(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】問題のある健康状態を検出するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240711BHJP
A61B 5/18 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
A61B5/00 102C
A61B5/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019215461
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2022-09-29
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519092129
【氏名又は名称】トヨタ モーター ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】エミリー エス.ラーナー
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-091309(JP,A)
【文献】特開2017-217333(JP,A)
【文献】特開2018-190290(JP,A)
【文献】特開2017-177932(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102011016777(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題のある健康状態を検出するためのシステムであって、
サーバと、
第1の車両であって、
前記第1の車両の乗員の生理特性を測定するように構成されたセンサと、
プロファイル生成モジュールであって、
前記第1の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値を受信し、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値を前記サーバへ送信する
ように構成されたプロファイル生成モジュールと、
を含む第1の車両と、
を含み、
前記サーバは、
前記第1の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと前記第1の車両の前記乗員に対応する前記送信された前記生理特性測定値とを比較し、ここで前記データベースには、前記第1の車両の前記乗員の履歴的生理特性データが含まれており、
前記第1の車両の前記乗員の前記履歴的生理特性データと前記送信された生理特性測定値との比較に基づいて、前記
第1の車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定し、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記送信された生理特性測定値を第2の車両の乗員に対応する生理特性測定値と比較し、ここで前記第2の車両は、該第2の車両の前記乗員の生理特性を測定して前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値を提供するように構成されたセンサを含み、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあるか否か、及び
前記第1の車両の乗員に対応する前記送信された生理特性測定値が前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値と類似のものであるか否か、
に基づいて、前記第1の車両の乗員が問題のある健康状態に陥っているか否かを決定する
ように構成される、システム。
【請求項2】
前記第2の車両であって、
プロファイル生成モジュールであって、
前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値を受信し、
前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値を前記サーバへ送信する
ように構成されたプロファイル生成モジュールを更に含む
前記第2の車両を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サーバが更に、
前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと前記第2の車両の前記乗員に対応する前記送信された生理特性測定値とを比較し、ここで前記データベースには、前記第2の車両の前記乗員の履歴的生理特性データが含まれており、
前記第2の車両の前記乗員の前記履歴的生理特性データと前記第2の車両の前記乗員に対応する前記送信された生理特性測定値との比較に基づいて、前記第2の車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定
し、
前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあるか否か、及び
前記第2の車両の乗員に対応する前記送信された生理特性測定値が前記第1の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値と類似のものであるか否か、
に基づいて、前記第2の車両の乗員が問題のある健康状態に陥っているか否かを決定する
ように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の車両の前記乗員が前記問題のある健康状態に陥っているか否かの決定は、更に前記第1の車両の環境条件が正常であるという決定に基づき、
前記サーバは更に、
前記第1の車両の環境センサから前記第1の車両に対応する環境特性測定値を受信し、
前記第1の車両に対応する前記受信した環境特性測定値に基づいて、前記第1の車両の環境条件が異常であるか否かを決定する
ように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記サーバは、
前記第1の車両の前記乗員が前記問題のある健康状態に陥っているという決定に応じて、緊急応答を決定し、
前記緊急応答を前記第1の車両の前記プロファイル生成モジュールに送信する
ように更に構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の車両の前記プロファイル生成モジュールは、前記緊急応答を受信したことに応じて、更に前記緊急応答を開始するように構成されており、
前記サーバが更に緊急サービスに連絡をとるように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記センサが、車載カメラ、心拍数センサ、運動センサ、圧力センサ又は水分センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の車両が、前記心拍数センサを含むシートベルトを更に含み、前記心拍数センサが前記第1の車両の前記乗員の心拍数を測定するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
問題のある健康状態を検出するためのシステムであって、
第1の車両であって、
前記第1の車両の乗員の生理特性を測定して前記第1の車両の乗員に対応する一つ以上の生理特性測定値を提供するように構成されたセンサと、
前記第1の車両の環境特性を測定して前記第1の車両に対応する一つ以上の環境特性
測定値を提供するように構成された環境センサと、
を含む車両と、
サーバであって、
前記第1の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと、前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値とを比較し、ここで前記データベースには、前記第1の車両の前記乗員の履歴的生理特性データが含まれており、
前記第1の車両の前記乗員の前記履歴的生理特性データと前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値との比較に基づいて、前記第1の車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定し、
前記第1の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値が前記基準値の外側にあるか否かを決定し、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値を第2の車両の乗員に対応する生理特性測定値と比較し、ここで前記第2の車両は、該第2の車両の前記乗員の生理特性を測定して前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値を提供するように構成されたセンサを含み、
前記第1の車両の前記乗員の前記生理特性測定値が前記基準値の外側であるとの決定に基づいて前記第1の車両の環境特性測定値が異常であるか否かを決定し、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあるとの決定、
前記第1の車両に対応する前記環境特性測定値が正常であるとの決定、及び
前記第1の車両の乗員に対応する前記生理特性測定値が前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値と異なるとの決定、
に基づいて前記第1の車両の前記乗員が問題のある健康状態に陥っていると決定する
ように構成されたサーバと、
を含むシステム。
【請求項10】
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあるか否かを決定することが、前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値と前記基準値との間の比較に基づいている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の車両であって、
前記第2の車両の環境特性を測定して前記第2の車両に対応する一つ以上の環境特性
測定値を提供するように構成された環境センサを更に含む前記第2の車両を更に含み、
前記サーバが更に、
前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値とを比較し、ここで前記データベースには、前記第2の車両の前記乗員の履歴的生理特性データが含まれており、
前記第2の車両の前記乗員の前記履歴的生理特性データと前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値との比較に基づいて、前記第2の車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定
し、
前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあるとの決定、
前記第2の車両に対応する前記環境特性測定値が正常であるとの決定、及び
前記第2の車両の乗員に対応する前記生理特性測定値が前記第1の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値と異なるとの決定、
に基づいて前記第2の車両の前記乗員が問題のある健康状態に陥っていると決定する
ように構成されている、請求項
9に記載のシステム。
【請求項12】
前記サーバが更に、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値と異なるとの前記決定に基づいて、及び/又は前記第1の車両に対応する前記環境特性測定値と前記第2の車両に対応する前記環境特性測定値の間の比較に基づいて、前記第1の車両に対応する前記環境特性測定値が異常であるか否かを決定する
ように構成されている、請求項1
1に記載のシステム。
【請求項13】
問題のある健康状態を検出するための方法であって、
第1の車両の乗員の生理特性を測定して前記第1の車両の前記乗員に対応する一つ以上の生理特性測定値を提供することと、
前記第1の車両の環境特性を測定して前記第1の車両に対応する一つ以上の環境特性測定値を提供することと、
前記第1の車両のプロファイル生成モジュールによって、前記第1の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値及び前記第1の車両に対応する環境特性測定値をサーバへ送信することと、
前記第1の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと前記第1の車両の前記乗員に対応する前記送信された生理特性測定値とを比較することであって、前記データベースには、前記第1の車両の前記乗員に対応する履歴的生理特性データが含まれていることと、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記履歴的生理特性データと前記第1の車両の前記乗員に対応する前記送信された生理特性測定値との比較に基づいて、前記第1の車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定することと、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が前記基準値の外側であるか否かを決定することと、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値と第2の車両の乗員に対応する生理特性測定値とを比較することとであって、前記第2の車両は、該第2の車両の前記乗員の生理特性を測定して前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値を提供するするように構成されたセンサを含むことと、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が前記基準値の外側であるとの決定に基づいて、前記第1の車両に対応する前記環境特性測定値が異常であるか否かを決定することと、
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記送信された生理特性測定値が前記基準値の外側であるとの決定、
前記第1の車両に対応する前記送信された環境特性測定値が正常であるとの決定、及び
前記第1の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値と異なるとの決定、
に基づいて前記第1の車両の乗員が問題のある健康状態に陥っていると決定することと、
を含む方法。
【請求項14】
前記第1の車両の前記乗員が前記問題のある健康状態に陥っているという決定に応じて、緊急応答を決定することと、
前記サーバによって、前記緊急応答を前記第1の車両のプロファイル生成モジュールに送信することと、
前記
第1の車両の前記プロファイル生成モジュールによって前記緊急応答を開始することと、
を更に含む、請求項1
3に記載の方法。
【請求項15】
前記緊急応答は、前記サーバによって緊急サービスに連絡をとることを含む、請求項1
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、問題のある事態の識別に関し、より詳細には、車両センサを用いた問題のある健康状態の識別に関する。
【背景技術】
【0002】
医療的緊急事態を識別しこれらの事態に対処するための車両の能力は限られたものである。車両の乗員、特にドライバの緊急事態を検出するために、より予測可能で信頼性の高い方法が必要とされる。緊急事態を検出し、その事態に適切に応答する車両の能力は、医療支援が必要とされる場合により迅速にこのような支援にアクセスすることを可能にしうる。更に、信頼性が高く誤報の量を削減する検出システムは、医療的緊急事態により適切且つ効果的に対処することができる。既存のシステムには、車両の乗員が医療的緊急事態に陥っているか否かを高い信頼性で検出する能力が欠如している。このため、緊急事態支援資源が不適切に割り当てられる状況がもたらされる可能性があり、その結果、実際に生命が脅かされる可能性のある状態に陥っている車両乗員に対する傷害が増大する可能性がある。したがって、車両内の乗員が医療的緊急事態に陥っている場合に車両がそれを正確に、再現性があり且つ高い信頼性で検出できるようにすることが望ましいと思われる。したがって、必要であるのは、上述の問題の1つ以上及び/又は1つ以上の他の問題に対処する装置、システム及び/又は方法である。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、車両の乗員を監視し、車両の乗員の1人以上が問題のある健康状態に陥っている場合にそれを決定し、この事態に対処するべく適切に応答するためのシステム及び方法を提供する。問題のある健康状態を検出するための一般化されたシステムには、車両が含まれる。車両は、車両の乗員の生理特性を検出するように構成されたセンサを含む。車両は更に、車両の環境特性を検出するように構成された環境センサを含む。車両は更に、メモリを含むプロファイル生成モジュールを含む。プロファイル生成モジュールは、車両の乗員に対応する生理特性測定値をメモリ内に記憶するように構成されている。プロファイル生成モジュールは更に、車両に対応する環境特性測定値をメモリ内に記憶するように構成されている。プロファイル生成モジュールは更に、生理特性測定値及び環境特性測定値を送信するように構成されている。システムは更に、車両の乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと生理特性測定値を比較するように構成されたサーバを含む。データベースは、車両の乗員の履歴的生理特性データを含む。サーバは更に、車両の乗員の履歴的生理特性データと生理特性測定値の比較に基づいて車両の乗員の生理特性についての基準値を策定するように構成されている。
【0004】
問題のある健康状態を検出するための追加の一般化されたシステムには、車両が含まれる。車両は、車両の乗員の生理特性を検出するように構成されたセンサを含む。車両は更に、車両の環境特性を検出するように構成された環境センサを含む。車両は更に、メモリを含むプロファイル生成モジュールを含む。システムは更に、車両の乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと車両の乗員に対応する生理特性測定値を比較するように構成されたサーバを含む。データベースは、車両の乗員の履歴的生理特性データを含む。サーバは更に、車両の乗員の履歴的生理特性データと車両の乗員に対応する生理特性測定値の比較に基づいて車両の乗員の生理特性についての基準値を策定するように構成されている。サーバは更に、生理特性測定値が基準値の外側にあるか否かを決定し、環境特性測定値が異常であるか否かを決定し、車両の乗員が問題のある健康状態に陥っているか否かを決定するように構成されている。
【0005】
問題のある健康状態を検出するための一般化された方法には、車両の乗員の生理特性を検出するステップが含まれる。該方法は更に、車両の環境特性を検出するステップを含む。該方法は更に、車両のプロファイル生成モジュールによって、車両の乗員に対応する生理特性測定値及び車両に対応する環境特性測定値を送信するステップを含む。該方法は更に、車両の乗員の生理特性測定値のデータベースと、生理特性測定値を比較するステップを含む。データベースには、車両の乗員の履歴的生理特性データが含まれている。該方法は更に、車両の乗員の履歴的生理特性データと生理特性測定値の比較に基づいて、車両の乗員の生理特性についての基準値を策定するステップを含む。
【0006】
問題のある健康状態を検出するための追加の一般化されたシステムは、地理的エリア内の第1の車両を含む。第1の車両は、第1の車両の乗員の生理特性及び第1の車両の環境特性を検出するように構成されている。該システムは更に、地理的エリア内の第2の車両を含む。第2の車両は、第2の車両の乗員の生理特性及び第2の車両の環境特性を検出するように構成されている。該システムは更に、第2の車両の乗員に対応する生理特性測定値と第1の車両の乗員に対応する生理特性測定値とを比較するように構成されたサーバを含む。サーバは更に、比較に基づいて、第1の車両の乗員が問題のある健康状態に陥っていることを決定するように構成されている。サーバは更に、応答を決定するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態に係る緊急事態を検出するためのシステムの概略的例示である。
【
図2】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態に係る装置の概略的例示である。
【
図3】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態に係る動作中のシステムの概略的例示である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の1つ以上の実施形態に係る乗員のプロファイルの概略的例示である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の1つ以上の実施形態に係る車両のプロファイルの概略的例示である。
【
図5】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態に係るプロファイルデータベースの概略的例示である。
【
図6】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、
図1~5のシステムを動作させる方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、
図1~5のシステムを動作させる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の原理の理解を促す目的で、図面中に例示された特定の実装例又は実施例への参照がなされ、特定の用語が特定の実装例又は実施例を説明するために使用される。それでもなお、これによって本発明の範囲を限定することは全く意図されていないということが理解されるであろう。説明されている実装例における何らかの改変及び更なる修正、並びに本明細書中に記載されている本発明の原理の任意の更なる適用は、本発明が関係する技術分野の当業者であれば通常気がつくと考えられる。
【0009】
本開示は、問題のある健康状態(緊急事態であり得る)に車両の乗員が陥った場合にそれを検出し、これらの事態に応答するためのシステムについて記載する。該システムにおいては、車両内のセンサが車両の乗員の生理特性を監視し、記録し且つ/又は検出する。更に、環境センサが、車両自体の環境特性を監視し、記録し且つ/又は検出する。システムは、車両の乗員の生理特性を検出し、生理特性測定値を受信し、機械学習を使用することによって、特定の車両の乗員(例えば車両のドライバ)に対応する各々の生理特性についての基準値を決定することができる。システムは次に、新たに受信した生理特性測定値をこの特定の生理特性についての基準値と比較して、新たに受信した生理特性測定値がこの基準値の外側にあるか否かを決定することができる。生理特性測定値が基準値の外側にある場合、システムは次に、生理特性測定値が第2の車両の乗員の生理特性測定値に類似しているか否かを決定する。比較された生理特性測定値が類似のものでない場合には、システムは、受信した環境特性測定値を分析することによって、車両の環境条件が正常であるか又は異常であるかを決定する。環境条件が異常である場合には、車両の乗員が問題のある健康状態に陥っていることを決定し、適切な応答を開始する。
【0010】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態に係る問題のある健康状態(緊急事態であり得る)を検出するためのシステムの概略的例示である。
図1に例示されている少なくとも1つのこのような実施形態において、システムは、概して、参照番号100によって言及されており、車両110、車両120、クラウドサーバ160、プロファイルデータベース170、及び地理的エリア180を含む。一部の実施例において、プロファイルデータベース170は、1つ以上の乗員プロファイル及び1つ以上の車両プロファイルを含み、これらについては、以下で更に詳述する。検出システム100は、
図1に示されているように、車両130、車両140及び車両150などの追加の車両を任意に含む。任意の車両130、140、150は、地理的エリア180とは異なる、
図1に更に示されている地理的エリア190内に位置している。更に、検出システム100は任意には、追加のプロファイルデータベースを含む。
図1の実施形態において、車両110、120、130、140、150の各々は自動車である。
図1において、車両110、120、130、140、150は乗用車として描かれているが、車両110、120、130、140、150は、他の任意のタイプの好適な自動車(例えば、ピックアップトラック、セミトラック、フリート車両など)であり得るということを理解すべきである。車両110は、(ユーザインタフェースであり得る)ヒューマンマシンインタフェース(HMI)112、プロファイル生成モジュール114、センサ116及び環境センサ118を含む。HMI112は、プロファイル生成モジュール114に対し作動的に(operably)結合され、このプロファイル生成モジュール114と通信を行うように構成されている。センサ116も同様に、プロファイル生成モジュール114に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール114と通信を行うように構成されている。更に、環境センサ118は、プロファイル生成モジュール114に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュールと通信するように構成されている。プロファイル生成モジュール114は、クラウドサーバ160に対し作動的に結合され、このクラウドサーバ160と通信を行うように構成されている。更に、車両110は、プロファイルデータベース170に対し作動的に結合され、このプロファイルデータベース170と通信を行うように構成されており、このプロファイルデータベースは、それ自体クラウドサーバ160に対し作動的に結合されこのクラウドサーバ160と通信を行うように構成されている。
【0011】
車両110と同様に、車両120は、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)122、プロファイル生成モジュール124、センサ126及び環境センサ128を含む。HMI122は、プロファイル生成モジュール124に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュールと通信を行うように構成されている。センサ126も同様に、プロファイル生成モジュール124に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール124と通信を行うように構成されている。更に、環境センサ128は、プロファイル生成モジュール124に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール124と通信を行うように構成されている。プロファイル生成モジュール124は、クラウドサーバ160に対し作動的に結合され、このクラウドサーバ160と通信を行うように構成されている。
【0012】
車両130は、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)132、プロファイル生成モジュール134、センサ136及び環境センサ138を含む。HMI132は、プロファイル生成モジュール134に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール134と通信を行うように構成されている。センサ136も同様に、プロファイル生成モジュール134に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール134と通信を行うように構成されている。更に、環境センサ138は、プロファイル生成モジュール134に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール134と通信を行うように構成されている。プロファイル生成モジュール134は、クラウドサーバ160に対し作動的に結合され、このクラウドサーバ160と通信を行うように構成されている。
【0013】
車両140は、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)142、プロファイル生成モジュール144、センサ146及び環境センサ148を含む。HMI142は、プロファイル生成モジュール144に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール144と通信を行うように構成されている。センサ146も同様に、プロファイル生成モジュール144に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール144と通信を行うように構成されている。更に、環境センサ148は、プロファイル生成モジュール144に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール144と通信を行うように構成されている。プロファイル生成モジュール144は、クラウドサーバ160に対し作動的に結合され、このクラウドサーバ160と通信を行うように構成されている。
【0014】
車両150は、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)152、プロファイル生成モジュール154、センサ156及び環境センサ158を含む。HMI152は、プロファイル生成モジュール154に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール154と通信を行うように構成されている。センサ156も同様に、プロファイル生成モジュール154に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール154と通信を行うように構成されている。更に、環境センサ158は、プロファイル生成モジュール154に対し作動的に結合され、このプロファイル生成モジュール154と通信を行うように構成されている。プロファイル生成モジュール154は、クラウドサーバ160に対し作動的に結合され、このクラウドサーバ160と通信を行うように構成されている。
【0015】
図1に示されているように、既定の地理的エリア内部の各々のプロファイル生成モジュールは、車車間(V2V)通信を介して、既定の地理的エリア内の他の各々のプロファイル生成モジュールの1つ以上と通信を行うように構成されている。例えば、地理的エリア180において、プロファイル生成モジュール114は、以下で更に詳細に説明するように、プロファイル生成モジュール124に対して信号を送信し且つこのプロファイル生成モジュール124から信号を受信することができる。別の実施例として、地理的エリア190内で、プロファイル生成モジュール134、144、154は、他のプロファイル生成モジュール144、154、134の各々に対して信号を送信し且つこのプロファイル生成モジュールから信号を受信することができる。更に、
図1は、クラウドサーバ160と通信するプロファイル生成モジュール114のみを例示しているが、プロファイル生成モジュール114はプロファイルデータベース170とも同様に通信可能であることを理解すべきである。一部の実施形態において、地理的エリア180は、車両110から1マイル(約1.6km)以内の領域として、又は車両110から1マイル(約1.6km)より小さいか又は大きいものであり得る車両110からの任意の他の好適な距離以内の領域として定義されてよい。
【0016】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態に係る装置の概略的例示である。
図2に例示されている少なくとも1つのこのような実施形態において、装置は概して、参照番号200により言及されており、
図1中の車両のいずれか1つを表わし得る。
図2を見れば分かるように、装置200は、車両110の構成要素を含み、これらの構成要素には同じ参照番号が付与されている。
図2に示された実施形態において、プロファイル生成モジュール114は、受信機113、センサ処理モジュール115、送信機117、乗員プロファイル210、及び車両プロファイル220を含む。複数の実施形態において、送信機117及び受信機113は、無線信号の送信及び受信の両方を行なう能力を有する送受信機の形に統合される。受信機113は、センサ116、環境センサ118、センサ処理モジュール115、送信機117及びHMI112の1つ以上に対して作動的に結合され、これらと通信を行うように構成されている。
【0017】
プロファイル生成モジュール114に対して作動的に結合されてこれと通信を行うように構成されているHMI112は、表示ユニット240、入出力(I/O)デバイス242及びBluetooth(登録商標)又は他の無線又は有線デバイスであり得る通信デバイス244を含む。I/Oデバイス242は、通信ポート(例えばUSBポート)、タッチスクリーン表示ユニット、ダッシュボードと結び付けられたソフトキー、ステアリングホイール、及び/又は車両110の他の類似の構成要素の形をしていてよい。表示ユニット240は、ユーザに対して視覚的出力を示すように配設された複数の表示ユニットであるか、又はそれを含むか又はその一部であってよい。例えば、一部の実施形態において、表示ユニット240は、車両110のダッシュボードと結び付けられた中央表示ユニット、車両110の計器クラスタと結び付けられた計器クラスタ表示ユニット、及び車両110のダッシュボード及びフロントガラスと結び付けられたヘッドアップディスプレーのうちの1つ又はそれらの任意の組合せを含み得る。したがって、本明細書中で使用されるように、参照番号240は、前記表示ユニットのうちの1つ又はそれらの組合せを意味し得る。
【0018】
プロファイル生成モジュール114に対して作動的に結合されてこのプロファイル生成モジュールと通信を行うように構成されているセンサ116は、例えば車両110の内部に位置付けされた1つ以上のセンサであるか、これらのセンサを含むか又はこれらのセンサの一部であってよい。一部の実施形態において、センサ116は、カメラ116a、心拍数センサ116b、運動センサ116c、圧力センサ116d、水分センサ116e、及び他の任意の好適なセンサのうちの1つ、又はそれらの任意の組合せを含み得る。したがって、本明細書中で使用される参照番号116は、上述のセンサのうちの1つ又はそれらの組合せを意味し得る。一部の実施形態において、センサ116は、別の車両を識別する及び/又は別の車両と通信する能力を有する任意の他のセンサ(例えばRFIDセンサ、Bluetooth(登録商標)センサなど)を含む。
【0019】
一部の実施例において、カメラ116aは、車両110が道路に沿って移動するにつれて車両の乗員の顔及び/又は体の画像及び/又は映像を捕捉(capture)する。捕捉された画像は、(車両110のドライバ又は乗客であり得る)車両の乗員が高いストレス及び/又は緊急事態に陥っているか否かを決定するために使用され、これについては以下で更に詳細に説明される。いくつかの実施形態において、カメラ116aは、バックミラー、ダッシュボード、ステアリングホイール、フロントガラス又は他の任意の好適な構成要素のうちのいずれか1つ以上の上に組付けられてよい。いくつかの実施形態において、車両の乗員の顔の数個のアングルを捕捉するために、多数のカメラ116aが、車両110の内部に位置付けされ得る。多数のカメラアングルを捕捉することにより、センサ処理モジュール115は車両の乗員の顔の3次元レンダリングを生成することが可能になる。この3次元レンダリングは、車両の乗員の生理特性についての基準値測定値を決定するのに使用され得、これについては以下で更に詳述する。
【0020】
一部の実施形態において、心拍数センサ116bは車両の乗員(例えば車両110のドライバ)の心拍数を測定する。捕捉された心拍数データは、車両の乗員が高ストレス及び/又は緊急事態に陥っているか否かを決定するために使用され、これについては以下で更に詳述する。一部の実施例において、心拍数センサ116bは、車両110のドライバ又は車両110の乗客であり得る車両の乗員が着用するシートベルトなどの車両110のシートベルトの上及び/又は内部に位置付けされる。一実施例として、心拍数センサ116bは、車両の乗員の心臓部分を覆うシートベルトの一部分の上及び/又は内部に位置付けされてよい。他の実施例では、心拍数センサ116bが車両の乗員の心拍数を正確に測定することを保証するために、シートベルトの上及び/又は内部に数個の心拍数センサを設置することができる。このことは、車両の乗員の体格の何らかの差異(例えば大人と子供の間の体格の差異)の如何に関わらず、少なくとも1つの心拍数センサ116bが車両の乗員の心臓の近くに位置設定されることを保証する一助となる。
【0021】
いくつかの実施例において、運動センサ116cは車両の乗員(例えば車両110のドライバ又は乗員)の呼吸数を測定する。捕捉された呼吸数データは、車両の乗員が高ストレス及び/又は緊急事態に陥っているか否かを決定するために使用され、これについては以下で更に詳述する。一部の実施例において、運動センサ116cは、車両110内の車両の乗員のシートベルトの上及び/又は内部に位置付けされる。運動センサ116cは、車両の乗員のひざ、胃、及び/又は胸部を横断して存在するシートベルトの一部分の内部に位置付けされてよい。いくつかの実施例において、運動センサ116cは、車両の乗員が呼吸したときのシートベルトの拡張及び収縮を検出することによって、車両の乗員の呼吸パターンを検出する。
【0022】
いくつかの実施例において、圧力センサ116dは、車両の乗員が車両110のステアリングホイールを把持したときの、車両の乗員(例えば車両110のドライバ)の把持圧力を測定する。捕捉された圧力データは、車両の乗員が高ストレス及び/又は緊急事態に陥っているか否かを決定するために使用され、これについては以下で更に詳述する。一部の実施例において、圧力センサ116dは、車両110のステアリングホイールの上及び/又は内部に位置付けされる。いくつかの実施例において、圧力センサ116dは、ステアリングホイールの「10時」及び「2時」の位置に対応する部分などの、ステアリングホイールの1つ以上の部分の上及び/又は内部に位置付けされる。他の実施例においては、ステアリングホイールの周囲全体にわたり数個の圧力センサ116dが位置付けされる。このことは、車両の乗員の手がステアリングホイール上のどの位置にあるかとは無関係に圧力センサが車両の乗員の把持圧力を正確に測定することを保証する一助となる。
【0023】
いくつかの実施例において、水分センサ116eは、車両乗員が車両110のステアリングホイールを把持した及び/又は触ったときに車両の乗員(例えば車両110のドライバ)の手及び/又は腕から水分が放出されるか否かを測定する。捕捉されたデータは、車両の乗員が高ストレス及び/又は緊急事態に陥っているか否かを決定するために使用され、これについては以下で更に詳述する。一部の実施例において、水分センサ116eも同様に、車両110のステアリングホイールの上及び/又は内部に位置付けされる。圧力センサ116dと同様に、水分センサ116eは、ステアリングホイールの「10時」及び「2時」の位置に対応する部分などの、ステアリングホイールの1つ以上の部分の内部に位置付けされる。他の実施例においては、ステアリングホイールの周囲全体にわたり数個の水分センサ116eが位置付けされる。このことは、車両の乗員の手がステアリングホイール上のどの位置にあるかとは無関係に水分センサが車両の乗員の手及び/又は腕から放出される何らかの水分(例えば汗)を正確に測定することを保証する一助となる。
【0024】
一部の実施形態において、センサ116は、プロファイル生成モジュール114の受信機113に対してデータ(例えば生理特性測定値)を送信するように構成される。一部の実施形態において、センサ116は、設定された反復的時間間隔で受信機113に対してデータを送信する。例えば、センサは、毎秒約1回から毎分1回までの範囲内にあり得る送信頻度の割合で、受信機113に対してデータを送信し得る。いくつかの実施例において、送信頻度は、およそ5秒毎に1回、30秒毎に1回、又は他の任意の好適な時間間隔であり得る。本明細書中で提供されている送信頻度は、一例にすぎず、他の実施形態は、より高頻度の送信又はより低頻度の送信を含むことができる。例えば、いくつかの実装例において、送信頻度は、毎秒1回より速くてもよいし、又は毎分1回より遅くてもよい。いくつかの実施例において、例えば、カメラ116aから受信機113へと送信されるデータは、カメラ116aの1つ以上のカメラの各々が捕捉した画像を含む。このような実施例では、センサ116は、車両110が道路に沿って走行しているときに、車両の乗員の顔及び/又は車両の乗員の体の画像を捕捉することができる。
【0025】
いくつかの実施例において、センサ116により送信されたデータは、センサ処理モジュール115によって受信される。データは、センサ116から直接センサ処理モジュール115によって受信され得、あるいは、データは受信機113を介してセンサ116から間接的にセンサ処理モジュール115によって受信され得る。いくつかの実施例において、センサ処理モジュール115は、画像プロセッサ及び/又は画像処理モジュールを含む。一部の実施形態において、センサ処理モジュール115は、センサ116から受信したデータを読取り、データを分析し、データを処理し、処理されたデータを送信機117に出力するように構成されている。一部の実施形態において、送信機117は次に、クラウドサーバ160にデータを送信し、これについては以下で更に詳述する。別の実施形態において、送信機117は、プロファイルデータベース170に対して直接データを送信する。
【0026】
プロファイル生成モジュール114に対して作動的に結合されてこのプロファイル生成モジュールと通信を行うように構成されている環境センサ118は、例えば車両110の内部及び/又は外部に位置付けされた1つ以上のセンサであるか、これらのセンサを含むか又はこれらのセンサの一部であってよい。一部の実施形態において、環境センサ118は、(車両110上に組付けられた1つ以上の外部カメラであり得る)カメラ118a、トラクションセンサ118b、外部温度センサ118c、内部温度センサ118d、GPS受信機118e、レインセンサ118f、及び他の任意の好適なセンサのうちの1つ、又はそれらの任意の組合せを含み得る。したがって、本明細書で使用される参照番号118は、上述のセンサのうちの1つ又は組合せを意味し得る。
【0027】
一部の実施形態において、カメラ118aは、車両110の前方部分と結び付けられたフロントカメラ、車両110の後方部分と結び付けられたリアカメラ、車両110の右側面部分と結び付けられたサイドカメラ、車両110の左側面部分と結び付けられたサイドカメラ、及び車両110に位置する他の任意のカメラのうちの1つ、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。したがって、本明細書中で使用される参照番号118aは、外部の車両カメラの1つ又は組合せを意味し得る。一部の実施例において、カメラ118aは、車両110が道路に沿って走行するにつれて車両110の周りの外部環境の画像を捕捉する。
【0028】
一部の実施例において、トラクションセンサ118bは、車両110のタイヤが車両110が走行している道路の表面にいかに良好にグリップしているかを測定する。捕捉されたトラクションデータは、車両110が道路上でスリップ及び/又はスライドしているか否かを決定するために使用される。このデータは、車両110の環境条件が正常であるか異常であるかを決定するために使用され得、これについては以下で更に詳述する。一部の実施例において、外部温度センサ118cは、車両110の周りの空気の温度を測定する。この温度データは、車両110の環境条件が正常であるか異常であるかを決定するために使用され得、これについては以下で更に詳述する。一部の実施例において、内部温度センサ118dは、車両110内部の空気の温度を測定する。この温度データは、車両110の環境条件が正常であるか異常であるかを決定するために使用され得、これについては以下で更に詳述する。
【0029】
GPS受信機118eは、車両110の位置データを記録するように構成されている。いくつかの実施例において、位置データは、車両110が位置している地理的エリアについての気候条件を決定するために使用され得る。この位置データは、車両110の環境条件が正常であるか異常であるかを決定するために使用され得、これについては以下で更に詳述する。一部の実施例において、レインセンサ118fは、車両110のフロントガラス上に雨が降っているか否か、そして降っている場合には、どれほどの雨が降っているかを測定する。他の実施例では、レインセンサ118fは、リアウィンドウ、1つ以上のサイドウィンドウ又は車両110の他の任意の部分上に雨が降っているか否かを測定する。捕捉された雨データは、車両が雨の中を走っているか否かを決定するために使用される。このデータは、車両110の環境条件が正常であるか異常であるかを決定するために使用され得、これについては以下で更に詳述する。
【0030】
図2に関する以上の論述は、車両110に関連してなされたものであるが、以上の論述は、車両120、130、140、150及びその対応する構成要素の各々にも同様にあてはまる。
【0031】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態に係る動作中のシステムの概略図である。
図3に例示されている少なくとも1つのこのような実施形態において、システムは概して、参照番号300によって言及され、検出システム100の構成要素を含み、これらの構成要素には同じ参照番号が付されている。
図3に示されている実施形態においては、検出システム100の一定の構成要素を有するシステムに加えて、システム300のクラウドサーバ160は、問題状態検出モジュール310及び応答決定モジュール320を含む。
図3に示されている実施形態において、問題状態検出モジュール310は、受信機312、送信機314、メモリ316及びプロセッサ318を含む。一部の実施形態において、送信機314及び受信機312は、無線又は有線信号の送信及び受信の両方の能力を有する送受信機に統合される。受信機312は、HMI112(
図2参照)、センサ処理モジュール115(
図2参照)、送信機314及びプロファイルデータベース170のうちの1つ以上に対して作動的に結合され、且つそれらと通信を行うように構成されている。
図3に示された実施形態において、応答決定モジュール320は、受信機322、プロセッサ324及び送信機326を含む。一部の実施形態において、送信機326及び受信機322は、無線又は有線信号の送信及び受信の両方の能力を有する送受信機に統合される。受信機322は、HMI112、送信機117及び問題状態検出モジュール310の送信機314に対して作動的に結合され、これらと通信を行うように構成される。
【0032】
一部の実施形態において、メモリ316は、受信機312に対して作動的に結合され、この受信機312と通信を行うように構成されている。一部の実施形態において、受信機312は、車両110上に担持されたプロファイル生成モジュール114の送信機117から1つ以上のデータ送信(生理特性測定値及び環境特性測定値であり得る)を受信するように構成されている。他の一部の実施形態において、受信機312は、送信機117から受信したデータ送信に加えて又はこれに代ってプロファイルデータベース170からのデータ送信を受信するように構成されており、これについては以下で更に詳述する。受信機312は、メモリ316に対する1つ以上のデータ送信の各々を出力するように構成されており、メモリ316は、データ送信を廃棄する前に、設定期間、1つ以上のデータ送信の各々を記憶する。一部の実施形態において、データ送信は履歴記録(historical record)に記憶される。いくつかの実施例において、メモリ316がデータ送信を記憶する設定期間には、1分、2分、5分、10分又は1分未満又は10分超であり得る他の任意の好適な期間が含まれる。したがって、メモリ316は、いくつかの実施例において、送信機117から受信機312が受信した全てのデータ送信の履歴記録を維持する。一部の別の実施形態において、履歴記録は、車両110の乗員の履歴的生理特性データを含む。
【0033】
一部の別の実施形態において、受信機312は、プロファイルデータベース170へ1つ以上のデータ送信の各々を出力するように構成されており、プロファイルデータベース170は、データ送信を廃棄する前に、設定期間、1つ以上のデータ送信の各々を記憶する。一部の実施形態において、データ送信は履歴記録内に記憶される。いくつかの実施例において、プロファイルデータベース170がデータ送信を記憶する設定期間には、1分、2分、5分、10分又は1分未満又は10分超であり得る他の任意の好適な期間が含まれる。したがって、プロファイルデータベース170は、いくつかの実施例において、送信機314から受信機312が受信した全てのデータ送信の履歴記録を維持する。一部の別の実施形態において、履歴記録は、車両110の乗員の履歴的生理特性データを含む。
【0034】
一部の実施形態において、プロセッサ318は更に、車両の乗員に対応する1つ以上の生理特性測定値が、各々の特定の生理特性についての基準値の外側にあるか否かを決定するように構成されており、これについては以下で更に詳述する。いくつかの実施例において、プロセッサ318は、車両の乗員に対応する1つ以上の生理特性測定値が、1つ以上の他の車両(例えば車両120)の乗員に対応する生理特性測定値と類似しているか否かを決定するように構成されており、これについては以下で更に詳述する。更に、プロセッサ318は、車両110の環境条件が正常であるか異常であるかを決定するように構成されており、これについては以下で更に詳述する。一部の実施例において、このような決定が行なわれた後、問題状態検出モジュール310の送信機314は、応答決定モジュールに対して信号を送信し、次にこの応答決定モジュールは、例えば車両110のプロファイル生成モジュール114に対してこの信号を送信することができる。一部の実施形態において、信号は、応答命令(例えば車両110に自律モードに入るよう指図する命令)を含み、これについては以下で更に詳述する。
【0035】
一部の実施形態において、応答決定モジュール320のプロセッサ324は、受信機322及び送信機326に対して作動的に結合され、これらと通信を行うように構成されている。いくつかの実施例において、プロセッサ324は、受信機322から受信した1つ以上のデータ送信を読取って分析するように構成されている。一部の実施形態において、応答決定モジュール320は、受信機322から受信した1つ以上のデータ送信に基づいて適切な応答を決定するように構成されている。いくつかの実施例において、送信機326は、車両110のプロファイル生成モジュール114に対して決定された緊急応答を送信する。その後、このような実施形態では、プロファイル生成モジュール114は緊急応答を開始する。例えば、車両110のドライバが心臓発作に襲われた場合、プロファイル生成モジュール114は、車両110に対し、自動的に移動を停止し、ハザード信号を起動させ、サーバ160にGPS信号を送信するよう指令を出すことができる。一部の実施形態において、サーバ160は、病院、救急車、消防車及び他の類似の緊急時対応要員に接続されており、心臓発作情報をこれらに送信する。更なる実施例においては、車両110が非自律運転モードで動作している間に緊急事態が検出された場合、プロファイル生成モジュール114は、利用可能な場合、車両110の自律運転モードを自動的に開始することができる。追加の一部の実施例において、車両110は、車車間(V2V)通信を使用して、車両110と同じ地理的エリア(例えば地理的エリア180)内の他の車両と通信することができる。このような実施例では、車両110は、病院又は他の適切な医療施設までの最良の及び/又は最速のルートを生成するためにV2V通信を使用することができる。
【0036】
図4Aは、本開示の1つ以上の実施形態に係る装置の概略的例示である。
図4Aに示されている少なくとも1つのこのような実施形態において、装置は概して参照番号400により言及されており、装置200及びシステム300の構成要素を含み、これらの構成要素には同じ参照番号が付与されている。
図4Aに示された実施形態においては、装置200及びシステム300の一定の構成要素を有する装置400に加えて、装置400の乗員プロファイル210は、車両110の乗員(例えばドライバ又は乗員)の数個の生理特性を含む。乗員プロファイル210内の生理特性は各々、上述のように、センサ116の1つ以上によって測定され、追跡され且つ/又は監視されるように構成されている。いくつかの実施例において、乗員プロファイル210内の乗員の生理特性には、1つ以上の表情210a、姿勢210b、身体動作210c、心拍数210d、呼吸数210e、把持圧力210f及び手掌の水分レベル210gが含まれる。
【0037】
上述のようにそして以下で更に詳述されるように、問題状態検出モジュール310のプロセッサ318は、各生理特性についての基準値(これは値の一範囲であり得る)を決定するために生理特性及び任意の生理特性測定値を分析するように構成されている。車両110の各乗員は、その乗員に特有の乗員プロファイル(例えば乗員プロファイル210)を有する。例えば、車両110のドライバは、車両110の乗客の乗員プロファイルとは異なるものであり得且つ異なる可能性の高い乗員プロファイルを有する。一部の実施形態において、乗員プロファイル210は車両110のドライバに対応する。いくつかの実施例において、各生理特性についての基準値には、値の一範囲が含まれる。車両110の各乗員は異なる乗員プロファイルを有することから、各乗員プロファイルは、別の乗員プロファイルの同じ生理特性と比較した場合に各生理特性について異なる基準値を含むことができ、その可能性が高い。例えば、車両110のドライバの心拍数210dについての基準値は、毎分60拍(BPM)から65BPMの範囲を含み得る。対照的に、車両110の乗客の心拍数210dについての基準値は、50BPM~55BPMの範囲を含み得る。一部の実施形態において、プロセッサ318は、記憶のためにメモリ316に対して決定された基準値を送信するように構成される。他の一部の実施形態において、プロセッサ318は、基準値アーカイブに対し決定された基準値を送信し、これについては以下で更に詳述する。以下で更に詳述されるように、プロセッサ318は、機械学習を用いて各生理特性についての基準値を決定するように構成されている。
【0038】
図4Bは、本開示の1つ以上の実施形態に係る装置の概略的例示である。
図4Bに示されている少なくとも1つのこのような実施形態において、装置は概して参照番号450により言及されており、装置200及びシステム300の構成要素を含み、これらの構成要素には同じ参照番号が付与されている。
図4Bに示された実施形態においては、装置200及びシステム300の一定の構成要素を有する装置450に加えて、装置450の車両プロファイル220は、車両110の数個の環境特性を含む。車両プロファイル220中の環境特性は各々、上述のように、環境センサ118の1つ以上によって測定され、追跡され且つ/又は監視されるように構成されている。いくつかの実施例において、車両プロファイル220中の車両110の環境特性には、(外部カメラ118aによって検出され得る)危険条件に対する近接性220a、(外部カメラ118aにより検出され得る)道路条件220b、トラクション220c、外部温度220d、内部温度220e、GPS位置220f、雨レベル220g及び速度220hが含まれる。
【0039】
上述のように、且つ以下で更に詳述するように、問題状態検出モジュール310のプロセッサ318は、例えば車両110の周りの環境条件が正常であるか異常であるかを決定するために環境特性及び任意の環境特性測定値を分析するように構成されている。限定的であるように意図されていないいくつかの実施例において、車両110の周りの環境条件は、雨が全く無く、車両110が良好なトラクションを有し、車両110が危険条件(例えば衝突、道路上の動物など)の近くにない場合、正常である。検出システム100内の各々の車両は、その車両に特有の車両プロファイルを有する。例えば、車両110は、車両120についての車両プロファイルとは異なるものであり得る車両プロファイルを有する。一部の実施形態において、車両プロファイル220は車両110に対応する。
図1に示されているように、車両110及び車両120は、各々同じ地理的エリア180内にある。したがって、いくつかの実施例において、車両110、120の各々についての車両プロファイルは、類似したものであり得る。例えば、道路条件、外部温度、GPS位置、及び雨レベルは、車両110及び120についての車両プロファイル間において実質的に類似していてよい。以下で更に詳述するように、プロセッサ318は、標的車両(例えば車両110)の環境条件が正常であるか異常であるかを決定するために同じ地理的エリア内の1つ以上の異なる車両の車両プロファイルを比較するように構成されている。
【0040】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態に係る装置の概略的例示である。
図5に示されている少なくとも1つのこのような実施形態において、装置は概して参照番号500により言及されており、装置200及びシステム300の構成要素を含み、これらの構成要素には同じ参照番号が付与されている。
図5に示された実施形態においては、装置200及びシステム300の一定の構成要素を有する装置500に加えて、装置500のプロファイルデータベース170は、ディレクトリ172及びディレクトリ174を含む。
図5に示されているように、ディレクトリ172は車両110に対応し、乗員プロファイル210及び車両プロファイル220を含む。一部の実施形態において、ディレクトリ172は同様に、生理特性基準値アーカイブ176をも含んでいる。基準値アーカイブ176は、上述の通りそして以下で更に詳述されるように、乗員プロファイル210内の各生理特性について決定された基準値を含むように構成されている。基準値アーカイブ176は、上述のように、車両110に対応する決定された基準値を送信機314から受信するように構成されている。
【0041】
図5に更に示されているように、ディレクトリ174は車両120に対応し、乗員プロファイル510及び車両プロファイル520を含む。乗員プロファイル510は、乗員プロファイル210と実質的に類似したものであり、車両120内の乗員の生理特性を含む。
図5に示された実施形態において、乗員プロファイル510内の生理特性には、1つ以上の表情510a、姿勢510b、身体動作510c、心拍数510d、呼吸数510e、把持圧力510f及び手掌の水分レベル510gが含まれる。車両プロファイル520は、車両プロファイル220と実質的に類似しており、車両120の環境特性を含む。
図5に示された実施形態において、車両プロファイル520中の環境特性には、(外部カメラ128aによって検出され得る)危険条件に対する近接性520a、(外部カメラ128aにより検出され得る)道路条件520b、トラクション520c、外部温度520d、内部温度520e、GPS位置520f、雨レベル520g及び速度520hが含まれる。一部の実施形態において、ディレクトリ174は同様に、生理特性基準値アーカイブ178をも含んでいる。基準値アーカイブ178は、上述のようにそして以下で詳述されるように、乗員プロファイル510内の各生理特性について決定された基準値を含むように構成されている。基準値アーカイブ178は、上述のように、車両120に対応する決定された基準値を送信機314から受信するように構成されている。
【0042】
図5には示されていないものの、プロファイルデータベース170が同様に、上述のものに対応する構成要素を含めた、システム100内の各車両(例えば車両130、140、150)に対応するディレクトリをも含み得るということを理解すべきである。
【0043】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態に係る
図1~5のシステムを動作させる方法のフローチャートである。上述の通り、一部の実施形態においては、車両110内の乗員の1人以上が医療的緊急事態に陥っているか否かを決定するために、車両110の1つ以上のセンサが使用される。車両110の1つ以上のセンサ116が、車両110の乗員の1つ以上の生理特性を検出及び/又は記録するために使用される。更に、1つ以上の環境センサ118が、車両110の1つ以上の環境特性を検出及び/又は記録するために使用される。車両110は、サーバに対して生理特性測定値及び環境特性測定値を送信する。サーバは、情報を受信し、情報を分析し、適切な応答を決定する。車両の乗員が実際に医療的緊急事態に陥っているか否かを決定する前に、受信した情報の精確さを確認することが、サーバの目的である。このことは、誤報の数を削減する一助となり、これが、不適切に開始された応答の数を削減する一助となる。この目的を達成するために、サーバは、特定の車両乗員に対応する受信した生理特性測定値を、特定の車両乗員に対応する記憶された生理特性測定値のデータベースと比較する。継続的に比較することで、サーバは、生理特性についての基準値を策定(formulate)することができるようになる。次にサーバは、新たに受信した生理特性測定値が基準値の外側にあるか否かを決定する。生理特性測定値が基準値の外側にある場合、サーバは、新たに受信した生理特性測定値を1つ以上の他の車両(例えば車両120)の乗員に対応する生理特性測定値と比較する。サーバはその後、検出した環境特性データを分析して、車両110の環境条件が正常であるか異常であるかを決定する。車両110の環境条件が正常である場合には、サーバは、車両乗員が医療的緊急事態に陥っていることを決定し、車両110は、サーバによって指示された通り、適切な応答を開始する。
【0044】
このような1つの実施形態において、
図6に例示されたように、該方法は概して参照番号600により言及され、車両の乗員の生理特性を検出することをステップ610に含んでいる。いくつかの実施例において、生理特性はセンサ116を用いて検出される(
図2参照)。一部の実施例において、センサ116は、車両110の乗員に対応する検出された生理特性測定値を車両110のプロファイル生成モジュール114に送信する。生理特性測定値は、プロファイル生成モジュール114の受信機113によって受信され得る。受信機113は、その後、更なる分析及び処理のために、センサ処理モジュール115に対して生理特性測定値を出力することができる。一部の実施形態において、生理特性測定値は、
図4Aに関連して上述した生理特性(例えば1つ以上の表情210a、姿勢210b、身体動作210c、心拍数210d、呼吸数210e、把持圧力210f、及び手掌の水分レベル210g)のいずれか1つに対応し得る。
【0045】
上述の通り、いくつかの実施例において、センサ116は、車両110の内部で、1人以上の乗員などの物体の画像を捕捉するように構成されている。このような実施例においては、カメラ116aは、車両110の乗員(例えば車両110のドライバ)の画像及び/又は映像を捕捉するように構成されている。上述のように、いくつかの実施例において、カメラ116aは捕捉した画像及び/又は映像(生理特性測定値であり得る)をプロファイル生成モジュール114のセンサ処理モジュール115に送信する。一部の実施例において、センサ処理モジュール115は、車両乗員の表情及び/又は姿勢を追跡するために、捕捉された画像及び/又は映像を分析するように構成されている。いくつかの実施例においては、センサ処理モジュール115が各々の受信画像及び/又は映像ファイルを処理した後、プロファイル生成モジュール114は、各々の処理済みファイルを問題状態検出モジュール310へと送信する。いくつかの実施例において、処理済みファイルは、問題状態検出モジュール310のメモリ316内に記憶され得る。したがって、一部の実施形態において、メモリ316は、プロファイル生成モジュール114から受信された全ての画像及び/又は映像送信の履歴的記録を維持する。他の一部の実施形態において、処理済みファイルは、プロファイルデータベース170内に記憶され得る。
【0046】
限定的であるように意図されていない一実施例において、或る種の表情、例えば苦痛、怒り又は驚きの表情は、車両乗員が医療的緊急事態に陥っていることを示し得ることから、車両乗員の表情210aを追跡することが重要であり得る。限定するものではない別の実施例として、或る種の姿勢、例えば前かがみ、うずくまり、前方へのもたれかかりなどの姿勢は、車両乗員が医療的緊急事態に陥っていることを示し得ることから、車両乗員の姿勢210bを追跡することが重要であり得る。同様にして、限定するものではない更なる実施例として、或る種の身体動作、例えば突然のけいれんの様な動きは、車両乗員が医療的緊急事態に陥っていることを示し得ることから、車両乗員の身体動作210cを追跡することが重要であり得る。いくつかの実施例においては、車両乗員が医療的緊急事態に陥っていることの示には、心拍数210d、呼吸数210e、把持圧力210f及び手掌の水分レベル210gの増大の1つ以上が含まれ得る。一部の実施例において、車両乗員が医療的緊急事態に陥っているか否かを決定するために、センサ116により捕捉されたデータは環境センサ118によって捕捉されたデータによって増補(augment)され(
図1参照)、これについては以下で更に詳述する。
【0047】
ステップ620において、車両110の乗員の生理特性の検出の前、最中又は後に、車両110の環境特性が検出される。いくつかの実施例において、環境特性は、環境センサ118を用いて検出される(
図2参照)。一部の実施例において、環境センサ118は、車両110に対応する検出された環境特性測定値を、車両110のプロファイル生成モジュール114に対して送信する。一部の実施例において、環境特性測定値は、プロファイル生成モジュール114の受信機113によって受信される。受信機113は次に、更なる分析及び処理のために、センサ処理モジュール115に対して環境特性測定値を出力することができる。一部の実施形態において、環境特性測定値は、
図4Bに関して上述した環境特性(例えば、危険条件に対する近接性220a、道路条件220b、トラクション220c、外部温度220d、内部温度220e、GPS位置220f、雨レベル220g及び速度220h)のうちのいずれか1つに対応し得る。
【0048】
上述のように、いくつかの実施例において、環境センサ118は、車両110の周りの近辺内で、他の車両及び/又は道路表面などの物体の画像及び/又は映像を捕捉するように構成されている。このような実施例において、外部カメラ118aは、車両110の周りの物体及び/又は道路表面の画像及び/又は映像(これは環境特性測定値であり得る)を捕捉するように構成されている。上述のように、いくつかの実施例において、外部カメラ118aは、プロファイル生成モジュール114のセンサ処理モジュール115に対して、捕捉された画像及び/又は映像を送信する。一部の実施例において、センサ処理モジュール115は、車両110の周りの環境条件を追跡するために、捕捉された画像及び/又は映像を分析するように構成されている。いくつかの実施例において、センサ処理モジュール115が各々の受信画像及び/又は映像ファイルを処理した後、プロファイル生成モジュール114は各々の処理済みファイルを問題状態検出モジュール310に送信する。一部の実施形態において、処理済みファイルは、問題状態検出モジュール310のメモリ316内に記憶され得る。したがって、一部の実施形態において、メモリ316は、プロファイル生成モジュール114から受信した全ての画像及び/又は映像送信の履歴的記録を維持する。他の一部の実施形態において、処理済みファイルは、プロファイルデータベース170内に記憶され得る。
【0049】
限定的であるように意図されていない実施例においては、或る種の環境条件、例えば衝突、危険運転ドライバ、又は落雷などは、車両の周りの環境特性が異常であることを示し得ることから、車両110の危険条件に対する近接性220aを決定することが重要であり得る。限定するものではない別の実施例として、車両110の位置における気候条件を決定する目的で車両110のGPS位置220fを追跡することが重要であり得る。或る種の気候条件、例えば竜巻、落雷又は雷雨などは、車両110の周りの環境条件が異常であることを示し得る。同様にして、限定するものではない更なる実施例として、高い車両速度は車両110の周りの環境条件が異常であることを示し得ることから、車両110の速度220hを追跡することが重要であり得る。いくつかの実施例において、車両110の周りの環境条件が異常であることを示すことには、危険条件に対する近接性220a、粗悪な道路条件220b、低いトラクション220c、低い外部温度220d、正常な内部温度220e、高い雨レベル220g及び高い速度220hのうちの1つ以上が含まれ得る。一部の実施例において、車両110の周りの環境条件が異常であるか否かを決定するために、環境センサ118によって捕捉されたデータは、センサ116によって捕捉されたデータにより増補され、これについては以下で更に詳述する。
【0050】
ステップ630において、車両110の乗員の生理特性及び/又は車両110の環境特性の検出中又は検出後に、車両110の乗員に対応する生理特性測定値及び車両110に対応する環境特性測定値は、プロファイル生成モジュール114により送信される。一部の実施形態において、プロファイル生成モジュール114の送信機117は、生理特性測定値及び環境特性測定値を、サーバ160の問題状態検出モジュール310に対して送信する。上述のように、いくつかの実施例において、生理特性測定値及び環境特性測定値は、メモリ316内に記憶され得る。他の実施例において、送信機117は、生理特性測定値及び環境特性測定値をプロファイルデータベース170に送信する。更なる実施例においては、送信機117は、生理特性測定値及び環境特性測定値をメモリ316及びプロファイルデータベース170の両方に送信する。
【0051】
送信時に、生理特性測定値及び環境特性測定値は各々識別子(例えばデータタグ、ファイル識別子など)と結び付けられる。各々の生理特性測定値についての識別子は、各々の検出された生理特性測定値を特定の車両乗員(例えば車両110のドライバ)にマッピングする。各々の環境特性測定値についての識別子は、各々の検出された環境特性測定値を特定の車両(例えば車両110)にマッピングする。一部の実施形態において、識別子は、各生理特性測定値を適切な車両乗員に結び付けることを可能にし、識別子は、各環境特性測定値を適切な車両に結び付けることを可能にする。このような実施形態においては、このことで特定の車両乗員の各々の生理特性についての基準値の策定は容易になり、これについては以下で更に詳述する。更に、このような実施形態においては、識別子は、特定の車両についての環境条件決定の一助となり、これについては以下で更に詳述する。
【0052】
一部の実施形態において、生理特性測定値及び環境特性測定値は、サーバ160によって受信される。このような実施形態において、生理特性及び環境特性の測定値は、問題状態検出モジュール310の受信機312によって受信される。一部の別の実施形態において、生理特性及び環境特性の測定値は、上述の通り、車両110のプロファイル生成モジュール114から直接か、又はサーバ160の問題状態検出モジュール310を介して間接的に、プロファイルデータベース170によって受信される。受信時に、生理特性測定値と環境特性測定値は分離され、各特性についてのそれぞれの識別子に基づいて分類される。例えば、車両110のドライバに対応する心拍数測定値がディレクトリ172に対して送信され得る。
【0053】
ステップ640において、生理特性及び環境特性の測定値の送信中又は送信後に、車両の乗員に対応する生理特性測定値は、車両の乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと比較される。一部の実施形態において、データベースは、プロファイルデータベース170であり得る。一部の実施例において、プロファイルデータベース170は、車両の乗員(例えば車両110のドライバ)の履歴的生理特性データを含む。いくつかの実施例において、サーバ160の問題状態検出モジュール310のプロセッサ318は、受信した生理特性測定値を履歴的生理特性のデータベースと比較する。単に例示及び分かり易くすることのみを目的として、車両のドライバ(例えば車両110のドライバ)の心拍数(例えば心拍数210d)に関して、以下の論述を行なう。心拍数210dは単に、1つの生理特性の一例であるように意図されているにすぎない。以下の論述は、他の任意の車両乗員についての他の任意の生理特性にも同様にあてはまる。
【0054】
一部の実施形態において、車両110のドライバについての受信された心拍数測定値210d(生理特性測定値であり得る)が、プロファイルデータベース170内に記憶された、以前に受信された心拍数測定値210d(すなわち履歴的心拍数測定値)と比較される。このような実施形態においては、以前に受信された心拍数測定値210dは、車両110に対応するディレクトリ172内に記憶され得る。以前に受信された心拍数測定値210dは更に、ディレクトリ172内の乗員プロファイル210内に記憶され得る。一部の別の実施形態において、以前に受信された心拍数測定値210dは、プロファイル生成モジュール114に送信されプロファイル生成モジュール114内の乗員プロファイル210内に記憶され得る。上述の通り、各々の受信された心拍数測定値210dは、例えば1分未満又は10分超であり得る設定期間、記憶され得る。一部の実施形態において、プロセッサ318は、各々の新たに受信された心拍数測定値210dを、例えばディレクトリ172内に含められ得る心拍数測定値のデータベースと比較する。
【0055】
ステップ650において、生理特性測定値と生理特性測定値のデータベースの比較中又は比較の後に、生理特性についての基準値が策定される。一部の実施形態において、プロセッサ318は、車両110のドライバの心拍数210dであり得る生理特性についての基準値を策定する。いくつかの実施例において、プロセッサ318は、メモリ316内に記憶され得る生理特性データ(例えば履歴的生理特性測定値)と受信した生理特性データ(例えば生理特性測定値)を継続的に比較することによって、生理特性についての基準値を決定するため、1つ以上の機械学習アルゴリズムを実装するように構成されている。いくつかの実施例において、プロセッサ318が、生理特性(例えば心拍数210d)についての基準値を決定した後、プロセッサ318は、ディレクトリ172に対して基準値を送信することができ、ここで基準値は基準値アーカイブ176中に記憶され得る(
図5参照)。一部の実施形態において、車両110に対応する各生理特性についての基準値は、基準値アーカイブ176内に記憶される。したがって、いくつかの実施例において、問題状態検出モジュール310は、各々の新たに受信した生理特性測定値を、基準値アーカイブ176内に記憶された基準値と比較する。
【0056】
一部の実施形態において、問題状態検出モジュール310は次に、車両乗員が実際に医療的緊急事態に陥っているか否かを決定するために、受信情報の精確さを確認する。例えば、プロセッサ318は、車両乗員の受信した生理特性測定値が基準値の外側にあるか否かを決定する。いくつかの実施例において、受信した生理特性測定値が基準値の外側にあることを決定した後、プロセッサ318は、受信した生理特性測定値が、1つ以上の他の車両(例えば車両120)に対応する生理特性測定値に類似したものであるか否かを決定する。いくつかの実施例において、プロセッサ318は、受信した生理特性測定値を、1台の他の車両、2台の他の車両、3台の他の車両、4台の他の車両、5台の他の車両、10台の他の車両、又は他の任意の好適な数の他の車両の乗員に対応する生理特性測定値と比較することができる。一部の実施形態において、プロセッサ318は次に、車両110の環境条件が正常であるか否かを決定する。環境特性が正常であることの決定後、次にプロセッサ318は、車両乗員(例えば、車両110のドライバ)が緊急事態に陥っていることを決定する。
【0057】
一部の実施例において、応答決定モジュール320は次に、緊急応答を決定する。一部の実施形態において、応答決定モジュール320は、車両110のプロファイル生成モジュール114に対し、決定された緊急応答を送信する。その後、このような実施形態において、プロファイル生成モジュール114は、緊急応答を開始する。例えば、車両110のドライバが心臓発作に襲われている場合、応答決定モジュール320はプロファイル生成モジュール114に対し、自動的に移動を停止させ、ハザード信号を起動させ、サーバ160に対してGPS信号を送信するための指令を車両110に与えるよう命令することができる。一部の実施形態において、サーバ160は、病院、救急車、消防車及び他の類似の緊急時対応要員に接続されており、これらに対し心臓発作情報を送信する。更なる実施例において、車両110が非自律運転モードで動作している間に緊急事態が検出された場合、応答決定モジュール320は、利用可能な場合、車両110の自律運転モードを自動的に開始することができる。追加の一部の実施例において、車両110は、車車間(V2V)通信を通して、車両110と同じ地理的エリア(例えば地理的エリア180)内の他の車両と通信することができる。このような実施例において、車両110は、病院又は他の適切な医療施設への最良の及び/又は最速のルートを生成するため、V2V通信を使用することができる。
【0058】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態に係る
図1~5のシステムを動作させる方法のフローチャートである。
図7に例示されている1つのこのような実施形態において、該方法は、概して参照番号700によって言及され、一組の動作又はステップ702~720として例示され、
図1~5を継続的に参照しながら説明される。方法700の全ての実施形態において、例示されたステップ702~720の全てが行なわれなくてもよい。更に、
図7で明示的に例示されていない1つ以上のステップを、ステップ702~720の前、後、間に又はその一部として含み入れることが可能である。いくつかの実施例において、ステップ702~720の1つ以上は、少なくとも部分的に、1つ以上のプロセッサにより実行されたときに1つ以上のプロセッサにプロセスの1つ以上を行なわせることのできる非一時的で有形の機械可読媒体上に記憶された実行可能なコードの形で実装可能である。1つ以上の実施形態において、ステップ702~720は、
図1からの検出システム100によって行なわれ得る。
【0059】
1つのこのような実施形態において、
図7に例示されているように、該方法は概して、参照番号700によって言及されており、ステップ702において、基準値を創出するために使用されるべき車両(例えば車両110)の乗員の生理特性を検出するステップを含む。上記で
図6に関して論述した通り、いくつかの実施例において、生理特性は、センサ116を用いて検出される(
図2参照)。一部の実施例において、センサ116は、車両110の乗員に対応する検出された生理特性測定値を、車両110のプロファイル生成モジュール114に送信する。生理特性測定値は、プロファイル生成モジュール114の受信機113によって受信され得る。受信機113は、次に、更なる分析及び処理のためにセンサ処理モジュール115に対して生理特性測定値を出力し得る。一部の実施形態において、生理特性測定値は、
図4Aに関して以上で論述した生理特性(例えば1つ以上の表情210a、姿勢210b、身体動作210c、心拍数210d、呼吸数210e、把持圧力210f及び手掌の水分レベル210g)のうちのいずれか1つに対応することができる。
【0060】
一部の実施形態において、ステップ704で、車両の生理特性の検出中又は検出後に、生理特性についての基準値が決定される。
図6に関して以上で論述した通り、一部の実施形態において、プロセッサ318は、車両110のドライバの心拍数210dであり得る生理特性についての基準値を決定する。いくつかの実施例において、プロセッサ318は、メモリ316内に記憶され得る履歴的生理特性データ(例えば履歴的生理特性測定値)と受信した生理特性データ(例えば生理特性測定値)を継続的に比較することによって、生理特性についての基準値を決定するために1つ以上の機械学習アルゴリズムを実装するように構成されている。いくつかの実施例において、プロセッサ318が生理特性(例えば心拍数210d)についての基準値を決定した後に、プロセッサ318は、ディレクトリ172に基準値を送信することができ、ここで基準値は基準値アーカイブ176内に記憶され得る(
図5参照)。一部の実施形態において、車両110に対応する各生理特性についての基準値は、基準値アーカイブ内に記憶される。したがって、いくつかの実施例において、問題状態検出モジュール310は、各々の新たに受信した生理特性測定値を基準値アーカイブ176内に記憶された基準値と比較する。
【0061】
一部の実施例において、ステップ706で、生理特性についての基準値の決定中又は決定後に、現在の生理特性測定値が受信される。一部の実施形態において、現在の生理特性は、上述のように、センサ116の1つ以上によって検出される。例えば、上述のように、心拍数センサ116bは、車両110のドライバの心拍数測定値210dを検出、監視及び/又は記録するように構成されている。
【0062】
いくつかの実施例において、ステップ708で、現在の生理特性測定値の受信中又は受信後に、検出システム100は、現在の生理特性測定値がその特定の生理特性についての基準値の外側にあるか否かを決定する。一部の実施例において、問題状態検出モジュール310のプロセッサ318は、現在の生理特性測定値をその特定の生理特性についての決定された基準値と比較する。限定的であるように意図されていない1つの実施例において、検出システム100は、車両110のドライバの心拍数210dについての基準値が、毎分60回(BPM)から65BPMの間の範囲であると決定することができる。例えば、プロセッサ318は次に、現在検出された心拍数測定値210d(これは現在の生理特性測定値であり得る)を、例えば基準値アーカイブ176内に記憶されている可能性のある決定済の基準値と比較する。現在の心拍数測定値210dが、(例えば車両110のシートベルト内に位置し得る)心拍数センサ116bによって記録されるときに、60BPM未満又は65BPM超のいずれかである場合には、プロセッサ318は、現在の心拍数測定値210dが心拍数基準値の外側にあることを決定し、方法700はステップ710へと進む。心拍数センサ116bによって記録されるときに現在の心拍数測定値210dが、60BPM、65BPM又は60BPMと65BPMの間のいずれかのBPM測定値である場合には、プロセッサ318は、現在の心拍数測定値210dが心拍数基準値内であることを決定し、方法700はステップ702に戻る。
【0063】
一部の実施形態においては、ステップ710で、現在の生理特性測定値がその生理特性についての基準値の外側にあることの決定中又は決定後に、検出システム100は、別の車両(例えば車両120)の少なくとも一人の乗員の生理特性測定値と、現在の生理特性測定値を比較する。いくつかの実施例において、以上で論述されている通り、プロセッサ318は、偽陽性結果の発生を削減するために同じ地理的エリア(例えば地理的エリア180)内の1つ以上の車両内の1人以上の車両乗員の生理特性測定値を比較する。このような実施例において、プロセッサ318は、同じ地理的エリア内の2台の車両、3台の車両、4台の車両、5台の車両、10台の車両又は他の任意の好適な数の車両内の1人以上の車両乗員の生理特性測定値を比較することができる。このような実施例において、例えば車両120についての生理特性データは、プロファイルデータベース170のディレクトリ174内に記録され得る。代替的な実施例において、例えば、車両120についての生理特性データは、サーバ160の問題状態検出モジュール310のメモリ316内に記憶され得る。
【0064】
一部の実施例において、ステップ712で、別の車両(例えば車両120)の少なくとも1人の乗員の生理特性と車両110のドライバの現在の生理特性測定値の比較中又は比較の後に、検出システム100は、比較された生理特性測定値が類似のものであるか否かを決定する。いくつかの実施形態において、この決定は、問題状態検出モジュール310のプロセッサ318によって行なわれる。
【0065】
限定的であるように意図されていない実施例においては、プロセッサ318は、車両110のドライバの現在の心拍数測定値210dと車両120のドライバの現在の心拍数測定値を比較することができる。プロセッサ318は同様に、車両110のドライバの現在の心拍数測定値210dと、地理的エリア180内に位置し得る他の任意の1つ以上の車両のドライバの現在の心拍数測定値をも比較することができる。車両110のドライバの現在の心拍数測定値210dは、120BPMとして記録され得、これは、上述のように、心拍数測定値についての60BPM~65BPMの基準値のはるか外側にある値である。この心拍数の増加は、ドライバが心臓緊急事態に陥っていることを示すものであり得、又はそれは、例えばドライバが突然驚愕したことを示すものであり得る。したがって、検出システム100は、車両110のドライバが実際に医療的緊急事態に陥っているか否かを決定するために、同じ地理的エリア内の他のドライバの心拍数測定値と車両110のドライバの心拍数測定値210dを比較する。一部の実施形態において、車両110のドライバの心拍数210dが高くなり、しかも地理的エリア180内の他のドライバの心拍数が高くなっていない場合、これは車両110のドライバが心臓発作などの医療的緊急事態に陥っていることを示すものであり得る。一方で、一部の実施例において、車両110のドライバの心拍数210dが高く、地理的エリア180内の他のドライバの心拍数も同様に高くなっている場合、これは車両110のドライバが医療的緊急事態に陥っていないことを示すものであり得る。このような実施例では、これは、高い心拍数を有するドライバが驚愕事象(例えば車の衝突、突然の近傍の落雷など)に遭遇したことを示すものであり得る。車両110のドライバの心拍数測定値210dが、例えば車両120のドライバの心拍数測定値よりもはるかに高い場合(例えば120BPMと64BPMの比較)には、プロセッサ318は、心拍数測定値が類似でないことを決定し、方法700はステップ714へ進む。車両110のドライバの心拍数測定値210dが例えば車両120のドライバの心拍数測定値に近い場合(例えば120BPMと115BPMの比較)には、プロセッサ318は、心拍数測定値が類似していることを決定し、方法700はステップ702に戻る。
【0066】
一部の実施例において、ステップ714で、車両乗員の生理特性測定値が別の車両の乗員の生理特性測定値に類似するものでないことの決定中又は決定後に、車両(例えば車両110)の環境条件が分析される。いくつかの実施例において、環境条件は、車両(例えば車両110)が直面する運転条件であり得る。いくつかの実施形態において、現在の生理特性測定値が基準値の外側にある場合でも、検出システム100が行なったいずれかの最終的決定が精確であることを保証するために、更なる検証ステップが発生し得る。このような実施形態においては、
図6に関して以上で論述した通り、車両110の環境特性測定値が検出され分析される。いくつかの実施形態において、環境特性は、環境センサ118を用いて検出される(
図2参照)。一部の実施例において、環境センサ118は、車両110に対応する検出された環境特性測定値を車両110のプロファイル生成モジュール114に送信する。一部の実施例において、環境特性測定値は、プロファイル生成モジュール114の受信機113によって受信される。受信機113はこのとき、更なる分析及び処理のため、環境特性測定値をセンサ処理モジュール115へと出力する。一部の実施形態において、環境特性測定値は、
図4Bに関して上述した環境特性(例えば危険条件に対する近接性220a、道路条件220b、トラクション220c、外部温度220d、内部温度220e、GPS位置220f、雨レベル220g、及び速度220h)のいずれか1つに対応し得る。
【0067】
一部の実施形態において、ステップ716で、車両110の環境条件の分析中又は分析後に、検出システム100は、環境条件が正常であるか異常であるかを決定する。いくつかの実施例において、この決定は、問題状態検出モジュール310のプロセッサ318によって行なわれ得る。
【0068】
例えば、車両110のドライバの心拍数210dが高くなっており、且つ地理的エリア180内の他の車両の乗員の心拍数が高くなっていない場合、これは、車両110が、他の車両(例えば車両120)が直面しなかった異常な環境条件に直面したことを示すものであり得る。限定するものではい実施例として、車両120がトラクションを失っていないかもしれないのに、車両110は、例えばトラクションセンサ118bにより検出されたときに、トラクションを突然失う可能性がある。このような実施例において、車両110についてのこのトラクションの喪失は、車両110のドライバの心拍数の増加をひき起こし得るが、車両120のドライバの心拍数は、車両120が異常な環境条件(例えばトラクションの喪失)に直面しなかったために増加していない可能性がある。車両110のドライバの心拍数210dが車両120のドライバの心拍数と類似していないものの、車両110の環境条件が異常である実施形態において、検出システム100は、車両110のドライバが医療的緊急事態に陥っていないことを決定することができる。したがって、例えば、トラクションセンサ118bが突然のトラクション喪失を検出せず、しかも他の異常な環境条件が全く存在しない場合には、プロセッサ318は、車両110の環境条件が異常でない(すなわち環境条件が正常である)ことを決定することができ、方法700はステップ716へと進む。他方で、トラクションセンサ118bが例えば突然のトラクション喪失を検出した場合には、プロセッサ318は、車両110の環境条件が異常であることを決定することができ、方法700はステップ702まで戻る。
【0069】
一部の実施形態において、ステップ718で、車両110の環境条件が正常であることの決定中又は決定後に、緊急応答が決定される。一部の実施例において、
図6に関して上述された通り、応答決定モジュール320のプロセッサ324は、緊急応答を決定する。緊急応答は、車両110の乗員に対応する検出された生理特性測定値及び車両110に対応する検出された環境特性測定値にしたがって調整可能である。限定するものではない実施例として、車両110のドライバが心臓発作に襲われている場合、プロセッサ324は、適切な応答が病院、救急車及び車両110のドライバの緊急連絡先に連絡することであることを決定し得る。プロセッサ324は、利用可能な場合には、道路脇に向かって車両110を自動運転するか又は車両110を近傍の病院まで運転する目的で、車両110を非自律運転モードから自律運転モードへと切換えるべきであることも決定することができる。一部の実施形態において、応答決定モジュール320は、車両110のプロファイル生成モジュール114に対して決定された緊急応答を送信する。
【0070】
ステップ720において、緊急応答の決定中又は決定後に、緊急応答が開始される。
図6に関して以上で論述したように、プロファイル生成モジュール114は緊急応答を開始することができる。例えば、車両110のドライバが心臓発作に襲われている場合、応答決定モジュール320は、自動的に移動を停止させ、ハザード信号を起動させ、サーバ160にGPS信号を送信するべく車両110に指令を出すようにプロファイル生成モジュール114に命令することができる。一部の実施形態において、サーバ160は、病院、救急車、消防車及び他の類似の緊急時対応要員に接続されており、これらに対して心臓発作情報を送信する。更なる実施例では、車両110が非自律運転モードで動作している間に緊急事態が検出された場合、応答決定モジュール320は、利用可能な場合、車両110の自律運転モードを自動的に開始することができる。追加の一部の実施例において、車両110は、車車間(V2V)通信を通して車両110と同じ地理的エリア(例えば地理的エリア180)内の他の車両と通信することができる。このような実施例において、車両110は、病院又は他の適切な医療施設への最良の及び/又は最速のルートを生成するためにV2V通信を使用することができる。
【0071】
一部の実施形態において、コンピュータシステムが典型的に、少なくとも、機械可読命令を実行する能力を有するハードウェア、並びに、所望の結果をもたらす行為を実行するためのソフトウェア(典型的には機械可読命令)を含む。一部の実施形態において、コンピュータシステムは、ハードウェア及びソフトウェアのハイブリッド、並びにコンピュータサブシステムを含み得る。
【0072】
一部の実施形態において、ハードウェアは概して、少なくともプロセッサ可能プラットフォーム、例えばクライアントマシン(パーソナルコンピュータ又はサーバとしても知られている)及び手持ち式処理デバイス(例えばスマートホン、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータデバイス(PCD)など)を含む。一部の実施形態において、ハードウェアは、メモリ及び他のデータ記憶デバイスなどの、機械可読命令を記憶する能力をもつ任意の物理的デバイスを含み得る。一部の実施形態において、他の形態のハードウェアには、モデム、モデムカード、ポート及びポートカードなどの転送デバイスを含めたハードウェアサブシステムが含まれる。
【0073】
一部の実施形態において、ソフトウェアは、RAM又はROMなどの任意の記憶媒体中に記憶された任意のマシンコード、及び他のデバイス(例えばフロッピディスク、フラッシュメモリ又はCDROMなど)に記憶されたマシンコードを含む。一部の実施形態において、ソフトウェアは、ソース又はオブジェクトコードを含み得る。一部の実施形態において、ソフトウェアは、例えばクライアントマシン又はサーバ上などのノード上で実行可能な任意の命令セットを包含する。
【0074】
一部の実施形態において、本開示の一定の実施形態のための増強された機能性及び性能を提供するために、ソフトウェア及びハードウェアの組合せを使用することもできると考えられる。一実施形態において、シリコンチップ内に直接ソフトウェア機能を製造することができる。したがって、ハードウェアとソフトウェアの組合せも同様にコンピュータシステムの定義中に含まれ、したがって、考えられる等価の構造及び等価の方法として本開示により企図されるということを理解すべきである。
【0075】
一部の実施形態において、コンピュータ可読媒体は例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの受動的データ記憶装置、並びにコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)などの半永久的データ記憶装置を含む。本開示の1つ以上の実施形態は、標準的コンピュータを新規の特定の計算機へと変換するため、コンピュータのRAM内で具体化され得る。一部の実施形態において、データ構造は、本開示の一実施形態を可能にし得るデータの定義された組織である。一実施形態において、データ構造は、データの組織又は実行可能なコードの組織を提供し得る。
【0076】
一部の実施形態において、いずれのネットワーク及び/又はその1つ以上の部分も、任意の具体的アーキテクチャ上で機能するように設計可能である。一実施形態において、いかなるネットワークの1つ以上の部分も単一のコンピュータ、ローカルエリアネットワーク、クライアント-サーバネットワーク、広域ネットワーク、インタネット、手持ち式及び他の携帯式及び無線のデバイス及びネットワーク上で実行可能である。
【0077】
一部の実施形態において、データベースは、例えばOracle(登録商標)、Microsoft Access(登録商標)、SyBase(登録商標)又はDBaseII(登録商標)などの任意の標準の又は非標準のデータベースであり得る。一部の実施形態において、データベースは、データベース特定的ソフトウェアを通して結び付けられ得るフィールド、記録、データ及び他のデータベース要素を有し得る。一部の実施形態において、データはマッピング可能である。一部の実施形態において、マッピングは、一つのデータ入力を別のデータ入力と結び付けるプロセスである。一実施形態において、特性ファイルの場所に格納されたデータは、第2のテーブル内のフィールドに対してマッピングされ得る。一部の実施形態において、データベースの物理的な場所は、非限定的であり、データベースは分散型であり得る。一実施形態において、データベースは、サーバから遠隔に存在し、別個のフラットフォーム上で実行する。一実施形態において、データベースはインタネットを横断してアクセス可能であり得る。一部の実施形態において、2つ以上のデータベースを実装することができる。
【0078】
一部の実施形態において、コンピュータ可読媒体上に記憶された複数の命令を1つ以上のプロセッサによって実行して、上述のシステム、方法及び/又はそれらの組合せの各々の上述の動作を、1つ以上のプロセッサに全体的に又は部分的に実施又は実装させることが可能である。一部の実施形態において、このようなプロセッサは、上述のシステムの構成要素の一部である任意のプロセッサの1つ以上及び/又はそれらの任意の組合せを含むことができ、このようなコンピュータ可読媒体は、上述のシステムの1つ以上の構成要素の間に分散していてよい。一部の実施形態において、このようなプロセッサは、仮想コンピュータシステムと関連する複数の命令を実行することができる。一部の実施形態において、このような複数の命令は、1つ以上のプロセッサと直接通信でき、且つ/又は1つ以上のオペレーティングシステム、ミドルウェア、ファームウェア、他のアプリケーション及び/又はその任意の組合せと対話して、1つ以上のプロセッサに命令を実行させることができる。
【0079】
本開示の範囲から逸脱することなく、前述のものに対して変更を加えることが可能であるということが理解される。
【0080】
いくつかの実施形態において、さまざまな実施形態の要素及び教示を、実施形態のいくつか又は全ての中で全体的に又は部分的に組合せることができる。更に、さまざまな実施形態の要素及び教示の1つ以上を、少なくとも部分的に削除することができ、且つ/又はさまざまな実施形態の他の要素及び教示の1つ以上と少なくとも部分的に組合せることが可能である。
【0081】
あらゆる空間的言及、例えば「上部」、「下部」、「上方」、「下方」、「~の間」、「底部」、「垂直な」、「水平な」、「角度的」、「上向き」、「下向き」、「並置して」、「左から右へ」、「右から左へ」、「頂部から底部へ」、「底部から頂部へ」、「頂部」、「底部」、「ボトムアップ」、「トップダウン」などは、単に例示を目的とするものであり、上述の構造の具体的配向又は場所を限定するものではない。
【0082】
いくつかの実施形態において、異なるステップ、プロセス及び手順が個別の行為に見えるように説明されているものの、ステップの1つ以上、プロセスの1つ以上、及び/又は手順の1つ以上を、異なる順序で、同時に、及び/又は連続的に行なうことも同様に可能である。いくつかの実施形態において、ステップ、プロセス及び/又は手順を、1つ以上のステップ、プロセス及び/又は手順へと統合することができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、各実施形態内の動作ステップの1つ以上を削除することができる。その上、いくつかの事例においては、本開示のいくつかの特徴を、他の特徴の対応する使用無く利用することができる。その上、上述の実施形態及び/又は変形形態の1つ以上を、他の上述の実施形態及び/又は変形形態のいずれか1つ以上と、全体的に又は部分的に組合せることができる。
【0084】
いくつかの実施形態について以上で詳述してきたが、説明した実施形態は単に例示的なものにすぎず、当業者であれば、本開示の新規の教示及び利点から著しく逸脱することなく、実施形態における他の多くの修正、変更及び/又は置換が可能であるということを容易に認識するものである。したがって、このような修正、変更及び/又は置換は全て、以下のクレーム中で定義されている本開示の範囲内に含まれるように意図されている。クレーム中、あらゆるミーンズ・プラス・ファンクション条項は、列挙された機能を行なうものとして本明細書中に記載されている構造そして、構造的等価物のみならず等価の構造も網羅するように意図されている。その上、「手段」なる用語を付随する機能と共に明示的に使用しているクレームを除いて、本明細書中のクレームのいずれかの何らかの制限のために35U.S.C.§112、第6項を喚起しないことが、借用者の明示的な意図である。
本明細書は以下の態様を含む。
<態様1>
問題のある健康状態を検出するためのシステムであって、
車両であって、
車両の乗員の生理特性を検出するように構成されたセンサと、
前記車両の環境特性を検出するように構成された環境センサと、
メモリを含むプロファイル生成モジュールであって、
前記メモリ内に前記車両の前記乗員に対応する生理特性測定値を記憶し、
前記メモリ内に前記車両に対応する環境特性測定値を記憶し、
前記生理特性測定値及び前記環境特性測定値を送信する
ように構成されたプロファイル生成モジュールと、
を含む車両と、
サーバであって、
前記車両の前記乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと前記生理特性測定値とを比較し、ここで前記データベースには、前記車両の前記乗員の履歴的生理特性データが含まれており、
前記車両の前記乗員の前記履歴的生理特性データと前記生理特性測定値との比較に基づいて、前記車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定する
ように構成されたサーバと、
を含むシステム。
<態様2>
前記サーバは、更に、
前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあるか否かを決定する、
ように構成されている、態様1に記載のシステム。
<態様3>
第2の車両であって、
前記第2の車両の乗員の生理特性を検出するように構成されたセンサと、
前記第2の車両の環境特性を検出するように構成された環境センサと、
メモリを含むプロファイル生成モジュールであって、
前記メモリ内に前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値を記憶し、
前記メモリ内に前記第2の車両に対応する環境特性測定値を記憶し、
前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値及び前記第2の車両に対応する前記環境特性測定値を送信する
ように構成されたプロファイル生成モジュールと、
を含む第2の車両を更に含む、態様1に記載のシステム。
<態様4>
前記サーバが更に、
前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値とを比較し、ここで前記データベースには、前記第2の車両の前記乗員の履歴的生理特性データが含まれており、
前記第2の車両の前記乗員の前記履歴的生理特性データと前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値との比較に基づいて、前記第2の車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定する
ように構成されている、態様3に記載のシステム。
<態様5>
第2の車両の乗員の生理特性を検出するように構成されたセンサを含む第2の車両を更に含み、
前記サーバは更に、
前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値と前記車両の前記乗員に対応する生理特性測定値とを比較し、
前記車両の乗員に対応する前記生理特性測定値が前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値と類似しているか否かを決定する
ように構成されている、態様1に記載のシステム。
<態様6>
前記サーバは更に、
前記車両に対応する前記環境特性測定値を受信し、
前記車両に対応する前記受信した環境特性に基づいて、前記車両の環境条件が異常であるか否かを決定する
ように構成されている、態様1に記載のシステム。
<態様7>
前記サーバが更に、
前記車両の前記環境条件が正常であるという決定に基づいて、前記車両の前記乗員が、問題のある健康状態に陥っていることを決定し、
応答を決定し、且つ
前記応答を送信する
ように構成されている、態様6に記載のシステム。
<態様8>
前記車両の前記プロファイル生成モジュールが更に前記応答を開始するように構成されており、
前記サーバが更に緊急サービスに連絡をとるように構成されている、態様7に記載のシステム。
<態様9>
前記センサが、車載カメラ、心拍数センサ、運動センサ、圧力センサ又は水分センサのうちの少なくとも1つを含む、態様1に記載のシステム。
<態様10>
前記車両が、前記心拍数センサを含むシートベルトを更に含み、前記心拍数センサが前記車両の前記乗員の心拍数を測定するように構成されている、態様9に記載のシステム。
<態様11>
問題のある健康状態を検出するためのシステムであって、
車両であって、
車両の乗員の生理特性を検出するように構成されたセンサと、
前記車両の環境特性を検出するように構成された環境センサと、
メモリを含むプロファイル生成モジュールと、
を含む車両と、
サーバであって、
前記車両の前記乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと、前記車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値とを比較し、ここで前記データベースには、前記車両の前記乗員の履歴的生理特性データが含まれており、
前記車両の前記乗員の前記履歴的生理特性データと前記車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値との比較に基づいて、前記車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定し、
前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあるか否かを決定し、
環境特性が異常であるか否かを決定し、
前記車両の前記乗員が問題のある健康状態に陥っているか否かを決定する
ように構成されたサーバと、
を含むシステム。
<態様12>
前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあるか否かを決定することが、前記生理特性測定値と前記基準値との間の比較に基づいている、態様11に記載のシステム。
<態様13>
第2の車両であって、
前記第2の車両の乗員の生理特性を検出するように構成されたセンサと、
前記第2の車両の環境特性を検出するように構成された環境センサと、
メモリを含むプロファイル生成モジュールと、
を含む第2の車両を更に含む、態様11に記載のシステム。
<態様14>
前記サーバが更に、
前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値のデータベースと前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値とを比較し、ここで前記データベースには、前記第2の車両の前記乗員の履歴的生理特性データが含まれており、
前記第2の車両の前記乗員の前記履歴的生理特性データと前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値との比較に基づいて、前記第2の車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定する
ように構成されている、態様13に記載のシステム。
<態様15>
前記サーバが更に、
前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値と前記車両の前記乗員に対応する生理特性測定値とを比較し、
前記車両の乗員に対応する前記生理特性測定値が前記第2の車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値と類似しているか否かを決定し、
前記車両に対応する前記環境特性測定値と前記第2の車両に対応する前記環境特性測定値の間の比較に基づいて、前記車両に対応する前記環境特性測定値が異常であるか否かを決定する
ように構成されている、態様14に記載のシステム。
<態様16>
前記車両の前記乗員が問題のある健康状態に陥っていることを決定することが、
前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあることを決定することと、
前記車両の前記乗員に対応する前記生理特性測定値が、第2の車両の乗員の生理特性測定値と異なることを決定することと、
前記環境特性測定値が正常であることを決定することと、
を含む、態様11に記載のシステム。
<態様17>
問題のある健康状態を検出するための方法であって、
車両の乗員の生理特性を検出することと、
前記車両の環境特性を検出することと、
前記車両のプロファイル生成モジュールによって、前記車両の前記乗員に対応する生理特性測定値及び前記車両に対応する環境特性測定値を送信することと、
前記車両の前記乗員の生理特性測定値のデータベースと前記生理特性測定値とを比較することであって、前記データベースには、前記車両の前記乗員の履歴的生理特性データが含まれていることと、
前記車両の前記乗員の前記履歴的生理特性データと前記生理特性測定値との比較に基づいて、前記車両の前記乗員の前記生理特性についての基準値を策定することと、
を含む方法。
<態様18>
前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあるか否かを決定することを更に含む、態様17に記載の方法。
<態様19>
前記生理特性測定値が前記基準値の外側にあり且つ前記環境特性測定値が正常であることの決定に基づいて、前記車両の前記乗員が問題のある健康状態に陥っていることを決定することと、
応答を決定することと、
前記応答を送信することと、
前記車両の前記プロファイル生成モジュールによって前記応答を開始するステップと、
を更に含む、態様17に記載の方法。
<態様20>
問題のある健康状態を検出するためのシステムであって、
地理的エリア内の第1の車両であって、
前記第1の車両の乗員の生理特性と、
前記第1の車両の環境特性と、
を検出するように構成されている第1の車両と、
前記地理的エリア内の第2の車両であって、
前記第2の車両の乗員の生理特性と、
前記第2の車両の環境特性と、
を検出するように構成されている第2の車両と、
前記第2の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値と前記第1の車両の前記乗員に対応する生理特性測定値とを比較し、
前記比較に基づいて、前記第1の車両の前記乗員が問題のある健康状態に陥っていることを決定し、
応答を決定する
ように構成されているサーバと、
を含むシステム。