(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】内視鏡にレセプタクルを接続するための流体コンジットモジュール
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240711BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20240711BHJP
A61B 1/015 20060101ALI20240711BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61B1/00 650
A61B1/00 632
A61B1/00 716
G02B23/24 A
A61B1/015 511
A61B1/12 510
(21)【出願番号】P 2021519119
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(86)【国際出願番号】 GB2019052932
(87)【国際公開番号】W WO2020079417
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-03
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518333432
【氏名又は名称】メディテック エンドスコピー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ホーカー,マイケル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ラムジー,ピーター
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-516544(JP,A)
【文献】米国特許第05133336(US,A)
【文献】国際公開第2010/101149(WO,A1)
【文献】特開2012-205671(JP,A)
【文献】特表平09-501845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 -23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡にレセプタクルを接続するための流体コンジットモジュールであって、
前記レセプタクルは、液体を保持するための内部容積を有し、そして、前記流体コンジットモジュールは、
-内視鏡の送気路に接続するための第1のポートと、
-内視鏡の送水路に接続するための第2のポートと、
-前記レセプタクルを前記流体コンジットモジュールに取り付けるように構成されるコネクタと、
-前記第1のポートと前記コネクタとの間の第1の流体流路と、
-前記第2のポートと前記コネクタとの間の第2の流体流路と、を備え、
ここで、前記コネクタは、使用の際に、レセプタクルが前記流体コンジットモジュールに接続される時、前記第1の流体流路および前記第2の流体流路は、前記レセプタクルの前記内部容積と流体連通するように構成され、および、
ここで、前記流体コンジットモジュールは、第1のレセプタクルの使用後の第2のレセプタクルの取り付けを防止するように前記コネクタを無効にするように構成される第1の単回使用機能と、前記第1の
流体流路および前記第2の
流体流路を介して前記レセプタクルを再充填することを妨げるまたは防止するように構成される第2の単回使用機能とを備え、
前記第1の単回使用機能は、
使用の際に前記レセプタクルから前記コネクタを外すために前記コネクタに力がかけられると破裂するように構成される、前記コネクタの弱められた部分を含む、
流体コンジットモジュール。
【請求項2】
前記流体コンジットモジュールは、前記コネクタが前記第1のポートおよび前記第2のポートに対する固定位置にあるように構成される、請求項1に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項3】
前記コネクタは、前記レセプタクルの相補性ねじ山への取り付けのためのねじ山を含む、請求項1又は2に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項4】
前記コネクタは、レセプタクルが前記コネクタに固定され得、レセプタクルが前記コネクタから外れることを防止するように構成される、ラチェット機構を含む、請求項3に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項5】
前記第1の流体流路が、前記第1のポートと閉鎖端との間に延在する第1の流体コンジットと、前記コネクタの第1の開口と閉鎖端との間に延在する第2の流体コンジットであって、前記第2の流体コンジットは前記第1の流体コンジットに対して実質的に垂直に延在する、第2の流体コンジットと、を備え、そして、前記第2の流体流路が、前記第2のポートと閉鎖端との間に延在する第3の流体コンジットと、前記コネクタの第2の開口と 閉鎖端との間に延在する第4の流体コンジットであって、前記第4の流体コンジットは前記第3の流体コンジットに対して実質的に垂直に延在する、第4の流体コンジットと、を備える、請求項1
~4のいずれか一項に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項6】
第1の交差が、前記第1の流体コンジットと前記第2の流体コンジットとの間の流体の 流れを可能にし、前記第1の交差は、前記第1の流体コンジットの前記閉鎖端から離れてあり、そして、前記第1の流体コンジットと前記第2の流体コンジットは、前記第1の交差を通る流体の流れの方向が、第1のコンジットと第2のコンジットの両方の軸に対して実質的に垂直になるようにオフセットされ、および、第2の交差が、前記第3の流体コンジットと前記第4の流体コンジットとの間の流体の流れを可能にし、前記第2の交差は、前記第3の流体コンジットの前記閉鎖端から離れてあり、そして、前記第3の流体コンジットと前記第4の流体コンジットは、前記第2の交差を通る流体の流れの方向が、第3のコンジットと第4のコンジットの両方の軸に対して実質的に垂直になるようにオフセットされる、請求項
5に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項7】
前記コネクタから延在し、そして前記第2の流体流路と流体連通している、1本の管類をさらに備える、請求項1~
6のいずれか
一項に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項8】
第1のアパーチャと第2のアパーチャとを含む本体、および第1の孔と第2の孔とを含むカバーを備え、前記本体は開口を含み、ここで、前記第1の孔が前記第1のアパーチャと位置合わせされた前記流体コンジットモジュールの前記第2のポートを形成するように、そして前記第2の孔が前記第2のアパーチャと位置合わせされた前記流体コンジットモジュールの前記第1のポートを形成するように、前記カバーが受け入れられる、請求項1~
7のいずれか
一項に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項9】
前記本体は、第1のシーリング面と第2のシーリング面とを含み、そして、前記カバーは、第1のシートと第2のシートとを含み、そして、ここで、前記カバーが前記本体に係合される時、第1のシール要素が前記第1のシートと前記第1のシーリング面との間に配置され、前記本体と、位置合わせされた前記第1の孔および前記第1のアパーチャを取り囲む前記カバーとの間に、流体密閉シールを形成し、および、第2のシール要素が前記第2のシートと前記第2のシーリング面との間に配置され、前記本体と、位置合わせされた前記第2の孔および前記第2のアパーチャを取り囲む前記カバーとの間に、流体密閉シールを形成する、請求項
8に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項10】
前記カバーがラッチ部材を備え、前記本体がラッチ凹部を備え、前記ラッチ部材は、前記カバーが前記本体の前記開口で受け入れられる時に、前記ラッチ凹部と係合する、請求項
8または請求項
9に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項11】
前記流体コンジットモジュールは、ポリマー材料から作られている、請求項1~
10のいずれか
一項に記載の流体コンジットモジュール。
【請求項12】
請求項1~
11の任意の1項で記載されるような流体コンジットモジュールと、前記流体コンジットモジュールのコネクタに固定されるレセプタクルとを含むコンテナ。
【請求項13】
前記レセプタクルが可撓性を有するパウチを備える、請求項
12に記載のコンテナ。
【請求項14】
前記レセプタクルの内部容積は、滅菌水または洗浄剤を含む、請求項
12または請求項
13に記載のコンテナ。
【請求項15】
請求項
12~
14の任意の1項で記載されるようなコンテナと内視鏡とを備えるアセンブリであって、前記流体コンジットモジュールは、前記コンテナが前記内視鏡から単独で吊るされるように、前記内視鏡の送気ポートおよび送水ポートと係合する、アセンブリ。
【請求項16】
内視鏡を使用していない時にこれを洗浄するために内視鏡の送水路に
洗浄剤を供給する方法であって、前記方法は、
-請求項
12~
14の任意の1項に係るコンテナを、前記内視鏡の送気ポートおよび送水ポートに取り付ける工程と、
-前記内視鏡の前記送気ポートから、前記流体コンジットモジュールの第1のポートおよび第1の流体経路を通って、レセプタクルの内部容積の中へ空気を送る工程であって、これによって、前記内部容積の圧力を上昇させ、前記レセプタクルに含まれる
洗浄剤が、前記レセプタクルから、前記流体コンジットモジュールの第2の流体経路および第2のポートを通って、および、前記送水ポートを通って、前記内視鏡の前記送水路の中へ強制的に流出させる、工程と、を備える、方法。
【請求項17】
前記コンテナを前記内視鏡に取り付ける工程の前に前記流体コンジットモジュールを前記コネクタで前記レセプタクルに固定する工程であって、それによって、流体は前記第1の流体経路から前記レセプタクルの内部容積の中へ流れ、流体は前記内部容積から前記流 体コンジットモジュールの前記第2の流体経路の中へ流れる、工程、をさらに備える、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
流体コンジットモジュールを前記レセプタクルに固定する前記工程は、前記コネクタのねじ山を前記レセプタクルのねじ山に係合することを備える、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡にレセプタクルを取り付けるための流体コンジットモジュールに関する。より詳細には、本発明は、滅菌水または洗浄剤を保持するレセプタクルを内視鏡の送気ポートおよび送水ポートに取り付けるための流体コンジットモジュールに関する。本発明はまた、内視鏡と共に使用するためのコンテナ、および滅菌水または洗浄剤を保存し、それらを内視鏡に送達するための容器に関する。本発明はさらに、本発明に係るコンテナを使用して、内視鏡の送水路に液体を供給する方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、ヒトまたは動物の体の内部の視界、特に体腔に関する視界、を提供するために一般に使用される。従って、内視鏡は一般に、体内へ挿入される可撓管を備える。可撓管内に収容されるレンズシステムは、管の先端の遠位レンズから、管の他方の端部の接眼レンズまたは画像センサに戻るように画像を転送し、オペレータが、体内の内部表面および興味の対象であるスペースを見ることを可能にする。
【0003】
内視鏡はまた、一般に、内視鏡の先端に近接して生検などの処置を実行できるように器具を挿入できる1つ以上の複数のチャネルも含む。これらのチャネルはまた、水、空気、および二酸化炭素などの液体とガスを含む流体が、内視鏡を通って送達されることを可能にする。これらの流体は、洗浄、送気、あるいはすすぎなどの他の目的のために使用されてもよい。
【0004】
一般的に、内視鏡手順中に、体内に存在する粒子物質が、内視鏡の遠位端のレンズに堆積する。したがって、該手順中にオペレータに妥協の無い視野を提供するために、レンズをすすぐことができることが必要である。これは通常、内視鏡の先端全体に滅菌水の供給を通すことによって達成される。
【0005】
一般に、滅菌水は、可撓管類によって内視鏡に取り外し可能に取り付けられた、別個のウォーターボトルから供給される。オペレータが内視鏡を水で洗い流したいと望む時、内視鏡のボタンが押され、それにより、気流が圧力下で、内視鏡の給気管から第1の可撓管を通ってボトルの中へ通される。空気は、水を、該ボトルから第2の可撓管を通って内視鏡の給水管の中へ押し込む。その後、水は、内視鏡内のチャネルに沿って流れて、遠位レンズの外側表面を横断して通され、遠位レンズを洗浄する。
【0006】
通常、ウォーターボトルは内視鏡から離れて搭載され、そして、比較的長い長さの可撓管類が、ウォーターボトルを内視鏡に接続する。管類の可撓性は、その設置と取り外しが容易であることを意味する。さらに、比較的長い長さの管類を有するため、可撓性に加えて、ボトルが内視鏡に対してどこに配置されるかについての許容性が提供される。いくつかの場合には、ボトルは、他の場合よりも内視鏡から遠隔に搭載される必要があるかもしれない。
【0007】
一般に、ウォーターボトルは、1日に数回の内視鏡検査手順のすべてにわたって使用されるのに十分な滅菌水を含む。しかし、ウォーターボトルはまた、必要であれば、追加的な滅菌水をボトルに追加することを可能にするための手段を提供する。その日の終わりに、ボトルと可撓管類は、洗浄と殺菌のために取り外される。その後、ボトルは、次に使用される時に滅菌水を再充填される。
【0008】
このシステムの主要な不都合は、ボトルと管類が、一日の終わりに正しく洗浄、消毒処理、滅菌、または乾燥されなければ、二次汚染のソースとなり得ることである。もし不適当に再処理されると、洗浄水ボトルと管類セットは、保管中に緑膿菌および/または他の細菌に侵され、そのことがその後に、次の内視鏡検査手順のためにボトルに追加される滅菌水を汚染し得る。さらに、これらの手順で使用されるボトルと管類の洗浄および滅菌に関連して、時間とお金の両方について、多大な犠牲を払うことになる。
【0009】
洗浄と滅菌に関連した感染の危険を減らすように設計された既知のシステムは、使い捨てウォーターボトルキャップと可撓管類アセンブリを備える。キャップは滅菌水を含む使い捨てウォーターボトルに固定されるように設計されており、そして、管類はウォーターボトルと内視鏡との間の流体連通を形成する。これらのキャップと可撓管のアセンブリは使い捨てであるが、それでもなお24時間の使用のために設計されており、そしてその日の間に、複数の内視鏡から外され、かつ複数の内視鏡に取り付けられるように準備されている。したがって、可撓管類は、キャップとは反対端に、内視鏡のオスの送気ポートおよび送水ポートに接続する、メスの送気ポートと送水ポートを配するコネクタを有する。この配置では、第1の可撓管は内視鏡の送気路とキャップとの間に延在し、そして、第2の可撓管は内視鏡の送水路からキャップを通ってウォーターボトル台座の方へ延在する。その後、水は、上に記載されるものと類似する方法で、ボトルから送られる。
【0010】
また、1回の手順に十分な水だけを含む、内視鏡への取り付け用の単回使用のウォーターボトルを提供することも知られている。ボトルは、手順の後に処分されるように設計されている。しかし、これらの単回使用のウォーターボトルは、度々、複数の手順の間使用され得るように水が再充填され、二次汚染の危険を上げる。
【0011】
本発明の目的は、本明細書で言及されているかどうかにかかわらず、先行技術システムの不都合の少なくともいくつかを克服する、液体を内視鏡に供給するための改善された手段を提供することである。
【発明の概要】
【0012】
本発明の第1の態様は、内視鏡にレセプタクルを接続するために流体コンジットモジュールを提供し、該レセプタクルは、液体を保持するための内部容積を有し、そして、該流体コンジットモジュールは、
-内視鏡の送気路に接続するための第1のポートと、
-内視鏡の送水路に接続するための第2のポートと、
-レセプタクルに流体コンジットモジュールを取り付けるように構成されるコネクタと、
-第1のポートとコネクタとの間の第1の流体流路と、
-第2のポートとコネクタとの間の第2の流体流路と、を備え、
ここで、コネクタは、使用の際に、レセプタクルが流体コンジットモジュールに接続される時、第1の流体経路および第2の流体流路は、レセプタクルの内部容積と流体連通するように構成され、および、
ここで、流体コンジットモジュールは、第1のレセプタクルの使用後の第2のレセプタクルの取り付けを防止するようにコネクタを無効にするように構成される第1の単回使用機能と、第1の流路および第2の流路を介してレセプタクルを再充填することを妨げるまたは防止するように構成される第2の単回使用機能とを備える。
【0013】
流体コンジットモジュールは、好ましくは、コネクタが第1のポートおよび第2のポートに対する固定位置にあるように構成される。流体コンジットモジュールは、実質的に剛性のある材料から作られていても良い。
【0014】
好ましい実施形態では、単回使用機能は、使用の際に、レセプタクルからコネクタを外すためにコネクタに力がかけられると、破裂するように構成される、コネクタの弱められた部分を備える。コネクタの弱められた部分は、コネクタの側壁の薄いセクションを備えていても良い。
【0015】
好ましい実施形態では、コネクタは、レセプタクルの相補性ねじ山への取り付けのためのねじ山を備える。これらの実施形態では、コネクタは、好ましくは、レセプタクルがコネクタに固定されることができるようにし、レセプタがコネクタから外れることを防止するように構成される、ラチェット機構を含む。ラチェット機構は、レセプタクルがコネクタから取り外されることが妨げられるまたは防止されるように、構成される。このように、ユーザーは、レセプタクルの取り外しを試みている間に、コネクタの弱められた部分が破裂するまたは壊れるのに十分な力をコネクタに加えることができ、それによって、流体コンジットモジュールの再使用を防止する。
【0016】
あるいはまたはさらに、流体コンジットモジュールは、第1の経路と第2の流路を介してレセプタクルを再充填することを妨げるまたは防止する手段を備えていても良い。好ましい実施形態では、流体コンジットモジュールは、ユーザーが第1および第2の流体流路のいずれかを通してレセプタクルの内部容積の中へ液体を注入しようとした場合に、注入された液体が、レセプタクル内よりも流体コンジットモジュールのポートを通って逆流する可能性が高くなるように構成される、複数の流体コンジットを備えている。
【0017】
好ましい実施形態では、第1の流体流路は、第1のポートと閉鎖端との間に延在する第1の流体コンジットと、コネクタの第1の開口と閉鎖端との間に延在する第2の流体コンジットを備え、該第2の流体コンジットは、第1の流体コンジットに対して実質的に垂直に延在し、該第2の流体流路は、第2のポートと閉鎖端との間に延在する第3の流体コンジットと、コネクタの第2の開口と閉鎖端との間に延在する第4の流体コンジットとを備え、該第4の流体コンジットは、第3の流体コンジットに対して実質的に垂直に延在する。
【0018】
第1の交差が、第1の流体コンジットと第2の流体コンジットとの間の流体の流れを可能にし、該第1の交差は、第1の流体コンジットの閉鎖端から離れている。さらに、第1の流体コンジットと第2の流体コンジットは、好ましくは、第1の交差を通る流体の流れの方向が、第1のコンジットと第2のコンジットの両方の軸に対して実質的に垂直になるようにオフセットされる。好ましくは、第2の交差が、第3の流体コンジットと第4の流体コンジットとの間の流体の流れを可能にし、該第2の交差は、第3の流体コンジットの閉鎖端から離れている。さらに、第3の流体コンジットと第4の流体コンジットは、好ましくは、第2の交差を通る流体の流れの方向が、第3のコンジットと第4のコンジットの両方の軸に対して実質的に垂直になるようにオフセットされる。
【0019】
第1の流体コンジットの閉鎖端は、好ましくは、湾曲しており、そしてより好ましくは半球形状をしている。他の実施形態では、第1の流体コンジットの閉鎖端は、コンジットの端壁がコンジットの軸に対して垂直にならないように、傾斜しているかまたは面取りされていても良い。同様に、第3の流体コンジットの閉鎖端は、好ましくは、湾曲しており、そしてより好ましくは半球形状をしている。他の実施形態では、第3の流体コンジットの閉鎖端は、コンジットの端壁がコンジットの軸に対して垂直にならないように、傾斜しているかまたは面取りされていても良い。
【0020】
したがって、これらの実施形態では、コンジットの配列は、流体コンジットモジュールを通る、蛇行する第1の流体流路と蛇行する第2の流体流路が存在する。このことは、液体を、流体流路の一つまたは他のものを通じてレセプタクルの中へ注入し、レセプタクルを再充填するのは、困難または不可能であることを意味する。このことは、流体コンジットモジュールが、取り外されたり置き換えたりすることのできないレセプタクルと一緒に使用される時には、実質的に単回使用であることを意味する。
【0021】
好ましい実施形態では、1本の管類はコネクタから延在し、そして第2の流体流路と流体連通している。管類は、流体コンジットモジュールに取り付けられたレセプタクルの内部容積の中へ延在するように配置される。管類は、好ましくは可撓性を有する。1本の管類は、好ましくは、レセプタクルが流体コンジットモジュールに取り付けられている時に、管類の端部がレセプタクルの底部または下辺に近接して存在するような長さである。
【0022】
流体コンジットモジュールは、好ましくは、第1のアパーチャと第2のアパーチャとを含む本体、および第1の孔と第2の孔とを含むカバーを備える。本体は、好ましくは、第1の孔が第1のアパーチャと位置合わせされて流体コンジットモジュールの第2のポートを形成するように、そして、第2の孔が第2のアパーチャと位置合わせされて流体コンジットモジュールの第1のポートを形成するように、カバーが受け入れられる開口を含む。好ましい実施形態では、本体は、第1のシーリング面と第2のシーリング面とを含み、そして、カバーは、第1のシートと第2のシートとを含む。カバーが本体に係合される時、O-リングなどの第1のシール要素が、好ましくは、第1のシートと第1のシーリング面との間に配置され、本体と、位置合わせされた第1の孔および第1のアパーチャを取り囲むカバーとの間に、流体密閉シールを形成し、および、O-リングなどの第2のシール要素が、好ましくは、第2のシートと第2のシーリング面との間に配置され、本体と、位置合わせされた第2の孔および第2のアパーチャを取り囲むカバーとの間に、流体密閉シールを形成する。
【0023】
カバーは、好ましくは、ラッチ部材を備え、そして本体はラッチ凹部を備え、ラッチ部材は、カバーが本体の開口に受け入れられる時に、ラッチ凹部と係合する。ラッチ部材とラッチ凹部は、ラッチ部材がラッチ凹部から後に解除できないように配置されても良い。
【0024】
流体コンジットモジュールは、好ましくは、ポリマー材料から作られ、エラストマー材料から作られていても良い。
【0025】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の様態に係る流体コンジットモジュールと、流体コンジットモジュールのコネクタに固定されるレセプタクルとを備える、コンテナを提供する。
【0026】
レセプタクルは、好ましくは、可撓性を有するパウチを備える。レセプタクルの内部容積は、滅菌水または洗浄剤を含んでいても良い。レセプタクルが滅菌水を含むコンテナは、内視鏡に接続されることができ、内視鏡手順の間に内視鏡のレンズの洗浄を可能にする。レセプタクルが洗浄剤を含むコンテナは、内鏡の洗浄および滅菌の間に内視鏡に接続されることができ、内視鏡の水用チャネルの洗浄に役立つ。
【0027】
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様に係るコンテナと、内視鏡とを備える、アセンブリを提供し、該流体コンジットモジュールは、コンテナが内視鏡から単独で吊るされるように、内視鏡の送気ポートおよび送水ポートと係合する。
【0028】
本発明の第4の態様は、内視鏡の送水路に液体を供給する方法であって、該方法は、-本発明の第2の態様に係るコンテナを、内視鏡の送気ポートおよび送水ポートに取り付ける工程と、-内視鏡の送気ポートから、流体コンジットモジュールの第1のポートおよび第1の流体経路を通って、レセプタクルの内部容積の中へ空気を送り、内部容積内の圧力を上昇させて、レセプタクルに含まれる液体が、レセプタクルから、流体コンジットモジュールの第2の流体経路および第2のポートを通って、および、送水ポートを通って、内視鏡の送水路の中へ強制的に流出させる工程と、を備える。
【0029】
前記方法は、コンテナを内視鏡に取り付ける前に、流体コンジットモジュールをコネクタでレセプタクルに固定し、流体は第1の流体経路からレセプタクルの内部容積の中へ流れ、そして、流体は内部容積から流体コンジットモジュールの第2の流体経路の中へ流れる、工程を、さらに備えていても良い。いくつかの実施形態では、流体コンジットモジュールをレセプタクルに固定することは、前記コネクタのねじ山を前記レセプタクルのねじ山に係合することを備える。
【0030】
前記方法は、シーリング要素を、本体と流体コンジットのカバーとの間に挿入して、シーリング要素は、カバーの孔と位置合わせされる本体で、アパーチャを取り囲む工程、およびカバーを流体コンジットモジュールの本体と係合させて、本体とカバーとの間にシーリング要素を保存する工程と、をさらに備えていても良い。シーリング要素は、位置合わせアパーチャと孔によって形成された流体コンジットモジュールのポートと、内視鏡のポートとの間に、流体密閉シールを提供するように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明はここで、例示のみによって、そして添付図面を参照して、さらに説明される。
【
図1】本発明の第1の好ましい実施形態に係る、流体コンジットモジュールの斜視図である。
【
図2】
図1の流体コンジットモジュールのさらなる斜視図である。
【
図3】
図1の流体コンジットモジュールのさらなる斜視図である。
【
図4】本発明に係る完全なコンテナを形成するために、パウチの形態のレセプタクルに取り付けられた、
図1の流体コンジットモジュールを示す。
【
図5】内視鏡に取り付けられた
図4のコンテナを示す。
【
図6】
図1の流体コンジットモジュールの底面図である。
【
図7】
図1の流体コンジットモジュールの平面図である。
【
図8】
図1の流体コンジットモジュールの第1の側面図と第2の側面図である。
【
図9】
図1の流体コンジットモジュールの第1の側面図と第2の側面図である。
【
図10】
図1の流体コンジットモジュールの第1の端面図である。
【
図12】
図1の流体コンジットモジュールの第2の端面図である。
【
図13】
図6の、線XIII-XIIIに沿った断面斜視図である。
【
図14】
図6の、線XIV-XIVに沿った断面斜視図である。
【
図15】
図6の、線XV-XVに沿った断面斜視図である。
【
図16】
図6の、線XVI-XVIに沿った断面斜視図である。
【
図17】
図10の、線XVII-XVIIに沿った断面斜視図である。
【
図18】
図10の、線XVIII-XVIIIに沿った断面斜視図である。
【
図19】
図9の、線XIX-XIXに沿った断面斜視図である。
【
図20】
図9の、線XX-XXに沿った断面斜視図である。
【
図21】本発明の第2の好ましい実施形態に係る、流体コンジットモジュールの斜視図である。
【
図22】パウチの形態のレセプタクルに取り付けられた、本発明の第3の好ましい実施形態に係る、流体コンジットモジュールの斜視図である。
【
図25】
図22のコネクタの側面図であり、パウチが取り外されて、特に流体コンジットモジュールの可撓性の有るコンジットを示している。
【
図27】
図25の流体コンジットモジュールの一部の斜視図である。
【
図29】
図22の流体コンジットモジュールのコネクタ部材を示す。
【
図30】
図22の流体コンジットモジュールのロッキングカラーを示す。
【
図31】
図22の流体コンジットモジュールのロッキングカラーを示す。
【
図32】
図22の流体コンジットモジュールの本体の斜視図である。
【
図33】
図22の流体コンジットモジュールのカバーの斜視図である。
【
図34】
図22の流体コンジットモジュールのカバーの斜視図である。
【
図35】
図22の流体コンジットモジュールの本体とカバーの正面図であり、カバーが本体に取り付けられ、流体コンジットモジュールのポートを形成している。
【
図39】
図26の、線XXXIX-XXXIXに沿った断面斜視図である。
【
図41】
図22の、線XLI-XLIに沿った断面斜視図である。
【
図42】
図35の、線XLII-XLIIに沿った断面斜視図である。
【
図43】
図26の、線XLIII-XLIIIに沿った断面図である。
【
図44】
図26の、線XLIV-XLIVに沿った断面図である。そして、
【
図45】内視鏡の一部に取り付けられた、
図22の流体コンジットモジュールとレセプタクルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1~20は、本発明の第1の好ましい実施形態に係る、流体コンジットモジュール(10)を示す。モジュール(10)は、滅菌水、または
洗浄剤などの他の液体の保持のためのレセプタクル(12)に取り付
けるように構成される。特に、
図4に示されるように、モジュール(10)は、好ましくは、液体の既定の量を含む、可撓性を有するバッグまたはパウチ(12)に取り付
ける。
【0033】
パウチが滅菌水を含む実施形態では、パウチ(12)は、一般に、単回の内視鏡検査手順に十分な水を保持することができる。パウチ(12)は、一般に、200ml未満、より好ましくは30ml~150mlの水を保持することができる。パウチは、50mlまたは100mlの水を保持しても良い。パウチが洗浄剤を含む実施形態では、パウチは、好ましくは、単回の洗浄操作に十分な洗浄剤を含む
【0034】
この実施形態では、流体コンジットモジュール(10)は、内視鏡(2)の送気
路への接続のための第1のポート(14)、および内視鏡(2)の送水
路への接続のための第2のポート(16)を
備える。使用に際し、流体コンジットモジュール(10)とレセプタクル(12)を
備えるコンテナ(18)は、
図5に示されるように、ポート(14)、(16)において、またはポート(14)、(16)によって、内視鏡(2)に取り付けられる。したがって、コンテナ(18)は、流体コンジットモジュール(10)によって内視鏡(2)から吊るされている。いくつかの実施形態では、流体コンジットモジュールは内視鏡に取り付けられ、そしてその後にレセプタクルが流体コンジットモジュールに固定されると
理解される。他の実施形態では、完全なコンテナが内視鏡に取り付けられる
ことができる。
【0035】
内視鏡検査手順中に、ユーザーがコンテナ(18)から滅菌水を使用して、内視鏡(2)の先端をすすぎたいと望む時、ユーザーは、モジュール(10)の第1のポート(14)を通って、空気を内視鏡(2)の送気路から押し出すボタンを押す。空気は、モジュール(10)の流体コンジットの第1のセットを通り、そしてパウチ(12)の中へ流れる。パウチ(12)内で上昇した圧力は、モジュール(10)の流体コンジットの第2のセットを通して、水をパウチ(12)から押し出す。水は、第2のポート(16)から流出し、そして内視鏡(2)の送水路の中へ流入する。水はその後、内視鏡(2)のチャネルに沿って先端の方へ流れることができる。
【0036】
レセプタクル(12)が洗浄剤で充填される実施形態では、ユーザーが内視鏡(2)の送水路あるいは水用チャネルを洗浄することを望む時に、コンテナ(18)は内視鏡(2)に取り付けられると理解される。したがって、これらの実施形態では、コンテナ(18)が内視鏡(2)に接続された後に、ユーザーは、モジュール(10)の第1のポート(14)を通って、空気を内視鏡(2)の送気路から押し出すボタンを押す。空気は、モジュール(10)の流体コンジットの第1のセットを通り、そしてパウチ(12)の中へ流れる。パウチ(12)内で上昇した圧力は、モジュール(10)の流体コンジットの第2のセットを通して、洗浄剤をパウチ(12)から押し出す。洗浄剤は、第2のポート(16)から流出し、そして内視鏡(2)の送水路の中へ流入する。洗浄剤は、その後、内視鏡(2)のチャネルに沿って、先端の方へ流れ、それによってそれらのチャネルを洗い流し浄する。
【0037】
レセプタクル(12)は、好ましくは、液体であらかじめ充填されている。例えば、流体コンジットモジュール(10)は、好ましくは、(流体コンジットモジュール(10)が内視鏡(2)に取り付けられる前または後に)レセプタクル(12)の内部容積が滅菌水または洗浄剤の必要な容量で充填された後に、レセプタクル(12)に取り付けられる。一旦コンテナ(18)が手順で使用されると、完全なコンテナ(18)が処分される。したがって、コンテナ(18)は単回使用である。
【0038】
流体コンジットモジュール(10)は、流体コンジットモジュール(10)が、モジュール(10)またはレセプタクル(12)の一方または両方を無効にしない限り、レセプタクル12から分離することはできないように、レセプタクル(12)に固定されているので、コンテナ(18)は2度使用ができない。このことは、ユーザーが、流体コンジットモジュール(10)を取り外し、レセプタクル(12)を再充填してコンテナ(18)を複数回使用することを防止する。
【0039】
追加的に、ユーザーが、流体コンジットモジュール(10)を通じて水をレセプタクル(12)の中へ注入することによってレセプタクル(12)を再充填しようとすることを防ぐために、モジュール(10)の流体コンジットは、水がレセプタクル(12)の中にではなく、流体コンジットモジュール(10)から容易に逆流して外に流れ出すように、構成される。
【0040】
図1~3と6~12を特に参照すると、この実施形態の流体コンジットモジュール(10)は、本体(20)、コネクタ部(22)、およびカバー部(24)を
備える。この実施形態では、流体コンジットモジュール(10)は、単一の要素である。
【0041】
本体(20)は、実質的に立方形で、かつ対向する前面と後面(26)、(28)、対向する第1の端面と第2の端面(30)、および対向する上面と底面(32)、(34)を
備える。コネクタ部(22)は、本体(20)の底面(34)から延在する。この例では、カバー部(24)は、前面(26)と第1の端面(30)との間の本体(20)の端に、ヒンジで取り付けられる。カバー部(24)は、(
図1と2に示される)開位置、および(
図4と5に示される)閉位置の間で可動的である。
【0042】
カウンタサンク(countersunk)開口(36)は、本体(20)の前面(26)に設けられる。カウンタサンク開口(36)は、前面(26)に、側壁(40)と台座(42)を有する凹部(38)を備える。孔(44)は、凹部(38)の台座(42)に設けられる。好ましくは、凹部(38)と孔(44)は両方とも、実質的に円形である。孔(44)は、好ましくは、台座(42)の中心に配置される。
【0043】
アパーチャ(46)は、本体(20)の前面(26)に、開口(36)に隣接して設けられる。アパーチャ(46)は、好ましくは、実質的に円形である。好ましい実施形態では、孔(44)とアパーチャ(46)は同じサイズである。
【0044】
カバー部(24)は、カバープレート(48)と、カバープレート(48)から延在するラッチ部材(50)を
備える。
図20に最も明白に示されるように、2つの孔(52)、(54)が、カバープレート(48)を
完全に貫通して、カバープレート(48)の第1の表面(56)からカバープレート(48)の第2の表面(58)へ形成される。
【0045】
環状壁(60)は、カバープレート(48)の第1の孔(52)の周りに延在し、カバープレート(48)の第1の表面(56)から突出する。キャップ(62)は、カバープレート(48)から最遠位の壁(60)の頂部で孔(52)を横断して延在する。第1のカウンタサンク孔(64)は、キャップ(62)に設けられ、カバープレート(48)に最も近い孔の第1の部分(66)は、第1のより小さい直径を有し、カバープレート(48)から最も遠い孔の第2の部分(68)は、第2のより大きい直径を有する。したがって、肩部またはレッジ(ledge)(70)は、孔の第1の部分と第2の部分(66)、(68)との間に配置される。レッジ(70)は、Oリングなどのシール要素を受け入れるためのシートを提供する。
【0046】
カバープレート(48)の第2の孔(54)もまた、カウンタサンクであり、カバープレート(48)の第2の表面(58)で、孔の第1の部分(74)が、第1のより小さな直径を有し、カバープレート(48)の第1の表面(56)で、孔の第2の部分(76)が、第2のより大きな直径を有する。したがって、肩部またはレッジ(78)は、孔の第1の部分と第2の部分(74)、(76)との間に配置される。レッジ(78)は、Oリングなどのシール要素を受け入れるためのシートを提供する。
【0047】
カバー部(24)が閉位置にある時、環状壁(60)は本体(20)の凹部(38)の中へ延在する。好ましくは、環状壁(60)の外径は、実質的に凹部(38)の直径と同じである。キャップ(62)の上面(80)は、好ましくは、凹部(38)の台座(42)と接触する。したがって、レッジ(78)に据え付けられているOリングは、キャップ(62)と凹部(38)の台座(42)との間にとどまる。Oリングは、位置合わせされている、台座(42)の孔(44)とキャップ(62)の孔の第1の部分(66)との周り、およびその間に延在する。
【0048】
同様に、カバー部(24)が閉じている時、カバープレート(48)の第2の孔(54)は、本体(20)のアパーチャ(46)と位置合わせされる。したがって、レッジ(78)に据え付けられているOリングは、カバープレート(48)の一部と本体(20)の前面(26)との間にとどまる。
【0049】
閉位置において、カバープレート(48)の第2の孔(54)は、内視鏡(2)の送気路への接続のための、モジュール(10)の第1のポート(14)を形成し、そして、キャップ(62)の孔(64)は、内視鏡(2)の送水路への接続のための、モジュール(10)の第2のポート(16)を形成する。Oリングは、内視鏡(2)上に突出するガス用ポートと送水ポートとの間、および、流体コンジットモジュール(10)の第1のポートと第2のポート(14)、(16)との間で、それぞれガスと水についての密閉シールを提供する。
【0050】
図20に最も明白に示されるように、この実施形態では、本体(20)は、カバー部(24)のラッチ部材(50)と係合するように構成される、ラッチ凹部(82)を
備える。この実施形態では、ラッチ部材(50)は、カバープレート(48)から延在するステム(84)、およびステム(84)の遠位端に配置される
バーブ(barb)(86)を
備える。ラッチ凹部(82)は、前面(26)から本体(20)の中へ延在するチャネル(88)を
備える。チャネル(88)は、ラッチ部材(50)を受け
入れる大きさである。チャネル(88)の側壁(90)は、ラッチ部材(50)の
バーブ(86)と係合するためのアンダーカット(undercut)(92)を含む。カバー部(24)が、閉位置へ移動されると、ラッチ部材(50)はチャネル(88)の中へ挿入される。ラッチ部材(50)は弾性
であり、
バーブ(86)が付勢されてアンダーカット(92)と係合し
、カバープレート(48)の第1の表面(56)が本体(20)の前面(26)に接触している状態で、カバー部(24)を閉位置に固定
する。カバー部(24)が閉位置にある時、
チャネル(88)にはアクセスできないため、ラッチ部材(50)をチャネル(88)から外すことはできない。他の実施形態では、カバー部(24)を閉位置に保持するために
、異なるタイプのラッチメカニズムを使用しても良いことが、理解されるであろう。
【0051】
この実施形態では、リム(94)は、本体(20)の前面(26)の外周の周りに延在し、前面(26)から突出する。リム(94)の高さは、カバープレート(48)の厚さと実質的に同じである。カバー部(24)が閉位置にある時、カバープレート(48)はリム(94)内に受け入れられ、リム(94)はカバープレート(48)の外周端の周りに延在し、外周端を覆う。
【0052】
図1、2、および11に最も明白に示されるように、コネクタ部(22)は、本体(20)の底面(34)から延在する
管(96)を
備える。
管(96)の内部表面(98)は、レセプタクル(12)上の適切な、ねじ山加工されたコネクタとの係合のために、ねじ山加工され
ている。好ましい実施形態では、本体(20)の底面(34)は、本体(20)の前面(26)に対して垂直である。
【0053】
ラチェットリング(100)は、チューブ(96)の遠位端に配置される。ラチェットリング(100)は、環状の外側部材(102)、および、外側部材(102)のまわりで離間され、かつ外側部材(102)から内側へ延在する、複数のラチェット歯(104)を備える。ラチェット歯(104)は、外側部材(102)に対して垂直ではない角度で、外側部材(102)から延在する。傾斜しているラチェット歯(104)は、コネクタ部(22)がレセプタクル(12)の対応するコネクタ上にねじ留めされることを可能にするが、コネクタ部(22)のネジが外されることを防止する。
【0054】
追加的に、弱められたセクション(106)は、チューブ(96)の近位端に近接して設けられる。
図11に最も明白に示されるように、弱められたセクション(106)は、チューブ(96)の壁の薄くなった領域(108)を
備える。この実施形態では、4つの薄くなった領域(108)がある。
【0055】
ユーザーがモジュール(10)をレセプタクル(12)から回して外そうとする時に、ラチェットリング(100)はコネクタ部(22)の回転を妨げる。ユーザーがモジュール(10)により大きなねじり力をかけて、モジュール(10)をレセプタクル(12)から回して外そうとすると、弱められたセクション(106)の薄くなった領域(108)は壊れ、または破裂して、モジュール(10)は使用不可能になる。
【0056】
したがって、これらの特徴は、ユーザーがモジュール(10)をレセプタクル(12)から取り外し、レセプタクル(12)を再充填してそれを2度使用することを防止する。したがって、コネクタ部(22)は単回使用である。
【0057】
この実施形態のモジュール(10)内の流体コンジットの構成は、ここで、
図13~20を特に参照して、さらに説明されるだろう。
【0058】
第1の流体コンジット(110)は、前面(26)のアパーチャ(46)から本体(20)を通って延在する。第1の流体コンジット(110)は、前面(26)に対して、実質的に垂直に延在する。第1の流体コンジット(110)のボア(112)は、アパーチャ(46)から最遠位の第2の端部(114)で閉じている。コンジット(110)の第2の端部(114)は湾曲しており、そして好ましくは半球形状をしている。他の実施形態では、ボア(112)の閉鎖端は、コンジット(110)の端壁がボア(112)の軸に対して垂直にならないように、傾斜しているかまたは面取りされていても良い。
【0059】
第2の流体コンジット(116)は、本体(20)の底面(34)から本体(20)を通って延在する。第2の流体コンジット(116)は、底面(34)に対して、実質的に垂直に延在する。コンジット(116)の第1の端部は、底面(34)の第1の開口(118)で終了する。第1の開口(118)は、コネクタチューブ(96)のボア(120)内に配置される。第2の流体コンジット(116)のボア(112)は、開口(118)から最遠位の第2の端部(124)で閉じている。この実施形態では、コンジット(116)の端壁は、ボア(122)の軸に対して実質的に垂直である。
【0060】
第2の流体コンジット(116)は、第1の流体コンジット(110)に対して実質的に垂直な方向に、本体(20)を通って延在する。第1の流体コンジットと第2の流体コンジット(110)、(116)は、流体が第1のコンジット(110)を通り、第2のコンジット(116)の中へ流れるように、交差する。重要なことは、第2の流体コンジット(116)は、第2の流体コンジット(116)の側壁の一部が第1の流体コンジット(110)の側壁の一部と交差するように、第1の流体コンジット(110)からオフセットされることである。このようにして、第1のコンジットと第2のコンジット(110)、(116)との間に、交差(126)が形成され、第1の流体コンジットと第2の流体コンジット(110)、(116)との間の流体の流れを可能にし、そして、交差(126)を通る流体の流れは、第1のコンジットと第2のコンジット(110)、(116)の両方の軸に対して実質的に垂直である。交差(126)は、好ましくは、第1の流体コンジット(110)の閉鎖端(114)から離れている。
【0061】
第3の流体コンジット(128)は、凹部(38)の台座(42)の孔(44)から本体(20)を通って延在する。第3の流体コンジット(128)は、前面(26)に対して、実質的に垂直に延在する。第3の流体コンジット(128)のボア(130)は、孔(44)から最遠位の第2の端部(132)で閉じている。コンジット(128)の第2の端部(132)は凸上の湾曲を有しており、そして好ましくは半球形状をしている。他の実施形態では、ボア(130)の閉鎖端(132)は、コンジット(128)の端壁がボア(130)の軸に対して垂直にならないように、傾斜しているかまたは面取りされていても良い。第3の流体コンジット(128)は、好ましくは、第1の流体コンジット(110)に対して実質的に平行に延在する。
【0062】
第4の流体コンジット(134)は、本体(20)の底面(34)から本体(20)を通って延在する。第4の流体コンジット(134)は、底面(34)に対して、実質的に垂直に延在する。第4の流体コンジット(134)は、好ましくは、第2の流体コンジット(116)に対して実質的に平行に延在する。コンジット(134)の第1の端部は、底面(34)の第2の開口(138)で終了する。第2の開口(138)は、第1の開口(118)に隣接して、およびコネクタ管(96)のボア(120)内に配置される。第4の流体コンジット(134)のボア(140)は、開口(138)から最遠位の第2の端部(142)で閉じている。この実施形態では、コンジット(134)の端壁は、ボア(140)の軸に対して実質的に垂直である。
【0063】
第4の流体コンジット(134)は、第3の流体コンジット(128)に対して実質的に垂直な方向に、本体(20)を通って延在する。第3の流体コンジットと第4の流体コンジット(128)、(134)は、流体が第3のコンジット(128)を通りそして第4のコンジット(134)の中へ流れるように、交差する。重要なことは、第4の流体コンジット(134)は、第4の流体コンジット(134)の側壁の一部が第3の流体コンジット(128)の側壁の一部と交差するように、第3の流体コンジット(128)からオフセットされることである。このようにして、第3のコンジットと第4のコンジット(128)、(134)との間に、交差(144)が形成され、第3の流体コンジットと第4の流体コンジット(128)、(134)との間の流体の流れを可能にし、交差(144)を通る流体の流れは、第3のコンジットと第4のコンジット(128)、(134)の両方の軸に対して実質的に垂直である。交差(144)は、好ましくは、第3の流体コンジット(128)の閉鎖端(132)から離れている。
【0064】
第1のコンジットと第3のコンジット(110)、(128)のいずれか1つの中へ液体を注入することによって、レセプタクル(12)を再充填する試みは、液体がコンジット(110)、(128)の閉鎖端(114)、(132)で跳ね返るので、液体がボア(112)、(130)から逆流して排出されることになる。さらに、交差するコンジット(110)、(116)、(128)、(134)がオフセットされているという性質のため、液体を第2のコンジットと第4のコンジット(116)、(134)の1つに、そしてレセプタクル(12)の中へ押し出すことは大変困難となる。
【0065】
この実施形態では、流体コンジットモジュール(10)は、ガス用ポート(146)をさらに備え、二酸化炭素(CO2)などのガスが流体コンジットモジュール(10)を通して注入されることを可能にする。
【0066】
ガス用ポート(146)は、本体(20)の上面(32)から延在する円筒状の管(150)によって形成される入口(148)を備える。入口(148)は、好ましくは、不使用時に入口(148)を密閉または閉じることができる閉鎖部を備える。この実施形態では、円筒状の管(150)は標準のルアーロックキャップ(Luer Lock cap)(151)と係合するように構成される。
【0067】
円筒状の管(150)は、本体(20)の上面(32)の穴(152)を取り囲む。第5の流体コンジット(154)は、開口(152)から本体(20)を通って延在する。第5の流体コンジット(154)は、上面(32)に対して、実質的に垂直な方向に延在する。好ましくは、第5の流体コンジット(154)は、第1の流体コンジット(110)に対して、実質的に垂直な方向に延在する。第5の流体コンジット(154)の第2の端部(156)は、第1の流体コンジット(110)と交差し、流体が、第5の流体コンジット(154)から第1の流体コンジット(110)の中へ流れることができるように、交差(158)を形成する。
【0068】
第5のコンジットと第1のコンジット(154)、(110)との間の交差(158)は、好ましくは、第1のコンジット(110)の長さに沿って、第1のコンジットと第2のコンジット(110)、(116)との間の交差(126)からオフセットされる。また、第5のコンジットと第2のコンジット(154)、(116)は、好ましくは、第5のコンジットと第1のコンジット(154)、(110)との間の交差(158)と、第1のコンジットと第2のコンジット(110)、(116)との間の交差(126)が、互いに約90°になるように、互いからオフセットされている。このように、ガス用ポート(146)を通してレセプタクル(12)の中へ水を注入する試みは、第5のコンジット(154)と第2のコンジット(116)がオフセットされているという性質によって、妨げられる。水は、第2のコンジット(116)を通ってレセプタクル(12)の中へ流れるよりも、より容易に第1のコンジット(110)から流出する。
【0069】
好ましい実施形態では、1本の管類(図示されず)は、本体(20)の底面(34)に接続され、管類が第4のコンジット(134)と流体連通する。特に、管類のボアは、本体(20)の底面(34)の第2の開口(138)に位置合わせされている。この実施形態では、管類の近位端は、第4の流体コンジット(134)の端部(136)でカウンターボアセクション(counterbore section)(160)に配置される。管類は、コネクタのボア(120)を通り、そしてそこから外へ延在する。流体コンジットモジュール(10)がレセプタクル(12)に取り付けられている時、管類はレセプタクル(12)の内部容積の中へ延在する。好ましくは、管類の遠位端は、レセプタクル(12)の台座または端部の近くに配置される。好ましくは、管類は可撓性を有する。
【0070】
使用に際し、液体をレセプタクルから内視鏡の中へ導入するために、内視鏡(2)の送気路からの空気は、モジュール(10)の第1のポート(14)を通して押し出される。空気は、モジュール(10)の第1の流体コンジットと第2の流体コンジット(110)、(116)を通って、レセプタクルまたはパウチ(12)の中へ流れる。これにより、パウチ(12)内の圧力を上昇させる。圧力は一般に、最大約5psiまで上昇する。上昇した圧力は、管類を通して、ならびにモジュール(10)の第4の流体コンジット(134)と第3の流体コンジット(128)を通して、液体をパウチ(12)から押し出す。次いで、液体は、第2のポート(16)から流出し、内視鏡(2)の送水路に流入する。管類は、管類の端部がレセプタクル(12)の台座に据え付けられるまたは置かれているため、パウチ(12)内の液体のすべてが使用されることを可能にする。
【0071】
この実施形態では、把持リブ(162)が、本体(20)の第1の端面と第2の端面(30)上に提供されている。リブ(162)は、上面と底面(32)、(34)との間に伸長する方向に端面(30)を横切って延在する。リブ(162)は、端面(30)から突出し、モジュールを把持して内視鏡(2)から取り外すことを補助する把持機能を提供する。
【0072】
流体コンジットモジュール(10)は、好ましくは、ポリプロピレンで作られているが、任意の適切なポリマー材料で作られていても良い。
【0073】
図21は、本発明に係る、流体コンジットモジュール(210)の第2の実施形態を示す。第2の実施形態
の特徴
のほとんどは、第1の実施形態のものと同一であり、そして本明細書ではさらに記載されることはな
い。特に、流体コンジットの内部配置は、第1の実施形態のものと同一である。同様の特徴は、200
ずつ増加された参照番号によって示される。
【0074】
この第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なるコネクタ部(222)を有する。第1の実施形態のコネクタ部(22)は、前もって充填されたパウチなどのレセプタクル(12)上にねじ留めするように設計されており、標準のスクリューキャップによって前もって閉じられていてもよい。
【0075】
この実施形態では、コネクタ部(222)は、可撓性を有するパウチなどのレセプタクルへの取り付け用に構成される、スピゴットまたは突起(364)を備える。スピゴットまたは突起(364)は、好ましくは、可撓性のあるパウチへの熱溶着用に構成される。
【0076】
第2の流体コンジットと第4の流体コンジットは、コネクタ部(222)を通って延在する。第2の流体コンジットの端部は、スピゴット(364)の遠位端面(368)の第1の開口(366)で終端する。第4の流体コンジットの端部は、スピゴット(364)の遠位端面(368)の第2の開口(370)で終端する。
【0077】
図22~45は、本発明の第3の好ましい実施形態に係る、流体コンジットモジュール(410)を示す。第3の実施形態のほとんどの特徴は第1の実施形態のものと同一であり、そして、同様の特徴は400
ずつ増加された参照番号によって示される。
【0078】
モジュール(410)は、滅菌水、または
洗浄剤などの別の流体あるいは液体を保持するためのレセプタクル(412)に取り付
けられるように構成される。特に、
図22と24に示されるように、モジュール(410)は、好ましくは、液体の既定の量を含む、可撓性を有するバッグまたはパウチ(412)に取り付
けられる。パウチが滅菌水を含む実施形態では、パウチ(412)は、一般に、単回の内視鏡検査手順に十分な水を保持す
る。パウチ(412)は、一般に、200ml未満、より好ましくは30ml~150mlの水を保持す
る。パウチ(412)は、50mlまたは100mlの水を保持しても良い。代替的に、パウチは、単回の洗浄手順に十分な
洗浄剤を保持しても良い。パウチが
洗浄剤を含む実施形態では、パウチは、好ましくは、単回の洗浄操作に十分な
洗浄剤を含む。
【0079】
流体コンジットモジュール(410)は、内視鏡(2)の送気
路への接続のための第1のポート(414)、および内視鏡(2)の送水
路への接続のための第2のポート(416)を
備える。使用に際し、流体コンジットモジュール(410)とレセプタクル(412)を
備えるコンテナ(418)は、
図45に示されるように、ポート(414)、(416)において、またはポート(414)、(416)によって、内視鏡(2)に取り付けられる。したがって、コンテナ(418)は、流体コンジットモジュール(410)によって内視鏡(2)から吊るされている。いくつかの実施形態では、流体コンジットモジュールは内視鏡に取り付けられ、そしてその後にレセプタクルが流体コンジットモジュールに固定され
る。他の実施形態では、
全部のコンテナが内視鏡に取り付けられ
る。
【0080】
内視鏡検査の手順中に、ユーザーがコンテナ(418)から滅菌水を使用して、内視鏡(2)の先端をすすぎたいと望む時、ユーザーはボタンを押し、空気を内視鏡(2)の送気路からモジュール(410)の第1のポート(414)に押し出す。空気は、モジュール(410)の流体コンジットの第1のセットを通り、パウチ(412)の中へ流れる。パウチ(412)の中で上昇した圧力は、モジュール(410)の流体コンジットの第2のセットを通して、水をパウチ(412)から押し出す。水は、第2のポート(416)から流出し、そして内視鏡(2)の送水路の中へ流入する。水はその後、内視鏡(2)のチャネルに沿って先端の方へ流れる。
【0081】
レセプタクル(412)が洗浄剤で充填される実施形態では、ユーザーが内視鏡(2)の送水路あるいは水用チャネルを洗浄したいと望む時に、コンテナ(418)が内視鏡(2)に取り付けられる。これらの実施形態では、コンテナ(418)が内視鏡(2)に接続された後に、ユーザーがボタンを押して、内視鏡(2)の送気路からモジュール(410)の第1のポート(414)に空気を押し出す。空気は、モジュール(410)の流体コンジットの第1のセットを通り、そしてパウチ(412)の中へ流れる。パウチ(412)の中で上昇した圧力は、モジュール(410)の流体コンジットの第2のセットを通して、洗浄剤をパウチ(412)から押し出す。洗浄剤は、第2のポート(416)から流出し、そして内視鏡(2)の送水路の中へ流入する。洗浄剤はその後、内視鏡(2)のチャネルに沿って、先端の方へ流れ、それによってチャネルを洗い流し、洗浄する。
【0082】
レセプタクル(412)は、好ましくは、液体であらかじめ充填されている。例えば、流体コンジットモジュール(410)は、好ましくは、レセプタクル(412)の内部容積が滅菌水または洗浄剤の必要な容量で充填された後に、(流体コンジットモジュール(410)が内視鏡(2)に取り付けられる前または後に)レセプタクル(412)に取り付けられる。一旦コンテナ(418)が手順で使用されると、全部のコンテナ(418)は処分される。したがって、コンテナ(418)は単回使用である。
【0083】
流体コンジットモジュール(410)はレセプタクル(412)に固定されており、コンテナ(418)が2度使用されることができないように、モジュール(410)またはレセプタクル(412)の一方あるいは両方が使えなくされない限り、流体コンジットモジュール(410)がレセプタクル(412)から分離されることができないようになっている。このことは、ユーザーが流体コンジットモジュール(410)を取り外し、レセプタクル(412)を再充填してコンテナ(418)を複数回使用することを防止する。
【0084】
追加的に、ユーザーが、流体コンジットモジュール(410)を通して水をレセプタクル(12)の中へ注入することによってレセプタクル(412)を再充填しようとすることから防ぐために、モジュール(410)の流体コンジットは、水がレセプタクル(412)の中にではなく、流体コンジットモジュール(410)から容易に逆流して外に流れ出すように、構成される。
【0085】
図25~28と39および41を特に参照すると、この実施形態の流体コンジットモジュール(410)は、本体(420)、コネクタアセンブリ(422)、およびカバー部(424)を
備える。
【0086】
本体(420)は、実質的に立方形で
あり、かつ対向する前面と後面(426)、(428)、対向する第1の端面と第2の端面(430)、および対向する上面と底面(432)、(434)を
備える。コネクタアセンブリ(422)は、本体(420)の底面(434)から延在する。こ
の例では、カバー(424)は、
図32に最も明白に示されるように、本体(420)の前面(426)の開口(95)において受け
入れられる、またはその開口と係合する。
【0087】
カバー(424)は、
図33と34に最も明白に示されるように、カバープレート(448)と、カバープレート(448)から延在する1対のラッチ部材(450)を
備える。2つの孔(452)、(454)
は、
カバープレート(448)の第1の表面(456)からカバープレート(448)の第2の表面(458)へ、カバープレート(448)を貫通し
て形成され
る。
【0088】
環状壁(460)は、カバープレート(448)の第1の孔(452)の周りに延在し、カバープレート(448)の第1の表面(456)から突出する。キャップまたは端部プレート(462)は、カバープレート(448)から最遠位の壁(460)の上部の孔(452)を
横切って延在する。孔(464)は、
キャップ(462)に設けられ、カバープレート(448)に最近位の、孔の第1の部分(466)は、第1の小さな直径を有し、カバープレート(448)から最遠位の、孔の第2の部分(468)は、第2の大きな直径を有する。したがって、肩部またはレッジ(470)は、孔の第1の部分と第2の部分(466)、(468)との間に配置される。レッジ(470)は、
図43に最も明白に示されるように、Oリング(471)などの第1のシール要素を受け
入れるためのシートを提供する。
【0089】
カバープレート(448)の第2の孔(454)もまた、カバープレート(448)の第2の表面(458)に、第1の小さな直径を有する第1の部分(474)と
、カバープレート(448)の第1の表面(456)に、第2の大きな直径を有する第2の部分(476)とを有する。したがって、肩部またはレッジ(478)は、孔の第1の部分と第2の部分(474)、(476)との間に配置される。レッジ(478)は、
図43に最も明白に示されるように、Oリング(79)などの第2のシール要素を受け
入れるためのシートを提供する。
【0090】
ここで
図32、43、および44を参照すると、本体(420)は、アパーチャ(444)を含む第1のシーリング面(170)と、アパーチャ(446)を含む第2のシーリング面(172)を含む。カバー(424)が本体(420)に係合される時、アパーチャ(444)はカバー(424)の孔(464)
に位置合わせされており、第1のシール要素(71)は、レッジ(470)と第1のシーリング面(170)との間に配置され、本体(420)とカバー(424)との間に、
位置合わせされている第1の孔(464)とアパーチャ(444)を取り囲む流体密閉シールを形成する。同様に、アパーチャ(446)はカバー(424)の第2の孔(454)
に位置合わせされており、第2のシール要素(79)は、レッジ(478)と第2のシーリング面(172)との間に配置され、本体(420)とカバー(424)との間に、
位置合わせされている第2の孔(454)とアパーチャ(444)を取り囲む流体密閉シールを形成する。
【0091】
カバー(424)が本体(420)に係合され、全体の流体コンジットモジュール(410)を形成する時、位置合わせされた第2の孔(454)とアパーチャ(446)は、内視鏡(2)の送気路に接続するための、モジュール(410)の第1のポート(414)を形成し、位置合わせされた第1の孔(464)とアパーチャ(444)は、内視鏡(2)の送水路に接続するための、モジュール(410)の第2のポート(416)を形成する。Oリング(79)、(71)は、それぞれ内視鏡(2)上に突出するガス用ポートと送水ポートとの間、および、流体コンジットモジュール(410)の第1のポートと第2のポート(414)、(416)との間で、ガスと水の密封シールを提供する。
【0092】
この実施形態では、リムまたはへり(94)は、本体(420)の前面(426)の外周の周りに延在し、そして前面(426)に開口(95)を画定する。カバー(424)が本体(420)の開口(95)内で係合している時、リム(494)は、カバー(424)の側面を取り囲む。
【0093】
図44に最も明白に示されるように、本体(420)は、
ラッチ凹部(482)を備え、
カバー部(424)のラッチ部材(450)と係合するように構成されている。特に、本体(420)は、
本体(420)の前面(26)に近接して本体(420)の端壁(31)に、1対のラッチ凹部(482)を
備える。この実施形態では、
図34に最も明白に示されるように、ラッチ部材(450)は、カバープレート(448)の対向する側面または端部から延在する突起(486)を
備える。各突起は、実質的に三角形の断面形状を有しており、そして前部の傾斜表面とラッチ表面を含む。
【0094】
カバー(424)が本体(420)の開口(95)に係合している時、ラッチ部材(450)の各々は、ラッチ凹部(482)のそれぞれの1つと係合する。好ましくは、ラッチ部材(450)は、ラッチ凹部(482)の中へのスナップフィット(snap fit)であり、カバー(424)を取り外すために、後に突起(486)が凹部(482)から外されることができないように、突起(486)は構成されている。他の実施形態では、カバー部(424)を本体(420)の開口(95)に保持するために、ラッチメカニズムの異なるタイプを使用しても良いことが、理解される。
【0095】
図27~31、35、および41に最も明白に示されるように、コネクタアセンブリ(422)は、コネクタ部材(174)とロッキングカラー(locking collar)(99)を
備える。チューブ状の取り付け部材(176)は、本体(420)の底面(434)から延在する。コンテナ(418)が完全に組み立てられている時、ロッキングカラー(99)は取り付け部材(176)に固定され
、コネクタ部材(174)はロッキングカラー(99)に固定される。ロッキングカラー(99)の、取り付け部材(176)およびコネクタ部材(174)の両方との係合、およびロッキングカラー(99)の構成は、コンテナ(418)を再利用することができないように、コネクタアセンブリ(422)の一部が
使用できなくならない限り、後にコネクタ部材(174)がロッキングカラー(99)から外され
ることができず、そして後にロッキングカラー(99)が本体(420)から外され
ることができな
い。
【0096】
取り付け部材(176)は、中央ボア(178)を取り囲む環状壁(177)を備える。取り付け部材(176)は、近位端領域と遠位端領域を備える。ボア(178)は、取り付け部材(176)の近位端領域に第1の小さな直径と、および遠位端領域に第2の大きな直径とを有する。
【0097】
弱められたセクション(506)は、環状壁(177)の近位端と、本体(420)の底面(434)との間に設けられる。
図39に最も明白に示されるように、弱められたセクション(506)は、ボアを取り囲む環状の側壁(107)を
備える。弱められたセクション(506)のボアは環状壁(177)の近位のボア(178)と同じ直径を有し、
それに
接続されている。しかし、弱められたセクション(506)の環状の側壁(107)の外径は、環状壁(177)の近位端における、環状壁(177)の外径よりも小さい。このようにして、環状溝(109)は、取り付け部材(176)の近位端の取り付け部材(176)の外側表面において効果的に
設けられる。
【0098】
「弱められたセクションのボア、
および取り付け部材のボア(178)も、本体(420)の底面(434)の開口(121)と
位置合わせされ、そ
れに
接続されている(
図41を参照)。
【0099】
1対のラッチ部材(179)は、環状壁(177)の遠位端に近接する、環状壁(177)の外側表面から延在する。各ラッチ部材(179)は、実質的に三角形の断面形状を有しており、そして前部の傾斜表面とラッチ表面を含む。ラッチ部材(179)は、ロッキングカラー(99)のロッキングアパーチャ(180)と係合するように構成される。
【0100】
図30、31、39、および40に最も明白に示される、ロッキングカラー(99)は、第1の端部(95)と第2の端部(97)との間に延在する
管状の部材(496)を
備える。
管状の部材(496)の内部表面(498)は、
以下にさらに記載されるようなコネクタ部材(174)の一部との係合のために、ねじ山加工されている。
【0101】
ロッキングアパーチャ(180)は、管状の部材(496)の第1の端部(95)のラッチリング(181)に設けられる。この実施形態では、ラッチリング(181)は、管状の部材(496)の第1の端部(95)から長手方向に延在する円筒状のカラーまたはフランジの形をしている。ラッチリング(181)は、取り付け部材(176)の遠位端領域と係合するように構成される。そのため、ラッチリング(181)は、取り付け部材(176)の環状壁(177)の遠位端の外径と実質的に同じ、またはそれよりもわずかに大きな内径を有する。
【0102】
ラチェットリング(500)は、チューブ状の部材(496)の第2の端部(97)に配置される。ラチェットリング(500)は、環状の外側部材(502)、および、外側部材(502)のまわりで離間され、かつ外側部材(502)から内側へ延在する、複数のラチェットの歯(504)を備える。ラチェットの歯(504)は、外側部材(502)に対して垂直ではない角度で、外側部材(502)から延在する。傾斜しているラチェットの歯(504)は、(以下に記載されるように)ロッキングカラー(99)がコネクタ部材(174)上にねじ留めされることを可能にするが、ロッキングカラー(99)のネジが外されてコネクタ部材(174)から取り外されることを防止する、または保護する。
【0103】
図29に最も明白に示されるコネクタ部材(174)は、円筒状部材(182)の第1の端部と第2の端部(184)、(185)との間で延在する中央ボア(183)を有する、細長い円筒状部材(182)を
備える。円筒状部材(182)は、第1の端部領域(186)と第2の端部領域(187)を
備える。第1の端部領域(186)は、チューブ状の部材(496)のねじ山加工された内部表面(498)との係合のための、外側ねじ山を含む。第2の端部領域(187)は、パウチなどの適切なレセプタクルへの溶着、あるいは固定のために構成される。
【0104】
コネクタ部材(174)は、流体コンジットモジュール(410)のこの実施形態では、コネクタアセンブリ(422)の一部を形成するものとして記載されているが、他の実施形態では、コネクタ部材は、コネクタアセンブリのロッキングカラーに後に固定される、あらかじめ充填されているレセプタクルの一部であっても良い。コネクタ部材は、レセプタクルまたはパウチに接続される吐出口の形をしていても良い。従って、これらの実施形態では、流体コンジットモジュールは、本体とロッキングカラーを備えるが、一方で、コネクタ部材が流体コンジットモジュールに取り付け可能なレセプタクルの一部を形成する。
【0105】
他の実施形態では、全体のコネクタアセンブリ(つまりコネクタ部材とロッキングカラーの両方)は、レセプタクルに取り付けられたノズルの一部を形成しても良い。ノズルは、熱溶着によってあらかじめ充填されたレセプタクルに取り付けられても良い。これらの実施形態では、コネクタアセンブリは、好ましくは、パウチに取り付けられた近位端と、および流体コンジットモジュールの本体に固定されるように構成された遠位端とを有する、単一のコネクタである。好ましい実施形態では、コネクタの遠位端は、上記したように、本体(420)の取り付け部材(176)と係合するように構成されたラッチリングを備える。ラッチリングは、一旦コネクタが取り付け部材(176)に取り付けられると、取り付け部材(176)またはコネクタのうちの1つを使用できなくするかあるいは壊さない限り、コネクタを取り付け部材(176)から取り外すことができないように構成されている。したがって、これらの実施形態では、レセプタクルが本体に取り付けられた後に、流体コンジットモジュールが本体とロッキングカラーによって形成される。
【0106】
ユーザーがレセプタクル(412)から流体コンジットモジュール(410)を取り外そうとすれば、ラチェットリング(500)はロッキングカラー(99)とコネクタ部材(174)の相対的回転を妨げる。ユーザーがモジュール(410)により大きなねじり力をかけて、ラチェットリング(500)に対抗し、モジュール(410)をレセプタクル(412)から取り外そうとすれば、弱められたセクション(506)が壊されまたはねじり力が働いて変形され、モジュール(410)は使用不能になる。
【0107】
したがって、これらの特徴は、ユーザーがモジュール(410)をレセプタクル(412)から取り外し、レセプタクル(412)を再充填してそれを2度使用することを防止する。したがって、コネクタ部(422)は単回使用である。
【0108】
この実施形態のモジュール(410)内の流体コンジットの構成は、ここで、
図40~44を特に参照して、さらに説明され
る。
【0109】
第1の流体コンジット(510)は、アパーチャ(446)から本体(420)を通って延在する。第1の流体コンジット(510)は、本体(420)の前面(426)に対して、実質的に垂直に延在する。第1の流体コンジット(510)のボア(512)は、アパーチャ(446)から最遠位の第2の端部(514)で閉じている。コンジット(510)の第2の端部(514)は湾曲しており、好ましくは半球形状である。他の実施形態では、ボア(512)の閉鎖端は、コンジット(510)の端壁がボア(512)の軸に対して垂直にならないように、傾斜しているかまたは面取りされていても良い。
【0110】
第2の流体コンジット(516)は、第1の流体コンジット(510)に対して実質的に垂直な方向に、本体(420)を通って延在する。第1の流体コンジットと第2の流体コンジット(510)、(516)は、流体が第1のコンジット(510)を通りそして第2のコンジット(516)の中へ流れるように、交差する。重要なのは、第2の流体コンジット(516)は、第2の流体コンジット(516)の側壁の一部が第1の流体コンジット(510)の側壁の一部と交差するように、第1の流体コンジット(510)からオフセットされる。このように、交差(526)は、第1のコンジットと第2のコンジット(510)、(516)との間に形成され、それによって、第1の流体コンジットと第2の流体コンジット(510)、(516)との間の流体の流れを可能にし、交差(526)を通る流体の流れは、第1のコンジットと第2のコンジット(510)、(516)の両方の軸に対して実質的に垂直である。交差(526)は、好ましくは、第1の流体コンジット(510)の閉鎖端(514)から離れている。
【0111】
コンジット(516)の第1の端部は、本体(420)の開口(121)と流体連通している。第2の流体コンジット(516)のボア(522)は、開口(121)から最遠位の第2の端部(524)で閉じている。この実施形態では、第2の端部(524)におけるコンジット(516)の端壁は、ボア(522)の軸に対して実質的に垂直である。
【0112】
第3の流体コンジット(528)は、アパーチャ(444)から本体(420)を通って延在する。第3の流体コンジット(528)は、本体(420)の前面(426)に対して、実質的に垂直に延在する。第3の流体コンジット(528)のボア(530)は、アパーチャ(444)から最遠位の第2の端部(532)で閉じている。コンジット(528)の第2の端部(532)は凸状に湾曲しており、好ましくは半球形状である。他の実施形態では、ボア(530)の閉鎖端(532)は、コンジット(528)の端壁がボア(530)の軸に対して垂直にならないように、傾斜しているかまたは面取りされていても良い。第3の流体コンジット(528)は、好ましくは、第1の流体コンジット(510)に対して実質的に平行に延在する。
【0113】
第4の流体コンジット(534)は、本体(420)を通って、第3の流体コンジット(528)に対して実質的に垂直な方向に延在し、そして好ましくは、第2の流体コンジット(516)に対して実質的に平行に延在する。コンジット(534)の第1の端部(536)は、本体(420)の底面(434)に近接する開口(538)で終了する。開口(538)は、本体(420)の開口(121)内に配置される。第4の流体コンジット(534)のボア(540)は、開口(538)から最遠位の第2の端部(542)で閉じている。この実施形態では、コンジット(534)の端壁は、ボア(540)の軸に対して実質的に垂直である。
【0114】
第3の流体コンジットと第4の流体コンジット(528)、(534)は、流体が第3のコンジット(528)を通りそして第4のコンジット(534)の中へ流れるように、交差する。重要なのは、第4の流体コンジット(534)は、第4の流体コンジット(534)の側壁の一部が第3の流体コンジット(528)の側壁の一部と交差するように、第3の流体コンジット(528)からオフセットされる。このように、交差(544)は、第3のコンジットと第4のコンジット(528)、(534)との間に形成され、それによって、第3の流体コンジットと第4の流体コンジット(528)、(534)との間の流体の流れを可能にし、交差(544)を通る流体の流れは、第3のコンジットと第4のコンジット(528)、(534)の両方の軸に対して実質的に垂直である。交差(544)は、好ましくは、第3の流体コンジット(528)の閉鎖端(532)から離れている。
【0115】
第1のコンジットと第3のコンジット(510)、(528)のいずれか1つの中へ水を注入することによって、レセプタクル(412)を再充填する試みは、液体がコンジット(510)、(528)の閉鎖端(514)、(532)でリバウンドするので、結果的に液体がボア(512)、(530)から逆流して排出されることになる。さらに、交差するコンジット(510)、(516)、(528)、(534)がオフセットされているという性質のため、水を第2のコンジットと第4のコンジット(516)、(534)の1つに、そしてレセプタクル(412)の中へ流すことは大変困難となる。
【0116】
この実施形態では、流体コンジットモジュール(410)は、ガス用ポート(546)をさらに備え、二酸化炭素(CO2)などのガスが流体コンジットモジュール(410)を通って送り込まれることを可能にする。
【0117】
ガス用ポート(546)は、本体(420)の上面(432)から延在する円筒状の管(550)によって形成される入口(548)を備える。入口(548)は、好ましくは、不使用時に入口(148)を密閉または閉じることができる閉鎖部を備える。この実施形態では、円筒状の管(550)は標準のルアーロックキャップ(Luer Lock cap)(551)と係合するように構成される。
【0118】
円筒状の管(550)は、本体(420)の上面(432)の穴(552)を取り囲む。第5の流体コンジット(554)は、開口(552)から本体(420)を通って延在する。第5の流体コンジット(554)は、上面(432)に対して、実質的に垂直な方向に延在する。好ましくは、第5の流体コンジット(554)は、第1の流体コンジット(510)に対して、実質的に垂直な方向に延在する。第5の流体コンジット(554)の第2の端部(556)は、第1の流体コンジット(510)と交差し、交差(558)を形成して、流体は、第5の流体コンジット(554)から第1の流体コンジット(510)の中へ流れることができる。
【0119】
第5のコンジットと第1のコンジット(554)、(510)との間の交差(558)は、好ましくは、第1のコンジット(510)の長さに沿って、第1のコンジットと第2のコンジット(510)、(516)との間の交差(526)からオフセットされる。また、第5のコンジットと第2のコンジット(554)、(516)は、好ましくは、互いからオフセットされており、第5のコンジットと第1のコンジット(554)、(510)との間の交差(558)と、第1のコンジットと第2のコンジット(510)、(516)との間の交差(526)が、互い対しておよそ90°である。このように、ガス用ポート(546)を通じてレセプタクル(412)の中へ水を注入する試みは、第5のコンジット(554)と第2のコンジット(516)がオフセットされているという性質によって、うまくいかない。水は、第2のコンジット(516)を通ってレセプタクル(412)の中へ流れるよりも、より容易に第1のコンジット(510)から流出する。
【0120】
1本の管類(190)は、管類(190)が第4のコンジット(534)と流体連通するように、本体(420)に接続される。この実施形態では、管類(190)の近位端(191)は、第4の流体コンジット(534)のボア(540)に配置され、管類が開口(538)を通り、そこから外へ延在する。管類(190)は、本体(420)の開口(121)を通って、取り付け部材(176)のボア(178)を通って、およびコネクタ部材(174)のボア(183)を通って延在する。
【0121】
流体コンジットモジュール(410)がレセプタクル(412)に取り付けられている時、管類(190)はレセプタクル(412)の内部容積の中へ延在する。好ましくは、管類(190)の遠位端(193)は、レセプタクル(412)の台座または端部の近くに配置される。管類(190)の遠位端(193)は、管類(190)の遠位端(193)の開口がレセプタクル(412)またはパウチの内部表面によって閉塞されることが無いように、角度付けがされていても良い。好ましい実施形態では、管類(190)の遠位端(193)における管類(190)の端面は、管類(190)の軸に対しておよそ45°で延在しても良い。好ましくは、管類(190)は可撓性を有する。
【0122】
使用に際し、液体をレセプタクル(412)から内視鏡(2)の中へ供給するために、内視鏡(2)の送気路からの空気は、モジュール(410)の第1のポート(414)を通ることを強制される。この空気は、モジュール(410)の第1の流体コンジットと第2の流体コンジット(510)、(516)を通って、そして開口(121)を通って、取り付け部材(176)のボア(178)を通って、およびコネクタ部材(174)のボア(183)を通って、レセプタクルまたはパウチ(412)の中へ流れる。これが、パウチ(412)内の圧力を上昇させる。圧力は一般に、最大約5psiまで上昇する。上昇した圧力は、液体がパウチ(412)を出て管類を通り、そして、モジュール(410)の第4の流体コンジット(534)と第3の流体コンジット(528)を通ることを強制する。液体はその後、第2のポート(416)から流出し、そして内視鏡(2)の送水路の中へ流入する。管類(190)は、管類(190)の端部がレセプタクル(412)の台座またはそれに近接して、位置するまたは存在するため、パウチ(412)内の液体(例えば滅菌水または洗浄剤)のすべてを使用されることを可能にする。
【0123】
流体コンジットモジュール(410)は、好ましくは、ポリプロピレンで作られているが、任意の適切なポリマー材料で作られていても良い。
【0124】
「流体コンジットモジュール(410)は、カバープレート(448)の第2の表面(458)上に延在する、取り外し可能なシート(図示されず)を含んでいても良い。これらの実施形態では、取り外し可能なシートは、カバープレート(448)を通って形成される孔(452)、(454)の両方の上に延在し、それらを覆い、第1のポートと第2のポート(414)、(416)を共に密閉する。流体コンジットモジュール(410)の使用に先立ってシートが取り外されると、第1のポートと第2のポート(414)、(416)に到達することができるようになる。シートは、シートがカバー(424)から剥がれることができるように、適切な接着剤によって、好ましくはカバー(424)に取り付けられている。」
【0125】
上記した実施形態では、1本の別の管類(190)が、第4のコンジット(134)、(534)と流体連通している、本体(20)(420)に接続されていたが、他の実施形態では、管類は、少なくとも部分的に、本体(20)、(420)と一体となって形成されても良い。1本の全体の管類は、本体と一体となって形成されても良い。他の実施形態では、1本の管類の第1のセクションは、本体と一体となって形成されても良い。管類の第1のセクションの遠位端は、第1のセクションが管類の第2のセクションに接続して完全な1本の管類を形成することを可能にする、接続機能を含んでいても良い。
【0126】
いくつかの実施形態では、ガス用ポートの入口は、(二酸化炭素(CO2)などの)ガスが入口を通って流れることができるが、入口を通る(水などの)液体の流れは妨げられるように構成されていても良い。ガス用ポートの入口は、適切なガス透過可能な膜を備えていても良い。他の実施形態では、入口は、蛇行した流路を有するボアを用いる管を備えていても良い。これによって、入口を通るガスの流れを容易に可能にするが、入口を通る液体の流れは、妨げられるまたは制限される。入口は、入口を通じて液体を容易に注入するのに十分な直径を有する、針またはシリンジの先端の挿入を防止するように形作られていても良く、あるいはそのように構成されていても良い。これによって、ユーザーが、ガス用ポートおよび関連する入口を通じて液体を注入することによって、レセプタクルを再充填しようとすることは、妨げられるまたは制限される。
【0127】
上記の実施形態では、Oリング(または他の適切なシーリング要素)は、カバープレート(48)、(448)に設けられた肩部またはレッジ(70)、(78)、(470)、(478)上で支持されており、カバーまたはカバー部(24)、(424)がその閉位置で固定される時には、カバープレート(48)、(448)と、本体(20)、(420)の前面(26)、(426)との間に閉じ込められていた。使用に際し、Oリングは、流体コンジットモジュール(10)、(410)の第1のポートと第2のポート(14)、(16)、(414)、(416)との間、および、内視鏡(2)の送気ポートと送水ポートとの間に、それぞれ必要なガス密閉シールと液体密閉シールとを形成する。しかし、カバーまたはカバー部がその閉位置で本体に固定される時、Oリングが所定の位置に保持されるのを補助するために、Oリング(または他のシーリング要素)をカバープレートにより確実に搭載することが好ましい場合もある。いくつかの実施形態では、クリップまたはアンダーカットなどの、カバープレートに適切な保持機能を提供することが望ましい場合もあり、Oリングは保持機能の中に、あるいは保持機能の下に据え付けられている、または設置される。他の実施形態では、シーリング要素は、カバープレート上にオーバーモールド(overmould)されても良い。これらの実施形態では、エラストマー材料の層が、カバープレートの肩部またはレッジ上にオーバーモールドされても良い。
【0128】
したがって、本発明は、液体が内視鏡の送水路に供給されることを可能にし、かつ単回使用の、レセプタクルへの取り付けのための、改善された流体コンジットを提供し、それによって、二次汚染の危険を最小限に抑える。