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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】分岐ホースの製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/16 20060101AFI20240711BHJP
   F16L 11/04 20060101ALI20240711BHJP
   F16L 41/02 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
B26F1/16
F16L11/04
F16L41/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023044894
(22)【出願日】2023-03-22
(62)【分割の表示】P 2019005513の分割
【原出願日】2019-01-16
(65)【公開番号】P2023083286
(43)【公開日】2023-06-15
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】長屋 宏
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-174441(JP,A)
【文献】特開2004-338059(JP,A)
【文献】特開2009-52916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 1/16
F16L 11/04
F16L 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部が開口するホース本体から分岐管部が分岐すると共に当該分岐管部の分岐基端側が閉塞部で塞がれた被加工品に対し、当該閉塞部を孔開けすることによりホース本体と分岐管部とが連通した分岐ホースを製造する製造装置であって、
記ホース本体の前記分岐管部に対して挿脱可能に設けられ、当該分岐管部を塞ぐ前記閉塞部を孔開けする孔開け加工部と、
前記孔開け加工部に設けられ、前記ホース本体の内部空間に向けてエアーを吹き込むエアー吹込部と、
前記ホース本体の内部空間の空気圧を検出する検出部とを備え
ことを特徴とする分岐ホースの製造装置。
【請求項2】
前記ホース本体の両端部の開口を塞ぐ保持部を備え、
前記孔開け加工部により前記閉塞部を孔開けした後に、前記ホース本体の両端部の開口を前記保持部で塞いだ状態で、前記エアー吹込部から前記分岐管部の内部にエアーを吹き込んで、前記内部空間の空気圧を前記検出部で検出するよう構成された請求項1記載の分岐ホースの製造装置。
【請求項3】
両端部が開口するホース本体から分岐管部が分岐すると共に当該ホース本体の分岐基端側が閉塞部で塞がれた被加工品に対し、当該閉塞部に孔開けすることによりホース本体と分岐管部とが連通する分岐ホースを製造する製造方法であって、
記ホース本体の前記分岐管部に孔開け加工部を挿入し、当該分岐管部を塞ぐ前記閉塞部を孔開けして当該ホース本体と分岐管部とを連通させる孔開け工程と、
孔開けした前記孔開け加工部を前記分岐管部に挿入した状態で、当該孔開け加工部から前記ホース本体の内部空間に向けてエアーを吹き込むエアー吹き込み工程とを有し、
前記エアー吹き込み工程では、前記ホース本体の両端部の開口を塞いだ状態で前記孔開け加工部から前記ホース本体の内部空間に向けてエアーを吹き込んで、前記ホース本体の内部空間の空気圧を検出する
ことを特徴とする分岐ホースの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、両端部が開口するホース本体から分岐管部が分岐した分岐ホースの製造装置および製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の工業製品や住宅等の建築物には、空気等の流体を流通させるホースが様々な場所に取り付けられており、その取付場所に応じてホース本体から分岐管部が分岐した分岐ホースが採用されている。例えば、自動車では、このような分岐ホースをエンジン吸気用のエアクリーナホースに採用し、ホース本体から分岐した分岐管部にヘルムホルツの共鳴原理を応用したレゾネータ等の消音装置を取り付けることにより、吸気音を抑えて静粛性を高めるものが知られている。このような分岐ホースは、射出成形によりゴムや合成樹脂等により分岐基端側が塞がれた状態(非連通の状態)でホース本体から分岐管部が分岐するよう形成された被加工品を孔開け加工装置に設置し、当該孔開け加工装置が備えるホールソー等の工具を分岐管部に差し込んで当該分岐管部を塞いでいる閉塞部に孔開け加工することで、ホース本体と分岐管部とを連通させている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3440181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような分岐ホースは、その機能を発揮するために孔開け加工によってホース本体と分岐管部とを確実に連通させることが求められる。このため、孔開け加工した後に、孔開け加工装置から取り外した分岐ホースのホース本体の端部開口からレーザーセンサ等のレーザー光を孔開け加工した加工縁部に照射する等によりホース本体と分岐管部との連通状態の検査が行われており、分岐ホースの製造工数が嵩むと共に、孔開け加工装置とは別にレーザーセンサ等の検査装置が必要となる難点がある。
【0005】
すなわち本発明は、ホース本体と分岐管部とが連通した分岐ホースを効率良く製造可能な分岐ホースの製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、発明の第1形態は、
両端部が開口するホース本体から分岐管部が分岐すると共に当該分岐管部の分岐基端側が閉塞部で塞がれた被加工品に対し、当該閉塞部を孔開けすることによりホース本体と分岐管部とが連通した分岐ホースを製造する製造装置であって、
前記ホース本体を加工姿勢で保持する保持部と、
前記保持部で保持した前記ホース本体の前記分岐管部に対して挿脱可能に設けられ、当該分岐管部を塞ぐ前記閉塞部を孔開けする孔開け加工部と、
前記分岐管部から前記ホース本体の内部空間に向けてエアーを吹き込むエアー吹込部と、
前記ホース本体の内部空間の空気圧を検出する検出部とを備え、
前記孔開け加工部により前記閉塞部を孔開けした後に、前記ホース本体の両端部の開口を前記保持部で塞ぐよう保持した状態で前記エアー吹込部から前記分岐管部の内部にエアーを吹き込んで、前記内部空間の空気圧を前記検出部で検出するよう構成されたことを要旨とする。
このように、孔開け加工後に分岐管部からエアーを吹き込んでホース本体の内部空間の空気圧を検出することで、ホース本体と分岐管部との連通状態を検査することができ、ホース本体と分岐管部とが連通していない孔開け不良を判別することが可能になる。このため、孔開け加工後の検査を省略したり簡略化することができ、分岐ホースの製造効率を高めることができる。
【0007】
発明の第2形態は、
両端部の何れかの開口から前記ホース本体の内部空間にエアーを吹き込む第2のエアー吹込部を備え、
前記エアー吹込部および前記第2のエアー吹込部からエアーを吹き込んだ際の前記内部空間の空気圧を前記検出部で検出するよう構成されたことを要旨とする。
このように、ホース本体の内部空間にエアーを吹き込む第2のエアー吹込部を設けることで、孔開け加工前の被加工品の気密状態を検査することができ、分岐ホースの製造効率を高めることができる。また、孔開け加工の前後の気密状態の検査を共通の検出部を利用して検出することで、装置の簡略化を図り得る。
【0008】
発明の第3形態は、
前記保持部は、前記加工姿勢において両端部の開口が上下に位置するように前記ホース本体を保持するよう構成され、
前記保持部において前記ホース本体の下端部を保持する下側保持部に、上下に開口して前記内部空間に連通する連通開口部が形成されると共に、当該連通開口部を開閉部で開閉可能に構成され、
前記連通開口部を前記開閉部で塞いだ状態で前記分岐管部の内部にエアーを吹き込んで前記内部空間の空気圧を前記検出部で検出した後に、当該連通開口部を開放させるよう構成されたことを要旨とする。
このように、ホース本体の下端部を保持する下側保持部に形成した連通開口部を開閉部で開閉可能にすることで、孔開け加工後の分岐ホースの連通状態の検査を可能にしつつ、当該検査後は孔開け加工により生じた切り屑を排出することができ、効率良く孔開け加工を行うことができる。
【0009】
発明の第4形態は、
前記保持部は、前記加工姿勢において上側に位置する前記ホース本体の開口を塞ぐように保持する上側保持部と、当該加工姿勢において下側に位置する前記ホース本体の開口を塞ぐように保持する下側保持部とを備え、当該上側保持部および下側保持部により前記ホース本体を上下から挟んで保持し、当該上側保持部および下側保持部が相対的に離間することでホース本体の保持が解除されるよう構成され、
前記下側保持部を基台の上面側に弾発性を有する弾発部材を介して支持して、当該基台と下側保持部との間に隙間を形成するよう構成され、
前記開閉部は、前記基台と下側保持部との間の隙間に位置して前記連通開口部の下方に臨む閉鎖位置と、当該連通開口部の下方から退避した開放位置とに移動可能に構成され、
前記開閉部を閉鎖位置に移動させた状態で、前記上側保持部および前記下側保持部を相対的に近接移動して前記ホース本体を上下から挟んで保持することで、前記弾発部材を変形させながら押し下げられた下側保持部が開閉部に密着して前記連通開口部を塞ぐようにしたことを要旨とする。
このように、上側保持部および下側保持部によりホース本体を上下から挟んで保持した際に、ホース本体の下端部を支持する支持体が押し下げられて開閉部に密着することで、ホース本体の下側開口を塞ぐことができる。そして、上側保持部および下側保持部が相対的に離間すると、ホース本体の下端部を支持する支持体が押し上げられ、開閉部が開放位置に移動可能になる。
【0010】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、発明の第5形態は、
両端部が開口するホース本体から分岐管部が分岐すると共に当該ホース本体の分岐基端側が閉塞部で塞がれた被加工品に対し、当該閉塞部に孔開けすることによりホース本体と分岐管部とが連通する分岐ホースを製造する製造方法であって、
前記ホース本体を加工姿勢で保持する保持工程と、
保持した前記ホース本体の前記分岐管部に孔開け加工部を挿入し、当該分岐管部を塞ぐ前記閉塞部を孔開けして当該ホース本体と分岐管部とを連通させる孔開け工程と、
孔開けした前記孔開け加工部を前記分岐管部に挿入した状態で、当該分岐管部から前記ホース本体の内部空間に向けてエアーを吹き込むエアー吹き込み工程とを有し、
前記エアー吹き込み工程では、前記ホース本体の両端部の開口を塞ぐよう保持した状態で前記分岐管部から前記ホース本体の内部空間に向けてエアーを吹き込んで、前記ホース本体の内部空間の空気圧を検出することを要旨とする。
このように、孔開け加工後に分岐管部の内部にエアーを吹き込んでホース本体の内部空間の空気圧を検出することで、ホース本体と分岐管部との連通状態を検査することができ、ホース本体と分岐管部とが連通していない孔開け不良を判別することが可能になる。このため、孔開け加工後の検査を省略したり簡略化することができ、分岐ホースの製造効率を高めることができる。
【0011】
発明の第6形態は、
前記保持工程では、両端部の開口が上下に位置する加工姿勢となるよう前記ホース本体を保持し、
前記エアー吹き込み工程では、前記加工姿勢において下側に位置する前記ホース本体の開口を塞ぐように保持する下側保持部に前記内部空間に連通するよう形成した連通開口部を開閉部で塞いだ状態で前記分岐管部の内部にエアーを吹き込み、前記内部空間の空気圧を検出した後に当該連通開口部を開放させるようにしたことを要旨とする。
このように、ホース本体の下端部を保持する下側保持部に形成した連通開口部を開閉部で開閉可能にすることで、孔開け加工後の分岐ホースの連通状態の検査を可能にしつつ、当該検査後は孔開け加工により生じた切り屑を排出することができ、効率良く孔開け加工を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るによれば、ホース本体と分岐管部とが連通した分岐ホースを効率良く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る分岐ホースの製造装置を断面で概略的に示す説明図である。
図2】下側保持部および下側基台を断面で概略的に示す説明図である。
図3】下側保持部、下側基台およびシャッター装置を示す概略的に示す平面図である。
図4】孔開け装置を概略的に示す説明図である。
図5】本発明に係る製造装置および製造装置により形成される分岐ホースを概略的に示す説明図である。
図6】本発明に係る分岐ホースの製造方法の製造工程を示す説明図であって、(a)および(b)は保持工程を示し、(c)は上側保持部のエアー吹込孔からエアーを吹き込む状態を示す。
図7】本発明に係る分岐ホースの製造方法の製造工程を示す説明図であって、(a)は孔開け工程を示し、(c)はエアー吹込工程を示す。
図8】本発明に係る分岐ホースの製造方法の製造工程を示す説明図であって、(a)は排出工程を示し、(c)は取り出し工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る分岐ホースの製造装置および製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。本実施例では、図5に示すように、両端部が開口するホース本体101から分岐した分岐管部102にレゾネータ等の消音装置Rを嵌合して取り付け可能なエアクリーナホースとして好適に使用可能な分岐ホース110を製造する構成を例示して説明する。この分岐ホース110は、本発明に係る分岐ホース110の製造装置および製造方法による加工前の状態で、ホース本体101から分岐する分岐管部102の分岐基端側が閉塞部103で塞がれて、ホース本体101と分岐管部102とが連通していない非連通状態に形成され、本発明に係る分岐ホース110の製造装置および製造方法により閉塞部103に孔開けされる。このような分岐管部102の分岐基端側が閉塞部103で塞がれた非連通ホース(被加工品)100は、合成樹脂やゴムを素材として従来公知の射出成形により成形される。
【実施例
【0015】
図1に示すように、実施例に係る分岐ホース110の製造装置は、ホース本体101を所定の加工姿勢で保持する保持部11,21と、保持部11,21で保持したホース本体101の分岐管部102に対して挿脱可能に設けられ、当該分岐管部102を塞ぐ閉塞部103を孔開けする孔開け加工部51と、当該分岐管部102からホース本体101の内部空間101aに向けてエアーを吹き込むエアー吹込部(後述するエアー吹込孔52)とを備えており、分岐管部102の閉塞部103に対する孔開け加工後に、分岐管部102からホース本体101の内部空間101aに向けてエアーを吹き込み可能に構成される。この実施例では、ホース本体101の両端部の開口が上下に位置する加工姿勢で保持部11,21が保持するよう構成されており、以下の説明では、当該加工姿勢を基準としてホース本体101の上下を指称して説明する。
【0016】
保持部11,21は、加工姿勢において上側に位置するホース本体101の開口端側を保持する上側保持部11と、当該加工姿勢において下側に位置するホース本体101の開口端側を保持する下側保持部21とを備えており、当該上側保持部11および下側保持部21によりホース本体101を上下から挟んで保持するようになっている。
【0017】
上側保持部11は、ホース本体101の上側に位置する開口端部を当接支持する上側支持部12と、当該上側支持部12から下方に突出してホース本体101の上端側の開口(上端側開口)に挿入可能な上側挿入部13とを備えている。この上側挿入部13は、ホース本体101の上端側開口の開口形状に略整合する形状に形成され、当該上端側開口に挿入した上側挿入部13の外周面がホース本体101の内周面に密着するようになっている。
【0018】
同様に、下側保持部21は、ホース本体101の下側に位置する開口端部を当接支持する下側支持部22と、当該下側支持部22から上方に突出してホース本体101の下端側の開口(下端側開口)に挿入可能な下側挿入部23とを備えている。この下側挿入部23は、ホース本体101の下端側開口の開口形状に略整合する形状に形成され、当該下端側開口に挿入した下側挿入部23の外周面がホース本体101の内周面に密着するようになっている。すなわち、ホース本体101の上端側開口に上側挿入部13を挿入することで、当該上端開口を塞ぐようにホース本体101の上端側が上側保持部11で保持されると共に、ホース本体101の下端側開口に下側挿入部23を挿入することで、当該下端開口を塞ぐようにホース本体101の下端側が下側保持部21で保持されるようになっている。
【0019】
また、上側保持部11には、エアーポンプPに繋がる配管H1が接続されたエアー吹込孔 (第2のエアー吹込部)14が形成されている。この上側保持部11のエアー吹込孔14は、上端側開口に上側挿入部13を挿入した状態でホース本体101の内部空間101aに開口するようになっており、エアーポンプPから送られたエアーが上側保持部11のエアー吹込孔14からホース本体101の内部空間101aに吹き込むようになっている。このエアーポンプPに繋がる配管H1には電磁弁等の切替装置CHが取り付けられ、当該切替装置によりエアーの吹き込みと遮断とを切り替え得るようになっている。また、エアーポンプPに繋がる配管H1の切替装置CHから上側保持部11までの間に空気圧センサSWが取り付けられており、ホース本体101の内部空間101aの空気圧を検出し得るよう構成されている。
【0020】
また、下側保持部21には、上下に貫通するように連通開口部27が形成されている。この連通開口部27は、閉塞部103に対する孔開け加工により生ずる切り屑Mが通過可能な形状および大きさで形成されると共に、下端側開口に下側挿入部23を挿入した状態でホース本体101の内部空間101aに開口するようになっている。すなわち、ホース本体101の下端側を下側保持部21で保持した状態で、孔開け加工により生じた切り屑Mを連通開口部27から下方に落下させて排出し得るよう構成されている。なお、連通開口部27は、切り屑Mが通過しやすいように可能な限り大きくするのが好ましい。
【0021】
上側保持部11および下側保持部21は、相対的に近接および離間するように移動可能な基台31,32に取り付けられ、両保持部11,21の間の間隔を可変し得るよう構成されている。すなわち、上側保持部11および下側保持部21を相対的に近接および離間させることで、両保持部11,21が相対的に離間してホース本体101を着脱可能な着脱可能状態と、両保持部11,21が相対的に近接してホース本体101を上下から挟んで保持する保持状態とに切り替えられるようになっている。この実施例では、固定的に設置された下側基台32の上面側に下側保持部21が取り付けられると共に、当該下側基台32の上方で上下方向に移動可能(昇降可能)に構成された上側基台31の下面側に、下側支持部22に対向するよう上側保持部11が取り付けられて、上側基台31に接続したシリンダ等の駆動装置ACを駆動することで当該上側基台31を昇降させ得るよう構成してある。
【0022】
また、図1図3に示すように、この下側基台32の上面には、下側保持部21を設置する設置部33に、当該下側保持部21の外周側を囲むように支持壁34が設けられると共に、上方に突出するガイド突部35が複数箇所(実施例では2箇所)に設けられている。そして、ガイド突部35の形成位置に合わせて上下に開口するガイド孔24が下側保持部21に設けられており、当該支持壁34で囲まれた設置部33においてガイド突部35に沿って下側保持部21が上下移動可能になっている。なお、支持壁34やガイド突部35の形成位置や形状、形成数等は、これに限られるものではなく任意に決定することができる。また、下側基台32(設置部33)には、下側保持部21の連通開口部27の形成位置に合わせて排出孔部36が形成されており、連通開口部27を通って落下する切り屑Mを下側基台32の下方へ排出し得るよう構成されている。
【0023】
ここで、ガイド突部35には、設置部33と下側保持部21の下面との間に弾発性を有するコイルばね(弾発部材)38が介装されており、下側基台32(設置部33)と下側保持部21の下面との間に隙間Sを形成するよう当該コイルばね38を介して下側保持部21が下側基台32(設置部33)の上面側に支持されている。すなわち、下側保持部21を上方から押し下げるように力が作用した際に、コイルばね38が圧縮変形しながら下側保持部21が設置部33に近接するよう下方移動すると共に、当該力の作用が無くなることでコイルばね38の弾発力により下側保持部21が上方移動して所定の隙間Sを形成するようになっている。なお、図2の符号35aは、ガイド突部35の突出端部に設けられた係止部であり、当該係止部35aが下側保持部21の上面側に係合することで下側保持部21のガイド孔24からガイド突部35が抜け出ないようにしている。
【0024】
また、下側基台32にはシャッター装置40が配設されており、当該シャッター装置40により下側保持部21の連通開口部27を開閉し得るよう構成されている。このシャッター装置40は、駆動手段42の駆動によりシャッター部材(開閉部)41を、下側基台32(設置部33)と下側保持部21との間の隙間Sに位置して連通開口部27の下方に臨む閉鎖位置と、当該連通開口部27の下方から退避した開放位置とに移動可能に構成され、当該シャッター部材41を閉鎖位置に移動させることで下側保持部21の連通開口部27が塞がれる一方、当該シャッター部材41を開放位置に移動させることで下側保持部21の連通開口部27が下側基台32の排出孔部36と連通するようになっている。なお駆動手段42としては、モータやシリンダ等の従来公知の各種手段を採用できる。この実施例では、図3に示すように、下側保持部21の外周側を部分的に囲むよう支持壁34を形成することで、設置部33と下側保持部21の下面との間の隙間Sが当該設置部33の外側に連通するシャッター挿通部44が設けられており、隙間Sに差し込み可能な平板状に形成したシャッター部材41を、当該シャッター挿通部44を介して隙間Sに挿脱するよう移動することで、シャッター部材41が閉鎖位置と開放位置に移動するよう構成してある。
【0025】
また、下側保持部21の下面には、ゴム等から形成された保持部シール材(シール材)25が連通開口部27を囲むように環状に設けられており、下側保持部21を押し下げた際に保持部シール材25がシャッター部材41の上面に接することで下側保持部21がシャッター部材41に密着するようにして連通開口部27を塞ぐようになっている。
【0026】
また実施例の上側基台31には、孔開け加工部51を備えた孔開け装置50が図示しないブラケットを介して支持されており、当該上側基台31の上下移動に合わせて孔開け装置50が上下移動するようになっている。この孔開け装置50は、図4に示すように、分岐管部102を塞ぐ閉塞部103に対して孔開けする孔開け加工部51と、孔開け加工部51を回転させる回転駆動部55と、上側保持部11および下側保持部21で保持したホース本体101の分岐管部102に対して挿脱する方向に孔開け加工部51を移動させる駆動手段61とを備えている。実施例では、孔開け加工部51および回転駆動部55を支持するケース体54を駆動手段61が移動させることで、孔開け加工部51がホース本体101の分岐管部102の外側に位置する退避位置と、孔開け加工部51が分岐管部102の内側に位置する挿入位置とに移動させ得るよう構成してある。なお駆動手段61としては、モータやシリンダ等の従来公知の各種手段を採用できる。
【0027】
孔開け加工部51は、分岐管部102に挿入する先端側が開口する有底の円筒状に形成されて、先端部に閉塞部103を孔開けする刃部51aが形成されている。この刃部51aは、分岐管部102の内径に略整合する外径に形成されると共に、円筒状の孔開け加工部51の内周先端側から外周先端側に向けて拡がるよう傾斜させて刃付けされており、分岐管部102の分岐基端部の近傍にて閉塞部103を孔開けし得るようになっている。
【0028】
回転駆動部55は、ベアリング等の軸受け56を介してケース体54に回転可能に支持された軸部57を、モータ等の駆動手段58により回転させるよう構成されている。この軸部57は、一方の端部がケース体54から突出するようになっており、当該ケース体54から突出する軸部57の端部に孔開け加工部51の底部が接続されて、軸部57を回転させることで孔開け加工部51が回転するようになっている。ここで、軸部57と駆動手段58とを繋ぐ伝達機構は、ギアやカム、リンク機構等の従来公知の機構を採用することができるが、この実施例では、ベルトを掛け渡したプーリ59の1つを軸部57の他端部に取り付けて、他のプーリ59を駆動手段58で回転させるよう構成されている。
【0029】
また、軸部57には、その長手方向に貫通するよう貫通孔57aが形成されると共に、軸部57における孔開け加工部51の取付端部とは反対側の端部に、貫通孔57aに連通するよう回転継手60が取り付けられており、当該回転継手60にエアーポンプPに繋がる配管H2が接続されている。そして、孔開け加工部51の底部には、当該軸部57の貫通孔57aに合わせてエアー吹込孔(エアー吹込部)52が貫通するよう形成されている。すなわち、この孔開け加工部51のエアー吹込孔52は、分岐管部102に孔開け加工部51を挿入した状態で分岐管部102の内部で開口するようになっており、エアーポンプPから送られたエアーが孔開け加工部51のエアー吹込孔52から分岐管部102に吹き込まれると共に、閉塞部103を孔開けした後は分岐管部102からホース本体101の内部空間101aに向けてエアーが吹き込まれるようになっている。なお、孔開け加工部51のエアー吹込孔52に繋がる配管H2は、電磁弁等の切替装置CHが取り付けられ、当該切替装置CHによりエアーの吹き込みと遮断とを切り替え得るようになっている。なお、実施例では、孔開け加工部51のエアー吹込孔52に対応する配管H2と、前述した上側保持部11のエアー吹込孔14に対応する配管H1とが同じ切替装置CHに接続するよう構成され、当該切替装置CHによりエアーポンプPのエアーを配管H1に導く状態と、配管H2に導く状態と、配管H1および配管H2の双方に導く状態と、何れの配管H1,H2に対しても導かない状態(遮断した状態)に切り替え得るようになっている。また、エアーポンプPに繋がる配管の切替装置CHから孔開け加工部51までの間には空気圧センサSWが取り付けられておらず、分岐管部102からホース本体101の内部空間101aに向けてエアーを吹き込んだ際に、ホース本体101の内部空間101aの空気圧を、上側保持部11のエアー吹込孔14に繋がる配管H1に取り付けた空気圧センサSWで検出し得るようになっている。
【0030】
また、孔開け加工部51には、ゴム等から形成された加工部シール材(シール材)53が外周面の全周に亘って延在するよう設けられており、分岐管部102に孔開け加工部51を挿入した際に加工部シール材53が分岐管の内周面に密着するよう構成されている。ここで、孔開け加工部51の先端から加工部シール材53までの長さは、分岐管部102の管長より短くなるよう構成されており、分岐管部102に挿入した孔開け加工部51の先端が閉塞部103に達する前に加工部シール材53が分岐管の内周面に密着するようになっている。
【0031】
次に、実施例に係る分岐ホース110の製造方法について、前述した製造装置を用いて説明する。
【0032】
先ず、上側基台31に接続したシリンダ等の駆動装置ACを駆動して当該上側基台31を上方に移動させ、上側保持部11および下側保持部21を相対的に離間する着脱可能状態とする。この状態で、非連通ホース100のホース本体101を、一方の端部の開口(下端側開口)に下側保持部21の下側挿入部23を挿入してホース本体101の下側の開口端部を下側保持部21の下側支持部22で当接支持する(図6(a))。この状態で、図6(b)に示すように、上側基台31の駆動装置ACを駆動して上側基台31を下降させて、ホース本体101の上方側開口に上側保持部11の上側挿入部13を挿入して、ホース本体101の上側の開口端部を上側保持部11の上側支持部12で当接支持する(保持工程)。
【0033】
更に、下側基台32(設置部33)と下側保持部21との間の隙間Sに位置する閉鎖位置にシャッター部材41を位置させた状態で、上側基台31を下降するよう駆動装置ACを駆動する。これにより、ホース本体101を介して下側保持部21に対して上方から押し下げるように力が作用し、コイルばね38が圧縮変形しながら下側保持部21が設下方移動してシャッター部材41に当接して、下側保持部21の連通開口部27がシャッター部材41で塞がれる。このとき下側保持部21の保持部シール材25がシャッター部材41に押し付けられることで、下側保持部21がシャッター部材41に密着する(図6(c))。なお、シャッター部材41の閉鎖位置への移動は、下側保持部21を上方から押し下げるより前のタイミングであればよい。これにより、両端部の開口が上下に位置する加工姿勢で保持されたホース本体101の内部空間101aが、上側挿入部13の外周面と下側挿入部23の外周面の夫々がホース本体101の内周面に密着すると共に、下側保持部21の連通開口部27がシャッター部材41で塞がれた略密閉された気密性の高い状態となる。
【0034】
この状態で、図6(c)に示すように、上側保持部11のエアー吹込孔14からホース本体101の内部空間101aにエアーを吹き込むすよう切替装置CHを作動すると共に、所定量のエアーを吹き吹き込んだ後にエアーの吹き込みを停止するよう切替装置CHを作動し、ホース本体101の内部空間101aの空気圧を空気圧センサSWで検出することで、ホース本体101の気密検査を行う(検査工程)。すなわち、気密性を高めたホース本体101の内部空間101aにエアーを吹き込むことで、空気圧センサSWの検出する空気圧が所定の基準値に満たない場合には、ホース本体101に孔等の破れが生じている可能性が高いことが判別できる。このように、孔開け加工を行う前(孔開け工程の前)にホース本体101の気密検査を行うことで、不良品に対して余分な加工がなされるのを防止できるから、分岐ホース110の製造効率を高めることができる。
【0035】
そして、図7(a)に示すように、孔開け加工部51の駆動手段61を駆動して孔開け加工部51をホース本体101の分岐管部102の開口から挿入すると共に、回転駆動部55に設けた駆動手段58を駆動して孔開け加工部51を回転させて分岐管部102を塞ぐ閉塞部103を孔開けし、ホース本体101と分岐管部102とを連通させる(孔開け工程)。ここで、孔開け加工部51の先端から加工部シール材53までの長さは、分岐管部102の管長より短くなるよう構成してあるから、分岐管部102に挿入した孔開け加工部51の先端が閉塞部103に達する前に加工部シール材53が分岐管の内周面に密着する。
【0036】
ここで、孔開け加工部51を分岐管部102に挿入する前に加工部シール材53に潤滑剤を塗布するようにしてもよい。ここで、加工部シール材53に潤滑剤を塗布することで、孔開け加工部51の分岐管部102への挿入や、分岐管部102内での孔開け加工部51の回転をスムーズに行うことができる。また、分岐管部102の閉塞部103を孔開けする過程で、加工部シール材53の潤滑剤が分岐管部102の内周面に塗布されるから、閉塞部103を孔開けした分岐ホース110の分岐管部102に消音装置Rを取り付ける際に、当該消音装置Rや分岐管部102に改めて潤滑剤を塗布することなく取り付けることが可能になる利点がある。ここで、潤滑剤としては、時間の経過によりその潤滑性が失われるものが好ましく、例えばアルコールや水のように時間経過に伴って自然に乾燥するものを好適に採用できる。このような乾燥性の潤滑剤を用いることで、分岐ホース110の分岐管部102に部品を取り付けた部品の弛みが生じ難くし得ると共に、埃等の付着を抑制できる。
【0037】
そして、図7(b)に示すように、孔開け工程の後に、孔開け加工部51を分岐管部102に挿入した状態で、当該孔開け加工部51のエアー吹込孔52からエアーを吹き込むよう切替装置CHを作動すると共に、所定量のエアーを吹き込んだ後にエアーの吹き込みを停止するよう切替装置CHを作動する(エアー吹き込み工程)。ここで、エアーの吹き込みは、加工部シール材53が分岐管の内周面に密着した状態で行われる。
【0038】
孔開け加工によりホース本体01の内部空間101aに分岐管部102が連通することから、エアー吹き込み工程において孔開け加工部51のエアー吹込孔52からエアーの吹き込みを停止した後に、ホース本体101の内部空間101aの空気圧を空気圧センサSWで検出することで、孔開け加工後のホース本体101の気密検査を行うことができる。すなわち、空気圧センサSWの検出する空気圧が基準値に満たない場合には、孔開け加工が十分に行われておらず、分岐管部102とホース本体101の内部空間101aが連通していないことが判別できる。このように、分岐管部102からのエアーの吹き込みを利用して、孔開け加工を行った後(孔開け工程の後)にホース本体101と分岐管部102との連通状態の検査(通気検査)を行うことで、分岐ホース110の製造効率を高めることができる。そして、孔開け加工により分岐管部102に孔開け加工部51を挿入した状態のまま通気検査を同時に連続して行うことができるから、孔開け加工から通気検査が完了するまでの作業時間の短縮を図ることができる。また、孔開け加工と通気検査を同時(連続的)に行うことで、孔開け加工後の検査を省略したり簡略化することができ、分岐ホースの製造効率を高めることができる。
【0039】
次に、分岐管部102に孔開け加工部51を挿入した状態で上側基台31を上昇させるよう駆動装置ACを駆動し、ホース本体101を介して押し下げられていた下側保持部21がコイルばね38弾発力によりシャッター部材41から離間する位置まで移動させた後にシャッター部材41を開放位置に移動して下側保持部21の連通開口部27を開放し、孔開け加工により生じた切り屑Mを排出する(排出工程)。このとき、図8(a)に示すように、上側保持部11のエアー吹込孔14と、孔開け加工部51のエアー吹込孔52の夫々からエアーを所定時間(例えば5秒)に亘って吹き込むようになっている。これにより、ホース本体101の内周面の凹凸部などに引っ掛かっていた切り屑Mを排出することができ、ホース本体101の内部空間101aに切り屑Mが残留するのを効果的に防止できる。
【0040】
その後、分岐管部102から孔開け加工部51を抜き取るように孔開け加工部51を後退させると共に上側基台31を上昇させて着脱可能状態とすることで、ホース本体101と分岐管部102とが連通した分岐ホース110を取り出すことができる(図8(b))。
【0041】
このように、本発明に係る分岐ホース110の製造装置および製造方法によれば、孔開け加工後に分岐管部102の内部にエアーを吹き込んで、ホース本体101の内部空間101aの空気圧を検出することで、ホース本体101と分岐管部102との連通状態を検査することができ、ホース本体101と分岐管部102とが連通していない孔開け不良を判別することが可能になる。このため、孔開け加工後の検査を省略したり簡略化することができ、分岐ホース110の製造効率を高めることができる。
【0042】
また、上側保持部11にエアー吹込孔14を設けて、ホース本体101の内部空間101aにエアーを吹き込み得るようにすることで、孔開け加工前の非連通ホース100の気密状態を検査することができ、分岐ホース110の製造効率を高めることができる。また、孔開け加工の前後の検査を共通の空気圧センサSWを利用して検出することで、装置の簡略化を図り得る。また、上側保持部11および下側保持部21によりホース本体101を上下から挟んで保持した際に、ホース本体101の下端部を支持する下側保持部21を押し下げてシャッター部材41に密着させることで、ホース内の気密性を高めることができ、気密状態の検査を精度良く行うことが可能になる。
【0043】
更に、ホース本体101の下端部を保持する下側保持部21に形成した連通開口部27をシャッター部材41で開閉可能にすることで、孔開け加工後の分岐ホース110の気密状態の検査を可能にしつつ、当該検査後は孔開け加工により生じた切り屑Mを排出することができ、効率良く孔開け加工を行うことができる。
【0044】
(変更例)
前述した実施例に限定されず、例えば以下のように変更することができる。
(1) 実施例では、上側保持部11を下側保持部21に対して近接および離間するように移動させるように構成したが、これに限られるものではなく、上側保持部11を取り付けた上側基台31を固定的に設置すると共に、下側保持部21を取り付けた下側基台32を上下荷移動するよう構成して、下側保持部21を上側保持部11に対して近接および離間するように移動させるようにしてもよい。また、上側保持部11および下側保持部21の双方を近接および離間するように移動させることも可能である。
(2) 実施例では、上側保持部11を上下移動可能な上側基台31に取り付けるようにしたが、ロボットアーム等に上側保持部11を取り付けるようにしてもよい。
(3) 実施例では、加工姿勢においてホース本体101の両端部の開口が上下に位置するようにしたが、ホース本体101の両端部の開口が左右に位置するようにしてもよく、ホース本体101の形状等に応じて適宜の加工姿勢にすることができる。
(4) 実施例では、シャッター部材41の開放により切り屑Mをそのまま排出するようにしたが、切り屑Mの排出を検出するようにしてもよい。具体的に、例えば下側基台32の排出孔部36に合わせて光電センサ等の検出手段を設けることで、排出孔部36を通って排出される切り屑Mを検出手段により検出することが可能となる。このように、排出される切り屑Mを直接検出することで、ホース本体101の内部空間101aの切り屑Mの残留を防止することが可能となる。
(5) 実施例では、シャッター部材41を開放位置と閉鎖位置との間をスライド移動するよう構成したが、シャッター部材41を反転させるよう構成してもよい。このようにシャッター部材41を反転することで、シャッター部材41上の切り屑Mをより確実に排出することができる。また、シャッター部材41に除電装置を取り付けることも可能である。除電装置を取り付けることで、静電気によりシャッター部材41に付着した切り屑Mを効果的に取り除くことができる。
【符号の説明】
【0045】
11 上側保持部(保持部),14 エアー吹込孔(第2のエアー吹込部)
21 下側保持部(保持部),27 連通開口部,38 コイルばね(弾発部材)
41 シャッター部材(開閉部),51 孔開け加工部,52 エアー吹込孔(エアー吹込部)
101 ホース本体,102 分岐管部,103 閉塞部
S 隙間,SW 空気圧センサ(検出部)
図1
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