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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の識別方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20240711BHJP
   G01R 31/3185 20060101ALI20240711BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20240711BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240711BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G01R31/28 X
G01R31/3185
G01R31/28 V
G01R31/26 G
H01L27/04 T
H01L27/04 E
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023009519
(22)【出願日】2023-01-25
(62)【分割の表示】P 2020506468の分割
【原出願日】2019-03-08
(65)【公開番号】P2023055784
(43)【公開日】2023-04-18
【審査請求日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2018044398
(32)【優先日】2018-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】松本 直樹
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-108786(JP,A)
【文献】特開2004-327602(JP,A)
【文献】特開2014-90357(JP,A)
【文献】特開2006-337204(JP,A)
【文献】特開2004-119774(JP,A)
【文献】特開2004-69544(JP,A)
【文献】特開平5-343622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28
G01R 31/26
H01L 21/822
H01L 27/04
H01L 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1外部端子と、
第2電圧が印加される第2外部端子と、
第1テスト信号が印加される第3外部端子と、
駆動電圧が供給される第4外部端子と、
記第1外部端子に接続されている第1配線と、
前記第2外部端子に接続されている第2配線と、
前記第1配線に接続された第1内部ブロック回路と、
前記第1配線と前記第2配線との間に直列に接続された第1抵抗及び第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子を制御するように接続された第1テスト回路と、
前記第1配線と前記第2配線との間に接続された第2抵抗と、
を有し、
前記第1外部端子は、前記第1内部ブロック回路を制御する制御信号が入力される入力端子であり、
前記第1テスト回路は、前記第4外部端子から前記駆動電圧供給されている場合に、前記第3外部端子からの前記第1テスト信号を反転して伝送することにより前記第1スイッチング素子をオンまたはオフする、
半導体装置。
【請求項2】
前記第2抵抗の抵抗値は、前記第1抵抗の抵抗値よりも大きい
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1外部端子と前記第1抵抗とを繋ぐ前記第1配線の長さは、前記第1外部端子と前記第2抵抗とを繋ぐ前記第1配線の長さよりも短い
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1抵抗と前記第1スイッチング素子とのノードに接続されたスイッチ部と、
前記スイッチ部に電気的に接続された第2内部ブロック回路と、
をさらに有する
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2内部ブロック回路は、温度測定回路を含む
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
第1テスト回路は、
前記第4外部端子から前記駆動電圧が供給されていない場合に、前記第1スイッチング素子および前記スイッチ部オフとなる第1テストモードと、
前記第4外部端子から前記駆動電圧が供給されている場合であって、前記第3外部端子に前記第1テスト信号が印加された場合に、前記第1スイッチング素子をオフし、前記スイッチ部をオンする第2テストモードと、
前記第4外部端子から前記駆動電圧が供給されている場合であって、前記第3外部端子に前記第1テスト信号が印加されない場合に、前記第1スイッチング素子をオンし、前記スイッチ部をオフする通常モードと、を有する
請求項4又は5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2抵抗と前記第2配線との間に接続された第2スイッチング素子を有する
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2スイッチング素子の制御端子は、前記第1テスト回路に電気的に接続された外部端子、前記第1外部端子、及び前記第2外部端子以外の外部端子に電気的に接続されている請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
第2テスト信号が印加される第5外部端子と、
前記第4外部端子から前記駆動電圧供給されている場合に、前記第5外部端子からの前記第2テスト信号を反転して伝送することにより前記第2スイッチング素子をオン又はオフする第2テスト回路と、
を有する
請求項7又は8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1抵抗と前記第1スイッチング素子とのノードに接続されたスイッチ部と、
前記スイッチ部に電気的に接続された第2内部ブロック回路と、
前記第1テスト回路および前記第2テスト回路と前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の間に電気的に接続されたスイッチ制御回路と、
をさらに有し
第1テスト回路、前記第2テスト回路および前記スイッチ制御回路は、前記第4外部端子から前記駆動電圧供給され且つ前記第3外部端子からの前記第1テスト信号および前記第5外部端子からの前記第2テスト信号がいずれも印加されていないモードである通常モードと、前記第3外部端子に印加される前記第1テスト信号及び前記第5外部端子に印加される前記第2テスト信号の状態に基づいて選択されるモードである第1テストモード、第2テストモード、及び第3テストモードとを有し、
前記通常モードは、前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオンし、前記スイッチ部をオフするモードであり、
前記第1テストモードは、前記第3外部端子に前記第1テスト信号が印加されておらず、前記第5外部端子に前記第2テスト信号が印加され、前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオンし、前記スイッチ部をオフするモードであり、
前記第2テストモードは、前記第3外部端子に前記第1テスト信号が印加され、前記第5外部端子に前記第2テスト信号が印加され、前記第1スイッチング素子前記第2スイッチング素子及び前記スイッチ部をそれぞれオフするモードであり、
前記第3テストモードは、前記第3外部端子に前記第1テスト信号が印加され、前記第5外部端子に前記第2テスト信号が印加されず、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子をそれぞれオフし、前記スイッチ部をオンするモードである請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1内部ブロック回路は、電力用トランジスタを有する
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1外部端子、前記第2外部端子、前記第1配線、前記第2配線、前記第1内部ブロック回路、前記第1抵抗、前記第2抵抗、及び前記第1スイッチング素子はそれぞれ、複数個設けられている
請求項1ないし11のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記複数の第1抵抗の一部の抵抗値は、残りの第1抵抗の抵抗値と異なり、
前記複数の第2抵抗の一部の抵抗値は、残りの第2抵抗の抵抗値と異なる
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の半導体装置の製品識別を行う識別方法であって、
前記第1スイッチング素子をオフする第1ステップと、
前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の前記第2抵抗の抵抗値を検出する第2ステップと、
を有する
半導体装置の識別方法。
【請求項15】
請求項4ないし6のいずれか一項に記載の半導体装置の製品識別を行う識別方法であって、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記スイッチ部をオンする第1ステップと、
前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の電圧に基づいて前記第2内部ブロック回路の電圧を検出する第2ステップと、
を有する
半導体装置の識別方法。
【請求項16】
請求項7ないし10のいずれか一項に記載の半導体装置の製品識別を行う識別方法であって、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオンする第1ステップと、
前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の前記第2抵抗の抵抗値を検出する第2ステップと、
を有する半導体装置の識別方法。
【請求項17】
請求項7ないし10のいずれか一項に記載の半導体装置の製品識別を行う識別方法であって、
前記第1抵抗と前記第1スイッチング素子とのノードに接続されたスイッチ部と、
前記スイッチ部に電気的に接続された第2内部ブロック回路と、
をさらに有し、
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子のそれぞれをオフし、前記スイッチ部をオンする第1ステップと、
前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の電圧に基づいて前記第2内部ブロック回路の電圧を検出する第2ステップと、
を有する
半導体装置の識別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置及び半導体装置の識別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、その樹脂表面に標印が設けられることによりその製品を識別できるようにしている。構成や電気的特性の異なる品種が同一のパッケージにて形成される半導体装置がある。そして、半導体装置が基板に実装された場合に標印が見えなくなり、半導体装置の製品識別が困難となる場合がある。このような場合の製品識別の方法として、例えば、製品の品種に応じて抵抗値が調整された抵抗素子を半導体装置内に設け、外部端子を通じてその抵抗素子の抵抗値を測定する方法がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-68810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体装置内に設けられた抵抗素子が、半導体装置の仕様(電気的特性)上、所定の抵抗値から変更できない場合、製品識別を行うように抵抗素子の抵抗値を設定することは困難である。
【0005】
本開示の目的は、所定の抵抗値から変更できない場合でも抵抗値による製品識別を行うことができる半導体装置及び半導体装置の識別方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によって提供される半導体装置は、第1電圧が印加される第1外部端子と、第2電圧が印加される第2外部端子と、第3外部端子と、前記第1外部端子に接続されている第1配線と、前記第2外部端子に接続されている第2配線と、前記第1配線に接続された第1内部ブロック回路と、前記第1配線と前記第2配線との間に直列に接続された第1抵抗及び第1スイッチング素子と、前記第1配線と前記第2配線との間に接続された第2抵抗と、を有し、前記第1スイッチング素子は、前記第3外部端子に印加されるテスト信号に基づいてオン又はオフする。
【0007】
本開示の第2の側面によって提供される半導体装置は、第1電圧が印加される第1外部端子と、第2電圧が印加される第2外部端子と、第3外部端子と、前記第1外部端子に接続されている第1配線と、前記第2外部端子に接続されている第2配線と、前記第1配線に接続された第1内部ブロック回路と、前記第1配線と前記第2配線との間に直列に接続された第1抵抗及び第1スイッチング素子と、前記第1配線と前記第2配線との間に接続された第2抵抗と、を有する。
【0008】
本開示の第3の側面によって提供される半導体装置の識別方法は、前記半導体装置の製品識別を行う識別方法であって、前記第1スイッチング素子をオフする第1ステップと、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の電圧に基づいて前記第2抵抗の抵抗値を検出する第2ステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の半導体装置の回路図。
図2図1の半導体装置の一部のレイアウトを示す図。
図3】第2実施形態の半導体装置の回路図。
図4】第3実施形態の半導体装置の回路図。
図5図4の第2内部ブロック回路の一例の回路図。
図6】第4実施形態の半導体装置の回路図。
図7】第5実施形態の半導体装置の回路図。
図8】半導体装置を有するパワーモジュールの平面図。
図9】半導体装置を有するパワーモジュールの要部平面図。
図10】半導体装置を有するパワーモジュールの底面図。
図11】半導体装置の上側スイッチ駆動部の平面図。
図12】半導体装置の下側スイッチ駆動部の平面図。
図13図8のパワーモジュールの模式回路図。
図14図8のパワーモジュールの回路構成の一部を示す回路図。
図15】第1テスト回路(テスト回路)の一例の回路図。
図16】第2テスト回路の一例の回路図。
図17】変形例のテスト回路の一例の回路図。
図18】変形例のテスト回路の一例の回路図。
図19】変形例の半導体装置の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、半導体装置の実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
【0011】
本明細書において、「部材Aが部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bとが物理的に直接的に接続される場合、並びに、部材A及び部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合を含む。
【0012】
同様に、「部材Cが部材Aと部材Bとの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cとが直接的に接続される場合、並びに、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cとが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合を含む。
【0013】
(第1実施形態)
図1及び図2を参照して、第1実施形態の半導体装置1aについて説明する。図1は、半導体装置1aの要部を示す回路図と、抵抗値測定器100の模式的な構成とを示している。抵抗値測定器100の一例は、ハンディテスターである。
【0014】
半導体装置1aは、トランジスタ、抵抗等の複数の電気素子を例えば樹脂封止することによりモジュールとして構成されている。一例では、図1に示すとおり、半導体装置1aは、第1内部ブロック回路の一例である内部ブロック回路11、第1抵抗12、第2抵抗13、第1スイッチング素子の一例であるトランジスタ14、第1ダイオード15、第2ダイオード16、第1配線17、第2配線18、第3配線19、及び第1テスト回路の一例であるテスト回路20を有する。
【0015】
また、半導体装置1aは、封止樹脂から突出する複数の端子として、第1外部端子31、第2外部端子32、外部検出端子の一例である第3外部端子33、及び第4外部端子34を有する。第1外部端子31は、半導体装置1aの内部ブロック回路11を制御する制御信号が入力される入力端子である。第2外部端子32は、GND端子である。第3外部端子33は、半導体装置1aの異常を検出した場合に外部に異常信号を出力する端子である。また本実施形態の第3外部端子33には、半導体装置1aの製品識別や電気的特性を検査する場合においてテスト信号が印加される。第4外部端子34は、電源電圧VCCが印加される端子である。第1外部端子31には第1配線17が接続され、第2外部端子32には第2配線18が接続され、第4外部端子34には第3配線19が接続されている。第1配線17には、制御信号が入力されるための第1電圧が第1外部端子31を介して印加される。第1電圧の一例は、制御電圧としての3.3V~5.0Vである。第2配線18には、接地電位である第2電圧が第2外部端子32を介して印加される。
【0016】
内部ブロック回路11は、例えば、電力用トランジスタ11Xと電力用トランジスタ11Xを駆動させるゲート駆動回路11Yと、シュミットトリガ11Zとを含む。ゲート駆動回路11Yは、電力用トランジスタ11Xとシュミットトリガ11Zとの間に設けられている。電力用トランジスタ11Xの一例は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。電力用トランジスタ11Xの制御端子であるゲート端子11gは、第1配線17に接続されている。なお、電力用トランジスタ11Xとしては、MOSFET等の他のトランジスタであってもよい。電力用トランジスタ11Xの制御端子には、2kHz以上の周波数のパルス信号であるゲート制御信号が第1外部端子31及びゲート駆動回路11Yを介して入力される。一例では、ゲート制御信号は、5kHz以上かつ20kHz以下の周波数であることが好ましい。
【0017】
第1抵抗12及びスイッチング素子としてのトランジスタ14は、第1配線17と第2配線18との間に直列に接続されている。トランジスタ14は、例えばNMOSFETである。トランジスタ14のソースは第2配線18に接続され、トランジスタ14の制御端子の一例であるゲートはテスト回路20を介して第3外部端子33に接続されている。
【0018】
第2抵抗13は、第1配線17と第2配線18との間に接続されている。トランジスタ14がオンすることにより、第1配線17と第2配線18との間には第1抵抗12と第2抵抗13とが接続される。つまり、第1抵抗12と第2抵抗13は互いに並列に接続される。この互いに並列に接続された第1抵抗12及び第2抵抗13による合成抵抗の抵抗値は、半導体装置1aの仕様で決められた規定値である。
この規定値の一例は、5kΩである。
【0019】
トランジスタ14がオフすることにより、第1配線17と第2配線18との間には第2抵抗13のみが接続される。この第2抵抗13の抵抗値は、半導体装置1aの製品識別に用いられるものであって、半導体装置1aの仕様(電気的特性)に応じて設定される。そして、第1抵抗12の抵抗値は、第1抵抗12及び第2抵抗13の合成抵抗の抵抗値が規定値となるように設定される。
【0020】
詳述すると、まず半導体装置1aの仕様に応じて第2抵抗13の抵抗値が設定される。そして第1抵抗12の抵抗値は、第2抵抗13の抵抗値との合成抵抗の抵抗値が規定値となるように設定される。例えば、第1抵抗12と第2抵抗13の抵抗値はそれぞれ5.03kΩ、800kΩである。また、別の例では、第1抵抗12と第2抵抗13の抵抗値はそれぞれ5.26kΩ、100kΩである。
【0021】
一例では、第1抵抗12及び第2抵抗13はそれぞれ、ポリシリコン抵抗が用いられる。第2抵抗13の抵抗値は、第1抵抗12の抵抗値よりも大きい。ポリシリコン抵抗の抵抗値は、イオンの注入量に応じて変化し、例えば、第2抵抗13のイオンの注入量が第1抵抗12のイオンの注入量よりも少ない。
【0022】
第1ダイオード15及び第2ダイオード16は、内部ブロック回路11の静電気保護のためのダイオードである。第1ダイオード15のカソードは第3配線19に接続され、第1ダイオード15のアノードは第1配線17に接続されている。第2ダイオード16のカソードは第1配線17に接続され、第2ダイオード16のアノードは第2配線18に接続されている。
【0023】
テスト回路20は、第3配線19、第3外部端子33、及びトランジスタ14の制御端子(ゲート)にそれぞれ接続されている。テスト回路20は、第3外部端子33の状態に応じてトランジスタ14のオンオフを制御する。例えば、電源電圧VCCが供給され、かつ第3外部端子33にテスト信号が印加されていない(オープン状態)のとき、テスト回路20はトランジスタ14をオンする。一方、電源電圧VCCが供給され、第3外部端子33に所定レベルのテスト信号が印加されるとき、テスト回路20はトランジスタ14のゲートにゲート信号電圧を供給し、トランジスタ14をオフする。
【0024】
次に、図1の回路をICとして構成した場合の、第1抵抗12、第2抵抗13、第1ダイオード15、第2ダイオード16、及び第1外部端子31のレイアウトについて説明する。図2は、第1抵抗12、第2抵抗13、第1ダイオード15、第2ダイオード16、及び第1外部端子31のレイアウトの一例を示している。
【0025】
第1外部端子31よりも半導体装置1aのモジュールの端部側には、第2配線18及び第3配線19が設けられている。第2配線18は、第3配線19よりも半導体装置1aのモジュールの内側に設けられている。第2配線18と第3配線19とは互いに平行に延びている。
【0026】
第1ダイオード15、第2ダイオード16、及び第1抵抗12は、第1外部端子31よりも半導体装置1aのモジュールの端部側に設けられている。第1ダイオード15、第2ダイオード16、及び第1抵抗12は、第1外部端子31に接続された第1配線17に接続されている。第1配線17において、第1外部端子31から近い側から第1ダイオード15、第2ダイオード16、及び第1抵抗12の順に接続されている。
【0027】
第2抵抗13は、図示しない第1配線17に接続されている。第2抵抗13は、第1配線17において第1抵抗12よりも第1外部端子31から離れた箇所で接続されている。図3から分かるとおり、第2抵抗13の面積は、第1抵抗12の面積よりも小さい。
【0028】
次に、図1を参照して、半導体装置1aの動作について説明する。半導体装置1aの動作としては、通常動作を行う通常モードと、抵抗値測定器100による半導体装置1aの製品識別を行うテストモードとを有する。
【0029】
通常モードの場合、第4外部端子34を介して第3配線19に電源電圧VCCが印加され、第1外部端子31に入力される論理に応じて、駆動電圧端子を介して電力用トランジスタ11Xをオン又はオフさせる駆動電圧が印加される。通常モードでは、第3外部端子33にテスト信号が印加されていないため、テスト回路20は、トランジスタ14をオンさせる。これにより、第1抵抗12は第2抵抗13に並列接続され、この並列接続された第1抵抗12及び第2抵抗13による合成抵抗が第1外部端子31を第2配線18のレベルにプルダウンする。この第1外部端子31をプルダウンする合成抵抗の抵抗値は、半導体装置1aの仕様の規定値である。
【0030】
テストモードの場合、第4外部端子34を介して第3配線19に電源電圧VCCが印加され、抵抗値測定器100の第1プローブ101が第1外部端子31に接続され、第2プローブ102が第2外部端子32に接続される。第3外部端子33からテスト信号を入力することにより、テスト回路20は、トランジスタ14をオフする。そして抵抗値測定器100は、第1外部端子31と第2外部端子32との間の第2抵抗13の抵抗値を測定する。この測定した第2抵抗13の抵抗値に基づいて、半導体装置1aの製品識別を行うことができる。詳述すると、例えば同一のパッケージ(モジュール)の半導体装置であって、電気素子の構成や電気特性値が異なる、所謂仕様が異なる半導体装置ごとに、異なる第2抵抗13の抵抗値が予め設定されている。このため、第2抵抗13の抵抗値を取得することにより、半導体装置1aの仕様を把握することができる。そこで、テストモードにおいて、テスト回路20によって第1抵抗12を無効化して第2抵抗13の抵抗値のみを測定可能な状態にして、抵抗値測定器100によって第2抵抗13の抵抗値を取得する。この第2抵抗13の抵抗値により、半導体装置1aの製品識別を行うことができる。このように、半導体装置1aの製品識別を行うテストモードでは、半導体装置1aの識別方法として、トランジスタ14をオフする第1ステップと、第1外部端子31と第2外部端子32との間の第2抵抗13の抵抗値を測定する第2ステップとを有する。
【0031】
第3配線19に電源電圧VCCが印加されない場合、テスト回路20は、動作しない。これにより、トランジスタ14のゲートにゲート信号電圧が印加されないため、トランジスタ14はオフ状態となる。このとき、上述したテストモードと同様に、第1外部端子31に第1プローブ101を接続し、第2外部端子32に第2プローブ102を接続することで、抵抗値測定器100により、第1外部端子31と第2外部端子32との間に接続される第2抵抗13のみの抵抗値を測定できる。この測定した第2抵抗13の抵抗値に基づいて、半導体装置1aの製品識別を行う。このように、電源電圧VCCが供給されなくても、抵抗値測定器100のみを使用して半導体装置1aの製品識別を行うことができる。
【0032】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0033】
(1-1)通常モードの場合にトランジスタ14をオンすることにより第1抵抗12が有効化されるため、第1抵抗12および第2抵抗13の合成抵抗の抵抗値が半導体装置1aの仕様(電気的特性)で決められる所定の抵抗値(5kΩ)となる。電源電圧VCCが印加されない場合、トランジスタ14がオフ状態であるため、第1配線17と第2配線18との間には、第1抵抗12及び第2抵抗13のうちの第2抵抗13のみが接続される。これにより、抵抗値測定器100によって第1外部端子31と第2外部端子32との電圧から第2抵抗13の抵抗値が測定可能となる。また、テストモードの場合、トランジスタ14をオフすることにより、抵抗値測定器100によって第1外部端子31と第2外部端子32との電圧から第2抵抗13の抵抗値が測定可能となる。したがって、第2抵抗13の抵抗値を半導体装置1aの仕様(電気的特性)ごとに変更することで、第2抵抗13の抵抗値から半導体装置1aを識別することができる。したがって、既定値にて第1外部端子31をプルダウンする抵抗を用いて、半導体装置1aの製品識別を行うことができる。このように、所定の抵抗値から変更できない場合でも抵抗値による半導体装置1aの製品識別を行うことができる。
【0034】
(1-2)第2抵抗13の抵抗値が第1抵抗12の抵抗値よりも小さい。このため、第2抵抗13の面積が第1抵抗12の面積よりも小さくなるため、半導体装置1aの大型化を抑制することができる。
【0035】
(1-3)第1外部端子31と第1抵抗12とを繋ぐ第1配線17の長さは、第1外部端子31と第2抵抗13とを繋ぐ第1配線17の長さよりも短い。この構成によれば、半導体装置1aの外部からのサージ電圧を抑制する効果のある第1抵抗12が第1外部端子31の近くに配置されるため、第1抵抗12と第1外部端子31とを繋ぐ第1配線17の抵抗やインダクタンスが第1抵抗12に影響を与えることを低減することができる。
【0036】
(第2実施形態)
図3を参照して、第2実施形態の半導体装置1bについて説明する。なお、本実施形態の説明において、前記第1実施形態と同様の部材について同じ符号を付してその説明の一部又は全てを省略することがある。
【0037】
本実施形態の半導体装置1bは、第1実施形態の半導体装置1aと比較して、第1外部端子31、第2外部端子32、内部ブロック回路11、第1抵抗12、第2抵抗13、第1配線17、及び第2配線18が複数個設けられた点が異なる。なお、図3では、説明の便宜上、第1ダイオード15及び第2ダイオード16を省略して示している。
【0038】
図3に示すように、半導体装置1bは、N個の内部ブロック回路11、第1抵抗12、第2抵抗13、及び第1配線17と、第1外部端子31とを有する。図3では、それぞれの部材について、共通の符号(例えば、内部ブロック回路では「11」)に、ハイフンと個別の符号(1~N)を付して各部材を識別可能としている。
【0039】
半導体装置1bは、共通の第2配線18、第2外部端子32、第3外部端子33、及び第4外部端子34と、共通のテスト回路20とを有する。テスト回路20は、トランジスタ14-1,…14-Nの制御端子のそれぞれに接続されている。テスト回路20は、トランジスタ14-1,…14-Nの制御端子のそれぞれに制御信号を出力する。第3外部端子33は、配線27Aを介してテスト回路20に接続されている。第4外部端子34は、第3配線19に接続されている。テスト回路20は、第3配線19に接続されている。
【0040】
半導体装置1bでは、N個の第2抵抗13-1,…13-Nの抵抗値のうちの少なくとも1つの抵抗値が製品の品種に応じて異なる。一方、第1抵抗12-1と第2抵抗13-1との合成抵抗の抵抗値、…第1抵抗12-Nと第2抵抗13-Nとの合成抵抗の抵抗値は、互いに等しく、第1実施形態と同様に半導体装置1bの仕様で決められる規定値である。一例では、前記合成抵抗の抵抗値は、5kΩである。第1抵抗12-1,…12-Nの抵抗値はそれぞれ、第2抵抗13-1,…13-Nの抵抗値と規定値とに応じて設定される。
【0041】
次に、半導体装置1bの動作について説明する。通常モードの場合、第4外部端子34を介して第3配線19に電源電圧VCCが印加され、第1外部端子31-1,…31-Nの各々に入力される論理に応じて、駆動電圧端子を介して電力用トランジスタ11X-1,…11X-Nをオン又はオフさせる駆動電圧が印加される。通常モードでは、第3外部端子33にテスト信号が印加されていないため、テスト回路20は、トランジスタ14-1,…14-Nのそれぞれをオンさせる。これにより、第1抵抗12-1,…12-Nは第2抵抗13-1,…13-Nがそれぞれに並列接続され、この並列接続された第1抵抗12-1,…12-N及び第2抵抗13-1,…13-Nによる合成抵抗が第1外部端子31-1,…31-Nのそれぞれを第2配線18のレベルにプルダウンする。この第1外部端子31-1,…31-Nをそれぞれプルダウンする合成抵抗の抵抗値は、半導体装置1aの仕様の規定値である。
【0042】
テストモードの場合又は第3配線19に電源電圧VCCが印加されない場合、トランジスタ14-1,…14-Nがそれぞれオフ状態となる。これにより、第1配線17と第2配線18との間には、第1抵抗12-1,…12-N及び第2抵抗13-1,…13-Nのうちの第2抵抗13-1,…13-Nのみが接続される。次に、抵抗値測定器100は、第1プローブ101を第1外部端子31-1に接続し、第2プローブ102を第2外部端子32に接続して、第2抵抗13-1の抵抗値を測定する。抵抗値測定器100は、第2プローブ102を第2外部端子32に接続した状態で、第1プローブ101を第1外部端子31-2…31-Nに順に接続して第2抵抗13-2,…第2抵抗13-Nも同様に順に測定する。
【0043】
半導体装置1bは、第2抵抗13-1,…13-Nの抵抗値の組み合わせによって、半導体装置1bの製品識別を行う。すなわち、抵抗値測定器100によって測定された第2抵抗13-1,…13-Nの抵抗値を取得し、予め設定された第2抵抗13-1,…13-Nの抵抗値の組み合わせと半導体装置1bの仕様との対応情報と照合することにより、半導体装置1bの製品識別を行うことができる。
【0044】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0045】
(2-1)複数の第2抵抗13の抵抗値の組合せに基づいて半導体装置1bの製品識別が可能となるため、半導体装置1bの製品識別のための複数の第2抵抗13の抵抗値の組合せの種類が多くなる。したがって、同一パッケージの半導体装置であって、より多種の仕様の半導体装置1bの製品識別を行うことができる。
【0046】
(第3実施形態)
図4及び図5を参照して、第3実施形態の半導体装置1cについて説明する。なお、本実施形態の説明において、前記第1実施形態と同様の部材について同じ符号を付してその説明の一部又は全てを省略することがある。
【0047】
本実施形態の半導体装置1cは、第1内部ブロック回路11A及び第2内部ブロック回路11Bを有する。第1内部ブロック回路11Aは、前記第1実施形態の内部ブロック回路11と同じ構成である。
【0048】
第2内部ブロック回路11Bは、第1内部ブロック回路11Aとは異なり、制御系の回路構成を有する。第2内部ブロック回路11Bは、例えば電源電圧VCCによって動作する。
【0049】
図4に示すように、半導体装置1cは、スイッチ部の一例であるアナログスイッチ41を有する。アナログスイッチ41の第1端子は第2内部ブロック回路11Bに接続され、アナログスイッチ41の第2端子は第1抵抗12とトランジスタ14のドレインとが接続されたノードN1に接続されている。アナログスイッチ41は、例えば互いに並列に接続されたPMOSFET及びNMOSFETを含み、トランジスタ14と相補的にオンオフするように構成されている。なお、アナログスイッチ41を、PMOSFETとNMOSFETのいずれか一方のみを含む構成としてもよい。
【0050】
第2内部ブロック回路11Bの一例は、図5に示すような温度測定回路40である。温度測定回路40は、例えば電力用トランジスタ11Xの駆動用ICの温度を測定する回路であり、アナログ温度センサ(以下、「温度センサ42」)、信号伝達回路43、及び定電流源44を有する。
【0051】
温度センサ42は、複数のダイオードが直列に接続された構成である。ダイオードのアノードは、定電流源44に接続され、ダイオードのカソードはグランドに接続されている。定電流源44は、第3配線19(図5参照)に接続されている。
【0052】
信号伝達回路43は、ボルテージフォロワ回路45及び反転増幅回路46を有する。ボルテージフォロワ回路45の第1入力端子は、定電流源44と温度センサ42とが接続されるノードN2に接続されている。ボルテージフォロワ回路45の第2入力端子は、ボルテージフォロワ回路45の出力端子と接続されている。
【0053】
反転増幅回路46は、抵抗47,48及びオペアンプ46aを含む。オペアンプ46aの反転入力端子は抵抗47を介してボルテージフォロワ回路45の出力端子に接続され、オペアンプ46aの反転入力端子と出力端子との間に抵抗48が接続されている。オペアンプ46aの非反転入力端子には、基準電圧が印加される。
【0054】
アナログスイッチ41の第1端子は、ボルテージフォロワ回路45と反転増幅回路46との間のノードN3に接続された検出端子49に接続されている。これにより、アナログスイッチ41には、温度センサ42の出力電圧が出力される。
【0055】
次に、半導体装置1cの動作について説明する。半導体装置1cの動作としては、通常動作を行う通常モードと、抵抗値測定器100による半導体装置1cの製品識別を行う第1テストモードと、電圧測定器(図示略)によって第2内部ブロック回路11Bの内部電圧を測定する第2テストモードとを有する。
【0056】
通常モードにおける半導体装置1cの動作は、第1実施形態の通常モードにおける半導体装置1aの動作と同様である。このとき、アナログスイッチ41はオフしている。また、第1テストモードにおける半導体装置1cの動作は、第1実施形態のテストモードにおける半導体装置1aの動作と同様である。つまり、第4外部端子34に電源電圧VCCを印加しない場合、テスト回路20及び第2内部ブロック回路11Bがそれぞれ動作せず、トランジスタ14がオフ状態となり、アナログスイッチ41もオンしない。このとき、第1実施形態のテストモードと同様に、第1外部端子31に第1プローブ101を接続し、第2外部端子32に第2プローブ102を接続することで、抵抗値測定器100により、第1外部端子31と第2外部端子32との間に接続される第2抵抗13のみの抵抗値を測定できる。この測定した第2抵抗13の抵抗値に基づいて、半導体装置1aの製品識別を行う。このように、電源電圧VCCが供給されなくても、抵抗値測定器100のみを使用して半導体装置1cの製品識別を行うことができる。
【0057】
なお、第4外部端子34に電源電圧VCCを印加する場合、テストモード入力信号が第3外部端子33から印加されるものしかないため、トランジスタ14もアナログスイッチ41もともにオフする状態とならないため、製品識別を行うことはできない。
【0058】
第2テストモードでは、第4外部端子34に電源電圧VCCを印加する。テスト回路20は、第3外部端子33からテストモード信号を入力することによって、トランジスタ14をオフし、アナログスイッチ41をオンするため、アナログスイッチ41を介して第1抵抗12とトランジスタ14との間のノードN1に第2内部ブロック回路11Bの内部電圧が印加される。この内部電圧は、第1外部端子31に現れる。したがって、電圧測定器は、第1外部端子31と第2外部端子32との間の電圧を測定することにより、第2内部ブロック回路11Bの内部電圧を測定することができる。このように、第2テストモードでは、半導体装置1cの試験方法として、トランジスタ14をオフし、アナログスイッチ41をオンする第1ステップと、第1外部端子31と第2外部端子32との間の電圧に基づいて第2内部ブロック回路11Bの電圧を検出する第2ステップとを有する。
【0059】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0060】
(3-1)第2テストモードによって第2内部ブロック回路11Bの内部電圧を測定することができるため、第1外部端子31及び第2外部端子32を用いて第2内部ブロック回路11Bの出荷検査を実施することができる。
【0061】
(第4実施形態)
図6を参照して、第4実施形態の半導体装置1dについて説明する。なお、本実施形態の説明において、前記第1実施形態と同様の部材について同じ符号を付してその説明の一部又は全てを省略することがある。
【0062】
本実施形態の半導体装置1dは、第1スイッチング素子の一例としての第1トランジスタ14A、第2スイッチング素子の一例としての第2トランジスタ14B、第1テスト回路20A、第2テスト回路20B、及び第5外部端子35を有する。第1トランジスタ14Aは、第1実施形態のトランジスタ14と同じ構成であり、第1テスト回路20Aは、第1実施形態のテスト回路20と同じ構成である。
【0063】
図6に示すように、第2トランジスタ14Bは、第2抵抗13と第2配線18との間に設けられる。第2トランジスタ14Bの一例は、NMOSFETである。第2抵抗13及び第2トランジスタ14Bは、第1配線17と第2配線18との間に直列に接続されている。
【0064】
第1テスト回路20Aは、第3配線19、第3外部端子33、及び第1トランジスタ14Aの制御端子(ゲート)にそれぞれ接続されている。第1テスト回路20Aは、第3外部端子33に入力されたテスト信号に基づいて第1トランジスタ14Aのオンオフを制御する。
【0065】
第2テスト回路20Bは、第3配線19、第5外部端子35、及び第2トランジスタ14Bの制御端子(ゲート)にそれぞれ接続されている。第2テスト回路20Bは、第5外部端子35に入力されたテスト信号に基づいて第2トランジスタ14Bのオンオフを制御する。第2テスト回路20Bの構成は、例えば第1テスト回路20Aの構成と同一である。
【0066】
次に、半導体装置1dの動作について説明する。半導体装置1dの動作としては、通常動作を行う通常モードと、抵抗値測定器100による半導体装置1dの製品識別を行う第1テストモードと、電流測定器(図示略)による第1内部ブロック回路11Aのシュミットトリガ11Zのゲート端子11gから第1配線17へのリーク電流を測定する第2テストモードと、抵抗値測定器100による第1抵抗12の抵抗値を測定する第3テストモードとを有する。
【0067】
通常モードの場合、第4外部端子34に電源電圧VCCを印加する。このとき、第3外部端子33及び第5外部端子35にはそれぞれテスト信号が印加されないことにより、第1トランジスタ14Aと第2トランジスタ14Bがともにオンする。これにより、第1抵抗12及び第2抵抗13が並列接続され、この並列接続された第1抵抗12及び第2抵抗13による合成抵抗が第1外部端子31を第2配線18のレベルにプルダウンする。この第1外部端子31をプルダウンする合成抵抗の抵抗値は、半導体装置1aの仕様の規定値である。
【0068】
第1テストモードの場合、抵抗値測定器100は、第1プローブ101が第1外部端子31に接続され、第2プローブ102が第2外部端子32に接続された状態にセットされる。また第3外部端子33と第5外部端子35との両方にテスト信号が印加される。第3外部端子33に印加されるテスト信号は、第1トランジスタ14Aをオフさせるための制御信号である。第5外部端子35に印加されるテスト信号は、第2トランジスタ14Bをオフさせるための制御信号である。また第4外部端子34に電源電圧VCCが印加される。
【0069】
第1テストモードの場合、第1テスト回路20Aは、第3外部端子33からのテスト信号に基づいて第1トランジスタ14Aをオフする。これにより、第1配線17と第2配線18との間には、第1抵抗12及び第2抵抗13のうちの第2抵抗13のみが接続される。そして抵抗値測定器100は、第1外部端子31と第2外部端子32との間の第2抵抗13の抵抗値を測定することができる。このように、第1テストモードでは、半導体装置1dの試験方法として、第1トランジスタ14Aをオフし、第2トランジスタ14Bをオンする第1ステップと、第1外部端子31と第2外部端子32との間の第2抵抗13の抵抗値を検出する第2ステップとを有する。
【0070】
ここで、半導体装置1dは、第1実施形態の半導体装置1aと同様に、半導体装置1dの仕様ごとに第2抵抗13の抵抗値が設定されているため、第2抵抗13の抵抗値を用いて、半導体装置1dの製品識別を行うことができる。
【0071】
第2テストモードの場合、電流測定器は、第1プローブ(図示略)が第1外部端子31に接続され、第2プローブ(図示略)が第2外部端子32に接続された状態にセットされる。また第3外部端子33と第5外部端子35との両方にテスト信号が印加される。また第4外部端子34に電源電圧VCCが印加される。
【0072】
第2テストモードの場合、第1テスト回路20Aは、第3外部端子33からのテスト信号に基づいて第1トランジスタ14Aをオフし、第2テスト回路20Bは、第5外部端子35からのテスト信号に基づいて第2トランジスタ14Bをオフする。これにより、第1配線17が第2配線18から切り離される。そして抵抗値測定器100は、第1配線17に流れる電流、例えば、第1内部ブロック回路11Aのリーク電流、すなわちシュミットトリガ11Zのゲート端子11gから第1配線17へのリーク電流を測定することができる。
【0073】
第3テストモードの場合、抵抗値測定器100は、第1プローブ101が第1外部端子31に接続され、第2プローブ102が第2外部端子32に接続された状態にセットされる。また第5外部端子35のみにテスト信号が印加される。また第4外部端子34に電源電圧VCCが印加される。
【0074】
第3テストモードの場合、第2テスト回路20Bは、第5外部端子35からのテスト信号に基づいて第2トランジスタ14Bをオフする。これにより、第1配線17と第2配線18との間には、第1抵抗12及び第2抵抗13のうちの第1抵抗12のみが接続される。そして抵抗値測定器100は、第1外部端子31と第2外部端子32との間の第1抵抗12の抵抗値を測定することができる。
【0075】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0076】
(4-1)第1配線17と第2配線18との間に電流経路(例えば抵抗)が存在する場合、第1配線17に流れる電流が第2配線18に流れるため、シュミットトリガ11Zのゲート端子11gから第1配線17へのリーク電流を測定することができない。そこで、本実施形態では、第2テストモードの場合に各トランジスタ14A,14Bをともにオフすることにより、第1配線17と第2配線18との間の電流経路をなくし、第1配線17の電流を測定することによって、シュミットトリガ11Zのリーク電流を精度よく測定することができる。
【0077】
(第5実施形態)
図7を参照して、第5実施形態の半導体装置1eについて説明する。なお、本実施形態の説明において、前記第4実施形態と同様の部材について同じ符号を付してその説明の一部又は全てを省略することがある。
【0078】
本実施形態の半導体装置1eは、第4実施形態の半導体装置1dをベースとして、第1内部ブロック回路11A、第2内部ブロック回路11B、及びアナログスイッチ41を有する。第1内部ブロック回路11Aは、第4実施形態の内部ブロック回路11と同じ構成である。第2内部ブロック回路11Bは、第3実施形態の第2内部ブロック回路11Bと同じ構成である。
【0079】
アナログスイッチ41の第1端子は、第2内部ブロック回路11Bに接続され、アナログスイッチ41の第2端子は、第1抵抗12と第1トランジスタ14Aとの間のノードN1に接続されている。アナログスイッチ41の反転制御端子は、第2トランジスタ14Bの制御端子(ゲート)に接続されている。
【0080】
また半導体装置1eは、第1トランジスタ14A、第2トランジスタ14B、及びアナログスイッチ41のオンオフを制御するスイッチ制御回路20Cをさらに有する。スイッチ制御回路20Cは、第1テスト回路20A及び第2テスト回路20Bに電気的に接続され、第3外部端子33と第5外部端子35のテスト信号の組合せに基づいて、例えば次の表1のように第1トランジスタ14A、第2トランジスタ14B、及びアナログスイッチ41のオンオフを制御する。
【0081】
【表1】
表1では、第3外部端子33と第5外部端子35のテスト信号はそれぞれ、テスト信号が印加されていない状態が「0」、テスト信号が印加された状態が「1」で示される。
【0082】
半導体装置1eの動作について説明する。半導体装置1eの動作としては、通常動作を行う通常モードと、抵抗値測定器100による半導体装置1eの製品識別を行う第1テストモードと、第1内部ブロック回路11Aのリーク電流を測定する第2テストモードと、第2内部ブロック回路11Bの内部電圧を測定する第3テストモードとを有する。また、第3外部端子33と第5外部端子35のテスト信号の組合せによって、通常モード、第1テストモード、第2テストモード、及び第3テストモードの4つのモードに設定される。
【0083】
半導体装置1eの通常モード、第1テストモード、及び第2テストモードは、第4実施形態の通常モード、第1テストモード、及び第2テストモードと概ね同様であるため、その説明を省略する。一方、アナログスイッチ41の動作が追加された点で異なる。通常モード及び第1テストモードのそれぞれにおいて第2トランジスタ14Bがオンされるため、通常モード、第1テストモード、及び第2テストモードのそれぞれにおいて、アナログスイッチ41はオフされる。第1テストモードにおいては、第5外部端子35のみにテスト信号が印加され、第2テストモードにおいては、第3外部端子33と第5外部端子35との両方にテスト信号が印加される。
【0084】
第3テストモードの場合、第4外部端子34に電源電圧VCCが印加される。第3テストモードにおいては第3外部端子33のみにテスト信号が印加される。これにより、第1配線17が第2配線18から切り離れる一方、第2内部ブロック回路11Bが動作状態であるため、アナログスイッチ41を介して第1抵抗12とトランジスタ14との間のノードN1に第2内部ブロック回路11Bの内部電圧が印加される。この内部電圧は、第1外部端子31に現れる。したがって、電圧測定器(図示略)は、第1外部端子31と第2外部端子32との間の電圧を測定することにより、第2内部ブロック回路11Bの内部電圧を測定することができる。このように、第3テストモードでは、半導体装置1eの試験方法として、第1トランジスタ14A及び第2トランジスタ14Bのそれぞれをオフし、アナログスイッチ41をオンする第1ステップと、第1外部端子31と第2外部端子32との間の電圧に基づいて第2内部ブロック回路11Bの電圧を検出する第2ステップとを有する。
【0085】
本実施形態によれば、第4実施形態の効果と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0086】
(5-1)第3テストモードの場合に第1トランジスタ14A及び第2トランジスタ14Bがともにオフ状態となる一方、ノードN1に第2内部ブロック回路11Bの内部電圧が印加される。したがって、第1抵抗12及び第2抵抗13の影響を受けないため、第2内部ブロック回路11Bの内部電圧を精度よく測定することができる。
【0087】
(第1~第5実施形態の半導体装置1a~1eの具体的な構成例)
図8図14を参照して、前記第1~第5実施形態の半導体装置1a~1eの具体的な構成の一例であるパワーモジュール50について説明する。パワーモジュール50は、例えば空気調和機の室外機の圧縮機を駆動するインバータ回路、冷蔵庫のコンプレッサを駆動するインバータ回路、ファンを駆動するインバータ回路等の駆動回路に用いることができる。駆動回路は、例えば3相交流モータを駆動する。
【0088】
図8は、パワーモジュール50の平面図である。図9は、パワーモジュール50の要部平面図であり、後述の封止樹脂53を想像線で示している。図10は、パワーモジュール50の底面図である。図11は、パワーモジュール50の上側スイッチ駆動部60Uの平面図である。図12は、パワーモジュール50の下側スイッチ駆動部60Lの平面図である。図8図10に示すように、パワーモジュール50は、複数のリードフレーム51、放熱板52、及び封止樹脂53を有する。封止樹脂53は、平面視において長方形に形成されている。一例では、封止樹脂53の長手方向の長さは38mmであり、封止樹脂53の長手方向と直交する方向(幅方向)の長さは24mmであり、封止樹脂53の厚さは3.5mmである。複数のリードフレーム51は、封止樹脂53の長手方向に沿う側面から突出している。各リードフレーム51は、長手方向と直交する方向から見て、略L字状に形成されている。放熱板52は、封止樹脂53の厚さ方向の一面から露出している。放熱板52の露出面は、平面視において封止樹脂53の長手方向が放熱板52の長手方向となる長方形である。
【0089】
複数のリードフレーム51は、封止樹脂53から突出した部分であって、図示しない回路基板にパワーモジュール50が実装されるときに回路基板に接続される端子を有する。一例では、複数のリードフレーム51の端子は、P端子、U端子、V端子、W端子、NU端子、NV端子、NW端子、VBU端子、VBV端子、VBW端子、HINU端子、HINV端子、HINW端子、HVCC端子、第1GND端子、LINU端子、LINV端子、LINW端子、LVCC端子、FO端子、CIN端子、第2GND端子、VOT端子、第1NC端子、及び第2NC端子を含む。
【0090】
図13に示すように、パワーモジュール50は、U相スイッチングアーム54U、V相スイッチングアーム54V、及びW相スイッチングアーム54Wと、これらスイッチングアーム54U,54V,54Wを制御する制御回路60とを備える。U相スイッチングアーム54U、V相スイッチングアーム54V、及びW相スイッチングアーム54Wは、互いに並列に接続されている。制御回路60は、上側スイッチ駆動部60U及び下側スイッチ駆動部60Lを有する。
【0091】
各スイッチングアーム54U,54V,54Wはそれぞれ、上側スイッチング素子55と下側スイッチング素子56とを含む。上側スイッチング素子55及び下側スイッチング素子56は直列に接続されている。上側スイッチング素子55は、電源電圧が供給される第1端子、下側スイッチング素子56に接続される第2端子、及び制御端子を有する。下側スイッチング素子56は、上側スイッチング素子55の第2端子に接続される第1端子、グランドに接続される第2端子、及び制御端子を有する。上側スイッチング素子55及び下側スイッチング素子56の一例は、IGBTである。上側スイッチング素子55及び下側スイッチング素子56のそれぞれには、ダイオード57が接続されている。ダイオード57の一例はファストリカバリダイオードである。
【0092】
各スイッチングアーム54U,54V,54Wの上側スイッチング素子55のコレクタは、互いに接続され、P端子に電気的に接続されている。P端子は、上側スイッチング素子55に駆動電圧VDDを供給する端子である。U相スイッチングアーム54Uの上側スイッチング素子55のエミッタ及び下側スイッチング素子56のコレクタはU端子に電気的に接続され、下側スイッチング素子56のエミッタはNU端子に電気的に接続されている。U端子は、U相スイッチングアーム54Uの出力端子である。V相スイッチングアーム54Vの上側スイッチング素子55のエミッタ及び下側スイッチング素子56のコレクタはV端子に電気的に接続され、下側スイッチング素子56のエミッタはNV端子に電気的に接続されている。V端子は、V相スイッチングアーム54Vの出力端子である。W相スイッチングアーム54Wの上側スイッチング素子55のエミッタ及び下側スイッチング素子56のコレクタはW端子に電気的に接続され、下側スイッチング素子56のエミッタはNW端子に電気的に接続されている。W端子は、W相スイッチングアーム54Wの出力端子である。各上側スイッチング素子55のゲートは、上側スイッチ駆動部60Uに接続され、各下側スイッチング素子56のゲートは、下側スイッチ駆動部60Lに接続されている。
【0093】
図9および図11に示すように、上側スイッチ駆動部60Uは、VBU端子、VBV端子、VBW端子、HINU端子、HINV端子、HINW端子、HVCC端子、及び第1GND端子と電気的に接続されている。HVCC端子は、上側スイッチ駆動部60Uに電源電圧VCCを供給する端子である。HINU端子、HINV端子、及びHINW端子には、外部のゲート駆動回路(図示略)からゲート信号電圧が印加される。上側スイッチ駆動部60Uは、これらゲート信号電圧を上側スイッチング素子55のゲートに印加するための回路である。
【0094】
図11に示すように、上側スイッチ駆動部60Uには、VBU端子、VBV端子、VBW端子、HINU端子、HINV端子、HINW端子、HVCC端子、及び第1GND端子と電気的に接続されるパッドが形成されている。これらのパッドは、たとえば上側スイッチ駆動部60Uの外端縁に沿って配列されたもの、あるいは上側スイッチ駆動部60Uの平面視における内部に位置するように配列されたもの、を含む。
【0095】
図示された上側スイッチ駆動部60Uは、図1および図2を参照して説明した第2抵抗13を複数個有している。これらの第2抵抗13は、図11に図示された例においては、HVCC端子と接続されるパッドが配列された方向に沿って配列されている。また、これらの第2抵抗13は、HINU端子、HINV端子およびHINW端子と接続されるパッドに対して図中上下方向に隣り合うように配置されている。
【0096】
下側スイッチ駆動部60Lは、LINU端子、LINV端子、LINW端子、LVCC端子、FO端子、CIN端子、第2GND端子、およびVOT端子と電気的に接続されている。LVCC端子は、下側スイッチ駆動部60Lに電源電圧VCCを供給する端子である。LINU端子、LINV端子、及びLINW端子には、外部のゲート駆動回路からゲート信号電圧が印加される。下側スイッチ駆動部60Lは、これらゲート信号電圧を下側スイッチング素子56のゲートに印加するための回路である。
【0097】
図12に示すように、下側スイッチ駆動部60Lには、LINU端子、LINV端子、LINW端子、LVCC端子、FO端子、CIN端子、第2GND端子、およびVOT端子と電気的に接続されるパッドが形成されている。これらのパッドは、たとえば下側スイッチ駆動部60Lの外端縁に沿って配列されたもの、を含む。
【0098】
図示された下側スイッチ駆動部60Lは、図1および図2を参照して説明した第2抵抗13を複数個有している。これらの第2抵抗13のうち2つの第2抵抗13は、図12に図示された例においては、LINU端子およびLINV端子と接続されるパッドの間に配置されている。また、1つの第2抵抗13は、LINW端子と接続されるパッドに対して図中右方に並んで配置されている。
【0099】
図14は、例えばU相スイッチングアーム54Uを駆動する上側スイッチ駆動部60U及び下側スイッチ駆動部60Lの構成の一例を示している。図14は、上側スイッチ駆動部60Uおよび下側スイッチ駆動部60LにおけるU相スイッチングアーム54Uを制御する回路(以下、「制御回路60X」)の構成の一例を示している。
【0100】
図14に示すように、制御回路60Xのうちの上側スイッチ駆動部60Uに対応する回路は、入力側(HINU端子側)から出力側(HOU端子側)に向けて順に、第1抵抗612抵抗、第2抵抗613、トランジスタ614、シュミットトリガ62、レベルシフタ63、コントローラ64、パルスジェネレータ65、レベルシフタ66、フィルタ回路67、RSフリップフロップ回路68、及びドライバ69を有する。
【0101】
第1抵抗612抵抗及び第2抵抗613は、HINU端子を接地端にプルダウンする。このため、HINU端子がオープン状態である場合には、ゲート駆動回路からHINU端子に入力されるゲート信号電圧としての上側入力信号HINUがローレベル(上側スイッチング素子55がオフするための論理レベル)となるので、上側スイッチング素子55が意図せずにオンされることがない。第1抵抗612抵抗及び第2抵抗613は、半導体装置1a~1eの第1抵抗12及び第2抵抗13に相当する。
【0102】
トランジスタ614は、半導体装置1a~1eのトランジスタ14に相当する。トランジスタ614は、第1抵抗612抵抗の接続をスイッチンする機能を果たす。トランジスタ614のゲート電極には、後述のテスト回路820が接続される。
【0103】
シュミットトリガ62は、HINU端子に入力される上側入力信号HINUをレベルシフタ63に伝達する。なお、シュミットトリガ62の閾値電圧には、所定のヒステリシスが与えられている。このような構成にすることにより、ノイズに対する耐性を高めることができる。
【0104】
レベルシフタ63は、シュミットトリガ62の出力信号をコントローラ64への入力に適した電圧レベル(VCC-GND)にレベルシフトして出力する。
【0105】
コントローラ64は、異常保護部80から入力される異常信号やFO端子から入力される外部異常信号に基づいて、レベルシフタ63の出力信号をパルスジェネレータ65に伝達するか否か(延いては上側スイッチング素子55の駆動可否)を制御する。図示された例においては、コントローラ64は、上側コントローラ64Hおよび下側コントローラ64Lを含む。上側コントローラ64Hは、レベルシフタ63が接続されており、上側スイッチング素子55を制御する。なお、上側コントローラ64Hは、図8図12に示されたパワーモジュール50において、上側スイッチ駆動部60Uとして組み込まれている。なお、本例においては、異常保護部80からコントローラ64に入力される異常信号は、下側コントローラ64Lに入力され、上側コントローラ64Hには、入力されない。しかし、本開示はこれに限定されず、異常保護部80から入力される異常信号が上側コントローラ64Hに入力される構成であってもよい。
【0106】
パルスジェネレータ65は、コントローラ64の出力信号に基づいて、オン信号SON及びオフ信号SOFFの各パルス信号を生成する。詳述すると、パルスジェネレータ65は、コントローラ64の出力信号の立上りエッジをトリガとして、オン信号SONを所定のオン期間TON1だけハイレベルとし、コントローラ64の出力信号の立下りエッジをトリガとして、オフ信号SOFFを所定のオン期間TON2だけハイレベルとする。なお、コントローラ64の出力信号(上側入力信号HINUに応じた信号)、オン期間TON1及びオン期間TON2は、オン信号SONとオフ信号SOFFの双方が同時にはハイレベルとはならないように設定されている。すなわちパワーモジュール50が正常に動作しているとき、少なくともオン信号SONとオフ信号SOFFの一方がハイレベルときは、他方はローレベルになる。
【0107】
レベルシフタ66は、フィルタ回路67、RSフリップフロップ回路68、及びドライバ69を含む高電位ブロックと、パルスジェネレータ65を含む低電位ブロックとの間において、低電位ブロックから高電位ブロックに、信号レベルをシフトして伝達する回路である。詳述すると、レベルシフタ66は、低電位ブロックに属するパルスジェネレータ65から、オン信号SONとオフ信号SOFFの各パルス信号が入力される。レベルシフタ66は、これらの信号をそれぞれレベルシフトさせ、第1シフト済み信号及び第2シフト済み信号としてフィルタ回路67に出力する。なお、高電位ブロックは、VBU端子に印加されるブースト電圧VBUと、U端子に印加されるスイッチ電圧VSとの間で動作する。
【0108】
フィルタ回路67は、レベルシフタ66から入力される第1シフト済み信号及び第2シフト済み信号に対してフィルタ処理を行い、RSフリップフロップ回路68に出力する回路である。
【0109】
RSフリップフロップ回路68は、フィルタ回路67によりフィルタ処理が行われた第1シフト済み信号がセット信号SSETとして入力されるセット端子(S端子)、フィルタ回路67によりフィルタ処理が行われた第2シフト済み信号がリセット信号SRESETとして入力されるリセット端子(R端子)、及び出力信号SQを出力する出力端子(Q端子)を有する。RSフリップフロップ回路68は、セット信号SSETの立下りエッジをトリガとして出力信号SQをハイレベルにセットし、リセット信号SRESETの立下りエッジをトリガとして出力信号SQをローレベルにセットする。なお、セット信号SSET及びリセット信号SRESETは、いずれもレベルシフタ66から入力されるようになっている。
【0110】
図14に示すように、ドライバ69は、RSフリップフロップ回路68の出力信号に応じた信号である上側出力信号HOUを生成して、上側スイッチング素子55のゲートに上側出力信号HOUを出力する。なお、上側出力信号HOUのハイレベルはブースト電圧VBUとなり、ローレベルはスイッチ電圧VSとなる。
【0111】
制御回路60Xのうちの下側スイッチ駆動部60Lに対応する回路は、入力側(LINU端子側)から出力側(LOU端子側)に向けて順に、第1抵抗712抵抗、第2抵抗713、トランジスタ714、シュミットトリガ72、レベルシフタ73、遅延回路74、及びドライバ75を有する。本実施形態では、上側スイッチ駆動部60Uのコントローラ64がレベルシフタ73と遅延回路74との間に設けられている。なお、下側スイッチ駆動部60Lのコントローラは、上側スイッチ駆動部60Uのコントローラ64とは別に設けられてもよい。この場合、下側スイッチ駆動部60Lのコントローラは、遅延回路74とドライバ75との間に設けられてもよく、遅延回路74を介さない分、異常が発生した場合に下側スイッチング素子56を速やかにオフすることができる。
【0112】
第1抵抗712抵抗及び第2抵抗713は、LINU端子を接地端にプルダウンする。このため、LINU端子がオープン状態である場合には、ゲート駆動回路からのゲート信号電圧としての下側入力信号LINUがローレベル(下側スイッチング素子56をオフするための論理レベル)となるので、下側スイッチング素子56が意図せずにオンされることはない。第1抵抗712抵抗及び第2抵抗713は、半導体装置1a~1eの第1抵抗12及び第2抵抗13に相当する。抵抗71の抵抗値は、第1抵抗12及び第2抵抗13の合成抵抗の抵抗値である。
【0113】
トランジスタ714は、半導体装置1a~1eのトランジスタ14に相当する。トランジスタ714は、第1抵抗712抵抗の接続をスイッチンする機能を果たす。トランジスタ714のゲート電極には、後述のテスト回路820が接続される。
【0114】
シュミットトリガ72は、LINU端子に入力される下側入力信号LINUをレベルシフタ73に伝達する。なお、シュミットトリガ72の閾値電圧には、所定のヒステリシスが与えられている。このような構成にすることにより、ノイズに対する耐性を高めることができる。
【0115】
レベルシフタ73は、シュミットトリガ72の出力信号をコントローラ64への入力に適した電圧レベル(VCC-GND)にレベルシフトして出力する。
【0116】
コントローラ64は、異常保護部80から入力される異常信号やFO端子から入力される外部異常信号に基づいて、遅延回路74の出力信号をドライバ75に伝達するか否か(延いては下側スイッチング素子56の駆動可否)を制御する。
【0117】
下側コントローラ64Lは、レベルシフタ73が接続されており、下側スイッチング素子56を制御する。なお、下側コントローラ64Lは、図8図12に示されたパワーモジュール50において、下側スイッチ駆動部60Lとして組み込まれている。
【0118】
遅延回路74は、コントローラ64の出力信号に所定の遅延(上側スイッチ駆動部60Uのパルスジェネレータ65、レベルシフタ66、及びRSフリップフロップ回路68で生じる回路遅延に相当)を与えてドライバ75に伝達する。
【0119】
ドライバ75は、遅延回路74により遅延されたコントローラ64の出力信号に基づいて、下側スイッチング素子56のゲートに下側出力信号LOUを出力する。なお、下側出力信号LOUのハイレベルは電源電圧VCCとなり、ローレベルは接地電圧VGNDとなる。
【0120】
異常保護部80は、温度保護回路(TSD[Thermal Shut Down]回路)81、低電圧誤動作防止回路(UVLO回路)82、ローパスフィルタ回路83、短絡保護回路84、異常信号生成回路86、トランジスタ87、シュミットトリガ88、及びレベルシフタ89を有する。
【0121】
温度保護回路81は、パワーモジュール50の下側スイッチ駆動ICのジャンクション温度が所定の閾値温度を上回ったときに、温度保護信号を正常時の論理レベル(例えばローレベル)から異常時の論理レベル(例えばハイレベル)に切り替える。
【0122】
低電圧誤動作防止回路82は、電源電圧VCCが所定の閾値電圧を下回ったときに、誤動作防止信号を正常時の論理レベル(例えばローレベル)から異常時の論理レベル(例えばハイレベル)に切り替える。
【0123】
ローパスフィルタ回路83は、パワーモジュール50の外部において検出端子CINに電気的に接続されている。ローパスフィルタ回路83は、検出電圧CINを出力する。その検出電圧CINは、CIN端子を介して短絡保護回路84に供給される。
【0124】
短絡保護回路84は、検出電圧CINが閾値を上回ったときに、短絡保護信号を正常時の論理レベル(例えばローレベル)から異常時の論理レベル(例えばハイレベル)に切り替える。
【0125】
異常信号生成回路86は、温度保護回路81から入力される温度保護信号、低電圧誤動作防止回路82から入力される誤動作防止信号、短絡保護回路84から入力される短絡保護信号、及びFO端子から入力される外部異常信号をそれぞれ監視している。異常信号生成回路86は、温度保護回路81、低電圧誤動作防止回路82、及び短絡保護回路84のいずれか一つでも異常が生じていた場合、又は外部異常信号が入力された場合、異常信号を正常時の論理レベル(例えばローレベル)から異常時の論理レベル(例えばハイレベル)に切り替える。異常信号生成回路86は、異常信号をコントローラ64の下側コントローラ64Lに出力する。
【0126】
そしてコントローラ64は、異常信号が入力されたとき、例えば上側スイッチング素子55及び下側スイッチング素子56の少なくとも一方に流れる電流を制限する。
【0127】
トランジスタ87は、FO端子から外部異常信号を出力するためのオープンドレイン出力段を形成する。トランジスタ87は、例えばNMOSFETである。パワーモジュール50に異常が生じていない場合には、トランジスタ87が異常信号生成回路86によってオフとされ、外部異常信号がハイレベルとされる。一方、パワーモジュール50に異常が生じている場合には、すなわち温度保護回路81、低電圧誤動作防止回路82、及び短絡保護回路84の少なくとも一つが異常を検出した場合には、トランジスタ87が異常信号生成回路86によってオンとされ、外部異常信号がローレベルとされる。
【0128】
シュミットトリガ88は、FO端子に入力される外部異常信号(例えば、他のパワーモジュール50のFO端子から出力された外部異常信号)をレベルシフタ89に伝達する。なお、シュミットトリガ88の閾値電圧には、所定のヒステリシスが与えられている。このような構成とすることにより、ノイズに対する耐性を高めることができる。
【0129】
レベルシフタ89は、シュミットトリガ88の出力信号をコントローラ64への入力に適した電圧レベル(VCC-GND)にレベルシフトして出力する。
【0130】
ブートストラップ回路58Uは、アノードが抵抗58Rを介して電源電圧VCCの印加端に接続されたブートダイオード58BUと、ブートダイオード58BUのカソードと上側スイッチング素子55のエミッタとの間に設けられたブートキャパシタ59BUとを有する。ブートキャパシタ59BUは、VBU端子とU端子とに電気的に接続されている。
【0131】
テスト回路820は、半導体装置1a~1eのテスト回路20に相当する。テスト回路20には、短絡保護回路84からの出力信号と、FO端子からの信号とが入力する。テスト回路820の出力信号は、トランジスタ614及びトランジスタ714のゲート電極に入力される。
【0132】
ブートストラップ回路58Uは、ブートダイオード58BUとブートキャパシタ59BUとの接続ノード(VB端子)にブースト電圧VB(ドライバ69などを含む高電位ブロックの駆動電圧)を生成する。抵抗58Rは、外部電源からHVCC端子を介してブートダイオード58BUに供給される電流を制限する。これにより、ブートキャパシタ59BUへの充電電流が制限される。
【0133】
上側スイッチング素子55がオフとされて下側スイッチング素子56がオンとされることにより、U端子に現れるスイッチ電圧VSがローレベル(GND)とされるときには、電源電圧VCCの印加端からブートダイオード58BU、ブートキャパシタ59BU、及び下側スイッチング素子56を介する経路で電流が流れる。このため、VBU端子とU端子との間に設けられるブートキャパシタ59BUが充電される。このとき、VBU端子に現れるブースト電圧VB(すなわち、ブートキャパシタ59BUの充電電圧)は、電源電圧VCCからブートダイオード58BUの順方向下降電圧Vfを差し引いた電圧値(VCC-Vf)となる。
【0134】
一方、ブートキャパシタ59BUが充電されている状態で上側スイッチング素子55がオンとされて下側スイッチング素子56がオフとされることにより、スイッチ電圧VSがローレベル(GND)からハイレベル(HV)に立上げられる。ブースト電圧VBは、スイッチ電圧VSのハイレベル(HV)よりもさらにブートキャパシタ59BUの充電電圧分(VCC-Vf)だけ高い電圧値(=HV+VCC-Vf)まで引き上げられる。したがって、このようなブースト電圧VBを高電位ブロック(RSフリップフロップ回路68及びドライバ69)やレベルシフタ66の駆動電圧とすることにより、上側スイッチング素子55のスイッチング動作であるオンオフ制御(特にオン制御)を行うことができる。
【0135】
(第1テスト回路(テスト回路)及び第2テスト回路の構成例)
次に、前記各実施形態の半導体装置1a~1eに適用される第1テスト回路(テスト回路)の構成の一例、及び第2テスト回路の構成の一例について、図15及び図16を用いて説明する。
【0136】
図15は、第1テスト回路20A(テスト回路20)の構成の一例を示している。テスト回路20は、第1分圧抵抗21A、第2分圧抵抗22A、バイポーラトランジスタ23Q、トランジスタ23M、抵抗24、NOT回路25、フィルタ回路26、及びラッチ回路28を有する。テスト回路20は、第3外部端子33に印加されたテスト信号のノイズを除去したうえで第1トランジスタ14A(トランジスタ14)のゲートに出力する。図15に示すように、第3外部端子33の一例は、半導体装置1a~1eの外部から外部異常信号が入力されるFO端子である。バイポーラトランジスタ23Qの一例は、NPN型トランジスタである。トランジスタ23Mの一例は、NMOSFETである。
【0137】
第1分圧抵抗21A及び第2分圧抵抗22Aはそれぞれ、第3外部端子33に接続された配線27Aと第2配線18との間にトランジスタ23Mと直列に接続されている。詳述すると、第1分圧抵抗21Aの第1端子は配線27Aに接続され、第1分圧抵抗21Aの第2端子はトランジスタ23Mのドレインに接続されている。第1分圧抵抗21Aの第1端子はトランジスタ23Mのソースに接続され、第2分圧抵抗22Aの第2端子は第2配線18に接続されている。トランジスタ23Mのゲートには、図14に示すトランジスタ87と同様に、異常信号生成回路86が接続されている。したがって、トランジスタ23Mは、異常信号生成回路86によってオンオフされる。このため、テストモードでは、CIN端子にテスト信号を印加することにより、トランジスタ23Mをオンできる。
【0138】
第1分圧抵抗21Aの第2端子と第2分圧抵抗22Aの第1端子とが接続されるノードN4には、バイポーラトランジスタ23Qのベースが接続されている。バイポーラトランジスタ23Q及び抵抗24は、第3配線19と第2配線18との間に直列に接続されている。詳述すると、抵抗24の第1端子は第3配線19に接続され、抵抗24の第2端子はバイポーラトランジスタ23Qのコレクタに接続されている。バイポーラトランジスタ23Qのエミッタは第2配線18に接続されている。
【0139】
抵抗24の第2端子とバイポーラトランジスタ23Qのコレクタとが接続されるノードN5には、NOT回路25の入力端子が接続されている。NOT回路25の出力端子はフィルタ回路26に接続されている。フィルタ回路26の一例は、ローパスフィルタである。
【0140】
フィルタ回路26の出力端子は、ラッチ回路28に接続されている。またラッチ回路28には、検出電圧CINが入力されるCIN端子が接続されている。ラッチ回路28の出力端子は、トランジスタ14のゲートに接続されている。
【0141】
図16は、第2テスト回路20Bの構成の一例を示している。第2テスト回路20Bは、第1分圧抵抗21B、第2分圧抵抗22B、フィルタ回路26、及び比較器29を有する。第2テスト回路20Bは、第5外部端子35に印加されたテスト信号のノイズを除去したうえで第2トランジスタ14Bのゲートに出力する。第5外部端子35の一例は、半導体装置1a~1eにおけるW相スイッチングアーム54Wの下側スイッチング素子56にゲート信号電圧を印加するLINW端子である。
【0142】
第1分圧抵抗21B及び第2分圧抵抗22Bは、第5外部端子35に接続された配線27Bと第2配線18との間に直列に接続されている。詳述すると、第1分圧抵抗21Bの第1端子は配線27Bに接続され、第1分圧抵抗21Bの第2端子は第2分圧抵抗22Bの第1端子に接続されている。第2分圧抵抗22Bの第2端子は第2配線18に接続されている。
【0143】
第1分圧抵抗21Bの第2端子と第2分圧抵抗22Bの第1端子とが接続されるノードN6には、比較器29の第1入力端子が接続されている。比較器29の第2入力端子には、基準電圧が印加される。比較器29の出力端子は、フィルタ回路26に接続されている。フィルタ回路26の出力端子は、第2トランジスタ14Bのゲートに接続されている。
【0144】
このように、第1テスト回路20A(テスト回路20)及び第2テスト回路20Bは、半導体装置1a~1eの既存の端子に接続されている。このため、製品識別のための抵抗素子を個別に設ける場合、製品識別のためだけに外部端子を設ける必要があり、製品の大型化を招くといった問題を解消できる。
【0145】
(変形例)
前記各実施形態に関する説明は、本開示の半導体装置及び半導体装置の識別方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示の半導体装置及び半導体装置の識別方法は、例えば以下に示される前記各実施形態の変形例、及び相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0146】
前記第2実施形態の半導体装置1bの構成を、前記第3実施形態、前記第4実施形態、及び前記第5実施形態のいずれかに適用することができる。
【0147】
前記第2実施形態において、半導体装置1bは、1つの第2外部端子32を有していたが、これに限られず、例えば半導体装置1bは、N個の第2外部端子32を有してもよい。
【0148】
前記第3実施形態において、トランジスタ14及びアナログスイッチ41をオンオフするテスト回路を、それぞれ独立に設けてもよい。これにより、トランジスタ14及びアナログスイッチ41のオンオフをそれぞれ制御することができる。
【0149】
前記第4及び第5実施形態において、通常モードの場合、第2トランジスタ14Bがオフするようなテスト信号を第5外部端子35に供給してもよい。この場合、第1抵抗12の抵抗値が通常モードにおける半導体装置1d,1eの規定値となる。
【0150】
前記各実施形態において、テスト回路20(第1テスト回路20A)はトランジスタ14(第1トランジスタ14A)をオンオフすることができる回路であればよく、図2のような回路構成に限定されない。また第2テスト回路20Bは第2トランジスタ14Bをオンオフすることができる回路であればよく、図2のような回路構成に限定されない。テスト回路20(第1テスト回路20A)及び第2テスト回路20Bはそれぞれ、例えば図17又は図18のように変更してもよい。
【0151】
図17に示すように、テスト回路20(第1テスト回路20A)及び第2テスト回路20Bは、シュミットトリガ90及びフィルタ回路91を有する。シュミットトリガ90は、第3外部端子33からのテスト信号をトランジスタ14の制御端子に伝達する。なお、シュミットトリガ90の閾値電圧には、所定のヒステリシスが与えられている。このような構成にすることにより、ノイズに対する耐性を高めることができる。シュミットトリガ90の出力端子は、フィルタ回路91に接続されている。フィルタ回路91の一例は、ローパスフィルタである。これにより、第3外部端子33に印加されたテスト信号は、ノイズが除去された状態でトランジスタ14の制御端子に伝達される。
【0152】
図18に示すように、テスト回路20(第1テスト回路20A)及び第2テスト回路20Bは、増幅回路92及びフィルタ回路93を有する。増幅回路92の第1入力端子は、第3外部端子33に接続されている。増幅回路92の第2入力端子は、基準電圧が印加される。増幅回路92の出力端子は、フィルタ回路93に接続されている。フィルタ回路93の一例は、ローパスフィルタである。これにより、第3外部端子33に印加されたテスト信号は、増幅回路92によって増幅され、フィルタ回路93によってノイズが除去された状態でトランジスタ14の制御端子に伝達される。
【0153】
前記各実施形態において、トランジスタ14(第1トランジスタ14A)及び第2トランジスタ14Bのオンオフを制御することができる回路が半導体装置1a~1eの内部に設けられていれば、テスト回路20(第1テスト回路20A)及び第2テスト回路20Bを省略してもよい。この場合、第3及び第5実施形態において、アナログスイッチ41のオンオフを制御するアナログスイッチ切替回路(図示略)がさらに設けられてもよい。
【0154】
前記第3及び第5実施形態において、第2内部ブロック回路11Bの複数の回路の内部電圧を個別に測定可能な構成としてもよい。この場合、複数の回路において測定する内部電圧に応じてアナログスイッチ41が設けられる。これらアナログスイッチ41を個別に制御することにより、複数の回路の内部電圧を個別に測定可能にする。図19は、前記第3実施形態の半導体装置1cの第2内部ブロック回路11Bの複数の回路の内部電圧を個別に測定可能な構成の一例である。第2内部ブロック回路11Bは、温度測定回路40、過電流保護回路94、過熱保護回路95、低電圧誤動作防止回路96、内部基準電圧生成回路97、及び論理回路98を有する。これら温度測定回路40、過電流保護回路94、過熱保護回路95、低電圧誤動作防止回路96、内部基準電圧生成回路97、及び論理回路98のそれぞれには、アナログスイッチ41が接続されている。これらアナログスイッチ41の第2端子のそれぞれは、第1抵抗12とトランジスタ14との間のノードN1に接続されている。またテスト回路20には、テスト回路20の内部電圧を測定するためにアナログスイッチ41が接続されている。このアナログスイッチ41の第2端子も前記ノードN1に接続されている。
【0155】
前記アナログスイッチ41は、アナログスイッチ切替回路99によってオンオフが制御される。アナログスイッチ切替回路99は、例えば半導体装置1cの内部に設けられている。アナログスイッチ切替回路99は、第6外部端子36に接続されている。アナログスイッチ切替回路99は、前記アナログスイッチ41の反転制御端子に制御信号を出力する。なお、アナログスイッチ切替回路99は、半導体装置1cの外部に設けられてもよい。
【0156】
このような半導体装置1cによれば、第3テストモードの場合、アナログスイッチ切替回路99によって測定する第2内部ブロック回路11Bの回路に対応するアナログスイッチ41をオンし、それ以外の回路に対応するアナログスイッチ41をオフする。これにより、第1外部端子31及び第2外部端子32の電圧の測定によって、測定したい回路の内部電圧を測定することができる。なお、半導体装置1eについても同様に変更することができる。
【0157】
〔付記1〕
第1電圧が印加される第1外部端子と、
第2電圧が印加される第2外部端子と、
第3外部端子と、
前記第1外部端子に接続されている第1配線と、
前記第2外部端子に接続されている第2配線と、
前記第1配線に接続された第1内部ブロック回路と、
前記第1配線と前記第2配線との間に直列に接続された第1抵抗及び第1スイッチング素子と、
前記第1配線と前記第2配線との間に接続された第2抵抗と、
を有し、
前記第1スイッチング素子は、前記第3外部端子に印加されるテスト信号に基づいてオン又はオフする
半導体装置。
〔付記2〕
前記第1外部端子は、前記第1内部ブロック回路を制御する制御信号が入力される入力端子である
付記1に記載の半導体装置。
〔付記3〕
前記第2抵抗の抵抗値は、前記第1抵抗の抵抗値よりも大きい
付記1又は2に記載の半導体装置。
〔付記4〕
前記第1スイッチング素子の制御端子は、前記半導体装置の異常を検出した場合に外部に出力する外部検出端子に電気的に接続されている
付記1ないし3のいずれか一項に記載の半導体装置。
〔付記5〕
前記第1外部端子と前記第1抵抗とを繋ぐ前記第1配線の長さは、前記第1外部端子と前記第2抵抗とを繋ぐ前記第1配線の長さよりも短い
付記1ないし4のいずれか一項に記載の半導体装置。
〔付記6〕
前記テスト信号に基づいて前記第1スイッチング素子をオンオフし、駆動電圧の供給に基づいて前記第1スイッチング素子をオンするテスト回路を有する
付記1ないし5のいずれか一項に記載の半導体装置。
〔付記7〕
前記第1抵抗と前記第1スイッチング素子とのノードに接続されたスイッチ部と、
前記スイッチ部に電気的に接続された第2内部ブロック回路と、
をさらに有する
付記1ないし6のいずれか一項に記載の半導体装置。
〔付記8〕
前記第2内部ブロック回路は、温度測定回路を含む
付記7に記載の半導体装置。
〔付記9〕
前記テスト信号に基づいて前記第1スイッチング素子及び前記スイッチ部をそれぞれオンオフするテスト回路を有し、
前記テスト回路は、
前記テスト信号に基づいて前記第1スイッチング素子をオンし、前記スイッチ部をオフする第1テストモードと、
前記テスト信号に基づいて前記第1スイッチング素子をオフし、前記スイッチ部をオンする第2テストモードと、
駆動電圧の供給に基づいて前記第1スイッチング素子をオンし、前記スイッチ部をオフする通常モードと、を有する
付記7又は8に記載の半導体装置。
〔付記10〕
前記第2抵抗と前記第2配線との間に接続された第2スイッチング素子を有する
付記1ないし8のいずれか一項に記載の半導体装置。
〔付記11〕
前記第2スイッチング素子の制御端子は、前記半導体装置の異常を検出した場合に外部に出力する外部検出端子、前記第1外部端子、及び前記第2外部端子以外の外部端子に電気的に接続されている
付記10に記載の半導体装置。
〔付記12〕
前記テスト信号に基づいて前記第1スイッチング素子をオンオフし、駆動電圧の供給に基づいて前記第1スイッチング素子をオンする第1テスト回路と、
前記テスト信号に基づいて前記第2スイッチング素子をオンオフし、駆動電圧の供給に基づいて前記第2スイッチング素子をオン又はオフする第2テスト回路と、
を有する
付記10又は11に記載の半導体装置。
〔付記13〕
前記第1抵抗と前記第1スイッチング素子とのノードに接続されたスイッチ部と、
前記スイッチ部に電気的に接続された第2内部ブロック回路と、
をさらに有し、
前記第1テスト回路又は前記第2テスト回路は、前記テスト信号に基づいて前記スイッチ部をオンオフし、
前記半導体装置は、駆動電圧の供給に基づいて選択されるモードである通常モードと、前記テスト信号に基づいて選択されるモードである第1テストモード、第2テストモード、及び第3テストモードとを有し、
前記通常モードは、前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオン又はオフし、前記スイッチ部をオフするモードであり、
前記第1テストモードは、前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオンし、前記スイッチ部をオフするモードであり、
前記第2テストモードは、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子をそれぞれオフし、前記スイッチ部をオンするモードであり、
前記第3テストモードは、前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、及び前記スイッチ部をそれぞれオフするモードである
付記12に記載の半導体装置。
〔付記14〕
前記第1内部ブロック回路は、電力用トランジスタを有する
付記1ないし13のいずれか一項に記載の半導体装置。
〔付記15〕
前記第1外部端子、前記第2外部端子、前記第1配線、前記第2配線、前記第1内部ブロック回路、前記第1抵抗、前記第2抵抗、及び前記第1スイッチング素子はそれぞれ、複数個設けられている
付記1ないし14のいずれか一項に記載の半導体装置。
〔付記16〕
前記複数の第1抵抗の一部の抵抗値は、残りの第1抵抗の抵抗値と異なり、
前記複数の第2抵抗の一部の抵抗値は、残りの第2抵抗の抵抗値と異なる
付記15に記載の半導体装置。
〔付記17〕
第1電圧が印加される第1外部端子と、
第2電圧が印加される第2外部端子と、第3外部端子と、
前記第1外部端子に接続されている第1配線と、
前記第2外部端子に接続されている第2配線と、
前記第1配線に接続された第1内部ブロック回路と、
前記第1配線と前記第2配線との間に直列に接続された第1抵抗及び第1スイッチング素子と、
前記第1配線と前記第2配線との間に接続された第2抵抗と、
を有する
半導体装置。
〔付記18〕
付記1ないし8、及び17のいずれか一項に記載の半導体装置の製品識別を行う識別方法であって、
前記第1スイッチング素子をオフする第1ステップと、
前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の前記第2抵抗の抵抗値を検出する第2ステップと、
を有する
半導体装置の識別方法。
〔付記19〕
付記7ないし9のいずれか一項に記載の半導体装置の製品識別を行う識別方法であって、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記スイッチ部をオンする第1ステップと、
前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の電圧に基づいて前記第2内部ブロック回路の電圧を検出する第2ステップと、
を有する
半導体装置の識別方法。
〔付記20〕
付記10ないし13のいずれか一項に記載の半導体装置の製品識別を行う識別方法であって、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオンする第1ステップと、
前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の前記第2抵抗の抵抗値を検出する第2ステップと、
を有する
半導体装置の識別方法。
〔付記21〕
付記10ないし13のいずれか一項に記載の半導体装置の製品識別を行う識別方法であって、
前記第1抵抗と前記第1スイッチング素子とのノードに接続されたスイッチ部と、
前記スイッチ部に電気的に接続された第2内部ブロック回路と、
をさらに有し、
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子のそれぞれをオフし、前記スイッチ部をオンする第1ステップと、
前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の電圧に基づいて前記第2内部ブロック回路の電圧を検出する第2ステップと、
を有する
半導体装置の識別方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19