(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】非接触タグ及び情報付加部材付物品
(51)【国際特許分類】
G06K 19/08 20060101AFI20240711BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G06K19/08 030
G06K19/07 230
(21)【出願番号】P 2020181566
(22)【出願日】2020-10-29
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【氏名又は名称】池見 智治
(72)【発明者】
【氏名】中川 文寛
(72)【発明者】
【氏名】新治 健
(72)【発明者】
【氏名】西 剛史
(72)【発明者】
【氏名】松本 哲征
【審査官】田中 啓介
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-070787(JP,A)
【文献】特開2006-044740(JP,A)
【文献】特開2006-078980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D41/00-67/00
B65D23/00-25/56
B65G1/137
G05B19/418
G05B23/00-23/02
G06K7/00-7/14
G06K17/00-19/18
G06Q10/00-99/00
G16Z99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品と、
タグリーダにより非接触で読取り可能な管理情報を記憶する非接触タグと、
目視によって前記物品の仕様を判別するための外観を有する情報付加部材と、
を備え、
前記情報付加部材は、塗装されたとしても前記仕様を目視で判別可能な効果を維持できる判別性を有し、
前記非接触タグと前記情報付加部材とは別部材であり、前記物品に別箇所に取付けられている、非接触タグ及び情報付加部材付物品。
【請求項2】
請求項1記載の非接触タグ及び情報付加部材付物品であって、
前記情報付加部材は、形状違いによって前記物品の仕様を判別するための外観を呈する、非接触タグ及び情報付加部材付物品。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の非接触タグ及び情報付加部材付物品であって、
前記物品は、容器本体部と、前記容器本体部の内部空間を外部に連通させる口部とを含み、
前記非接触タグは、前記口部内に配置される、非接触タグ及び情報付加部材付物品。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の非接触タグ及び情報付加部材付物品であって、
前記情報付加部材は、前記物品に着脱可能に取付けられる取付部と、情報付加本体部と、前記取付部と前記情報付加本体部とを連結する連結部とを含む、非接触タグ及び情報付加部材付物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、非接触IDタグを用いて物品を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、1台の印刷システムによって画像情報の印刷とRFIDタグへの情報の書き込みを行うことを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RFIDタグに書き込まれた情報は、目視によっては確認できない。
【0005】
そこで、本開示は、非接触タグが取付けられる物品に関する情報を、非接触タグ用のタグリーダを用いなくても容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、非接触タグ及び情報付加部材付物品は、物品と、タグリーダにより非接触で読取り可能な管理情報を記憶する非接触タグと、目視によって前記物品の仕様を判別するための外観を有する情報付加部材と、を備え、前記情報付加部材は、塗装されたとしても前記仕様を目視で判別可能な効果を維持できる判別性を有し、前記非接触タグと前記情報付加部材とは別部材であり、前記物品に別箇所に取付けられているものである。
【発明の効果】
【0007】
この非接触タグ及び情報付加部材付物品によると、非接触タグが取付けられる物品に関する情報を、非接触タグ用のタグリーダを用いなくても容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】管理の対象となる物品の一例及びその処理例を示す説明図である。
【
図2】物品管理方法の処理を示すフローチャートである。
【
図3】物品管理方法を物品の製造方法に適用した例を示す説明図である。
【
図4】端末装置、非接触タグ及び情報付加用非接触タグを示すブロック図である。
【
図7】物品管理方法の他の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る物品管理方法について説明する。本管理方法は、物品の処理方法又は物品の製造方法に対して適用可能な方法である。
図1は管理の対象となる物品10の一例及びその処理例を示す説明図である。
【0010】
物品10は、複数の仕様に分けて管理される物品である。例えば、物品10は、共通する部品に対して、複数の仕様に応じて、互いに異なる処理が施される部品である。物品10の具体的な例は、塗装処理を含む外観処理がなされる塗装対象物である。複数の物品10は、同じ外観形状を有するか、外観上区別困難な程度に類似する外観形状を有する。
【0011】
物品10は、容器本体部12と、口部14とを含んでもよい。容器本体部12は、内部空間を有する。本実施形態では、容器本体部12は、底面上に偏平な球状囲い部が形成された形状である。球状囲い部の上部に、内部空間を外部に連通させる口部14が形成される。また、容器本体部12の底部の下方に、物品10を固定対象物にネジ止等によって固定するための孔16hを有する固定片16が突出している。ここでは、3つの孔16hが例示されている。物品10は、例えば、鞍乗型乗物における燃料タンクである。
【0012】
物品10に対して塗装処理を含む外観処理がなされることによって、当該物品10が複数の仕様に分けて管理される。例えば、物品10に対して、各仕様に共通なベース色が塗装された後、追加の塗装の有無、追加塗装された色種、塗装パターン、貼付けられたステッカの種類等に応じて、複数の仕様に分けて管理される。
図1では、物品10に対してベース色が塗装された物品10(1)、物品10に対してベース色を塗装した後で上半部に追加塗装がなされた2トーンカラーの物品10(2)、ベース色が塗布された物品に第1ステッカ18A(例えば“ABC“の文字)が貼付けられた物品10(3)、2トーンカラーの物品に第1ステッカ18A(例えば“ABC“の文字)が貼付けられた物品10(4)、ベース色が塗布された物品に第2ステッカ18B(例えば“123“の文字)が貼付けられた物品10(5)が例示される。
【0013】
物品10に対しては非接触タグ20を取付けておけば、当該非接触タグ20から読取った情報に基づいて、複数の仕様を管理することができる。例えば、非接触タグ20に割当てられた管理情報(固有の識別符号)に対していずれかの仕様を対応付けた対応付け情報を準備しておく。そして、各処理工程において、非接触タグ20から管理情報を読取り、その管理情報に基づき対応付け情報を参照すれば、当該物品10に対して行うべき処理を特定することができる。これにより、各物品10に対して必要とされる処理を行って、複数の物品10に対する仕様管理を行うことができる。
【0014】
ところで、非接触タグ20に割当てられた管理情報に基づいて仕様の管理を行うためには、非接触タグ20を非接触で読取るタグリーダが必要となる。物品10の仕様を、タグリーダが無くても把握することができれば、便利である。
【0015】
そこで、本実施形態では、複数の仕様を情報付加部材30によって表現することとした。情報付加部材30は、外部から観察可能な状態で物品10に取付けられる部材である。複数の仕様に対して、情報付加部材30の組合せが対応付けられる。情報付加部材30の組合せは、少なくとも1つの情報付加部材30から0個以上選ぶ組合せである。例えば、情報付加部材30として1種類準備される場合、情報付加部材30の組合せは、当該情報付加部材30が無い場合及び存在する場合の2通りである。また、例えば、情報付加部材30が3種類準備される場合、情報付加部材30の組合せは8通りである。
【0016】
図1に示す例では、2種類の情報付加部材30が準備され、それぞれの情報付加部材30に仕様を構成する部分的な構成要素が対応付けられる。以下の説明において、情報付加部材30を種類で区別する場合、情報付加部材30A、30B、30Cとして区別する場合がある。
【0017】
例えば、1つ目の情報付加部材30は、外観が三角形である部分を含む情報付加部材30Aである。この情報付加部材30Aに対しては、例えば、物品10の上半部分に別色を塗装して2トーンカラーとする仕様が対応付けられる。このため、物品10に三角形状部分を含む情報付加部材30Aが取付けられている場合、作業者は、当該情報付加部材30Aを認識して、物品10の上半部分に別色を塗装して2トーンカラーとする処理を施し、物品10(2)、10(3)を製造するための作業を実施することができる。
【0018】
また、例えば、2つ目の情報付加部材30は、外観が四角形である部分を含む情報付加部材30Bである。この情報付加部材30Bに対しては、例えば、物品10に第1ステッカ18A(例えば“ABC“の文字)を貼付けた仕様が対応付けられる。このため、物品10に四角形状部分を含む情報付加部材30Bが取付けられている場合、作業者は、当該情報付加部材30Bを認識して、物品10に第1ステッカ18A(例えば“ABC“の文字)を貼付ける処理を施し、物品10(3)、10(4)を製造するための作業を実施することができる。
【0019】
また、例えば、3つ目の情報付加部材30は、外観が円形である部分を含む情報付加部材30Cである。この情報付加部材30Cに対しては、例えば、物品10に第2ステッカ18B(例えば“123“の文字)を貼付けた仕様が対応付けられる。このため、物品10に円形状部分を含む情報付加部材30Cが取付けられている場合、作業者は、当該情報付加部材30Cを認識して、物品10に第2ステッカ18B(例えば“123“の文字)を貼付ける処理を施し、物品10(5)を製造するための作業を実施することができる。
【0020】
物品10に情報付加部材30A、30B、30Cが取付けられていない場合、当該物品10に対しては追加的な処理は実施されず、従って、ベース色が塗装された物品10(A)として製造される。物品10に情報付加部材30A、30B、30Cが複数取付けられている場合、当該物品10に対しては複数の処理が実施される。例えば、物品10に情報付加部材30A、30Bが取付けられている場合、当該情報付加部材30Aを認識して、物品10の上半部分に別色を塗装して2トーンカラーとする処理を施し、さらに、情報付加部材30Bを認識して、物品10に第1ステッカ18A(例えば“ABC“の文字)を貼付ける処理を施し、物品10(4)を製造するための作業を実施することができる。
【0021】
いずれの場合においても、物品10には、非接触タグ20が取付けられているため、非接触タグ20を読取ることによっても、各物品10の管理を行うこともできる。
【0022】
物品管理方法についてより具体的に説明する。
図2は物品管理方法の処理を示すフローチャートである。この物品管理方法は、非接触タグ20を用い、複数の物品10を複数の仕様に分けて管理する物品管理方法であって、一例として、ステップ(a)、ステップ(b)、ステップ(c)、ステップ(d)、ステップ(e)、ステップ(f)を含む。
【0023】
ステップ(a)では、非接触タグ20を準備する。非接触タグ20は、タグリーダ166(
図4参照)により非接触で読取り可能な管理情報を記憶するタグ装置である。管理情報は、非接触タグ20に固有の識別符号である。管理情報によって、物品10が1つずつ区別して管理される。
【0024】
ステップ(b)では、情報付加部材30を準備する。情報付加部材30は、外観上、存否を判断可能な部材である。複数種の情報付加部材30が準備される場合、上記したように、互いに形状が異なる複数種の情報付加部材30A、30B、30Cが準備されてもよい。
【0025】
情報付加部材30は、タグリーダ166によって非接触で読取り可能な情報を記憶する情報付加用非接触タグ30であってもよい。タグリーダ166によって非接触で読取り可能な情報は、各情報付加用非接触タグ30に固有の識別符号であってもよいし、付加仕様毎に固有の識別符号であってもよい。本実施形態では、情報付加部材30が情報付加用非接触タグ30である例が説明される。
【0026】
ステップ(c)は、仕様毎に、情報付加用非接触タグ30の視認可能な組合せを対応付けた関係を設定するステップである。例えば、情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cに上記付加仕様が対応付けられる結果(
図1及び
図6参照)、仕様毎に、情報付加用非接触タグ30の視認可能な組合せが対応付けられてもよい。本例では、物品10(1)の仕様に対し情報付加用非接触タグ30が無いことが対応付けられ、物品10(2)に情報付加用非接触タグ30Aが対応付けられ、物品10(3)に情報付加用非接触タグ30Bが対応付けられ、物品10(4)に情報付加用非接触タグ30A、30Bが対応付けられ、物品10(5)に情報付加用非接触タグ30Cが対応付けられる。
【0027】
なお、情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cが複数種用いられるため、情報付加用非接触タグ30の視認可能な組合せは、情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cの形状の違いを含む。例えば、情報付加用非接触タグ30Aが取付けられる場合と、情報付加用非接触タグ30Bが取付けられる場合とでは、形状違いの組合せとして区別される。以下、物品10に関して、仕様による区別が必要である場合、物品10(1)、10(2)、10(3)、10(4)、10(5)として区別される場合がある。
【0028】
上記対応付け情報は、如何なる表現形式で作成されてもよい。例えば、物品10の仕様と情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cの形状との組合わせが写真又はイラストに表現された図形式で保存されてもよいし(
図1参照)、情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cに付加仕様が対応付けた表形式で保存されてもよい(
図6参照)。上記対応付け情報は、電子的、磁気的又は光学的な情報として記録媒体に記録されてもよいし、紙等の印刷媒体に目視によって視認可能な形式で表現されて記録されてもよい。
【0029】
ステップ(d)は、物品10に予め設定される管理情報に基づいて、対応する管理情報が記憶される非接触タグ20を物品10に取付けるステップである。例えば、管理単位期間(例えば1日)において、管理対象となる物品10の群に対して割当てられるべき管理情報の群が予め設定されているとする。本ステップでは、例えば、当該割当てられた管理情報の群に対応する非接触タグ20を物品10に取付ける。
【0030】
ステップ(e)は、物品10毎に予め設定される仕様に基づいて、対応する仕様情報に関係する組合せに基づいて、情報付加用非接触タグ30を物品10に取付けるステップである。例えば、管理単位期間(例えば1日)において、管理すべき物品10の数が決っている場合、当該管理すべき物品10に割当てられた管理情報に対する仕様も予め決っているとする。本ステップでは、物品10に取付けられた管理情報から対応する仕様を区別し、当該仕様に応じた組合せに基づいて、情報付加用非接触タグ30を物品10に取付けていく。なお、当該仕様に応じた組合せが、情報付加用非接触タグ30を無しとする組合せである場合、情報付加用非接触タグ30は物品10に取付けられないことになる。
【0031】
ステップ(f)は、物品10に取付けられる非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30の取付状態に応じた組合せによって、物品10を管理するステップである。物品10の管理とは、物品10の管理情報を特定したり、物品10の仕様を特定したり、特定された仕様に応じて処理内容を決定したりすることをいう。
【0032】
ステップ(f)は、例えば、情報付加用非接触タグ30の組合せにより仕様情報を特定する処理を含む。例えば、情報付加用非接触タグ30を目視で観察し、情報付加用非接触タグ30の組合せを目視で確認することによって、当該物品10の仕様を特定する。また、例えば、タグリーダ166が情報付加用非接触タグ30から非接触で情報を得て、情報付加用非接触タグ30の組合せを特定することによって、当該物品10の仕様を特定する。本処理は、例えば、タグリーダ166を用いずに、物品10の仕様を迅速に見分けたいような場合に実施される。
【0033】
ステップ(f)は、例えば、非接触タグ20から非接触で管理情報を特定する処理を含む。本処理は、例えば、上記仕様情報を特定する処理とは異なるタイミングで実施され、例えば、物品10の仕様を正確に知りたい場合(目視による仕様特定後に、確認する場合を含む)、物品10の処理進捗状況を正確に知りたい場合等に実施される。
【0034】
本管理方法は、ステップ(f)の途中又は後に、情報付加用非接触タグ30の組合せにより特定された仕様情報に基づき、物品10に処理を施すステップ(h)を含む物品処理方法又は物品製造方法に適用されてもよい。物品10に対する処理は、塗装処理であってもよいし、ステッカの貼付け処理であってもよい。
【0035】
図3は物品管理方法を、物品10の処理方法、より具体的には、物品10の製造方法に適用した例を示す説明図である。ここでは、
図1で説明したように、物品10に対して塗装処理及びステッカの貼付け処理がなされ、塗装パターン及びステッカの有無、ステッカ種類に応じて、仕様が区別される場合が説明される。
【0036】
物品10の製造方法は、例えば、物品10に非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30を取付けるタグ取付ステップ100、物品10に塗装処理を施す第1塗装ステップ110、物品10に対する貼付け物の貼付けを行う貼付けステップ120及び物品10に追加の塗装処理を施す第2塗装ステップ130を備える。
【0037】
タグ取付ステップ100では、例えば、作業台102等で、手作業によって、物品10に非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30が取付けられる。例えば、管理単位期間(例えば1日)において、仕様毎に製造すべき物品10の数が決っている場合、仕様毎に決められた数の物品10に、非接触タグ20及び当該仕様に応じた情報付加用非接触タグ30の組合せを取付ける。タグ20、30の取付時又は取付後に、端末装置40がタグ20、30から情報を読取ることで、各物品10に対して、管理情報及び仕様の対応付け情報がテーブル形式で管理され得る。
【0038】
第1塗装ステップ110では、塗装ブース112内で物品10を搬送しつつ物品10に塗料を吹付ける処理がなされる。これにより、物品10にベース色が塗装され得る。
【0039】
貼付けステップ120では、物品10に対する貼付け処理がなされる。貼付け対象物は、例えば、装飾目的のステッカ(上記第1ステッカ18A、第2ステッカ18B参照)であってもよい。また、例えば、貼付け対象は、塗装処理を行う際に、塗装がされたくない領域を覆い隠すに貼付けられるマスキングテープ等であってもよい。
【0040】
物品10に対する貼付け作業は、作業台122上で手作業によって行われてもよい。貼付け対象物毎に、別々の作業台122で行われてもよい。
【0041】
第2塗装ステップ130では、塗装ブース132内で物品10を搬送しつつ物品10に追加の塗料を吹付ける処理がなされる。これにより、物品10のベース色上に追加の塗装がなされ得る。
【0042】
物品10が仕様に応じたステップ110、110、120を経ることで、当該仕様に応じた物品10が製造される。この際、物品10が、非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30を用いて管理される。
【0043】
図3では管理のためのシステムのブロック図が示されている。管理のためのシステムは、サーバ装置150と、端末装置160とを備える。
【0044】
サーバ装置150は、プロセッサ152(CPU(Central Processing Unit)等)及び記憶部154等を備えるコンピュータによって構成される。記憶部154には、物品管理テーブル154a及び仕様管理テーブル154bが記憶されている。
【0045】
端末装置160は、物品10に対する作業箇所に設けられる。端末装置160は、非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30から情報を読取ったり、読取った情報に基づいて諸情報を表示したりする。
【0046】
サーバ装置150は、端末装置160と通信可能に接続されている。サーバ装置150は、記憶部154に記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、端末装置160で読取られた情報に基づいてテーブル154a、154bを生成、更新する処理、テーブル154a、154bに基づいて、端末装置160側に表示させる情報を送信する処理等を実行する。
【0047】
図4は端末装置160、非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30を示すブロック図である。
【0048】
端末装置160は、例えば、タグ20、30の取付作業箇所、物品10に対する各作業箇所、製造された物品10の取出箇所等に設けられる。端末装置160は、端末コントローラ162と、表示部164と、タグリーダ166とを備える。端末コントローラ162は、プロセッサ、記憶部等を含み、表示部164の表示制御を行うと共に、タグリーダ166を制御する。端末コントローラ162は、タグリーダ166を通じて非接触タグ20の管理情報を読取ったり、情報付加用非接触タグ30の付加管理情報を読取ったりすることができる。
【0049】
端末装置160は、タグリーダ166を通じて読取った管理情報、付加管理情報をサーバ装置150に送信する。サーバ装置150は、端末装置160から送信された情報に基づいて物品10の管理を行う。
【0050】
非接触タグ20は、通信部22と、プロセッサ24と、記憶部26とを備える。通信部22は、通信回路及びアンテナを含む。記憶部26は、EEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)等の不揮発性メモリによって構成されている。記憶部26には、タグ制御プログラム、管理情報が格納されている。管理情報は非接触タグ20に対して割当てられた識別符号である。非接触タグ20は、タグリーダ166等からの電磁波によって給電されて動作するパッシブ型のタグであってもよいし、内蔵したバッテリを電源として動作するアクティブ型のタグであってもよい。
【0051】
情報付加用非接触タグ30は、上記非接触タグ20と同様に、通信部32と、プロセッサ34と、記憶部36とを備える。記憶部36には、タグ制御プログラム、付加管理情報が格納されている。付加管理情報は情報付加用非接触タグ30に対して割当てられた識別符号である。
【0052】
タグリーダ166は、非接触タグ20と複数の情報付加用非接触タグ30から一括して管理情報及び付加管理情報を読取ることができてもよい。より多数かつ広範囲のタグ20、30を一括して読取りできるようにするために、タグリーダ166は複数のアンテナを有していてもよい。同様の観点から、タグリーダ166は、UHF(Ultra High Frequency)の電波を利用してタグ20、30との間で通信を行ってもよい。なお、タグリーダ166は、非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30から非接触で情報を読取ることができればよく、両者間で電波通信或いは光通信(例えば、赤外光通信)がなされてもよいし、タグリーダがタグに付された磁気を読取ってもよい。
【0053】
図5はサーバ装置150に記憶される物品管理テーブル154aの一例を示す図である。同図に示すように、物品管理テーブル154aは、管理情報に、仕様が対応付けられたテーブルであってもよい。本例では、管理情報は、数字で表現された識別符号である。仕様は、塗装仕様、ステッカの仕様で表現される。より具体的には、ベース色(黒)の有無、2トーン(赤)の有無、ステッカ18Aの有無、ステッカ18Bの有無で表現される。本例では、ベース色(黒)が塗装されることが前提となっているが、仕様が、ベース色(黒)が無い場合、他のベース色が塗装される場合を含んでいてもよい。
【0054】
例示したように、2トーン(赤)に情報付加用非接触タグ30Aが対応付けられ、ステッカ18Aが情報付加用非接触タグ30Bに対応付けられ、ステッカ18Bが情報付加用非接触タグ30Cに対応付けられるとする。この場合、物品管理テーブル154aに基づいて、物品10に対して割当てられた管理情報に対する仕様が把握され、さらに、情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cの組合せも把握される。逆に、物品10に取付けられた情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cに基づき、物品管理テーブル154aを参照することによって、仕様が把握され得る。
【0055】
図6はサーバ装置150に記憶される仕様管理テーブル154bの一例を示す図である。同図に示すように、予め定められた範囲の付加管理情報に対して、付加仕様及び外形が対応付けられる。本例では、1000から1199の範囲の付加管理情報に、付加仕様として2トーン(赤)が対応付けられると共に、外形として三角が対応付けられる。また、1200から1399の範囲の付加管理情報に、付加仕様としてステッカ18Aが対応付けられると共に、外形として四角が対応付けられる。また、1400から1599の範囲の付加管理情報に、付加仕様としてステッカ18Bが対応付けられると共に、外形として円が対応付けられる。これにより、付加管理情報から付加仕様及び外形が把握され、付加仕様から付加管理情報の範囲及び外形が把握され、外形から付加管理情報の範囲及び付加仕様が把握される。特に、タグリーダ166を用いて非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30を読取ることなく、情報付加用非接触タグ30の外形状を観察することによって、付加仕様を把握することができる。また、1つの拡張タグに付加仕様を複数登録してもよい。
【0056】
上記を前提として、
図3に戻り、物品10の製造方向中における、当該物品10の管理方法の一例をより具体的に説明する。
【0057】
上記非接触タグ20を準備すると共に、情報付加用非接触タグ30を準備しておく(ステップ(a)(b))。なお、タグ20、30は、いずれが先に準備されてもよい。有体物たるタグ20、30は、ステップ(c)の設定後に準備されてもよい。
【0058】
そして、製造計画等に従い、管理単位期間(例えば1日)において、管理すべき物品10の数、及び、各仕様の数が決っているとする。当該決定に従って、
図6に示す物品管理テーブル154aが予め作成されているとする。仕様管理テーブル154bについても、管理者によって予め作成されているとする(ステップ(c))。
【0059】
そして、タグ取付ステップ100において、物品10に対する非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30の取付がなされる(ステップ(d)(e))。取付作業は、例えば、次のようになされてもよい。まず、作業者が非接触タグ20を物品10に取付け、取付けられた非接触タグ20の管理情報をタグリーダ166で読取る。サーバ装置150は、読取られた管理情報から仕様管理テーブル154bに基づいて仕様を特定し、当該仕様を端末装置160における表示部164に表示する。作業者は、表示部164に表示された仕様を確認し、表示された仕様に応じた組合せの情報付加用非接触タグ30を物品10に取付ける。
【0060】
非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30は、物品10に取付けることができる構成であればよい。
【0061】
例えば、非接触タグ20は、物品10における口部14内に配置される構成であってもよい(
図1参照)。例えば、非接触タグ20は、口部14内に収ることができる本体部21aの一方面側に当該本体部21aからはみ出る鍔部21bが形成されたものであってもよい。鍔部21bは、口部14の外側縁部の接触することができる程度の外径を有する。そして、本体部21aが口部14内に収った状態で、鍔部21bが口部14の外側縁部に接触することで、非接触タグ20が容易に口部14にセットされ得る。この際、非接触タグ20が口部14を塞ぐことで、塗料が物品10内に入り込み難くなる。
【0062】
また、例えば、情報付加用非接触タグ30は、取付部37と、情報付加本体部38と、連結部39とを含んでもよい(
図1参照)。取付部37は、物品10に着脱可能に取付けられる部分である。
【0063】
取付部37は、例えば、J字状のフック形状部分、または、カラビナ(Carabiner)のように、開閉可能な部分を有するリング状の部材である。このような取付部37は、物品10のうちネジ止に供される孔16h部分に容易に着脱可能に取付けられる。これにより、物品10の取扱開始時、終了時等において、物品10に対する情報付加用非接触タグ30の着脱作業が容易に行われる。また、例えば、物品10の取扱中において、仕様変更のために、情報付加用非接触タグ30を着脱する作業が容易に行われ得る。また、例えば、タグリーダ166のアンテナと情報付加用非接触タグ30との位置関係上の都合から、タグリーダ166が情報付加用非接触タグ30を読取り難い場合に、情報付加用非接触タグ30を取外してタグリーダ166のアンテナの近くに移動させることを容易に行える。
【0064】
情報付加本体部38は、仕様識別のための形状が付与される部分であり、本実施形態では、情報付加本体部38は、四角形である場合、三角形である場合、円形である場合が想定される。連結部39は、取付部37と情報付加本体部38とを連結する部分である。
【0065】
連結部39は、曲げ可能な長尺部材であってもよい。例えば、連結部39は、チェーンであってもよいし、紐であってもよい。連結部39の一端部が取付部37に連結され、他端部が情報付加本体部38に連結される。連結部39が曲げ容易であれば、情報付加用非接触タグ30の取付部37を物品10に取付けたまま、通信部32が組込まれた情報付加本体部38をタグリーダ166のアンテナの近くに移動させることができる。これにより、タグリーダ166が情報付加用非接触タグ30を容易に読取ることができる。
【0066】
非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30の構成例は上記例に限られず、物品10に取付可能に構成されていてもよい。非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30は機械的な取付構造に限られず、両面テープ、磁力等によって物品10に取付けられてもよい。情報付加用非接触タグ30は、物品10に対して露出した状態で取付けられてもよい。物品10に対して塗装処理がなされる場合、非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30は、塗装領域から外れた場所に設けられるとよい。
【0067】
タグ取付ステップ100を経ることで、物品10に非接触タグ20及び仕様に応じた組合せの情報付加用非接触タグ30が取付けられる。また、物品管理テーブル154aが生成される。
【0068】
この後、ステップ(f)の管理を伴う処理が実行される。すなわち、物品10は、塗装ブース112に搬送される。塗装ブース112において、物品10にベース色(黒)が塗装される。ベース色(黒)が塗装された物品10が塗装ブース112から取出されると、当該物品10は、仕様に応じた次の処理場所に搬送される。この際、物品10毎の仕様を容易に確認できると便利である。
【0069】
仮に、塗装ブース112の出口にタグリーダが設けられていれば、非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30を読取ることで、仕様を判別することができる。しかしながら、その場合、物品10を一ずつタグリーダで読取る作業が必要となるし、また、多数箇所にタグリーダ166設ける必要が生じる。そこで、塗装ブース112の出口では、情報付加用非接触タグ30の組合せを目視で確認することで、物品10の仕様を判別する。
【0070】
例えば、
図1に示す例に従うと、物品10に情報付加用非接触タグ30が取付けられていないことが目視で確認されると、当該物品10は、ベース色のみの仕様であることが判別される。このため、当該物品10は、貼付けステップ120等に搬送されず、完成品である物品10(1)として完成品保管場所等に搬送される。
【0071】
また、例えば、物品10にいずれかの情報付加用非接触タグ30が取付けられていることが目視で確認されると、当該物品10には、ベース色のみの仕様ではなく、追加仕様が設定されていることが判別される。物品10に付加された情報付加用非接触タグ30に応じて次の処理箇所に搬送される。
【0072】
例えば、物品10に取付けられている情報付加用非接触タグ30Aの形状(三角)から2トーン仕様であると判別されると、当該物品10はマスキング処理を行うための作業台122に搬送される。物品10に取付けられている情報付加用非接触タグ30Bの形状(四角)から第1ステッカ18Aの仕様であると判別されると、当該物品10は第1ステッカ18Aを貼付けるための作業台122に搬送される。物品10に取付けられている情報付加用非接触タグ30Cの形状(円)から第2ステッカ18Bの仕様であると判別されると、当該物品10は第2ステッカ18Bを貼付けるための作業台122に搬送される。上記各処理を行う作業台122は別々であってもよいし、共通であってもよい。
【0073】
塗装ブース112から次の処理場所に物品10を搬送する作業者は、頭に記憶された情報付加用非接触タグ30Aの形状と付加的な仕様との対応関係に基づいて上記判別を行ってもよいし、メモ用紙或いは掲示板等に表示された対応関係情報を見て上記判別を行ってもよい。
【0074】
各作業台122において、端末装置160が設けられていてもよい。この場合、作業を行う前に、非接触タグ20の管理情報を読取り、読取られた管理情報と物品管理テーブル154aとから仕様を特定し、目視結果から判断された仕様が正しいか否かを確認するようにしてもよい。あるいは、作業を行う前に、情報付加用非接触タグ30を読取って、読取られた付加管理情報と仕様管理テーブル154bとから仕様を特定し、目視結果から判断された仕様が正しいか否かを確認するようにしてもよい。
【0075】
貼付けステップ120における処理が終了すると、物品10は次の処理場所に搬送される。この際、上記と同様に、情報付加用非接触タグ30の組合せを目視で確認することで、物品10の仕様が判別される。
【0076】
例えば、物品10に情報付加用非接触タグ30B又は30Cだけが取付けられていることが目視で確認されると、当該物品10に対する追加仕様に関する処理は終了していることが判別される。このため、当該物品10は、完成品である物品10(3)、10(5)として完成品保管場所等に搬送される。
【0077】
また、例えば、物品10に情報付加用非接触タグ30Aが取付けられていることが目視で確認されると、当該物品10は2トーン仕様であると判別される。当該物品10は、第2塗装ステップ130における塗装ブース132に搬送される。物品10が塗装ブース132内で塗装される前に、上記と同様に、タグリーダ166を利用した仕様の確認がなされてもよい。
【0078】
塗装ブース132内で、ベース色が塗装された物品10に追加の塗料が吹付けられる。物品10にはマスキング処理が施されているため、マスキング処理がなされていない箇所に追加の塗装がなされる。これにより、マスキング処理されたベース色の部分と、追加塗装された色の部分とにより、物品10は2トーンカラーに塗装された状態となる。
【0079】
第2塗装ステップ130における処理が終了すると、2トーンカラーに塗装された物品10は次の処理場所に搬送される。この際、上記と同様に、情報付加用非接触タグ30の組合せを目視で確認することで、物品10の仕様が判別される。
【0080】
例えば、物品10に情報付加用非接触タグ30Aだけが取付けられていることが目視で確認されると、当該物品10に対する追加仕様に関する処理は終了していることが判別される。このため、当該物品10は、完成品である物品10(2)として完成品保管場所等に搬送される。なお、完成段階において、端末装置160により非接触タグ20等の読取りがなされ、当該物品10が完成品として管理されてもよい。
【0081】
また、例えば、物品10に情報付加用非接触タグ30A、30Bが取付けられていることが目視で確認されると、当該物品10にステッカ18A、18Bの貼付けが必要であると判断される。当該物品10は、貼付けステップ120における作業台122に搬送され、上記と同様に、ステッカ18A、18Bの貼付け作業が実施される。
【0082】
物品10が完成品として仕上げられると、上記と同様に、完成品保管場所等に搬送される。
【0083】
このように構成された物品管理方法によると、タグリーダ166が物品10に取付けられた非接触タグ20の管理情報を読取ることによって、非接触タグ20に記憶された情報に基づき正確な管理を行える。例えば、物品10を管理情報によって区別して仕様、仕様毎の製造数、製造完了数等を管理できる。また、物品10を観察して、情報付加用非接触タグ30の組合せを視認することによって、物品10の仕様を判別することができる。このため、専用のタグリーダ166を用いなくても物品10の仕様を容易に判別することができる。
【0084】
情報付加用非接触タグ30としては、1種であってもよいし、複数種であってもよい。情報付加用非接触タグ30として、互いに形状が異なる複数種の情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cが準備されていれば、情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cの組合せによって複数の仕様を区別できる。このため、情報付加用非接触タグ30が1種類である場合と比較して、多くの仕様を区別できる。また、形状が異なることによって、視認によって情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cの組合せを視認する際に、判別性の劣化を防ぐことができる。例えば、物品10が塗装工程で管理される場合に物品10とともに情報付加用非接触タグ30が塗装されたとしても形状による判別効果を維持することができる。物品10に塗装がなされないとしても、管理される各種処理工程において付着する可能性がある処理液、汚れ等に対して判別性の劣化を抑えることができる。
【0085】
情報付加部材30は、タグリーダ166により情報を読取り可能な情報付加用非接触タグ30である必要は無く、目視で少なくとも存否を確認可能な部材であればよい。情報付加部材30が情報付加用非接触タグ30であれば、目視による仕様の判別に加えて、当該情報付加用非接触タグ30から読取った情報に基づく管理も可能となる。
【0086】
また、非接触タグ20を物品10の口部14内に配置可能な構成とすることで、当該非接触タグ20を物品10に容易に取付けることができる。また、非接触タグ20によって口部14を塞ぐことで、塗料が物品10内に入り難くなる。
【0087】
また、情報付加用非接触タグ30が、取付部37と情報付加本体部38と連結部39とを含む構成であれば、取付部37を利用して情報付加用非接触タグ30を物品10に容易に取付けることができる。
【0088】
本管理方法が適用された物品10の処理方法においては、物品10に対する情報付加用非接触タグ30の取付状態に応じた組合せに基づいて仕様を判別し、当該仕様に基づいて処理を施すことができる。これにより、物品10に処理を施す前に、目視で情報付加用非接触タグ30の組合せを確認することで、タグリーダ166を用いることなく、仕様に応じた処理内容を確認でき、作業性を向上できる。
【0089】
上記例では、例えば、塗装ブース112、132の出口、作業台122等における作業完了後に、物品10のタグ20、30をタグリーダ166で読取らなくても、目視で仕様を判別して、次の作業場所への搬送等を実施することがでる。
【0090】
本管理方法が適用された物品10の製造方法においては、上記処理が塗装処理であっても、物品10に対して露出し、かつ、互いに形状が異なる複数種の情報付加用非接触タグ30A、30B、30Cの組合せに基づいて、物品10の仕様を判別できるという利点がある。
【0091】
物品10に非接触タグ20及び情報付加用非接触タグ30が取付けられた後、仕様変更される場合がある。例えば、各仕様に対する必要数の変更、処理不良の発生等によって、仕様変更が必要となる場合がある。
【0092】
このような場合、
図7に示すように、ステップ(e)の後に、変更された仕様情報に関する組合せで、情報付加用非接触タグ30の取付状態を変更するステップ(g)を処理してもよい。
【0093】
この場合においても、物品10には、変更された仕様に応じた組合せで、情報付加用非接触タグ30が取付けられている。このため、作業台122は、物品10に取付けられた情報付加用非接触タグ30を目視で確認して、仕様を判別し、処理を実行できる。
【0094】
物品10に対する情報付加用非接触タグ30の組合せ変更は、例えば、
図8に示すように、作業台200上において、作業者が、不要な情報付加用非接触タグ30を取外し、必要な情報付加用非接触タグ30を取付けることによってなされる。この場合、端末装置160におけるタグリーダ166によって、仕様更新情報として、当該物品10に取付けられた非接触タグ20の管理情報及び情報付加用非接触タグ30の情報(付加管理情報)が読取られてもよい。読取られた仕様更新情報はサーバ装置150に送信されるとよい。サーバ装置150は、仕様更新情報に基づいて、仕様管理テーブル154bを参照し、物品管理テーブル154aにおける管理情報に対する仕様情報を更新することができる。例えば、物品10から情報付加用非接触タグ30Bが取外され、別の情報付加用非接触タグ30Cが取付けられた場合には、仕様更新情報に基づいて、当該物品10の仕様変更後の管理情報及び付加管理情報を認識することができる。付加管理情報から、仕様管理テーブル154bを参照することで、付加仕様が特定され得る。このため、サーバ装置150は、仕様管理情報に基づいて、読取られた管理情報に対応する変更後の仕様を特定し、物品管理テーブル154aにおいて、読取られた管理情報に関し、変更後の仕様に更新すること、例えば、ステッカ18Aを取付ける仕様無し、ステッカ18Aを取付ける仕様有りとするように更新することができる。
【0095】
これにより、仕様変更が生じた場合に、タグリーダ166によって仕様変更された物品10のタグ20、30を読取ることによって、物品管理テーブル154aを容易に更新することができる。これにより、物品10の仕様変更に容易に対応することができ、仕様変更後の状況等を管理し易い。
【0096】
なお、本実施形態では、全ての物品10に対しベース色が共通である例を説明したが、下地色たるベース色は異なっていてもよい。ベース色が異なる複数種の仕様がある場合、上記と同様に、情報付加部材30によって区別されて管理されてもよい。
【0097】
情報付加部材30は、タグリーダ166によって非接触で読取り可能な情報を記憶する情報付加用非接触タグ30でなくてもよい。外観上で少なくとも有無を区別可能な部材であればよい。例えば、情報付加部材は、粘着されるブロック状物体、磁石等であってもよい。
【0098】
なお、実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0099】
本書類には、下記の各態様が開示される。
【0100】
第1の態様は、非接触タグを用い、複数の物品を複数の仕様に分けて管理する物品管理方法であって、(a)タグリーダにより非接触で読取り可能な管理情報を記憶する非接触タグを準備するステップと、(b)情報付加部材を準備するステップと、(c)前記仕様毎に、前記情報付加部材の視認可能な組合せを対応付けた関係を設定するステップと、(d)前記物品に予め設定される管理情報に基づいて、対応する管理情報が記憶される前記非接触タグを前記物品に取付けるステップと、(e)前記物品毎に予め設定される仕様に基づいて、対応する仕様情報に関係する前記組合せに基づいて、前記情報付加部材を前記物品に取付けるステップと、(f)物品に取付けられる前記非接触タグ及び前記情報付加部材の取付状態に応じた前記組合せによって、前記物品を管理するステップと、を備える物品管理方法である。
【0101】
この物品管理方法によると、タグリーダが物品に取付けられた非接触タグを読取ることによって、当該非接触タグに記憶された情報に基づき正確な管理を行える。また、物品を観察して、情報付加部材の組合せを視認することにより、前記物品の仕様を判別することができる。このため、専用のタグリーダを用いなくても物品の仕様を容易に把握できる。
【0102】
第2の態様は、第1の態様に係る物品管理方法であって、前記ステップ(b)において、前記情報付加部材として、互いに形状が異なる複数種の情報付加部材を準備し、前記ステップ(c)において、前記組合せとして、前記情報付加部材の形状の違いを含む組合せが設定される物品管理方法である。
【0103】
この場合、互いに形状が異なる複数種の情報付加部材の組合せによって複数の仕様を区別できる。このため、情報付加部材が1種類である場合と比較して、多くの仕様を区別できる。形状が異なることによって、視認によって情報付加部材の組合せを視認する際に、判別性の劣化を防ぐことができる。例えば、物品が塗装工程で管理される場合に物品とともに情報付加部材が塗装されたとしても判別効果を維持することができる。この他、管理工程で生じる処理液付着、汚れなどに抗して判別性の劣化を抑えることができる。
【0104】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る物品管理方法であって、前記ステップ(b)において、前記情報付加部材として、タグリーダにより非接触で読取り可能な情報を記憶する情報付加用非接触タグを用いる、物品管理方法である。この場合、情報付加用非接触タグからの情報を、非接触で読取ることができる。
【0105】
第4の態様は、第3の態様に係る物品管理方法であって、(g)前記ステップ(e)の後、変更された仕様情報に関係する前記組合せで、前記情報付加用非接触タグの取付状態を変更するステップ、をさらに備える、物品管理方法である。この場合、物品に対する情報付加用非接触タグの取付状態を変更してその組合せを変更することによって、物品の仕様変更に容易に対応することができる。これにより、仕様年功後の状況を管理し易い。
【0106】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る物品管理方法であって、前記物品は、容器本体部と、前記容器本体部の内部空間を外部に連通させる口部とを含み、前記非接触タグは、前記口部内に配置される、物品管理方法である。これにより、非接触タグを口部内に配置するようにして、当該非接触タグを物品に容易に取付けることができる。
【0107】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る物品管理方法であって、前記情報付加部材は、前記物品に着脱可能に取付けられる取付部と、情報付加本体部と、前記取付部と前記情報付加本体部とを連結する連結部とを含む、物品管理方法である。これにより、取付部によって、情報付加部材を物品に容易に着脱することができる。
【0108】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る物品管理方法を利用した物品の処理方法であって、(h)前記情報付加部材の取付状態に応じた前記組合せに対応する前記仕様情報に基づいて、前記物品に処理を施すステップ、をさらに備える物品の処理方法である。これにより、物品に処理を施す前に、組合せを確認することで、リーダを用いることなく仕様に応じた処理内容を確認することができ、作業性を向上できる。
【0109】
第8の態様は、第7の態様に係る物品の処理方法を含む物品の製造方法であって、前記ステップ(h)における処理は塗装処理であり、前記情報付加部材が前記物品に対して露出して取付けられており、前記情報付加部材として、互いに形状が異なる複数種の情報付加部材が準備される、物品の製造方法である。これにより、物品に塗装が施されたとしても、塗装物品を外部から観察して情報付加部材の組合せを判別することにより、物品の仕様を判別できる。
【0110】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0111】
10 物品
14 口部
18A 第1ステッカ
18B 第2ステッカ
20 非接触タグ
30(30A、30B、30C) 情報付加部材(情報付加用非接触タグ)
38 情報付加本体部
39 連結部
40 端末装置
100 タグ取付ステップ
110 第1塗装ステップ
120 貼付けステップ
130 第2塗装ステップ
154a 物品管理テーブル
154b 仕様管理テーブル
166 タグリーダ