(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】旅行プラン立案システム、旅行支援システムおよび旅行プラン立案方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20240711BHJP
G06Q 50/14 20120101ALI20240711BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q50/14
(21)【出願番号】P 2020181827
(22)【出願日】2020-10-29
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】597132849
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山上 幸一
(72)【発明者】
【氏名】若林 洋輔
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-027168(JP,A)
【文献】特許第5871082(JP,B1)
【文献】特開2002-149528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがアカウントを登録しているソーシャルネットワーキングサービスから、前記ユーザの嗜好に関連しうる嗜好情報を収集するクロール部と、
前記嗜好情報に基づいて、前記ユーザの嗜好を評価するための分析モデルを生成する嗜好分析部と、
前記分析モデルに基づいて、前記ユーザの嗜好に適合する、少なくとも行き先と該行き先に行く時刻とを対応付けた行程情報を含む旅行プランを作成する旅行プラン立案部と、
を有
し、
前記クロール部が前記ソーシャルネットワーキングサービスから収集する前記嗜好情報には、前記ユーザが訪問したことのある場所を示す訪問地情報、前記ユーザの趣味を示す趣味情報、および前記ユーザが外食した食べ物を示す食べ物情報のうち少なくとも1つが含まれ、
前記クロール部は、収集した前記ユーザの嗜好情報に基づいて、前記訪問地情報に含まれる訪問地、前記趣味情報に含まれる趣味、あるいは前記食べ物情報に含まれる食べ物の名称をキーワードとして、インターネット検索を行い、該当するウェブサイトに記載されている内容を、前記嗜好情報に関連する関連情報として更に収集し、
前記嗜好分析部は、前記嗜好情報および前記関連情報に基づいて、前記分析モデルを生成する、
旅行プラン立案システム。
【請求項2】
前記旅行プラン立案部は、前記旅行プランに基づき、前記ユーザが当該旅行プランによる旅行中に、位置情報を取得し、前記位置情報が示す位置が前記行き先と一致するときに前記行き先に関連する情報を提示する処理を、ユーザ端末により実行可能にするアプリケーション情報を生成する、
請求項1に記載の旅行プラン立案システム。
【請求項3】
前記旅行プラン立案部は、前記旅行プランおよび前記分析モデルに基づき、前記位置情報が示す位置から所定範囲内で行われるイベントに関するイベント情報を取得し、前記分析モデルに基づき前記イベントが前記ユーザの嗜好に適合する場合に前記イベント情報に基づく情報を提示する、前記アプリケーション情報を生成する、
請求項
2に記載の旅行プラン立案システム。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか一項に記載された旅行プラン立案システムと、
前記旅行プラン立案システムにて立案された前記旅行プランの行程情報と、現在位置の位置情報とに基づいて、前記位置情報が示す位置が前記行き先と一致するときに前記行き先に関連する情報を提示するユーザ端末と、
を有する旅行支援システム。
【請求項5】
前記旅行プラン立案システムは、前記旅行プランおよび前記分析モデルを含む旅行支援情報を前記ユーザ端末に送信し、
前記ユーザ端末は、前記位置情報が示す位置から所定範囲内で行われるイベントに関するイベント情報を取得し、前記分析モデルに基づき前記イベントが前記ユーザの嗜好に適合する場合に前記イベント情報に基づく情報を提示する、
請求項
4に記載の旅行支援システム。
【請求項6】
コンピュータが、
ユーザがアカウントを登録しているソーシャルネットワーキングサービスから、前記ユーザの嗜好に関連しうる嗜好情報を収集し、
前記嗜好情報に基づいて、前記ユーザの嗜好を評価するための分析モデルを生成し、
前記分析モデルに基づいて、前記ユーザの嗜好に適合する、少なくとも行き先と該行き先に行く時刻とを対応付けた行程情報を含む旅行プランを作成する処理を実行する、
方法であり、
前記ソーシャルネットワーキングサービスから収集する前記嗜好情報には、前記ユーザが訪問したことのある場所を示す訪問地情報、前記ユーザの趣味を示す趣味情報、および前記ユーザが外食した食べ物を示す食べ物情報のうち少なくとも1つが含まれ、
収集した前記ユーザの嗜好情報に基づいて、前記訪問地情報に含まれる訪問地、前記趣味情報に含まれる趣味、あるいは前記食べ物情報に含まれる食べ物の名称をキーワードとして、インターネット検索を行い、該当するウェブサイトに記載されている内容を、前記嗜好情報に関連する関連情報として更に収集し、
前記嗜好情報および前記関連情報に基づいて、前記分析モデルを生成する、
旅行プラン立案方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザの嗜好に合った旅行を案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、観光スポット、飲食店や観光施設、宿泊施設、および交通手段をウェブページ上の現地地図に統合する情報処理システムが開示されている。特許文献1には、この情報処理システムは、1つの旅程を構成する各種情報や各種申込を、旅程企画者が提示する1つの旅程毎に1枚のウェブページ内から全て行えるようにすることが開示されてる。この情報処理システムは、1つの旅程を構成する各種情報や各種申込を、旅程順にかつ図解的にPR表示したり閲覧利用したりできるようにする。また、この情報処理システムは、旅行当日に現地でiパッドやスマートフォンなどの携帯パソコン端末からサイトにアクセスすることにより、ユーザが旅程を把握することを可能にする。
【0003】
また、SNS(social networking service)の発展により個人がプロファイル、行動、嗜好等の情報を容易に発信できる環境が整っている。また、検索エンジンに代表されるWebクローラー(インターネット上に公開されているテキスト、静止画像、動画などの情報を自動で収集し、データベースに保管するプログラム)を活用した情報収集が浸透している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された情報システムによれば、ユーザは、1つの旅程を構成する各種情報や各種申込を、旅程企画者が提示する1つの旅程毎に1枚のウェブページ内から全て行うことが可能になる。しかしながら、特許文献1の技術では、個々のユーザに対してそれぞれの嗜好に合った旅行を提案することはできない。
【0006】
本開示のひとつの目的は、個々のユーザに対してそれぞれの嗜好に合致した旅行を提案することを可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のひとつの態様による旅行プラン立案システムは、ユーザがアカウントを登録しているソーシャルネットワーキングサービスから、前記ユーザの嗜好に関連しうる嗜好情報を収集するクロール部と、前記嗜好情報に基づいて、前記ユーザの嗜好を評価するための分析モデルを生成する嗜好分析部と、前記分析モデルに基づいて、前記ユーザの嗜好に適合する、少なくとも行き先と該行き先に行く時刻とを対応付けた行程情報を含む旅行プランを作成する旅行プラン立案部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示のひとつの態様によれば、個々のユーザに対してそれぞれの嗜好に合致した旅行を提案することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態による旅行支援システムのブロッ図である。
【
図2】
図1に示したクロールサーバ、AIサーバおよびバーチャルガイドサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図1に示したクロールサーバにおけるクロール処理およびAIサーバにおける分析モデル生成処理を説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図1に示したクロール部11においてソーシャルネットワーキングサービスから収集されるユーザの嗜好情報の一例を示す図である。
【
図5】
図4に示した嗜好情報の中から一人のユーザについて収集される嗜好情報を示す図である。
【
図6】
図1に示したバーチャルガイドサーバにおける推奨プランの立案提案処理を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図1に示したスマートデバイスにおけるバーチャルガイドの実行処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態による旅行支援システムのブロック図である。
【0012】
本形態による旅行支援システムは
図1に示すように、旅行プラン立案システム1と、スマートデバイス2とを有している。旅行プラン立案システム1は、クロールサーバ10と、AIサーバ20と、バーチャルガイドサーバ30とを有している。
【0013】
クロールサーバ10は、クロール部11と、蓄積部12とを有している。クロール部11は、ユーザがアカウントを登録しているソーシャルネットワーキングサービスから、ユーザの嗜好に関連しうる嗜好情報を収集する。具体的には、例えば、クロール部11は、ソーシャルネットワーキングサービス上で当該アカウントのユーザに対して友達申請およびまたはフォロワー申請をしてその許諾を得て、許諾を得た権限でソーシャルネットワーキングサービス上をクロールすることにより当該ユーザの嗜好情報を収集する。また、クロール部11は、収集したユーザの嗜好情報に基づいてインターネットをクロールし、嗜好情報に関連する関連情報を更に収集してもよい。
【0014】
蓄積部12は、クロール部11が収集した嗜好情報や関連情報を蓄積する。
【0015】
AIサーバ20は、分析部21を有している。分析部21は、嗜好分析部を構成するものであって、クロール部11にて収集されて蓄積部12に蓄積された嗜好情報に基づいて、ユーザの嗜好を評価するための分析モデル22を生成する。分析部21は、蓄積部12に、クロール部11が収集した関連情報が蓄積されている場合、蓄積部12に蓄積された嗜好情報および関連情報に基づいて分析モデル22を生成してもよい。
【0016】
バーチャルガイドサーバ30は、お薦めプラン立案部32を有している。お薦めプラン立案部32は、旅行プラン立案部を構成するものであって、AIサーバ20にて生成された分析モデル22を取得し、取得した分析モデル31に基づいて、ユーザの嗜好に適合する、少なくとも行き先とその行き先に行く時刻とを対応付けた行程情報を含む旅行プランを作成する。お薦めプラン立案部32は、作成した旅行プランに基づき、ユーザがその旅行プランによる旅行中に、スマートデバイス2により利用可能なアプリケーションプログラム(アプリケーション情報)を生成してもよい。作成されるアプリケーションプログラムは、位置情報を取得し、位置情報が示す位置が行き先と一致するときに行き先に関連する情報を提示する。お薦めプラン立案部32は、作成した旅行プランおよび分析モデル31に基づき、位置情報が示す位置から所定範囲内で行われるイベントに関するイベント情報を取得し、分析モデル31に基づきイベントがユーザの嗜好に適合する場合にそのイベント情報に基づく情報を提示するアプリケーションプログラムを生成してもよい。
【0017】
スマートデバイス2は、ユーザ端末を構成するものであって、バーチャルガイドプログラム40がバーチャルガイドサーバ30からアプリケーション情報として提供されている。バーチャルガイドプログラム40は、旅行プラン実行部42と、予定外行動立案部43とを有している。旅行プラン実行部42は、お薦めプラン立案部32にて立案された旅行プランの行程情報と、現在位置の位置情報とに基づいて、位置情報が示す位置が行き先と一致するときにその行き先に関連する情報を提示する。旅行プラン実行部42は、旅行プランおよび分析モデルを含む旅行支援情報がバーチャルガイドサーバ30から送信されてきた場合、位置情報が示す位置から所定範囲内で行われるイベントに関するイベント情報を取得し、分析モデル41に基づきイベントがユーザの嗜好に適合する場合にイベント情報に基づく情報を提示する。予定外行動立案部43は、例えば、スマートデバイス2の位置情報に基づき、お薦めプラン立案部32にて立案された旅行プラン以外のプランを立案してユーザに提示する。
【0018】
なお、上述したクロールサーバ10とAIサーバ20とバーチャルガイドサーバ30とは、1つのサーバで構成してもよい。また、一部または全部がクラウド上にある構成であってもよい。
【0019】
図2は、
図1に示したクロールサーバ10、AIサーバ20およびバーチャルガイドサーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0020】
図1に示したクロールサーバ10、AIサーバ20およびバーチャルガイドサーバ30は、
図2に示すように、プロセッサ51と、メインメモリ52と、記憶装置53と、通信装置54と、入力装置55と、表示装置56とがバス37で接続されたハードウェアで実現することが考えられる。記憶装置53は、書込みおよび読み出しが可能にデータを記憶するものであって、
図1に示した蓄積部12が実現される。プロセッサ51は、記憶装置53に記憶されたデータをメインメモリ52に読み出してソフトウェアプログラムの処理を実行するものであって、このプロセッサ51によって、
図1に示したクロール部11や分析部21、お薦めプラン立案部32が実現される。通信装置54は、プロセッサ51にて処理された情報を有線または無線を介して送信することができる。入力装置55は、キーボードやマウスなどから構成され、情報を入力するためのものである。表示装置56は、ディスプレイなどの出力手段からなり、分析モデル22,31などを表示出力することができる。
【0021】
以下に、上記のように構成された旅行支援システムにおける処理について説明する。
【0022】
まず、クロールサーバ10におけるクロール処理およびAIサーバ20における分析モデル生成処理について説明する。
【0023】
図3は、
図1に示したクロールサーバ10におけるクロール処理およびAIサーバ20における分析モデル生成処理を説明するためのフローチャートである。
【0024】
クロールサーバ10においては、ユーザがアカウントを登録しているソーシャルネットワーキングサービスのアカウントを受け取ると(ステップS101)、まず、クロール部11において、受け取ったユーザのアカウントに基づいてソーシャルネットワーキングサービス内をクロールし(ステップS102)、ユーザの嗜好に関連しうる嗜好情報が収集される(ステップS103)。
【0025】
図4は、
図1に示したクロール部11においてソーシャルネットワーキングサービスから収集されるユーザの嗜好情報の一例を示す図である。
図5は、
図4に示した嗜好情報の中から一人のユーザについて収集される嗜好情報を示す図である。
【0026】
図4に示すように、
図1に示したクロール部11においてソーシャルネットワーキングサービスから収集されるユーザの嗜好情報には、ユーザがアカウントを登録しているソーシャルネットワーキングサービスの名称やそのアカウントからなる利用者基本情報に対応づけて、ユーザの友達を示す交友関係情報や、ユーザが訪問したことのある場所を示す訪問地情報や、ユーザの趣味を示す趣味情報や、ユーザが外食した食べ物を示す食べ物情報などのうち少なくとも1つが含まれている。このように嗜好情報には、ユーザの趣味、飲食に関する好み、行動の傾向(アウトドア派かインドア派か、観戦好きか体験好きかなど)、訪問したことのある場所の情報が含まれる。
【0027】
例えば、クロール部11は、訪問地、趣味、食べ物のそれぞれのカテゴリについて、含まれる複数のワードを格納した辞書データベースを予め記録しておき、ソーシャルネットワーキングサービスから抽出したワードで各カテゴリの辞書データベースを検索し、該当したカテゴリおよびワードに基づいて嗜好情報を記録してもよい。例えば、趣味の辞書データベースに、旅行、ゴルフ、テニス、ダイビング、スキー、キャンプ、鉄道など趣味を示すワードを格納しておき、ソーシャルネットワーキングサービスにおけるユーザの発言にゴルフというワードが所定回以上登場したら、そのユーザの趣味はゴルフであると推定し、嗜好情報に趣味がゴルフであることを記録する。
【0028】
このように、ユーザの嗜好情報として、ユーザの交友関係、訪問地、趣味、および外食した食べ物に関する情報が収集され、後述するようにこれらの情報を用いてユーザの嗜好が分析され、嗜好に適合する旅行プランが立案されるので、ユーザの好みに合った旅行プランを提案することが可能となる。
【0029】
そして、これらの情報の中から、
図5に示すように、ステップS101にて受け取られたアカウントによって特定されるユーザに関する嗜好情報が収集されることになる。
【0030】
クロールサーバ10においては次に、クロール部11において、ステップS102にて収集されたユーザの嗜好情報に基づいてインターネットをクロールし(ステップS104)、嗜好情報に関連する関連情報が収集され、ステップS103にて収集された嗜好情報とともに蓄積部12に蓄積される(ステップS105)。例えば、訪問地、趣味、あるいは外食した食べ物の名称をキーワードとして、インターネット検索を行い、該当するウェブサイトに記載されている内容を関連情報として取得し、蓄積する。
【0031】
その後、AIサーバ20においては、分析部21において、クロール部11にて収集されて蓄積部12に蓄積された嗜好情報および関連情報に基づいて、ユーザの嗜好を評価するための分析モデル22が生成される(ステップS106)。なお、分析部21における分析モデル22の生成に用いる機械学習の手法は特に限定されない。例えば、線形モデル、ベイズ推定、カルマンフィルタ、ARIMA(Autoregressive Integrated Moving Average)モデル、決定木(ランダムフォレスト等含む)、ニューラルネットワーク、サポートベクタモデル(SVM)等の中から、ひとつ以上の予測モデルを用いてもよい。
【0032】
次に、バーチャルガイドサーバ30における旅行プランとして推奨プランを立案して提案する際の処理について説明する。
【0033】
図6は、
図1に示したバーチャルガイドサーバ30における推奨プランの立案提案処理を説明するためのフローチャートである。
【0034】
バーチャルガイドサーバ30においてはまず、お薦めプラン立案部32において、旅行プランを立案するための基礎情報が取得される(ステップS201)。この基礎情報とは、旅行プランのひな型となるものであって、データベース(不図示)に登録されている。
【0035】
次に、お薦めプラン立案部32において、AIサーバ20にて生成された分析モデルに基づいて、ユーザの嗜好に適合する、少なくとも行き先と該行き先に行く時刻とを対応付けた行程情報を含む旅行プランが推奨プランとして作成される(ステップS202)。
【0036】
次に、作成された推奨プランがスマートデバイス2に送信され、ユーザに提示される(ステップS203)。
【0037】
そして、提示された推奨プランの中からユーザが所望の推奨プランを選択すると、その推奨プランがスマートデバイス2に登録されるとともに(ステップS204)、分析モデル41が登録される(ステップS205)。
【0038】
その後、お薦めプラン立案部32においては、スマートデバイス2に常駐して選択された推奨プランを用いてガイドを実行するアバターによるバーチャルガイドがバーチャルガイドプログラム41として生成される(ステップS206)。またその際、お薦めプラン立案部32においては、バーチャルガイドプログラム41によって、作成した旅行プランに基づき、ユーザがその旅行プランによる旅行中に、スマートデバイス2が、その位置情報を取得し、この位置情報が示す位置が旅行プランにて示される行き先と一致するときにその行き先に関連する情報を提示する処理を、スマートデバイス2により実行可能にする。これにより、旅行プランによる旅行の最中にユーザにリアルタイムで旅行先の情報を提示することができる。また、旅行プラン立案部32においては、バーチャルガイドプログラム41によって、旅行プランおよび分析モデルに基づき、スマートデバイス2の位置情報が示す位置から所定範囲内で行われるイベントに関するイベント情報を取得し、分析モデルに基づきイベントがユーザの嗜好に適合する場合にイベント情報に基づく情報をスマートデバイス2にて提示するようにする。これにより、旅行中に現地でユーザの好みに合ったイベントがあるとそれをユーザに提示することが可能となり、旅行中に現地での柔軟な旅行の変更が可能となる。
【0039】
次に、スマートデバイス2におけるバーチャルガイドの実行処理について説明する。
【0040】
図7は、
図1に示したスマートデバイス2におけるバーチャルガイドの実行処理を説明するためのフローチャートである。
【0041】
図1に示したスマートデバイス2においてバーチャルガイドプログラム40が実行されると、まず、ステップS204にて登録されたお薦めプランが取得される(ステップS301)。
【0042】
また、スマートデバイス2のGPS機能を用いて、スマートデバイス2の現在の位置情報が取得されるとともに(ステップS302)、スマートデバイス2のカメラ(不図示)から、取得した道路標識、看板、風景などの画像情報が取り込まれる(ステップS303)。
【0043】
次に、ステップS302にて取得された現在の位置情報と、ステップS303にて取得された画像情報をもとに、立案された旅行プラン以外の最新イベント情報がリアルタイムに取り込まれる(ステップS304)。
【0044】
そして、バーチャルガイドプログラム40の旅行プラン実行部42によって、ステップS205にて登録された分析モデル41を用いて、ステップS304にて取り込んだイベント情報のうちユーザの嗜好に合ったイベントが抽出され(ステップS305)、イベントが開催される場所が地図表示される(ステップS306)。
【0045】
このように、バーチャルガイドプログラム40の旅行プラン実行部42によって、お薦めプラン立案部32にて立案された旅行プランの行程情報と、現在位置の位置情報とに基づいて、位置情報が示す位置が行き先と一致するときにその行き先に関連する情報が提示されることになる。これにより、旅行プランによる旅行の最中にユーザにリアルタイムで旅行先の情報を提示することができる。また、旅行プラン実行部42によって、旅行プランおよび分析モデルを含む旅行支援情報がバーチャルガイドサーバ30から送信されてきた場合、位置情報が示す位置から所定範囲内で行われるイベントに関するイベント情報が取得され、分析モデル41に基づきイベントがユーザの嗜好に適合する場合にイベント情報に基づく情報が提示されることになる。これにより、旅行中に現地でユーザの好みに合ったイベントがあるとそれをユーザに提示することが可能となり、旅行中に現地での柔軟な旅行の変更が可能となる。
【0046】
その後、ステップS305にて抽出されたイベントについて、立案された旅行プランに基づいて、音声やテキストなどによるアバターによるバーチャルガイドが、ユーザとの間にて対話しながら行われる(ステップS307)。また、予定外行動立案部43において、例えば、スマートデバイス2の位置情報に基づき、お薦めプラン立案部32にて立案された旅行プラン以外のプランが立案されてユーザに提示される。
【0047】
その後、終了判定が行われ、上述した処理が終了していない場合は、ステップS301の処理に戻り、処理が繰り返し行われることになる。
【0048】
このように本形態においては、ソーシャルネットワーキングサービスからユーザの嗜好情報を取得し、その嗜好情報からユーザの嗜好を特定し、嗜好に適合する旅行プランを作成するので、個々のユーザに対してそれぞれの嗜好に合致した旅行を提案することが可能となる。また、ソーシャルネットワーキングサービスから取得したユーザの嗜好情報を収集し、その嗜好情報から更に関連情報を収集し、分析モデルの生成に利用すれば、ユーザの趣向を良好に評価可能な分析モデルを生成することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施形態を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…旅行プラン立案システム、2…スマートデバイス、10…クロールサーバ、11…クロール部、12…蓄積部、20…AIサーバ、21…分析部、22,31,41…分析モデル、30…バーチャルガイドサーバ、32…お薦めプラン立案部、40…バーチャルガイドプログラム、42…旅行プラン実行部、43…予定外行動立案部、51…プロセッサ、52…メインメモリ、53…記憶装置、54…通信装置、55…入力装置、56…表示装置、57…バス