板体1は、第1平板2及び第2平板3の間に押付板4を配置して、第1平板2、第2平板3及び押付板4を一体に形成して構成される。
【0040】
押付板4は、図1乃至図3に示すように、左右(複数)の押付側板縁4c,4dを有する。各押付側板縁4c,4dは、左右方向LRにおいて、各第1立上げ直線L1,L1に側縁間隔δ6を隔てて、各第1立上げ直線L1,L1の間に配置される。
各押付側板縁4c,4dは、上下方向UDにおいて、第1折返し直線L2及び第2折返し直線L4の間にわって延在され、第1折返し直線L2及び第2折返し直線L4に直交(交差)して配置される。
各押付側板縁4c,4dは、相互に平行し、及び各第1立上げ直線L1,L1に平行配置される。
各押付側板縁4c,4dは、押付板4の板端(板端面)である。
【0041】
押付板4は、図1乃至図3に示すように、第1折返し直線L2、第2折返し直線L4、及び各押付側板縁4c,4dとで区画される。
これにより、押付板4は、例えば、矩形状(長方形)に形成され、上下方向UDにおいて、板間隔δ5の板長を有し、及び左右方向LRにおいて、各押付側板縁4c,4d間の板幅を有する。
また、第1折返し直線L2、及び第2折返し直線L4は、左右方向LRにおいて、押付板4の各押付側板縁4c,4dの間に延在して形成される。
押付板4は、上下方向UDにおいて、第1平板2(積載板部11)より長い板長であって、左右方向LRにおいて、積載板部11(各第1立上げ直線L1,L1の間)より狭い板幅である。
押付板4は、上下方向UDにおいて、第2平板3(折返し板部21)より長い板長であって、左右方向LRにおいて、折返し板部21より狭い板幅である。
【0042】
押付板4は、図1乃至図7、及び図9乃至図11に示すように、複数のスリット31,32、複数の折曲げ直線L6,L7,L8,L9を有する。押付板4には、複数のスリット31,32及び複数の折曲げ直線L6~L9が形成される。
【0043】
各スリット31,32(切込み又は切断線)は、図1乃至図7、及び図9に示すように、上下方向UD及び左右方向LRにおいて、押付板4の略全面にわたって配置される。
各スリット31,32は、図1乃至図7に示すように、押付板4(平板体1)の板厚方向FRにおいて、押付板4を貫通して、押付板4の表面4A(板表面)、及び裏面4B(板裏面)に開口する。
【0044】
各スリット31,32は、図9に示すように、第1折返し直線L2(第2折返し直線L4)と直交する方向UD(上下方向)において、複数行p1,p2,p3,…,pn(n=1,2,3,…:自然数)に配置される。各スリット31,32は、例えば、25行に並列して配置される。
各行p1,p2,p3,…,pnは、例えば、第1折返し直線L2から第2折返し直線L4に向けて、1行目p1,2行目p2,3行目p3,…,n行目pnとなる。
【0045】
各スリット31,32は、図9に示すように、各行p1,p2,p3,…,pnにおいて、複数列q1,q2,q3,…,n(n=1,2,3,…,n:自然数)に配置される。
各列q1,q2,q3,…,qnは、例えば、押付板4の一方(左側)の押付側板縁4dから他方(右側)の押付側板縁4cに向けて、1列目q1,2列目q2,3列目q3,…,n列目qnとなる。
各スリット31,32は、第1折返し直線L2(第2折返し直線L4)と平行する方向LR(左右方向)において、複数列q1,q2,q3,…,qnに並列して直線状に配置される。
各スリット31,32は、左右方向LRにおいて、押付板4の各押付側板縁4c,4dの間に配置される。
【0046】
隣接する行p1,p2,p3,…,pn(隣接する列での各スリット31,32)は、図9に示すように、上下方向UDにおいて、相互の間にスリット行間隔δa(列間隔)を隔てて配置される。
隣接する列p1,p2,p3,…,pnでの各スリット31,32は、相互に千鳥状に配置して形成される。
【0047】
各列のうち、例えば、奇数行p1,p3,p5,…は、左右方向LRにおいて、複数(複数列)のスリット31(以下、「第1スリット31」という)を配置し、図9に示すように、例えば、4つ(4列q1,q2,q3,q4)を配置する。
各第1スリット31は、図7図9及び図10に示すように、例えば、直線状に形成される直線スリットであって、第1折返し直線L2(第2折返し直線L4)と平行する方向LR(左右方向)に第1スリット長さLaを有して、第1折返し直線L2(第2折返し直線l4)に平行配して配置される。
各押付側板縁4c,4d側に位置する各第1スリット31(例えば、1列目q1及び4列目q4の第1スリット31)は、図9に示すように、左右方向LRにおいて、各押付側板縁4c,4dにスリット端間隔δbを隔てて配置される。
奇数行p1,p3,p5,…において、左右方向LRで隣接する各第1スリット31(例えば、2列目q2及び3列目q3の第1スリット31等)は、図10に示すように、相互の間に第1スリット間隔δc(第1スリット隙間)を隔てて配置される。
【0048】
各列のうち、例えば、偶数行p2,p4,p6,…は、左右方向LRにおいて、複数(複数列)のスリット32(以下、「第2スリット32」という)を配置し、図9に示すように、例えば、5つ(5列q1,q2,q3,q4,q5)を配置する。
各第2スリット32は、図6図9及び図10に示すように、例えば、直線状に形成される直線スリットであって、第1折返し直線L2(第2折返し直線l4)と平行する方向LR(左右方向)に第2スリット長さLbを有して、第1折返し直線L2(第2折返し直線L4)、及び各第1スリット31に平行して配置される。
各押付側板縁4c,4d側に位置する各第2スリット32(例えば、第1列目q1及び第5列目q5の第2スリット32)は、図1乃至図3図4図6及び図9に示すように、押付板4の各押付側板縁4c,4dに開口して配置(形成)される。
偶数行p2,p4,p6,…において、左右方向lRで隣接する各第2スリット32(例えば、2列目p2及び3列目p3の第2スリット32等)は、図6及び図10に示すように、相互の間に第2スリット間隔δd(第2スリット隙間)を隔てて配置される。
なお、各行のうち奇数行p1,p3,p5,…に、複数(複数列)の第2スリット32を配置し、偶数行p2,p4,p6,…に、複数(複数列)の第1スリット31を配置しても良い。
【0049】
各行p1,p2,p3,…,pnにおいて、隣接する第1スリット31の間の第1スリット間隔δc、及び隣接する第2スリット32間の第2スリット間隔δdは、例えば、同一の間隔とする(δc=δd)。
各行p1,p2,p3,…,pnにおいて、隣接する第1スリット31間の第1スリット間隔δc、及び隣接する第2スリット32間の第2スリット間隔δdは、例えば、各行p1,p2,p3,…,pn間のスリット行間隔δaより広く(大きく)する(δa<δc=δd)。
【0050】
各行p1,p2,p3,…,pnにおいて、各第1スリット31の第1スリット長さLa、及び各第2スリット32の第2スリット長さLbは、例えば、同じ長さとする。
各行p1,p2,p3,…,pnにおいて、各第1スリット31の第1スリット長さLa、及び各第2スリット32の第2スリット長さLbは、各第1スリット31間の第1スリット間隔δc、及び各第2スリット32間の第2スリット間隔δdより長くする(La=Lb>δc=δd)。
【0051】
奇数行p1,p3,p5,…の各第1スリット31は、図10に示すように、偶数行p2,p4,p6,…で隣接する各第2スリット32(例えば、2列目q2及び3列目p3の第2スリット32)の間(第2スリット間隔δd)に配置される。
奇数行p1,p3,p5,…の各第1スリット31は、第1スリット長さLaの長さ中心Cxを、偶数行p2,p4,p6,…で隣接する各第2スリット32間の第2スリット間隔δdの間隔中心Cyに位置(一致)して、左右方向LRに延在される。
第2スリット間隔δdの間隔中心Cyは、左右方向LRにおいて、隣接する各第2スリット32間の中心である。
各列p1,p2,p3,…,pnにおいて、第1スリット31は、隣接する各第2スリット32間に配置され、上下方向UDにおいて、隣接する各第2スリット32の一部に対峙(対向)して配置される。各第1スリット31は、左右方向LRにおいて、隣接する各第2スリット32のスリット端32a,32bから第3スリット長さLcを有して、隣接する各第2スリット32に対峙(対向)して重ねて配置される。
これにより、各行p1,p2,p3,…,pnにおいて、各第1スリット31、及び各第2スリット32は、上下方向UDにおいて、各第1スリット31の第3スリット長さL3を有する一部と、各第2スリット32の一部を対峙(対向)して、千鳥状に配列される。
複数のスリット31,32は、第1折返し直線L2に平行して配置され、第1折返し直線L2と平行する方向LR(左右方向)にスリット間隔(第1、第2スリット間隔δc,δd)を隔てて並列され、第1折返し直線L2と直交する方向UD(上下方向)にスリット行間隔δaを隔てて複数行p1,p2,p3,…,pnに配置され、及び各行p1,p2,p3,…,pnにおいて、千鳥状に配置(配列)される[各スリット31,32は、各行p1,p2,p3,…,pnにおいて、千鳥配置(千鳥配列)される]。
【0052】
各折曲げ直線L6,L7,L8,L9は、図1乃至図3、及び図9乃至図11に示すように、押付板4の表面4A及び裏面4Bに形成される。
各折曲げ直線L6,L7,L8,L9は、図1乃至図3、及び図9に示すように、第1折返し直線L2(第2折返し直線L4)と直交する方向UD(上下方向)において、第1折返し直線L2及び第2折返し直線L4の間にわたって延在される。各折曲げ直線L6~L9は、第1折返し直線L2(第2折返し直線L4)と平行する方向LR(左右方向)において、相互に平行して並列(配置)される。
【0053】
複数の折曲げ直線L6(以下、「第1折曲げ直線L6」という)は、図11(a)に示すように、第1折返し直線L2(第2折返し直線L4)と平行する方向LR(左右方向)において、相互の間に第1線間隔δpを隔てて並列される。第1線間隔δpは、第1スリット31のスリット長さLaに第1スリット間隔δbを加算した隙間である(δp=La+δb)。
各第1折曲げ直線L6は、奇数行p1,p3,p5,…において、各第1スリット31の一方のスリット端31aを通って、第1折返し直線L2及び第2折返し直線L4の間に延在される。
【0054】
複数の折曲げ直線L7(以下、「第2折曲げ直線L7」という)は、図11(a)に示すように、左右方向LRにおいて、相互の間に第1線間隔δpを隔てて並列される。
各第2折曲げ直線L7は、奇数行p1,p3,p5,…において、各第1スリット31の他方のスリット端31bを通って、第1折返し直線L2及び第2折返し直線L4の間にわたって延在される。
【0055】
複数の折曲げ直線L8(以下、「第3折曲げ直線L8」という)は、図11(b)に示すように、左右方向LRにおいて、相互の間に第2線間隔δqを隔てて並列される。第2線間隔δqは、第2スリット32のスリット長さLbに第2スリット間隔δcを加算した間隔(δq=Lb+δc)であって、第1線間隔δpと同一の間隔となる。
各第3折曲げ直線L8は、偶数行p2,p4,p6,…において、各第2スリット32の一方のスリット端32aを通って、第2折返し直線L2及び第2折返し直線L4の間にわたって延在される。
【0056】
複数の折曲げ直線L9(以下、「第4折曲げ直線L9」という)は、図11(b)に示すように、左右方向LRにおいて、相互の間に第2線間隔δqを隔てて並列される。
各第4折曲げ直線L9は、偶数行p2,p4,p6,…において、各第2スリット32の他方のスリット端32bを通って、第1折返し直線L2及び第2折返し直線l4の間にわたって延在される。
【0057】
梱包用緩衝材Xにおいて、図12乃至図15に示すように、第1平板2(積載板部11)及び第2平板3(折返し板部21)を把持して、例えば、第2平板3(折返し板部21)を第1折返し直線L2(第2折返し直線L4)と直交する方向UD(図12の矢印Sの方向)に引っ張ると、各行p1,p2,p3,…,pnの各第1スリット31、及び各第2スリット32は、第1折返し直線L2と直交する方向UD(上下方向UD)に展開(拡閉)して押付板4にエキスパンド格子EXを形成する。
押付板4は、第1折返し直線L2と直交する方向UDに展開(拡開)した各スリット31,32によってエキスパンド格子EXが形成される。押付板4は、各スリット31,32の第1折返し直線L2と直交する方向UDへの展開(拡開)に伴って、エキスパンド格子EXが形成される。
【0058】
押付板4(エキスパンド格子EX)は、図13乃至図15に示すように、各第1スリット31及び各第2スリット32の展開(拡開)によって、格子骨Ea、及び格子骨Eaで区画される複数の網目HO(開口部)が形成され、隣接する各第1スリット31の間(第6及び第7折曲げ直線L6,L7の間)、及び隣接する各第2スリット32の間(第8及び第9折曲げ直線L8,L9の間)が結節部Ebとなる。
エキスパンド格子EX(押付板4)において、格子骨Eaは、図14に示すように、各第1スリット31及び各第2スリット32の展開(拡開)に伴って、第6乃至第9折曲げ直線L6~L9に沿って折曲げられ、六角形状の複数の網目HO(開口部)を形成(区画)する。
エキスパンド格子EXは、上下方向UDの引っ張り力によって、各第1スリット31及び各第2スリット32(網目HO)の展開(拡開)する程度(度合い)が変化し、引っ張り力を大きくすると、各第1スリット31及び各第2スリット32(網目HO)の展開(拡開)は大きくなり、引っ張り力を小さくすると、各第1スリット31及び各第2スリット32(網目HO)の展開(拡開)は小さくなる。
このように、エキスパンド格子EXは、上下方向UDの引っ張り力に応じて、各第1スリット31及び各第2スリット32(網目KO)の展開(拡開)の度合いが変化し、これにより、押付板4は、エキスパンド格子EXによって、第1折返し直線L2と直交する方向UD(上下方向)に伸縮される。
これにより、押付板4は、複数のスリット31,32(第1及び第2スリット)を、第1折返し直線L2と直交する方向UD(上下方向)に展開(拡開)して形成されるエキスパンド格子EXを有する。押付板4は、複数のスリット31,32を上下方向UDに展開(拡開)したエキスパンド格子EXを有する。
【0059】
押付板4は、図17図18及び図21に示すように、第1折返し直線L1に沿って積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に折返され、エキスパンド格子EXにて積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に載置した梱包対象物GDを覆って配置される。
【0060】
次に、梱包用緩衝材Xを組立てて、梱包対象物GDを梱包する要領(組立て梱包方法)について、図16乃至図25を参照して説明する。
【0061】
先ず、展開した梱包用緩衝材Xにおいて、梱包対象物GDを梱包する者(以下、「梱包者」という)は、梱包対象物GD(物品、商品)を積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に載置する(図16参照)。積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)には梱包対象物GDが積載(載置)される。
梱包対象物GDは、図16に示すように、押付板4の各押付側板縁4c,4dの間において、積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に載置される。
【0062】
続いて、図17乃至図21において、梱包者は、積載板部11上(第1平板2上)に梱包対象物GDを載置した状態において、押付板4を第1折返し直線L2に沿って積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に折返す。
梱包者は、梱包対象物GDを載置した積載板部11(第1平板2)を押えて、折返し板部21(第2平板3)を第1折返し直線L2と直交する方向UD(上下方向)に引っ張りつつ、押付板4を第1折返し直線L2に沿って積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に折返す。梱包者は、上下方向UDにおいて、第2折返し直線L4(第2平板3)が第1折返し直線L2(第1平板2)から離間する方向に、折返し板部21を引っ張る(以下、同様)。
第2平板3(折返し板部21、各第2立上げ板部22,23)は、押付板4の折返しに伴って、積載板部11の表面11A側(第1平板2の表面2A側)に配置される。
このとき、押付板4には、折返し板部21(第2平板3)の引っ張りに伴って、各第1スリット31及び各第2スリット32が上下方向UDに展開(拡開)したエキスパンド格子EXが形成される。
これにより、押付板4は、図17乃至図19、及び図21に示すように、エキスパンド格子EXを形成しつつ、第1折返し直線L2に沿って積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に折返される。
押付板4は、第1折返し直線L2に沿った折返しによって、エキスパンド格子EXを押付板4の表面4A側から梱包対象物GDに当接し、及びエキスパンド格子EXにて積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に載置した梱包対象物GDを覆って配置される。
積載板部11上(第1平板2上)の梱包対象物GDは、図21に示すように、押付板4を積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に折返した状態において、エキスパンド格子EXで被覆されて、積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)及び押付板4の表面4A(エキスパンド格子EX)の間に配置(位置)される。
【0063】
押付板4を第1折返し直線L2に沿って折返すと、梱包者は、折返し板部21(第2平板3)を引っ張りつつ、各第2立上げ板部22,23(第2平板3)を第1平板2(各第1立上げ板部12,13)の第1上板縁2aから突出し、及び折返し板部21(第2平板3)を第1平板2(積載板部11)の第1上板縁2aから突出して配置する。
これにより、第2平板3(折返し板部21、各第2立上げ板部22,23)は、第1平板2(積載板部11、各第1立上げ板部12,13)の第1上板縁2aの上方に突出して配置される。
押付板4を積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に折返した状態において、折返し板部21(第2平板3)は、第2折返し直線L4を積載板部11(第1平板2)の第1上板縁2aに位置(一致)して、積載板部11(第1平板2)から上方に突出して配置される。
また、各第2立上げ板部22,23(第2平板3)は、第2平板3の第2上板縁3aを第1平板2(各第1立上げ板部12,13)の第1上板縁2aに位置(一致)して、各第1立上げ板部12,13から上方に突出して配置される。
【0064】
続いて、図17乃至図21において、梱包者は、押付板4を積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に折返した状態において、折返し板部21(第2平板3)を引っ張りつつ第2折返し直線L4に沿って、積載板部11の裏面11B(第1平板2の裏面2B)に折返す。
各第2立上げ板部22,23は、折返し板部21の折返しに伴って、各第1立上げ板部12,23の裏面12B,13Bに折返される。
このとき、折返し板部21(第2平板3)は、表面21Aを積載板部11の裏面11B(第1平板2の裏面2B)に当接して、積載板部11の裏面11B(第1平板2の裏面11B)に折返される。
これにより、折返し板部21(第2平板3)は、図21に示すように、第2折返し直線L4を境として、板厚方向FR(前後方向)において、積載板部11の裏面11B(第1平板2の裏面2B)に重ねて配置される。
【0065】
第2立上げ板部22(右側の第2立上げ板部22)は、図17乃至図20に示すように、折返し板部21の折返しに伴って、第1立上げ板部12(右側の第1立上げ板部)の裏面12Bに折返され、及び第1立上げ板部12の裏面12Bに当接される。
これにより、第2立上げ板部22は、表面22Aを第1立上げ板部12の裏面12Bに当接して折返され、板厚方向FR(前後方向)において、第1立上げ板部12に重ねて配置される。
【0066】
第2立上げ板部23(左側の第2立上げ板部)は、図17図18及び図20に示すように、折返し板部21の折返しに伴って、第1立上げ板部13(左側の第1立上げ板部)の裏面13Bに折返され、及び第1立上げ板部13の裏面13Bに当接される。
これにより、第2立上げ板部23は、表面23Aを第1立上げ板部13の裏面13Bに当接して折返され、第1立上げ板部13に重ねて配置される。
【0067】
折返し板部21(第2平板3)を積載板部11の裏面11B(第1平板2の裏面2B)に折返した状態において、押付板4は、図19及び図21に示すように、エキスパンド格子EXを梱包対象物GDの形状に沿って緊張(伸長)し、及びエキスパンド格子EXにて積載板部11の表面11A(第1平板2の表面2A)に載置した梱包対象物GDを覆って配置される。
これにより、押付板4は、引っ張られるエキスパンド格子EXの弾性力(バネ力)によって、積載板部11上(第1平板2上)の梱包対象物GDを積載板部11(第1平板2)に押付けて定着する。
【0068】
続いて、梱包者は、図22乃至図25に示すように、折返し板部21(第2平板3)を積載板部11の裏面11B(第1平板2の裏面2B)に折返し、及び各第2立上げ板部22,23を各第1立上げ板部12,13の裏面12B,13Bに折返した状態において、重ねて配置した第1立上げ板部12及び第2立上げ板部22を、第1立上げ直線L1及び第3立上げ直線L3に沿って、積載板部11の表面11A側に立上げる。
このとき、第1立上げ板部12は、第1立上げ直線L1(右側)に沿って積載板部11の表面11A側に立上げられ、第2立上げ板部22は、第2立上げ直線L3(右側)に沿って積載板部11の表面11A側に立上げられる。
これにより、重ねて配置した第1立上げ板部12及び第2立上げ板部22は、第1立上げ直線L1及び第2立上げ直線L3を境(境界線)として積載板部11の表面11A側に起立(立設)される。
【0069】
梱包者は、図22図23及び図25に示すように、折返し板部21(第2平板3)を積載板部11の裏面11B(第1平板2の裏面2B)に折返し、及び各第2立上げ板部22,23を各第1立上げ板部12,13の裏面12B,13Bに折返した状態において、重ねて配置した第1立上げ板部13及び第2立上げ板部23を、第1立上げ直線L1及び第2立上げ直線L3に沿って、積載板部11の表面11A側に立上げる。
このとき、第1立上げ板部23は、第1立ち上げ直線L1(左側)に沿って積載板部11の表面11A側に立上げられ、第2立上げ板部23は、第2立上げ直線L3(左側)に沿って積載板部11の表面11A側に立上げられる。
これにより、重ねて配置した第1立上げ板部13及び第2立上げ板部23(左側)は、第1立上げ直線L1及び第2立上げ直線L3を境(境界線)として積載板部11の表面11A側に起立(立設)され、立上げられた第1立上げ板部12(右側)に対向して配置される。
第1及び第2立ち上げ板部12,13,22,23は、例えば、積載板部11の表面11Aに直交して立上げられる。
【0070】
各第1立上げ板部12,13を立上げると、各支持板部14,15は、図22図24及び図25に示すように、積載板部11の裏面11B側に立下げられ、積載板部11の裏面11Bから突出して配置される。各支持板部14,15は、例えば、積載板部11の裏面11Bに直交して立下げられる。
これにより、梱包用緩衝材Xは、梱包対象物GD(物品又は商品)を梱包して組立てられる。
【0071】
梱包対象物GDを梱包して組立てられた梱包用緩衝材X(以下、「組立た梱包緩衝材X」という)は、運送(運搬)する際に、図26乃至図28示すように、直方体の梱包箱Zに収納される。
組立てた梱包緩衝材Xは、積載板部11の裏面11B(第1平板2の裏面2B)に折返した折返し板部21、及び積載板部11の裏面11B(第1平板2の裏面2B)から突出した各支持板部14,15を梱包箱Zの底平面ZBに当接して、梱包箱Z内に収納される。
組立てた梱包緩衝材Xは、立上げた各第2立上げ板部22,23を、梱包箱Zの右側板ZR,左側板ZLに当接して、梱包箱Z内に収納される。
また、組立てた梱包用緩衝材Xは、第1折返し直線L2、及び第2折返し直線L4において、押付板4を梱包箱Zの前側板ZF、後側板ZCに当接して梱包箱Z内に収納される。
続いて、組立てた梱包緩衝材Xを収納した梱包箱Zは、梱包箱Zの蓋平板ZOを閉じ、及び蓋平板ZOを、立上げた各第1及び第2立上げ板部12,13,22,23に当接して運送する。
【0072】
梱包用緩衝材Xでは、梱包対象物GDを梱包するために、少なくとも、積載板部11に相当する第1平板2、折返し板部21に相当する第2平板3、及び押付板4を備えていれば良い。
この構成において、梱包対象物GDは、第1平板2の表面2Aに載置される。押付板4は、図17乃至図21で説明したと同様に、第2平板3を第1折返し直線L2と直交する方向に引っ張った状態において、第1折返し直線L2に沿って第1平板2の表面2Aに折返され、エキスパンド格子EXにて第1平板2の表面2Aに載置した梱包対象物GDを覆う。続いて、第2平板3は、図17乃至図21で説明したと同様に、第2折返し直線L4に沿って第1平板2の裏面2Bに折返され、押付板4のエキスパンド格子EXにて梱包対象物GDを第1平板2に押付けて定着する。
これにより、梱包用緩衝材Xは、押付板4(エキスパンド格子EX)及び第1平板2の間に梱包対象物GDを配置して梱包する。
【0073】
梱包用緩衝材Xにおいて、各第2スリット32は、押付板4の各押付側板縁4c,4dに開口する必要はなく、左右方向LRにおいて、各押付側板縁4c,4dにスリット間隔を隔てて配置する構成も採用できる。
【0074】
梱包用緩衝材Xにおいて、各第1スリット31、及び各第2スリット32は、直線スリット(直線切込み、直線断面線)の他に、折線スリット、曲線スリット等であっても良い。
【0075】
梱包用緩衝材Xでは、図10に示すように、奇数行p1,p3,p5,…において、各列q1,q2,q3,…の第1スリット31を相互に異なる第1スリット長さLaとし、偶数行p2,p4,q6,…,において、各列q1,q2,q3,…の第2スリット32を相互に異なる第2スリット長さLbとする構成も採用できる。
このとき、各第1スリット31の第1スリット長さLa、及び各第2スリット32の第2スリット長さLbは、第1及び第2スリット間隔δc,δdより長いスリット長さとし、図10で説明しと同様に、奇数行p1,p3,p5,…の第1スリット31は、偶数行p2,p4,p6,…で隣接する第2スリット32の間(第2スリット間隔δd)に配置して、各第1スリット31を隣接する第2スリット32に対峙(対向)して重ねて配置する。
この構成により、押付板4には、図12乃至図15で説明したと同様に、エキスパンド格子EXを形成できる。
【0076】
梱包用緩衝材では、図10に示すように、各行p1,p2,p3,…,pnの各第1スリット31及び各第2スリット32相互において、第1スリット長さLa及び第2スリット長さLbを異なるスリット長さ(La>Lb、又はLa<Lb)とする構成も採用できる。
このとき、各第1スリット31の第1スリット長さLa、及び各第2スリット32の第2スリット長さLbは、第1及び第2スリット間隔δc,δdより長いスリット長さとし、図10で説明しと同様に、奇数行p1,p3,p5,…の第1スリット31は、偶数行p2,p4,p6,…で隣接する第2スリット32の間(第2スリット間隔δd)に配置して、各第1スリット31を隣接する第2スリット32に対峙(対向)して重ねて配置する。
この構成により、押付板4には、図12乃至図15で説明したと同様に、エキスパンド格子EXを形成できる。
【0077】
梱包用緩衝材Xでは、図10に示すように、奇数行p1,p3,p5,…において、隣接する第1スリット31の間の第1スリット間隔δcを相互に異なる間隔とし、偶数行p2,p4,p6,…において、隣接する第2スリット32の間の第2スリット間隔δdを相互に異なる間隔とする構成も採用できる。
このとき、第1スリット間隔δc、及び第2スリット間隔δdは、各第1スリット31の第1スリット長さLa、及び各第2スリット32の第2スリット長さL2より小さい間隔とする。
この構成により、押付板4には、図12乃至図15で説明したと同様に、エキスパンド格子EXを形成できる。
【0078】
梱包用緩衝材Xでは、図10に示すように、各行p1,p2,p3,…,pnにおいて、隣接する第1スリット31の間の第1スリット間隔δc、及び隣接する第2スリット32の間の第2スリット間隔δdの相互において、異なる間隔(δc<δd、又はδc>δd)とする構成も採用できる。
このとき、第1スリット間隔δc、及び第2スリット間隔δdは、第1スリット31の第1スリット長さLa、及び第2スリット32の第2スリット長さL2より小さい間隔とする。
この構成により、押付板4には、図12乃至図15で説明したと同様に、エキスパンド格子EXを形成できる。
【0079】
梱包用緩衝材Xでは、各行p1,p2,p3,…の間のスリット行間隔δaを、隣接する第1スリット31の間の第1スリット間隔δc、及び隣接する各第2スリット32の間の第2スリット間隔δcと同一間隔(δa=δd、δa=δd)、又は各第1及び第2スリット間隔δc,δdより大きい間隔(δa>δc、δa>δc)とする構成も採用できる。
この構成により、押付板4には、図12乃至図15で説明したと同様に、エキスパンド格子EXを形成できる。
なお、確実にエキスパンド格子EXを押付板4に形成するためには、スリット行間隔δaは、第1スリット間隔δc及び第2スリット間隔δdより小さい間隔にする。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、梱包対象物(物品、商品)を梱包して運送(運搬)するのに最適である。
【符号の説明】
【0081】
X 梱包用緩衝材
1 平板体
2 第1平板
3 第2平板
4 押付板
11 積載板部
12 第1立上げ板部(右側)
13 第1立上げ板部(左側)
21 折返し板部
22 第2立上げ板部(右側)
23 第2立上げ板部(左側)
L1 第1立上げ直線
L2 第1折返し直線
L3 第2立上げ直線
L4 第2折返し直線
GD 梱包対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28