IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3
  • 特許-画像形成装置 図4
  • 特許-画像形成装置 図5
  • 特許-画像形成装置 図6
  • 特許-画像形成装置 図7
  • 特許-画像形成装置 図8
  • 特許-画像形成装置 図9
  • 特許-画像形成装置 図10
  • 特許-画像形成装置 図11
  • 特許-画像形成装置 図12
  • 特許-画像形成装置 図13
  • 特許-画像形成装置 図14
  • 特許-画像形成装置 図15
  • 特許-画像形成装置 図16
  • 特許-画像形成装置 図17
  • 特許-画像形成装置 図18
  • 特許-画像形成装置 図19
  • 特許-画像形成装置 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240711BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240711BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240711BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H04N1/00 C
G03G21/00
B41J29/42 F
G06F3/16 660
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020205067
(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公開番号】P2022092314
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】時重 正人
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-191591(JP,A)
【文献】特開2011-043894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/00
B41J 29/42
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成を行う画像形成部と、
ユーザーに画像形成に係るサービスの音声案内を行う報知部と、
ユーザーにメッセージを表示する表示部と、
前記画像形成部、前記報知部および前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、画像形成に係るサービスを行う際に前記報知部に音声案内を開始させ、
前記サービスがユーザーにとって初回である場合は、前記音声案内を最後まで再生してから前記表示部に次の画面に移行させ、一方、前記サービスが前記ユーザーにとって2回目以降の繰り返しになる場合は、次の画面への移行が可能になったら、前記報知部に前記音声案内の再生を途中で停止させてから前記表示部に次の画面に移行させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ユーザーへのメッセージを表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記報知部に前記音声案内の再生を途中で停止させてから前記表示部に次の画面に移行させた場合、前記画面の移行について予め定められたメッセージを前記表示部に表示させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記報知部に前記音声案内の再生を途中で停止させる場合、前記画面の移行について予め定められた追加の音声案内を前記報知部に再生させる請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記報知部に前記音声案内の再生を途中で停止させる場合、予め定められた文単位の終わりで前記音声案内の再生を前記報知部に停止させる請求項1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、予め定められた文単位の終わりで前記音声案内の再生を前記報知部に停止させた後、直前の文単位に対応した予め定められた追加の音声案内を前記報知部に再生させる請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、より詳細には、音声案内機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストアの店舗や役所等の公共の施設に設置された複合機等の画像形成装置において、コピーやプリント等を行う際に音声案内機能を有するものが知られている。
【0003】
しかしながら、このような音声案内機能を有する装置において、操作方法を十分に理解したユーザーに対しても、毎回音声案内を最後まで再生するのは、ユーザーの利便性が高いものとはいえない。
【0004】
そこで、ユーザーの利便性を高めるため、メッセージ音声情報の再生時に操作手段が操作信号を出力した場合や、操作手段が音声中止信号を出力した場合に音声出力手段を停止させる画像形成装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
また、操作メニューの音声出力途中にユーザーの知りたい操作メニューが指定された場合、出力中の音声がその時点で中断されるヘルプ機能付きユーザーインターフェース装置の発明も開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平7-302017号公報
【文献】特開2004-164438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の音声案内機能を有する装置において、音声案内の再生は、所定の音声案内を最後まで再生し終わってから次の操作を行う画面に遷移する、あるいは、音声案内の途中であっても、ユーザーが何らかの操作を行った時点で音声案内を停止するものが知られていた。
【0008】
しかしながら、操作方法を十分に理解していないユーザーに対しても、何らかの操作を行った時点で音声案内を途中で停止すると、ユーザーに不安感を与えてしまうおそれがある。
【0009】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、音声案内の再生において、従来よりもユーザーの利便性の高い画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)この発明は、画像形成を行う画像形成部と、ユーザーに画像形成に係るサービスの音声案内を行う報知部と、ユーザーにメッセージを表示する表示部と、前記画像形成部、前記報知部および前記表示部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、画像形成に係るサービスを行う際に前記報知部に音声案内を開始させ、前記サービスがユーザーにとって初回である場合は、前記音声案内を最後まで再生してから前記表示部に次の画面に移行させ、一方、前記サービスが前記ユーザーにとって2回目以降の繰り返しになる場合は、次の画面への移行が可能になったら、前記報知部に前記音声案内の再生を途中で停止させてから前記表示部に次の画面に移行させることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【0011】
この発明において、「画像形成装置」は、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー機能)機能を有する複写機や複合機、または複写以外の機能をも含むMFP(Multifunctional Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
また、「報知部」は、例えば、音声スピーカーにメッセージ等の音声を発生させることによって、メッセージ等を周囲に報知する部分である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、初回の音声案内の再生時においては、ユーザーは音声案内の再生終了まで待たされるため、音声案内の内容を最後まで伝えることができる一方で、2回目以降の音声案内の再生は、画面遷移する準備が完了し次第、停止させるため、ユーザーが待たされる時間が短くなり、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能な画像形成装置が実現できる。
【0013】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0014】
(2)ユーザーへのメッセージを表示する表示部をさらに備え、前記制御部は、前記報知部に前記音声案内の再生を途中で停止させてから前記表示部に次の画面に移行させた場合、前記画面の移行について予め定められたメッセージを前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0015】
「前記画面の移行について予め定められたメッセージ」は、画面を移行させる際に処理の内容に応じてユーザーに表示すべきメッセージである。
例えば、データの読み込みが完了して次の画面に移行する場合、「データの読み込みが終了しました。」等の予め定められたメッセージを表示部に表示する。
【0016】
このようにすれば、2回目以降の音声案内の再生において、画面遷移する準備が完了し次第、音声案内の再生を停止したとき、ユーザーに不安を生じさせないように所定のメッセージが表示されるため、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能な画像形成装置が実現される。
【0017】
(3)前記制御部は、前記報知部に前記音声案内の再生を途中で停止させる場合、前記画面の移行について予め定められた追加の音声案内を前記報知部に再生させるものであってもよい。
【0018】
「前記画面の移行について予め定められた追加の音声案内」は、音声案内を途中で停止する際に処理の内容に応じてユーザーに再生すべき音声案内である。
例えば、データの読み込みが完了して次の画面に移行する場合、「データの読み込みが終わったので、次の画面に切り替わります。」等の予め定められた音声案内を再生する。
【0019】
このようにすれば、2回目以降の音声案内の再生において、画面遷移する準備が完了し次第、音声案内の再生を停止したとき、ユーザーに不安を生じさせないように画面の遷移を行う旨の追加の音声案内を再生した後に画面を遷移するため、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能な画像形成装置を実現することができる。
【0020】
(4)前記制御部は、前記報知部に前記音声案内の再生を途中で停止させる場合、予め定められた文単位の終わりで前記音声案内の再生を前記報知部に停止させるものであってもよい。
【0021】
このようにすれば、2回目以降の音声案内の再生において、画面遷移する準備が完了し次第、音声案内の再生を停止するとき、キリが良くなるように所定の文単位の終わりで再生を終了するため、ユーザーに故障等の不安を生じさせることなく、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能な画像形成装置が実現される。
【0022】
(5)前記制御部は、予め定められた文単位の終わりで前記音声案内の再生を前記報知部に停止させた後、直前の文単位に対応した予め定められた追加の音声案内を前記報知部に再生させるものであってもよい。
【0023】
このようにすれば、2回目以降の音声案内の再生において、画面遷移する準備が完了し次第、音声案内の再生を停止するとき、キリが良くなるように所定の文単位の終わりで再生を終了した後、直前の文単位に対応する音声案内を追加で再生するため、ユーザーの違和感を生じさせることなく、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能な画像形成装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】この発明の音声案内機能を有するデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
図2図1に示すデジタル複合機の平面図である。
図3図1に示すデジタル複合機の操作パネルを示す説明図である。
図4図1に示すデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図5図1に示すデジタル複合機の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
図6図1に示すデジタル複合機の表示部に表示されたサービスの初期画面の一例を示す説明図である。
図7図1に示すデジタル複合機の表示部に表示されたプリントサービス開始画面の一例を示す説明図である。
図8図1に示すデジタル複合機の表示部に表示されたデータ読み込み中画面の一例を示す説明図である。
図9図1に示すデジタル複合機の表示部に表示されたデータの選択画面の一例を示す説明図である。
図10図1に示すデジタル複合機の表示部に示された印刷開始確認画面の一例を示す説明図である。
図11図1に示すデジタル複合機の表示部に示された印刷中画面の一例を示す説明図である。
図12図1に示すデジタル複合機の表示部に示された印刷終了画面の一例を示す説明図である。
図13】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
図14】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機の表示部に表示されたデータ読み込み中画面の一例を示す説明図である。
図15】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機の表示部に表示されたデータの選択画面およびメッセージの一例を示す説明図である。
図16】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
図17】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
図18】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機の音声案内の文単位の一例を示す表である。
図19】この発明の実施形態5に係るデジタル複合機の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
図20】この発明の実施形態5に係るデジタル複合機の音声案内の文単位と当該文単位に対応した追加の音声案内の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0026】
〔実施形態1〕
図1図4に基づき、この発明の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機1について説明する。
図1は、この発明の音声案内機能を有するデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。
図2は、図1に示すデジタル複合機1の平面図である。
図3は、図1に示すデジタル複合機1の操作パネル17を示す説明図である。
図4は、図1に示すデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0027】
なお、この発明は、デジタル複合機1に限定されるものではなく、例えば、病院や銀行、ガソリンスタンド等の精算機、乗車券や食券等を販売する自動券売機、セルフのキャッシュレジスタ、タブレット等の携帯端末、電子黒板等の音声案内機能を有するすべての機器に適用可能である。
【0028】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有する複合機やMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0029】
図1および図2に示すように、デジタル複合機1は、操作パネル17および音声スピーカー181を備える。
【0030】
図3に示すように、操作パネル17は、表示部171および操作部172を備える。
【0031】
デジタル複合機1は、操作部172や通信部15(図4参照)を介して受付けたユーザーからの指示に基づき、印刷、コピー、スキャンまたは画像送信(Scan to Email, Scan to Ftp)等のジョブを実行する。
【0032】
次に、図4に基づき、デジタル複合機1の概略構成を説明する。
【0033】
図4は、図1に示すデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像読取部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、給紙部16、操作パネル17、報知部18、計時部19およびUSBポート20を備える。
【0034】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0035】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0036】
画像読取部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。また、外部の情報処理装置(不図示)またはファクシミリ装置(不図示)等で生成された画像データを取得する部分である。
【0037】
なお、画像データを外部の情報処理装置等から取得する場合、有線または無線ネットワークを経由して画像データを取得するものであっても、またはUSB等に記録された画像データを取得するものであってもよく、また、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0038】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを用紙上に印刷出力する部分であり、LSU121を備える。
LSU121は、画像読取部11によって取得されたデジタル信号からなる画像情報に対応するレーザー光を帯電状態にある感光体ドラムの表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0039】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。
例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0040】
画像処理部14は、画像読取部11によって読み取られた原稿画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成し、画像読取部11から入力された画像データを操作部172からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0041】
通信部15は、ネットワーク等を介して、外部のコンピュータや携帯情報端末、外部の情報処理装置やファクシミリ装置等との通信をおこない、メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
【0042】
給紙部16は、給紙カセット、手差トレイに格納された用紙を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0043】
操作パネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成される。
【0044】
表示部171は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
【0045】
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0046】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0047】
報知部18は、音声スピーカー181を備える。
報知部18は、音声スピーカー181にブザー音やメッセージ等の音声を発生させることによって、警告やメッセージ等を周囲に報知する部分である。
【0048】
計時部19は、時間を計測する部分であり、例えば、内蔵時計やネットワークを通じて時刻を取得する。
【0049】
USBポート20は、USBメモリを着脱可能に接続する接続端子を備え、接続されたUSBメモリを検出して、USBメモリ内のデータの読み書きを行う部分である。
【0050】
<音声案内処理の一例>
次に、図5図12に基づき、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の音声案内処理の一例について説明する。
図5は、図1に示すデジタル複合機1の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
実施形態1において、USBメモリをUSBポート20に差し込み、USBメモリ内のデータを選択して印刷するときの音声案内処理の一例を紹介する。
【0052】
図6は、図1に示すデジタル複合機1の表示部171に表示されたサービスの初期画面の一例を示す説明図である。
図7は、図1に示すデジタル複合機1の表示部171に表示されたプリントサービス開始画面の一例を示す説明図である。
図8は、図1に示すデジタル複合機1の表示部171に表示されたデータ読み込み中画面の一例を示す説明図である。
図9は、図1に示すデジタル複合機1の表示部171に表示されたデータの選択画面の一例を示す説明図である。
図10は、図1に示すデジタル複合機1の表示部171に示された印刷開始確認画面の一例を示す説明図である。
図11は、図1に示すデジタル複合機1の表示部171に示された印刷中画面の一例を示す説明図である。
図12は、図1に示すデジタル複合機1の表示部171に示された印刷終了画面の一例を示す説明図である。
【0053】
初期画面において、ユーザーが任意のサービスを選択した場合、図5のステップS1において、制御部10は、ユーザーにとって当該サービスの実行が同じサービスの繰り返しであるか否かを判定する(ステップS1)。
【0054】
ユーザーにとって当該サービスの実行が同じサービスの繰り返しでない場合、すなわち、ユーザーによって初めてのサービスの実行である場合(ステップS1の判定がNoの場合)、ステップS2において、制御部10は、報知部18に音声案内の再生を開始させる(ステップS2)。
【0055】
図6の初期画面において、ユーザーが「プリント」サービスを選択した場合、図7に示すように、「USBポートにUSBメモリを差し込んでください。」というメッセージが表示部171に表示されるとともに、報知部18が音声案内の再生を開始する。
【0056】
次に、ステップS3において、制御部10は、音声案内の再生が終了したか否かを判定する(ステップS3)。
【0057】
音声案内の再生が終了していない場合(ステップS3の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS3の判定を繰り返す。
【0058】
一方、音声案内の再生が終了した場合(ステップS3の判定がYesの場合)、ステップS4において、制御部10は、画面の遷移が可能な状態になったか否かを判定する(ステップS4)。
【0059】
画面の遷移が可能な状態になっていない場合(ステップS4の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS4の判定を繰り返す。
【0060】
一方、画面の遷移が可能な状態になった場合(ステップS4の判定がYesの場合)、ステップS5において、制御部10は、表示部171に画面を遷移させる(ステップS5)。
【0061】
なお、図6図7の例に限らず、1つのサービスにおいて、複数の画面に遷移してそれぞれ異なる音声案内を再生する場合は、ステップS2~S5の処理を反復するものとする。
【0062】
例えば、ユーザーがUSBポート20にUSBメモリを差し込むと、データの読み込みが開始される。
このとき、図8に示すように、「データを読み込んでいます。USBポートからUSBメモリを抜かないでください。読み込みを終了したら画面が切り替わります。」というメッセージが表示部171に表示されるとともに、報知部18が音声案内の再生を開始する。
【0063】
そして、音声案内が終了し、かつ、データの読み込みが終了したら、図9に示すように、データの選択画面に遷移する。
【0064】
図9において、ユーザーが、データ1および3を選択した後、「つぎへ」ボタンを押下げすると、図10に示すように、印刷開始画面に遷移する。
【0065】
図10の例において、「印刷を開始します。」というメッセージが表示部171に表示されるとともに、報知部18が音声案内の再生を開始する。
【0066】
図10において、ユーザーが「はい」ボタンを押下げすると、図11に示すように、印刷中画面に遷移する。
【0067】
図11の例において、「印刷しています。」というメッセージが表示部171に表示されるとともに、報知部18が音声案内の再生を開始する。
【0068】
そして、印刷が終了すると、図12に示すように、印刷終了画面に遷移する。
【0069】
図12の例において、「印刷を終了しました。別のデータの印刷を行う場合は、[別のデータを印刷する]ボタンを押してください。」というメッセージが表示部171に表示されるとともに、報知部18が音声案内の再生を開始する。
【0070】
ここで、図12の例に示すように、ユーザーが「別のデータを印刷する」ボタンを押下げした場合、図5のステップS6~S8の処理に従って、音声ガイダンス処理を行う。
【0071】
図5のステップS1において、ユーザーにとって当該サービスの実行が同じサービスの繰り返しである場合(ステップS1の判定がYesの場合)、ステップS6において、制御部10は、報知部18に音声案内の再生を開始させる(ステップS6)。
【0072】
次に、ステップS7において、制御部10は、画面の遷移が可能な状態になったか否かを判定する(ステップS7)。
【0073】
画面の遷移が可能な状態になっていない場合(ステップS7の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS7の判定を繰り返す。
【0074】
一方、画面の遷移が可能な状態になった場合(ステップS7の判定がYesの場合)、ステップS8において、制御部10は、音声案内の再生が終了したか否かにかかわらず、音声案内の再生を報知部18に停止させる(ステップS8)。
【0075】
その後、ステップS5において、制御部10は、表示部171に画面を遷移させる(ステップS5)。
【0076】
このようにして、初回の音声案内の再生時においては、ユーザーは音声案内の再生終了まで待たされるため、音声案内の内容を最後まで伝えることができる一方で、2回目以降の音声案内の再生は、画面遷移する準備が完了し次第、停止させるため、ユーザーが待たされる時間が短くなり、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能なデジタル複合機1を実現することができる。
【0077】
〔実施形態2〕
次に、図13図15に基づき、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の音声案内処理の一例について説明する。
【0078】
実施形態2に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(図4)と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
図13は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
【0080】
図13において、ステップS11~S18の処理は、それぞれ図5のステップS1~S8の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、実施形態1に記載のない図13のステップS19およびS20の処理について説明する。
【0081】
図13のステップS15において、表示部171に画面を遷移させた後(ステップS15)、ステップS19において、制御部10は、音声案内の再生が途中で停止したか否かを判定する(ステップS19)。
【0082】
音声案内の再生が途中で停止していない場合(ステップS19の判定がNoの場合)、制御部10は、サービスを継続させる。
【0083】
一方、音声案内の再生が途中で停止した場合(ステップS19の判定がYesの場合)、ステップS20において、制御部10は、予め定められたメッセージを表示部171に表示させる(ステップS20)。
【0084】
図14は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の表示部171に表示されたデータ読み込み中画面の一例を示す説明図である。
図15は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の表示部171に表示されたデータの選択画面およびメッセージの一例を示す説明図である。
【0085】
図14に示すように、「データを読み込んでいます。USBポートからUSBメモリを抜かないでください。読み込みを終了したら画面が切り替わります。」というメッセージが表示部171に表示されるとともに、報知部18が音声案内の再生を開始する。
【0086】
このとき、当該音声案内の再生が2回目以降である場合、制御部10は、報知部18に音声案内の再生を停止させて、表示部171に次の画面(データの選択画面)に遷移させる。
【0087】
この場合、音声案内の再生が途中で停止したため、デジタル複合機1の故障ではないかと、ユーザーに不安を生じさせるおそれもある。
【0088】
そこで、このような不安を生じさせないため、図15に示すように、「データの読み込みが終了しました。」という所定のメッセージを表示部171に表示させる。
【0089】
このようにして、2回目以降の音声案内の再生において、画面遷移する準備が完了し次第、音声案内の再生を停止したとき、ユーザーに不安を生じさせないように所定のメッセージが表示されるため、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能なデジタル複合機1を実現することができる。
【0090】
〔実施形態3〕
次に、図16に基づき、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の音声案内処理の一例について説明する。
【0091】
実施形態3に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(図4)と同様であるため、説明を省略する。
【0092】
図16は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
【0093】
図16において、ステップS21~S28の処理は、それぞれ図5のステップS1~S8の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、実施形態1に記載のない図16のステップS29の処理について説明する。
【0094】
図16のステップS28において、音声案内の再生を報知部18に停止させた後(ステップS28)、続くステップS29において、制御部10は、画面の遷移を行う旨の音声案内を報知部18に報知させる(ステップS29)。
【0095】
音声案内の再生を停止したとき、報知部18は、処理の内容に応じて、例えば、「データの読み込みが終わったので、次の画面に切り替わります。」等の予め定められた音声案内を追加で再生させる。
【0096】
その後、ステップS25において、制御部10は、表示部171に画面を遷移させる(ステップS25)。
【0097】
このようにして、2回目以降の音声案内の再生において、画面遷移する準備が完了し次第、音声案内の再生を停止したとき、ユーザーに不安を生じさせないように画面の遷移を行う旨の追加の音声案内を再生した後に画面を遷移するため、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能なデジタル複合機1を実現することができる。
【0098】
〔実施形態4〕
次に、図17および図18に基づき、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1の音声案内処理の一例について説明する。
【0099】
実施形態4に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(図4)と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
図17は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
【0101】
図17において、ステップS31~S37の処理は、それぞれ図5のステップS1~S7の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、実施形態1に記載のない図17のステップS38およびS39の処理について説明する。
【0102】
図17のステップS37において、画面の遷移が可能な状態になった場合(ステップS37の判定がYesの場合)、ステップS38において、制御部10は、音声案内の再生が終了したか否かにかかわらず、音声案内の再生を所定の文単位の終わりで報知部18に停止させる(ステップS38)。
【0103】
図18は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1の音声案内の文単位の一例を示す表である。
【0104】
図18に示すように、音声案内は、「1.データを読み込んでいます。」、「2.USBポートからUSBメモリを抜かないでください。」、「3.読み込みを終了したら画面が切り替わります。」などの予め定められた文単位に分けられている。
【0105】
報知部18は、それぞれの文単位の音声案内を再生している最中に再生を途中で停止させる場合、当該文単位を終わりまで再生してから、音声案内の再生を停止させる。
【0106】
音声案内の再生を所定の文単位の終わりで報知部18に停止させた後(ステップS38)、続くステップS39において、制御部10は、画面の遷移を行う旨の音声案内を報知部18に報知させる(ステップS39)。
【0107】
このようにして、2回目以降の音声案内の再生において、画面遷移する準備が完了し次第、音声案内の再生を停止するとき、キリが良くなるように所定の文単位の終わりで再生を終了するため、ユーザーに故障等の不安を生じさせることなく、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能なデジタル複合機1を実現することができる。
【0108】
〔実施形態5〕
次に、図19および図20に基づき、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機1の音声案内処理の一例について説明する。
【0109】
実施形態5に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(図4)と同様であるため、説明を省略する。
【0110】
図19は、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機1の音声案内処理の流れを示すフローチャートである。
【0111】
図19において、ステップS41~S47の処理は、それぞれ図17のステップS31~S37の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、実施形態4に記載のない図19のステップS49の処理について説明する。
【0112】
図19のステップS48において、音声案内の再生を所定の文単位の終わりで報知部18に停止させた後(ステップS48)、ステップS49において、制御部10は、直前の音声案内の文単位に対応した追加の音声案内を再生する(ステップS49)。
【0113】
図20は、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機1の音声案内の文単位と当該文単位に対応した追加の音声案内の一例を示す表である。
【0114】
図20において、実施形態4と同様に、音声案内は、「1.データを読み込んでいます。」、「2.USBポートからUSBメモリを抜かないでください。」、「3.読み込みを終了したら画面が切り替わります。」などの予め定められた文単位に分けられている。
【0115】
図20に示すように、「1.データを読み込んでいます。」で音声案内の再生を終了した場合、報知部18は、「読み込みが終了しました。画面が切り替わります。」という対応する音声案内を追加で再生する。
【0116】
また、「2.USBポートからUSBメモリを抜かないでください。」で音声案内の再生を終了した場合、報知部18は、「メモリを抜いてください。画面が切り替わります。」という対応する音声案内を追加で再生する。
【0117】
また、「3.読み込みが終了しました。画面が切り替わります。」で音声案内の再生を終了した場合は、報知部18は、追加の音声案内を再生させない。
【0118】
その後、ステップS25において、制御部10は、表示部171に画面を遷移させる(ステップS25)。
【0119】
このようにして、2回目以降の音声案内の再生において、画面遷移する準備が完了し次第、音声案内の再生を停止するとき、キリが良くなるように所定の文単位の終わりで再生を終了した後、直前の文単位に対応する音声案内を追加で再生するため、ユーザーの違和感を生じさせることなく、従来よりも利便性の高い音声案内の再生が可能なデジタル複合機1を実現することができる。
【0120】
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0121】
1:デジタル複合機、 10:制御部、 11:画像読取部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:給紙部、 17:操作パネル、 18:報知部、 19:計時部、 20:USBポート、 121:LSU、 171:表示部、 172:操作部、 181:音声スピーカー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20