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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】通行量推計システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
G08G1/00 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021519321
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(86)【国際出願番号】 JP2020016940
(87)【国際公開番号】W WO2020230524
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2019092250
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】堂面 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中川 智尋
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一也
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/021186(WO,A1)
【文献】特開2019-028526(JP,A)
【文献】特開2007-178344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された推計対象のエリアにおける、所定の時間帯での人の通行量を推計する通行量推計システムであって、
当該推計対象のエリアにおける所定のタイミングでの人口を示す人口情報を取得する人口情報取得部と、
当該推計対象のエリアにおける複数の人それぞれの移動状態を示す移動状態情報を取得する移動状態情報取得部と、
前記移動状態情報取得部によって取得された移動状態情報を、当該移動状態情報に応じてグルーピングし、グルーピングされた移動状態情報及び前記人口情報取得部によって取得された人口情報に基づいて前記通行量を推計する推計部と、
を備え、
前記移動状態は移動方向及び移動速度を含み、
前記推計部は、グループ毎の移動速度毎の人数比に応じたパラメータを人口情報によって示される人口の数に掛けることで前記通行量を推計する通行量推計システム。
【請求項2】
予め設定された推計対象のエリアにおける、所定の時間帯での人の通行量を推計する通行量推計システムであって、
当該推計対象のエリアにおける所定のタイミングでの人口を示す人口情報を取得する人口情報取得部と、
当該推計対象のエリアにおける複数の人それぞれの移動状態を示す移動状態情報を取得する移動状態情報取得部と、
前記移動状態情報取得部によって取得された移動状態情報を、当該移動状態情報に応じてグルーピングし、グルーピングされた移動状態情報及び前記人口情報取得部によって取得された人口情報に基づいて前記通行量を推計する推計部と、
を備え、
前記移動状態は移動方向及び移動速度を含み、
前記推計対象のエリアは、複数のメッシュによって構成されており、
前記推計部は、前記グルーピングされた移動状態情報毎にグループを代表する方向を算出し、前記推計対象のエリアを当該方向に移動する際に通るメッシュの最大数を算出し、当該最大数の逆数を前記人口の数に掛けることで前記通行量を推計する通行量推計システム。
【請求項3】
前記移動状態情報取得部は、前記複数の人それぞれの位置を示す位置情報を取得して、位置情報に基づいて前記移動状態情報として移動方向及び移動速度を算出する請求項1又は2に記載の通行量推計システム。
【請求項4】
前記推計部は、前記移動状態情報取得部によって取得された移動状態情報を、当該移動状態情報によって示される移動速度に応じてグルーピングする請求項1~の何れか一項に記載の通行量推計システム。
【請求項5】
前記推計部は、前記移動状態情報取得部によって取得された移動状態情報を、当該移動状態情報によって示される移動方向に応じてグルーピングする請求項1~の何れか一項に記載の通行量推計システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推計対象のエリアにおける人の通行量を推計する通行量推計システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯端末の位置を示す位置情報を取得して、取得した位置情報に基づいて携帯端末のユーザの人口分布を解析することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2010/119948号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外に掲示される広告の広告枠を販売する際には、広告をどれだけの人が見るかが重要になる。その一つの指標として、例えば、広告が見えるエリアをどれだけの人が通行したかを用いることが考えられる。エリアにおける人の通行量を推計するのに上述した位置情報を用いることが考えられる。しかしながら、位置情報のみから一定の時間帯の通行量を推計するには、当該エリアの周辺の人全ての位置情報を当該一定の時間帯にわたって取得し続ける必要がある。そのように位置情報を取得することは困難である。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記に鑑みてなされたものであり、エリアにおける人の通行量を容易かつ適切に推計することができる通行量推計システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る通行量推計システムは、予め設定された推計対象のエリアにおける、所定の時間帯での人の通行量を推計する通行量推計システムであって、当該推計対象のエリアにおける所定のタイミングでの人口を示す人口情報を取得する人口情報取得部と、当該推計対象のエリアにおける複数の人それぞれの移動状態を示す移動状態情報を取得する移動状態情報取得部と、移動状態情報取得部によって取得された移動状態情報を、当該移動状態情報によって示される移動方向に応じてグルーピングし、グルーピングされた移動状態情報及び人口情報取得部によって取得された人口情報に基づいて通行量を推計する推計部と、を備える。
【0007】
本発明の一実施形態に係る通行量推計システムによれば、例えば、通行路の特定の箇所における通行量のカウント、又は推計対象のエリアにおける推計の全時間帯にわたる全員の位置情報の取得等を行うことなく、通行量を推計することができる。即ち、本発明の一実施形態に係る通行量推計システムによれば、容易かつ適切に通行量を推計することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、容易かつ適切に通行量を推計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る通行量推計システムの構成を示す図である。
図2】推計対象のエリアの例を示す図である。
図3】移動状態情報の例を示す図である。
図4】速度ビン及び方向クラスタ毎の人数比の例を示す図である。
図5】推計対象のエリアを横断するメッシュ数を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態に係る通行量推計システムで実行される処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係る通行量推計システムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面と共に本発明に係る通行量推計システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1に本実施形態に係る通行量推計システム10を示す。通行量推計システム10は、予め設定された推計対象のエリアにおける、所定の時間帯での人の通行量(交通量)を推計(推定、算出)するシステム(装置)である。通行量推計システム10によって推計される通行量は、例えば、屋外に掲示される広告の広告枠の評価に用いられる。推計対象のエリアは、特定の位置の広告枠を見ることができる通行路等のエリアである。屋外に掲示される広告は、街中のビル等に掲示され、通行人によって参照される。広告枠の価値は、どれだけの人が広告を参照し得るか、即ち、当該エリアの通行量によって決まる。通行量推計システム10は、例えば、所定のタイミングでの1時間の単位(例えば、13時~14時)で人の通行量を推計する。
【0012】
なお、上記では広告は、視覚的に掲示されるものを想定しているが、音声によるものであってもよい。その場合、推計対象のエリアは、特定の位置から音声出力される広告を聞くことができるエリアとすればよい。
【0013】
通行量推計システム10は、例えば、サーバ装置によって実現される。また、通行量推計システム10は、複数のサーバ装置、即ち、コンピュータシステムによって実現されてもよい。通行量推計システム10は、端末20から送信される情報を受信して、受信した情報に基づいて通行量を推計する。
【0014】
端末20は、それぞれのユーザによって所持(携帯)されて用いられる装置である。端末20は、具体的には、携帯電話機又はスマートフォン等である。端末20は、移動体通信網等のネットワークに接続して無線通信を行う機能を有している。端末20と通行量推計システム10とは、ネットワークを介して通信を行うことができ、互いに情報の送受信を行えるようになっている。
【0015】
端末20は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)測位機能等の自端末20の測位機能を有しており、自端末20の位置を示す位置情報を取得する。取得される位置情報は、例えば、自端末20の位置の緯度及び経度を示す情報である。但し、位置情報は、緯度及び経度以外の情報であってもよい。なお、端末20による測位は、GPS測位以外にも、無線LAN(例えば、Wi-Fi(登録商標))又はビーコン等の電波を用いた従来の方法、あるいは携帯電話基地局の電波を用いた従来の方法によって行われてもよい。位置情報は、何れの端末20で何れの時刻で測位されたものかが通行量推計システム10側で把握できるようになっている。端末20は、継続的に自端末20の測位を行う。例えば、端末20は、5分毎に自端末20の測位を行う。従って、位置情報は、時系列の情報となる。端末20は、取得した位置情報を通行量推計システム10に送信する。例えば、端末20は、1日1回予め設定した時刻(例えば、0時)にそれまでに取得した位置情報をまとめて通行量推計システム10に送信する。
【0016】
なお、推計対象のエリアを通行しているユーザが携帯している全ての端末20が、通行量推計システム10に位置情報を送信する必要はなく、当該ユーザのうちの所定数の端末20が、通行量推計システム10に位置情報を送信すればよい。例えば、位置情報を通行量推計システム10に提供するためのアプリケーションがインストールされている端末20が、位置情報を送信すればよい。上記の所定数は、以下に説明する通行量の推計が適切に行い得る数であればよい。
【0017】
引き続いて、本実施形態に係る通行量推計システム10の機能を説明する。図1に示すように通行量推計システム10は、人口情報取得部11と、移動状態情報取得部12と、推計部13とを備えて構成される。
【0018】
人口情報取得部11は、推計対象のエリアにおける所定のタイミングでの人口を示す人口情報を取得する機能部である。ここで推計対象のエリアを説明する。本実施形態では、図2に示すように推計対象のエリア30は、複数のメッシュ31によって構成される。メッシュ31は、推計対象のエリア30を含む地域を矩形に区切ったものである。メッシュ31の大きさは、予め設定されており、例えば、一辺が7mの正方形である。また、メッシュ31の大きさは、一辺が15m又は30mの正方形であってもよい。メッシュ31の大きさは、人口情報が取得できる単位であってもよい。
【0019】
推計対象のエリア30は、例えば、人がそのエリアに位置していた場合に、街中のビル等に設けられる広告枠40の位置を見ることができるエリアである。即ち、推計対象のエリア30は、広告枠40に掲示された広告が見える、あるいは聴こえる視聴エリアである。なお、ここで広告が見えるとは、単に物理的にその場所が見えるというものではなく、広告として適切に認識できるものであってもよい。推計対象のエリア30は、広告枠40の位置が見えるメッシュ31が予め指定されて設定される。推計対象のエリア30の設定は、推計対象のエリア30の管理者等によって予め行われる。通行量推計システム10は、推計対象のエリア30を予め記憶している。なお、推計対象のエリア及び人口情報に係るエリアは、上記のメッシュ31単位でなくてもよく、任意の形状及びサイズのエリアであってもよい。
【0020】
本実施形態における人口情報は、例えば、予め設定された特定のタイミングにおいて推計対象のエリア30を構成するメッシュ31にいる人の数(人口)によって示される情報である。図2のメッシュ31に記載された数は、メッシュ31の人口を示す。人口情報は、推計対象のエリア30を構成するメッシュ31の人口分布によって示される。予め設定された特定のタイミングは、人の通行量を推計する時間帯に対応するタイミングであってもよい。例えば、13時~14時の通行量を推計する場合、当該タイミングは13時である。但し、人口情報に係るタイミングは、人の通行量を推計する時間帯に対応するタイミングでなくてもよい。
【0021】
特定のタイミングにおけるメッシュ31毎の人口分布のデータは、従来の方法、例えば、基地局信号又はGPSを用いた方法によって生成することができる。例えば、ユーザによって所持(携帯)される端末の位置情報に基づいて生成することができる。なお、人口分布のデータを生成する際には、通行量を推計する際よりも多数の端末の位置情報を用いた網羅的なデータとすることができる。また、人口分布のデータは、通行量の推計対象となる日そのもののデータである必要はなく、それ以前の日に同じタイミング(例えば、上記の例では13時)について生成されたものであってもよい。即ち、人口情報は、通行量の推計対象のタイミングで予め用意できるものであってもよい。また、例えば、過去1ヶ月平均等のデータとしてもよい。また、人口情報取得部11が、メッシュ毎の人口分布の算出を行うこととしてもよい。
【0022】
例えば、人口情報取得部11は、予め用意されたメッシュ31毎の人口分布のデータを記憶しておき、推計対象のエリア30を構成するメッシュ31の人口の和を取ることで、推計対象のエリア30における所定のタイミングに係る人口情報を取得する。例えば、図2の例では、推計対象のエリア30を構成するメッシュ31全ての人口の和を取り、人口情報として57人との情報を取得する。人口情報取得部11は、取得した人口情報を推計部13に出力する。なお、人口情報取得部11は、上記以外の任意の方法で人口情報を取得してもよい。
【0023】
本実施形態では、人口情報に示される人数の人が、人の通行量を推計する時間帯(例えば、13時~14時)にわたって推計対象のエリア30内に位置していることを想定している。即ち、推計対象のエリア30に位置している人は移動によって入れ替わるが、推計対象のエリア30内に位置している人の数は、人口情報に示される人数を維持することを想定している。その想定の元、本実施形態では以下の考え方によって通行量を推計する。
【0024】
推計対象のエリア30内に位置している人の移動速度と当該エリア30のサイズとから、推計対象のエリア30の人の入れ替えの頻度を算出することができる。例えば、推計対象のエリア30の人が全て0.5m/sで移動しているとする。また、推計対象のエリア30の人の移動方向の長さが、例えば、図2に示す推計対象のエリア30の横方向のうちの最も長い長さである7メッシュ×7m(49m)であるとする。この場合、推計対象のエリア30の人の通過時間は、98sとなる。そして、人の往来(入れ替わり)を考慮した1時間あたりの通行量は、3600/98×57≒2,094人となる。
【0025】
移動状態情報取得部12は、推計対象のエリア30における複数の人それぞれの移動状態を示す移動状態情報を取得する機能部である。移動状態情報取得部12は、複数の人それぞれの位置を示す位置情報を取得して、位置情報に基づいて移動状態情報として移動方向及び移動速度を算出する。移動状態情報取得部12は、具体的には以下のように移動状態情報を取得する。
【0026】
移動状態情報取得部12は、端末20から送信される位置情報を、端末20を所持するユーザの位置を示す位置情報として受信する。複数の端末20が、通行量推計システム10に位置情報を送信する。従って、移動状態情報取得部12は、複数のユーザの位置情報を受信する。移動状態情報取得部12は、ユーザ毎に受信した位置情報が通行量の推計に用いるものであるか否かを判断する。通行量の推計に用いる位置情報は、推計対象のエリア30におけるユーザ(人)の移動状態を示すものである。当該判断は、推計対象のエリア30に基づいて行われる。
【0027】
例えば、移動状態情報取得部12は、受信した位置情報から、通行量の推計対象の時間帯に係る位置情報のみを抽出し、抽出した位置情報に対して以下の判断を行う。移動状態情報取得部12は、位置情報によって示される位置が、推計対象のエリア30又はその近傍に含まれる場合、当該位置情報を通行量の推計に用いると判断し、位置情報によって示される位置が、推計対象のエリア30及びその近傍に含まれない場合、当該位置情報を通行量の推計に用いないと判断する。推計対象のエリア30の近傍は予め設定される。推計対象のエリア30の近傍は、当該近傍の位置が推計対象のエリア30におけるユーザの移動状態を示すと想定される範囲である。例えば、推計対象のエリア30の近傍は、推計対象のエリア30の外側1~2メッシュ31の範囲である。位置情報を通行量の推計に用いるか否かの判断は上記以外によって行われてもよい。例えば、移動状態情報取得部12は、位置情報によって示される位置が推計対象のエリア30に含まれる位置情報、及び当該位置情報と時間的に前後する位置情報を通行量の推計に用いると判断してもよい。
【0028】
移動状態情報取得部12は、通行量の推計に用いると判断した位置情報に基づいて、移動状態情報として移動方向及び移動速度を算出する。移動状態情報取得部12は、位置情報によって示される同一のユーザについての連続する2つの位置(例えば、5分間隔で測位がなされている場合には5分間隔の位置)及びその時間間隔から、移動方向及び移動速度を算出する。移動状態情報取得部12は、連続する2点を結ぶ線分(エッジ)毎に移動速度及び移動方向を算出する。移動状態情報取得部12は、移動速度については、例えば、[m/s]の単位の数値として算出する。移動状態情報取得部12は、移動方向については、例えば、方位角を示す数値として算出する。方位角を示す数値は、例えば、予め設定された特定の方向に対する角度で算出される。本実施形態では、北方向から東方向に向かう角度をプラスの角度、北方向から西方向に向かう角度をマイナスの角度とし、-180°~180の範囲の値で移動方向を示す。
【0029】
また、移動状態情報取得部12は、ユーザ(クライアント)毎にエッジ数の逆数を算出する。エッジ数の逆数は、通行量の推計において、ユーザ間でのエッジの重みとなる値である。エッジが多いユーザについては、1つあたりのエッジの重みが小さくなり、エッジが少ないユーザについては、1つあたりのエッジの重みが大きくなる。移動状態情報取得部12によって算出される移動状態情報は、図3に示す情報となる。図3に示すように移動状態情報の1つのデータは、ユーザ(クライアント)、移動速度[m/s]、移動方向(方位角)及び1/移動数(エッジ数の逆数)が対応付いたデータとなる。移動状態情報取得部12は、算出した移動状態情報を推計部13に出力する。
【0030】
推計部13は、移動状態情報取得部12によって取得された移動状態情報を、当該移動状態情報によって示される移動方向に応じてグルーピングし、グルーピングされた移動状態情報及び人口情報取得部11によって取得された人口情報に基づいて通行量を推計する機能部である。推計部13は、グループ毎の移動状態毎の人の頻度に応じたパラメータを人口情報によって示される人口の数に掛けることで通行量を推計する。推計部13は、推計対象のエリア30の移動方向に応じたパラメータを人口の数に掛けることで通行量を推計する。移動状態情報取得部12は、具体的には以下のように通行量を推計する。
【0031】
推計部13は、人口情報取得部11から人口情報を入力する。推計部13は、移動状態情報取得部12から移動状態情報を入力する。推計部13は、移動状態情報によって示される移動方向をクラスタリングする。クラスタリングは、k-means法等の任意の従来の方法によって行うことができる。例えば、クラスタリングによって移動方向が4つの方向クラスタにクラスタリングされる。推計部13は、移動状態情報をクラスタリングされた方向クラスタにグルーピングする。推計部13は、それぞれの方向クラスタについて、移動状態情報によって示される移動速度の区分(速度ビン)毎の1/移動数の和を取る。速度ビンは、予め設定されており、例えば、(0.0,0.1](移動速度が0.0[m/s]を超えて0.1[m/s]未満)、(0.1,0.2](移動速度が0.1[m/s]を超えて0.2[m/s]未満)等とされる。なお、移動速度が0であり移動方向がなく、方向クラスタに属さない移動状態情報についても、1/移動数の和を取る。1/移動数の和の値は、対応する速度ビン及び方向クラスタについての人数比を示している。
【0032】
推計部13は、全ての速度ビン及び方向クラスタの組み合わせについて、1/移動数の和の値、即ち、人数比を算出したら、当該人数比の値を正規化する。推計部13は、正規化として、正規化後の人数比の値の合計が1になるように、正規化前の人数比の値の合計で各人数比の値を割る。図4にこのように算出された人数比の情報を示す。
【0033】
推計部13は、方向クラスタ毎に推計対象のエリア30を横断するメッシュ数を算出する。そのために推計部13は、方向クラスタ毎の(方向クラスタを代表する)方向を算出する。例えば、推計部13は、方向クラスタに含まれる移動状態情報によって示される方向の平均を取ることで当該方向を算出する。なお、方向クラスタ毎の方向は上記以外の方法で算出されてもよい。推計部13は、推計対象のエリア30を当該方向に移動して横断する際に通るメッシュ31の数が最大となる数を算出する。例えば、図5(a)に示す方向クラスタaの場合には、最大メッシュ数は8となる。また、図5(b)に示す方向クラスタbの場合には、最大メッシュ数は5となる。
【0034】
推計部13は、上記の情報に基づいて所定の一つの方向クラスタに関する通行量を以下の式によって算出する。
【数1】
上記式において、3600は1時間の秒数である。lは、算出した最大メッシュ数である。mは、予め設定されるメッシュ31のサイズである。本実施形態では、mは7[m]である。Nは、人口情報によって示される推計対象のエリア30の人口である。Sは、人数比の値と速度ビンに対応する移動速度との積の和である。速度ビンに対応する移動速度は、例えば、速度ビンの上限の移動速度とすることができる。例えば、(0.0,0.1]の速度ビンであれば、速度ビンに対応する移動速度は、0.1である。但し、速度ビンに対応する移動速度は、上記以外の値、例えば、速度ビンの移動速度の中央値を用いてもよい。このように推計部13は、グループ毎の移動状態毎の人の頻度に応じたパラメータ(上記の式ではS)を人口の数に掛けることで通行量を推計する。また、推計部13は、推計対象のエリア30の移動方向に応じたパラメータ(上記の式では1/l)を人口の数に掛けることで通行量を推計する。
【0035】
推計部13は、移動速度が0の速度ビンについて、以下の式によって通行量を算出する。
移動速度が0の速度ビンに関する通行量=Nrv0
上記式においてrv0は、移動速度が0の速度ビンの人数比の値である。なお、この場合の通行量は、通行量の推計対象の時間帯にわたって推計対象のエリア30において移動せずに居続ける人の数である。
【0036】
推計部13は、上記の各通行量の和を取って、推計対象のエリア30全体の通行量を推計する。上記の全体の通行量の算出を式で示すと以下となる。
【数2】
上記式において、cは速度クラスタを示すインデックスである。lは、速度クラスタcについて算出した最大メッシュ数である。iは、速度ビンのインデックスである。vc_ は、速度クラスタc及び速度ビンiに対応する移動速度である。rc_iは、速度クラスタc及び速度ビンiの人数比である。
【0037】
推計部13の上述した機能による処理は、予め設定されたタイミングで行われる。例えば、端末20が位置情報を送信した後のタイミングで行われる。上述したように端末20が予め設定した時刻(例えば、0時)に位置情報を送信した後の時刻に行われる。あるいは、通行量推計システム10の管理者等によるトリガに応じて処理が行われてもよい。人口情報取得部11による、当該処理に用いられる人口情報の取得は、当該処理までに行われていればよい。
【0038】
推計部13は、推計した通行量を示す情報を出力する。当該情報の出力は、例えば、通行量推計システム10が備える表示装置に対して行われてもよいし、他の装置又はモジュール等に対して行われてもよい。通行量推計システム10によって推計された通行量を用いることで広告枠の評価の評価を行うことができる。以上が、本実施形態に係る通行量推計システム10の機能である。
【0039】
引き続いて、図6のフローチャートを用いて、本実施形態に係る通行量推計システム10で実行される処理(通行量推計システム10が行う動作方法)を説明する。本処理では、人口情報取得部11によって、推計対象のエリアにおける所定のタイミングでの人口を示す人口情報が取得される(S01)。なお、人口情報の取得(S01)は、必ずしも最初に行われる必要はなく、後述する通行量の算出(S07)の前までに行われればよい。また、移動状態情報取得部12によって、複数の端末20から送信された位置情報が受信される(S02)。続いて、移動状態情報取得部12によって、位置情報に基づいて移動状態情報として移動方向及び移動速度が算出される(S03)。
【0040】
続いて、推計部13によって、移動状態情報によって示される移動方向のクラスタリングが行われる(S04)。続いて、推計部13によって、移動状態情報から算出された移動方向及び移動速度に基づいて、速度ビン及び方向クラスタ毎の人数比が算出される(S05)。また、推計部13によって、方向クラスタ毎に推計対象のエリア30を横断する最大メッシュ数が算出される(S06)。続いて、推計部13によって、人数比、最大メッシュ数及び人口情報等に基づいて、通行量が算出されて出力される(S07)。以上が、本実施形態に係る通行量推計システム10で実行される処理である。
【0041】
本実施形態では、予め人口情報を用意しておけば、あるいは人口情報を生成すれば、一部のユーザの位置情報を取得することで通行量を推計することができる。また、上述したようにユーザの移動を考慮した適切な通行量を推計することができる。従って、例えば、通行路の特定の箇所における通行量のカウント、又は推計対象のエリアにおける推計の全時間帯にわたる全員の位置情報の取得等を行うことなく、通行量を推計することができる。また、本実施形態では、人口情報と位置情報とが取得できればよいので、カメラの設置コスト等をかけずに通行量を推計することができる。即ち、本実施形態によれば、容易かつ適切に通行量を推計することができる。
【0042】
また、上述した実施形態のようにグループ毎の移動状態毎の人の頻度(例えば、上述したS)に応じたパラメータを人口情報によって示される人口の数に掛けることで通行量を推計することとしてもよい。また、推計対象のエリアの移動方向に応じたパラメータ(例えば、上述した1/l)を人口の数に掛けることで通行量を推計することとしてもよい。これらの構成によれば、適切かつ確実に通行量を推計することができる。但し、本発明に係る実施形態は、必ずしもこれらのパラメータを用いる必要はなく、グルーピングされた移動状態情報及び人口情報を用いるものであればよい。
【0043】
また、上述した実施形態のように複数のユーザの位置情報に基づいて、移動状態情報として移動方向及び移動速度を算出してもよい。この構成によれば、適切かつ確実に移動状態情報を取得することができ、適切かつ確実に通行量を推計することができる。但し、移動状態情報として上記のものを用いる必要はなく、ユーザの移動状態を示す情報であり通行量の推計に用い得るものであれば、どのような移動状態情報を用いてもよい。
【0044】
なお、上述した実施形態では、ユーザの属性(例えば、性別、年齢、趣味趣向)については考慮していなかった。しかしながら、ユーザの属性毎の人口情報及び位置情報を取得できる場合、例えば、デモグラフィックデータが対応付いた情報を取得できる場合には、ユーザの属性毎に通行量を推計してもよい。ユーザの属性毎に推計することで、ユーザの属性毎の広告枠の評価を行うことができる。
【0045】
上述した実施形態では、通行量の推計は、広告枠の評価に用いるとした。しかしながら、通行量推計システム10は、広告枠の評価以外の任意の目的のために通行量を推計することとしてもよい。その場合、推計対象のエリア30は、目的に応じて適宜設定されればよい。
【0046】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0047】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)又は送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0048】
例えば、本開示の一実施の形態における通行量推計システム10は、本開示の方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図7は、本開示の一実施の形態に係る通行量推計システム10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の通行量推計システム10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。また、本実施形態に係る端末20も本説明と同様のハードウェア構成を有していてもよい。
【0049】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。通行量推計システム10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0050】
通行量推計システム10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0051】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の通行量推計システム10における各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0052】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、通行量推計システム10における各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0053】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0054】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0055】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の通行量推計システム10における各機能は、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0056】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0057】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0058】
また、通行量推計システム10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated
Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0059】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0060】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0061】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0062】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0063】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0064】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0065】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0066】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0067】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。
【0068】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0069】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。
【0070】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0071】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0072】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0073】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0074】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0075】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0076】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10…通行量推計システム、11…人口情報取得部、12…移動状態情報取得部、13…推計部、20…端末、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7