(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】鞄
(51)【国際特許分類】
A45C 13/02 20060101AFI20240711BHJP
A45C 3/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A45C13/02 Z
A45C3/00 K
(21)【出願番号】P 2023056229
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2024-04-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521443542
【氏名又は名称】Aspace株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 俊正
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106690729(CN,A)
【文献】実開昭63-123125(JP,U)
【文献】特開2016-028671(JP,A)
【文献】中国実用新案第210403174(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部に管を備える開閉部と、前記管に通す回転軸と、を有し、前記開閉部が、前記回転軸を中心に起きたり伏せたりする動作に従って開閉する鞄であって、
前記回転軸が、中空の管構造を成し、前記管構造に沿って出し入れ可能な引き出しを有することを特徴とする鞄。
【請求項2】
端部に管を備える2つの開閉部と、前記管に通し、前記2つの開閉部を連結する回転軸と、を有し、一方の前記開閉部と他方の前記開閉部との前記回転軸を中心とする開閉動作に従って開閉する鞄であって、
前記回転軸が、中空の管構造を成し、前記管構造に沿って出し入れ可能な引き出しを有することを特徴とする鞄。
【請求項3】
前記引き出しが、当該鞄の底部に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の鞄。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
引き出しを備える鞄の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鞄の中にいろいろなものを入れ過ぎて、整理状態が悪くなり、意中のものを見つけることが難しい場合がある。
このような事態を避けるため、整理に都合の良い鞄のニーズは大きく、鞄の中の整理状態を良くする技術的な提案が数多くなされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、折りたたみ傘を簡単に収納し、かつ便利に携帯できるように鞄の底部に着脱自在な折りたたみ傘ケースが提案され、特許文献2では、抜け出ることがなくそして完全に全出するフルオープン型の引き出しを設けた鞄が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-022940号公報
【文献】特開平11-056437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の従来技術においては、引き出し専用の空間が必要となるため、無駄な構造を備え、鞄が大きくなってしまうという問題点がある。
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、従来活用されていなかった空間を引き出しとして活用する鞄を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示する鞄の一形態は、端部に管を備える開閉部と、前記管に通す回転軸と、を有し、前記開閉部が、前記回転軸を中心に起きたり伏せたりする動作に従って開閉する鞄であって、前記回転軸が、中空の管構造を成し、前記管構造に沿って出し入れ可能な引き出しを有することを特徴とする。
【0007】
開示する鞄の一形態は、端部に管を備える2つの開閉部と、前記管に通し、前記2つの開閉部を連結する回転軸と、を有し、一方の前記開閉部と他方の前記開閉部との前記回転軸を中心とする開閉動作に従って開閉する鞄であって、前記回転軸が、中空の管構造を成し、前記管構造に沿って出し入れ可能な引き出しを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する鞄は、従来活用されていなかった空間を引き出しとして活用する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る開閉部の一例を示す平面図である。
【
図2】本実施の形態に係る開閉部の一例を示す正面図である。
【
図3】本実施の形態に係る回転軸の一例を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係る引き出しの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る鞄の構造)
【0011】
図1乃至4を用いて、本実施の形態に係る鞄1の構造について説明する。
図1及び2は、開閉部1の平面図と正面図であり、
図3は、回転軸6を説明するための図であり、
図4は、引き出し10を説明するための図である。
図1乃至4で示すように、鞄1は、開閉部2、回転軸6、引き出し10を有する。
【0012】
図1及び2で示すように、開閉部2は、端部に管4を備える。開閉部2は、1つであっても良く、2つ以上であっても良い。
図1及び2において、開閉部2は、管4を2つ備えるように図示されているが、それぞれの開閉部2が同じ数の管4を備える必要は無く、また、開閉部2が備える管4の数も2つである必要もない。
【0013】
例えば、一方の開閉部2が1つの管4を備え、他方の開閉部2が2つの管4を備える構成であっても良い。なお、管4は、後述の回転軸6を通すためのものであり、開閉部2が複数ある場合、それぞれの開閉部2が備える管4に回転軸6を通すことによって、開閉部2どうしの位置関係が固定される。
【0014】
図1乃至3で示すように、回転軸6は、開閉部2が備える管4に貫通させる部材である。また、開閉部2が複数ある場合、回転軸6は、それぞれの開閉部2が備える管4全てに貫通させ、複数の開閉部2を連結する部材である。また、
図3で示すように、回転軸6は、中空の管構造8である。
【0015】
ここで、鞄1は、開閉部2が(鞄1内で固定されている)回転軸6を中心に起きたり伏せたりする動作に従って、開閉する。開閉部2及び回転軸6は、蝶番の仕組みを利用している。
【0016】
また、開閉部2が複数ある場合、鞄1は、一方の開閉部2と他方の開閉部2との回転軸6を中心とする左右への開閉動作に従って、開閉する。開閉部2及び回転軸6は、蝶番の仕組みを利用している。
引き出し10は、中空の管構造8に沿って出し入れ可能な部材である。引き出し10は、回転軸6の中を移動し、また、物を収納できるように中空構造である。
【0017】
鞄1は、回転軸6を中心とする開閉部2の回転動作に従って開閉する機構を備え、回転軸6は、開閉部2の回転動作の要となる場所に位置する。従って、引き出し10は、鞄1の開口部とは反対側、つまり、鞄1の底部に配置されることが多くなると想定される。ただし、引き出し10が、鞄1の底部以外の他部位に配置されることを妨げるものではない。
鞄1は、例えば、トートバッグ、アタッシュケース、ハンドバッグ、など婦人用・紳士用の鞄であり、その種類はこれらに限定されるものではない。
(本実施の形態に係る鞄の使用方法)
【0018】
鞄1は、開閉部2を、回転軸6を中心に回転させることによって開口させ、開閉部2によって囲われている鞄1の内部に、物を収納したり、収納されていた物を取り出したりすることができる。
【0019】
一方、開閉部2による開閉動作とは関係なく、引き出し10を回転軸6から引き出したり、回転軸6中に入れたりすることによって、引き出し10の内部に物を収納したり、引き出し10の内部に収納されていた物を取り出したりすることができる。
上記のような構造、使用方法によって、鞄1は、従来活用されていなかった空間(回転軸6の内部)を引き出し10として活用する。
【0020】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 鞄
2 開閉部
4 管
6 回転軸
8 中空の管構造
10 引き出し
【要約】
【課題】
従来活用されていなかった空間を引き出しとして活用する。
【解決手段】
端部に管を備える開閉部と、前記管に通す回転軸と、を有し、前記開閉部が、前記回転軸を中心に起きたり伏せたりする動作に従って開閉する鞄であって、前記回転軸が、中空の管構造を成し、前記管構造に沿って出し入れ可能な引き出しを有する。
端部に管を備える2つの開閉部と、前記管に通し、前記2つの開閉部を連結する回転軸と、を有し、一方の前記開閉部と他方の前記開閉部との前記回転軸を中心とする開閉動作に従って開閉する鞄であって、前記回転軸が、中空の管構造を成し、前記管構造に沿って出し入れ可能な引き出しを有する。
【選択図】
図4