(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-10
(45)【発行日】2024-07-19
(54)【発明の名称】洗濯用洗剤容器の蓋
(51)【国際特許分類】
D06F 35/00 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
D06F35/00 B
(21)【出願番号】P 2024019074
(22)【出願日】2024-02-13
【審査請求日】2024-02-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524056857
【氏名又は名称】玉城 海
(74)【代理人】
【識別番号】100166073
【氏名又は名称】松本 秀治
(73)【特許権者】
【識別番号】524056868
【氏名又は名称】高良 光請
(74)【代理人】
【識別番号】100166073
【氏名又は名称】松本 秀治
(72)【発明者】
【氏名】玉城 海
(72)【発明者】
【氏名】高良 光請
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-198570(JP,A)
【文献】中国実用新案第215362724(CN,U)
【文献】米国特許第05435467(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 35/00
B65D 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯用洗剤容器の蓋の外周面に、蓋本体の高さより大きな寸法を有し、上端側が蓋本体の高さより高い位置となる、丸みを帯びて上下が非対称な蝶の羽型の突起状物を設けると共に、
前記突起状物に、穴を設けたことを特徴とする、洗濯用洗剤容器の蓋。
【請求項2】
前記蓋本体が、硬質部材で形成され、
前記突起状物が、軟質部材で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯用洗剤容器蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯用洗剤容器の蓋に関し、詳細には、洗濯機での洗浄の際に、洗浄力の向上を図ると共に、通常は、容器の蓋の役割を果たすことができる、洗濯用洗剤容器の蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機を使用して洗濯する際に、液体洗剤を使用することが多く、液体洗剤の容器には、回すことで開け閉めを行う回転式の蓋が取り付けられている。
【0003】
また、洗濯機での洗濯の際に、洗浄力の向上を図るために、特許文献1に記載の洗濯ボールが知られている。
【0004】
該洗濯ボールは、洗濯機の洗濯槽内に洗濯物と一緒に投入することにより、洗濯効率を向上させ得る作用を加味すると共に、洗濯物同士の絡みつきを防止するもので、円板部の上下両面に4枚の羽片が等間隔を保って設けられている軟質性のプラスチック材に、重量比5~50%のトルマリン鉱石の粉体と、重量比1~10%の酸化チタンとを含有したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
該特許文献1に記載の洗濯ボールは、洗濯効率を向上させ得る作用を加味すると共に、洗濯物同士の絡みつきを防止することはできるが、洗濯用洗剤容器の蓋が有する、下記の課題を解決するものではない。
【0007】
洗濯用洗剤容器蓋は、使用の際に、計量カップの役割を果たすものが多く、蓋内で所定量を計量した際に、蓋の外面に洗剤が付着して滑りやすくなり、開けづらくなる要因になっている。
【0008】
そして、蓋の外面に付着した洗剤を洗うにしても、その蓋を一々洗うのは面倒である。
【0009】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、洗濯用洗剤が容器蓋の外側面に付着して滑って開けづらくなることを解消し、また、蓋ごと洗濯機に投入することで外側面についている突起物で洗濯物の汚れを掻き落とすことができる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
【0011】
第1に、
洗濯用洗剤容器の蓋の外周面に、蓋本体の高さより大きな寸法を有し、上端側が蓋本体の高さより高い位置となる、突起状物を設けたことを特徴とする、洗濯用洗剤容器の蓋。
【0012】
ここで、突起状物の数は、特に限定されず、1、2、3、4、5、6以上を設けることができるが、2以上を等間隔で垂直方向に設けることが望ましい。
【0013】
第2に、
洗濯用洗剤容器の蓋の外周面に、蓋本体の高さより大きな寸法を有し、上端側が蓋本体の高さより高い位置となる、縦型の突起状物を設けたことを特徴とする、洗濯用洗剤容器の蓋。
【0014】
第3に、
洗濯用洗剤容器の蓋の外周面に、蓋本体の高さより大きな寸法を有し、上端側が蓋本体の高さより高い位置となる、丸みを帯びて上下が非対称な蝶の羽型の突起状物を設けたことを特徴とする、洗濯用洗剤容器の蓋。
【0015】
第4に、
前記突起状物に、穴を設けたことを特徴とする、前記第1~第3に記載の洗濯用洗剤容器の蓋。
【0016】
第5に、
前記蓋本体が、硬質部材で形成され、
前記突起状物が、軟質部材で形成されていることを特徴とする、前記第4に記載の洗濯用洗剤容器の蓋。
【0017】
ここで、硬質部材は、硬質プラスチック、硬質樹脂等で形成されている。
【0018】
また、軟質部材は、軟質プラスチック、ゴム板等で形成されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0020】
蓋の外周面に、蓋本体の高さより大きな寸法であり、上端側が蓋本体の高さより高い位置となる、突起状物を設けたことで、開ける際に指が掛かり易くなるので、滑る心配が無くなり、蓋が開けやすくなる。
【0021】
突起状物の形状を、蝶の羽型で上下が非対称とすることで、洗濯物に当たる際に変化があり、汚れ落ちを良くすることができる。
【0022】
また、蝶の羽型は、丸みを帯びた形状なので、衣服に傷をつけにくい。
【0023】
突起状物に穴を設けることで、穴から水が通り、洗濯の際にうまく水と洗剤が混ざり、さらには汚れが落ちやすくなる。
【0024】
硬質プラスチックでできた蓋本体より大きな形状の突起状物を軟質プラスチックで形成した場合には、蓋本体の硬質プラスチックが洗濯物に直接接触することを防止し、洗濯物を傷つける恐れを解消することができる。
【0025】
使用した際に洗剤が蓋の外側面に付着しても、一緒に洗濯機に投げ込んで洗うことでヌメリが取れて滑ることがなくなると共に、外側面に付着した洗剤も、残さずに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施例1の洗濯用洗剤容器の蓋の斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1の洗濯用洗剤容器の蓋の正面図である。
【
図3】本発明の実施例1の洗濯用洗剤容器の蓋の使用状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ここで、添付図面において同一の部材には同一符号を付しており、また重複した説明は省略されている。
なお、ここでの説明は本発明が実施される一形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0028】
本実施例の洗濯用洗剤容器の蓋は、
図3に示すように、洗濯用洗剤容器4の蓋であり、蓋本体1の外周面に等間隔で、
図1に示すように、4つの縦型の突起状物2を設けたものである。
【0029】
なお、多くのメーカーの洗濯洗剤容器に対応できるように、大きさや内部のネジ山形状等が異なる複数の蓋を準備することができる。
【0030】
蓋本体1は、硬質プラスチックで形成されている。
【0031】
突起状物2は、軟質プラスチックで形成され、蓋本体1の高さより大きな寸法を有し、上端側が蓋本体1の高さより高い位置となるものである。
【0032】
本実施例1の突起状物2は、丸みを帯びて上下が非対称な蝶の羽型の形状を有している。
【0033】
該突起状物2には、蝶の羽の模様を連想させるように、形状の異なる複数の穴3が設けられている。
【0034】
次に、上記の洗濯用洗剤容器の蓋の使用例について説明する。
【0035】
保管時は、洗剤容器4の蓋として機能する。
【0036】
洗濯をする際には、洗剤を洗濯機に入れるために、洗剤容器4を取り出し、蓋本体1及び突起状物2を掴んで回転させることで、蓋を洗剤容器4から取り外す。
【0037】
この際、突起状物2が滑り止めとなり、かつ、指が引っかかるので掴みやすくなり、楽に力をかけられるので、握力が弱い高齢者等でも、容易に蓋を取り外すことが可能となる。
【0038】
取り外した蓋本体1をひっくり返し、洗濯物の量に合わせた液体洗剤を、蓋本体1に注ぐ。
【0039】
洗濯機の洗剤投入口に所定量の液体洗剤を投入した後に、蓋そのものを洗濯機に投入し、洗濯を開始する。
【0040】
洗濯中は、蓋本体1及び突起状物2が、洗濯物とぶつかり汚れを落としたり、衣類同士に隙間ができて水が巡回しやすくなったり、衣類同士が絡まったりするのを防ぐことが可能となる。
【0041】
また、突起状物2に設けられた穴3から水が通り、洗濯の際にうまく水と洗剤が混ざり、さらに汚れが落ちやすくなる。
【0042】
そして、洗剤がヌメリとなって付着した状態の蓋を、そのまま洗濯機にいれることで、蓋自体の洗浄が行われ、洗剤を一滴の無駄なく利用できる。
【0043】
なお、洗濯中は、洗剤容器4の蓋が無い状態となるが、特に問題となることはない。
【0044】
洗濯終了後は、洗濯物と共に蓋を取り出し、洗剤容器4に取り付ける。
【0045】
取り付け後は、保管状態となるが、この際、突起状物2に穴3が設けられているので、穴3によって風通しがよくなり、濡れた状態の蓋が乾きやすくなる。
【符号の説明】
【0046】
1 蓋本体
2 突起状物
3 穴
4 洗濯用洗剤容器
【要約】
【課題】洗濯用洗剤が洗剤容器の蓋の外側面に付着して滑って開けづらくなることを解消し、また、蓋ごと洗濯機に投入することで外側面についている突起物で洗濯物の汚れを掻き落とすことができる手段を提供する。
【解決手段】 洗濯用洗剤容器の蓋の外周面に、硬質プラスチックによる蓋本体(1)の高さより上端側が高い位置となる、丸みを帯びた上下が非対称な軟質プラスチックによる蝶の羽型の突起状物(2)を、蓋本体(1)を4等分するように、90°の等間隔で4個設けると共に、各突起状物(2)に複数個の形状の異なる穴(3)を設けた。
【選択図】
図1