IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カプコンの特許一覧 ▶ 株式会社知財図鑑の特許一覧

<>
  • 特許-育成システムおよびシステム 図1
  • 特許-育成システムおよびシステム 図2
  • 特許-育成システムおよびシステム 図3
  • 特許-育成システムおよびシステム 図4
  • 特許-育成システムおよびシステム 図5
  • 特許-育成システムおよびシステム 図6
  • 特許-育成システムおよびシステム 図7
  • 特許-育成システムおよびシステム 図8
  • 特許-育成システムおよびシステム 図9
  • 特許-育成システムおよびシステム 図10
  • 特許-育成システムおよびシステム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】育成システムおよびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240711BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20240711BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240711BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/825
A63F13/69
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023023239
(22)【出願日】2023-02-17
(65)【公開番号】P2023054841
(43)【公開日】2023-04-14
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(73)【特許権者】
【識別番号】521286422
【氏名又は名称】株式会社知財図鑑
(74)【代理人】
【識別番号】100124729
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 和紘
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】荒井 亮
(72)【発明者】
【氏名】永井 歩
(72)【発明者】
【氏名】福島 由香
(72)【発明者】
【氏名】羽田(日高) 裕紀子
(72)【発明者】
【氏名】能勢 武
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063884(JP,A)
【文献】特開2023-018859(JP,A)
【文献】特開2014-198185(JP,A)
【文献】特許第7125574(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 13/825
A63F 13/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンピュータを備える育成システムであって、
グループは、複数のアカウントを含み、
前記グループを含むDAO(Decentralized Autonomous Organization)が構築され、
前記育成システムは、育成対象設定手段と、ロール設定手段と、育成対象更新手段と、トークン関連付け手段と、を備えており、
前記育成対象設定手段は、育成対象に関する情報を前記グループに対して分散型台帳システムにより設定し、
前記ロール設定手段は、前記育成対象に対するロールを前記グループに含まれるアカウントに対して前記分散型台帳システムにより設定し、
前記育成対象更新手段は、前記ロールに基づくタスクを前記アカウントに対応するユーザが実行したことを示す情報を取得した場合、前記育成対象の情報を前記分散型台帳システムにより更新し、
前記トークン関連付け手段は、前記タスクを実行したユーザに対応する前記アカウントにトークンを前記分散型台帳システムにより関連付ける、
育成システム。
【請求項2】
前記育成対象は、仮想空間に表示される仮想オブジェクトであって、前記タスクが実行されると変化が生じる仮想オブジェクトである、
請求項1に記載の育成システム。
【請求項3】
前記DAOは、複数のグループを含んでおり、
前記育成対象設定手段は、前記複数のグループのそれぞれに前記仮想オブジェクトを前記分散型台帳システムにより設定し、
前記育成システムは、仮想オブジェクト制御手段をさらに備えており、
前記仮想オブジェクト制御手段は、前記複数のグループの前記仮想オブジェクトを同一仮想空間において制御する、
請求項2に記載の育成システム。
【請求項4】
前記トークンは、前記育成システムにおいて用いられる仮想媒体と交換できる暗号資産である、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の育成システム。
【請求項5】
前記仮想媒体は、前記仮想媒体が利用可能と登録されたショップにおいて消費可能な媒体である、
請求項4に記載の育成システム。
【請求項6】
前記仮想媒体は、前記アカウントに対応するユーザが前記複数のコンピュータを用いてコンテンツを利用できる権利と交換できる媒体である、
請求項4に記載の育成システム。
【請求項7】
前記グループに含まれる前記複数のアカウントのそれぞれには、ガバナンストークンが関連付けられており、
前記ガバナンストークンは、前記DAOにおける投票の投票権であり、
前記育成システムは、投票開催手段と、投票手段と、をさらに備えており、
前記投票開催手段は、前記グループに含まれるいずれかのアカウントに対応するユーザの操作に応じて、前記グループにおける前記育成対象に関する投票イベントを前記分散型台帳システムにより開催し、
前記投票手段は、前記グループに含まれる前記複数のアカウントに対応するユーザによる操作に応じて、前記投票権に基づく投票を行い、
前記育成対象更新手段は、前記投票手段による投票結果に基づいて、前記投票イベントが開催された前記グループの前記育成対象の情報を前記分散型台帳システムにより更新する、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の育成システム。
【請求項8】
前記育成システムは、完了通知手段をさらに備えており、
前記完了通知手段は、前記アカウントに対応するユーザによる操作に応じて、前記アカウントが前記タスクを完了したことを前記分散型台帳システムにより通知し、
前記育成対象更新手段は、前記アカウントが前記タスクを完了したことを前記完了通知手段が通知した場合、前記育成対象の情報を前記分散型台帳システムにより更新する、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の育成システム。
【請求項9】
前記育成システムは、用途設定手段をさらに備えており、
第1ロールは、前記アカウントに関連付けられている前記仮想媒体の用途を設定するためのロールであり、かつ、第1アカウントに対して設定されており、
前記用途設定手段は、前記第1ロールが設定された前記第1アカウントに対応するユーザの操作に応じて、前記グループに含まれる他のアカウントの前記仮想媒体の用途を前記分散型台帳システムにより設定する、
請求項4に記載の育成システム。
【請求項10】
前記育成システムは、用途設定手段をさらに備えており、
第1ロールは、前記アカウントに関連付けられている前記トークンの用途を設定するためのロールであり、かつ、第1アカウントに対して設定されており、
前記用途設定手段は、前記第1ロールが設定された前記第1アカウントに対応するユーザの操作に応じて、前記グループに含まれる他のアカウントの前記トークンの用途を前記分散型台帳システムにより設定する、
請求項4に記載の育成システム。
【請求項11】
マスタロールは、前記グループに含まれる前記アカウントにロールを設定するためのロールであり、かつ、第1アカウントに対して設定されており、
前記ロール設定手段は、前記マスタロールが設定された第1アカウントに対応するユーザによる操作に応じて、前記育成対象に対する前記ロールを前記グループに含まれる前記アカウントに対して前記分散型台帳システムにより設定する、
請求項1に記載の育成システム。
【請求項12】
前記育成システムは、タスク設定手段をさらに備えており、
タスク設定ロールは、前記グループに含まれる前記アカウントにタスクを設定するためのロールであり、第1アカウントに対して設定されており、
前記タスク設定手段は、前記タスク設定ロールが設定された第1アカウントに対応するユーザによる操作に応じて、前記育成対象に対する前記タスクを前記グループに含まれる前記アカウントに対して前記分散型台帳システムにより設定する、
請求項1に記載の育成システム。
【請求項13】
複数のコンピュータを備えるシステムであって、
グループは、複数のアカウントを含み、
前記グループを含むDAO(Decentralized Autonomous Organization)が構築され、
前記システムは、育成対象設定手段と、ロール設定手段と、育成対象更新手段と、トークン関連付け手段と、を備えており、
前記育成対象設定手段は、育成対象に関する情報を前記グループに対して分散型台帳システムにより設定し、
前記ロール設定手段は、前記育成対象に対するロールを前記グループに含まれるアカウントに対して前記分散型台帳システムにより設定し、
前記育成対象更新手段は、前記ロールに基づくタスクを前記アカウントに対応するユーザが実行したことを示す情報を取得した場合、前記育成対象の情報を前記分散型台帳システムにより更新し、
前記トークン関連付け手段は、前記タスクを実行したユーザに対応する前記アカウントにトークンを前記分散型台帳システムにより関連付ける、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成システムおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
育成システムに関する発明として、例えば、非特許文献に記載のシムシティというゲームが知られている。シムシティは、プレイヤが街を建設するゲームである。シムシティでは、一つのエリアに複数のプレイヤが街を建設することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】電撃オンライン,“新しい『シムシティ』のマルチプレイって何をするの? リード・プロデューサーに直接聞く街と街がつながるメリット”,[online],2012年9月23日,[令和5年2月6日検索],インターネット<URL:https://dengekionline.com/elem/000/000/538/538427/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、現実世界において、家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化が問題となっている。このような問題を解決する手法として、上記のようなゲーム等の仮想現実を利用することが検討されている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化を抑制できる育成システムおよびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
近年、子どもが健康に育つ社会、子どもを生み、育てることに喜びを感じることができる社会へ転換することが緊喫の課題になっている。このため、子どもや子育て家庭を、世代を越え、行政や企業、地域社会も含め、国民すべてが支援する新たな支え合いと連帯を作り上げることが求められている。また、子どもたちの健やかな育ちや自立を促し、さらには親自身の育ちを支援し、子育て・親育て支援社会をつくることを国の最優先課題とすることが求められている。
【0007】
このような課題では、若者の自立が重要となる。若者が、自己実現や社会への参画を目指しながら、自己の選択として、職業や結婚、出産、子育てを自らの人生において積極的に位置付けていくことは、自立した社会人となる上で非常に大切なことである。早い頃からの職業意識の醸成のための教育や、教育と雇用との間で連携の取れたキャリア形成を支援すること等により、若年失業の流れを転換してゆくことが求められている。
【0008】
さらに、子育ての支え合いと連携が重要である。家庭は、子どもが親や家族との愛情によるきずなを形成し、人に対する基本的な信頼感や倫理観、自立心等を身に付けていく場である。しかしながら、職場優先の風潮等から子どもに対し時間的・精神的に十分向き合うことができていない親、無関心や放任といった極端な養育態度の親等の問題が指摘されている。家庭において親が子育ての喜びを共有することで、親から子へ子育ての喜びや楽しさが伝えられることにもつながる。
【0009】
人々が自由や気楽さを望むあまり、家庭を築くことや生命を継承していくことの大切さへの意識が失われつつあるとの指摘もある。学校教育や地域社会等様々な社会とのかかわりの中で子育ての楽しさを実感し、自らの生命を次代に伝えはぐくんでいくことや、家庭を築くことの大切さの理解を深めることが求められている。
【0010】
しかしながら、近年、核家族化、地域社会の変化等、子育てをめぐる環境が大きく変化したため、家庭のみでは子育てを負い切れなくなってきており、さらには虐待等が深刻な問題となっている。祖父母等の親族や、近隣等身近な地域社会での助け合いのネットワークが有効に機能することが望まれる。このため、かつて家族や地域・集落が担っていた次代の育成を支援する機能を、地域や社会の力を借りて、現代社会にふさわしい形で再構築するとともに、子育てを社会全体で支援していく「新たな支え合いと連帯による子育て支援」の体制をつくり上げていくことが求められている。
【0011】
以上のように、少子化対策においては、子育ての支え合いと連携が重要である。そこで、本願発明者は、子育ての支え合いと連携を実現する手段として、ゲームのような仮想空間を利用できると考えた。仮想空間では、多くのプレイヤが容易にコミュニケーションを取ることができる。特に、仮想空間では、物理的に遠く離れた人間同士がコミュニケーションを取ることができる。そのため、コミュニケーションを取ることができる人間の数が飛躍的に増加する。よって、本願発明者は、仮想空間を利用することにより、子育ての支え合いと連携を作り上げることが容易になると考えた。さらに、本願発明者は、仮想空間において関わりあう人間の役割を明確化することにより、子供を含む若者の社会における役割および職業に対する意識付けがなされると考えた。
【0012】
そこで、本願発明者は、ゲームのような仮想空間を利用する以下のシステムを提案する。
【0013】
第1側面は、
複数のコンピュータを備える育成システムであって、
グループは、複数のアカウントを含み、
前記グループを含むDAO(Decentralized Autonomous Organization)が構築され、
前記育成システムは、育成対象設定手段と、ロール設定手段と、育成対象更新手段と、トークン関連付け手段と、を備えており、
前記育成対象設定手段は、育成対象を前記グループに対して分散型台帳システムにより設定し、
前記ロール設定手段は、前記育成対象に対するロールを前記グループに含まれるアカウントに対して前記分散型台帳システムにより設定し、
前記育成対象更新手段は、前記ロールに基づくタスクを前記アカウントに対応するユーザが実行した場合、前記育成対象の情報を前記分散型台帳システムにより更新し、
前記トークン関連付け手段は、前記タスクを実行したユーザに対応する前記アカウントにトークンを前記分散型台帳システムにより関連付ける、
育成システム。
【0014】
第2側面は、
前記育成対象は、仮想空間に表示される仮想オブジェクトである、
第1側面に記載の育成システム。
【0015】
第3側面は、
前記DAOは、複数のグループを含んでおり、
前記育成対象設定手段は、前記複数のグループのそれぞれに前記仮想オブジェクトを前記分散型台帳システムにより設定し、
前記育成システムは、仮想オブジェクト制御手段をさらに備えており、
前記仮想オブジェクト制御手段は、前記複数のグループの前記仮想オブジェクトを同一仮想空間において制御する、
第2側面に記載の育成システム。
【0016】
第4側面は、
前記トークンは、前記育成システムにおいて用いられる仮想媒体と交換できる暗号資産である、
第1側面ないし第3側面のいずれかに記載の育成システム。
【0017】
第5側面は、
前記仮想媒体は、前記仮想媒体が利用可能と登録されたショップにおいて消費可能な媒体である、
第4側面に記載の育成システム。
【0018】
第6側面は、
前記仮想媒体は、前記アカウントに対応するユーザが前記複数のコンピュータを用いてコンテンツを利用できる権利と交換できる媒体である、
第4側面に記載の育成システム。
【0019】
第7側面は、
前記グループに含まれる前記複数のアカウントのそれぞれには、ガバナンストークンが関連付けられており、
前記ガバナンストークンは、前記DAOにおける投票の投票権であり、
前記育成システムは、投票開催手段と、投票手段と、をさらに備えており、
前記投票開催手段は、前記グループに含まれるいずれかのアカウントに対応するユーザの操作に応じて、前記グループにおける前記育成対象に関する投票イベントを前記分散型台帳システムにより開催し、
前記投票手段は、前記グループに含まれる前記複数のアカウントに対応するユーザによる操作に応じて、前記投票権に基づく投票を行い、
前記育成対象更新手段は、前記投票手段による投票結果に基づいて、前記投票イベントが開催された前記グループの前記育成対象の情報を前記分散型台帳システムにより更新する、
第1側面ないし第6側面のいずれかに記載の育成システム。
【0020】
第8側面は、
前記育成システムは、完了通知手段をさらに備えており、
前記完了通知手段は、前記アカウントに対応するユーザによる操作に応じて、前記アカウントが前記タスクを完了したことを前記分散型台帳システムにより通知し、
前記育成対象更新手段は、前記アカウントが前記タスクを完了したことを前記完了通知手段が通知した場合、前記育成対象の情報を前記分散型台帳システムにより更新する、
第1側面ないし第7側面のいずれかに記載の育成システム。
【0021】
第9側面は、
前記育成システムは、用途設定手段をさらに備えており、
第1ロールは、前記アカウントに関連付けられている前記仮想媒体の用途を設定するためのロールであり、かつ、第1アカウントに対して設定されており、
前記用途設定手段は、前記第1ロールが設定された前記第1アカウントに対応するユーザの操作に応じて、前記グループに含まれる他のアカウントの前記仮想媒体の用途を前記分散型台帳システムにより設定する、
第4側面ないし第6側面のいずれかに記載の育成システム。
【0022】
第10側面は、
前記育成システムは、用途設定手段をさらに備えており、
第1ロールは、前記アカウントに関連付けられている前記トークンの用途を設定するためのロールであり、かつ、第1アカウントに対して設定されており、
前記用途設定手段は、前記第1ロールが設定された前記第1アカウントに対応するユーザの操作に応じて、前記グループに含まれる他のアカウントの前記トークンの用途を前記分散型台帳システムにより設定する、
第4側面ないし第6側面のいずれかに記載の育成システム。
【0023】
第11側面は、
マスタロールは、前記グループに含まれる前記アカウントにロールを設定するためのロールであり、かつ、第1アカウントに対して設定されており、
前記ロール設定手段は、前記マスタロールが設定された第1アカウントに対応するユーザによる操作に応じて、前記育成対象に対する前記ロールを前記グループに含まれる前記アカウントに対して前記分散型台帳システムにより設定する、
第1側面に記載の育成システム。
【0024】
第12側面は、
前記育成システムは、タスク設定手段をさらに備えており、
タスク設定ロールは、前記グループに含まれる前記アカウントにタスクを設定するためのロールであり、第1アカウントに対して設定されており、
前記タスク設定手段は、前記タスク設定ロールが設定された第1アカウントに対応するユーザによる操作に応じて、前記育成対象に対する前記タスクを前記グループに含まれる前記アカウントに対して前記分散型台帳システムにより設定する、
第1側面に記載の育成システム。
【0025】
第13側面は、
複数のコンピュータを備えるシステムであって、
グループは、複数のアカウントを含み、
前記グループを含むDAO(Decentralized Autonomous Organization)が構築され、
前記システムは、育成対象設定手段と、ロール設定手段と、育成対象更新手段と、トークン関連付け手段と、を備えており、
前記育成対象設定手段は、育成対象を前記グループに対して分散型台帳システムにより設定し、
前記ロール設定手段は、前記育成対象に対するロールを前記グループに含まれるアカウントに対して前記分散型台帳システムにより設定し、
前記育成対象更新手段は、前記ロールに基づくタスクを前記アカウントに対応するユーザが実行した場合、前記育成対象の情報を前記分散型台帳システムにより更新し、
前記トークン関連付け手段は、前記タスクを実行したユーザに対応する前記アカウントにトークンを前記分散型台帳システムにより関連付ける、
システム。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、育成システム1のブロック図である。
図2図2は、第1コンピュータ10-1のブロック図である。
図3図3は、分散型台帳システム50のブロック図である。
図4図4は、第1動作の説明図である。
図5図5は、第2動作の説明図である。
図6図6は、第3動作の説明図である。
図7図7は、第4動作の説明図である。
図8図8は、第5動作の説明図である。
図9図9は、第6動作の説明図である。
図10図10は、第7動作の説明図である。
図11図11は、第8動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施形態)
本開示の実施形態に係る育成システム1について、図面を参照して説明する。
【0029】
<育成システム1の概要の説明>
まず、育成システム1の全体構成について図面を参照しながら説明する。図1は、育成システム1のブロック図である。
【0030】
図1に示す育成システム1は、第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4を備えている。第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4は、通信ネットワークを介して互いに通信できる。ネットワークは、インターネットやイントラネット等である。
【0031】
第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4のそれぞれは、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4により使用される情報処理端末である。第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、または、パーソナルコンピュータである。第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4は、例えば、家族である。第1ユーザUS1は、父である。第2ユーザUS2は、母である。第3ユーザUS3は、長男である。第4ユーザUS4は、長女である。
【0032】
第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4のそれぞれは、第1アカウントACCT1ないし第4アカウントACCT4を有している。そして、グループG1は、第1アカウントACCT1ないし第4アカウントACCT4を含んでいる。さらに、グループG1を含むDAO(Decentralized Autonomous Organization)が構築されている。そこで、グループG1に含まれる第1アカウントACCT1ないし第4アカウントACCT4のそれぞれには、ガバナンストークンGTKNが関連付けられている。ガバナンストークンGTKNは、DAOの運営に関する投票権である。さらに、グループG1には、スマートコントラクト500が設定されている。スマートコントラクト500には、DAOにおける取り決めが記録されている。スマートコントラクト500は、ブロックチェーン上に記録されている。
【0033】
次に、育成システム1の動作概要について説明する。まず、育成対象300が、スマートコントラクト500においてグループG1に対して設定される(ステップS1)。育成対象300は、例えば、仮想空間に表示される仮想オブジェクトである。仮想オブジェクトは、例えば、犬等のペットである。
【0034】
次に、第1ユーザUS1の第1コンピュータ10-1は、スマートコントラクト500において、育成対象300に対するロールおよびタスクを、第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3に対して設定する(ステップS2)。ロールは、第3ユーザUS3が育成対象300に関わる際の役割である。本実施形態では、ロールは、散歩係である。タスクは、ロールの下位概念である。タスクは、第3ユーザUS3が育成対象300に実際に行う動作である。本実施形態では、タスクは、「US3が毎朝散歩に連れて行く」である。
【0035】
第3ユーザUS3は、タスクを実行する(ステップS3)。すなわち、第3ユーザUS3は、育成対象300の散歩を実行する。育成対象300は、仮想オブジェクトである。そのため、第3ユーザUS3は、第3コンピュータ10-3を用いて、仮想空間において育成対象300の散歩を実行する。
【0036】
第3ユーザUS3がタスクを実行すると、育成対象300の情報がスマートコントラクト500において更新される(ステップS4)。育成対象300の情報は、実績である。実績とは、第3ユーザUS3によるタスクの実行履歴である。第3ユーザUS3が育成対象300の散歩を実行すると、第3ユーザUS3の第3コンピュータ10-3は、スマートコントラクト500の実績に散歩を実行した日付を設定する。応じて、第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3に対してトークンTKNが付与される(ステップS5)。トークンTKNは、タスクの実行に対する報酬である。トークンTKNは、ガバナンストークンGTKNであってもよいし、ガバナンストークンGTKN以外のトークンであってもよい。
【0037】
<第1コンピュータ10-1の構造>
次に、第1コンピュータ10-1の構造について図面を参照しながら説明する。図2は、第1コンピュータ10-1のブロック図である。
【0038】
図2に示すように、第1コンピュータ10-1は、制御部12と、記憶部14と、ネットワークインターフェース16と、グラフィック処理部18と、ディスプレイ20と、オーディオ処理部22と、スピーカ24と、操作部26と、タッチパッド28と、を含んでいる。
【0039】
記憶部14は、プログラムおよびデータを記憶する。記憶部14は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク)の組合せである。
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ、または後述する対象アプリ)のプログラム
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
制御部12は、記憶部14が記憶しているプログラムを実行することによって、第1コンピュータ10-1の機能を実現する。制御部12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
制御部12は、育成対象設定手段30と、ロール設定手段32と、育成対象更新手段34と、トークン関連付け手段36と、仮想オブジェクト制御手段38と、投票開催手段40と、投票手段42と、完了通知手段44と、用途設定手段46と、タスク設定手段48と、を機能ブロックとして含んでいる。
【0040】
ネットワークインターフェース16は、第1コンピュータ10-1と外部装置との間の通信を制御する。外部装置は、第2コンピュータ10-2ないし第4コンピュータ10-4および後述する分散型台帳システム50である。
【0041】
グラフィック処理部18は、制御部12が生成した画像データに基づいてディスプレイ20に画像を表示させる。ディスプレイ20は、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。
【0042】
オーディオ処理部22は、制御部12が生成した音声データに基づいてスピーカ24に音を出力させる。
【0043】
操作部26は、タッチパッド28によるユーザの操作に基づいて操作信号を生成し、制御部12に操作信号を出力する。
【0044】
なお、第2コンピュータ10-2ないし第4コンピュータ10-4の構造は、第1コンピュータ10-1と同じであるので説明を省略する。
【0045】
<分散型台帳システム50の構造>
次に、分散型台帳システム50の構造について図面を参照しながら説明する。図3は、分散型台帳システム50のブロック図である。
【0046】
育成システム1は、分散型台帳システム50をさらに備えている。図3に示すように、分散型台帳システム50は、複数のノードコンピュータ50a~50dを含んでいる。
【0047】
ノードコンピュータ50a~50dは、ネットワークを介して互いに通信できる。ネットワークは、インターネットやイントラネット等である。ノードコンピュータ50a~50dは、例えば、有線または無線によりネットワークと接続されている。ノードコンピュータ50a~50dは、ピア・ツー・ピア(P2P)方式で互いに通信する。
【0048】
ノードコンピュータ50a~50dは、ブロックチェーン技術を用いて分散型台帳を管理する。例えば、ノードコンピュータ50aは、記録すべきトークンの取引に関するデータを取得する。ノードコンピュータ50aは、取得したデータを含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。ノードコンピュータ50aは、追加したブロックの情報をノードコンピュータ50b~50dへ送信する。ノードコンピュータ50b~50dは、受信したブロックの正しさを検証する。ノードコンピュータ50b~50dは、検証に成功すると、ブロックチェーンにブロックを追加する。ノードコンピュータ50a~50dは、例えば、連結されるブロックの数(承認数)にしたがってブロックチェーンを確定する。これにより、分散型台帳システム50を構成する複数のノードコンピュータ50a~50dにわたって、同一の分散型台帳が保存されることになる。なお、保存されるデータは、適宜に暗号化される。
【0049】
ノードコンピュータ50a~50dのハードウェア構成は、第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4のハードウェア構成と同一または類似であってよいので、詳細な説明を省略する。
【0050】
<育成システム1の動作>
次に、育成システム1の動作について説明する。育成システム1では、以下の動作が行われる。
(1)第1動作:第1ユーザUS1が第1コンピュータ10-1により育成対象300をグループG1に対して設定する。
(2)第2動作:第1ユーザUS1が第1コンピュータ10-1によりロールおよびタスクを設定する。
(3)第3動作:第3ユーザUS3がタスクを実行し、第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3にトークンTKNが関連付けられる。
(4)第4動作:第3ユーザUS3が、トークンTKNをポイントPTに交換し、ポイントPTを使用して物品を取得する。
(5)第5動作:グループG1において投票イベントが開催される。
(6)第6動作:第3ユーザUS3がタスクを実行し、第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3にトークンTKNが関連付けられる。
(7)第7動作:第1ユーザUS1が第1コンピュータ10-1により第3ユーザUS3のトークンTKNの用途を設定する。
(8)第8動作:グループG1~G3の育成対象300,304,306が同一仮想空間において制御される。
【0051】
第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4の制御部12が記憶部14により記憶されているプログラムを読み出すにより、これらのプログラムが第1動作ないし第8動作を第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4に実行させる。
【0052】
(1)第1動作
まず、第1動作について図面を参照しながら説明する。図4は、第1動作の説明図である。
【0053】
第1動作では、第1ユーザUS1が第1コンピュータ10-1により育成対象300をグループG1に対して設定する。第1ユーザUS1は、育成対象300をグループG1に対して設定するように、第1コンピュータ10-1のタッチパッド28を操作する。応じて、第1コンピュータ10-1の制御部12は、分散型台帳システム50に対して育成対象設定要求をネットワークインターフェース16により送信する(ステップS11)。育成対象設定要求は、育成対象300をグループG1に対して設定する情報を含んでいる。
【0054】
次に、分散型台帳システム50は、スマートコントラクト500において、育成対象300をグループG1に対して設定する(ステップS12)。具体的には、分散型台帳システム50は、育成対象設定要求が含んでいる情報に基づいて、スマートコントラクト500の育成対象の欄に育成対象300を設定する。ステップS11,S12により、第1コンピュータ10-1の制御部12(育成対象設定手段30)は、育成対象300をグループG1に対して分散型台帳システム50により設定する。
【0055】
次に、分散型台帳システム50は、育成対象300がグループG1に対して設定されたことを第1コンピュータ10-1に通知する(ステップS13)。第1コンピュータ10-1の制御部12は、ネットワークインターフェース16を介してステップS13の通知を取得する。以上の動作により、第1動作が完了する。
【0056】
(2)第2動作
まず、第2動作について図面を参照しながら説明する。図5は、第2動作の説明図である。
【0057】
第2動作では、第1ユーザUS1が第1コンピュータ10-1によりロールおよびタスクを設定する。スマートコントラクト500には、マスタロールおよびタスク設定ロールが設定されている。マスタロールは、グループG1に含まれるアカウントにロールを設定するためのロールである。タスク設定ロールは、グループG1に含まれるアカウントにタスクを設定するためのロールである。本実施形態では、マスタロールおよびタスク設定ロールは、第1アカウントACCT1に対して設定されている。
【0058】
第1ユーザUS1は、ロール、タスクおよび報酬をスマートコントラクト500に対して設定するように、第1コンピュータ10-1のタッチパッド28を操作する。本実施形態では、ロールは、第3ユーザUS3が育成対象300の散歩係であることである。タスクは、第3ユーザUS3が育成対象300を毎朝(少なくとも1日1回午前6時から10時の間に10分以上)散歩に連れて行くことである。報酬は、第3ユーザUS3がタスクを一か月継続することにより、1ポイントのトークンTKNが第3ユーザUS3に対して付与されることである。応じて、第1コンピュータ10-1の制御部12は、分散型台帳システム50に対してロール・タスク設定要求をネットワークインターフェース16により送信する(ステップS21)。ロール・タスク設定要求は、ロールに関する情報、タスクに関する情報および報酬に関する情報を含んでいる。
【0059】
次に、分散型台帳システム50は、スマートコントラクト500において、ロール、タスクおよび報酬を設定する(ステップS22)。具体的には、分散型台帳システム50は、ロール・タスク設定要求が含んでいる情報を、スマートコントラクト500のロール、タスクおよび報酬の欄に対して設定する。ステップS21,S22により、第1コンピュータ10-1の制御部12(ロール設定手段32)は、マスタロールが設定された第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1による操作に応じて、育成対象300に対するロールをグループG1に含まれる第3アカウントACCT3に対して分散型台帳システム50により設定する。さらに、第1コンピュータ10-1の制御部12(タスク設定手段48)は、タスク設定ロールが設定された第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1による操作に応じて、育成対象300に対するタスクをグループG1に含まれる第3アカウントACCT3に対して分散型台帳システム50により設定する。
【0060】
次に、分散型台帳システム50は、ロール、タスクおよび報酬が設定されたことを第1コンピュータ10-1に通知する(ステップS23)。第1コンピュータ10-1の制御部12は、ネットワークインターフェース16を介してステップS23の通知を取得する。なお、ステップS22,S23において、第3コンピュータ10-3に対しても通知が行われてもよい。以上の動作により、第2動作が完了する。
【0061】
(3)第3動作
まず、第3動作について図面を参照しながら説明する。図6は、第3動作の説明図である。
【0062】
第3動作では、第3ユーザUS3がタスクを実行し、第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3にトークンTKNが関連付けられる。まず、第3ユーザUS3は、第3コンピュータ10-3のタッチパッド28を操作することにより、育成対象300の散歩(タスク)を実行する(ステップS31)。より詳細には、第3コンピュータ10-3の制御部12(仮想オブジェクト制御手段38)は、育成対象300(仮想オブジェクト)を仮想空間において制御する。具体的には、第3コンピュータ10-3の制御部12は、第3アカウントACCT3のアバターと育成対象300とを仮想空間において散歩させる。この際、ディスプレイ20は、第3アカウントACCT3のアバターおよび育成対象300が仮想空間を散歩する画像を表示する。
【0063】
次に、第3コンピュータ10-3の制御部12は、分散型台帳システム50に対して育成対象情報更新要求をネットワークインターフェース16により送信する。育成対象情報更新要求は、第3ユーザUS3がタスクを完了した情報を含んでいる。第3ユーザUS3がタスクを完了した情報は、例えば、タスクを完了した日付を含んでいる。
【0064】
次に、分散型台帳システム50は、スマートコントラクト500において、育成対象情報を更新する(ステップS33)。本実施形態では、育成対象情報は、実績である。実績とは、第3ユーザUS3によるタスクの実行履歴である。分散型台帳システム50は、育成対象情報更新要求が含んでいる情報に基づいて、スマートコントラクト500の実績の欄に第3ユーザUS3がタスクを完了した日付を設定する。ステップS32,S33により、第3コンピュータ10-3の制御部12(育成対象更新手段34)は、ロールに基づくタスクを第3アカウントACCT3に対応する第3ユーザUS3が実行した場合、育成対象300の情報を分散型台帳システム50により更新する。
【0065】
第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3がスマートコントラクト500の報酬の欄の条件をクリアした場合、分散型台帳システム50は、第3ユーザUS3に対してトークンTKNを付与する(ステップS34)。具体的には、分散型台帳システム50(トークン関連付け手段36)は、タスクを実行した第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3にトークンTKNを関連付ける。これにより、第3ユーザUS3は、トークンTKNを取得する。以上の動作により、第3動作が完了する。
【0066】
(4)第4動作
まず、第4動作について図面を参照しながら説明する。図7は、第4動作の説明図である。
【0067】
第4動作では、第3ユーザUS3が、トークンTKNをポイントPTに交換し、ポイントPTを使用して物品を取得する。ここで、トークンTKNは、育成システム1において用いられる仮想媒体と交換できる暗号資産である。暗号資産は、例えば、仮想通貨である。また、仮想媒体は、仮想媒体が利用可能と登録されたショップにおいて消費可能な媒体である。すなわち、仮想媒体は、ショップにおいて利用可能なポイントPTである。
【0068】
まず、第3ユーザUS3は、トークンTKNをポイントPTと交換するように、第3コンピュータ10-3のタッチパッド28を操作する。応じて、第3コンピュータ10-3の制御部12は、分散型台帳システム50に対してトークン交換要求をネットワークインターフェース16により送信する(ステップS41)。トークン交換要求は、第3ユーザUS3が所有するトークンTKNをポイントPTに交換するための要求である。
【0069】
次に、分散型台帳システム50は、トークンTKNの所有者を変更する(ステップS42)。具体的には、分散型台帳システム50は、トークンTKNの所有者を第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3から第1ユーザUS1に対応する第1アカウントACCT1に変更する。そして、分散型台帳システム50は、第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3に対してポイントPTを加算(付与)する(ステップS43)。これにより、第3ユーザUS3は、ポイントPTを取得する。ポイントPTの管理は、例えば、図示しないスマートコントラクトにより管理されてもよいし、ポイントPTを管理するための図示しないサーバにより管理されてもよい。
【0070】
次に、第3ユーザUS3は、第3コンピュータ10-3のタッチパッド28を操作することにより、ショップ端末110のWebサイトにアクセスする。そして、第3ユーザUS3は、第3コンピュータ10-3のタッチパッド28を操作することにより、ショップ端末110のWebサイトにおいて、物品の購入手続きを行う。物品は、例えば、ゲームソフトやお菓子である。これにより、分散型台帳システム50は、第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3に対してポイントPTを減算する。すなわち、第3ユーザUS3は、第3コンピュータ10-3のタッチパッド28を操作することにより、ポイントPTを使用する(ステップS44)。この際、ポイントPTの所有者は、第3ユーザUS3からショップ端末110の所有者に変更される。
【0071】
次に、ショップ端末110は、第3ユーザUS3に対して物品を付与する処理を実行する。たとえば、ショップ端末110は、運営者112に対して第3ユーザUS3に物品を付与するために必要な情報を表示したり、購入手続きが行われた第3ユーザUS3と物品とを対応付けて、第3ユーザUS3に物品を付与するための発送処理を実行したりする。これにより、第3ユーザUS3は、物品を取得できる。以上の動作により、第4動作が完了する。
【0072】
(5)第5動作
まず、第5動作について図面を参照しながら説明する。図8は、第5動作の説明図である。
【0073】
第5動作では、グループG1において投票イベントが開催される。グループG1の投票イベントでは、ガバナンストークンGTKNは、投票権である。また、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4が所有する票数は、ガバナンストークンGTKNの所有量に応じて決定される。すなわち、ガバナンストークンGTKNの所有量が多くなると、投票可能な票数が多くなる、または、1つの投票に対する重みづけが高くなる。
【0074】
まず、第1ユーザUS1は、投票イベントを開催するように、第1コンピュータ10-1のタッチパッド28を操作する。本実施形態では、育成対象300の服の色を決定するための投票イベントが開催される。育成対象300の服の色の選択肢として、A:赤、B:青およびC:黄が準備されている。そして、第1コンピュータ10-1の制御部12は、分散型台帳システム50に対して投票イベント開催要求をネットワークインターフェース16により送信する(ステップS51)。投票イベント開催要求は、育成対象300の服の色を決定する情報、および、育成対象300の服の色の選択肢の情報を含んでいる。
【0075】
分散型台帳システム50は、投票イベントを開催する(ステップS52)。具体的には、分散型台帳システム50は、投票イベント開催要求が含んでいる情報に基づいて、スマートコントラクト502に投票イベントの内容を記述する。ステップS51,S52により、このように、第1コンピュータ10-1の制御部12(投票開催手段40)は、第1ユーザUS1(グループに含まれるいずれかのアカウントに対応するユーザ)の操作に応じて、グループG1における育成対象300に関する投票イベントを分散型台帳システム50により開催する。そして、分散型台帳システム50は、第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4に対して投票開催通知を送信する(ステップS53)。応じて、第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4の制御部12のそれぞれは、ネットワークインターフェース16を介してステップS53の通知を取得する。
【0076】
次に、第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4の制御部12(投票手段42)のそれぞれは、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4(グループに含まれる前記複数のアカウントに対応するユーザ)による操作に応じて、投票権に基づく投票を行う(ステップS54)。より詳細には、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4のそれぞれは、第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4のタッチパッド28を操作することにより、AないしCの選択肢を選択する。第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4の制御部12のそれぞれは、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4が選択した選択肢を含む投票内容情報を分散型台帳システム50に対してネットワークインターフェース16により送信する。応じて、分散型台帳システム50は、投票内容情報を取得する。
【0077】
次に、分散型台帳システム50は、投票内容情報に基づいて、投票イベントの集計を行う(ステップS55)。そして、分散型台帳システム50は、投票結果に基づいて、育成対象300を変化させる(ステップS56)。具体的には、分散型台帳システム50は、育成対象300の服の色を投票結果により定まる色に変化させる。以上のように、第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4の制御部12(育成対象更新手段34)のそれぞれは、制御部12(投票手段42)による投票結果に基づいて、投票イベントが開催されたグループG1の育成対象300の情報を分散型台帳システム50により変化させる。以上の動作により、第5動作が完了する。
【0078】
(6)第6動作
まず、第6動作について図面を参照しながら説明する。図9は、第6動作の説明図である。
【0079】
第6動作では、第3ユーザUS3がタスクを実行し、第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3にトークンTKNが関連付けられる。ただし、第6動作では、育成対象300は、仮想オブジェクト(無体物)ではなく、実世界における動植物(有体物)である。本実施形態では、動植物は、犬である。第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4は、愛情と責任をもってグループG1で動植物を育てていく。これにより、家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化を抑制できる。家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化が抑制されると、支え合いと連携が促進される。また、家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化が抑制されると、家庭において動植物の育てる責任と愛情が育まれ、喜びや楽しさを実感する。また、家族でだけでなく、動植物を育てている仲間や近隣住民等のグループ内におけるコミュニケーションの取り方や重要性を学ぶことができる。その結果、育成システム1は、少子化対策に貢献できる。
【0080】
まず、第3ユーザUS3は、育成対象300の散歩(タスク)を実行する(ステップS61)。より詳細には、第3ユーザUS3は、育成対象300である犬の散歩を実行する。犬の散歩が完了すると、第2ユーザUS2は、第3ユーザUS3に代わって、第2コンピュータ10-2のタッチパッド28を操作して、第3ユーザUS3がタスクを完了したことを入力する。これにより、第2コンピュータ10-2の制御部12は、第3アカウントACCT3がタスクを完了したことを示すタスク完了通知を分散型台帳システム50に対してネットワークインターフェース16により送信する(ステップS62)。このように、第2コンピュータ10-2の制御部12(完了通知手段44)は、第2ユーザUS2(アカウントに対応するユーザ)による操作に応じて、第3アカウントACCT3がタスクを完了したことを分散型台帳システム50に対して通知する。タスク完了通知は、第3ユーザUS3がタスクを完了した情報を含んでいる。第3ユーザUS3がタスクを完了した情報は、例えば、タスクを完了した日付を含んでいる。
【0081】
次に、分散型台帳システム50は、スマートコントラクト500において、育成対象情報を更新する(ステップS63)。本実施形態では、育成対象情報は、実績である。実績とは、第3ユーザUS3によるタスクの実行履歴である。分散型台帳システム50は、育成対象情報更新要求が含んでいる情報に基づいて、スマートコントラクト500の実績の欄に第3ユーザUS3がタスクを完了した日付を設定する。ステップS62,S63により、第2コンピュータ10-2の制御部12(育成対象更新手段34)は、第3アカウントACCT3がタスクを完了したことを通知した場合、育成対象300の情報を分散型台帳システム50により更新する。第3アカウントACCT3がタスクを完了したことの通知は、第2コンピュータ10-2の制御部12(完了通知手段44)により行われる。
【0082】
第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3がスマートコントラクト500の報酬の欄の条件をクリアした場合、分散型台帳システム50は、第3ユーザUS3に対してトークンTKNを付与する(ステップS64)。具体的には、分散型台帳システム50(トークン関連付け手段36)は、タスクを実行した第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3にトークンTKNを関連付ける。これにより、第3ユーザUS3は、トークンTKNを取得する。以上の動作により、第6動作が完了する。
【0083】
(7)第7動作
まず、第7動作について図面を参照しながら説明する。図10は、第7動作の説明図である。
【0084】
第7動作では、第1ユーザUS1が第1コンピュータ10-1により第3ユーザUS3のポイントPTの用途を設定する。スマートコントラクト504には、第1ロールが設定されている。第1ロールは、第3アカウントACCT3に関連付けられているポイントPT(仮想媒体)の用途を設定するためのロールである。以下では、第3アカウントACCT3に関連付けられているポイントPTの用途を単にポイント用途と呼ぶ。本実施形態では、第1ロールは、第1ユーザUS1に対応する第1アカウントACCT1に対して設定されている。
【0085】
第1ユーザUS1は、第1コンピュータ10-1のタッチパッド28を操作して、ポイント用途をスマートコントラクト500に対して設定する。本実施形態では、ポイント用途は、第3アカウントACCT3に対応する第3ユーザUS3がポイントPTをお菓子の購入に利用することである。応じて、第1コンピュータ10-1の制御部12は、分散型台帳システム50に対して用途設定要求をネットワークインターフェース16により送信する(ステップS71)。用途設定要求は、ポイント用途に関する情報を含んでいる。
【0086】
次に、分散型台帳システム50は、スマートコントラクト500において、ポイント用途を設定する(ステップS72)。具体的には、分散型台帳システム50は、用途設定情報が含んでいるポイント用途に関する情報を、スマートコントラクト504の用途の欄に対して設定する。ステップS71,S72により、第1コンピュータ10-1の制御部12(用途設定手段46)は、第1ロールが設定されている第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1の操作に応じて、第3アカウントACCT3(グループG1に含まれる他のアカウント)のポイントPT(仮想媒体)の用途を分散型台帳システム50により設定する。
【0087】
次に、分散型台帳システム50は、ポイント用途が設定されたことを第1コンピュータ10-1に通知する(ステップS73)。第1コンピュータ10-1の制御部12は、ネットワークインターフェース16を介してステップS73の通知を取得する。以上の動作により、第7動作が完了する。
【0088】
(8)第8動作
まず、第8動作について図面を参照しながら説明する。図11は、第8動作の説明図である。図11に示すように、DAOは、グループG1~G3を含んでいる。すなわち、このDAOは、グループG1~G3のそれぞれで育成対象を育てるコミュニティである。また、グループG1~G3のそれぞれも、家族等で構成されるDAOで構成されるコミュニティである。
【0089】
第8動作では、グループG1~G3の育成対象300,304,306に応じた仮想オブジェクトが同一仮想空間において制御される。このDAOでは、第1ユーザUS1,US11,US21は、グループG1で育成された育成対象300、グループG2で育成された育成対象304、および、グループG3で育成された育成対象306を仮想オブジェクトとしたゲームをプレイすることができる。これにより、第1ユーザUS1,US11,US21のそれぞれは、他のグループのユーザとコミュニケーションを取ることができる。
【0090】
まず、グループG1の第1コンピュータ10-1の制御部12(育成対象設定手段30)は、グループG1に育成対象300(仮想オブジェクト)を分散型台帳システム50により設定する。グループG2の第1コンピュータ10-11の制御部12(育成対象設定手段30)は、グループG2に育成対象304(仮想オブジェクト)を分散型台帳システム50により設定する。グループG3の第1コンピュータ10-21の制御部12(育成対象設定手段30)は、グループG3に育成対象306(仮想オブジェクト)を分散型台帳システム50により設定する。なお、第8動作において育成対象設定手段30が行う動作は、第1動作において育成対象設定手段30が行う動作と同じであるので説明を省略する。
【0091】
次に、グループG1の第1ユーザUS1は、第1コンピュータ10-1によりゲームをプレイする。グループG2の第1ユーザUS11は、第1コンピュータ10-11によりゲームをプレイする。グループG3の第1ユーザUS21は、第1コンピュータ10-21によりゲームをプレイする。この際、第1ユーザUS1、第1ユーザUS11および第1ユーザUS21は、同一仮想空間において同時にゲームをプレイする。そのため、グループG1の第1コンピュータ10-1の制御部12(仮想オブジェクト制御手段38)、グループG2の第1コンピュータ10-11の制御部12(仮想オブジェクト制御手段38)およびグループG3の第1コンピュータ10-21の制御部12(仮想オブジェクト制御手段38)のそれぞれは、グループG1~G3の育成対象300,304,306(仮想オブジェクト)を同一仮想空間において制御する(ステップS81)。これにより、第1コンピュータ10-1,10-11,10-21のディスプレイ20のそれぞれは、育成対象300,304,306を含む画像を表示する。以上の動作により、第8動作が完了する。
【0092】
[効果]
育成システム1によれば、家族等のグループ(コミュニティ)におけるコミュニケーションの希薄化を抑制できる。より詳細には、ロール設定手段32は、育成対象300に対するロールをグループG1に含まれる第3アカウントACCT3に対して分散型台帳システム50により設定する。すなわち、第1ユーザUS1は、第3ユーザUS3にロールを設定する。そして、トークン関連付け手段36は、ロールに基づくタスクを実行した第3ユーザUS3に対応する第3アカウントACCT3にトークンTKNを分散型台帳システム50により関連付ける。すなわち、第3ユーザUS3は、タスクを実行することにより、報酬を得る。そのため、第1ユーザUS1と第3ユーザUS3との間において、ロール、タスクの実行および報酬の設定のためのコミュニケーションが図られる。その結果、育成システム1によれば、家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化を抑制できる。家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化が抑制されると、子育ての支え合いと連携が促進される。また、家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化が抑制されると、家庭において親が子育ての喜びを実感でき、親から子へ子育ての喜びや楽しさが伝えられる。また、家族でだけでなく、保育園、幼稚園、学校、近隣住民等のグループ内におけるコミュニケーションの取り方や重要性を学ぶことができる。その結果、育成システム1は、少子化対策に貢献できる。
【0093】
さらに、第1ユーザUS1は、第3ユーザUS3にロールを設定する。第3ユーザUS3は、タスクを実行することにより、報酬を得る。これにより、第3ユーザUS3は、自身の社会における役割、職業および存在意義について意識するようになる。
【0094】
仮想オブジェクト制御手段38は、グループG1~G3の育成対象300,304,306を同一仮想空間において制御する。これにより、グループG1~G3間のコミュニケーションが図られる。たとえば、家族ぐるみのコミュニケーションの取りかた、グループ(家族)で育成した育成対象300が仮想空間内で行動する状態、仮想空間内での活躍(成果)や他人からの評価を意識および実感することができる。
【0095】
トークンTKNは、育成システム1において用いられるポイントPTと交換できる暗号資産である。これにより、第3ユーザUS3は、タスクの実行により、暗号資産を得ることができる。すなわち、第3ユーザUS3は、タスクを実行する経済的意義(貢献に対する対価)を認識できる。その結果、第3ユーザUS3は、自身の社会における役割、職業および存在意義についてさらに意識するようになる。
【0096】
ポイントPTは、ポイントPTが利用可能と登録されたショップにおいて消費可能な媒体である。これにより、第3ユーザUS3は、タスクの実行により、ポイントPTを得ることができる。すなわち、第3ユーザUS3は、タスクを実行する経済的意義(貢献に対する対価)を明確に認識できる。その結果、第3ユーザUS3は、自身の社会における役割、職業および存在意義についてさらに意識するようになる。
【0097】
育成システム1によれば、以下の理由によっても、家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化を抑制できる。より詳細には、投票手段42は、グループG1に含まれる第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4による操作に応じて、投票権に基づく投票を行う。そして、育成対象更新手段34は、投票手段42による投票結果に基づいて、投票イベントが開催されたグループG1の育成対象300の情報を分散型台帳システム50により更新する。このような投票イベントが開催されることにより、グループG1に含まれる第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4は、育成対象300に関するコミュニケーションを取ったり、投票イベントの開催の要否に関するコミュニケーションを取ったりするようになる。その結果、育成システム1によれば、家族等のグループにおけるコミュニケーションの希薄化を抑制できる。また、グループG1に含まれる第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4は、親子関係や年齢、性別等に関係なくグループG1内のユーザの意見を聞くことができ、自身の行動に対する貢献度合い(投票権数)に基づいて発言力が増すことを意識することができる。これによりさらに、グループG1に含まれる第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4は、グループG1内におけるタスクの実行を意欲的に行うようになる。
【0098】
用途設定手段46は、第1ロールが設定されている第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1の操作に応じて、第3アカウントACCT3のポイントPTの用途を分散型台帳システム50により設定する。これにより、第3アカウントACCT3に関連付けられているポイントPTの用途が制限される。その結果、第3ユーザUS3が不適切な用途にポイントPTを使用することが抑制される。これにより、例えば未成年やお年寄りがポイントPTの使用についてトラブルに巻き込まれないようすることができる(いわゆるペアレントコントロール)。
【0099】
ロール設定手段32は、マスタロールが設定された第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1による操作に応じて、育成対象300に対するロールを第3アカウントACCT3に対して分散型台帳システム50により設定する。これにより、第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1以外のユーザは、育成対象300に対するロールを設定および変更できない。その結果、第3ユーザUS3が、第1ユーザUS1の許可なくロールを変更することが抑制される。
【0100】
タスク設定手段48は、タスク設定ロールが設定された第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1による操作に応じて、育成対象300に対するタスクを第3アカウントACCT3に対して分散型台帳システム50により設定する。これにより、第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1以外のユーザは、育成対象300に対するタスクを設定および変更できない。その結果、第3ユーザUS3は、第1ユーザUS1の許可なくタスクを変更することが抑制される。
【0101】
(その他の実施形態)
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0102】
第4動作では、ポイントPTは、物品(有体物)と交換されていた。しかしながら、ポイントPTは、仮想空間で使用される仮想オブジェクトやサービス等の無体物と交換されてもよい。すなわち、ポイントPT(仮想媒体)は、第3アカウントACCT3の第3ユーザUS3が第1コンピュータ10-1ないし第4コンピュータ10-4を用いてコンテンツを利用できる権利と交換できる媒体であってもよい。コンテンツは、例えば、ゲームソフトや音楽および動画の視聴である。すなわち、コンテンツを利用できる権利とは、例えば、ゲームを1時間できる権利でおよびアニメ等の動画を1話観られる権利等である。
【0103】
なお、第7動作では、用途設定手段46は、第1ロールが設定されている第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1の操作に応じて、第3アカウントACCT3のポイントPTの用途を分散型台帳システム50により設定する。しかしながら、第1ロールは、第3アカウントACCT3に関連付けられているトークンTKNの用途を設定するためのロールであってもよい。この場合、用途設定手段46は、第1ロールが設定されている第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1の操作に応じて、第3アカウントACCT3のトークンTKNの用途を分散型台帳システム50により設定してもよい。
【0104】
なお、ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、カードゲーム、スポーツゲーム、ボードゲームまたはパズルゲーム等である。
【0105】
なお、育成対象300は、動物または植物の仮想オブジェクト(無体物)であってもよいし、実空間における動物や植物(有体物)であってもよい。育成対象300は、例えば、プラモデルのような製作物であってもよい。また、仮想オブジェクトは、完成された一つのオブジェクトに限らず、パーツオブジェクトを組み合わせて制作する建造物(クラフトゲーム、街づくりゲームや農場系ゲーム)やロボット等であってもよい。
【0106】
なお、育成対象300が仮想オブジェクトである場合、育成対象300がゲームのキャラクタであってもよい。ゲームキャラクタは、ユーザの操作に基づいて制御されるプレイヤキャラクタであってもよいし、コンピュータによって制御されるノンプレイヤキャラクタであってもよい。
【0107】
なお、ロールは、散歩係に限られない。育成対象300が動物である場合、ロールは、餌係、掃除係等が挙げられる。育成対象300が植物である場合、ロールは、水やり係等が挙げられる。育成対象300がプラモデルである場合、ロールは、組み立てるパーツや、組み立て、塗装等が挙げられる。また、ロールとタスクとは1対1で対応付けられていてもよい。
【0108】
なお、育成対象300が仮想オブジェクトである場合、第3ユーザUS3がタスクを実行すると、育成対象300が変化してもよい。育成対象300が変化するとは、例えば、育成対象300の外観が変化したり、育成対象300のパラメータが変化したりしてもよい。育成対象300の外観とは、卵から孵化して動物の見た目に変化したり、子供から大人の見た目に変化したり、大きさや色が変わったり、アクセサリーや衣装が変化したりすることを含む。育成対象300のパラメータとは、育成対象300の攻撃力や守備力等である。
【0109】
なお、育成対象300が仮想オブジェクトである場合、第3ユーザUS3がタスクを実行しない場合、育成対象300が病気や怪我をする等コンディションが悪くなるようにしてもよいし、死んでもよい。これにより、ユーザは、生き物を育てることや命の大切さ等を学ぶこともできる。
【0110】
なお、育成対象300は、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4のいずれかであってもよい。育成対象300は、第1ユーザUS1でもよい。第1ユーザUS1は、父である。この場合、タスクは、運動、ワクチン接種、人間ドック等である。これにより、第1ユーザUS1の健康が促進される。育成対象300は、第3ユーザUS3でもよい。第3ユーザUS3は、長男である。この場合、タスクは、勉強である。これにより、第3ユーザUS3の成績が向上する。また、タスクは、第1ユーザUS1または第2ユーザUS2が習い事や塾への送迎をすることであってもよいし、第1ユーザUS1または第2ユーザUS2が第3ユーザUS3の勉強の手伝いをすることであってもよい。勉強の手伝いとは、スケジュール管理やテストの丸付け(採点、チェック)等である。さらに、第3ユーザUS3が目標の成績を達成した場合、第3ユーザUS3に対してポイントPTまたはトークンTKNが付与されてもよいし、第1ユーザUS1または第2ユーザUS2に対してポイントPTまたはトークンTKNが付与されてもよい。
【0111】
なお、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4のそれぞれは、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4自身の目標および目標を達成するためのタスクを設定できてもよい。この場合、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4は、タスクを実行することにより目標を達成したら、ポイントPTを得ることができる。目標は、例えば、第1ユーザUS1が1か月以内に体重を1kg減らすことであり、タスクは、毎日一万歩以上歩くことである。タスクが実行されたか否かの判定は、例えば、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイスまたはスマートフォンにより行われる。また、目標は、テストで100点を取ることであり、タスクは、毎日1時間以上勉強することである。タスクが実行されたか否かの判定は、例えば、タブレット端末が勉強時間を測定することにより行われる。
【0112】
なお、育成対象300は、例えば、仮想パラメータであってもよい。仮想パラメータとは、例えば、二酸化炭素排出量である。第3ユーザUS3は、グループG1における二酸化炭素排出量を低減するために、タスクを実行してもよい。タスクは、例えば、電力使用量の低減である。具体的には、タスクは、エアコンの稼働時間またはエアコンの設定温度、照明の使用時間等である。
【0113】
なお、育成対象300が電力消費量や二酸化炭素排出量低減量等の仮想パラメータである場合、グループG1~G3間で電力消費量や二酸化炭素排出量の低減量等を競わせてもよい。IoT技術を利用することにより、家電の電力消費量や二酸化炭素排出量を管理してもよい。これによりカーボンニュートラルの実現に貢献できるので、地球温暖化対策に貢献できる。また、グループG1~G3間の競争は、ESGおよびSDGsに配慮した行動に繋がる。その結果、家族で環境問題に取り組んだり環境問題を学んだりできる。また、グループG1~G3間で競ったり、グループG1~G3で成果を共有したりすることで、グループG1~G3のメンバーが共同して環境問題に対処できる。
【0114】
なお、第5動作において、投票イベントにより決定される事項は、育成対象300の服の色に限らない。例えば、第5動作の投票イベントにより、育成対象300の育成方針や、育成対象300を他の育成対象と合成するか否かが決定されてもよい。育成対象300の育成方針は、第3ユーザUS3が実行するタスクに応じて、育成対象300が進化する方向性である。育成対象300の進化は、育成対象300の名前や、外観、パラメータ等が変化することである。
【0115】
なお、第3動作において、育成対象300の情報は、育成対象300の実績に限らない。例えば、第3動作において、育成対象300の名前や、外観、パラメータ等が変化することは、育成対象300の情報が更新されることに含まれる。
【0116】
なお、第3ユーザUS3がタスクを実行したことが、SNS(Social Networking Service)により発信されてもよい。また、第3ユーザUS3がタスクを実行することによりトークンTKNまたはポイントPTを取得したことが、SNSにより発信されてもよい。
【0117】
なお、トークンTKNまたはポイントPTは、第3ユーザUS3が所定時間にわたりゲームをプレイできる権利、第3ユーザUS3が所定時間にわたり動画を視聴できる権利、または、テレビを所定時間にわたり視聴する権利と交換されてもよい。
【0118】
なお、グループG1は、町内会であってもよい。この場合、育成対象300は、例えば、現実世界の公園や遊園地等(施設)である。タスクは、公園の清掃である。第3ユーザUS3は、トークンTKNまたはポイントPTとお菓子等の物品とを交換できる。また、投票イベントにより、公園に関する事項が決定されてもよい。公園に関する事項は、例えば、遊具の購入等である。また、育成対象300は、仮想空間であり公園や遊具等の仮想オブジェクトであってもよい(街づくりゲーム、クラフト系ゲーム等)。タスクは、仮想空間内における掃除等の行動であってもよい。
【0119】
なお、グループG1は、PTAであってもよい。この場合、育成対象300は、例えば、学校である。タスクは、通学路での児童または生徒の誘導や、警備巡回、学校行事への協力である。また、育成対象300は、仮想空間であり学校や児童、生徒等の仮想オブジェクトであってもよい(学校づくりゲーム、街づくりゲーム、クラフト系ゲーム等)。タスクは、仮想空間内における、キャラクタの誘導や、警備巡回、学校行事等の行動であってもよい。
【0120】
なお、グループG1は、現実世界の学校や、習い事のクラス、チーム等(集団)であってもよい。この場合、育成対象300は、クラスやチームである。タスクは、日直、図書係、給食係等、クラス運営やチーム運営に関する仕事である。第3ユーザUS3は、トークンTKNまたはポイントPTを学校内の売店において使用できる。なお、第3ユーザUS3が成績優秀者である場合、第3ユーザUS3にバッチが付与されてもよい。また、育成対象300は、動植物や仮想オブジェクトであってもよい。また、習い事がスポーツである場合、練習や試合にタスクが設定され、第3ユーザUS3がそのタスクを達成したときには、トークンTKN、ポイントPTや、バッジ等が第3ユーザUS3に付与されてもよい。また、育成対象300は、仮想空間であり学校やスポーツチーム等の仮想オブジェクトであってもよい(学校づくりゲーム、スポーツシミュレーションゲーム、街づくりゲーム、クラフト系ゲーム等)。タスクは、仮想空間内における日直、図書係、給食係等、クラス運営やチーム運営等の行動であってもよい。
【0121】
なお、グループG1は、現実世界の会社や団体等(組織)であってもよい。この場合、グループG1は、会社に所属する複数の社員のアカウントを含む。育成対象300は、実空間における動植物であってもよいし、動植物の仮想オブジェクトであってもよいし、二酸化炭素排出量等の仮想パラメータであってもよい。タスクが実行されたことがSNSにより発信されることで、社風、環境問題や社会貢献に取り組んでいる実績等が対外的にPRされる。また、育成対象300は、仮想空間であり会社等の仮想オブジェクトであってもよい(会社づくりゲーム、街づくりゲーム、クラフト系ゲーム等)。
【0122】
なお、グループは、前述したグループG1に関わらず老人ホーム、マンション、スポーツチーム、店舗、所定のNFTホルダー等、様々なコミュニティを形成する範囲であればよい。これらグループ毎にDAOを形成することにより、スマートコントラクトによってロール、タスクや報酬を管理することで健全なコミュニティを形成することができ、個々が自身のスキルを発揮することによって、コミュニティごとに社会課題を解決したり社会貢献をする等に取り組むことができる。
【0123】
なお、スマートコントラクト500に第1ユーザUS1または第2ユーザUS2が出産休暇や育児休暇を取得したことが設定できてもよい。第1ユーザUS1または第2ユーザUS2が出産休暇や育児休暇を取得すると、育成対象300の成長が促進されてもよいし、トークンTKNの取得量が増えてもよい。このように、第1ユーザUS1または第2ユーザUS2が出産休暇や育児休暇を取ることによって仮想通貨が付与されるようにしてもよく、この場合、休暇を取ることが第1ユーザUS1または第2ユーザUS2のタスクとなる。さらに、勤務時間や休暇取得が改竄されないようにブロックチェーン上にデータを管理し、このデータを行政機関等に送信する等によって企業の労働環境を監視するようにしてもよい。また、出産休暇や育児休暇を取りやすくなることによって、少子化問題を解決することができる。
【0124】
なお、グループG1の第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4の全員がタスクを実行することにより、第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4がより多くのトークンTKNまたはポイントPTを取得してもよい。第1ユーザUS1ないし第4ユーザUS4の全員が実行するタスクとは、例えば、ボランティア活動や環境貢献に関する活動である。
【0125】
なお、第3ユーザUS3がタスクを実行しているが、第1ユーザUS1、第2ユーザUS2または第4ユーザUS4がタスクを実行してもよい。
【0126】
なお、タスクは、ロールの下位概念ではなく、ロールと同じであってもよい。
【0127】
なお、マスタロールおよびタスク設定ロールは、第1ユーザUS1に対応する第1アカウントACCT1以外のアカウントに設定されてもよい。
【0128】
なお、育成対象300の設定の前に、育成対象300を決定するための選挙イベントが行われてもよい。
【0129】
なお、第6動作において、第2ユーザUS2は、第3ユーザUS3に代わって、第2コンピュータ10-2のタッチパッド28を操作して、第3ユーザUS3がタスクを完了したことを入力する。しかしながら、第3コンピュータ10-3または第4コンピュータ10-4は、育成対象300である犬や散歩道具に付けた装置から位置情報を取得し、位置情報に基づいて第3ユーザUS3の行動を判定することにより、第3ユーザUS3が散歩を実行したか否かを判定してもよい。
【0130】
なお、用途設定手段46は、第1ロールが設定されている第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1の操作に応じて、第3アカウントACCT3のポイントPTの用途を分散型台帳システム50により設定する。しかしながら、用途設定手段46は、第1ロールが設定されている第1アカウントACCT1に対応する第1ユーザUS1の操作に応じて、第3アカウントACCT3のポイントPTを使用できる上限量を、分散型台帳システム50により設定できてもよい。
【0131】
DAOは、グループG1~G3を含んでいる。しかしながら、グループG1~G3を含むコミュニティは、DAOではなくゲームに参加するプレイヤの集団であってもよい。この場合、第1ユーザUS1,US11,US21は、グループG1~G3のそれぞれで育成した育成対象300,304,306のキャラクタをゲームにおいて使用できる。
【0132】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0133】
1:育成システム
10-1,10-11,10-21:第1コンピュータ
10-2:第2コンピュータ
10-3:第3コンピュータ
10-4:第4コンピュータ
12:制御部
14:記憶部
16:ネットワークインターフェース
18:グラフィック処理部
20:ディスプレイ
22:オーディオ処理部
24:スピーカ
26:操作部
28:タッチパッド
30:育成対象設定手段
32:ロール設定手段
34:育成対象更新手段
36:トークン関連付け手段
38:仮想オブジェクト制御手段
40:投票開催手段
42:投票手段
44:完了通知手段
46:用途設定手段
48:タスク設定手段
50:分散型台帳システム
50a~50d:ノードコンピュータ
110:ショップ端末
112:運営者
300,304,306:育成対象
500,502,504:スマートコントラクト
ACCT1:第1アカウント
ACCT3:第3アカウント
ACCT4:第4アカウント
G1~G3:グループ
GTKN:ガバナンストークン
PT:ポイント
TKN:トークン
US1,US11,US21:第1ユーザ
US2:第2ユーザ
US3:第3ユーザ
US4:第4ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11