(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】駐車装置の制御システム、駐車装置、及び駐車装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
E04H 6/18 20060101AFI20240711BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20240711BHJP
E04H 6/06 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
E04H6/18 601G
E04H6/18 603
E04H6/42 Z
E04H6/06 W
(21)【出願番号】P 2020124389
(22)【出願日】2020-07-21
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】712005920
【氏名又は名称】新明和パークテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】児島 尚幸
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-159008(JP,A)
【文献】特開平09-209597(JP,A)
【文献】特開2013-122123(JP,A)
【文献】特開2016-217039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/18
E04H 6/42
E04H 6/06
E04H 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットの呼び出し及び前面ゲートの開閉が操作される操作盤を備える複数列多段式駐車装置の制御システムであって、
前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて呼出パレット情報を生成する呼出パレット情報生成部と、前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて入庫列情報を生成する入庫列情報生成部と、
前記呼出パレット情報及び前記入庫列情報を送信する送信部と、を含むシステム制御部を備え、
呼出パレットに設けられた受信部が前記呼出パレット情報を受信し、枠組体の入庫列に設けられた受信部及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた受信部が前記入庫列情報を受信することで、
前記呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた発光部を
同一鉛直線上で発光させることを特徴とする駐車装置の制御システム。
【請求項2】
呼出パレットに設けられた受信部が前記呼出パレット情報を受信し、前記枠組体の入庫列に設けられた受信部及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた受信部が前記入庫列情報を受信することで、前記呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた発光部を第1発光パターンで発光させ、
非呼出パレットに設けられた受信部、前記枠組体の非入庫列に設けられた受信部、及び前記前面ゲートの非入庫列に設けられた受信部が前記入庫列情報を受信することで、前記非呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の非入庫列に設けられた発光部、及び前面ゲートの非入庫列に設けられた発光部を第2発光パターンで発光させることを特徴とする請求項1に記載の駐車装置の制御システム。
【請求項3】
パレットの呼び出し及び前面ゲートの開閉が操作される操作盤と、制御盤と、を備える複数列多段式駐車装置であって、
前記制御盤は、
前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて呼出パレット情報を生成する呼出パレット情報生成部と、前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて入庫列情報を生成する入庫列情報生成部と、
前記呼出パレット情報及び前記入庫列情報を送信する送信部と、を含むシステム制御部を備え、
各パレットには、前記呼出パレット情報を受信する受信部と、該受信部によって受信された前記呼出パレット情報を受けて発光する発光部と、が設けられ、
枠組体及び前記前面ゲートの各列には、前記入庫列情報を受信する受信部と、該受信部によって受信された前記入庫列情報を受けて発光する発光部と、が設けられ
、
前記システム制御部は、呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた発光部を同一鉛直線上で発光させることを特徴とする駐車装置。
【請求項4】
前記システム制御部は、前記呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた発光部を第1発光パターンで発光させ、非呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の非入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの非入庫列に設けられた発光部を前記第1発光パターンと異なる色で発光する第2発光パターンで発光させることを特徴とする請求項3に記載の駐車装置。
【請求項5】
パレットの呼び出し及び前面ゲートの開閉が操作される操作盤を備える複数列多段式駐車装置の制御方法であって、
前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて呼出パレット情報を生成する呼出パレット情報生成部と、前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて入庫列情報を生成する入庫列情報生成部と、
前記呼出パレット情報及び前記入庫列情報を送信する送信部と、
各パレットに設けられて前記呼出パレット情報を受信する受信部と、各パレットに設けられて前記受信部によって受信された前記呼出パレット情報を受けて発光する発光部と、枠組体及び前記前面ゲートの各列に設けられて前記入庫列情報を受信する受信部と、
前記枠組体及び前記前面ゲートの各列に設けられて前記受信部によって受信された前記入庫列情報を受けて発光する発光部と、を設けておいて、
呼出パレットに設けられた受信部が前記呼出パレット情報を受信し、前記枠組体の入庫列に設けられた受信部及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた受信部が前記入庫列情報を受信することで、前記呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた発光部を同一鉛直線上で発光させることを特徴とする駐車装置の制御方法。
【請求項6】
前記呼出パレットに設けられた受信部が前記呼出パレット情報を受信し、前記枠組体及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた受信部が前記入庫列情報を受信することで、前記呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた発光部を第1発光パターンで発光させ、
非呼出パレットに設けられた受信部、前記枠組体の非入庫列に設けられた受信部、及び前面ゲートの非入庫列に設けられた受信部が前記入庫列情報を受信することで、前記非呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の非入庫列に設けられた発光部、及び前面ゲートの非入庫列に設けられた発光部を第2発光パターンで発光させることを特徴とする請求項5に記載の駐車装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数列多段式駐車装置の制御システム、該制御システムを用いた駐車装置、及び該駐車装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、地上2段、地下1段、3列の複数列多段式駐車装置は、上段昇降パレット、地上段横行パレット、地下昇降パレット、及び地上段(入出庫段)の収容スペースの前面を開閉させる前面ゲートを備えている。このような駐車装置では、地上段収容スペースに、地上段横行パレットを横行させるための空きスペースが設けられ、入出庫時には、空きスペースに上段昇降パレット又は地下段昇降パレットを配置して、利用者の地上段から地下段への落下を防いでいる。
【0003】
ところで、マンション等の複数列多段式駐車装置においては、各々のパレットに対して契約する方式が増えている。即ち、利用者は、契約したパレットのみ駐車が許されている。しかし、前述した地上2段、地下1段、3列の複数列多段式駐車装置では、地上段横行パレットの利用者(契約者)は、その時々で車両を入庫させる列が異なる、即ち、前面ゲートが開いたときに呼び出したパレット(駐車させる可きパレット)が位置している列が異なるため、他の利用者が契約しているパレット(駐車されていないパレット)に、誤入庫(誤駐車)するおそれがある。
【0004】
そこで、特許文献1には、利用者が呼び出したパレットを認識する呼出パレット認識手段と、車両が入庫したパレットを認識する入庫パレット認識手段と、を備え、呼出パレット認識手段及び入庫パレット認識手段の認識結果に基づいて、利用者が呼び出したパレットと車両が入庫したパレットとが一致するか否かを判断し、利用者が呼び出したパレットと車両が入庫したパレットとが一致しない場合に、その旨の情報を利用者に対して報知するようにした機械式立体駐車装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された駐車装置においては、呼び出したパレットと入庫したパレットとが異なることを利用者に報知しても、当該利用者は、安全喚起の警告であると思い込み、誤入庫のまま入庫を完了させてしまうおそれがある。
本発明は、利用者を、呼び出されたパレットが位置する入庫列に誘導することが可能な駐車装置の制御システム、駐車装置、及び駐車装置の制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の駐車装置の制御システムは、パレットの呼び出し及び前面ゲートの開閉が操作される操作盤を備える複数列多段式駐車装置の制御システムであって、前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて呼出パレット情報を生成する呼出パレット情報生成部と、前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて入庫列情報を生成する入庫列情報生成部と、前記呼出パレット情報及び前記入庫列情報を送信する送信部と、を含むシステム制御部を備え、呼出パレットに設けられた受信部が前記呼出パレット情報を受信し、枠組体の入庫列に設けられた受信部及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた受信部が前記入庫列情報を受信することで、前記呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた発光部を同一鉛直線上で発光させることを特徴とする。
本発明の駐車装置は、パレットの呼び出し及び前面ゲートの開閉が操作される操作盤と、制御盤と、を備える複数列多段式駐車装置であって、前記制御盤は、前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて呼出パレット情報を生成する呼出パレット情報生成部と、前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて入庫列情報を生成する入庫列情報生成部と、前記呼出パレット情報及び前記入庫列情報を送信する送信部と、を含むシステム制御部を備え、各パレットには、前記呼出パレット情報を受信する受信部と、該受信部によって受信された前記呼出パレット情報を受けて発光する発光部と、が設けられ、枠組体及び前記前面ゲートの各列には、前記入庫列情報を受信する受信部と、該受信部によって受信された前記入庫列情報を受けて発光する発光部と、が設けられ、前記システム制御部は、呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた発光部を同一鉛直線上で発光させることを特徴とする。
本発明の駐車装置の制御方法は、パレットの呼び出し及び前面ゲートの開閉が操作される操作盤を備える複数列多段式駐車装置の制御方法であって、前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて呼出パレット情報を生成する呼出パレット情報生成部と、前記操作盤に対するパレット呼出操作を受けて入庫列情報を生成する入庫列情報生成部と、前記呼出パレット情報及び前記入庫列情報を送信する送信部と、各パレットに設けられて前記呼出パレット情報を受信する受信部と、各パレットに設けられて前記受信部によって受信された前記呼出パレット情報を受けて発光する発光部と、枠組体及び前記前面ゲートの各列に設けられて前記入庫列情報を受信する受信部と、前記枠組体及び前記前面ゲートの各列に設けられて前記受信部によって受信された前記入庫列情報を受けて発光する発光部と、を設けておいて、呼出パレットに設けられた受信部が前記呼出パレット情報を受信し、前記枠組体の入庫列に設けられた受信部及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた受信部が前記入庫列情報を受信することで、前記呼出パレットに設けられた発光部、前記枠組体の入庫列に設けられた発光部、及び前記前面ゲートの入庫列に設けられた発光部を同一鉛直線上で発光させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者を、呼び出されたパレットが位置する入庫列に利用者を誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1及び第2実施形態に係る駐車装置の正面図である。
【
図3】第1及び第2実施形態に係る制御システムのブロック図である。
【
図4】第1及び第2実施形態に係る駐車装置の斜視図である。
【
図5】第1実施形態の制御システムのフローチャート図である。
【
図6】第2実施形態の制御システムのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を
図1乃至5を参照して説明する。ここでは、地上2段、地下1段の3段、3列の複数列多段式駐車装置1(以下「駐車装置1」と称する)を例示して説明する。ここで、
図1は駐車装置1の正面図、
図2は
図1におけるA-A矢視図である。便宜上、
図1における左側(方向)及び右側(方向)を、駐車装置1における左側(方向)及び右側(方向)と称する。また、
図2における左側(方向)及び右側(方向)を、駐車装置1における前側(方向)及び後側(方向)と称する。
【0011】
まず、
図1、
図2を参照して駐車装置1の基本構造を説明する。駐車装置1は、複数本の支柱4、横梁5、及び縦梁6によって構成された枠組体3を備える。枠組体3には、上段収容スペース7、地上段(入出庫段)収容スペース8、及び地下段収容スペース9が設けられる。上段収容スペース7には、上段昇降パレット11、12、13が設けられる。また、地上段収容スペース8には、地上段横行パレット14、15が設けられる。さらに、地下段収容スペース9には、地下段昇降パレット16、17、18が設けられる。
【0012】
なお、
図1には、地上段収容スペース8の第1列(左側列)に、上昇させた地下段昇降パレット16が配置された状態を示す。また、各パレット(符号省略)は、既存の機構によって昇降又は横行されるものとする。よって、明細書の記載を簡潔にすることを目的に当該機構の詳細な説明を省略する。
【0013】
枠組体3には、地上段収容スペース8の前面を開閉させる前面ゲート21が設けられる。前面ゲート21は、駆動部22(
図3参照)の駆動によって上下方向へ移動させることで開閉される。枠組体3の左前側の支柱4には、例えば液晶タッチパネルを備えた操作盤23が設けられる。利用者は、操作盤23を操作することで、パレットの呼び出し、前面ゲート21の開閉等を行うことができる。
【0014】
図4に示されるように、枠組体3には、制御盤25が設けられる。
図2に示されるように、枠組体3には、地上段における前面ゲート21直前の、利用者、車両等を検知する第1光電センサ26が設けられる。また、枠組体3には、地上段収容スペース8における車両(図示省略)の前方へのはみだしを検知する第2光電センサ27が設けられる。
【0015】
次に、
図3、
図4を参照して駐車装置1の制御システム31を説明する。
図3に示されるように、制御システム31は、制御盤25に設けられたシステム制御部33を備える。システム制御部33は、操作盤25に対するパレット呼出操作を受けて呼出パレット情報を生成する呼出パレット情報生成部34と、操作盤25に対するパレット呼出操作を受けて入庫列情報(呼出パレットが位置決めされる列の情報)を生成する入庫列情報生成部35と、呼出パレット情報及び入庫列情報を送信する通信機能を有する送信部36と、を備える。
【0016】
制御システム31は、送信部36から送信(出力)された呼出パレット情報を受信する受信部41乃至48と、送信部36から送信された入庫列情報を受信する受信部51乃至53及び受信部55乃至57と、を備える。制御システム31は、受信部41乃至48から出力された発光指令信号に応じて発光する発光部61乃至68と、受信部51乃至53から出力された発光指令信号に応じて発光する発光部71乃至73と、受信部55乃至57から出力された発光指令信号に応じて発光する発光部75乃至77と、を備える。なお、各受信部(符号省略)と対応する各発光部(符号省略)とは一体に構成される。また、各発光部には、例えばLED照明が用いられる。
【0017】
図4に示されるように、受信部41及び発光部61は、上段昇降パレット11に設けられる。受信部42及び発光部62は、上段昇降パレット12に設けられる。受信部43及び発光部63は、上段昇降パレット13に設けられる。また、受信部44及び発光部64は、地上段横行パレット14に設けられる。受信部45及び発光部65は、地上段横行パレット15に設けられる。さらに、受信部46及び発光部66は、地下段昇降パレット16に設けられる。受信部47及び発光部67は、地下段昇降パレット17に設けられる。受信部48及び発光部68は、地下段昇降パレット18に設けられる。なお、発光部61乃至68は、対応するパレット(符号省略)の視認性が高い箇所に配置される。
【0018】
一方、受信部51及び発光部71は、枠組体3の第1列に設けられる。受信部52及び発光部72は、枠組体3の第2列に設けられる。受信部53及び発光部73は、枠組体3の第3列に設けられる。なお、発光部71乃至73は、枠組体3の前面側上部の横梁5の下部等、視認性が高い箇所に配置される。他方、受信部55及び発光部75は、前面ゲート21の第1列に設けられる。受信部56及び発光部76は、前面ゲート21の第2列に設けられる。受信部57及び発光部77は、前面ゲート21の第3列に設けられる。なお、発光部75乃至77は、前面ゲート21の視認性が高い箇所に配置される。
【0019】
次に、
図5に示されるフローチャート図を参照して、制御システム31による制御フローを説明する。
ステップ101(
図5におけるS101)では、利用者は、操作盤23に対して呼出パレットの番号(利用者が契約しているパレットに付与された番号)を入力した後、操作盤23に表示された「運転開始釦」(図示省略)を押す。
【0020】
ステップ102(
図5におけるS102)では、呼出パレット情報生成部34は、操作盤23に対するパレット呼出操作(
図5におけるS101)を受けて、呼出パレット情報(呼び出されたパレットの情報)を生成する。並行して、入庫列情報生成部35は、操作盤23に対するパレット呼出操作を受けて、入庫列情報(呼出パレットが位置決めされる列の情報)を生成する。
便宜上、ステップ102(
図5におけるS102)の処理の結果、呼出パレット(呼出パレット情報)が上段昇降パレット11を示す信号であり、入庫列(入庫列情報)が第1列を示す信号であるとする。
【0021】
ステップ103(
図5におけるS103)では、送信部36は、呼出パレット情報生成部34によって生成された呼出パレット情報(信号)を、対応する上段昇降パレット11に設けられた受信部41へ送信(出力)する。並行して、送信部36は、入庫列情報生成部35によって生成された入庫列情報(信号)を、枠組体3(横梁5の下部)の第1列に設けられた受信部51へ送信すると共に前面ゲート21の第1列に設けられた受信部55へ送信する。
ステップ104(
図5におけるS104)では、受信部41は、送信部36からの呼出パレット情報を受けて発光部61へ発光指令信号を出力する。また、受信部51は、送信部36からの入庫列情報を受けて発光部71へ発光指令信号を出力する。さらに、受信部55は、送信部36からの入庫列情報を受けて発光部75へ発光指令信号を出力する。
【0022】
ステップ105(
図5におけるS105)では、発光部61は、受信部41から出力された発光指令信号を受けて例えば青色に発光(点灯)する。また、発光部71は、受信部51から出力された発光指令信号を受けて発光部61と同色の青色に発光する。さらに、発光部75は、受信部55から出力された発光指令信号を受けて発光部61及び71と同色の青色に発光する。
この状態では、上段昇降パレット11に設けられた発光部61、枠組体3の第1列に設けられた発光部71、及びゲート21の第1列に設けられた発光部75は、正面(利用者)から見て、同一鉛直線上で青色に発光している。
【0023】
ステップ106(
図5におけるS106)では、利用者は、青色に発光した発光部61、71、75を目標にして、地上段収容スペース8の第1列に位置決めされた上段昇降パレット11に車両を入庫させる。
ステップ107(
図5におけるS107)では、利用者は、操作盤23に表示された「ゲート閉釦」(図示省略)を押す。
ステップ108(
図5におけるS108)では、システム制御部33は、操作盤23に対するゲート閉操作を受けて、呼出パレット情報及び入庫列情報の送信(出力)を停止する。
【0024】
ステップ109(
図5におけるS109)では、受信部41は、送信部36からの呼出パレット情報(信号)の送信(出力)停止を受けて、発光部61への発光指令信号の出力を停止する。また、受信部51は、送信部36からの入庫列情報(信号)の送信停止を受けて、発光部71への発光指令信号の出力を停止する。さらに、受信部55は、送信部36からの入庫列情報の送信停止を受けて、発光部75への発光指令信号の出力を停止する。
これにより、ステップ110(
図5におけるS110)では、発光部61、71、75が消灯する。
【0025】
第1実施形態は、以下の作用効果を奏する。
第1実施形態によれば、操作盤23に対するパレット呼出操作を受けて呼出パレット情報(信号)を生成する呼出パレット情報生成部34と、操作盤23に対するパレット呼出操作を受けて入庫列情報(信号)を生成する入庫列情報生成部35と、呼出パレット情報及び入庫列情報を送信(出力)する送信部36と、各パレット11乃至18に設けられて送信部36から送信(出力)された呼出パレット情報(信号)を受信可能な受信部41乃至48と、各パレット11乃至18の所定位置(正面の視認性が高い位置)に設けられて受信部41乃至48から出力された発光指令信号を受けて発光(点灯)する発光部61乃至68と、枠組体3の各列に設けられて送信部36から送信(出力)された入庫列情報(信号)を受信可能な受信部51乃至53と、枠組体3の各列の所定位置(視認性が高い横梁5の下部)に設けられて受信部51乃至53から出力された発光指令信号を受けて発光(点灯)する発光部71乃至73と、前面ゲート21の各列に設けられて送信部36から送信(出力)された入庫列情報(信号)を受信可能な受信部55乃至57と、前面ゲートの各列の所定位置(正面の視認性が高い位置)に設けられて受信部55乃至57から出力された発光指令信号を受けて発光(点灯)する発光部75乃至77と、を備える。
【0026】
そして、入庫時に、操作盤23に対するパレット呼出操作を受けて、呼び出されたパレット(入庫させる可きパレット)に設けられた発光部(符号省略)、枠組体3の入庫列(入庫させる可き列)に設けられた発光部(符号省略)、及び前面ゲート21の入庫列に設けられた発光部(符号省略)を発光(点灯)させることにより、車両(利用者)を、入庫させる可きパレット(符号省略)に誘導することが可能であり、誤入庫を確実に防ぐことができる。
また、第1実施形態では、入庫させる可きパレットに設けられた発光部(符号省略)と、枠組体3の入庫列に設けられた発光部(符号省略)と、前面ゲート21の入庫列に設けられた発光部(符号省略)と、を同一鉛直線上で発光させるので、パレットに付与された番号が視認し難い夜間等であっても、車両(利用者)を入庫させる可きパレットに確実に誘導することができる。
【0027】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を
図6に示されるフローチャート図を参照して説明する。
なお、前述した第1実施形態と同一又は相当の構成については、同一の名称及び符号を付与すると共に重複する説明を省略する。
ステップ201(
図6におけるS201)では、利用者は、操作盤23に対して呼出パレットの番号(利用者が契約しているパレットに付与された番号)を入力した後、操作盤23に表示された「運転開始釦」(図示省略)を押す。
【0028】
ステップ202(
図6におけるS202)では、呼出パレット情報生成部34は、操作盤23に対するパレット呼出操作(
図6におけるS201)を受けて、呼出パレット情報(呼び出されたパレットの情報)を生成する。並行して、入庫列情報生成部35は、操作盤23に対するパレット呼出操作を受けて、入庫列情報(呼出パレットが位置決めされる列の情報)を生成する。
便宜上、ステップ202(
図6におけるS202)の処理の結果、呼出パレット(呼出パレット情報)が上段昇降パレット11を示す信号であり、入庫列(入庫列情報)が第1列を示す信号であるとする。
【0029】
ステップ203(
図6におけるS203)では、送信部36は、呼出パレット情報生成部34によって生成された呼出パレット情報(信号)を、各パレット41乃至48へ送信(出力)する。並行して、送信部36は、入庫列情報生成部35によって生成された入庫列情報(信号)を、枠組体3(横梁5の下部)の各列に設けられた受信部51乃至53へ送信すると共に前面ゲート21の各列に設けられた受信部55乃至57へ送信する。
便宜上、呼出対象ではないパレット12乃至18(非呼出パレット)へ送信される出力(信号)を非呼出パレット情報と称すると共に、枠組体3及び前面ゲート21における入庫対象ではない列(非入庫列であって、ここでは、第2列、第3列)へ送信される出力(信号)を非入庫列情報と称する。
【0030】
ステップ204(
図6におけるS204)では、受信部41は、送信部36からの呼出パレット情報を受けて発光部61へ第1発光指令信号を出力する。他方、受信部42乃至48は、送信部36からの非呼出パレット情報を受けて発光部62乃至68へ第2発光指令信号を出力する。また、受信部51は、送信部36からの入庫列情報を受けて発光部71へ第1発光指令信号を出力する。他方、受信部52、53は、送信部36からの非入庫列情報を受けて発光部72、73へ第2発光指令信号を出力する。さらに、受信部55は、送信部36からの入庫列情報を受けて発光部75へ第1発光指令信号を出力する。他方、受信部56、57は、送信部36からの非入庫列情報を受けて発光部76、77へ第2発光指令信号を出力する。
【0031】
ステップ205(
図6におけるS205)では、発光部61は、受信部41から出力された第1発光指令信号を受けて青色(第1発光パターン)に発光(点灯)する。他方、発光部62乃至68は、受信部42乃至48から出力された第2発光指令信号を受けて赤色(第2発光パターン)に発光する。また、発光部71は、受信部51から出力された第1発光指令信号を受けて発光部61と同色の青色に発光する。他方、発光部72、73は、受信部52、53から出力された第2発光指令信号を受けて赤色に発光する。さらに、発光部75は、受信部55から出力された第1発光指令信号を受けて発光部61及び71と同色の青色に発光する。他方、発光部76、77は、受信部56、57から出力された第2発光指令信号を受けて赤色に発光する。
【0032】
この状態では、上段昇降パレット11に設けられた発光部61、枠組体3の第1列に設けられた発光部71、及び前面ゲート21の第1列に設けられた発光部75は、正面(利用者)から見て、同一鉛直線上で青色(第1発光パターン)に発光している。また、呼出対象ではないパレット12乃至18に設けられた発光部62乃至68、並びに枠組体3及び前面ゲート21における入庫対象ではない列(第2列、第3列)に設けられた発光部72、73及び発光部76、77は赤色(第2発光パターン)に発光している。
【0033】
ステップ206(
図6におけるS206)では、利用者は、青色(第1発光パターン)に発光した発光部61、71、75を目標にして、地上段収容スペース8の第1列に位置決めされた上段昇降パレット11に車両を入庫させる。
ステップ207(
図6におけるS207)では、利用者は、操作盤23に表示された「ゲート閉釦」(図示省略)を押す。
ステップ208(
図6におけるS208)では、システム制御部33は、操作盤23に対するゲート閉操作を受けて、呼出パレット情報(非呼出パレット情報)及び入庫列情報(非入庫列情報)の送信(出力)を停止する。
【0034】
ステップ209(
図6におけるS209)では、受信部41は、送信部36からの呼出パレット情報(信号)の送信(出力)停止を受けて、発光部61への第1発光指令信号の出力を停止する。他方、受信部42乃至48は、送信部36からの非呼出パレット情報(信号)の送信停止を受けて、発光部62乃至68への第2発光指令信号の出力を停止する。また、受信部51は、送信部36からの入庫列情報(信号)の送信停止を受けて、発光部71への第1発光指令信号の出力を停止する。他方、受信部52、53は、送信部36からの非入庫列情報(信号)の送信停止を受けて、発光部72、73への第2発光指令信号の出力を停止する。
【0035】
さらに、受信部55は、送信部36からの入庫列情報の送信停止を受けて、発光部75への第1発光指令信号の出力を停止する。他方、受信部56、57は、送信部36からの非入庫列情報の送信停止を受けて、発光部76、77への第2発光指令信号の出力を停止する。
これにより、ステップ210(
図6におけるS210)では、青色(第1発光パターン)で発光(点灯)していた上段昇降パレット11の発光部61、枠組体3の第1列の発光部71、及び前面ゲート21の第1列の発光部75が消灯すると共に、赤色(第2発光パターン)で発光していた呼出対象ではないパレット12乃至18の発光部62乃至68、枠組体3の入庫列対象ではない列(第2列、第3列)の発光部72、73、及び前面ゲート21の入庫列対象ではない列の発光部76、77が消灯する。
【0036】
第2実施形態によれば、呼出対象のパレット11に設けられた発光部61、枠組体3の入庫列(第1列)に設けられた発光部71、及び前面ゲート21の入庫列に設けられた発光部75を、正面(利用者)から見て同一鉛直線上で同色の青色(第1発光パターン)で発光させると共に、呼出対象ではないパレット12乃至18に設けられた発光部62乃至68、枠組体3における入庫対象ではない列(第2列、第3列)に設けられた発光部72、73、及び前面ゲート21における入庫対象ではない列に設けられた発光部76、77を、発光部61、71、75とは異なる赤色(第2発光パターン)で発光させたので、車両(利用者)を入庫させる可きパレット(符号省略)に誘導することが可能であり、誤入庫をより確実に防ぐことができる。
【0037】
なお、前述した実施形態は、例えば、次のように構成することができる。
前述した実施形態では、パレット、枠組体、及び前面ゲートに受信部及び発光部を設けて制御システムを構成したが、受信部及び発光部の取付位置を限定するものではない。
例えば、受信部及び発光部は、パレットと枠組体とに設けて前面ゲートには設けなくてもよい。また、受信部及び発光部は、パレットと前面ゲートとに設けて枠組体には設けなくてもよい。さらに、受信部及び発光部は、枠組体のみ、若しくは前面ゲートのみに設けてもよい。
また、送信部36に、利用者が保持する携帯端末装置(スマートフォン)又は車両に取り付けられたカーナビゲーション装置との通信機能を設けておいて、携帯端末装置又はカーナビゲーション装置の表示画面に、駐車装置1及び発光部(符号省略)の発光状態を表示するように制御システム31を構成することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 駐車装置、21 前面ゲート、23 操作盤、31 制御システム、33 システム制御部、34 呼出パレット情報生成部、35 入庫列情報生成部、36 送信部、41乃至48 受信部、51乃至53 受信部、55乃至57 受信部、61乃至68 発光部、71乃至73 発光部、75乃至77 発光部