(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 330
(21)【出願番号】P 2023000469
(22)【出願日】2023-01-05
(62)【分割の表示】P 2020114200の分割
【原出願日】2020-07-01
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】中村 徳秀
(72)【発明者】
【氏名】太田 光紀
【審査官】廣瀬 貴理
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-028019(JP,A)
【文献】特開2019-195475(JP,A)
【文献】特開2013-162817(JP,A)
【文献】特開2010-075268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成された遊技機において、
遊技に使用された遊技媒体の検知結果を用いて遊技媒体数を計数する計数手段と、
所定の情報を表示する表示手段と、
前記表示手段を制御する表示制御手段と、
情報を記憶可能な記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記遊技媒体数が特定数に達すると、当該特定数に達したことを認識可能であって、かつ、所定のメンテナンスが必要であることを認識可能とする内容のメンテナンス情報を表示するように前記表示手段を制御可能であり、
前記遊技媒体数が前記特定数に達したときの状況によって、前記メンテナンス情報の表示態様が異なり、
前記メンテナンス情報
が表示
される条件は、前記図柄変動ゲームの実行中、及び前記図柄変動ゲームの非実行中の何れであっても
満たされ得るようになっており、
前記メンテナンス情報の表示は、特定条件が成立するまで電源投入がされる毎に行われ、前記特定条件は、所定の情報を初期化する操作に応じて成立し、
前記記憶手段は、前記表示手段に表示される前記メンテナンス情報の内容を特定可能な情報を累積して記憶可能であり、
前記表示手段では、累積して記憶される情報に特定される内容を示す情報を表示可能であ
り、
電源投入がされるとき、前記メンテナンス情報を表示可能であるとともに、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて復帰することを特定可能な復帰情報を表示可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成された遊技機において、
遊技に使用された遊技媒体の検知結果を用いて遊技媒体数を計数する計数手段と、
所定の情報を表示する表示手段と、
前記表示手段を制御する表示制御手段と、
情報を記憶可能な記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記遊技媒体数が特定数に達すると、当該特定数に達したことを認識可能であって、かつ、所定のメンテナンスが必要であることを認識可能とする内容のメンテナンス情報を表示するように前記表示手段を制御可能であり、
前記遊技媒体数が前記特定数に達したときの状況によって、前記メンテナンス情報の表示態様が異なり、前記メンテナンス情報が表示される条件は、前記図柄変動ゲームの実行中、及び前記図柄変動ゲームの非実行中の何れであっても満たされ得るようになっており、
前記メンテナンス情報の表示は、特定条件が成立するまで電源投入がされる毎に行われ、前記特定条件は、所定の情報を初期化する操作に応じて成立し、
前記記憶手段は、前記表示手段に表示される前記メンテナンス情報の内容を特定可能な情報を累積して記憶可能であり、
前記表示手段では、累積して記憶される情報に特定される内容を示す情報を表示可能であり、
前記表示手段とは別
の表示手段を備え、前記メンテナンス情報の
表示による報知は、前記
別の表示手段でも実行可能であり、前記表示手段と前記
別の表示手段とでは、前記メンテナンス情報の報知の終了タイミングが異なり得ることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、各種の遊技部品を搭載するとともに、これら遊技部品の協働により遊技者の遊技を可能としている(例えば、特許文献1)。例えば、各種の遊技部品としては、演出用の可動体、遊技球Kを検知するセンサ、及び発射ハンドル(発射装置)など、多種多様なものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機は、長らく遊技に供されることにより、遊技機を構成する遊技部品が消耗するなどして、所定のメンテナンスが必要になることもある。しかしながら、従来の遊技機では、遊技の使用状況を把握し難く、適時に必要なメンテナンスを施すことが難しかった。
【0005】
本発明の目的は、遊技の使用状況を把握し易い遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する遊技機は、当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成された遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の検知結果を用いて遊技媒体数を計数する計数手段と、所定の情報を表示する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、情報を記憶可能な記憶手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記遊技媒体数が特定数に達すると、当該特定数に達したことを認識可能であって、かつ、所定のメンテナンスが必要であることを認識可能とする内容のメンテナンス情報を表示するように前記表示手段を制御可能であり、前記遊技媒体数が前記特定数に達したときの状況によって、前記メンテナンス情報の表示態様が異なり、前記メンテナンス情報が表示される条件は、前記図柄変動ゲームの実行中、及び前記図柄変動ゲームの非実行中の何れであっても満たされ得るようになっており、前記メンテナンス情報の表示は、特定条件が成立するまで電源投入がされる毎に行われ、前記特定条件は、所定の情報を初期化する操作に応じて成立し、前記記憶手段は、前記表示手段に表示される前記メンテナンス情報の内容を特定可能な情報を累積して記憶可能であり、前記表示手段では、累積して記憶される情報に特定される内容を示す情報を表示可能であり、電源投入がされるとき、前記メンテナンス情報を表示可能であるとともに、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて復帰することを特定可能な復帰情報を表示可能であることを要旨とする。
【0007】
上記課題を解決する遊技機は、当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成された遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の検知結果を用いて遊技媒体数を計数する計数手段と、所定の情報を表示する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、情報を記憶可能な記憶手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記遊技媒体数が特定数に達すると、当該特定数に達したことを認識可能であって、かつ、所定のメンテナンスが必要であることを認識可能とする内容のメンテナンス情報を表示するように前記表示手段を制御可能であり、前記遊技媒体数が前記特定数に達したときの状況によって、前記メンテナンス情報の表示態様が異なり、前記メンテナンス情報が表示される条件は、前記図柄変動ゲームの実行中、及び前記図柄変動ゲームの非実行中の何れであっても満たされ得るようになっており、前記メンテナンス情報の表示は、特定条件が成立するまで電源投入がされる毎に行われ、前記特定条件は、所定の情報を初期化する操作に応じて成立し、前記記憶手段は、前記表示手段に表示される前記メンテナンス情報の内容を特定可能な情報を累積して記憶可能であり、前記表示手段では、累積して記憶される情報に特定される内容を示す情報を表示可能であり、前記表示手段とは別の表示手段を備え、前記メンテナンス情報の表示による報知は、前記別の表示手段でも実行可能であり、前記表示手段と前記別の表示手段とでは、前記メンテナンス情報の報知の終了タイミングが異なり得ることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技の使用状況を把握し易い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【
図6】メンテナンス情報の表示態様の一例を示す模式図。
【
図7】発射球数とメンテナンス情報の表示態様との関係を示す模式図。
【
図8】第2実施形態におけるメンテナンス情報の表示態様の一例を示す模式図。
【
図9】(a)は、第2実施形態における第1発射球数と第1メンテナンス情報の表示態様との関係を示す模式図、(b)は、同じく第2発射球数と第2メンテナンス情報の表示態様との関係を示す模式図。
【
図10】第3実施形態におけるメンテナンス装置を示す模式図。
【
図11】(a)~(c)は、変更例における第1演出表示装置及び第2演出表示装置を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の第1実施形態について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0011】
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技媒体としての遊技球Kが機内部に封入されており、機内部にて遊技球Kを循環して再利用し続ける封入式の遊技機(所謂、管理遊技機)として構成されている。パチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を備える。搭載枠11bには、後述する遊技盤YBが組み付けられている。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出という)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、及び効果音等である。パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、内蔵された発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出という)を実行可能である。
【0012】
パチンコ遊技機10は、遊技球Kを発射する発射装置HSを備える。発射装置HSは、供給された遊技球Kを内部に取り込む取込部(不図示)と、取り込んだ遊技球Kを打ち出す打球槌(不図示)と、打球槌に遊技球Kの打出し動作をさせる発射モーター(不図示)と、を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球Kを発射するときに操作される発射ハンドルHDを備える。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量によって、発射装置HSによる遊技球Kの打出し強度(発射強度)を調整可能に構成されている。発射装置HSは、遊技球Kを発射する発射手段の一例である。
【0013】
図2に示すように、遊技盤YBの前面には、正面視で略円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技領域YBaの略中央には、表示窓口YBbが形成されている。遊技領域YBaの左方には、発射装置HSにより発射された遊技球Kを遊技領域YBaへと案内する打出通路YBcが形成されている。打出通路YBcは、第1案内通路の一例である。本明細書において、遊技球Kを発射装置HSへ供給することは、遊技球Kを遊技に供することである。
【0014】
遊技盤YBは、第1特別図柄表示装置19aを備える。第1特別図柄表示装置19aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームという)を実行可能である。遊技盤YBは、第2特別図柄表示装置19bを備える。第2特別図柄表示装置19bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームという)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄と、が少なくともある。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選において大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。
【0015】
遊技盤YBは、第1保留表示装置19cを備える。第1保留表示装置19cは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数という)を特定可能な情報を表示する。遊技盤YBは、第2保留表示装置19dを備える。第2保留表示装置19dは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数という)を特定可能な情報を表示する。
【0016】
遊技盤YBは、普通図柄表示装置19eを備える。普通図柄表示装置19eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、が少なくともある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。遊技盤YBは、普通保留表示装置を備えてもよい。普通保留表示装置は、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。また、遊技盤YBは、後述の右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示装置や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示装置を備えていてもよい。
【0017】
パチンコ遊技機10は、画像を表示可能な画像表示部を有する演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、表示窓口YBbを介して、画像表示部における表示領域Rを視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、演出表示装置EHは、液晶装置である。演出表示装置EHは、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出という)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。本実施形態において、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAは、それぞれ演出を実行可能な演出装置であり、複数の演出装置からなる演出装置群ESを形成する。
【0018】
例えば、演出表示装置EHにおける表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームという)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。例えば、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0019】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。例えば、特別ゲームにおいて、大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、を纏めて「図柄変動ゲーム」と示すか、又はこれを略して単に「変動ゲーム」と示す。
【0020】
遊技領域YBaには、遊技球Kが入球可能な複数の入賞口(入球口)が形成されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、普通入賞口15と、が少なくともある。第1始動口12は、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるに際して遊技球Kを入球させる入賞口である。第1始動口12は、演出表示装置EHの下方にあり、常時、遊技球Kを入球させることができるように開口している。遊技盤YBは、第1始動口12へ入球した遊技球Kを検知する第1始動センサSE1を備える(
図5参照)。第2始動口13は、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるに際して遊技球Kを入球させる入賞口である。第2始動口13は、第1始動口12の右方にある。第2始動口13は、扉状であることを一例とする開閉片を備えており、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球Kを入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖されている。第2始動口13は、普通当り遊技が付与されると、遊技球Kを入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤YBは、第2始動口13を開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(
図5参照)。また、遊技盤YBは、第2始動口13へ入球した遊技球Kを検知する第2始動センサSE2を備える(
図5参照)。第2始動口13は、所謂「普通電動役物」である。
【0021】
大入賞口14は、賞球の付与条件を成立させるに際して、遊技球Kを入球させる入賞口である。大入賞口14は、演出表示装置EHの右下方にある。大入賞口14は、扉状であることを一例とする開閉片を備えており、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球Kを入球させることができないように閉鎖されている。大入賞口14は、大当り遊技が付与されると、遊技球Kを入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤YBは、大入賞口14を開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(
図5参照)。また、遊技盤YBは、大入賞口14へ入球した遊技球Kを検知するカウントセンサSE3を備える(
図5参照)。
【0022】
普通入賞口15は、賞球の付与条件を成立させるに際して、遊技球Kを入球させる入賞口である。普通入賞口15は、演出表示装置EHの左下方、及び演出表示装置EHの右下方にそれぞれある。普通入賞口15は、常時、遊技球Kを入球させることができるように開口している。遊技盤YBは、普通入賞口15へ入球した遊技球Kを検知する普通センサSE4を備える(
図5参照)。
【0023】
遊技領域YBaには、ゲート17が配設されている。ゲート17は、遊技領域YBaの右方領域であって、第2始動口13、及び大入賞口14の上方にある。ゲート17には、常時、遊技球Kを入球させることができるように開放されたゲート口17aを有する。ゲート口17aには、入球し、通過する遊技球Kを検知するゲートセンサSE5が配設されている(
図5参照)。ゲート17は、普通ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球Kを入球させる入球口である。ゲート17は、遊技球Kが入球しても賞球の付与条件が成立しない。遊技領域YBaの最下方には、第1始動口12、第2始動口13、大入賞口14、及び普通入賞口15の何れにも入球しなかった遊技球Kを遊技領域YBaから排出するためのアウト口18が形成されている。パチンコ遊技機10は、アウト口18へ入球した遊技球Kを検知するアウトセンサ(不図示)を備える。
【0024】
遊技者は、発射ハンドルHDの操作により、遊技球Kの発射強度を調整し、表示窓口YBbより左方にある左方領域、及び表示窓口YBbより右方にある右方領域に遊技球Kを打ち分ける。例えば、発射強度を強めに調整して遊技球Kを発射した場合(以下、右打ちという)、遊技球Kは、右方領域に流下案内され易く、第2始動口13、大入賞口14、普通入賞口15、又はゲート17へ入球する可能性がある。右打ちは、遊技球Kを右方領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度又は最大強度よりも若干弱い強度に調整して行う。一方、発射強度を弱めに調整して遊技球Kを発射させた場合(以下、左打ちという)、遊技球Kは、左方領域に流下案内され易く、第1始動口12、又は普通入賞口15へ入球する可能性がある。左打ちは、右打ちのときほど遊技球Kを勢いよく発射させる必要がないため、発射させた遊技球Kが右方領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。本実施形態では、右打ちした場合、第1始動口12へ遊技球Kが入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球Kの流路が形成されている。遊技部品は、右打ちしたときに第1始動口12への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちしたときに比して、第1始動口12へ入球し難いように配置されていてもよい。
【0025】
本実施形態における左方領域は、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線Cよりも左側に位置する領域である。本実施形態における右方領域は、遊技盤YBを正面視したときに中心線Cよりも右側に位置する領域である。発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球Kは、遊技領域YBaの左側にある打出通路YBcに案内され、遊技領域YBaに到達する。このため、左方領域は、打出通路YBc寄りの領域でもあり、右方領域は、打出通路YBcから離れた領域でもある。左方領域を流下案内される遊技球Kは、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置EHの左側を通り、遊技領域YBaの最下方に位置するアウト口18へ向かう。一方、右方領域を流下案内される遊技球Kは、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置EHの右側を通り、アウト口18へ向かう。
【0026】
図3に示すように、パチンコ遊技機10の機内部には、第1始動口12、第2始動口13、大入賞口14、普通入賞口15、及びアウト口18の何れかに入球した遊技球Kを集合するとともに、発射装置HSへ案内する回収通路TKが形成されている。回収通路TKは、遊技領域YBaへ発射された遊技球Kを回収して発射装置HSへと案内する第2案内通路の一例である。第1始動口12、第2始動口13、大入賞口14、普通入賞口15、及びアウト口18にそれぞれ繋がる通路は、集合部TKaにて合流する。
【0027】
回収通路TKのうち、集合部TKaと発射装置HSとの間には、メンテナンス装置60が設けられている。集合部TKaを通過する遊技球Kは、メンテナンス装置60にて所定のメンテナンスが施されてから、発射装置HSへと向かう。メンテナンス装置60は、所定のメンテナンスの一例として、回収通路TKを流通する遊技球Kを研磨する装置(機構部分)である。メンテナンス装置60の詳細については後述する。
【0028】
パチンコ遊技機10の機内部には、発射装置HSと遊技領域YBaとを繋ぐように、上述した打出通路YBcが形成されている。打出通路YBcは、遊技盤YBにおいて、遊技領域YBaの左側縁部に沿って、上下方向に延びるように形成されている。発射装置HSにて打ち出された遊技球Kは、打出通路YBcを通過し、遊技領域YBaへと案内される。パチンコ遊技機10の機内部には、発射装置HSから打出通路YBcへと打ち出されたが、遊技領域YBaへと到達しなかった遊技球K(所謂、ファール球)を回収するファール球通路TKbが形成されている。ファール球通路TKbは、打出通路YBcと回収通路TKとを繋いでいる。ファール球としての遊技球Kは、ファール球通路TKbを介して、打出通路YBcから回収通路TKへと流入し、再び発射装置HSに取り込まれる。
【0029】
パチンコ遊技機10は、発射装置HSにより打ち出され、打出通路YBcを通過する遊技球Kを検知する発射センサSE6を備える。発射センサSE6は、打出通路YBcに配設されており、当該打出通路YBcを通過する遊技球Kを検知すると、所定の検知信号を出力可能に構成されている。発射センサSE6は、打出通路YBcとファール球通路TKbとが繋がる部分よりも発射装置HS側に設けられている。よって、発射センサSE6は、発射装置HSによって打ち出された遊技球Kの全てを検知可能である。
【0030】
メンテナンス装置60について説明する。
図4に示すように、メンテナンス装置60は、第1研磨ベルト部61と、当該第1研磨ベルト部61よりも遊技球Kの流通方向KDにおける下流側にある第2研磨ベルト部65と、を有する。
【0031】
第1研磨ベルト部61は、回収通路TKを間に挟んで向かい合う2つの第1研磨ベルト63を備える。第1研磨ベルト部61は、第1研磨ベルト63がそれぞれ架け渡された複数の第1回転軸62を有する。2つの第1研磨ベルト63は、互いに対向する第1対向面63aをそれぞれ有する。第1対向面63a同士の離間距離は、遊技球Kの平均直径よりも小さい。したがって、遊技球Kは、回収通路TKを通過するとき、互いに対向する2つの第1研磨ベルト63に接触する。メンテナンス装置60は、第1回転軸62を回転させる第1研磨モーター64を有する。矢印Y1に示すように、第1研磨モーター64の駆動力により第1回転軸62が回転すると、遊技球Kが2つの第1研磨ベルト63に挟み込まれた状態にて研磨されつつ搬送される。
【0032】
第2研磨ベルト部65は、回収通路TKを間に挟んで向かい合う2つの第2研磨ベルト67を有する。第2研磨ベルト部65は、第2研磨ベルト67がそれぞれ架け渡された複数の第2回転軸66を有する。2つの第2研磨ベルト67は、互いに対向する第2対向面67aをそれぞれ有する。第2対向面67a同士の離間距離は、遊技球Kの平均直径よりも小さい。したがって、回収通路TKを遊技球Kが通過するとき、当該遊技球Kは、互いに対向する2つの第2研磨ベルト67に接触する。メンテナンス装置60は、第2回転軸66を回転させる第2研磨モーター68を有する。矢印Y2に示すように、第2研磨モーター68の駆動力により第2回転軸66が回転すると、遊技球Kが2つの第2研磨ベルト67に挟み込まれた状態にて研磨されつつ搬送される。
【0033】
第2研磨ベルト部65は、回収通路TKにおける遊技球Kの流通方向KDのうち、第1研磨ベルト部61よりも下流側に配設されている。つまり、メンテナンス装置60において、遊技球Kは、2つの第1研磨ベルト63の間に受け入れられ、研磨される。続けて、遊技球Kは、2つの第2研磨ベルト67の間に受け入れられ、研磨される。その後、遊技球Kは、メンテナンス装置60から排出され、発射装置HSへ向かう。第1研磨ベルト63、及び第2研磨ベルト67は、回収通路TKを通過する遊技球Kを研磨する研磨部材の一例である。
【0034】
本実施形態において、第1研磨ベルト63、及び第2研磨ベルト67は、何れも伸縮性が少なく、引張強度に優れた研磨布である。第1研磨ベルト63は、第2研磨ベルト67に比して、編目が粗く、且つ表面の凹凸が大きい。このため、メンテナンス装置60では、第1研磨ベルト63によって、遊技球Kの大まかな汚れが除去され、さらに第2研磨ベルト67によって、研磨されるようになっている。
【0035】
メンテナンス装置60は、2つの第1交換センサSEaを備える。2つの第1交換センサSEaは、第1回転軸62に架け渡すように取り付けられた第1研磨ベルト63を各別に検知し、検知信号を出力する。パチンコ遊技機10は、2つの第2交換センサSEbを備える。2つの第2交換センサSEbは、第2回転軸66に架け渡すように取り付けられた第2研磨ベルト67を各別に検知し、検知信号を出力する。
【0036】
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、メンテナンス装置60を構成する研磨ベルト63,67を交換するためのベルト交換口69を有する。ベルト交換口69は、パチンコ遊技機10の裏面側に開口している。パチンコ遊技機10は、ベルト交換口69を閉鎖及び開放可能に軸支された開閉扉69aを備える。パチンコ遊技機10では、ベルト交換口69を開放すると、当該ベルト交換口69を介して研磨ベルト63,67にアクセス可能となり、これら研磨ベルト63,67を交換可能に構成されている。
【0037】
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口14を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球Kが入球する第1条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口14は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0038】
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能という)を搭載している。
確率変動機能は、大当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率という)を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0039】
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、普通電動役物である第2始動口13への入賞を補助することにより、第2始動口13への入球率を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、第2始動口13への入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球Kが第2始動口13へ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球Kが第2始動口13へ入球する確率が高まり、第2始動口13への遊技球Kの入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」であり、低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
【0040】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことによって、又は複数の制御を組み合わせて行うことによって実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口13の1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
【0041】
パチンコ遊技機10では、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって遊技状態が作り出される。以下の説明では、低確率状態、且つ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態、且つ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態、且つ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態、且つ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
【0042】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主基板40と、副基板50と、を備える。主基板40と、副基板50とは、主基板40から副基板50へと一方向に制御信号(制御コマンド)を出力可能となるように接続されている。主基板40は、所定の処理を実行し、副基板50へ制御信号を出力する。副基板50は、主基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。また、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側に、発射基板55と、電源ユニット56と、を備える。
【0043】
主基板40について説明する。
主基板40は、主制御CPU41と、主制御ROM42と、主制御RWM43と、乱数生成回路44と、外部通信部(不図示)と、RWMクリアスイッチ(不図示)と、を備える。主制御CPU41は、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。主制御ROM42は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。
【0044】
主制御ROM42は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。
【0045】
主制御RWM43は、主制御CPU41の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM43が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。主制御RWM43は、情報を記憶可能な記憶手段の一例である。乱数生成回路44は、ハードウェア乱数を生成する。主基板40は、主制御CPU41による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されていてもよい。
【0046】
主基板40は、各センサSE1~SE6と接続されている。主制御CPU41は、各センサSE1~SE6が遊技球Kを検知して出力する検知信号を入力可能である。主基板40は、各表示装置19a~19eと接続されている。主制御CPU41は、各表示装置19a~19eの表示内容を制御可能である。主基板40は、各ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU41は、各ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することにより、第2始動口13、及び大入賞口14の開放態様を制御可能である。主制御CPU41は、RWMクリアスイッチと接続されている。主制御CPU41は、RWMクリアスイッチが操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。RWMクリアスイッチは、初期化操作手段の一例となる。詳しくは後述するが、RWMクリアスイッチは、主制御RWM43の記憶内容の一部又は全部を初期化する操作が可能である。
【0047】
外部通信部(不図示)は、パチンコ遊技機10の機外部に設置された管理機器(以下、外部管理機器という)に対し、パチンコ遊技機10における遊技状況に関する情報(以下、遊技関連情報という)を出力可能に構成されている。外部通信部は、有線及び無線の何れによって遊技関連情報を出力可能であってもよい。外部通信部は、外部管理機器に対して直接的に結線されるものであってもよく、インターネットといった通信網を経由して遊技関連情報を出力可能であってもよい。例えば、外部管理機器は、パチンコ遊技機10が設置された遊技店における管理コンピューター(所謂、ホールコンピューター)であってもよく、遊技店とは異なる場所に設置された管理サーバーであってもよい。例えば、遊技関連情報は、発射装置HSによる発射球数、付与条件の成立に基づく賞球数、大当り遊技の回数、及び変動ゲームの開始回数などである。遊技関連情報は、パチンコ遊技機10に併設される情報読取装置が個人情報媒体(例えば遊技者の個人情報を記憶したICカード)から読み取った個人情報、遊技者に対して貸し付けた遊技球数、及び遊技球Kの貸し付けのために遊技者が消費した有価媒体量(例えば金額)であってもよい。遊技関連情報は、パチンコ遊技機10の個体識別情報(例えばシリアル番号など)を付加した情報であってもよい。
【0048】
副基板50について説明する。
副基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。副制御ROM52は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。副基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。副基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0049】
副基板50は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示領域Rにおける表示内容を制御可能である。副基板50は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力内容を制御可能である。副基板50は、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能である。副基板50は、メンテナンス装置60と接続されている。副制御CPU51は、メンテナンス装置60が備える研磨モーター64,68に対して各別に制御信号を出力し、研磨ベルト63,67をそれぞれ独立して回転させることができる。
【0050】
発射基板55について説明する。
発射基板55は、主基板40と接続されている。発射基板55には、発射ハンドルHDと、発射装置HSと、が接続されている。発射基板55は、発射ハンドルHDがその回動操作量に応じた強度にて出力する発射操作信号を入力可能である。発射基板55は、入力した発射操作信号の強度に応じた強度にて駆動信号を発射装置HSへ出力する。発射装置HSの発射モーターは、入力した駆動信号の強度に応じた駆動力を発生させ、発射装置HSに取り込まれた遊技球Kを打撃するように、打球槌(不図示)に打出し動作をさせる。これにより、遊技球Kが打出通路YBcへと打ち出される。
【0051】
電源ユニット56について説明する。
電源ユニット56は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧V1に変換するとともに、その変換後の電源電圧V1を主基板40、及び副基板50へ供給すべき電源電圧V2に変換する。電源ユニット56は、バックアップ電源(不図示)を備える。バックアップ電源は、電源断がされた後にも、主基板40に対して電力を供給する。主制御RWM43は、バックアップ電源から電力の供給を受けることにより、電源断時における主制御RWM43の記憶内容を電源断の後にも保持可能である。このように、パチンコ遊技機10では、電源ユニット56(バックアップ電源)によって、所謂バックアップ機能が実現されている。電源ユニット56は、主制御RWM43の記憶内容を電源断後に保持可能なバックアップ手段の一例を構成する。これに限らず、主制御RWM43は、電力供給が停止されている状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
【0052】
主制御RWM43に記憶可能な情報であって、且つバックアップの対象となる情報には、第1情報としての第1種情報、及び第2情報としての第2種情報がある。第1種情報は、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、及び遊技状態に関する情報を含む。例えば、特別ゲームに関する情報は、特別抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、及び特別ゲームで停止表示される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報は、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報は、高確率状態、及び高入球率状態であるか否かを特定可能な情報などである。
【0053】
第2種情報は、パチンコ遊技機10の管理に関する情報を含む。例えば、管理に関する情報は、遊技球Kの発射球数の計数結果を特定な情報、及びパチンコ遊技機10におけるベース値に関する情報などである。詳しくは後述するが、遊技球Kの発射球数は、主制御CPU41によって計数される。また、ベース値は、有効球の総数に対する賞球の総数の割合を示す値である。ベース値は、通常遊技時における有効球の総数に対する通常遊技時における賞球の総数の割合(比率)を示す値である。通常遊技は、低確低入球率状態であって、且つ大当り遊技が行われていないときの遊技である。有効球は、発射装置HSから発射された遊技球Kのうち、遊技領域YBaへと到達した遊技球Kである。ベース値は、大当り遊技中ではないことを前提とし、「低確低入球率状態における賞球総数÷低確低入球率状態における有効球総数×100」の計算式によって求められる。本実施形態において、ベース値に関する情報は、低確低入球率状態における賞球総数、及び低確低入球率状態における有効球総数である。これらに限らず、管理に関する情報は、大当り確率を定めた複数通りの設定値のうち、何れの設定値が設定されているかを特定可能な情報を含んでもよい。なお、第2種情報を生成するための処理については後述する。
【0054】
次に、主制御CPU41が行う各種の処理について説明する。
電源断処理について説明する。
主制御CPU41は、電源電圧が規定電圧よりも低下したときに電源ユニット56が出力する電断信号を入力すると、電源断処理を実行する。電源断処理において、主制御CPU41は、主制御RWM43のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値を主制御RWM43に記憶させる。また、主制御CPU41は、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグという)を主制御RWM43に記憶させる。その後、主制御CPU41は、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときに主制御RWM43に記憶されている各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0055】
電源投入処理について説明する。
主制御CPU41は、電源投入に伴って、主基板40への供給電圧が主制御CPU41の動作に必要な電圧に達すると、タイマ割り込み処理を禁止する。主制御CPU41は、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。具体的に、主制御CPU41は、主制御RWM43にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、主制御CPU41は、主制御RWM43のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。主制御CPU41は、バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。
【0056】
バックアップされた情報が異常と判定した場合、主制御CPU41は、主制御RWM43に記憶されている第1種情報を初期化する。このとき、主制御CPU41は、第2種情報を初期化しない。主制御CPU41は、第1種情報の初期化を特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を副基板50へ出力する。その後、主制御CPU41は、所定の制御コマンドを出力するための処理(以下、特定コマンド出力処理という)を実行した後、電源投入処理を終了する。特定コマンド出力処理の詳細については後述する。
【0057】
バックアップされた情報を正常と判定した場合、主制御CPU41は、RWMクリアスイッチから操作信号を入力しているか否かを判定する。RWMクリアスイッチから操作信号を入力している場合、主制御CPU41は、主制御RWM43に記憶されている第1種情報を初期化する。このとき、主制御CPU41は、第2種情報を初期化しない。主制御CPU41は、初期化コマンドを副基板50へ出力する。一方、RWMクリアスイッチから操作信号を入力していない場合、主制御CPU41は、バックアップされた第1種情報に基づいて復帰することを特定可能な制御コマンド(以下、復電コマンドと示す)を副基板50へ出力する。その後、主制御CPU41は、特定コマンド出力処理を実行した後、電源投入処理を終了する。以上のように、本実施形態の構成によれば、第1種情報は、RWMクリアスイッチの操作を伴う電源投入によって初期化される一方、第2種情報は、RWMクリアスイッチの操作を伴う電源投入によって初期化されない。
【0058】
そして、主制御CPU41は、電源投入処理を終了すると、タイマ割り込み処理を許可する。つまり、主制御CPU41は、遊技を進行させるための処理(以下、通常処理という)を実行可能となる。通常処理は、第1種情報が初期化されておれば、初期化後の第1種情報に基づいて実行される。つまり、主制御CPU41は、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも零であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが何れも実行中ではなく、大当り遊技も付与されていない状態に基づいて、通常処理に含まれる各種処理を実行する。通常処理は、第1種情報が初期化されていなければ、バックアップされている第1種情報に基づいて実行される。つまり、主制御CPU41は、第1特別保留数及び第2特別保留数が電源断時の保留数であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが実行されておれば当該特別ゲームを実行させる処理へ復帰し、大当り遊技を付与中であれば、大当り遊技を付与する処理へ復帰する。
【0059】
主制御CPU41は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理は、何れも通常処理である。この他にも、通常処理には、後述する大当り遊技処理、状態移行処理、リセット処理、及び情報生成処理がある。
【0060】
特別図柄入力処理について説明する。
主制御CPU41は、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球Kが第1始動口12へ入球したか否かを判定する。遊技球Kが第1始動口12へ入球した場合、主制御CPU41は、主制御RWM43に記憶されている第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41は、第1保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU41は、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置19cを制御する。本実施形態において、第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球Kが第1始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0061】
次に、主制御CPU41は、乱数生成回路44が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM43に記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM43に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0062】
主制御CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM43に記憶させた場合、遊技球Kが第1始動口12へ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球Kが第2始動口13へ入球したか否かを判定する。遊技球Kが第2始動口13へ入球している場合、主制御CPU41は、主制御RWM43に記憶されている第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41は、第2保留数を1加算して更新する。主制御CPU41は、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示装置19dを制御する。本実施形態において、第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球Kが第2始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0063】
次に、主制御CPU41は、主基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM43に記憶させる。主制御CPU41は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM43に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM43に記憶させた場合、遊技球Kが第2始動口13へ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41は、特別図柄入力処理を終了する。
【0064】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
最初に、主制御CPU41は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41は、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、主制御CPU41は、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0065】
第1保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU41は、第1保留数を1減算して更新する。主制御CPU41は、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置19cを制御する。次に、主制御CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM43から取得する。続けて、主制御CPU41は、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。主制御CPU41は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0066】
大当りに当選した場合、主制御CPU41は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU41は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。主制御CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0067】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU41は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU41は、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。主制御CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0068】
第2保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU41は、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0069】
主制御CPU41は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを副基板50へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0070】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。また、主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副基板50に出力する。
【0071】
一方、主制御CPU41は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。また、主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副基板50に出力する。以上のように、パチンコ遊技機10は、主制御CPU41が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、始動口への遊技球Kの入球を契機に当り抽選を行い、当該当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成されている。
【0072】
大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU41は、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU41は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU41は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0073】
最初に、主制御CPU41は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副基板50に出力する。主制御CPU41は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU41は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口14を開状態とする。主制御CPU41は、カウントセンサSE3による遊技球Kの検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口14を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU41は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副基板50に出力する。主制御CPU41は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副基板50に出力する。主制御CPU41は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU41は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副基板50に出力する。
【0074】
状態移行処理について説明する。
主制御CPU41は、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM43に高確フラグをセットする。即ち、主制御CPU41は、高確率状態に制御する。なお、主制御CPU41は、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一方、主制御CPU41は、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM43に高確フラグをセットしない。即ち、主制御CPU41は、低確率状態に制御する。主制御CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU41は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0075】
主制御CPU41は、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、主制御RWM43に作動フラグをセットする。即ち、主制御CPU41は、高入球率状態に制御する。主制御CPU41は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RWM43に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU41は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RWM43に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU41は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、主制御CPU41は、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。主制御CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU41は、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
【0076】
次に、副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置群ESを制御する。
【0077】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを含む演出装置群ESを制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。なお、副制御CPU51は、リーチ演出を実行させる場合、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。
【0078】
そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。また、副制御CPU51は、演出ゲームに関連して所定の演出を実行させる場合、当該演出を実行するように、演出表示装置EHを含む演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0079】
次に、第2種情報を生成するための情報生成処理について説明する。
最初に、ベース値に関する情報の生成、及びベース値の計数について説明する。
主制御CPU41は、低確低入球率状態であって、且つ大当り遊技が行われていないとき、有効球を累積的に計数する。主制御CPU41は、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、普通センサSE4、及びアウトセンサ(不図示)の何れかから検知信号を入力する毎に、主制御RWM43のうち特定の記憶領域に記憶されている有効球総数に1加算する。また、主制御CPU41は、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及び普通センサSE4の何れかから検知信号を入力する毎に、検知信号に対応する入賞口に定められた賞球数を、主制御RWM43のうち特定の記憶領域に記憶されている賞球総数に加算する。
【0080】
主制御CPU41は、主制御RWM43に記憶されている有効球総数が規定数(例えば60000個)に達すると、その時点における賞球総数を主制御RWM43における所定の記憶領域へ記憶させる。主制御RWM43には、ここでいう所定の記憶領域として、1回前の規定数分の遊技における賞球総数を記憶する第1領域、2回前の規定数分の遊技における賞球総数を記憶する第2領域、及び3回前の規定数分の遊技における賞球総数を記憶する第3領域が定められている。したがって、主制御CPU41は、第1領域、第2領域、及び第3領域の各領域に記憶されている賞球総数を規定数で除算することにより、3回前までの規定数分の遊技における過去のベース値を算出できる。また、主制御CPU41は、特定の記憶領域に記憶されている賞球総数を、特定の記憶領域に記憶されている有効球数で除算することにより、現在のベース値を算出できる。
【0081】
そして、パチンコ遊技機10は、計数したベース値を報知可能に構成されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、ベース値を表示可能なベース表示部を機裏側に備えていてもよい。この場合、主制御CPU41は、所定の期間ごとに、3回分の過去のベース値、及び現在のベース値を順に切り替えて表示するように、ベース表示部を制御してもよい。また、主制御CPU41は、所定の出力タイミングが到来すると、過去のベース値、及び現在のベース値を外部通信部から出力してもよい。
【0082】
遊技球Kの発射球数の計数について説明する。
主制御CPU41は、予め定めたリセット条件が成立してからの遊技球Kの発射球数を累積的に計数する。リセット条件は、第1研磨ベルト63、及び第2研磨ベルト67の全てが交換されることによって成立する。リセット条件の成立に基づいて、主制御CPU41が実行するリセット処理の詳細については後述する。主制御CPU41は、発射センサSE6から検知信号を入力する毎に、主制御RWM43に記憶されている発射球数に1加算する。このように、主制御CPU41は、遊技に使用された遊技球Kを計数する計数手段の一例を構成する。主制御CPU41は、累積的に計数している発射球数が第1個数、増加する毎に、メンテナンス装置60の研磨ベルト63,67を回転させることを指示する制御コマンド(以下、駆動コマンドという)を副基板50へ出力する。
【0083】
主制御CPU41は、累積的に計数している発射球数が第1個数のn倍である第2個数のさらにm倍に達した場合、メンテナンス情報の表示を指示する制御コマンド(以下、報知コマンドという)のうち、第1報知コマンドを副基板50へ出力する。主制御CPU41は、累積的に計数している発射球数が第2個数の2m倍に達した場合、報知コマンドのうち第2報知コマンドを副基板50へ出力する。主制御CPU41は、累積的に計数している発射球数が第2個数の3m倍に達した場合、及び、発射球数が第2個数の3m倍に達してから第2個数のm倍だけ増加する毎に、報知コマンドのうち第3報知コマンドを副基板50へ出力する。
【0084】
次に、特定コマンド出力処理について説明する。
主制御CPU41は、電源投入処理における特定コマンド出力処理を実行し、以下のように制御コマンドを出力する。上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、RWMクリアスイッチの操作等によって第1種情報の初期化が行われる一方、第2種情報の初期化が行われない。このため、主制御CPU41は、電源投入がされると、直近の電源断時における発射球数から継続して、遊技球Kの発射球数を累積的に計数することとなる。また、特定コマンド出力処理において、主制御CPU41は、電源投入がされると、直近の電源断時における発射球数に基づいて各種の制御コマンドの出力条件の成否を判定し、成立した出力条件に応じた制御コマンドを出力する。
【0085】
特定コマンド出力処理において、主制御CPU41は、累積的に計数している発射球数が第2個数のm倍以上2m倍未満である場合、第1報知コマンドを副基板50へ出力する。主制御CPU41は、累積的に計数している発射球数が第2個数の2m倍以上3m倍未満である場合、第2報知コマンドを副基板50へ出力する。主制御CPU41は、累積的に計数している発射球数が第2個数の3m倍以上である場合、第3報知コマンドを副基板50へ出力する。本実施形態において、第2個数のm倍は、特定数となる。
【0086】
例えば、第1個数=600個、n=100、及びm=3に設定することができる。これによれば、リセット条件の成立後、発射球数が600個に達する毎に駆動コマンドが出力される。リセット条件の成立後、発射球数が6万個の3倍(18万個)に達すると第1報知コマンドが出力され、6万個の6倍(36万個)に達すると第2報知コマンドが出力され、6万個の9倍(54万個)に達すると第3報知コマンドが出力される。また、リセット条件の成立後、電源投入時における発射球数が6万個の3倍以上6倍未満(18万個以上36万個未満)である場合、第1報知コマンドが出力される。リセット条件の成立後、電源投入時における発射球数が6万個の6倍以上9倍未満(36万個以上54万個未満)である場合、第2報知コマンドが出力される。リセット条件の成立後、電源投入時における発射球数が6万個の9倍以上(54万個以上)である場合、第3報知コマンドが出力される。
【0087】
次に、メンテナンス装置60の駆動処理について説明する。
副制御CPU51は、駆動コマンドを入力する毎に、第1研磨モーター64を制御して第1回転軸62を回転させ、第1研磨ベルト63を回転させる。副制御CPU51は、駆動コマンドをn回にわたって入力し、第1研磨ベルト63がそれぞれn回にわたって動作したときに、第1研磨ベルト63がそれぞれ1周するように、第1研磨モーター64を制御する。つまり、本実施形態では、第1個数のn倍の遊技球Kが発射される毎に、2つの第1研磨ベルト63がそれぞれ1周する。本実施形態の一例であれば、2つの第1研磨ベルト63は、6万個の遊技球Kが発射されるごとに1周する。
【0088】
副制御CPU51は、駆動コマンドを入力する毎に、第2研磨モーター68を制御して第2回転軸66を回転させ、第2研磨ベルト67を回転させる。副制御CPU51は、駆動コマンドをn回にわたって入力し、第2研磨ベルト67がそれぞれn回にわたって動作したときに、第2研磨ベルト67がそれぞれ1周するように、第2研磨モーター68を制御する。つまり、本実施形態では、第2個数のn倍の遊技球Kが発射される毎に、2つの第2研磨ベルト67がそれぞれ1周する。本実施形態の一例であれば、2つの第2研磨ベルト67は、6万個の遊技球Kが発射されるごとに1周する。
【0089】
図6及び
図7に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技の使用状況に関する内容の特殊情報として、メンテナンスに関わるメンテナンス情報MJを表示可能に構成されている。メンテナンス情報MJは、演出表示装置EHにて表示される。演出表示装置EHは、所定の情報を表示する表示手段の一例である。実施形態の一例において、メンテナンス情報MJは、「研磨部材を交換して下さい。」の文字列のように、研磨ベルト63,67の交換を促す促進情報J1を含む。つまり、メンテナンス情報MJは、所定の部材の交換を特定可能な情報である。より具体的に、メンテナンス情報MJは、所定の部材の一例として、研磨部材(研磨ベルト63,67)の交換を特定可能な情報を含むと言える。本実施形態の一例において、メンテナンス情報MJは、「発射球数が○万個に達しました。」の文字列のように、研磨ベルト63,67を交換する判断基準を特定可能な基準情報J2を含む。
【0090】
メンテナンス情報MJの表示態様には、複数種類の表示態様がある。具体的に、本実施形態では、メンテナンス情報MJを表示するときの色調が青色である第1表示態様と、メンテナンス情報MJを表示するときの色調が黄色である第2表示態様と、メンテナンス情報MJを表示するときの色調が赤色である第3表示態様と、がある。このように、第1表示態様、第2表示態様、及び第3表示態様は、互いに異なる表示態様である。さらに、メンテナンス情報MJの色調は、第1表示態様(青色)<第2表示態様(黄色)<第3表示態様(赤色)の順に、パチンコ遊技機10の管理者等に対する注意喚起力が強い。つまり、メンテナンス情報MJの報知強度は、第1表示態様<第2表示態様<第3表示態様の順に強い。
【0091】
そして、副制御CPU51は、第1報知コマンドを入力すると、第1表示態様にてメンテナンス情報MJを表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、第2報知コマンドを入力すると、第2表示態様にてメンテナンス情報MJを表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、第3報知コマンドを入力すると、第3表示態様にてメンテナンス情報MJを表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0092】
このように、副制御CPU51は、表示手段の一例である演出表示装置EHを制御する表示制御手段の一例を構成する。副制御CPU51は、主制御CPU41が計数する発射球数が特定数(本実施形態では第2個数のm倍)に達すると、メンテナンス情報MJを表示するように演出表示装置EHを制御可能である。そして、副制御CPU51は、主制御CPU41が計数する発射球数が特定数に達したときの状況として、第2個数の何m倍であるかに応じて、メンテナンス情報MJの表示態様を異ならせる。
【0093】
図6に示すように、副制御CPU51は、電源投入時において、報知コマンドとともに復電コマンドを入力すると、メンテナンス情報MJに加えて、パチンコ遊技機10がバックアップされた第1種情報に基づいて復帰することを特定可能な復帰情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、復帰情報は、「復電処理中」の文字列である。また、副制御CPU51は、報知コマンドを入力せず、復電コマンドを単独で入力した場合、メンテナンス情報MJを表示せず、復帰情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0094】
副制御CPU51は、電源投入時において、報知コマンドとともに初期化コマンドを入力すると、メンテナンス情報MJに加えて、パチンコ遊技機10が初期化された第1種情報に基づいて復帰することを特定可能な初期化情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。例えば、初期化情報は、「初期化処理中」の文字列である。また、副制御CPU51は、報知コマンドを入力せず、初期化コマンドを単独で入力した場合、メンテナンス情報MJを表示せず、初期化情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0095】
なお、副制御CPU51は、電源投入時において、復帰情報及びメンテナンス情報MJの一方又は両方を表示させてから、規定時間が経過すると、これらの情報の表示を終了するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、電源投入時において、初期化情報及びメンテナンス情報MJの一方又は両方を表示させてから、規定時間が経過すると、これらの情報の表示を終了するように、演出表示装置EHを制御する。
【0096】
また、副制御CPU51は、演出ゲームの実行中、大当り演出の実行中、又は待機演出の実行中、報知コマンドを単独で入力した場合、メンテナンス情報MJを表示するように、演出表示装置EHを制御する。なお、待機演出は、待機状態中の演出である。待機状態は、変動ゲームを実行中ではなく、且つ大当り遊技を付与中ではない状態である。この場合、副制御CPU51は、初期化コマンド、又は復電コマンドとともに報知コマンドを入力したときに比して、メンテナンス情報MJを小さく表示するように、演出表示装置EHを制御してもよい。このように、メンテナンス情報MJの表示は、図柄変動ゲームの実行中、及び図柄変動ゲームの非実行中の何れであっても行われる。なお、本実施形態において、メンテナンス情報MJは、図柄変動ゲームの実行中、及び図柄変動ゲームの非実行中において、演出表示装置EHの表示領域Rのうち同じ領域(同一面積且つ同一位置)にて表示される。これに限らず、メンテナンス情報MJは、図柄変動ゲームの実行中と、図柄変動ゲームの非実行中とで、演出表示装置EHの表示領域Rのうち、表示位置及び表示面積(範囲)の一方又は両方が異なっていてもよい。
【0097】
次に、リセット処理について説明する。リセット処理は、通常処理の1つである。
主制御CPU41は、研磨ベルト63,67の交換が行われたか否かを判定する。具体的に、主制御CPU41は、研磨ベルト63,67を全て取り外した取外し状態となった後、研磨ベルト63,67を全て取り付けた取付け状態となった場合に、研磨ベルト63,67の交換が行われたと判定する。取外し状態は、2つの第1交換センサSEaの何れからも検知信号を入力しない状態であって、且つ2つの第2交換センサSEbの何れからも検知信号を入力しない状態である。取付け状態は、2つの第1交換センサSEaの何れからも検知信号を入力する状態であって、且つ2つの第2交換センサSEbの何れからも検知信号を入力する状態である。なお、主制御CPU41は、リセット処理を実行し、交換センサSEa,SEbの検出結果を常時監視する。
【0098】
主制御CPU41は、研磨ベルト63,67の交換が行われたと判定した場合、主制御RWM43に記憶されている発射球数を零にリセットする。つまり、本実施形態では、研磨ベルト63,67の交換によって、リセット条件が成立する。なお、リセット処理において、主制御CPU41は、研磨ベルト63,67のうち、一部の研磨ベルトだけを取り外して交換した状況では、発射球数をリセットしない。
【0099】
本実施形態の作用について説明する。
演出表示装置EHでは、遊技球Kの発射球数が特定数(第2個数のm倍)に達すると、メンテナンス情報MJが表示される。メンテナンス情報MJの表示態様は、発射球数が第2個数のXm倍(但し、Xは自然数)に達したかという状況に応じて異なる。これにより、パチンコ遊技機10の管理者等は、メンテナンス情報MJとして促されるメンテナンスの内容の重要度(優先度)を容易に把握できる。
【0100】
本実施形態において、電源投入時の特定コマンド処理の実行によって行われるメンテナンス情報MJの表示は、特定条件の一例であるリセット条件が成立するまで、電源投入がされる毎に、繰り返し行われることとなる。つまり、メンテナンス情報MJの表示は、研磨ベルト63,67の交換が適切に行われない限り、繰り返し行われ得る。したがって、管理者等がメンテナンス情報を見落としてしまうことを防止できる。
【0101】
本実施形態において、メンテナンス情報は、電源投入時のほか、発射球数が特定数に達すると表示される。したがって、リアルタイムで遊技の使用状況を把握することができる。
【0102】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、主制御CPU41が計数する発射球数が特定数に達することによって、メンテナンス情報MJの表示が行われるとともに、当該メンテナンス情報MJは、発射球数が特定数に達した状況によって、その表示態様が異ならされる。よって、例えば、パチンコ遊技機10の管理者等は、メンテナンス情報MJの表示や、その表示態様からパチンコ遊技機10の状況を把握し、所定のメンテナンスを施すことが可能になる。そして、メンテナンス情報MJの表示は、図柄変動ゲームの実行中、及び非実行中の何れであるかを問わず行われる。このため、メンテナンス情報MJの見落としを抑制できる。よって、遊技の使用状況を把握し易い。
【0103】
(2)本実施形態によれば、メンテナンス情報MJの表示は、特定条件としてのリセット条件が成立するまでは繰り返し行われる。よって、メンテナンス情報MJの見落としをさらに抑制できる。
【0104】
(3)本実施形態によれば、RWMクリアスイッチの操作によっても、主制御CPU41が計数する発射球数が初期化されない。したがって、RWMクリアスイッチの操作の有無に関わらず、適正に発射球数を計数し、時期に応じたメンテナンスを施し易くできる。
【0105】
(4)本実施形態によれば、メンテナンス情報MJとして促進情報J1が含まれるから、研磨ベルト63,67(研磨部材)の交換時期を容易に把握できる。よって、時期に応じたメンテナンスを施し易い。
【0106】
(第2実施形態)
パチンコ遊技機10の第2実施形態について説明する。
以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成、及び同一制御については同じ符号を付すなどし、その重複する説明を省略、又は簡略化する。
【0107】
第1実施形態では、研磨ベルト63,67を区別しないで、単一の発射球数を計数したが、第2実施形態では、研磨ベルト63,67を区別して各別に発射球数を計数し、メンテナンス情報MJの表示を行う点で異なる。
【0108】
主制御CPU41は、第1研磨ベルト63に関するメンテナンス情報MJを表示するために、第1研磨ベルト63に対応する第1発射球数を計数する。主制御CPU41は、第2研磨ベルト67に関するメンテナンス情報MJを表示するために、第2研磨ベルト67に対応する第2発射球数を計数する。具体的に、主制御CPU41は、情報生成処理において、発射センサSE6から検知信号を入力する毎に、主制御RWM43に記憶されている第1発射球数、及び第2発射球数に1加算する。
【0109】
主制御CPU41は、第1発射球数が第2個数のm倍に達した場合、第1報知コマンドAを副基板50へ出力する。主制御CPU41は、第1発射球数が第2個数の2m倍に達した場合、第2報知コマンドAを副基板50へ出力する。主制御CPU41は、第1発射球数が第2個数の3m倍に達した場合、及び、第1発射球数が第2個数の3m倍に達してから第2個数のm倍だけ増加する毎に、第3報知コマンドAを副基板50へ出力する。
【0110】
一方、主制御CPU41は、第2発射球数が第2個数の2m倍に達した場合、第1報知コマンドBを副基板50へ出力する。主制御CPU41は、第2発射球数が第2個数の4m倍に達した場合、第2報知コマンドBを副基板50へ出力する。主制御CPU41は、第2発射球数が第2個数の6m倍に達した場合、及び、第2発射球数が第2個数の6m倍に達してから第2個数の2m倍だけ増加する毎に、第3報知コマンドBを副基板50へ出力する。
【0111】
第2実施形態における特定コマンド出力処理には、第1実施形態における特定コマンド出力処理と同様の処理を第1発射球数に基づいて行う第1処理と、第2発射球数に基づいて行う第2処理と、がある。具体的に、第1処理は、第1実施形態における特定コマンド出力処理について、「発射球数」を「第1発射球数」に読み替え、「報知コマンド」を「報知コマンドA」に読み替えた処理である。第2処理は、第1実施形態における特定コマンド出力処理について、「発射球数」を「第2発射球数」に読み替え、「m倍」、「2m倍」、及び「3m倍」をそれぞれ「2m倍」、「4m倍」、及び「6m倍」に読み替え、「報知コマンド」を「報知コマンドB」に読み替えた処理である。つまり、第1発射球数では、第2個数のm倍が特定数となり、第2発射球数では、第2個数の2m倍が特定数となる。
【0112】
図8、
図9(a)、及び
図9(b)に示すように、副制御CPU51は、報知コマンドAを入力すると、第1メンテナンス情報MJ1を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、報知コマンドBを入力すると、第2メンテナンス情報MJ2を表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0113】
本実施形態の一例において、第1メンテナンス情報MJ1は、「第1研磨部材を交換して下さい。」の文字列のように、第1研磨ベルト63の交換を促す第1促進情報J1Aを含む。第1メンテナンス情報MJ1は、「第1発射球数が○万個に達しました。」の文字列のように、第1研磨ベルト63を交換する判断基準を特定可能な第1基準情報J2Aを含む。第2メンテナンス情報MJ2は、「第2研磨部材を交換して下さい。」の文字列のように、第2研磨ベルト67の交換を促す第2促進情報J1Bを含む。第2メンテナンス情報MJ2は、「第2発射球数が○万個に達しました。」の文字列のように、第2研磨ベルト67を交換する判断基準を特定可能な第2基準情報J2Bを含む。第1メンテナンス情報MJ1、及び第2メンテナンス情報MJ2の表示態様には、それぞれ第1実施形態と同様に第1から第3までの複数の表示態様がある。
【0114】
リセット処理について説明する。
主制御CPU41は、2つの第1交換センサSEaからの検知信号に基づき、第1研磨ベルト63の交換が行われたか否かを判定する。具体的に、主制御CPU41は、2つの第1研磨ベルト63を取り外した第1取外し状態となった後、2つの第1研磨ベルト63を取り付けた第1取付け状態となった場合に、第1研磨ベルト63の交換が行われたと判定する。主制御CPU41は、第1研磨ベルト63の交換が行われたと判定した場合、主制御RWM43に記憶されている第1発射球数を零にリセットする。つまり、本実施形態では、第1研磨ベルト63の交換によって、第1発射球数のリセット条件が成立する。
【0115】
主制御CPU41は、2つの第2交換センサSEbからの検知信号に基づき、第2研磨ベルト67の交換が行われたか否かを判定する。具体的に、主制御CPU41は、2つの第2研磨ベルト67を取り外した第2取外し状態となった後、2つの第2研磨ベルト67を取り付けた第2取付け状態となった場合に、第2研磨ベルト67の交換が行われたと判定する。主制御CPU41は、第2研磨ベルト67の交換が行われたと判定した場合、主制御RWM43に記憶されている第2発射球数を零にリセットする。つまり、本実施形態では、第2研磨ベルト67の交換によって、第2発射球数のリセット条件が成立する。
【0116】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、第1発射球数が特定数に達することによって、第1メンテナンス情報MJ1の表示が行われ、第2発射球数が特定数に達することによって、第2メンテナンス情報MJ2の表示が行われる。そして、これらのメンテナンス情報MJ1,MJ2は、各発射球数が特定数に達した状況によって、その表示態様が異ならされる。よって、所定の部材ごとに区分して、パチンコ遊技機10の状況を把握し、所定のメンテナンスを施すことが可能になる。よって、時期に応じたメンテナンスを施し易い。
【0117】
(2)本実施形態によれば、第1発射球数としての特定数と、第2発射球数としての特定数とは異なる。よって、メンテナンス情報MJの報知対象となる所定の部材(研磨ベルト63,67)に応じて、適切なタイミングにてメンテナンスを施し易くできる。
【0118】
(3)本実施形態によれば、第1発射球数としての特定数は、第2発射球数としての特定数に比して、少ない。つまり、第1研磨ベルト63に関する第1メンテナンス情報MJ1は、第2研磨ベルト67に関する第2メンテナンス情報MJ2に比して、高頻度で表示される。既に説明のように、第1研磨ベルト63は、第2研磨ベルト67よりも遊技球Kの流通方向KDにおける上流側に配設されており、相対的に汚れ易い。よって、本実施形態によれば、第1研磨ベルト63を早期に交換可能とし、適切にメンテナンスができるようになる。
【0119】
(第3実施形態)
パチンコ遊技機10の第3実施形態について説明する。
なお、本実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態の何れにも適用可能である。第2実施形態に適用する場合、第2発射球数(第2メンテナンス情報MJ2)を対象として適用することが好ましいが、第1発射球数(第1メンテナンス情報MJ1)を対象として適用してもよく、両方の発射球数を対象として適用することもできる。
【0120】
図10に示すように、メンテナンス装置60は、所定の部材(研磨部材)の消耗度を検知可能な手段の一例としてイメージセンサCmを備える。例えば、イメージセンサCmは、CCDイメージセンサ、又はCMOSイメージセンサである。イメージセンサCmは、第2研磨ベルト67の外周面(遊技球Kとの接触面)を撮像可能な位置に配設されている。イメージセンサCmは、主基板40に接続されている。主制御CPU41は、イメージセンサCmが撮像結果に応じて出力する撮像信号を入力可能に構成されている。
【0121】
主制御CPU41は、通常処理の1つとして監視処理を実行し、イメージセンサCmから入力する撮像信号に基づいて、直近の監視区間における第2研磨ベルト67の消耗度(本実施形態では平均汚れ具合)を数値化し、これを「軽度」<「中度」<「重度」の3段階で判定する。つまり、主制御CPU41は、イメージセンサCmから入力する撮像信号に基づいて、第2研磨ベルト67の消耗度を常時監視する。例えば、「監視区間」は、特定数の遊技球Kが発射される毎の期間である。このような、主制御CPU41による判定結果を示す情報、及び消耗度を示す数値は、第2種情報である。
【0122】
そして、主制御CPU41は、遊技球Kの発射球数が特定数に達したとき、第2研磨ベルト67の消耗度が「軽度」であれば第1報知コマンドを出力し、「中度」であれば第2報知コマンドを出力し、「重度」であれば第3報知コマンドを出力する。これにより、演出表示装置EHでは、第2研磨ベルト67の消耗度に応じて、メンテナンス情報MJの表示態様が異なり得る。本実施形態において、主制御CPU41が計数する発射球数が特定数に達したときの状況には、所定の部材(研磨部材)が第1状態(例えば消耗度「軽度」)である状況と、所定の部材(研磨部材)が第2状態(例えば消耗度「中度」又は「重度」)である状況と、があると言える。
【0123】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、所定の部材(研磨部材)の消耗度を加味して、メンテナンス情報MJを表示することができる。よって、管理者等は、所定の部材の具体的な消耗度を把握し、所定のメンテナンスを施すことが可能になる。よって、時期に応じたメンテナンスを施し易い。
【0124】
(2)本実施形態によれば、第2研磨ベルト67の汚れ具合に基づいてメンテナンス情報MJの表示態様が変化することから、第1研磨ベルト63を交換しようとする状況において、第2研磨ベルト67に対しても注意を向けさせることができる。
【0125】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、特殊情報の一例であるメンテナンス情報MJは、単一の演出表示装置EHにて表示されたが、これに限らず、複数の演出表示装置にて表示してもよい。
【0126】
具体的に、
図11に示すように、パチンコ遊技機10は、第1演出表示装置EH1、及び第2演出表示装置EH2を備える。第1演出表示装置EH1は、本実施形態における演出表示装置EHと同様の構成である。第2演出表示装置EH2は、遊技盤YBに設けられていてもよく、搭載枠11bに設けられていてもよい。第2演出表示装置EH2の表示領域は、第1演出表示装置EH1の表示領域と同一面積であってもよく、相対的に小さい面積であってもよく、相対的に大きい面積であってもよい。
【0127】
そして、副制御CPU51は、報知コマンドを入力すると、これらの演出表示装置EH1,EH2にメンテナンス情報MJを表示させる。例えば、
図11(a)に示すように、演出表示装置EH1,EH2のそれぞれにおいて、同じメンテナンス情報MJを1つずつ表示してもよい。この場合、第1演出表示装置EH1におけるメンテナンス情報MJの非表示条件は、第2演出表示装置EH2におけるメンテナンス情報MJの非表示条件よりも後に成立する構成であるとよい。例えば、
図11(b)に示すように、演出表示装置EH1,EH2のうち一方では、メンテナンス情報MJのうち促進情報J1を表示し、演出表示装置EH1,EH2のうち他方では、メンテナンス情報MJのうち基準情報J2を表示してもよい。また、
図11(c)に示すように、演出表示装置EH1,EH2の各表示領域を跨って1つのメンテナンス情報MJを表示する構成であってもよい。
【0128】
このように、本変更例によれば、特殊情報の一例であるメンテナンス情報の表示は、複数の表示手段にて行われる。このため、特殊情報の一例としてのメンテナンス情報MJの見落としを抑制できる。よって、時期に応じたメンテナンスを施し易い。
【0129】
・本実施形態において、遊技球Kの発射球数を累積的に計数し、その発射球数が第2個数のXm倍に達した場合に報知コマンドを出力したが、これに限らず、発射球数が第2個数のm倍に達する回数を計数し、1回目に第1報知コマンドを、2回目に第2報知コマンドを、3回目以降に第3報知コマンドを出力する構成であってもよい。発射球数が第2個数のm倍に達する回数は、第2種情報である。また、主制御CPU41は、発射球数が第2個数のm倍に達するごとに、発射球数をリセットし、計数し直すとよい。つまり、主制御CPU41は、発射球数が特定数に達すると新たに発射球数の計数を開始する。本変更例において、第2個数のm倍は、特定数の一例となる。また、主制御CPU41は、特定コマンド出力処理において、第2個数のm倍に達した回数が1回であるときに第1報知コマンドを出力し、2回であるときに第2報知コマンドを出力し、3回以上であるときに第3報知コマンドを出力する。
【0130】
これにより、演出表示装置EHでは、発射球数が特定数に達した回数に応じて、メンテナンス情報MJの表示態様が異なり得る。主制御CPU41が計数する発射球数が特定数に達したときの状況には、発射球数が特定数に達した回数が第1回数(例えば1回)である状況と、発射球数が特定数に達した回数が第2回数(例えば2回以上)である状況と、があると言える。そして、本変更例では、発射球数が特定数に達したときの状況に応じて、メンテナンス情報MJの表示態様が異なる。本変更例によれば、発射球数が特定数に達する回数に応じて、特殊情報(例えばメンテナンス情報MJ)の表示態様が変化する。よって、特定数を1単位として、メンテナンスの要否や内容を検討し易くできる。
【0131】
・本実施形態において、演出表示装置EHでは、その時点における発射球数に応じたメンテナンス情報MJのみを表示したが、これに限らず、過去のメンテナンス情報MJ、又は過去のメンテナンス情報MJを特定可能な情報を表示してもよい。具体的に、主制御CPU41は、報知コマンドを出力する毎に、当該報知コマンドの種類を特定可能な情報を、所定の出力回数(例えば直近3回)分だけ主制御RWM43に記憶させる。主制御CPU41は、特定コマンド出力処理において、上記出力回数分の報知コマンドを特定可能な制御コマンド(以下、過去報知コマンドという)を副基板50へ出力する。
【0132】
副制御CPU51は、電源投入に伴って、所定の表示条件が成立したとき、入力済みの過去報知コマンドから特定可能な出力回数分の報知コマンドに応じたメンテナンス情報MJを特定可能な情報(以下、過去情報という)を表示するように、演出表示装置EHを制御するとよい。なお、過去情報は、過去に表示したメンテナンス情報MJそのものであってもよい。例えば、所定の表示条件は、復電コマンド、又は初期化コマンドを入力したときであって、所定の操作部(例えば機表側に配設された演出ボタン)から操作信号を入力している場合に成立するとよい。本変更例は、第2実施形態に適用すれば、演出表示装置EHにおいて、第1メンテナンス情報MJ1、及び第2メンテナンス情報MJ2を過去に遡って表示可能である。また、第3実施形態に適用すれば、イメージセンサCmによる監視結果(数値化された平均汚れ具合)に応じて異なるメンテナンス情報MJを過去(例えば3区間分)に遡って表示可能である。また、複数の過去情報は、順に切り替えて表示可能であってもよく、1画面内に纏めて表示可能であってもよい。
【0133】
このように、本変更例において、記憶手段の一例である主制御RWM43は、表示手段の一例である演出表示装置EHに表示された特殊情報の一例であるメンテナンス情報MJの内容を特定可能な情報を累積して記憶可能である。そして、演出表示装置EHでは、累積して記憶された情報に特定される内容を示す過去情報を表示可能である。本変更例によれば、過去に表示された特殊情報(例えばメンテナンス情報MJ)の内容を後から確認することができる。したがって、過去に行ったメンテナンスを考慮しつつ、時期に応じたメンテナンスを施し易くできる。なお、本変更例は、複数の演出表示装置EH1,EH2を設ける上述した変更例にも組み合わせ可能である。この場合、過去情報については、何れか1つの演出表示装置に表示する構成であってもよく、メンテナンス情報と同様に、複数の演出表示装置に表示する構成であってもよい。
【0134】
・本実施形態において、メンテナンス装置60は、回収通路TKに設けられたが、これに限らず、回収通路TKに加えて、又は代えて、打出通路YBcに設けられてもよい。つまり、パチンコ遊技機10は、第1案内通路の一例である打出通路YBcを通過する遊技球Kを研磨する研磨部材として、研磨ベルト63,67を備えてもよい。
【0135】
・本実施形態において、メンテナンス装置60は、副基板50(副制御CPU51)が制御したが、これに限らず、主基板40(主制御CPU41)が制御してもよい。
・本実施形態において、研磨ベルト63,67の一方又は両方は、液体の一例として洗浄液を含んでいてもよく、遊技球Kのコーティング剤を含んでいてもよい。
【0136】
・本実施形態において、研磨ベルト63,67は、同じ研磨布であってもよい。研磨ベルト63,67の一方又は両方は、研磨布であることに限らず、多孔質のゴムベルトであってもよい。
【0137】
・第3実施形態において、イメージセンサCmは、第2研磨ベルト67の汚れ具合を監視するようにしたが、これに限らず、第2研磨ベルト67に加えて、又は代えて、第1研磨ベルト63の汚れ具合を監視するイメージセンサを備えてもよい。
【0138】
・第3実施形態において、演出表示装置EHでは、現在のイメージセンサCmによる監視結果(数値化された平均汚れ具合)を表示可能であってもよい。現在の監視結果とは、発射球数が特定数に達してから現在までの期間における監視結果である。このような表示は、上記変更例のように、過去のメンテナンス情報MJを表示可能であるとき、切り替えて表示できるとよい。
【0139】
・第3実施形態において、発射球数が特定数に達した回数、及び所定の部材(研磨部材)の消耗度の両方に応じて、メンテナンス情報MJの表示態様を変化させてもよい。例えば、第2個数のm倍を特定数とする。この場合、主制御CPU41は、発射球数が第2個数のm倍に達したとき、消耗度が「軽度」であれば第1報知コマンドを、「中度」であれば第1報知コマンドを、「重度」であれば第3報知コマンドを出力する。主制御CPU41は、発射球数が第2個数の2m倍に達したとき、消耗度が「軽度」又は「中度」であれば第2報知コマンドを、「重度」であれば第3報知コマンドを出力する。主制御CPU41は、発射球数が第2個数の3m倍に達したとき、消耗度が「軽度」、「中度」、及び「重度」の何れであっても第3報知コマンドを出力する。所定の部材の消耗度は、発射球数とは異なる情報である。
【0140】
・本実施形態において、メンテナンス情報MJの表示態様は、その構成要素の1つである色調を異ならせたが、これに限らず、メンテナンス情報MJの構成要素のうち、表示位置や表示面積(範囲)が異ならせてもよく、文字列やキャラクタの有無を異ならせてもよく、点滅速度を異ならせてもよい。つまり、メンテナンス情報MJの構成要素のうち、少なくとも1つの構成要素が異なっておればよい。
【0141】
・本実施形態において、表示手段を表示演出も可能な演出表示装置EHに兼用するように具体化したが、これに限らず、専用の表示装置であってもよく、機裏側に設けられた表示装置であってもよい。
【0142】
・本実施形態において、所定の部材としての研磨部材は、研磨ベルト63,67であったが、これに限らず、ブロック状の研磨部材であってもよく、ローラー状の研磨部材であってもよい。研磨部材の個数は、4つであることに限らず、3つ以下でも、5つ以上であってもよい。研磨部材は、個別に交換可能であることに限らず、複数の研磨部材を組にして交換可能に構成されていてもよい。
【0143】
・本実施形態において、特殊情報として、メンテナンス情報MJを表示したが、これに限らず、メンテナンス情報MJとは異なる内容の情報を表示してもよい。例えば、特殊情報は、促進情報として、所定の部材の一例である各種センサSE1~SE6、演出可動体、発射ハンドルHD、及び発射装置HS(発射モーター及び打球槌)などの交換を促す情報を含んでいてもよく、単に基準情報のみを含むものであってもよい。
【0144】
・本実施形態において、メンテナンス情報は、文字列によって構成されたが、これに限らず、1又は複数の7セグ型表示器において、単なる数値(交換指示番号)として表示する構成であってもよい。また、表示手段の制御は、主制御CPU41が行ってもよい。つまり、主制御CPU41が表示制御手段として機能し得る構成であってもよい。
【0145】
・本実施形態において、リセット条件は、研磨部材の交換によって成立したが、これに限らず、所定の操作手段の操作がされたときに成立してもよい。また、リセット条件は、所定の制御(例えば第1種情報の初期化)が行われると成立してもよい。
【0146】
・本実施形態において、主制御CPU41が遊技球Kの発射球数を計数したが、これに限らず、副制御CPU51が計数し、特定数に達することに応じて特殊情報(メンテナンス情報)を表示させる構成であってもよい。この場合、主制御CPU41は、発射センサSE6の検知結果を特定可能な制御コマンドを副基板50へ出力するとよい。
【0147】
・本実施形態において、発射球数は、発射センサSE6の検知結果に基づいて計数したが、これに限らず、センサSE1~SE4及びアウトセンサ(不図示)の一部又は全部について、検知信号を入力するごとに1加算して計数してもよい。また、発射球数は、発射モーターの駆動回数(打球槌の打出し動作回数)として計数してもよい。
【0148】
・本実施形態において、パチンコ遊技機10は、所定の表示装置を備え、当該所定の表示装置において、遊技者毎の遊技関連情報(賞球数、及び大当り遊技の回数)の一部又は全部を表示可能に構成されていてもよい。所定の表示装置は、遊技関連情報を加工した情報(例えば賞球数をドル箱等のアイコンに変換した情報、及び賞球数と発射総数との差数)を表示可能であってもよく、遊技関連情報の中でも外部通信部からの出力対象とは異なる情報(例えば本日の遊技者数)を表示可能であってもよい。主制御CPU41及び副制御CPU51の一方又は両方は、情報読取装置に個人情報媒体が挿入されることによって、ある遊技者による遊技の開始を特定し、個人情報媒体が抜き取られることによって、ある遊技者による遊技の終了を特定するとよい。本変更例における所定の表示装置は、本実施形態における演出表示装置EHと兼用されていてもよく、上記変更例における演出表示装置EH1,EH2の一方又は両方と兼用されていてもよく、何れの演出表示装置EHとも異なる専用の表示装置であってもよい。また、本変更例において、所定の表示装置は、上記実施形態及び変更例のように、現在及び過去のうち一方又は両方のメンテナンス情報MJを表示可能であってもよい。さらに、メンテナンス情報MJは、計数する発射球数(遊技媒体数)とは異なる情報の一例である遊技関連情報(例えば遊技者数)に応じて表示態様(例えば表示位置や表示面積)が異なっていてもよい。
【0149】
・本実施形態において、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。また、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、遊技球Kが特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0150】
・本実施形態において、特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0151】
・本実施形態において、パチンコ遊技機10として、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球Kの入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球Kが特別入賞口へ入球することによって大当り遊技が生起される。
【0152】
・本実施形態において、主制御CPU41、主制御ROM42、主制御RWM43、及び乱数生成回路44は、ワンチップに構成されていてもよい。
・本実施形態において、遊技盤YBの具体的な構成は任意に変更してもよい。
【0153】
・本実施形態において、副基板50をサブ統括制御基板とし、副基板50とは別に演出表示装置EHを専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLAを専門に制御する発光制御基板、スピーカSPを専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板に主制御CPU41、及び副制御CPU51を搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
【0154】
・本実施形態において、遊技機に使用する遊技媒体は、遊技球Kであったが、これに限らず、遊技メダルであってもよい。つまり、遊技機は、スロットマシンであってもよい。スロットマシンでは、遊技メダルの投入によりベット可能であり、スタートレバーの操作により当り抽選としての役抽選が行われ、図柄変動ゲームが開始される。スロットマシンでは、図柄変動ゲームの実行中、ストップボタンの操作により図柄が停止し、有効ライン上に大当りの図柄組合せが停止されると大当り遊技(ボーナス遊技)が付与される。主制御CPU41は、遊技媒体数として、遊技メダルの投入数を計数するとよい。
【0155】
・本実施形態において、所定量の遊技媒体(一例として遊技球K)の全部を循環させる遊技機として構成したが、これに限らず、遊技媒体の一部又は全部について、遊技機の外部にある遊技媒体と交換可能な構成であってもよい。
【0156】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記計数手段は、遊技媒体数が特定数に達すると新たに遊技媒体数の計数を開始し、前記計数手段が計数する遊技媒体数が特定数に達したときの状況には、遊技媒体数が特定数に達した回数が第1回数である状況と、遊技媒体数が特定数に達した回数が第2回数である状況と、があるとよい。
【0157】
(2)前記特殊情報は、所定の部材の交換を特定可能な情報であるとよい。
(3)前記遊技媒体は、遊技球であり、発射手段により発射された遊技球を遊技領域へ案内する第1案内通路と、前記遊技領域へ発射された遊技球を回収して前記発射手段へ案内する第2案内通路と、前記第1案内通路を通過する遊技球、又は前記第2案内通路を通過する遊技球を研磨する研磨部材と、を備え、前記特殊情報は、前記研磨部材の交換を特定可能な情報を含むとよい。
【0158】
(4)当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成された遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の検知結果を用いて遊技媒体数を計数する計数手段と、所定の情報を表示する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記遊技媒体数が特定数に達すると、所定のメンテナンスが必要であることを認識可能とする内容のメンテナンス情報を表示するように前記表示手段を制御可能であり、前記遊技媒体数が前記特定数に達したときの状況によって、前記メンテナンス情報の表示態様が異なり、前記メンテナンス情報の表示は、前記図柄変動ゲームの実行中、及び前記図柄変動ゲームの非実行中の何れであっても行われ、前記表示手段は、複数あり、前記メンテナンス情報は、複数の前記表示手段にて表示可能であり、情報を記憶可能な記憶手段を備え、前記記憶手段は、前記表示手段に表示される前記メンテナンス情報の内容を特定可能な情報を累積して記憶可能であり、前記表示手段では、累積して記憶される情報に特定される内容を示す情報を表示可能であることを特徴とする遊技機。
【0159】
(5)当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成された遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の検知結果を用いて遊技媒体数を計数する計数手段と、所定の情報を表示する表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記遊技媒体数が特定数に達すると、前記特定数に達したことを認識可能であって、かつ、部品の交換を促す特殊情報を表示するように前記表示手段を制御可能であり、前記遊技媒体数が前記特定数に達したときの状況によって、前記特殊情報の表示態様が異なり、前記特殊情報の表示は、前記図柄変動ゲームの実行中、及び前記図柄変動ゲームの非実行中の何れであっても行われ、前記表示手段は、複数あり、前記特殊情報は、複数の前記表示手段にて表示可能であり、情報を記憶可能な記憶手段を備え、前記記憶手段は、前記表示手段に表示される前記特殊情報の内容を特定可能な情報を累積して記憶可能であり、前記表示手段では、累積して記憶される情報に特定される内容を示す情報を表示可能であることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0160】
10…パチンコ遊技機、40…主基板、41…主制御CPU、43…主制御RWM、50…副基板、51…副制御CPU、56…電源ユニット、60…メンテナンス装置、63…第1研磨ベルト、67…第2研磨ベルト、EH…演出表示装置、K…遊技球、MJ…メンテナンス情報、YBa…遊技領域、YBc…打出通路、TK…回収通路。