特許 7519421 商品手配業務支援装置、商品手配業務支援方法および商品手配業務支援プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-07-10

(45)【発行日】2024-07-19

(54)【発明の名称】商品手配業務支援装置、商品手配業務支援方法および商品手配業務支援プログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 10/087 20230101AFI20240711BHJP

   G06Q 30/0601 20230101ALI20240711BHJP

【ＦＩ】

G06Q10/087

G06Q30/0601

【請求項の数】 6

(21)【出願番号】P 2022178863

(22)【出願日】2022-11-08

(62)【分割の表示】P 2019007043の分割

【原出願日】2019-01-18

(65)【公開番号】P2023001262

(43)【公開日】2023-01-04

【審査請求日】2022-11-15

(73)【特許権者】

【識別番号】398040527

【氏名又は名称】株式会社オービック

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】下方 智裕

(72)【発明者】

【氏名】佐古 修康

(72)【発明者】

【氏名】日比 千晶

(72)【発明者】

【氏名】上野 剛光

【審査官】松野 広一

(56)【参考文献】

【文献】特開２００２－０２９６１１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１８－０６０３８５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１９－００８５４４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００３－１９２１３４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０６－３２１３２１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０６Ｑ １０／００－９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

制御部を備える商品手配業務支援装置であって、
事業所を識別するための事業所識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品が前記事業所における倉庫に保持されている商品であることを意味する区分である保持在庫区分または前記商品が受注に応じて手配される商品であることを意味する区分である非保持在庫区分の在庫品区分と、仕入先を識別するための仕入先識別データまたは社内手配の手配先の倉庫を識別するための手配先倉庫識別データと、を有する手配レコードを含む手配マスタと、
事業所識別データおよび商品識別データを含む受注データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記商品の手配先を確定するための画面である商品手配確定画面において、前記商品の手配先の決定を担当する者である手配先決定担当者により指定された事業所識別データを含む前記受注データを取得する受注データ取得手段と、
前記受注データ取得手段で取得した前記受注データが有する事業所識別データおよび商品識別データを有する手配レコードのうち前記在庫品区分として前記非保持在庫区分を有するレコードを、前記手配マスタから取得する手配レコード取得手段と、
前記手配レコード取得手段で取得した前記手配レコードが有する情報を、前記商品手配確定画面に表示する第一表示実行手段と、
を備えること、
を特徴とする商品手配業務支援装置。

【請求項2】

前記手配レコードは、更に、前記手配される場合に前記商品を仕入先から仕入れることを意味する区分である仕入先区分または前記手配される場合に前記商品を社内手配することを意味する区分である社内手配区分の商品手配区分を有し、
前記制御部は、
前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、前記仕入先区分である場合、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された商品識別データおよび仕入先識別データを含む商品手配明細データを生成する商品手配明細生成手段と、
前記商品手配明細生成手段で生成した前記商品手配明細データが有する商品識別データおよび仕入先識別データを、前記商品の発注を確定するための画面である発注確定画面に表示する第二表示実行手段と、
前記第二表示実行手段が前記発注確定画面に表示した商品識別データおよび仕入先識別データであって前記商品の発注の確定を担当する者である発注確定担当者により確定または編集されたものを含む発注データを生成する発注生成手段と、
を更に備えること、
を特徴とする請求項１に記載の商品手配業務支援装置。

【請求項3】

前記手配レコードは、更に、前記手配される場合に前記商品を仕入先から仕入れることを意味する区分である仕入先区分または前記手配される場合に前記商品を社内手配することを意味する区分である社内手配区分の商品手配区分を有し、
前記制御部は、
前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、前記社内手配区分である場合、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された商品識別データおよび手配先倉庫識別データを含む商品手配明細データを生成する商品手配明細生成手段と、
前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、前記社内手配区分である場合、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された事業所識別データで特定される事業所の倉庫を識別するための事業所倉庫識別データ、商品識別データおよび手配先倉庫識別データを含む移動指示データを生成する移動指示生成手段と、
を更に備えること、
を特徴とする請求項１または２に記載の商品手配業務支援装置。

【請求項4】

更に、前記受注データを前記受注データ取得手段の取得の対象とすることを意味するフラグおよび当該フラグに紐付く受注区分を含む区分マスタにアクセス可能であり、
前記受注データは、更に、受注区分を含み、
前記受注データ取得手段は、前記商品手配確定画面において、前記手配先決定担当者により指定された事業所識別データ含み、かつ、前記取得の対象とすることを意味するフラグと紐付く前記区分マスタ中の前記受注区分を含む前記受注データを取得すること、
を特徴とする請求項１から３のいずれか一つに記載の商品手配業務支援装置。

【請求項5】

制御部を備える情報処理装置で実行される商品手配業務支援方法であって、
前記情報処理装置は、
事業所を識別するための事業所識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品が前記事業所における倉庫に保持されている商品であることを意味する区分である保持在庫区分または前記商品が受注に応じて手配される商品であることを意味する区分である非保持在庫区分の在庫品区分と、仕入先を識別するための仕入先識別データまたは社内手配の手配先の倉庫を識別するための手配先倉庫識別データと、を有する手配レコードを含む手配マスタと、
事業所識別データおよび商品識別データを含む受注データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
前記商品の手配先を確定するための画面である商品手配確定画面において、前記商品の手配先の決定を担当する者である手配先決定担当者により指定された事業所識別データを含む前記受注データを取得する受注データ取得ステップと、
前記受注データ取得ステップで取得した前記受注データが有する事業所識別データおよび商品識別データを有する手配レコードのうち前記在庫品区分として前記非保持在庫区分を有するレコードを、前記手配マスタから取得する手配レコード取得ステップと、
前記手配レコード取得ステップで取得した前記手配レコードが有する情報を、前記商品手配確定画面に表示する第一表示実行ステップと、
を含むこと、
を特徴とする商品手配業務支援方法。

【請求項6】

制御部を備える情報処理装置に実行させるための商品手配業務支援プログラムであって、
前記情報処理装置は、
事業所を識別するための事業所識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品が前記事業所における倉庫に保持されている商品であることを意味する区分である保持在庫区分または前記商品が受注に応じて手配される商品であることを意味する区分である非保持在庫区分の在庫品区分と、仕入先を識別するための仕入先識別データまたは社内手配の手配先の倉庫を識別するための手配先倉庫識別データと、を有する手配レコードを含む手配マスタと、
事業所識別データおよび商品識別データを含む受注データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部に実行させるための、
前記商品の手配先を確定するための画面である商品手配確定画面において、前記商品の手配先の決定を担当する者である手配先決定担当者により指定された事業所識別データを含む前記受注データを取得する受注データ取得ステップと、
前記受注データ取得ステップで取得した前記受注データが有する事業所識別データおよび商品識別データを有する手配レコードのうち前記在庫品区分として前記非保持在庫区分を有するレコードを、前記手配マスタから取得する手配レコード取得ステップと、
前記手配レコード取得ステップで取得した前記手配レコードが有する情報を、前記商品手配確定画面に表示する第一表示実行ステップと、
を含むこと、
を特徴とする商品手配業務支援プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、商品手配業務支援装置、商品手配業務支援方法および商品手配業務支援プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、共同購買センタを通じて仕入れた商品を管理する流通仕入商品データベースに加え、各小売店舗で独自に仕入れた商品を管理する個別仕入商品データベースを設け、また、小売店舗の店主を煩わせることがないよう、流通仕入商品データベースと個別仕入商品データベースとを連携させる小売店舗支援処理システムが開示されている（０００６段落参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２００５－１９６３７１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

このような物流の管理の分野においては、「営業担当者による商品についての受注登録の後に、発注を統括する部署（例えば購買部）の担当者が、受注伝票を基に“受注商品がどのような物流で取引先へ納品されるか”を判断し、その判断結果を踏まえて受注商品について“社外への発注”とするか“社内での手配”とするかをコントロールする」という業務の流れにより、商品の手配を行うことが多い。

【0005】

しかしながら、前記判断に要する作業は担当者にとって負担であったため、業務効率の観点で改善の余地が残されていた。

【0006】

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、“受注商品がどのような物流で取引先へ納品されるか”を商品の手配先を確定するための画面に表示することにより、商品手配業務を支援できる商品手配業務支援装置、商品手配業務支援方法および商品手配業務支援プログラムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る商品手配業務支援装置は、制御部および記憶部を備える商品手配業務支援装置であって、前記記憶部には、事業所を識別するための事業所識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品が前記事業所における倉庫に保持されている商品であることを意味する区分である保持在庫区分または前記商品が受注に応じて手配される商品であることを意味する区分である非保持在庫区分の在庫品区分と、前記手配される場合に前記商品を仕入先から仕入れることを意味する区分である仕入先区分または前記手配される場合に前記商品を社内手配することを意味する区分である社内手配区分の商品手配区分と、前記仕入先を識別するための仕入先識別データまたは前記社内手配の手配先の倉庫を識別するための手配先倉庫識別データと、を有する手配レコードを含む手配マスタが格納されており、前記制御部が、前記商品の受注入力をするための画面である受注入力画面において、前記商品の受注を担当する者である受注担当者により指定された事業所識別データおよび商品識別データを含む受注データを生成する受注登録手段と、前記商品の手配先を確定するための画面である商品手配確定画面において、前記商品の手配先の決定を担当する者である手配先決定担当者により指定された事業所識別データを含む前記受注データを取得する受注データ取得手段と、前記受注データ取得手段で取得した前記受注データが有する事業所識別データおよび商品識別データを有する手配レコードのうち前記在庫品区分として前記非保持在庫区分を有するレコードを、前記手配マスタから取得する手配レコード取得手段と、前記手配レコード取得手段で取得した前記手配レコードが有する情報を、前記商品手配確定画面に表示する第一表示実行手段と、を備えること、を特徴とする。

【0008】

また、本発明に係る商品手配業務支援装置は、前記制御部が、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、前記仕入先区分である場合、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された商品識別データおよび仕入先識別データを含む商品手配明細データを生成する商品手配明細生成手段と、前記商品手配明細生成手段で生成した前記商品手配明細データが有する商品識別データおよび仕入先識別データを、前記商品の発注を確定するための画面である発注確定画面に表示する第二表示実行手段と、前記第二表示実行手段が前記発注確定画面に表示した商品識別データおよび仕入先識別データであって前記商品の発注の確定を担当する者である発注確定担当者により確定または編集されたものを含む発注データを生成する発注生成手段と、を更に備えること、を特徴とする。

【0009】

また、本発明に係る商品手配業務支援装置は、前記制御部が、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、前記社内手配区分である場合、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された商品識別データおよび手配先倉庫識別データを含む商品手配明細データを生成する商品手配明細生成手段と、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、前記社内手配区分である場合、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された事業所識別データで特定される事業所の倉庫を識別するための事業所倉庫識別データ、商品識別データおよび手配先倉庫識別データを含む移動指示データを生成する移動指示生成手段と、を更に備えること、を特徴とする。

【0010】

また、本発明に係る商品手配業務支援装置は、前記記憶部には、前記受注データを前記受注データ取得手段の取得の対象とすることを意味するフラグおよび当該フラグに紐付く受注区分を含む区分マスタが更に格納されており、前記受注登録手段が、前記受注入力画面において、前記受注担当者により指定された事業所識別データ、商品識別データおよび受注区分を含む前記受注データを生成し、前記受注データ取得手段が、前記商品手配確定画面において、前記手配先決定担当者により指定された事業所識別データ含み、かつ、前記取得の対象とすることを意味するフラグと紐付く前記区分マスタ中の前記受注区分を含む前記受注データを取得すること、を特徴とする。

【0011】

また、本発明に係る商品手配業務支援方法は、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される商品手配業務支援方法であって、前記記憶部には、事業所を識別するための事業所識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品が前記事業所における倉庫に保持されている商品であることを意味する区分である保持在庫区分または前記商品が受注に応じて手配される商品であることを意味する区分である非保持在庫区分の在庫品区分と、前記手配される場合に前記商品を仕入先から仕入れることを意味する区分である仕入先区分または前記手配される場合に前記商品を社内手配することを意味する区分である社内手配区分の商品手配区分と、前記仕入先を識別するための仕入先識別データまたは前記社内手配の手配先の倉庫を識別するための手配先倉庫識別データと、を有する手配レコードを含む手配マスタが格納されており、前記制御部で実行される、前記商品の受注入力をするための画面である受注入力画面において、前記商品の受注を担当する者である受注担当者により指定された事業所識別データおよび商品識別データを含む受注データを生成する受注登録ステップと、前記商品の手配先を確定するための画面である商品手配確定画面において、前記商品の手配先の決定を担当する者である手配先決定担当者により指定された事業所識別データを含む前記受注データを取得する受注データ取得ステップと、前記受注データ取得ステップで取得した前記受注データが有する事業所識別データおよび商品識別データを有する手配レコードのうち前記在庫品区分として前記非保持在庫区分を有するレコードを、前記手配マスタから取得する手配レコード取得ステップと、前記手配レコード取得ステップで取得した前記手配レコードが有する情報を、前記商品手配確定画面に表示する第一表示実行ステップと、を含むこと、を特徴とする。

【0012】

また、本発明に係る商品手配業務支援プログラムは、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための商品手配業務支援プログラムであって、前記記憶部には、事業所を識別するための事業所識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品が前記事業所における倉庫に保持されている商品であることを意味する区分である保持在庫区分または前記商品が受注に応じて手配される商品であることを意味する区分である非保持在庫区分の在庫品区分と、前記手配される場合に前記商品を仕入先から仕入れることを意味する区分である仕入先区分または前記手配される場合に前記商品を社内手配することを意味する区分である社内手配区分の商品手配区分と、前記仕入先を識別するための仕入先識別データまたは前記社内手配の手配先の倉庫を識別するための手配先倉庫識別データと、を有する手配レコードを含む手配マスタが格納されており、前記制御部に実行させるための、前記商品の受注入力をするための画面である受注入力画面において、前記商品の受注を担当する者である受注担当者により指定された事業所識別データおよび商品識別データを含む受注データを生成する受注登録ステップと、前記商品の手配先を確定するための画面である商品手配確定画面において、前記商品の手配先の決定を担当する者である手配先決定担当者により指定された事業所識別データを含む前記受注データを取得する受注データ取得ステップと、前記受注データ取得ステップで取得した前記受注データが有する事業所識別データおよび商品識別データを有する手配レコードのうち前記在庫品区分として前記非保持在庫区分を有するレコードを、前記手配マスタから取得する手配レコード取得ステップと、前記手配レコード取得ステップで取得した前記手配レコードが有する情報を、前記商品手配確定画面に表示する第一表示実行ステップと、を含むこと、を特徴とする。

【発明の効果】

【0013】

本発明によれば、“受注商品がどのような物流で取引先へ納品されるか”を商品の手配先を確定するための画面に表示することにより、商品手配業務を支援できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】図１は、商品手配業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。

【図2】図２は、各テーブルの項目の一例を示す図である。

【図3】図３は、本実施形態に係る処理の概要の一例を示す図である。

【図4】図４は、受注入力画面の一例を示す図である。

【図5】図５は、商品手配確定画面の一例を示す図である。

【図6】図６は、発注確定画面の一例を示す図である。

【図7】図７は、事業所商品手配マスタおよび受注データの一例を示す図である。

【図8】図８は、発注のパターンの場合における、商品手配明細データおよび発注データの一例を示す図である。

【図9】図９は、社内手配のパターンの場合における、商品手配明細データおよび移動指示データの一例を示す図である。

【図10】図１０は、本実施形態に係る処理のフローチャートの一例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

以下に、商品手配業務支援装置、商品手配業務支援方法および商品手配業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、具体的な構成および動作について説明する。

【0016】

［１．構成］
本実施形態に係る商品手配業務支援装置１００の構成の一例について、図１を参照して説明する。図１は、商品手配業務支援装置１００の構成の一例を示すブロック図である。

【0017】

商品手配業務支援装置１００は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、商品手配業務支援装置１００は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔｓ）、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。

【0018】

商品手配業務支援装置１００は、制御部１０２と通信インターフェース部１０４と記憶部１０６と入出力インターフェース部１０８と、を備えている。商品手配業務支援装置１００が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。

【0019】

通信インターフェース部１０４は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、商品手配業務支援装置１００をネットワーク３００に通信可能に接続する。通信インターフェース部１０４は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク３００は、商品手配業務支援装置１００とサーバ２００とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ２００に格納されてもよい。

【0020】

入出力インターフェース部１０８には、入力装置１１２および出力装置１１４が接続されている。出力装置１１４には、モニタ（家庭用テレビを含む）の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置１１２には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置１１４をモニタ１１４とし、入力装置１１２をキーボード１１２またはマウス１１２として記載する場合がある。

【0021】

記憶部１０６には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部１０６には、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と協働してＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部１０６として、例えば、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）・ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。

【0022】

記憶部１０６は、例えば、手配マスタとしての事業所商品手配マスタ１０６ａ（以下、単に「手配マスタ１０６ａ」という。）と、区分マスタとしての取引区分マスタ１０６ｂと、受注データとしての受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄと、商品手配明細データ１０６ｅと、発注データとしての発注ヘッダデータ１０６ｆおよび発注明細データ１０６ｇと、商品手配紐付データ１０６ｈと、移動指示データとしての移動指示ヘッダデータ１０６ｉおよび移動指示明細データ１０６ｊと、を備えている。

【0023】

手配マスタ１０６ａは、事業所および商品の組合せごとに商品の物流を登録するためのマスタである。手配マスタ１０６ａは、図２および図７に示すように、例えば、事業所を識別するための事業所識別データ（事業所コード）と、商品を識別するための商品識別データ（商品コード）と、在庫品区分と、商品手配区分と、仕入先識別データ（手配仕入先コード）または手配先倉庫識別データ（手配先倉庫コード）と、等を有するレコードである手配レコードを含む。図７の手配マスタ１０６ａは、設定値１～３で示される３つの手配レコードを含む。

【0024】

前記在庫品区分は、図７の手配マスタ１０６ａに示すように、前記商品が前記事業所における倉庫に保持されている商品であることを意味する区分である保持在庫区分「０（在庫品）」、または、前記商品が受注に応じて手配される商品であることを意味する区分である非保持在庫区分「１（非在庫品）」である。簡単にいうと、前記在庫品区分には、事業所および商品の組合せごとに、該当商品が在庫品なのか非在庫品なのかを予め登録する。

【0025】

前記商品手配区分は、図７の手配マスタ１０６ａに示すように、前記手配される場合に前記商品を仕入先から仕入れることを意味する区分である仕入先区分「２（仕入先）」、または、前記手配される場合に前記商品を社内手配することを意味する区分である社内手配区分「１（社内手配）」である。簡単にいうと、前記商品手配区分には、事業所および商品の組合せごとに、該当商品の手配方法が仕入先への発注なのか社内手配なのかを予め登録する。

【0026】

前記仕入先識別データ（手配仕入先コード）は、前記仕入先を識別するためのデータである。言い換えると、前記仕入先識別データ（手配仕入先コード）には、手配方法が仕入先への発注である場合に、発注する仕入先を予め登録する。

【0027】

前記手配先倉庫識別データ（手配先倉庫コード）は、前記社内手配の手配先の倉庫を識別するためのデータである。言い換えると、前記手配先倉庫識別データ（手配先倉庫コード）には、手配方法が社内手配の場合に、出庫元倉庫を予め登録する。

【0028】

取引区分マスタ１０６ｂは、図２に示すように、例えば、データ区分と、ユーザ取引区分と、商品手配フラグと、受注区分と、等を含む。前記商品手配フラグおよび前記受注区分の組合せは、例えば、前記受注データを後述する受注データ取得部１０２ｂの取得の対象とすることを意味するフラグ「手配する」および当該フラグに紐付く受注区分「商品手配受注」である。簡単にいうと、前記商品手配フラグには、本発明の集中購買機能を使用する取引区分なのかを設定する。

【0029】

受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄは、商品の受注入力をするための画面である受注入力画面（図４参照）において、前記商品の受注を担当する者である受注担当者等により受注入力されることで生成されるデータである。前記受注担当者は、例えば、営業部門に属する者である。

【0030】

受注ヘッダデータ１０６ｃは、図２および図７に示すように、例えば、受注番号と、前記事業所識別データ（事業所コード）と、等を含む。

【0031】

受注明細データ１０６ｄは、図２および図７に示すように、例えば、前記受注番号と、受注行番号と、前記受注区分と、前記商品識別データ（商品コード）と、前記在庫品区分と、前記商品手配区分と、前記仕入先識別データ（手配仕入先コード）と、前記手配先倉庫識別データ（手配先倉庫コード）と、等を含む。

【0032】

なお、受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄにおいて、前記事業所識別データ（事業所コード）と前記受注区分と前記商品識別データ（商品コード）は、オペレータにより指定される情報であり、前記受注番号と前記受注行番号は、自動採番される情報であり、前記在庫品区分と前記商品手配区分と前記仕入先識別データ（手配仕入先コード）と前記手配先倉庫識別データ（手配先倉庫コード）は、手配マスタ１０６ａから自動取得される情報である。

【0033】

商品手配明細データ１０６ｅは、前記商品の手配先を確定するための画面である商品手配確定画面（図５参照）において、前記商品の手配先の決定を担当する者である手配先決定担当者等により前記確定が行われる処理（商品手配確定処理）により生成されるデータである。前記手配先決定担当者は、例えば、購買部門に属する者である。

【0034】

商品手配明細データ１０６ｅは、図２、図８および図９に示すように、例えば、前記受注番号と、前記受注行番号と、商品手配番号と、前記商品識別データ（商品コード）と、前記在庫品区分と、前記商品手配区分と、前記仕入先識別データ（手配仕入先コード）と、前記手配先倉庫識別データ（手配先倉庫コード）と、発注番号と、発注行番号と、移動指示番号と、移動指示行番号と、等を含む。

【0035】

発注ヘッダデータ１０６ｆおよび発注明細データ１０６ｇは、前記商品の発注を確定するための画面である発注確定画面（図６参照）において、前記商品の発注の確定を担当する者である発注確定担当者等により前記確定が行われる処理（発注確定処理）により生成されるデータである。前記発注確定担当者は、例えば、購買部門に属する者である。

【0036】

発注ヘッダデータ１０６ｆは、図２および図８に示すように、例えば、前記発注番号と、前記事業所識別データ（事業所コード）と、前記仕入先識別データ（仕入先）と、等を含む。

【0037】

発注明細データ１０６ｇは、図２および図８に示すように、例えば、前記発注番号と、前記発注行番号と、発注区分と、前記商品識別データ（商品コード）と、等を含む。前記発注区分としては、例えば、「倉入発注」等が挙げられる。

【0038】

商品手配紐付データ１０６ｈは、前記発注確定処理により生成されるデータであり、また、商品手配明細データ１０６ｅと発注ヘッダデータ１０６ｆおよび発注明細データ１０６ｇとを紐付けるためのデータである。商品手配紐付データ１０６ｈは、図２に示すように、例えば、商品手配紐付ＧＵＩＤと、前記受注番号と、前記受注行番号と、前記発注番号に相当する手配先伝票番号と、前記発注行番号に相当する手配先伝票行番号と、等を含む。

【0039】

本実施形態においては、受注伝票登録時、受注区分を意識せずに入力を行うが、商品手配紐付データ１０６ｈによって、伝票の紐付情報を保持することができる。

【0040】

移動指示ヘッダデータ１０６ｉおよび移動指示明細データ１０６ｊは、前記商品手配確定処理により生成されるデータである。

【0041】

移動指示ヘッダデータ１０６ｉは、図９に示すように、例えば、前記移動指示番号と、前記事業所識別データ（事業所コード）と、前記手配先倉庫識別データ（出庫倉庫）と、前記事業所識別データ（事業所コード）で特定される事業所の倉庫を識別するための事業所倉庫識別データ（入庫倉庫）と、等を含む。

【0042】

移動指示明細データ１０６ｊは、図９に示すように、例えば、前記移動指示番号と、前記移動指示行番号と、前記商品識別データ（商品コード）と、等を含む。

【0043】

制御部１０２は、商品手配業務支援装置１００を統括的に制御するＣＰＵ等である。制御部１０２は、ＯＳ等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。

【0044】

制御部１０２は、機能概念的に、例えば、（１）前記商品の受注入力をするための画面である受注入力画面において、前記商品の受注を担当する者である受注担当者により指定された事業所識別データおよび商品識別データを含む受注データを生成する受注登録手段としての受注登録部１０２ａと、（２）前記商品の手配先を確定するための画面である商品手配確定画面において、前記商品の手配先の決定を担当する者である手配先決定担当者により指定された事業所識別データを含む前記受注データを取得する受注データ取得手段としての受注データ取得部１０２ｂと、（３）前記受注データ取得手段で取得した前記受注データが有する事業所識別データおよび商品識別データを有する手配レコードのうち前記在庫品区分として前記非保持在庫区分を有するレコードを、前記手配マスタから取得する手配レコード取得手段としての手配レコード取得部１０２ｃと、（４）前記手配レコード取得手段で取得した前記手配レコードが有する情報を、前記商品手配確定画面に表示する第一表示実行手段としての第一表示実行部１０２ｄと、（５）前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、前記仕入先区分である場合、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された商品識別データおよび仕入先識別データを含む商品手配明細データを生成する商品手配明細生成手段（前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、前記社内手配区分である場合、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された商品識別データおよび手配先倉庫識別データを含む商品手配明細データを生成する商品手配明細生成手段）としての商品手配明細生成部１０２ｅと、（６）前記商品手配明細生成手段で生成した前記商品手配明細データが有する商品識別データおよび仕入先識別データを、前記商品の発注を確定するための画面である発注確定画面に表示する第二表示実行手段としての第二表示実行部１０２ｆと、（７）前記第二表示実行手段が前記発注確定画面に表示した商品識別データおよび仕入先識別データであって前記商品の発注の確定を担当する者である発注確定担当者により確定または編集されたものを含む発注データを生成する発注生成手段としての発注生成部１０２ｇと、（８）前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、前記社内手配区分である場合、前記第一表示実行手段が前記商品手配確定画面に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された事業所識別データで特定される事業所の倉庫を識別するための事業所倉庫識別データ、商品識別データおよび手配先倉庫識別データを含む移動指示データを生成する移動指示生成手段としての移動指示生成部１０２ｈと、を備えている。

【0045】

受注登録部１０２ａは、前記受注入力画面（図４参照）において、前記受注担当者により指定された事業所および商品を含む受注データ（受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄ）を生成する。なお、受注登録部１０２ａは、前記受注入力画面において、前記受注担当者により指定された受注区分を更に含む前記受注データ（受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄ）を生成してもよい。

【0046】

受注データ取得部１０２ｂは、前記商品手配確定画面（図５参照）において前記手配先決定担当者により指定された事業所を含む前記受注データ（受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄ）を取得する。なお、受注データ取得部１０２ｂは、前記商品手配確定画面において前記手配先決定担当者により指定された事業所を含み、かつ、商品手配フラグ「手配する」と紐付く取引区分マスタ１０６ｂ中の受注区分「商品手配受注」を含む前記受注データ（受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄ）を取得してもよい。

【0047】

手配レコード取得部１０２ｃは、事業所と商品と在庫品区分（「在庫品」または「非在庫品」）と商品手配区分（「社内手配」または「仕入先」）と仕入先または手配先倉庫とを有する手配レコードを含む手配マスタ１０６ａを参照して、受注データ取得部１０２ｂで取得した前記受注データ（受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄ）が有する事業所および商品を有する手配レコードのうち前記在庫品区分として「非在庫品」を有するレコードを、手配マスタ１０６ａから取得する。

【0048】

第一表示実行部１０２ｄは、手配レコード取得部１０２ｃで取得した前記手配レコードが有する情報を、前記商品手配確定画面（図５参照）に表示する。

【0049】

以下、第一表示実行部１０２ｄが前記商品手配確定画面（図５参照）に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された前記商品手配区分が、「仕入先」と「社内手配」のどちらであるかによって処理が異なるため、項目を分けて、図１０のフローチャートに沿って説明する。

【0050】

（１）商品手配区分＝「仕入先」の場合
前記商品手配区分が、「仕入先」である場合（図１０のステップＳ３：仕入先）、以下のようにして、前記商品手配確定処理により（図１０のステップＳ４）、商品手配明細データ１０６ｅが生成され（図１０のステップＳ５）、前記発注確定処理により（図１０のステップＳ６）、発注データが生成される（図１０のステップＳ７）。制御部１０２における各部が行う具体的な処理は、以下のとおりである。

【0051】

まず、商品手配明細生成部１０２ｅは、第一表示実行部１０２ｄが前記商品手配確定画面（図５参照）に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された（すなわち商品手配確定処理がされた）商品および仕入先を含む商品手配明細データ１０６ｅを生成する。

【0052】

次に、第二表示実行部１０２ｆは、商品手配明細生成部１０２ｅで生成した商品手配明細データ１０６ｅが有する商品および仕入先を、前記発注確定画面（図６参照）に表示する。

【0053】

そして、発注生成部１０２ｇは、第二表示実行部１０２ｆが前記発注確定画面（図６参照）に表示した商品および仕入先であって前記発注確定担当者により確定または編集された（すなわち発注確定処理がされた）ものを含む発注データ（発注ヘッダデータ１０６ｆおよび発注明細データ１０６ｇ）を生成する。

【0054】

（２）商品手配区分＝「社内手配」の場合
前記商品手配区分が、「社内手配」である場合（図１０のステップＳ３：社内手配）、以下のようにして、前記商品手配確定処理により（図１０のステップＳ８）、商品手配明細データ１０６ｅおよび移動指示データが生成される（図１０のステップＳ９）。制御部１０２における各部が行う具体的な処理は、以下のとおりである。

【0055】

商品手配明細生成部１０２ｅは、第一表示実行部１０２ｄが前記商品手配確定画面（図５参照）に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された（すなわち商品手配確定処理がされた）商品および手配先倉庫を含む商品手配明細データ１０６ｅを生成する。

【0056】

また、移動指示生成部１０２ｈは、第一表示実行部１０２ｄが前記商品手配確定画面（図５参照）に表示した情報であって前記手配先決定担当者により確定または編集された（すなわち商品手配確定処理がされた）事業所の倉庫（＝入庫倉庫）、商品および手配先倉庫（＝出庫倉庫）を含む移動指示データ（移動指示ヘッダデータ１０６ｉおよび移動指示明細データ１０６ｊ）を生成する。

【0057】

［２．処理の概要］
本項目では、本実施形態に係る処理の概要を、図３を用いて説明する。

【0058】

まず、図３に示すように、前記受注入力画面（図４参照）から受注入力が行われる。受注入力は、受注区分を意識せずに登録することができるが、本発明の集中購買機能を使用する場合には、取引区分マスタ１０６ｂにおける商品手配フラグ「手配する」と紐付く受注区分「商品手配受注」を選択することとなる。受注入力により、図３に示すように、受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄが生成される。

【0059】

次に、図３に示すように、前記商品手配確定画面（図５参照）において前記商品手配確定処理が実行される。前記商品手配確定画面（図５参照）には、手配マスタ１０６ａにおける前記在庫品区分および前記商品手配区分等が表示される。これにより、購買部門等にて、前記商品手配確定画面（図５参照）において、商品の物流を発注、社内手配および倉出等のどれにするかをコントロールすることができる。前記商品手配確定処理により、図３に示すように、商品手配明細データ１０６ｅ等が生成される。

【0060】

最後に、図３に示すように、前記発注確定画面（図６参照）において前記発注確定処理が実行される。前記発注確定処理においては、前記商品手配確定処理にて登録されたデータに対して最終チェックが行われることにより、物流が最終確定する。前記発注確定処理により、図３に示すように、発注ヘッダデータ１０６ｆ、発注明細データ１０６ｇおよび商品手配紐付データ１０６ｈが生成されると共に、発注書が発行される。

【0061】

［３．処理の詳細］
本項目では、本実施形態に係る処理の詳細を説明する。なお、本項目における前提条件として、手配マスタ１０６ａは、図７に示す内容で設定されているものとする。

【0062】

まず、営業部門等において、受注担当者により、図４の受注入力画面から受注入力が行われる。図４に示すように、受注担当者は、商品の手配内容（倉出、受発注、直送および社内手配等）を意識せずに、事業所、受注区分、得意先ならびに商品情報（商品コード、数量、単価および金額）を入力するのみでよい。なお、図４の画面において太枠で囲んで示すように、本発明の集中購買機能を使用する場合には、受注区分として「商品手配受注」が選択される。

【0063】

図４に示すように受注入力が行われると、受注登録部１０２ａは、図７の受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄを生成する。なお、図７の受注明細データ１０６ｄにおいて、在庫品区分、商品手配区分、手配仕入先および手配先倉庫は、受注担当者により入力された情報ではなく、手配マスタ１０６ａから自動取得された情報である。例えば、図７の受注明細データ１０６ｄの番号２を付した明細における在庫品区分「１（非在庫品）」、商品手配区分「２（仕入先）」および手配仕入先「Ｓ００１（○○商事）」は、図７の手配マスタ１０６ａから、図４の受注入力画面において指定された事業所「東京本社」および商品コード「SHO000002」と紐付く情報として自動取得されたものである。

【0064】

続いて、購買部門等において、手配先決定担当者等により、図５の商品手配確定画面から事業所および手配日が指定される。

【0065】

図５に示すように指定が行われると、受注データ取得部１０２ｂは、指定された事業所「東京本社」を含む受注データとして、図７の受注ヘッダデータ１０６ｃおよび受注明細データ１０６ｄ（１～３の番号を付した受注明細すべて）を取得する。

【0066】

ここで、図７の手配マスタ１０６ａにおける設定値１～３の手配レコードはすべて、受注データ取得部１０２ｂで取得した受注ヘッダデータ１０６ｃが有する事業所コード「００１（東京本社）」を有するが、図７で１の番号を付した受注明細が有する商品コード「SHO000001」を有する手配レコードは設定値１の手配レコードであり、図７で２の番号を付した受注明細が有する商品コード「SHO000002」を有する手配レコードは設定値２の手配レコードであり、図７で３の番号を付した受注明細が有する商品コード「SHO000003」を有する手配レコードは設定値３の手配レコードである。

【0067】

つまり、簡単にいうと、設定値１の手配レコードは、商品コード「SHO000001」を有する１の番号を付した受注明細に対応し、手配内容「倉出」用の設定がされたレコードである。また、設定値２の手配レコードは商品コード「SHO000002」を有する２の番号を付した受注明細に対応し、手配内容「発注」用の設定がされたレコードである。そして、設定値３の手配レコードは商品コード「SHO000003」を有する３の番号を付した受注明細に対応し、手配内容「社内手配」用の設定がされたレコードである。以下、当該３つの受注明細について行われる処理について、図１０のフローチャートに沿って、項目立てて説明する。

【0068】

［３－１．倉出（商品コード「SHO000001」を有する受注明細）のパターン］
商品コード「SHO000001」を有する１の番号を付した受注明細に対応する設定値１の手配レコードの在庫品区分は、図７に示すように、「０（在庫品）」である（図１０のステップＳ１：在庫品）。この場合、設定値１の手配レコードは、手配レコード取得部１０２ｃの取得の対象とはならず、続く第一表示実行部１０２ｄによる商品手配確定画面での表示の対象ともならないため、設定値１の手配レコード中の商品コード「SHO000001」の商品は商品手配確定処理の対象外となる。商品手配確定処理の対象外となった設定値１の手配レコード中の商品コード「SHO000001」の商品は、商品棚から出荷される物流となり、出荷処理に回っていく（図１０のステップＳ２）。

【0069】

［３－２．発注（商品コード「SHO000002」を有する受注明細）のパターン］
商品コード「SHO000002」を有する２の番号を付した受注明細に対応する設定値２の手配レコードの在庫品区分は、図７に示すように、「１（非在庫品）」である（図１０のステップＳ１：非在庫品）。この場合、設定値２の手配レコードは、手配レコード取得部１０２ｃの取得の対象となり、図５に示すように、続く第一表示実行部１０２ｄによる商品手配確定画面での表示の対象となる。第一表示実行部１０２ｄは、設定値２の手配レコードが有する事業所「東京本社」、商品コード「SHO000002」、在庫品区分「非在庫品」、商品手配区分「２：仕入先」および手配先「Ｓ００１（○○商事）」を、図５の商品手配確定画面に表示する。

【0070】

図５の商品手配確定画面においては、商品手配区分を変更する（例えば、当初発注想定だったが、商品棚に在庫が確認できたため、倉出受注に変更する）ことが可能であるが、本例では、商品手配区分「２：仕入先」を変更せずに確定するものとする（図１０のステップＳ３：仕入先）。また、図５の商品手配確定画面においては、仕入先、仕入数および仕入単価も変更することが可能であるが、本例では、変更せずに確定するものとする。

【0071】

図５の商品手配確定画面に示す内容が確定されて商品手配確定処理が行われると（図１０のステップＳ４）、商品手配明細生成部１０２ｅは、受注番号「J0001」と、受注行番号「２」と、商品手配番号「SHT0001」と、第一表示実行部１０２ｄが図５の商品手配確定画面に表示した情報であって確定されたもの「商品コード『SHO000002』、在庫品区分『１（非在庫品）』、商品手配区分『２（仕入先）』および手配仕入先『Ｓ００１（○○商事）』」と、を含む図８の商品手配明細データ１０６ｅを生成する（図１０のステップＳ５）。

【0072】

続いて、第二表示実行部１０２ｆは、商品手配明細生成部１０２ｅで生成した図８の商品手配明細データ１０６ｅが有する情報「商品コード『SHO000002』、在庫品区分『１（非在庫品）』、商品手配区分『２（仕入先）』および手配仕入先『Ｓ００１（○○商事）』」を、図６の発注確定画面に表示する。

【0073】

図６の発注確定画面においては、仕入先、仕入数および仕入単価を変更することが可能であるが、本例では、変更せずに確定するものとする。

【0074】

図６の発注確定画面に示す内容が最終確認の上確定されて発注確定処理が行われると（図１０のステップＳ６）、発注生成部１０２ｇは、発注番号「H0001」と、発注行番号「１」と、事業所コード「００１（東京本社）」と、発注区分「倉入発注」と、第二表示実行部１０２ｆが図６の発注確定画面に表示した情報であって確定されたもの「仕入先『Ｓ００１（○○商事）』および商品コード『SHO000002』」と、を含む図８の発注ヘッダデータ１０６ｆおよび発注明細データ１０６ｇを生成する（図１０のステップＳ７）。

【0075】

発注確定処理終了後、図８の下部の商品手配明細データ１０６ｅに示すように、発注番号「H0001」と発注行番号「１」がデータ更新される。

【0076】

［３－３．社内手配（商品コード「SHO000003」を有する受注明細）のパターン］
商品コード「SHO000003」を有する３の番号を付した受注明細に対応する設定値３の手配レコードの在庫品区分は、図７に示すように、「１（非在庫品）」である（図１０のステップＳ１：非在庫品）。この場合、設定値３の手配レコードは、手配レコード取得部１０２ｃの取得の対象となり、図５に示すように、続く第一表示実行部１０２ｄによる商品手配確定画面での表示の対象となる。第一表示実行部１０２ｄは、設定値３の手配レコードが有する事業所「東京本社」、商品コード「SHO000003」、在庫品区分「非在庫品」、商品手配区分「１：社内手配」および手配先「Ｂ００１（自社物流センター）」を、図５の商品手配確定画面に表示する。

【0077】

図５の商品手配確定画面においては、商品手配区分を変更する（例えば、当初発注想定だったが、商品棚に在庫が確認できたため、倉出に変更する）ことが可能であるが、本例では、商品手配区分「１：社内手配」を変更せずに確定するものとする（図１０のステップＳ３：社内手配）。また、図５の商品手配確定画面においては、仕入先、仕入数および仕入単価も変更することが可能であるが、本例では、変更せずに確定するものとする。

【0078】

図５の商品手配確定画面に示す内容が確定されて商品手配確定処理が行われると（図１０のステップＳ８）、商品手配明細生成部１０２ｅは、受注番号「J0001」と、受注行番号「３」と、商品手配番号「SHT0001」と、第一表示実行部１０２ｄが図５の商品手配確定画面に表示した情報であって確定されたもの「商品コード『SHO000003』、在庫品区分『１（非在庫品）』、商品手配区分『１（社内手配）』および手配先倉庫『Ｂ００１（自社物流センター）』」と、を含む図９の商品手配明細データ１０６ｅを生成する（図１０のステップＳ９）。

【0079】

また、図５の商品手配確定画面に示す内容が確定されて商品手配確定処理が行われると（図１０のステップＳ８）、移動指示生成部１０２ｈは、移動指示番号「IS0001」と、移動指示行番号「１」と、事業所コード「００１（東京本社）」と、第一表示実行部１０２ｄが図５の商品手配確定画面に表示した情報であって確定されたもの「商品コード『SHO000003』、出庫倉庫『自社物流センター』および事業所『東京本社』の倉庫『東京本社倉庫』」と、を含む図９の移動指示ヘッダデータ１０６ｉおよび移動指示明細データ１０６ｊを生成する（図１０のステップＳ９）。

【0080】

なお、本項目［３－３］のように、図５の商品手配確定画面において商品手配区分「１：社内手配」で確定された場合は、社内手配となり仕入先への発注は行わないため、発注確定処理は実行されない。

【0081】

［４．本実施形態のまとめ］
このように、本実施形態に係る商品手配業務支援装置１００によれば、“受注商品がどのような物流で取引先へ納品されるか”を商品の手配先を確定するための画面に表示することにより、商品手配業務を支援できる。

【0082】

より具体的には、受注の観点から見た場合、本実施形態に係る商品手配業務支援装置１００によれば、［３．処理の詳細］の冒頭で説明したように、営業部門等における受注担当者は、商品の手配内容（倉出、受発注、直送および社内手配）を意識せずに、事業者コードや商品コード等の基本情報のみの受注伝票を、受注入力画面（図４参照）から登録すればよいため、受注担当者にとっての作業負荷が小さい。

【0083】

また、商品手配の観点から見た場合、本実施形態に係る商品手配業務支援装置１００によれば、［３－２］および［３－３］で説明したように、手配マスタ１０６ａを参照することで、前記登録された受注伝票中の受注商品の物流（社外から仕入れるのか社内手配するのか、社外から仕入れる場合の仕入先はどこか、社内手配する場合の出庫倉庫はどこか）を、商品手配確定画面（図５参照）に表示できるため、購買部門等における手配先決定担当者は、受注商品がどのような物流で取引先へ納品されるかを判断する必要がない。このため、手配先決定担当者にとっての作業負荷が小さい。

【0084】

そして、商品手配の最終決定の観点から見た場合、本実施形態に係る商品手配業務支援装置１００によれば、［３－２］および［３－３］で説明したように、前記手配先決定担当者は、商品手配確定画面（図５参照）に表示された受注商品の物流を見て、前記受注商品について、社外から仕入れるのか社内手配するのかを、コスト等を考慮して最終決定（コントロール）することができる。

【0085】

ここで、小売業界等においては、営業が手配内容（倉出、受発注、直送および社内手配等）を意識せずに受注伝票を起票する場合がある。また、発注を統括する部署（例えば、購買部）は、前記営業が起票した受注伝票を元に各商品の物流を判断して、発注（社外への発注）や社内手配のコントロールを行う必要がある。そして、前記発注に関しては、集中購買によるスケールメリットの実現を図る必要がある。

【0086】

しかしながら、従来の販売管理システムにおいては、受注入力時に手配内容を意識して入力しなければならなかった。また、従来の販売管理システムにおいては、営業所と商品の組合せによって、事前に物流を登録する機能が存在しなかったため、都度、営業や購買部が物流や手配内容を判断する必要があった。

【0087】

そこで、本実施形態においては、例えば、営業が受注登録時に手配内容を意識せずに受注伝票を起票できるようにし、かつ、前記起票された受注伝票を元に購買部門が発注（社外への発注）や社内手配をコントロールし、前記発注に関しては、集中購買を行うことにより、スケールメリットを出せる仕組みを構築した。より具体的には、事前に営業所と商品の組合せにごとに、各商品がどのような物流で取引先へ納品されるかをマスタメンテ（手配マスタ１０６ａ）に事前登録することにより、購買部がスケールメリットを生み出す補助をすると共に、購買部の作業負荷の軽減を図る機能を実装した。

【0088】

以上をまとめると、従来からの要求として、営業が手配内容を意識せずに受注伝票を起票できる仕組みと購買部門が発注をコントロールできる仕組みが必要であった。これに対して、本実施形態においては、例えば、全営業所の受注伝票に対して、発注や社内手配をコントロールできる仕組みを作成した。

【0089】

［５．他の実施形態］
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。

【0090】

例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。

【0091】

また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。

【0092】

また、商品手配業務支援装置１００に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。

【0093】

例えば、商品手配業務支援装置１００が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、ＣＰＵおよび当該ＣＰＵにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて商品手配業務支援装置１００に機械的に読み取られる。すなわち、ＲＯＭまたはＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの記憶部などには、ＯＳと協働してＣＰＵに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、ＲＡＭにロードされることによって実行され、ＣＰＵと協働して制御部を構成する。

【0094】

また、このコンピュータプログラムは、商品手配業務支援装置１００に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。

【0095】

また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリ、ＳＤ（Ｓｅｃｕｒｅ Ｄｉｇｉｔａｌ）カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（登録商標）（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＭＯ（Ｍａｇｎｅｔｏ－Ｏｐｔｉｃａｌ ｄｉｓｋ）、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）、および、Ｂｌｕ－ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。

【0096】

また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、ＯＳに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。

【0097】

記憶部に格納される各種のデータベース等は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。

【0098】

また、商品手配業務支援装置１００は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、商品手配業務支援装置１００は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア（プログラムまたはデータ等を含む）を実装することにより実現してもよい。

【0099】

更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。

【産業上の利用可能性】

【0100】

本発明は、例えば、小売業界等において有用である。

【符号の説明】

【0101】

１００ 商品手配業務支援装置
１０２ 制御部
１０２ａ 受注登録部
１０２ｂ 受注データ取得部
１０２ｃ 手配レコード取得部
１０２ｄ 第一表示実行部
１０２ｅ 商品手配明細生成部
１０２ｆ 第二表示実行部
１０２ｇ 発注生成部
１０２ｈ 移動指示生成部
１０４ 通信インターフェース部
１０６ 記憶部
１０６ａ 事業所商品手配マスタ
１０６ｂ 取引区分マスタ
１０６ｃ 受注ヘッダデータ
１０６ｄ 受注明細データ
１０６ｅ 商品手配明細データ
１０６ｆ 発注ヘッダデータ
１０６ｇ 発注明細データ
１０６ｈ 商品手配紐付データ
１０６ｉ 移動指示ヘッダデータ
１０６ｊ 移動指示明細データ
１０８ 入出力インターフェース部
１１２ 入力装置
１１４ 出力装置
２００ サーバ
３００ ネットワーク

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】