(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】出荷倉庫自動選択装置、出荷倉庫自動選択方法、および、出荷倉庫自動選択プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240711BHJP
【FI】
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2021040459
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 遼平
(72)【発明者】
【氏名】杉山 博紀
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 航太
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-126366(JP,A)
【文献】特開2019-101827(JP,A)
【文献】特開2006-004104(JP,A)
【文献】特開2006-163843(JP,A)
【文献】特許第6304665(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2020/0065746(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた出荷倉庫自動選択装置であって、
前記記憶部は、
商品の品種、同一品種の当該商品が正規品か同一規格品かを示す主アイテム区分、および、前記商品間の商品優先順位を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、
前記商品の納入先、当該納入先の住所に応じたエリア、および、当該納入先に前記同一規格品を出荷可能か否かを示す同一規格出荷可能区分を紐付けて設定した納入先マスタを記憶する納入先記憶手段と、
前記商品の倉庫、当該倉庫の住所に応じたエリア、および、当該倉庫に保管されている前記品種を紐付けて設定した倉庫マスタを記憶する倉庫記憶手段と、
前記倉庫毎の前記商品の在庫数量を設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記納入先、前記品種、および、前記商品の受注数量を設定した受注入力データを取得する受注入力取得手段と、
前記受注入力データ、前記商品マスタ、前記納入先マスタ、および、前記倉庫マスタに基づいて、前記倉庫と前記納入先との距離および前記商品優先順位から、出荷優先順位を取得する出荷優先順位取得手段と、
前記受注数量が、前記出荷優先順位が最上位の前記商品の前記在庫数量よりも多い場合、前記出荷優先順位に対応付けて、代替品となる前記商品を選択可能とした代替品選択画面を表示させる代替品選択表示手段と、
前記代替品選択画面にて前記代替品が選択された場合、前記在庫データに基づいて、前記代替品を設定した受注データを取得する受注取得手段と、
を備えたことを特徴とする出荷倉庫自動選択装置。
【請求項2】
前記受注入力取得手段は、
前記納入先を設定可能な受注入力ヘッダ画面を表示させ、前記受注入力ヘッダ画面に前記納入先が設定された場合、前記品種および前記受注数量を設定可能な受注入力明細画面を表示させ、前記受注入力明細画面に前記品種および前記受注数量が設定された場合、前記受注入力データを取得することを特徴とする請求項1に記載の出荷倉庫自動選択装置。
【請求項3】
前記受注入力取得手段は、
更に、前記在庫データに基づいて、前記出荷優先順位が最上位の前記商品、当該商品の前記在庫数量および前記倉庫を設定した前記受注入力明細画面を表示させることを特徴とする請求項2に記載の出荷倉庫自動選択装置。
【請求項4】
前記受注取得手段は、
更に、前記代替品選択画面にて前記代替品が選択された場合、前記在庫データに基づいて、前記代替品、当該代替品の前記在庫数量および前記倉庫を設定した前記受注入力明細画面を表示させることを特徴とする請求項2または3に記載の出荷倉庫自動選択装置。
【請求項5】
前記商品優先順位は、
前記正規品が前記同一規格品よりも上位に設定され、
前記出荷優先順位取得手段は、
前記受注入力データ、前記商品マスタ、前記納入先マスタ、および、前記倉庫マスタに基づいて、前記倉庫と納入先との距離の近さを主要素とし、前記商品優先順位を副要素として設定した前記出荷優先順位を取得することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の出荷倉庫自動選択装置。
【請求項6】
前記受注取得手段は、
更に、前記受注数量が、前記出荷優先順位が最上位の前記商品の前記在庫数量よりも多くない場合、前記在庫データに基づいて、当該商品を設定した前記受注データを取得することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の出荷倉庫自動選択装置。
【請求項7】
記憶部と制御部とを備えた出荷倉庫自動選択装置に実行させるための出荷倉庫自動選択方法であって、
前記記憶部は、
商品の品種、同一品種の当該商品が正規品か同一規格品かを示す主アイテム区分、および、前記商品間の商品優先順位を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、
前記商品の納入先、当該納入先の住所に応じたエリア、および、当該納入先に前記同一規格品を出荷可能か否かを示す同一規格出荷可能区分を紐付けて設定した納入先マスタを記憶する納入先記憶手段と、
前記商品の倉庫、当該倉庫の住所に応じたエリア、および、当該倉庫に保管されている前記品種を紐付けて設定した倉庫マスタを記憶する倉庫記憶手段と、
前記倉庫毎の前記商品の在庫数量を設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記納入先、前記品種、および、前記商品の受注数量を設定した受注入力データを取得する受注入力取得ステップと、
前記受注入力データ、前記商品マスタ、前記納入先マスタ、および、前記倉庫マスタに基づいて、前記倉庫と前記納入先との距離および前記商品優先順位から、出荷優先順位を取得する出荷優先順位取得ステップと、
前記受注数量が、前記出荷優先順位が最上位の前記商品の前記在庫数量よりも多い場合、前記出荷優先順位に対応付けて、代替品となる前記商品を選択可能とした代替品選択画面を表示させる代替品選択表示ステップと、
前記代替品選択画面にて前記代替品が選択された場合、前記在庫データに基づいて、前記代替品を設定した受注データを取得する受注取得ステップと、
を含むことを特徴とする出荷倉庫自動選択方法。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた出荷倉庫自動選択装置に実行させるための出荷倉庫自動選択プログラムであって、
前記記憶部は、
商品の品種、同一品種の当該商品が正規品か同一規格品かを示す主アイテム区分、および、前記商品間の商品優先順位を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、
前記商品の納入先、当該納入先の住所に応じたエリア、および、当該納入先に前記同一規格品を出荷可能か否かを示す同一規格出荷可能区分を紐付けて設定した納入先マスタを記憶する納入先記憶手段と、
前記商品の倉庫、当該倉庫の住所に応じたエリア、および、当該倉庫に保管されている前記品種を紐付けて設定した倉庫マスタを記憶する倉庫記憶手段と、
前記倉庫毎の前記商品の在庫数量を設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
前記納入先、前記品種、および、前記商品の受注数量を設定した受注入力データを取得する受注入力取得ステップと、
前記受注入力データ、前記商品マスタ、前記納入先マスタ、および、前記倉庫マスタに基づいて、前記倉庫と前記納入先との距離および前記商品優先順位から、出荷優先順位を取得する出荷優先順位取得ステップと、
前記受注数量が、前記出荷優先順位が最上位の前記商品の前記在庫数量よりも多い場合、前記出荷優先順位に対応付けて、代替品となる前記商品を選択可能とした代替品選択画面を表示させる代替品選択表示ステップと、
前記代替品選択画面にて前記代替品が選択された場合、前記在庫データに基づいて、前記代替品を設定した受注データを取得する受注取得ステップと、
を実行させるための出荷倉庫自動選択プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出荷倉庫自動選択装置、出荷倉庫自動選択方法、および、出荷倉庫自動選択プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入力された商品の出荷予定量に基づいて、自社倉庫から納品地までのリードタイムを基準にして商品の出荷可能在庫量を算出し、受注個数がまかなえない場合、あらかじめ登録されている代替品の割り当て可能数を表示させ、ユーザに選択させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、商品自体に設定された順位、および、出荷倉庫と納め先との距離に基づいて、商品の出荷優先順位を決定することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、納め先と商品との組み合わせにおいて、配送距離を加味した適切な場所からの出荷を行うための倉庫指定を自動で行うことで、受注時の商品選択を容易にすることができる出荷倉庫自動選択装置、出荷倉庫自動選択方法、および、出荷倉庫自動選択プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る出荷倉庫自動選択装置は、記憶部と制御部とを備えた出荷倉庫自動選択装置であって、前記記憶部は、商品の品種、同一品種の当該商品が正規品か同一規格品かを示す主アイテム区分、および、前記商品間の商品優先順位を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、前記商品の納入先、当該納入先の住所に応じたエリア、および、当該納入先に前記同一規格品を出荷可能か否かを示す同一規格出荷可能区分を紐付けて設定した納入先マスタを記憶する納入先記憶手段と、前記商品の倉庫、当該倉庫の住所に応じたエリア、および、当該倉庫に保管されている前記品種を紐付けて設定した倉庫マスタを記憶する倉庫記憶手段と、前記倉庫毎の前記商品の在庫数量を設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記納入先、前記品種、および、前記商品の受注数量を設定した受注入力データを取得する受注入力取得手段と、前記受注入力データ、前記商品マスタ、前記納入先マスタ、および、前記倉庫マスタに基づいて、前記倉庫と前記納入先との距離および前記商品優先順位から、出荷優先順位を取得する出荷優先順位取得手段と、前記受注数量が、前記出荷優先順位が最上位の前記商品の前記在庫数量よりも多い場合、前記出荷優先順位に対応付けて、代替品となる前記商品を選択可能とした代替品選択画面を表示させる代替品選択表示手段と、前記代替品選択画面にて前記代替品が選択された場合、前記在庫データに基づいて、前記代替品を設定した受注データを取得する受注取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る出荷倉庫自動選択装置において、前記受注入力取得手段は、前記納入先を設定可能な受注入力ヘッダ画面を表示させ、前記受注入力ヘッダ画面に前記納入先が設定された場合、前記品種および前記受注数量を設定可能な受注入力明細画面を表示させ、前記受注入力明細画面に前記品種および前記受注数量が設定された場合、前記受注入力データを取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る出荷倉庫自動選択装置において、前記受注入力取得手段は、更に、前記在庫データに基づいて、前記出荷優先順位が最上位の前記商品、当該商品の前記在庫数量および前記倉庫を設定した前記受注入力明細画面を表示させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る出荷倉庫自動選択装置において、前記受注取得手段は、更に、前記代替品選択画面にて前記代替品が選択された場合、前記在庫データに基づいて、前記代替品、当該代替品の前記在庫数量および前記倉庫を設定した前記受注入力明細画面を表示させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る出荷倉庫自動選択装置において、前記商品優先順位は、前記正規品が前記同一規格品よりも上位に設定され、前記出荷優先順位取得手段は、前記受注入力データ、前記商品マスタ、前記納入先マスタ、および、前記倉庫マスタに基づいて、前記倉庫と納入先との距離の近さを主要素とし、前記商品優先順位を副要素として設定した前記出荷優先順位を取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る出荷倉庫自動選択装置において、前記受注取得手段は、更に、前記受注数量が、前記出荷優先順位が最上位の前記商品の前記在庫数量よりも多くない場合、前記在庫データに基づいて、当該商品を設定した前記受注データを取得することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る出荷倉庫自動選択方法は、記憶部と制御部とを備えた出荷倉庫自動選択装置に実行させるための出荷倉庫自動選択方法であって、前記記憶部は、商品の品種、同一品種の当該商品が正規品か同一規格品かを示す主アイテム区分、および、前記商品間の商品優先順位を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、前記商品の納入先、当該納入先の住所に応じたエリア、および、当該納入先に前記同一規格品を出荷可能か否かを示す同一規格出荷可能区分を紐付けて設定した納入先マスタを記憶する納入先記憶手段と、前記商品の倉庫、当該倉庫の住所に応じたエリア、および、当該倉庫に保管されている前記品種を紐付けて設定した倉庫マスタを記憶する倉庫記憶手段と、前記倉庫毎の前記商品の在庫数量を設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記納入先、前記品種、および、前記商品の受注数量を設定した受注入力データを取得する受注入力取得ステップと、前記受注入力データ、前記商品マスタ、前記納入先マスタ、および、前記倉庫マスタに基づいて、前記倉庫と前記納入先との距離および前記商品優先順位から、出荷優先順位を取得する出荷優先順位取得ステップと、前記受注数量が、前記出荷優先順位が最上位の前記商品の前記在庫数量よりも多い場合、前記出荷優先順位に対応付けて、代替品となる前記商品を選択可能とした代替品選択画面を表示させる代替品選択表示ステップと、前記代替品選択画面にて前記代替品が選択された場合、前記在庫データに基づいて、前記代替品を設定した受注データを取得する受注取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る出荷倉庫自動選択プログラムは、記憶部と制御部とを備えた出荷倉庫自動選択装置に実行させるための出荷倉庫自動選択プログラムであって、前記記憶部は、商品の品種、同一品種の当該商品が正規品か同一規格品かを示す主アイテム区分、および、前記商品間の商品優先順位を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、前記商品の納入先、当該納入先の住所に応じたエリア、および、当該納入先に前記同一規格品を出荷可能か否かを示す同一規格出荷可能区分を紐付けて設定した納入先マスタを記憶する納入先記憶手段と、前記商品の倉庫、当該倉庫の住所に応じたエリア、および、当該倉庫に保管されている前記品種を紐付けて設定した倉庫マスタを記憶する倉庫記憶手段と、前記倉庫毎の前記商品の在庫数量を設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記納入先、前記品種、および、前記商品の受注数量を設定した受注入力データを取得する受注入力取得ステップと、前記受注入力データ、前記商品マスタ、前記納入先マスタ、および、前記倉庫マスタに基づいて、前記倉庫と前記納入先との距離および前記商品優先順位から、出荷優先順位を取得する出荷優先順位取得ステップと、前記受注数量が、前記出荷優先順位が最上位の前記商品の前記在庫数量よりも多い場合、前記出荷優先順位に対応付けて、代替品となる前記商品を選択可能とした代替品選択画面を表示させる代替品選択表示ステップと、前記代替品選択画面にて前記代替品が選択された場合、前記在庫データに基づいて、前記代替品を設定した受注データを取得する受注取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、同じ型式で商品違いの代替品提案と出荷手配の運用コストを削減できるという効果を奏する。また、本発明によれば、納品先および品番が指定されると代表商品と納品先に最も近い出荷倉庫が取得され、在庫がある場合は処理がそのまま進められ、在庫が無い場合は代替品の出荷倉庫在庫と代替品含めた近隣在庫の状況が検索され、在庫のある商品および倉庫の組合せ指定が支援されるという効果を奏する。また、本発明によれば、受注時の商品選択を容易にし、併せて、適切な場所から出荷可能となり、出荷手配の運用コストを削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施形態における出荷倉庫自動選択装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における商品マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における納入先マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における倉庫マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における出荷倉庫自動選択装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本実施形態における出荷倉庫自動選択処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における出荷倉庫自動選択処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における出荷倉庫自動選択処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0018】
機械卸業等の業種では、得意先から正規品で注文を受けるが、同じ規格の代替品で出荷可能な場合もあり、正規品と代替品とは委託倉庫先も異なる場合が多く、得意先からの注文に対して、どの正規品または代替品をどの倉庫から出荷するかを判断しなくてはならないケースがある。
【0019】
従来は、品種といった商品をくくる上位概念が存在していたが、同じ型式単位で設定するような概念ではなかった。また、従来は、納め先に応じて近い場所から出すことで配送コストの削減などに繋がるが、営業が受注時に指定する従来の手法の場合、納め先と出荷倉庫との距離を意識した倉庫選択が難しかった。
【0020】
そこで、本実施形態においては、品番を同一規格の共通コードでくくり、それぞれの品番に正規品か代替品かの色付けを行い、納入先毎に代替品での出荷が可能かどうかを設定し、納入先毎および品番毎に主要委託倉庫を設定することで、代替可能商品の商品提案および出荷倉庫の自動選択をすることができる仕組みを提供している。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る出荷倉庫自動選択装置100の構成の一例について、
図1から
図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態における出荷倉庫自動選択装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、出荷倉庫自動選択装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、出荷倉庫自動選択装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
出荷倉庫自動選択装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。出荷倉庫自動選択装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、出荷倉庫自動選択装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、出荷倉庫自動選択装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、商品マスタ106aと納入先マスタ106bと倉庫マスタ106cと在庫データベース106dとを備えている。
【0027】
商品マスタ106aは、商品を設定したマスタである。ここで、商品マスタ106aは、商品の品種、同一品種の当該商品が正規品か同一規格品かを示す主アイテム区分、および、商品間の商品優先順位が紐付けて設定されていてもよい。また、商品優先順位は、正規品が同一規格品よりも上位に設定されていてもよい。
【0028】
ここで、
図2を参照して、本実施形態における商品マスタ106aの一例について説明する。
図2は、本実施形態における商品マスタ106aの一例を示す図である。
【0029】
図2に示すように、本実施形態における商品マスタ106aは、アイテム(商品)自身に対して、品種(共通コード、および、品種名)、商品優先順位、ならびに、正規品(MAIN)か同一規格品(SUB)かが設定されていてもよい。
【0030】
図1に戻り、納入先マスタ106bは、商品の納入先を設定したマスタである。ここで、納入先マスタ106bは、商品の納入先、当該納入先の住所に応じたエリア、および、当該納入先に同一規格品を出荷可能か否かを示す同一規格出荷可能区分が紐付けて設定されていてもよい。
【0031】
ここで、
図3を参照して、本実施形態における納入先マスタ106bの一例について説明する。
図3は、本実施形態における納入先マスタ106bの一例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、本実施形態における納入先マスタ106bは、納入先の住所に応じたエリアが設定され、商品を代替可能かどうかが設定されていてもよい。
【0033】
図1に戻り、倉庫マスタ106cは、商品の倉庫を設定したマスタである。ここで、倉庫マスタ106cは、商品の倉庫、当該倉庫の住所に応じたエリア、および、当該倉庫に保管されている品種が紐付けて設定されていてもよい。
【0034】
ここで、
図4を参照して、本実施形態における倉庫マスタ106cの一例について説明する。
図4は、本実施形態における倉庫マスタ106cの一例を示す図である。
【0035】
図4に示すように、本実施形態における倉庫マスタ106cは、エリア別品種別(商品別)に倉庫が設定されていてもよい。
【0036】
図1に戻り、在庫データベース106dは、倉庫毎の商品の在庫数量を設定した在庫データを記憶する。ここで、在庫データは、倉庫識別子(例えば、倉庫コード、および/または、倉庫名等)、商品識別子(例えば、商品コード、および/または、商品名等)、および/または、在庫数量等が設定されていてもよい。
【0037】
制御部102は、出荷倉庫自動選択装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、受注入力取得部102aと出荷優先順位取得部102bと代替品選択表示部102cと受注取得部102dとを備えている。
【0038】
受注入力取得部102aは、商品の受注入力データを取得する。ここで、受注入力取得部102aは、納入先、品種、および、商品の受注数量を設定した受注入力データを取得してもよい。また、受注入力取得部102aは、納入先を設定可能な受注入力ヘッダ画面を表示させ、受注入力ヘッダ画面に納入先が設定された場合、品種および受注数量を設定可能な受注入力明細画面を表示させ、受注入力明細画面に品種および受注数量が設定された場合、受注入力データを取得してもよい。また、受注入力取得部102aは、在庫データに基づいて、出荷優先順位が最上位の商品、当該商品の在庫数量および倉庫を設定した受注入力明細画面を表示させてもよい。
【0039】
出荷優先順位取得部102bは、商品の出荷優先順位を取得する。ここで、出荷優先順位取得部102bは、受注入力データ、商品マスタ、納入先マスタ、および、倉庫マスタに基づいて、倉庫と納入先との距離および商品優先順位から、出荷優先順位を取得してもよい。また、出荷優先順位取得部102bは、受注入力データ、商品マスタ、納入先マスタ、および、倉庫マスタに基づいて、倉庫と納入先との距離の近さを主要素とし、商品優先順位を副要素として設定した出荷優先順位を取得してもよい。
【0040】
代替品選択表示部102cは、代替品となる商品を選択可能とした代替品選択画面を表示させる。ここで、代替品選択表示部102cは、受注数量が、出荷優先順位が最上位の商品の在庫数量よりも多い場合、出荷優先順位に対応付けて、代替品となる商品を選択可能とした代替品選択画面を表示させてもよい。
【0041】
受注取得部102dは、代替品を設定した受注データを取得する。ここで、受注取得部102dは、代替品選択画面にて代替品が選択された場合、在庫データに基づいて、代替品を設定した受注データを取得してもよい。また、受注取得部102dは、代替品選択画面にて代替品が選択された場合、在庫データに基づいて、代替品、当該代替品の在庫数量および倉庫を設定した受注入力明細画面を表示させてもよい。また、受注取得部102dは、受注数量が、出荷優先順位が最上位の商品の在庫数量よりも多くない場合、在庫データに基づいて、当該商品を設定した受注データを取得してもよい。
【0042】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図5から
図8を参照して説明する。
【0043】
[出荷倉庫自動選択処理]
ここで、
図5を参照して、本実施形態における出荷倉庫自動選択処理の一例について説明する。
図5は、本実施形態における出荷倉庫自動選択装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0044】
図5に示すように、受注入力取得部102aは、ユーザによる起動指示に応じて、納入先を設定可能な受注入力ヘッダ画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-1)。
【0045】
そして、受注入力取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介して受注入力ヘッダ画面に納入先が設定された場合、品種および受注数量を設定可能な受注入力明細画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して受注入力明細画面に品種および受注数量が設定された場合、納入先、品種および商品の受注数量を設定した受注入力データを取得する(ステップSA-2)。
【0046】
そして、出荷優先順位取得部102bは、受注入力データ、商品マスタ106a、納入先マスタ106b、および、倉庫マスタ106cに基づいて、倉庫と納入先との距離および商品優先順位から、出荷優先順位を取得する(ステップSA-3)。
【0047】
そして、代替品選択表示部102cは、受注数量が、出荷優先順位が最上位の商品の在庫数量よりも多いか否かを判定する(ステップSA-4)。
【0048】
そして、代替品選択表示部102cは、受注数量が、出荷優先順位が最上位の商品の在庫数量よりも多いと判定した場合(ステップSA-4:Yes)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0049】
そして、代替品選択表示部102cは、出荷優先順位に対応付けて、代替品となる商品を選択可能とした代替品選択画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-5)。
【0050】
そして、受注取得部102dは、ユーザにより入力装置112を介して代替品選択画面にて代替品が選択された場合、在庫データベース106dに記憶された在庫データに基づいて、代替品、当該代替品の在庫数量および倉庫を設定した受注入力明細画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-6)。
【0051】
そして、受注取得部102dは、在庫データベース106dに記憶された在庫データに基づいて、代替品を設定した受注データを取得し(ステップSA-7)、処理を終了する。
【0052】
一方、代替品選択表示部102cは、受注数量が、出荷優先順位が最上位の商品の在庫数量よりも多くないと判定した場合(ステップSA-4:No)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0053】
そして、受注入力取得部102aは、在庫データベース106dに記憶された在庫データに基づいて、受注数量、出荷優先順位が最上位の商品、当該商品の在庫数量および倉庫を設定した受注入力明細画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-8)。
【0054】
そして、受注取得部102dは、在庫データベース106dに記憶された在庫データに基づいて、出荷優先順位が最上位の商品を設定した受注データを取得し(ステップSA-9)、処理を終了する。
【0055】
ここで、
図6から
図8を参照して、本実施形態における出荷倉庫自動選択処理の一例について説明する。
図6から
図8を参照して、本実施形態における出荷倉庫自動選択処理の一例を示す図である。
【0056】
図6に示すように、本実施形態においては、(1)ユーザにより受注入力ヘッダ画面に納入先コードが入力された場合、受注入力明細画面が表示され、(2)ユーザにより受注入力明細画面に共通コードが入力された場合、(3)在庫データベース106dに記憶された在庫データに基づいて、受注入力明細画面に共通コードに応じた商品が自動セットされ、選択された商品および納入先に設定されたエリアの組み合わせに応じた倉庫が自動セットされ、且つ、当該倉庫の在庫数が自動セットされるので、ユーザが在庫有無確認を行うことができる。そして、
図7に示すように、本実施形態においては、(4)倉庫に在庫が無いため、商品項目による代替品検索がされ、代わりとなる商品を検索することが可能となり、代替品検索画面(代替品選択画面)にて出荷優先順位に基づいて、代替品が選択可能に表示され、ユーザにより代替品が選択された場合、(5)対象の商品が呼び出され、受注入力明細画面にてユーザに在庫数を確認させ、受注計上される。
【0057】
また、
図8に示すように、本実施形態においては、(1)ユーザにより受注入力ヘッダ画面に納入先コードが入力された場合、受注入力明細画面が表示され、(2)ユーザにより受注入力明細画面に共通コードが入力された場合、(3)在庫データベース106dに記憶された在庫データに基づいて、受注入力明細画面に共通コードに応じた商品がセットされ、選択された商品および納入先に設定されたエリアの組み合わせに応じた倉庫が自動セットされ、且つ、当該倉庫の在庫数がセットされるので、ユーザが在庫有無確認を行うことができる。そして、本実施形態においては、倉庫に在庫があるため、受注計上される。
【0058】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0061】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、出荷倉庫自動選択装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、出荷倉庫自動選択装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて出荷倉庫自動選択装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、出荷倉庫自動選択装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、出荷倉庫自動選択装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、出荷倉庫自動選択装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、食品業界、商社業界、小売業界、機械卸業等の型番で取引する業界、および、卸売業等の複数出荷拠点をもつ業界において有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 出荷倉庫自動選択装置
102 制御部
102a 受注入力取得部
102b 出荷優先順位取得部
102c 代替品選択表示部
102d 受注取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 商品マスタ
106b 納入先マスタ
106c 倉庫マスタ
106d 在庫データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク