IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 丸栄コンクリート工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ブロックの搬送据付 図1
  • 特許-ブロックの搬送据付 図2
  • 特許-ブロックの搬送据付 図3
  • 特許-ブロックの搬送据付 図4
  • 特許-ブロックの搬送据付 図5
  • 特許-ブロックの搬送据付 図6
  • 特許-ブロックの搬送据付 図7
  • 特許-ブロックの搬送据付 図8
  • 特許-ブロックの搬送据付 図9
  • 特許-ブロックの搬送据付 図10
  • 特許-ブロックの搬送据付 図11
  • 特許-ブロックの搬送据付 図12
  • 特許-ブロックの搬送据付 図13
  • 特許-ブロックの搬送据付 図14
  • 特許-ブロックの搬送据付 図15
  • 特許-ブロックの搬送据付 図16
  • 特許-ブロックの搬送据付 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ブロックの搬送据付
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/46 20060101AFI20240711BHJP
   B65G 67/24 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B66C23/46
B65G67/24
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023086182
(22)【出願日】2023-05-25
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】592086880
【氏名又は名称】丸栄コンクリート工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081628
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 桂
(72)【発明者】
【氏名】棚橋 肇
(72)【発明者】
【氏名】阪口 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】奥村 英樹
(72)【発明者】
【氏名】河合 信治
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-300688(JP,A)
【文献】特開2022-130029(JP,A)
【文献】特開2007-169062(JP,A)
【文献】特開平11-124298(JP,A)
【文献】特許第6697106(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 9/00- 11/04
B66C 19/00- 23/94
B65G 67/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックを敷き並べるため、貨物自動車上のブロックを、持ち上げて搬送し、据付位置に降ろす自走式の搬送据付装置において、
車輪を備えた車輪駆動部は、左右に並列して間隔を置いて配置し、
左右の車輪駆動部は、それぞれ、柱を立てて取り付け、
左右の柱は、梁を掛け渡たして取り付け、
左右の柱と梁で左右の車輪駆動部を連結し、前後方向から見て門型状にし、
また、左右の車輪駆動部は、それぞれ、アームを取り付け、アームの前端を昇降させる駆動装置を備え、
左右のアームの前端は、連結保持具を掛け渡して取り付け、
連結保持具は、下側にブロックを連結して保持する構成にし、
左側の車輪駆動部、左側の柱と右側の車輪駆動部、右側の柱との間を貨物自動車の幅より広くし、上昇端の連結保持具下側に連結保持したブロックと車輪の接地面との間を貨物自動車の高さより広くし、貨物自動車を股いて走行可能な構成にしていることを特徴とするブロックの搬送据付装置。
【請求項2】
アームは、後端を車輪駆動部に回転可能に取り付け、前端を昇降可能にし、
アームと車輪駆動部との間にシリンダ装置を掛け渡して取り付け、シリンダ装置の伸縮作動でアームの前端を昇降させる構成にしていることを特徴とする請求項1に記載のブロックの搬送据付装置。
【請求項3】
アームは、枢軸を左右方向に貫通して取り付け、枢軸に連結保持具の上部を取り付け、連結保持具の下部を前後方向に回動可能にしていることを特徴とする請求項1に記載のブロックの搬送据付装置。
【請求項4】
連結保持具下側に連結して保持したブロックの姿勢を制御する姿勢制御機構を設け、
姿勢制御機構は、連結保持具とアームとの間にシリンダ装置を掛け渡して取り付け、シリンダ装置の伸縮作動で連結保持具下側のブロックを水平姿勢、前傾姿勢又は後傾姿勢にする構成にしていることを特徴とする請求項3に記載のブロックの搬送据付装置。
【請求項5】
連結保持具下側に連結して保持したブロックの左右方向位置を調節する位置調節機構を設け、
位置調節機構は、枢軸と連結保持具をアームに対して左右動可能にし、アームにシリンダ装置を左右方向に沿って取り付け、
シリンダ装置は、ロッドを枢軸に連結し、シリンダ装置の右行き作動で連結保持具下側のブロックを右方に移動し、シリンダ装置の左行き作動で連結保持具下側のブロックを左方に移動する構成にしていることを特徴とする請求項3又は4に記載のブロックの搬送据付装置。
【請求項6】
貨物自動車に積載のブロックを、自走式の搬送据付装置で持ち上げて搬送し、据付位置に降ろして据付け、このような搬送据付作業を繰り返してブロックを敷き並べる搬送据付方法において、
自走式の搬送据付装置は、前後方向から見て門型状にし、ブロックを敷き並べる帯状の据付場所を前進、後進可能にして、据付位置の後側に前向きに配置し、
貨物自動車は、搬送据付装置の後側の荷下ろし位置に前向き又は後向きに配置し、
門型状の搬送据付装置は、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を股いて進み、貨物自動車上のブロックを持ち上げる位置、持上げ位置に停止し、貨物自動車上のブロックを持ち上げ、
ブロックを持ち上げた搬送据付装置は、前進し、貨物自動車を股いて通過し、据付位置にブロックを降ろす位置、降ろし位置に停止し、ブロックを据付位置に降し、
ブロックを降した搬送据付装置は、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を跨いて進み、持上げ位置に戻ることを特徴とするブロックの搬送据付方法。
【請求項7】
ブロックの向きが貨物自動車上と据付位置で異なる場合、据付位置の後側であって搬送据付装置の前側に回転テーブルを設置し、
搬送据付装置は、持ち上げたブロックを回転テーブルに降ろし、
回転テーブルは、ブロックを回転してブロックの向きを変え、
搬送据付装置は、向きを変えたブロックを回転テーブルから持ち上げ、回転テーブルを跨いて前進することを特徴とする請求項6に記載のブロックの搬送据付方法。
【請求項8】
ブロックの向きが貨物自動車上と据付位置で異なる場合、搬送据付装置は、ブロックを貨物自動車上から据付位置に搬送する間に向きを変えることを特徴とする請求項6に記載のブロックの搬送据付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックを敷き並べるため、貨物自動車上のブロックを、持ち上げて搬送し、ブロックの据付位置に降ろす搬送据付技術に関する。
【背景技術】
【0002】
床版やスラブのような平板状のブロックを敷き並べる場合、自走式の搬送据付装置は、ブロックを積載して来た貨物自動車の側面、横に向かって停止する。その横付け状態で貨物自動車上のブロックを持ち上げる。そして、搬送据付装置は、持ち上げ状態のブロックをブロックの据付位置の上空に搬送し、据付位置に降ろす。その後、搬送据付装置は、ブロックを据付位置に残して、貨物自動車の横に戻る。このような搬送据付作業を繰り返してブロックを敷き並べる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6697106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[課 題]
上記のような搬送据付作業を行う場合、ブロックを敷き並べる帯状の据付場所の付近に、搬送据付装置や貨物自動車が走行したり停止したりする空間、特に搬送据付装置を貨物自動車に横付けさせる空間がないときがある。そのような狭い場所では、搬送据付作業は困難になる。
また、このような搬送据付作業に必要な装置や機器は、大掛かりなものであると、それらを据付場所に運び込む作業や据付場所での取り扱う作業は容易ではない。
【0005】
[構 想]
ブロックの搬送据付に当たって、自走式の搬送据付装置は、帯状の据付場所を前進、後進可能にし、ブロックの据付位置の後側に前向きに配置する。貨物自動車は、ブロックを積載した状態で、搬送据付装置の後側になる位置、荷下ろし位置に前向き又は後向きに配置する。
自走式の搬送据付装置は、前後方向から見て門型状にする。門型状の搬送据付装置は、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を股いて進み、貨物自動車上のブロックを持ち上げる位置、持上げ位置に停止し、ブロックを持ち上げる。
門型状の搬送据付装置は、ブロックを持ち上げた状態で、前進し、貨物自動車を股いて進み、ブロックを据付位置に降ろす位置、降ろし位置に停止し、ブロックを据付位置に降ろす。その後、門型状の搬送据付装置は、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を跨いて進み、持上げ位置に戻る。
すると、門型状の搬送据付装置は、持上げ位置と降ろし位置の間を前後進するだけになる。ブロックの持上げは、貨物自動車を跨いたような状態、覆い被さったような状態で行うことになる。搬送据付装置の走行、停止に必要とする空間は狭くて済む。必要とする装置や機器は、門型状の自走式搬送据付装置だけになる。
なお、ブロックの向きが貨物自動車上と据付位置で異なる場合には、貨物自動車上のブロックを据付位置に降ろすまでにブロックの向きを変えることになる。例えば、ブロックを回転して向きを変える回転テーブルを用いる。
【0006】
[具体例]
1)ブロックの搬送据付装置
自走式の搬送据付装置は、車輪を備えた車輪駆動部を左右に間隔を置いて配置する。左右の車輪駆動部は、それぞれ、柱を立てて取り付ける。左右の柱は、梁を掛け渡して取り付ける。左右の柱と梁で左右の車輪駆動部を連結する。前後方向から見て門型状にする。
また、左右の車輪駆動部は、それぞれ、アームを取り付け、アームの前端を昇降させる駆動装置を備える。左右のアームの前端は、連結保持具を左右方向に掛け渡して取り付ける。連結保持具は、下側にブロックを連結して保持する構成にする。即ち、ブロックを持ち上げる構成にする。
そして、左側の車輪駆動部、左側の柱と右側の車輪駆動部、右側の柱との間は、貨物自動車の幅より広くする。車輪の接地面と上昇端の連結保持具下側のブロックとの間は、貨物自動車の高さより広くする。搬送据付装置は、貨物自動車を股いて走行可能な門型状にする。
【0007】
2)ブロックの搬送据付方法
門型状の搬送据付装置は、ブロックの据付位置の後側に前向きに配置し、その後側に貨物自動車を前向き又は後向きに配置する。その位置を貨物自動車の荷下ろし位置にする。
門型状の搬送据付装置は、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を股いて進み、貨物自動車に積載のブロックを持ち上げる位置、持上げ位置に停止し、ブロックを持ち上げる。
そして、門型状の搬送据付装置は、ブロックを持ち上げた状態で、前進し、貨物自動車を股いて進み、降ろし位置に停止し、ブロックを据付位置に降ろす。その後、搬送据付装置は、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を跨いて進み、持上げ位置に戻る。
【0008】
3)ブロックの向き変え
貨物自動車に積載されたブロック、例えば長方形状の平板のブロックは、その長手方向が前後方向になっていることがある。そして、そのブロックは、据付位置で長手方向を左右方向にして据え付けることになっていることがある。即ち、ブロックの向きが貨物自動車上と据付位置で異なる場合がある。このような場合には、貨物自動車上のブロックを据付位置に降ろすまでの間にブロックを回転して長手方向を左右方向にする向き変えを行う。
ブロックの向き変えをするときは、据付位置の後側で搬送据付装置の前側に回転テーブルを設置する。ブロックを一旦回転テーブルに載せて回転し、縦長から横長に向きを変える。そして、横長のブロックを持ち上げて搬送する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1.ブロックを敷き並べるため、貨物自動車上のブロックを、持ち上げて搬送し、据付位置に降ろす自走式の搬送据付装置において、
車輪を備えた車輪駆動部は、左右に並列して間隔を置いて配置し、
左右の車輪駆動部は、それぞれ、柱を立てて取り付け、
左右の柱は、梁を掛け渡たして取り付け、
左右の柱と梁で左右の車輪駆動部を連結し、前後方向から見て門型状にし、
また、左右の車輪駆動部は、それぞれ、アームを取り付け、アームの前端を昇降させる駆動装置を備え、
左右のアームの前端は、連結保持具を掛け渡して取り付け、
連結保持具は、下側にブロックを連結して保持する構成にし、
左側の車輪駆動部、左側の柱と右側の車輪駆動部、右側の柱との間を貨物自動車の幅より広くし、上昇端の連結保持具下側に連結保持したブロックと車輪の接地面との間を貨物自動車の高さより広くし、貨物自動車を股いて走行可能な構成にしていることを特徴とするブロックの搬送据付装置。
2.上記1の搬送据付装置において、
アームは、後端を車輪駆動部に回転可能に取り付け、前端を昇降可能にし、
アームと車輪駆動部との間にシリンダ装置を掛け渡して取り付け、シリンダ装置の伸縮作動でアームの前端を昇降させる構成にしていることを特徴とする。
3.上記1の搬送据付装置において、
アームは、枢軸を左右方向に貫通して取り付け、枢軸に連結保持具の上部を取り付け、連結保持具の下部を前後方向に回動可能にしていることを特徴とする。
4.上記3の搬送据付装置において、
連結保持具下側に連結して保持したブロックの姿勢を制御する姿勢制御機構を設け、
姿勢制御機構は、連結保持具とアームとの間にシリンダ装置を掛け渡して取り付け、シリンダ装置の伸縮作動で連結保持具下側のブロックを水平姿勢、前傾姿勢又は後傾姿勢にする構成にしていることを特徴とする。
5.上記3又は4の搬送据付装置において、
連結保持具下側に連結して保持したブロックの左右方向位置を調節する位置調節機構を設け、
位置調節機構は、枢軸と連結保持具をアームに対して左右動可能にし、アームにシリンダ装置を左右方向に沿って取り付け、
シリンダ装置は、ロッドを枢軸に連結し、シリンダ装置の右行き作動で連結保持具下側のブロックを右方に移動し、シリンダ装置の左行き作動で連結保持具下側のブロックを左方に移動する構成にしていることを特徴とする。
6.貨物自動車に積載のブロックを、自走式の搬送据付装置で持ち上げて搬送し、据付位置に降ろして据付け、このような搬送据付作業を繰り返してブロックを敷き並べる搬送据付方法において、
自走式の搬送据付装置は、前後方向から見て門型状にし、ブロックを敷き並べる帯状の据付場所を前進、後進可能にして、据付位置の後側に前向きに配置し、
貨物自動車は、搬送据付装置の後側の荷下ろし位置に前向き又は後向きに配置し、
門型状の搬送据付装置は、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を股いて進み、貨物自動車上のブロックを持ち上げる位置、持上げ位置に停止し、貨物自動車上のブロックを持ち上げ、
ブロックを持ち上げた搬送据付装置は、前進し、貨物自動車を股いて通過し、据付位置にブロックを降ろす位置、降ろし位置に停止し、ブロックを据付位置に降し、
ブロックを降した搬送据付装置は、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を跨いて進み、持上げ位置に戻ることを特徴とするブロックの搬送据付方法。
7.上記6の搬送据付方法において、
ブロックの向きが貨物自動車上と据付位置で異なる場合、据付位置の後側であって搬送据付装置の前側に回転テーブルを設置し、
搬送据付装置は、持ち上げたブロックを回転テーブルに降ろし、
回転テーブルは、ブロックを回転してブロックの向きを変え、
搬送据付装置は、向きを変えたブロックを回転テーブルから持ち上げ、回転テーブルを跨いて前進することを特徴とする。
8.上記6の搬送据付方法において、
ブロックの向きが貨物自動車上と据付位置で異なる場合、搬送据付装置は、ブロックを貨物自動車上から据付位置に搬送する間に向きを変えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
門型状の搬送据付装置は、ブロックの持上げ位置と降ろし位置の間を前後進し、貨物自動車を股いて走行する。そして、貨物自動車に覆い被さるような体勢で貨物自動車上のブロックを持ち上げる。搬送据付装置や貨物自動車が走行したり停止したりする空間が少なくて済む。狭い場所でも、搬送据付作業は困難にならない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態におけるブロックの搬送据付装置の側面図。
図2】同搬送据付装置の平面図。
図3】同搬送据付装置の正面図。
図4】同搬送据付装置を用いて搬送据付を行う時の正面図。
図5】同搬送据付を行う時の平面図。
図6】同搬送据付を行う時の側面図。
図7図4図6の搬送据付装置が後進して持上げ位置に停止した時の側面図。
図8図7の搬送据付装置が連結保持具を下降してその下側に貨物自動車上のブロックを連結保持した時の側面図。
図9図8の搬送据付装置が連結保持具を上昇して貨物自動車上のブロックを持ち上げた時の側面図。
図10図9の搬送据付装置が前進してブロックを回転テーブルに降ろす位置に停止した時の側面図。
図11図10の搬送据付装置が連結保持具を下降してブロックを回転テーブルに載せた時の側面図。
図12図11の搬送据付装置が連結保持具をブロックから外して後進し待機位置に停止した時の側面図。
図13図12の回転テーブルが回転作動してブロックの向きを変えた時の側面図。
図14図13の搬送据付装置が前進して連結保持具に回転テーブル上のブロックを連結保持した時の側面図。
図15図14の搬送据付装置が前進して回転テーブルを通過し降ろし位置に停止した時の側面図。
図16図15の搬送据付装置が連結保持具を下降してブロックを据付位置に降ろした時の側面図。
図17図16の搬送据付装置が連結保持具をブロックから外して上昇させつつ後進し始めた時の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[ブロックの搬送据付装置(図1図3参照)]
ブロックの搬送据付装置Dは、図1図3に示すように、車輪駆動部1を左右に並列して間隔を置いて配置している。車輪駆動部1は、前後方向に長く、前後にそれぞれ車輪2、3を備えている。左右の車輪駆動部1は、それぞれ、柱4を立てている。左右の柱4は、梁5を左右方向に掛け渡たして取り付けている。梁5と左右の柱4で左右の車輪駆動部を連結している。即ち、梁5と左右の柱4で門型状の連結構造体4、5を構成している。搬送据付装置Dは、前後方向から見て門型状にしている。
左右の車輪駆動部1の上側には、それぞれ、アーム6を前後方向に取り付け、アーム6の前端を昇降させる駆動装置7を備えている。左右のアーム6の前端は、連結保持具8を左右方向に掛け渡して取り付けている。連結保持具8は、下側に床版やスラブのような平板状のブロックBを連結して保持する構成にしている。
左側の車輪駆動部1、左側の柱4と右側の車輪駆動部1、右側の柱4との間は、貨物自動車Cの幅より広くしている。上昇端の連結保持具8下側に連結保持したブロックBと車輪2、3の接地面との間は、貨物自動車Cの高さより広くしている。門型状の搬送据付装置Dは、貨物自動車Cを股いて走行可能にしている。また、回転テーブルTを股いて通過可能にしている。回転テーブルTは、左右の幅と高さが貨物自動車Cより小さい。
【0013】
門型状の搬送据付装置Dの詳細な構成は、次の通りである。
門型状の連結構造体において、左右の柱4は、それぞれ、左右の車輪駆動部1の外側に固定している。また、左右の柱4は、それぞれ、前柱と後柱にし、前柱と後柱に横材を掛け渡たして固定している。横材は、複数にし、上下に配列している。梁5は、前梁と後梁にし、前梁と後梁に横材を掛け渡たして固定している。横材は、複数にし、左右に配列している。前梁と後梁は、それぞれ、上梁と下梁にし、上梁と下梁に縦材を掛け渡たして固定している。縦材は、複数にし、左右に配列している。
左右の車輪駆動部1は、左右対称に構成している。片側の車輪駆動部1について説明する。
車輪駆動部1は、前輪2と後輪3及びそれらの駆動装置、例えば油圧モータや電動モータを備えている。
車輪駆動部1上のアーム6は、前端を含む前側部分を前後方向に配置し、後端を含む後側部分を上下方向に配置している。そして、後端を車輪駆動部1上に回転可能に取り付け、前端を昇降可能にしている。アーム6と車輪駆動部1の間には、アーム駆動装置7のシリンダ装置を掛け渡して取り付けている。シリンダ装置7の伸縮作動でアーム6の前端を昇降させる構成にしている。アーム6の前端は、門型状の連結構造体4、5の前側位置を昇降する。また、車輪駆動部1の前側位置を昇降する。
車輪駆動部1の上側には、連結構造体4、5の後側位置に収納室11を設けている。収納室11には、発電機又は蓄電池、電気機器、油圧機器や制御機器などを収納している。前輪2と後輪3の駆動装置及びアーム昇降装置のシリンダ装置7は、無線又は有線で遠隔操作する構成にしている。
【0014】
アーム6の前端には、図3に示すように、枢軸12を左右方向に貫通して回転可能に取り付けている。連結保持具8は、左右方向に長い保持具の上に上下方向に短い連結板を設けている。連結板は、枢軸12に貫通して枢軸12に取り付けている。連結保持具8は、枢軸12を中心にして下部の保持具を前後方向に回動可能にしている。連結保持具8に保持された平板状のブロックBは、前後方向に揺動可能になる。連結保持具8は、自分自身と下側のブロックBに重力以外の外力を受けない状態、自然状態であると、ブロックBが水平姿勢になる構成にしている。
【0015】
連結保持具8下側のブロックBの姿勢を制御する姿勢制御機構21を設けている。姿勢制御機構21は、図1に示すように、連結保持具8とアーム6の間にシリンダ装置を掛け渡して取り付けている。姿勢制御機構21のシリンダ装置の伸縮作動で連結保持具下側のブロックBを水平姿勢、前傾姿勢又は後傾姿勢にすることができる。据付位置が水平面から前側又は後側に傾斜しているときに、連結保持具下側のブロックBを据付位置に降ろす際、シリンダ装置21の作動でブロックBの姿勢を据付位置の傾斜に合わせて傾けることができる。
【0016】
また、連結保持具下側のブロックBの左右方向位置を調節する位置調節機構26を設けている。位置調節機構26は、枢軸12と連結保持具8をアーム6に対して左右動可能にしている。アーム6には、図3に示すように、シリンダ装置を左右方向に沿って取り付けている。位置調節機構26のシリンダ装置は、両ロッドを枢軸12の両端に連結している。シリンダ装置26が右行き作動をすると、連結保持具下側のブロックBが右方に移動する。シリンダ装置26が左行き作動をすると、連結保持具下側のブロックBが左方に移動する。連結保持具下側のブロックBを据付位置に降ろす際、シリンダ装置26の作動でブロックBの左右方向位置を据付位置に合わせることができる。
【0017】
[ブロックの搬送据付方法(図4図17参照)]
ブロックの向きが貨物自動車上と据付位置で異なる事例である。ブロックBを敷き並べる帯状の据付場所に門型状の搬送据付装置D、ブロックBを積載した貨物自動車Cと電動の回転テーブルTを設置する。それらは、図示例では据付場所の既設のブロック列Rの上に配置する。
【0018】
図4図6参照>
門型状の搬送据付装置Dは、既設のブロック列Rの前端、ブロックBの据付位置の後側に前向きに配置する。その搬送据付装置Dの後側に貨物自動車Cを前向きに配置する。その位置を貨物自動車Cの荷下ろし位置にする。そして、据付位置の後側であって搬送据付装置Dの前側に電動の回転テーブルTを設置する。搬送据付装置Dは、連結保持具8を上昇端に配置している。貨物自動車CDは、ブロックBを積載している。
【0019】
図7参照>
門型状の搬送据付装置Dは、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車Cを股いて進み、貨物自動車Cに積載されているブロックBを持ち上げる位置、持上げ位置に停止する。
図8参照>
門型状の搬送据付装置Dは、連結保持具8を下降し、連結保持具8の下側に貨物自動車C上のブロックBを連結して保持する。ブロックBは、長方形状の平板であって、長手方向を前後方向にして縦長状態で積載されている。
図9参照>
門型状の搬送据付装置Dは、連結保持具8を上昇し、貨物自動車C上のブロックBを持ち上げる。貨物自動車C上のブロックBは、複数枚が同じ向きに積層されている。最上段のブロックBを持ち上げる。
図10参照>
門型状の搬送据付装置Dは、前進し、貨物自動車Cを股いて進み、縦長のブロックBを回転テーブルTに載せる位置に停止する。
【0020】
図11参照>
門型状の搬送据付装置Dは、連結保持具8を下降し、縦長のブロックBを回転テーブルTに載せる。
図12参照>
門型状の搬送据付装置Dは、連結保持具8から縦長のブロックBを外し、後進し、回転テーブルT上のブロックBの回転を妨げない位置に待機する。
図13参照>
回転テーブルTは、回転駆動し、その上のブロックBを四分の一回転して長手方向を左右方向に、横長にする。ブロックBの向きを変える。
図14参照>
門型状の搬送据付装置Dは、前進し、回転テーブルT上の横長のブロックBを持ち上げる位置に停止する。連結保持具8の下側に回転テーブルT上の横長のブロックBを連結して保持する。
【0021】
図15参照>
門型状の搬送据付装置Dは、前進し、回転テーブルTを股いて通過し、横長のブロックBをその据付位置pに降ろす位置、降ろし位置に停止する。
図16参照>
門型状の搬送据付装置Dは、連結保持具8を下降し、横長のブロックBを据付位置pに降ろす。そして、横長のブロックBは、連結保持具8から外し、据付位置pに据え付ける。既設のブロック列Rの前端の前側に同様に配列する。
図17参照>
門型状の搬送据付装置Dは、連結保持具8を上昇しつつ後進する。回転テーブルTを股いて通過し、荷下ろし位置の貨物自動車Cを股いて進み、図7に示した持上げ位置に戻る。
このような搬送据付作業を繰り返してブロックBを敷き並べる。
【0022】
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されない。次のような変形が例示される。
1.上記の実施形態において、ブロックBの向きが貨物自動車C上と据付位置pで異なるため、ブロックBの向きを変える回転テーブルTを配置しているが、ブロックBの向きが異ならない場合は、回転テーブルTは必要としない。
2.上記の実施形態において、貨物自動車Cは、前向きに配置しているが、後向きに配置する。
3.上記の実施形態において、アーム昇降装置7は、アーム6の前端の昇降経路が円弧状になるが、直線状になる昇降装置にする。
【符号の説明】
【0023】
D 搬送据付装置
C 貨物自動車
T 回転テーブル
B ブロック
R 既設のブロック列
p ブロックの据付位置
1 車輪駆動部
2、3 車輪
2 前輪
3 後輪
4 柱
5 梁
4、5 門型状の連結構造体
6 アーム
7 アーム駆動装置、シリンダ装置
8 連結保持具
11 収納室
12 枢軸
21 姿勢制御機構、シリンダ装置
26 位置調節機構、シリンダ装置
【要約】
【課題】 ブロックの搬送据付装置の走行、停止に必要となる空間を狭くする。
【解決手段】 搬送据付装置Dは、前後方向から見て門型状にし、ブロックBの据付位置の後側に前向きに配置する。ブロックを積載した貨物自動車Cは、搬送据付装置の後側になる荷下ろし位置に前向き又は後向きに配置する。門型状の搬送据付装置は、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を股いて進み、貨物自動車上のブロックを持ち上げる持上げ位置に停止し、ブロックを持ち上げる。そして、前進し、貨物自動車を股いて進み、ブロックを据付位置に降ろす位置に停止し、ブロックを据付位置に降ろす。その後、後進し、荷下ろし位置の貨物自動車を跨いて進み、持上げ位置に戻る。
【選択図】 図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17