(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】止水板及び止水板構造体
(51)【国際特許分類】
E04H 9/14 20060101AFI20240711BHJP
E06B 5/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
E04H9/14 Z
E06B5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020103448
(22)【出願日】2020-06-16
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000106955
【氏名又は名称】シバタ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【氏名又は名称】小林 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100206195
【氏名又は名称】山本 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100224650
【氏名又は名称】野口 晴加
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175662
【氏名又は名称】山本 英明
(74)【代理人】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】西本 安志
(72)【発明者】
【氏名】西山 啓太郎
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-190129(JP,A)
【文献】特開昭52-095820(JP,A)
【文献】特開平07-018633(JP,A)
【文献】特開2019-214843(JP,A)
【文献】特開2016-108898(JP,A)
【文献】特開2006-214178(JP,A)
【文献】特開2016-191236(JP,A)
【文献】実開平04-084528(JP,U)
【文献】特開2019-183528(JP,A)
【文献】国際公開第2011/098152(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/14
E06B 5/00
E02B 7/22
E04C 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔に設置された一対の構造物と床面の上とに水密状態に設置される水密性を有する止水板であって、
前記床面の上に取り付けられ、中実構造を有する中実構造部と、
前記中実構造部の上方に設けられ、中空構造を有し、前記中空構造の内部の空間への液体の注入が可能な開口が設けられた中空構造部とを備え
、
前記中実構造部は水より比重が大きい、止水板。
【請求項2】
前記中実構造部は、水より比重が大きい素材で形成される、請求項1記載の止水板。
【請求項3】
前記中空構造部は、長手方向に延びると共に内部に空間を有する複数の筒状部材を高さ方向に脱着自在に連結することにより形成され、前記複数の筒状部材の各々は、互いに接する筒状部材の空間同士を連通する連通口を有する、請求項1又は請求項2記載の止水板。
【請求項4】
前記中実構造部及び前記中空構造部は、設置状態において前記構造物側に位置する部分に、水密性を有する遮蔽部材が設けられている、請求項3記載の止水板。
【請求項5】
前記中空構造部は、前記中空構造の内部及び外部への水の通過が可能な少なくとも一つの通水口と、前記通水口を介した前記中空構造の外部からの水の流入を可能にする一方、前記中空構造の内部からの水の流出を防止する流入出規制手段とを有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の止水板。
【請求項6】
前記中空構造部は、前記中空構造の内部及び外部間の水の通過が可能となる少なくとも一つの通水口と、前記通水口を介した前記中空構造の外部からの水の流入と前記中空構造の内部からの水の流出とを防止する脱着自在の流入出防止手段とを有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の止水板。
【請求項7】
前記中空構造部は、前記中空構造の内部の空間の一部を仕切ると共に、仕切られた空間同士を互いに連通可能とする形状からなる支持板を有する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の止水板。
【請求項8】
前記中空構造部は、前記中空構造の内部に貯留した水を排出するための排出口を有する、請求項1から請求項7のいずれかに記載の止水板。
【請求項9】
所定間隔に設置された一対の構造物に取り付けられる止水板構造体であって、
前記構造物の各々に、床面から垂直方向に水密状態に取り付けられた一対の取付部材と、
前記構造物の各々に前記取付部材を介して水密状態に設置される、請求項1から請求項8のいずれかに記載の止水板とを備えた、止水板構造体。
【請求項10】
所定間隔に設置された一対の構造物に取り付けられる止水板構造体であって、
前記構造物の各々に、床面から垂直方向に水密状態に取り付けられた一対の取付部材と、
水密性を有すると共に、内部に空間を有する止水板本体とを備え、
前記止水板本体は、その下部に前記止水板本体の内部及び外部間の水の通過が可能な少なくとも一つの通水口と、その上部に前記止水板本体の内部及び外部間の気体の通過が可能な通気口とが設けられた、止水板構造体。
【請求項11】
前記止水板本体は、前記通水口が高さ方向に複数設けられている、請求項10記載の止水板構造体。
【請求項12】
前記止水板本体は、長手方向に延びると共に内部に空間を有する複数の筒状部材を高さ方向に脱着自在に連結することにより形成され、前記複数の筒状部材の各々は、互いに接する筒状部材の空間同士を連通する連通口を有する、請求項10又は請求項11記載の止水板構造体。
【請求項13】
前記止水板本体は、設置状態において前記構造物側に位置する部分に、水密性を有する遮蔽部材が設けられている、請求項12記載の止水板構造体。
【請求項14】
前記遮蔽部材は、前記止水板本体の設置状態において前記床面側に位置する部分を更に覆うように設けられている、請求項13記載の止水板構造体。
【請求項15】
前記止水板本体は、前記通水口を介した外部からの水の流入を可能にする一方、内部からの水の流出を防止する流入出規制手段を有し、前記通気口を介して水の注入が可能な、請求項10から請求項14のいずれかに記載の止水板構造体。
【請求項16】
前記止水板本体は、前記通水口を介した外部からの水の流入と内部からの水の流出とを防止する脱着自在の流入出防止手段を有し、前記通気口を介して水の注入が可能な、請求項10から請求項14のいずれかに記載の止水板構造体。
【請求項17】
前記止水板本体は、前記内部の空間の一部を仕切ると共に、仕切られた空間同士を互いに連通可能とする形状からなる支持板を更に有する、請求項10から請求項16のいずれかに記載の止水板構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は止水板及び止水板構造体に関し、特に外部から構造物内部への水の侵入を防止するための止水板及び止水板構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洪水等による水の侵入を防止するために設置する止水装置に関する技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、中空構造の樹脂製板状体及び樹脂製板状体の表面又は表裏両面に設けられた帯状の板状体である複数の補強体を有する横矢板と親杭とを備え、横矢板の左右両側縁を親杭間に掛け渡して形成された親杭横矢板式防水防護柵が開示されている。
【0004】
上記の特許文献1のような従来の防水防護柵は、横矢板の樹脂製板状体が中空構造を有することにより軽量で、又、樹脂製板状体に補強体が設けられていることで耐久性にも優れるものである。しかしながら、このような横矢板を底面に押し付ける構造の防護柵の場合、軽量化されたことで止水状態において横矢板が浮き上がり止水性が低下するという問題があった。そこで、次のような発明が提案されている。
【0005】
特許文献2では、一方から他方への水の侵入を阻止する止水装置に関し、枠体及び縦止面材を備えた止水装置の内部に水を導入する開口部が止水装置の下部であって水の侵入側に形成されたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4955827号公報
【文献】特開2017-071975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献2のような従来の止水装置は、水害時に水が押し寄せてくると、その押し寄せた水が開口部から止水装置の内部に導入されて、止水装置の重量を増加することができるものである。その際、設置面に対して止水装置を鉛直方向に押し付ける力が作用し、安定性が増すと共に水密性が向上するものである。特に近年は局所的な大雨の頻度も増加し、河川の氾濫等のみならず、都市部における内水氾濫で住宅街等における水位が一気に上昇することが問題になっている。それに合わせて、止水装置が必要となる頻度も増加しており、より高性能で使い勝手のよいものが望まれていた。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、非止水状態では取り扱いが容易であると共に、止水状態では止水板の浮き上がりを防止して安定した止水性を発揮できる止水板及び止水板構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、所定間隔に設置された一対の構造物と床面の上とに水密状態に設置される水密性を有する止水板であって、床面の上に取り付けられ、中実構造を有する中実構造部と、中実構造部の上方に設けられ、中空構造を有し、中空構造の内部の空間への液体の注入が可能な開口が設けられた中空構造部とを備え、中実構造部は水より比重が大きいものである。
【0010】
このように構成すると、中空構造部に液体が注入されていない場合には、全体が中実構造からなる止水板に比べて軽量なものとなる。又、中空構造部に液体が注入された場合には、注入した液体の分だけ止水板全体の重量を増加させることができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、中実構造部は、水より比重が大きい素材で形成されるものである。
【0012】
このように構成すると、止水状態において、止水板が水中で浮き上がりにくくなる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、中空構造部は、長手方向に延びると共に内部に空間を有する複数の筒状部材を高さ方向に脱着自在に連結することにより形成され、複数の筒状部材の各々は、互いに接する筒状部材の空間同士を連通する連通口を有するものである。
【0014】
このように構成すると、中空構造部を筒状部材毎に分割することが可能となる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、中実構造部及び中空構造部は、設置状態において構造物側に位置する部分に、水密性を有する遮蔽部材が設けられているものである。
【0016】
このように構成すると、筒状部材の間より侵入した水が構造物側に排出されるのを防止できる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、中空構造部は、中空構造の内部及び外部への水の通過が可能な少なくとも一つの通水口と、通水口を介した中空構造の外部からの水の流入を可能にする一方、中空構造の内部からの水の流出を防止する流入出規制手段とを有するものである。
【0018】
このように構成すると、通水口を介して流入してくる水を中空構造部の内部に導入できると共に、開口から追加で水を注入して貯留することもできる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、中空構造部は、中空構造の内部及び外部間の水の通過が可能となる少なくとも一つの通水口と、通水口を介した中空構造の外部からの水の流入と中空構造の内部からの水の流出とを防止する脱着自在の流入出防止手段とを有するものである。
【0020】
このように構成すると、通水口を介して侵入してくる水を中空構造部の内部に導入可能な状態と、開口から水を注入して貯留可能な状態とを切り替えることができる。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、中空構造部は、中空構造の内部の空間の一部を仕切ると共に、仕切られた空間同士を互いに連通可能とする形状からなる支持板を有するものである。
【0022】
このように構成すると、中空構造部に外部から水圧が加わった際に支持板が補強板として機能するため、止水板の強度が向上する。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、中空構造部は、中空構造の内部に貯留した水を排出するための排出口を有するものである。
【0024】
このように構成すると、中空構造部の内部に貯留した水を容易に排出することができる。
【0025】
請求項9記載の発明は、所定間隔に設置された一対の構造物に取り付けられる止水板構造体であって、構造物の各々に、床面から垂直方向に水密状態に取り付けられた一対の取付部材と、構造物の各々に取付部材を介して水密状態に設置される、請求項1から請求項8のいずれかに記載の止水板とを備えたものである。
【0026】
このように構成すると、取付部材により、止水板を確実に構造物に取り付けることができる。
【0027】
請求項10記載の発明は、所定間隔に設置された一対の構造物に取り付けられる止水板構造体であって、構造物の各々に、床面から垂直方向に水密状態に取り付けられた一対の取付部材と、水密性を有すると共に、内部に空間を有する止水板本体とを備え、止水板本体は、その下部に止水板本体の内部及び外部間の水の通過が可能な少なくとも一つの通水口と、その上部に止水板本体の内部及び外部間の気体の通過が可能な通気口とが設けられたものである。
【0028】
このように構成すると、外部から止水板本体の内部に水が流入する際に、止水板本体の内部の気体が通気口から排出され、通気口がない場合に比べて、止水板本体の内部へ水が早く流入することができる。
【0029】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の構成において、止水板本体は、通水口が高さ方向に複数設けられているものである。
【0030】
このように構成すると、止水板本体の外部の水位が上昇すると、対応する高さの通水口から止水板本体内部への水の流入が可能となる。
【0031】
請求項12記載の発明は、請求項10又は請求項11記載の発明の構成において、止水板本体は、長手方向に延びると共に内部に空間を有する複数の筒状部材を高さ方向に脱着自在に連結することにより形成され、複数の筒状部材の各々は、互いに接する筒状部材の空間同士を連通する連通口を有するものである。
【0032】
このように構成すると、止水板本体を筒状部材毎に分割することが可能となる。
【0033】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明の構成において、止水板本体は、設置状態において構造物側に位置する部分に、水密性を有する遮蔽部材が設けられているものである。
【0034】
このように構成すると、筒状部材の間より侵入した水が構造物側に排出されるのを防止できる。
【0035】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明の構成において、遮蔽部材は、止水板本体の設置状態において床面側に位置する部分を更に覆うように設けられているものである。
【0036】
このように構成すると、筒状部材の間より侵入した水を止水板本体と遮蔽部材との隙間を介して排出することが可能となる。
【0037】
請求項15記載の発明は、請求項10から請求項14のいずれかに記載の発明の構成において、止水板本体は、通水口を介した外部からの水の流入を可能にする一方、内部からの水の流出を防止する流入出規制手段を有し、通気口を介して水の注入が可能なものである。
【0038】
このように構成すると、通水口を介して流入してくる水を止水板本体の内部に導入できると共に、通気口から追加で水を注入して貯留することもできる。
【0039】
請求項16記載の発明は、請求項10から請求項14のいずれかに記載の発明の構成において、止水板本体は、通水口を介した外部からの水の流入と内部からの水の流出とを防止する脱着自在の流入出防止手段を有し、通気口を介して水の注入が可能なものである。
【0040】
このように構成すると、通水口を介して流入してくる水を止水板本体内部内に導入可能な状態と、通気口から水を注入して貯留可能な状態とを切り替えることができる。
【0041】
請求項17記載の発明は、請求項10から請求項16のいずれかに記載の発明の構成において、止水板本体は、内部の空間の一部を仕切ると共に、仕切られた空間同士を互いに連通可能とする形状からなる支持板を更に有するものである。
【0042】
このように構成すると、止水板本体に外部から水圧が加わった際に支持板が補強板として機能する。
【発明の効果】
【0043】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、中空構造部に液体が注入されていない場合には、全体が中実構造からなる止水板に比べて軽量なものとなる。又、中空構造部に液体が注入された場合には、注入した液体の分だけ止水板全体の重量を増加させることができる。そのため、非止水状態においては、止水板の取り扱いやすさを維持すると共に、止水状態においては、外部の水の状態に応じて止水に適切な重量を迅速に得られることで、止水板の浮き上がりを防止できる。
【0044】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、止水状態において、止水板が水中で浮き上がりにくくなるため、止水板の止水性がより向上する。
【0045】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、中空構造部を筒状部材毎に分割することが可能となるため、止水板をコンパクトに収納できると共に運搬が容易となる。
【0046】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の発明の効果に加えて、筒状部材の間より侵入した水が構造物側に排出されるのを防止できるため、止水板の止水性がより向上する。
【0047】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、通水口を介して流入してくる水を中空構造部の中空構造の内部に導入できると共に、開口から追加で液体を注入して貯留することもできるため、止水板の外部の水位が急激に増水した場合でも、中空構造部の中空構造の内部に水及び液体を確実に貯留することが可能となる。
【0048】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、通水口を介して侵入してくる水を中空構造部の中空構造の内部に導入可能な状態と、開口から液体を注入して貯留可能な状態とを切り替えることができるため、止水板の外部の水位が急激に増水した場合でも、中空構造部の中空構造の内部に水及び液体を確実に貯留することが可能となる。
【0049】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、中空構造部に外部から水圧が加わった際に支持板が補強板として機能するため、止水板の強度が向上する。
【0050】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、中空構造部の中空構造の内部に貯留した水を容易に排出することができるため、使用した止水板の撤去作業が容易となる。
【0051】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、取付部材により、止水板を確実に構造物に取り付けることができるため、止水板構造体の設置状態がより安定する。
【0052】
請求項10記載の発明は、外部から止水板本体の内部に水が流入する際に、止水板本体の内部の気体が通気口から排出され、通気口がない場合に比べて、止水板本体の内部へ水が早く流入することができるため、止水状態において、外部の水の状態に応じて止水に適切な重量を迅速に得られることで、止水板本体の浮き上がりを防止することができ、止水板構造体の止水性が安定する。
【0053】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の効果に加えて、止水板本体の外部の水位が上昇すると、対応する高さの通水口から止水板本体内部への水の流入が可能となるため、止水板本体内部への水の流入効率が向上する。
【0054】
請求項12記載の発明は、請求項10又は請求項11記載の発明の効果に加えて、止水板本体を筒状部材毎に分割することが可能となるため、止水板構造体をコンパクトに収納できると共に運搬が容易となる。
【0055】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明の効果に加えて、筒状部材の間より侵入した水が構造物側に排出されるのを防止できるため、止水板構造体の止水性がより向上する。
【0056】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明の効果に加えて、筒状部材の間より侵入した水を止水板本体と遮蔽部材との隙間を介して排出することが可能となるため、止水板構造体の止水性がより向上する。
【0057】
請求項15記載の発明は、請求項10から請求項14のいずれかに記載の発明の効果に加えて、通水口を介して流入してくる水を止水板本体の内部に導入できると共に、通気口から追加で液体を注入して貯留することもできるため、止水板構造体の外部の水位が急激に増水した場合でも、止水板本体の内部に水及び液体を確実に貯留することが可能となる。
【0058】
請求項16記載の発明は、請求項10から請求項14のいずれかに記載の発明の効果に加えて、通水口を介して流入してくる水を止水板本体内部内に導入可能な状態と、通気口から液体を注入して貯留可能な状態とを切り替えることができるため、止水板構造体の外部の水位が急激に増水した場合でも、止水板本体内部に水及び液体を確実に貯留することが可能となる。
【0059】
請求項17記載の発明は、請求項10から請求項16のいずれかに記載の発明の効果に加えて、止水板本体に外部から水圧が加わった際に支持板が補強板として機能するため、止水板構造体の強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】この発明の第1の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略斜視図である。
【
図2】
図1で示した止水板構造体のII-IIラインの概略断面図である。
【
図3】
図1で示した止水板構造体のIII-IIIラインの概略断面図である。
【
図4】この発明の第2の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図3に対応する図である
【
図5】この発明の第3の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図3に対応する図である。
【
図6】この発明の第4の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略正面図である。
【
図7】
図6で示した止水板構造体のVII-VIIラインの概略断面図である。
【
図8】この発明の第5の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図3に対応する図である。
【
図9】
図8で示した止水板構造体のIX-IXラインの概略断面図であって、
図7に対応する図である。
【
図10】この発明の第6の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略斜視図であり、
図1に対応する図である。
【
図11】
図10で示した止水板構造体のXI-XIラインの概略断面図であって、
図3に対応する図である。
【
図12】この発明の第7の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【
図13】この発明の第8の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【
図14】この発明の第9の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【
図15】この発明の第10の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【
図16】この発明の第11の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、この発明の第1の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略斜視図であって、
図2は、
図1で示した止水板構造体のII-IIラインの概略断面図である。
【0062】
これらの図を参照して、止水板構造体1は、例えば間口2を形成する一対の壁面3等の所定間隔に設置された一対の構造物と床面4とに取り付けられるものである。具体的にはまず、
図1の矢印方向から見た側を正面として、金属等の水密性を有する素材からなる平面視略コの字形状の一対の枠材である取付部材5a、5bが、床面4から垂直方向に、図示しない固定金具等によって壁面3の正面側の各々に水密状態に取り付けられている。又、設置状態において、取付部材5a、5bは、床面4とも水密状態となっている。更に、この取付部材5a、5bのコの字形状の内側部分には、アルミニウム等の水密性を有する素材から形成された矩形板状の止水板6が取り付けられている。止水板6は、上方から取付部材5a、5bに差し込まれた後に、ねじ等からなる複数の固定部材13によって、止水板6の背面側が取付部材5a、5bに密着するように取り付けられるものである。その際に、止水板6と取付部材5a、5bと水密性を確保するために、水板の止水板6の背面側と取付部材5a、5bとの間(
図2の止水板6と取付部材5aとの間の部分14に対応)には、図示しないゴム素材等からなる止水材が併せて取り付けられている。このようにして、止水板6は、取付部材5を介して壁面3に水密状態に設置されている。このように構成した効果については後述する。
【0063】
次に、止水板構造体1の止水板6の具体的な構成について説明する。
【0064】
図3は、
図1で示した止水板構造体のIII-IIIラインの概略断面図である。
【0065】
図1から
図3を参照して、止水板6は、床面4の上に取り付けられ、中実構造を有する中実構造部19と、中実構造部19の上方に設けられ、中空構造を有する中空構造部15とを備えている。中実構造部19は、その全体がアルミニウムで形成されており、比重が水より大きいものである(水の比重が1の場合、アルミニウムの比重は約2.7)。又、中空構造部15の上方には開口16が設けられており、矢印Rで示すように、開口16を介して中空構造部15の中空構造の内部の空間17に水等の液体8を注入することが可能となっている。この水は雨水等の外部の水を利用してもよいし、水道水をホース等で注入してもよい。更に、止水板6の中空構造部15の正面側右下には脱着自在のキャップ等が取り付けられた排水口18が設けられている。この排水口18を介して中空構造部15の中空構造の内部の空間17に貯留した液体8を排出することが可能となっている。これらのように構成した効果については後述する。
【0066】
このように構成された止水板構造体1は、外部に水がない場合は、単に設置された非止水状態となっており、実際に止水板構造体1の外部の水位が上昇した場合には、外部から侵入してくる水を堰き止める止水状態となる。
【0067】
次に、この実施の形態の止水状態における止水板構造体1と外部の水との関係について以下説明する。
【0068】
まず、この実施の形態の止水板構造体1の外部の水は真水とほぼ同様の組成であって比重は1であるものとする。すると、止水板構造体1の外部の水が、止水板6の中実構造部19が水に浸かるH1の位置まで上昇した場合、中実構造部19は上述したように外部の水よりも比重の大きいアルミニウムより形成されているので、止水板6の外部の水と止水板6との浮き沈みに関する力の関係が、止水板6を浮き上がらせようとする力<止水板6を沈ませようとする力となる。すると、止水板6は浮き上がりにくくなる。
【0069】
次に、中空構造部15の一部が水に浸かるH2の位置まで水位が上昇すると、中空構造部15の中空構造の内部の空間17の存在によって、止水板6の重量が、止水板6と同一素材且つ同一形状で全体が中実構造である止水板の重量と比べて軽くなる。それにより、止水板6の外部の水と止水板6との浮き沈みに関する力の関係が、止水板6を浮き上がらせようとする力≧止水板6を沈ませようとする力となった場合には、止水板6が浮き上がる虞が生じる。その浮き上がりを阻止するために、矢印Rが示すように、止水板6の中空構造部15に設けられた開口16から液体8を中空構造部15の中空構造の内部の空間17に注入して、止水板6の外部の水と止水板6との浮き沈みに関する力の関係が、止水板6を浮き上がらせようとする力<止水板6を沈ませようとする力のままとなるよう、中空構造部15の重量を注入した液体8の分だけ増加させる。そうすることで、止水板6全体の重量が増加することになり、止水板構造体1の止水板6の浮き上がりを防止できる。
【0070】
このように、止水板6の中空構造部15に液体が注入されていない場合には、全体が中実構造からなる止水板に比べて軽量なものとなるため、非止水状態においては、止水板6の取り扱いやすさが維持される。又、止水板6の中空構造部15に液体8が注入された場合には、注入した液体8の分だけ止水板6全体の重量を増加させることができるため、止水状態においては、外部の水の種類や水位といった状態に応じて止水に適切な止水板6の重量を迅速に得られることで、止水板6の浮き上がりを防止できる。
【0071】
又、止水板6は取付部材5a、5bを介して取り付けられることから、止水板6を確実に壁面3に取り付けることができるため、止水板構造体1の設置状態がより安定する。
【0072】
更に、止水板6の中実構造部15が外部の水より比重が大きい素材で形成されていることで、止水状態において、止水板6が水中で浮き上がりにくくなるため、止水板6の止水性がより向上する。
【0073】
更に、止水板6が水中で浮き上がりにくくなり、止水状態において止水板6による固定部材13への上方向へ引き上げられる力がかかりにくくなるため、固定部材13への負荷が軽減する。
【0074】
このように使用した止水板構造体1は、水が引いた後は撤去することになるが、その際は、排水口18に設けられたキャップを取り外し、排水口18を開放状態とすることで、排水口18を介して中空構造部15の中空構造の内部の空間17に貯留した液体8を容易に排出することができる。すると、止水板6の重量を使用前とほぼ同様の重量に容易に戻すことができ、使用した止水板構造体1の止水板6の撤去作業が容易となる。
【0075】
図4は、この発明の第2の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図3に対応する図である。
【0076】
尚、この実施の形態による止水板構造体21の構成は、基本的には第1の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0077】
図4を参照して、止水板構造体21の止水板26は、中空構造部35の左右側面部32に複数の通水口33a~33fが止水板26の高さ方向に設けられたものである。この通水口33a~33fを介して中空構造部35の中空構造の内部の空間37と外部の空間との水の通過が可能となっている。又、この通水口33a~33fの中空構造部35の内部の空間37側には、ヒンジ38a~38f等で取り付けられた片開きの蓋材34a~34fからなる流入出規制手段が設けられている。この蓋材34a~34fは、止水板構造体21の外部の水の流れ又は水圧で内側に押し開く構造になっており、通水口33a~33fを介した中空構造の外部からの水の流入を可能にする一方、中空構造の内部からの水の流出を防止するものである。
【0078】
このような止水板構造体21において、止水板構造体21の外部の水の水位が通水口33a、33bが浸かる位置であるH3まで上昇した場合、蓋材34a、34bが外部からの水流によって内側に押し広げられ、矢印R1で示すように、中空構造部35の中空構造の内部の空間37に水が流入する。又、止水板26の重量を更に増加させたい場合には、矢印R2で示すように、中空構造部35の上部に設けた開口36から液体を注入すればよい。その場合には、中空構造部35の中空構造の内部の空間37に流入した水や注入した液体からの水圧で、蓋材34a~34fが通水口33a~33fを塞ぐようになり、中空構造の内部の空間37に貯留した水及び液体の外部への流出を防止できる。
【0079】
このように、通水口33a~33fを介して流入してくる水を中空構造部35の内部に導入できると共に、開口36から追加で液体を注入して貯留することもできるので、止水板構造体21の外部の水位が急激に増水した場合でも、止水板26の中空構造部35の中空構造の内部37に水及び液体を確実に貯留することが可能となる。
【0080】
図5は、この発明の第3の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図3に対応する図である。
【0081】
尚、この実施の形態による止水板構造体41の構成は、基本的には第2の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0082】
図5を参照して、止水板構造体41の止水板46は、中空構造部45の中空構造内部側において、第2の実施の形態の蓋材34a~34fからなる流入出規制手段に替えて、一対の板材44a、44bからなる流出防止手段が脱着自在に設けられたものである。板材44a、44bは、矢印INが示す方向に差し込むようにして通水口43a~43fを覆うように取り付けられる。又、取り付けた板材44a、44bを取り外す際には、矢印INとは逆方向に引き抜く。この板材44a、44bは、取り外した状態では、通水口43a~43fを介して中空構造部45の中空構造の内部の空間47及び外部の空間同士の水の通過が可能となる一方で、取り付けた状態では、通水口43a~43fを介した中空構造部45の中空構造の内部からの水の流出及び外部からの水の流入を防止するものである。
【0083】
このような止水板構造体41において、止水板構造体41の外部の水の水位が通水口43a、43bが浸かるH3の位置まで上昇した場合、矢印R1で示すように、中空構造部45の中空構造の内部の空間47に水が流入する。又、止水板46の重量を更に増加させたい場合には、板材44a、44bを取り付けた上で、矢印R2で示すように、中空構造部45の上部に設けた開口48から液体を注入すればよい。通水口43a、43bからの水の流入を可能とすることもできるし、板材44a、44bを取り付けて、開口48を介して任意の高さまで液体を注入することも可能となる。
【0084】
このように、通水口43a~43fを介して侵入してくる水を中空構造部45の内部に導入可能な状態と、開口48から液体を注入して貯留可能な状態とを切り替えることができるので、止水板構造体41の外部の水位が急激に増水した場合でも、止水板46の中空構造部45の中空構造の内部の空間47に水及び液体を確実に貯留することが可能となる。
【0085】
図6は、この発明の第4の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略正面図であり、
図7は、
図6で示した止水板構造体のVII-VIIラインの概略断面図である。
【0086】
尚、この実施の形態による止水板構造体51の構成は、基本的には第1の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0087】
図6及び
図7を参照して、止水板構造体51の止水板56の中空構造部55は、中空構造の内部の空間57に支持板53a~53cが所定間隔で設けられているものであり、この支持板53a~53cは矩形板状のものであり、中空構造部55の中空構造の内部の空間57において、高さ方向には空間が設けられると共に正面側と背面側とに接するように取り付けられている。
【0088】
換言すると、止水板構造体51の止水板56の中空構造部55は、中空構造の内部の空間57の一部を仕切ると共に、仕切られた空間同士を互いに連通可能とする形状からなる支持板53a~53cを有している。
【0089】
このような止水板構造体51において、止水構造体51の外部の水の水位が中空構造部が浸かるH
4の位置まで上昇するとする。すると、止水板56の中空構造部55に正面側(
図7の矢印で示す側)から水圧が加わり、止水板56の中空構造部55の正面側が背面側へ撓むような力が加わることになる。しかしながら、その際には支持板53a~53bが補強板として機能し、止水板56の中空構造部55の正面側が背面側へ撓みにくくし、止水板構造体51の止水板56の強度が向上する。
【0090】
図8は、この発明の第5の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図3に対応する図である。
【0091】
尚、この実施の形態による止水板構造体61の構成は、基本的には第1の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0092】
図8を参照して、止水板構造体61の止水板66は、中空構造部75が、長手方向に延びると共に内部に空間77a~77cを有する複数の筒状部材71a~71cを高さ方向に積み上げて形成されている。筒状部材71a~71cの各々は、中実構造部95の上方において、I型金具とねじとからなる連結金具72a~72fによって脱着自在に固定されているものである。
【0093】
このようにすることで、止水板66の中空構造部75を中実構造部79及び筒状部材71a~71c毎に分割することが可能になり、止水板構造体61の止水板66をコンパクトに収納できると共に運搬が容易となる。
【0094】
又、筒状部材71a~71cの各々は、互いに接する筒状部材(ここでは、筒状部材71a及び71b、筒状部材71b及び71cの組合せを指す)の内部の空間77a~77c同士を連通する連通口73a~73dを有している。又、最上段に位置する筒状部材71cには水の注入が可能な開口76が設けられており、矢印Rが示すように、開口76を介して注入された液体8は、連通口73a~73dを介して筒状部材71a~71c間を移動し、筒状部材71a~71cの内部の空間77a~77cに貯留することができる。
【0095】
このようにすることで、止水板66の筒状部材71a~71cの内部の空間77a~77cに確実に液体8を注入することが可能となり、止水板66の浮き上がりが防止され、止水板構造体61の止水性が安定する。
【0096】
図9は、
図8で示した止水板構造体のIX-IXラインの概略断面図であって、
図7に対応する図である。
【0097】
図8に加えて
図9を参照して、止水板構造体61の止水板66は、中空構造部75の背面側と中実構造部79の背面側及び底面側の各々にゴム等の水密性を有する素材で形成された遮蔽部材78が取り付けられている。
【0098】
ここで、止水板構造体61の外部の水の水位が筒状部材71cの一部が浸かるH5の位置まで上昇したとする。すると、筒状部材71a~71cの取付状態によっては、右向きの矢印が示すように、止水板構造体61の外部の水が、止水板66の中実構造部79及び筒状部材71a~71cの各々の間から毛細管現象によって侵入してくる場合がある。しかしながら、遮蔽部材78によって侵入してきた水は堰き止められ、堰き止められた水は、下向きの矢印が示すように、中空構造部75と中実構造部79の背面側と遮蔽部材78との間を伝って下方に移動し、中実構造部79の底面側と遮蔽部材78との間を伝って、左向きの矢印が示すように、止水板66の正面側に排出される。つまりは、中実構造部79及び筒状部材71a~71cの間より侵入した水が構造物側に排出されるのを防止できると共に、侵入した水を中実構造部79と遮蔽部材78との隙間を介して排出することが可能となるため、止水板構造体61の止水性がより向上する。
【0099】
図10は、この発明の第6の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略斜視図であり、
図1に対応する図であって、
図11は、
図10で示した止水板構造体のXI-XIラインの概略断面図であって、
図3に対応する図である。
【0100】
この実施の形態による、止水板構造体81は、間口2を形成する一対の壁面3といった所定間隔に設置された一対の構造物の各々に、床面4から垂直方向に水密状態に取り付けられた一対の取付部材85a、85bと、水密性を有すると共に、内部に空間87を有する止水板本体(第1から第5の実施の形態の止水板に相当)86とを備えたものである。
【0101】
尚、この実施の形態による止水板構造体81の取付部材85a、85bの構成及び止水板構造体81の設置方法は、基本的には第1の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0102】
図10及び
図11を参照して、止水板構造体81の止水板本体86には、
図10の矢印方向から見た側を正面として、その左右側面部82の下部の各々に止水板本体86の内部の空間87及び外部の空間同士の水の通過が可能な通水口83a、83bが設けられている。又、止水板本体86の上方(平面部84)には止水板本体86の内部の空間87及び外部の空間同士の気体の通過が可能な通気口88が設けられたものである。
【0103】
このように構成された止水板本体86を含む止水板構造体81の外部の水の水位が止水板本体86の通水口にかかるH6の位置まで上昇すると、矢印Rが示すように、通水口83a、83bを介して外部から止水板本体86の内部に水が流入することになる。その際、止水板本体86の内部の空間87に溜まっている空気は通気口88だけでなく、通水口83a、83bの水との隙間からも排出される。次に、水位が通水口が完全に水に浸かるH7の位置まで上昇すると、通水口83a、83bは水に完全に浸かってしまい、止水板本体86の内部の空間87に溜まっている空気を通水口83a、83bを介して排出することは難しくなる。しかしながら、通気口88からは、矢印Aが示すように、引き続き空気が排出されるので、通気口88がない場合に比べて、止水板本体86の内部の空間87へ外部から水を早く確実に流入することができる。
【0104】
すると、流入した水の分だけ、止水板本体86の重量は重くなる。よって、止水板本体86の外部の水と止水板86との浮き沈みに関する力の関係が、止水板本体86を浮き上がらせようとする力<止水板本体86を沈ませようとする力となりやすくなり、止水板構造体81の止水板本体86の浮き上がりを防止できる。
【0105】
このように、止水板本体86の内部の空間87に液体が注入されていない場合には、全体が中実構造からなる止水板に比べて軽量なものとなるため、非止水状態においては、止水板本体86の取り扱いやすさが維持される。又、外部から止水板本体86の内部の空間87に水が流入する際に、止水板本体86の内部の空間87の空気が通気口88から排出され、通気口88がない場合に比べて、止水板本体86の内部の空間87へ水が早く流入することができるため、止水状態においては、止水板本体86が外部の水の種類や水位等の状態に応じて止水に適切な重量を迅速に得られることで、止水板本体86の浮き上がりを防止できる。
【0106】
図12は、この発明の第7の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【0107】
尚、この実施の形態による止水板構造体91の構成は、基本的には第6の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0108】
図12を参照して、止水板構造体91の止水板本体体96は、通水口93a~93fが高さ方向に複数設けられているものである。
【0109】
このような止水板構造体91において、止水板構造体91の外部の水の水位が止水板本体96の通水口93a、93bを覆うH8の位置である場合は、矢印R1が示すように、通水口93a、93bを介して外部から水が止水板本体96の内部の空間97に流入する。更に、水位が通水口93c、93dより上のH9まで上昇すると、矢印R2が示すように、通水口93c、93dからも水が止水板本体96の内部の空間97に流入する。尚、水が流入しない位置にある通水口は通気口として機能する。
【0110】
このように、止水板構造体91の止水板本体96の外部の水位が上昇すると、対応する高さの通水口93a~93fから止水板本体96の内部の空間97への水の流入が可能となるので、止水板本体96の内部の空間97への水の流入効率が向上する。
【0111】
図13は、この発明の第8の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【0112】
尚、この実施の形態による止水板構造体101の構成は、基本的には第7の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0113】
図13を参照して、止水板構造体101の止水板本体106は、止水板本体106の内部の空間107において、通水口103a~103fに、第2の実施の形態で述べたものと同様のヒンジ108a~108f等で取り付けられた片開きの蓋材104a~104fからなる流入出規制手段が設けられている。この蓋材104a~104fは、第2の実施の形態で述べたように、止水板構造体101の外部の水の流れ又は水圧で内側に押し開く構造になっており、通水口103a~103fを介した止水板本体106の外部から止水板本体106の内部の空間107への水の流入を可能にする一方、止水板本体106の内部の空間107から止水板本体106の外部への水の流出を防止するものである。
【0114】
このような止水構造体101において、止水板構造体101の外部の水の水位が止水板本体106の通水口103a、103bを覆うH10の位置まで上昇した場合、矢印R1が示すように、水が通水口103a、103bを介して止水板本体106の内部の空間107に流入する。その際に止水板本体106の内部の空気は、矢印Aが示すように通気口109を介して排出されるため、止水板本体106の内部の空間107へ水を早く確実に流入することができる。更に、止水板本体106の重量を増加させたい場合は、止水板本体106の通気口109を注入口として利用して、矢印R2が示すように液体を注入することもできる。
【0115】
こうすることで、通水口103a~103fを介して流入してくる水を止水板本体106の内部の空間107に導入できると共に、通気口109から追加で液体を注入して貯留することもできるため、止水板構造体101の外部の水位が急激に増水した場合でも、止水板本体106の内部の空間107に水及び液体を確実に貯留することが可能となる。
【0116】
図14は、この発明の第9の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【0117】
尚、この実施の形態による止水板構造体111の構成は、基本的には第7の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0118】
図14を参照して、止水板構造体111の止水板本体116は、止水板本体116の内部の空間117において、第3の実施の形態で述べたものと同様の一対の板材114a、114bからなる流出防止手段が、通水口113a~113fを覆うように脱着自在に設けられたものである。
【0119】
この板材114a、114bは、第3の実施の形態で述べたように、取り外した状態では、通水口113a~113fを介して止水板本体116の内部の空間117及び外部の空間の水の通過が可能となる一方で、取り付けた状態では、通水口113a~113fを介した止水板本体116の内部の空間117からの水の流出及び外部からの水の流入を防止するものである。
【0120】
このような止水構造体111において、止水板構造体111の外部の水の水位が止水板本体116の通水口113a、113bを覆うH10の位置まで上昇した場合、矢印R1で示すように、止水板本体116の内部の空間117に水が流入する。又、止水板本体116の重量を更に増加させたい場合には、板材114a、114bを取り付けた上で、矢印R2で示すように、通気口118を利用して液体を注入することもできる。
【0121】
こうすることで、通水口113a~113fを介して流入してくる水を止水板本体116の内部の空間117に導入可能な状態と、通気口118から液体を注入して貯留可能な状態とを切り替えることができるため、止水板構造体111の外部の水位が急激に増水した場合でも、止水板本体116の内部の空間117に水及び液体を確実に貯留することが可能となる。
【0122】
図15は、この発明の第10の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【0123】
尚、この実施の形態による止水板構造体121の構成は、基本的には第6の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0124】
図15を参照して、止水板構造体121の止水板本体126は、止水板本体126の内部の空間127に第4の実施の形態と同様の支持板124a~124cが設けられているものである。
【0125】
こうすることで、止水板本体126に外部から水圧が加わった際に支持板124a~124cが補強板として機能するため、止水板構造体121の強度が向上する。
【0126】
図16は、この発明の第11の実施の形態による止水板構造体の設置状態を示す概略断面図であって、
図11に対応する図である。
【0127】
尚、この実施の形態による止水板構造体131の構成は、基本的には第6の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0128】
図16を参照して、止水板構造体131の止水板本体136は、第5の実施の形態の中空構造部75のように、長手方向に延びると共に内部に空間を有する複数の筒状部材141a~141cを高さ方向に積み上げて形成されている。この筒状部材141a~141c長手方向端部は開放されて通水口143a~143fが設けられている。このように構成した効果については後述する。又、筒状部材141a~141cの各々は、コの字型金具とねじによる連結金具142a~142dによって脱着自在に固定されているものである。
【0129】
こうすることで、止水板本体136を筒状部材141a~141c毎に分割することが可能になり、止水板構造体131の止水板本体136をコンパクトに収納できると共に運搬が容易となる。
【0130】
更に、筒状部材141a~141cの各々は、互いに接する筒状部材の内部の空間同士を連通する連通口145a~145dを有し、通気口146とも連通している。
【0131】
止水板構造体131の外部の水の水位が筒状部材141bの高さの半分程度を覆うH11の位置まで上昇すると、矢印Rが示すように、止水板本体136の通水口143a~143dを介して筒状部材141、141bの内部の空間147、147cへ止水板構造体131の外部から水が流入する。その際、筒状部材141a~141cの内部の空間147a~147cに溜まっている空気は連通口145a~145dを介して上昇し、矢印Aで示すように通気口146を介して排出される。又、水に覆われていない通水口143c、143dの一部及び143e、143fも通気口として機能する。加えて、流入した水は水位の上下に応じて、連通口145a~145dを介して筒状部材141a~141cの間を移動する。このように、筒状部材141a~141c内部の空気や外部から流入した水を、連通口145a~145dを介して移動させることが可能となり、止水板構造体131の外部からの水の流入が容易となる。
【0132】
更に、図示は一部省略するが、止水板本体136の背面側及び底面側の各々には、第5の実施の形態で述べたものと同様のゴム等の水密性を有する素材で形成された遮蔽部材148が取り付けられている。
【0133】
この遮蔽部材148は、図示しないが、第5の実施の形態で述べたように、筒状部材141a~141c間を毛細管現象で侵入してくる水を堰き止めることが可能となる。又、堰き止めた水は筒状部材141a~141cの背面側と遮蔽部材148との間を下に向かって移動し、筒状部材141aの底面側と遮蔽部材148との間を伝って、止水板本体136の正面側に排出することができる。つまりは、筒状部材141a~141cの間より侵入した水が構造物側に排出されるのを防止できると共に、侵入した水を筒状部材141cと遮蔽部材148との隙間を介して排出することが可能となるため、止水板構造体131の止水性がより向上する。
【0134】
尚、上記の第1から第5の実施の形態では、外部の水の比重が1であることを前提とし、それより比重の大きいアルミニウムからなる止水板としたものである。しかしながら、外部の水は他にも状況によって、雨水、川水や海水等様々な種類の水が考えられ、季節に応じて水の温度も異なることが想定される。そのため、先に水に浸かる中実構造部は、それら想定される種々の水よりも比重の大きい素材で形成するのが好ましい。こうすることで、止水状態において、止水板構造体の止水板が水中で浮き上がりにくくなるため、止水性が向上する。例えば、上記の第1から第5の実施の形態では、止水板の素材は水密性を有するものであれば、鉄、ステンレス、カーボン、ポリカーボネート等の合成樹脂、合成木材、ゴム引き布等を含む他の素材を適用することができる。又、上記の第6から第11の実施の形態の止水板本体についても同様の素材を適用できる。
【0135】
又、上記の第1から第5の実施の形態では、止水板の中実構造部と中空構造部とは同一の素材(アルミニウム)で形成されるものであったが、別々の素材で形成されるものであってもよい。
【0136】
更に、上記の第1から第5の実施の形態では、中実構造部と中空構造部とは別々の部材で構成されていたが、これに限らず、一体的に形成されるものであってもよい。
【0137】
更に、上記の第1から第5の実施の形態では、中実構造部は単一の素材からなるものであったが、これに限らず、複合素材からなるものであってもよい。又、中実構造部の内部が満たされているものであれば、中実構造部の内部に空間を設けてその中に、砂、泥、石、金属片といったものを充填してもよい。こうすることで、コスト的に有利になる。
【0138】
更に、上記の第1から第5の実施の形態では、止水板構造体として、止水板は取付部材を介して取り付けるもの(脱着式)であったが、これに限らず任意の構造を採用することができる。例えば、扉のような開閉式や引き戸のようなスライド式の構造を採用して、止水板を直接構造物及び床面に設置するようにしてもよい。又、中実構造部を有することで全体が中空構造の止水板よりも重量があり安定性が高いため、一定の厚みがあるものであれば床面に直置きするものであってもよい。
【0139】
更に、上記の各実施の形態では、止水板構造体の取付部材は平面視コの字形状の枠体からなるものであったが、他の形状からなるものであってもよい。例えば、止水板又は止水板本体の下部に正面側に延びる足材を設けたり、床面にレール状の溝を設けてそれに嵌め込むようにしてもよい。
【0140】
更に、上記の各実施の形態では、止水板及び止水板本体は矩形板状のものであったが、これに限らず他の形状を有するものであってもよい。例えば、下方に末広がりの台形状のものであってもよい。
【0141】
更に、上記の各実施の形態では、壁面、床面、取付部材及び止水板又は止水板本体の各々の取付部分に関する水密構造については、任意の構造を採用することができる。
【0142】
更に、上記の第1から第5の実施の形態では、止水板の開口は中空構造部の上方がほぼ開放されるように設けられるものであったが、これに限らない。液体が注入できるものであれば、丸形状、四角形状、楕円形状といった他の形状の穴を設けるようにしてもよい。
【0143】
更に、上記の第1から第5の実施の形態では、止水板の開口は中空構造部の上部に設けられるものであったが、これに限らない。水の注入のし易さの関係上、より上方に設けることが好ましいが、中空構造部の内部に液体を注入できる構造であれば任意の場所に設けてもよい。
【0144】
更に、上記の第1から第5の実施の形態では、止水板の中空構造部に排出口を設ける構成であったが、これに限らず、中実構造部に排水口を設けて排水口と中空構造部と通水路を中実構造部に設ける構成としてもよい。又、排出口はなくてもよい。
【0145】
更に、上記の第1から第5の実施の形態では説明しなかったが、排水口の形状は、丸形状、楕円形状、四角形状といった任意の形状を適用できる。
【0146】
更に、上記の第2、第3及び第6から第11の実施の形態では説明しなかったが、通水口の形状は、丸形状、楕円形状、四角形状といった任意の形状を適用できる。
【0147】
更に、上記の第2、第3及び第6から第11の実施の形態では、通水口は止水板又は止水板本体に特定個数設けられるものであったが、これに限らず、少なくとも一つ設けられていればいくつ設けられるものであってもよい。
【0148】
更に、上記の第2、第3及び第6~第11の実施の形態では、通水口は止水板又は止水板本体の左右側面部に設けられるものであったが、これに限らず、正面側に設けるものであってもよい。その際は、水平方向に複数設けられるものであってもよい。
【0149】
更に、上記の第2及び第8の実施の形態では、流入出規制手段としてヒンジで止めた片開きの蓋材を用いるものであったが、これに限らない。止水板又は止水板本体の外部からの水の流入を可能とし、内部からの水の流出を防止するものであれば、逆止弁といった他の手段を用いてもよい。
【0150】
更に、上記の第3及び第9の実施の形態では、流入出防止手段として板材を用いるものであったが、これに限らない。止水板又は止水板本体の外部と内部との水の流出入を防止する脱着自在のものであれば、通水口の形状に合わせたキャップといった他の手段を用いてもよい。
【0151】
更に、上記の第4及び第10の実施の形態では、支持板が中空構造の空間の中に垂直方向に3枚設けられている構成であったが、少なくとも1枚設けられているものであればよい。又、水平方向に設けられるものであってもよい。
【0152】
更に、上記の第4及び第10の実施の形態では説明しなかったが、支持板は上記の他の実施の形態の止水板及び止水板本体の内部の空間に設ける構成としてもよい。又、第5及び第11の実施の形態における筒状部材の内部の空間に設ける場合は、各筒状部材の上部と下部の空間を空けた形で取り付けるものとすればよい。
【0153】
更に、上記の第5及び第11の実施の形態では、筒状部材が3本積み重ねられることにより止水板又は止水板本体を形成するものであったが、これに限らず、筒状部材は2本以上であれば任意の本数を選択してよい。
【0154】
更に、上記の第5及び第11の実施の形態では、筒状部材は特定形状の連結金具で取り付けられる構成であったが、これに限らない。脱着自在に取り付けられるものであれば面ファスナー等の他の手段を適用できる。
【0155】
更に、上記の第5の実施の形態では、筒状部材は長手方向両端が閉塞しているものであったが、第2及び第3の実施の形態で述べたような通水口に加えて流入出規制手段又は流入出防止手段を設ける構成としてもよい。
【0156】
更に、上記の第5の実施の形態では、筒状部材は全て内部に空間を有するものであったが、これに限らず、最下部に取り付けられる筒状部材が中実構造を有するものであってもよい。
【0157】
更に、上記の第11の実施の形態では、筒状部材は長手方向両端全体が開放されるようにして通水口が設けられるものであったが、これに限らず、第6の実施の形態で述べたような通水口を形成したものとしてもよい。更に、第8及び第9の実施の形態で述べたような、流入出規制手段又は流入出防止手段を通水口に設ける構成としてもよい。
【0158】
更に、上記の第11の実施の形態では、筒状部材の全てに通水口が設けられる構成であったが、これに限らず、少なくとも最下部に位置する筒状部材に通水口を設けていれば、他の筒状部材には設けなくともよい。
【0159】
更に、上記の第5及び第11の実施の形態では、連通口は筒状部材の各々の中央付近に直線上に設けられるものであったが、これに限らず、互いに接する筒状部材の連通口の位置が対応していれば、離れた筒状部材同士の連通口の位置は異なっていてもよい。
【0160】
更に、上記の第5及び第11の実施の形態では説明しなかったが、連通口の形状は、丸形状、楕円形状、四角形状といった任意の形状を適用できる。
【0161】
更に、上記の第5及び第11の実施の形態では、遮蔽部材は止水板又は止水板本体の背面側及び底面側の双方に設けられる構成であったが、少なくとも背面側に設けられていればよい。
【0162】
更に、上記の第6から第11の実施の形態では説明しなかったが、通気口の形状は丸形状、楕円形状、四角形状といった任意の形状を適用できる。又、第1から第4の実施の形態のように、上方全体を開放したような形状としてもよい。
【符号の説明】
【0163】
1、21、41、51、61、81、91、101、111、121、131…止水板構造体
2…間口
3…壁面
4…床面
5a、5b、25a、25b、65a、65b、85a、85b、135a、135b…取付部材
6、26、46、56、66…止水板
8…液体
15、35、45、55、75…中空構造部
16、36、48、76…開口
17、37、47、57…中空構造の内部の空間
18…排水口
19、39、79…中実構造部
33a~33f、43a~43f、83a、83b、93a~93f、103a~103f、113a~113f、143a~143f…通水口
34a~34f、104a~104f…蓋材
38a~38f、108a~108f…ヒンジ
44a、44b、114a、114b…板材
53a、53b、53c、124a、124b、124c…支持板
71a、71b、71c、141a、141b、141c…筒状部材
73a~73d、145a~145d…連通口
77a、77b、77c、147a、147b、147c…筒状部材の内部の空間
78、148…遮蔽部材
86、96、106、116、126、136…止水板本体
87、97、107、117…止水板本体の内部の空間
88、98、109、118,146…通気口
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。