(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240711BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023133134
(22)【出願日】2023-08-17
【審査請求日】2023-10-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】清水 徹
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特許第7297129(JP,B1)
【文献】特許第7293469(JP,B1)
【文献】特開2023-043870(JP,A)
【文献】国際公開第2022/016280(WO,A1)
【文献】藤村 考,トークンによるトークンの流通制御,電子情報通信学会技術研究報告,一般社団法人電子情報通信学会,2022年11月11日,Vol. 122 No.258,p.73-78
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの特性を示すトークンである固有トークンの種類と、所定の事業者、物品又はサービスと、の関連性
の高さに対応する値を含む関連性情報を取得する関連性情報取得部と、
ブロックチェーン上で管理される対象ユーザの特性を示すトークンである一又は複数の固有トークンのうち、前記関連性情報において前記対象ユーザに対して物品又はサービスである提供物を提供する提供事業者又は前記提供物と
の前記値が所定の
範囲内である前記種類の固有トークンを、対象トークンとして特定する特定部と、
前記提供物の提供に関する前記対象トークンの利用を許可するトークン管理部と、
前記トークン管理部が前記対象トークンの利用を許可したことに応じて、前記対象トークンの内容と、前記対象トークンの内容に対応する物品又はサービスの情報と、のうち少なくとも一方を情報端末に表示させる表示制御部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記トークン管理部は、前記対象ユーザが利用する情報端末において前記対象ユーザが前記提供事業者による前記対象トークンの利用を承諾したことを条件として、前記対象トークンの利用を許可する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記トークン管理部が前記提供物の提供に関する前記対象トークンの利用を許可する前に、前記対象トークンを示す情報を、前記対象ユーザが利用する情報端末に表示させる
、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記関連性情報は、前記種類と事業者、物品又はサービスとの関連性が高いほど大きい値であって、前記種類と事業者、物品又はサービスとの関連性が低いほど小さい値を含み、
前記特定部は、前記提供事業者又は前記提供物との前記値が所定の閾値以上である前記種類の固有トークンを、前記対象トークンとして特定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提供事業者が利用する情報端末から受け付けた前記関連性情報を記憶部に記憶させる受付部をさらに有し、
前記関連性情報取得部は、前記記憶部から前記関連性情報を取得する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供事業者が前記対象ユーザに前記提供物を提供したことに応じて、記憶部に記憶された前記対象トークンの前記種類と前記提供事業者又は前記提供物との関連性を示す前記関連性情報を更新する受付部をさらに有し、
前記関連性情報取得部は、前記記憶部から前記関連性情報を取得する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象トークンは、前記種類と、前記種類におけるユーザの特性の内容と、を関連付けた情報であり、
前記表示制御部は、前記トークン管理部が前記対象トークンの利用を許可したことに応じて、前記対象トークンの内容を、前記提供事業者が利用する情報端末に表示させる
、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記対象トークンは、前記種類と、前記種類におけるユーザの特性の内容と、を関連付けた情報であり、
前記特定部は、前記トークン管理部が前記対象トークンの利用を許可したことに応じて、前記対象トークンの内容に基づいて、前記対象ユーザに提案する物品又はサービスを含む提案内容を特定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特定部は、複数の前記種類の前記対象トークンの内容に基づいて、前記提案内容を特定する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記関連性情報は、複数の前記種類それぞれと事業者、物品又はサービスとの関連性の高さを示す値を含み、
前記特定部は、前記関連性の高さを示す値を用いて複数の前記種類の前記対象トークンに対して重み付けすることにより、前記提案内容を特定する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記提案内容を示す情報を、前記対象ユーザ又は前記提供事業者が利用する情報端末に表示させる
、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記種類は、固有トークンの発行者ごとに異なる情報を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記特定部は、前記対象ユーザが前記提供物の提供を受ける権利を示す受取トークンを保有していることを条件として、前記対象トークンを特定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサが実行する、
ユーザの特性を示すトークンである固有トークンの種類と、所定の事業者、物品又はサービスと、の関連性
の高さに対応する値を含む関連性情報を取得するステップと、
ブロックチェーン上で管理される対象ユーザの特性を示すトークンである一又は複数の固有トークンのうち、前記関連性情報において前記対象ユーザに対して物品又はサービスである提供物を提供する提供事業者又は前記提供物と
の前記値が所定の
範囲内である前記種類の固有トークンを、対象トークンとして特定するステップと、
前記提供物の提供に関する前記対象トークンの利用を許可するステップと、
前記対象トークンの利用が許可されたことに応じて、前記対象トークンの内容と、前記対象トークンの内容に対応する物品又はサービスの情報と、のうち少なくとも一方を情報端末に表示させるステップと、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックチェーン上で管理されるトークンに関する情報を処理するための情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの性別、年齢、職業等に基づいて、ユーザに広告として提示する商品情報を変更する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの性別、年齢、職業等の特性には、事業者が提供する物品又はサービスに関連する情報と関連しない情報とが含まれている。事業者にとって、ユーザの特性の情報を取得しても、物品又はサービスの提供に関連するユーザの特性の情報を選別して利用するために大きな手間が掛かるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、物品又はサービスの提供に関連するユーザの特性の情報を利用しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、ユーザの特性を示すトークンである固有トークンの種類と、所定の事業者、物品又はサービスと、の関連性を示す関連性情報を取得する関連性情報取得部と、ブロックチェーン上で管理される対象ユーザの特性を示すトークンである一又は複数の固有トークンのうち、前記関連性情報において前記対象ユーザに対して物品又はサービスである提供物を提供する提供事業者又は前記提供物と所定の関連性がある前記種類の固有トークンを、対象トークンとして特定する特定部と、前記提供物の提供に関する前記対象トークンの利用を許可するトークン管理部と、を有する。
【0007】
前記トークン管理部は、前記対象ユーザが利用する情報端末において前記対象ユーザが前記提供事業者による前記対象トークンの利用を承諾したことを条件として、前記対象トークンの利用を許可してもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記トークン管理部が前記提供物の提供に関する前記対象トークンの利用を許可する前に、前記対象トークンを示す情報を、前記対象ユーザが利用する情報端末に表示させる表示制御部をさらに有してもよい。
【0009】
前記関連性情報は、前記種類と事業者、物品又はサービスとの関連性が高いほど大きい値であって、前記種類と事業者、物品又はサービスとの関連性が低いほど小さい値を含み、前記特定部は、前記提供事業者又は前記提供物との前記値が所定の閾値以上である前記種類の固有トークンを、前記対象トークンとして特定してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記提供事業者が利用する情報端末から受け付けた前記関連性情報を記憶部に記憶させる受付部をさらに有し、前記関連性情報取得部は、前記記憶部から前記関連性情報を取得してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記提供事業者が前記対象ユーザに前記提供物を提供したことに応じて、記憶部に記憶された前記対象トークンの前記種類と前記提供事業者又は前記提供物との関連性を示す前記関連性情報を更新する受付部をさらに有し、前記関連性情報取得部は、前記記憶部から前記関連性情報を取得してもよい。
【0012】
前記対象トークンは、前記種類と、前記種類におけるユーザの特性の内容と、を関連付けた情報であり、前記情報処理装置は、前記トークン管理部が前記対象トークンの利用を許可したことに応じて、前記対象トークンの内容を、前記提供事業者が利用する情報端末に表示させる表示制御部をさらに有してもよい。
【0013】
前記対象トークンは、前記種類と、前記種類におけるユーザの特性の内容と、を関連付けた情報であり、前記特定部は、前記トークン管理部が前記対象トークンの利用を許可したことに応じて、前記対象トークンの内容に基づいて、前記対象ユーザに提案する物品又はサービスを含む提案内容を特定してもよい。
【0014】
前記特定部は、複数の前記種類の前記対象トークンの内容に基づいて、前記提案内容を特定してもよい。
【0015】
前記関連性情報は、複数の前記種類それぞれと事業者、物品又はサービスとの関連性の高さを示す値を含み、前記特定部は、前記関連性の高さを示す値を用いて複数の前記種類の前記対象トークンに対して重み付けすることにより、前記提案内容を特定してもよい。
【0016】
前記情報処理装置は、前記提案内容を示す情報を、前記対象ユーザ又は前記提供事業者が利用する情報端末に表示させる表示制御部をさらに有してもよい。
【0017】
前記種類は、固有トークンの発行者ごとに異なる情報を含んでもよい。
【0018】
前記特定部は、前記対象ユーザが前記提供物の提供を受ける権利を示す受取トークンを保有していることを条件として、前記対象トークンを特定してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、ユーザの特性を示すトークンである固有トークンの種類と、所定の事業者、物品又はサービスと、の関連性を示す関連性情報を取得するステップと、ブロックチェーン上で管理される対象ユーザの特性を示すトークンである一又は複数の固有トークンのうち、前記関連性情報において前記対象ユーザに対して物品又はサービスである提供物を提供する提供事業者又は前記提供物と所定の関連性がある前記種類の固有トークンを、対象トークンとして特定するステップと、前記提供物の提供に関する前記対象トークンの利用を許可するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、物品又はサービスの提供に関連するユーザの特性の情報を利用しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
【
図3】ユーザの特性を示す固有トークンを説明するための模式図である。
【
図4】事業者が関連性情報を設定するための関連性情報設定画面を表示している事業者端末の模式図である。
【
図5】提供事業者又は提供物と所定の関連性がある固有トークンを特定する処理を説明するための模式図である。
【
図6】対象トークンを示す情報を表示するための利用承諾画面を表示しているユーザ端末の模式図である。
【
図7】対象トークンの内容を表示するためのトークン情報表示画面を表示している事業者端末の模式図である。
【
図8】対象トークンの内容に基づいて物品又はサービスを対象ユーザに提案する処理を説明するための模式図である。
【
図9】実施形態に係る情報処理装置が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末2と、事業者端末3と、を含む。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0023】
情報処理装置1は、ブロックチェーン上に記憶される情報に関する処理を行うコンピュータである。ブロックチェーンは、情報処理装置1の記憶部又は情報処理装置1とは異なる装置の記憶部に構築される。ブロックチェーンは複数の装置の記憶部に構築されてもよく、この場合に情報処理装置1は当該複数の装置のうちいずれかであってもよい。
【0024】
ブロックチェーン上に記憶される情報は、例えば、ユーザの特性を示す固有トークンを含む。固有トークンは、当該固有トークンを保有するユーザの特性を示す情報であり、例えばソウルバウンドトークン(SBT: SoulBound Token)である。ユーザの特性は、例えば、ユーザの個人情報、ユーザの行動の履歴等を含む。固有トークンは、ブロックチェーン上でユーザ間で移転することが許可されないことにより、保有者であるユーザの特性を示すことが担保されている。
【0025】
固有トークンは、例えば、ネットワーク上の一又は複数の記憶部上のブロックチェーンによって、保有者であるユーザを識別するためのユーザ識別情報(ユーザID:Identifier)と関連付けて記憶される。ブロックチェーンは複数のデータのブロックを含み、各ブロックは固有トークンの保有者を示す一又は複数のトランザクションを含む。ブロックチェーン内の各ブロックには所定の規則で生成されたハッシュ値が含まれており、ブロック間のハッシュ値の整合性を確認することによりブロックチェーン全体の正しさが担保される。
【0026】
ユーザ端末2は、ユーザが利用する情報端末である。事業者端末3は、事業者が利用する情報端末である。ユーザは、ブロックチェーン上で当該ユーザの特性を示す固有トークンを保有する人間である。事業者は、ユーザに対して物品又はサービスを提供する事業者である。
【0027】
ユーザ端末2及び事業者端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。ユーザ端末2及び事業者端末3は、操作を受け付けるためのタッチパネル又はキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する。ユーザ端末2及び事業者端末3は、ネットワークを介して情報処理装置1と通信可能である。
【0028】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、ユーザの特性を示す固有トークンの種類と、所定の事業者、物品又はサービスと、の関連性を示す関連性情報を取得する。関連性情報は、例えば、固有トークンの種類と事業者、物品又はサービスとの関連性が高いほど大きい値であって、固有トークンの種類と事業者、物品又はサービスとの関連性が低いほど小さい値である関連値を含む。
【0029】
情報処理装置1は、ブロックチェーン上で管理されるユーザの特性を示す一又は複数の固有トークンのうち、関連性情報において提供事業者又は提供物と所定の関連性がある種類の固有トークンを、対象トークンとして特定する。情報処理装置1は、例えば、ユーザの特性を示す一又は複数の固有トークンのうち、提供事業者又は提供物との関連値が所定の閾値以上である種類の固有トークンを、対象トークンとして特定する。
【0030】
情報処理装置1は、提供物の提供に関する対象トークンの利用を許可する。情報処理装置1は、例えば、対象トークンの内容を事業者端末3に表示させ、又は対象トークンの内容に基づいて物品又はサービスをユーザに提案する。
【0031】
このように、情報処理システムSは、ユーザの特性を示す一又は複数の固有トークンのうち、事業者が提供する提供物と所定の関連性がある種類の固有トークンを、提供物の提供に関して利用可能にする。これにより、情報処理システムSは、提供物と関連しないユーザの特性まで事業者に開示されることを抑制し、事業者が物品又はサービスの提供に関連するユーザの特性の情報を利用しやすくすることができる。
【0032】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0033】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0034】
通信部11は、ネットワークを介してユーザ端末2及び事業者端末3との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、ユーザ端末2及び事業者端末3からネットワークを介して受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、ネットワークを介して、制御部13から出力されたデータをユーザ端末2に送信する。
【0035】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0036】
制御部13は、受付部131と、関連性情報取得部132と、提供物情報取得部133と、特定部134と、表示制御部135と、トークン管理部136と、を有する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、関連性情報取得部132、提供物情報取得部133、特定部134、表示制御部135及びトークン管理部136として機能する。
【0037】
以下、情報処理システムSが実行する処理について詳細に説明する。まず、ユーザの特性を示す固有トークンについて説明する。固有トークンは、当該固有トークンを保有するユーザの特性を示す情報である。
【0038】
本実施形態に係るブロックチェーンは、各ユーザの特性を示す固有トークンを予め記憶している。ユーザの特性は、例えば、性別、年齢、住所、出身地、職業、会員、家族構成、資産額等のユーザの個人情報を含む。また、ユーザの特性は、移動履歴、商品の購入履歴、サービスの契約履歴、グループへの加入履歴等のユーザの行動の履歴を含んでもよい。また、ユーザの特性は、通院歴、服薬歴、アレルギー歴等の医療情報を含んでもよい。
【0039】
また、ユーザの特性は、ユーザが本人確認済であることを示す情報を含んでもよい。本人確認済であることは、例えば、所定の機関がユーザから免許証、マイナンバーカード、保険証等の証明書の提示を受けることにより、当該ユーザの身元を確認したことである。ユーザが本人確認済であることを示す固有トークンの発行者は、当該ユーザに対して本人確認を行った機関であることが望ましい。
【0040】
図3は、ユーザの特性を示す固有トークンを説明するための模式図である。固有トークンは、例えば、固有トークンの種類と、ユーザの特性の内容(値ともいう)と、を関連付けた情報である。固有トークンの種類は、例えば、固有トークンの発行者ごとに異なる発行者識別情報(発行者ID)と、ユーザの特性を分類した項目と、を含む。各ユーザは、ブロックチェーン上で、一又は複数の発行者により発行された一又は複数の固有トークンを保有する。
【0041】
固有トークンの発行者は、所定の情報端末を用いて、情報処理装置1又はその他の装置に対して固有トークンの発行要求を送信する。発行要求は、固有トークンの種類及び内容と、当該ユーザのユーザIDと、を含む。ユーザの特性は、例えば、ユーザがユーザ端末2において入力した情報(アンケート等)、又はユーザの情報を管理する事業者から提供された情報(ユーザとの契約情報や取引情報等)に基づいて設定される。情報処理装置1又はその他の装置は、発行者から受け付けた発行要求に応じて、ユーザの特性を示す固有トークンを、当該ユーザを保有者としてブロックチェーンに発行させる。
【0042】
情報処理装置1又はその他の装置は、例えば、発行要求が示す種類と内容とを関連付けた固有トークンを、発行要求が示すユーザIDと関連付けてブロックチェーンに発行させる発行指示を、ブロックチェーンに送信する。ブロックチェーンは、情報処理装置1又はその他の装置が送信した発行指示に従って、固有トークンをユーザIDと関連付けて生成及び記憶する。これにより、ユーザの特性を示す固有トークンが、当該ユーザを保有者としてブロックチェーンに記憶される。
【0043】
あるユーザの特性を示す固有トークンは、ブロックチェーンにおいて、当該ユーザが保有者として記憶される。ユーザは、ブロックチェーン上で、当該ユーザの特性を示す固有トークンを保有する。ブロックチェーンにおいて、あるユーザの特性を示す固有トークンの保有者を、当該ユーザから他のユーザに変更することは許可されない。すなわち、固有トークンはユーザ間で移転不可能である。これにより、固有トークンは、保有者であるユーザの特性を示すことが担保される。
【0044】
次に関連性情報を設定する方法について説明する。情報処理装置1において、受付部131は、ユーザに対して物品又はサービスを提供する提供事業者から、固有トークンの種類と、所定の事業者、物品又はサービスと、の関連性を示す関連性情報の設定を受け付ける。複数の事業者が存在する場合に、情報処理装置1は、複数の事業者のうちいずれかを提供事業者として以降の処理を行う。
【0045】
受付部131は、例えば、提供事業者が関連性情報を設定するための関連性情報設定画面を表示するための表示情報を、事業者端末3に送信する。事業者端末3は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、関連性情報設定画面を表示する。
【0046】
図4は、提供事業者が関連性情報を設定するための関連性情報設定画面を表示している事業者端末3の模式図である。関連性情報設定画面は、例えば、物品又はサービスを選択するための領域と、固有トークンの種類と物品又はサービスとの関連性を設定するための領域と、を含む。物品又はサービスを選択するための領域は、例えば、提供事業者がユーザに対して提供し得る一又は複数の物品又はサービスを表す選択肢を含む。関連性情報設定画面は、物品又はサービスを選択するための領域に代えて、物品又はサービスを提供する事業者を選択するための領域を含んでもよい。
【0047】
関連性を設定するための領域は、例えば、一又は複数の固有トークンの種類それぞれに対して、選択された事業者、物品又はサービスとの関連性の高さを示す関連値を指定する入力欄(
図4の例ではスライダ)を含む。関連値は、例えば、固有トークンの種類と事業者、物品又はサービスとの関連性が高いほど大きい値であって、固有トークンの種類と事業者、物品又はサービスとの関連性が低いほど小さい値である。関連値は、最低値(例えば、ゼロ)である場合に固有トークンの種類と事業者、物品又はサービスとの関連性がないことを示し、当該最低値より大きい場合に固有トークンの種類と事業者、物品又はサービスとの関連性があることを示してもよい。また、関連値は、関連性があることを示す値と関連性がないことを示す値とのどちらかのみを示してもよい。
【0048】
事業者端末3は、提供事業者により所定の操作(例えば、送信ボタンの選択)が行われたことに応じて、関連性情報設定画面において設定された、事業者、物品又はサービスと、固有トークンの種類と、当該事業者、物品又はサービスと当該固有トークンの種類との関連性を示す関連値と、を関連付けた関連性情報を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、受付部131は、事業者端末3から受信した関連性情報を、提供事業者を識別するための事業者識別情報(事業者ID)と関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0049】
次に情報処理装置1が提供事業者又は提供物と所定の関連性がある固有トークンを特定する処理について説明する。
図5は、提供事業者又は提供物と所定の関連性がある固有トークンを特定する処理を説明するための模式図である。
【0050】
以下、一又は複数のユーザのうちいずれかのユーザを対象ユーザとして説明する。複数のユーザが存在する場合に、情報処理装置1は、例えば、複数のユーザのうちいずれかのユーザに対して接客する事業者が利用する事業者端末3からユーザのユーザIDを受信し、受信したユーザIDに対応するユーザを対象ユーザとして以降の処理を行ってもよい。また、情報処理装置1は、事業者が提供物を販売するためのWebサイトにアクセスしたユーザのユーザIDを当該Webサイトを提供するコンピュータから受信し、受信したユーザIDに対応するユーザを対象ユーザとして以降の処理を行ってもよい。また、情報処理装置1は、複数のユーザそれぞれを対象ユーザとして以降の処理を行ってもよい。
【0051】
提供事業者が対象ユーザに対して物品又はサービスを提案する際に、関連性情報取得部132は、記憶部12において提供事業者の事業者IDに関連付けられた、固有トークンの種類と事業者、物品又はサービスとの関連性を示す関連性情報を取得する。関連性情報は、例えば、一又は複数の固有トークンの種類それぞれと事業者、物品又はサービスとの関連性の高さを示す上述の関連値を含む。
【0052】
提供物情報取得部133は、記憶部12に予め記憶された、事業者が対象ユーザに対して提供可能な物品又はサービスである提供物の情報である提供物情報を取得する。提供物情報は、例えば、一又は複数の事業者と、当該事業者が提供する一又は複数の提供物と、を関連付けたデータベースとして記憶部12に予め記憶されている。提供物情報は、一又は複数の提供物それぞれに関する情報を含み、例えば、提供物の種類、構成、含有物、価格、提供物を提供する態様(接客の種類等)、提供物を購入したユーザに付与する特典等を含む。後述の特定部134が提供事業者と所定の関連性のある種類の固有トークンを特定する場合(特定部134が提供物情報を用いなくとも固有トークンを特定できる場合)に、提供物情報取得部133は提供物情報を取得しなくてもよい。
【0053】
特定部134は、ブロックチェーン上で管理される対象ユーザの特性を示す一又は複数の固有トークンのうち、関連性情報取得部132が取得した関連性情報において提供事業者又は提供物と所定の関連性がある種類の固有トークンを、対象トークンとして特定する。ブロックチェーン上で管理される固有トークンの種類と関連性情報が示す固有トークンの種類との表現対応が一致しない場合に、特定部134は、例えば、人間による入力に従って固有トークンの種類同士を対応付けてもよく、機械学習により固有トークンの種類同士を対応付けてもよい。
【0054】
特定部134は、例えば、関連性情報から、提供事業者又は提供物と、一又は複数の固有トークンの種類それぞれと、の関連値を取得する。特定部134は、複数の固有トークンの種類のうち、取得した関連値が所定の閾値以上である固有トークンの種類を抽出する。関連値の閾値は、記憶部12に予め記憶され、又は提供事業者により指定される。特定部134は、抽出した種類の固有トークンを、対象トークンとして特定する。これにより、情報処理システムSは、提供事業者又は提供物との関連性の程度が高い種類の固有トークンを利用可能にすることができる。
【0055】
また、特定部134は、ブロックチェーン上で対象ユーザが提供物の提供を受ける権利を示す受取トークンを保有していることを条件として、対象トークンを特定してもよい。受取トークンは、受取トークンの保有者であるユーザが所定の物品又はサービスの提供を受ける権利を示す情報である。受取トークンは、例えば、受取トークンによって提供する物品又はサービスを示す情報と、受取トークンが利用済であるか否か(ユーザが物品又はサービスの提供を受けたか否か)を示す情報と、を含む。
【0056】
ブロックチェーンは、所定の発行者が行った発行要求に基づいて、受取トークンを保有者であるユーザのユーザIDと関連付けて記憶する。受取トークンは、固有トークンと同じブロックチェーン上で管理され、又は固有トークンと異なるブロックチェーン上で管理される。
【0057】
特定部134は、例えば、ブロックチェーン上で対象ユーザのユーザIDに関連付けられた受取トークンを取得する。そして特定部134は、取得した受取トークンによって提供する一又は複数の提供物と所定の関連性がある種類の固有トークンを、対象トークンとして特定する。これにより、情報処理システムSは、対象ユーザが既に提供を受ける権利を有している提供物に限って、当該提供物に関連する種類の固有トークンを利用可能にすることができる。
【0058】
表示制御部135は、後述のトークン管理部136が提供物の提供に関する対象トークンの利用を許可する前に、特定部134が特定した対象トークンを示す情報を、対象ユーザが利用するユーザ端末2に表示させる。表示制御部135は、例えば、対象ユーザが利用するユーザ端末2に、特定部134が特定した対象トークンを示す情報を表示するための表示情報を送信する。ユーザ端末2は、情報処理装置1が送信した表示情報に従って、対象トークンを示す情報を表示するための利用承諾画面を表示する。
【0059】
図6は、対象トークンを示す情報を表示するための利用承諾画面を表示しているユーザ端末2の模式図である。利用承諾画面は、例えば、特定部134が特定した一又は複数の対象トークンを示す情報と、提供事業者による対象トークンの利用を承諾するか否かを選択するための領域と、を含む。対象トークンを示す情報は、対象トークンの種類と対象トークンの内容との少なくとも一方を含む。
【0060】
対象トークンの利用を承諾するか否かを選択するための領域は、例えば、一又は複数の対象トークンの種類それぞれと関連付けて承諾するか否かを選択するための選択ボックスを含む。これにより、情報処理システムSは、一又は複数の対象トークンの種類それぞれに対して、対象ユーザから利用を承諾するか否かの希望を受け付けることができる。
【0061】
ユーザ端末2は、対象ユーザにより所定の操作(例えば、送信ボタンが行われたことに応じて、一又は複数の対象トークンの種類それぞれと関連付けて提供事業者による対象トークンの利用を承諾するか否かを示す承諾情報を情報処理装置1に送信する。
【0062】
情報処理装置1において、受付部131は、ユーザ端末2が送信した承諾情報を受け付ける。トークン管理部136は、受付部131が受け付けた承諾情報が、いずれかの対象トークンの種類に対して対象ユーザが提供事業者による対象トークンの利用を承諾したことを示す場合に、当該種類の対象トークンの利用を許可する。一方、トークン管理部136は、受付部131が受け付けた承諾情報が、いずれかの対象トークンの種類に対して対象ユーザが提供事業者による対象トークンの利用を承諾しないことを示す場合に、当該種類の対象トークンの利用を許可しない。
【0063】
また、トークン管理部136は、対象ユーザが提供事業者による対象トークンの利用を承諾するか否かによらず、特定部134が対象トークンを特定したことに応じて、当該対象トークンの利用を自動的に許可してもよい。この場合に、表示制御部135は、対象ユーザが利用するユーザ端末2に対象トークンを示す情報を表示させなくてもよい。
【0064】
トークン管理部136が対象トークンの利用を許可したことに応じて、情報処理装置1は、(1)事業者端末3に対象トークンの内容を表示させる処理と、(2)対象トークンの内容に基づいて物品又はサービスを提案する処理と、の少なくとも一方を実行する。トークン管理部136は、複数の対象トークンの種類のうち一部の種類の対象トークンの利用を許可した場合に、当該一部の種類の対象トークンのみを用いて以降の処理を行う。
【0065】
第1に、事業者端末3に対象トークンの内容を表示させる処理について説明する。表示制御部135は、トークン管理部136が対象トークンの利用を許可したことに応じて、トークン管理部136が利用を許可した対象トークンの内容を、提供事業者が利用する事業者端末3に表示させる。表示制御部135は、例えば、事業者端末3に、トークン管理部136が利用を許可した対象トークンの内容を表示するための表示情報を送信する。ユーザ端末2は、情報処理装置1が送信した表示情報に従って、トークン管理部136が利用を許可した対象トークンの内容を表示するためのトークン情報表示画面を表示する。
【0066】
図7は、対象トークンの内容を表示するためのトークン情報表示画面を表示している事業者端末3の模式図である。トークン情報表示画面は、例えば、特定部134が特定した一又は複数の対象トークンそれぞれの種類と、当該対象トークンの内容と、を含む。これにより、情報処理システムSは、対象ユーザが保有する一又は複数の固有トークンのうち提供事業者又は提供物と関連性がある種類の固有トークンの情報のみを提供事業者に提示することができ、提供事業者が提供物の提供に関連する対象ユーザの特性を選別する手間を削減することができる。
【0067】
第2に、対象トークンの内容に基づいて物品又はサービスを提案する処理について説明する。
図8は、対象トークンの内容に基づいて物品又はサービスを対象ユーザに提案する処理を説明するための模式図である。
【0068】
特定部134は、トークン管理部136が対象トークンの利用を許可したことに応じて、対象トークンの内容に基づいて、対象ユーザに提案する物品又はサービスを含む提案内容を特定する。
【0069】
特定部134は、例えば、トークン管理部136が利用を許可した対象トークン(固有トークン)の内容と、提供物情報取得部133が取得した提供物情報と、を比較する。特定部134は、提供事業者が対象ユーザに対して提供可能な一又は複数の提供物のうち、対象トークンの内容に対して所定の条件を満たす提供物情報に対応する提供物を抽出する。
【0070】
特定部134は、例えば、記憶部12に予め記憶された規則に従って、対象トークンの内容(特定の性別又は年齢層等)に対応する提供物情報(特定の種類又は構成等)を有する提供物を抽出する。特定部134は、抽出した提供物の提供物情報の少なくとも一部を含む情報を、対象ユーザに提案する提案内容として特定する。
【0071】
表示制御部135は、特定部134が特定した提案内容を示す情報を、対象ユーザが利用するユーザ端末2又は提供事業者が利用する事業者端末3に表示させる。表示制御部135は、例えば、対象ユーザが利用するユーザ端末2又は提供事業者が利用する事業者端末3に、特定部134が特定した提案内容を示す情報を表示するための表示情報を送信する。ユーザ端末2又は事業者端末3は、情報処理装置1が送信した表示情報に従って、特定部134が特定した提案内容を示す情報を表示する。これにより、情報処理システムSは、対象ユーザが保有する一又は複数の固有トークンのうち提供事業者又は提供物と関連性がある種類の固有トークンの情報のみに基づいて、自動的に対象ユーザに物品又はサービスを提案することができる。
【0072】
特定部134は、複数の種類の対象トークンの内容に基づいて、提案内容を特定してもよい。ここで特定部134は、関連性情報が示す関連値を用いて複数の種類の対象トークンに対して重み付けすることにより、提案内容を特定することが望ましい。特定部134は、例えば、記憶部12に予め記憶された規則に従って、複数の種類の対象トークンそれぞれの内容に対応する提供物情報に対して、当該種類の対象トークンの関連値に応じたスコア(関連値が大きいほど高いスコア)を付与する。特定部134は、例えば、付与されたスコアが高い順に所定数の提供物情報を抽出する。特定部134は、抽出した提供物情報の少なくとも一部を含む情報を、対象ユーザに提案する提案内容として特定する。これにより、情報処理システムSは、対象ユーザが保有する複数の種類の対象トークンを考慮して、対象ユーザに物品又はサービスを提案することができる。
【0073】
提供事業者が対象ユーザに提供物を提供したことに応じて、受付部131は、記憶部12に記憶された関連性情報を更新してもよい。受付部131は、例えば、事業者端末3から、提供事業者が対象ユーザに提供物を提供したことを示す情報を受信した場合に、対象ユーザが保有する一又は複数の固有トークンの種類と、提供事業者又は提供物と、の関連性があることを示すように、記憶部12に記憶された関連性情報を更新する。これにより、情報処理システムSは、対象ユーザに対して提供された提供物は対象ユーザが保有する固有トークンの種類と関連性があると推定して、自動的に関連性情報を更新することができる。
【0074】
[情報処理方法のフロー]
図9は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。提供事業者が対象ユーザに対して物品又はサービスを提案する際に、関連性情報取得部132は、記憶部12から固有トークンの種類と事業者、物品又はサービスとの関連性を示す関連性情報を取得する(S11)。
【0075】
提供物情報取得部133は、記憶部12に予め記憶された、提供事業者の情報又は提供事業者が対象ユーザに対して提供可能な物品又はサービスである提供物の情報である提供物情報を取得する(S12)。
【0076】
特定部134は、ブロックチェーン上で管理される対象ユーザの特性を示す一又は複数の固有トークンのうち、関連性情報取得部132が取得した関連性情報において提供事業者又は提供物と所定の関連性がある種類の固有トークンを、対象トークンとして特定する(S13)。
【0077】
表示制御部135は、トークン管理部136が提供物の提供に関する対象トークンの利用を許可する前に、特定部134が特定した対象トークンを示す情報を、対象ユーザが利用するユーザ端末2に表示させる(S14)。
【0078】
受付部131は、ユーザ端末2から、対象ユーザが提供事業者による対象トークンの利用を承諾するか否かを示す承諾情報を受け付ける。トークン管理部136は、受付部131が受け付けた承諾情報が、対象ユーザが提供事業者による対象トークンの利用を承諾しないことを示す場合に(S15のNO)、対象トークンの利用を許可せず(S16)、処理を終了する。
【0079】
トークン管理部136は、受付部131が受け付けた承諾情報が、対象ユーザが提供事業者による対象トークンの利用を承諾したことを示す場合に(S15のYES)、対象トークンの利用を許可する(S17)。
【0080】
表示制御部135は、トークン管理部136が対象トークンの利用を許可したことに応じて、トークン管理部136が利用を許可した対象トークンの内容を、提供事業者が利用する事業者端末3に表示させる(S18)。
【0081】
また、特定部134は、トークン管理部136が対象トークンの利用を許可したことに応じて、対象トークンの内容に基づいて、対象ユーザに提案する物品又はサービスを含む提案内容を特定する。表示制御部135は、特定部134が特定した提案内容を示す情報を、対象ユーザが利用するユーザ端末2又は提供事業者が利用する事業者端末3に表示させる(S19)。情報処理装置1は、ステップS18とステップS19とのどちらか一方のみを実行してもよい。
【0082】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSによれば、情報処理装置1は、ユーザの特性を示す一又は複数の固有トークンのうち、事業者が提供する提供物と所定の関連性がある種類の固有トークンを、提供物の提供に関して利用可能にする。これにより、情報処理システムSは、提供物と関連しないユーザの特性まで事業者に開示されることを抑制し、事業者が物品又はサービスの提供に関連するユーザの特性の情報を利用しやすくすることができる。
【0083】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0084】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0085】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 関連性情報取得部
133 提供物情報取得部
134 特定部
135 表示制御部
136 トークン管理部
2 ユーザ端末
3 事業者端末
【要約】
【課題】物品又はサービスの提供に関連するユーザの特性の情報を利用しやすくする。
【解決手段】情報処理装置1は、ユーザの特性を示すトークンである固有トークンの種類と、所定の事業者、物品又はサービスと、の関連性を示す関連性情報を取得する関連性情報取得部132と、ブロックチェーン上で管理される対象ユーザの特性を示すトークンである一又は複数の固有トークンのうち、関連性情報において対象ユーザに対して物品又はサービスである提供物を提供する提供事業者又は提供物と所定の関連性がある種類の固有トークンを、対象トークンとして特定する特定部134と、提供物の提供に関する対象トークンの利用を許可するトークン管理部136と、を有する。
【選択図】
図2