(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】食品廃棄ロス低減支援システム、食品廃棄ロス低減支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240711BHJP
【FI】
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2023063449
(22)【出願日】2023-04-10
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】P 2022110851
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519214558
【氏名又は名称】株式会社アッシェ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】須江 勇介
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-032904(JP,A)
【文献】特開2020-107028(JP,A)
【文献】特開2003-077067(JP,A)
【文献】特開2002-138515(JP,A)
【文献】特開2010-191498(JP,A)
【文献】特開2018-139124(JP,A)
【文献】特開2019-169090(JP,A)
【文献】法人向けSDGs・ESG商材 今だからこそ一緒に取り組んでいきましょう! 企業様のSDGs・ESGに関する取り組みへの参画を支援する法人向け商材集,docomo Open House ’22 [online] ,2022年01月18日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の販売時に前記食品の廃棄が予測されるか否かを判断する廃棄予測判断部と、
廃棄が予測された前記食品が購入されたときにポイントを付与する付与部と、
前記ポイントに応じた金額を、社会貢献活動を行う団体に資金移動する資金移動処理部と、
前記食品の重さを取得する取得部と、
前記食品の重さに応じて前記ポイントの数を決定する決定部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記重さの集計値を出力する出力部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
【請求項3】
食品の販売時に前記食品の廃棄が予測されるか否かを判断するステップと、
廃棄が予測された前記食品が購入されたときにポイントを付与するステップと、
前記ポイントに応じた金額を、社会貢献活動を行う団体に資金移動するステップと、
前記食品の重さを取得するステップと、
前記食品の重さに応じて前記ポイントの数を決定するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする食品廃棄ロス低減支援方法。
【請求項4】
食品の販売時に前記食品の廃棄が予測されるか否かを判断するステップと、
廃棄が予測された前記食品が購入されたときにポイントを付与するステップと、
前記ポイントに応じた金額を、社会貢献活動を行う団体に資金移動するステップと、
前記食品の重さを取得するステップと、
前記食品の重さに応じて前記ポイントの数を決定するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品廃棄ロス低減支援システム、食品廃棄ロス低減支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では値引き販売の効果を動的に把握するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは商品の値引き価格がデータベースに設定されることを想定しており、値引き販売の設定に手間がかかる。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、食品廃棄ロスの低減のための施策を支援することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、食品廃棄ロス低減支援システムであって、食品の販売時に前記食品の廃棄が予測されるか否かを判断する廃棄予測判断部と、前記食品の廃棄が予測される場合に、前記食品が購入されたときにポイントを付与する付与部と、前記ポイントに応じた金額を、社会貢献活動を行う団体に資金移動する資金移動処理部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、食品廃棄ロスの低減のための施策を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る食品廃棄ロス低減支援システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】POSレジスタ30のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態の食品廃棄ロス低減支援システムの動作について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
食品の販売時に前記食品の廃棄が予測されるか否かを判断する廃棄予測判断部と、
前記食品の廃棄が予測される場合に、前記食品が購入されたときにポイントを付与する付与部と、
前記ポイントに応じた金額を、社会貢献活動を行う団体に資金移動する資金移動処理部と、
を備えることを特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目2]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記廃棄予測判断部は、前記食品に所定のシールが貼付されていたことを検出した場合に、前記食品の廃棄が予測されると判断すること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目3]
項目2に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記廃棄予測判断部は、前記食品を撮影した画像を取得し、前記画像を解析して前記シールが貼付されているか否かを判定すること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目4]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記食品に付される、前記食品を特定する食品特定情報及び前記食品の廃棄期限日時を符号化したコードから前記食品特定情報及び前記廃棄期限日時を読み取るコード取得部を備え、
前記廃棄予測判断部は、前記廃棄期限日時までの時間に基づいて、前記食品の廃棄が予測されるか否かを判断すること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目5]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記食品に付される、前記食品を特定する食品特定情報及び前記食品の製造日時を符号化したコードから前記食品特定情報及び前記製造日時を読み取るコード取得部と、
前記食品ごとに前記食品の販売可能時間を記憶する販売可能時間記憶部と、を備え、
前記廃棄予測判断部は、前記製造日時から前記販売可能時間後までの時間に基づいて、前記食品の廃棄が予測されるか否かを判断すること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目6]
項目4又は5に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記時間に応じて前記ポイントの数を決定する決定部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目7]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記食品を販売する店舗の会員を特定する会員特定情報と、システムのユーザを特定するユーザ特定情報とを対応付けて記憶する会員情報記憶部と、
前記会員特定情報の入力を受け付ける会員情報取得部と、
前記会員特定情報に対応する前記ユーザ特定情報を前記会員情報記憶部から読み出し、読み出した前記ユーザ特定情報が示す前記ユーザに対して、前記ポイントを付与する報賞付与部と、
を備えることを特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目8]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
抽選により前記ポイントの数を決定する決定部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目9]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記食品の在庫量に応じて前記ポイントの数を決定する決定部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目10]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記食品が廃棄される日時を取得する廃棄予測判断部と、
前記日時までの時間に応じて前記ポイントの数を決定する決定部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目11]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記食品の生産地を記憶する生産地記憶部と、
前記生産地までの距離に応じて前記ポイントの数を決定する決定部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目12]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記食品の旬を記憶する旬記憶部と、
前記食品の販売時点が前記食品の前記旬に含まれるか否かに応じて前記ポイントの数を決定する決定部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目13]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記食品の重さを取得する取得部と、
前記食品の重さに応じて前記ポイントの数を決定する決定部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目14]
項目13に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記重さの集計値を出力する出力部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目15]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記食品の価格を取得する取得部と、
前記食品の価格に応じて前記ポイントの数を決定する決定部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目16]
項目15に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
前記価格の集計値を出力する出力部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目17]
項目1に記載の食品廃棄ロス低減支援システムであって、
食品廃棄ロスが削減されることの説明及び前記社会貢献活動についての説明を表示する表示部を備えること、
を特徴とする食品廃棄ロス低減支援システム。
[項目18]
食品の販売時に前記食品の廃棄が予測されるか否かを判断するステップと、
前記食品の廃棄が予測される場合に、前記食品が購入されたときにポイントを付与するステップと、
前記ポイントに応じた金額を、社会貢献活動を行う団体に資金移動するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする食品廃棄ロス低減支援方法。
[項目19]
食品の販売時に前記食品の廃棄が予測されるか否かを判断するステップと、
前記食品の廃棄が予測される場合に、前記食品が購入されたときにポイントを付与するステップと、
前記ポイントに応じた金額を、社会貢献活動を行う団体に資金移動するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システム概要>
以下、本実施形態に係る食品廃棄ロス低減支援システムの概要について説明する。本実施形態の食品廃棄ロス低減支援システムは、廃棄リスクの高い商品を購入したお客様(消費者、ユーザ)に報償(リワード)を与えようとするものである。本実施形態では、報償としてポイントを想定しているが、ポイントに限らず、クーポンなどを含む金銭的価値、限定イベントへの参加権などの待遇、ランキング表示などの承認欲求を満たすものなど、ユーザにとって何らかの価値をもたらすものであればよい。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る食品廃棄ロス低減支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の食品廃棄ロス低減支援システムは、管理サーバ20を含んで構成される。管理サーバ20は、ユーザ端末10及びPOSサーバ40と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築されうる。
【0013】
POSサーバ40は、POS(Point Of Sales;販売時点情報管理)データを管理するコンピュータである。POSサーバ40は、例えば、スーパーマーケットの本部コンピュータである。
【0014】
POSサーバ40は、店舗に設置されるPOSレジスタ30が作成したPOSデータを取得して管理する。POSサーバ40は、POSレジスタ30が作成したPOSデータを受信し、受信したPOSデータを記憶するデータベースを備えることができる。
【0015】
POSレジスタ30は、店舗において商品に付されているバーコードをスキャンし、POSデータを作成することができる。本実施形態では、POSレジスタ30は、例えば店舗の会員カードのバーコードをスキャンしたり、あるいはICカードから情報を読み取ったりすることにより、消費者が店舗の会員である場合にはその会員を特定する情報(会員ID)を取得することができるものとし、POSデータにも、会員については会員IDが含まれるものとする。
【0016】
管理サーバ20は、廃棄リスクの高い商品を購入したユーザに対して報償(本実施形態ではポイント)を付与するコンピュータである。本実施形態における報償の少なくとも一部は、社会貢献活動(例えば、SDGsに掲げられた目標を達成するための活動など)への資金提供のために利用されるものとする。なお、報賞の残部も社会貢献活動への資金提供にしてもよいし、ユーザに対する経済的な報償(例えば、ポイントを支払に充当可能とすること)としてもよい。管理サーバ20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
ユーザ端末10は、ユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0018】
<ハードウェア構成例>
図2は、管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ20の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ20の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0019】
なお、ユーザ端末10、POSレジスタ30及びPOSサーバ40も管理サーバ20と同様のハードウェア構成を備えることができる。
【0020】
<POSレジスタ30のソフトウェア構成>
図3は、POSレジスタ30のソフトウェア構成例を示す図である。POSレジスタ30は、商品情報取得部311と、会員情報取得部312と、廃棄予測判断部313と、POSデータ送信部314と、を備える。
【0021】
商品情報取得部311は、商品に関する情報(以下、商品情報という。)を取得する。商品情報取得部311は、例えば、店舗での商品の販売時に、商品に付されているバーコードをスキャンすることにより、販売された商品を特定する情報(本実施形態では、JANコードを想定するが、JANコード以外の商品を特定する情報を採用することもできる。)を取得することができる。商品情報取得部311は、取得したJANコードに対応する商品情報を、例えば、商品データベース(不図示)から取得するようにすることができる。商品データベースは、例えば、POSレジスタ30及び/又はPOSサーバ40が備えることができる。また、商品データベースを他のデータベースサーバに実装し、商品情報取得部311がデータベースサーバにアクセスするようにしてもよい。商品情報には、JANコード、商品名、商品の価格(単価)などが含まれうる。また、商品情報には、商品の重さが含まれてもよい。
【0022】
会員情報取得部312は、商品を購入した消費者が店舗の会員である場合に、会員を特定する情報(以下、会員番号という。なお、番号に限らず、記号や図形などとしてもよいし、複数の情報の組み合わせとしてもよい。)を取得する。会員情報取得部312は、例えば、会計時に会員カードから会員番号を読み取ることができる。会員番号の読み取りは、例えば、会員カードに付与されているバーコードに符号化されている会員番号をスキャンしたり、ICカードに記録されている会員番号を読み取ったり、会員カードを撮影したカメラ画像を取得して、会員カードの表面に印字されている会員番号をカメラ画像から解析して読み取ったりすることにより行うことができる。
【0023】
廃棄予測判断部313は、販売された商品について廃棄が予測されたか否かを判断する。本実施形態では、賞味期限日もしくは賞味期限日時又は消費期限日もしくは消費期限日時(以下、廃棄期限日時という。)の近づいた商品にはその旨を示すシール(以下、廃棄予測シール2という。)が貼付されるものとする。廃棄予測判断部313は、例えば、販売された商品(すなわち、バーコードをスキャンした商品)に当該廃棄予測シール2が貼付されているかどうかの入力(例えば、特定のボタンが押下されたかどうか)を店員から受け付けるようにすることができる。また、廃棄予測判断部313は、例えば、商品をカメラで撮影した画像を取得し、取得した画像を解析して廃棄予測シール2を検出できるか否かに応じて、当該商品について廃棄が予測されたか否かを判断することもできる。また、廃棄が予測されたことを示す情報を符号化したバーコードやQRコード(登録商標)を廃棄予測シール2にしておき、バーコードやQRコード(登録商標)から廃棄が予測されたことを示す情報をスキャンできたかどうかにより、当該商品について廃棄が予測されたかどうかを判断するようにすることもできる。また、廃棄予測シール2がRFIDなどのタグを備えるようにし、タグに廃棄予測シール2であることを示す情報を記録しておき、POSレジスタ30がタグから廃棄予測シール2である旨の情報を読み取るようにしてもよい。
【0024】
POSデータ送信部314は、POSデータを送信する。本実施形態では、POSデータ送信部314は、POSサーバ40にPOSデータを送信するものとするが、管理サーバ20にPOSデータを送信するようにしてもよい。POSデータ送信部314は、商品情報取得部311が取得した商品情報と、会員情報取得部312が取得した会員番号又は会員番号を取得できなかったことを示す情報と、廃棄予測判断部313により判断された、当該商品について廃棄が予測されたか否かを示す情報(廃棄予測フラグ)と、商品が販売された日時(現在の日時)とを含むPOSデータを作成して送信することができる。
【0025】
なお、廃棄予測シール2に加えて割引シールを商品に貼付することができる。この場合、POSレジスタ30を用いて会計を行う店員は、割引シールを視認して価格の割引処理を行うことができる。割引処理については、周知の手法を用いるものとしてここでの説明は省略する。
【0026】
また、割引処理をPOSレジスタ30において自動的に実行することもできる。この場合、例えば、POSレジスタ30は、読み取ったJANコードに対応する商品情報に含まれる商品の価格を取得する課金額計算部を備え、課金額計算部は、廃棄予測シール2が貼付されていた場合には商品の価格から所定の割合又は金額を割り引くようにすることができる。また、1割引や2割引などの割引率又は50円引きや100円引きなどの割引額に対応する複数種類のシールが存在する場合には、廃棄予測判断部313は、画像からシールの種類を検出し、課金額計算部は、シールの種類に対応する割引率又は割引額を特定し、特定した割引率又は割引額に応じた金額を割り引くようにすることができる。また、課金額計算部は、例えば、1枚の廃棄予測シール2が貼付されていれば1割引とし、2枚の廃棄予測シール2が貼付されていれば2割引とするように、商品に貼付された廃棄予測シール2の枚数に応じた金額又は割合を割り引くようにすることもできる。
【0027】
また、廃棄予測シール2の色や形、表面の表示される文字などにより割引率又は割引額を表すようにしておくことができる。この場合に、割引率又は割引額は、廃棄予測シール2を視認した店員から入力を受け付けるようにしてもよいし、POSレジスタ30が、商品を撮影した画像から廃棄予測シール2の色、形及び/又は表面の文字を検出し、検出した廃棄予測シール2の色、形及び/又は表面の文字に応じて割引率又は割引額を判断するようにしてもよい。また、廃棄予測シール2にRFIDのようなタグを貼り付けるようにして、POSレジスタ30がタグから割引率又は割引額を読み取るようにしてもよい。
【0028】
また、割引率又は割引額を、商品の重さに応じて決定するようにしてもよい。課金額計算部は、商品情報に含まれる商品の重さに応じて割引率又は割引額を決定することができる。商品の重さに応じて割引率を決定した場合には、商品の価格に割引率を乗じた割引金額を商品の価格から引いて決済金額(課金額)を決定することができる。商品の重さに応じて割引額を決定した場合には、商品の価格から割引額を減じて決済金額(課金額)を決定することができる。
【0029】
<管理サーバ20のソフトウェア構成>
図4は、管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ20は、POSデータ記憶部231と、会員情報記憶部232と、報償情報記憶部233と、POSデータ取得部211と、ユーザ特定部212と、報償決定部213と、報償付与部214と、報償情報提供部215と、ポイント処理部216と、を備える。
【0030】
POSデータ記憶部231は、POSデータを記憶する。上述したように、POSデータには、商品が販売された日付、店舗を示す店舗ID、販売された商品を特定するJANコード、商品名、単価、販売された商品の個数、支払金額、会員番号、廃棄予測フラグを含む。
【0031】
会員情報記憶部232は、店舗の会員を特定する会員番号と、ポイントを付与するユーザを特定するユーザIDとを対応付けて記憶する。本実施形態の食品廃棄ロス低減支援システムでは、ポイントは、支払に充当したり、粗品等への交換をしたりする経済的な報償ではなく、社会貢献活動への資金提供に供されるものとする。
【0032】
報償情報記憶部233は、ユーザごとの報償に関する情報(以下、報償情報という。)を記憶する。報償情報には、ユーザを特定するユーザIDと、ユーザに付与されているポイントの残高と、ポイントの取得履歴とが含まれうる。なお、ポイント以外の報償が付与される場合には、付与された報償を示す情報を報償情報に含めるようにしてもよい。また、ポイントの一部を経済的価値(例えば、景品との引き換えや商品の支払いに充当することができる。)として用いる場合には、社会貢献活動に用いるポイント(社会貢献ポイント)と、経時的価値に係るポイント(経済ポイント)とを別々に報償情報に含めるようにしてもよい。また、報償情報に、商品情報の少なくとも一部を含めるようにしてもよい。例えば、ポイントが付与された際に購入した商品の商品名、商品の価格(単価)、購入した商品の個数、商品(1個)の重さなどを報償情報に含めるようにすることができる。
【0033】
POSデータ取得部211は、POSデータを取得する。上述したように、各店舗からのPOSデータはPOSサーバ40に集約されており、POSサーバ40から各店舗のPOSデータを取得することができる。POSデータ取得部211は、例えば、POSサーバ40に定期的にアクセスしてPOSデータを取得することができる。
【0034】
ユーザ特定部212は、POSデータに対応するユーザを特定する。ユーザ特定部212は、会員番号が含まれていないPOSデータ、又は含まれている会員番号に対応するユーザIDが会員情報記憶部232に登録されていないPOSデータについてはユーザを特定せず、後述する報償決定部213及び報償付与部214による処理対象としないことができる。
【0035】
報償決定部213は、商品の廃棄が予測される場合に商品の購入者に付与する報償を決定する。報償決定部213は、ユーザIDが特定されたPOSデータについて、廃棄予測フラグが真(廃棄が予測されたことを示す情報)である場合に、報償を決定することができる。報償決定部213は、廃棄予測フラグが偽(廃棄が予測されていなかったことを示す情報)である場合には、報償を与えないことを決定することができる。
【0036】
報償決定部213は、商品の廃棄が予測される場合、例えば、1つの商品につき所定のポイント数を報償として決定することができる。また、報償決定部213は、商品の金額に応じて付与するポイント数を決定するようにしてもよい。報償決定部213は、例えば、商品の金額に所定の割合を乗じて付与するポイント数を決定することができる。また、報償決定部213は、例えば、商品の金額が大きくなるほど高くなるように付与割合を決定し、決定した付与割合を商品の金額に乗じて付与するポイント数を決定するようにしてもよい。
【0037】
報償決定部213は、商品の廃棄が予測される場合に、当該商品の在庫量に応じて付与するポイント数を決定するようにしてもよい。この場合、報償決定部213は、例えば、在庫量が多い商品ほど付与するポイント数が多くなるように決定することができる。
【0038】
報償決定部213は、商品の廃棄が予測される場合に、廃棄期限日時までの時間に応じて、付与するポイント数を決定するようにしてもよい。この場合、報償決定部213は、例えば、廃棄期限日時が近いほど、付与するポイント数が多くなるように決定することができる。また、報償決定部213は、商品の廃棄が予測される場合に、当該商品の在庫量と廃棄期限日時までの時間との両方に応じて、付与するポイント数を決定するようにしてもよい。
【0039】
報償決定部213は、商品の廃棄が予測される場合、例えば、抽選で付与するポイント数を決定することができる。この場合、報償決定部213は、ランダムにポイント数を決定してもよいし、ユーザのランクなどに応じて、当選確率を変化させて付与するポイント数を決定するようにしてもよい。
【0040】
報償決定部213は、商品の廃棄が予測される場合に、販売地(例えばPOSレジスタ30が設置された場所)から商品の生産地までの距離に応じて、付与するポイント数を決定するようにしてもよい。この場合、例えば、JANコードに対応付けて、当該商品の生産地を記憶する生産地記憶部と、POSレジスタ30に対応付けて当該POSレジスタの設置場所を示す情報を記憶する設置場所記憶部と、を管理サーバ20が備えるようにし、報償決定部213は、JANコードに対応する生産地を生産地記憶部から取得し、POSレジスタ30の設置場所を設置場所記憶部から取得し、設置場所から生産地までの距離を、例えば、地図サーバに問い合わせるなど周知の手法により取得することができる。なお、距離は、緯度経度で算出する精度でなくてもよく、例えば市区町村単位で代表地点間の距離であってもよいし、隣接する地方や市区町村などの単位の数であってもよい。報償決定部213は、生産地までの距離が近いほどポイント数が多くなるように決定することができる。
【0041】
報償決定部213は、商品の廃棄が予測される場合に、旬の商品であるか否かに応じてポイント数を変更するようにしてもよい。この場合、JANコードに対応付けて、当該商品の旬を記憶する旬記憶部を管理サーバ20が備えるようにし、報償決定部213は、JANコードに対応する旬を旬記憶部から取得し、販売日時(POSデータの日時)が旬に含まれるか否かを判定し、旬に含まれる場合には、ポイント数を増加させるように変更することができる。
【0042】
報償決定部213は、商品の重さ(すなわち、廃棄が予定されていた重さ)に応じてポイント数を決定してもよい。この場合、管理サーバ20も、POSレジスタ30と同様の商品情報取得部を備えるようにし、POSデータに対応する商品情報を取得して、商品情報から商品の重さを取得することができる。報償決定部213は、商品の重さが重いほど高くなるようにポイント数を決定することができる。報償決定部213は、例えば、商品の重さに所定の係数を乗じてポイント数を決定することができる。
【0043】
報償付与部214は、商品の廃棄が予測される場合に商品の購入者に報償を付与する。報償付与部214は、報償決定部213が決定した数のポイントをユーザに付与することができる。報償付与部214は、POSデータの会員番号に対応するユーザIDに対応する報償情報のポイント(残高)に、決定されたポイント数を加算することができる。また、報償付与部214は、付与したポイント数及びPOSデータの一部又は全部を報償情報の取得履歴に追加することができる。
【0044】
報償情報提供部215は、報償情報をユーザに提供する。報償情報提供部215は、例えば、ユーザ端末10からのリクエストに応じて、当該ユーザに対応する報償情報を報償情報記憶部233から読み出してユーザ端末10に送信することができる。
【0045】
報償情報提供部215は、報償情報のそれぞれ又は報償情報の集計値を、例えば、店舗の従業員に対して出力することもできる。報償情報提供部215は、例えば、報償情報記憶部233に記憶されている報償情報を読み出して一覧表示する画面データを、店舗の従業員の端末に送信することができる。報償情報提供部215は、例えば、報償情報に含まれるポイントの集計値(合計、平均など)、所定期間(例えば年や月など)ごとのポイントの集計値などを計算して出力することができる。報償情報提供部215は、例えば、ポイントの発行された商品(すなわち、廃棄が予測されていたもの、つまり、廃棄が回避されたもの)ごとに、商品の数、商品の価格、及び/又は商品の重さの集計値を計算して出力することができる。これにより、廃棄ロスの低減量を、商品の個数、金額、重量で提示することができる。
【0046】
ポイント処理部216(資金移動処理部)は、ポイントの使用に関する処理を行うことができる。ポイント処理部216は、ポイントに応じた金額(例えば、1ポイント=1円としてもよい。)を、社会貢献活動を行う団体に寄付又は贈与したり、当該食品廃棄ロス低減支援システムの運営者が行う食育活動などのSDGs達成に向けた社会貢献活動への資金提供を行ったりするべく資金の移動を行うことができる。また、ポイント処理部216は、商品の生産者によるSDGsに向けた活動の支援のための資金提供を行うこともできる。
【0047】
資金の移動は、例えば、食品廃棄ロス低減支援システムの運営者が保有する金融機関の口座からの振込や振替などにより行うことができる。ポイント処理部216は、ポイントを使用することを指示するユーザからの指示に応じて、資金の移動を行うことができる。ポイント処理部216は、ユーザ端末10から、使用するポイント数を指定したリクエストを受信し、リクエストに指定されているポイント数に応じた金額を資金移動させる(例えば振込処理や振込予約その他の資金移動処理等を行う。)とともに、ユーザに対応する報償情報のポイント残高から指定されたポイント数を減算することができる。ポイント処理部216は、残高から減算した履歴を報償情報の取得履歴に追加するようにしてもよい。
【0048】
資金提供先となりうる複数の社会貢献活動の選択肢が存在する場合には、管理サーバ20は、ユーザ端末10に対して、ユーザによる支援可能な社会貢献活動の一覧を送信し、ユーザが一覧から選択した社会貢献活動をリクエストに指定するようにし、ポイント処理部216は、リクエストに指定された社会貢献活動に対応する口座に対して資金を移動させるように処理してもよい。
【0049】
また、ユーザに付与されたポイントの一部を経済的価値として使用可能とする場合、ポイント処理部216は、例えば、使用可能な経済ポイントに応じた金額をPOSレジスタ30に通知して(例えば、ユーザ端末10の画面に使用する経済ポイントを符号化したQRコード(登録商標)などのコードを表示してPOSレジスタ30に読ませるようにしてもよいし、使用する経済ポイントを、インターネットなどを介した通信によりPOSレジスタ30に送信するようにしてもよい。)、POSレジスタ30における課金金額から経済ポイントを減じるようにさせたり、経済ポイントに応じた景品と引き換えるように指示するメッセージを従業者に表示し、景品と引き換えたことを従業者から入力されたことに応じて経済ポイントを減じるようにしたりすることができる。
【0050】
<動作>
図5は、本実施形態の食品廃棄ロス低減支援システムの動作について説明する図である。
【0051】
POSレジスタ30は、商品の販売時、商品に付されているバーコードをスキャンして商品情報を取得し(S501)、例えば会員カードから会員番号を読み取る(S502)。
【0052】
POSレジスタ30は、商品に廃棄期限日時が近い旨を示す廃棄予測シール2が貼付されているか否かを判定し、廃棄予測シール2が貼付されている場合には、廃棄予測フラグを「真」に設定し(S503)、廃棄予測シール2が貼付されていない場合には、廃棄予測フラグを「偽」に設定する(S504)。
【0053】
POSレジスタ30は、現在の日付、商品情報、会員番号(会員カードが提示されなかった場合など、会員番号を読み取ることができない場合は、会員番号を取得できなかったことを示す情報)、及び廃棄予測フラグを設定したPOSデータを作成してPOSサーバ40に送信する(S505)。
【0054】
管理サーバ20は、POSサーバ40から定期的に又は不定期にPOSデータを取得する(S506)。管理サーバ20は、例えば、定期的にPOSサーバ40にアクセスして新規のPOSデータを取得するようにしてもよいし、POSサーバ40がPOSレジスタ30から新たにPOSデータを受信した場合に管理サーバ20に転送するようにしてもよい。
【0055】
管理サーバ20は、取得したPOSデータについて、廃棄予測フラグが「真」であり、会員番号が設定されている場合には、会員番号に対応するユーザIDを会員情報記憶部232から特定し(S507),特定したユーザIDが示すユーザに対して付与するポイント数を決定する(S508)。ポイント数は、事前に設定された値であってもよいし、抽選により所定範囲内のポイント数を決定するようにしてもよい。また、上述したように、商品の価格、商品の重さ、商品の在庫量、廃棄期限日時までの時間、生産地までの距離、旬の商品であるか否かに応じてポイント数を決定するようにしてもよい。管理サーバ20は、決定したポイント数を、ユーザIDに対応する報償データのポイントに加算するように報償データを更新する(S509)。ここで管理サーバ20は、付与したポイント数及びPOSデータの一部又は全部を報償情報の取得履歴に追加することができる。また、管理サーバ20は、社会貢献活動に拠出するための社会貢献ポイントのポイント数と、決済時に利用したり景品と引き換えたりするなどの経済的価値を表す経済ポイントのポイント数を、上記のように、例えば、所定値として、あるいは、商品の価格、商品の重さ、商品の在庫量、廃棄期限日時までの時間、生産地までの距離、旬の商品であるか否かに応じて、決定するようにしてもよい。
【0056】
管理サーバ20は、ユーザ端末10からのリクエストに応じて(S510)、ユーザに対応する報償情報を報償情報記憶部233から読み出してユーザ端末10に送信する(S511)。ユーザ端末10は、ユーザに対して付与されたポイントの残高等を参照することができる。また、ユーザはユーザ端末10を操作して、ポイントの使用指示を管理サーバ20に送信しポイントを利用することもできる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の食品廃棄ロス低減支援システムによれば、廃棄が予測される商品を購入したユーザにポイントの報償を付与することにより、廃棄が予測される商品(食品)を優先的に購入する動機づけを行うことができる。これにより食品廃棄ロスが低減されることが期待される。
【0058】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0059】
例えば、上述した実施形態では、POSレジスタ30からPOSサーバ40にPOSデータを送信するものとしたが、POSレジスタ30は、作成したPOSデータを店舗又はエリアで集約するストアコンピュータに送信し、ストアコンピュータからPOSサーバ40にPOSデータを送信するようにしてもよい。
【0060】
<廃棄期限日時に応じた廃棄予測>
また、上述した実施形態では、商品への廃棄予測シール2の貼付の有無に応じて廃棄が予測されているかどうかを判断するものとしたが、商品の廃棄期限日時が既知である場合には、廃棄期限日時に応じて、例えば現時点から廃棄期限日時までの時間(日数又は時間)が所定値以下である場合に廃棄が予測されていると判断してもよい。
【0061】
この場合、商品に付されるバーコードには、JANコードとともに、廃棄期限日時を符号化させることができる。例えば、店舗においてバーコードプリンターにより、JANコードと廃棄期限日時とを印刷して商品に貼付するなどの活動を行うことができる。
【0062】
また、JANコードと製造日又は製造日時を符号化させてバーコードを印刷するようにしてもよい。この場合には、JANコードに対応付けて、当該商品を販売可能な日数又は時間を記憶する販売可能時間記憶部を管理サーバ20が備えるようにし、製造日又は製造日時から、JANコードに対応する日数又は時間後の日付又は日時を廃棄期限日時として算出することができる。
【0063】
廃棄予測判断部313は、現時点から、バーコードから読み取った廃棄期限日時までの時間(日数又は時間)が所定値以下である場合に、廃棄が予測されていると判断することができる。
【0064】
POSデータ送信部314は、POSデータに廃棄期限日時を含めるようにすることができる。
【0065】
なお、この場合にも、商品には、廃棄期限日時が近いことを示す廃棄予測シール2を貼付してもよい。これにより消費者に対する動機づけを行うことができる。
【0066】
<ARによる割引の提示>
また、上述した実施形態では、商品には、廃棄予測シール2とは別に割引シールを貼付することを説明したが、ユーザ端末10において割引金額又は割引率をAR(拡張現実)で表示するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末10はカメラを備えるようにし、また、管理サーバ20は、予めユーザ端末10に対して、廃棄予測シール2に該当する割引金額又は割引率を通知するようにし、ユーザがユーザ端末10を用いて廃棄予測シール2を含むように商品を撮影した場合に、ユーザ端末10は、カメラ画像から廃棄予測シール2を検出した場合に、管理サーバ20から通知された割引金額又は割引率をカメラ画像に重畳させてディスプレイ上に表示することができる。
【0067】
ここで割引率が設定されている場合に、管理サーバ20は、商品の単価をPOSサーバ40から予め取得しておき、ユーザ端末10は、商品のバーコードからJANコードを読み取って、JANコードを管理サーバ20に送信し、管理サーバ20がJANコードに対応する単価に、割引率を乗じた割引金額を計算して、割引金額をユーザ端末20に通知するようにしてもよい。
【0068】
<ARによる社会貢献の提示>
また、廃棄が予測される商品につき、購入することにより付与されるポイントに応じて資金提供される社会貢献活動についての説明をユーザ端末10に表示させるようにすることもできる。例えば、ユーザ端末10が商品の外観やバーコードなどを撮影し、撮影した画像を管理サーバ20に送信し、管理サーバ20が画像を解析して商品を特定するとともに、廃棄予測シール2が貼付されているか否かを判定し、廃棄予測シール2が貼付されている場合には、食品廃棄ロスが削減されることの説明及び/又は社会貢献活動についての説明をユーザ端末10に応答し、ユーザ端末10が当該説明を表示することができる。ユーザ端末10は、いわゆるAR(拡張現実)として、カメラの撮影画像上に説明を表示させるようにしてもよいし、カメラの撮影画像とは異なる画面上に説明を表示するようにしてもよい。
【0069】
<販売時に資金提供>
本実施形態では、ポイントを一度ユーザに付与した後に、ユーザからのリクエストに応じて社会貢献活動への資金提供を行うものとしたが、ポイントを付与せずに、社会貢献活動への資金提供を行い、資金提供を行った社会貢献活動を示す情報の履歴を報償情報として報償情報記憶部233に蓄積するようにしてもよい。
【0070】
<廃棄期限以外の環境価値>
本実施形態では、廃棄期限の近い食品を購入する動機づけに、社会貢献活動への貢献ができること(資金提供可能なポイントの付与)を与えるものとしたが、これに限らず、環境価値を有する商品の購入の動機づけを行うようにしてもよい。例えば、廃プラスチック等のリサイクル材料や端材などを用いた環境配慮商品(例えば、リサイクルトレーなど)、LEDや太陽光発電を用いるものなどの省エネ商品、リサイクル衣服、長く使える天然素材の衣服、社会貢献活動に関する教材やおもちゃなどの購入の動機づけに用いることができる。
【0071】
また、商品の購入に限らず、サービスを受ける際のユーザの行動に対するポイントの付与を行うようにしてもよい。例えば、飲食店においてプラスチック製品や割り箸などの使い捨て用品を辞退すること、スーパーにトレー持ってくること、スーパーにタッパーなどの容器を持ってくることなどに対して、本実施形態のポイントを付与するようにすることもできる。
【0072】
また、商品の生産者等がSDGsの実現に取り組んでいる度合に応じてポイントを付与するようにしてもよい。この場合、商品ごとに、SDGsへの取り組み度合を記憶する取り組み度合記憶部を設けるようにし、商品の購入時に、この取り組み度合に応じてポイントを付与することができる。
【符号の説明】
【0073】
10 ユーザ端末
20 管理サーバ
30 POSレジスタ
40 POSサーバ