(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】半導体デバイス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20240711BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240711BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240711BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H10B12/00 671B
H01L21/88 B
H01L21/90 K
(21)【出願番号】P 2022563031
(86)(22)【出願日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 CN2021129356
(87)【国際公開番号】W WO2023019758
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】202110957060.2
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】522337543
【氏名又は名称】ベイジン スーパーストリング アカデミー オブ メモリー テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】BEIJING SUPERSTRING ACADEMY OF MEMORY TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】Room 501-12, 5F, Building 52, Jingyuan North Street, BDA, Daxing District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】邵 光速
(72)【発明者】
【氏名】肖 徳元
(72)【発明者】
【氏名】邱 雲松
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0061850(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0025300(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0153365(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0049085(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H01L 21/3205
H01L 21/768
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスの製造方法であって、前記半導体デバイスは基板を備え、前記半導体デバイスの製造方法は、
前記基板に、第1方向に沿って延在する複数の第1トレンチを形成することと、
前記第1トレンチが形成された前記基板に、第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することであって、前記第1方向は前記第2方向と直交し、前記第1トレンチの第1深度は前記第2トレンチの第2深度より大きいことと、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内に第1分離層を形成することであって、
前記第2方向の断面において、前記第1分離層と前記第1トレンチ両側の側壁との間にそれぞれ第1隙間が設けられており、前記第1隙間の深度は前記第1深度より小さいことと、
前記第1トレンチ両側の前記第1隙間の底部に第1導電材料の導電層を堆積して、互いに平行で前記第1方向に沿って延在する2つのビットラインを形成することと、
前記第1トレンチ及び第2トレンチ内の前記導電層に、前記第2方向に沿って延在するワードラインを形成することと、を含
み、
前記第1トレンチが形成された前記基板に、前記第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することは、
前記基板の表面を第1絶縁材料で被覆することによって第1絶縁層を形成することであって、前記第1絶縁層は前記第1トレンチの内壁を被覆することと、
前記第1トレンチに第2絶縁材料を充填して、第2絶縁層を形成することと、
前記基板に、前記第2方向に沿って延在する前記複数の第2トレンチを形成することと、を含み、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内に第1分離層を形成することは、
前記第2トレンチに前記第1絶縁材料を充填することと、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の、深度が第3深度より小さい位置を被覆している前記第1絶縁材料を同期的に除去して、前記第1隙間を形成することと、を含み、前記第3深度は、前記第1深度より小さい且つ前記第2深度より大きく、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の残りの前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、前記第1分離層を構成し、
前記第2トレンチに前記第1絶縁材料を充填した後、前記半導体デバイスの製造方法は、
前記第1絶縁材料を第4深度まで除去して、陥凹領域を形成することであって、前記第4深度は前記第2深度より小さいことと、
前記陥凹領域の側壁を前記第2絶縁材料で被覆することによって保護層を形成することと、を更に含み、前記第1絶縁材料を除去した後に形成される前記第1隙間は、前記基板の表面に垂直な方向において、前記保護層と前記残りの第1絶縁層との間に位置する、半導体デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の、深度が第3深度より小さい位置を被覆している前記第1絶縁材料を同期的に除去して、前記第1隙間を形成することは、
ウェットエッチングによって前記第1絶縁材料を除去して、前記第1隙間を形成することを含む、
請求項
1に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記第1絶縁材料は、窒化シリコン材料を含み、前記ウェットエッチングに使用されるエッチング溶液はリン酸溶液を含む、
請求項
2に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記基板の表面を第1絶縁材料で被覆することによって第1絶縁層を形成することは、
原子層堆積法により、前記基板の表面に前記第1絶縁材料を堆積して、前記第1絶縁層を形成することを含む、
請求項
1に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記第1トレンチに第2絶縁材料を充填して、第2絶縁層を形成した後、前記半導体デバイスの製造方法は、
前記第2絶縁層、及び前記基板の表面の第1絶縁層に対して平坦化処理を実行して、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの領域以外の基板の表面を露出させることを更に含む、
請求項
1に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記第1トレンチ両側の前記第1隙間の底部に第1導電材料の導電層を堆積して、互いに平行で前記第1方向に沿って延在する2つのビットラインを形成することは、
前記第1隙間に前記第1導電材料を充填することと、
前記第1隙間内の前記第1導電材料の一部を除去し、前記第1隙間の底部の前記第1導電材料を残留させることによって、前記ビットラインを形成することと、を含み、前記底部の第1導電材料は前記導電層を構成する、
請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記第1トレンチ及び第2トレンチ内の前記導電層に、前記第2方向に沿って延在するワードラインを形成することは、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の、前記導電層の上部の前記第1分離層を除去して、第3トレンチを形成することと、
前記第3トレンチの底部に第2分離層を形成することであって、前記第2分離層の底部は、前記第1トレンチ内の2つの前記ビットラインの間の残りの前記第1分離層と接続され、前記第2分離層の頂部は、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ以外の領域の基板の表面より低いことと、
前記第2分離層の上の前記第3トレンチに前記ワードラインを形成することと、を含む、
請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記第2分離層の上の前記第3トレンチに前記ワードラインを形成することは、
前記第2分離層の上の前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの側壁にゲート酸化層を形成することと、
隣接する前記ゲート酸化層の間に第2導電材料を充填して、ゲート導電層を形成することと、
前記第2方向に沿って、前記第2導電材料に第4トレンチを形成することであって、前記第4トレンチは、前記第1方向の断面で前記ゲート導電層を分離することと、
前記第4トレンチに第1絶縁材料を充填して、第3分離層を形成することであって、前記第3分離層の両側の前記第2導電材料によって接続される各ゲート導電層は、前記ワードラインを構成する、ことと、を含む
請求項
7に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項9】
半導体デバイスであって、
基板と、
前記基板上で第1方向に沿って延在する複数の第1トレンチ及び第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチであって、第1方向は前記第2方向と直交し、前記第1トレンチの第1深度は前記第2トレンチの第2深度より大きい、第1トレンチ及び第2トレンチと、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内に位置する第1分離層であって、第2方向の断面において、前記第1分離層と前記第1トレンチ両側の側壁との間にそれぞれ第1隙間が設けられ、前記第1隙間の深度は前記第1深度より小さい、第1分離層と、
前記第1トレンチ両側の前記第1隙間の底部に堆積された第1導電材料の導電層であって、前記導電層は、互いに平行で前記第1方向に沿って延在する2つのビットラインを構成する、導電層と、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の前記導電層に設けられた、第2方向に沿って延在するワードラインと、を備え
、
前記第1分離層は、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの底部に位置する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上の第2絶縁層と、を含み、前記第2絶縁層と、前記第1トレンチの両側の側壁との間に前記第1隙間が設けられている、半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1分離層と、前記第1隙間内の前記導電層は、第2分離層で被覆されており、
前記第2分離層には、前記第2方向に沿って延在するワードラインが設けられている、
請求項
9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記半導体デバイスは、更に、
前記第2分離層上に位置し且つ前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの側壁を被覆する、ゲート酸化層を備え、
前記ワードラインは、隣接する前記ゲート酸化層の間に位置するゲート導電層を含み、前記ゲート導電層は前記第2方向で接続され、
隣接する2つの前記ワードラインの間に第3分離層が設けられている、
請求項
10に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、2021年8月19日に中国特許局に提出された、出願番号が202110957060.2であり、発明の名称が「半導体デバイス及びその製造方法」である、中国特許出願に基づいて提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照によって本願に援用される。
【0002】
本発明の実施例は、半導体製造技術に関し、半導体デバイス及びその製造方法に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
チップ及びメモリの技術の発展に伴い、半導体製造工程における集積度に対する要求もますます高くなっている。半導体基板の利用率と集積度を向上させるために、垂直チャネル構造の半導体デバイスが徐々に適用されている。垂直チャネル構造のトランジスタチャネルは、基板の表面に対して垂直であるため、アレイ状に都合よく配置することができる。しかし、垂直チャネル構造の半導体デバイスの場合、配線レイアウトと工程過程を更に最適化し、改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを鑑みて、本発明の実施例は、先行技術に存在する少なくとも1つの問題を解決するための半導体デバイス及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本発明の実施例は、半導体デバイスの製造方法を提供し、前記半導体デバイスは基板を備え、前記方法は、
前記基板に、第1方向に沿って延在する複数の第1トレンチを形成することと、
前記第1トレンチが形成された前記基板に、第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することであって、前記第1方向は前記第2方向と直交し、前記第1トレンチの第1深度は前記第2トレンチの第2深度より大きいことと、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内に第1分離層を形成することであって、第2方向の断面において、前記第1分離層と前記第1トレンチ両側の側壁との間にそれぞれ第1隙間が設けられており、前記第1隙間の深度は前記第1深度より小さいことと、
前記第1トレンチ両側の前記第1隙間の底部に第1導電材料の導電層を堆積して、互いに平行で前記第1方向に沿って延在する2つのビットラインを形成することと、
前記第1トレンチ及び第2トレンチ内の前記導電層に、前記第2方向に沿って延在するワードラインを形成することと、を含む。
【0006】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチが形成された前記基板に、第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することは、
前記基板の表面を第1絶縁材料で被覆することによって第1絶縁層を形成することであって、ここで、前記第1絶縁層は前記第1トレンチの内壁を被覆することと、
前記第1トレンチに第2絶縁材料を充填して、第2絶縁層を形成することと、
前記基板に第2方向に沿って延在する前記複数の第2トレンチを形成することと、を含む。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内に第1分離層を形成することは、
前記第2トレンチに前記第1絶縁材料を充填することと、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の、深度が第3深度より小さい位置を被覆している前記第1絶縁材料を同期的に除去して、前記第1隙間を形成することと、を含み、ここで、前記第3深度は、前記第1深度より小さい且つ前記第2深度より大きく、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の残りの前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、前記第1分離層を構成する。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第2トレンチに前記第1絶縁材料を充填した後、前記半導体デバイスの製造方法は、
第4深度の前記第1絶縁材料を除去して、陥凹領域を形成することであって、前記第4深度は前記第2深度より小さいことと、
前記陥凹領域の側壁を前記第2絶縁材料で被覆することによって保護層を形成することと、を更に含み、ここで、前記第1絶縁材料を除去した後に形成される前記第1隙間は、基板の表面に垂直な方向において、前記保護層と前記残りの第1絶縁層との間に位置する。
【0009】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の、深度が第3深度より小さい位置を被覆している前記第1絶縁材料を同期的に除去して、前記第1隙間を形成することは、
ウェットエッチングによって前記第1絶縁材料を除去して、前記第1隙間を形成することを含む。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第1絶縁材料は、窒化シリコン材料を含み、前記ウェットエッチングに使用されるエッチング溶液はリン酸溶液を含む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記基板の表面を第1絶縁材料で被覆することによって第1絶縁層を形成することは、
原子層堆積法により、前記基板の表面に前記第1絶縁材料を堆積して、前記第1絶縁層を形成することを含む。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチに第2絶縁材料を充填して、第2絶縁層を形成した後、前記半導体デバイスの製造方法は、
前記第2絶縁層、及び前記基板の表面の第1絶縁層に対して平坦化処理を実行して、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの領域以外の基板の表面を露出させることを更に含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチ両側の前記第1隙間の底部に第1導電材料の導電層を堆積して、互いに平行で前記第1方向に沿って延在する2つのビットラインを形成することは、
前記第1隙間に前記第1導電材料を充填することと、
前記第1隙間内の前記第1導電材料の一部を除去し、前記第1隙間の底部の前記第1導電材料を残留させることによって、前記ビットラインを形成することと、を含み、ここで、前記底部の第1導電材料は前記導電層を構成する。
【0014】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチ及び第2トレンチ内の前記導電層に、前記第2方向に沿って延在するワードラインを形成することは、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の、前記導電層の上部の前記第1分離層を除去して、第3トレンチを形成することと、
前記第3トレンチの底部に第2分離層を形成することであって、ここで、前記第2分離層の底部は、前記第1トレンチ内の2つの前記ビットラインの間の残りの前記第1分離層と接続され、前記第2分離層の上部は、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ以外の領域の基板の表面より低いことと、
前記第2分離層の上の前記第3トレンチに前記ワードラインを形成することと、を含む。
【0015】
いくつかの実施例において、前記第2分離層の上の前記第3トレンチに前記ワードラインを形成することは、
前記第2分離層の上の前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの側壁にゲート酸化層を形成することと、
隣接する前記ゲート酸化層の間に第2導電材料を充填して、ゲート導電層を形成することと、
前記第2方向に沿って、前記第2導電材料に第4トレンチを形成することであって、ここで、前記第4トレンチは、前記第1方向の断面で前記ゲート導電層を分離することと、
前記第4トレンチに第1絶縁材料を充填して、第3分離層を形成することと、を含み、前記第3分離層の両側の前記第2導電材料によって接続される各ゲート導電層は、前記ワードラインを構成する。
【0016】
第2態様によれば、本発明の実施例は、半導体デバイスを提供し、前記半導体デバイスは、
基板と、
前記基板上で第1方向に沿って延在する複数の第1トレンチ及び第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチであって、ここで、第1方向は前記第2方向と直交し、前記第1トレンチの第1深度は前記第2トレンチの第2深度より大きい、第1トレンチ及び第2トレンチと、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチのそれぞれに位置する第1分離層であって、第2方向の断面において、前記第1分離層と前記第1トレンチ両側の側壁との間にそれぞれ第1隙間が設けられており、前記第1隙間の深度は前記第1深度より小さい、第1分離層と、
前記第1トレンチ両側の前記第1隙間の底部に堆積された第1導電材料の導電層であって、前記導電層は、互いに平行で前記第1方向に沿って延在する2つのビットラインを構成する、導電層と、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の前記導電層に設けられた、第2方向に沿って延在するワードラインと、を備える。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第1分離層は、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの底部に位置する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上の第2絶縁層と、を含み、前記第2絶縁層と、前記第1トレンチの両側の側壁との間に前記第1隙間が設けられている。
【0018】
いくつかの実施例において、前記第1分離層と、前記第1隙間内の前記導電層は、第2分離層で被覆されており、
前記第2分離層には、前記第2方向に沿って延在するワードラインが設けられている。
【0019】
いくつかの実施例において、前記半導体デバイスは、更に、
前記第2分離層上に位置し且つ前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの側壁を被覆する、ゲート酸化層を備え、
前記ワードラインは、隣接する前記ゲート酸化層の間に位置するゲート導電層を含み、前記ゲート導電層は前記第2方向で接続され、
隣接する2つの前記ワードラインの間に第3分離層が設けられている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施例による技術的解決策によれば、半導体デバイスの製造過程で、基板にトレンチを形成し、トレンチに、第1トレンチの両側の側壁のそれぞれと第1隙間がある第1分離層を形成し、その後、第1トレンチの両側の第1隙間に導電材料を堆積する方式により、基板に埋め込まれたビットライン構造を形成する。したがって、半導体基板をドーピングすることによって形成されたビットラインと比較すると、本発明の実施例による、堆積導電材料を堆積することによって形成されたビットラインは、より高い導電性能を有し、そのため、半導体デバイスの全体的な性能を向上させることができる。一方、第1トレンチの両側の側壁の第1隙間に形成された互いに平行な二重ビットライン構造により、半導体デバイスの集積度を向上させ、ビットライン間の寄生容量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例による半導体デバイスの製造方法のフローチャートである。
【
図2A】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを形成することを示す上面図及び断面図である。
【
図2B】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを形成することを示す上面図及び断面図である。
【
図2C】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを形成することを示す上面図及び断面図である。
【
図2D】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを形成することを示す上面図及び断面図である。
【
図2E】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを形成することを示す上面図及び断面図である。
【
図3A】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを第1絶縁層で被覆することを示す断面図である。
【
図3B】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを第1絶縁層で被覆することを示す断面図である。
【
図3C】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを第1絶縁層で被覆することを示す断面図である。
【
図4A】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを第2絶縁層で被覆することを示す断面図である。
【
図4B】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを第2絶縁層で被覆することを示す断面図である。
【
図4C】本発明の実施例による製造方法において、第1トレンチを第2絶縁層で被覆することを示す断面図である。
【
図5A】本発明の実施例による製造方法において、第2トレンチを形成することを示す断面図である。
【
図5B】本発明の実施例による製造方法において、第2トレンチを形成することを示す断面図である。
【
図5C】本発明の実施例による製造方法において、第2トレンチを形成することを示す断面図である。
【
図5D】本発明の実施例による製造方法において、第2トレンチを形成することを示す断面図である。
【
図6A】本発明の実施例による製造方法において、第2トレンチに第1絶縁層を充填することを示す断面図である。
【
図6B】本発明の実施例による製造方法において、第2トレンチに第1絶縁層を充填することを示す断面図である。
【
図6C】本発明の実施例による製造方法において、第2トレンチに第1絶縁層を充填することを示す断面図である。
【
図6D】本発明の実施例による製造方法において、第2トレンチに第1絶縁層を充填することを示す断面図である。
【
図7A】本発明の実施例による製造方法において、陥凹領域を形成することを示す断面図である。
【
図7B】本発明の実施例による製造方法において、陥凹領域を形成することを示す断面図である。
【
図7C】本発明の実施例による製造方法において、陥凹領域を形成することを示す断面図である。
【
図7D】本発明の実施例による製造方法において、陥凹領域を形成することを示す断面図である。
【
図8A】本発明の実施例による製造方法において、陥凹領域内に保護層を形成することを示す断面図である。
【
図8B】本発明の実施例による製造方法において、陥凹領域内に保護層を形成することを示す断面図である。
【
図8C】本発明の実施例による製造方法において、陥凹領域内に保護層を形成することを示す断面図である。
【
図9A】本発明の実施例による製造方法において、第1隙間を形成することを示す断面図である。
【
図9B】本発明の実施例による製造方法において、第1隙間を形成することを示す断面図である。
【
図9C】本発明の実施例による製造方法において、第1隙間を形成することを示す断面図である。
【
図9D】本発明の実施例による製造方法において、第1隙間を形成することを示す断面図である。
【
図10A】本発明の実施例による製造方法において、第1隙間にビットラインを形成した後の上面図及び断面図である。
【
図10B】本発明の実施例による製造方法において、第1隙間にビットラインを形成した後の上面図及び断面図である。
【
図10C】本発明の実施例による製造方法において、第1隙間にビットラインを形成した後の上面図及び断面図である。
【
図11A】本発明の実施例による製造方法において、第2分離層を形成することを示す断面図である。
【
図11B】本発明の実施例による製造方法において、第2分離層を形成することを示す断面図である。
【
図11C】本発明の実施例による製造方法において、第2分離層を形成することを示す断面図である。
【
図11D】本発明の実施例による製造方法において、第2分離層を形成することを示す断面図である。
【
図12A】本発明の実施例による製造方法において、ゲート導電層を形成することを示す断面図である。
【
図12B】本発明の実施例による製造方法において、ゲート導電層を形成することを示す断面図である。
【
図12C】本発明の実施例による製造方法において、ゲート導電層を形成することを示す断面図である。
【
図12D】本発明の実施例による製造方法において、ゲート導電層を形成することを示す断面図である。
【
図13A】本発明の実施例による製造方法において、ワードラインを形成することを示す断面図である。
【
図13B】本発明の実施例による製造方法において、ワードラインを形成することを示す断面図である。
【
図13C】本発明の実施例による製造方法において、ワードラインを形成することを示す断面図である。
【
図13D】本発明の実施例による製造方法において、ワードラインを形成することを示す断面図である。
【
図14】本発明の実施例による半導体デバイスの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の理解を容易にするために、以下では、関連する図面を参照して本発明をより全面的に説明する。図面には、本発明の好ましい実施例を示している。しかし、本発明は、本明細書で説明された実施例に限定されなく、様々な異なる形で実現できる。逆に、これらの実施例を提供する目的は、本発明で開示される内容をより完全かつ包括的にすることである。
【0023】
特に定義しない限り、本発明で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと意味を有する。本発明の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連付けられた項目の任意及びすべての組み合わせを含む。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施例は、半導体デバイスの製造方法を提供し、前記半導体デバイスは基板を備え、前記方法は、以下のステップを含む。
【0025】
ステップS101において、前記基板に、第1方向に沿って延在する複数の第1トレンチを形成する。
【0026】
ステップS102において、前記第1トレンチが形成された前記基板に、第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成し、前記第1方向は前記第2方向と直交し、前記第1トレンチの第1深度は前記第2トレンチの第2深度より大きい。
【0027】
ステップS103において、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内に第1分離層を形成し、第2方向の断面において、前記第1分離層と前記第1トレンチ両側の側壁との間にそれぞれ第1隙間が設けられており、前記第1隙間の深度は前記第1深度より小さい。
【0028】
ステップS104において、前記第1トレンチ両側の前記第1隙間の底部に第1導電材料の導電層を堆積して、互いに平行で前記第1方向に沿って延在する2つのビットラインを形成する。
【0029】
ステップS105において、前記第1トレンチ及び第2トレンチ内の前記導電層に、前記第2方向に沿って延在するワードラインを形成する。
【0030】
本発明の実施例において、エッチングする方法により、基板の表面に、パターンを有するトレンチを形成することができる。ここで、第1方向は、基板の表面に平行に延在する方向であり、この方向に沿って複数の第1トレンチを形成することができ、これらの第1トレンチは互いに平行である。例示的に、複数の第1トレンチは互いに平行であり、且つ、同じ間隔、深度及び幅を有することができる。したがって、これらの第1トレンチは、エッチングによって同期的に形成することができる。もちろん、上記のエッチングは、1回のエッチングであってもよいし、複数回のエッチングであってもよい。
【0031】
図2Aは、第1トレンチを形成した後の上面図であり、
図2B、
図2C、
図2D及び
図2Eは、それぞれ、
図2Aのaa’断面、bb’断面、cc’断面及びdd’断面の断面図であり、基板100には、平行に分布された複数の第1トレンチ110が形成される。
【0032】
第1トレンチを形成した後、エッチング方法を再利用して第1トレンチに垂直に分布される第2トレンチを形成することができる。第2トレンチの延在方向も、基板の表面に平行であるが、第1方向と直交する。このようにして、基板の表面に、網状の構造、即ち、互いに絡み合った複数の第1トレンチ及び第2トレンチを形成することができる。エッチングされていない領域には、基板の表面に垂直な半導体柱が形成され、これらの半導体柱は、トランジスタの垂直チャネルとして使用することができ、更にトランジスタアレイを形成することができる。
【0033】
本発明の実施例において、第1トレンチ及び第2トレンチ内に第1分離層を形成し、当該第1分離層は、酸化物、窒化物又は他の有機材料などの絶縁材料で構成されたものである。第2トレンチの第1深度が第2トレンチの第2深度より大きいため、第1トレンチ内の第1分離層の厚さも、第2トレンチ内の厚さとは異なる。
【0034】
第1トレンチ内の第1分離層と第1トレンチの両側の側壁との間にそれぞれ第1隙間があり、第2トレンチの第2深度が浅い場合、当該第1隙間は第2トレンチ内に延在しない。次に、第1隙間の底部に第1導電材料を堆積し、このようにして、第1導電材料によって形成された導電層は、第1トレンチ両側の側壁に沿って延在して、2つのビットラインを形成する。各第1トレンチの底部には、2つのビットラインが設けられ、これにより、半導体デバイスの二重ビットライン構造を形成する。第1導電材料は、金属材料であってもよいし、ドープされた半導体材料又は他の導電材料であってもよいことに留意されたい。例えば、第1導電材料は、銅、タングステンなどであってもよい。
【0035】
第1隙間が第2トレンチ内に延在してないため、上記の第1トレンチの導電層上、及び第2トレンチ内にワードラインを形成することができる。実際には、ワードラインは、第2トレンチに沿って延在し、即ち、第2方向に沿って延在する。しかし、ワードラインを構成する材料の一部が第1トレンチ内に位置する可能性があるため、第1トレンチ及び第2トレンチ内に形成する必要がある。もちろん、隣接する2つのワードラインは、絶縁材料によって分離することができる。
【0036】
このように、垂直チャネルの半導体デバイスに対して、本発明の実施例は、基板に埋め込みワードライン及びビットラインを形成する方式を提供し、各トランジスタのチャネルはすべて二重ビットライン構造を有し、即ち、チャネルの両側は、導電材料を堆積することによって形成された導電層を有する。このように、半導体基板をドーピングすることによって形成されたビットラインと比較して、本発明の実施例で採用される堆積導電材料を堆積することによって形成されたビットラインは、より高い導電性能を有し、したがって、半導体デバイスの全体的な性能を向上させることができる。一方、第1トレンチの両側の側壁の第1隙間に形成された互いに平行な二重ビットライン構造により、半導体デバイスの集積度を向上させ、ビットライン間の寄生容量を低減することができる。
【0037】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチが形成された前記基板に、第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することは、
前記基板の表面を第1絶縁材料で被覆することによって第1絶縁層を形成することであって、ここで、前記第1絶縁層は、前記第1トレンチの内壁を被覆することと、
前記第1トレンチに第2絶縁材料を充填して、第2絶縁層を形成することと、
前記基板に、第2方向に沿って延在する前記複数の第2トレンチを形成することと、を含む。
【0038】
本発明の実施例において、第1トレンチを形成した後、エピタキシャル成長又は堆積などの方式により、基板の表面を一層の第1絶縁材料で被覆することができ、例えば、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)、原子層堆積(ALD;Atomic Layer Deposition)又は物理気相堆積(PVD:Physical Vapor Deposition)などの方式を採用して、上記の第1絶縁層を形成する。ここで、第1絶縁材料は、酸化物、窒化物又は他の絶縁材料などであり得る。第1絶縁材料は、第1トレンチの底部及び側壁を含む第1トレンチの内壁全体を被覆することができる。更に、基板の表面の第1トレンチ以外の領域も、上記の第1絶縁材料で被覆する。
【0039】
図3Aないし
図3Cは、第1絶縁材料で被覆された後の、bb’断面、cc’断面及びdd’断面の対応する位置の断面図であり、
図3Aないし
図3Cに示すように、基板100の全表面、第1トレンチ110の内表面は、すべて第1絶縁材料で被覆されて、第1絶縁層111を形成する。
【0040】
その後、すべての第1トレンチが充填されるように、第1トレンチに第2絶縁材料を充填する。
図4Aないし
図4Cは、第2絶縁材料を充填した後の、bb’断面、cc’断面及びdd’断面の対応する位置の断面図であり、
図4Aないし
図4Cに示すように、第1トレンチ内の第1絶縁層111上にはすべて第2絶縁層112が充填される。第2絶縁材料は、第1絶縁材料とは異なる絶縁材料であり、例えば、第1絶縁材料が窒化シリコン(SiN)である場合、第2絶縁材料は酸化シリコン(SiO)であり得る。この場合、基板の表面と第2絶縁材料の表面とが平坦面を形成するように、研磨などの平坦化処理を実行することができる。この場合の平坦化処理により、基板の表面上の第1絶縁材料を除去してもよいし、第1絶縁材料の一部を残留させてもよい。
【0041】
この場合、上記の平面を更にエッチングして、第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することができる。エッチング過程は、基板のシリコン材料と、第1トレンチに充填された絶縁材料とに同期的に作用する必要があり、このようにして、完全な第2トレンチを形成することができ、第1トレンチの方向の断面から見ると、第1トレンチ内の第2絶縁材料上に複数の隣接する陥凹領域が形成されることに留意されたい。
【0042】
第2トレンチ120を形成した後、上記のaa’断面、bb’断面、cc’断面及びdd’断面の断面図は、
図5Aないし
図5Dに示す通りである。第2トレンチ120の深度が第1トレンチ110の深度より小さいため、第2トレンチに沿ったdd’断面からも、第1トレンチ110底部の形状及び第1絶縁層111、第2絶縁層112が見られることができる。
【0043】
もちろん、第1トレンチに充填された絶縁材料を除去すると、第1トレンチ及び第2トレンチは、互いに直交する2組の直線状のトレンチとなり、各第1トレンチと各第2トレンチ は、交差点で共通の領域を有する。全体として、第1トレンチ及び第2トレンチは、網状構造を構成し、エッチングされていない基板領域は、基板の表面の方向に垂直な半導体柱である。
【0044】
本発明の実施例において、第1トレンチの第1深度は第2トレンチの第2深度より大きいため、第2トレンチを形成した後、第1トレンチの底部には、依然として、第1方向に沿って延在する第1絶縁層及び第2絶縁層の一部が残っている。
【0045】
このように、第1絶縁層及び第2絶縁層の保護により、第1トレンチを形成した後に第2トレンチを形成することができ、これにより、第1トレンチ及び第2トレンチは異なる深度を有し、第2トレンチを形成する過程において、第1トレンチの内壁が損傷を受けないようにすることができる。
【0046】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内に第1分離層を形成することは、
前記第2トレンチに前記第1絶縁材料を充填することと、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の、深度が第3深度より小さい位置を被覆している前記第1絶縁材料を同期的に除去して、前記第1隙間を形成することと、を含み、ここで、前記第3深度は、前記第1深度より小さい且つ前記第2深度より大きく、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の残りの前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、前記第1分離層である。
【0047】
ここで、第1分離層は、第1絶縁材料の一部及び第2絶縁材料の一部からなる構造を含み、第1トレンチ底部の絶縁材料と、第2トレンチを形成するとき、第1トレンチにおいてエッチングによって除去されない絶縁材料とを含む。
【0048】
第1トレンチ内の第1絶縁材料と、第1トレンチ両側の側壁との間に第1隙間があり、当該第1隙間内の少なくとも一部は、導電材料によって堆積されて導電層を形成することができる。第1隙間は第1トレンチの側壁に沿って第1方向に延在するため、導電層は、第1トレンチ側壁の領域の少なくとも一部を被覆し、第1方向に沿って延在する導電線である。また、第1トレンチの両側に第1隙間が設けられているため、2つの導電線を形成することができる。したがって、半導体デバイス内のトランジスタアレイでは、各列のトランジスタはすべて2つのビットラインを有し、即ち、基板内に埋め込まれた二重ビットライン構造を有する。
【0049】
第1隙間に導電材料を堆積する方式によって形成された埋め込み二重ビットライン構造は、工程が単純であり、且つ、高集積度の半導体デバイスの設計に有利である。
【0050】
いくつかの実施例において、前記第2トレンチに前記第1絶縁材料を充填した後、前記半導体デバイスの製造方法は、
第4深度の前記第1絶縁材料を除去して、陥凹領域を形成することであって、前記第4深度は前記第2深度より小さいことと、
前記陥凹領域の側壁を前記第2絶縁材料で被覆することによって保護層を形成することと、を更に含み、ここで、前記第1絶縁材料を除去した後に形成される前記第1隙間は、基板の表面に垂直な方向において、前記保護層と前記残りの第1絶縁層との間に位置する。
【0051】
第2トレンチに第1絶縁材料を充填した後、第1トレンチ及び第2トレンチは、絶縁材料で充填されている。第1絶縁材料を充填した後のaa’断面、bb’断面、cc’断面及びdd’断面上の断面図は
図6Aないし
図6Dに示す通りである。
図6Cないし
図6Dに示すように、第1トレンチ110には、側壁を被覆した第1絶縁層111、及び第1トレンチに充填された第2絶縁層112が見られる。
図6A及び
図6Bの第2トレンチ120は、第1絶縁材料からなる絶縁層121で充填される。
【0052】
次に、
図7Aないし
図7Dに示すように、第1絶縁材料の一部をエッチバックすることによって、第1トレンチ110及び第2トレンチ120内に陥凹領域130を形成することができる。ここで、第1絶縁材料の除去は、第2絶縁材料に影響を及ぼさないため、第2絶縁材料は第1トレンチの頂部と面一のままであるが、第1トレンチの側壁上の第1絶縁材料は部分的に除去され、第4深度の陥凹領域を形成することに留意されたい。第2トレンチに充填されたのは第1絶縁材料であるため、第2トレンチ全体は、第4深度で陥凹する。
【0053】
その後、陥凹領域内を一層の第2絶縁材料で被覆することによって、第1トレンチ内の第2絶縁材料が第1トレンチの頂部を充填するようにする。
図8Aないし
図8Cは、aa’断面、bb’断面及びcc’断面の断面図であり、
図7Dと比較すると、dd’断面は変化しておらず、第2トレンチ120内の陥凹領域130の内壁に一層の第2絶縁材料が形成されている。このようにして、第1トレンチ110及び第2トレンチ120上部領域に一層の保護層140を形成することができる。ここで、
図8Bに示す断面において、保護層140は、元の第1トレンチ内の第2絶縁材料と一体化され、その結果、当該断面における陥凹領域130の幅が減少する。
図7Dと比較すると、dd’断面は変化していないため、
図7Dを参照することができる。
【0054】
例示的に、ALD法により、陥凹領域内に一層の酸化シリコンを成長させ、次に、バックエッチングを再度実行して、第2トレンチ内の陥凹領域の底部の酸化シリコンを除去することにより、第1絶縁材料(窒化シリコンなど)を露出させることができる。
【0055】
このようにして、第1トレンチの上部は第2絶縁材料によって封止され、第2トレンチ内に、第1絶縁材料の表面が露出して保護層を形成する。この場合、
図9Aないし
図9Dに示すように、第1絶縁材料をエッチングし、第2絶縁材料を残留させることができる。この場合、第1トレンチ110及び第2トレンチ120内の上部領域に上記の保護層140が残留され、底部は刳り貫かれており、したがって、第1トレンチ110の側壁を第1絶縁材料の一部で被覆することによって、上記の第1隙間150を形成することができる。
【0056】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の、深度が第3深度より小さい位置を被覆している前記第1絶縁材料を同期的に除去して、前記第1隙間を形成することは、
ウェットエッチングによって前記第1絶縁材料を除去して、前記第1隙間を形成することを含む。
【0057】
上記の第1隙間を形成する方法としては、ウェットエッチングを利用することができ、第1絶縁材料を洗浄し、エッチング深度は第3深度より小さい。このようにして、第2トレンチ内の第1絶縁材料が除去されと同時に、第1トレンチ内の上記の第1分離層の両側の第1絶縁材料の一部が除去され、第3深度より深い底部に位置する第1絶縁層のみが残留される。これによって、第1トレンチの側壁に第1隙間が形成される。
【0058】
いくつかの実施例において、前記第1絶縁材料は、窒化シリコン材料を含み、前記ウェットエッチングに使用されるエッチング溶液はリン酸溶液を含む。
【0059】
上記の第1絶縁材料が窒化シリコン材料である場合、リン酸溶液は、第1絶縁材料に腐食作用を引き起こし、それによって、第1絶縁材料を除去することができるが、リン酸溶液は酸化シリコンなどの酸化物に腐食作用を引き起こさない。したがって、第2絶縁材料は酸化物を採用することができる。
【0060】
いくつかの実施例において、前記基板の表面を第1絶縁材料で被覆することによって第1絶縁層を形成することは、
原子層堆積法により、前記基板の表面に前記第1絶縁材料を堆積して、前記第1絶縁層を形成することを含む。
【0061】
ALDによって形成された第1絶縁層の厚さは均一であるため、第1絶縁材料の一部を除去した後に形成される第1隙間も均一な幅を有する。
【0062】
このように、第1隙間に導電材料を堆積することによって、均一なビットラインを形成することができ、それによって、ビットラインの電気抵抗を低減し、導電性能を向上させることができる。
【0063】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチに第2絶縁材料を充填して、第2絶縁層を形成した後、前記半導体デバイスの製造方法は、
前記第2絶縁層、及び前記基板の表面の第1絶縁層に対して平坦化処理を実行して、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの領域以外の基板の表面を露出させることを更に含む。
【0064】
本発明の実施例において、第1トレンチに絶縁材料を充填して第2絶縁層を形成した後、余分な絶縁材料の一部が、半導体柱の頂部を被覆する可能性があり、それによって、半導体デバイスの性能に影響を及ぼす可能性がある。したがって、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)によって平坦化処理を実行することができる。
【0065】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチ両側の前記第1隙間の底部に第1導電材料の導電層を堆積して、互いに平行で前記第1方向に沿って延在する2つのビットラインを形成することは、
前記第1隙間に前記第1導電材料を充填することと、
前記第1隙間内の前記第1導電材料の一部を除去し、前記第1隙間の底部の前記第1導電材料を残留させることによって、前記ビットラインを形成することと、を含み、ここで、前記底部の第1導電材料は前記導電層を構成する。
【0066】
上記の実施例における方法により、第1分離層と第1トレンチ側壁との間に第1隙間を形成することができ、次に、堆積法により、銅やタングステンなどの金属材料、ドープされた半導体材料又は他の導電材料などの第1導電材料を第1隙間に充填することができる。
【0067】
図10Aは上面図であり、
図10B及び
図10Cは、ビットラインを形成した後のcc’断面及びdd’断面の断面図である。aa’断面、bb’断面から、導電材料で形成されたビットラインが見えないため、その図は変更されておらず、依然として、
図9A及び
図9Bを参照することができ、一方、
図10B及び
図10Cに示す第1トレンチの底部には、導電材料で形成されたビットライン160が見える。
【0068】
ビットラインは第1トレンチの方向に沿って延在し、第2トレンチ内の構造はビットラインの影響を受けない。したがって、ビットラインは、第2トレンチの深度より深い第1トレンチの部分にのみ形成されればよい。つまり、ビットラインを構成するために形成される導電層は、第1トレンチの底部付近の一部の領域を被覆し、即ち、細いラインを形成することができる。よって、第1隙間内の第1導電材料の一部を除去し、第1隙間の底部の第1導電材料のみを残留させることにより、ビットラインを形成することができる。
【0069】
いくつかの実施例において、前記第1トレンチ及び第2トレンチ内の前記導電層に、前記第2方向に沿って延在するワードラインを形成することは、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ内の、前記導電層の上部の前記第1分離層を除去して、第3トレンチを形成することと、
前記第3トレンチの底部に第2分離層を形成することであって、ここで、前記第2分離層の底部は、前記第1トレンチ内の2つの前記ビットラインの間の残りの前記第1分離層と接続され、前記第2分離層の上部は、前記第1トレンチ及び前記第2トレンチ以外の領域の基板の表面より低いことと、
前記第2分離層の上の前記第3トレンチに、前記ワードラインを形成することと、を含む。
【0070】
ビットラインを形成した後、第1トレンチには依然として、上記の第1分離層及び保護層が充填されており、第2トレンチの方向に沿ってワードラインを形成する必要がある。したがって、第1分離層及び保護層の一部を除去することにより、第1トレンチ及び第2トレンチ内に第3トレンチを形成する。例示的に、第3トレンチの底部に残留されている一部の第2絶縁材料を、第2分離層として使用することができる。
【0071】
1つの実施例において、
図11Aないし
図11Dに示すように、第1分離層の一部を除去する過程において、第1トレンチ内及び第2トレンチ内の両方の第2絶縁材料を除去し、次に、第1トレンチ110内及び第2トレンチ120内を一層の第1絶縁材料を再度被覆することによって、既に形成されたビットラインを被覆し、それにより、上記の第2分離層170を形成することができる。第2分離層170を形成するために、まず、第1絶縁材料をトレンチの頂部まで充填し、次に、層全体を特定の深度までエッチバックし、このとき、残った第1絶縁材料が上記の第2分離層となる。1つの実施例において、第1絶縁材料及び第2絶縁材料を含む、第1トレンチ及び第2トレンチ内のすべての絶縁材料を除去することができ、次に、第1絶縁材料又は第2絶縁材料のいずれかの絶縁材料を再充填することにより、上記の第2分離層を形成する。ここで、第1絶縁材料は、酸化シリコンであり得、第3トレンチの側壁も、一層の酸化シリコンで被覆することができ、この酸化シリコンはゲート酸化層として使用できる。
【0072】
このようにして、形成されたビットラインは、露出することなく基板と絶縁材料との間に埋め込まれる。この場合、第3トレンチ内にワードラインを更に形成することができる。
【0073】
いくつかの実施例において、前記第2分離層の上の前記第3トレンチに前記ワードラインを形成することは、
前記第2分離層の上の前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの側壁にゲート酸化層を形成することと、
隣接する前記ゲート酸化層の間に第2導電材料を充填して、ゲート導電層を形成することと、
前記第2方向に沿って、前記第2導電材料に第4トレンチを形成することであって、ここで、前記第4トレンチは、前記第1方向の断面で前記ゲート導電層を分離することと、
前記第4トレンチに第1絶縁材料を充填して、第3分離層を形成することと、を含み、前記第3分離層の両側の前記第2導電材料によって接続される各ゲート導電層は、前記ワードラインを構成する。
【0074】
ワードラインは、本質的には、各半導体柱によって構成された垂直チャネルによって取り囲まれたゲートを直線に接続することによって構成され、ゲートは、ゲート酸化層及びゲート導電層を含む。したがって、ゲート酸化層を形成する過程において、第1トレンチ及び第2トレンチ内の第2分離層の上の領域(即ち、第3トレンチ全体)の側壁にゲート酸化層を形成することによって、ゲート酸化層が、各半導体柱の側壁を取り囲んで被覆するようにすることができる。
【0075】
ゲート酸化層を形成する方法として、上記のALD法により一層の酸化シリコンを堆積してもよいし、半導体柱の側壁に対して酸化処理を実行することによって、半導体柱の側壁表面が酸化シリコンの均一な層に酸化されるようにしてもよい。
【0076】
次に、ゲート酸化層の間、即ち、側壁がゲート酸化層で被覆された後の上記の第3トレンチ内に第2導電材料を充填して、ゲート導電層を形成することができる。第2導電材料は、銅、タングステンなどの金属材料であってもよい。
図12Aないし
図12Dに示すように、金属材料からなるゲート導電層181は、ゲート酸化層182と上記の第2分離層170との間に位置する。ゲート導電層181の頂部を、一層の第2絶縁材料で更に被覆することによって、ゲート保護層183を形成することができる。このようにして、ゲート電極も基板内部に埋め込まれ、基板の表面に露出しない。
【0077】
更に、第3トレンチ内に堆積された導電材料がすべて接続されるため、第2方向に沿って延在するワードラインを形成するために、第2トレンチの所在位置の中間に第4トレンチを形成する必要がある。
図13Aないし
図13Dに示すように、第4トレンチ190は、導電材料を第2方向に沿って複数のワードライン180の構造に分離する。次に、第4トレンチ190に絶縁材料を充填することができ、例えば、CVD、ALD又はPVDなどの堆積方式によって、第3分離層191を形成することができる。
図13Dに示すdd’断面において、第3分離層191と第2分離層170が同じ材料である場合、それらは一体化されることが分かる。第3分離層は、第1絶縁材料であってもよいし、第2絶縁材料であってもよいことに留意されたい。第3分離層が第2絶縁材料である場合、第3分離層は、上記の第2分離層及び頂部のゲート保護層と一体化される。
【0078】
このようにして、隣接する2つの第3分離層の間のゲート導電層は、ワードラインを形成する。
【0079】
図14に示すように(
図14は、第1方向の断面及び第2方向の断面を含む)、本発明の実施例は、半導体デバイス200を提供し、前記半導体デバイス200は、
基板201と、
前記基板上で第1方向に沿って延在する複数の第1トレンチ210及び第2方向に沿って延在する複数の第2トレンチ220であって、ここで、第1方向は前記第2方向と直交し、前記第1トレンチ210の第1深度は前記第2トレンチ220の第2深度より大きい、第1トレンチ210及び第2トレンチ220と、
前記第1トレンチ210及び前記第2トレンチ220内に位置する第1分離層230であって、第2方向の断面において、前記第1分離層230と、前記第1トレンチ210両側の側壁との間にそれぞれ第1隙間240が設けられており、前記第1隙間240の深度は前記第1深度より小さい、第1分離層230と、
前記第1トレンチ両側の前記第1隙間240の底部に堆積された第1導電材料の導電層250であって、導電層250は、互いに平行で前記第1方向に沿って延在する2つのビットラインを構成する、導電層250と、
前記第1トレンチ210及び前記第2トレンチ220内の前記導電層250に設けられた、第2方向に沿って延在するワードライン260と、を備える。
【0080】
いくつかの実施例において、前記第1分離層は、
前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの底部に位置する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上の第2絶縁層と、を含み、前記第2絶縁層と、前記第1トレンチの両側の側壁との間に前記第1隙間が設けられている。
【0081】
いくつかの実施例において、前記第1分離層と、前記第1隙間内の前記導電層は、第2分離層で被覆されており、
前記第2分離層には、前記第2方向に沿って延在するワードラインが設けられている。
いくつかの実施例において、前記半導体デバイスは、更に、
前記第2分離層上に位置し且つ前記第1トレンチ及び前記第2トレンチの側壁を被覆する、ゲート酸化層を備え、
前記ワードラインは、隣接する前記ゲート酸化層の間に位置するゲート導電層を含み、前記ゲート導電層は前記第2方向で接続され、
隣接する2つの前記ワードラインの間に第3分離層が設けられている。
【0082】
上記の半導体デバイスの構造については、形成方法の実施例で詳細に説明及び例示されており、ここでは再び説明しない。
【0083】
本明細書の全篇に言及された「1つの実施例」又は「一実施例」は、実施例に関連する特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味することを理解されたい。したがって、本明細書における「1つの実施例において」又は「一実施例において」は、必ずしも同じ実施例を指しているとは限らない。更に、これらの特定の特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施例において任意の適切な方式で組み合わせることができる。本発明の各実施例において、上述の各プロセスの順番は、実行の前後順序を意味せず、各プロセスの実行順番は、その機能と固有の論理によって決定されるべきであり、本発明の実施例の実施プロセスに対するいかなる限定を構成してはならないことを理解されたい。上記の本発明の実施例の順番は、実施例の優劣を表すものではなく、説明の便宜を図るためのものである。
【0084】
本願実施例において、「備える」、「含む」又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を覆うことを意図し、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、アイテム又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含むか、又は、これらのプロセス、方法、アイテム又は装置の固有の要素も含むことに留意されたい。別段の限定がない限り、「…を含む」という語句によって限定される要素は、当該要素を含むプロセス、方法、アイテム又は装置に、別の同様の要素の存在を排除しない。
【0085】
本発明で提供するいくつかの実施例において、開示された装置及び方法は、他の方式で実現されてもよいことを理解されたい。上記で説明された装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、例えば、前記ユニットの分割は、論理機能の分割に過ぎず、実際の実現では、他の分割方法を採用することができ、例えば、複数のユニット又はコンポーネントを組み合わせるか又は別のシステムに統合してもよく、その一部の特徴を無視するか実行しなくてもよい。更に、表示又は議論された各構成要素の相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェースを使用して実現することができ、機器又はユニット間の間接結合又は通信接続は、電気的又は機械的な形であってもよく、他の形であってもよい。
【0086】
上記の別個の部品として説明されたユニットは、物理的に分離されいてもされなくてもよく、ユニットとして表示された部品は、物理的ユニットであってもなくてもよく、すなわち、1箇所に配置されてもよく、複数のネットワークユニットに分散されてもよく、実際の必要に応じてそのうちの一部又はすべてのユニットを選択して本実施例の技術案の目的を実現することができる。
【0087】
更に、本発明の各実施例における各機能ユニットは、すべて1つの処理ユニットに統合されてもよく、又は各ユニットは1つの独立したユニットとして使用されてもよく、2つ以上のユニットを1つのユニットに統合してもよく、上述の統合されたユニットは、ハードウェアの形で実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェア機能ユニットの形で実現されてもよい。
【0088】
以上は、本発明の実施形態に過ぎないが、本発明の保護範囲はこれに限定されず、本発明に開示された技術的範囲内で当業者が容易に想到し得る変更又は置換は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の保護範囲に従うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の実施例による技術的解決策によれば、半導体デバイスの製造過程において、基板にトレンチを形成し、トレンチに、第1トレンチの両側の側壁のそれぞれと第1隙間がある第1分離層を形成し、その後、第1トレンチの両側の第1隙間に導電材料を堆積する方式により、基板に埋め込まれたビットライン構造を形成する。したがって、半導体基板をドーピングすることによって形成されたビットラインと比較すると、本発明の実施例による、堆積導電材料を堆積することによって形成されたビットラインは、より高い導電性能を有し、そのため、半導体デバイスの全体的な性能を向上させることができる。一方、第1トレンチの両側の側壁の第1隙間に形成された互いに平行な二重ビットライン構造により、半導体デバイスの集積度を向上させ、ビットライン間の寄生容量を低減することができる。