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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】マイクロバブル混合水の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/02 20060101AFI20240711BHJP
   A47K 3/28 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61H33/02 A
A47K3/28
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021044248
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022143630
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2021-03-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】512083883
【氏名又は名称】株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレット
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(72)【発明者】
【氏名】小星 重治
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】中村 則夫
【審判官】横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】特許第6727249(JP,B2)
【文献】特許第6744890(JP,B2)
【文献】実開平2-119090(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/00-33/14, A47K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーヘッドに設けられた複数の孔群から成る湯水噴出孔の少なくとも一部を被冠する状態で装着され、前記湯水噴出孔から噴出する湯水の噴出経路中に錠剤状の炭酸入浴剤を留置させる錠剤収容部を有する構成の製造器を用いる炭酸マイクロバブル混合水の製造方法において、
前記製造器の本体が、錠剤収容部及び孔群部又は網状部を有する硬質体であり、
前記錠剤収容部は、収容される炭酸入浴剤の回転を含む自由運動が可能な内部容積を有する構成であり、
該錠剤収容部に炭酸入浴剤を収容した状態で、前記硬質体を前記湯水噴出孔に対面させた状態でシャワーヘッドに装着することにより、前記湯水噴出孔から噴出する湯水によって前記炭酸入浴剤が溶解してマイクロバブルと成ると共に噴出する湯水と混合してマイクロバブル混合水を放出可能な構成であり、
前記硬質体が鉢状であると共に金属製であり、
前記硬質体とシャワーヘッドとの間に可撓性を有するアタッチメント部材を介在させて硬質体とシャワーヘッドとを密着可能であり、
シャワーヘッドへの硬質体の装着が、帯状体、紐状体等の装着具を用いて行われる構成であり、かつ前記装着具が、伸縮性、弾性、可撓性の特性の内、少なくとも一つの特性を有する素材で形成された構成であり、
上記シャワーヘッドへの硬質体の装着が、帯状体、紐状体等の装着具を用いて行われる構成であり、かつ前記装着具が、伸縮性、弾性、可撓性の特性の内、少なくとも一つの特性を有する素材で形成された構成に基づき、炭酸マイクロバブルシャワー専用のシャワーヘッドに付け替えることなく、既存のタイプ・形状・大きさ等の異なる様々な一般的なシャワーヘッドに装着してもマイクロバブル発生効果が噴出する湯水に対して広範囲に及び、錠剤収容部は炭酸入浴剤を周囲に余裕を持たせた状態で収容可能な内部容積を有し、湯水噴出孔から噴出する湯水によって炭酸入浴剤が錠剤収容部内を揺動・移動するだけでなく回動したりするため、湯水と広範囲に且つ様々な向きで接触して溶解することになるので、極めて高いマイクロバブル発生効果を得ること
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血行促進などの炭酸泉入浴効果を著しく向上させマイクロバブル効果を併せ持つマイクロバブル混合水の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)と、有機酸とを含む混合物を打錠等によって成型し、発泡性組成物(固形物)とすることは、洗浄剤、入浴剤、風呂水清浄剤、プール用殺菌剤等の製品に適用されている。これらの製品(固形物)は、水に投入すると、その成分が反応して炭酸ガスを発生しつつ速やかに溶解する利点を有すると同時に、消費者に快適な使用感を与えるので商品価値を高める効果があり、特に浴剤(入浴剤ということもある。)においては、発生する炭酸ガスの血行促進効果が積極的に利用されている。
【0003】
従来、入浴剤を用いて炭酸マイクロバブルシャワー水を得るため、炭酸入浴剤をシャワーヘッドに入れ込む技術が知られている(特許文献1~3参照)。
【0004】
これら特許文献1~3に記載の技術は、シャワーヘッドに炭酸入浴剤をセットする構成であるため、セット可能なシャワーヘッドがない場合、シャワーヘッドによる炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができなかった。
特に、海外旅行中に炭酸マイクロバブルシャワー水を浴したいという願望があっても、ホテル等の宿泊施設には炭酸入浴剤をセット可能なものは無く、断念せざるを得なかった。
【0005】
そこで本発明者は、炭酸マイクロバブルシャワー専用のシャワーヘッドに付け替えることなく、既存の一般的なシャワーヘッドさえあれば炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができる技術を先に提案した(特許文献4及び5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-241261号公報
【文献】特開昭62-283915号公報
【文献】特開2007-289289号公報
【文献】特許6727249号公報
【文献】特許6744890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これら特許文献4、5に記載の技術は、既存の一般的なシャワーヘッドに、細孔を有する弾性体及び/又は網状体を被冠させ、この弾性体及び/又は網状体に炭酸入浴剤を収容し、噴出する湯水によってマイクロバブルを発生させて炭酸マイクロバブルシャワーが得られるものである。
【0008】
本発明者は、上記先発明について更に研究を続けた結果、マイクロバブル発生効果について改良の余地があることが判った。
即ち、シャワーノズルの湯水噴出孔から噴出する湯水と収容された炭酸入浴剤との接触が限定的であるという不都合があることが判った。
【0009】
本発明は、かかる不都合を解決するために成されたもので、既存のタイプ・形状・大きさ等が異なる様々なシャワーヘッドに装着してもマイクロバブル発生効果が噴出する湯水に対して広範囲に及ぶことによって毛髪洗浄効果等を向上させることができる炭酸マイクロバブルの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1.シャワーヘッドに設けられた複数の孔群から成る湯水噴出孔の少なくとも一部を被冠する状態で装着され、前記湯水噴出孔から噴出する湯水の噴出経路中に錠剤状の炭酸入浴剤を留置させる錠剤収容部を有する構成の製造器を用いる炭酸マイクロバブル混合水の製造方法において、
前記製造器の本体が、錠剤収容部及び孔群部又は網状部を有する硬質体であり、
前記錠剤収容部は、収容される炭酸入浴剤の回転を含む自由運動が可能な内部容積を有する構成であり、
該錠剤収容部に炭酸入浴剤を収容した状態で、前記硬質体を前記湯水噴出孔に対面させた状態でシャワーヘッドに装着することにより、前記湯水噴出孔から噴出する湯水によって前記炭酸入浴剤が溶解してマイクロバブルと成ると共に噴出する湯水と混合してマイクロバブル混合水を放出可能な構成であり、
前記硬質体が鉢状であると共に金属製であり、
前記硬質体とシャワーヘッドとの間に可撓性を有するアタッチメント部材を介在させて硬質体とシャワーヘッドとを密着可能であり、
シャワーヘッドへの硬質体の装着が、帯状体、紐状体等の装着具を用いて行われる構成であり、かつ前記装着具が、伸縮性、弾性、可撓性の特性の内、少なくとも一つの特性を有する素材で形成された構成であり、
上記シャワーヘッドへの硬質体の装着が、帯状体、紐状体等の装着具を用いて行われる構成であり、かつ前記装着具が、伸縮性、弾性、可撓性の特性の内、少なくとも一つの特性を有する素材で形成された構成に基づき、炭酸マイクロバブルシャワー専用のシャワーヘッドに付け替えることなく、既存のタイプ・形状・大きさ等の異なる様々な一般的なシャワーヘッドに装着してもマイクロバブル発生効果が噴出する湯水に対して広範囲に及び、錠剤収容部は炭酸入浴剤を周囲に余裕を持たせた状態で収容可能な内部容積を有し、湯水噴出孔から噴出する湯水によって炭酸入浴剤が錠剤収容部内を揺動・移動するだけでなく回動したりするため、湯水と広範囲に且つ様々な向きで接触して溶解することになるので、極めて高いマイクロバブル発生効果を得ること
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【発明の効果】
【0024】
請求項1又は8に示す発明によれば、炭酸マイクロバブルシャワー専用のシャワーヘッドに付け替えることなく、既存のタイプ・形状・大きさ等の異なる様々な一般的なシャワーヘッドに装着してもマイクロバブル発生効果が噴出する湯水に対して広範囲に及ぶことによって毛髪洗浄効果等を向上させることができる炭酸マイクロバブルの製造器及び製造方法を提供することができる。
【0025】
特に、錠剤収容部は炭酸入浴剤を周囲に余裕を持たせた状態で収容可能な内部容積を有するため、湯水噴出孔から噴出する湯水によって炭酸入浴剤が錠剤収容部内を揺動・移動しながら前記湯水と接触して溶解することになるので、湯水とマイクロバブルとが効率的に混合され、毛髪洗浄効果等が向上する。
【0026】
請求項2又は9に示す発明によれば、炭酸入浴剤が錠剤収容部内において湯水によって揺動・移動するだけでなく回動したりするため、湯水と広範囲に且つ様々な向きで接触して溶解することになるのでマイクロバブル発生効果が極めて高い。
【0027】
請求項3又は10に示す発明によれば、硬質体が鉢状であるため、鉢状の内側である錠剤収容部の中を隈なく自由に滞ることなく炭酸入浴剤が揺動・移動することができるので、湯水との混合効率が効率的且つ均等になることからマイクロバブル発生効果が著しく高い。
【0028】
請求項4又は11に示す発明によれば、硬質体が金属製であるため、金網やパンチ板(パンチングメタル等)のように安価に入手し易い材料によって容易に加工形成することができる。
【0029】
請求項5又は12に示す発明によれば、可撓性を有するアタッチメント部材が、シャワーヘッドと硬質体との間のクッション材として機能するため、様々な形状のシャワーヘッドに安定した状態で装着することが可能である。
【0030】
請求項6又は13に示す発明によれば、装着具(帯状体、紐状体等)をシャワーヘッドに巻き付けたり結び付けたりする等によって硬質体をタイプ・形状・大きさ等の異なる様々な種類のシャワーヘッドに装着することが可能である。
【0031】
請求項7又は14に示す発明によれば、装着具(帯状体、紐状体等)の特性によってシャワーヘッドへの硬質体の装着が密着した安定した状態となる。
【0032】
尚、本発明において、「湯水」とは、いわゆる水、若しくは加温乃至は加熱してある湯又はこの両者の混合物をいう。また、「マイクロバブル」とは、いわゆる微細気泡と称されるものをいう。尚また、本発明において、「量」は特に断りのない限り「質量」を表し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を表し、「部」は特に断りのない限り「質量部」を表す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器の一実施例を示す2面図(左側面図、正面図)
図2図1に示す製造器を装着する前のシャワーヘッドの一例を示す左側面図
図3図1に示す製造器を図2に示すシャワーヘッドに装着した状態を示す左側面図
図4】製造器とシャワーヘッドとの間に介在させるアタッチメント部材の一例を示す4面図(左側面図、正面図、背面図、A-A線断面図)
図5図4に示すアタッチメント部材を製造器とシャワーヘッドのとの間に介在させた状態を示す左側面図
図6】本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器の他の実施例を示す2面図(左側面図、正面図)
【0034】
以下、本発明に係るマイクロバブル混合水の製造器(以下、単に製造器ということもある。)、及びマイクロバブル混合水の製造方法(以下、単に製造方法ということもある。)について図面に基づき説明する。
【0035】
本発明は炭酸泉入浴効果とマイクロバブル効果を併せ持つマイクロバブル混合水を簡易に得ることができる製造器と、マイクロバブル混合水の製造方法であり、炭酸ガス成分とマイクロバブルとを混合した湯水を製造器の吐出口から吐出(シャワー吐出)させることによって洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
【0036】
特に、本発明は、炭酸入浴剤収納部を有していない既存の一般的なシャワーヘッドに適用することによって、炭酸マイクロバブル混合水をシャワー吐出させ、従前の炭酸入浴剤収納部を有する特定構成のシャワーヘッドと同等又はそれ以上の洗浄効果と血行促進等の健康増進効果を発揮できる技術である。
【0037】
かかる本発明の効果は、本発明者の研究によれば、従前の炭酸入浴剤収納部を有するシャワーヘッドの場合、炭酸入浴剤が接触する湯水は、水道における流水と同等であり、気泡が混在するマイクロバブル混合水ではないのに対し、本発明における炭酸入浴剤が接触する湯水は、シャワーヘッドにおける湯水噴出孔から得られる気泡が混在するマイクロバブル混合水であり、このマイクロバブル混合水に炭酸入浴剤を接触させ溶解させることによって、炭酸マイクロバブル混合水を得るためであると推察している。
【0038】
しかも本発明は、国内外を問わず旅行先であっても、宿泊施設に備えられている既存の一般的なシャワーヘッドに適用するだけで、炭酸入浴剤による炭酸マイクロバブル混合水を気軽に浴びることができる利点がある。
【0039】
以下、図1図3に基づき本発明の実施例について詳説する。
【0040】
本発明の製造器・製造方法は、図1に示す製造器2を図2に示すシャワーヘッド1に図3に示すように装着する構成を有するものである。
即ち、本発明の製造器2は、図3に示すように、シャワーヘッド1に設けられた複数の孔群から成る湯水噴出孔13の少なくとも一部を被冠する状態で装着され、前記湯水噴出孔13から噴出する湯水の噴出経路中に錠剤状の炭酸入浴剤3を留置させる錠剤収容部21Aを有する構成において、
製造器2の本体21が、錠剤収容部21A及び網状部21Bを有する硬質体であり、
前記錠剤収容部21Aは、炭酸入浴剤3を周囲に余裕を持たせた状態で収容可能な内部容積を有し、
該錠剤収容部21Aに炭酸入浴剤3を収容した状態で、前記本体21である硬質体を前記湯水噴出孔13に対面させた状態でシャワーヘッド1のヘッド部14に装着することにより、前記湯水噴出孔13から噴出する湯水によって前記炭酸入浴剤3が溶解してマイクロバブルと成ると共に噴出する湯水と混合してマイクロバブル混合水を放出可能な構成であること、
を主構成とするものである。
【0041】
本発明の製造器2・製造方法が適用されるシャワーヘッド1は、公知のいずれのものでよく、一般に、湯水が供給されるホース11と、該ホース11が接続される持ち手部12と、該持ち手部12と一体構成であると共に湯水噴出孔13を有するヘッド部14と、を有して成る構成を有するものであるが、持ち手部12とヘッド部14とは本実施例に示すような一体構成に限らず、別体で形成されたものを一体となるように接続又は結合したものであってもよいし、ヘッド部14が持ち手部12に対して向きや角度が変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよいし、少なくとも湯水噴出孔13を有するヘッド部14さえ備えた構成のもの、即ち、タイプ・形状・大きさ等が異なる様々な構成を有する既存の一般的なシャワーヘッドを用いることができる。
【0042】
図1及び図2に示す本実施例の製造器2は、硬質体である本体21が好ましくは鉢状であること、金属製であること、であり、本実施例では、網状部21Bが複数本の金属製の線材が縦横及び/又は斜めに交差(本実施例では縦横にのみ交差)すると共に、その形状が丸鉢状を有する金網体から形成されている。また、本体21は、その鉢状の金網体の周囲縁部には網状部21Bの強度を維持すると共にシャワーヘッド1に対面した状態で当接する枠部22が設けられている。
【0043】
本体21の形状は、鉢状であることによって鉢状の内側である錠剤収容部21Aの中を隈なく自由に滞ることなく炭酸入浴剤3が揺動・移動することができるので、湯水との混合効率が効率的且つ均等になることからマイクロバブル発生効果が著しく高い。尚、鉢状の形状としては本実施例の丸鉢状に限らず、楕円鉢状や角鉢状等であってもよい。
また、本体21を金属製とすることによって金網やパンチ板(パンチングメタル等)のように安価に入手し易い材料によって容易に加工形成することができる。
【0044】
炭酸入浴剤3が収容される錠剤収容部21Aは、炭酸入浴剤3の回転を含む自由運動が可能な内部容積を有することが好ましく、かかる構成によれば、炭酸入浴剤3が錠剤収容部21A内において湯水によって揺動・移動するだけでなく回動したりするため、湯水と広範囲に且つ様々な向きで接触して溶解することになるのでマイクロバブル発生効果が極めて高くなることを期待できる。
【0045】
製造器2をシャワーヘッド1に装着するには、帯状体、紐状体等の装着具5を用いて行われ、枠部22には装着具5を挿通取付するための取付部23が設けられている。尚、取付部23は、例えば、相対向する1又は2以上の取付部23とする。
帯状体、紐状体等の装着具5は、伸縮性、弾性、可撓性の特性の内、少なくとも一つの特性を有する素材で形成された構成であることが好ましく、具体的にはシリコンゴムや合成ゴム製の紐状体やテープ状体等を挙げることができる。装着具5(帯状体、紐状体等)をシャワーヘッド1に巻き付けたり結び付けたりする等によって製造器2をタイプ・形状・大きさ等の異なる様々な種類のシャワーヘッドに容易に装着することが可能となり、また、装着具5を伸縮性、弾性、可撓性を有する素材とすれば、その特性によってシャワーヘッド1への装着が密着した安定した状態となる。
【0046】
本発明における炭酸入浴剤3は、その組成を問わず、固形のものであれば、いずれのものであってもよい。形状や大きさについても特に限定せず、錠剤状、球状、立方形状以外の顆粒状などであってもよい。例えば、最も好ましく用いられる炭酸入浴剤3としては、本発明者が先に提案した特許第6268332号公報に記載のものを挙げることができ、以下に例示する。
【0047】
重炭酸塩をポリエチレングリコール(以下「PEG」ということもある。)等で造粒した後、有機酸(特にクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸)等をPEGと混合してもしくは造粒し、それぞれを一定比率内の条件で混合し、本発明の賦形剤を加えて錠剤を圧縮成形によって成形し、錠剤の溶解直後のpHが下記範囲となるよう設計することで、錠剤に水が浸透するとき激しく均一にかつ持続的に炭酸ガスを発泡するよう反応させ、かつ発生する炭酸ガス泡はミクロサイズの微細炭酸ガスとして長時間発生させることができ、錠剤は溶解し終わるまでミクロサイズの泡を発泡し続け、泡が空気中に揮散するまえに水中で中和され重炭酸イオンに解離して高濃度の重炭酸イオンが溶存するよう水のpHは5.5から9.0であるよう設計され、好ましくは6.0から8.5、特に6.3から8.0である際、洗浄効果と血行促進等の健康増進効果という効果が最大限に発揮される。
【0048】
更に、重炭酸塩の混合物が流動層を用いて、PEGで、コーテイングして作成された造粒物であることにより、錠剤中での継続的で均一な反応など、前記効果の発現が大きく発揮される。
【0049】
また、錠剤硬度が15kg以上、好ましく25kg以上、特に好ましくは30kg以上に高硬度とされるほど、塩素中和化合物の継続的で安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応を抑え錠剤が溶解した部分が湯中で塩素を迅速に除去するよう高硬度に成形されることが好ましい。
塩素除去効果が高いほど、シャワー入浴時の場合でも血行促進や体温上昇等の健康増進が大きい効果が発揮される
【0050】
更にまた、錠剤摩損度が10.0wt%以下、特に好ましくは5.0wt%以下、さらに好ましくは3.0wt%以下であるほど、塩素中和化合物の継続的安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応効率を最大にできるだけでなく、シャワー入浴時の場合でさえも血行促進及び体温上昇等の健康増進効果を発揮できる。
【0051】
本発明に好ましく用いられる炭酸入浴剤の錠剤を作製する圧縮成形には、公知の圧縮成形機を特別の制限なく使用でき、例えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンなどを用いることができる。この打錠機などに用いる杵の大きさは、杵が円形である場合は直径が7mm以上であることが好ましく、杵が三角形や四角形の場合、円形杵に換算して直径が7mm以上となるものが好ましい。そして杵の厚みについても同様である。円形の打錠品を得る場合、錠剤の直径は7mm以上が望ましく、より望ましくは10mm以上とし、厚みも7mm以上、好ましくは10mm以上とし、三角形や四角形等の錠剤とされる場合、円形錠剤に換算して、直径及び厚みの各々が7mm以上、特に10mm以上とすることが好ましい。
【0052】
炭酸入浴剤の錠剤は、必ずしも平面を持つ円形でなくてもよく、7mm以上の固形物であれば、楕円形でもいわゆるタブレット状でも球体でも、形は何ら制限されない。
【0053】
上記した硬度及び摩損度並びに一定サイズ以上の錠剤中でミクロサイズの発泡をゆっくり起こさせ、湯水中への炭酸ガスの溶解をより効率的に行うことが好ましく、そのため硬度は15kg以上、望ましくは25kg以上、特に好ましくは35kg以上であり、また摩損度は10.0wt%以下、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは3wt%以下であり、直径や厚みは10mm以上が特に好ましく、錠剤中での炭酸ガスの発生がより効果的に起こり、水中への炭酸ガスの溶解が効率的に行われ、泡の径が細かくなり、本発明に用いて好ましい炭酸入浴剤となる。
【0054】
以上の構成を有する本発明の製造器2・製造方法によれば、炭酸マイクロバブルシャワー専用のシャワーヘッドに付け替えることなく、既存のタイプ・形状・大きさ等の異なる様々な一般的なシャワーヘッド1に装着しても、マイクロバブル発生効果が噴出する湯水に対して広範囲に及ぶことによって毛髪洗浄効果等を向上させることができる。
特に、錠剤収容部21Aは炭酸入浴剤3を周囲に余裕を持たせた状態で収容可能な内部容積を有するため、湯水噴出孔13から噴出する湯水によって炭酸入浴剤3が錠剤収容部21A内を揺動・移動しながら前記湯水と接触して溶解することになるので、湯水とマイクロバブルとが効率的に混合され、毛髪洗浄効果等が向上する。
【0055】
以上、図1図3に示す実施例に基づき本発明について説明したが、本発明は上記実施例に限定されず本発明の範囲内において様々な態様を採ることができる。
【0056】
例えば、製造器2の本体21とシャワーヘッド1との間に、図4に示すような可撓性を有するアタッチメント部材4を介在させて、図5に示すように本体21とシャワーヘッド1とを密着可能である構成とすることが好ましい。
かかる構成によれば、本体21が硬質体、シャワーヘッド1も一般的には硬質合成樹脂製や金属製のように硬質体という硬質体同士の装着を、その間に介在させた可撓性を有するアタッチメント部材4がクッション材として機能するため、様々な形状のシャワーヘッド1に安定した状態で装着することが可能である。しかもその装着は密着度が高いことから、装着の合わせ目部分からの湯水の漏れを防ぐことができるため、シャワー効果を低下させるおそれがない。
【0057】
アタッチメント部材4を構成する可撓性を有する材料としては、例えば、軟質合成樹脂やシリコーン樹脂を挙げることができる。アタッチメント部材4には、製造器2の本体21が嵌まり込む溝部41と、シャワーヘッド1との密着度を挙げるための凹部42が形成されていることが好ましい。
【0058】
また、本発明の製造器2の本体21は、上記した実施例では網状部21Bを有する硬質体であったが、図6に示すような孔群部21Cを有する硬質体であってもよい。
図6に示すように本体21は、パンチングメタルのような複数の孔群が穿孔された板材を鉢状に形成したものであり、縁部近傍には装着具5を挿通するための取付部23が設けられている。
【符号の説明】
【0059】
1 シャワーヘッド
11 ホース
12 持ち手部
13 湯水噴出孔
14 ヘッド部
2 製造器
21 本体(硬質体)
21A 錠剤収容部
21B 網状部
21C 孔群部
22 枠部
23 取付部
3 炭酸入浴剤
4 アタッチメント部材
41 溝部
42 凹部
5 装着具


図1
図2
図3
図4
図5
図6