(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】基板処理方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
B05D 3/00 20060101AFI20240711BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20240711BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240711BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B05D3/00 D
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D1/26 Z
(21)【出願番号】P 2020171239
(22)【出願日】2020-10-09
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】佐川 栄寿
(72)【発明者】
【氏名】山本 聡
(72)【発明者】
【氏名】和食 雄大
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-115844(JP,A)
【文献】特開2011-218596(JP,A)
【文献】特開平10-244205(JP,A)
【文献】特開平07-251115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
B05C 1/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理方法であって、
第1ポンプ室に対して第1ピストンを移動させることにより前記第1ポンプ室の容積を減少させ、前記第1ポンプ室に連通される第1弁を開き、前記第1ポンプ室から前記第1弁を介してノズルに処理液を送り、前記ノズルから基板に処理液を吐出する供給工程と、
前記第1ピストンの位置を検出する検出工程と、
前記検出工程によって得られた検出結果に基づいて判定期間における前記第1ピストンの位置の変化を取得し、前記判定期間における前記第1ピストンの位置の変化に基づいて前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定するリーク判定工程と、
前記第1弁を閉じ、前記第1ポンプ室の圧力を目標値に保つように前記第1ピストンの位置を調整する定圧工程と、
を備え、
前記判定期間の全部は、前記定圧工程が実行される期間に含まれる
基板処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理方法において、
前記第1弁は、
前記第1ポンプ室に連通される入口ポートと、
前記ノズルに連通される出口ポートと、
を備え、
前記定圧工程は、前記第1ポンプ室の圧力を、前記第1弁の前記入口ポートに付与する
基板処理方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理方法において、
前記目標値は、大気圧よりも高い
基板処理方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記第1ポンプ室と前記第1弁との間の高低差、および、前記第1ポンプ室と前記ノズルとの間の高低差の少なくともいずれかが大きくなるにしたがって前記目標値が高くなるように、前記目標値は設定される
基板処理方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記供給工程は、前記ノズルを処理位置に配置させ、
前記定圧工程は、前記ノズルを待機位置に配置させる
基板処理方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記リーク判定工程は、前記第1ポンプ室の容積を減少させる前記第1ピストンの位置の変化と、前記第1ポンプ室の容積を増大させる前記第1ピストンの位置の変化とを区別する
基板処理方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記リーク判定工程は、前記判定期間における前記第1ピストンの移動距離に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定する
基板処理方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記リーク判定工程は、前記判定期間における前記第1ピストンの平均速度に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定する
基板処理方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記判定期間は、第1判定期間を含み、
前記定圧工程が始まった後、前記第1ポンプ室の圧力が初めて前記目標値の許容範囲内になる第1時刻から、前記第1判定期間は始まる
基板処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理方法において、
前記第1判定期間の時間長は、4秒以上、かつ、8秒以下である
基板処理方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の基板処理方法において、
前記リーク判定工程は、
前記第1判定期間を、複数の分割期間に区分し、
各分割期間における前記第1ピストンの移動距離を算出し、
前記第1ピストンの移動距離が第1閾値以上である前記分割期間を、変化期間として特定し、
前記変化期間の数に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定する
基板処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の基板処理方法において、
前記分割期間の数は、8つ以下である
基板処理方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の基板処理方法において、
前記リーク判定工程は、前記分割期間の数に対する前記変化期間の数の比に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定する
基板処理方法。
【請求項14】
請求項11から13のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記リーク判定工程は、
前記第1ピストンの移動距離が前記第1閾値よりも大きな第2閾値以上である前記変化期間を、異常期間として特定し、
前記異常期間を除く前記変化期間の数に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定する
基板処理方法。
【請求項15】
請求項11から14のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記リーク判定工程は、
前記変化期間を、前記第1ピストンが前記第1ポンプ室の容積を減少させる正変化期間、および、前記第1ピストンが前記第1ポンプ室の容積を増大させる負変化期間のいずれかに分類し、
前記正変化期間の数、および、前記負変化期間の数に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定する
基板処理方法。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記第1弁を閉じ、前記第1ポンプ室に連通される第2弁を開き、前記第1ポンプ室に対して前記第1ピストンを移動させることにより前記第1ポンプ室の容積を増大させ、前記第2弁を介して前記第1ポンプ室に処理液を充填する第1充填工程と、
を備え、
前記供給工程は、前記第2弁を閉じ、
前記定圧工程は、前記第2弁を閉じ、
前記供給工程は、前記第1ピストンを、所定の第1距離だけ移動させ、
前記第1充填工程は、前記第1ピストンを、所定の第1原点位置まで移動させ、
前記判定期間は、第2判定期間を含み、
前記第2判定期間は、前記定圧工程が実行される期間の全部であり、
前記リーク判定工程は、
前記定圧工程が終了する時の前記第1ピストンの位置、
前記供給工程が始まる時の前記第1ピストンの位置、
前記供給工程が終了する時の前記第1ピストンの位置、
前記第1充填工程が始まる時の前記第1ピストンの位置、および、
前記第1充填工程における前記第1ピストンの移動距離
の少なくともいずれかに基づいて、前記第2判定期間における前記第1ピストンの移動距離を推定する
基板処理方法。
【請求項17】
請求項1から15のいずれかに記載の基板処理方法において、
第2ポンプ室に対して
第2ピストンを移動させることにより前記第2ポンプ室の容積を増大させ、前記第1ポンプ室および前記第2ポンプ室に連通される第2弁を閉じ、前記第1ポンプ室に連通されずに前記第2ポンプ室に連通される第3弁を開き、前記第3弁を介して前記第2ポンプ室に処理液を充填する第2充填工程と、
を備え、
前記第1充填工程は、前記第1弁を閉じ、前記第2弁を開き、前記第3弁を閉じ、前記第2ポンプ室に対して前記第2ピストンを移動させることにより前記第2ポンプ室の容積を減少させ、前記第1ポンプ室に対して前記第1ピストンを移動させることにより前記第1ポンプ室の容積を増大させ、前記第2ポンプ室から前記第2弁を介して前記第1ポンプ室に処理液を送り、
前記供給工程は、第2弁を閉じ、
前記定圧工程は、第2弁を閉じる
基板処理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の基板処理方法において、
前記供給工程は、前記第1ピストンを、所定の第1距離だけ移動させ、
前記第1充填工程は、前記第1ピストンを、所定の第1原点位置まで移動させ、
前記第1充填工程は、前記第1ピストンが前記第1原点位置に到達するまで、前記第2ピストンを移動させ、
前記第2充填工程は、前記第2ピストンを、所定の第2原点位置まで移動させ、
前記検出工程は、前記第2ピストンの位置を検出し、
前記判定期間は、第2判定期間を含み、
前記第2判定期間は、前記定圧工程が実行される期間の全部であり、
前記リーク判定工程は、
前記定圧工程が終了する時の前記第1ピストンの位置、
前記供給工程が始まる時の前記第1ピストンの位置、
前記供給工程が終了する時の前記第1ピストンの位置、
前記第1充填工程が始まる時の前記第1ピストンの位置、
前記第1充填工程における前記第1ピストンの移動距離、
前記第1充填工程における前記第2ピストンの移動距離、
前記第1充填工程が終了する時の前記第2ピストンの位置、
前記第2充填工程が始まる時の前記第2ピストンの位置、および、
前記第2充填工程における前記第2ピストンの移動距離、
の少なくともいずれかに基づいて、前記第2判定期間における前記第1ピストンの移動距離を推定する
基板処理方法。
【請求項19】
請求項18に記載の基板処理方法において、
前記第1弁を閉じ、前記第2弁を閉じ、前記第3弁を開き、前記第1ポンプ室と前記第2ポンプ室とに連通される第4弁を開き、前記第1ポンプ室に対して前記第1ピストンを移動させることにより前記第1ポンプ室の容積を減少させ、前記第2ポンプ室に対して前記第2ピストンを静止させ、前記第1ポンプ室から前記第2ポンプ室に処理液を戻す戻し工程と、
を備え、
前記供給工程は、前記第4弁を閉じ、
前記定圧工程は、前記第4弁を閉じ、
前記第1充填工程は、前記第4弁を閉じ、
前記第2充填工程は、前記第4弁を閉じ、
前記戻し工程は、前記第1ピストンを、所定の第2距離だけ移動させる
基板処理方法。
【請求項20】
基板処理装置であって、
第1ポンプ室と、
前記第1ポンプ室に対して移動し、前記第1ポンプ室の容積を変える第1ピストンと、
前記第1ピストンの位置を検出する第1位置センサと、
前記第1ポンプ室の圧力を検出する第1圧力センサと、
前記第1ポンプ室に連通される第1弁と、
前記第1弁に連通されるノズルと、
前記第1位置センサの検出結果および前記第1圧力センサの検出結果を取得し、前記第1ピストンを移動させ、前記第1弁を開閉させる制御部と、
を備え、
制御部は、
リーク判定処理と、
定圧制御と
を行い、
前記リーク判定処理では、前記制御部は、前記第1位置センサの検出結果に基づいて、判定期間における前記第1ピストンの位置の変化を取得し、前記判定期間における前記第1ピストンの位置の変化に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定し、
前記定圧制御では、前記制御部は、前記第1弁を閉じ、前記第1ポンプ室の圧力を目標値に保つように前記第1圧力センサの検出結果に基づいて前記第1ピストンの位置を調整し、
前記判定期間の全部は、前記定圧制御が実行される期間に含まれる
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法および基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板処理装置を備える。基板処理装置は、ポンプとノズルと配管を備える。配管は、ポンプとノズルを連通接続する。ポンプは、ノズルに処理液を送る。ノズルは、処理液を基板に吐出する。
【0003】
基板処理装置は、弁と流量計を備える。弁と流量計はそれぞれ、配管上に設けられる。弁は、配管内の流路を開閉する。流量計は、配管を流れる処理液の流量を検出する。
【0004】
基板に処理液を供給する工程では、弁は開き、流量計は基板に供給する処理液の流量を検出する。弁からの処理液のリークを検知する工程では、弁は閉じ、流量計は弁からリークする処理液の流量を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。弁からの処理液のリークが発生している場合であっても、弁からリークされる処理液の量は極めて少ない。したがって、流量計の検出結果に基づいて、弁からの処理液のリークの有無を適切に判定し難い場合がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、弁からの処理液のリークの有無を適切に判定できる基板処理方法および基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明は、基板処理方法であって、第1ポンプ室に対して第1ピストンを移動させることにより前記第1ポンプ室の容積を減少させ、前記第1ポンプ室に連通される第1弁を開き、前記第1ポンプ室から前記第1弁を介してノズルに処理液を送り、前記ノズルから基板に処理液を吐出する供給工程と、前記第1ピストンの位置を検出する検出工程と、前記検出工程によって得られた検出結果に基づいて判定期間における前記第1ピストンの位置の変化を取得し、前記判定期間における前記第1ピストンの位置の変化に基づいて前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定するリーク判定工程と、前記第1弁を閉じ、前記第1ポンプ室の圧力を目標値に保つように前記第1ピストンの位置を調整する定圧工程と、を備え、前記判定期間の全部は、前記定圧工程が実行される期間に含まれる基板処理方法である。
【0009】
基板処理方法は、供給工程を備える。供給工程は、第1弁を開く。供給工程は、第1ポンプ室に対して第1ピストンを移動させることにより第1ポンプ室の容積を減少させる。供給工程は、第1ポンプ室から第1弁を介してノズルに処理液を送る。供給工程は、ノズルから基板に処理液を吐出する。このため、供給工程は、基板を適切に処理できる。
【0010】
基板処理方法は、検出工程とリーク判定工程と定圧工程を備える。検出工程は、第1ピストンの位置を検出する。リーク判定工程は、検出工程によって得られた検出結果に基づいて、判定期間における第1ピストンの位置の変化を取得する。リーク判定工程は、判定期間における第1ピストンの位置の変化に基づいて第1弁からの処理液のリークの有無を判定する。以下では、第1弁からの処理液のリークを、単に「リーク」と呼ぶ。定圧工程は、第1弁を閉じる。定圧工程は、第1ポンプ室の圧力を目標値に保つように第1ピストンの位置を調整する。このため、仮に定圧工程においてリークが発生する場合、定圧工程はリークを継続的に発生させることができる。ここで、判定期間の全部は、定圧工程が実行される期間に含まれる。したがって、リーク判定工程は、リークの有無を好適に判定できる。
【0011】
上述の基板処理方法において、前記第1弁は、前記第1ポンプ室に連通される入口ポートと、前記ノズルに連通される出口ポートと、を備え、前記定圧工程は、前記第1ポンプ室の圧力を、前記第1弁の前記入口ポートに付与することが好ましい。定圧工程は、第1弁の入口ポートが受ける圧力を、目標値に保つ。よって、仮に定圧工程において第1弁が処理液をリークする場合、定圧工程はリークの発生期間を好適に長くすることができる。
【0012】
上述の基板処理方法において、前記目標値は、大気圧よりも高いことが好ましい。定圧工程は、リークを好適に顕在化させることができる。よって、リーク判定工程は、リークの有無を好適に判定できる。
【0013】
上述の基板処理方法において、前記第1ポンプ室と前記第1弁との間の高低差、および、前記第1ポンプ室と前記ノズルとの間の高低差の少なくともいずれかが大きくなるにしたがって前記目標値が高くなるように、前記目標値は設定されることが好ましい。例えば、第1ポンプ室と第1弁との間の高低差に関わらず、定圧工程は、リークを適切に顕在化させることができる。例えば、第1ポンプ室とノズルとの間の高低差に関わらず、定圧工程は、リークを適切に顕在化させることができる。よって、リーク判定工程は、リークの有無を好適に判定できる。
【0014】
上述の基板処理方法において、前記供給工程は、前記ノズルを処理位置に配置させ、前記定圧工程は、前記ノズルを待機位置に配置させることが好ましい。仮に定圧工程においてリークが発生する場合であっても、基板に対する処理の品質を好適に保つことができる。
【0015】
上述の基板処理方法において、前記リーク判定工程は、前記第1ポンプ室の容積を減少させる前記第1ピストンの位置の変化と、前記第1ポンプ室の容積を増大させる前記第1ピストンの位置の変化とを区別することが好ましい。リーク判定工程は、リークの向きを好適に特定できる。具体的には、第1弁が、第1ポンプ室からノズルに処理液をリークするのか、ノズルから第1ポンプ室に処理液をリークするのかを、リーク判定工程は好適に判別できる。
【0016】
上述の基板処理方法において、前記リーク判定工程は、前記判定期間における前記第1ピストンの移動距離に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定することが好ましい。リーク判定工程は、リークの有無を適切に判定できる。
【0017】
上述の基板処理方法において、前記リーク判定工程は、前記判定期間における前記第1ピストンの平均速度に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定することが好ましい。リーク判定工程は、リークの有無を適切に判定できる。
【0018】
上述の基板処理方法において、前記判定期間は、第1判定期間を含み、前記定圧工程が始まった後、前記第1ポンプ室の圧力が初めて前記目標値の許容範囲内になる第1時刻から、前記第1判定期間は始まることが好ましい。第1判定期間は、第1時刻の前の期間を含まない。第1時刻の前の期間では、定圧工程は、第1ポンプ室の圧力を目標値に近づけるために、第1ピストンを移動させる。よって、リーク判定工程は、リークの有無を精度良く判定できる。第1判定期間は、第1時刻から始まる。すなわち、第1判定期間は、第1時刻の直後の期間を含む。リークは、第1時刻の直後の期間に、発生し易い。よって、リーク判定工程は、リークの有無を一層精度良く判定できる。
【0019】
上述の基板処理方法において、前記第1判定期間の時間長は、8秒以下であることが好ましい。第1判定期間は、比較的に短い。よって、リーク判定工程は、リークの有無を速やかに判定できる。
【0020】
上述の基板処理方法において、前記リーク判定工程は、前記第1判定期間を、複数の分割期間に区分し、各分割期間における前記第1ピストンの移動距離を算出し、前記第1ピストンの移動距離が第1閾値以上である前記分割期間を、変化期間として特定し、前記変化期間の数に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定することが好ましい。変化期間の数を用いることにより、リーク判定工程は、第1ピストンの位置の変化が継続的に発生しているか否かを好適に判別できる。上述の通り、定圧工程は、リークの発生期間を長くすることができる。よって、定圧工程とリーク判定工程の組み合わせによって、リークの有無を精度良く判定できる。
【0021】
上述の基板処理方法において、前記分割期間の数は、8つ以下であることが好ましい。分割期間の数は、比較的に少ない。よって、リーク判定工程は、リークの有無を容易に判定できる。
【0022】
上述の基板処理方法において、前記リーク判定工程は、前記分割期間の数に対する前記変化期間の数の比に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定することが好ましい。リーク判定工程は、リークの有無を適切に判定できる。
【0023】
上述の基板処理方法において、前記リーク判定工程は、前記第1ピストンの移動距離が前記第1閾値よりも大きな第2閾値以上である前記変化期間を、異常期間として特定し、前記異常期間を除く前記変化期間の数に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定することが好ましい。異常期間では、第1ピストンは過度に移動する。第1ピストンの過度の移動は、リークに起因しない可能性が高い。リーク判定工程は、変化期間の数から異常期間の数を除く。よって、リーク判定工程は、リークの有無を一層精度良く判定できる。
【0024】
上述の基板処理方法において、前記リーク判定工程は、前記変化期間を、前記第1ピストンが前記第1ポンプ室の容積を減少させる正変化期間、および、前記第1ピストンが前記第1ポンプ室の容積を増大させる負変化期間のいずれかに分類し、前記正変化期間の数、および、前記負変化期間の数に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定することが好ましい。リーク判定工程は、リークの向きを考慮して、第1弁からの処理液のリークの有無を判定する。よって、リーク判定工程は、リークの有無を一層精度良く判定できる。
【0025】
上述の基板処理方法において、前記第1弁を閉じ、前記第1ポンプ室に連通される第2弁を開き、前記第1ポンプ室に対して前記第1ピストンを移動させることにより前記第1ポンプ室の容積を増大させ、前記第2弁を介して前記第1ポンプ室に処理液を充填する第1充填工程と、を備え、前記供給工程は、前記第2弁を閉じ、前記定圧工程は、前記第2弁を閉じ、前記供給工程は、前記第1ピストンを、所定の第1距離だけ移動させ、前記第1充填工程は、前記第1ピストンを、所定の第1原点位置まで移動させ、前記判定期間は、第2判定期間を含み、前記第2判定期間は、前記定圧工程が実行される期間の全部であり、前記リーク判定工程は、前記定圧工程が終了する時の前記第1ピストンの位置、前記供給工程が始まる時の前記第1ピストンの位置、前記供給工程が終了する時の前記第1ピストンの位置、前記第1充填工程が始まる時の前記第1ピストンの位置、および、前記第1充填工程における前記第1ピストンの移動距離の少なくともいずれかに基づいて、前記第2判定期間における前記第1ピストンの移動距離を推定することが好ましい。
【0026】
基板処理方法は、第1充填工程を備える。よって、第1ポンプ室に処理液を好適に充填できる。供給工程および定圧工程では、第2弁は閉じる。よって、供給工程は、処理液を基板に好適に供給できる。定圧工程は、第1ポンプ室の圧力を目標値に好適に保つことができる。供給工程は、第1ピストンを、所定の第1距離だけ移動させる。すなわち、供給工程における第1ピストンの移動距離は、既知である。第1充填工程は、第1ピストンを、所定の第1原点位置まで移動させる。すなわち、第1充填工程が終了する時の第1ピストンの位置は、既知である。この条件のもとでは、以下の(a)-(e)はそれぞれ、定圧工程における第1ピストンの移動距離に応じて、変動する。第2判定期間は、定圧工程が実行される期間の全部である。よって、リーク判定工程は、(a)-(e)の少なくともいずれかの検出結果に基づいて、第2判定期間における第1ピストンの移動距離を好適に推定できる。
(a):定圧工程が終了する時の第1ピストンの位置
(b):供給工程が始まる時の第1ピストンの位置
(c):供給工程が終了する時の第1ピストンの位置
(d):第1充填工程が始まる時の第1ピストンの位置
(e):第1充填工程における第1ピストンの移動距離
【0027】
上述の基板処理方法において、第2ポンプ室に対して前記第2ピストンを移動させることにより前記第2ポンプ室の容積を増大させ、前記第1ポンプ室および前記第2ポンプ室に連通される第2弁を閉じ、前記第1ポンプ室に連通されずに前記第2ポンプ室に連通される第3弁を開き、前記第3弁を介して前記第2ポンプ室に処理液を充填する第2充填工程と、を備え、前記第1充填工程は、前記第1弁を閉じ、前記第2弁を開き、前記第3弁を閉じ、前記第2ポンプ室に対して前記第2ピストンを移動させることにより前記第2ポンプ室の容積を減少させ、前記第1ポンプ室に対して前記第1ピストンを移動させることにより前記第1ポンプ室の容積を増大させ、前記第2ポンプ室から前記第2弁を介して前記第1ポンプ室に処理液を送り、前記供給工程は、第2弁を閉じ、前記定圧工程は、第2弁を閉じることが好ましい。第1充填工程は、第2ポンプ室を用いて、第1ポンプ室に処理液を好適に充填できる。第2充填工程は、第2ポンプ室に処理液を好適に充填できる。供給工程および定圧工程では、第2弁は閉じる。よって、供給工程および定圧工程を適切に実行できる。
【0028】
上述の基板処理方法において、前記供給工程は、前記第1ピストンを、所定の第1距離だけ移動させ、前記第1充填工程は、前記第1ピストンを、所定の第1原点位置まで移動させ、前記第1充填工程は、前記第1ピストンが前記第1原点位置に到達するまで、前記第2ピストンを移動させ、前記第2充填工程は、前記第2ピストンを、所定の第2原点位置まで移動させ、前記検出工程は、前記第2ピストンの位置を検出し、前記判定期間は、第2判定期間を含み、前記第2判定期間は、前記定圧工程が実行される期間の全部であり、前記リーク判定工程は、前記定圧工程が終了する時の前記第1ピストンの位置、前記供給工程が始まる時の前記第1ピストンの位置、前記供給工程が終了する時の前記第1ピストンの位置、前記第1充填工程が始まる時の前記第1ピストンの位置、前記第1充填工程における前記第1ピストンの移動距離、前記第1充填工程における前記第2ピストンの移動距離、前記第1充填工程が終了する時の前記第2ピストンの位置、前記第2充填工程が始まる時の前記第2ピストンの位置、および、前記第2充填工程における前記第2ピストンの移動距離、の少なくともいずれかに基づいて、前記第2判定期間における前記第1ピストンの移動距離を推定することが好ましい。供給工程は、第1ピストンを、所定の第1距離だけ移動させる。第1充填工程は、第1ピストンを、所定の第1原点位置まで移動させる。第1充填工程は、第1ピストンが第1原点位置に到達するまで、第2ピストンを移動させる。第2充填工程は、第2ピストンを、所定の第2原点位置まで移動させる。すなわち、供給工程における第1ピストンの移動距離は、既知である。第1充填工程が終了する時の第1ピストンの位置は、既知である。第1充填工程における第2ピストンの移動距離は、第1充填工程における第1ピストンの移動距離によって決まる。第2充填工程が終了する時の第2ピストンの位置は、既知である。この条件のもとでは、上述した(a)-(e)はそれぞれ、定圧工程における第1ピストンの移動距離に応じて、変動する。さらに、以下の(f)-(i)もそれぞれ、定圧工程における第1ピストンの移動距離に応じて、変動する。第2判定期間は、前記定圧工程が実行される期間の全部である。よって、リーク判定工程は、(a)-(i)の少なくともいずれかの検出結果に基づいて、第2判定期間における第1ピストンの移動距離を好適に推定できる。
(f):前記第1充填工程における前記第2ピストンの移動距離
(g):前記第1充填工程が終了する時の前記第2ピストンの位置
(h):前記第2充填工程が始まる時の前記第2ピストンの位置
(i):前記第2充填工程における前記第2ピストンの移動距離
【0029】
上述の基板処理方法において、前記第1弁を閉じ、前記第2弁を閉じ、前記第3弁を開き、前記第1ポンプ室と前記第2ポンプ室とに連通される第4弁を開き、前記第1ポンプ室に対して前記第1ピストンを移動させることにより前記第1ポンプ室の容積を減少させ、前記第2ポンプ室に対して前記第2ピストンを静止させ、前記第1ポンプ室から前記第2ポンプ室に処理液を戻す戻し工程と、を備え、前記供給工程は、前記第4弁を閉じ、前記定圧工程は、前記第4弁を閉じ、前記第1充填工程は、前記第4弁を閉じ、前記第2充填工程は、前記第4弁を閉じ、前記戻し工程は、前記第1ピストンを、所定の第2距離だけ移動させることが好ましい。基板処理方法は、戻し工程を備える。戻し工程は、第1ポンプ室から第2ポンプ室に処理液を戻す。例えば、仮にエアが第1ポンプ室に混入した場合であっても、戻し工程は、第1ポンプ室から第2ポンプ室に処理液とともにエアを戻すことができる。このため、エアが混入した処理液を基板に供給することを、防止できる。よって、基板に対する処理の品質を好適に保つことができる。供給工程、定圧工程、第1充填工程、および、第2充填工程では、第4弁は閉じる。よって、供給工程、定圧工程、第1充填工程、および、第2充填工程を好適に実行できる。戻し工程は、第1ピストンを、所定の第2距離だけ移動させる。すなわち、戻し工程における第1ピストンの移動距離は、既知である。この条件のもとでは、依然として、上述した(a)-(i)はそれぞれ、定圧工程における第1ピストンの移動距離に応じて、変動する。この条件のもとでは、(a)-(i)の変動量と、定圧工程における第1ピストンの移動距離との関係は、維持される。よって、戻し工程が実行される場合であっても、リーク判定工程は、(a)-(i)の少なくともいずれかの検出結果に基づいて、第2判定期間における第1ピストンの移動距離を好適に推定できる。
【0030】
本発明は、基板処理装置であって、第1ポンプ室と、前記第1ポンプ室に対して移動し、前記第1ポンプ室の容積を変える第1ピストンと、前記第1ピストンの位置を検出する第1位置センサと、前記第1ポンプ室の圧力を検出する第1圧力センサと、前記第1ポンプ室に連通される第1弁と、前記第1弁に連通されるノズルと、前記第1位置センサの検出結果および前記第1圧力センサの検出結果を取得し、前記第1ピストンを移動させ、前記第1弁を開閉させる制御部と、を備え、制御部は、リーク判定処理と、定圧制御とを行い、前記リーク判定処理では、前記制御部は、前記第1位置センサの検出結果に基づいて、判定期間における前記第1ピストンの位置の変化を取得し、前記判定期間における前記第1ピストンの位置の変化に基づいて、前記第1弁からの処理液のリークの有無を判定し、前記定圧制御では、前記制御部は、前記第1弁を閉じ、前記第1ポンプ室の圧力を目標値に保つように前記第1圧力センサの検出結果に基づいて前記第1ピストンの位置を調整し、前記判定期間の全部は、前記定圧制御が実行される期間に含まれる基板処理装置である。
【0031】
制御部は、リーク判定処理と定圧制御を行う。リーク判定処理では、制御部は、第1位置センサの検出結果に基づいて、判定期間における第1ピストンの位置の変化を取得する。リーク判定処理では、制御部は、判定期間における第1ピストンの位置の変化に基づいて、第1弁からの処理液のリークの有無を判定する。定圧制御では、制御部は、第1弁を閉じる。定圧制御では、制御部は、第1ポンプ室の圧力を目標値に保つように、第1圧力センサの検出結果に基づいて第1ピストンの位置を調整する。このため、仮に定圧制御が実行されるときにリークが発生する場合、定圧制御はリークの発生期間を長くすることができる。ここで、判定期間の全部は、定圧制御が実行される期間に含まれる。したがって、リーク判定処理は、リークの有無を好適に判定できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、第1弁からの処理液のリークの有無を適切に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】第1実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。
【
図2】基板処理装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図3】第1充填工程における基板処理装置を示す図である。
【
図4】定圧工程における基板処理装置を示す図である。
【
図5】供給工程における基板処理装置を示す図である。
【
図6】第1ピストンの位置の時間的な変化を示すグラフである。
【
図7】
図7(a)、7(b)、7(c)はそれぞれ、定圧工程における第1ピストンの位置の変化を模式的に示す図である。
【
図8】定圧工程における第1ポンプ室の圧力の時間的な変化を例示するグラフである。
【
図9】第1判定期間における第1位置センサの検出結果の一例を示すグラフである。
【
図10】
図10(a)、10(b)はそれぞれ、分割期間における第1ピストンの移動距離の例である。
【
図11】第2実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。
【
図12】基板処理装置の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図13】第1充填工程における基板処理装置を示す図である。
【
図14】戻し工程における基板処理装置を示す図である。
【
図15】定圧工程における基板処理装置を示す図である。
【
図16】供給工程における基板処理装置を示す図である。
【
図17】
図17(a)は、第1ピストンの位置の時間的な変化を示すグラフであり、
図17(b)は、第2ピストンの位置の時間的な変化を示すグラフである。
【
図18】変形実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
第1実施形態
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。第1実施形態に係る基板処理装置1は、基板(例えば、半導体ウエハ)Wに処理を行う装置である。
【0035】
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、または、太陽電池用基板である。
【0036】
1.基板処理装置1の概要
基板処理装置1は、処理ユニット3を備える。処理ユニット3は、基板Wを処理する。
【0037】
処理ユニット3は、基板保持部5と回転駆動部6を備える。基板保持部5は基板Wを保持する。具体的には、基板保持部5は基板Wを略水平姿勢で保持する。基板保持部5は、例えば、基板Wの裏面(下面)を吸着保持する。回転駆動部6は、基板保持部5に連結する。回転駆動部6は、基板保持部5を回転させる。これにより、基板保持部5に保持された基板Wは、鉛直方向Zと平行な軸線回りに回転する。
【0038】
処理ユニット3は、カップ7を備える。カップ7は、基板保持部5の側方を囲むように配置される。カップ7は、基板Wから飛散した処理液を受けとめて回収する。
【0039】
基板処理装置1は処理液供給源9を備える。処理液供給源9は、処理液を貯留する。処理液は、例えば、基板Wに塗膜を形成するための塗膜材料である。塗膜材料は、例えば、レジスト膜材料である。塗膜は、例えば、レジスト膜である。
【0040】
処理ユニット3は、処理液供給装置10を備える。処理液供給装置10は、処理液供給源9に連通接続される。処理液供給装置10は、基板保持部5に支持される基板Wに処理液を供給する。処理液供給装置10は、例えば、基板Wの上面に処理液を供給する。
【0041】
2.処理液供給装置10の構成
処理液供給装置10は、第1ポンプ11とノズル41を備える。第1ポンプ11は、ノズル41に処理液を送る。ノズル41は、基板保持部5に保持される基板Wに処理液を吐出する。
【0042】
第1ポンプ11は、第1ポンプ室12を備える。第1ポンプ室12は空間である。第1ポンプ室12は処理液を収容する。第1ポンプ室12は処理液で満たされる。第1ポンプ室12の容積は可変である。
【0043】
第1ポンプ11は、筐体13とダイヤフラム14を備える。筐体13とダイヤフラム14は、第1ポンプ室12を区画する。筐体13は、例えば、円筒形状を呈する。筐体13は、筐体13の内部に形成される内部空間を有する。筐体13は、開放されている一端部を有する。ダイヤフラム14は、筐体13の一端部に取り付けられる。ダイヤフラム14は、筐体13の内部空間を閉塞する。第1ポンプ室12は、ダイヤフラム14によって閉塞された筐体13の内部空間に相当する。ダイヤフラム14は、可撓性を有する。ダイヤフラム14は、例えば、ローリングダイヤフラムである。ダイヤフラム14の材質は、例えば合成樹脂である。
【0044】
第1ポンプ11は、開口15、16を有する。開口15、16はそれぞれ、筐体13に形成される。開口15、16はそれぞれ、第1ポンプ室12に連通する。
【0045】
第1ポンプ11は第1ピストン18を備える。第1ピストン18は、第1ポンプ室12に対して移動する。
【0046】
第1ピストン18は、第1端を有する。第1ピストン18の第1端は、ダイヤフラム14に取り付けられる。第1ピストン18が第1ポンプ室12に対して移動するとき、ダイヤフラム14は変形し、第1ポンプ室12の容積は変わる。
【0047】
第1ポンプ11は第1駆動部19を備える。第1駆動部19は、第1ピストン18に連結される。第1駆動部19は、第1ピストン18を移動させる。第1駆動部19は、例えば、電動モータである。第1駆動部19は、例えば、ステッピングモータである。
【0048】
第1ピストン18は、第2端を有する。第1ピストン18の第2端は、第1駆動部19に連結される。より詳しくは、第1駆動部19は、回転動力を出力する。第1ピストン18と第1駆動部19は、第1駆動部19の回転動力を第1ピストン18の直線運動に変換する不図示の機構を介して連結される。
【0049】
第1ピストン18は、往復直線移動する。
図1は、正方向E1pおよび負方向E1nを示す。負方向E1nは、正方向E1pの反対方向である。例えば、第1駆動部19が正回転するとき、第1ピストン18は正方向E1pに移動する。第1ピストン18が正方向E1pに移動するとき、第1ピストン18は第1ポンプ室12に近づく。第1ピストン18が正方向E1pに移動するとき、第1ポンプ室12の容積は減少する。例えば、第1駆動部19が逆回転するとき、第1ピストン18は負方向E1nに移動する。第1ピストン18が負方向E1nに移動するとき、第1ピストン18は第1ポンプ室12から遠ざかる。第1ピストン18が負方向E1nに移動するとき、第1ポンプ室12の容積は増大する。
【0050】
処理液供給装置10は、第1圧力センサ21を備える。第1圧力センサ21は、第1ポンプ室12の圧力を検出する。第1圧力センサ21は、例えば、筐体13に取り付けられる。
【0051】
処理液供給装置10は、第1位置センサ22を備える。第1位置センサ22は、第1ピストン18の位置を検出する。第1位置センサ22は、例えば、第1駆動部19に取り付けられる。
【0052】
第1位置センサ22は、例えば、エンコーダである。エンコーダは、第1駆動部19の回転角度を検出する。エンコーダは、第1駆動部19の回転角度を示すパルス(電気パルス信号)を出力する。ここで、第1駆動部19の回転角度は、第1ピストン18の位置に相当する。第1駆動部19の回転量は、第1ピストン18の移動距離に比例する。
【0053】
処理液供給装置10は、配管31を備える。配管31は、第1ポンプ室12とノズル41とを連通接続する。配管31は、第1端と第2端を有する。配管31の第1端は、開口15に接続される。配管31の第2端は、ノズル41に接続される。
【0054】
処理液供給装置10は、第1弁32を備える。第1弁32は、配管31に設けられる。第1弁32は、配管31内における流路を開閉する。配管31内における流路は、第1ポンプ室12とノズル41との間の流路に相当する。第1弁32は、第1ポンプ室12およびノズル41に連通される。
【0055】
第1弁32は、弁本体33と入口ポート34と出口ポート35を備える。弁本体33は、流路を開閉する。入口ポート34は、弁本体33の一次側に連通する。出口ポート35は、弁本体33の二次側に連通する。入口ポート34および出口ポート35は、配管31と接続する。入口ポート34は、第1ポンプ室12に連通される。出口ポート35は、ノズル41に連通される。
【0056】
処理液供給装置10は、配管36を備える。配管36は、処理液供給源9と第1ポンプ室12とを連通接続する。配管36は、第1端と第2端を有する。配管36の第1端は、処理液供給源9に接続される。配管36の第2端は、開口16に接続される。
【0057】
処理液供給装置10は、第2弁37を備える。第2弁37は、配管36に設けられる。第2弁37は、配管36内における流路を開閉する。配管36内における流路は、第1ポンプ室12と処理液供給源9との間の流路に相当する。第2弁37は、第1ポンプ室12に連通される。第2弁37は、ノズル41に連通されない。
【0058】
処理液供給装置10は、ノズル移動機構42を備える。ノズル移動機構42は、ノズル41を移動させる。ノズル移動機構42は、ノズル41を処理位置と待機位置に移動させる。
図1は、処理位置に配置されるノズル41を破線で示す。
図1は、待機位置に配置されるノズル41を実線で示す。
【0059】
ノズル41が処理位置に位置するとき、ノズル41は、基板Wを狙う。例えば、ノズル41が処理位置に位置するとき、ノズル41は、基板保持部5の上方に位置する。例えば、ノズル41が処理位置に位置するとき、ノズル41は、平面視において、基板保持部5に保持される基板Wと重なる。ノズル41が待機位置に位置するとき、ノズル41は、基板Wを狙わない。例えば、ノズル41が待機位置に位置するとき、ノズル41は、平面視において、基板保持部5に保持される基板Wと重ならない。例えば、ノズル41が待機位置に位置するとき、ノズル41は、カップ7の外方に配置される。
【0060】
処理液供給装置10は、ノズル待機部43を備える。ノズル待機部43は、例えば、待機ポットである。ノズル待機部43は、ノズル41の待機位置に配置される。ノズル待機部43は、カップ7の外方に配置される。ノズル41は、ノズル待機部43において待機する。ノズル待機部43は、例えば、ノズル41の少なくとも一部を収容する。ノズル待機部43は、例えば、ノズル41から吐出された処理液を受ける。ノズル41がノズル待機部43に配置されるとき、ノズル41はダミーディスペンスを行うことが可能である。
【0061】
ここで、第1弁32は、例えば、第1ポンプ室12よりも高い位置に配置される。
図1は、第1ポンプ室12と第1弁32との間の高低差H1を示す。高低差H1は、鉛直方向Zにおける第1ポンプ室12と第1弁32との間の距離である。
【0062】
ノズル41は、例えば、第1ポンプ室12よりも高い位置に配置される。
図1は、第1ポンプ室12とノズル41との間の高低差H2を示す。高低差H2は、鉛直方向Zにおける第1ポンプ室12とノズル41との間の距離である。
【0063】
処理液供給装置10は、制御部45を備える。制御部45は、回転駆動部6、第1駆動部19、第1圧力センサ21、第1位置センサ22、第1弁32、第2弁37、および、ノズル移動機構42と、通信可能に接続される。制御部45は、第1圧力センサ21および第1位置センサ22によって検出された検出結果を取得する。制御部45は、回転駆動部6、第1駆動部19、および、ノズル移動機構42を作動させる。制御部45は、第1弁32および第2弁37を開閉する。
【0064】
処理液供給装置10は、記憶部47を備える。記憶部47は、各種の情報を記憶する。記憶部47は、制御部45に通信可能に接続される。制御部45は、記憶部47に記憶される情報を参照する。
【0065】
制御部45は、例えば、各種処理を実行するプロセッサ(例えば、中央演算処理装置(CPU))、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)と、各種情報を記憶する半導体メモリを備える。記憶部47は、半導体メモリおよびハードディスクの少なくともいずれかを備える。
【0066】
3.動作
第1実施形態の基板処理装置1の基本的な動作例を説明する。
図2は、基板処理装置1の動作の手順を示すフローチャートである。
【0067】
基板処理装置1は、サイクル動作Cを繰り返し行う。各サイクル動作Cは、第1充填工程CAと定圧工程CCと供給工程CSを含む。第1充填工程CAと定圧工程CCと供給工程CSは、この順に実行される。
【0068】
[ステップS1:第1充填工程CA]
図3は、第1充填工程CAにおける基板処理装置1を示す図である。
図3は、便宜上、基板処理装置1を簡略に示す。第1充填工程CAは、第1ポンプ室12に処理液を充填する。
【0069】
制御部45は、ノズル移動機構42によってノズル41を待機位置に配置させる。ノズル41は、ノズル待機部43に配置される。
【0070】
制御部45は、第1弁32を閉じる。制御部45は、第2弁37を開く。制御部45は、第1ピストン18を負方向E1nに移動させる。第1ポンプ室12の容積は増大する。処理液は、処理液供給源9から、配管36および第2弁37を通じて、第1ポンプ室12に流れる。第1ポンプ室12は、開口16を通じて、処理液を吸い込む。
【0071】
図3は、第1充填工程CAが始まる時の第1ピストン18を実線で示す。
図3は、第1充填工程CAが終了する時の第1ピストン18を破線で示す。第1充填工程CAが始まる時の第1ピストン18の位置を、位置PAsと呼ぶ。第1充填工程CAが終了する時の第1ピストン18の位置を、位置PAeと呼ぶ。第1充填工程CAにおける第1ピストン18の移動距離を、移動距離LAと呼ぶ。移動距離LAは、位置PAsと位置PAeとの差である。移動距離LAは、絶対値である。
【0072】
[ステップS2:定圧工程CC]
図4は、定圧工程CCにおける基板処理装置1を示す図である。定圧工程CCは、第1ポンプ室12の圧力を一定に保つ。
【0073】
定圧工程CCにおいても、ノズル41は待機位置に配置される。
【0074】
定圧工程CCでは、制御部45は、定圧制御を行う。定圧制御では、制御部45は、第1弁32と第2弁37を閉じる。第1ポンプ室12は閉塞される。定圧制御では、制御部45は、第1ポンプ室12の圧力を目標値Fに保つように、第1ピストン18の位置を調整する。定圧制御では、制御部45は、第1圧力センサ21の検出結果に基づいて、第1ピストン18の位置を調整する。定圧工程CCでは、第1ポンプ室12の圧力は、第1弁32の入口ポート34に付与される。
【0075】
例えば、制御部45は、第1圧力センサ21の検出結果に基づいて、第1ピストン18の位置をフィードバック制御する。第1圧力センサ21の検出結果が目標値Fよりも低いとき、制御部45は、第1ピストン18を正方向E1pに移動させ、第1ポンプ室12の圧力を上げる。第1圧力センサ21の検出結果が目標値Fよりも高いとき、制御部45は、第1ピストン18を負方向E1nに移動させ、第1ポンプ室12の圧力を下げる。
【0076】
目標値Fは、大気圧よりも高いことが好ましい。目標値Fは、例えば、5kPa以上であることが好ましい。目標値Fは、例えば、7kPa以上であることが好ましい。目標値Fは、例えば、10kPa以上であることが好ましい。本明細書では、圧力を、大気圧を基準としたゲージ圧で表記する。
【0077】
目標値Fは、高低差H1および高低差H2の少なくともいずれかに基づいて、設定されることが好ましい。例えば、高低差H1が大きくなるにしたがって目標値Fが高くなるように、目標値Fが設定される。例えば、高低差H2が大きくなるにしたがって目標値Fが高くなるように、目標値Fが設定される。
【0078】
図4は、定圧工程CCが始まる時の第1ピストン18を実線で示す。
図4は、定圧工程CCが終了する時の第1ピストン18を破線で示す。定圧工程CCが始まる時の第1ピストン18の位置を、位置PCsと呼ぶ。定圧工程CCが終了する時の第1ピストン18の位置を、位置PCeと呼ぶ。定圧工程CCにおける第1ピストン18の移動距離を、移動距離LCと呼ぶ。移動距離LCは、位置PCsと位置PCeの差である。移動距離LCは、絶対値である。
【0079】
[ステップS3:供給工程CS]
図5は、供給工程CSにおける基板処理装置1を示す図である。供給工程CSは、基板Wに処理液を供給し、基板Wに処理を行う。
【0080】
制御部45は、ノズル41を処理位置に配置させる。ノズル41は、待機位置から処理位置に移動する。基板保持部5は、基板Wを保持する。制御部45は、回転駆動部6によって基板保持部5を回転させる。これにより、基板保持部5に保持される基板Wは、回転する。
【0081】
制御部45は、第1弁32を開く。制御部45は、第2弁37を閉じる。制御部45は、第1ピストン18を正方向E1pに移動させる。第1ポンプ室12の容積は、減少する。第1ポンプ室12は、開口15を通じて、処理液を吐き出す。処理液は、配管31および第1弁32を介して、ノズル41に流れる。ノズル41は、処理液を基板Wに吐出する。カップ7は、基板Wから飛散された処理液を受ける。
【0082】
図5は、供給工程CSが始まる時の第1ピストン18を実線で示す。
図5は、供給工程CSが終了する時の第1ピストン18を破線で示す。供給工程CSが始まる時の第1ピストン18の位置を、位置PSsと呼ぶ。供給工程CSが終了する時の第1ピストン18の位置を、位置PSeと呼ぶ。供給工程CSにおける第1ピストン18の移動距離を、移動距離LSと呼ぶ。移動距離LSは、位置PSsと位置PSeの差である。移動距離LSは、絶対値である。
【0083】
供給工程CSが終了することによって、1つのサイクル動作Cが終了する。1つのサイクル動作Cが終了した後、新たなサイクル動作Cが始まる。すなわち、第1充填工程CAが始まる。
【0084】
図6は、第1ピストン18の位置の時間的な変化を示すグラフである。定圧工程CCが始まる時は、例えば、第1充填工程CAが終了する時と同時である。供給工程CSが始まる時は、例えば、定圧工程CCが終了する時と同時である。第1充填工程CAが始まる時は、例えば、供給工程CSが終了する時と同時である。
【0085】
第1充填工程CAでは、制御部45は、第1ピストン18を、第1原点位置P0まで移動させる。すなわち、位置PAeは、常に、第1原点位置P0である。
【0086】
定圧工程CCでは、位置PCsは、位置PAeと実質的に等しい。このため、位置PCsは、第1原点位置P0と実質的に等しい。
【0087】
定圧工程CCでは、第1ピストン18は、静止することもあり、正方向E1pに移動することもあり、負方向E1nに移動することもある。移動距離LCは、複数のサイクル動作Cの間で、ばらつくことがある。移動距離LCがばらつく原因の1つは、第1弁32からの処理液のリークである。第1弁32からの処理液のリークは、第1弁32が閉じているときに、第1弁32が処理液をリークすることである。言い換えれば、第1弁32からの処理液のリークは、第1弁32が閉じているときに、処理液が弁本体33を通じて流れることである。以下では、第1弁32からの処理液のリークを、適宜に「リーク」と呼ぶ。
【0088】
図7(a)、7(b)、7(c)はそれぞれ、定圧工程CCにおける第1ピストン18の位置の変化を模式的に示す図である。
【0089】
図7(a)では、リークが生じていない。このため、第1ポンプ室12とノズル41との間において、処理液は流れない。処理液は、ノズル41から垂れない。処理液のしずくは、ノズル41から落ちない。処理液は、ノズル41内の流路の全部を実質的に満たす。ノズル41内の処理液の液位は、ノズル41の吐出口と略同じ高さ位置に保たれる。ノズル41内の処理液の液位は、例えば、ノズル41内の処理液の下面である。
【0090】
第1弁32からの処理液のリークが生じていないので、処理液はノズル41から第1ポンプ室12に流入せず、かつ、処理液は第1ポンプ室12からノズル41に流出しない。このため、第1ポンプ室12の圧力の変動は、比較的に小さい。よって、第1ピストン18の位置の変化は比較的に小さい。
【0091】
図7(b)では、リークが生じている。具体的には、第1弁32は、弁本体33を通じて、処理液をリークする。リークの向きは、入口ポート34から出口ポート35に向かう方向である。処理液は、第1弁32を通じて、第1ポンプ室12からノズル41に流れる。ここで、処理液が第1弁32を通じて第1ポンプ室12からノズル41に流れるリークを、順方向リークと呼ぶ。順方向リークが生じているので、処理液は、ノズル41から垂れる。例えば、処理液のしずくは、ノズル41から落ちる。ノズル待機部43は、ノズル41から垂れた処理液を受ける。
【0092】
順方向リークが生じた時、処理液は、第1ポンプ室12からノズル41に流出する。第1ポンプ室12から流出する処理液によって、第1ポンプ室12の圧力は低下する。制御部45は、第1ピストン18を正方向E1pに移動させ、第1ポンプ室12の容積を減少させる。これにより、第1ポンプ室12の圧力は高くなる。第1ポンプ室12の圧力は、順方向リークが生じた時の圧力に戻る。
【0093】
このため、順方向リークは、継続して発生し易い。順方向リークの発生期間は、長くなり易い。順方向リークによって流れる処理液の量は、多くなり易い。よって、第1ピストン18の位置の変化は大きくなり易い。
【0094】
仮に、制御部45が定圧制御を行わない場合、順方向リークが生じた後の第1ポンプ室12の圧力は、順方向リークが生じる前の第1ポンプ室12の圧力よりも、低くなる。第1ポンプ室12の圧力が低いほど、処理液は第1ポンプ室12から流出し難い。よって、順方向リークは、継続して発生し難い。順方向リークの発生期間は、長くなり難い。順方向リークによって流れる処理液の量は、多くなり難い。よって、第1ピストン18の位置の変化は大きくなり難い。
【0095】
図7(c)では、リークが生じている。
図7(c)に示すリークは、
図7(b)に示すリークと、リークの向きが異なる。具体的には、第1弁32は、弁本体33を通じて、出口ポート35から入口ポート34に処理液をリークする。処理液は、第1弁32を通じて、ノズル41から第1ポンプ室12に流れる。ここで、処理液が第1弁32を通じてノズル41から第1ポンプ室12に流れるリークを、逆方向リークと呼ぶ。処理液は、ノズル41内の流路の全部を満たさなくなる。例えば、ノズル41内の処理液の液位は、ノズル41の吐出口から上昇する。
【0096】
逆方向リークが生じた時、処理液は、ノズル41から第1ポンプ室12に流入する。第1ポンプ室12に流入する処理液によって、第1ポンプ室12の圧力は高くなる。制御部45は、第1ピストン18を負方向E1nに移動させ、第1ポンプ室12の容積を増大させる。これにより、第1ポンプ室12の圧力は低くなる。第1ポンプ室12の圧力は、逆方向リークが生じた時の圧力に戻る。このため、逆方向リークは、継続して発生し易い。逆方向リークの発生期間は、長くなり易い。逆方向リークによって流れる処理液の量は、多くなり易い。よって、第1ピストン18の位置の変化は大きくなり易い。
【0097】
仮に、制御部45が定圧制御を行わない場合、逆方向リークが生じた後の第1ポンプ室12の圧力は、逆方向リークが生じる前の第1ポンプ室12の圧力よりも、高くなる。よって、逆方向リークは、継続して発生し難い。逆方向リークの発生期間は、長くなり難い。逆方向リークによって流れる処理液の量は、多くなり難い。よって、第1ピストン18の位置の変化は大きくなり難い。
【0098】
リークが生じる場合、基板Wに対する処理の品質を好適に保つことができない。例えば、順方向リークが生じる場合、供給工程CSにおいて、第1弁32を閉じた後に、ノズル41は不必要な処理液を基板Wに滴下するおそれがある。その結果、基板W上に塗布欠陥やパーティクルが発生するおそれがある。例えば、逆方向リークが生じる場合、第1ポンプ室12とノズル41との間の流路に空気が入る。その結果、レジストの一部が乾燥し、固化し、パーティクルとなるおそれがある。さらに、供給工程CSにおいて、ノズル41は、空気が混入された処理液を基板Wに吐出するおそれがある。さらに、ノズル41が基板Wに供給する処理液の量を、適切に管理できなくなるおそれがある。
【0099】
図6を参照する。位置PCeは、移動距離LCに応じて変動する。位置PCeは、第1原点位置P0を、定圧工程CCにおける第1ピストンの移動方向に、移動距離LCだけ、シフトした位置に相当する。
【0100】
供給工程CSでは、位置PSsは、位置PCeと実質的に等しい。このため、位置PSsは、移動距離LCに応じて変動する。供給工程CSでは、制御部45は、第1ピストン18を、第1距離L1だけ、移動させる。すなわち、距離LSは、常に、第1距離L1である。位置PSeは、正方向E1pに第1距離L1だけ、位置PSsをシフトした位置である。位置PSeは、移動距離LCに応じて変動する。
【0101】
位置PAsは、位置PSeと実質的に等しい。このため、位置PAsは、移動距離LCに応じて変動する。上述の通り、位置PAeは、第1原点位置P0である。このため、移動距離LAも、移動距離LCに応じて変動する。
【0102】
上述した目標値F、第1原点位置P0および第1距離L1は、予め設定されている。具体的には、基板処理装置1が上述した動作する前に、目標値F、第1原点位置P0および第1距離L1は設定されている。目標値F、第1原点位置P0および第1距離L1は、例えば、記憶部47に記憶されている。第1原点位置P0および第1距離L1はそれぞれ、既知である。
【0103】
[ステップS4:検出工程]
図2を参照する。基板処理装置1は、サイクル動作Cと並行して、検出工程を行う。検出工程は、例えば、第1充填工程CA、定圧工程CCおよび供給工程CSが実行される期間に、実行される。検出工程では、第1圧力センサ21は、第1ポンプ室12の圧力を検出する。第1圧力センサ21は、第1圧力センサ21の検出結果を、制御部45に出力する。検出工程では、第1位置センサ22は、第1ピストン18の位置を検出する。第1位置センサ22は、第1位置センサ22の検出結果を、制御部45に出力する。
【0104】
[ステップS5:リーク判定工程]
基板処理装置1は、サイクル動作Cおよび検出工程と並行して、リーク判定工程を行う。リーク判定工程では、制御部45は、リーク判定処理を行う。リーク判定処理では、制御部45は、検出工程によって得られた検出結果に基づいて、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を取得する。リーク判定処理では、制御部45は、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化に基づいて、第1弁32からの処理液のリークの有無を判定する。
【0105】
図6は、判定期間Jを例示する。判定期間Jの全部は、定圧工程CCが実行される期間に含まれる。すなわち、判定期間Jは、定圧工程CCが実行されない期間を含まない。判定期間Jは、定圧工程CCが実行される期間の少なくとも一部である。判定期間Jは、例えば、定圧工程CCが実行される期間の全部であってもよい。ここで、定圧工程CCが実行される期間は、定圧制御が実行される期間に相当する。
【0106】
制御部45が取得する第1ピストン18の位置の変化は、第1ピストン18の移動距離、および、第1ピストン18の平均速度の少なくともいずれかを含む。
【0107】
判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を取得するとは、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を算出すること、および、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を推定することの少なくともいずれかを含む。判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を算出するとは、判定期間Jにおける第1ピストン18の2つ以上の位置の検出結果に基づいて、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を取得することである。判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を推定するとは、判定期間Jにおける第1ピストン18の1つのみの位置の検出結果、および、判定期間J以外の期間における第1ピストン18の1つ以上の位置の検出結果の少なくともいずれかに基づいて、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を取得することである。
【0108】
4.判定期間J
図8は、定圧工程CCにおける第1ポンプ室12の圧力の時間的な変化を例示するグラフである。時刻TCsは、定圧工程CCが開始する時刻である。時刻TCeは、定圧工程CCが終了する時刻である。
【0109】
判定期間Jは、第1判定期間J1と第2判定期間J2の少なくともいずれかを含む。
【0110】
第1判定期間J1は、例えば、定圧工程CCが実行される期間の一部である。第1判定期間J1は、第1時刻TJsから始まる。制御部45は、第1圧力センサ21の検出結果に基づいて、第1時刻TJsを特定する。第1時刻TJsは、定圧工程CCが始まった後、第1ポンプ室12の圧力が初めて目標値Fの許容範囲G内になる時刻である。ここで、許容範囲Gは、目標値Fを含む。例えば、許容範囲Gは、目標値Fの±2kPaの範囲である。例えば、許容範囲Gは、目標値Fの±20%の範囲である。
【0111】
第1判定期間J1の時間の長さを、時間長U1と呼ぶ。時間長U1は、例えば、4秒以上である。時間長U1は、例えば、8秒以下である。
【0112】
時間長U1は、時刻TJeを規定する。時刻TJeは、第1時刻TJsから時間長U1が経過する時刻である。第1判定期間J1は、時刻TJeに終了する。但し、時刻TJeが時刻TCeよりも後になる場合、第1判定期間J1は時刻TCeに終了する。
【0113】
第2判定期間J2は、定圧工程CCが実行される期間の全部である。すなわち、第2判定期間J2は、時刻TCsから時刻TCeまでの期間である。第2判定期間J2の時間の長さを、時間長U2と呼ぶ。時間長U2は、定圧工程CCが実行される期間の時間長に相当する。時間長U2は、時刻TCsから時刻TCeまでの時間の長さに相当する。
【0114】
上述した許容範囲Gおよび時間長U1、U2は、予め設定されている。許容範囲Gおよび時間長U1、U2は、例えば、記憶部47に記憶されている。
【0115】
5.リーク判定工程(リーク判定処理)の詳細
リーク判定処理には、多様な手順がある。以下では、第1-第6のリーク判定処理を例示する。制御部51は、第1-第6のリーク判定処理の少なくとも1つを実行する。例えば、制御部51は、第1-第6のリーク判定処理の2つを並行して実行してもよい。
【0116】
5-1.第1のリーク判定処理
第1のリーク判定処理は、第1判定期間J1において第1ピストン18の位置が継続的に変化するか否かを判別する。
【0117】
図8を参照する。制御部45は、第1判定期間J1を、複数の分割期間Dに区分する。分割期間Dの数NDは、例えば、8つ以下である。分割期間Dの数NDは、例えば、4つ以上である。各分割期間Dの時間長は、例えば、互いに等しい。各分割期間Dの時間長は、例えば、1秒である。
【0118】
制御部45は、第1判定期間J1における第1ピストン18の位置の検出結果に基づいて、各分割期間Dにおける第1ピストン18の移動距離LDを算出する。移動距離LDは、分割期間Dが開始する時の第1ピストン18の位置と分割期間Dが終了する時の第1ピストン18の位置との差である。移動距離LDは、絶対値である。
【0119】
制御部45は、各移動距離LDを第1閾値K1と比較する。制御部45は、第1閾値K1以上の移動距離LDを含む分割期間Dを、変化期間DCとして特定する。制御部45は、第1閾値K1未満の移動距離LDを含む分割期間Dを、変化期間DCとして特定しない。
【0120】
制御部45は、変化期間DCの数NCを計数する。数NCは、数ND以下である。数NCが大きくなるほど、第1ピストン18の位置が、継続的に、有意に変化すると言える。言い換えれば、数NCが大きくなるほど、第1ピストン18の位置が有意に変化する期間が長いと言える。
【0121】
制御部45は、数NCに基づいて、リークの有無を判定する。
【0122】
例えば、制御部45は、数NCを、第1基準値R1と比較する。数NCが第1基準値R1以上である場合、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0123】
例えば、制御部45は、数NDに対する数NCの比Aを算出する。制御部45は、比Aを第2基準値R2と比較する。比Aが第2基準値R2以上である場合、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0124】
第1のリーク判定処理の具体例を説明する。
【0125】
図9は、第1判定期間J1における第1位置センサ22の検出結果の一例を示すグラフである。
図9では、第1ピストン18の位置を、パルス数[pls]によって示す。第1ピストン18が正方向E1pに移動するとき、パルス数は増加するものとする。第1ピストン18が負方向E1nに移動するとき、パルス数は減少するものとする。
【0126】
図9に示す例は、第1判定期間J1における第1ピストン18の6個の位置の検出結果を含む。具体的には、位置PJs、PJ1-PJ4、PJeはそれぞれ、第1時刻TJsおよび時刻t2-t4、TJeにおける第1ピストン18の位置の検出結果である。
【0127】
制御部45は、第1時刻TJsおよび時刻t2-t4、TJeによって、第1判定期間J1を、分割期間D1-D5に区分する。例えば、分割期間D1は、第1時刻TJsから時刻t1までの期間である。分割期間Dの数NDは、例えば、5である。
【0128】
図10(a)は、分割期間Dにおける第1ピストン18の移動距離LDの第1例である。制御部45は、
図9に示す検出結果の例に基づいて、
図10(a)に示す移動距離LDを算出する。ここで、各分割期間D1―D5における第1ピストン18の移動距離LDをそれぞれ、移動距離LD1-LD5と呼ぶ。例えば、制御部45は、位置PJsと位置PJ1との差を、移動距離LD1として算出する。同様に、制御部45は、移動距離LD2-LD5を算出する。
【0129】
さらに、制御部45は、
図9に示す検出結果の例に基づいて、各分割期間D1-D5における第1ピストン18の移動方向を、特定する。例えば、分割期間D2では、第1ピストン18の位置(パルス数)は減少する。このため、制御部45は、分割期間D2における第1ピストン18の移動方向を負方向E1nとして特定する。
【0130】
ここで、第1閾値K1が50[pls]であるとする。
図10(a)に示す第1例では、移動距離LD1は第1閾値K1未満である。よって、制御部45は、移動距離LD1を含む分割期間D1を、変化期間DCと特定しない。移動距離LD2は、第1閾値K1以上である。よって、制御部45は、移動距離LD2を含む分割期間D2を、変化期間DCと特定する。同様に、移動距離LD3-LD5はそれぞれ、第1閾値K1以上である。よって、制御部45は、分割期間D3-D5をそれぞれ、変化期間DCと特定する。その結果、変化期間の数NCは、4である。数NDに対する数NCの比Aは、80%である。
【0131】
ここで、第1基準値R1が2であるとする。第1例では、数NCは、第1基準値R1以上である。よって、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0132】
あるいは、第2基準値R2が50%であるとする。第1例では、比Aは、第2基準値R2以上である。よって、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0133】
図10(b)は、分割期間Dにおける第1ピストン18の移動距離LDの第2例である。なお、
図10(b)に示す第2例は、
図9に示す検出結果の例と無関係である。
【0134】
制御部45は、第1判定期間J1を分割期間D1-D5に区分する。制御部45は、
図9に示す検出結果の例とは異なる検出結果に基づいて、
図10(b)に示す移動距離LD1-LD5を算出する。
【0135】
ここで、第1閾値K1が50[pls]であるとする。
図10(b)に示す第2例では、移動距離LD1-LD3はそれぞれ、第1閾値K1以上である。よって、制御部45は、分割期間D1―D3を、変化期間DCと特定する。移動距離LD4-LD5はそれぞれ、第1閾値K1未満である。よって、制御部45は、分割期間D4―D5を、変化期間DCと特定しない。その結果、変化期間の数NCは、3である。数NDに対する数NCの比Aは、60%である。
【0136】
ここで、第1基準値R1が2であるとする。第2例では、数NCは、第1基準値R1以上である。よって、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0137】
あるいは、第2基準値R2が50%であるとする。第1例では、比Aは、第2基準値R2以上である。よって、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0138】
上述した第1閾値K1、第1基準値R1および第2基準値R2は、予め設定されている。第1閾値K1、第1基準値R1および第2基準値R2は、例えば、記憶部47に記憶されている。
【0139】
5-2.第2のリーク判定処理
第2のリーク判定処理は、第1ポンプ室12の容積を減少させる第1ピストン18の位置の変化と、第1ポンプ室12の容積を増大させる第1ピストン18の位置の変化とを区別する。これにより、第2のリーク判定処理は、リークの有無の判定に加え、リークの向きを特定する。なお、第1のリーク判定処理と同様の処理については、適宜に簡略に説明する。
【0140】
制御部45は、第1判定期間J1を、複数の分割期間Dに区分する。制御部45は、第1判定期間J1における第1ピストン18の位置の検出結果に基づいて、各分割期間Dにおける第1ピストン18の移動距離LDを算出する。制御部45は、移動距離LDが第1閾値K1以上である分割期間Dを、変化期間DCとして特定する。
【0141】
さらに、制御部45は、変化期間DCを、正変化期間DCpと負変化期間DCnに分類する。正変化期間DCpは、第1ピストン18が正方向E1pに移動する変化期間DCである。すなわち、正変化期間DCpは、第1ピストン18が第1ポンプ室12の容積を減少させる変化期間DCである。負変化期間DCnは、第1ピストン18が負方向E1nに移動する変化期間DCである。すなわち、負変化期間DCnは、第1ピストン18が第1ポンプ室12の容積を増大させる変化期間DCである。
【0142】
制御部45は、正変化期間DCpの数NCpを計数する。制御部45は、負変化期間DCnの数NCnを計数する。数NCpと数NCnの合計は、数NCと等しい。
【0143】
制御部45は、数NCpと数NCnとに基づいて、リークの有無を判定する。
【0144】
例えば、制御部45は、数NCpを、第3基準値R3と比較する。数NCpが第3基準値R3以上である場合、制御部45は、リークが生じており、かつ、第1弁32は第1ポンプ室12からノズル41に処理液をリークすると判定する。すなわち、数NCpが第3基準値R3以上である場合、制御部45は、順方向リークが生じていると判定する。制御部45は、数NCnを、第4基準値R4と比較する。数NCnが第4基準値R4以上である場合、制御部45は、リークが生じており、かつ、第1弁32はノズル41から第1ポンプ室12に処理液をリークすると判定する。すなわち、数NCnが第4基準値R4以上である場合、制御部45は、逆方向リークが生じていると判定する。
【0145】
例えば、制御部45は、数NDに対する数NCpの比Apを算出する。制御部45は、比Apを、第5基準値R5と比較する。比Apが第5基準値R5以上である場合、制御部45は、順方向リークが生じていると判定する。例えば、制御部45は、数NDに対する数NCnの比Anを算出する。制御部45は、比Anを、第6基準値R6と比較する。比Anが第6基準値R6以上である場合、制御部45は、逆方向リークが生じていると判定する。
【0146】
第2のリーク判定処理を、
図10(a)に示す第1例に適用する場合を説明する。
【0147】
制御部45は、第1判定期間J1を分割期間D1-D5に区分する。分割期間Dの数NDは、5である。制御部45は、移動距離LD1-LD5を算出する。ここで、第1閾値K1が50[pls]であるとする。制御部45は、分割期間D2-D5をそれぞれ、変化期間DCと特定する。変化期間DCの数NDは、4である。分割期間D2、D4では、第1ピストン18は負方向E1nに移動する。よって、制御部45は、分割期間D2、D4を負変化期間DCnと特定する。分割期間D3、D5では、第1ピストン18は正方向E1pに移動する。よって、制御部45は、分割期間D3、D5を正変化期間DCpと特定する。その結果、正変化期間DCpの数NCpは、2つである。数NDに対する数NCpの比Apは、40%である。負変化期間DCnの数NCnは、2である。数NDに対する数NCnの比Anは、40%である。
【0148】
ここで、第3基準値R3および第4基準値R4がそれぞれ、2であるとする。第1例では、数NCpは第3基準値R3以上である。よって、制御部45は、順方向リークが生じていると判定する。数NCnは第4基準値R4以上である。よって、制御部45は、逆方向リークが生じていると判定する。
【0149】
あるいは、第5基準値R5および第6基準値R6がそれぞれ、50%であるとする。第1例では、比Apは、第5基準値R5未満である。よって、制御部45は、順方向リークが生じていると判定しない。比Anは第6基準値R6未満である。よって、制御部45は、逆方向リークが生じていると判定しない。
【0150】
第2のリーク判定処理を、
図10(b)に示す第2例に適用する場合を説明する。
【0151】
制御部45は、第1判定期間J1を分割期間D1-D5に区分する。分割期間Dの数NDは、5である。制御部45は、移動距離LD1-LD5を算出する。ここで、第1閾値K1が50[pls]であるとする。制御部45は、分割期間D1-D3をそれぞれ、変化期間DCと特定する。変化期間DCの数NDは、3つである。分割期間D1-D2では、第1ピストン18は正方向E1pに移動する。よって、制御部45は、分割期間D1-D2を正変化期間DCpと特定する。分割期間D3では、第1ピストン18は負方向E1nに移動する。よって、制御部45は、分割期間D3を負変化期間DCnと特定する。その結果、正変化期間DCpの数NCpは、2である。数NDに対する数NCpの比Apは、40%である。負変化期間DCnの数NCnは、1である。数NDに対する数NCpの比Apは、20%である。
【0152】
ここで、第3基準値R3および第4基準値R4がそれぞれ、2であるとする。第2例では、数NCpは第3基準値R3以上である。よって、制御部45は、順方向リークが生じていると判定する。数NCnは第4基準値R4未満である。よって、制御部45は、逆方向リークが生じていると判定しない。
【0153】
あるいは、第5基準値R5および第6基準値R6がそれぞれ、50%であるとする。第1例では、比Apは、第5基準値R5未満である。よって、制御部45は、順方向リークが生じていると判定しない。比Anは第6基準値R6未満である。よって、制御部45は、逆方向リークが生じていると判定しない。
【0154】
上述した第3-第6基準値R3-R6は、予め設定されている。第3-第6基準値R3-R6は、例えば、記憶部47に記憶されている。
【0155】
5-3.第3のリーク判定処理
第3のリーク判定処理は、第1判定期間J1における第1ピストン18の過度な位置の変化を排除する。なお、第1のリーク判定処理と同様の処理については、適宜に簡略に説明する。
【0156】
制御部45は、第1判定期間J1を、複数の分割期間Dに区分する。制御部45は、第1判定期間J1における第1ピストン18の位置の検出結果に基づいて、各分割期間Dにおける第1ピストン18の移動距離LDを算出する。制御部45は、移動距離LDが第1閾値K1以上である分割期間Dを、変化期間DCとして特定する。
【0157】
さらに、制御部45は、変化期間DCにおける移動距離LDを、第2閾値K2と比較する。第2閾値K2は、第1閾値K1よりも大きい。制御部45は、第2閾値K2以上の移動距離LDを含む変化期間DCを、異常期間DAとして特定する。制御部45は、第2閾値K2未満の移動距離LDを含む変化期間DCを、異常期間DAとして特定しない。
【0158】
制御部45は、異常期間DAの数NAを計数する。数NAは、数NC以下である。制御部45は、異常期間DAを除く分割期間Dの数NDaを計数する。制御部45は、異常期間DAを除く変化期間DCの数NCaを計数する。
【0159】
制御部45は、数NCaに基づいて、リークの有無を判定する。
【0160】
例えば、制御部45は、数NCaが第1基準値R1以上である場合、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0161】
例えば、制御部45は、数NDaに対する数NCaの比Aaを算出する。比Aaが第2基準値R2以上である場合、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0162】
第3のリーク判定処理を、
図10(a)に示す第1例に適用する場合を説明する。
【0163】
制御部45は、第1判定期間J1を分割期間D1-D5に区分する。分割期間Dの数NDは、5である。制御部45は、移動距離LD1-LD5を算出する。ここで、第1閾値K1が50[pls]であり、第2閾値K2が500[pls]であるとする。制御部45は、分割期間D2-D5をそれぞれ、変化期間DCと特定する。変化期間DCの数NDは、4である。移動距離LD2は、第2閾値K2未満である。よって、制御部45は、移動距離LD2を含む分割期間D2を、異常期間DAと特定しない。同様に、移動距離LD3-LD5はそれぞれ、第2閾値K2未満である。よって、制御部45は、分割期間D3―D5を、異常期間DAと特定しない。異常期間DAの数NAは、零である。異常期間DAを除く分割期間Dの数NDaは、5である。異常期間DAを除く変化期間DCの数NCaは、4である。数NDaに対する数NCaの比Aaは、80%である。
【0164】
ここで、第1基準値R1が2であるとする。第1例では、数NCaは第1基準値R1以上である。よって、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0165】
あるいは、第2基準値R2が50%であるとする。第1例では、比Aaは、第2基準値R2以上である。よって、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0166】
第3のリーク判定処理を、
図10(b)に示す第2例に適用する場合を説明する。
【0167】
制御部45は、第1判定期間J1を分割期間D1-D5に区分する。分割期間Dの数NDは、5である。制御部45は、移動距離LD1-LD5を算出する。ここで、第1閾値K1が50[pls]であり、第2閾値K2が500[pls]であるとする。制御部45は、分割期間D1-D3をそれぞれ、変化期間DCと特定する。変化期間DCの数NDは、3つである。移動距離LD1は、第2閾値K2以上である。よって、制御部45は、移動距離LD1を含む分割期間D1を、異常期間DAと特定する。移動距離LD2-LD3はそれぞれ、第2閾値K2未満である。よって、制御部45は、分割期間D2―D3を、異常期間DAと特定しない。異常期間DAの数NAは、1つである。異常期間DAを除く分割期間Dの数NDaは、4つである。異常期間DAを除く変化期間DCの数NCaは、2つである。数NDaに対する数NCaの比Aaは、50%である。
【0168】
ここで、第1基準値R1が2であるとする。第2例では、数NCaは第1基準値R1以上である。よって、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0169】
あるいは、第2基準値R2が50%であるとする。第2例では、比Aaは、第2基準値R2以上である。よって、制御部45は、リークが生じていると判定する。
【0170】
上述した第2閾値K2は、予め設定されている。第2閾値K2は、例えば、記憶部47に記憶されている。
【0171】
5-4.第4のリーク判定処理
第4のリーク判定処理は、判定期間Jにおける第1ピストン18の移動距離に基づいて、リークの有無を判定する。判定期間Jは、第1判定期間J1および第2判定期間J2の少なくともいずれかである。
【0172】
第1判定期間J1における第1ピストン18の移動距離を、移動距離LJと呼ぶ。移動距離LJは、第1時刻TJsにおける第1ピストン18の位置と、時刻TJeにおける第1ピストン18の位置との差である。移動距離LJは、絶対値である。
【0173】
制御部45は、第1時刻TJsにおける第1ピストン18の位置の検出結果と、時刻TJeにおける第1ピストン18の位置の検出結果とに基づいて、移動距離LJを算出する。第1時刻TJsにおける第1ピストン18の位置の検出結果は、
図9に示す位置PJsに相当する。時刻TJeにおける第1ピストン18の位置の検出結果は、
図9に示す位置PJeに相当する。
【0174】
制御部45は、移動距離LJに基づいて、リークの有無を判定する。
【0175】
例えば、制御部45は、移動距離LJと第3閾値K3と比較する。移動距離LJが第3閾値K3以上である場合、制御部45はリークが生じていると判定する。
【0176】
第2判定期間J2における第1ピストン18の移動距離は、定圧工程CCにおける第1ピストン18の移動距離LCに相当する。以下では、適宜に、第2判定期間J2における第1ピストン18の移動距離を、移動距離LCと記載する。上述の通り、移動距離LCは、時刻TCsにおける第1ピストン18の位置と、時刻TCeにおける第1ピストン18の位置との差である。移動距離LCは、絶対値である。
【0177】
制御部45は、時刻TCsにおける第1ピストン18の位置の検出結果と、時刻TCeにおける第1ピストン18の位置の検出結果とに基づいて、移動距離LCを算出する。時刻TCsにおける第1ピストン18の位置の検出結果は、
図6に示す位置PCsに相当する。時刻TCeにおける第1ピストン18の位置の検出結果は、
図6に示す位置PCeに相当する。
【0178】
制御部45は、移動距離LCに基づいて、リークの有無を判定する。
【0179】
例えば、制御部45は、移動距離LCと第4閾値K4と比較する。移動距離LCが第4閾値K4以上である場合、制御部45はリークが生じていると判定する。
【0180】
上述した第3閾値K3および第4閾値K4は、予め設定されている。第3閾値K3および第4閾値K4は、例えば、記憶部47に記憶されている。
【0181】
5-5.第5のリーク判定処理
第5のリーク判定処理は、判定期間Jにおける第1ピストン18の平均速度に基づいて、リークの有無を判定する。判定期間Jは、第1判定期間J1および第2判定期間J2の少なくともいずれかである。
【0182】
第1判定期間J1における第1ピストン18の速度を、平均速度VJと呼ぶ。平均速度VJは、移動距離LJを第1判定期間J1の時間長U1で除したものである。平均速度VJは、
図9に示す仮想線ILの傾きに相当する。仮想線ILは、位置PJsと位置PJeを結ぶ仮想的な直線である。
【0183】
制御部45は、第1時刻TJsにおける第1ピストン18の位置の検出結果と、時刻TJeにおける第1ピストン18の位置の検出結果とに基づいて、移動距離LJを算出する。制御部45は、移動距離LJと時間長U1から、平均速度VJを取得する。
【0184】
制御部45は、平均速度VJに基づいて、リークの有無を判定する。
【0185】
例えば、制御部45は、平均速度VJと第5閾値K5と比較する。平均速度VJが第5閾値K5以上である場合、制御部45はリークが生じていると判定する。
【0186】
第2判定期間J2における第1ピストン18の平均速度を、平均速度VCと呼ぶ。平均速度VCは、移動距離LCを第2判定期間J2の時間長U2で除したものである。
【0187】
制御部45は、時刻TCsにおける第1ピストン18の位置の検出結果と、時刻TCeにおける第1ピストン18の位置の検出結果とに基づいて、移動距離LCを算出する。制御部45は、移動距離LCと時間長U2から、平均速度VJを取得する。
【0188】
制御部45は、平均速度VCに基づいて、リークの有無を判定する。
【0189】
例えば、制御部45は、平均速度VCと第6閾値K6と比較する。平均速度VCが第6閾値K6以上である場合、制御部45はリークが生じていると判定する。
【0190】
上述した第5閾値K5および第6閾値K6は、予め設定されている。第5閾値K5および第6閾値K6は、例えば、記憶部47に記憶されている。
【0191】
5-6.第6のリーク判定処理
第6のリーク判定処理は、第2判定期間J2における第1ピストン18の移動距離LCを、推定する。
【0192】
図3を参照する。上述した通り、サイクル動作Cは、以下の第1条件で実行される。
[第1条件]
供給工程CSは、第1ピストン18を、第1距離L1だけ、移動させる。
第1充填工程CAは、第1ピストン18を、第1原点位置P0まで移動させる。
【0193】
言い換えれば、移動距離LSは、第1距離L1と等しい。位置PAeは、第1原点位置P0と等しい。
【0194】
第1条件の下では、位置PCe、PSs、PSe、PAsおよび移動距離LAはそれぞれ、移動距離LCに応じて変動する。すなわち、位置PCe、PSs、PSe、PAsおよび移動距離LAの各変動量は、移動距離LCと実質的に等しい。このため、位置PCe、PSs、PSe、PAsおよび移動距離LAの少なくともいずれかによって、移動距離LCを推定可能である。
【0195】
例えば、制御部45は、位置PCeに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、定圧工程CCが終了する時の第1ピストン18の1つの位置の検出結果に基づいて、位置PCeを取得する。制御部45は、位置PCeと第1原点位置P0との差を、移動距離LCと推定する。
【0196】
例えば、制御部45は、位置PSsに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、供給工程CSが始まる時の第1ピストン18の位置の検出結果に基づいて、位置PSsを取得する。制御部45は、位置PSsと第1原点位置P0との差を、移動距離LCと推定する。
【0197】
例えば、制御部45は、位置PSeに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、供給工程CSが終了する時の第1ピストン18の位置の検出結果に基づいて、位置PSeを取得する。制御部45は、位置PSeと第1基準位置RP1との差を、移動距離LCと推定する。ここで、第1基準位置RP1は、第1原点位置P0を正方向E1pに第1距離L1だけシフトした位置である。
【0198】
例えば、制御部45は、位置PAsに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、第1充填工程CAが始まる時の第1ピストン18の位置の検出結果に基づいて、位置PAsを取得する。制御部45は、位置PAsと第1基準位置RP1との差を、移動距離LCと推定する。
【0199】
例えば、制御部45は、移動距離LAに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、第1充填工程CAが始まる時の第1ピストン18の位置の検出結果と、第1充填工程CAが終了する時の第1ピストン18の位置の検出結果とに基づいて、移動距離LAを取得する。制御部45は、移動距離LAと第1距離L1との差を、移動距離LCと推定する。
【0200】
その後、制御部45は、推定された移動距離LCに基づいて、リークの有無を判定する。例えば、第4のリーク判定処理と同様に、制御部45は、推定された移動距離LCを第4閾値K4と比較する。
【0201】
あるいは、制御部45は、推定された移動距離LCを時間長U2で除することにより、平均速度VJを取得する。そして、制御部45は、平均速度VCに基づいて、リークの有無を判定する。例えば、第5のリーク判定処理と同様に、制御部45は、平均速度VCを第6閾値K6と比較する。
【0202】
上述した第1基準位置RP1は、予め設定されている。第1基準位置RP1は、例えば、記憶部47に記憶されている。
【0203】
6.効果
第1実施形態の基板処理方法は、供給工程CSを備える。このため、供給工程CSは、基板を適切に処理できる。
【0204】
基板処理方法は、検出工程とリーク判定工程と定圧工程CCを備える。検出工程は、第1ピストン18の位置を検出する。リーク判定工程は、検出工程によって得られた検出結果に基づいて、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を取得する。リーク判定工程は、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化に基づいてリークの有無を判定する。定圧工程CCは、第1弁32を閉じる。定圧工程CCは、第1ポンプ室12の圧力を目標値Fに保つように第1ピストン18の位置を調整する。このため、仮に定圧工程CCにおいてリークが発生する場合、定圧工程CCはリークの発生期間を長くすることができる。仮に定圧工程CCにおいてリークが発生する場合、定圧工程CCはリークを継続的に発生させることができる。ここで、判定期間Jの全部は、定圧工程が実行される期間に含まれる。したがって、リーク判定工程は、リークの有無を好適に判定できる。
【0205】
第1弁32は、入口ポート34と出口ポート35を備える。入口ポート34は、第1ポンプ室12に連通される。出口ポート35は、ノズル41に連通される。定圧工程CCは、第1ポンプ室12の圧力を、第1弁32の入口ポート34に付与する。このため、定圧工程CCは、第1弁32の入口ポート34が受ける圧力を、目標値Fに保つ。よって、仮に定圧工程CCにおいて第1弁32が処理液をリークする場合、定圧工程CCはリークの発生期間を好適に長くすることができる。
【0206】
目標値Fは、大気圧よりも高い。このため、定圧工程CCは、リークを好適に顕在化させることができる。よって、リーク判定工程CCは、リークの有無を好適に判定できる。
【0207】
高低差H1、および、高低差H2の少なくともいずれかが大きくなるにしたがって目標値Fが高くなるように、目標値Fは設定される。例えば、高低差H1が大きくなるにしたがって目標値Fが高くなるように、目標値Fは設定される。この場合、高低差H1に関わらず、定圧工程CCは、リークを適切に顕在化させることができる。例えば、高低差H2が大きくなるにしたがって目標値Fが高くなるように、目標値Fは設定される。この場合、高低差H2に関わらず、定圧工程CCは、リークを適切に顕在化させることができる。よって、リーク判定工程は、リークの有無を好適に判定できる。
【0208】
供給工程CSは、ノズル41を処理位置に配置させる。定圧工程CCは、ノズル41を待機位置に配置させる。定圧工程CCは、ノズル41を待機位置に配置させた状態で、リークを顕在化させる。このため、基板Wに対する処理の品質を好適に保つことができる。
【0209】
リーク判定工程(例えば、第2のリーク判定処理)は、第1ポンプ室12の容積を減少させる第1ピストン18の位置の変化と、第1ポンプ室12の容積を増大させる第1ピストン18の位置の変化とを区別する。このため、リーク判定工程は、リークの向きを好適に特定できる。
【0210】
リーク判定工程(例えば、第1-第4、第6-第8の判定処理)は、判定期間Jにおける第1ピストン18の移動距離に基づいて、リークの有無を判定する。このため、リーク判定工程は、リークの有無を適切に判定できる。
【0211】
判定期間Jにおける第1ピストン18の移動距離は、絶対値である。このため、リークの向きに関わらず、リーク判定工程は、リークの有無を判定できる。
【0212】
リーク判定工程(例えば、第5-第8のリーク判定処理)は、判定期間Jにおける第1ピストン18の平均速度に基づいて、リークの有無を判定する。このため、リーク判定工程は、リークの有無を適切に判定できる。
【0213】
判定期間Jは、第1判定期間J1を含む。第1判定期間J1は、第1時刻TJsから始まる。第1時刻TJsは、定圧工程CCが始まった後、第1ポンプ室12の圧力が初めて目標値Fの許容範囲G内になる時刻である。第1判定期間J1は、第1時刻TJsの前の期間を含まない。第1時刻TJsの前の期間では、定圧工程CCは、第1ポンプ室12の圧力を目標値Fに近づけるために、第1ピストン18を移動させる。よって、リーク判定工程は、リークの有無を精度良く判定できる。第1判定期間TJsは、第1時刻から始まる。すなわち、第1判定期間は、第1時刻TJsの直後の期間を含む。リークは、第1時刻TJsの直後の期間に、発生し易い。よって、リーク判定工程は、リークの有無を一層精度良く判定できる。
【0214】
第1判定期間J1の時間長U1は、例えば、8秒以下である。このように、第1判定期間J1は、比較的に短い。よって、リーク判定工程は、リークの有無を速やかに判定できる。
【0215】
リーク判定工程(例えば、第1のリーク判定処理)は、第1判定期間J1を、複数の分割期間Dに区分する。リーク判定工程は、各分割期間Dにおける第1ピストン18の移動距離LDを算出する。リーク判定工程は、第1ピストン18の移動距離LDが第1閾値K1以上である分割期間Dを、変化期間DCとして特定する。リーク判定処理は、変化期間DCの数NCに基づいて、リークの有無を判定する。変化期間DCの数NCを用いることにより、リーク判定工程は、第1ピストン18の位置の変化が継続的に発生しているか否かを好適に判別できる。例えば、数NCを用いることにより、リーク判定工程は、リークに起因する第1ピストン18の継続的な位置の変化と、リークに起因しない第1ピストン18の突発的な位置の変化とを好適に判別できる。上述の通り、定圧工程CCは、リークの発生期間を長くすることができる。よって、定圧工程CCとリーク判定工程との組み合わせにより、リークの有無を精度良く判定できる。
【0216】
分割期間Dの数NDは、例えば、8つ以下である。このように、数NDは、比較的に少ない。よって、リーク判定工程は、リークの有無を容易に判定できる。
【0217】
分割期間Dの数NDは、例えば、4つ以上である。このため、リーク判定工程は、リークに起因する第1ピストン18の継続的な位置の変化を好適に判別できる。
【0218】
リーク判定工程(例えば、第1の判定処理)は、分割期間Dの数NDに対する変化期間DCの数NCの比Aに基づいて、リークの有無を判定する。このため、リーク判定工程は、リークの有無を適切に判定できる。
【0219】
リーク判定工程(例えば、第3のリーク判定処理)は、第1ピストン18の移動距離LDが第1閾値K1よりも大きな第2閾値K2以上である変化期間DCを、異常期間DAとして特定する。リーク判定工程は、異常期間DAを除く変化期間DCの数NCaに基づいて、リークの有無を判定する。ここで、異常期間DAでは、第1ピストン18は過度に移動する。第1ピストンの過度の移動は、リークに起因しない可能性が高い。リーク判定工程は、変化期間DCの数NCから異常期間DAの数NAを除く。よって、リーク判定工程は、リークの有無を一層精度良く判定できる。
【0220】
リーク判定工程(例えば、第2のリーク判定処理)は、変化期間DCを正変化期間DCpと負変化期間DCnに分類する。リーク判定工程は、正変化期間DCpの数NCp、および、負変化期間DCnの数NCnに基づいて、リークの有無を判定する。このように、リーク判定工程は、リークの向きを考慮して、リークの有無を判定する。よって、リーク判定工程は、リークの有無を一層精度良く判定できる。例えば、リーク判定工程は、順方向リークの有無を好適に判定できる。リーク判定工程は、逆方向リークの有無を好適に判定できる。
【0221】
基板処理方法は、第1充填工程CAを備える。よって、第1ポンプ室12に処理液を好適に充填できる。
【0222】
供給工程CSは、第2弁37を閉じる。よって、供給工程CSは、処理液を基板Wに好適に供給できる。定圧工程CCは、第2弁37を閉じる。よって、定圧工程CCは、第1ポンプ室12の圧力を目標値Fに好適に保つことができる。
【0223】
基板処理方法は、上述した第1条件で、実行される。このため、リーク判定工程(例えば、第6のリーク判定処理)は、位置PCe、PSs、PSe、PAsおよび移動距離LAの少なくともいずれかの検出結果に基づいて、移動距離LCを好適に推定できる。
【0224】
基板処理装置1は、第1ポンプ室12と、第1ピストン18と、第1圧力センサ21と、第1位置センサ22と、第1弁32と、ノズル41と、制御部45を備える。制御部45は、リーク判定処理と定圧制御を行う。リーク判定処理では、制御部45は、第1位置センサ22の検出結果に基づいて、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を取得する。リーク判定処理では、制御部45は、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化に基づいて、リークの有無を判定する。定圧制御では、制御部45は、第1弁32を閉じる。定圧制御では、制御部45は、第1ポンプ室12の圧力を目標値Fに保つように、第1圧力センサ21の検出結果に基づいて第1ピストン18の位置を調整する。このため、仮に定圧制御が実行されるときにリークが発生する場合、定圧制御はリークの発生期間を長くすることができる。仮に定圧制御が実行されるときにリークが発生する場合、定圧制御はリークを継続的に発生させることができる。ここで、判定期間Jの全部は、定圧制御が実行される期間に含まれる。したがって、制御部45は、リーク判定処理によって、リークの有無を好適に判定できる。
【0225】
第2実施形態
以下、図面を参照して本発明の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0226】
図11は、第2実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す図である。第2実施形態に係る基板処理装置1は、処理液供給装置10以外の構成に関して、第1実施形態と略同じである。第2実施形態に係る基板処理装置1は、処理液供給装置10の構成の点で、第1実施形態と異なる。
【0227】
1.処理液供給装置10の構成
第1ポンプ11は、開口15、16に加えて、開口17を備える。開口17は、筐体13に形成される。開口17は、第1ポンプ室12に連通する。
【0228】
処理液供給装置10は、第2ポンプ51を備える。第2ポンプ51は、第1ポンプ11と略同じ構成を備える。
【0229】
第2ポンプ51は、第2ポンプ室52と筐体53とダイヤフラム54と開口55、56、57と第2ピストン58と第2駆動部59を備える。第2ポンプ室52と筐体53とダイヤフラム54と開口55、56、57と第2ピストン58と第2駆動部59はそれぞれ、第1ポンプ室12と筐体13とダイヤフラム14と開口15、16、17と第1ピストン18と第1駆動部19に対応する。
【0230】
図11は、正方向E2pおよび負方向E2nを示す。負方向E2nは、正方向E2pの反対方向である。第2ピストン58は、正方向E2pおよび負方向E2nに移動する。第2ピストン58が正方向E2pおよび負方向E2nに移動するとき、第2ピストン58は第2ポンプ室52に対して移動する。第2ピストン58が正方向E2pに移動するとき、第2ポンプ室52の容積は減少する。第2ピストン58が負方向E2nに移動するとき、第2ポンプ室52の容積は増大する。
【0231】
処理液供給装置10は、第2位置センサ62を備える。第2位置センサ62は、第2ピストン58の位置を検出する。第2位置センサ62は、例えば、第2駆動部59に取り付けられる。第2位置センサ62は、第1位置センサ22と略同じ構造を有する。
【0232】
処理液供給装置10は、配管71を備える。配管71は、第1ポンプ室12と第2ポンプ室52とを連通する。配管71は、第1端と第2端を有する。配管71の第1端は、開口16に接続される。配管71の第2端は、開口55に接続される。
【0233】
処理液供給装置10は、フィルタ81を備える。フィルタ81は、配管71に設けられる。フィルタ81は、処理液を濾過する。
【0234】
フィルタ81は、フィルタ本体82と複数(例えば3つ)の接続ポート83、84、85を備えている。フィルタ本体82は、濾過材と一次側流路と二次側流路(いずれも不図示)を含む。濾過材は、例えば多孔性の膜である。一次側流路は、濾過材の一次側に形成される処理液の流路である。二次側流路は、濾過材の二次側に形成される処理液の流路である。接続ポート83は、一次側流路に連通する。接続ポート84は、二次側流路に連通する。接続ポート83、84はそれぞれ、配管71に接続される。接続ポート83は、第2ポンプ室52に連通される。接続ポート84は、第1ポンプ室12に連通される。接続ポート85は、フィルタ本体82内の気体を排出するためのポートである。接続ポート85は、フィルタ本体82内の処理液も排出可能である。
【0235】
処理液供給装置10は、2つの弁72a、72bを備える。弁72a、72bはそれぞれ、配管71に設けられる。弁72aは、第1ポンプ室12とフィルタ81との間に配置される。弁72bは、第2ポンプ室52とフィルタ81との間に配置される。弁72a、72bはそれぞれ、配管71内における流路を開閉する。配管71内における流路は、第1ポンプ室12と第2ポンプ室52との間の第1流路に相当する。
【0236】
弁72a、72bを区別しない場合には、単に「第2弁72」と総称する。第2弁72は、第1ポンプ室12と第2ポンプ室52とに連通される。第2弁72は、ノズル41に連通されない。
【0237】
処理液供給装置10は、配管73を備える。配管73は、処理液供給源9と第2ポンプ室52とを連通接続する。配管73は、第1端と第2端を有する。配管73の第1端は、処理液供給源9に接続される。配管73の第2端は、開口56に接続される。
【0238】
処理液供給装置10は、第3弁74を備える。第3弁74は、配管73に設けられる。第3弁74は、配管73内における流路を開閉する。配管73内における流路は、第2ポンプ室52と処理液供給源9との間の流路に相当する。第3弁74は、第2ポンプ室52に連通される。第3弁74は、第1ポンプ室12に連通されない。第3弁74は、ノズル41に連通されない。
【0239】
処理液供給装置10は、配管75を備える。配管75は、第1ポンプ室12と第2ポンプ室52とを連通接続する。配管75は、配管71と並列に設けられる。配管75は、第1端と第2端を有する。配管75の第1端は、開口17に接続される。配管75の第2端は、開口57に接続される。
【0240】
処理液供給装置10は、第4弁76を備える。第4弁76は、配管75に設けられる。第4弁76は、配管75内における流路を開閉する。配管75内における流路は、第1ポンプ室12と第2ポンプ室52との間の第2流路に相当する。第4弁76は、第1ポンプ室12と第2ポンプ室52とに連通される。第4弁76は、ノズル41に連通されない。
【0241】
処理液供給装置10は、配管77を備える。配管77は、フィルタ81に連通接続される。配管77は、第1端と第2端を有する。配管77の第1端は、接続ポート85に接続される。配管77の第2端は、不図示の処理液回収部に接続される。
【0242】
処理液供給装置10は、第5弁78を備える。第5弁78は、配管77に設けられる。第5弁78は、配管77内における流路を開閉する。配管77内における流路は、第1流路から分岐された流路に相当する。
【0243】
制御部45は、第2駆動部59、第2位置センサ62、第2弁72、第3弁74、第4弁76、および、第5弁78に、通信可能に接続される。制御部45は、第2位置センサ62によって検出された検出結果を取得する。制御部45は、第2駆動部59を作動させる。制御部45は、第2弁72、第3弁74、第4弁76、および、第5弁78を開閉する。
【0244】
2.動作
第2実施形態の基板処理装置1の基本的な動作例を説明する。
図12は、基板処理装置1の動作の手順を示すフローチャートである。
【0245】
基板処理装置1は、サイクル動作Cを繰り返し行う。各サイクル動作Cは、第1充填工程CAと戻し工程CRと定圧工程CCと供給工程CSと第2充填工程CBを含む。第1充填工程CAと戻し工程CRと定圧工程CCと供給工程CSは、この順に実行される。第2充填工程CBは、戻し工程CRの後であって、第1充填工程CAの前に、実行される。
【0246】
[ステップS11:第1充填工程CA]
図13は、第1充填工程CAにおける基板処理装置1を示す図である。
図13は、便宜上、基板処理装置1を簡略に示す。第1充填工程CAは、第1流路を通じて第2ポンプ室52から第1ポンプ室12に処理液を送る。
【0247】
制御部45は、ノズル41を待機位置に配置させる。ノズル41は、ノズル待機部43に配置される。
【0248】
制御部51は、第1弁32を閉じる。制御部51は、第2弁72を開く。制御部51は、第3弁74を閉じる。制御部51は、第4弁76を閉じる。制御部51は、第5弁78を閉じる。制御部51は、第2ピストン58を正方向E2pに移動させる。第2ポンプ室52の容積は減少する。制御部51は、第1ピストン18を負方向E1nに移動させる。第1ポンプ室12の容積は増大する。第2ポンプ室52は、開口55を通じて、処理液を吐き出す。処理液は、第2ポンプ室52から、配管71、第2弁72およびフィルタ81を通じて、第1ポンプ室12に流れる。第1ポンプ室12は、開口16を通じて、処理液を吸い込む。これにより、第1ポンプ室12に処理液を充填する。
【0249】
図13は、第1充填工程CAが始まる時の第1ピストン18および第2ピストン58を実線で示す。
図13は、第1充填工程CAが終了する時の第1ピストン18および第2ピストン58を破線で示す。第1充填工程CAが始まる時の第2ピストン58の位置を、位置QAsと呼ぶ。第1充填工程CAが終了する時の第2ピストン58の位置を、位置QAeと呼ぶ。第1充填工程CAにおける第2ピストン58の移動距離を、移動距離MAと呼ぶ。移動距離MAは、位置QAsと位置QAeとの差である。移動距離MAは、絶対値である。
【0250】
[ステップS12:戻し工程CR]
図14は、戻し工程CRにおける基板処理装置1を示す図である。戻し工程CRは、第2流路を通じて第1ポンプ室12から第2ポンプ室52に処理液を戻す。戻し工程CRは、パージ工程とも呼ばれる。
【0251】
戻し工程CRにおいても、ノズル41は待機位置に配置される。
【0252】
制御部51は、第1弁32を閉じる。制御部51は、第2弁72を閉じる。制御部51は、第3弁74を開く。制御部51は、第4弁76を開く。制御部51は、第1ピストン18を正方向E1pに移動させる。第1ポンプ室12の容積は減少する。制御部51は、第2ピストン58を第2ポンプ室52に対して静止させる。第2ポンプ室52の容積は変わらない。第1ポンプ室12は、開口15を通じて、処理液を吐き出す。仮に第1ポンプ室12が気泡またはエアを含む場合、第1ポンプ室12は、気泡または空気を、処理液とともに吐き出す。処理液は、第1ポンプ室12から、配管75および第4弁76を通じて、第2ポンプ室52に流れる。さらに、処理液は、第2ポンプ室52から開口56を通じて、配管73に出る。
【0253】
図14は、戻し工程CRが始まる時の第1ピストン18および第2ピストン58を実線で示す。
図14は、戻し工程CRが終了する時の第1ピストン18を破線で示す。戻し工程CRが始まる時の第1ピストン18の位置を、位置PRsと呼ぶ。戻し工程CRが終了する時の第1ピストン18の位置を、位置PReと呼ぶ。戻し工程CRにおける第1ピストン18の移動距離を、移動距離LRと呼ぶ。移動距離LRは、位置PRsと位置PReとの差である。移動距離LRは、絶対値である。移動距離LRは、移動距離LAよりも小さい。
【0254】
[ステップS13:定圧工程CC]
図15は、定圧工程CCにおける基板処理装置1を示す図である。定圧工程CCは、第1ポンプ室12の圧力を一定に保つ。
【0255】
定圧工程CCにおいても、ノズル41は待機位置に配置される。
【0256】
制御部45は、定圧制御を行う。定圧制御では、制御部45は、第1弁32と第2弁72と第4弁76を閉じる。第1ポンプ室12は閉塞される。定圧制御では、制御部45は、第1ポンプ室12の圧力を目標値Fに保つように、第1ピストン18の位置を調整する。定圧制御では、制御部45は、第1圧力センサ21の検出結果に基づいて、第1ピストン18の位置を調整する。定圧工程CCでは、第1ポンプ室12の圧力は、第1弁32の入口ポート34に付与される。
【0257】
図15は、定圧工程CCが始まる時の第1ピストン18を実線で示す。
図15は、定圧工程CCが終了する時の第1ピストン18を破線で示す。
【0258】
[ステップS13:供給工程CS]
図16は、供給工程CSにおける基板処理装置1を示す図である。供給工程CSは、基板Wに処理液を供給する。
【0259】
制御部45は、ノズル41を処理位置に配置させる。基板保持部5は、基板Wを保持する。制御部45は、基板保持部5に保持される基板Wを回転させる。
【0260】
制御部45は、第1弁32を開く。制御部45は、第2弁72を閉じる。制御部45は、第4弁76を閉じる。制御部45は、第1ピストン18を正方向E1pに移動させる。第1ポンプ室12の容積は、減少する。第1ポンプ室12は、開口15を通じて、処理液を吐き出す。処理液は、配管31および第1弁32を介して、ノズル41に流れる。ノズル41は、処理液を基板Wに吐出する。カップ7は、基板Wから飛散された処理液を受ける。
【0261】
図16は、供給工程CSが始まる時の第1ピストン18を実線で示す。
図16は、供給工程CSが終了する時の第1ピストン18を破線で示す。
【0262】
[ステップS15:第2充填工程CB]
図15を参照する。
図15は、便宜上、定圧工程CCに加えて、第2充填工程CBも示す。第2充填工程CBは、第2ポンプ室52に処理液を充填する。
【0263】
制御部45は、第2弁72を閉じる。制御部45は、第3弁74を開く。制御部45は、第4弁76を閉じる。制御部45は、第2ピストン58を負方向E2nに移動させる。第2ポンプ室52の容積は増大する。処理液は、処理液供給源9から、配管73および第3弁74を通じて、第2ポンプ室52に流れる。第2ポンプ室52は、開口56を通じて、処理液を吸い込む。これにより、第2ポンプ室52に処理液を充填する。
【0264】
図15は、第2充填工程CBが始まる時の第2ピストン58を実線で示す。
図15は、第2充填工程CBが終了する時の第2ピストン58を破線で示す。第2充填工程CBが始まる時の第2ピストン58の位置を、位置QBsと呼ぶ。第2充填工程CBが終了する時の第2ピストン58の位置を、位置QBeと呼ぶ。第2充填工程CBにおける第2ピストン58の移動距離を、移動距離MBと呼ぶ。移動距離MBは、位置QBsと位置QBeとの差である。移動距離MBは、絶対値である。
【0265】
供給工程CSおよび第2充填工程CBの両方が終了することによって、1つのサイクル動作Cが終了する。1つのサイクル動作Cが終了した後、新たなサイクル動作Cが始まる。すなわち、第1充填工程CAが始まる。
【0266】
図17(a)は、第1ピストン18の位置の時間的な変化を示すグラフである。
図17(b)は、第2ピストン58の位置の時間的な変化を示すグラフである。
【0267】
図17(a)を参照する。戻し工程CRが始まる時は、例えば、第1充填工程CAが終了する時と同時である。定圧工程CCが始まる時は、例えば、戻し工程CRが終了する時と同時である。第1充填工程CAが始まる時は、例えば、供給工程CSが終了する時と同時である。
【0268】
第1充填工程CAでは、制御部45は、第1ピストン18を、第1原点位置P0まで移動させる。すなわち、位置PAeは、常に、第1原点位置P0である。
【0269】
戻し工程CRでは、位置PRsは、位置PAeと実質的に等しい。このため、位置PRsは、第1原点位置P0と実質的に等しい。戻し工程CRでは、制御部45は、第1ピストン18を、第2距離L2だけ、移動させる。すなわち、移動距離LRは、常に、第2距離L2である。位置PReは、第1原点位置P0を正方向E1pに第2距離L2だけシフトした位置である。
【0270】
定圧工程では、位置PCsは、位置PReと実質的に等しい。複数のサイクル動作Cの間で、移動距離LCは、ばらつくことがある。位置PCeは、移動距離LCに応じて変動する。
【0271】
供給工程では、位置PSsは、位置PCeと実質的に等しい。このため、位置PSsは、移動距離LCに応じて変動する。供給工程CSでは、制御部45は、第1ピストン18を、第1距離L1だけ、移動させる。位置PSeは、位置PSsを正方向E1pに第1距離L1だけ、シフトした位置である。位置PSeは、移動距離LCに応じて変動する。
【0272】
第1充填工程CAでは、位置PAsは、位置PSeと実質的に等しい。このため、位置PAsは、移動距離LCに応じて変動する。位置PAeは、上述の通り、第1原点位置P0である。このため、移動距離LAも、移動距離LCに応じて変動する。
【0273】
図17(b)を参照する。第2充填工程CBが始まる時は、例えば、戻し工程CRが終了する時と同時である。第2充填工程CBが始まる時は、例えば、定圧工程CCが始まる時と同時である。
【0274】
第1充填工程CAが始まる時、位置QAsは、常に、第2原点位置Q0である。第1充填工程CAでは、制御部45は、第1ピストン18が第1原点位置P0に到達するまで、第2ピストン58を移動させる。移動距離MAは、移動距離LAによって決まる。移動距離MAは、移動距離LAに比例する。例えば、移動距離MAは、移動距離LAと同じである。上述の通り、移動距離LAは、移動距離LCに応じて変動する。よって、移動距離MAは、移動距離LCに応じて変動する。位置QAeも、移動距離LCに応じて変動する。
【0275】
戻し工程CRでは、第2ピストン58は、実質的に位置QAeに保たれる。
【0276】
第2充填工程CBでは、位置QBsは、位置QAeと実質的に等しい。このため、位置QBsは、移動距離LCに応じて変動する。第2充填工程CBでは、制御部45は、第2ピストン58を、第2原点位置Q0まで移動させる。すなわち、位置QBeは、常に、第2原点位置Q0である。移動距離MBは、移動距離MAと実質的に等しい。よって、移動距離MBも、移動距離LCに応じて変動する。
【0277】
上述した第2原点位置Q0および第2距離L2は、予め設定されている。第2原点位置Q0および第2距離L2は、例えば、記憶部47に記憶されている。第2原点位置Q0および第2距離L2はそれぞれ、既知である。
【0278】
[ステップS16:検出工程]
図12を参照する。基板処理装置1は、サイクル動作Cと並行して、検出工程を行う。検出工程は、例えば、第1充填工程CA、戻し工程CR、定圧工程CC、供給工程CSおよび第2充填工程CBが実行される期間にわたって、行われる。検出工程では、第1圧力センサ21は、第1ポンプ室12の圧力を検出する。検出工程では、第1位置センサ22は、第1ピストン18の位置を検出する。検出工程では、第2位置センサ62は、第2ピストン58の位置を検出する。第1圧力センサ21は、第1圧力センサ21の検出結果を、制御部45に出力する。第1位置センサ22は、第1位置センサ22の検出結果を、制御部45に出力する。第2位置センサ62は、第2位置センサ62の検出結果を、制御部45に出力する。
【0279】
[ステップS17:リーク判定工程]
基板処理装置1は、サイクル動作Cおよび検出工程と並行して、リーク判定工程を行う。リーク判定工程では、制御部45は、リーク判定処理を行う。リーク判定処理では、制御部45は、検出工程によって得られた検出結果に基づいて判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化を取得する。リーク判定処理では、制御部45は、判定期間Jにおける第1ピストン18の位置の変化に基づいて、リークの有無を判定する。
【0280】
図17(a)を参照する。
図17(a)は、判定期間Jを例示する。判定期間Jの全部は、定圧工程CCが実行される期間に含まれる。すなわち、判定期間Jは、定圧工程CCが実行されない期間を含まない。判定期間Jは、定圧工程CCが実行される期間の少なくとも一部である。判定期間Jは、第1判定期間J1および第2判定期間J2の少なくともいずれかを含む。
【0281】
3.リーク判定工程(リーク判定処理)の詳細
第2実施形態では、第1実施形態で説明した第1-第5のリーク判定処理を、適用できる。第2実施形態では、第1実施形態で説明した第6のリーク判定処理を、若干変更した上で、適用できる。さらに、第2実施形態では、第2ピストン58の位置の検出結果に基づいて、第2判定期間J2における第1ピストン18の移動距離を推定できる。第7、第8のリーク判定処理を例示する。
【0282】
3-1.第7のリーク判定処理
第7のリーク判定処理は、第6のリーク判定処理を、第2実施形態のために変更したものである。第7のリーク判定処理は、第2判定期間J2における第1ピストン18の移動距離LCを推定する。
【0283】
上述した通り、サイクル動作Cは、以下の第2条件で実行される。
[第2条件]
供給工程CSは、第1ピストン18を、第1距離L1だけ、移動させる。
第1充填工程CAは、第1ピストン18を、第1原点位置P0まで移動させる。
第1充填工程CAは、第1ピストン18が第1原点位置P0に到達するまで、第2ピストン58を移動させる。
第2充填工程CBは、第2ピストン58を、第2原点位置Q0まで移動させる。
戻し工程CRは、第1ピストン18を、第2距離L2だけ、移動させる。
【0284】
言い換えれば、移動距離LSは、第1距離L1と等しい。位置PAeは、第1原点位置P0と等しい。移動距離MAは、移動距離LAによって決まる。位置QBeは、第2原点位置Q0と等しい。移動距離LRは、第2距離L2と等しい。
【0285】
第2条件の下でも、位置PCe、PSs、PSe、PAsおよび移動距離LAはそれぞれ、移動距離LCに応じて変動する。このため、位置PCe、PSs、PSe、PAsおよび移動距離LAの少なくともいずれかによって、移動距離LCを推定可能である。
【0286】
例えば、制御部45は、位置PCeに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、定圧工程CCが終了する時の第1ピストン18の1つの位置の検出結果に基づいて、位置PCeを取得する。制御部45は、位置PCeと第2基準位置RP2との差を、移動距離LCと推定する。ここで、第2基準位置RP2は、第1原点位置P0を正方向E1pに第2距離L2だけシフトした位置である。
【0287】
例えば、制御部45は、位置PSsに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、供給工程CSが始まる時の第1ピストン18の位置の検出結果に基づいて、位置PSsを取得する。制御部45は、位置PSsと第2基準位置RP2との差を、移動距離LCと推定する。
【0288】
例えば、制御部45は、位置PSeに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、供給工程CSが終了する時の第1ピストン18の位置の検出結果に基づいて、位置PSeを取得する。制御部45は、位置PSeと第3基準位置RP3との差を、移動距離LCと推定する。ここで、第3基準位置RP3は、正方向E1pに第3距離L3だけ、第1原点位置P0をシフトした位置である。第3距離L3は、第1距離L1と第2距離L2の合計である。
【0289】
例えば、制御部45は、位置PAsに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、第1充填工程CAが始まる時の第1ピストン18の位置の検出結果に基づいて、位置PAsを取得する。制御部45は、位置PAsと第3基準位置RP3との差を、移動距離LCと推定する。
【0290】
例えば、制御部45は、移動距離LAに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、第1充填工程CAが始まる時の第1ピストン18の位置の検出結果と、第1充填工程CAが終了する時の第1ピストン18の位置の検出結果と、に基づいて、移動距離LAを取得する。制御部45は、移動距離LAと第3距離L3との差を、移動距離LCと推定する。
【0291】
制御部45は、推定された移動距離LCに基づいて、リークの有無を判定する。例えば、第4のリーク判定処理と同様に、制御部45は、推定された移動距離LCを第4閾値K4と比較する。
【0292】
あるいは、制御部45は、推定された移動距離LCを時間長U2で除することにより
、平均速度VCを取得する。そして、制御部45は、平均速度VCに基づいて、リークの有無を判定する。例えば、第5のリーク判定処理と同様に、制御部45は、平均速度VCを第6閾値K6と比較する。
【0293】
上述した第2基準位置RP2、第3基準位置RP3および第3距離L3は、予め設定されている。第2基準位置RP2、第3基準位置RP3および第3距離L3は、例えば、記憶部47に記憶されている。
【0294】
3-2.第8のリーク判定処理
第8のリーク判定処理は、第2ピストン58の位置の検出結果に基づいて、第2判定期間J2における第1ピストン18の移動距離LCを推定する。
【0295】
第2条件の下では、位置QAe、QBsおよび移動距離MA、MBはそれぞれ、移動距離LCに応じて変動する。このため、位置QAe、QBsおよび移動距離MA、MBの少なくともいずれかによって、移動距離LCを推定可能である。
【0296】
例えば、制御部45は、位置QAeに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、第1充填工程CAが終了する時の第2ピストン58の位置の検出結果に基づいて、位置QAeを取得する。制御部45は、位置QSeと基準位置RQ1との差を、移動距離LCと推定する。ここで、基準位置RQ1は、正方向E2pに距離M3だけ、第2原点位置Q0をシフトした位置である。距離M3と第3距離L3との間には、以下の関係が成立する。第2ピストン58が距離M3だけ移動するときの第2ポンプ室52の容積の変化量は、第1ピストン18が第3距離L3だけ移動するときの第1ポンプ室12の容積の変化量と等しい。距離M3は、例えば、第3距離L3に比例定数を乗じたものである。距離M3は、例えば、第3距離L3と等しい。
【0297】
例えば、制御部45は、位置QBsに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、第2充填工程CBが始まる時の第2ピストン58の位置の検出結果に基づいて、位置QBsを取得する。制御部45は、位置QBsと基準位置RQ1との差を、移動距離LCと推定する。
【0298】
例えば、制御部45は、移動距離MAに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、第1充填工程CAが始まる時の第2ピストン58の位置の検出結果と、第1充填工程CAが終了する時の第2ピストン58の位置の検出結果と、に基づいて、移動距離MAを取得する。制御部45は、移動距離MAと距離M3との差を、移動距離LCと推定する。
【0299】
例えば、制御部45は、移動距離MBに基づいて、移動距離LCを推定する。具体的には、制御部45は、第2充填工程CBが始まる時の第2ピストン58の位置の検出結果と、第2充填工程CBが終了する時の第2ピストン58の位置の検出結果と、に基づいて、移動距離MBを取得する。制御部45は、移動距離MBと距離M3との差を、移動距離LCと推定する。
【0300】
制御部45は、推定された移動距離LCに基づいて、リークの有無を判定する。例えば、第4のリーク判定処理と同様に、制御部45は、推定された移動距離LCを第4閾値K4と比較する。
【0301】
あるいは、制御部45は、推定された移動距離LCと時間長U2から、平均速度VCを取得する。そして、制御部45は、平均速度VCに基づいて、リークの有無を判定する。例えば、第5のリーク判定処理と同様に、制御部45は、平均速度VCを第6閾値K6と比較する。
【0302】
上述した基準位置RQ1および距離M3は、予め設定されている。基準位置RQ1および距離M3は、例えば、記憶部47に記憶されている。
【0303】
4.効果
第2実施形態によれば、実施形態1と同様の効果を奏する。さらに、第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0304】
第2実施形態の基板処理方法は、第2充填工程CBを備える。よって、第2充填工程CBは、第2ポンプ室52に処理液を好適に充填できる。
【0305】
第1充填工程CAは、第2ポンプ室52から第2弁72を介して第1ポンプ室12に処理液を送る。よって、第1充填工程CAは、第2ポンプ室52を用いて、第1ポンプ室12に処理液を好適に充填できる。
【0306】
供給工程CSは、第2弁72を閉じる。定圧工程CCは、第2弁72を閉じる。よって、供給工程CSおよび定圧工程CCを適切に実行できる。
【0307】
基板処理方法は、戻し工程CRを備える。よって、基板Wに対する処理の品質を好適に保つことができる。
【0308】
供給工程CS、定圧工程CC、第1充填工程CA、および、第2充填工程CBは、第4弁76を閉じる。よって、供給工程CS、定圧工程CC、第1充填工程CA、および、第2充填工程CBを好適に実行できる。
【0309】
第2実施形態の基板処理方法は、上述した第2条件で、実行される。このため、リーク判定工程(例えば、第7-第8リーク判定処理)は、位置PCe、PSs、PSe、PAs、移動距離LA、位置QAe、QBsおよび移動距離MA、MBの少なくともいずれかの検出結果に基づいて、移動距離LCを好適に推定できる。
【0310】
第2条件に規定される通り、戻し工程CRは、第1ピストン18を、第2距離L2だけ移動させる。このため、基板処理方法が戻り工程CRを含む場合であっても、第1実施形態と同様に、位置PCe、PSs、PSe、PAs、および、移動距離LAは、移動距離LCに応じて、変動する。よって、リーク判定工程は、第1実施形態で説明した第6のリーク判定処理と類似する第7のリーク判定処理を、好適に使用できる。
【0311】
本発明は、第1、第2実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0312】
(1)第2の判定処理と第3の判定処理を組み合わせてもよい。例えば、リーク判定工程は、異常期間DAを除く正変化期間DCpの数NCpa、および、異常期間DAを除く負変化期間DCnの数NCpnを計数してもよい。そして、リーク判定工程は、数NCpa、および、数NCpnに基づいて、リークの有無を判定してもよい。
【0313】
(2)第2の判定処理では、リーク判定工程は、変化期間DCを正変化期間DCpと負変化期間DCnに分類した。すなわち、正変化期間DCpにおける移動距離LDも、負変化期間DCnにおける移動距離LDも、第1閾値K1以上である。但し、これに限られない。例えば、リーク判定工程は、第1ピストン18の移動距離LDが正方向E1pに第7閾値K7以上である分割期間Dを、正変化期間DCpとして特定してもよい。例えば、リーク判定工程は、第1ピストン18の移動距離LDが負方向E1nに第8閾値K8以上である分割期間Dを、負変化期間DCnとして特定してもよい。ここで、第8閾値K8は、第7閾値K7とは異なる。これによれば、リーク判定工程は、順方向リークの有無、および、逆方向リークの有無を一層精度良く判定できる。
【0314】
(3)第1の判定処理では、数NCを1つの第1基準値R1と比較した。但し、これに限られない。例えば、数NCを複数の基準値と比較してもよい。例えば、リーク判定工程は、数NCを第7基準値R7および第8基準値R8と比較してもよい。ここで、第8基準値R8は、第7基準値R7よりも大きい。そして、数NCが第7基準値R7未満である場合は、リーク判定工程は、リークが生じていない(レベル1)と判定する。数NCが第7基準値R7以上で第8基準値R8未満である場合は、リーク判定工程は、リークが生じている可能性がある(レベル2)と判定する。数NCが第8基準値R8以上である場合は、リーク判定工程は、リークが生じている可能性が高い(レベル3)と判定する。このように、リーク判定工程は、3つ以上のレベルを用いて、リークの有無を判定してもよい。
【0315】
(4)第1の判定処理では、比Aを第2基準値R2と比較した。但し、これに限られない。例えば、比Aを第2基準値R2と比較しなくてもよい。例えば、リーク判定工程は、比Aに基づいてリークの発生確率を特定してもよい。例えば、リーク判定工程は、リークの発生確率を用いて、リークの有無を判定してもよい。
【0316】
(5)第1実施形態において、サイクル動作Cに含まれる各工程の順序を適宜に変更してもよい。第1実施形態では、第1充填工程CAと定圧工程CCと供給工程CSを、この順に実行した。但し、これに限られない。例えば、第1充填工程CAと供給工程CSと定圧工程CCとを、この順に実行してもよい。同様に、第2実施形態において、サイクル動作Cに含まれる各工程の順序を適宜に変更してもよい。
【0317】
(6)第2実施形態の基板処理方法は、戻し工程CRを備えた。但し、これに限られない。例えば、戻し工程CRを省いてもよい。この場合、第7―第8の判定処理では、第2距離L2を零とみなす。
【0318】
(7)第1実施形態において、リークが生じているとリーク判定工程が判定した場合、その後のサイクル動作C(供給工程CS)を中止してもよい。これにより、基板Wに対する処理の品質が低下することを未然に防止できる。あるいは、リークが生じているとリーク判定工程が判定した場合、ノズル待機部43においてノズル41からダミーディスペンスを実行してもよい。これにより、ノズル41内の処理液の液位を適切に修正できる。他方、リークが生じていないとリーク判定工程が判定した場合、ダミーディスペンスを省略してもよい。これにより、基板Wに対する処理の品質を保ちつつ、処理液の消費量を効果的に低減できる。
【0319】
(8)第1実施形態では、第1ピストン18の位置をパルス数で表記した。但し、これに限られない。例えば、第1ピストン18の位置を、第1原点位置P0からの距離で表記してもよい。
【0320】
(9)高低差H1、H2と目標値Fとの関係について、説明する。
図18は、変形実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す図である。
図18は、基板処理装置1を簡略に示す。なお、第1実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0321】
基板処理装置1は、2つの処理ユニット3a、3bを備える。処理ユニット3aの要素の符号には、適宜に「a」を付す。処理ユニット3bの要素の符号には、適宜に「b」を付す。
【0322】
処理ユニット3aは、チャンバ4aを備える。チャンバ4aは、ノズル41a等を収容する。処理ユニット3bは、チャンバ4bを備える。チャンバ4bは、ノズル41b等を収容する。チャンバ4a、4bは、鉛直方向Zに積層される。チャンバ4bは、チャンバ4aの下方に配置される。
【0323】
処理ユニット3aは、処理液供給装置10aを備える。処理液供給装置10aは、第1ポンプ室12aを備える。処理ユニット3bは、処理液供給装置10bを備える。処理液供給装置10bは、第1ポンプ室12bを備える。第1ポンプ室12a、12bはそれぞれ、チャンバ4a、4bの外部に配置される。第1ポンプ室12a、12bはそれぞれ、チャンバ4a、4bよりも下方に配置される。第1ポンプ室12bは、第1ポンプ室12aと略同じ高さ位置に配置される。
【0324】
第1弁32aは、チャンバ4aと略同じ高さ位置に配置される。第1弁32bは、チャンバ4bと略同じ高さ位置に配置される。
【0325】
第1ポンプ室12aと第1弁32aとの間の高低差H1aは、第1ポンプ室12bと第1弁32bとの間の高低差H1bよりも大きい。第1ポンプ室12aとノズル41aとの間の高低差H2aは、第1ポンプ室12bとノズル41bとの間の高低差H2bよりも大きい。
【0326】
定圧工程CCは、第1ポンプ室12aの圧力を目標値Faに保つように、第1ピストン18aの位置を調整する。定圧工程CCは、第1ポンプ室12bの圧力を目標値Fbに保つように、第1ピストン18bの位置を調整する。ここで、目標値Fbは、目標値Faよりも小さい。例えば、目標値Faは、20kPaである。例えば、目標値Faは、10kPaである。
【0327】
このように、高低差H1が大きくなるにしたがって目標値Fが高くなるように、目標値Fが設定される。よって、高低差H1が大きい場合であっても、小さい場合であっても、定圧工程CCは、リークを適切に顕在化させることができる。さらに、高低差H2が大きくなるにしたがって目標値Fが高くなるように、目標値Fが設定される。よって、高低差H2が大きい場合であっても、小さい場合であっても、定圧工程CCは、リークを適切に顕在化させることができる。
【0328】
(10)第1、第2実施形態では、処理液として、塗膜材料を例示した。但し、これに限られない。処理液は、例えば、薬液、溶剤および純水の少なくともいずれかでもよい。
【0329】
(11)上述した第1、第2実施形態および上記(1)から(10)で説明した各変形実施形態については、さらに各構成を他の変形実施形態の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
【符号の説明】
【0330】
1 … 基板処理装置
12 … 第1ポンプ室
18 … 第1ピストン
21 … 第1圧力センサ
22 … 第1位置センサ
32 … 第1弁
33 … 弁本体
34 … 入口ポート
35 … 出口ポート
37 … 第2弁
41 … ノズル
44 … ノズル待機部
45 … 制御部
47 … 記憶部
52 … 第2ポンプ室
58 … 第2ピストン
62 … 第2位置センサ
72 … 第2弁
74 … 第3弁
76 … 第4弁
78 … 第6弁
A … 分割期間に対する変化期間の比
CA … 第1充填工程
CB … 第2充填工程
CC … 定圧工程
CR … 戻し工程
CS … 供給工程
D、D1-D5 … 分割期間
DA … 異常期間
DC … 変化期間
DCp … 正変化期間
DCn … 負変化期間
E1n … 第1ピストンの正方向
E1p … 第1ピストンの負方向
E2n … 第2ピストンの正方向
E2p … 第2ピストンの負方向
F、Fa、Fb … 目標値
G … 許容範囲
H1、H1a、H1b … 第1ポンプ室と第1弁との間の高低差
H2、H2a、H2b … 第1ポンプ室とノズルとの間の高低差
J … 判定期間
J1 … 第1判定期間
J2 … 第2判定期間(定圧工程が実行される期間)
K1―K8 … 第1-第8閾値
LC … 定圧工程における第1ピストンの移動距離(第2判定期間における第1ピストンの移動距離)
LD、LD1-LD5 … 分割期間における第1ピストンの移動距離
LA … 第1充填工程における第1ピストンの移動距離
LJ … 第1判定期間における第1ピストンの移動距離
LR … 戻し工程における第1ピストンの移動距離
LS … 供給工程における第1ピストンの移動距離
L1 … 第1距離
L2 … 第2距離
MA … 第1充填工程における第2ピストンの移動距離
MB … 第2充填工程における第2ピストンの移動距離
NA … 異常期間の数
NC … 変化期間の数
NCa … 異常期間を除く変化期間の数
NCp … 正変化期間の数
NCn … 負変化期間の数
ND … 分割期間の数
NDa … 異常期間を除く分割期間の数
PAs … 第1充填工程が始まる時の第1ピストンの位置
PAe … 第1充填工程が終了する時の第1ピストンの位置
PCs … 定圧工程が始まる時の第1ピストンの位置
PCe … 定圧工程が終了する時の第1ピストンの位置
PRs … 戻し工程が始まる時の第1ピストンの位置
PRe … 戻し工程が終了する時の第1ピストンの位置
PSs … 供給工程が始まる時の第1ピストンの位置
PSe … 供給工程が終了する時の第1ピストンの位置
P0 … 第1原点位置
QAs … 第1充填工程が始まる時の第2ピストンの位置
QAe … 第1充填工程が終了する時の第2ピストンの位置
QBs … 第2充填工程が始まる時の第2ピストンの位置
QBe … 第2充填工程が終了する時の第2ピストンの位置
Q0 … 第2原点位置
R1-R6 … 第1-第6基準値
RP1-RP3 … 第1-第3基準位置
RQ1 … 基準位置
TJs … 第1時刻
U1 … 第1判定期間の時間長
U2 … 第2判定期間の時間長
VJ … 第1判定期間における第1ピストンの平均速度
VC … 第2判定期間における第1ピストンの平均速度