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特許7519486情報処理装置及びプレゼンテーション支援方法
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  • 特許-情報処理装置及びプレゼンテーション支援方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプレゼンテーション支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240711BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G06F3/01 510
H04N7/15
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023029839
(22)【出願日】2023-02-28
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】川北 幸司
(72)【発明者】
【氏名】森 英俊
(72)【発明者】
【氏名】堀越 正太
(72)【発明者】
【氏名】岩川 晃久
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-049797(JP,A)
【文献】特開2021-180469(JP,A)
【文献】国際公開第2022/081283(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/049931(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0241607(US,A1)
【文献】特開2013-061411(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0256094(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01,3/048-3/04895
H04N 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの背面に設置されたカメラと、
テレビ会議中において、予め登録されているアプリケーションが起動されている場合に、前記カメラの近傍に、前記アプリケーションのウィンドウに表示されたコンテンツの一部を表示させるためのコンテンツ表示領域を表示させる表示制御部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、前記カメラに光を入射させるためのカメラ領域を有し、
前記表示制御部は、ホームポジションとして、前記カメラ領域を包含するように前記コンテンツ表示領域を表示させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザの視線、顔、又は頭部の動きを追跡する追跡部と、
前記追跡部の追跡結果に基づいて、前記コンテンツ表示領域を見ていない状態が所定期間以上維持されたか否かを判定する判定部と
を備え、
前記ユーザが前記コンテンツ表示領域を見ていない状態が所定期間以上維持された場合に、前記表示制御部は、前記追跡部の追跡結果に基づいて前記コンテンツ表示領域を移動させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、移動させた前記コンテンツ表示領域を移動前の元の位置に移動させる請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
マイクと、
前記マイクから取得された音声データを音声認識する音声認識部と
を備え、
前記表示制御部は、前記音声認識部の音声認識結果と、前記アプリケーションのウィンドウに表示されたコンテンツとに基づいて、前記コンテンツ表示領域の表示を更新する請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記テレビ会議中において、予め登録されている前記アプリケーションが起動されている場合に、前記表示パネルにおけるカメラ領域の座標情報が記憶されている記憶部から前記カメラ領域の座標情報を取得し、取得した前記カメラ領域の座標情報を用いて前記コンテンツ表示領域を表示させる座標範囲を特定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
表示パネルと、前記表示パネルの背面に設置されたカメラとを備える情報処理装置に適用されるプレゼンテーション支援方法であって、
テレビ会議中において、予め登録されているアプリケーションが起動されている場合に、前記カメラの近傍に、前記アプリケーションのウィンドウに表示されたコンテンツの一部を表示させるためのコンテンツ表示領域を表示させるプレゼンテーション支援方法。
【請求項8】
コンピュータを請求項1からのいずれかに記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及びプレゼンテーション支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、テレワークを行う機会が増加し、これに伴いビデオ会議も頻繁に行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-71803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビデオ会議において、手元にある資料や外部モニタに表示されたプレゼンテーションの資料を見て、プレゼンテーションを行うことがある。この場合、資料を読んでいるときには、カメラからアイコンタクトが外れてしまい、また、カメラ目線にすると資料を読むことができない。このように、従来は、ビデオ会議に出席している参加者とアイコンタクトを取りながら、プレゼンテーションを行うことが難しかった。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、参加者の方を見ながらプレゼンテーションを行っているような印象を与えることのできる情報処理装置及びプレゼンテーション支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、表示パネルと、前記表示パネルの背面に設置されたカメラと、テレビ会議中において、予め登録されているアプリケーションが起動されている場合に、前記カメラの近傍に、前記アプリケーションのウィンドウに表示されたコンテンツの一部を表示させるためのコンテンツ表示領域を表示させる表示制御部とを具備する情報処理装置である。
【0007】
本開示の一態様は、表示パネルと、前記表示パネルの背面に設置されたカメラとを備える情報処理装置に適用されるプレゼンテーション支援方法であって、テレビ会議中において、予め登録されているアプリケーションが起動されている場合に、前記カメラの近傍に、前記アプリケーションのウィンドウに表示されたコンテンツの一部を表示させるためのコンテンツ表示領域を表示させるプレゼンテーション支援方法である。
【0008】
本開示の一態様は、コンピュータを上記情報処理装置として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る情報処理装置及びプレゼンテーション支援方法によれば、参加者の方を見ながらプレゼンテーションを行っているような印象を与えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の概略外観図である。
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
図3】本開示の一実施形態に係るプレゼンテーション支援システムが備える機能の一例を示した機能構成図である。
図4】本開示の一実施形態に係るコンテンツ表示領域がホームポジションに表示された状態の表示パネルの一画面例を示した図である。
図5】本開示の一実施形態に係るコンテンツ表示領域がホームポジションから移動した状態の表示パネルの一画面例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10及びプレゼンテーション支援方法について、図面を参照して説明する。本実施形態では、情報処理装置10として、ノートPCを例示した場合について説明するが、この例に限定されない。例えば、情報処理装置10は、デスクトップ型PC、タブレット端末、スマートフォン等であってもよい。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の概略外観図である。情報処理装置10は、図1に示すように、一例として、いずれも略直方体である本体側筐体2及びディスプレイ側筐体3を備える。本体側筐体2は、入力デバイス4を備える。入力デバイス4は、ユーザが入力操作を行うためのユーザインターフェースであり、文字、コマンド等を入力する各種キーより構成されるキーボードや、画面上のカーソルを移動させたり、各種メニューを選択するタッチパッド等を備えている。
【0013】
ディスプレイ側筐体3は、表示パネル5を備える。表示パネル5は、ほぼ平板の形状を有する表示デバイスである。表示パネル5の背面には、カメラ6(UDC:Under Display Camera)が設置されている。カメラ6の一例として、RGBカメラ、RGB-IRカメラ等が挙げられる。
表示パネル5は、例えば、複数の画素と基板を有し、基板の主面の大部分をなす表示領域において複数の画素が一定間隔で二次元配列された構成とされている。表示領域の一部には、カメラ領域CAが設けられている。カメラ領域CAに到来する光は、例えば、画素間の間隙を通過し、その一部がカメラ6に入射される。カメラ領域CAは、カメラ設置表示領域(CUD:Camera Under Display area)とも呼ばれる。
【0014】
カメラ6には、カメラ領域CAを通過した光が入射され、入射された光が撮像面に投影されて、画像が取得される。カメラ領域CAは、例えば、カメラ6の視野に対応する範囲よりも大きくなるように設定されている。表示パネル5とカメラ6とのわずかな位置関係の変動が生じても、近接する画素からの光がカメラ6に入射する可能性があるためである。
【0015】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。図2に示すように、情報処理装置10は、上述した入力デバイス4、表示パネル5、カメラ6に加えて、CPU(プロセッサ)11、メインメモリ12、二次記憶装置13、マイク15、外部インターフェース16、通信インターフェース17等を備えている。これら各部は直接的にまたはバスを介して間接的に相互に接続されており互いに連携して各種処理を実行する。
【0016】
CPU11は、例えば、バスを介して接続された二次記憶装置13に格納されたOS(Operating System)により情報処理装置10全体の制御を行うとともに、二次記憶装置13に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU11は、複数設けられており、互いに協働して処理を実現させてもよい。
【0017】
メインメモリ12は、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU11の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0018】
二次記憶装置13は、非一時的な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置13の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどが挙げられる。二次記憶装置13は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置10全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、二次記憶装置13には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置13は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置13に上述したようなデータが分割されて格納されていてもよい。
【0019】
マイク15は、音を電気信号である音声データに変換して出力する。
外部インターフェース16は、外部機器と接続するためのインターフェースである。外部機器の一例として、外部モニタ、USBメモリ、外付けHDD、外付けカメラ等が挙げられる。なお、図1に示した例では、外部インターフェース16は、1つしか図示されていないが、複数の外部インターフェースを備えていてもよい。
【0020】
通信インターフェース17は、ネットワークに接続して他の装置と通信を行い、情報の送受信を行うためのインターフェースとして機能する。例えば、通信インターフェース17は、有線又は無線により他の装置と通信を行う。無線通信として、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、3G、4G、5G、LTE、無線LANなどの回線を通じた通信が挙げられる。有線通信の一例として、有線LAN(Local Area Network)などの回線を通じた通信が挙げられる。
【0021】
次に、本実施形態に係る情報処理装置10が有するプレゼンテーション支援機能の一例について図を参照して説明する。図3は、本実施形態に係るプレゼンテーション支援システム20が備える機能の一例を示した機能ブロック図である。
【0022】
後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、プレゼンテーション支援プログラム)の形式で各情報処理装置10が備える二次記憶装置13などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)11がメインメモリ12に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置13に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0023】
ここで、「プレゼンテーション」とは、相手に情報を伝達することを意味し、提案をするいわゆるプレゼンテーションの他、講義(セミナー)、打ち合わせ等、二人以上でコミュニケーションを行うもの全般を含む。
また、「テレビ会議」とは、二人以上でオンラインによるコミュニケーションを行うものを意味し、例えば、オンラインで上記プレゼンテーションを行うものを意味する。例えば、オンラインミーティング、オンラインセミナー等が挙げられる。
【0024】
図3に示すように、プレゼンテーション支援システム20は、例えば、表示制御部21、視線追跡部(追跡部)22、判定部23、音声認識部24、及び記憶部26を備えている。
【0025】
表示制御部21は、例えば、テレビ会議中において所定の条件を満たした場合に、カメラ6の近傍にコンテンツを表示させるためのコンテンツ表示領域DP(図4参照)を表示させる。例えば、所定の条件とは、予め登録されているアプリケーションが起動されている状態をいう。予め登録されているアプリケーションの一例として、例えば、文書に関するアプリケーション、より具体的には、プレゼンテーションに関するアプリケーション等が挙げられる。例えば、記憶部26には、コンテンツ表示領域DPを表示させるためのアプリケーションのリストが登録されている。記憶部26に格納されているリストは、ホワイトリストでもよいし、ブラックリストでもよい。また、記憶部26に格納されているリストについては、予めデフォルトで所定のアプリケーションが登録されており、ユーザが追加、削除を行えるような構成とされていてもよい。
【0026】
表示制御部21は、テレビ会議中において、リストに記載されているアプリケーションが起動しているか否かを所定の時間間隔で判定し、アプリケーションが起動している場合に、コンテンツ表示領域DPをカメラ6の近傍に設定されたホームポジションに表示させる。例えば、表示制御部21は、テレビ会議中において所定の条件を満たした場合に、表示パネル5におけるカメラ領域の座標情報が記憶されている記憶部からカメラ領域の座標情報を取得し、取得したカメラ領域の座標情報を用いてコンテンツ表示領域を表示させるホームポジション(座標範囲)を特定する。そして、特定したホームポジションにコンテンツ表示領域DPを表示させる。カメラ領域の座標情報が記憶されている記憶部は、後述する記憶部26であってもよいし、他の記憶部であってもよい。また、記憶部は、通信インターフェース17を介して接続可能とされたネットワーク上に設置される記憶部であってもよい。このように、カメラ領域の座標情報を取得することで、表示パネル5の機種、サイズ等に応じてカメラ領域が異なる場合でも最適な位置にホームポジションを設定することが可能となる。
【0027】
図4には、コンテンツ表示領域DPがホームポジションに表示された状態の表示パネル5の一画面例が示されている。図4に示すように、ホームポジションは、一例として、カメラ領域CAを包含するように設定されている。なお、ホームポジションの位置及びサイズは、図4に示したものに限られない。例えば、ホームポジションは、コンテンツ表示領域DPに表示されたコンテンツをユーザが見るときに、カメラ6から視線が大きく外れないような位置及びサイズに設定されるとよい。これにより、ユーザは、カメラ6から視線が大きく外すことなくコンテンツを確認し、読み進めることができる。この結果、ビデオ会議の参加者には、参加者の方を見ながらプレゼンテーションを行っているような印象を与えることが可能となる。
また、図4において、表示パネル5には、記憶部26のリストに登録されているアプリケーションのウィンドウAWが表示されている。このアプリケーションは、例えば、コンテンツ表示領域DPを表示させるトリガとなったアプリケーションである。
【0028】
視線追跡部22は、例えば、カメラ6によって取得された画像データを解析し、ユーザの視線を追跡する。なお、視線追跡については、視線追跡機能のプログラムが搭載されたビジョンチップを用いて実現することが可能である。また、視線追跡手法については、種々の公知の技術を適宜採用すればよい。視線追跡部22は、例えば、コンテンツ表示領域DPが表示パネル5に表示されている期間において、視線追跡を実行することとしてもよい。これにより、必要なときにだけ視線追跡を行うことが可能となり、電力消費等を削減することができる。
【0029】
判定部23は、視線追跡部22の追跡結果に基づいて、コンテンツ表示領域DPを見ていない状態が所定期間以上維持されたか否かを判定する。例えば、ユーザの視線がコンテンツ表示領域DPから外れている状態が所定期間以上維持されたか否かを判定する。この判定結果は、表示制御部21に出力される。
音声認識部24は、マイク15から入力された音声データを音声認識し、認識結果を文字データとして出力する。音声認識部24は、例えば、コンテンツ表示領域DPが表示パネル5に表示されている期間において、音声認識を実行することとしてもよい。これにより、必要なときにだけ音声認識を行うことが可能となり、電力消費等を削減することができる。
【0030】
表示制御部21は、上述した判定部23によってユーザがコンテンツ表示領域DPを見ていない状態が所定期間以上維持されたと判定された場合に、視線追跡部22の追跡結果に応じて、コンテンツ表示領域DPの位置を移動させる。例えば、表示制御部21は、ユーザの目線の先にコンテンツ表示領域DPを移動させる。これにより、例えば、図5に示すように、コンテンツ表示領域DPがユーザの視線に応じた位置に移動させられる。また、表示制御部21は、コンテンツ表示領域DPを移動させた後において、移動させたコンテンツ表示領域DPをホームポジション(元の位置)に戻すように移動させる。コンテンツ表示領域DPを移動させることで、ユーザの注意を引くことができ、更に、ホームポジションに向けて移動させることにより、ユーザの視線をホームポジションに自然に戻すことが期待できる。
【0031】
また、表示制御部21は、ウィンドウAWのコンテンツの一部をコンテンツ表示領域DPに表示させる。具体的には、表示制御部21は、ユーザがこれから読み進めるコンテンツをコンテンツ表示領域DPに表示させる。
【0032】
例えば、表示制御部21は、音声認識部24の音声認識結果と、ウィンドウAWに表示されたコンテンツとに基づいて、コンテンツ表示領域DPの表示を更新する。
例えば、表示制御部21は、音声認識部24の音声認識結果として得られた文字データと、ウィンドウAWに表示されているコンテンツとを照合することで、ウィンドウAWに表示されているコンテンツのうち、ユーザがどの位置を読んでいるのかを特定する。そして、特定した位置からそれ以降のコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツをコンテンツ表示領域DPに表示させる。これにより、ユーザの読むスピードに合わせてコンテンツ表示領域DPに表示されるコンテンツを更新することができる。
【0033】
次に、本実施形態における情報処理装置10が備えるプレゼンテーション支援システム20の動作について説明する。
例えば、情報処理装置10の入力デバイス4をユーザが操作することにより、ビデオ会議が開始されると、表示制御部21は、記憶部26に格納されているリストに登録されているアプリケーションが起動されているか否かを判定する。この結果、登録されているアプリケーション(以下「登録アプリケーション」という。)が起動されている場合には、表示制御部21は、コンテンツ表示領域DPをホームポジションに表示させる。更に、表示制御部21は、登録アプリケーションのウィンドウAWに表示されているコンテンツの一部、例えば、最初のパラグラフ等をコンテンツ表示領域DPに表示させる。
【0034】
ユーザがプレゼンテーションを始めると、ユーザの音声がマイク15によって取得され、音声認識部24によって音声認識され、文字データが出力される。表示制御部21は、音声認識部24からの文字データと登録アプリケーションのウィンドウAWに表示されているコンテンツとに応じて、コンテンツ表示領域DPに表示させるコンテンツを更新する。これにより、ユーザは、コンテンツ表示領域DPに表示されたコンテンツを読み進めることにより、プレゼンテーション等を行うことが可能となる。これにより、ユーザの視線をカメラ6近傍に収めることができる。この結果、ビデオ会議の参加者の方を見ながらプレゼンテーションを行っているような印象を与えることが可能となる。
【0035】
また、判定部23によって、ユーザがコンテンツ表示領域DPを見ていない状態が所定期間以上維持されたと判定された場合には、表示制御部21は、視線追跡部22の追跡結果に応じて、コンテンツ表示領域DPの位置を移動させる。これにより、ユーザが所定期間以上、コンテンツ表示領域DPから目を離していた場合でも、その視線の先にコンテンツ表示領域DPを移動させることが可能となる。また、このようにしてコンテンツ表示領域DPを移動させた場合において、表示制御部21は、コンテンツ表示領域DPをホームポジションに戻すように移動させる。ユーザの視線をホームポジションに自然に戻すことが期待できる。
【0036】
そして、ユーザによるプレゼンテーションが終了し、登録アプリケーションが閉じられると、表示制御部21は、コンテンツ表示領域DPを非表示とする。また、これに伴い、視線追跡部22、音声認識部24は動作を停止する。
【0037】
以上説明してきたように、本実施形態によれば、情報処理装置10は、表示パネル5と、表示パネル5の背面に設置されたカメラ6と、テレビ会議中において所定の条件を満たした場合に、カメラ6の近傍にコンテンツを表示させるためのコンテンツ表示領域DPを表示させる表示制御部21とを備えている。これにより、カメラ6の近傍にプレゼンテーションに関する情報、例えば、プレゼンテーション資料のコンテンツを表示させることが可能となる。この結果、ユーザは、カメラ6に視線を向けながらプレゼンテーションのコンテンツを読むことができ、ビデオ会議の参加者の方を見ながらプレゼンテーションを行っているような印象を与えることが可能となる。
【0038】
以上、本開示について実施形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。開示の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0039】
例えば、上述した実施形態では、ユーザの視線を追跡し、視線の追跡結果に基づいてコンテンツ表示領域DPの移動を制御していたが、これに限られない。例えば、ユーザの視線の追跡に代えて、ユーザの顔(例えば、顔の向き)、頭部の動きを追跡することとしてもよい。なお、顔又は頭部の動きの追跡手法については、公知の技術を適宜採用することが可能である。
【0040】
また、上述した実施形態では、音声認識部24によって取得された音声データ及びウィンドウAWに表示されたコンテンツに基づいてコンテンツ表示領域DPに表示させるコンテンツを更新していたが、この例に限られない。
例えば、ユーザがコンテンツ表示領域DPに表示させるコンテンツをコントロール可能な構成としてもよい。例えば、ユーザがコンテンツ表示領域DPに表示させるコンテンツを指定できるとともに、そのコンテンツの表示速度、一時停止、停止等をユーザが入力デバイス4等を介してコントロールできるような構成としてもよい。
【0041】
また、他の態様として、ユーザによるプレゼンテーションが開始された場合に、表示制御部21が、コンテンツ表示領域DPに表示させるコンテンツを所定の速度で更新することとしてもよい。このように、一定の速度でコンテンツを更新することで、例えば、緊張などによって読む速度が早くなりすぎたり、不安定になったりといったことを回避でき、ユーザの読むスピードを安定させることが可能となる。
【0042】
また、上述した実施形態では、情報処理装置10が備える表示パネル5に登録アプリケーションのウィンドウAWが表示されている場合を例示して説明したが、これに限れない。例えば、マルチディスプレイを使用している場合には、外部モニタの表示画面に登録アプリケーションのウィンドウAWが表示されていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
2 :本体側筐体
3 :ディスプレイ側筐体
4 :入力デバイス
5 :表示パネル
6 :カメラ
10 :情報処理装置
11 :CPU
12 :メインメモリ
13 :二次記憶装置
15 :マイク
16 :外部インターフェース
17 :通信インターフェース
20 :プレゼンテーション支援システム
21 :表示制御部
22 :視線追跡部(追跡部)
23 :判定部
24 :音声認識部
26 :記憶部
AW :ウィンドウ
CA :カメラ領域
DP :コンテンツ表示領域
【要約】
【課題】参加者の方を見ながらプレゼンテーションを行っているような印象を与えることのできる情報処理装置及びプレゼンテーション支援方法を提供すること。
【解決手段】情報処理装置10は、表示パネル5と、表示パネル5の背面に設置されたカメラ6と、テレビ会議中において所定の条件を満たした場合に、カメラ6の近傍にコンテンツを表示させるためのコンテンツ表示領域DPを表示させる表示制御部とを備える。表示パネル5は、カメラ6に光を入射させるためのカメラ領域CAを有している。表示制御部は、ホームポジションとして、カメラ領域CAを包含するようにコンテンツ表示領域DPを表示させる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5