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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】固体ボールスクリュー遠心分離機
(51)【国際特許分類】
   B04B 1/20 20060101AFI20240711BHJP
   B04B 11/02 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B04B1/20
B04B11/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021564248
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2020061505
(87)【国際公開番号】W WO2020221668
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】102019110996.5
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518091934
【氏名又は名称】ジーイーエー メカニカル イクイップメント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アーガード, ポール-エリク
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-154327(JP,A)
【文献】特開平02-160063(JP,A)
【文献】特開2003-326195(JP,A)
【文献】特開平07-075747(JP,A)
【文献】国際公開第1994/001219(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0064213(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 1/00-15/12
B01B 1/00- 1/08
B01D 1/00- 8/00
C12C 1/00-13/10
C12F 3/00- 5/00
C12H 1/00- 3/04
C12J 1/00- 1/10
C12L 3/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(100)と該ハウジング(100)内に回転可能に取り付けられたロータ(200)を有する固体ボールスクリュー遠心分離機(1)であって、
a. 回転軸(D)を有し、長さL1を有する円筒部(231)と長さL2を有する円錐部(232)を有する回転可能なドラム(210)と、
b. 処理されるべき懸濁液(SU)をドラム(210)内に供給するための少なくとも1つの第1の供給部(211)と、
c, ドラム(210)の円筒部(231)に配置された少なくとも1つの液体排出口(217)と、ドラムの円錐部(232)に配置された少なくとも1つの固体排出部(218)と、
d. 回転可能なドラム(210)に対して異なる速度で回転可能で、ドラム内に配置されたスクリュー(230)であって、ドラム(210)と共同でロータ(200)を形成するスクリュー(230)と、
e. ドラム(210)内の固体相(SP)に添加物(Z)を供給するための第2の供給部(701)とを備える固体ボールスクリュー遠心分離機(1)において、
配合ブレードや配合パドルである混合要素(601)の装置を有し、加えてスクリューシャフト(241)の壁に沿ったスクリュー(230)の巻き部(242)があ
前記第2の供給部(701)には、スクリュー(230)のスクリューシャフト(241)に突出する供給パイプ(704)があり、第2の供給部(701)には、オリフィス開口部(703)を経由して、スクリューから添加物(Z)を半径方向に放出する装置がある、固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項2】
前記第2の供給部(701)は、少なくとも一部が固体ボールスクリュー遠心分離機(1)の回転軸(D)に同軸に配置される、請求項1に記載の固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項3】
前記第1の供給部(211)は、前記スクリュー(230)の前記スクリューシャフト(241)内に突出する供給パイプ(214)を有し、前記第1の供給部(211)は、オリフィス開口部(243)を介して前記スクリュー(230)から処理される前記懸濁液(SU)を半径方向に排出する装置を有し、前記第2の供給部(701)の前記オリフィス開口部(703)は、前記第1の供給部(211)の前記オリフィス開口部(243)と前記固体排出部(218)との間に配置される、請求項1又は2に記載の固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項4】
第2の供給部(701)のオリフィス開口部(703)が円錐部(232)に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに係る固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項5】
固体ボールスクリュー遠心分離機の側部で、第1の供給部(211)の供給パイプ(214)とは反対側に、第2の供給部(701)の供給パイプ(704)が配置されている、請求項1乃至の何れかに記載の固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項6】
第2の供給部の供給パイプ(704)が、第1の供給部(211)の供給パイプ(214)の内側に配置され、第1の供給部(211)の内側に同軸に配置される、請求項1乃至5の何れかに記載の、固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項7】
スクリューシャフト(241)の表面から半径方向に突出させた浸漬ディスク(650)を、第2の供給部(701)のオリフィス開口部(703)と第1の供給部(211)のオリフィス開口部(243)との間に配置した、請求項1乃至の何れかに記載の、固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項8】
前記スクリューシャフト(241)から前記スクリューシャフト(241)と前記ドラム(210)との間の中間空間に突出した少なくとも1つの混合要素が、前記円錐部(232)に配置されている、請求項1乃至の何れかに記載の固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項9】
処理されるべき添加物(Z)又は拡散物を半径方向に排出する装置がパイプライン(702)または分配器(215)として形成され、該分配器(215)はスクリューシャフト(241)の内部にチャンバとして形成され、該チャンバ内に供給パイプ(214)が開口し、スクリューシャフト(241)の壁に少なくとも1つのオリフィス開口部(243)を有する。請求項1乃至の何れかに記載の固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項10】
浸漬ディスク(650)が遷移領域に配置され、該遷移領域にて円筒部(231)が円錐部(232)に結合する、請求項に記載の固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項11】
第2の供給部(701)の供給パイプ(704)が回転可能に取り付けられている、請求項1乃至10の何れかに記載の固体ボールスクリュー遠心分離機。
【請求項12】
ドラム(210)の円錐部(232)内の固体相(SP)を液体、ガス又は第2の供給部(701)を経由して固体相(SP)に供給される固体の添加物(Z)と混合するための請求項1乃至11の何れかに記載の固体ボールスクリュー遠心分離機の使用方法であって、
ドラムの円錐部(232)が、固体相(SP)と供給された添加物(Z)との混合が生じる混合領域の区域として少なくとも使用される工程を含む、固体ボールスクリュー遠心分離機の使用方法。
【請求項13】
乾燥した蒸留廃液を形成するために蒸留廃液を処理する方法における請求項1乃至11の何れかに記載の固体ボールスクリュー遠心分離機(1)を使用する方法であって、
前記蒸留廃液は、前記第1の供給部(211)を介して前記固体ボールスクリュー遠心分離機(1)に供給され、薄い蒸留廃液と固体相(SP)を形成するための蒸留廃液の処理は、固体ボールスクリュー遠心分離機(1)内で生じる固体ボールスクリュー遠心分離機(1)を使用する方法において、
固体ボールスクリュー遠心分離機(1)内での処理中に薄い蒸留廃液から得られるシロップは、第2の供給部(701)を介して前記ドラム(231)において添加物(Z)として前記固体相(SP)に供給される工程を含む、固体ボールスクリュー遠心分離機の使用方法。
【請求項14】
薄い蒸留廃液からのシロップは少なくとも1個の蒸発器(4)で得られ、さらにトウモロコシ油を得る、請求項13に記載の固体ボールスクリュー遠心分離機の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部に従った、固体ボールスクリュー遠心分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、先行技術に従った固体ボールスクリュー遠心分離機を示している。このような遠心分離機のドラムは、円錐領域と円筒領域に分けられ、円筒領域は、概して、当業者によって分離領域と呼ばれ、円錐領域は乾燥領域と呼ばれる。
この構成は、そのように実証されている。しかしながら、さらなる機能性を持たせ、その後の作業工程を節約できるようなボールスクリュー遠心分離機の構成の改善がさらに求められている。
【0003】
国際公開第2017/182949号は、特に図3aに、固体ボールスクリュー遠心分離機における掘削汚泥を処理するアセンブリを開示している。そのために固体ボールスクリュー遠心分離機内に固体物である掘削汚泥に加え、固体物を輸送するための犠牲となる液体が導入される。そして、犠牲となる液体は、固体物がさらに輸送される間、掘削汚泥に取って代わる。最終的には、固体相が分離されるが、他の目的のために乾燥領域を追加的に使用することは明らかにされない。
本発明の目的は乾燥領域の機能拡大である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1の主題事項によってこの目的を達成する。
本発明による固体ボールスクリュー遠心分離機は、ハウジングと、ハウジング内に回転可能に取り付けられたロータとを有する。さらに、固体ボールスクリュー遠心分離機には、少なくとも次のようなものがある。
回転軸を有する回転式ドラムであって、ドラムは長さLを有する円筒部と長さLを有する円錐部を有する回転式ドラムと、
処理されるべき懸濁液をドラム内に供給するための少なくとも1つの第1の供給部と、
ドラムの円筒部に配置された少なくとも1つの液体出口、及びドラムの円錐部に配置された少なくとも1つの固体排出部と、
回転可能なドラムに対して異なる速度で回転可能であり、ドラム内に配置されたスクリューであって、該ドラムと該スクリューとが結合してロータを形成するスクリューとを備えている。
【0005】
本発明に係る固体ボールスクリュー遠心分離機には、ドラム内側の固体相に添加物を供給するための第2の供給部がある。
固体相への追加供給のために、混合装置の利点をデカンタの利点と組み合わせることができる。追加された下流の混合装置は有利なことに省略することができ、従って、処理プラントにおける対応する機械に必要なスペースが大幅に縮小される。
【0006】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題事項である。
第2の供給部は、少なくとも部分的に、固体ボールスクリュー遠心分離機の回転軸に同軸に配置することができる。ドラムの特定領域への液体または固体のラインは、供給部として理解されるべきである。ラインは、例えば、パイプラインである。ラインの少なくとも1つの区間は、回転軸に同軸に延びる。
【0007】
第2の供給部は、有利なことには、スクリューのスクリューシャフトの中空シャフト内に突出する供給パイプを有することができる。さらに、第2の供給部は、少なくとも1つのオリフィス開口部を通して、スクリューからの添加物の半径方向へ放出するための装置を有することができる。オリフィス開口部は、スクリューシャフトの壁に導入することができる。もちろん、複数のオリフィス開設も可能である。
第1の供給部は、更に、スクリューのスクリューシャフトに突出する供給パイプを有することができ、第1の供給部は、オリフィス開口部を介してスクリューから処理されるべき懸濁液を半径方向へ排出するための装置を有し、第2の供給部のオリフィス開口部は、第1の供給部のオリフィス開口部と固体排出部との間に配置される。
【0008】
第2の供給部のオリフィス開口部は、円錐部に配置されるのが望ましい。
第2の供給部の供給パイプは、第1の供給部の供給パイプとは反対側の固体ボールスクリュー遠心分離機の側に配置され、2つの供給部が互いに妨害しないようにすることができる。
【0009】
或いは、第2の供給部の供給パイプを、第1の供給部の供給パイプの内側に、特にその同軸に配置することもできる。これは、懸濁液及び添加物の供給が、例えば、計量装置から一方の側から行われる場合に有利である。
【0010】
スクリューシャフトの表面から半径方向に突出し、ドラム内壁に開口した環状の間隙を残す浸漬ディスクは、第2の供給部のオリフィス開口部と第1の供給部のオリフィス開口部との間に配置される。浸漬ディスクにより、厚くなった固体(重い相)のみがドラムの円筒部から円錐部へドラム内壁に近接して通過することが可能になる。
懸濁液の液体要素(軽い相)は、ドラムの円形部分に残る。浸漬ディスクは、ここでは両側に異なるレベルがある。円筒部内で分離された厚くなった固体は供給された懸濁液より高密度であるため、固体ボールスクリュー遠心分離機の片側の懸濁液充填レベルは、固体ボールスクリュー遠心分離機の反対側の固体充填レベルよりも高くなければならない。
【0011】
少なくとも1つの混合要素は、スクリューシャフト又はドラムのドラム壁からスクリューシャフトとドラムとの間の中間空間に突出する円錐部内に配置されるのが好ましい。複数の混合要素、例えば、混合パドル又は混合ブレードの準備もまた、特に望ましい。
なお、処理されるべき添加物又は拡散物を半径方向に排出する装置は、特にパイプライン又は分配器として形成することができ、分配器は、供給パイプが開口したスクリューシャフト内のチャンバとして形成される。スクリューシャフトは、チャンバを区切る壁として、スクリューシャフトとドラム壁との間の遠心分離器空間内への少なくとも1つのオリフィス開口部を有する。
【0012】
有利なことには、浸漬ディスクは、円筒部が円錐部に結合する遷移領域に配置することができる。第2の供給パイプは回転自在に取り付けることができる。
本発明に係る上記固体ボールスクリュー遠心分離機の発明に係る使用は、ドラムの円錐部内の固体相を、第2の供給部を介して固体相に供給される液体、気体、または固体の添加物と混合するために使用され、ドラムの円錐部は少なくとも混合領域の区域として使用され、そこで固体相と供給された添加物との混合が生じる。
【0013】
これに関連して、固体ボールスクリュー遠心分離機の具体的な使用法は、蒸留廃液を処理して乾燥した蒸留廃液を形成する方法で生じ、蒸留廃液は固体ボールスクリュー遠心分離機の第1の供給部を介して供給され、蒸留廃液の薄い蒸留廃液及び固体相への処理が固体ボールスクリュー遠心分離機内で生じ、固体ボールスクリュー遠心分離機での処理中に薄い蒸留廃液から得られるシロップは第2の供給部を介して添加物としてドラム内の固体相に供給される。
薄い蒸留廃液からのシロップは、少なくとも1個の蒸発器、望ましくは蒸発器と下流の3相分離器によって得ることができ、一方でトウモロコシ油を更に得る。
本発明の更なる有利な実施形態は、従属請求項から推測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下では、本発明を、本実施例をもとに図面を参考に、より詳細に説明する。
図1】本発明に係る固体ボールスクリュー遠心分離機を模式的に示した側面図を示す。
図2】先行技術に基づく方法の枠組みを示す。
図3】本発明に従い、固体ボールスクリュー遠心分離機を用いた方法の枠組みを示す。
図4】先行技術に係る固体ボールスクリュー遠心分離機を模式的に示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図4は、回転可能に取り付けられたドラム210を有する固体ボールスクリュー遠心分離機1を示しており、回転が固定された方式でドラム210に接続された第1のドラムシャフト部220は、ドラム210または実際のドラム210のドラムカバー213に軸方向に隣接し、同じく回転が固定された方式でドラム210に接続された第2のドラムシャフト部219は、ドラム210の内側で円錐状のドラム部212に軸方向に隣接し、回転自在に取り付けられたスクリュー230がドラム210と同心円状に配置されている。スクリュー230は、中空シャフトとして形成されたスクリューシャフト241と螺旋状の巻き部242とを備える
【0016】
ドラム210及びスクリュー230はそれぞれ、円筒部231及び円錐部232を有する。スクリュー230に回転が固定された方式で接続される第1のスクリューシャフト部234は、スクリュー230の円筒部231に軸方向に隣接し、スクリュー230に回転が固定された方式で接続される第2のスクリューシャフト部233は、円錐状のドラム部232に軸方向に隣接する。
【0017】
ロータ200を駆動するために、1つ又は2つのモータ401を有する駆動装置400が使用される。少なくとも1つのギア310が駆動装置400の下流に接続されており、この上に2つのベルトプーリ320、330が概略的に示されている。このことは、ドラム及びスクリューを駆動するためにギア310が、各モータのトルクを、ギア310に供給する少なくとも2つのインターフェースを備えていることを示している。あるいは、(ここには示されていない)、ロータの駆動は、ギアが必要とされないように、油圧モータを介して行うこともできる。駆動は、電気モータと油圧モータの組み合わせによっても行われるが、他のギアはこの目的のために使用され、ベルトプーリ全部または一部が省略される。
【0018】
ギア300は、一方ではドラム210を回転させ、他方ではスクリュー230を回転させる。このために、ギア300は、2つの出力軸を有する。第1の出力軸は、回転が固定された方式で第1のドラムシャフト部220に連結されるか、又は直接ドラム210に連結され、第2の出力軸は、回転が固定された方式で第1のスクリューシャフト部234に直接又は間接的に連結されるか、又は直接スクリュー230に連結される。
【0019】
ドラム及びシャフトは、夫々回転軸の方向に軸方向に配置された2つのドラムベアリング221、222を用いて回転可能に取り付けられている。この点で、「ベアリング」の概念を狭く解釈するわけではない。ベアリング221、222の各々は、夫々1つ又は複数の個々のベアリングから成ることができ、次いで、それらは、機能的にそれぞれが個々のベアリングであると見なすことができるように、互いに直接軸方向に隣接して配置される。さらに、ベアリング221、222は、構成が大きく異なるベアリングとして形成されており、特にセラミックベアリング、ハイブリッドセラミックベアリング、磁気ベアリング、プレーンベアリングとして存在する。
ドラムベアリング221、222は、ドラム210とハウジング100との間、又はハウジングに接続された部分に配置されており、これにより、ドラム210をハウジング100に対して回転させることができる。これは、以下に述べる全ての変形例に適用され、請求の範囲内に含まれる。ドラムベアリング221、222は、ドラム210とハウジング100との間、又はハウジングに接続された部分に放射状に配置されるのが好ましい。
【0020】
対照的に、スクリューベアリング235、236は、スクリュー230とドラム210との間に放射状に配置され、スクリュー230がドラム210に対して回転可能であるようになっている。スクリューベアリング235、236は、好ましくは、ドラム210とスクリュー230との間に放射状に配置される。
可能な実施形態の変形例(図示されていない)では、固体排出部218の領域におけるスクリューベアリング235の1つを省略することができる。この場合、回転するスクリュー自体は自動的に芯合わせされ、例えば、デカンタの縦の配置の場合は、それが知られている。
【0021】
先行技術によれば、図4に示されるように、固体ボールスクリュー遠心器の円筒領域231は、供給された懸濁液SUの分離領域として、液体相FIPと固体相SPに分割されるための分離領域として使用されている。円錐領域232は乾燥領域として使用され、その中で固体相はさらに乾燥される。発明はこの時点から始まり、異なる経路をたどる。
【0022】
図1は、回転不可能、又は動作中に回転しないフレームを備えた、固体ボールスクリュー遠心分離機1を示しており、ハウジング100と回転可能又は動作中に回転するロータ200を備えている。図4に示した固体ボールスクリュー遠心分離機は、従来技術との関係において、多くの類似した構成要素を有している。これらは同一の参照符号によって識別される。
【0023】
ロータ200は、水平な回転軸Dを有する回転可能なドラム210を有しているが、回転軸Dは、異なる向きに、特に空間内で垂直にすることもできる。さらに、回転軸がドラム210の回転軸に一致する、ドラム210に配置されたスクリュー230は、ロータ200の一部である。スクリュー230は、ドラム210に対して異なる速度で動作中に回転される。
ドラム210は、長さLを有する円筒部231と、そこから長さLを有する円錐部232とを軸方向に隣接して有する。円筒部231は、大凡半径方向に延びるドラムカバー213によって終端されている。
また、スクリュー230は、ここで軸方向に隣接する円筒部及び円錐部を有する。スクリュー230は、ドラム210の内側に配置される。
【0024】
さらに、固体ボールスクリュー遠心分離機は、処理されるべき懸濁液SUをドラム210に供給するための供給部211を、特にドラム210内側の遠心空間216内に備えている。
この供給部は、図1及び図4にて、回転軸Dに同心円状に延びる供給パイプ214がドラム210の中に突き出て、このパイプが分配器215内に開口し、これによって処理されるべき懸濁液SUが、スクリューシャフト241のオリフィス開口部243を介してドラム210の遠心空間216に半径方向に導入されるように、形成される。供給パイプ214は、円筒状のドラム部の側面からドラム210内に案内されるか、円錐状のドラム部の側面からドラム210内に案内される。
【0025】
1つ又は複数の液体排出口217は、ドラムカバー213内又はドラムカバー213上に形成される。
これらは、種々の方法で、従ってオーバーフロー堰のタイプを有するドラムカバー213の開口として、または別の方法で、羽根車として形成することができる。少なくとも1個の固体排出部218が円錐形の区間212の端部に形成される。
一般に、ドラム210は、固体ボールドラムとして形成される。次に、回転ドラム210内にて、少なくとも1つの液体相FIPが固体相SPから浄化される。少なくとも1つの液体相は、ドラムカバー213にて液体排出口217から出る。これに対し、固体物は、スクリュー230により固体排出部218の方向に輸送され、固体排出部218にてドラム210から排出される。
【0026】
図4とは対照的に、図1の分配器215のオリフィス開口243と固体排出部218との間に、添加物Zの供給部701が配置されている。
具体的には、図1において、添加物Zの供給部701として第2の供給パイプ704が回転軸Dと同軸に配置されている。第2の供給パイプ704は供給パイプ214と反対側にスクリューシャフト241の内部に突き出ている。供給パイプ704から、ライン702がドラムのケーシングの方向に半径方向に延び、その結果、導入される添加物がこのライン702を介して偏向される。ライン702は、オリフィス開口部703を有し、該開口部は、スクリューシャフト241とドラム210のドラムケーシングとの間の領域に位置している。
【0027】
スクリュー230の回転により、固体ボールスクリュー遠心分離機の円錐部232において、添加物Zと固体相SPの混入が集中的に行われる。従って、円錐部232は、混合領域と呼ぶことができ、一方、円筒部231は、依然として分離領域である。
本発明に係る構成の特別な利点は、スクリュー230の巻き部242が設けられたことにより、乾燥領域が混合装置として追加的に利用されることである。通常、混合装置は、固体ボールスクリュー遠心分離機の下流に接続される。しかしながら、図示された構成は、有利なことに、このような混合装置を全部不要にすることを可能にする。
【0028】
図1に従った供給部701に関する記述は、決して網羅的なものではないと理解されるわけではない。むしろ、本発明の範囲においては、供給部701の他の有利な取決めも考えられる。
図1の第1の変形例では、供給パイプ701は、円筒状のドラム部の側面からドラム210内に導くこともできる。この場合、添加物用の第2の供給パイプ704は、処理されるべき懸濁液用の供給パイプの内側に周囲に配置することができる。このように、懸濁液及び添加物の計量は、例えば一方の側面から実施することができる。
【0029】
図1の第2の変形例では、分配器215と同様に、ライン702を分配器に置き換えることができる。このような分配器は、夫々の供給パイプが開口するスクリューシャフト内部のチャンバとして形成されることが好ましい。この構成は、供給パイプが回転するように具現化される必要がないという利点を有する。チャンバは、スクリューシャフト241とドラム壁との間の遠心空間216に1つのオリフィス開口部又は複数のオリフィス開口部を有する。
図1の第3の変形例では、遠心空間216への供給部は、ドラム壁を通ることもできる。
【0030】
スクリュー230の円筒部と円錐部との間の遷移領域において、付随的な浸漬ディスク650がスクリューシャフトに沿って配置され、該浸漬ディスク650は、ドラム210のドラム壁の方向に半径方向に延在する。浸漬ディスク650は、特にスクリューシャフト241から回転軸Dに対して垂直に延在することができ、特に、円錐領域内または円筒領域内に配置することもできる。なお、浸漬ディスク650は、添加物についての第2の供給部701のオリフィス開口部703と分配器のオリフィス開口部243との間に配置することが不可欠である。
【0031】
浸漬ディスク650の外側輪郭はドラムの内壁と共に、浸漬リング間隙651と呼ばれる円形リングの形態の間隙を形成し、この間隙を通って固体が分離領域231から固体排出部218に到達する。分離領域231の液体側端部は、周囲から封止することができ、これは、例えば、内部インペラまたは湿式封止(hydrohermetic)によって実施可能である。このようにして、必要な場合、分離領域231の気密な封止を達成することができる。
【0032】
本発明による概念に更に追加されるのは、スクリューシャフト241の壁に沿ったスクリュー230の巻き部242に加えて、例えば、混合ブレードまたは混合パドルである混合要素601の配置である。
これらの混合要素は、巻き部242の間にてねじ又はねじ244内に突出し、かつ、懸濁液SUの分離された固体物を、供給ライン701を介して導入される添加物Zとともに、より集中的に混合することを可能にするのが好ましい。
本発明に係る固体ボールスクリュー遠心分離機1の発明に係る用途及びその利点について、図2及び図3に基づき、より詳しく説明する。
【0033】
図2では、懸濁液SUとしての蒸留廃液の取り扱いについてより詳細に説明する。植物、特にトウモロコシからアルコールを得ると、蒸留廃液(蒸留廃液または全蒸留廃液)が生じる。この蒸留廃液は廃棄物処理のために処理されなければならない。
この蒸留廃液SUは、エネルギーを供給されて、従来の固体ボールスクリュー遠心分離機1で処理されている。本ケースでは、固体相としての部分脱水型(湿式蒸留穀物 WDG)と液体相としての薄い蒸留廃液を提供する。
薄い蒸留廃液(FlP)は蒸発器4に供給され、水蒸気として大量の水を除去してシロップ又は濃縮物を提供する。このシロップはさらに3相分離器5によって処理される。有益な材料相はここではトウモロコシ油として分離される。その後、3相分離中に生じるさらなる液体相と固体は、固体ボールスクリュー遠心分離機1の固体相SPに供給される。
【0034】
2つの相を集中的に混合することは、混合器2で行われる。この産物はさらに処理され、蒸気または熱い空気を導入して、乾燥機3内に乾燥した蒸留廃液(乾燥蒸留穀物 DGS)を形成する。乾燥機3は過剰なシロップを有するクランプ(塊)を処理することができないため、シロップと脱水された蒸留廃液との集中的な混合が必要である。これらのクランプは乾燥機内に付着したままで、乾燥機内で燃焼する。
本発明に係る固体ボールスクリュー遠心分離機1が使用されれば、有利なことに混合器2を省略することができる。これを図3に示す。蒸発器4内の薄い蒸留廃液FIPから生産されたシロップは、固体ボールスクリュー遠心分離機1に直接戻される。分離器は、シロップからトウモロコシ油を分離するために図2と同様に相互に連結される。これは、この方法で、その後の脱油シロップと脱水蒸留廃液との混合を促進することができるからである。
流動固体相SPは、シロップを含んでおり、その後、乾燥された蒸留廃液DDGSを提供する乾燥機3に移転される。
【符号の説明】
【0035】
1 固体ボールスクリュー遠心分離機
2 混合器
3 乾燥機
4 蒸発器
5 3相分離器
100 ハウジング

200 ロータ
210 ドラム
211 供給部
212 円錐状のドラム部
213 ドラムカバー
214 供給パイプ
215 分配器
216 遠心空間
217 液体排出口
218 固体放出部
219 ドラムシャフト部
220 ドラムシャフト部
221 ドラムベアリング
222 ドラムベアリング
230 スクリュー
231 円筒部
232 円錐部
233 スクリューシャフト部
234 スクリューシャフト部
235 スクリューベアリング
236 スクリューベアリング
241 スクリューシャフト
242 巻き部
243 オリフィス開口部
244 巻きねじ
310 歯車
320 ベルトプーリ
330 ベルトプーリ
400 駆動装置
401 モータ
601 混合要素
650 浸漬ディスク
651 浸漬ディスク
701 第2の供給部
702 ライン
703 オリフィス開口部
704 供給パイプ
D 回転軸
長さ
長さ
SU 懸濁液
SP 固体相
FlP 液体相
Z 添加物
図1
図2
図3
図4