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特許7519221置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび医療疾患の治療におけるその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび医療疾患の治療におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20240711BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20240711BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240711BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
C07D487/04 142
C07D487/04 CSP
A61K31/519
A61P3/00
A61P3/10
A61P13/12
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/18
A61P25/20
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/28
A61P27/06
A61P35/00
C07D519/00 311
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020119444
(22)【出願日】2020-07-10
(62)【分割の表示】P 2017544549の分割
【原出願日】2015-11-06
(65)【公開番号】P2020183410
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-08-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】62/076,062
(32)【優先日】2014-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522314407
【氏名又は名称】ビアル-アール・アンド・ディ・インベストメンツ・ソシエダーデ・アノニマ
【氏名又は名称原語表記】BIAL - R&D Investments, S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】レナート・ティ・スケルリ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ティ・ランズベリー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・シー・グッド
(72)【発明者】
【氏名】エリーズ・マリー・ジョゼ・ブルク
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】瀬良 聡機
【審判官】冨永 保
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-544893(JP,A)
【文献】特許第6734860(JP,B2)
【文献】RN 1424311-75-0 REGISTRY、DATABASE REGISTRY [ONLINE]RETRIEVED FROM STN、2013年3月15日、検索日:2021年8月12日
【文献】Journal of Medicinal Chemistry、2012年、Vol.55、No.12、P.5734~5748
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAPLUS STN,REGISTRY STN
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
(式中、
は、独立して、各存在に対して、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表し;
、水であり
は、独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
、-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカーであり;
は、Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、C3~10シクロアルキルであり;
は、-O-(C1~7アルキル)であり;
は、独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、C2~4アルキニル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル置換C3~6シクロアルキルを表し;ならびに
nは、1、2、または3である)
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、メチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが、2である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記R基が、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルの5位および7位に位置する、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が、それぞれ独立して、各存在に対して、水素、メチル、またはエチルを表す、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、-C(O)N(H)-Ψである、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
のいずれかの存在が、独立して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、またはヒドロキシルである、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
のいずれかの存在が、独立して、C1~3アルキルである、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
が、-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルである、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が、Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されているC5~10シクロアルキルである、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
が、Yによって1回およびYの0~1個の存在によって置換されているC3~7シクロアルキルである、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
式I-A:
【化2】
(式中、
は、独立して、メチル、シクロプロピル、またはイソプロピルであり;
は、水素であり;
は、独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は、Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、C3~10シクロアルキルであり;
は、-O-(C1~7アルキル)であり;ならびに
は、独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル置換C3~6シクロアルキルを表す)
で示される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
が、メチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
のいずれかの存在が、独立して、C1~3アルキル、ハロゲン、またはC1~3ハロアルキルである、請求項1または1に記載の化合物。
【請求項15】
ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、多系統萎縮症、癲癇、双極性障害、精神分裂病、不安障害、大鬱病、多発性嚢胞腎、2型糖尿病、開放隅角緑内障、多発性硬化症、および多発性骨髄腫からなる群から選択される障害を治療するための、請求項1から1のいずれか一項に記載の化合物を含む、経口投与のために製剤化された医薬組成物。
【請求項16】
前記障害が、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記障害が、ゴーシェ病である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記障害が、パーキンソン病である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記障害が、レビー小体病である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記障害が、認知症である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記障害が、多系統萎縮症である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記障害の治療が、前記化合物またはその医薬的に許容される塩をヒトに投与することを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2014年11月6日出願の米国仮特許出願第62/076,062号明細書の利益および優先権を主張する。
【0002】
本発明は、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連する有機化合物、かかる化合物を含有する組成物、医療キット、および患者における医療疾患を治療するためにかかる化合物および組成物を使用する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
ゴーシェ病は、リソソーム酵素、グルコセレブロシダーゼの欠損に伴う遺伝的障害である。ゴーシェ病は、一般人口において出生数20,000人に約1人の発生率を有すると報告されており、一般的なリソソーム蓄積障害である。この疾患を有する患者の現在の治療としては、費用が高い傾向がある酵素補充療法、骨痛緩和のための鎮痛薬、血液および血小板輸血などの医療処置、骨びらんの経験を持つ患者のための関節置換術が挙げられる。しかしながら、より広範囲の患者にわたって有効性が向上し、かつ/または有害な副作用が低減された、新たな治療の選択肢が必要とされている。
【0004】
グルコセレブロシダーゼをコードする遺伝子における変異は、パーキンソン病およびびまん性レビー小体病の危険因子でもある。パーキンソン病は、中脳領域におけるドーパミン含有細胞の死に伴う中枢神経系の変性障害である。何百万もの人がパーキンソン病に罹患しており、その疾患の罹患率は年齢と共に増加する。パーキンソン病の治療はしばしば、レボドパおよびドーパミンアゴニストの使用を伴う。しかしながら、これらの薬物は、幻覚、不眠、悪心、および便秘などの著しい副作用を引き起こし得る。さらに、患者はこれらの薬物に対して耐性が生じることが多く、時にジスキネジアと呼ばれる運動障害の副作用も生じると同時に、薬物が疾患の症状の治療で無効となってくる。時として、びまん性レビー小体病は、アルツハイマー病と混同されることがある認知症である。
【0005】
したがって、ゴーシェ病、パーキンソン病、および関連する医療疾患を治療するための新規な治療薬が必要とされる。本発明は、この必要性に取り組み、他の関連する利点を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連する有機化合物、かかる化合物を含有する組成物、医療キット、ならびに医療疾患、例えば、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、多系統萎縮症、癲癇、双極性障害、精神分裂病、不安障害、大鬱病、多発性嚢胞腎、2型糖尿病、開放隅角緑内障、多発性硬化症、および多発性骨髄腫を患者において治療するために、かかる化合物および組成物を使用する方法を提供する。本発明の種々の態様および実施形態は、以下にさらに詳細に記述されている。
【0007】
したがって、本発明の一態様は、その方法で使用され得る、式Iによって包含される、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連する有機化合物のファミリー、組成物、および本明細書に記載のキット、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式Iは、
【化1】
によって表され、その変数は、詳細な説明において定義されるとおりである。本発明の更なる一般的な式および具体的なピラゾロ[1,5-a]ピリミジンは、詳細な説明および実施例において記述される。
【0008】
本発明の他の態様は、薬学的に許容される担体および置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは式Iの化合物など、本明細書に記載の関連する有機化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明の他の態様は、患者における障害を、例えば、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、多系統萎縮症、癲癇、双極性障害、精神分裂病、不安障害、大鬱病、多発性嚢胞腎、2型糖尿病、開放隅角緑内障、多発性硬化症、および多発性骨髄腫を治療する方法を提供する。その方法は、障害を、例えば、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、多系統萎縮症、癲癇、双極性障害、精神分裂病、不安障害、大鬱病、多発性嚢胞腎、2型糖尿病、開放隅角緑内障、多発性硬化症、および多発性骨髄腫を治療するために、治療有効量の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは式Iの化合物など、本明細書に記載の関連する有機化合物を、その必要がある患者に投与することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連する有機化合物、かかる化合物を含有する組成物、医療キット、ならびに患者の医療疾患を治療するために、かかる化合物および組成物を使用する方法を提供する。本発明の実施では、別段の指定がない限り、有機化学、薬理学、細胞生物学およびバイオ科学の従来に技術を用いる。かかる技術は、Comprehensive Organic Synthesis(B.M.Trost & I.Fleming,eds.,1991-1992);Current protocols in molecular biology(F.M.Ausubel et al.,eds.,1987,and periodic updates);およびCurrent protocols in immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991)などの文献で説明されており、その文献それぞれの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の種々の態様は、以下のセクションに記載されているが、特定の1つのセクションに記載の本発明の態様は、特定のいずれかのセクションに制限されない。
【0011】
I.定義
本発明の理解を助けるために、多くの用語およびフレーズが以下に定義される。
【0012】
本明細書で使用される、「1つ(a)」および「1つ(an)」は、「1つまたは複数の」を意味し、内容が不適当でない限り複数を含む。
【0013】
本明細書で使用される、「アルキル」という用語は、本明細書においてC~C12アルキル、C~C10アルキル、およびC~Cアルキルとそれぞれ呼ばれる、炭素原子1~12、1~10、または1~6個の直鎖または分枝鎖基など、飽和直鎖または分枝鎖炭化水素を意味する。例示的なアルキル基としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。
【0014】
「アルキレン」という用語は、アルキル基のジラジカルを意味する。例示的なアルキレン基は-CHCH-である。
【0015】
「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1つのハロゲンで置換されているアルキル基を意味する。例えば、-CHF、-CHF、-CF、-CHCF、-CFCF等である。
【0016】
本明細書で使用される、「ヘテロアルキル」という用語は、その少なくとも1つの炭素原子がOまたはS原子で置換されている「アルキル」基を意味する。ヘテロアルキルは、例えば、-O-C~C10アルキル基、-C~Cアルキレン-O-C~Cアルキル基、またはC~Cアルキレン-OH基であることができる。特定の実施形態において、「ヘテロアルキル」は、2~8員ヘテロアルキルであることができ、そのヘテロアルキルは、炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群から選択される原子2~8個を含有することを示す。また他の実施形態において、そのヘテロアルキルは、2~6員、4~8員、または5~8員ヘテロアルキル基(例えば、酸素および窒素の群から選択されるヘテロ原子1または2個を含有し得る)であり得る。特定の実施形態において、そのヘテロアルキルは、炭素原子1~3個が酸素原子で置換されている「アルキル」基である。ヘテロアルキル基の1つのタイプは「アルコキシル」基である。
【0017】
本明細書で使用される、「アルケニル」という用語は、本明細書においてC~C12アルケニル、C~C10アルケニル、およびC~Cアルケニルとそれぞれ呼ばれる、炭素原子2~12個、2~10個、または2~6個の直鎖または分枝鎖基など、少なくとも1つの炭素間二重結合を有する不飽和直鎖または分枝鎖炭化水素を意味する。例示的なアルケニル基としては、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2-エチルヘキセニル、2-プロピル-2-ブテニル、4-(2-メチル-3-ブテン)-ペンテニル等が挙げられる。
【0018】
本明細書で使用される、「アルキニル」という用語は、本明細書においてC~C12アルキニル、C~C10アルキニル、およびC~Cアルキニルとそれぞれ呼ばれる、炭素原子2~12個、2~10個、または2~6個の直鎖または分枝鎖基など、少なくとも1つの炭素間三重結合を有する不飽和直鎖または分枝鎖炭化水素を意味する。例示的なアルキニル基としては、エチニル、プロプ-1-イン-1-イル、およびブト-1-イン-1-イルが挙げられる。
【0019】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書において例えば、シクロアルカンから誘導される「C4~8シクロアルキル」と呼ばれる、炭素3~12、3~8、4~8、または4~6個の一価飽和環状、二環式、または架橋環状(例えば、アダマンチル)炭化水素基を意味する。例示的なシクロアルキル基としては、限定されないが、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロブタンおよびシクロプロパンが挙げられる。別段の指定がない限り、シクロアルキル基は任意に、1つまたは複数の環位置にて例えば、アルカノイル、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミジノ、アミノ、アリール、アリールアルキル、アジド、カルバメート、カーボネート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、イミノ、ケトン、ニトロ、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、スルフェート、スルフィド、スルホンアミド、スルホニルまたはチオカルボニルで置換される。シクロアルキル基を他のシクロアルキル、アリール、またはヘテロシクリル基に縮合することができる。特定の実施形態において、シクロアルキル基は置換されておらず、つまり未置換である。
【0020】
「シクロアルキレン」という用語は、シクロアルキル基のジラジカルを意味する。例示的なシクロアルキレン基は、
【化2】
である。
【0021】
本明細書において使用される、「シクロアルケニル」という用語は、本明細書において例えば、シクロアルカンから誘導される「C4~8シクロアルケニル」と呼ばれる、1つの炭素間二重結合を含有する、炭素3~12個、3~8個、4~8個、または4~6個の一価不飽和環状、二環式、または架橋環状(例えば、アダマンチル)炭化水素基を意味する。例示的なシクロアルケニル基としては、限定されないが、シクロヘキセン、シクロペンテン、およびシクロブテンが挙げられる。別段の指定がない限り、シクロアルケニル基は任意に、例えば、アルカノイル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミジノ、アミノ、アリール、アリールアルキル、アジド、カルバメート、カーボネート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、イミノ、ケトン、ニトロ、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、スルフェート、スルフィド、スルホンアミド、スルホニルまたはチオカルボニルで、1つまたは複数の環位置にて置換される。特定の実施形態において、シクロアルケニル基は置換されておらず、つまり未置換である。
【0022】
「アリール」という用語は当技術分野では認識されており、炭素環式芳香族基を意味する。代表的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル等が挙げられる。「アリール」という用語は、2つ以上の炭素が2つの隣接する環(その環は「縮合環」である)に共通であり、その環の少なくとも1つが芳香族であり、例えばもう一方の1つまたは複数の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、および/またはアリールであり得る、2つ以上の炭素環式環を有する多環式環構造を含む。別段の指定がない限り、芳香族環は、1つまたは複数の環の位置にて例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、-C(O)アルキル、-COアルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部位、-CF、-CN等で置換され得る。特定の実施形態において、芳香族環は、1つまたは複数の環の位置にてハロゲン、アルキル、ヒドロキシル、またはアルコキシルで置換されている。他の特定の実施形態において、芳香族環は置換されておらず、つまり未置換である。特定の実施形態において、アリール基は6~10員環構造である。
【0023】
「アラルキル」という用語は、アリール基で置換されているアルキル基を意味する。
【0024】
「部分不飽和である二環式カルボシクリル」という用語は、環の原子間に少なくとも1つの二重結合を含有する二環式炭素環式基を意味し、二環式炭素環式基における少なくとも1つの環は芳香族ではない。部分不飽和である二環式カルボシクリルの代表的な例としては、例えば:
【化3】
が挙げられる。
【0025】
オルト、メタおよびパラという用語は当技術分野で認識されており、それぞれ1,2-、1,3-および1,4-二置換ベンゼンを意味する。例えば、1,2-ジメチルベンゼンおよびオルト-ジメチルベンゼンは同義である。
【0026】
「ヘテロシクリル」および「複素環式基」という用語は当技術分野で認識されており、その環構造が、窒素、酸素、および硫黄などのヘテロ原子1~4個を含む、飽和、部分不飽和、または芳香族3~10員環構造、その代わりに3~7員環が挙げられる。ヘテロシクリル基における環原子の数は、Cx~Cx命名法(xは、環原子の数を指定する整数である)を用いて指定することができる。例えば、C~Cヘテロシクリル基は、窒素、酸素、および硫黄などのヘテロ原子1~4個を含有する、飽和または部分不飽和3~7員環構造を意味する。「C~C」の表示は、環原子位置を占有する原子を含めて、複素環式環が合計3~7個の環原子を含有することを示す。Cヘテロシクリルの一例はアジリジニルである。複素環は、少なくとも1つの環が環ヘテロ原子を含有する、スピロ環式環構造など、単環式、二環式、または他の複数環式の環構造であってもよい。複素環は、1つまたは複数のアリール、部分不飽和、または飽和環に縮合され得る。ヘテロシクリル基としては、例えば、ビオチニル、クロメニル、ジヒドロフリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジチアゾリル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、イソキノリル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキソラニル、オキサゾリジニル、フェノキサンテニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリジン-2-オニル、ピロリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリル、チアゾリジニル、チオラニル、チオモルホリニル、チオピラニル、キサンテニル、ラクトン、ラクタム、例えばアゼチジノンおよびピロリジンオン、スルタム、スルトン等が挙げられる。別段の指定がない限り、複素環式環は任意に、アルカノイル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミジノ、アミノ、アリール、アリールアルキル、アジド、カルバメート、カーボネート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、イミノ、ケトン、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、スルフェート、スルフィド、スルホンアミド、スルホニルおよびチオカルボニルなどの置換基で1つまたは複数の位置にて置換される。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は置換されておらず、つまり未置換である。
【0027】
「二環式ヘテロシクリル」という用語は、互いに縮合されている2つの環を含有するヘテロシクリル基を意味する。二環式ヘテロシクリルの代表的な例としては、例えば:
【化4】
が挙げられる。特定の実施形態において、二環式ヘテロシクリルは、環原子8~10個を有する二環式環構造を共に形成する、部分不飽和複素環式環に縮合された炭素環式環である(例えば、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1、2、3、または4個が存在する)。
【0028】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、当技術分野で認識されており、上記で定義される飽和ヘテロシクリル基を意味する。特定の実施形態において、「ヘテロシクロアルキル」は、その環構造が窒素、酸素、および硫黄などのヘテロ原子1~4個を含む、3~10員環構造であり、その代わりとしては、3~7員環である。
【0029】
「ヘテロシクロアルキレン」という用語は、ヘテロシクロアルキル基のジラジカルを意味する。例示的なヘテロシクロアルキレン基は
【化5】
である。ヘテロシクロアルキレンは、例えば、3~6個の環原子を含有し得る(つまり、3~6員ヘテロシクロアルキレン)。特定の実施形態において、ヘテロシクロアルキレンは、酸素、窒素、および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1、2、または3個を含有する3~6員ヘテロシクロアルキレンである。
【0030】
「ヘテロアリール」という用語は、当技術分野で認識されており、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含む芳香族基を意味する。特定の場合において、ヘテロアリール基は、環ヘテロ原子1、2、3、または4個を含有する。ヘテロアリール基の代表的な例としては、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびピリミジニル等が挙げられる。別段の指定がない限り、ヘテロアリール環は、1つまたは複数の環位置にて、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、-C(O)アルキル、-COアルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部位、-CF、-CN等で置換され得る。「ヘテロアリール」という用語は、2つ以上の炭素が2つの隣接する環(その環は「縮合環」である)に共通であり、その環の少なくとも1つがヘテロ芳香族であり、例えばもう一方の1つまたは複数の環状環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、および/またはアリールであり得る、2つ以上の環を有する多環式環構造も含む。特定の実施形態において、ヘテロアリール環は、1つまたは複数の環位置にてロゲン、アルキル、ヒドロキシル、またはアルコキシルで置換される。他の特定の実施形態において、ヘテロアリール環は置換されておらず、つまり未置換である。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、その環構造が、窒素、酸素、および硫黄などのヘテロ原子1、2、3、または4個を含む、5~10員環構造であり、その代わりとしては、5~6員環構造である。
【0031】
「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリール基で置換されているアルキル基を意味する。
【0032】
「アミン」および「アミノ」という用語は、当技術分野で認識されており、未置換アミンと置換アミンのどちらも意味し、例えば、一般式-N(R50)(R51)(式中、R50およびR51はそれぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルケニル、アリール、アラルキル、または-(CH-R61を表し;またはそれらが結合されるN原子とひとまとめにされるR50およびR51は、環構造において原子4~8個を有する複素環を完成し;R61は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環または多環を表し;mは、ゼロまたは1~8の整数である)によって表される部位を意味する。特定の実施形態において、R50およびR51はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、または-(CH-R61を表す。
【0033】
「アルコキシル」または「アルコキシ」という用語は、当技術分野で認識されており、それに結合される酸素ラジカルを有する、上記で定義されるアルキル基を意味する。代表的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、t-ブトキシ等が挙げられる。「エーテル」は、酸素によって二重結合された2つの炭化水素である。したがって、-O-アルキル、-O-アルケニル、-O-アルキニル、-O-(CH-R61(mおよびR61は上述される)のうちの1つによって表されるような、アルキルにエーテルを付与するアルキルの置換基は、アルコキシルであるか、アルコキシルに似ている。
【0034】
本明細書で使用される、「カルバメート」という用語は、-ROC(O)N(R)-、-ROC(O)N(R)R-、または-OC(O)NRの形のラジカルを意味し、R、RおよびRはそれぞれ独立して、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、スルフィド、スルホニル、またはスルホンアミドである。例示的なカルバメートとしては、アリールカルバメートおよびヘテロアリールカルバメートが挙げられ、例えば、R、RおよびRのうちの少なくとも1つが独立して、フェニルおよびピリジニルなどのアリールまたはヘテロアリールである。
【0035】
本明細書で使用される、「カルボニル」という用語は、-C(O)-ラジカルを意味する。
【0036】
本明細書で使用される、「カルボキシアミド」という用語は、-C(O)NRR’ラジカルを意味し、RおよびR’は同一でも異なっていてもよい。RおよびR’は独立して、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ホルミル、ハロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり得る。
【0037】
本明細書で使用される、「カルボキシ」という用語は、-COOHラジカルまたはその相当する塩、例えば-COONa等を意味する。
【0038】
本明細書で使用される、「アミド(amide)」または「アミド(amido)」という用語は、-RC(O)N(R)-、-RC(O)N(R)R-、-C(O)NR、または-C(O)NHの形のラジカルを意味し、R、RおよびRはそれぞれ独立して、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、水素、ヒドロキシル、ケトン、またはニトロである。アミドは、炭素、窒素、R、R、またはRを介して他の基に結合されることができる。アミドは環状であってもよく、例えばRおよびR、RaおよびR、またはRおよびRを結合して、3~10員環または5~6員環などの3~12員環が形成され得る。
【0039】
本明細書で使用される、「アミジノ」という用語は、-C(=NR)NR’R’’の形のラジカルを意味し、R、R’、およびR’’はそれぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アリール、アリールアルキル、シアノ、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、またはニトロである。
【0040】
本明細書で使用される、「アルカノイル」という用語は、-O-CO-アルキルラジカルを意味する。
【0041】
「オキソ」という用語は、当技術分野で認識されており、「=O」置換基を意味する。例えば、オキソ基で置換されたシクロペンタンはシクロペンタノンである。
【0042】
本明細書で使用される、「スルホンアミド(sulfonamide)」または「スルホンアミド(sulfonamido)」という用語は、-N(R)-S(O)-R-または-S(O)-N(R)Rの構造を有するラジカルを意味し、R、およびRは例えば、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリルであり得る。例示的なスルホンアミドとしては、アルキルスルホンアミド(例えば、Rがアルキルである場合)、アリールスルホンアミド(例えば、Rがアリールである場合)、シクロアルキルスルホンアミド(例えば、Rがシクロアルキルである場合)、およびヘテロシクリルスルホンアミド(例えば、Rがヘテロシクリルである場合)等が挙げられる。
【0043】
本明細書で使用される、「スルホニル」という用語は、RuSO構造を有するラジカルを意味し、Rは、アルキル、アリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリル、例えば、アルキルスルホニルであり得る。本明細書で使用される、「アルキルスルホニル」という用語は、スルホニル基に結合されたアルキル基を意味する。
【0044】
記号「
【化6】
」は結合箇所を示す。
【0045】
本発明の開示内容の化合物は、1つまたは複数のキラル中心および/または二重結合を含有してもよく、したがって、幾何異性体、鏡像異性体またはジアステレオマーなどの立体異性体として存在する。本明細書で使用される、「立体異性体」という用語は、幾何異性体、鏡像異性体またはジアステレオマーすべてからなる。これらの化合物は、不斉炭素原子の周囲の置換基の配置に応じて、「R」または「S」の記号によって示される。本発明は、これらの化合物の種々の立体異性体およびその混合物を包含する。立体異性体は、鏡像異性体およびジアステレオマーを含む。鏡像異性体またはジアステレオマーの混合物は、命名法で「(±)」で示すことができるが、当業者であれば、構造がキラル中心を暗に意味することは認識されよう。化学構造、例えば一般的な化学構造の図式的な描写は、別段の指定がない限り、指定の化合物のすべての立体異性体形を包含することが理解される。
【0046】
本発明の化合物の個々の立体異性体は、不斉中心またはステレオジエン中心を含有する市販の出発原料から合成的に、あるいはラセミ混合物を製造し、続いて当業者に良く知られた分割法によって製造することができる。これらの分割方法は、(1)鏡像異性体の混合物をキラル補助基に結合し、再結晶化またはクロマトグラフィーによって、得られたジアステレオマー混合物を分離し、補助剤から光学的に純粋な生成物を遊離すること、(2)光学活性分割剤(resolving agent)を用いた塩の形成、(3)キラルクロマトグラフカラム上での光学鏡像異性体の混合物の直接的分離、によって例示される。立体異性体の混合物は、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高性能液体クロマトグラフィー、キラル塩錯体としての化合物の結晶化、またはキラル溶媒中での化合物の結晶化など、既知の方法によってその立体異性体構成成分へと分割することもできる。さらに、文献に記載の超臨界流体クロマトグラフ(SFC)技術を用いて、鏡像異性体を分離することができる。またさらに、既知の不斉合成法によって、立体異性体的に純粋な中間体、試剤、および触媒から立体異性体を得ることができる。
【0047】
幾何異性体も、本発明の化合物に存在し得る。記号
【化7】
は、本明細書に記載のように単結合、二重結合または二重結合であり得る。本発明は、炭素間二重結合周囲の置換基の配置または炭素環式環周囲の置換基の配置から生じる、種々の幾何異性体およびその混合物を包含する。炭素間二重結合周囲の置換基は、「Z」または「E」立体配置にあると示され、「Z」および「E」はIUPAC標準に準拠して使用される。別段の指定がない限り、二重結合を示す構造は、「E」異性体および「Z」異性体の両方を包含する。
【0048】
その代わりとして、炭素間二重結合周囲の置換基は、「シス」または「トランス」と呼ぶことができ、「シス」は二重結合の同じ面上の置換基を表し、「トランス」は二重結合のの反対面上の置換基を表す。炭素環式環周囲の置換基の配置は、「シス」または「トランス」と示される。「シス」という用語は、環の面の同じ側の置換基を表し、「トランス」は、環の面の反対側の置換基を表す。置換基が環の面の同じ側と反対側の両方に配置されている化合物の混合物は、「シス/トランス」と示される。
【0049】
本発明は、通常、天然に見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって、1つまたは複数の原子が置き換えられていることを除いては、本明細書に記載のものと同一である本発明の同位体的標識化合物も包含する。本発明の化合物中に組み込むことができる同位元素の例としては、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなど、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位元素が挙げられる。
【0050】
特定の同位体標識された開示の化合物(例えば、Hおよび14Cで標識された化合物)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化(つまり、H)および炭素-14(つまり、14C)同位元素が、製造の容易さ、および検出能から特に好ましい。さらに、重水素(つまり、H)などのより重い同位元素での置換によって、より高い代謝安定性(例えば、生体内半減期の増加または投薬所要量の減少)が得られる、特定の治療上の利点が得られ、したがって、一部の環境において好ましい場合がある。本発明の同位体標識化合物は一般に、非同位体標識試剤の代わりに同位体標識試剤を使用することによって、例えば、本明細書における実施例に開示される手順と類似の手順に従って製造することができる。
【0051】
本明細書で使用される、「対象」および「患者」という用語は、本発明の方法によって処置される生物を意味する。かかる生物は、好ましくは哺乳動物(例えば、マウス、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等)、およびさらに好ましくはヒトである。
【0052】
本明細書で使用される、「有効量」という用語は、有益な、または所望の結果を得るのに十分な化合物(例えば、本発明の化合物)の量を意味する。有効量は、1つまたは複数の投与、適用または投薬量で投与することができ、特定の配合または投与経路に限定されることは意図されない。本明細書で使用される、「治療」という用語は、いずれかの効果、例えば症状、疾患、障害等を改善する、緩和、低減、調節、寛解または排除、またはその症状の寛解を含む。
【0053】
本明細書で使用される、「医薬組成物」という用語は、生体内または生体外での診断的または治療的使用に特に適した組成物にする、不活性または活性な担体と作用薬との組み合わせを意味する。
【0054】
本明細書で使用される、「薬学的に許容される担体」という用語は、リン酸緩衝生理食塩水、水、エマルジョン(例えば、水中油型または油中水型エマルジョンなど)および様々なタイプの湿潤剤など、標準薬剤担体のいずれかを意味する。組成物は、安定剤および保存剤も含むことができる。担体、安定剤および補助剤の例は、Martin,Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.,Mack Publ.Co.,Easton,PA[1975]を参照のこと。
【0055】
本明細書で使用される、「薬学的に許容される塩」という用語は、対象に投与すると、本発明の化合物またはその活性代謝産物もしくは残留物を提供することができる、本発明の化合物の薬学的に許容される塩(例えば、酸または塩基)を意味する。当業者には公知のように、本発明の化合物の「塩」は、無機酸もしくは有機酸および塩基から誘導され得る。酸の例としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。本発明の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩の入手において、中間体として有用な塩の製造において、本質的には薬学的に許容されないが、シュウ酸などの他の酸を用いてもよい。
【0056】
塩基の例としては、限定されないが、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)水酸化物、アンモニア、および式NW の化合物(WはC1~4アルキルである)等が挙げられる。
【0057】
塩の例としては、限定されないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩(flucoheptanoate)、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩:、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸(palmoate)、ペクチン酸、過硫酸、フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸、トシル酸、ウンデカン酸等が挙げられる。塩の他の例としては、Na、NH 、およびNW (WはC1~4アルキル基である)等の適切なカチオンと配合された本発明の化合物のアニオンが挙げられる。
【0058】
治療的使用に関して、本発明の化合物の塩は、薬学的に許容されると考えられる。しかしながら、薬学的に許容されない酸および塩基の塩も、例えば薬学的に許容される化合物の製造または精製において使用され得る。
【0059】
本明細書において使用される略語としては、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU);ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA);ジメチルホルムアミド(DMF);塩化メチレン(DCM);t-ブトキシカルボニル(Boc);テトラヒドロフラン(THF);トリフルオロ酢酸(TFA);N-メチルモルホリン(NMM);トリエチルアミン(TEA);Boc無水物((Boc)O);ジメチルスルホキシド(DMSO);ジイソプロピルエチルアミン(DIEA);N,N-ジメチルピリジン-4-アミン(DMAP);フラッシュカラムクロマトグラフィー(FCC);および超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)が挙げられる。
【0060】
本明細書全体を通して、組成物およびキットが特定の構成要素を有する、包含する、または含むと記述されている場合、あるいはプロセスおよび方法が、特定の工程を有する、包含する、または有すると記述されている場合、記載の構成要素から本質的になる、またはからなる、本発明の組成物およびキットが存在し、かつ記載の処理工程から本質的になる、またはからなる、本発明のプロセスおよび方法が存在することが企図される。
【0061】
一般的な物質として、別段の指定がない限り、パーセンテージを指定する組成は重量による。さらに、変数が定義を伴っていない場合、変数の前の定義によってコントロールされる。
【0062】
II.置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連する有機化合物
本発明の一態様は、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連する有機化合物を提供する。その置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連する有機化合物は、本明細書に記載の方法、組成物、およびキットにおいて有用であると企図される。特定の実施形態において、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物は、式I:
【化8】
によって包含される化合物、またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、フルオロ、または-N(H)(R)を表し;
は独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、または-C(O)Rを表し;
は、以下の:
(a)-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカー;
(b)-(C1~4アルキレン)-N(H)-Ψおよび-(C1~4アルキレン)-N(H)-(C1~4アルキレン)-Ψから選択されるアミン含有リンカー;
のうちの1つであり;
は、
・ Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、C3~10シクロアルキル;
・ 1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル、または2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル(それぞれが、Yの0、1、または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている);
・ (a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)4~8員ヘテロアルキル;
(ii)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~6員ヘテロアルキル;
(iii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORまたは-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロシクリル);
(iv)-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、-O-(C2~6アルキニル)、またはアジド;または
(v)C2~4アルキニル;
のうちの1つと、によって置換されているフェニル;
・ 少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリルであって、Yの0、1、または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、二環式ヘテロシクリル;
から選択される環状基であり;
は独立して、各存在に対して、以下の:
・ 6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって任意に置換されている2~8員ヘテロアルキル;
・ 3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、または-O-(C2~6アルキニル);または
・ C2~6アルキニル、-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR、-C≡C-(C1~6アルキレン)-N(R、-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール)、またはC2~6アルケニル;のうちの1つを表し;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、C2~4アルキニル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル-置換C3~6シクロアルキルを表し;
nは1、2、または3であり;
但し、以下の:
・ Aが、ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである場合に、RまたはRのうちの少なくとも1つが水素以外であり;
・ Aが、C2~4アルキニルによって置換されているフェニルである場合に、RおよびRのうちの少なくとも1つがC1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、フルオロ、または-N(H)(R)であり;かつ
・ Aが、少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリルであり、かつXが-C(O)N(H)-Ψである場合に、少なくとも1つのYまたはYが存在することを条件とする。
【0063】
上記の式Iにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)その定義が、上記の化学基から選択される化学基のうちの2個以上の集まりである実施形態、かつiii)RがC1~4アルキルまたはシクロプロピルであり、Xは-C(O)N(H)-Ψであり、かつAが4~8員ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである場合など、その化合物が、変数が(i)または(ii)によって定義される、変数の組み合わせによって定義される実施形態を企図する。
【0064】
したがって、特定の実施形態において、Rは独立して、各存在に対して、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表す。特定の実施形態において、Rはメチルである。特定の実施形態において、R基は、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルの5位および7位に位置する。
【0065】
特定の実施形態において、nは2である。他の特定の実施形態において、nは1である。
【0066】
特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rはメチルまたはハロゲンである。特定の実施形態において、Rはメチルまたはハロメチルである。特定の実施形態において、Rはメチルまたはシクロプロピルである。
【0067】
特定の実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、メチル、またはエチルを表す。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは水素である。
【0068】
特定の実施形態において、Xは-C(O)N(H)-Ψである。
【0069】
特定の実施形態において、Yのいずれかの存在は独立して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、またはヒドロキシルである。特定の実施形態において、Yのいずれかの存在は独立して、C1~3アルキルである。
【0070】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)4~8員ヘテロアルキル;
(ii)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~6員ヘテロアルキル;
(iii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORまたは-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロシクリル);または
(iv)-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、-O-(C2~6アルキニル)、またはアジド;
のうちの1つと、によって置換されているフェニルである。
【0071】
特定の実施形態において、Aは、Yの0、1、2、または3個の存在と、b)以下の:
(i)4~8員ヘテロアルキル;
(ii)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~6員ヘテロアルキル;
(iii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORまたは-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール);または
(iv)-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、-O-(C2~6アルキニル)、またはアジド;
のうちの1つと、によって置換されているフェニルである。
【0072】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)4~8員ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-O-(C1~7アルキル)によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-O-(C4~7アルキル)によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-OCHCHOCHCHによって置換されているフェニルである。
【0073】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在と、(b)5~10員ヘテロアリールによって任意に置換された2~6員ヘテロアルキルと、によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在と、(b)5~6員ヘテロアリール(例えば、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、またはチアゾリニルであることができ、その各々が、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって任意に置換されている)によって置換された2~6員ヘテロアルキルと、によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)ピリジニルによって置換された2~4員ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである。
【0074】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)-C≡C-CH-O-CHによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-C≡C-CH-O-CHによって置換されているフェニルである。
【0075】
特定の実施形態において、Aは、Yによって1回およびYの0~1個の存在によって置換されているC3~7シクロアルキルである。特定の実施形態において、Aは、Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されているC5~10シクロアルキルである。
【0076】
特定の実施形態において、Aは、少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリルであり、その二環式ヘテロシクリルは、Yの0、1、または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている。
【0077】
特定の実施形態において、Aは、Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルである。
【0078】
特定の実施形態において、Yは、6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって任意に置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、3~10員ヘテロシクリルによって置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、ピロリル、フラニル、またはピリジニルなどの5~6員ヘテロアリールによって置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは2~8員ヘテロアルキルである。
【0079】
特定の実施形態において、Yは2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは-O-(C1~7アルキル)である。特定の実施形態において、Yは、-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルである。特定の実施形態において、Yは-(C1~3アルキレン)-O-(5~6員ヘテロアリール)である。特定の実施形態において、Yは-CH-O-(5~6員ヘテロアリール)である。特定の実施形態において、Yは-CH-O-(5~6員ヘテロアリール)であり、その5~6員ヘテロアリールは、フラニル、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、またはトリアゾリニルであり、そのそれぞれが、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0080】
特定の実施形態において、Yは、3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、または-O-(C2~6アルキニル)である。特定の実施形態において、Yは、5~6員ヘテロアリールおよび5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される3~10員ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、Yは5員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Yは、C1~6アルキル、C3~7シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている5員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Yは、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、ヒドロキシル、およびC1~6アルコキシルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている5員ヘテロアリールである。
【0081】
特定の実施形態において、Yは、フラニル、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルである。特定の実施形態において、Yは、フラニル、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであり、そのそれぞれが、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0082】
特定の実施形態において、Yは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、またはトリアゾリニルである。特定の実施形態において、Yは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、またはトリアゾリニルであり、そのそれぞれが、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0083】
特定の実施形態において、Yは、C2~6アルキニル、-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR、-C≡C-(C1~6アルキレン)-N(R、-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール)、またはC2~6アルケニルである。特定の実施形態において、YはC2~6アルキニルである。特定の実施形態において、Yは-C≡CHである。特定の実施形態において、Yは-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORである。特定の実施形態において、Yは-C≡C-(C1~6アルキレン)-O-(C1~2アルキル)である。特定の実施形態において、Yは-C≡C-CH-O-CHである。
【0084】
上記の記述から、式Iの化合物に関連する複数の実施形態が説明されている。本発明の特許出願では具体的に、実施形態のすべての組み合わせを企図する。例えば、本発明は、式Iの化合物(式中、Xは-C(O)N(H)-Ψであり、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在および(b)4~8員ヘテロアルキルによって置換されているフェニルであり、Yは、C1~6アルキルまたはハロゲンである)を企図する。
【0085】
特定の実施形態において、式I-1:
【化9】
によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩が提供され、
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、フルオロを表し;
は独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、または-C(O)Rを表し;
は、以下の:
(a)-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカー;
(b)-(C1~4アルキレン)-N(H)-Ψおよび-(C1~4アルキレン)-N(H)-(C1~4アルキレン)-Ψから選択されるアミン含有リンカー;
のうちの1つであり;
は、
・ (a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)4~8員ヘテロアルキル;
(ii)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~6員ヘテロアルキル;
(iii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORまたは-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロシクリル);または
(iv)-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、-O-(C2~6アルキニル)、またはアジド;
のうちの1つと、によって置換されているフェニル;
・ Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されているC3~7シクロアルキル;および
・ Yの0、1、または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリル;
から選択される環状基であり;
は独立して、各存在に対して、以下の:
・ 6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって任意に置換されている2~8員ヘテロアルキル;
・ 3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、または-O-(C2~6アルキニル);または
・ C2~6アルキニル、-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR、-C≡C-(C1~6アルキレン)-N(R、-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール)、またはC2~6アルケニル;のうちの1つを表し;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、C2~4アルキニル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル-置換C3~6シクロアルキルを表し;
nは1、2、または3であり;
但し、Aが、ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである場合に、RまたはRのうちの少なくとも1つが水素以外であることを条件とする。
【0086】
上記の式I-1における変数の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)その定義が、上記の化学基から選択される化学基のうちの2個以上の集まりである実施形態、かつiii)RがC1~4アルキルまたはシクロプロピルであり、Xは-C(O)N(H)-Ψであり、かつAが4~8員ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである場合など、変数が(i)または(ii)によって定義される、変数の組み合わせによって、化合物が定義される実施形態を企図する。
【0087】
したがって、特定の実施形態において、Rは独立して、各存在に対して、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表す。特定の実施形態において、Rはメチルである。特定の実施形態において、R基は、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルの5位および7位に位置する。
【0088】
特定の実施形態において、nは2である。他の特定の実施形態において、nは1である。
【0089】
特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rはメチルまたはハロゲンである。特定の実施形態において、Rはメチルまたはハロメチルである。特定の実施形態において、Rはメチルまたはシクロプロピルである。
【0090】
特定の実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、メチル、またはエチルを表す。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは水素である。
【0091】
特定の実施形態において、Xは-C(O)N(H)-Ψである。
【0092】
特定の実施形態において、Yのいずれかの存在は独立して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、またはヒドロキシルである。特定の実施形態において、Yのいずれかの存在は独立して、C1~3アルキルである。
【0093】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)4~8員ヘテロアルキル;
(ii)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~6員ヘテロアルキル;
(iii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORまたは-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロシクリル);または
(iv)-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、-O-(C2~6アルキニル)、またはアジド;
のうちの1つと、によって置換されているフェニルである。
【0094】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(v)4~8員ヘテロアルキル;
(vi)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~6員ヘテロアルキル;
(vii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORまたは-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール);または
(viii)-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、-O-(C2~6アルキニル)、またはアジド;
のうちの1つと、によって置換されているフェニルである。
【0095】
特定の実施形態において、特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0、または1個の存在および(b)4~8員ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-O-(C1~7アルキル)によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-O-(C4~7アルキル)によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-OCHCHOCHCHによって置換されているフェニルである。
【0096】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在と、(b)5~10員ヘテロアリールによって任意に置換された2~6員ヘテロアルキルと、によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在と、(b)5~6員ヘテロアリール(例えば、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、またはチアゾリニルであることができ、その各々が、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって任意に置換されている)によって置換された2~6員ヘテロアルキルと、によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)ピリジニルによって置換された2~4員ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである。
【0097】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)-C≡C-CH-O-CHによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-C≡C-CH-O-CHによって置換されているフェニルである。
【0098】
特定の実施形態において、Aは、Yによって1回およびYの0~1個の存在によって置換されているC3~7シクロアルキルである。
【0099】
特定の実施形態において、Aは、少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリルであり、その二環式ヘテロシクリルは、Yの0、1、または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている。
【0100】
特定の実施形態において、Yは、6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって任意に置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、3~10員ヘテロシクリルによって置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、ピロリル、フラニル、またはピリジニルなどの5~6員ヘテロアリールによって置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは2~8員ヘテロアルキルである。
【0101】
特定の実施形態において、Yは-O-(C1~7アルキル)である。特定の実施形態において、Yは、-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルである。特定の実施形態において、Yは-(C1~3アルキレン)-O-(5~6員ヘテロアリール)である。特定の実施形態において、Yは-CH-O-(5~6員ヘテロアリール)である。特定の実施形態において、Yは-CH-O-(5~6員ヘテロアリール)であり、5~6員ヘテロアリールは、フラニル、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、またはトリアゾリニルであり、そのそれぞれが、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0102】
特定の実施形態において、Yは、3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、または-O-(C2~6アルキニル)である。特定の実施形態において、Yは、5~6員ヘテロアリールおよび5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される3~10員ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、Yは5員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Yは、C1~6アルキル、C3~7シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている5員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Yは、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、ヒドロキシル、およびC1~6アルコキシルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている5員ヘテロアリールである。
【0103】
特定の実施形態において、Yは、フラニル、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルである。特定の実施形態において、Yは、フラニル、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであり、そのそれぞれが、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0104】
特定の実施形態において、Yは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、またはトリアゾリニルである。特定の実施形態において、Yは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、またはトリアゾリニルであり、そのそれぞれが、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、アミド、および-COHからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0105】
特定の実施形態において、Yは、C2~6アルキニル、-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR、-C≡C-(C1~6アルキレン)-N(R、-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール)、またはC2~6アルケニルである。特定の実施形態において、YはC2~6アルキニルである。特定の実施形態において、Yは-C≡CHである。特定の実施形態において、Yは-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORである。特定の実施形態において、Yは-C≡C-(C1~6アルキレン)-O-(C1~2アルキル)である。特定の実施形態において、Yは-C≡C-CH-O-CHである。
【0106】
上記の記述から、式I-1の化合物に関連する複数の実施形態が説明されている。本発明の特許出願では具体的に、実施形態のすべての組み合わせを企図する。例えば、本発明は、式I-1の化合物(式中、Xは-C(O)N(H)-Ψであり、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在および(b)4~8員ヘテロアルキルによって置換されているフェニルであり、Yは、C1~6アルキルまたはハロゲンである)を企図する。
【0107】
特定の実施形態において、その化合物は、式I-A:
【化10】
によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、Rはそれぞれ独立して、メチル、シクロプロピル、イソプロピル、または-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)であり;
は水素であり;
およびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は、以下の:
・ Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されているC3~10シクロアルキル;
・ Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル;
のうちの1つであり;
は独立して、各存在に対して、2~8員ヘテロアルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、アジド、-N(R)2、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル-置換C3~6シクロアルキルを表す。
【0108】
上記の式I-Aにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)その定義が、上記の化学基から選択される化学基のうちの2個以上の集まりである実施形態、かつiii)変数が(i)または(ii)によって定義される、変数の組み合わせによって、その化合物が定義される実施形態を企図する。
【0109】
したがって、特定の実施形態において、Yのいずれかの存在は独立して、C1~3アルキル、ハロゲン、またはC1~3ハロアルキルである。
【0110】
特定の実施形態において、Aは、Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されているC3~10シクロアルキルである。特定の実施形態において、Aは、Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルである。
【0111】
特定の実施形態において、Rはメチルである。特定の実施形態において、Rはさらに、ハロゲンおよびハロメチルから選択され、その結果、Rはメチル、ハロゲン、またはハロメチルであり得る。
【0112】
特定の実施形態において、Rはさらに、ハロゲンから選択され、その結果、Rは水素またはハロゲンであり得る。
【0113】
上記の記述から、式I-Aの化合物に関連する複数の実施形態が説明されている。本発明の特許出願では具体的に、実施形態のすべての組み合わせを企図する。例えば、本発明は、式I-Aの化合物(式中、Rはメチルであり、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在および(b)C4~8アルコキシルによって置換されているフェニルである)を企図する。
【0114】
特定の実施形態において、この化合物は、式I-A1:
【化11】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であり:
式中、Rは独立して、メチル、シクロプロピル、またはイソプロピルであり;
は水素であり;
およびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は、(a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)C4~8アルコキシル;
(ii)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~4員ヘテロアルキル;または
(iii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR
のうちの1つと、によって置換されているフェニルであり;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、アジド、-N(R)2、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1-ハロアルキル-置換C3~6シクロアルキルを表す。
【0115】
上記の式I-Aにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)その定義が、上記の化学基から選択される化学基のうちの2個以上の集まりである実施形態、かつiii)変数が(i)または(ii)によって定義される、変数の組み合わせによって、その化合物が定義される実施形態、例えば、Rがメチルであり、AがC4~8アルコキシルによって置換されているフェニルである場合などを企図する。
【0116】
したがって、特定の実施形態において、Yのいずれかの存在は独立して、C1~3アルキル、ハロゲン、またはC1~3ハロアルキルである。
【0117】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)C4~8アルコキシルによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-O-(C4~7アルキル)よって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、フェニル基のパラ位にて-O-(C4~7アルキル)によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、フェニル基のパラ位にて-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、OCHCHOCHCHによって置換されているフェニルである。
【0118】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在と、(b)5~6員ヘテロアリール(例えば、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、またはチアゾリニルであることができ、その各々が、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R4)、およびアミドからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって任意に置換されている)によって置換されている2~4員ヘテロアルキルと、によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在と、(b)ピリジニルによって置換された2~4員ヘテロアルキルと、によって置換されているフェニルである。
【0119】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR(RはC1~4アルキルである)によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0または1個の存在および(b)-C≡C-CH-O-CHによって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、-C≡C-CH-O-CHによって置換されているフェニルである。
【0120】
特定の実施形態において、Rはメチルである。特定の実施形態において、Rはさらに、ハロゲンおよびハロメチルから選択され、その結果、Rはメチル、ハロゲン、またはハロメチルであり得る。
【0121】
特定の実施形態において、Rはさらに、ハロゲンから選択され、その結果Rは水素またはハロゲンであり得る。
【0122】
上記の記述から、I-Aの化合物に関連する複数の実施形態が説明されている。本発明の特許出願では具体的に、実施形態のすべての組み合わせを企図する。例えば、本発明は、I-Aの化合物(式中、Rはメチルであり、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在および(b)C4~8アルコキシルによって置換されているフェニルである)を企図する。
【0123】
特定の実施形態において、この化合物は、式I-B:
【化12】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であり:
式中、Aは、(a)Yの0または1個の存在と、(b)C4~8アルコキシルまたは-C≡C-(C1~6アルキレン)-O-(C1~3アルキル)と、によって置換されているフェニルであり;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、またはC1~6ハロアルキルを表す。
【0124】
上記の式I-Bにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)その定義が、上記の化学基から選択される化学基のうちの2個以上の集まりである実施形態、かつiii)変数が(i)または(ii)によって定義される、変数の組み合わせによって、その化合物が定義される実施形態を企図する。
【0125】
本発明の他の態様は、式IIの化合物:
【化13】
またはその薬学的に許容される塩を提供し、
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、フルオロを表し;
は独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、または-C(O)Rを表し;
は、以下の:
(a)-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカー;または
(b)-(C1~4アルキレン)-N(H)-Ψおよび-(C1~4アルキレン)-N(H)-(C1~4アルキレン)-Ψから選択されるアミン含有リンカー;
のうちの1つであり;
は、(a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
・ Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されているフェニル;
・ Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている4-ピリジニル;
・ -C≡C-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル);
・ 部分不飽和であり、かつ(a)3~10員ヘテロシクリル、および(b)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、二環式カルボシクリル;
・ Yの0、1、または2個の存在によって置換されているピペラジニル;または
・ C1~6アルコキシルおよびC2~4アルキニルの両方;
のうちの1つと、によって置換されているフェニルであり;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル置換C3~6シクロアルキルを表し;
nは1、2、または3である。
【0126】
上記の式IIにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)その定義が、上記の化学基から選択される化学基のうちの2個以上の集まりである実施形態、かつiii)変数が(i)または(ii)によって定義される、変数の組み合わせによって、その化合物が定義される実施形態、例えばRがC1~4アルキルまたはシクロプロピルであり、、Xが-C(O)N(H)-Ψであり、Aが、フェニルによって置換されたフェニルである場合などを企図する。
【0127】
したがって、特定の実施形態において、Rは独立して、各存在に対して水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表す。特定の実施形態において、Rはメチルである。特定の実施形態において、R基は、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルの5位および7位に位置する。
【0128】
特定の実施形態において、nは2である。他の特定の実施形態において、nは1である。
【0129】
特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rはメチルまたはハロゲンである。特定の実施形態において、Rはメチルまたはハロメチルである。特定の実施形態において、Rはメチルまたはシクロプロピルである。
【0130】
特定の実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して水素、メチル、またはエチルを表す。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは水素である。
【0131】
特定の実施形態において、Xは-C(O)N(H)-Ψである。
【0132】
特定の実施形態において、Yのいずれかの存在は独立して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、またはヒドロキシルである。特定の実施形態において、Yのいずれかの存在は独立して、C1~3アルキルである。
【0133】
上記の記述から、式IIの化合物に関連する複数の実施形態が説明されている。本発明の特許出願では具体的に、実施形態のすべての組み合わせを企図する。例えば、本発明は、式IIの化合物(式中、Xは-C(O)N(H)-Ψであり、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在および(b)フェニルによって置換されているフェニルである)を企図する。
【0134】
本発明の他の態様は、式IIa:
【化14】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表し;
は独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、または-C(O)Rを表し;
は、以下の:
(a)-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカー;または
(b)-(C1~4アルキレン)-N(H)-Ψおよび-(C1~4アルキレン)-N(H)-(C1~4アルキレン)-Ψから選択されるアミン含有リンカー;
のうちの1つであり;
は、以下の:
・ (a)1、2、または3個のハロゲンおよび(b)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されているC3~10シクロアルキル;
・ (a)ハロゲンまたはC1~6アルコキシルおよび(b)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されているフェニル;
・ (a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
・ Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されているフェニル;
・ Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている4-ピリジニル;
・ -C≡C-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル);
・ 部分不飽和であり、かつ(a)3~10員ヘテロシクリル、および(b)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている二環式カルボシクリル;
・ Yの0、1、または2個の存在によって置換されているピペラジニル;
・ C1~6アルコキシルおよびC2~4アルキニルの両方;
のうちの1つと、によって置換されているフェニル;
のうちの1つであり;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル-置換C3~6シクロアルキルを表し;
nは1、2、または3であり;
但し、Xが任意に置換されているハロフェニルまたは-フェニル-メトキシである場合に、Xは-C(O)N(H)(C2~6分岐状アルキレン)-Ψであることを条件とする。
【0135】
上記の式IIaにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)その定義が、上記の化学基から選択される化学基のうちの2個以上の集まりである実施形態、かつiii)変数が(i)または(ii)によって定義される、変数の組み合わせによって、その化合物が定義される実施形態、例えばRがC1~4アルキルまたはシクロプロピルであり、Xが-C(O)N(H)-Ψであり、Aが、フェニルによって置換されたフェニルである場合などを企図する。
【0136】
したがって、特定の実施形態において、Rは独立して、各存在に対してC1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表す。特定の実施形態において、Rはメチルである。
【0137】
特定の実施形態において、nは2である。
【0138】
特定の実施形態において、R基は、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルの5位および7位に位置する。
【0139】
特定の実施形態において、Xは-C(O)N(H)-Ψである。
【0140】
本発明の他の態様は、式III:
【化15】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、
式中、式中、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表し;
は独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、または-C(O)Rを表し;
は、以下の:
(a)-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカー;
(b)-(C1~4アルキレン)-N(H)-Ψおよび-(C1~4アルキレン)-N(H)-(C1~4アルキレン)-Ψから選択されるアミン含有リンカー;
のうちの1つであり;
は、
・ (a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている5員ヘテロアリール;
(ii)-(C1~6アルキレン)-CO;または
(iii)C1~6ヒドロキシアルキル;
のうちの1つと、によって置換されているフェニル;
・ Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている5~6員ヘテロアリール;
から選択される環状基であり;
は独立して、各存在に対して、以下の:
・ 6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって任意に置換されている2~8員ヘテロアルキル;
・ 3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、C3~7シクロアルキル、-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、または-O-(C2~6アルキニル);または
・ C2~6アルキニル、-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR、-C≡C-(C1~6アルキレン)-N(R、-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール)、またはC2~6アルケニル;のうちの1つを表し、
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル置換C3~6シクロアルキルを表し;
nは1、2、または3である。
【0141】
上記の式IIIにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)その定義が、上記の化学基から選択される化学基のうちの2個以上の集まりである実施形態、かつiii)変数が(i)または(ii)によって定義される、変数の組み合わせによって、その化合物が定義される実施形態、例えばRがC1~4アルキルまたはシクロプロピルであり、Xが-C(O)N(H)-Ψであり、Aが、5員ヘテロアリールによって置換されたフェニルである場合などを企図する。
【0142】
したがって、特定の実施形態において、Rは独立して、各存在に対してC1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表す。特定の実施形態において、Rはメチルである。特定の実施形態において、R基は、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルの5位および7位に位置する。
【0143】
特定の実施形態において、nは2である。他の特定の実施形態において、nは1である。
【0144】
特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rはメチルまたはハロゲンである。特定の実施形態において、Rはメチルまたはハロメチルである。特定の実施形態において、Rはメチルまたはシクロプロピルである。
【0145】
特定の実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して水素、メチル、またはエチルを表す。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは水素である。
【0146】
特定の実施形態において、Xは-C(O)N(H)-Ψである。
【0147】
特定の実施形態において、Yのいずれかの存在が独立して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、またはヒドロキシルである。特定の実施形態において、Yのいずれかの存在が独立して、C1~3アルキルである。
【0148】
特定の実施形態において、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在と、Yの0、1、2、または3個の存在によって置換された5員ヘテロアリールと、によって置換されているフェニルである。特定の実施形態において、Aは、(a)C1~6アルキルまたはハロゲンと、(b)フラニル、チオフェニル、またはオキサゾリルからなる群から選択される5員ヘテロアリールと、によって置換されているフェニルである。
【0149】
特定の実施形態において、Aは、C1~6ヒドロキシアルキルによって置換されているフェニルである。
【0150】
特定の実施形態において、Aは、Yの1または2個の存在と、フラニル、チオフェニル、またはオキサゾリルからなる群から選択される5員ヘテロアリールと、によって置換されている5~6員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Aは、Yの1または2個の存在と、フラニル、チオフェニル、またはオキサゾリルからなる群から選択される5員ヘテロアリールと、によって置換されているピリジニルである。
【0151】
特定の実施形態において、Yは、6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって任意に置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、3~10員ヘテロシクリルによって置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは、ピロリル、フラニル、またはピリジニルなどの5~6員ヘテロアリールによって置換されている2~8員ヘテロアルキルである。特定の実施形態において、Yは2~8員ヘテロアルキルである。
【0152】
特定の実施形態において、Yは-O-(C1~7アルキル)である。特定の実施形態において、Yは-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルである。特定の実施形態において、Yは-(C1~3アルキレン)-O-(5~6員ヘテロアリール)である。特定の実施形態において、Yは-CH-O-(5~6員ヘテロアリール)である。特定の実施形態において、Yは-CH-O-(5~6員ヘテロアリール)であり、その5~6員ヘテロアリールは、フラニル、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、またはピリジニルであり、そのそれぞれが、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R、およびアミドからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0153】
特定の実施形態において、Yは、3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、C3~7シクロアルキル、-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、または-O-(C2~6アルキニル)である。特定の実施形態において、Yは、5~6員ヘテロアリールおよび5~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される3~10員ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、Yは5員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Yは、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R、およびアミドからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている5員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Yは、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、ヒドロキシル、およびC1~6アルコキシルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている5員ヘテロアリールである。
【0154】
特定の実施形態において、Yは、フラニル、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルである。特定の実施形態において、Yは、フラニル、ピロリル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであり、そのそれぞれが、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R、およびアミドからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0155】
特定の実施形態において、Yは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、またはチアゾリニルである。特定の実施形態において、Yは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、ピラゾリニル、またはチアゾリニルであり、そのそれぞれが、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、-N(R、およびアミドからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基によって置換されている。
【0156】
特定の実施形態において、Yは、C2~6アルキニル、-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR、-C≡C-(C1~6アルキレン)-N(R、-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール)、またはC2~6アルケニルである。特定の実施形態において、YはC2~6アルキニルである。特定の実施形態において、Yは-C≡CHである。特定の実施形態において、Yは-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORである。特定の実施形態において、Yは-C≡C-(C1~6アルキレン)-O-(C1~2アルキル)である。特定の実施形態において、Yは-C≡C-CH-O-CHである。
【0157】
上記の記述から、式IIIの化合物に関連する複数の実施形態が説明されている。本発明の特許出願では具体的に、実施形態のすべての組み合わせを企図する。例えば、本発明は、式IIIの化合物(式中、RはメチルでありXは-C(O)N(H)-Ψであり、Aは、(a)Yの0、1、2、または3個の存在および(b)5員ヘテロアリールによって置換されているフェニルである)を企図する。
【0158】
特定の実施形態において、その化合物は、式III-A:
【化16】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、Rは独立して、メチル、シクロプロピル、またはイソプロピルであり;
は水素であり;かつ
は、(a)C1~6アルキルまたはハロゲンと、(b)そのそれぞれが、アルキル、ハロゲン、およびハロアルキルからなる群から独立して選択される1個の置換基によって任意に置換されている、フラニル、チオフェニル、またはオキサゾリルC4~8アルコキシルからなる群から選択される5員ヘテロアリールと、によって置換されているフェニルである。
【0159】
上記の式III-Aにおける変数の定義は、複数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上記の化学基から選択される単一の化学基である実施形態、ii)その定義が、上記の化学基から選択される化学基のうちの2個以上の集まりである実施形態、かつiii)変数が(i)または(ii)によって定義される、変数の組み合わせによって、その化合物が定義される実施形態を企図する。
【0160】
他の特定の実施形態において、この化合物は、以下の表1または2に列挙される化合物またはその薬学的に許容される塩のうちの1つである。
【0161】
【表1】
【0162】
【表2】
【0163】
【表3】
【0164】
【表4】
【0165】
【表5】
【0166】
【表6】
【0167】
表1において、ΨはAへの結合である。
【0168】
【表7】
【0169】
本明細書に記載の化合物の製造方法を以下の合成スキームで説明する。これらのスキームは本発明を例証するために示されており、決して本発明の範囲または精神を制限するものとしてみなすべきではない。スキームに示す出発原料は、商業的供給元から入手することができ、あるいは文献に記載の手順に基づいて製造することができる。
【0170】
スキーム1に示す合成経路は、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン化合物を製造する例示的な手順を表す。第1工程において、80℃の酢酸中でエチル5-アミノ-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(R=H)Aをペンタン-2,4-ジオン(Rii=Riv=Me;Riii=H)と縮合し、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エステルBが得られる。塩基性条件下にてエチルエステルBを加水分解することによって、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸Cが提供される。
【化17】
【0171】
スキーム2に示す合成経路は、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン化合物を製造する例示的な手順を表す。第1工程において、様々な置換芳香族またはヘテロ芳香族アミンとのカルボン酸Cのカップリングが、DIPEAの存在下でのDMF中のHATUおよび/またはHOBTなど、標準ペプチドカップリング手順を用いて達成され得る。代替方法としては、カルボン酸エステルBをAlMeで処理して、中間体ワインレブ(Weinreb)アミドが得られ、アミンと反応させた後、置換アミドDが得られる。場合によっては、その反応は段階的な手法で行われ、その手法では、ブロモもしくはヨード置換芳香族またはヘテロ芳香族アミンをワインレブアミドとカップリングして、ヨードもしくはブロモ置換アミドEが形成される。標準カップリング手順を用いて、ブロモまたはヨード部位を使用して、Sonogashiraカップリングを用いてアセチレン、鈴木(Suzuki)カップリングを用いてボロン酸、およびBuchwaldカップリングを用いてアミンなど、様々な官能基がカップリングされ、置換アミドDが生成される。
【化18】
【0172】
スキーム2における反応手順は、AおよびY位置にて様々な異なる置換基を有する多種多様な置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンカルボキサミド化合物の製造に適用できることが企図される。さらに、Aおよび/またはYの一部である官能基が、スキーム2に記載の反応条件に適用できないと考えられる場合には、標準的保護基化学およびストラテジーを用いて、官能基を最初に保護することができ、次いで、目的の合成変換が完了した後に保護基を除去することが企図される。保護化学およびストラテジーの更なる説明については、例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:NewYork,1991を参照のこと。他の特定の実施形態において、置換基AおよびYにおける官能基は、当技術分野で公知の標準的官能基操作法を用いて他の官能基へと転化することができる。例えば、Comprehensive Organic Synthesis(B.M.Trost&I.Fleming,eds.,1991-1992)を参照のこと。
【0173】
III.治療用途
本発明は、本明細書に記載の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、関連する化合物、および医薬組成物を使用して、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、多系統萎縮症、癲癇、双極性障害、精神分裂病、不安障害、大鬱病、多発性嚢胞腎、2型糖尿病、開放隅角緑内障、多発性硬化症、および多発性骨髄腫などの医療疾患を治療する方法を提供する。治療方法は、単独での治療薬として、および/または他の治療薬との併用療法の一部として、本明細書に記載の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物の使用を含む。特定の理論に束縛されないが、本明細書に記載の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連する有機化合物は、グルコセレブロシダーゼ(Gcase)を活性化し得る。
【0174】
医療疾患を治療する方法
本発明の一態様は、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、多系統萎縮症、癲癇、双極性障害、精神分裂病、不安障害、大鬱病、多発性嚢胞腎、2型糖尿病、開放隅角緑内障、多発性硬化症、および多発性骨髄腫からなる群から選択される障害を治療する方法を提供する。この方法は、その必要がある患者に、本明細書に記載の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物を治療有効量で投与して、障害を治療することを含む。この化合物は、セクションIIにおいて上述される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩であることができ、
【化19】
によって表され、
式中、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、フルオロ、または-N(H)(R)を表し;
は独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、または-C(O)Rを表し;
は、以下の:
(a)-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカー;
(b)-(C1~4アルキレン)-N(H)-Ψおよび-(C1~4アルキレン)-N(H)-(C1~4アルキレン)-Ψから選択されるアミン含有リンカー;
のうちの1つであり;
は、
・ Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、C3~10シクロアルキル;
・ 1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル、または2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル(それぞれが、Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている);
・ (a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)4~8員ヘテロアルキル;
(ii)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~6員ヘテロアルキル;
(iii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORまたは-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロシクリル);
(iv)-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、-O-(C2~6アルキニル)、またはアジド;または
(v)C2~4アルキニル;
のうちの1つと、によって置換されているフェニル;
・ 少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリルであって、Yの0、1、または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、二環式ヘテロシクリル;
から選択される環状基であり;
は独立して、各存在に対して、以下の:
・ 6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって任意に置換されている2~8員ヘテロアルキル;
・ 3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、または-O-(C2~6アルキニル);または
・ C2~6アルキニル、-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR、-C≡C-(C1~6アルキレン)-N(R、-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール)、またはC2~6アルケニル;のうちの1つを表し;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、C2~4アルキニル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル置換C3~6シクロアルキルを表し;
nは1、2、または3であり;
但し、以下の:
・ Aが、ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである場合に、RまたはRのうちの少なくとも1つが水素以外であり;
・ Aが、C2~4アルキニルによって置換されているフェニルである場合に、RおよびRのうちの少なくとも1つがC1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、フルオロ、または-N(H)(R)であり;かつ
・ Aが、少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリルであり、かつXが-C(O)N(H)-Ψである場合に、少なくとも1つのYまたはYが存在することを条件とする。
【0175】
特定の実施形態において、この化合物は式IIの化合物である。特定の実施形態において、この化合物は式IIIの化合物である。
【0176】
特定の実施形態において、障害は、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症である。特定の実施形態において、障害は、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症である。他の特定の実施形態において、障害はゴーシェ病である。特定の実施形態において、障害はパーキンソン病である。特定の実施形態において、障害はレビー小体病である。特定の実施形態において、障害は認知症である。特定の実施形態において、障害は、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、およびアルツハイマー病のレビー小体型バリアントからなる群から選択される認知症である。特定の実施形態において、障害は多系統萎縮症である。
【0177】
特定の実施形態において、障害は、パニック障害、社会性不安障害、または全般性不安障害などの不安障害である。
【0178】
ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、多系統萎縮症、癲癇、双極性障害、精神分裂病、不安障害、大鬱病、多発性嚢胞腎、2型糖尿病、開放隅角緑内障、多発性硬化症、および多発性骨髄腫の治療における化合物の有効性は、これらの疾患に対する有用性を評価するために、および/または以下の実施例に記述されるように、例えばグルコセレブロシダーゼ(Gcase)の活性化について、当技術分野で公知のアッセイにおいて化合物を試験することによって評価され得る。
【0179】
特定の実施形態において、患者はヒトである。
【0180】
特定の実施形態において、この化合物は、セクションIIに記載の一般的または特定の化合物のうちの1つ、例えば式Iの化合物、式Iの特定の変数について定義を説明する更なる実施形態の1つによって包含される化合物、式I-Aの化合物、または式I-Aの特定の変数について定義を説明する更なる実施形態の1つによって包含される化合物などである。他の特定の実施形態において、この化合物は、式IIまたはIIIの化合物、または式IIまたはIIIの特定の変数の定義を説明する更なる実施形態の1つによって包含される化合物である。
【0181】
上記の記述から、特定の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物を使用した、種々の障害の治療法に関連する複数の実施形態が説明されている。本発明の特許出願では具体的に、実施形態のすべての組み合わせを企図する。例えば、本発明は、式I-Aの化合物(Aは、C4~8アルコキシルによって置換されているフェニルである)を治療有効量で投与することによって、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症を治療する方法を企図する。
【0182】
薬物の医学的使用および製造
本発明の他の態様は、本明細書に記載の障害の治療で使用される、本明細書に記載の化合物および組成物に関する。本発明の他の態様は、本明細書に記載の障害を治療するための薬物の製造における、本明細書に記載の化合物または組成物の使用に関する。
【0183】
併用療法
本発明は、本明細書に記載の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する化合物(式I、I-A、II、またはIIIの化合物など)の投与と、これらの治療薬の相互作用から有益な作用を提供することが意図される、特定の治療計画の一部としての第2作用薬(agent)の投与と、を含む、併用療法を包含する。組み合わせの有益な作用は、治療薬の組み合わせから生じる、薬物動態学的または薬力学的相互作用を含み得る。
【0184】
ゴーシェ病の治療に使用される例示的な第2作用薬としては、例えば、タリグルセラーゼアルファ(taliglucerase alfa)、ベラグルセラーゼアルファ(velaglucerase alfa)、エリグルスタット(eliglustat)、およびミグルスタット(miglustat)が挙げられる。パーキンソン病の治療に使用される例示的な第2作用薬としては、例えば、レボドパ、プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチン、およびアポモルヒネが挙げられる。
【0185】
IV.医薬組成物
本発明は、式I、I-A、II、またはIIIの化合物など、本明細書に記載の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、その医薬組成物は好ましくは、1つまたは複数の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤と共に配合された、上述の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物のうちの1つまたは複数を治療有効量で含む。以下に詳述されるように、本発明の医薬組成物は具体的には、以下の:(1)経口投与、例えば、水薬(水性または非水性溶液または懸濁液)、錠剤(例えば、頬側、舌下、および/または全身吸収を目的とした剤形)、巨丸剤、粉剤、顆粒、舌に適用するペースト;(2)例えば、滅菌溶液または懸濁液、または徐放性配合物としての、皮下、筋肉内、静脈内または硬膜外注入による非経口投与;(3)局所適用、例えば、クリーム、軟膏、または徐放性パッチまたは皮膚に適用されるスプレー;(4)例えば、ペッサリー、クリームまたはフォームとしての膣内または直腸内投与;(5)舌下投与;(6)点眼;(7)経皮的投与;または(8)経鼻投与;ために適応された形状など、固形状または液状で投与するために配合され得る。
【0186】
本明細書で使用される、「治療有効量」というフレーズは、医療に適用可能な適度な利益/リスク比にて、動物の細胞の少なくとも亜集団において目的の治療効果を生むのに有効な、化合物、物質、または本発明の化合物を含む組成物の量を意味する。
【0187】
「薬学的に許容される」というフレーズは、健全な医学的判断の範囲内にあり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なく、適度な利益/リスク比と釣り合って、人および動物の組織と接触させて使用するのに適している、化合物、物質、組成物および/または剤形を意味するために本明細書において使用される。
【0188】
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味剤、香味および香料剤、保存剤および酸化防止剤も、組成物中に存在することができる。
【0189】
薬学的に許容される酸化防止剤の例としては:(1)水溶性酸化防止剤、例えばアスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等;(2)油溶性酸化防止剤、例えばアスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロール等;および(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等が挙げられる。
【0190】
本発明の製剤としては、経口、経鼻、局所(頬および舌下など)、直腸内、膣内投与および/または非経口投与に適したものが挙げられる。製剤は便利なことには、単位剤形で存在することができ、薬学分野でよく知られているいずれかの方法によって製造することができる。単一剤形を製造するために担体材料と合わせることができる活性成分の量は、治療されるホスト、個々の投与形式に応じて異なる。
【0191】
単一剤形を製造するために担体材料と合わせることができる活性成分の量は一般に、治療効果を生む化合物の量である。一般に、100パーセントのうち、この量は、活性成分約0.1~約99パーセントの範囲であり、好ましくは約5~約70パーセント、最も好ましくは約10~約30パーセントの範囲であるだろう。
【0192】
特定の実施形態において、本発明の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、およびポリマー担体、例えば、ポリエステルおよびポリ無水物からなる群から選択される賦形剤と、本発明の化合物と、を含む。特定の実施形態において、前述の製剤によって、本発明の化合物は経口的に生物に利用可能となる。
【0193】
これらの製剤または組成物の製造方法は、本発明の化合物を担体、任意に1つまたは複数の補助(accessory)成分と合わせる工程を含む。一般に、製剤は、均一かつ密接に、本発明の化合物を液体担体、または細かく砕かれた固形担体、またはその両方と合わせられ、次いで必要であれば、生成物を成形することによって製造される。
【0194】
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、口内錠、粉剤、顆粒剤の形をとることができ、あるいは水性もしくは非水性溶液中の溶液または懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型液体エマルジョンとして、またはエリキシル剤またはシロップ剤として、またはトローチ錠(pastille)(ゼラチンおよびグリセリン、またはショ糖およびアカシアなどの不活性ベースを使用した)として、かつ/またはうがい薬等としての形をとることができ、それぞれが、活性成分として本発明の化合物を所定の量で含有する。本発明の化合物は、巨丸剤、舐剤またはペーストとしても投与され得る。
【0195】
経口投与用の本発明の固形剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣丸、粉剤、顆粒、トローチ等)において、活性成分は、クエン酸ナトリウムまたはケイ酸二カルシウム、および/または以下の:(1)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルジネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖および/またはアカシアなど;(3)グリセロールなどの湿潤剤;(4)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤;(6)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、およびポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤;(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、および非イオン性界面活性剤など;(8)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤;(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、およびその混合物;(10)着色剤;および(11)クロスポビドンまたはエチルセルロースなどの放出制御剤;のうちのいずれかなど、1種または複数種の薬学的に許容される担体と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合には、医薬組成物は緩衝剤も含み得る。同様なタイプの固形組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いた、ソフトおよびハードシェルゼラチンカプセルにおいて充填剤としても用いられ得る。
【0196】
錠剤は、任意に1種または複数種の補助成分を用いて圧縮または成形によって製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を使用して製造することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を適切な機械で成形することによって製造することができる。
【0197】
腸溶コーティングおよび製剤化分野で既知の他のコーティングなど、コーティングおよびシェルを有する、本発明の錠剤、および他の固形剤形、例えば糖衣丸、カプセル剤、丸剤および顆粒を任意に、スコア(score)または製造することもできる。例えば、所望の放出プロファイルを提供するために様々な割合でヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/または微小球を使用して、その中の活性成分の徐放または放出制御を提供するように、それらを製剤化することもできる。それらは、迅速放出用に製剤化してもよく、例えば凍結乾燥することができる。それらは、例えば、細菌捕獲フィルターを通した濾過によって、または滅菌水に溶解することができる滅菌固形組成物の形で滅菌剤、あるいは使用直前に他の注射可能な滅菌媒体を組み込むことによって滅菌することもできる。これらの組成物は任意に、不透明化剤(opacifying agent)を含有してもよく、1種または複数種の活性成分のみを放出するか、または1種または複数種の活性成分を胃腸管の特定の部分で優先的に、任意に遅延様式で放出する組成であることもできる。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。活性成分は、上述の賦形剤のうちの1つまたは複数を用いて、しかるべき場合に、マイクロカプセル封入形態にすることもできる。
【0198】
本発明の化合物を経口投与するための液体剤形としては、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、オイル(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、小麦胚芽、オリーブ、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびその混合物などを含有し得る。
【0199】
不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味、香味、着色、香料および保存剤などの補助剤も含み得る。
【0200】
活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁化剤、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶質セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカントゴム、およびその混合物を含有し得る。
【0201】
直腸内または膣内投与のための本発明の医薬組成物の製剤は、坐剤として表され、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチレートを含む1種または複数種の適切な非刺激性賦形剤または担体と、本発明の1種または複数種の化合物を混合することによって製造することができ、かつ室温で固形であるが、体温では液体であり、したがって直腸または膣の空洞内で融解し、活性化合物を放出する。
【0202】
膣内投与に適した本発明の製剤としては、当技術分野で適切であることが知られている、かかる担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤も挙げられる。
【0203】
本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性化合物は、無菌条件下にて薬学的に許容される担体と、必要な場合には保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合され得る。
【0204】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、本発明の活性化合物に加えて、動物および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカントゴム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはその混合物などの賦形剤を含有し得る。
【0205】
粉末剤およびスプレー剤は、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレー剤はさらに、クロロフルオロ炭化水素およびブタンおよびプロパンなどの揮発性未置換炭化水素など、通例の噴射剤を含有し得る。
【0206】
経皮パッチは、本発明の化合物の、体への制御送達を提供する更なる利点を有する。かかる剤形は、適切な媒体に化合物を溶解または分散することによって製造することができる。皮膚全体への化合物のフラックスを高めるために、吸収促進剤も使用することができる。かかるフラックスの速度は、速度制御膜を提供するか、またはポリマーマトリックスもしくはゲルに化合物を分散することによって制御することができる。
【0207】
眼科製剤、眼の軟膏、粉末剤、液剤等もまた、本発明の範囲内であると企図される。
【0208】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される滅菌等張性水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、または使用前に注射可能な滅菌溶液または分散系中に溶かれる、滅菌粉末と併せて本発明の1つまたは複数の化合物を含み、糖、アルコール、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、意図するレシピエントの血液と製剤を等張性にする溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含有し得る。
【0209】
本発明の医薬組成物において用いられ得る、適切な水性または非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、および適切なその混合物、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能の有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング材料を使用することによって、分散液の場合には必要とされる粒径の維持によって、かつ界面活性剤を使用することによって維持することができる。
【0210】
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などの補助剤も含有し得る。対象に対する微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含ませることによって保証される。糖類、塩化ナトリウム等の等張化剤を組成物中に含有させることが望ましい場合もある。さらに、注射可能な薬剤形態の持続性吸収は、ノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる作用物質を含有させることによって達成され得る。
【0211】
場合によっては、薬物の作用を持続させるために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、水溶性が乏しい結晶質または非晶質物質の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、次いで結晶サイズおよび結晶形に応じて異なる。代替方法としては、非経口的に投与される薬物形態の遅延吸収は、オイル賦形剤中に薬物を溶解または懸濁することによって達成される。
【0212】
注射可能なデポ―形態は、リラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で対象化合物のミクロカプセル化マトリックスを形成することによって製造される。薬物とポリマーの比、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度をコントロールすることができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ無水物が挙げられる。注射可能なデポ―製剤は、体の組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルション中に薬物を封入することによっても製造される。
【0213】
本発明の化合物が薬剤として、ヒトおよび動物に投与される場合、それ自体で投与することもできるし、あるいは薬学的に許容される担体と併せて、活性成分を例えば、0.1~99%(より好ましくは、10~30%)含有する医薬組成物として投与することができる。
【0214】
本発明の製剤は、経口的に、非経口的に、局所的に、または直腸内に投与され得る。それらは当然のことながら、それぞれの投与経路に適した形で投与される。例えば、それらは、錠剤またはカプセル剤の形で、注射、吸入、点眼液、軟膏、坐剤当によって投与され、注射、点滴または吸入による投与;ローションまたは軟膏による局所的投与;および坐剤による直腸内投与が挙げられる。経口投与が好ましい。
【0215】
本明細書で使用される「非経口投与」および「非経口的に投与される」というフレーズは、経腸的および局所投与以外の投与形式、通常は注射による投与を意味し、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、関節内、眼窩内、心腔内、皮内、腹腔内、気管内、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内および胸骨内注射および注入が挙げられる。
【0216】
本明細書で使用される「全身投与」、「全身的に投与される」、「末梢性投与」および「末梢的に投与される」というフレーズは、患者のシステムに入り、したがって代謝および他の同様なプロセスにかけられるような、中枢神経系内に直接適用される以外の化合物、薬物または他の物質の投与、例えば皮下投与を意味する。
【0217】
これらの化合物は、経口、経鼻(例えば、スプレーとして)、経直腸、膣内、非経口、槽内および局所投与によって、粉末、軟膏もしくは液滴として、例えば頬側および舌下投与など適切な投与経路によって、治療のためヒトおよび他の動物に投与され得る。
【0218】
選択される投与経路に関わらず、適切な水和物形で使用され得る本発明の化合物、および/または本発明の医薬組成物は、当技術分野で公知の従来の方法によって薬学的に許容される剤形へと製剤化される。
【0219】
本発明の医薬組成物における活性成分の実際の投与量レベルは、患者に毒性であることなく、特定の患者、組成物および投与形式に対して、所望の治療反応を達成するのに有効である量の活性成分が得られるように変化し得る。
【0220】
選択される投薬量レベルは、用いられる本発明の特性の化合物、またはそのエステル、塩またはアミドの活性、投与経路、投与時間、用いられる特定の化合物の排出または代謝速度、吸収の速度および程度、治療の期間、用いられる特定の化合物と併せて使用される他の薬物、化合物および/または物質、年齢、性別、体重、症状、全身の健康状態および治療される患者の前の病歴、および医療分野で既知の同様な因子など、様々な因子に応じて異なる。
【0221】
当技術分野の通常の知識を有する医師または獣医師であれば、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を達成するために必要なレベルよりも低いレベルで医薬組成物において用いられる本発明の化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで、投薬量を徐々に増やすこともできる。
【0222】
一般に、本発明の化合物の適切な1日量は、治療効果を生むのに有効な最低投与量である、化合物の量である。かかる有効用量は一般に、上述の因子に応じて異なる。好ましくは、この化合物は、約0.01~約200mg/kg、さらに好ましくは約0.1~約100mg/kg、またさらに好ましくは約0.5~約50mg/kgにて投与される。本明細書に記載の化合物が他の作用物質(例えば、感作剤として)と共に同時投与される場合、有効量は、その作用物質が単独で使用される場合よりも低い。
【0223】
所望の場合には、活性化合物の有効な1日量は、任意に単位剤形で、その日全体を通して適切な間隔にて別々に、2、3、4、5、6回以上の副用量として投与され得る。好ましい投与は、1日1回の投与である。
【0224】
V.医療用途で使用するためのキット
本発明の他の態様は、障害を治療するためのキットを提供する。このキットは:i)ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症などの医療疾患を治療するための説明書;およびii)式I、I-A、II、またはIIIの化合物など、本明細書に記載の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物;を備えている。このキットは、前記医療疾患、例えば、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症の治療に有効な、式Iの化合物など、本明細書に記載の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物をある量で含有する1つまたは複数の単位剤形を備え得る。
【0225】
上記の記述から、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンおよび関連する有機化合物、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物を含む組成物、置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物を使用する方法、およびキットを含む、本発明の複数の実施形態が説明されている。本発明の特許出願では具体的に、態様および実施形態のすべての組み合わせおよび順列を企図する。例えば、本発明は、式I-Aの化合物を治療有効量で投与することによって、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症を治療することを企図する。さらに、例えば本発明は、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症を治療するためのキットであって、i)ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症を治療するための説明書;およびii)式I-Aの化合物など、本明細書に記載の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンまたは関連する有機化合物;を備えたキットを企図する。
【実施例
【0226】
概して説明されている本発明は、以下の実施例を参照することによってさらに容易に理解され、実施例は、本発明の特定の態様および実施形態を単に説明するために含まれており、本発明を制限することを意図するものではない。
【0227】
実施例1-エチル5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(1)の製造
【化20】
酢酸(10mL)中のエチル3-アミノ-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(2.0g,12.9mmol)およびペンタン-2,4-ジオン(1.46mL,14.0mmol)の混合物を16時間還流した。反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCOで中和し、次いで酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下にて除去し、オフホワイトの固形物として標題化合物1(2.2g,78%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 8.53(s,1H),7.11(s,1H),4.27(q,J=7.07Hz,2H),2.71(s,3H),2.57(s,3H),1.30(t,J=7.07Hz,3H).ES-MS m/z 220.10(M+H)
【0228】
実施例2-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(2)の製造
【化21】
MeOH(15mL)中の化合物1(2.2g,10.0mmol)の溶液に、NaOH(5.67mL,7.2M溶液)を添加し、反応混合物を80℃で5時間加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、2M HClによって中和した。固形物が溶液から沈殿し、それを濾過し、水、エーテルで洗浄し、真空下にて乾燥させて、白色の固形物(1.3g,68%)として標題化合物2を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 8.21(s,1H),6.84(s,1H),2.65(s,3H),2.53(s,3H).ES-MS m/z 192.00(M+H)
【0229】
実施例3-4-(イソキサゾール-3-イル)アニリン(3)の製造
【化22】
MeOH(30mL)中の3-(4-ニトロフェニル)イソキサゾール(500mg,2.63mmol)の溶液に、窒素雰囲気下にて室温で10%Pd/C(70mg,10重量%)を添加した。反応混合物を水素雰囲気下にて室温で14時間撹拌した。次いで、反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、茶色の粘着性オイル(550mg,93%)として標題化合物3を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 8.83(d,J=1.35Hz,1H),7.54(d,J=8.53Hz,2H),6.92(d,J=1.35Hz,1H),6.63(d,J=8.53Hz,2H),5.53(s,2H).
【0230】
実施例4-4-(オキサゾール-4-イル)アニリン(4)の製造
【化23】
MeOH:THF(3:3mL)中の4-(4-ニトロフェニル)オキサゾール(500mg,2.60mmol)の溶液に、窒素雰囲気下にて室温で10%Pd/C(50mg,10重量%)を添加した。反応混合物を水素雰囲気下にて室温で16時間撹拌した。次いで、セライトのパッド上で反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物をFCC(溶離剤,ヘキサン中に酢酸エチル30%)によって精製して、淡褐色の濃い液体(260mg,62%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 8.27-8.34(m,2H),7.40-7.46(m,2H),6.56-6.62(m,2H),5.23(s,2H).ES-MS m/z 160.95(M+H)
【0231】
実施例5-N-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(5)の製造
【化24】
DMF(7.5mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(1.5g,7.84mmol)の溶液に、HATU(4.4g,11.7mmol)、DIPEA(4.2mL,23.5mmol)および4-ヨードアニリン(2.06g,9.4mmol)を室温で装入し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(1mL)でクエンチし、沈殿した固形物を濾過し、乾燥させて粗製化合物を得た。100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤,DCM中にメタノール3~5%)によって、その粗製化合物を精製し、白色の固形物(1.7g,56%)として標題化合物5を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.14(br s,1H),8.67(s,1H),7.65(d,J=8.38Hz,2H),7.54(d,J=8.38Hz,2H),6.77(s,1H),2.82(s,3H),2.71(s,3H).
【0232】
実施例6-5,7-ジメチル-N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(6)の製造
【化25】
DMF(25mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(1g,2.5mmol)に、アルゴン下にて室温でビス(ピナコラト)ジボロン(1.3g,5.1mmol)、酢酸カリウム(736mg,7.5mmol)およびPd(dppf)ClDCM付加物(204mg,0.25mmol)を装入した。反応混合物を100℃で2時間加熱した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、真空下にて濃縮して、粗製化合物を得た。10%エタノール:n-ヘキサン中で粉砕することによって、粗製化合物を精製し、茶色の固形物(800mg,80%)として標題化合物6を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.20(br s,1H),8.69(s,1H),7.84(d,J=8.13Hz,2H),7.76(d,J=8.13Hz,2H),6.76(s,1H),2.82(s,3H),2.73(s,3H),1.26(s,12H).
【0233】
実施例7-基本手順A(アミド化反応)
5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(150mg,0.78mmol)、DIPEA(0.408mL,2.35mmol)およびHATU(300mg,0.78mmol)の混合物をDMF(4mL)に溶解し、室温(RT)にて1時間撹拌した。次いで、相当するアミン(0.78mmol)を反応混合物に添加し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、濾過除去する。残留物をさらに、水(3×20mL)で洗浄し、エーテルで再結晶化して、白色の固形化合物を得た。
【0234】
実施例8-基本手順B(アミド化反応)
トルエン(8mL)中のアミン(1.1当量)の撹拌溶液に、0℃のAlMe(2M溶液,4当量)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。この反応混合物に、エチル5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート1(1当量)を添加し、反応混合物を110℃で18時間撹拌するか、または出発原料が消費されるまで撹拌した。反応をHCl(1M,0.5mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×10mL)で抽出して、粗製化合物を得た。FCC(溶離剤,DCM中でMeOH2%)によって、粗製化合物を精製し、エーテルでさらに粉砕して、固形物として目的の化合物を得た。
【0235】
実施例9-5,7-ジメチル-N-(5-エチニルピリジン-2-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化26】
基本手順Bを用いて、標題化合物を白色固形物(20%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.69(br s,1H),8.70(s,1H),8.47(d,J=1.82Hz,1H),8.41(d,J=8.63Hz,1H),7.81(dd,J=8.63,1.82Hz,1H),6.78(s,1H),3.16(s,1H),2.82(s,3H),2.76(s,3H).ES-MS m/z 292.15(M+H).HPLC純度 99.8%.
【0236】
実施例10-5,7-ジメチル-N-(6-エチニルピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化27】
基本手順Bを用いて、標題化合物を白色固形物(50%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.37(s,1H),8.89(d,J=2.13Hz,1H),8.67(s,1H),8.27(dd,J=8.31,2.77Hz,1H),7.59(d,J=8.40Hz,1H),7.22(s,1H),4.26(s,1H),2.77(s,3H),2.72(s,3H).ES-MS m/z 292.15(M+H).HPLC:98.3%.
【0237】
実施例11-N-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化28】
基本手順Aを用いて、標題化合物を白色固形物(29mg,11%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.20(s,1H),8.70(s,1H),7.83(d,J=8.76Hz,2H),7.61(d,J=8.34Hz,4H),7.44(t,J=7.71Hz,2H),7.30-7.35(m,1H),6.71-6.81(m,1H),2.81(s,3H),2.72(s,3H).ES-MS m/z 343.25(M+H).HPLC純度 98.4%.
【0238】
実施例12-N-(4-(3-メトキシプロプ-1-イン-1-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化29】
基本手順Aを用いて、標題化合物を白色固形物(39mg,15%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.22(br s,1H),8.68(s,1H),7.72(d,J=8.61Hz,2H),7.46(d,J=8.61Hz,2H),6.71-6.82(m,1H),4.34(s,2H),3.47(s,3H),2.82(s,3H),2.71(s,3H).ES-MS m/z 335.15(M+H).HPLC純度 95.1%.
【0239】
実施例13-5,7-ジメチル-N-(4-フェノキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化30】
基本手順Aを用いて、標題化合物をオフホワイトの固形物(90mg,32%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.10(br s,1H),8.69(s,1H),7.72(d,J=8.76Hz,2H),7.30-7.38(m,2H),6.96-7.13(m,5H),6.76(s,1H),2.82(s,3H),2.70(s,3H).ES-MS m/z 359.20(M+H).HPLC純度 98.3%.
【0240】
実施例14-5,7-ジメチル-N-(4-(1H-イミダゾール-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化31】
基本手順Aを用いて、標題化合物をオフホワイトの固形物(151mg,58%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.27(s,1H),8.70(s,1H),7.80(d,J=8.40Hz,2H),7.87(s,1H),7.39(d,J=8.40Hz,2H),7.27(d,J=4.26Hz,2H),6.79(s,1H),2.85(s,3H),2.74(s,3H).ES-MS m/z 333.15(M+H).HPLC純度 99.9%.
【0241】
実施例15-5,7-ジメチル-N-(4-(チアゾール-2-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化32】
基本手順Aを用いて、標題化合物をオフホワイトの固形物(90mg,33%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.29(br s,1H),8.70(s,1H),7.97(d,J=8.61Hz,2H),7.81-7.89(m,3H),7.29(d,J=2.87Hz,1H),6.78(s,1H),2.84(s,3H),2.74(s,3H).ES-MS m/z 350.15(M+H).HPLC純度 98.3%.
【0242】
実施例16-5,7-ジメチル-N-(4-エチニル-2-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化33】
基本手順Bを用いて、標題化合物を白色の固形物(9%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.73(br s,1H),8.69(s,1H),8.64(d,J=8.00Hz,1H),7.19(d,J=8.63Hz,1H),7.04(s,1H),6.77(s,1H),4.00(s,3H),3.05(s,1H),2.82(s,3H),2.73(s,3H).ES-MS m/z 321.10(M+H).HPLC純度 98.9%.
【0243】
実施例17-5,7-ジメチル-N-(4-(イソキサゾール-3-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化34】
基本手順Bを用いて、標題化合物を白色の固形物(27%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.31(br s,1H),8.71(s,1H),8.45(s,1H),7.75-7.99(m,4H),6.79(s,1H),6.67(s,1H),2.83(s,3H),2.74(s,3H).ES-MS m/z 334.10(M+H).HPLC純度 96.1%.
【0244】
実施例18-5,7-ジメチル-N-(4-(オキサゾール-4-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化35】
基本手順Bを用いて、標題化合物を白色の固形物(18%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.22(br s,1H),8.71(s,1H),7.94(s,2H),7.81-7.86(m,2H),7.75-7.79(m,2H),6.78(s,1H),2.83(s,3H),2.74(s,3H).ES-MS m/z 334.15(M+H).HPLC純度 99.6%.
【0245】
実施例19-5,7-ジメチル-N-(4-(オキサゾール-2-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化36】
基本手順Bを用いて、標題化合物を白色の固形物(10%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.32(br s,1H)8.71(s,1H),8.06(d,J=8.62Hz,2H),7.88(d,J=8.62Hz,2H),7.70(s,1H),7.22(s,1H),6.79(s,1H),2.83(s,3H),2.74(s,3H).ES-MS m/z 334.15(M+H).HPLC純度 97.9%.
【0246】
実施例20-N-(4-エチニルシクロヘキシル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化37】
DMF(10mL)中の4-((t-ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキサン-1-カルボン酸(1g,4.11mmol)およびN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(602mg,6.17mmol)の溶液に、EDCI(955mg,6.16mmol)およびHOBt(277mg,2.05mmol)を装入し、室温で12時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物をFCC(溶離剤,ヘキサン中で酢酸エチル20~25%)によって精製し、t-ブチル(4-(メトキシ(メチル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバメートを無色の液体(133mg,68%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 4.81(br s,1H),3.75-3.85(m,1H),3.70(s,3H),3.19(s,3H),2.69-2.81(m,1H),1.85(d,J=10.80Hz,2H),1.59-1.74(m,6H),1.45(s,9H).ES-MS m/z 287.15(M+H)
【0247】
THF(30mL)中のt-ブチル(4-(メトキシ(メチル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート(1.2g,4.19mmol)の溶液に、-70℃にて水素化アルミニウムリチウム(LAH)(1.75g,4.60mmol)を少量ずつ装入した。反応混合物を室温に温め、5時間撹拌した。反応混合物を10%NaOH溶液でクエンチし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、粗製化合物を得た。それをFCC(溶離剤,ヘキサン中で酢酸エチル15~20%)によって精製し、t-ブチル(4-ホルミルシクロヘキシル)カルバメート(647mg,68%)を黄色の粘着性オイルとして得て、それを次の工程で直接使用した。
【0248】
アセトニトリル(20mL)中のジメチル(2-オキソプロピル)ホスホネート(219mg,1.32mmol)の溶液に、4-メチルベンゼンスルホニルアジド(260mg,1.32mmol)およびKCO(485mg,3.52mmol)を装入し、室温で12時間撹拌した。得られた溶液に、t-ブチル(4-ホルミルシクロヘキシル)カルバメート(200mg,0.88mmol)を添加し、室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空内で濃縮し、水(20mL)で希釈して、酢酸エチル(3×15mL)で抽出し、NaSO上で乾燥させ、真空内で濃縮した。粗製化合物をFCC(溶離剤,ヘキサン中で酢酸エチル15~20%)によって精製し、無色のオイル(133mg,68%)としてt-ブチル(4-エチニルシクロヘキシル)カルバメートを得た。
【0249】
DCM(10mL)中のt-ブチル(4-エチニルシクロヘキシル)カルバメート(250mg,1.12mmol)の溶液に、TFA(0.25mL)を装入し、室温で3時間撹拌した。反応混合物を真空内で濃縮し、n-ペンタンで粉砕することによって精製し、黄色のオイル(120mg,87%)として4-エチニルシクロヘキサン-1-アミンを得た。
【0250】
DMF(5mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(120mg,0.62mmol)、HOBt(125mg,0.93mmol)、EDCI(144mg,0.93mmol)の溶液を室温で30分間撹拌し、4-エチニルシクロヘキサン-1-アミン(92mg,0.75mmol)を装入し、室温でさらに16時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈して、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、NaSO上で乾燥させ、真空内で濃縮した。粗製化合物をFCC(溶離剤,DCM中で酢酸エチル2~4%)によって精製し、白色の固形物(120mg,65%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.61(s,1H),8.04(d,J=5.73Hz,1H),6.70(br s,1H),4.06-4.16(m,1H),2.78(s,3H),2.67(s,1H),2.63(s,3H),2.29-2.41(m,1H),2.16(d,J=10.58Hz,2H),2.12-1.84(m,2H),1.34-1.43(m,2H),1.22-1.31(m,2H).ES-MS m/z 297.25(M+H).HPLC純度 99.9%.
【0251】
実施例21-N-(4-(ISOチアゾール-4-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化38】
DMF(5mL)中の5,7-ジメチル-N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド6(286mg,0.73mmol)の溶液に、4-ブロモイソチアゾール(100mg,0.60mmol)、酢酸カリウム(179mg,1.8mmol)およびPd(dppf)ClDCM付加物(49mg,0.06mmol)をアルゴン下にて室温で装入した。反応混合物を100℃に16時間加熱した。反応混合物を水(5mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、真空下にて濃縮して粗製化合物を得た。粗製化合物をFCC(溶離剤,DCM中で酢酸エチル3~5%)によって精製し、オフホワイトの固形物(50mg,23%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.24(s,1H),8.79(s,1H),8.71(s,1H),8.68(s,1H),7.84(d,J=8.57Hz,2H),7.61(d,J=8.57Hz,2H),6.78(s,1H),2.83(s,3H),2.74(s,3H).ES-MS m/z 350.20(M+H).HPLC純度 99.1%.
【0252】
実施例22-N-(4-(イソキサゾール-4-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化39】
DMF中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(350mg,0.89mmol)、イソキサゾール-4-イルボロン酸(164mg,1.33mmol)、KF(155mg,2.67mmol)の溶液をアルゴンで30分間脱気した。得られた溶液に、Pd(dppf)Cl(73mg,0.08mmol)を添加し、その溶液を密閉管内でさらに10分間脱気し、50℃に8時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、15分間撹拌した。沈殿した固形物を濾過し、乾燥させ、粗製化合物が得られ、それをFCC(溶離剤,DCM中でメタノール2~4%)によって精製し、薄い灰色の固形物(45mg,15%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.23(br s,1H),8.68(d,J=16.76Hz,2H),8.56(s,1H),7.83(d,J=8.38Hz,2H),7.48(d,J=7.94Hz,2H),6.78(s,1H),2.83(s,3H),2.73(s,3H).ES-MS m/z 334.20(M+H).HPLC純度 98.3%.
【0253】
実施例23-N-(3-シクロプロピルイソキサゾール-5-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化40】
0℃のDCM(5mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(200mg,1.04mmol)の溶液に、塩化オキサリル(2.6mL,30.1mmol)を装入した。反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応混合物を真空内で濃縮し、茶色の固形物(210mg,95%)として5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボニルクロライドを得て、それを次の工程で直接使用した。
【0254】
0℃のTHF(3mL)中の3-シクロプロピルイソキサゾール-5-アミン(136mg,1.09mmol)およびDIPEA(0.87mL,4.90mmol)の溶液にアルゴン雰囲気下にて、THF(2mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボニルクロライド2(210mg,0.95mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(2mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗生成物が得られ、それを調製用(preparatory)HPLC(カラム:YMC triart;寸法:(サイズ20×250mm×5μ);方法:移動相A-水中の5mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア,移動相B-アセトニトリル+0.1%アンモニア;勾配プログラム:10%B~50%B)によって精製して、オフホワイトの固形物(10mg,3%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 11.01(s,1H),8.71(s,1H),7.24(s,1H),6.11(s,1H),2.77(s,3H),2.68(s,3H),2.03-1.94(m,1H),1.05-0.98(m,2H),0.84-0.76(m,2H).ES-MS m/z 298.30(M+H).HPLC純度 94.3%.
【0255】
実施例24-5,7-ジメチル-N-(5-(1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)イソキサゾール-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化41】
0℃のTHF(3mL)中の5-(1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)イソキサゾール-3-アミン(241mg,1.25mmol)およびDIPEA(0.91mL,5.20mmol)の溶液をアルゴン下にて、THF(2mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボニルクロライド(210mg,0.95mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(2mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗生成物が得られ、それをFCC(溶離剤,ヘキサン中で酢酸エチル15~20%)によって精製して、オフホワイトの固形物(180mg,47%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.63(br s,1H),8.67(s,1H),7.23(s,1H),6.80(s,1H),2.83(s,3H),2.72(s,3H),1.51(d,J=3.6Hz,2H),1.47(d,J=3.6Hz,2H).ES-MS m/z 365.95(M+H).HPLC純度 99.2%.
【0256】
実施例25-N-(4-(1H-ピロール-2-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化42】
DMF(2mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(100mg,0.25mmol)の溶液に、(1-(t-ブトキシカルボニル)-1H-ピロール-2-イル)ボロン酸(64mg,0.31mmol)、KCO(105mg,0.76mmol)、Pd(PPh(29mg,0.025mmol)を装入し、混合物をアルゴンで30分間脱気し、100℃に30時間加熱した。次いで、セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。濾液を氷水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、真空内で濃縮して粗生成物が得られ、それをFCC(溶離剤,DCM中でメタノール5~10%)によって精製して、白色の固形物(50mg,59%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 11.22(br s,1H),10.16(s,1H),8.63(s,1H),7.72(d,J=8.3Hz,2H),7.62(d,J=8.8Hz,2H),7.20(s,1H),6.84-6.80(m,1H),6.47-6.44(m,1H),6.10(d,J=2.2Hz,1H),2.77(s,3H),2.72(s,3H).ES-MS m/z 332.20(M+H).HPLC純度 98.1%.
【0257】
実施例26-5,7-ジメチル-N-(6-(オキサゾール-4-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化43】
0℃のDMF(1mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸1(53mg,0.27mmol)の溶液に、HATU(153mg,0.40mmol)、DIPEA(0.14mL,0.81mmol)および6-(オキサゾール-4-イル)ピリジン-3-アミン(45mg,0.27mmol)を装入した。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗生成物が得られた。粗生成物をFCC(溶離剤,DCM中でメタノール1~3%)によって精製して、白色の固形物(18mg,19%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.36(br s,1H),8.82(s,1H),8.71(s,1H),8.46(d,J=7.94Hz,1H),8.33(br s,1H),7.92-7.99(m,2H),6.81(s,1H),2.85(s,3H),2.74(s,3H).ES-MS m/z 335.35(M+H).HPLC純度 98.5%.
【0258】
実施例27-5,7-ジメチル-N-(6-(チオフェン-2-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化44】
DMF(2mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸1(500mg,2.63mmol)、HATU(1.5g,3.94mmol)、DIPEA(1.2mL,7.89mmol)の溶液を室温で30分間撹拌し、6-ブロモピリジン-3-アミン(542mg,3.15mmol)を装入し、室温にてさらに16時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮した。粗生成物をFCC(溶離剤,DCM中でメタノール1~3%)によって精製して、黄色の固形物(510mg,56%)としてN-(6-ブロモピリジン-3-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドを得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.24(br s,1H),8.65(s,1H),8.54(d,J=2.8Hz,1H),8.24(dd,J=6Hz,11.6Hz,1H),7.51(d,J=8.8Hz,1H),6.79(s,1H),2.82(s,3H),2.71(s,3H).ES-MS m/z 346.00(M+H)
【0259】
DMF(5mL)中のN-(6-ブロモピリジン-3-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(150mg,0.43mmol)の溶液に、4,4,5,5-テトラメチル-2-(チオフェン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(136mg,0.65mmol)、KCO(178mg,1.29mmol)、Pd(PPh(49mg,0.042mmol)を装入し、反応混合物をアルゴンで30分間脱気し、100℃に30時間加熱した。セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。濾液を氷水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、真空下で濃縮して粗製化合物を得て、それを、メタノール中で混合粉砕することによって精製し、オフホワイトの固形物(30mg,20%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.28(br s,1H),8.65(s,1H),8.62(s,1H),8.42(d,J=8.5Hz,1H),7.61(d,J=8.5Hz,1H),7.49(d,J=2.2Hz,1H),7.29(d,J=4.9Hz,1H),7.04(t,J=4.3Hz,1H),6.72(s,1H),2.76(s,3H),2.65(s,3H).ES-MS m/z 350.30(M+H).HPLC純度 99.5%.
【0260】
実施例28-N-([2,4’-ビピリジン]-5-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化45】
DMF(5mL)中のN-(6-ブロモピリジン-3-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(95mg,0.27mmol)の溶液に、ピリジン-4-イルボロン酸(40mg,0.32mmol)、KCO(111mg,0.80mmol)、Pd(PPh(31mg,0.02mmol)を装入し、溶液をアルゴンで30分間脱気し、100℃に16時間加熱した。セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。濾液を氷水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、真空下で濃縮して粗製化合物を得て、それを、メタノール中で混合粉砕することによって精製し、オフホワイトの固形物(30mg,32%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.41(s,1H),8.79(d,J=2.69Hz,1H),8.61-8.68(m,3H),8.56(dd,J=2.47,8.75Hz,1H),7.94(d,J=6.28Hz,2H),7.82(d,J=8.53Hz,1H),6.76(s,1H),2.78(s,3H),2.69(s,3H).ES-MS m/z 345.35(M+H).HPLC純度 96.9%.
【0261】
実施例29-N-(6-(フラン-2-イル)ピリジン-3-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化46】
DMF(5mL)中のN-(6-ブロモピリジン-3-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(150mg,0.43mmol)の溶液に、フラン-2-イルボロン酸(77mg,0.65mmol)、KCO(178mg,1.29mmol)、Pd(PPh(49mg,0.042mmol)を装入し、混合物をアルゴンで30分間脱気し、100℃に30時間加熱した。セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。濾液を氷水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、真空下で濃縮して粗製化合物を得て、それを、メタノール中で混合粉砕することによって精製し、茶色の固形物(40mg,28%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.41(s,1H),8.79(d,J=2.7Hz,1H),8.77(s,1H),8.56(dd,J=2.5,8.8Hz,1H),7.65(d,J=8.8Hz,1H),7.56(s,1H),7.04(s,1H),6.82(d,J=8.5Hz,1H),6.52(d,J=6.3Hz,1H),2.78(s,3H),2.69(s,3H).ES-MS m/z 345.35(M+H).HPLC純度 96.9%.
【0262】
実施例30-5,7-ジメチル-N-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化47】
DMF(5mL)中のN-(6-ブロモピリジン-3-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(95mg,0.27mmol)の溶液に、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(66mg,0.32mmol)、KCO(111mg,0.80mmol)、Pd(PPh(31mg,0.02mmol)を装入し、混合物をアルゴンで30分間脱気し、100℃に30時間加熱した。セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。濾液を氷水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、真空下で濃縮して粗製化合物を得て、それを、メタノール中で混合粉砕することによって精製し、オフホワイトの固形物(35mg,36%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.23(s,1H),8.64-8.59(m,2H),8.41(d,J=8.2Hz,1H),7.99(br.s,1H),7.88(s,1H),7.45(d,J=8.7Hz,1H),6.77(s,1H),3.92(s,3H),2.76(s,3H),2.66(s,3H).ES-MS m/z 348.40(M+H).HPLC純度 97.9%.
【0263】
実施例31-5,7-ジメチル-N-(4-(チアゾール-4-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化48】
密閉管内のジオキサン(10mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(250mg,0.64mmol)およびチアゾール-4-イルボロン酸2(124mg,0.96mmol)の溶液に、水(0.5mL)中のCHCOK(126mg,1.28mmol)の溶液を装入し、混合物をアルゴンで30分間脱気した。得られた溶液にPd(dppf)ClDCM付加物(52mg,0.06mmol)を装入し、撹拌しながら90℃に16時間加熱した。次いで、セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、過剰量のDCMで洗浄した。合わせた濾液を真空内で濃縮し、粗製化合物を得て、それを、FCC(溶離剤,DCM中でメタノール1~2%)によって精製し、淡褐色の固形物(45mg,20%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.07(s,1H),7.29(d,J=7.9Hz,2H),6.64(d,J=8.2Hz,2H),6.58(s,1H),4.54(s,2H),4.31(s,2H),3.44(s,3H),2.73(s,3H),2.58(s,3H).ES-MS m/z 321.15(M+H).HPLC純度 98.9%.
【0264】
実施例32-N-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化49】
0℃のDMF(2mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(100mg,0.52mmol)の溶液に、HATU(296mg,0.78mmol)、DIPEA(0.13mL,0.78mmol)および1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン(83mg,0.62mmol)を装入した。反応混合物を室温に温め、16時間攪拌した。次いで、反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得た。FCC(溶離剤,DCM中でメタノール1~3%)によって、粗製化合物を精製し、白色の固形物(20mg,13%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 11.18(br s,1H),11.09(br s,1H),8.71(s,1H),7.66(d,J=7.50Hz,1H),7.43(d,J=7.50Hz,1H),7.15-7.24(m,2H),6.83(s,1H),2.84(s,3H),2.77(s,3H).ES-MS m/z 307.15(M+H).HPLC純度 95.0%.
【0265】
実施例33-5,7-ジメチル-N-(4-(3-(ピペリジン-1-イル)プロプ-1-イン-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化50】
ピペリジン(3mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(200mg,0.51mmol)、プロプ-2-イン-1-オール(0.04mL,0.61mmol)、CuI(10mg,0.05mmol)およびPd(PPh(58mg,0.005mmol)の溶液を密閉管内で45℃にて16時間加熱した。次いで、反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、NaSOで乾燥させて、真空内で濃縮して粗製化合物を得て、FCC(溶離剤,DCM中でメタノール0~3%)によって、それを精製し、オフホワイトの固形物(60mg,37%)としてN-(4-(3-ヒドロキシプロプ-1-イン-1-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドを得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.24(br s,1H),8.01(s,1H),7.67(dd,J=7.61,11.58Hz,2H),7.55(s,1H),7.48(d,J=5.73Hz,2H),3.49(s,3H),3.31(s,3H),2.85-2.71(m,2H),2.61(s,1H).ES-MS m/z 321.10(M+H)
【0266】
DMF(5mL)中のN-(4-(3-ヒドロキシプロプ-1-イン-1-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(120mg,0.37mmol)の溶液に、ピペリジン(0.04mL,0.44mmol)、PPh(146mg,0.55mmol)およびDIAD(112mg,0.55mmol)を装入し、混合物を40℃に16時間加熱した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×15mL)で抽出し、NaSOで乾燥させて、真空内で濃縮した。FCC(溶離剤,DCM中でメタノール0~3%)によって、粗製化合物を精製し、オフホワイトの固形物(22mg,15%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.13(s,1H),8.61(s,1H),7.64(d,J=8.4Hz,2H),7.37(d,J=8.4Hz,2H),6.70(s,1H),3.48(s,2H),2.75(s,3H),2.65(s,3H),2.61-2.51(m,4H),1.69-1.59(m,6H).ES-MS m/z 388.35(M+H) .HPLC純度 95.4%.
【0267】
実施例34-N-(4-(3-(ジメチルアミノ)プロプ-1-イン-1-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化51】
THF(5mL)中のN,Nジメチルアミンの2M溶液中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(100mg,0.25mmol)、3-ブロモプロプ-1-イン(91mg,0.76mmol)、CuI(5mg,0.02mmol)およびPdCl(PPh(10mg,0.01mmol)の溶液を密閉管内で60℃にて16時間加熱した。次いで、反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得て、FCC(溶離剤,DCM中でメタノール0~3%)によって、それを精製し、淡褐色の固形物(56mg,63%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.28(s,1H),8.65(s,1H),7.76(d,J=7.5Hz,2H),7.45(d,J=7.9Hz,2H),7.21(s,1H),3.46(s,2H),2.77(s,3H),2.71(s,3H),2.26(s,6H).ES-MS m/z 389.35.(M+CHCN)付加物.HPLC純度98.8%.
【0268】
実施例35-5,7-ジメチル-N-(4-(3-モルホリノプロプ-1-イン-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化52】
THF(10mL)中のモルホリンの2M溶液中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(300mg,0.76mmol)、3-ブロモプロプ-1-イン(0.21mL,2.29mmol)、CuI(29mg,0.15mmol)およびPdCl(PPh(54mg,0.07mmol)の溶液を、密閉管内で60℃にて4時間加熱した。次いで、反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得て、FCC(溶離剤,DCM中でメタノール0~3%)によって、それを精製し、オフホワイトの固形物(60mg,20%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.21(s,1H),8.69(s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.44(d,J=7.9Hz,2H),6.77(s,1H),3.85-3.68(m,4H),3.52(s,2H),2.83(s,3H),2.72(s,3H),2.69-2.53(m,4H).ES-MS m/z 390.35(M+H).HPLC純度 99.9%.
【0269】
実施例36-N-(4-(1H-イミダゾール-2-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化53】
DMF(5mL)中の5,7-ジメチル-N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド6(440mg,1.12mmol)の溶液に、2-ブロモ-1H-イミダゾール(150mg,1.02mmol)、炭酸カリウム(422mg,3.06mmol)を装入し、混合物をアルゴンで15分間脱気した。得られた溶液にPd(PPh(117mg,0.10mmol)を添加し、反応混合物をさらに10分間脱気し、100℃で15時間加熱した。次いで、反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得た。FCC(溶離剤,DCM中でメタノール1~3%)によって、粗製化合物を精製し、白色の固形物(40mg,12%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.48(br s,1H),10.27(s,1H),8.65(s,1H),7.93(d,J=8.87Hz,2H),7.82(d,J=8.87Hz,2H),7.07-7.24(m,3H),2.78(s,3H),2.73(s,3H).ES-MS m/z 333.35(M+H).HPLC純度 98.3%.
【0270】
実施例37-5,7-ジメチル-N-(4-(ピペリジン-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化54】
トルエン(8mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(200mg,0.51mmol)の溶液に、ピペリジン(0.06mL,0.61mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(2mg,0.002mmol)を装入し、混合物をアルゴンで30分間脱気した。DavePhos(2mg,0.005mmol)およびKOBu(114mg,1.02mmol)を添加し、混合物を90℃に16時間加熱した。セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(3×10mL)で洗浄した。合わせた濾液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得て、FCC(溶離剤,DCM中でメタノール1~2%)によって、粗製化合物を精製し、白色の固形物(160mg,47%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 9.95(s,1H),8.59(s,1H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),7.18(s,1H),6.94(d,J=8.8Hz,2H),3.11-3.06(m,4H),2.76(s,3H),2.69(s,3H),1.63(d,J=4.9Hz,4H),1.53(d,J=5.3Hz,2H).ES-MS m/z 350.25(M+H).HPLC純度 96.7%.
【0271】
実施例38-5,7-ジメチル-N-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化55】
トルエン(5mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(500mg,1.27mmol)の溶液に、t-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(283mg,1.53mmol)、Pd(dba)(3.5mg,0.006mmol)を装入し、アルゴンで30分間脱気した。得られた溶液に、t-BuOK(286mg,2.55mmol)およびDavePhos(5mg,0.01mmol)を添加し、混合物を90℃に16時間加熱した。セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)および水(10mL)で洗浄した。濾液を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得て、次いでFCC(溶離剤,DCM中でメタノール1~3%)によって、粗製化合物を精製し、オフホワイトの固形物(380mg,36%)としてt-ブチル4-(4-(5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートを得た。ES-MS m/z 451.40(M+H)
【0272】
DCM(8mL)中のt-ブチル4-(4-(5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(280mg,0.62mmol)の溶液に、TFA(1.5mL)を装入し、室温で12時間攪拌した。次いで、反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得て、次いでFCC(溶離剤,DCM中でメタノール1~3%)によって、粗製化合物を精製し、メタノールで混合粉砕して、オフホワイトの固形物(58mg,16%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 9.97(br s,1H),8.59(s,1H),7.59(d,J=7.20Hz,2H),7.18(s,1H),6.96(d,J=6.96Hz,2H),3.10-2.97(m,4H),2.76(s,3H),2.69(s,3H),1.33-1.23(m,4H),0.87(br.s,1H).ES-MS m/z 351.25(M+H).HPLC純度 97.7%.
【0273】
実施例39-N-(4-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化56】
プロパノール/水(4:1mL)中の5,7-ジメチル-N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド6(320mg,0.80mmol)の溶液に、5-ブロモ-1H-ピラゾール(100mg,0.60mmol)、CeCO(585mg,1.80mmol)を装入し、混合物をアルゴンで15分間脱気した。得られた溶液に、PdCl(dppf)(49mg,0.60mmol)を添加し、得られた溶液をさらに10分間脱気し、次いで100℃で16時間加熱した。次に、反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得て、、次いでFCC(溶離剤,DCM中でメタノール1~3%)によって、粗製化合物を精製し、メタノールで混合粉砕して、茶色の固形物(25mg,11%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.81(br s,1H),10.24(br s,1H),8.65(s,1H),7.43-7.89(m,6H),7.21(s,1H),2.78(s,3H),2.73(s,3H).ES-MS m/z 333.25(M+H).HPLC純度 92.4%.
【0274】
実施例40-5,7-ジメチル-N-(4-(ペンチルオキシ)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化57】
0℃のDMF(10mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(300mg,1.56mmol)の溶液に、HATU(894mg,2.35mmol)、DIPEA(0.82mL,4.70mmol)および4-アミノフェノール(205mg,1.88mmol)を装入した。次いで、反応混合物を室温に温め、16時間撹拌した。反応混合物を水(2mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して粗生成物を得て、次いでFCC(溶離剤,DCM中でメタノール5%)によって、粗生成物を精製し、オフホワイトの固形物(284mg,64%)としてN-(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドを得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 9.92(s,1H),9.26(s,1H),8.58(s,1H),7.51(d,J=7.9Hz,2H),7.16(s,1H),6.77(d,J=7.9Hz,2H),2.76(s,3H),2.68(s,3H).ES-MS m/z 283.15(M+H)
【0275】
DMF中のN-(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(140mg,0.49mmol)の溶液に、KCO(102mg,0.74mmol)およびブロモペンタン(0.1mL,0.74mmol)を室温で装入した。反応混合物を100℃に16時間加熱した。次いで、反応混合物を水(2mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して粗生成物を得て、それを調製用HPLC(カラム:YMC triart;寸法:(サイズ20×250mm×5μ);方法:移動相A-水中の5mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア,移動相B-アセトニトリル+0.1%アンモニア;勾配プログラム:10%B~50%B)によって精製して、白色の固形物(50mg,29%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.01(s,1H),8.61(s,1H),7.63(d,J=8.8Hz,2H),7.18(s,1H),6.94(d,J=8.8Hz,2H),3.95(t,J=6.4Hz,2H),2.77(s,3H),2.69(s,3H),1.77-1.66(m,2H),1.46-1.31(m,4H),0.90(t,J=7.1Hz,3H).ES-MS m/z 353.30(M+H).HPLC純度 99.8%.
【0276】
実施例41-5,7-ジメチル-N-(4-(プロプ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化58】
DMF(2mL)中のN-(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(50mg,0.17mmol)の溶液に、炭酸カリウム(36mg,0.26mmol)および80%プロパギルブロミド(0.04mL,0.26mmol)を室温で装入し、反応混合物を100℃に12時間加熱した。次いで,反応混合物を水(2mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得て、次いでPREP HPLC(カラム:YMC triart;寸法:(サイズ20×250mm×5μ);方法:移動相A-水中の5mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア,移動相B-アセトニトリル+0.1%アンモニア;勾配プログラム:10%B~50%B)によって精製して、白色の固形物(34mg,61%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.05(s,1H),8.61(s,1H),7.67(d,J=8.8Hz,2H),7.18(s,1H),7.01(d,J=8.8Hz,2H),4.79(s,2H),3.56(s,1H),2.77(s,3H),2.70(s,3H).ES-MS m/z 321.20(M+H).HPLC純度 99.7%.
【0277】
実施例42-4-(4-(5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド)フェニル)ブタン酸の製造
【化59】
DMF(5mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(200mg,1.04mmol)の溶液に、EDC.HCl(240mg,1.25mmol)、HOBT(170mg,1.25mmol)、トリエチルアミン(0.43mL,3.14mmol)を装入し、室温で30分間攪拌した。得られた溶液に、メチル4-(4-アミノフェニル)ブタノエート(240mg,1.25mmol)を添加し、混合物を室温で16時間攪拌した。次いで、反応混合物を氷冷水(50mL)でクエンチし、さらに30分間撹拌した。濾過によって固形物を回収し、水に続いてn-ヘキサンで洗浄し、乾燥させて、淡褐色の固形物(240mg)として相当するエステルを得て、さらに精製することなく、次の工程でそれを使用した。ES-MS m/z 367.40(M+H)+.
【0278】
MeOH:THF(8mL;1:1)中のエステルの溶液に、水(4mL)中のLiOH(46mg,1.09mmol)の溶液を装入し、室温で3時間攪拌した。次いで、反応混合物を真空内で乾燥状態まで濃縮し、残留物を水で希釈し、2N HClで酸性化した(pH=1)。得られた溶液を室温で30分間攪拌した。固形物を濾過し、水に続いてn-ヘキサンで洗浄し、乾燥させて、白色の固形物(160mg,2工程で43%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.06(br s,1H),10.11(s,1H),8.61(s,2H),7.65(d,J=8.0Hz,2H),7.22-7.17(m,2H),2.76(s,3H),2.70(s,3H),2.58(t,J=7.6Hz,2H),2.22(t,J=7.1Hz,2H),1.85-1.74(m,2H).ES-MS m/z 353.40(M+H).HPLC純度 99.3%.
【0279】
実施例43-N-(4-(1-ヒドロキシエチル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化60】
DMF(5mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(100mg,0.52mmol)の溶液に、EDCI(122mg,0.78mmol)、HOBT(36mg,0.26mmol)およびトリエチルアミン(0.1mL,0.78mmol)を装入し、室温で15分間攪拌した。得られた溶液に、1-(4-アミノフェニル)エタン-1-オール(86mg,0.63mmol)を添加し、混合物をさらに16時間攪拌した。次いで、反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して粗製化合物を得て、次いでPREP TLCによってそれを精製し、オフホワイトの固形物(49mg,30%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.12(br s,1H),8.61(s,1H),7.67(d,J=7.50Hz,2H),7.34(d,J=7.94Hz,2H),7.18(s,1H),5.11(br.s,1H),4.69-4.72(m,1H),2.76(s,3H),2.70(s,3H),1.33(d,J=6.17Hz,3H).ES-MS m/z 310.3(M+H).HPLC純度 99.2%.
【0280】
実施例44-3-(4-(5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド)フェニル)プロパン酸
【化61】
DMF(5mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(250mg,1.31mmol)の溶液に、EDC.HCl(304mg,1.96mmol)、HOBT(299mg,1.96mmol)、NEt(0.54mL,3.93mmol)を装入し、室温で30分間攪拌した。得られた溶液に、メチル3-(4-アミノフェニル)プロパノエート(259mg,1.44mmol)を添加し、混合物をさらに16時間攪拌した。反応混合物を氷冷水(50mL)でクエンチし、さらに30分間攪拌した。沈殿した固形物を濾過によって回収し、水に続いてn-ヘキサンで洗浄し、乾燥させて、淡褐色の固形物(350mg,76%)としてメチル3-(4-(5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド)フェニル)プロパノエートを得て、それを精製することなく次の工程で使用した。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.10(s,1H),8.70(s,1H),7.68(d,J=8.33Hz,2H),7.21(d,J=8.33Hz,2H),6.77(s,1H),3.69(s,3H),2.96(t,J=7.67Hz,2H),2.83(s,3H),2.71(s,3H),2.62-2.68(m,2H).ES-MS m/z 353.25(M+H)
【0281】
THF:HO(10:10mL)中のメチル3-(4-(5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド)フェニル)プロパノエートの溶液に、LiOH(51mg,2.13mmol)の溶液を装入し、室温で3時間攪拌した。次いで反応混合物を真空内で濃縮し、水で希釈し、室温で30分間攪拌した。殿した固形物を濾過によって回収し、水に続いてn-ヘキサンで洗浄し、乾燥させて、白色の固形物(170mg,71%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.11(br s,1H),10.11(s,1H),8.62(s,1H),7.64(d,J=8.33Hz,2H),7.23(d,J=8.33Hz,2H),7.19(s,1H),2.78-2.83(m,2H),2.76(s,3H),2.70(s,3H),2.53-2.57(m,2H).ES-MS m/z 339.20(M+H).HPLC純度 99.5%.
【0282】
実施例45-N-(4-アジドフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化62】
EtOH:HO(2mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(50mg,0.13mmol)、CuI(2mg,0.01mmol)、NaN(17mg,0.26mmol)およびアスコルビン酸ナトリウム(2mg,0.01mmol)の溶液を、アルゴンで15分間脱気した。N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.002mL,0.02mmol)を添加し、マイクロ波で混合物を100℃に50分間加熱した。反応混合物を水(2mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空内で濃縮して、粗製化合物を得て、次いでSFC精製(カラム:シリカ2-エチルピリジン;寸法:30×250mm,サイズ5μ;方法:移動相A-CO,移動相B-MeOH中の5mMギ酸アンモニウム;勾配プログラム:共溶媒10%~最大50%)によって粗製化合物を精製し、茶色の固形物(24mg,62%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.08(br s,1H),8.62(s,1H),7.68(d,J=8.0Hz,2H),6.96(d,J=8.1Hz,2H),6.70(s,1H),2.75(s,3H),2.65(s,3H).ES-MS m/z 308.05(M+H).HPLC純度 95.9%.
【0283】
実施例46-5,7-ジメチル-N-(4-(チオフェン-2-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化63】
DMF(2mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(100mg,0.25mmol)の溶液に、4,4,5,5-テトラメチル-2-(チオフェン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(64mg,0.31mmol)、KCO(105mg,0.76mmol)、およびPd(PPh(29mg,0.025mmol)を装入し、反応混合物をアルゴンで30分間脱気し、100℃に30時間加熱した。次いで、セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。氷冷水(10mL)および塩水(10mL)で濾液を洗浄し、真空内で濃縮して、粗製化合物を得て、次いでFCC(溶離剤,DCM中でメタノール5~10%)によって粗製化合物を精製し、茶色の固形物(40mg,45%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.13(s,1H),8.63(s,1H),7.70(d,J=8.6Hz,2H),7.54(d,J=8.5Hz,2H),7.21(d,J=3.5Hz,1H),7.17(d,J=5.1Hz,1H),7.00(dd,J=3.6,5.0Hz,1H),6.69(s,1H),2.75(s,3H),2.65(s,3H).ES-MS m/z 349.10(M+H).HPLC純度 98.9%.
【0284】
実施例47-5,7-ジメチル-N-(2-メチル-1H-インドール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化64】
DMF1mL中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.26mmol)、HATU(148mg,0.39mmol)、およびDIPEA(0.09mL,0.52mmol)の撹拌溶液に、2-メチル-1H-インドール-5-アミン(45mg,0.31mmol)を添加した。反応が完了するまで、反応混合物を室温で16時間攪拌した。得られた粗生成物をprep-HPLC(MeCN/10mM NHHCO)によって精製し、黄色の固形物(13.1mg,15.6%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ 10.87(s,1H),10.04(s,1H),8.61(s,1H),7.86(s,1H),7.25(d,J=1.2Hz,2H),7.19(s,1H),6.12(s,1H),2.78(s,3H),2.72(s,3H),2.38(s,3H).ES-MS m/z:320[M+H].LC-MS純度(214nm):>99%;t=1.71min.
【0285】
実施例48-N-(1H-インダゾール-5-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化65】
DMF/NMM(1mL/0.1mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.26mmol)、HATU(57mg,0.39mmol)の溶液に、1H-インダゾール-5-アミン(42mg,0.314mmol)を添加した。反応を室温で12時間攪拌した。次いで、反応混合物を水(2mL)でクエンチし、室温で0.5時間撹拌し、次いで濾過した。固形物を水(1mL)、DCM(2mL)、EtO(2mL)で洗浄し、乾燥させて、白色の固形物として標題化合物(20mg,25.0%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ 13.03(s,1H),10.20(s,1H),8.64(s,1H),8.28(s,1H),8.07(d,J=1.1Hz,1H),7.56(s,2H),7.19(s,1H),2.77(s,3H),2.72(s,3H).ES-MS m/z:307.2[M+H].LC-MS純度(254nm):>98%;t=1.54min.
【0286】
実施例49-N-(1H-インダゾール-6-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化66】
DMF1mL中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(70mg,0.37mmol)、HATU(209mg,0.55mmol)、およびDIPEA(0.13mL,0.74mmol)の撹拌溶液に、1H-インダゾール-6-アミン(59mg,0.44mmol)を添加した。反応が完了するまで、反応混合物を室温で16時間攪拌した。固形物を濾過によって回収し、水、DCM、およびジエチルエーテルで洗浄して、茶色の固形物として標題化合物(51mg,63.7%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ 12.96(s,1H),10.36(s,1H),8.65(s,1H),8.34(s,1H),8.00(s,1H),7.73(d,J=8.8Hz,1H),7.19(s,1H),7.12(d,J=8.4Hz,1H),2.75(s,3H),2.72(s,3H).ES-MS m/z:307.1[M+H].LC-MS純度(214nm):>97%;t=1.45min.
【0287】
実施例50-N-(2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化67】
DMF1mL中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.26mmol)、HATU(148mg,0.39mmol)、およびDIPEA(0.09mL,0.52mmol)の撹拌溶液に、2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-アミン(42mg,0.31mmol)を添加した。反応を室温で16時間攪拌した。反応混合物をprep-HPLC(MeCN/NHHCO)によって精製して、白色の固形物(16.8mg,23%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ 10.07(s,1H),8.61(s,1H),7.51(d,J=2.4Hz,1H),7.19(d,J=0.8Hz,1H),7.07(dd,J=2.4Hz,J=1.6Hz,1H),6.92(d,J=4.4Hz,1H),6.03(s,2H),2.77(s,3H),2.70(s,3H).ES-MS m/z:311.0[M+H].LC-MS純度(214nm):>99%;t=1.72min.
【0288】
実施例51-N-(2-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-6-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化68】
DMF1mL中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.262mmol)、2-メチル-1,3-ベンズオキサゾール-6-アミン(47mg,0.314mmol)およびHATU(149mg,0.393mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.1mL,0.524mmol)を添加し、反応が完了するまで、反応混合物を室温で16時間攪拌した。懸濁液をHO(3mL)で希釈し、沈殿した固形物を濾過によって回収し、最小限のDCMおよびEtOで洗浄し、真空内で乾燥させて、白色の固形物として標題化合物(60mg,71%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.36(s,1H),8.66(s,1H),8.31(d,J=2.0Hz,1H),7.64(d,J=8.4Hz,1H),7.47(dd,J=8.4Hz,2.0Hz,1H),7.21(s,1H),2.78(s,3H),2.73(s,3H),2.60(s,3H).ES-MS m/z:322.0[M+H].LC-MS純度(254nm):>99%;t=1.74min.
【0289】
実施例52-5,7-ジメチル-N-(2-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール-6-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化69】
DMF1mL中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.262mmol)、2-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール-6-アミン(57mg,0.314mmol)およびHATU(149mg,0.393mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.14mL,0.786mmol)を添加し、反応が完了するまで、反応混合物を室温で16時間攪拌した。懸濁液をHO(3mL)で希釈し、沈殿した固形物を濾過によって回収し、最小限のDCMおよびEtOで洗浄し、prep-HPLC(MeCN/10mM NHHCO)によって精製して、白色の固形物として標題化合物(28mg,33%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.16(s,1H),10.18(d,J=31.2Hz,1H),8.63(s,1H),8.09(d,J=53.2Hz,1H),7.49-7.16(m,3H),2.78(s,3H),2.72(s,3H),2.49(s,3H).ES-MS m/z:321.1[M+H].LC-MS純度(254nm):99%;t=1.46min.
【0290】
実施例53-5,7-ジメチル-N-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化70】
ジオキサン6mLおよびHO1mL中の6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン(200mg,0.772mmol)およびTEA(156mg,1.544mmol)の混合物に、BocO(168mg,0.772mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌し、真空内で濃縮した。飽和重炭酸ナトリウムを残留物に添加し、混合物をDCMで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて、無水MgSOで乾燥させ、濃縮して、粗製t-ブチル6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート(220mg,100%)を得て、次の工程でそれを直接使用した。ES-MS m/z:223(M-55).LC-MS純度(254nm):>98%;t=2.00min.
【0291】
EtOH6mLおよびHO4mL中のt-ブチル6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート(220mg,0.772mmol)およびNHCl(330mg,6.176mmol)の懸濁液に、Fe粉末(173mg,3.088mmol)を少量ずつ添加した。反応混合物を70℃で2時間撹拌し、室温まで冷却し、次いでセライトを通して濾過した。濾過ケークをエタノールで洗浄した。オレンジ色の溶液を濃縮し、残留物をprep-HPLC(MeCN/10mM NHHCO)によって精製して、t-ブチル6-アミノ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレートをオイル(150mg,2工程で78%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 6.89(d,J=8.0Hz,1H),6.54(dd,J=8.0Hz,2.0Hz,1H),6.47(s,1H),6.45(s,2H),3.60-3.58(m,4H),2.73(t,J=5.6Hz,2H),1.48(s,9H).
【0292】
DMF(1.5mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(65mg,0.340mmol)、t-ブチル6-アミノ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-2-カルボキシレート(84mg,0.340mmol)およびHATU(155mg,0.408mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.12mL,0.680mmol)を添加し、反応が完了するまで、反応混合物を室温で16時間撹拌した。粗生成物をprep-HPLC(MeCN/10mM NHHCO)によって精製して、白色の固形物として標題化合物のboc保護誘導体(64mg,47%)が得られた。ES-MS m/z:422.0[M+H].LC-MS純度(254nm):96%;t=1.93min.標題化合物のこのboc保護誘導体は、以下の手順を用いて標題化合物に転化された。
【0293】
上記の手順から得られた標題化合物のboc保護誘導体(64mg,0.152mmol)に0℃でTFA(0.5mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、DCMで希釈し、飽和NaHCOでpHを約8に塩基性化した。得られた混合物を分離し、水相をDCMで抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、残留物を得て、次いでそれをprep-HPLC(MeCN/10mM NHHCO)によって精製し、白色の固形物として標題化合物(24mg,51%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.04(s,1H),8.60(s,1H),8.46-8.44(m,2H),7.18(s,1H),7.00(d,J=8.0Hz,1H),3.81(s,2H),2.94(t,J=5.6Hz,2H),2.76(s,3H),2.70-2.69(m,5H).ES-MS m/z:322.0[M+H].LC-MS純度(254nm):99%;t=1.51min.
【0294】
実施例54-N-(1,2-ベンズオキサゾール-5-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化71】
12M HCl(0.5mL)中のSnCl(1.828g,7.02mmol)の氷冷撹拌溶液に、5-ニトロ-1,2-ベンズオキサゾール(140mg,0.86mmol)を一度で0℃にて添加した。5分後、12M HCl(0.5mL)中のSnCl.2HO(792mg,3.51mmol)の溶液を0℃で一滴ずつ添加し、続いて12M HClをさらに1.0mL添加した。次いで、反応混合物を室温で3時間撹拌し、EtOで抽出した。水層を飽和NaHCOでpH約8に塩基性化し、EtOAcで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮し、かつ乾燥させて、無色の固形物(110mg,95%)として1,2-ベンズオキサゾール-5-アミンを得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.54(s,1H),7.42(d,J=8.4Hz,1H),6.94(dd,J=8.4Hz,2.0Hz,1H),6.91(d,J=2.0Hz,1H).ES-MS m/z:135.1[M+H].LC-MS純度(214nm):90%;t=1.32min.
【0295】
DMF(1mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(100mg,0.524mmol)およびHATU(259mg,0.681mmol)の溶液に、DIPEA(136mg,1.048mmol)を添加し、反応が完了するまで、反応混合物を室温で2時間撹拌した。懸濁液をHO(3mL)で希釈し、沈殿した固形物を濾過によって回収し、最小限のDCMおよびEtOで洗浄し、真空内で乾燥させて、白色の固形物としてエステル化合物(105mg,65%)を得た。ES-MS m/z:310.0[M+H].LC-MS純度(254nm):88%;t=1.61min.そのエステル化合物は以下の手順で使用された。
【0296】
DMF(0.5mL)中の上記の手順から得られたエステル化合物(105mg,0.340mmol)の懸濁液に、DMF(0.5mL)中の1,2-ベンゾオキサゾール-5-アミン(46mg,0.340mmol)の溶液を添加した。反応が完了するまで、反応混合物を室温で2時間撹拌し、TFA(5滴)を添加してクエンチした。沈殿した固形物を濾過によって回収し、DCMに懸濁し、飽和NaHCOでpH約8に塩基性化した。水層をDCMで抽出し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物が得られた。残留物をprep-HPLC(MeCN/HO)によって精製し、白色の固形物として標題化合物(40mg,38%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.31(s,1H),8.72-8.71(m,2H),8.45(d,J=1.6Hz,1H),7.67(dd,J=9.2Hz,2.0Hz,1H),7.60(d,J=9.2Hz,1H),6.79(s,1H),2.84(s,3H),2.74(s,3H).ES-MS m/z:308.0[M+H].HPLC純度(214nm):98%;t=9.36min.
【0297】
実施例55-N-[2-(フラン-2-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール-5-イル]-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化72】
密閉管内の4-ニトロベンゼン-1,2-ジアミン(1.53g,10mmol)、フラン-2-カルバルデヒド(1.22g,13.0mmol)、p-ベンゾキノン(1.19g,11mmol)および2-プロパノール(15mL)の混合物を2時間還流した。反応を水で希釈し、濾過し、真空内で乾燥させて、黄色の固形物(1.2g,52%)として2-(フラン-2-イル)-5-ニトロ-1H-1,3-ベンゾジアゾールを得た。LC-MS m/z:234(M+H).LC-MS純度(214nm):>90%.
【0298】
EtOH(10mL)中の2-(フラン-2-イル)-5-ニトロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール(1.2g,5.15mmol)および10%Pd/C(120mg)の懸濁液を室温でH下にて2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空内で濃縮して、残留物を得た。残留物をシリカゲルカラム(MeOH/DCM=1/10)によって精製し、2-(フラン-2-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール-5-アミンを黄色の固形物(870mg,83%)として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.31(s,1H),7.85(d,J=1.2Hz,1H),7.24(d,J=8.4Hz,1H),7.01(d,J=3.2Hz,1H),6.67(m,2H),6.53(q,J=2.0Hz,1H),4.93(s,2H).LC-MS m/z:204(M+H).LC-MS純度(214nm):>95 %.
【0299】
DMF(1mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.262mmol),2-(フラン-2-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール-5-アミン(57mg,0.314mmol)およびHATU(149mg,0.393mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.14mL,0.786mmol)を添加し、反応が完了するまで、反応混合物を室温で16時間撹拌した。懸濁液をHO(3mL)で希釈し、沈殿した固形物を濾過によって回収し、最小限のCMおよびEtOで洗浄し、真空内で乾燥させて、白色の固形物として標題化合物(73mg,75%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.87(s,1H),10.26(d,J=2.8Hz,1H),8.65(s,1H),8.23(d,J=46.8Hz,1H),7.94(d,J=0.8Hz,1H),7.60-7.17(m,4H),6.73(dd,J=3.6Hz,2.0Hz,1H),2.77(s,3H),2.73(s,3H).ES-MS m/z:373.0[M+H] .LC-MS純度(254nm):96%;t=1.62min.
【0300】
実施例56-N-(2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化73】
DMF(1mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.262mmol)、2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-6-アミン(51mg,0.314mmol)およびHATU(149mg,0.393mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.1mL,0.524mmol)を添加し、反応が完了するまで、反応混合物を室温で16時間撹拌した。懸濁液をHO(3mL)で希釈し、沈殿した固形物を濾過によって回収し、最小限のCMおよびEtOで洗浄し、真空内で乾燥させて、白色の固形物(53mg,60%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.37(s,1H),8.66(s,1H),8.54(d,J=1.2Hz,1H),7.90(d,J=8.8Hz,1H),7.74(dd,J=8.8Hz,1.2Hz,1H),7.21(s,1H),2.78(s,6H),2.74(s,3H).ES-MS m/z:338.1[M+H].LC-MS純度(254nm):99%;t=1.75min.
【0301】
実施例57-N-(2-3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化74】
DMF(1mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.262mmol)、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミン(42mg,0.314mmol)およびHATU(149mg,0.393mmol)の溶液に、DIPEA(0.1mL,0.524mmol)を添加し、反応が完了するまで、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を逆相クロマトグラフィー(MeCN/10mM NHHCO)によって精製し、白色の固形物として標題化合物(37mg,46%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.11(s,1H),8.62(s,1H),7.66(s,1H),7.46(dd,J=8.0Hz,2.0Hz,1H),7.22-7.19(m,2H),2.90-2.82(m,4H),2.77(s,3H),2.71(s,3H),2.07-1.99(m,2H).ES-MS m/z:307.2[M+H].LC-MS純度(254nm):>99%;t=1.98min.
【0302】
実施例58-N-{4-クロロ-3-[(ピリジン-3-イルオキシ)メチル]フェニル}-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化75】
メタノール150ml中に2-クロロ-5-ニトロベンズアルデヒド(10g,mmol)を溶解し、0℃に冷却した。10℃未満の温度に維持しながら、水30ml中のNaBH(3.33g,mmol)の溶液を90分間にわたって一滴ずつ添加した。次いで、得られた反応混合物を1時間撹拌し、2N HClで酸性化し、一晩撹拌しておいた。混合物を真空内で濃縮し、得られた固形物を濾過し、次いで水で洗浄し、真空内で乾燥させて、(2-クロロ-5-ニトロフェニル)メタノール(9.3g,92%)を白色の固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 8.35(d,J=2.8Hz,1H),8.14(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),7.73(d,J=8.8Hz,1H),5.81(bs,1H),4.63(s,2H).LC-MS純度(254nm):>98%;t=1.60min.
【0303】
DCM(60mL)中の(2-クロロ-5-ニトロフェニル)メタノール(1.82g,9.8mmol)の氷冷溶液に、トリフェニルホスフィン(2.62g,10mmol)に続いてCBR(3.26g,9.8mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いでDCMで希釈し、水および飽和食塩水溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO)、濾過し,真空内で濃縮して、残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラム(EA/PE:1/10)によって精製し、2-(ブロモメチル)-1-クロロ-4-ニトロベンゼン(1.56g,64%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 8.35(d,J=2.8Hz,1H),8.13(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),7.59(d,J=8.8Hz,1H),4.62(s,2H).LC-MS純度(254nm):>80%;t=1.95min.
【0304】
無水DMF(1mL)中のNaH(60%,110mg,2.75mmol)の氷冷懸濁液に、DMF(2mL)中の3-ヒドロキシピリジン(250mg,2.65mmol)の溶液を一滴ずつ添加した。混合物を0℃で15分間撹拌した後、DMF(4mL)中の2-(ブロモメチル)-1-クロロ-4-ニトロベンゼン(610mg,2.45mmol)の溶液を一滴ずつ添加した。反応混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、水でクエンチし、次いで酢酸エチルと水を分割した。有機層を分離し、食塩水溶液で洗浄し、無水(MgSO)で乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮して、残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラム(EA/PE:1/1)によって精製し、3-[(2-クロロ-5-ニトロフェニル)メトキシ]ピリジン(350mg,54%)をクリーム色の固形物として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 8.50(d,J=2.8Hz,1H),8.45(d,J=2.8Hz,1H),8.32(dd,J=4.8Hz,1.2Hz,1H),8.18(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),7.61(d,J=8.8Hz,1H),7.36-7.33(m,1H),7.30-7.26(m,1H),5.26(s,2H).ES-MS m/z:265(M+H).LC-MS純度(254nm):>97%;t=1.80min.
【0305】
EtOH9mLおよびHO6mL中の3-[(2-クロロ-5-ニトロフェニル)メトキシ]ピリジン(320mg,1.212mmol)およびNHCl(513mg,9.696mmol)の懸濁液に、Fe粉末(272mg,4.85mmol)を分けて添加した。反応混合物80℃で3時間撹拌し、室温まで冷却し、次いでセライトを通して濾過した。濾過ケークをエタノールで洗浄した。オレンジ色の溶液を真空内で濃縮し、残留物をDCMに溶解し、飽和NaHCOで洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(EA/PE:3/1)によって精製し、4-クロロ-3-[(ピリジン-3-イルオキシ)メチル]]アニリン(167mg,59%)を白色の固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ 8.41(dd,J=2.8Hz,0.8Hz,1H),8.25(d,J=4.4Hz,2.0Hz,1H),7.26-7.23(m,2H),7.26(d,J=8.4Hz,1H),6.59(dd,J=8.4Hz,2.8Hz,1H),5.13(s,2H),3.71(bs,2H).
【0306】
DMF(1mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.262mmol),4-クロロ-3-[(ピリジン-3-イルオキシ)メチル]]アニリン(73mg,0.314mmol)およびHATU(149mg,0.393mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(0.1mL,0.524mmol)を添加し、反応が完了するまで、反応混合物を室温で16時間、45℃で2時間、60℃で2時間撹拌した。懸濁液をHO(3mL)で希釈し、沈殿した固形物を濾過によって回収し、最小限のDCMおよびEtOで洗浄し、真空内で乾燥させて、青白い固形物として標題化合物(57mg,53%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 10.27(s,1H),8.64(s,1H),8.41(d,J=3.2Hz,1H),8.22(dd,J=4.8Hz,1.6Hz,1H),7.98(d,J=2.4Hz,1H),7.81(dd,J=8.8Hz,3.2Hz,1H),7.54-7.51(m,2H),7.38(dd,J=8.8Hz,4.8Hz,1H),7.20(s,1H),5.26(s,2H),2.76(s,3H),2.69(s,3H).ES-MS m/z:409.1[M+H].LC-MS純度(254nm):99%;t=1.89min.
【0307】
実施例59-5,7-ジメチル-N-{4-メチル-3-(1,3-オキサゾール-2-イル)フェニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化76】
ジオキサン(2mL)中の3-ブロモ-4-メチルアニリン(184mg,1.0mmol)、2-(トリブチルスタニル)-1,3-オキサゾール(430mg,1.2mmol)、CuO(8mg,0.1mmol)およびPd(PPh(115mg,0.1mmol)の懸濁液を、マイクロ波合成装置でアルゴン雰囲気下にて100℃で3時間撹拌し、粗生成物を得た。prep-HPLC(MeCN/10mM NHHCO)によって粗生成物を精製し、オイルとして4-メチル-3-(1,3-オキサゾール-2-イル)アニリン(92mg,52%)を得た。ES-MS m/z:175.2[M+H].LC-MS純度(254nm):>99%;t=1.31min.
【0308】
DMF/NMM(1mL/0.1mL)中の5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸2(50mg,0.26mmol)、4-メチル-3-(1,3-オキサゾール-2-イル)アニリン(55mg,0.314mmol)およびHATU(57mg,0.39mmol)の混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物に水(2mL)を添加し、室温で0.5時間撹拌し、次いで濾過した。得られた固形物を水(1mL)、DCM(2mL)、EtO(2mL)で洗浄し、真空内で乾燥させて、白色の固形物として標題化合物(62mg,68.0%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ 10.22(s,1H),8.64(s,1H),8.45(s,1H),8.27(s,1H),7.66(s,1H),7.45(m,1H),7.36-7.39(m,1H),7.21(s,1H),2.77(s,3H),2.72(s,3H),2.61(s,3H).ES-MS m/z:348.1[M+H].LC-MS純度(254nm):>99%;t=1.91min.
【0309】
実施例60-5,7-ジメチル-N-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化77】
DMF(2mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(100mg,0.25mmol)の溶液に、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(64mg,0.31mmol)、KCO(105mg,0.76mmol)、Pd(PPh(29mg,0.025mmol)を装入し、混合物をアルゴンで30分間脱気し、100℃に30時間加熱した。セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。濾液を氷冷水(10mL)および食塩水(10mL)で洗浄し、真空内で濃縮して、粗製化合物を得た。FCC(溶離剤,DCM中でメタノール5~10%)によって粗製化合物を精製し、オフホワイトの固形物(35mg,39%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.29(s,1H),10.08(s,1H),8.63(s,1H),7.69(d,J=7.1Hz,2H),7.54(s,1H),7.40(d,J=8.4Hz,2H),6.70(s,1H),3.90(s,3H),2.75(s,3H),2.65(s,3H).ES-MS m/z 347.20(M+H).HPLC純度 91.1%.
【0310】
実施例61-N-(4-(フラン-2-イル)フェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化78】
DMF(2mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(100mg,0.25mmol)の溶液に、フラン-2-イルボロン酸(34mg,0.31mmol)、KCO(105mg,0.76mmol)、Pd(PPh(29mg,0.025mmol)を装入し、反応混合物をアルゴンで30分間脱気し、100℃に30時間加熱した。セライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。濾液を氷冷水(10mL)および食塩水(10mL)で洗浄し、真空内で濃縮して、粗製化合物を得て、それをFCC(溶離剤,DCM中でメタノール5~10%)によって精製し、黄色の固形物(30mg,35%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.11(s,1H),8.61(s,1H),7.70(d,J=8.6Hz,2H),7.59(d,J=8.6Hz,2H),7.38(d,J=1.2Hz,1H),6.68(s,1H),6.52(d,J=3.3Hz,1H),6.40(dd,J=1.8,3.3Hz,1H),2.73(s,3H),2.64(s,3H).ES-MS m/z 333.10(M+H).HPLC純度 99.0%.
【0311】
実施例62-5,7-ジメチル-N-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
【化79】
DMF(2mL)中のN-(4-ヨードフェニル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド5(100mg,0.25mmol)の溶液に、ピリジン-4-イルボロン酸(37mg,0.31mmol)、KCO(105mg,0.76mmol)、Pd(PPh(29mg,0.025mmol)を装入し、反応混合物をアルゴンで30分間脱気し、100℃に30時間加熱した。次いでセライトのパッドを通して、反応混合物を濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。濾液を氷冷水(10mL)および食塩水(10mL)で洗浄し、真空内で濃縮して、粗製化合物を得て、それをFCC(溶離剤,DCM中でメタノール5~10%)によって精製し、白色の固形物(40mg,46%)として標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 10.26(s,1H),8.64(s,1H),8.58(d,J=6.1Hz,2H),7.85(d,J=8.6Hz,2H),7.64(d,J=8.5Hz,2H),7.55(d,J=6.1Hz,2H),6.73(s,1H),2.77(s,3H),2.68(s,3H).ES-MS m/z 344.15(M+H).HPLC純度 92.4%.
【0312】
実施例63-更なるピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
以下のパートIに記載の基本手順に基づいて、更なるピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド化合物を製造した。特定の化合物の製造で使用される特定のアミン化合物を製造するための例示的な手順は、以下のパートIIに示される。特定の化合物の製造で使用される特定のカルボン酸化合物を製造するための例示的な手順は、以下のパートIIIに示される。基本手順に従って製造される特定のピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド化合物は以下のパートIVで提供される。
【0313】
パートI-基本手順
基本手順A:カルボン酸化合物をアミン化合物とカップリングすることによる、アミドの製造
DCMまたはDMF(約4mL/0.2mmol)中のカルボン酸化合物(1.0当量)、HATU(1.5当量)、およびDIPEA(3.75当量)の撹拌溶液に、アミン化合物(1.25~2.0当量)を添加した。反応混合物を室温で4~16時間撹拌し、次いで飽和NaHCO水溶液(5mL/0.2mmol)、クエン酸水溶液(5mL/0.2mmol)および食塩水(5mL/0.2mmol)で洗浄した。合わせた抽出物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは調製用HPLCによって、得られた粗製材料を精製し、アミド化合物を得た。
【0314】
基本手順B:カルボン酸化合物へのカルボン酸エステル化合物の転化
EtOH(5.0mL/1.0mmol)および水(0~3.0mL/1.0mmol)中のカルボン酸エステル(1.0当量)の溶液に、NaOH(2.0~5.0当量)を添加し、混合物を80℃で2時間加熱し、次いで濃縮した。濃縮物に、6N HCl溶液を添加して、pHを5~6に調整し、次いで混合物を10分間撹拌し、続いて濾過した。得られた固形物を回収し、乾燥させて、カルボン酸化合物が得られた。
【0315】
基本手順C:カルボン酸化合物およびアミン化合物からのアミドの製造
DCM(3mL/0.5mmol)中のカルボン酸化合物(1.0当量)の溶液に、DMF(1滴)および塩化オキサリル(2.0当量)を添加した。溶液を室温で30分間撹拌し、次いで真空内で濃縮した。得られた残留物をDCM(1mL/0.5mmol)に溶解し、続いてアミン化合物(5.0当量)およびトリエチルアミン(2.0当量)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでDCM(10mL/0.5mmol)で希釈した。有機溶液をHO(10mL/0.5mmol)および食塩水(10mL/0.5mmol)で逐次、洗浄し、次いで無水NaSOで乾燥させ、次いで濾過した。濾液を真空内で濃縮し、調製用HPLCまたはシリカゲルクロマトグラフィーによって、得られた残留物を精製して、アミド化合物を得た。
【0316】
パートII-特定のアミン化合物の製造
特定のピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド化合物の製造に使用される特定のアミン化合物を製造するための例示的な手順を以下に示す。
【0317】
1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)エタン-1-アミン
【化80】
0℃のDMF(10mL)中の4,4-ジフルオロシクロヘキサン-1-カルボン酸(1.64g,10mmol)およびDIPEA(2.58g,20mmol)の溶液に、HATU(5.7g,15mmol)を添加し、反応混合物を0℃で30分間撹拌し、続いてN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(970mg,10mmol)を添加した。反応混合物を室温に戻し、一晩撹拌し、次いで飽和NaHCO溶液でクエンチし、分離させた。水相をEtOAc(100mL×3)で抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc;4:1)によって、得られた残留物を精製して、無色のオイルとして4,4-ジフルオロ-N-メトキシ-N-メチルシクロヘキサン-1-カルボキサミド(880mg,42%)を得た。LC-MS m/z:208.0[M+H].LCMS:t=1.58min.
【0318】
THF(12mL)中の4,4-ジフルオロ-N-メトキシ-N-メチルシクロヘキサン-1-カルボキサミド(880mg,4.25mmol)の溶液に、1,2-ジエトキシエタン中のMeLiの溶液(3mol/L,2mL)を0℃で一滴ずつ添加した。添加が終了した後、反応混合物を室温に戻し、一晩撹拌し、次いで飽和NaHCO溶液でクエンチし、分離させた。水相をEtOAc(120mL×3)で抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=4:1)によって、得られた残留物を精製して、淡黄色のオイルとして1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)エタン-1-オン(400mg,43%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 2.44(m,1H),2.19(s,3H),2.13-2.16(m,2H),1.96-1.98(m,2H),1.74-1.83(m,4H).
【0319】
i-PrOH(15mL)中の1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)エタン-1-オン((200mg,1.23mmol)、NHOAc(1.9g,24.6mmol)およびNaBHCN(388mg,6.15mmol)の混合物を室温で4時間、次いで90℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(15mL)に注ぎ、CHCl(30mL×3)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH;10:1)によって精製して、無色のオイルとして1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)エタン-1-アミンを得た。LC-MS m/z:164.1[M+H].LCMS:t=1.13min.
【0320】
2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-アミン
【化81】
EtO(60mL)中の1-(4-クロロフェニル)エタン-1-オン(1.54g,10mol)の溶液に、MgBrMe(THF中で3M,5mL,15mmol)を室温で一滴ずつ添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で12時間撹拌し、次いで、飽和NHCl溶液(30mL)を注意深く添加することによってクエンチした。得られた混合物を1時間撹拌し、次いでEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させて、濾過し、真空内で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc;5:1)によって精製して、無色のオイルとして2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-オール(1.365g,80%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.42(dd,J=6.8Hz,2.0Hz,2H).7.29(dd,J=6.8Hz,2.0Hz,2H),1.78(s,1H),1.56(s,6H).
【0321】
CHCl(20mL)中の2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-オール(1.36g,8mmol)、TMSN(2.4g,16mmol)およびBF・EtO(16mL)の混合物を室温で2時間撹拌し、飽和NaHCO溶液でクエンチした。得られた混合物を分離し、水相をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を真空内で濃縮し、無色のオイルとして目的の化合物1-(2-アジドプロパン-2-イル)-4-クロロベンゼンを得て、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。LC-MS m/z:153.0[M-N.LCMS:純度(254nm):44%;t=1.44min.
【0322】
前の工程からの粗製アジドを室温のTHF(15mL)に溶解し、トリメチルホスフィン(16mL,THF中で1.0M)を添加した。15分後、水3mLを添加し、反応が完了するまで(LC/MSによってモニターされる)、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空内で除去し、残留物を水(75mL)で希釈し、CHClで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空内で濃縮し、得られた残留物を逆相クロマトグラフィー(0.05%TFA/MeCN)によって精製して、目的の生成物2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-アミン(200mg,2工程にわたって57%)を青白いオイルとして得た。LC-MS m/z:153.0[M-NH.LCMS:純度(214nm):98%;t=1.71min.
【0323】
パートIII-特定のカルボン酸化合物の製造
特定の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン化合物の製造で使用される特定のカルボン酸化合物を製造するための例示的な手順を以下に示す。
【0324】
7-クロロ-5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
【化82】
HOAc(50mL)中のエチル3-アミノ-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(10g,64.5mmol)の溶液に、4-メチレンオキセタン-2-オン(27g,322.5mmol)を添加した。混合物を110℃で2時間撹拌し、冷却し、真空内で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA;10:3)によって精製して、白色の固形物として、エチル7-ヒドロキシ-5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(8.0g,57%)およびエチル5-ヒドロキシ-7-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(3.1g,21%)を得た。7-ヒドロキシ生成物:LC-MS m/z:221.0[M+H],純度(214nm):>90%,t=1.26min;5-ヒドロキシ生成物:LC-MS m/z:221.0[M+H],純度(214nm):>92%,t=1.46min.
【0325】
POCl(30mL)中のエチル7-ヒドロキシ-5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(4.4g,20mmol)の溶液を95℃で1時間撹拌し、真空内で濃縮した。残留物をEtOAc(20mL)に溶解し、飽和NaHCO溶液(20mL)でpH約7に塩基性化した。得られた混合物を分離し、水相をEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を真空内で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA;1:1)によって精製して、エチル7-クロロ-5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(1.0g,21%)を白色の固形物として得た。LC-MS m/z:239.0[M+H],純度(254nm):>82%,t=1.55min.
【0326】
トルエン(10mL)中のエチル7-クロロ-5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(1.0g,4.18mmol)の溶液に、(BuSn)O(5.0g,8.36mmol)を添加した。反応混合物を120℃で2日間撹拌し、真空内で濃縮した。残留物をEtOAc(10mL)に溶解し、飽和NaHCO溶液(10mL)でpH約8~9に塩基性化した。水相を分離し、6N HCl(10mL)でpH約5に酸性化した。溶液をEtOAc(10mL×3)で抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を真空内で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA;1:1)によって精製して、7-クロロ-5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(230mg,26%)を白色の固形物として得た。LC-MS m/z:211.0[M+H],純度(214nm):>97%,t=1.23min.
【0327】
5-クロロ-7-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸
【化83】
POCl(30mL)中のエチル5-ヒドロキシ-7-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(2.8g,12.6mmol)の溶液を70℃で2時間撹拌し、真空内で濃縮した。得られた残留物をEtOAc(20mL)に溶解し、飽和NaHCO溶液(15mL)でpH約7に塩基性化した。得られた混合物を分離し、水相をEtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を真空内で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA;1:1)によって精製して、エチル5-クロロ-7-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(2.7g,90%)を白色の固形物として得た。LC-MS m/z:239.0[M+H],純度(214nm):>99%,t=1.74min.
【0328】
トルエン(10mL)中のエチル5-クロロ-7-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキシレート(1.0g,4.18mmol)の溶液に、(BuSn)O(5.0g,8.36mmol)を添加した。反応混合物を120℃で2日間撹拌し、真空内で濃縮した。得られた残留物をEtOAc(10mL)に溶解し、飽和NaHCO溶液(10mL)でpH約8~9に塩基性化した。水相を分離し、6N HCl(10mL)でpH約5に酸性化した。溶液をEtOAc(10mL×3)で抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を真空内で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EA;1:1)によって精製して、5-クロロ-7-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(330mg,37%)を白色の固形物として得た。LC-MS m/z:211.0[M+H],純度(214nm):>97%,t=1.28min.
【0329】
パートIV-基本手順に従って製造されたピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド化合物
以下の化合物は、上記のパートIに記載の基本手順に基づいて製造された。
【0330】
5,7-ジメチル-N-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化84】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(40mg,0.21mmol)および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミンから、黄色の固形物として標題化合物(37mg,55%)が得られた。H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.68(s,1H),8.42(d,J=8.5Hz,1H),7.47(d,J=7.0Hz,1H),7.18-7.13(m,3H),6.67(s,1H),5.52-5.49(m,1H),2.91-2.84(m,2H),2.78(s,2H),2.53(s,3H),2.25-2.22(m,1H),2.00-1.90(m,3H).LC-MS m/z:321.2[M+H].HPLC純度(214nm):>99%;t=8.26min.
【0331】
5,7-ジメチル-N-((1R,4R)-4-(ペンチルオキシ)シクロヘキシル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化85】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(24mg,0.125mmol)および(1R,4R)-4-(ペンチルオキシ)シクロヘキサン-1-アミンから、白色の固形物として標題化合物(29mg,64%)が得られた。H NMR(400MHz,MeOD-d):δ 8.37(s,1H),8.27(d,J=7.6Hz,1H),6.91(s,1H),3.90(br,1H),3.47(t,J=6.8Hz,2H),3.34(br,1H),2.71(s,3H),2.61(s,3H),2.10-2.06(m,4H),1.55(t,J=6.4Hz,2H),1.48-1.41(m,4H),1.35-1.33(m,4H),0.92(t,J=6.8Hz,3H).LC-MS m/z:359.2[M+H].HPLC純度(214nm):>99%;t=9.262min.
【0332】
(S)-N-(1-(2-フルオロフェニル)エチル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化86】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(40mg,0.21mmol)および(S)-1-(2-フルオロフェニル)エタン-1-アミンから、白色の固形物として標題化合物(34.3mg,49%)が得られた。H NMR(400MHz,MeOD-d)δ 9.02(d,J=7.5Hz,1H),8.49(s,1H),7.48-7.43(m,1H),7.34-7.28(m,1H),7.19-7.10(m,2H),7.03(s,1H),5.52-5.47(m,1H),2.79(d,J=0.4Hz,3H),2.69(s,3H),1.62(d,J=7.2Hz,3H).LC-MS m/z:313.2[M+H].HPLC:純度(214nm):>99%;t=9.85min.
【0333】
(S)-N-(1-(2-メトキシフェニル)エチル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化87】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(25mg,0.13mmol)および(S)-1-(2-メトキシフェニル)エタン-1-アミンから、黄色の固形物として標題化合物(21.6mg,51%)が得られた。H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.77(d,J=8.5Hz,1H),8.61(s,1H),7.36(d,J=6.0Hz,1H),7.23(t,J=8.0Hz,1H),6.94-6.90(m,2H),6.70(s,1H),5.63-5.59(m,1H),3.93(s,3H),2.78(s,3H),2.67(s,3H),1.58(d,J=7.0Hz,3H).LC-MS m/z:325.0[M+H].HPLC:純度(214nm):>93%;t=9.82min.
【0334】
(R)-N-(1-(2-メトキシフェニル)エチル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化88】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(30mg,0.15mmol)および(R)-1-(2-メトキシフェニル)エタン-1-アミンから、ピンク色の固形物として標題化合物(19.7mg,40%)が得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d):δ 8.73(d,J=8.0Hz,1H),8.48(s,1H),7.31-7.25(m,2H),7.14(s,1H),7.05(d,J=8.0Hz,1H),6.93(t,J=6.0Hz,1H),5.43-5.39(m,1H),3.91(s,3H),2.74(s,3H),2.66(s,3H),1.46(d,J=7.0Hz,3H).LC-MS m/z:325.2[M+H].HPLC:純度(214nm):>99%;t=9.82min.
【0335】
(S)-N-(1-(3-クロロフェニル)エチル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化89】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(40mg,0.21mmol)および(S)-1-(3-クロロフェニル)エタン-1-アミンから、白色の固形物として標題化合物(26.1mg,38%)が得られた。H NMR(400MHz,MeOD-d)δ 8.49(s,1H),7.46(s,1H),7.40-7.31(m,2H),7.27(dt,J=6.8Hz,2.4Hz,1H),7.03(s,1H),5.24(q,J=7.0Hz,1H),2.79(s,3H),2.69(s,3H),1.62(d,J=7.0Hz,3H).LC-MS m/z:329.1[M+H].HPLC:純度(214nm):>99%;t=10.24min.
【0336】
(R)-N-(1-(4-クロロフェニル)エチル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化90】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(38mg,0.20mmol)および(R)-1-(4-クロロフェニル)エタン-1-アミンから、白色の固形物として標題化合物(18mg,26%)が得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d):δ 8.49(s,1H),8.47(s,1H),7.44(d,J=8.5Hz,1H),7.41(d,J=8.5Hz,1H),7.14(s,1H),5.20-5.14(m,1H),2.74(s,1H),2.63(s,1H),1.51(d,J=6.0Hz,3H).LC-MS m/z:329.1[M+H].HPLC:純度(214nm):>99%;t=10.32min.
【0337】
(R)-N-(1-(4-フルオロフェニル)エチル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化91】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(30mg,0.16mmol)および(R)-1-(4-フルオロフェニル)エタン-1-アミンから、白色の固形物として標題化合物(26.7mg,53%)が得られた。H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.63(s,1H),8.49(d,J=7.5Hz,1H),7.45-7.42(m,2H),7.07-7.03(m,2H),6.73(s,1H),5.39-5.37(m,1H),2.81(s,3H),2.65(s,3H),1.65(s,3H).LC-MS m/z:313.2[M+H].HPLC:純度(214nm):>99%;t=9.82min.
【0338】
N-(1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)エチル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化92】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(20mg,0.1mmol)および1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)エタン-1-アミンから、白色の固形物として標題化合物(10mg,30%)が得られた。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.63(s,1H),8.14(d,J=8.5Hz,1H),6.73(s,1H),4.29-4.27(m,1H),2.82(s,3H),2.66(s,3H),2.20-2.14(m,2H),1.98-1.95(m,1H),1.87-1.56(m,6H),1.29(d,J=6.5Hz,3H).LC-MS m/z:337.2[M+H].HPLC:純度(254nm):>99%;t=7.95min.
【0339】
N-(2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化93】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(40mg,0.21mmol)および2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-アミンから、白色の固形物として標題化合物(23.5mg,33%)が得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d):δ 8.58(s,1H),8.42(s,1H),7.44(d,J=8.5Hz,2H),7.36(d,J=8.5Hz,2H),7.16(s,1H),2.76(s,3H),2.63(s,3H),1.73(s,6H).LC-MS m/z:343.1[M+H].HPLC:純度(214nm):>99%;t=8.99min.
【0340】
7-クロロ-N-(2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-イル)-5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化94】
基本手順Cに従って、7-クロロ-5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(100mg,0.47mmol)および2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-アミンから、白色の固形物として標題化合物(40mg,23%)が得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.51(s,1H),8.44(s,1H),7.60(s,1H),7.44(d,J=9.0Hz,2H),7.36(d,J=8.5Hz,2H),2.65(s,3H),1.73(s,6H).LC-MS m/z:362.2[M+H].HPLC純度(214nm):>99%;t=9.02min.
【0341】
5-クロロ-N-(2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-イル)-7-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化95】
基本手順Cに従って、5-クロロ-7-メチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(100mg,0.47mmol)および2-(4-クロロフェニル)プロパン-2-アミンから、白色の固形物として標題化合物(60mg,35%)が得られた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.55(s,1H),8.02(s,1H),7.43(t,J=8.5Hz,3H),7.35(d,J=8.5Hz,2H),2.78(s,3H),1.71(s,6H).LC-MS m/z:363.2[M+H].HPLC純度(214nm):>97%;t=9.44min.
【0342】
N-(2-(2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-2-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化96】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(19mg,0.1mmol)および2-(2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-2-アミンから、白色の固形物として標題化合物(20mg,58)が得られた。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.66(s,1H),8.56(s,1H),7.49-7.44(m,1H),6.86-6.82(m,1H),6.76-6.73(m,1H),6.74(s,1H),2.81(s,3H),2.67(s,3H),1.92(s,6H).LC-MS m/z:345.1[M+H].HPLC:純度(254nm):>99%;t=8.62min.
【0343】
N-(2-((1R,4R)-4-メトキシシクロヘキシル)プロパン-2-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドおよびN-(2-((1S,4S)-4-メトキシシクロヘキシル)プロパン-2-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化97】
基本手順Aに従って、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(50mg,0.26mmol)および2-(4-メトキシシクロヘキシル)プロパン-2-アミンから、白色の固形物としてN-(2-((1R,4R)-4-メトキシシクロヘキシル)プロパン-2-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(7.2mg)およびN-(2-((1S,4S)-4-メトキシシクロヘキシル)プロパン-2-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(8.4mg)が得られた。
【0344】
N-(2-((1R,4R)-4-メトキシシクロヘキシル)プロパン-2-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド:H NMR(500MHz,MeOD-d)δ 8.46(s,1H),8.43(s,1H),7.02(s,1H),3.37(s,3H),3.22-3.17(m,1H),2.80(s,3H),2.67(s,3H),2.20-2.18(m,2H),2.00-1.98(m,3H),1.48(s,6H),1.31-1.21(m,4H).LC-MS m/z:345.2[M+H].HPLC:純度(214nm):99.52%;t=8.08min.
【0345】
N-(2-((1S,4S)-4-メトキシシクロヘキシル)プロパン-2-イル)-5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.46(s,1H),8.44(s,1H),7.02(s,1H),3.51-3.50(m,1H),.3.35(s,3H),2.80(s,3H),2.69(s,3H),2.10-2.07(m,2H),1.99-1.96(m,1H),1.87-1.66(m,2H),1.54-1.48(m,6H),1.48(s,6H),0.87(d,J=7.0Hz,1H).LC-MS m/z:345.2[M+H].HPLC:純度(214nm):95.63%;t=8.46min.
【0346】
実施例64-更なるピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの製造
以下の更なるピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド化合物は、上述の手順に基づいて製造された:
【化98】
【0347】
実施例65-生物活性の評価
グルコセレブロシダーゼ(Gcase)を活性化する例示的化合物の能力を測定した。実験手順および結果を以下に示す。
【0348】
パートI:アッセイ手順
クロロホルム中のホスファチジルセリン(PS)(Sigma P7769)の1.0mg/mL溶液のアリコート484μLを窒素ストリーム下にて1時間蒸発させた。Triton X-100 7.5μLを含有する176mM KHPO/50mMクエン酸(pH4.7)40mL中に力強くボルテックスしながら4分間にわたって、脂質のフィルムを溶解し、0.32mM tritonおよび0.37モル%PSの組成を有する混合ミセル配合物が得られた。4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルコピラノシド(ACROS-337025000)をミセル溶液に溶解し、反応基質として使用される最終濃度2mMにした。
【0349】
10mMストックから、ジメチルスルホキシド(DMSO)で試験化合物を所望の濃度に希釈し、10nM GCaseおよび100nM サポシンC(Enzo ALX-201-262-C050)を含有するミセル溶液100μLに、DMSO化合物の混合物0.41μLを添加した。室温で30分間、プレインキュベーションを行い、その後、基質溶液25μLを化合物/GCase/サポシン混合物25μLと合わせることによって、反応を開始した。反応は室温で15分間進行し、1Mグリシン(pH12.5)150μLを添加することによって反応を止めた。SpectraMax i3 instrument(Molecular Devices)で蛍光強度(励起:365nm;発光:440nm)を測定することによって、反応の終点をモニターした。試験化合物を最終濃度1.0および0.1μMにてスクリーニングし、最高最終濃度5μMから3倍希釈を用いて、次の8ポイントの用量反応曲線が得られた。
【0350】
パートII:結果
cLogP、PSA、および水中での化合物の溶解度と共に、試験された化合物のGcase活性化の値を以下の表3および4に示す。試験化合物が濃度1.0μMで使用された実験に関して、記号「+」は、30%未満のGcase活性化を示し;記号「++」は、30%から60%までの範囲のGcase活性化を示し;記号「+++」は、60%を超えるGcase活性化を示す。試験化合物が濃度0.1μMで使用された実験に関しては、記号「」は、10%未満のGcase活性化を示し;記号「**」は、10%から20%までの範囲のGcase活性化を示し;記号「***」は20%を超えるGcase活性化を示す。
【0351】
【表8】
【0352】
【表9】
【0353】
【表10】
【0354】
【表11】
【0355】
【表12】
【0356】
【表13】
【0357】
【表14】
【0358】
【表15】
【0359】
【表16】
【0360】
【表17】
【0361】
【表18】
【0362】
【表19】
【0363】
参照による組み込み
本明細書で参照される特許文書および科学文献それぞれの開示内容全体が、すべての目的のために参照により組み込まれる。
【0364】
等価物
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載の本発明を制限するのではなく、全ての点で例証的であるとみなされるべきである。本発明の範囲は、先の明細書によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の同等な意味および範囲内にあるすべての変更が、本発明に包含されることが意図される。
[1]
式Iの化合物
【化99】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、フルオロ、または-N(H)(R)を表し;
は独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、または-C(O)Rを表し;
は、以下の:
(a)-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカー;
(b)-(C1~4アルキレン)-N(H)-Ψおよび-(C1~4アルキレン)-N(H)-(C1~4アルキレン)-Ψから選択されるアミン含有リンカー;
のうちの1つであり;
は、
・ Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、C3~10シクロアルキル;
・ 1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル、または2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル(それぞれが、Yの0、1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている);
・ (a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)4~8員ヘテロアルキル;
(ii)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~6員ヘテロアルキル;
(iii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORまたは-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロシクリル);
(iv)-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、-O-(C2~6アルキニル)、またはアジド;または
(v)C2~4アルキニル;のうちの1つと、によって置換されているフェニル;
・ 少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリルであって、Yの0、1、または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、二環式ヘテロシクリル;
から選択される環状基であり;
は独立して、各存在に対して、以下の:
・ 6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって任意に置換されている2~8員ヘテロアルキル;
・ 3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、または-O-(C2~6アルキニル);または
・ C2~6アルキニル、-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR、-C≡C-(C1~6アルキレン)-N(R、-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール)、またはC2~6アルケニル;
のうちの1つを表し;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、C2~4アルキニル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル置換C3~6シクロアルキルを表し;
nは1、2、または3であり;
但し、以下の:
・ Aが、ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである場合に、RまたはRのうちの少なくとも1つが水素以外であり;
・ Aが、C2~4アルキニルによって置換されているフェニルである場合に、RおよびRのうちの少なくとも1つがC1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、フルオロ、または-N(H)(R)であり;かつ
・ Aが、少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリルであり、かつXが-C(O)N(H)-Ψである場合に、少なくとも1つのYまたはYが存在することを条件とする)
またはその薬学的に許容される塩。
[2]
が、各存在に対して独立してC1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表す、[1]に記載の化合物。
[3]
がメチルである、[1]に記載の化合物。
[4]
nが2である、[1]から[3]のいずれか一つに記載の化合物。
[5]
前記R基が、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルの5位および7位に位置する、[4]に記載の化合物。
[6]
が水素である、[1]から[5]のいずれか一つに記載の化合物。
[7]
およびRがそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、メチル、またはエチルを表す、[1]から[6]のいずれか一つに記載の化合物。
[8]
が-C(O)N(H)-Ψである、[1]から[7]のいずれか一つに記載の化合物。
[9]
のいずれかの存在が独立して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、またはヒドロキシルである、[1]から[8]のいずれか一つに記載の化合物。
[10]
のいずれかの存在が独立して、C1~3アルキルである、[1]から[8]のいずれか一つに記載の化合物。
[11]
が2~8員ヘテロアルキルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[12]
が-O-(C1~7アルキル)である、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[13]
が、-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[14]
が、Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されているC5~10シクロアルキルである、[1]から[13]のいずれか一つに記載の化合物。
[15]
が、Yによって1回およびYの0~1個の存在によって置換されているC3~7シクロアルキルである、[1]から[13]のいずれか一つに記載の化合物。
[16]
が、Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルである、[1]から[13]のいずれか一つに記載の化合物。
[17]
が、(a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)4~8員ヘテロアルキル;
(ii)5~10員ヘテロアリールによって置換されている2~6員ヘテロアルキル;
(iii)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORまたは-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール);または
(iv)-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、-O-(C2~6アルキニル)、またはアジド;
のうちの1つと、によって置換されているフェニルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[18]
が、(a)Yの0または1個の存在および(b)4~8員ヘテロアルキルによって置換されているフェニルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[19]
が、(a)Yの0または1個の存在および(b)-O-(C4~7アルキル)によって置換されているフェニルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[20]
が、-O-ブチル、-O-ペンチル、または-O-ヘキシルによって置換されているフェニルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[21]
が、フェニル基のパラ位で-O-ペンチルまたは-O-ヘキシルによって置換されているフェニルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[22]
が、(a)Yの0または1個の存在と、(b)5~6員ヘテロアリールによって置換された2~4員ヘテロアルキルと、によって置換されているフェニルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[23]
が、(a)Yの0または1個の存在と、(b)ピリジニルによって置換された2~4員ヘテロアルキルと、によって置換されているフェニルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[24]
が、(a)Yの0または1個の存在および(b)-C≡C-(C1~6アルキレン)-ORによって置換されているフェニルである、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[25]
が、少なくとも1つの環窒素原子を含有する二環式ヘテロシクリルであり、前記二環式ヘテロシクリルが、Yの0、1、または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、[1]から[10]のいずれか一つに記載の化合物。
[26]
式I-A:
【化100】
(式中、Rは独立して、メチル、シクロプロピル、イソプロピル、または-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)であり;
は水素であり;
およびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は、以下の:
・ Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、C3~10シクロアルキル;
・ Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル;
のうちの1つであり;
は独立して、各存在に対して、2~8員ヘテロアルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル-置換C3~6シクロアルキルを表す)
によって表される、[1]に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
[27]
がメチルである、[26]に記載の化合物。
[28]
のいずれかの存在が独立して、C1~3アルキル、ハロゲン、またはC1~3ハロアルキルである、[26]または[27]に記載の化合物。
[29]
が、Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されているC3~10シクロアルキルである、[26]から[28]のいずれか一つに記載の化合物。
[30]
が、Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルである、[26]から[28]のいずれか一つに記載の化合物。
[31]
式IIa:
【化101】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表し;
は独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、または-C(O)Rを表し;
は、以下の:
(a)-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカー;または
(b)-(C1~4アルキレン)-N(H)-Ψおよび-(C1~4アルキレン)-N(H)-(C1~4アルキレン)-Ψから選択されるアミン含有リンカー;
のうちの1つであり;
は、以下の:
・ (a)1、2、または3個のハロゲンおよび(b)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されているC3~10シクロアルキル;
・ (a)ハロゲンまたはC1~6アルコキシルおよび(b)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されているフェニル;または
・ (a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
・ Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されているフェニル;
・ Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている4-ピリジニル;
・ -C≡C-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル);
・ 部分不飽和であり、かつ(a)3~10員ヘテロシクリル、および(b)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている、二環式カルボシクリル;
・ Yの0、1、または2個の存在によって置換されているピペラジニル;または
・ C1~6アルコキシルとC2~4アルキニルの両方;
のうちの1つと、によって置換されているフェニル;
のうちの1つであり;
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル-置換C3~6シクロアルキルを表し;
nは1、2、または3であり;
但し、Xが任意に置換されているハロフェニルまたは-フェニル-メトキシである場合に、Xは-C(O)N(H)(C2~6分岐状アルキレン)-Ψであることを条件とする)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
[32]
が独立して、各存在に対して、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表す、[31]に記載の化合物。
[33]
がメチルである、[31]に記載の化合物。
[34]
nが2である、[31]から[33]のいずれか一つに記載の化合物。
[35]
前記R基が、前記ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルの5位および7位に位置する、[34]に記載の化合物。
[36]
が-C(O)N(H)-Ψである、[31]から[35]のいずれか一つに記載の化合物。
[37]
本明細書に記載の表1、2、または3のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
[38]
[1]から[37]のいずれか一つに記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
[39]
薬学的に許容される担体と、式III:
【化102】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、-(C1~4アルキレン)-(2~6員ヘテロアルキル)、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表し;
は独立して、各存在に対して、水素またはC1~4アルキルを表し;
は独立して、各存在に対して、水素、C1~4アルキル、または-C(O)Rを表し;
は、以下の:
(a)-C(O)N(H)-Ψおよび-C(O)N(H)(C1~6アルキレン)-Ψ(ΨはAへの結合である)から選択されるカルボニル含有リンカー;
(b)-(C1~4アルキレン)-N(H)-Ψおよび-(C1~4アルキレン)-N(H)-(C1~4アルキレン)-Ψから選択されるアミン含有リンカー;
のうちの1つであり;
は、
・ (a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)以下の:
(i)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換されている5員ヘテロアリール;
(ii)-(C1~6アルキレン)-CO;または
(iii)C1~6ヒドロキシアルキル;
のうちの1つと、によって置換されているフェニル;
・ Yの1または2個の存在およびYの0、1、2、または3個の存在によって置換されている5~6員ヘテロアリール;
から選択される環状基であり;
は独立して、各存在に対して、以下の:
・ 6~10員アリールまたは3~10員ヘテロシクリルによって任意に置換されている2~8員ヘテロアルキル;
・ 3~10員ヘテロシクリル、6~10員アリール、C3~7シクロアルキル、-O-(3~6員ヘテロシクリル)、-O-(6~10員アリール)、または-O-(C2~6アルキニル);または
・ C2~6アルキニル、-C≡C-(C1~6アルキレン)-OR、-C≡C-(C1~6アルキレン)-N(R、-(C2~4アルキニレン)-(5~6員ヘテロアリール)、またはC2~6アルケニル;
のうちの1つを表し、
は独立して、各存在に対して、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシル、シアノ、アジド、-N(R、-(C1~6アルキレン)-(5~6員ヘテロシクリル)、-(C1~6アルキレン)-CO、またはC1~6ハロアルキル-置換C3~6シクロアルキルを表し;
nは1、2、または3である)
の化合物と、を含む医薬組成物。
[40]
が独立して、各存在に対して、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシル、シクロプロピル、シアノ、クロロ、またはフルオロを表す、[39]に記載の医薬組成物。
[41]
がメチルである、[39]に記載の医薬組成物。
[42]
nが2である、[39]から[41]のいずれか一つに記載の医薬組成物。
[43]
前記R基が、前記ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルの5位および7位に位置する、[42]に記載の医薬組成物。
[44]
が-C(O)N(H)-Ψである、[39]から[43]のいずれか一つに記載の医薬組成物。
[45]
が、(a)Yの0、1、2、または3個の存在と、(b)Yの0、1、2、または3個の存在によって置換された5員ヘテロアリールと、によって置換されているフェニルである、[39]から[44]のいずれか一つに記載の医薬組成物。
[46]
が、(a)C1~6アルキルまたはハロゲンと、(b)フラニル、チオフェニル、またはオキサゾリルからなる群から選択される5員ヘテロアリールと、によって置換されているフェニルである、[39]から[44]のいずれか一つに記載の医薬組成物。
[47]
ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、多系統萎縮症、癲癇、双極性障害、精神分裂病、不安障害、大鬱病、多発性嚢胞腎、2型糖尿病、開放隅角緑内障、多発性硬化症、および多発性骨髄腫からなる群から選択される障害を治療する方法であって、前記障害を治療するために、[1]から[37]のいずれか一つに記載の化合物または[40]から[46]のいずれか一つに記載の医薬組成物を治療有効量で、その必要がある患者に投与することを含む、方法。
[48]
前記障害が、ゴーシェ病、パーキンソン病、レビー小体病、認知症、または多系統萎縮症である、[47]に記載の方法。
[49]
前記障害がゴーシェ病である、[47]に記載の方法。
[50]
前記障害がパーキンソン病である、[47]に記載の方法。
[51]
前記障害がレビー小体病である、[47]に記載の方法。
[52]
前記障害が認知症である、[47]に記載の方法。
[53]
前記障害が多系統萎縮症である、[47]に記載の方法。
[54]
前記患者がヒトである、[47]から[53]のいずれか一つに記載の方法。