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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/00 20200101AFI20240711BHJP
   B62J 45/412 20200101ALI20240711BHJP
   B62J 9/30 20200101ALI20240711BHJP
   B62H 5/16 20060101ALI20240711BHJP
   B62H 5/10 20060101ALI20240711BHJP
   B62H 5/04 20060101ALI20240711BHJP
   B62J 43/13 20200101ALI20240711BHJP
【FI】
B62J45/00
B62J45/412
B62J9/30
B62H5/16
B62H5/10
B62H5/04
B62J43/13
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020166528
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057986
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 慎子
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-230293(JP,A)
【文献】特開平08-142964(JP,A)
【文献】特開2011-063981(JP,A)
【文献】国際公開第2019/194009(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104648545(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0370594(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 45/00
B62J 45/412
B62J 9/30
B62H 5/16
B62H 5/10
B62H 5/04
B62J 43/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置、および、前記人力駆動車のバッテリに関する第2ロック装置の少なくとも1つを、前記人力駆動車の走行状態に応じて制御するように構成される制御部を備え
前記第1ロック装置は、第1電動アクチュエータを有し、第1ロック状態において前記荷台の少なくとも1つの開口をカバーするように構成される少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制し、第1解除状態において前記カバー部材の移動を抑制しないように構成され、
前記制御部は、前記第1電動アクチュエータを制御することによって、前記第1ロック状態と前記第1解除状態とを切り替えるように構成される制御装置。
【請求項2】
前記人力駆動車の前記走行状態は、前記人力駆動車の走行速度が予め定める速度以下の第1状態と、前記人力駆動車の前記走行速度が予め定める速度を超える第2状態とを含む、請求項に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記人力駆動車の前記走行状態が前記第1状態の場合、前記第1ロック装置を前記第1解除状態にするように、前記第1電動アクチュエータを制御し、
前記人力駆動車の前記走行状態が前記第2状態の場合、前記第1ロック装置を前記第1ロック状態にするように、前記第1電動アクチュエータを制御する、請求項に記載の制御装置。
【請求項4】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置、および、前記人力駆動車のバッテリに関する第2ロック装置の少なくとも1つを、前記人力駆動車の走行状態に応じて制御するように構成される制御部を備え、
前記制御部は、前記第1ロック装置、および、前記第2ロック装置の少なくとも1つを、前記人力駆動車の前記走行状態と、前記人力駆動車の移動を抑制するように構成される第3ロック装置の状態と、に応じて制御するように構成される制御装置。
【請求項5】
前記第1ロック装置は、第1電動アクチュエータを有し、第1ロック状態において前記荷台の少なくとも1つの開口をカバーするように構成される少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制し、第1解除状態において前記少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制しないように構成され、
前記制御部は、前記第1電動アクチュエータを制御することによって、前記第1ロック状態と前記第1解除状態とを切り替えるように構成される、請求項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記人力駆動車の前記走行状態は、前記人力駆動車の走行速度が予め定める速度以下の第1状態と、前記人力駆動車の前記走行速度が予め定める値を超える第2状態とを含む、請求項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第3ロック装置の前記状態は、前記人力駆動車の移動を抑制する第3ロック状態と、前記人力駆動車の移動を抑制しない第3解除状態と、を含み、
前記制御部は、
前記人力駆動車の前記走行状態が前記第1状態であり、かつ、前記第3ロック装置が前記第3ロック状態である場合、前記第1ロック装置を前記第1ロック状態にするように、前記第1電動アクチュエータを制御し、
前記人力駆動車の前記走行状態が前記第1状態であり、かつ、前記第3ロック装置が前記第3解除状態である場合、前記第1ロック装置を前記第1解除状態にするように、前記第1電動アクチュエータを制御し、
前記人力駆動車の前記走行状態が前記第2状態である場合、前記第1ロック装置を前記第1ロック状態にするように、前記第1電動アクチュエータを制御する、請求項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第2ロック装置は、第2電動アクチュエータを有し、第2ロック状態において前記バッテリの取り外しを抑制し、第2解除状態において前記バッテリの取り外しを抑制しないように構成され、
前記制御部は、前記第2電動アクチュエータを制御することによって、前記第2ロック状態と前記第2解除状態とを切り替えるように構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記人力駆動車は、前記人力駆動車の走行状態に関する情報を検出する第1センサを備え、
前記制御部は、前記第1センサによって検出される情報を入力するように構成される第1インタフェースを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置、前記人力駆動車のバッテリに関する第2ロック装置、および、前記人力駆動車の動作を抑制するように構成される第3ロック装置の少なくとも1つを、前記人力駆動車のコンポーネントのうち、前記第1ロック装置、前記第2ロック装置、および、前記第3ロック装置を除くコンポーネントの状態に応じて制御する制御部を備える制御装置。
【請求項11】
前記コンポーネントは、前記人力駆動車のパーキングブレーキ装置を含む、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記コンポーネントは、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成される電動ドライブユニットを含む、請求項10または11に記載の制御装置。
【請求項13】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車に設けられる複数のロック装置のうちの1つのロック装置の状態に応じて、前記複数のロック装置のうちの前記1つのロック装置を除く他の2つ以上のロック装置を制御するように構成される制御部を備える制御装置。
【請求項14】
前記複数のロック装置は、前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置、前記人力駆動車のバッテリに関する第2ロック装置、および、前記人力駆動車の移動を抑制するように構成される第3ロック装置を含む、請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記第1ロック装置、および、前記第2ロック装置のうちの一方の状態に応じて、前記第1ロック装置、および、前記第2ロック装置のうちの他方と、前記第3ロック装置とを制御する、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置を、前記人力駆動車の移動を抑制するように構成される第3ロック装置の状態に応じて制御する制御部を備える制御装置。
【請求項17】
前記人力駆動車は、前記第3ロック装置の前記状態に関する情報を検出する第2センサを備え、
前記制御部は、前記第2センサによって検出される情報を入力する第2インタフェースを含む、請求項から1014から16のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項18】
前記第1ロック装置は、第1電動アクチュエータを有し、第1ロック状態において前記荷台の少なくとも1つの開口をカバーするように構成される少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制し、第1解除状態において前記少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制しないように構成され、
前記制御部は、前記第1電動アクチュエータを制御することによって、前記第1ロック状態と前記第1解除状態とを切り替えるように構成される、請求項1416または17のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項19】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置、前記人力駆動車のバッテリに関する第2ロック装置、および、前記人力駆動車の移動を抑制するように構成される第3ロック装置の少なくとも2つを、操作装置の操作に応じて制御するように構成される制御部を備える制御装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記操作装置から無線送信される信号、および、前記操作装置から電線を介して送信される信号の少なくとも1つを受信するように構成される第3インタフェースをさらに含む、請求項19に記載の制御装置。
【請求項21】
前記第3ロック装置は、前記人力駆動車の車輪の回転を抑制するように構成される車輪ロック装置、前記人力駆動車のクランクの回転を抑制するように構成されるクランクロック装置、前記人力駆動車のハンドルの回転を抑制するように構成されるハンドルロック装置の少なくとも1つを含む、請求項から1014から171920のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、荷台に設けられるロック装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-86897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車においては、荷台に限らず様々なロック装置が設けられる。本開示の目的の1つは、人力駆動車に関連する少なくとも1つのロック装置の利便性を向上できる制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う人力駆動車用の制御装置は、前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置、および、前記人力駆動車のバッテリに関する第2ロック装置の少なくとも1つを、前記人力駆動車の走行状態に応じて制御するように構成される制御部を備える。
【0006】
第1側面の制御装置によれば、制御部は、荷台に関する第1ロック装置、および、バッテリに関する第2ロック装置の少なくとも1つを人力駆動車の走行状態に応じて制御できる。第1ロック装置、および、第2ロック装置の少なくとも1つをユーザが直接操作しなくても、第1ロック装置、および、第2ロック装置の少なくとも1つは、人力駆動車の走行状態に応じて自動的に制御される。従って、第1ロック装置、および、第2ロック装置の少なくとも1つの利便性が向上される。さらに、第1ロック装置、および、第2ロック装置の少なくとも1つに対する使用者の操作の負担が軽減される。
【0007】
第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記第1ロック装置は、第1電動アクチュエータを有し、第1ロック状態において前記荷台の少なくとも1つの開口をカバーするように構成される少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制し、第1解除状態において前記カバー部材の移動を抑制しないように構成され、前記制御部は、前記第1電動アクチュエータを制御することによって、前記第1ロック状態と前記第1解除状態とを切り替えるように構成される。
【0008】
第2側面の制御装置によれば、荷台の少なくとも1つのカバー部材について、第1ロック状態と第1解除状態とが人力駆動車の走行状態に応じて自動的に切り替わるので、荷台の利便性が向上する。
【0009】
第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記人力駆動車の前記走行状態は、前記人力駆動車の走行速度が予め定める速度以下の第1状態と、前記人力駆動車の前記走行速度が予め定める速度を超える第2状態とを含む。
【0010】
第3側面の制御装置によれば、制御部は、人力駆動車の走行速度に応じて、第1ロック装置を第1ロック状態、または、第1解除状態に自動的に切り替えできる。
【0011】
第3側面に従う第4側面の制御装置において、制御部は、前記人力駆動車の前記走行状態が前記第1状態の場合、前記第1ロック装置を前記第1解除状態にするように、前記第1電動アクチュエータを制御し、前記人力駆動車の前記走行状態が前記第2状態の場合、前記第1ロック装置を前記第1ロック状態にするように、前記第1電動アクチュエータを制御する。
【0012】
第4側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行速度が予め定める第1速度よりも低い場合には、第1ロック装置が第1解除状態になる。そのため、使用者が第1ロック装置を操作しなくても、使用者が少なくとも1つのカバー部材を容易に移動させて荷台の少なくとも1つの開口を露出できる。従って、使用者は、荷台への荷物の搬入、および、荷台から荷物の搬出を、例えば、人力駆動車の停止時に容易に行うことができる。第4側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行速度が予め定める第1速度を超える場合には、第1ロック装置が第1ロック状態になる。そのため、使用者が第1ロック装置を操作しなくても、制御部は、少なくとも1つのカバー部材が荷台の少なくとも1つの開口を閉じた状態をキープできる。従って、例えば、人力駆動車が高い速度で走行している状態において、荷台から荷物が落ちることが抑制される。
【0013】
第1側面に従う第5側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1ロック装置、および、前記第2ロック装置の少なくとも1つを、前記人力駆動車の前記走行状態と、前記人力駆動車の移動を抑制するように構成される第3ロック装置の状態と、に応じて制御するように構成される。
【0014】
第5側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行状態が等しくても、第3ロック装置の状態に応じて、制御部が、第1ロック装置、および、第2ロック装置の少なくとも1つの状態を切り替える。従って、第1ロック装置、および、第2ロック装置の少なくとも1つの利便性をさらに向上できる。
【0015】
第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記第1ロック装置は、第1電動アクチュエータを有し、第1ロック状態において前記荷台の前記少なくとも1つの開口をカバーするように構成される少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制し、第1解除状態において前記少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制しないように構成され、前記制御部は、前記第1電動アクチュエータを制御することによって、前記第1ロック状態と前記第1解除状態とを切り替えるように構成される。
【0016】
第6側面の制御装置によれば、荷台の少なくとも1つのカバー部材について、第1ロック状態と第1解除状態とが、人力駆動車の走行状態と第3ロック装置の状態とに応じて自動的に切り替わるので、荷台の利便性が向上する。
【0017】
第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記人力駆動車の前記走行状態は、前記人力駆動車の走行速度が予め定める速度以下の第1状態と、前記人力駆動車の前記走行速度が予め定める値を超える第2状態とを含む。
【0018】
第7側面の制御装置によれば、制御装置は、人力駆動車の走行速度に応じて第1ロック装置を第1ロック状態、または、第1解除状態に自動的に切り替えできる。
【0019】
第7側面に従う第8側面の制御装置において、前記第3ロック装置の前記状態は、前記人力駆動車の移動を抑制する第3ロック状態と、前記人力駆動車の移動を抑制しない第3解除状態と、を含み、前記制御部は、前記人力駆動車の前記走行状態が前記第1状態であり、かつ、前記第3ロック装置が前記第3ロック状態である場合、前記第1ロック装置を前記第1ロック状態にするように前記第1電動アクチュエータを制御し、前記人力駆動車の前記走行状態が前記第1状態であり、かつ、前記第3ロック装置が前記第3解除状態である場合、前記第1ロック装置を前記第1解除状態にするように前記第1電動アクチュエータを制御し、前記人力駆動車の前記走行状態が前記第2状態である場合、前記第1ロック装置を前記第1ロック状態にするように、前記第1電動アクチュエータを制御する。
【0020】
第8側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行速度が予め定める第1速度よりも低く、かつ、第3ロック装置が第3ロック状態の場合には、第1ロック装置が第1ロック状態になる。そのため、制御部は、少なくとも1つのカバー部材が荷台の少なくとも1つの開口を閉じた状態をキープできる。従って、例えば、人力駆動車の停車時に、不所望に少なくとも1つのカバー部材が移動させられることを抑制できる。第8側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行速度が予め定める第1速度よりも低く、かつ、第3ロック装置が第3解除状態の場合には、第1ロック装置が第1解除状態になる。そのため、使用者が少なくとも1つのカバー部材を容易に移動させて荷台の少なくとも1つの開口を露出できる。従って、使用者は、荷台への荷物の搬入および荷台から荷物の搬出を、例えば、人力駆動車の停止時に容易に行うことができる。第8側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行速度が予め定める第1速度を超える場合には、第1ロック装置が第1ロック状態になるので、少なくとも1つのカバー部材が荷台の少なくとも1つの開口を閉じた状態をキープできる。従って、例えば、人力駆動車が高い速度で走行している状態において、荷台から荷物が落ちることが抑制される。
【0021】
第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の制御装置において、前記第2ロック装置は、第2電動アクチュエータを有し、第2ロック状態において前記バッテリの取り外しを抑制し、第2解除状態において前記バッテリの取り外しを抑制しないように構成され、前記制御部は、前記第2電動アクチュエータを制御することによって、前記第2ロック状態と前記第2解除状態とを切り替えるように構成される。
【0022】
第9側面の制御装置によれば、バッテリについて、第2ロック状態と第2解除状態とが人力駆動車の走行状態に応じて自動的に切り替わるので、バッテリの利便性が向上する。
【0023】
第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記人力駆動車は、前記人力駆動車の走行状態に関する情報を検出する第1センサを備え、前記制御部は、前記第1センサによって検出される情報を入力するように構成される第1インタフェースを含む。
【0024】
第10側面の制御装置によれば、第1センサを用いることによって、制御部は、人力駆動車の走行状態に関する情報を、簡単に取得できる。
【0025】
第11側面に従う人力駆動車用の制御装置は、前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置、前記人力駆動車のバッテリに関する第2ロック装置、および、前記人力駆動車の動作を抑制するように構成される第3ロック装置の少なくとも1つを、前記人力駆動車のコンポーネントのうち、前記第1ロック装置、前記第2ロック装置、および、前記第3ロック装置を除くコンポーネントの状態に応じて制御する制御部を備える。
【0026】
第11側面の制御装置によれば、制御部は、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも1つを、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置を除くコンポーネントの状態に応じて制御できる。第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも1つは、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置を除くコンポーネントの状態に応じて自動的に制御される。そのため、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも1つの利便性が向上される。さらに、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも1つに対する使用者の操作の負担が軽減される。
【0027】
第11側面に従う第12側面の制御装置において、前記コンポーネントは、前記人力駆動車のパーキングブレーキ装置を含む。
【0028】
第12側面の制御装置によれば、パーキングブレーキ装置の状態に応じて、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも1つの状態が切り替えられる。
【0029】
第11または第12側面に従う第13側面の制御装置において、前記コンポーネントは、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成される電動ドライブユニットを含む。
【0030】
第13側面の制御装置によれば、電動ドライブユニットの状態に応じて、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも1つの状態が切り替えられる。
【0031】
第14側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車に設けられる複数のロック装置のうちの1つのロック装置の状態に応じて、前記複数のロック装置のうちの前記1つのロック装置を除く他の2つ以上のロック装置を制御するように構成される制御部を備える。
【0032】
第14側面の制御装置によれば、制御部は、複数のロック装置のうち、1つのロック装置の状態に応じて他の2つ以上のロック装置を制御できる。1つのロック装置の状態に応じて、他の2つ以上のロック装置が制御されるため、ユーザは、複数のロック装置の全てを個別に操作する必要がない。従って、複数のロック装置の利便性が向上される。さらに、複数のロック装置に対する使用者の操作の負担が軽減される。
【0033】
第14側面に従う第15側面の制御装置において、前記複数のロック装置は、前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置、前記人力駆動車のバッテリに関する第2ロック装置、および、前記人力駆動車の移動を抑制するように構成される第3ロック装置を含む。
【0034】
第15側面の制御装置によれば、バッテリの利便性、荷台の利便性、および、人力駆動車の盗難への耐性の少なくとも2つが向上する。
【0035】
第15側面に従う第16側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1ロック装置、および、前記第2ロック装置のうちの一方の状態に応じて、前記第1ロック装置、および、前記第2ロック装置のうちの他方と、前記第3ロック装置とを制御する。
【0036】
第16側面の制御装置によれば、制御部が、第1ロック装置の状態に応じて、第2ロック装置の状態と、第3ロック装置の状態と、を制御する場合、荷台の利便性、および、人力駆動車の盗難への耐性が向上される。第16側面の制御装置によれば、制御部が、第2ロック装置の状態に応じて、第1ロック装置の状態と、第3ロック装置の状態と、を制御する場合、バッテリの利便性、および、人力駆動車の盗難への耐性が向上される。
【0037】
第17側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置を、前記人力駆動車の移動を抑制するように構成される第3ロック装置の状態に応じて制御する制御部を備える。
【0038】
第17側面の制御装置によれば、制御部は、第3ロック装置の状態に応じて第1ロック装置を制御できる。第1ロック装置を使用者が直接操作しなくても、第1ロック装置は、第3ロック装置の状態に応じて自動的に制御される。したがって、第3ロック装置の利便性が向上される。さらに、第1ロック装置に対する使用者の操作の負担が軽減される。
【0039】
第5から第8側面、第11側面、第15から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の制御装置において、前記人力駆動車は、前記第3ロック装置の前記状態に関する情報を検出する第2センサを備え、前記制御部は、前記第2センサによって検出される情報を入力する第2インタフェースを含む。
【0040】
第18側面の制御装置によれば、第2センサを用いることによって、制御部は、第3ロック装置の状態に関する情報を、簡単に取得できる。
【0041】
第15、第17または第18側面のいずれか1つに従う第19側面の制御装置において、前記第1ロック装置は、第1電動アクチュエータを有し、第1ロック状態において前記荷台の少なくとも1つの開口をカバーするように構成される少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制し、第1解除状態において前記少なくとも1つのカバー部材の移動を抑制しないように構成され、前記制御部は、前記第1電動アクチュエータを制御することによって、前記第1ロック状態と前記第1解除状態とを切り替えるように構成される。
【0042】
第19側面の制御装置によれば、荷台の少なくとも1つのカバー部材について、第1ロック状態と第1解除状態とが人力駆動車の走行状態に応じて自動的に切り替わるので、荷台の利便性が向上する。
【0043】
第20側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車の荷台に関する第1ロック装置、前記人力駆動車のバッテリに関する第2ロック装置、および、前記人力駆動車の移動を抑制するように構成される第3ロック装置の少なくとも2つを、操作装置の操作に応じて、制御するように構成される制御部を備える。
【0044】
第20側面の制御装置によれば、制御部は、操作装置の操作に応じて、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも2つの状態を制御できる。第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置のそれぞれをユーザが直接操作しなくても、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも2つが制御される。従って、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも2つの利便性が向上する。さらに、第1ロック装置、第2ロック装置、および、第3ロック装置の少なくとも2つに対する使用者の操作の負担が軽減される。
【0045】
第20側面に従う第21側面の制御装置において、前記制御部は、前記操作装置から無線送信される信号、および、前記操作装置から電線を介して送信される信号の少なくとも1つを受信するように構成される第3インタフェースをさらに含む。
【0046】
第21側面の制御装置によれば、利用者が制御装置から離れた場所に操作装置を配置できるので、利便性が向上する。
【0047】
第5から第8側面、第11側面、第15から第18側面、第20側面、および第21側面のいずれか1つに従う第22側面の制御装置において、前記第3ロック装置は、前記人力駆動車の車輪の回転を抑制するように構成される車輪ロック装置、前記人力駆動車のクランクの回転を抑制するように構成されるクランクロック装置、前記人力駆動車のハンドルの回転を抑制するように構成されるハンドルロック装置の少なくとも1つを含む。
【0048】
第22側面の制御装置によれば、制御部が第3ロック装置を制御することによって、人力駆動車の盗難を抑制できる。
【発明の効果】
【0049】
本開示の制御装置によれば、人力駆動車に関連する少なくとも1つのロック装置の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、第1実施形態に係る制御装置、を搭載する人力駆動車の側面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る制御装置、を含む人力駆動車の電気的構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る制御装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第2実施形態に係る制御装置、を含む人力駆動車の電気的構成を示すブロック図である。
図5図5は、第2実施形態に係る制御装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第3実施形態に係る人力駆動車の側面図である。
図7図7は、第3実施形態に係る制御装置、を含む人力駆動車の電気的構成を示すブロック図である。
図8図8は、第3実施形態に係る制御装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第4実施形態に係る制御装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第4実施形態の変形例に係る制御装置の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
(第1実施形態)
人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は、限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車を、カーゴバイク、および、電動アシスト自転車として説明する。
【0052】
図1に示すように、人力駆動車10は、フレーム12と、ハンドル14と、複数の車輪16と、荷台18と、ドライブトレイン20と、電動ドライブユニット22と、バッテリ24と、第1制御装置26とを備える。本実施形態では、水平面に人力駆動車10の複数の車輪16が接触する状態において、水平面に平行な予め定める第1方向Xを人力駆動車の前後方向Xとする。水平面に平行、かつ、予め定める第1方向に垂直な第2方向を人力駆動車の左右方向Yとし、水平面に垂直な予め定める第3方向を上下方向Zとする。
【0053】
ハンドル14は、人力駆動車10の使用者によって把持されるように構成される。複数の車輪16は、少なくとも1つの前輪16aと、少なくとも1つの後輪16bとを含む。複数の車輪16は、フレーム12に直接または間接的に、かつ、回転可能に支持される。本実施形態では、少なくとも1つの前輪16aは、2つの前輪16aを含む。2つの前輪16aは、例えば、左右方向に間隔を開けて配置される。2つの前輪16aは、フレーム12によって支持される。2つの前輪16aは、ハンドル14に連結されて、ハンドル14の操作に連動する。ハンドル14には、一対のブレーキレバー28が設けられる。フレーム12には、少なくとも1つのブレーキ装置29が設けられる。少なくとも1つのブレーキ装置29は、好ましくは、前輪16aを制動する前ブレーキ装置と、後輪16bを制動する後ブレーキ装置29aと、を含む。一対のブレーキレバー28のうちの第1ブレーキレバー28aは、前ブレーキ装置に接続される。一対のブレーキレバー28のうちの第2ブレーキレバー28bは、後ブレーキ装置29aに接続される。少なくとも1つのブレーキ装置29は、リムブレーキ装置を含んでいてもよく、ディスクブレーキ装置を含んでいてもよい。
【0054】
本実施形態では、荷台18の少なくとも一部は、ハンドル14よりも前方に設けられる。荷台18は、2つの前輪16aの間に設けられる。荷台18は、フレーム12によって支持される。荷台18は、荷台本体18cと、少なくとも1つのカバー部材18aと、を含む。少なくとも1つのカバー部材18aは、荷台18の少なくとも1つの開口18bをカバーするように構成される。少なくとも1つの開口18bは、荷台本体18cに形成される。荷台本体18cの形状は、特に限定されず、どのような形状であってもよい。本実施形態では、荷台本体18cは直方体形状を有する。荷台18において、少なくとも1つの開口18bが形成される位置、および、少なくとも1つの開口18bの数は、特に限定されない。本実施形態では、荷台本体18cの上部に1つの開口18bが形成される。荷台本体18cの少なくとも1つの開口18bは、荷台本体18cの前部に形成されてもよく、荷台本体18cの後部に形成されてもよく、荷台本体18cの右側面部に形成されてもよく、荷台本体18cの左側面部に形成されてもよい。
【0055】
荷台18の少なくとも1つの開口18bは、荷台本体18cの上部、荷台本体18cの前部、荷台本体18cの後部、荷台本体18cの右側面部、および、荷台本体18cの左側面部の少なくとも1つに形成されてもよく、例えば、2つ以上に形成されてもよい。荷台18の少なくとも1つの開口18bは、荷台本体18cの上部に2つ以上形成されてもよい。荷台18の少なくとも1つの開口18bは、荷台本体18cの前部に2つ以上形成されてもよい。荷台18の少なくとも1つの開口18bは、荷台本体18cの後部に2つ以上形成されてもよい。荷台18の少なくとも1つの開口18bは、荷台本体18cの右側面部に2つ以上形成されてもよい。荷台18の少なくとも1つの開口18bは、荷台本体18cの左側面部に2つ以上形成されてもよい。
【0056】
少なくとも1つのカバー部材18aは、開口18bをカバーできれば、形状および材質は、特に限定されない。少なくとも1つのカバー部材18aは、複数のカバー部材18aを含んでいてもよい。少なくとも1つのカバー部材18aは、金属または樹脂によって形成される板状部材であってもよく、樹脂または布によって形成される変形可能なシート状部材であってもよい。例えば、少なくとも1つのカバー部材18aは、ヒンジによって荷台本体18cに取り付けられてもよい。少なくとも1つのカバー部材18aは、荷台18の開口18bに沿ってスライド可能に、荷台本体18cに取り付けられてもよい。荷台18は、人力駆動車10のシートポスト13よりも後方においてフレーム12に設けられてもよい。荷台18は、人力駆動車10に牽引される牽引車を含んでもよい。
【0057】
ドライブトレイン20は、人力駆動力を後輪16bに伝達するように構成される。ドライブトレイン20は、一対のペダル30と、クランク32と、フロントチェーンホイール34と、チェーン36と、リアスプロケット38とを含む。クランク32は、一対のペダル30に付加される人力駆動力によって回転する。クランク32が回転することによって、フロントチェーンホイール34が回転し、フロントチェーンホイール34の回転力が、チェーン36を介してリアスプロケット38に伝達され、後輪16bが回転する。ドライブトレイン20は、フロントチェーンホイール34、リアスプロケット38およびチェーン36に代えて、一対のプーリーおよびベルトを含んでいてもよく、一対のベベルギアおよびシャフトを含んでいてもよい。
【0058】
クランク32は、クランク軸、および、クランク軸に連結される一対のクランクアームを含む。ドライブトレイン20は、ワンウェイクラッチ、他のスプロケット、または、他のチェーンなどの他の部品を含んでいてもよい。フロントチェーンホイール34は、複数のチェーンホイールを含んでいてもよい。リアスプロケット38は、複数のスプロケットを含んでいてもよい。好ましくは、フロントチェーンホイール34の回転軸は、クランク32の回転軸と同軸に配置される。リアスプロケット38の回転軸は、後輪16bの回転軸と同軸に配置される。
【0059】
人力駆動車10は、バッテリホルダ24aをさらに含む。バッテリ24は、バッテリホルダ24aに着脱可能に保持される。バッテリホルダ24aは、フレーム12に取り付けられる。バッテリホルダ24aは、荷台18に設けられてもよい。バッテリ24は、例えば、1または複数の蓄電池を含む。蓄電池は、好ましくは、充電池を含む。バッテリ24は、第1制御装置26、電動ドライブユニット22などに電力を供給する。
【0060】
電動ドライブユニット22は、図2に示すように、駆動回路40と、モータ42と、第2制御装置44とを含む。駆動回路40は、インバータを含む。モータ42は、電気モータを含む。駆動回路40は、第2制御部46によって制御されて、モータ42に供給する駆動電流、および、モータ42に供給する駆動電圧を調整する。モータ42は、例えば、ブラシレスモータを含む。モータ42は、駆動回路40を介してバッテリ24から電力が供給されて、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ42は、人力駆動力によって車輪16が回転している状態において駆動され、人力駆動力による車輪16の回転をアシストするように構成される。電動ドライブユニット22は、人力駆動力によって車輪16が回転していない状態においてモータ42を駆動し、車輪16を回転させてもよい。
【0061】
電動ドライブユニット22は、フレーム12に設けられる。電動ドライブユニット22は、人力駆動車10に推進力を付与できれば、どのような構成であってもよい。本実施形態において、電動ドライブユニット22は、フロントチェーンホイール34に回転力を伝達するように構成される。電動ドライブユニット22は、クランク軸を含んでいてもよい。電動ドライブユニット22は、車輪16のハブに設けられてもよい。電動ドライブユニット22は、少なくとも1つの前輪16a、および、少なくとも1つの後輪16bの少なくとも1つに設けられてもよい。
【0062】
好ましくは、電動ドライブユニット22は、入力駆動力検出部41をさらに含む。入力駆動力検出部41は、利用者がクランク32に与える人力駆動力に関する情報を検出するように構成される。入力駆動力検出部41は、例えば、ひずみセンサ、または、磁歪センサ、などを含む。入力駆動力検出部41は、第2制御部46に電気的に接続される。第2制御部46は、入力駆動力検出部41から入力される人力駆動力に関する情報に応じて、モータ42を駆動するように構成される。例えば、第2制御部46は、人力駆動力に対するモータ42によるアシスト力が、予め定める比率になるようにモータ42を制御する。予め定める比率は、一定でもよく、人力駆動力が増加すると予め定める比率が増加するように変化してもよい。
【0063】
第2制御装置44は、第2制御部46と、第2制御部46に電気的に接続される第2記憶部48とを含む。第2制御部46は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、または、MPU(Micro Processing Unit)などの演算処理装置を含む。第2記憶部48は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリなどの記憶装置を含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。第2制御部46は、例えば、揮発性メモリを作業領域として、演算処理装置が揮発性メモリに記憶される各種プログラムを実行することによって、電動ドライブユニット22を制御するように構成される。
【0064】
第2制御部46は、バッテリ24と、第1制御装置26の第1制御部70と、操作装置50とに電気ケーブル、および、無線通信装置の少なくとも1つを介して接続される。第2制御部46は、操作装置50の操作に応じて、電動ドライブユニット22を、起動状態と、非起動状態とに切り替える。電動ドライブユニット22の起動状態では、第2制御部46は、バッテリ24から電力が供給されて、予め定める制御プログラムを実行する。電動ドライブユニット22の起動状態では、少なくとも1つの車輪16の回転をアシストするように駆動回路40によってモータ42の出力が制御されるように構成される。電動ドライブユニット22の非起動状態では、第2制御部46が停止状態となる。第1制御装置26は、第2制御装置44に統合されて構成されてもよい。第1制御装置26が、第2制御装置44に統合される場合、第1制御装置26は、電動ドライブユニット22に含まれていてもよい。第2制御装置44は、電動ドライブユニット22に含まれず、電動ドライブユニット22とは別体に構成されていてもよい。駆動回路40は、第2制御装置44に含まれていてもよい。
【0065】
操作装置50は、例えば、人力駆動車10のハンドル14に設けられる。操作装置50は、使用者の操作に応じて情報を出力するように構成される。操作装置50は、例えば、利用者の手指によって操作可能に構成される。操作装置50は、例えば、電動ドライブユニット22の制御状態を変更するための操作を受け付ける操作面を含む。操作装置50は、例えば、電動ドライブユニット22の起動状態、および、電動ドライブユニット22の非起動状態を切り替えるための操作スイッチを含む。操作装置50は、電気ケーブル、および、無線通信装置の少なくとも1つを介して、電動ドライブユニット22に接続される。操作装置50は、第1制御装置26を介して電動ドライブユニット22に接続されてもよい。操作装置50は、人力駆動車10には設けられず、利用者が保持していてもよい。操作装置50は、例えば、ハンドル14に着脱できるリモートコントローラを含んでいてもよい。操作装置50は、例えば、サイクルコンピュータ、または、スマートフォンなどを含でいてもよい。
【0066】
本実施形態において、人力駆動車10は、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62をさらに含む。好ましくは、人力駆動車10は、第1センサ64、第1ロック検出センサ66、および、第2ロック検出センサ68をさらに含む。第1制御装置26は、図2に示すように、電動ドライブユニット22、バッテリ24、操作装置50、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62に、電気的に接続される。第1制御装置26は、第1センサ64、第1ロック検出センサ66、および、第2ロック検出センサ68に、電気的に接続される。第1センサ64、第1ロック検出センサ66、および、第2ロック検出センサ68には、バッテリ24から直接、または、バッテリ24から第1制御装置26を介して電力が供給される。
【0067】
第1ロック装置60は、人力駆動車10の荷台18に関するロック装置である。第1ロック装置60の少なくとも一部は、荷台18に設けられる。本実施形態では、第1ロック装置60は、荷台18のカバー部材18aをロックするロック装置を含む。第1ロック装置60は、荷台18のカバー部材18aが開口18bをカバーした状態において、カバー部材18aをロックするように構成される。第1ロック装置60は、第1電動アクチュエータ60aを含む。第1ロック装置60は、第1制御装置26に制御されて、第1ロック状態と、第1解除状態とが切り替わるように構成される。第1ロック装置60は、第1ロック状態において少なくとも1つのカバー部材18aの移動を抑制するように構成される。具体的には、第1ロック装置60は、第1ロック状態において、例えば、カバー部材18aに係合するように構成される。第1ロック装置60が、カバー部材18aに係合することによって、カバー部材18aの移動が抑制される。第1ロック状態において、カバー部材18aは、荷台18の開口18bを塞いだ状態に保持される。第1ロック状態において、使用者などは、カバー部材18aを移動できない。第1電動アクチュエータ60aは、電気モータまたはソレノイドを含む。第1電動アクチュエータ60aには、バッテリ24から電力が供給される。
【0068】
第1ロック装置60は、第1解除状態において少なくとも1つのカバー部材18aの移動を抑制しないように構成される。具体的には、第1ロック装置60は、第1解除状態において、例えば、カバー部材18aに係合しないように構成される。第1ロック装置60が、カバー部材18aに係合しないことによって、使用者などは、カバー部材18aを自由に移動できる。第1解除状態において、使用者などは、カバー部材18aを移動できる。第1ロック装置60は、例えば、第1電動アクチュエータ60aによって移動される第1ロック部材と、第1ロック部材が係合される第1係合部材とを含む。第1電動アクチュエータ60aおよび第1ロック部材は、例えば、荷台本体18cに設けられる。第1係合部材は、例えば、カバー部材18aに固定される。第1電動アクチュエータ60a、および、第1ロック部材が、カバー部材18aに設けられ、かつ、第1係合部材が、荷台本体18cに設けられてもよい。第1ロック部材が第1電動アクチュエータ60aによって移動することによって、第1ロック装置60は、第1ロック状態、または、第1解除状態に切り替わる。
【0069】
第1ロック装置60は、荷台18を、例えば、人力駆動車10のフレーム12にロックするロック装置を含んでもよい。荷台18をフレーム12にロックする場合、第1ロック装置60は、第1ロック状態において、荷台18をフレーム12にロックし、第1解除状態において、荷台18をフレーム12から取り外せるように構成される。第1ロック装置60の少なくとも一部は、人力駆動車10のフレーム12に設けられてもよい。
【0070】
第1電動アクチュエータ60aは、人力駆動車10の走行状態に応じて、第1制御部70によって制御されるように構成される。第1ロック装置60は、人力駆動車10の走行状態に応じて、第1ロック状態、または、第1解除状態に切り替えられる。人力駆動車10の走行状態は、第1状態、および、第2状態を含む。第1状態において、人力駆動車10の走行速度は、予め定める速度以下である。第2状態において、人力駆動車10の走行速度は、予め定める速度を超える。予め定める速度は、好ましくは、人力駆動車10が停止しているとみなせる速度である。予め定める速度は、例えば、時速0kmから時速3kmまでの範囲の速度である。走行状態は、例えば、人力駆動車の振動の大きさ、人力駆動車の進行方向への加速度、人力駆動車の減速度でもよい。
【0071】
第2ロック装置62は、人力駆動車10のバッテリ24に関するロック装置である。第2ロック装置62の少なくとも一部は、バッテリホルダ24aに設けられる。第2ロック装置62は、バッテリ24をバッテリホルダ24aにロックするように構成される。第2ロック装置62は、第2電動アクチュエータ62aを含む。第2ロック装置62は、第1制御装置26に制御されて、第2ロック状態と、第2解除状態とが切り替わるように構成される。第2ロック装置62は、第2ロック状態においてバッテリ24の取り外しを抑制し、第2解除状態においてバッテリ24の取り外しを抑制しないように構成される。第2ロック状態において、使用者などは、バッテリ24をバッテリホルダ24aから取り外せない。第2解除状態において、使用者などは、バッテリ24をバッテリホルダ24aから取り外せる。第2電動アクチュエータ62aは、電気モータまたはソレノイドを含む。第2電動アクチュエータ62aには、バッテリ24から電力が供給される。
【0072】
第2ロック装置62は、例えば、第2電動アクチュエータ62aによって移動される第2ロック部材と、第2ロック部材が係合される第2係合部材とを含む。第2電動アクチュエータ62aおよび第2ロック部材は、例えば、バッテリホルダ24aに設けられる。第2係合部材は、例えば、バッテリ24に設けられる。第2電動アクチュエータ62a、および、第2ロック部材は、バッテリ24に設けられ、かつ、第2係合部材は、バッテリホルダ24aに設けられてもよい。第2ロック部材が第2電動アクチュエータ62aによって移動することによって、第2ロック装置62は、第2ロック状態、または、第2解除状態に切り替えられる。
【0073】
第2ロック装置62は、バッテリホルダ24aをフレーム12にロックするロック装置を含んでもよい。バッテリホルダ24aをフレーム12にロックする場合、第2ロック装置62は、第2ロック状態において、バッテリホルダ24aをフレーム12にロックし、第2解除状態において、バッテリホルダ24aをフレーム12から取り外せるように構成される。第2ロック装置62の少なくとも一部は、人力駆動車10のフレーム12に設けられてもよい。
【0074】
第2電動アクチュエータ62aは、人力駆動車10の走行状態に応じて第1制御部70によって制御されるように構成される。第2ロック装置62は、人力駆動車10の走行状態に応じて、第2ロック状態、または、第2解除状態に切り替えられる。
【0075】
第1センサ64は、車速センサ64aを含む。車速センサ64aは、人力駆動車10の走行状態に関する情報を検出する。車速センサ64aは、車速に関する情報を出力するように構成される。車速センサ64aは、例えば、前輪16aの回転速度、または、後輪16bの回転速度に応じた信号を出力するように構成される。車速センサ64aは、磁気センサを含む。車速センサ64aは、例えば、後輪16bのスポーク、ディスクブレーキロータ、またはハブに取り付けられる1または複数の磁石の磁界を検出するように構成される。車速センサ64aは、磁界を検出すると信号を出力するように構成される。第1制御部70は、例えば、後輪16bの回転に伴って車速センサ64aから出力される信号の時間間隔または信号の幅と、後輪16bの周長に関する情報と、に基づいて、人力駆動車10の走行速度を演算するように構成される。車速センサ64aは、車速に関する情報を出力するように構成されれば、磁気センサに限らず、光学センサ、加速度センサ、または、GPS受信機などの他のセンサを含んでいてもよい。
【0076】
第1ロック検出センサ66は、第1ロック装置60の状態に関する情報を出力するように構成される。第1ロック検出センサ66は、第1ロック装置60の状態を検出するように構成される。第1ロック検出センサ66は、例えば、第1ロック装置60の第1ロック部材の位置に応じた信号を出力するように構成される。第1ロック検出センサ66は、例えば、第1ロック装置60の状態がロック状態の場合、第1ロック情報を出力する。第1ロック検出センサ66は、第1ロック装置60が解除状態の場合、例えば、第1解除情報を出力する。第1ロック装置60の状態に関する情報は、第1制御部70に入力される。第1制御部70は、第1ロック情報が入力される場合、第1ロック装置60がロック状態であると判定する。第1制御部70は、第1解除情報が入力される場合、第1ロック装置60が解除状態であると判定する。第1ロック検出センサ66は、例えば、第1ロック部材の位置に応じて、出力信号が変化するセンサを含む。第1ロック検出センサ66は、例えば、磁気センサ、光学センサ、または、ポテンショメータなどを含む。
【0077】
第2ロック検出センサ68は、第2ロック装置62の状態に関する情報を出力するように構成される。第2ロック検出センサ68は、第2ロック装置62の状態を検出するように構成される。第2ロック検出センサ68は、例えば、第2ロック装置62の第2ロック部材の位置に応じた信号を出力するように構成される。第2ロック検出センサ68は、例えば、第2ロック装置62の状態がロック状態の場合、第2ロック情報を出力する。第2ロック検出センサ68は、第2ロック装置62が解除状態の場合、例えば、第2解除情報を出力する。第2ロック装置62の状態に関する情報は、第1制御部70に入力される。第1制御部70は、第2ロック情報が入力される場合、第2ロック装置62がロック状態であると判定する。第1制御部70は、第2解除情報が入力される場合、第2ロック装置62が解除状態であると判定する。第2ロック検出センサ68は、例えば、第2ロック部材の位置に応じて、出力信号が変化するセンサを含む。第2ロック検出センサ68は、例えば、磁気センサ、光学センサ、または、ポテンショメータなどを含む。
【0078】
第1制御装置26は、第1制御部70と、第1制御部70に電気的に接続される第1記憶部72と、を備える。第1制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、または、MPU(Micro Processing Unit)などの演算処理装置を含む。第1制御部70は、複数の演算処理装置を含んでいてもよい。第1記憶部72は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリなどの記憶装置を含む。第1記憶部72は、予め設定される速度に関する情報を記憶する。第1記憶部72は、走行状態に関する情報と、第1ロック装置60の状態に関する情報とを対応させて記憶する。第1記憶部72は、走行状態に関する情報と、第2ロック装置62の状態に関する情報とを対応させて記憶する。第1制御部70は、例えば、演算処理装置が、揮発性メモリを作業領域として、不揮発性メモリに記憶される各種プログラムを実行することによって、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62を制御するように構成される。
【0079】
第1制御部70は、操作装置50と、第2制御部46と、第1電動アクチュエータ60aと、第2電動アクチュエータ62aと、に電気ケーブル、および、無線通信装置の少なくとも1つを介して接続される。第1制御部70は、車速センサ64aと、第1ロック検出センサ66と、第2ロック検出センサ68と、に電気ケーブル、および、無線通信装置の少なくとも1つを介して接続される。第1制御装置26は、バッテリ24と電気的に接続される。第1制御装置26には、バッテリ24から電力が供給される。
【0080】
好ましくは、第1制御部70は、第1インタフェース70aを含む。第1インタフェース70aは、車速センサ64aによって検出される情報を入力するように構成される。好ましくは、第1制御部70は、第2インタフェース70bを含む。第2インタフェース70bは、第1ロック検出センサ66によって検出される情報を入力するように構成される。第2インタフェース70bは、第2ロック検出センサ68によって検出される情報を入力するように構成される。好ましくは、第1制御部70は、第3インタフェース70cを含む。第3インタフェース70cは、操作装置50から操作信号を入力するように構成される。
【0081】
第1インタフェース70a、および、第2インタフェース70bは、例えば、ケーブル接続ポートおよび無線通信装置の少なくとも1つを含む。無線通信装置は、例えば、近距離無線通信ユニットを含む。近距離無線通信ユニットは、例えば、Bluetooth(登録商標)およびANT+などの無線通信規格に基づいて無線通信するように構成される。第1インタフェース70aには、第1ロック検出センサ66に接続される電気ケーブルが固定されていてもよい。第2インタフェース70bには、第1ロック検出センサ66に接続される電気ケーブルが固定されていてもよい。第2インタフェース70bには、第2ロック検出センサ68に接続される電気ケーブルが固定されていてもよい。第3インタフェース70cは、例えば、ケーブル接続ポート、および、無線通信装置の少なくとも1つを含む。第3インタフェース70cには、操作装置50に接続される電気ケーブルが固定されていてもよい。第3インタフェース70cには、第2制御部46に接続される電気ケーブルが固定されていてもよい。第3インタフェース70cは、操作装置50から無線通信される信号、および、操作装置50から電線を介して送信される信号の少なくとも1つを受信するように構成される。
【0082】
第1制御部70は、人力駆動車10の荷台18に関する第1ロック装置60、および、人力駆動車10のバッテリ24に関する第2ロック装置62の少なくとも1つを、人力駆動車10の走行状態に応じて制御するように構成される。好ましくは、第1制御部70は、第1電動アクチュエータ60aを制御することによって、第1ロック状態と第1解除状態とを切り替えるように構成される。例えば、第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第1状態の場合、第1ロック装置60を第1解除状態にするように、第1電動アクチュエータ60aを制御する。第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第2状態の場合、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように、第1電動アクチュエータ60aを制御する。
【0083】
好ましくは、第1制御部70は、第2電動アクチュエータ62aを制御することによって、第2ロック状態と第2解除状態とを切り替えるように構成される。第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第1状態の場合、第2ロック装置62を第2解除状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第2状態の場合、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように、第2電動アクチュエータ62aを制御する。
【0084】
第1制御部70に電力が供給されると、図3に示す制御フローを開始する。第1制御部70は、電力の供給が停止するまでは、図3に示す制御フローを繰り返し実行する。第1制御部70は、ステップS1において、人力駆動車10の走行状態を検出する。第1制御部70は、人力駆動車10の走行車速に応じて人力駆動車10の走行状態を検出する。
【0085】
第1制御部70は、ステップS2において、人力駆動車10の走行状態が第1状態であるか否かを判定する。第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第1状態であると判定する場合、ステップS3において、第1ロック装置60を第1解除状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、第2ロック装置62を第2解除状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。第1制御部70は、ステップS3の処理を終了すると、制御フローを終了する。
【0086】
第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第2状態である場合、ステップS4において、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。第1制御部70は、ステップS4の処理を終了すると、制御フローを終了する。
【0087】
本実施形態では、第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態に応じて第1ロック装置60、および、第2ロック装置62の両方を制御する。表1は、第1記憶部72に記憶される、人力駆動車10の走行状態と、第1ロック装置60の状態と、第2ロック装置62の状態との対応関係を表す情報の一例を示す。
【0088】
【表1】
【0089】
第1制御部70は、第1ロック装置60のみを、人力駆動車10の走行状態に応じて制御するように構成してもよい。表2は、第1記憶部72に記憶される、人力駆動車10の走行状態と、第1ロック装置60の状態と、第2ロック装置62の状態との対応関係の情報の他の例を示す。第1制御部70が、第1ロック装置60のみを、人力駆動車10の走行状態に応じて制御する場合、使用者が操作装置50を操作することによって第2ロック装置62の状態が変更されてもよい。第1制御部70が、第1ロック装置60のみを、人力駆動車10の走行状態に応じて制御する場合、使用者が第2ロック装置62を直接操作することによって第2ロック装置62の状態が変更されてもよい。
【0090】
【表2】
【0091】
第1制御部70は、第2ロック装置62のみを、人力駆動車10の走行状態に応じて制御するように構成してもよい。表3は、第1記憶部72に記憶される、人力駆動車10の走行状態と、第1ロック装置60の状態と、第2ロック装置62の状態との対応関係の情報の他の例を示す。第1制御部70が、第2ロック装置62のみを、人力駆動車10の走行状態に応じて制御する場合、使用者が操作装置50を操作することによって第1ロック装置60の状態が変更されてもよい。第1制御部70が、第2ロック装置62のみを、人力駆動車10の走行状態に応じて制御する場合、使用者が第1ロック装置60を直接操作することによって第1ロック装置60状態が変更されてもよい。
【0092】
【表3】
【0093】
(第2実施形態)
第2実施形態の第1制御装置26は、第1実施形態の第1制御装置26とは、第2インタフェース70bの構成、および、第1制御部70における処理が異なる。第2実施形態の第1制御装置26について、第1実施形態の第1制御装置26とは異なる部分についてのみ説明され、重複する説明は省略される。第2実施形態において人力駆動車10は、第1実施形態の人力駆動車10の構成に加えて、第3ロック装置80をさらに含む。好ましくは、人力駆動車10は、第2センサ82をさらに含む。第1制御装置26は、図4に示すように、第3ロック装置80、および、第2センサ82に接続される。
【0094】
第3ロック装置80は、車輪ロック装置、クランクロック装置、ハンドルロック装置の少なくとも1つを含む。車輪ロック装置は、人力駆動車10の車輪16の回転を抑制するように構成される。クランクロック装置は、人力駆動車10のクランク32の回転を抑制するように構成される。ハンドルロック装置は、人力駆動車10のハンドル14の回転を抑制するように構成される。例えば、第3ロック装置80は、車輪ロック装置である。第3ロック装置80は、例えば、後輪16bの回転を抑制するように構成される。第3ロック装置80は、フレーム12に取り付けられる。第3ロック装置80は、第3電動アクチュエータ80aを含む。第3ロック装置80の状態は、人力駆動車10の移動を抑制する第3ロック状態と、人力駆動車10の移動を抑制しない第3解除状態とを含む。
【0095】
第3ロック装置80は、例えば、第3電動アクチュエータ80aによって移動される第3ロック部材を含む。第3ロック部材が、例えば、第3電動アクチュエータ80aによって移動することによって、第3ロック装置80は、第3ロック状態、または、第3解除状態に切り替えられる。第3ロック装置80が車輪ロック装置である場合、第3ロック状態において、第3ロック部材は、車輪16のスポークの移動経路に配置される。第3ロック装置80が車輪ロック装置である場合、第3解除状態において、第3ロック部材は、車輪16のスポークの移動経路から退避する。
【0096】
第3ロック装置80がクランクロック装置である場合、第3ロック状態において、第3ロック部材は、クランクアームの移動経路に配置されるか、または、クランク32に設けられる第3被係合部に係合する。第3ロック装置80がハンドルロック装置である場合、第3ロック状態において、第3ロック部材は、例えば、ハンドル14に連動する部材に設けられる第3被係合部に係合する。第3電動アクチュエータ80aは、使用者による操作装置50の操作に応じて、第1制御部70によって制御されるように構成される。第3ロック装置80は、使用者によって直接操作されてもよい。
【0097】
第2センサ82は、第3ロック検出センサ82aを含む。第3ロック検出センサ82aは、第3ロック装置80の状態に関する情報を出力するように構成される。第3ロック検出センサ82aは、第3ロック装置80の状態を検出するように構成される。例えば、第3ロック装置80の第3ロック部材の位置に応じた信号を出力するように構成される。第3ロック検出センサ82aは、例えば、第3ロック装置80の状態がロック状態の場合、第3ロック情報を出力する。第3ロック検出センサ82aは、第3ロック装置80が解除状態の場合、例えば、第3解除情報を出力する。
【0098】
第3ロック装置80の状態に関する情報は、第1制御部70に入力される。第1制御部70は、第3ロック情報が入力される場合、第3ロック装置80がロック状態であると判定する。第1制御部70は、第3解除情報が入力される場合、第3ロック装置80が解除状態であると判定する。第3ロック検出センサ82aは、例えば、第3ロック部材の位置に応じて、出力信号が変化するセンサを含む。第3ロック検出センサ82aは、例えば、磁気センサ、光学センサ、または、ポテンショメータなどを含む。第3ロック検出センサ82aは、電気ケーブル、または、無線通信装置を介して、第1制御部70に接続される。第2インタフェース70bは、第3ロック検出センサ82aによって検出される情報が入力されるように構成される。
【0099】
本実施形態の第1制御部70は、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62の少なくとも1つを、人力駆動車10の走行状態と、人力駆動車10の移動を抑制するように構成される第3ロック装置80の状態と、に応じて制御するように構成される。例えば、第1制御部70は、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62を、人力駆動車10の走行状態と、第3ロック装置80の状態と、に応じて制御するように構成される。
【0100】
第1制御部70に電力が供給されると、第1制御部70は、図5に示す制御フローを開始する。第1制御部70は、電力の供給が停止するまでは、図5に示す制御フローを繰り返し実行する。第1制御部70は、ステップS11において、第3ロック装置80の状態を検出する。
【0101】
第1制御部70は、ステップS12において、第3ロック装置80が第3ロック状態であるか否かを判定する。第1制御部70は、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、ステップS13において、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、ステップS13において、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。ステップS13の処理が終了すると、第1制御部70は、制御フローを終了する。
【0102】
第1制御部70は、ステップS12において、第3ロック装置80が第3ロック状態ではない場合、ステップS14において、人力駆動車10の走行状態を検出する。第1制御部70は、ステップS11と、ステップS12との間に、ステップS14を実行してもよく、ステップS11の前にステップS14を実行してもよい。第1制御部70は、ステップS15において、人力駆動車10の走行状態が第1状態であるか否かを判定する。
【0103】
第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第1状態である場合、ステップS16において、第1ロック装置60を第1解除状態にするように第1電動アクチュエータ60を制御し、かつ第2ロック装置62を第2解除状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。
【0104】
第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第2状態である場合、ステップS17において、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御し、かつ、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。
【0105】
本実施形態では、第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第1状態である場合、第3ロック装置80の状態に応じて、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62の両方を制御する。表4は、第1記憶部72に記憶される、人力駆動車10の走行状態と、第3ロック装置80の状態と、第1ロック装置60の状態と、第2ロック装置62の状態と、との対応関係の情報の一例を示す。
【表4】
【0106】
本実施形態の第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第1状態であり、かつ、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第1状態であり、かつ、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。
【0107】
本実施形態の第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第1状態であり、かつ、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、第1ロック装置60を第1解除状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第1状態であり、かつ、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、第2ロック装置62を第2解除状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。
【0108】
本実施形態の第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第2状態である場合、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。第1制御部70は、人力駆動車10の走行状態が第2状態である場合、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。
【0109】
第1制御部70は、第1ロック装置60のみを、人力駆動車10の走行状態と、第3ロック装置80の状態と、に応じて制御するように構成してもよい。第1制御部70が、第1ロック装置60のみを、人力駆動車10の走行状態と、第3ロック装置80の状態と、に応じて制御する場合、使用者が操作装置50を操作することによって第2ロック装置62の状態が変更されてもよい。第1制御部70が、第1ロック装置60のみを、人力駆動車10の走行状態と、第3ロック装置80の状態と、に応じて制御する場合、使用者が第2ロック装置62を直接操作することによって第2ロック装置62の状態が変更されてもよい。
【0110】
第1制御部70は、第2ロック装置62のみを、人力駆動車10の走行状態と、第3ロック装置80の状態と、に応じて制御するように構成してもよい。第1制御部70が、第2ロック装置62のみを、人力駆動車10の走行状態と、第3ロック装置80の状態と、に応じて制御する場合、使用者が操作装置50を操作することによって第1ロック装置60の状態が変更されてもよい。第1制御部70が、第2ロック装置62のみを、人力駆動車10の走行状態と、第3ロック装置80の状態と、に応じて制御する場合、使用者が第1ロック装置60を直接操作することによって第1ロック装置60の状態が変更されてもよい。
【0111】
(第3実施形態)
第3実施形態における人力駆動車10は、第2実施形態における人力駆動車10の構成に加えて、パーキングブレーキ装置86をさらに備える。パーキングブレーキ装置86は、例えば、一対のブレーキレバー28のうちの1つに設けられる。パーキングブレーキ装置86は、使用者によって操作される。パーキングブレーキ装置86は、例えば、使用者の手によって操作されるパーキングブレーキ装置操作部86Aを含む。パーキングブレーキ装置86は、人力駆動車10に制動力が生じる状態に保持する第4ロック状態と、使用者が、第2ブレーキレバー28bを自由に操作できる第4解除状態とに切り替えられる。使用者が第2ブレーキレバー28bを操作し、ブレーキ装置29によって制動力が発生する状態において、パーキングブレーキ装置操作部86Aが操作されると、パーキングブレーキ装置86は、第4ロック状態になり、第2ブレーキレバー28bの位置が固定される。パーキングブレーキ装置86およびパーキングブレーキ装置操作部86Aについては、一般的な構造を用いることができるので、詳細な説明を省略する。パーキングブレーキ装置86は、第1ブレーキレバー28aに設けられてもよく、第1ブレーキレバー28a、および、第2ブレーキレバー28bの両方に設けられてもよい。
【0112】
第3実施形態の第1制御装置26は、第2実施形態の第1制御装置26とは、第2インタフェース70bの構成および第1制御部70における処理が異なる。以下において、第3実施形態の第1制御装置26について、第2実施形態の第1制御装置26とは異なる部分についてのみ説明され、重複する説明は省略される。本実施形態における人力駆動車10は、第2実施形態における人力駆動車10の構成に加えて、第4ロック検出センサ88をさらに含む。第1制御装置26は、図7に示すように、第4ロック検出センサ88に接続される。
【0113】
第4ロック検出センサ88は、パーキングブレーキ装置86の状態に関する情報を出力するように構成される。第4ロック検出センサ88は、パーキングブレーキ装置操作部86Aの位置を検出するように構成される。第4ロック検出センサ88は、例えば、パーキングブレーキ装置86の状態がロック状態の場合、第4ロック情報を出力する。第4ロック検出センサ88は、パーキングブレーキ装置86が解除状態の場合、例えば、第4解除情報を出力する。
【0114】
パーキングブレーキ装置86の状態に関する情報は、第1制御部70に入力される。第1制御部70は、第4ロック情報が入力される場合、パーキングブレーキ装置86がロック状態であると判定する。第1制御部70は、第4解除情報が入力される場合、パーキングブレーキ装置86が解除状態であると判定する。第4ロック検出センサ88は、例えば、パーキングブレーキ装置操作部86Aの位置に応じて、出力信号が変化するセンサを含む。第4ロック検出センサ88は、例えば、磁気センサ、光学センサ、または、ポテンショメータなどを含む。第4ロック検出センサ88は、電気ケーブル、または、無線通信装置を介して、第1制御部70に接続される。第2インタフェース70bは、第4ロック検出センサ88によって検出される情報が入力されるように構成される。
【0115】
本実施形態の第1制御部70は、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80の少なくとも1つを、人力駆動車10のコンポーネントのうち、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80を除くコンポーネントの状態に応じて制御するように構成される。第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80を除くコンポーネントは、パーキングブレーキ装置86を含む。
【0116】
第1制御部70に電力が供給されると、第1制御部70は、図8に示す制御フローを開始する。第1制御部70は、電力の供給が停止するまでは、図8に示す制御フローを繰り返し実行する。第1制御部70は、ステップS21において、パーキングブレーキ装置86の状態を検出する。第1制御部70は、ステップS22において、パーキングブレーキ装置86の状態が第4ロック状態であるか否かを判定する。
【0117】
第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態が第4ロック状態である場合、ステップS23において、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態が第4ロック状態である場合、ステップS23において、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。さらに、第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態が第4ロック状態である場合、第3ロック装置80を第3ロック状態にするように第3電動アクチュエータ80aを制御する。ステップS23の処理が終了すると、第1制御部70は、制御フローを終了する。
【0118】
第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態が第4解除状態である場合、ステップS24において、第1ロック装置60を第1解除状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態が第4解除状態である場合、ステップS24において、第2ロック装置62を第2解除状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。さらに、第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態が第4解除状態である場合、ステップS24において、第3ロック装置80を第3解除状態にするように第3電動アクチュエータ80aを制御する。ステップS24の処理が終了すると、第1制御部70は、制御フローを終了する。
【0119】
本実施形態において、第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態に応じて、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80を制御する。表5は、第1記憶部72に記憶される、第1ロック装置60の状態と、第2ロック装置62の状態と、第3ロック装置80の状態と、パーキングブレーキ装置86の状態との対応関係の情報の一例を示す。
【表5】
【0120】
第1制御部70は、第1ロック装置60のみを、パーキングブレーキ装置86の状態に応じて制御するように構成してもよい。第1制御部70は、第2ロック装置62のみを、パーキングブレーキ装置86の状態に応じて制御するように構成してもよい。第1制御部70は、第3ロック装置80のみを、パーキングブレーキ装置86の状態に応じて制御するように構成してもよい。第1制御部70は、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80のうち、いずれか2つのロック装置をパーキングブレーキ装置86の状態に応じて制御するように構成してもよい。
【0121】
(第4実施形態)
第4実施形態の第1制御装置26は、第3実施形態の第1制御装置26とは、第1制御部70における処理が異なる。以下において、第4実施形態の第1制御装置26について、第実施形態の第1制御装置26とは異なる部分についてのみ説明され、重複する説明は省略される。本実施形態の第1制御部70は、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62の少なくとも1つを、パーキングブレーキ装置86の状態、および、第3ロック装置80の状態に応じて制御するように構成される。例えば、第1制御部70は、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62を、パーキングブレーキ装置86の状態、および、第3ロック装置80の状態に応じて制御するように構成される。
【0122】
第1制御部70に電力が供給されると、第1制御部70は、図9に示す制御フローを開始する。第1制御部70は、電力の供給が停止するまでは、図9に示す制御フローを繰り返し実行する。第1制御部70は、ステップS31において、パーキングブレーキ装置86の状態を検出する。第1制御部70は、ステップS32において、第3ロック装置80の状態を検出する。
【0123】
第1制御部70は、ステップS33において、パーキングブレーキ装置86の状態が第4解除状態であるか否かを判定する。第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態が第4解除状態である場合、ステップS34において、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態が第4解除状態である場合、ステップS34において、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。
【0124】
第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86の状態が第4ロック状態である場合、ステップS35において、第3ロック装置80が第3ロック状態であるか否かを判定する。第1制御部70は、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、ステップS36において、第1ロック装置60を第1ロック状態にする第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、ステップS36において、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。パーキングブレーキ装置86の状態が第4ロック状態であり、かつ、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、第1ロック装置60は、第1ロック状態になる。パーキングブレーキ装置86の状態が第4ロック状態であり、かつ、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、第2ロック装置62は、第2ロック状態になる。
【0125】
第1制御部70は、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、ステップS37において、第1ロック装置60を第1解除状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、ステップS37において、第2ロック装置62を第2解除状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。パーキングブレーキ装置86の状態が第4ロック状態であり、かつ、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、第1ロック装置60は第1解除状態になる。パーキングブレーキ装置86の状態が第4ロック状態であり、かつ、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、第2ロック装置62は、第2解除状態になる。
【0126】
第1制御部70は、ステップS31において第3ロック装置80の状態を検出した後に、ステップS32においてパーキングブレーキ装置86の状態を検出してもよい。第1制御部70は、ステップS31の後、ステップS32を実行しないで、ステップS33に移行し、ステップS33と、ステップS35との間において、ステップS32を実行してもよい。
【0127】
本実施形態では、第1制御部70は、パーキングブレーキ装置86が第4ロック状態である場合、第3ロック装置80の状態に応じて、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62を制御する。表6は、第1記憶部72に記憶される、パーキングブレーキ装置86の状態と、第3ロック装置80の状態と、第1ロック装置60の状態と、第2ロック装置62の状態との対応関係の情報の一例を示す。
【表6】
【0128】
第1制御部70は、第1ロック装置60のみを、パーキングブレーキ装置86の状態、および、第3ロック装置80の状態に応じて制御するように構成してもよい。第1制御部70は、第2ロック装置62のみを、パーキングブレーキ装置86の状態、および、第3ロック装置80の状態に応じて制御するように構成してもよい。
【0129】
(第4実施形態の変形例)
第4実施形態の変形例の第1制御装置26は、第4実施形態の第1制御装置26とは、第1制御部70における処理が異なる。第4実施形態の変形例における人力駆動車10は、第2実施形態における人力駆動車10の構成と同様である。第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80を除くコンポーネントは、電動ドライブユニット22を含んでもよい。本実施形態の変形例の第1制御部70は、電動ドライブユニット22の状態と、第3ロック装置80の状態とに応じて、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62を制御するように構成される。
【0130】
第1制御部70に電力が供給されると、第1制御部70は、図10に示す制御フローを開始する。第1制御部70は、電力の供給が停止するまでは、図10に示す制御フローを繰り返し実行する。第1制御部70は、ステップS41において、電動ドライブユニット22の状態を検出する。電動ドライブユニット22の状態は、電動ドライブユニット22の電源が「ON」の状態、および、「OFF」の状態を含む。電動ドライブユニット22の電源が「ON」の状態は、バッテリ24の電力によって第2制御装置44が起動している状態である。電動ドライブユニット22の電源が「OFF」の状態は、第2制御装置44が停止している状態である。電動ドライブユニット22の状態は、操作装置50によって切り替えられる。第1制御部70は、ステップS42において、第3ロック装置80の状態を検出する。第1制御部70は、ステップS41において第3ロック装置80の状態を検出した後に、ステップS42において電動ドライブユニット22の状態を検出してもよい。第1制御部70は、ステップS41の後、ステップS42を実行しないで、ステップS43に移行し、ステップS43と、ステップS45との間において、ステップS42を実行してもよい。
【0131】
第1制御部70は、ステップS43において、電動ドライブユニット22の電源が「ON」であるか否かを判定する。第1制御部70は、第2制御部46と通信できる場合、電動ドライブユニット22の電源が「ON」であると判定する。第1制御部70は、第2制御部46と通信できない場合、電動ドライブユニット22の電源が「OFF」であると判定する。第1制御部70は、電動ドライブユニット22の電源が「ON」である場合、ステップS44において、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。第1制御部70は、電動ドライブユニット22の電源が「ON」である場合、ステップS44において、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。
【0132】
第1制御部70は、電動ドライブユニット22の電源が「OFF」である場合、ステップS45において、第3ロック装置80が第3ロック状態であるか否かを判定する。第1制御部70は、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、ステップS46において、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、ステップS46において、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。電動ドライブユニット22の電源が「OFF」であり、かつ、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、第1ロック装置60は、第1ロック状態になり、かつ、第2ロック装置62は、第2ロック状態になる。
【0133】
第1制御部70は、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、ステップS47において、第1ロック装置60を第1解除状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。さらに、第1制御部70は、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、ステップS47において、第2ロック装置62を第2解除状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。電動ドライブユニット22の電源が「OFF」であり、かつ、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、第1ロック装置60は、第1解除状態になり、かつ、第2ロック装置62は、第2解除状態になる。
【0134】
表7は、第1記憶部72に記憶される、電動ドライブユニット22の状態と、第3ロック装置80の状態と、第1ロック装置60の状態と、第2ロック装置62の状態との対応関係の情報の一例を示す。
【表7】
【0135】
第1制御部70は、第1ロック装置60のみを、電動ドライブユニット22の状態、および、第3ロック装置80の状態に応じて制御するように構成してもよい。第1制御部70は、第2ロック装置62のみを、電動ドライブユニット22の状態、および、第3ロック装置80の状態に応じて制御するように構成してもよい。
【0136】
第1制御部70は、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80の少なくとも1つを電動ドライブユニット22の状態に応じて、制御するように構成されてもよい。表8は、第1記憶部72に記憶される、電動ドライブユニット22の状態と、第3ロック装置80の状態と、第1ロック装置60の状態と、第2ロック装置62の状態との対応関係の情報の一例を示す。
【表8】
【0137】
(第5実施形態)
第5実施形態の第1制御装置26は、第2実施形態の第1制御装置26とは、第1制御部70における処理が異なる。第5実施形態において、人力駆動車10は、電動ドライブユニット22を含まなくてもよい。第1制御部70は、人力駆動車10に設けられる複数のロック装置のうちの1つのロック装置の状態に応じて、複数のロック装置のうちの1つのロック装置を除く他の2つ以上のロック装置を制御するように構成される。複数のロック装置は、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80を含む。
【0138】
例えば、第1制御部70は、第3ロック装置80の状態に応じて、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62を制御する。第1制御部70は、第3ロック装置80の状態に応じて、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62を制御する場合、使用者が操作装置50を操作することによって第3ロック装置80の状態が変更されてもよい。第1制御部70は、第3ロック装置80の状態に応じて、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62を制御する場合、使用者が第3ロック装置80を直接操作することによって第3ロック装置80の状態が変更されてもよい。第1制御部70は、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御し、かつ、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。第1制御部70は、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、第1ロック装置60を第1解除状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御し、第2ロック装置62を第2解除状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御する。表9は、第1記憶部72に記憶される、第1ロック装置60の状態と、第2ロック装置62の状態と、第3ロック装置80の状態との対応関係の情報の一例を示す。
【表9】
【0139】
例えば、第1制御部70は、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62のうちの一方の状態に応じて、第1ロック装置60、および、第2ロック装置62のうちの他方と、第3ロック装置80とを制御するように構成されてもよい。例えば、第1制御部70は、第1ロック装置60の状態に応じて、第2ロック装置62と第3ロック装置80とを制御するように構成される。第1制御部70は、第1ロック装置60が第1ロック状態である場合、第2ロック装置62を第2ロック状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御し、かつ、第3ロック装置80を第3ロック状態にするように第3電動アクチュエータ80aを制御してもよい。第1制御部70は、第1ロック装置60が第1解除状態である場合、第2ロック装置62を第2解除状態にするように第2電動アクチュエータ62aを制御し、第3ロック装置80を第3解除状態にするように第3電動アクチュエータ80aを制御してもよい。
【0140】
例えば、第1制御部70は、第2ロック装置62の状態に応じて、第1ロック装置60と第3ロック装置80とを制御するように構成されてもよい。第1制御部70は、第2ロック装置62が第2ロック状態である場合、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御し、かつ、第3ロック装置80を第3ロック状態にするように第3電動アクチュエータ80aを制御してもよい。第1制御部70は、第2ロック装置62が第2解除状態である場合、第1ロック装置60を第1解除状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御し、第3ロック装置80を第3解除状態にするように第3電動アクチュエータ80aを制御してもよい。
【0141】
(第6実施形態)
第6実施形態の第1制御装置26は、第2実施形態の第1制御装置26とは、第1制御部70における処理が異なる。本実施形態の第1制御部70は、第1ロック装置60を、第3ロック装置80の状態に応じて制御するように構成される。第1制御部70は、第3ロック装置80の状態に応じて第1ロック装置60を制御する。第1制御部70は、第3ロック装置80が第3ロック状態である場合、第1ロック装置60を第1ロック状態にするように第1電動アクチュエータ60aを制御する。第1制御部70は、第3ロック装置80が第3解除状態である場合、第1ロック装置60を第1解除状態にするように、第2電動アクチュエータ62aを制御する。表10は、第1記憶部72に記憶される、第3ロック装置80の状態と、第1ロック装置60の状態との対応関係の情報の一例を示す。
【表10】
【0142】
(変形例)
各実施形態およびその変形例において、操作装置50は、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80の少なくとも2つを操作するように構成されてもよい。第1制御部70は、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80の少なくとも2つを、操作装置50の操作に応じて制御するように構成されてもよい。例えば、第1制御部70は、第1ロック装置60の状態を切り替えるように操作装置50が使用者によって操作されると、使用者の操作に応じて第1ロック装置60を制御してもよい。例えば、第1制御部70は、第1ロック装置60の操作に応じて、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80を制御してもよい。
【0143】
第1記憶部72に記憶される情報は、例えば、操作装置50または第1制御装置26に通信可能に接続される外部装置によって、変更されてもよい。例えば、操作装置50または第1制御装置26に通信可能に接続される外部装置によって、表1から表10に例示される対応関係の情報の一部を、書き換えてもよい。第1制御部70は、操作装置50または第1制御装置26に通信可能に接続される外部装置からの指令に応じて、対応関係の情報を書き換えるように構成されていてもよい。使用者によって、対応関係の情報が変更できる場合、使用者の使用形態に応じて、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80の少なくとも1つを適切に制御できる。各実施形態およびその変形例において、第1ロック装置60、第2ロック装置62、および、第3ロック装置80のうち、第1制御部70に制御されないずれか1つまたは2つは、省略されてもよい。
【0144】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0145】
10…人力駆動車、14…ハンドル、18…荷台、18a…カバー部材、22…電動ドライブユニット、24…バッテリ、26…第1制御装置、28…ブレーキレバー、42…モータ、50…操作装置、60…第1ロック装置、60a…第1電動アクチュエータ、62…第2ロック装置、62a…第2電動アクチュエータ、64…第1センサ、64a…車速センサ、66…第1ロック検出センサ、68…第2ロック検出センサ、70…第1制御部70a…第1インタフェース、70b…第2インタフェース、70c…第3インタフェース、80…第3ロック装置、80a…第3電動アクチュエータ、82…第2センサ、82a…第3ロック検出センサ、86…パーキングブレーキ装置、88…第4ロック検出センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10