(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】自動車用の後部下方制御アーム
(51)【国際特許分類】
B60G 7/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
B60G7/00
(21)【出願番号】P 2023502657
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 IB2020057190
(87)【国際公開番号】W WO2022023794
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アブデディーン,ザカリア
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-048890(JP,U)
【文献】特開2008-168907(JP,A)
【文献】特開平09-123722(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0205879(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0067312(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空容積(5h)を共に画定する上部品(5t)および下部品(5b)を備える自動車用の後部下方制御アーム(5)であって、前記上部品(5t)および前記下部品(5b)は、それぞれ、
上部水平面外周部(5tho)および下部水平面外周部(5bho)でそれぞれ区切られた上部水平面(5th)および下部水平面(5bh)と、
上部水平面外周部(5tho)および下部水平面外周部(5bho)の少なくとも一部に沿って水平面と比較して少なくとも45°の一般的な方向に延びる上部側壁(5ts)および下部側壁(5bs)であって、前記上部側壁(5ts)および前記下部側壁(5bs)が上部側壁外周部(5tso)および下部側壁外周部(5bso)で区切られる、上部側壁(5ts)および下部側壁(5bs)と、
水平面と比較して少なくとも45°の一般的な方向に延びる上部第1の穴側壁(17ts)および下部第1の穴側壁(17bs)をそれぞれ備える上部第1の穴(17t)および下部第1の穴(17b)であって、前記上部第1の穴側壁(17ts)および前記下部第1の穴側壁(17bs)が上部第1の穴側壁外周部(17tso)および下部第1の穴側壁外周部(17bso)で区切られる、上部第1の穴(17t)および下部第1の穴(17b)と、
水平面と比較して少なくとも45°の一般的な方向に延びる上部第2の穴側壁(19ts)および下部第2の穴側壁(19bs)をそれぞれ備える上部第2の穴(19t)および下部第2の穴(19b)であって、前記上部第2の穴側壁(19ts)および前記上部第2の穴側壁(19bs)が上部第2の穴側壁外周部(19tso)および下部第2の穴側壁外周部(19bso)で区切られる、上部第2の穴(19t)および下部第2の穴(19b)と、
をそれぞれ備え、
前記上部品(5t)および前記下部品(5b)は、
前記上部水平面外周部(5tho)および前記下部水平面外周部(5bho)の少なくとも一部を互いに固定することにより、
前記上部第1の穴側壁外周部(17tso)および前記下部第1の穴側壁外周部(17bso)の少なくとも一部を互いに固定することにより、
かつ、前記上部第2の穴側壁外周部(19tso)および前記下部第2の穴側壁外周部(19bso)の少なくとも一部を互いに固定することにより、
互いに接合され
、
上部第1の穴側壁外周部(17tso)および下部第1の穴側壁外周部(17bso)は第1の中間部品(17m)を介して互いに接合され、上部第1の穴側壁外周部(17tso)は上部第1の穴アセンブリ周囲部(17tw)に沿って第1の中間部品(17m)に取り付けられ、下部第1の穴側壁外周部(17bso)は下部第1の穴アセンブリ周囲部(17bw)に沿って第1の中間部品(17m)に取り付けられ、前記上部第1の穴アセンブリ周囲部(17tw)は前記下部第1の穴アセンブリ周囲部(17bw)よりも仰角方向に高い所に配置される、後部下方制御アーム(5)。
【請求項2】
上部品(5t)および下部品(5b)は溶接によって互いに接合される、請求項1に記載の後部下方制御アーム(5)。
【請求項3】
上部第2の穴側壁外周部(19tso)および下部第2の穴側壁外周部(19bso)は第2の中間部品(19m)を介して互いに接合され、上部第2の穴側壁外周部(19tso)は上部第2の穴アセンブリ周囲部(19tw)に沿って第2の中間部品(19m)に取り付けられ、下部第2の穴側壁外周部(19bso)は下部第2の穴アセンブリ周囲部(19bw)に沿って第2の中間部品(19m)に取り付けられ、前記上部第2の穴アセンブリ周囲部(19tw)は前記下部第2の穴アセンブリ周囲部(19bw)よりも仰角方向に高い所に配置される、請求項1
または2に記載の後部下方制御アーム(5)。
【請求項4】
車両のシャーシ要素のための4つの取付点を備え、前記4つの取付点には、振動減衰材料を備えるブッシング(15)が装備される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の後部下方制御アーム(5)。
【請求項5】
上部側壁(5ts)および下部側壁(5bs)は、それぞれ上部水平面外周部(5tho)および下部水平面外周部(5bho)の全長に亘っては延びておらず、上部側壁(5ts)および下部側壁(5bs)が延びていない領域は、それぞれ上部側壁開口(5tsa)および下部側壁開口(5bsa)と呼ばれ、ブッシング(15)は、前記上部側壁開口(5tsa)の少なくとも一部と前記下部側壁開口(5bsa)の少なくとも一部との間に配置される、請求項
4に記載の後部下方制御アーム(5)。
【請求項6】
上部品(5t)および下部品(5b)は、2009年10月に発行されたISO規格ISO6892-1に従って測定される、780MPaを超える極限引張強さを有する鋼で出来ている、請求項1~
5のいずれか一項に記載の後部下方制御アーム(5)。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の後部下方制御アームを製造するプロセスであって、
a/第1のフラットシートおよび第2のフラットシートを提供するステップと、
b/上部品(5t)および下部品(5b)を生産するために、前記第1のフラットシートおよび前記第2のフラットシートを形成するステップであって、上部品(5t)および下部品(5b)は、上部水平面(5th)および下部水平面(5bh)と上部側壁(5ts)および下部側壁(5bs)と上部水平面外周部(5tho)および下部水平面外周部(5bho)と上部側壁外周部(5tso)および下部側壁外周部(5bso)とをそれぞれ備え、上部第1の穴(17t)および下部第1の穴(17b)をそれぞれさらに備え、前記第1の穴は、上部第1の穴側壁(17ts)および下部第1の穴側壁(17bs)と上部第1の穴側壁外周部(17tso)および下部第1の穴側壁外周部(17bso)とをそれぞれ備え、ならびに、上部第2の穴(19t)および下部第2の穴(19b)をそれぞれさらに備え、前記第2の穴は、上部第2の穴側壁(19ts)および下部第2の穴側壁(19bs)と上部第2の穴側壁外周部(19tso)および下部第2の穴側壁外周部(19bso)とをそれぞれ備えるステップと、
c/前記上部品(5t)および前記下部品(5b)を互いに接合するステップであって、上部側壁外周部(5tso)および下部側壁外周部(5bso)の少なくとも一部に沿ってそれらを互いに固定することにより、上部第1の穴側壁外周部(17tso)および下部第1の穴側壁外周部(17bso)の少なくとも一部に沿ってそれらを互いに固定することにより、かつ上部第2の穴側壁外周部(19tso)および下部第2の穴側壁外周部(19bso)の少なくとも一部に沿ってそれらを互いに固定することにより、互いに接合するステップと、
を備える、プロセス。
【請求項8】
第1の中間部品(17m)を提供するステップと、
上部第1の穴側壁外周部(17tso)および下部第1の穴側壁外周部(17bso)を前記第1の中間部品(17m)に接合して、上部第1の穴アセンブリ周囲部(17tw)および下部第1の穴アセンブリ周囲部(17bw)を形成するステップと、
をさらに備える、請求項
7に記載のプロセス。
【請求項9】
第2の中間部品(19m)を提供するステップと、
上部第2の穴側壁外周部(19tso)および下部第2の穴側壁外周部(19bso)を前記第2の中間部品(19m)に接合して、上部第2の穴アセンブリ周囲部(19tw)および下部第2の穴アセンブリ周囲部(19bw)を形成するステップと、
をさらに備える、請求項
7または8に記載のプロセス。
【請求項10】
振動減衰材料を備えるブッシング(15)を提供するステップと、
ブッシング(15)を以前に配置された上部側壁開口(5tsa)と下部側壁開口(5bsa)との間に配置するステップと、
をさらに備える、請求項
7~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の後部下方制御アーム(rear lower control arm)に関する。詳細には、本発明は、後輪駆動推進もしくは四輪駆動システムまたは電気もしくはハイブリッドパワートレインを有する車両用の後部下方制御アームに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなタイプの車両の後部懸架装置アセンブリ(rear suspension assembly)は、後部推進によって加えられるトルクに関連する高い力を受け、車両のタイプに応じて、以下の要素、すなわち、電気モータ、電池、内燃機関、四輪駆動管理装置などのうちの1つまたは複数に関連する重要な重量を支える。
【0003】
後部懸架装置に及ぼされる、高いトルクと荷重のこの組合せは、後輪を車両の残り部分に連結する構造要素にとって困難な条件をもたらし、構造要素の中で一般的なものは、後輪を車両の本体に連結する、おそらく最も重要な構造部品である後部下方制御アームである。
【0004】
後部下方制御アームの上述の構造的要件に加えて、後部下方制御アームの重量を減らそうとする取り組みもある。実際、自動車製造業者は、内燃機関車両のガス消費に関連する環境上の懸念に対処するとともに、電気自動車またはハイブリッド車両の場合にはさらに長い運転自律性を提供するために、一般に軽量化の解決策を絶えず模索している。後部下方制御アームの具体的な事例では、部品の質量は、それが車両のばね下質量として知られるものに含まれるため、特に重要である。このばね下質量は、車両の懸架ばねによって支持されないすべての要素に対応する。ばね下質量は、車輪および下方制御アームを含む。車両のばね下質量を軽減することは、車両操作および全体的な乗客の快適性を改善するための重要な要素である。
【0005】
クラムシェル設計としても知られる中空後部下方制御アーム設計は、軽量化の課題に対処するとともに、鋳造ではなく板金プレス加工を使用して後部下方制御アームを生産することを可能にするために市場に登場しており、鋳造は一般により高価であり、生産性が低い。かかる設計は、例えば韓国公開特許第20170079400号公報に開示されているようなものであり、互いにその縁部の周りで接合される上部品および下部品と、ばねマウントを収容するための穴と、を含む。この概念は、確かにその部品の重量を減らすのに成功しているが、パネルモードでは共鳴し、不十分な性能を示す上部品および下部品の大きい略平坦な表面のために、振動性能の面で一般に満足のいくものではない。この概念はまた、曲げ荷重またはねじり荷重を受けて変形しやすい一般に平らな表面のために、剛性の面でも満足のいくものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第2017-0079400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、工業的に製造可能なままであり、改善された振動および剛性性能を有し、さらなる重量軽減も可能にする、クラムシェル設計を有する後部下方制御アームを提供することにより、現在のクラムシェル設計の欠点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は下記に関する。
中空容積を共に画定する上部品および下部品を備える自動車用の後部下方制御アームであって、前記上部品および前記下部品は、それぞれ、
上部水平面外周部および下部水平面外周部でそれぞれ区切られた上部水平面および下部水平面と、
上部水平面外周部および下部水平面外周部の少なくとも一部に沿って、水平面と比較して少なくとも45°の一般的な方向に延びる上部側壁および下部側壁であって、前記上部側壁および下部側壁は上部側壁外周部および下部側壁外周部で区切られる、上部側壁および下部側壁と、
水平面と比較して少なくとも45°の一般的な方向に延びる上部第1の穴側壁および下部第1の穴側壁をそれぞれ備える、上部第1の穴および下部第1の穴であって、前記上部第1の穴側壁および前記下部第1の穴側壁が上部第1の穴側壁外周部および下部第1の穴側壁外周部で区切られる、上部第1の穴および下部第1の穴と、
水平面と比較して少なくとも45°の一般的な方向に延びる上部第2の穴側壁および下部第2の穴側壁をそれぞれ備える、上部第2の穴および下部第2の穴であって、前記上部第2の穴側壁および前記下部第2の穴側壁が上部第2の穴側壁外周部および下部第2の穴側壁外周部で区切られる、上部第2の穴および下部第2の穴と、
を備え、
前記上部品および前記下部品は、
前記上部水平面外周部および前記下部水平面外周部の少なくとも一部を互いに固定することにより、
前記上部第1の穴側壁外周部および前記下部第1の穴側壁外周部の少なくとも一部を互いに固定することにより、
かつ、前記上部第2の穴側壁外周部および前記下部第2の穴側壁外周部の少なくとも一部を互いに固定することにより、
互いに接合される、後部下方制御アーム。
【0009】
本発明者らは、最先端の設計と比較して追加の穴を導入することにより、驚くべきことに振動および剛性性能を高めることができることを見出した。本発明者らは、工業的に実行可能なプロセスを使用して、そのような部品を製造することが可能であることも見出した。
【0010】
単独で、または任意の可能な技術的組合せに従って考慮される、本発明による後部下方制御アームの他の任意選択の特徴によれば、
上部品および下部品は溶接によって互いに接合され、
上部第1の穴側壁外周部および下部第1の穴側壁外周部は第1の中間部品を介して互いに接合され、上部第1の穴側壁外周部は上部第1の穴アセンブリ周囲部に沿って第1の中間部品に取り付けられ、下部第1の穴側壁外周部は下部第1の穴アセンブリ周囲部に沿って第1の中間部品に取り付けられ、前記上部第1の穴アセンブリ周囲部は前記下部第1の穴アセンブリ周囲部よりも仰角方向に高い所に配置され、
上部第2の穴側壁外周部および下部第2の穴側壁外周部は第2の中間部品を介して互いに接合され、上部第2の穴側壁外周部は上部第2の穴アセンブリ周囲部に沿って第2の中間部品に取り付けられ、下部第2の穴側壁外周部は下部第2の穴アセンブリ周囲部に沿って第2の中間部品に取り付けられ、前記上部第2の穴アセンブリ周囲部は前記下部第2の穴アセンブリ周囲部よりも仰角方向に高い所に配置され、
後部下方制御アームは、車両のシャーシ要素のための4つの取付点を備え、前記4つの取付点には、振動減衰材料を備えるブッシングが取り付けられる。
上部側壁および下部側壁は、それぞれ上部水平面外周部および下部水平面外周部の全長に亘っては延びておらず、上部側壁および下部側壁が延びていない領域は、それぞれ上部側壁開口および下部側壁開口と呼ばれ、ブッシングは、前記上部側壁開口の少なくとも一部と前記下部側壁開口の少なくとも一部との間に配置される。
上部品および下部品は、2009年10月に発行されたISO規格ISO6892-1に従って測定される、780MPaを超える極限引張強さ(ultimate tensile strength)を有する鋼で出来ている。
【0011】
本発明はさらに、上述の後部下方制御アームを製造する方法であって、
a/第1のフラットシートおよび第2のフラットシートを提供するステップと、
b/上部品および下部品を生産するために、前記第1のフラットシートおよび前記第2のフラットシートを形成するステップであって、上部品および下部品は、上部水平面および下部水平面と上部側壁および下部側壁と上部水平面外周部および下部水平面外周部と上部側壁外周部および下部側壁外周部とをそれぞれ備え、上部第1の穴および下部第1の穴をそれぞれさらに備え、前記第1の穴は、上部第1の穴側壁および下部第1の穴側壁と上部第1の穴側壁外周部および下部第1の穴側壁外周部とをそれぞれ備え、上部第2の穴および下部第2の穴をそれぞれさらに備え、前記第2の穴は、上部第2の穴側壁および下部第2の穴側壁と上部第2の穴側壁外周部および下部第2の穴側壁外周部とをそれぞれ備える、ステップと、
c/前記上部品および前記下部品を、上部側壁外周部および下部側壁外周部の少なくとも一部に沿ってそれらを互いに固定することにより、上部第1の穴側壁外周部および下部第1の穴側壁外周部の少なくとも一部に沿ってそれらを互いに固定することにより、ならびに上部第2の穴側壁外周部および下部第2の穴側壁外周部の少なくとも一部に沿ってそれらを互いに固定することにより、互いに接合するステップと、
を備える、方法に関する。
【0012】
単独で、または任意の可能な技術的組合せに従って考慮される、本発明による後部下方制御アーム生産方法の、他の任意選択の特徴によれば、本方法は、
第1の中間部品を提供し、上部第1の穴側壁外周部および下部第1の穴側壁外周部を前記第1の中間部品に接合して、上部第1の穴アセンブリ周囲部および下部第1の穴アセンブリ周囲部を形成するステップと、
第2の中間部品を提供し、上部第2の穴側壁外周部および下部第2の穴側壁外周部を前記第2の中間部品に接合して、上部第2の穴アセンブリ周囲部および下部第2の穴アセンブリ周囲部を形成するステップと、
振動減衰材料を備えるブッシングを提供し、前記ブッシングを以前に配置された上部側壁開口と下部側壁開口との間に配置するステップと、
をさらに備える。
【0013】
本発明の他の態様および利点は、例として与えられ、添付の図面を参照して行われる以下の説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明による後部懸架装置列(rear suspension trains)の全体斜視図である。
【
図3】本発明による後部クレードルと後部下方制御アームのアセンブリの斜視図である。
【
図4】本発明による車輪と後部下方制御アームのアセンブリの斜視図である。
【
図5】本発明による後部下方制御アームの斜視図である。
【
図6】本発明による後部下方制御アームの分解図である。
【
図7】
図5上で定義されたI-I断面をたどる、本発明による後部下方制御アームの断面図である。
【
図8】
図5上で定義されたII-II断面をたどる、本発明による後部下方制御アームの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明では、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「前部(front)」、「後部(rear)」、「横方向(transverse)」および「長手方向(longitudinal)」という用語は、搭載車両の通常の方向に従って定義される。より具体的には、「上方」および「下方」という用語は、車両の仰角方向に従って定義され、「前部」、「後部」および「長手方向」という用語は、車両の前部/後部方向に従って定義され、「横方向」という用語は、車両の幅に従って定義される。「高さ(height)」という用語は、水平方向に測定された2つの点、線、表面または体積の間の距離を指す。
【0016】
降伏強さ、極限引張強さ、ならびに均一伸びおよび全伸びは、2009年10月に発行されたISO規格ISO6892-1に従って測定される。
【0017】
部品または部品の一部の平均厚さとは、最初に平坦なシートから3次元部品に形成された後で部品を構成する材料の全体の平均厚さを意味する。
【0018】
図1、
図2、および
図3を参照すると、自動車1の後部懸架装置3は、例えば、後部クレードル4と、2つの後部下方制御アーム5と、2つの振動ダンパ7と、2つの車輪9と、車輪9を前記後部下方制御アーム5に連結するための要素、例えばナックル11や一体型リンク13などと、を備える。
【0019】
後部クレードル4は、後部内燃機関もしくは後部電気モータまたは後部四輪駆動管理システム(これらの要素は図示されていない)のホストとして働く。後部クレードル4は、例えば、後部懸架装置ホーン6を後部部材(後部部材は図示されていない)に固定することにより、車両1の本体に取り付けられる。
【0020】
後部クレードル4は、車両の左側および右側に存在する後部下方制御アーム5にさらに取り付けられる。前記後部下方制御アーム5は、後部クレードル4が取り付けられる車両の本体と車輪9との間の構造的リンクである。
【0021】
振動ダンパ7は、後部下方制御アーム5に取り付けられる。振動ダンパは、例えば、
図2に示されるようにコイルばねである。ガススプリングシリンダまたは油圧スプリングシリンダも、振動ダンパ7として使用されることもできる。振動ダンパ7が存在するおかげで、車輪は車両の本体から独立して上下に動くことができるので、でこぼこ道上であっても快適な乗り心地が可能になる。さらに、この懸架システムのおかげで、車両の4つの車輪はすべて、運転中に道路上に乗ったままであり、これは、良好な車両操作および全体的な安全性のための不可欠な要素である。懸架システムは、車両の快適性と車両操作との間の最良の折衷を提供するために調整される。
【0022】
後部下方制御アーム5にはブッシング15が装備され、ブッシングは、後部下方制御アーム5が取り付けられる要素への取付点を収容するように機能する。ブッシング15は、車輪とタイヤと道路との間の相互作用から生じる振動を吸収するために、例えば、振動減衰材料、例えばゴム状材料を収容する鋼シリンダシェルで出来ている。
【0023】
後部下方制御アーム5を車輪9に固定する一例を示す
図4を参照すると、後部下方制御アーム5は、それ自体が車輪ハブ10に接続されているナックル11と、それ自体がナックル11に接続されている一体型リンク13とに取り付けられる。
【0024】
図3を参照すると、図示の特定の実施形態における他の2つのブッシングは、後部クレードル4上の固定点に取り付けられる。
【0025】
図5および
図6を参照すると、後部下方制御アーム5は上部品5tおよび下部品5bからなり、上部品と下部品との間に中空容積5hを画定する。
【0026】
上部品5tは、上部水平面5thおよび上部側壁5tsを備える。上部水平面5thは、上部水平面外周部5thoで区切られる。上部側壁5tsは、上部側壁外周部5tsoで区切られる。上部水平面5thは略水平面内に延び、上部品5tの主面を形成する。上部側壁5tsは、上部水平面外周部5thoの少なくとも一部に沿って延びる。上部側壁5tsは、水平方向と比較して少なくとも45°傾斜した一般的な方向に延びる。特定の実施形態では、上部側壁5tsは、
図6に示されるように、上部水平面外周部5thoの全長の周りに延びていない。上部側壁5tsの不連続領域は、上部側壁開口5tsaと呼ばれる。有利には、そのような開口5tsaが存在すると、後部下方制御アーム5の角部内にブッシング15を収容することが可能になる。前記ブッシング15は、後部下方制御アーム5を後部クレードル4などの他の要素および後部下方制御アーム5を車輪9に連結する要素に接続するように機能する。さらに、上部品5tの角部内に上部側壁開口5tsaが存在すると、フラットシートをプレス加工することにより上部品5tを製造することが容易になる。実際、上部側壁5tsが上部品5tの角部を含む上部水平面外周部5tho全体に沿って伸びる場合、上部品5tは、3つの異なる方向(垂直方向および2つの直交する水平方向)に変形が延びる領域を有することになる。この種の変形は、高強度鋼などの高強度材料の場合に実現するのが非常に困難である。したがって、上部側壁開口5tsaの存在は、上部品5tのプレス加工の実現可能性を有利に高める。
【0027】
上部品5tと同様に、下部品5bは、下部水平面5bhおよび下部側壁5bsを備える。下部水平面5bhは、下部水平面外周部5bhoで区切られる。下部側壁5bsは、下部側壁外周部5bsoで区切られる。下部水平面5bhは略水平面内に延び、下部品5bの主面を形成する。下部側壁5bsは、下部水平面外周部5bhoの少なくとも一部に沿って延びる。下部側壁5bsは、水平方向と比較して少なくとも45°傾斜した一般的な方向に延びる。特定の実施形態では、下部側壁5bsは、
図6に示されるように、下部水平面外周部5bhoの全長の周りに延びていない。下部側壁5bsの不連続領域は、下部側壁開口5bsaと呼ばれる。有利には、そのような開口5bsaが存在すると、後部下方制御アーム5の角部内にブッシング15を収容することが可能になる。前記ブッシング15は、後部下方制御アーム5を後部クレードル4などの他の要素および後部下方制御アーム5を車輪9に連結する要素に接続するように機能する。さらに、下部品5bの角部内に下部側壁開口5bsaが存在すると、フラットシートをプレス加工することにより下部品5bを製造することが容易になる。実際、下部側壁5bsが下部品5bの角部を含む下部水平面外周部5bho全体に沿って伸びる場合、下部品5bは、3つの異なる方向(垂直方向および2つの直交する水平方向)に変形が延びる領域を有することになる。この種の変形は、高強度鋼などの高強度材料の場合に実現するのが非常に困難である。したがって、下部側壁開口5bsaの存在は、下部品5bのプレス加工の実現可能性を有利に高める。
【0028】
特定の実施形態では、上部側壁5tsおよび下部側壁5bsは、
図6に示されるように、それぞれ上部水平面外周部5thoおよび下部水平面外周部5bhoの全長の周りに延びていない。上部側壁5tsの不連続領域は、上部側壁開口5tsaおよび下部側壁開口5bsaと呼ばれる。有利には、そのような開口5tsa、5bsaが存在すると、
図5に描かれているように、後部下方制御アーム5の角部内にブッシング15を収容することが可能になる。前記ブッシング15は、後部下方制御アーム5を後部クレードル4などの他の要素および後部下方制御アーム5を車輪9に連結する要素に接続するように機能する。さらに、上部品5tおよび下部品5bの角部内に側壁開口5tsa、5bsaが存在すると、フラットシートをプレス加工することにより上部品5tおよび下部品5bを製造することが容易になる。実際、側壁5ts、5bsが部品5t、5bの角部を含む水平面外周部5tho、5bho全体に沿って伸びる場合、部品5t、5bは、3つの異なる方向(垂直方向および2つの直交する水平方向)にプレス加工変形が延びる領域を有することになる。この種の変形は、高強度鋼などの高強度材料の場合に実現するのが非常に困難である。したがって、側壁開口5tsa、5bsaの存在は、上部品5tおよび下部品5bのプレス加工の実現可能性を有利に高める。
【0029】
上部品5tおよび下部品5bは、これらの部品をアセンブリ周囲部5wに沿って互いに固定することにより、後部下方制御アーム5を形成するように組み立てられる。アセンブリ周囲部5wは、上部側壁外周部5tsoおよび下部側壁外周部5bsoの少なくとも一部に沿って走る。アセンブリ周囲部5wは、例えば溶接によって、より具体的には例えば金属活性ガス溶接(MAG溶接)またはレーザ溶接によって形成される。上部品5tおよび下部品5bが側壁5ts、5bsを含み、側壁5ts、5bsは水平方向と比較して少なくとも45°傾斜しているので、上部水平面5tsおよび下部水平面5bsは、垂直方向に測定されるときに互いに距離hを置いて離間される。したがって、上部水平面5tsおよび下部水平面5bsは、両水平面の間に中空容積5hを画定する。この中空容積5hの存在は、後部下方制御アーム5に剛性を与える。
【0030】
後部下方制御アーム5は、振動ダンパ7の下端部を収容するように設計された第1の穴17をさらに備える。第1の穴17は、上部品5tおよび下部品5bにそれぞれ形成された上部第1の穴17tおよび下部第1の穴17bを組み立てることによって形成される。前記上部第1の穴17tおよび前記下部第1の穴17bは、それぞれ上部第1の穴側壁17tsおよび下部第1の穴側壁17bsを備え、上部第1の穴側壁および下部第1の穴側壁は、それぞれ上部第1の穴側壁外周部17tsoおよび下部第1の穴側壁外周部17bsoで区切られる。前記上部第1の穴側壁外周部17tsoおよび前記下部第1の穴側壁外周部17bsoは、例えば溶接によって、より具体的には例えばMAG溶接またはレーザ溶接によって互いに接合される。特定の実施形態では、前記上部第1の穴側壁外周部17tsoおよび前記下部第1の穴側壁外周部17bsoは、
図7に示されるように、互いに直接接合されないが、第1の中間部品17mを介して接合される。任意選択的に、ばねマウントと呼ばれることが多い前記第1の中間部品17mには、振動ダンパ7の第1の端部が載ることができる略水平な下方部品17mhが設けられる。上部第1の穴側壁外周部17tsoは、上部第1の穴アセンブリ周囲部17twに沿って第1の中間部品17mに固定され、下部第1の穴側壁外周部17bsoは、上部第1の穴アセンブリ周囲部17twよりも仰角方向に低い所に配置された下部第1の穴アセンブリ周囲部17bwに沿って第1の中間部品17mに固定される。
【0031】
前記第1の中間部品17mが存在すると、フラットシートからプレス加工することにより上部品5tおよび下部品5bをより容易に形成することが可能になる。実際、上部第1の穴側壁17tsおよび下部第1の穴側壁17bsを形成するためには、フラットシート内の先に形成された穴の側面が、シートの平面に対して略垂直な方向に徐々に変形させられるフランジング作業(flanging operation)を行う必要がある。フランジング作業が行われるにつれて、穴の側面が変形させられるほど、穴の側面は亀裂形成の影響を受けやすくなる。そのような現象はよく知られており、フランジング変形に抵抗する材料の傾向は、正規化試験ISO16630によって規定される穴広げ率として知られている。これは、高強度材料の場合、例えば高強度鋼の場合、例えば590MPaを超える極限引張強さを有する鋼の場合に特に重要である。第1の中間部品17mが存在するおかげで、上部第1の側壁17tsの高さと下部第1の側壁17bsの高さの合計は、上部水平面5thと下部水平面5bhを隔てる全高hよりも低くすることができる。このように上部第1の側壁17tsおよび下部第1の側壁17bsの高さを制限することにより、第1の中間部品17mが存在すると、フランジング作業に関連する上部第1の穴側壁外周部17tsoおよび下部第1の穴側壁外周部17bsoにおける亀裂形成のリスクを制限することが可能になる。
【0032】
後部下方制御アーム5は、部品の振動および剛性性能を高めるように設計され、また部品の重量を低減するようにも設計された第2の穴19をさらに備える。前記第2の穴19は、上部第2の穴19tおよび下部第2の穴19bを組み立てることによって形成される。前記上部第2の穴19tおよび前記下部第2の穴19bは、それぞれ上部第2の穴側壁19tsおよび下部第2の穴側壁19bsを備え、上部第2の穴側壁および下部第2の穴側壁は、それぞれ上部第2の穴側壁外周部19tsoおよび下部第2の穴側壁外周部19bsoで区切られる。前記上部第2の穴側壁外周部19tsoおよび前記下部第2の穴側壁外周部19bsoは、例えば溶接によって、より具体的には例えばMAG溶接またはレーザ溶接によって互いに接合される。特定の実施形態では、前記上部第2の穴側壁外周部19tsoおよび前記下部第2の穴側壁外周部19bsoは、
図8に示されるように、互いに直接接合されず、第2の中間部品19mを介して接合される。上部第2の穴側壁外周部19tsoは、上部第2の穴アセンブリ周囲部19twに沿って第2の中間部品19mに固定され、下部第2の穴側壁外周部19bsoは、上部第2の穴アセンブリ周囲部19twよりも仰角方向に低い所に配置された下部第2の穴アセンブリ周囲部19bwに沿って第2の中間部品19mに固定される。第1の穴17の場合と同様に、第2の中間部品の使用は、第2の壁の上部側壁19tsおよび下部側壁19bsの高さを低くすることにより、したがって、フランジング作業に関連する上部第2の壁側壁外周部19tsoおよび下部第2の壁側壁外周部19bsoの周りの亀裂形成のリスクを軽減することにより、プレス加工による第2の穴の成形性を改善する。
【0033】
本発明者らは、驚くべきことに、第2の穴19を導入すると、これが部品の総重量を減少させるにもかかわらず、後部下方制御アーム5の振動および剛性性能を大幅に向上させることを見出した。部品の振動および剛性性能は、部品の重量と共に向上することが一般的な常識である。例えば、同じ全体的設計を維持しながら部品の平均厚さを増大させると、必然的に、より良好な振動および剛性性能をもたらす。しかしながら、今回の場合、部品の重量を低減しながら振動および剛性性能の改善を達成することが可能となった。
【0034】
例えば、平均厚さ1,8mmの、780MPaより高い極限引張強さを有する鋼板をプレス加工することによって生産されたプレス加工部品で製造された上部品5tおよび下部品5bで出来ている下方制御アーム5の場合、本発明者らは、部品の第1の振動モードが、上述の第2の穴19を導入するだけで295Hzから481Hzにシフトされ得ることを見出した。言い換えれば、第1のモードは39%増加させられた。これらの結果は、自由-自由モード解析をシミュレートするために数値計算を使用して得られた。このような結果はまた、同じ全体的設計を有していて、前述のように一方の部品が第1の穴17のみを有し、第2の部品が第1の穴17および第2の穴19を有する、同じ部品を物理的に製造することによって、また、例えばレーザドップラー振動計を使用して振動に対する応答を測定して振動を評価することによって得られることもできた。
【0035】
NVH(騒音、振動、およびハーシュネス)の分野における問題を防止するために、モード解析が行われる。その考えは、十分に高い第1の振動モードを有することであり、到達されるべき正確な数値は事例に依存し、その結果、後部下方制御アーム5は、車輪9に及ぼされる力の本体の残りの部品への伝達率が低くなるのに十分な剛性を有する。十分に高い第1の振動モードを確保することにより、後部下方制御アーム5は、車輪を車両本体および車室に連結するチェーンの弱いリンクにはならない。
【0036】
これは、第1の穴17の外側に、上部水平面5thと下部水平面5tbとの間のさらなる接続を確保する、第2の穴19の形成によって実現される。この追加のリンクが存在するおかげで、上部水平面5thおよび下部水平面5tbに大きなフラットパネルを自然に有するクラムシェル設計の制限を克服することが可能であり、前記大きなフラットパネルは振動伝達の理想的な候補である。
【0037】
第1の穴17および第2の穴19は、例えば円形または楕円形とすることができる。部品の疲労性能に悪影響を及ぼすことになる応力集中を最小限に抑えるために、滑らかな輪郭を使用して前記穴を設計し、その穴の形状の急な角度を避けることが好ましい。
【0038】
第2の穴19を付加したおかげで、下方制御アーム5の振動性能は大幅に改善され得る。第2の穴19は、上部水平面5thおよび下部水平面5bhを構成する材料の一部を除去する必要もあるので、前記第2の穴19が存在すると、部品の重量を減らすことも可能になる。発明者らは、振動性能の上述の39%の改善が部品の約5%の軽量化に関連することを見出した。
【0039】
本発明による後部下方制御アーム5を製造するために、以下のプロセスが適用されることができる、すなわち、
a/第1のフラットシートおよび第2のフラットシートを提供するステップと、
b/上部品5tおよび下部品5bを生産するために、例えばプレス加工により、前記第1のフラットシートおよび前記第2のフラットシートを形成するステップであって、上部品5tおよび下部品5bは、上部水平面5thおよび下部水平面5bhと上部側壁5tsおよび下部側壁5bsと上部水平面外周部5thoおよび下部水平面外周部5bhoと上部側壁外周部5tsoおよび下部側壁外周部5bsoとをそれぞれ備え、上部第1の穴側壁17tsおよび下部第1の穴側壁17bsと上部第1の穴側壁外周部17tsoおよび下部第1の穴側壁外周部17bsoとをそれぞれ備える上部第1の穴17tおよび下部第1の穴17bをそれぞれさらに備え、ならびに、上部第2の穴側壁19tsおよび下部第2の穴側壁19bsと上部第2の穴側壁外周部19tsoおよび下部第2の穴側壁外周部19bsoとをそれぞれ備える上部第2の穴19tおよび下部第2の穴19bをそれぞれさらに備える、ステップと、
c/前記上部品5tおよび前記下部品5bを互いに接合するステップであって、上部側壁外周部5tsoおよび下部側壁外周部5bsoの少なくとも一部に沿ってそれらを互いに固定してアセンブリ周囲部5wを形成することにより、かつ上部第1の穴側壁外周部17tsoおよび下部第1の穴側壁外周部17bsoの少なくとも一部に沿ってそれらを互いに固定することにより、かつ上部第2の穴側壁外周部19tsoおよび下部第2の穴側壁外周部19bsoの少なくとも一部に沿ってそれらを互いに固定することにより、互いに接合するステップと、
である。
【0040】
例えば、接合作業はMAG溶接またはレーザ溶接によって行われる。
【0041】
具体的な実施形態では、組立プロセスは、
第1の中間部品17mを提供するステップと、
上部第1の穴側壁外周部17tsoおよび下部第1の穴側壁外周部17bsoを前記第1の中間部品17mに接合して、上部第1の穴アセンブリ周囲部17twおよび下部第1の穴アセンブリ周囲部17bwを形成するステップと、
をさらに備える。
【0042】
具体的な実施形態では、組立プロセスは、
第2の中間部品19mを提供するステップと、
上部第2の穴側壁外周部19tsoおよび下部第2の穴側壁外周部19bsoを前記第2の中間部品19mに接合して、上部第2の穴アセンブリ周囲部19twおよび下部第2の穴アセンブリ周囲部19bwを形成するステップと、
をさらに備える。
【0043】
具体的な実施形態では、組立プロセスは、ステップbとステップcとの間に、
振動減衰材料を備えるブッシング15を提供するステップと、
ブッシングを以前に配置された上部側壁開口5tsaと下部側壁開口5bsaとの間に配置するステップと、
をさらに備えることができる。
【0044】
有利には、前記ブッシング15を前記上部側壁開口5tsaと前記下部側壁開口5bsaとの間に配置することにより、ブッシングは、当然ながら、上部水平面5thと下部水平面5bhとの間の適所に保持される。
【0045】
特定の実施形態では、前記上部側壁開口5tsaおよび前記下部側壁開口5bsaは、上部水平面5thおよび下部水平面5bhの角部内に配置される。