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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0076 20190101AFI20240711BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20240711BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20240711BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20240711BHJP
   A61L 9/015 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
F24F1/0076
F24F1/0007 361C
A61L9/00 C
A61L9/20
A61L9/015
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021045186
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022144265
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 佳憲
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-200834(JP,A)
【文献】特開平7-19546(JP,A)
【文献】特開平2-8643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
A61L 9/00- 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの外部の空気を当該ハウジングの内部の通風路に取り入れ、熱交換器を通過させて前記ハウジングの外部に排出させるファンと、
前記通風路の一部で前記空気の通過を許容するように設けられた、光触媒を含む含水可能な光触媒フィルタと、
前記光触媒フィルタに水を供給可能な水受け部と、
前記光触媒フィルタに紫外線光を照射可能な光源と、
を備え
前記ハウジングの前記空気の排出側に、少なくとも暖房運転時に前記ハウジングの内部を流れる空気から水を生成する水生成部が設けられている、
空気調和装置。
【請求項2】
前記水生成部は、
前記熱交換器の下流側で冷媒の流れを第一の分流路と第二の分流路に分岐させる分岐部と、
前記第一の分流路に設けられて前記冷媒の温度を結露水の発生可能温度以下まで低下させて前記水受け部に供給する結露水を生成する低温化部と、
前記第二の分流路に設けられて前記低温化部の下流側で当該低温化部で低下した前記冷媒の温度を前記第二の分流路を流れる前記冷媒の温度に接近させて前記第二の分流路を流れる前記冷媒に合流させられるように加熱する再加熱部と、
を含む、請求項に記載の空気調和装置。
【請求項3】
ハウジングと、
前記ハウジングの外部の空気を当該ハウジングの内部の通風路に取り入れ、熱交換器を通過させて前記ハウジングの外部に排出させるファンと、
前記通風路の一部で前記空気の通過を許容するように設けられた、光触媒を含む含水可能な光触媒フィルタと、
前記光触媒フィルタに水を供給可能な水受け部と、
前記光触媒フィルタに紫外線光を照射可能な光源と、
を備え、
前記水受け部は、当該水受け部に供給される前記水に継続的に界面活性成分を供給可能な界面活性剤を保持可能である、
空気調和装置。
【請求項4】
前記光源を挟んで、前記光触媒フィルタとは逆側で前記通風路の上流側の位置にオゾン発生部を備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高電圧放電を用いて除菌効果を有する有効成分(例えば、OHラジカルやオゾン等)を発生させて、温度調整済みの空気とともに室内に放出し、室内の除菌や消臭を行う空気調和装置が提案されている。また、放電部分に水分を供給して有効成分を含む過酸化水素を生成し温度調整済みの空気とともに放出させる空気調和装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-196960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術の場合、小形の放電部周囲に水分を供給して過酸化水素等を生成しているのにとどまり、室内の乾燥対策は十分に行われていないというのが現状である。特に、暖房運転するような冬季の場合、室内空気の乾燥程度が高い場合が多く、室内の除菌処理を行うとともに、室内空気の乾燥抑制ができれば、室内環境をより改善することが可能となり、有意義である。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、容易な構成で、より効率的に室内の除菌処理が行えるとともに、室内空気の乾燥抑制が可能な空気調和装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る空気調和装置は、ハウジングと、ファンと、光触媒フィルタと、水受け部と、光源と、を備える。ファンは、前記ハウジングの外部の空気を当該ハウジングの内部の通風路に取り入れ、熱交換器を通過させて前記ハウジングの外部に排出させる。光触媒フィルタは、前記通風路の一部で前記空気の通過を許容するように設けられ、光触媒を含む含水可能なフィルタである。水受け部は、前記光触媒フィルタに水を供給可能である。光源は、前記光触媒フィルタに紫外線光を照射可能である。そして、前記ハウジングの前記空気の排出側に、少なくとも暖房運転時に前記ハウジングの内部を流れる空気から水を生成する水生成部が設けられている。
【0007】
また、前記水生成部は、前記熱交換器の下流側で冷媒の流れを第一の分流路と第二の分流路に分岐させる分岐部と、前記第一の分流路に設けられて前記冷媒の温度を結露水の発生可能温度以下まで低下させて前記水受け部に供給する結露水を生成する低温化部と、前記第二の分流路に設けられて前記低温化部の下流側で当該低温化部で低下した前記冷媒の温度を前記第二の分流路を流れる前記冷媒の温度に接近させて前記第二の分流路を流れる前記冷媒に合流させられるように加熱する再加熱部と、を含んでもよい。
【0009】
本発明の一つの実施形態に係る空気調和装置は、ハウジングと、ファンと、光触媒フィルタと、水受け部と、光源と、を備える。ファンは、前記ハウジングの外部の空気を当該ハウジングの内部の通風路に取り入れ、熱交換器を通過させて前記ハウジングの外部に排出させる。光触媒フィルタは、前記通風路の一部で前記空気の通過を許容するように設けられ、光触媒を含む含水可能なフィルタである。水受け部は、前記光触媒フィルタに水を供給可能である。光源は、前記光触媒フィルタに紫外線光を照射可能である。そして、前記水受け部は、当該水受け部に供給される前記水に継続的に界面活性成分を供給可能な界面活性剤を保持可能である。
【0010】
また、前記光源を挟んで、前記光触媒フィルタとは逆側で前記通風路の上流側の位置にオゾン発生部を備えてもよい。
【0011】
以上の空気調和装置によれば、例えば、光触媒フィルタに紫外線光を照射するのみで、光触媒フィルタの表面に正孔(ホール)が形成され、光触媒フィルタに含浸された水の水酸化イオンから電子を奪い、酸化力の強いOHラジカルを生成する。このとき、光触媒フィルタには、充分な水が含浸可能なため、OHラジカルを含む過酸化水素を十分に生成可能となる。その結果、容易な構成で通風路から排出される温度調整済みの空気に過酸化水素を乗せて室内に放出することが可能になり、室内の除菌効果の向上が図れる。また、通風路の途中に設けられる光触媒フィルタには、充分な水が含浸可能なため、空気中に十分な水分を放出可能である。その結果、室内の乾燥抑制に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る空気調和装置(室内機)の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図2図2は、光触媒を用いてOHラジカルを生成することを示す例示的かつ模式的な説明図である。
図3図3は、実施形態に係る空気調和装置において、結露水を含浸した光触媒フィルタに紫外線光を照射し、OHラジカルを含む過酸化水素を生成することを示す例示的かつ模式的な説明図である。
図4図4は、実施形態に係る空気調和装置において、光触媒フィルタに含浸させる水に界面活性剤を添加し、加速度過酸化水素を生成することを示す例示的かつ模式的な説明図である。
図5図5は、実施形態に係る空気調和装置において、暖房運転時に循環する冷媒を用いて結露水を生成するシステムを示す例示的かつ模式的な説明図である。
図6図6は、実施形態に係る空気調和装置において、循環する冷媒を用いて結露水を発生させることと、水生成に利用した冷媒を循環系に戻すシステムを示す例示的かつ模式的な説明図である。
図7図7は、実施形態に係る空気調和装置の変形例で、オゾンを用いて加速化過酸化水素の生成効率を向上するシステムを示す例示的かつ模式的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、一つの実施形態について、図を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0014】
図1は、実施形態に係る空気調和装置10(室内機10A)の構成を示す例示的かつ模式的な図である。図1示す室内機10Aは、例えば、家庭用のエアコンディショナである。室内機10Aは、建造物の室内に配置されるとともに、冷媒配管及び電気配線を介して室外に配置された室外機10B(図5参照)に接続される。なお、空気調和装置10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和装置であってもよい。
【0015】
空気調和装置10としての室内機10Aは、ハウジング12と、吸込口フィルタ14と、ファン16と、熱交換器18と、風向板20等を備える。また、本実施形態の室内機10Aは、さらに、過酸化水素発生部22として、光源24、光触媒フィルタ26、水受け部28等を備える。
【0016】
図1に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、室内機10A(空気調和装置10)の幅に沿って設けられる。Y軸は、室内機10Aの奥行に沿って設けられる。Z軸は、室内機10Aの高さに沿って設けられる。
【0017】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。本実施形態において、+Z方向は上方向であり、-Z方向は下方向である。
【0018】
ハウジング12は、X方向に延びた略直方体状に形成される。なお、ハウジング12は、他の形状に形成されてもよい。ハウジング12は、例えば、建造物の壁に架けられる。また、別の例では、室内空気の吸込み口12aおよび空気調整済みの空気の吹出し口12bを壁面に開口させ、ハウジング12自体は壁内部に埋め込まれる形態でもよい。図1の場合、吸込み口12aはハウジング12の上面に設けられ、吹出し口12bはY方向の側面に設けられているが、室内の空気の吸込みおよび吹出しがスムーズに行えれば、吸込み口12aおよび吹出し口12bの位置は適宜変更可能である。
【0019】
吸込み口12aは、通風路WRの一端に開口し、吹出し口12bは通風路WRの他端に開口している。通風路WRの一部には、熱交換器18、ファン16および過酸化水素発生部22が配置されている。本実施形態の室内機10A(空気調和装置10)は、室内の空気の温度調節および過酸化水素(OHラジカルを含む)を用いた室内の除菌処理を行う装置である。なお、本明細書では、通風路WRにおいて吸込み口12aに近い側を上流、吹出し口12bに近い側を下流と称する場合がある。また、吸込み口12a及び吹出し口12bの開口形状及び位置は、例示されたものに限られない。
【0020】
吸込口フィルタ14は、例えば、ファン16及び熱交換器18の上流側で吸込み口12aの部分または吸込み口12aより下流側の通風路WRに配置される。吸込口フィルタ14は、例えば、網状に形成され、吸込み口12aから吸い込まれた空気を濾過し、当該空気中の塵埃を捕捉する。なお、室内機10Aは、吸込口フィルタ14で捕集した塵埃を除去する掃除機構を設けてもよい。
【0021】
ファン16は、X方向に延びる回転軸まわりに回転することで、ハウジング12の外部の空気を吸込み口12aから当該ハウジング12の内部の通風路WRに取り入れ、熱交換器18を通過させて、ハウジング12の外部に排出させる。つまり、室内機10Aは、吸込み口12aからハウジング12外部の空気(室内の空気)をハウジング12の内部の通風路WRへ吸い込む。そして、吸い込まれた空気は、熱交換器18および過酸化水素発生部22を通過し、吹出し口12bから除菌効果を有する温度調整済みの空気(風)として吹き出される。
【0022】
熱交換器18は、通風路WRに設けられる。図1の場合、熱交換器18は、通風路WRにおいて、ファン16を取り囲むように配置されている。別の例では、熱交換器18は、ファン16より上流側に配置されてもよく、更に別の例では、ファン16より下流側に配置されてもよい。熱交換器18は、例えば冷媒配管と複数のフィンとを有する。熱交換器18は、通風路WRにおいて周囲の気体と熱交換を行う。熱交換器18は通風路WRに位置するため、ファン16が駆動し下流側への送風動作を行うと、吸込み口12aから吸い込まれた空気が熱交換器18に送り込まれ通過する。これにより、通風路WRを流れる空気が熱交換器18と熱交換を行い、冷房運転時には通風路WRを流れる空気(風)を冷却し、暖房運転時には通風路WRを流れる空気(風)を加熱する。なお、本実施形態において、熱交換器18は、X方向に沿ってファン16のZ方向側(図中上側)を取り囲むように配置されている。この配置姿勢および形状は、通風路WRの経路やハウジング12の形状、内蔵する各部品のレイアウト等に応じて適宜変更可能である。
【0023】
風向板20は、ルーバとも称され得る。風向板20は、室内機10Aの吹出し口12bの近傍に設けられる。風向板20は、ファン16の下流に位置する。風向板20は、図1に破線で示す閉じ位置Pcと、実線で示す開き位置Poとの間で連続的または間欠的に移動可能である。風向板20は、閉じ位置Pcに位置する場合、吹出し口12bほぼ全域を覆う。風向板20の開き角度を制御することにより、吹出し口12bから吹き出す風の向きが調整可能である。例えば、風向板20を水平姿勢に近づくように開けば、室内機10Aからより離れた位置に向けて風を送り、風向板20を閉じ位置Pcに近づけることにより、室内機10Aにより近い位置に向けて風を送ることができる。また、X方向及び-X方向に揺動可能な左右風向板を併せて設けて、吹出し口12bから吹き出す風の向きをX方向及び-X方向に制御するようにしてもよい。
【0024】
過酸化水素発生部22は、前述したように光源24と、光触媒フィルタ26と、水受け部28とで構成され、ハウジング12内部で過酸化水素を生成する。
【0025】
光源24は、例えば酸化チタン(二酸化チタンTiO)等の光触媒の価電子帯の電子を伝導帯に励起し得るような光、例えば紫外線光を照射可能である。光源24は、室内機10Aが運転中常時紫外線光を照射するようにしてもよいし、除菌処理モードが選択された場合のみに紫外線光を照射するようにしてもよい。光源24は、光触媒フィルタ26の概ね全面に所定の強度の紫外線光を照射できるように、光触媒フィルタ26の表面の延設方向(X軸方向)に照射面を有し、照射領域が設定されている。なお、後述するが、本実施形態の過酸化水素発生部22の場合、光源24は、図1に示されるように、2枚の光触媒フィルタ26に挟まれた状態で配置され、両方の光触媒フィルタ26に紫外線光を照射できるように配置される。したがって、光源24は、光触媒フィルタ26を通過する空気を遮らないように、例えば、所定間隔を空けてX方向に複数個が設置されてもよい。また別の実施形態では、光源24は、通風路WRの空気の流れを遮らないような位置(例えば、通風路WRの上方の位置)から紫外線光を照射するようにしてもよい。この場合、光源24は照射領域をカバー可能な単一の照射面としてもよい。
【0026】
光触媒フィルタ26は、通風路WRの一部で空気の通過を許容するように設けられた、光触媒を含む含水可能な部材である。具体的には、光触媒フィルタ26は、X方向に延びるとともに、Z方向に略垂直に延びた、縦置き配置された扁平形状の部材で、例えば不織布等で形成されている。この光触媒フィルタ26の形状および配置は、通風路WRの経路やハウジング12の形状、内蔵する各部品のレイアウト等に応じて適宜変更可能である。そして、光触媒フィルタ26のZ方向の下端部は、水受け部28に貯留された水に浸かり、毛細管現象を利用して光触媒フィルタ26の上端部まで水を吸い上げている。つまり、光触媒フィルタ26は水を潤沢に含んだ状態が維持可能である。光触媒フィルタ26は、例えば粉末状の酸化チタン(二酸化チタンTiO)を担持している。
【0027】
図2に例示的かつ模式的に示されるように、光触媒フィルタ26(光触媒26a)は、光源24から紫外線光(UV)の照射を受けると、その表面から電子26bが飛び出す。このとき、電子26bが抜け出た穴は正孔(ホール)と呼ばれ、プラスの電荷26cを帯びる。正孔は強い酸化力をもち、水中にある水酸化物イオン30(OH)などから電子を奪う。このとき、電子を奪われた水酸化物イオン30は非常に不安定な状態のOHラジカル32になる。OHラジカル32は強力な酸化力を持ち、近くの有機物から電子を奪い、自分自身が安定になろうとする。その結果、電子を奪われた有機物は結合を分断され、最終的には二酸化炭素や水となり大気中に発散する。つまり、有機物である菌やウイルスの不活性化が可能となる。
【0028】
光触媒フィルタ26で生成されたOHラジカル32は、通風路WRを流れる空気が光触媒フィルタ26を通過する空気流により効果的に排出される。そのため、光触媒フィルタ26は、通風路WRを概ね覆うような大きさで設置されることが望ましいが、通風路WRにおける空気の空気抵抗等を考慮し、空気抵抗の調整のために、図1に示すように、光触媒フィルタ26が非存在となる領域を適宜調整設定してもよい。また、例えば、光触媒フィルタ26を回動可能に取り付け、光触媒フィルタ26の回動により、その傾きを変更させて、通風路WRにおける空気の空気抵抗を適宜調整できるようにしてもよい。
【0029】
水受け部28は、例えば、室内機10Aの冷房運転時に熱交換器18で発生した結露水を図示を省略したドレンパンで受け、図示を省略した配管を通して受け入れ貯留してもよいし、給水タンクや給水口等を介して外部から供給された水を受け入れて貯留してもよい。給水タンクから水を供給する場合は、あらかじめ給水タンクに界面活性剤を含む水を導入することで、界面活性剤を含む水を水受け部28に供給することができる。このようにすれば、後述するように、加速度過酸化水素を生成することができる。また、後述するが、室外機10Bと室内機10Aの熱交換器18とを循環する冷媒を利用して積極的に生成した結露水を貯留してもよい。前述したように、水受け部28には、光触媒フィルタ26の下端部が浸かり、毛細管現象を利用し、貯留した水を光触媒フィルタ26が十分に含水できるようにしている。
【0030】
図3は、室内機10A(空気調和装置10)において、結露水を含水する光触媒フィルタ26に紫外線光を照射し、OHラジカル32を含む過酸化水素36を生成することを示す例示的かつ模式的な説明図である。
【0031】
上述したように、酸化チタン等の光触媒を担持した光触媒フィルタ26が水受け部28に貯留された水(HO)を毛細管現象を利用して吸い上げられている状態で、光源24から紫外線光(UV)の照射を受けると、図2で説明したように、光触媒フィルタ26の表面から電子26bが飛び出す。このとき、電子26bが抜け出た穴である正孔は、プラスの電荷26cを帯びる。そして、正孔は水受け部28から吸い上げた水の中にある水酸化物イオン30などから電子を奪う。このとき、電子を奪われた水酸化物イオン30は非常に不安定な状態のOHラジカル32になる。生成されたOHラジカル32の周囲には、光触媒フィルタ26で吸い上げられた水受け部28から供給される水(HO)が十分に存在するため、OHラジカル32が水に可溶し過酸化水素36(H)が生成される。OHラジカル32は、一般に酸化されやすく短寿命であるが、過酸化水素36とすることにより、酸化されにくくなり寿命を延ばすことができる。
【0032】
過酸化水素発生部22で発生した過酸化水素36は、ファン16の動作によりハウジング12内部を流れ、光触媒フィルタ26を通過する風Wに乗り室内機10Aの外部(室内)に放出される。室内機10Aから放出された過酸化水素36は、空気中に浮遊するウイルス等の表面でプラスイオン(H)とマイナスイオン(O )が結合し、一部がOHラジカル32に戻る。酸化力の強いOHラジカル32は、ウイルスのたんぱく質の表面から、水素原子(H)を奪い、非活性化(除菌)する。なお、OHラジカル32は奪い取った水素原子(H)と結合し、反応後は水(HO)になり空気中に戻る。
【0033】
このように、本実施形態の空気調和装置10(室内機10A)は、光触媒フィルタ26に紫外線光を照射するのみで、酸化力の強いOHラジカル32を生成する。このとき、光触媒フィルタ26には、充分な水が含浸可能なため、OHラジカル32を含む過酸化水素36を十分に生成可能となる。このとき、通風路WRに対して十分な広さ(大きさ)の光触媒フィルタ26を容易に配置可能なので、十分な量の過酸化水素36を発生させることが可能である。その結果、容易な構成で通風路WRから排出される温度調整済みの空気に過酸化水素36を含ませて室内に放出することにより室内の除菌効果の向上が図れる。また、通風路WRに設けられる光触媒フィルタ26には、充分な水が含浸可能なため、空気中に十分な水分を放出可能であるとともに、放出されたOHラジカル32は除菌処理の結果、水に戻るため、室内に水分を戻すことが可能で、室内の乾燥抑制に寄与できる。前述したように、水を含浸可能な光触媒フィルタ26は、ハウジング12の中で比較的容易に大型部品として組み込み易いため、より多くの水分を放出可能となり室内の乾燥抑制を容易に実現することができる。
【0034】
ところで、OHラジカル32は、界面活性剤と組み合わせることで、より除菌能力が向上(除菌効率が向上)する、いわゆる、「加速度過酸化水素」とすることができる。加速度過酸化水素は、界面活性剤の働きにより菌やウイルスの表面からOHラジカルが浸透しやすくなり、より短時間で菌やウイルスを不活性化できると考えられている。そこで、本実施形態の空気調和装置10(室内機10A)は、図4に示されるように、水受け部28は、界面活性剤38を保持可能である。例えば、水受け部28に貯留された水に継続的に界面活性成分を供給可能なように、水受け部28の底面部28aには、界面活性剤38としての界面活性剤シートやビーズ状の界面活性剤ビーズ等を保持可能な保持部が形成されている。保持部は、例えば、網等で構成された保持領域を形成し、界面活性剤38が水受け部28の内部で浮遊し片寄った位置に移動すること等を抑制し、水受け部28に貯留された水の界面活性成分の濃度の均一化を実現している。なお、水受け部28が保持する界面活性剤38は、長期間継続的に徐々に界面活性成分が溶け出すように構成し、長期間メンテナンス不要(界面活性剤の投入作業の不要)とすることが望ましい。別の実施形態では、固形タイプや液状タイプの界面活性剤38を定期的に投入する自動投入装置を設けてもよい。この界面活性成分の濃度ばらつきを抑制するために、水受け部28の槽内に攪拌装置等を設けてもよい。例えば、水受け部28に定期的に振動を与えたり、水受け部28の内部で定期的に動作する攪拌片を設けたりしてもよい。
【0035】
このように、水受け部28に界面活性剤38を投入して、貯留する水に界面活性成分を含ませて、光触媒フィルタ26に吸い上げさせておく。そして、光触媒フィルタ26に光源24から紫外線光(UV)を照射することにより、加速度過酸化水素36A(H)を容易に生成し、図3の例と同様に、通風路WRを流れる風Wに乗せてより除菌効率のよい加速度過酸化水素36Aを室内に放出することができる。なお、加速度過酸化水素36Aを生成するための界面活性剤の濃度は高くないため、除菌処理後に水に戻った場合でも、拭き取り等は必要ない。また、次亜塩素酸等のように塩分を含まないため錆の発生等を心配する必要もない。
【0036】
ところで、室内機10A(空気調和装置10)を運転する際、一般的に冷房運転時には、熱交換器18の部分で結露水が発生するが、暖房運転時には、熱交換器18の部分で結露水は発生しない。そのため、暖房運転時に光触媒フィルタ26を用いて過酸化水素36や加速度過酸化水素36Aを発生させるためには、外部より水を水受け部28に供給する必要がある。
【0037】
そこで、本実施形態の室内機10A(空気調和装置10)は、暖房運転時にも結露水を生成する水生成部を備える。例えば、図4に示すように、水受け部28の壁面の一部、例えば、底面部28aは、水生成部の一部を構成する冷却管34を下方に備え、水受け部28自体の冷却を行う。冷却管34には、熱交換器18を含む冷媒回路の中を循環する冷媒を、例えば、5℃程度の状態にして流す。その結果、暖房運転時でも水受け部28を冷却し、水受け部28の壁面で結露を生じさせ、結露水を溜めることができる。なお、水受け部28の外壁や冷却管34の周囲には、断熱材が配置され、結露が水受け部28の内壁側(槽内、容器内)で発生するように構成している。なお、冷却管34は、水受け部28の外壁を厚くして、そこに埋め込まれるように配管されてもよい。また、冷却管34は、水受け部28の内側(例えば、底面部28aの上面)に配管されてもよい。
【0038】
図5に示されるように、空気調和装置10の室外機10Bは、室外熱交換器40および室外ファン42、圧縮機44と、四方弁46と、膨張弁48と、を備える。室外機10Bの室外熱交換器40、圧縮機44、四方弁46、膨張弁48と、室内機10Aの熱交換器18(室内熱交換器)とは、冷媒配管P(P1~P5)で接続され、冷媒が循環可能な冷媒回路を構成する。図5の場合、室外熱交換器40と圧縮機44に接続されたアキュムレータ44aが四方弁46を介して冷媒配管P1で接続され、圧縮機44は、四方弁46を介して(室内)熱交換器18と冷媒配管P2で接続されている。また、本実施形態の室内機10Aにおいて、(室内)熱交換器18と室外機10Bの膨張弁48との間には、水受け部28で結露水を生成する水生成部50が配置されている。(室内)熱交換器18と水生成部50とは、冷媒配管P3で接続され、水生成部50と膨張弁48とは、冷媒配管P4で接続されている。そして、膨張弁48と室外熱交換器40とは、冷媒配管P5で接続されている。
【0039】
室外熱交換器40は、伝熱管(図示せず)を通流する冷媒と、室外ファン42によって送り込まれる外気と、の間で熱交換を行う。
【0040】
圧縮機44は、低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒として吐出する。なお、圧縮機44の吸込側には、冷媒の気液分離を行うためのアキュムレータ44aが接続されている。
【0041】
膨張弁48は、凝縮器としての室外熱交換器40または(室内)熱交換器18の一方で凝縮した冷媒を減圧する弁である。膨張弁48で減圧された冷媒は、蒸発器としての室外熱交換器40または(室内)熱交換器18の他方に導かれる。
【0042】
なお、(室内)熱交換器18は、内部の伝熱管を通流する冷媒と、(室内)ファン16によって送り込まれる室内空気と、の間で熱交換を行う。
【0043】
四方弁46は、空気調和装置10の運転モードに応じて、冷媒の流路を切り替える弁である。
【0044】
例えば、冷房運転時には、冷媒回路において、圧縮機44、室外熱交換器40、膨張弁48、及び(室内)熱交換器18の順番で冷媒が循環する。その結果、(室内)熱交換器18で室内空気と冷媒との間で熱交換が行われ、熱交換によって冷却された空気が室内に排出され、室内温度を低下させる。熱交換で回収された熱(冷媒の熱)は、室外熱交換器40で室外空気との間で熱交換され、屋外に排出され、冷媒回路から排出する。一方、暖房運転時には、冷媒回路において、圧縮機44、(室内)熱交換器18、膨張弁48、室外熱交換器40の順番で冷媒が循環する。その結果、(室内)熱交換器18で室内空気と冷媒との間で熱交換が行われ、熱交換によって暖められた空気が室内に排出され、室内温度を上昇させる。熱交換で冷やされた冷媒は、室外熱交換器40で室外空気との間で熱交換され、屋外から熱を回収し、冷媒回路内に取り込む。
【0045】
図6は、空気調和装置10(室内機10A)の水生成部50において、循環する冷媒を用いて結露水を発生させることと、利用した冷媒を循環系に戻すシステムを示す例示的かつ模式的な説明図である。
【0046】
暖房運転時に(室内)熱交換器18から室内空気との熱交換の結果として冷媒配管P3に排出される冷媒は、例えば、中温、中圧の液状である。熱交換器18の下流側の分岐部Sで、冷媒の流れは、第一の分流路P31と第二の分流路P32に分岐させられる。第一の分流路P31には、冷媒の温度を結露水の発生可能温度以下まで低下させて水受け部28に接触するように配置された冷却管34に供給する低温化部52が設けられている。低温化部52は、例えばキャピラリで構成可能で、キャピラリにて冷媒を膨張させ、冷媒温度を、例えば5℃程度まで低下させる。低温化部52の下流が冷却管34であり、図4等に示されるように、水受け部28の底面部28aに接続されている。その結果、暖房運転時でも水受け部28の冷却を行い周囲に存在する空気を結露させ、水受け部28の内部(槽内)に結露水で生成し、OHラジカル32、さらには過酸化水素36(加速度過酸化水素36A)を生成するために利用される。
【0047】
なお、暖房運転時に(室内)熱交換器18から室内空気との熱交換の結果として冷媒配管P3に排出される冷媒は、中温、中圧の状態で膨張弁48に提供される必要がある。この場合、分岐部Sで第一の分流路P31に流れ、低温、低圧になった冷媒をそのままの状態で、第二の分流路P32を流れる中温、中圧の冷媒に合流させると逆流してしまうので、スムーズに合流させることができない。そこで、水生成部50は、冷却管34を通過して結露水の生成に寄与した冷媒を、再加熱している。具体的には、第一の分流路P31に設けられた低温化部52の下流側で、当該低温化部52で低下した冷媒の温度を第二の分流路P32を流れる中温、中圧の冷媒を用いて、第二の分流路P32を流れる冷媒の温度に接近させるように再加熱する再加熱部54を備える。再加熱部54は、例えば、冷却管34の下流側の配管部と、第二の分流路P32とが螺旋状の二重配管構造を形成し、第二の分流路P32を流れる中温、中圧の冷媒によって、冷却管34を通過した冷媒を加熱して冷媒流路P33に排出する。そして、再加熱部54を通過した第二の分流路P32、すなわち冷媒配管P34が、再加熱された冷媒が流れる冷媒流路P33と、合流部Jで合流する。その結果、第一の分流路P31に流れて低温、低圧になった冷媒は、再加熱処理の結果、第二の分流路P32を流れる中温、中圧の冷媒にスムーズに合流し、冷媒配管P4に入り、膨張弁48に供給されることができる。つまり、冷房運転時でも容易に結露水を生成することができる。なお、低温化部52は、キャピラリを用いることで安価に構成することができるが、キャピラリに代えて、例えば膨張弁で構成してもよく、同様の効果を得ることができる。
【0048】
なお、冷房運転時には、(室内)熱交換器18で熱交換を行う際に結露水が発生する。この場合、結露水を水受け部28に供給してもよい。このとき、過酸化水素36(加速度過酸化水素36A)の発生に必要な量以上の結露水が発生する場合がある。この場合、水受け部28に、例えば水位センサを設け、必要以上の結露水が水受け部28に流入した場合、ドレンパンの排出口から余分な水を排出するようにしてもよい。なお、水生成部50は、冷房運転時に熱交換器18で十分な結露水が生成可能な場合、結露水の生成を一時的に停止してもよい。この場合、例えば、分岐部Sおよび合流部Jに切替弁を設け、第一の分流路P31に冷媒が供給されないようにしてもよい。
【0049】
図7は、空気調和装置10(室内機10A)の変形例で、オゾン58を用いて加速度過酸化水素36Aの生成効率を向上するシステムを示す例示的かつ模式的な説明図である。図3に示す過酸化水素発生部22の場合、光触媒フィルタ26に光源24から紫外線光を照射し、水酸化物イオン30を生成、さらにOHラジカル32を生成して、最終的に過酸化水素36を生成した。
【0050】
一方、図7に示す過酸化水素発生部22Aは、オゾン発生器56(オゾン発生部)を用いて、オゾン58(O)を発生し、発生したオゾン58に基づいて、加速度過酸化水素36Aを発生させている。オゾン発生器56は、例えば、光源24を挟んで、光触媒フィルタ26とは逆側で通風路WRの上流側の位置に配置される。
【0051】
オゾン58は、周知のオゾン発生装置を用いて発生させることができる。例えば、誘電体(例えばガラス)を介した電極間に交流電圧を印加して無声放電を発生させることで容易に発生させることができる。このとき、光触媒フィルタ26には、界面活性剤38が溶け込んだ水(HO)が毛細管現象により全体に行き渡っている。この状態で、光触媒フィルタ26に光源24により紫外線光が照射されると、光触媒によって、オゾン58は分解され、一重項の酸素が生成される(O+O)。この一重項の酸素が、光触媒フィルタ26に存在する水(HO)と反応し、二分子のOHラジカル32を生成する。さらに、生成されたOHラジカル32の周囲には、界面活性剤38を含む水が存在するため、その水にOHラジカル32が可溶し加速度過酸化水素36A(H)が生成される。
【0052】
このように、過酸化水素発生部22Aにおいて、オゾン58を予め生成しておくことにより、図3のように、光触媒フィルタ26に紫外線光を照射することのみで、OHラジカル32を生成し、過酸化水素36(加速度過酸化水素36A)を生成する場合に比べて、より効率的に大量の過酸化水素36(加速度過酸化水素36A)を生成することができる。なお、オゾン58は、濃度が高くなると臭いを感じさせ易くなったり、人体に悪影響を及ぼしたりする場合があるが、本実施形態の場合、オゾン58は分解されるので、そのような不都合を解消し易い。
【0053】
この場合も過酸化水素発生部22Aで発生した加速度過酸化水素36Aは、ファン16の動作によりハウジング12内部を流れ、光触媒フィルタ26を通過する風Wに乗り室内機10Aの外部(室内)に放出される。室内機10Aから放出された加速度過酸化水素36Aは、空気中に浮遊するウイルス等の表面でプラスイオン(H)とマイナスイオン(O )が結合し、一部がOHラジカル32に戻る。酸化力の強いOHラジカル32は、ウイルスのたんぱく質の表面から、水素原子(H)を奪い、非活性化(除菌)する。なお、過酸化水素発生部22Aは、界面活性剤38の投入を省略してもよい。この場合でも、大量の過酸化水素36を効率的に発生させて除菌を行うことができる。
【0054】
このように、過酸化水素発生部22Aによれば、オゾン58を併用することで、OHラジカル32を含む加速度過酸化水素36A(過酸化水素36)を容易かつ大量に生成可能となる。この場合も、通風路WRに対して十分な広さ(大きさ)の光触媒フィルタ26を容易に配置可能なので、十分な量の加速度過酸化水素36A(過酸化水素36)を発生させることが可能である。その結果、容易な構成で通風路WRから排出される温度調整済みの空気に加速度過酸化水素36A(過酸化水素36)を乗せて室内に放出することにより室内の除菌効果の向上が図れる。また、通風路WRに設けられる光触媒フィルタ26には、充分な水が含浸可能なため、空気中に十分な水分を放出可能であるとともに、放出されたOHラジカル32は除菌処理の結果、水に戻るため、室内に水分を戻すことが可能で、室内の乾燥抑制に寄与できる。前述したように、水を含浸可能な光触媒フィルタ26は、ハウジング12の中で比較的容易に大型部品として組み込み易いため、室内の乾燥抑制を容易に実現することができる。
【0055】
なお、上述した実施形態では、過酸化水素発生部22,22Aをファン16より下流側に配置したが、これには限られない。例えば、過酸化水素発生部22,22Aをファン16より上流側に配置することもできる。つまり、過酸化水素発生部22,22Aは、通風路WRに配置されていればよい。また、上述した実施形態では、例えば住宅用の空気調和装置10を想定して説明したが、各種空気調和装置10についても同様に本実施形態の構成が適用可能である。例えば、業務用の空気調和装置や車両や航空機、船舶等設けられる空気調和装置についても本実施形態の構成が適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
10…空気調和装置、10A…室内機、10B…室外機、12…ハウジング、12a…吸込み口、12b…吹出し口、16…ファン、18…熱交換器、22…過酸化水素発生部、24…光源、26…光触媒フィルタ、28…水受け部、32…OHラジカル、34…冷却管、36…過酸化水素、36A…加速度過酸化水素、38…界面活性剤、50…水生成部、52…低温化部(キャピラリ)、54…再加熱部(二重排管部)、56…オゾン発生器、58…オゾン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7