(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】製氷装置
(51)【国際特許分類】
F25C 5/187 20180101AFI20240712BHJP
F25C 5/04 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
F25C5/187 Z
F25C5/04 302B
(21)【出願番号】P 2021019352
(22)【出願日】2021-02-09
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 将嗣
(72)【発明者】
【氏名】早瀬 浩二
(72)【発明者】
【氏名】河野 俊明
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-111222(JP,A)
【文献】特開2013-029292(JP,A)
【文献】特開2020-122644(JP,A)
【文献】特開2004-061021(JP,A)
【文献】特開2003-042641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 5/00-5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状の氷塊を製氷する製氷機と、前記氷塊を貯留する氷塊貯氷庫と、前記氷塊を砕いて砕氷を生成する砕氷機と、前記砕氷を貯留する砕氷貯氷庫とを備える製氷装置であって、
前記製氷装置の各部の制御を行う制御装置と、
前記氷塊貯氷庫に第一規定量以上の氷塊が貯留されたかどうかを前記制御装置へ報知する第一氷塊量報知スイッチと、
前記氷塊貯氷庫に第二規定量以上の前記氷塊が貯留されたかどうかを前記制御装置へ報知する第二氷塊量報知スイッチと、
前記砕氷貯氷庫に第三規定量以上の前記砕氷が貯留されたかどうかを前記制御装置へ報知する砕氷量報知スイッチ
とを有し、
前記制御装置は、
第一氷塊量報知スイッチから、前記氷塊貯氷庫に前記第一規定量以上の前記氷塊が貯留されたことを報知された場合に前記製氷機の製氷動作を停止し、
第二氷塊量報知スイッチから、前記氷塊貯氷庫に前記第二規定量以上の前記氷塊が貯留されたことを報知された場合に前記砕氷機の動作を開始し、
前記砕氷量報知スイッチから、前記砕氷貯氷庫に前記第三規定量以上の前記砕氷が貯留されたことを報知された場合に前記砕氷機の砕氷動作を停止し、
前記第二氷塊量報知スイッチから、前記氷塊貯氷庫に
第二規定量以上の氷塊が貯留されていることを第一規定時間以上連続して報知された場合に前記砕氷機の砕氷動作を停止する
、
ことを特徴とする製氷装置。
【請求項2】
前記製氷機および前記砕氷機の運転状態を、管理サーバーに通知する通信部を備えることを特徴とする請求項1に記載の製氷装置。
【請求項3】
前記氷塊貯氷庫が有する第一断熱扉の開閉状態を検知して前記制御装置に報知する第一断熱扉開閉センサーを備え、
前記制御装置は、
前記第一断熱扉が開状態であり、且つ、前記第二規定量以上の前記氷塊が前記氷塊貯氷庫に貯留されていない状態である時間が第二規定時間以上連続した場合に、前記氷塊貯氷庫の庫内清掃がおこなわれた状態であると判断し、
前記通信部は、その旨を前記管理サーバーに通知することを特徴とする請求項2に記載の製氷装置。
【請求項4】
前記
砕氷貯氷庫が有する第二断熱扉の開閉状態を検知して前記制御装置に報知する第二断熱扉開閉センサーを備え、
前記制御装置は、
前記第二断熱扉が開状態であり、且つ、前記第三規定量以上の前記
砕氷が前記
砕氷貯氷庫に貯留されていない状態である時間が第三規定時間以上連続した場合に、前記砕氷貯氷庫の庫内清掃がおこなわれた状態であると判断し、
前記通信部は、その旨を前記管理サーバーに通知することを特徴とする請求項3に記載の製氷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製氷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製氷機で製氷された氷塊を砕いて砕氷を作る砕氷機を備えた製氷装置が知られている。また製氷装置中で、氷塊を貯留する氷塊貯氷庫内の砕氷動作ON/OFFスイッチおよび砕氷を貯留する砕氷貯氷庫上部に設けられた砕氷の貯氷量を検知するセンサーにより、砕氷量を自動的に調整する技術が開示されている。
【0003】
また氷塊を貯留する氷塊貯氷庫の扉と、砕氷貯氷庫の扉にそれぞれ開閉状態を検知するリードスイッチを設け、扉が開状態であるときに砕氷動作を強制停止させる技術も一般に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は砕氷貯氷庫の砕氷の貯氷量を検知するセンサー等が故障して、砕氷が満氷であるかどうか判断できない場合にも砕氷機に過度の負担がかからない製氷装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における製氷装置は、所定の形状の氷塊を製氷する製氷機と、氷塊を貯留する氷塊貯氷庫と、氷塊を砕いて砕氷を生成する砕氷機と、砕氷を貯留する砕氷貯氷庫とを備える製氷装置であって、製氷装置の各部の制御を行う制御装置と、氷塊貯氷庫に第一規定量以上の氷塊が貯留されたかどうかを制御装置へ報知する第一氷塊量報知スイッチと、氷塊貯氷庫に第二規定量以上の氷塊が貯留されたかどうかを制御装置へ報知する第二氷塊量報知スイッチと、砕氷貯氷庫に第三規定量以上の砕氷が貯留されたかどうかを制御装置へ報知する砕氷量報知スイッチとを有し、制御装置は、第一氷塊量報知スイッチから、氷塊貯氷庫に第一規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知された場合に製氷機の製氷動作を停止し、制御装置は、第二氷塊量報知スイッチから、氷塊貯氷庫に第二規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知された場合に砕氷機の動作を開始し、制御装置は、砕氷量報知スイッチから、砕氷貯氷庫に第三規定量以上の砕氷が貯留されたことを報知された場合に砕氷機の砕氷動作を停止し、制御装置は、第二氷塊量報知スイッチから、氷塊貯氷庫に第二規定量以上の氷塊が貯留されていることを第一規定時間以上連続して報知された場合に砕氷機の砕氷動作を停止する。
【発明の効果】
【0007】
本開示における製氷機は、砕氷機の運転を規定時間以上連続させないので砕氷機に過度の負担を与えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】実施の形態に係る製氷機の正面図における縦断面図
【
図3】実施の形態に係る製氷機の側面図における縦断面図
【
図4】実施の形態に係る製氷機が備える砕氷機構の説明図
【
図7】氷塊貯氷庫における庫内清掃の有無を通知する動作を説明するフローチャート
【
図8】砕氷貯氷庫における庫内清掃の有無を通知する動作を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、製氷機中で、砕氷が貯留される砕氷貯氷庫において、砕氷が所定量以上になると砕氷動作を停止する砕氷動作ON/OFFスイッチにより砕氷量を自動的に調整する技術があった。これにより、貯留されている砕氷の量に応じて砕氷の運転をするかどうかを決定することができ、適切な砕氷運転が可能になる。
【0010】
しかしながら砕氷動作ON/OFFスイッチが故障した場合、砕氷貯氷庫が満氷になっているにもかかわらず満氷を検知できず砕氷機が砕氷動作を続けてしまう。具体的には砕氷機は運転し続けるが、砕氷貯氷庫が満杯のため、氷塊貯氷庫内の氷塊は減らないので、氷塊量が予め定められた量以上貯留された状態が継続し、砕氷動作を続ける命令が出続けてしまう。そのため砕氷機で砕氷をおこなうギアモーターが無駄な連続運転により損傷するという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
【0011】
そこで本開示は、規定時間以上、砕氷機の連続運転をさせないことで、砕氷をおこなうギアモーターにかかる負担を軽減する製氷機を提供する。
【0012】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0013】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0014】
(実施の形態)
以下、
図1~
図8を用いて、実施の形態を説明する。
[1-1.構成]
図1は、実施の形態に係る製氷装置1の斜視図である。製氷装置1は、上方から製氷機10、氷塊貯氷庫12、砕氷機14及び砕氷貯氷庫16を順に備える。製氷機10、氷塊貯氷庫12、砕氷機14及び砕氷貯氷庫16は、いずれも断熱構造を有した箱状に形成されており、製氷装置1は、これらが組み合わされて、全体として箱状に形成される。また、製氷装置1は、当該製氷装置1の各部を制御する制御装置15を備える。
【0015】
製氷装置1は、製氷機10で生成された氷塊を氷塊貯氷庫12に貯留し、さらに、氷塊貯氷庫12に貯留された氷塊を砕氷機14で不定形状に砕いて砕氷を生成した後に、砕氷貯氷庫16に貯留する。
【0016】
氷塊貯氷庫12は第一断熱扉30を有し、製氷装置1の使用者は第一断熱扉30を開けることで氷塊を取り出すことができる。また砕氷貯氷庫16は第二断熱扉80を有し、製氷装置1の使用者は第二断熱扉80を開けることで砕氷を取り出すことができる。砕氷機14には操作パネル72が備えられる。操作パネル72は、砕氷動作を手動でおこなうか、自動でおこなうかを選択する切り替えスイッチ74を有する。また操作パネル72は、手動で砕氷を行う際に砕氷機構の運転と停止を制御する砕氷スイッチ76を有する。
【0017】
図2は、製氷装置1の正面図における縦断面図であり、
図3は、製氷装置1の側面図における縦断面図である。
製氷機10は、所定の寸法、及び形状に成形された氷塊を製氷する製氷部として機能するものであり、この製氷機10は、冷凍システムを有している。冷凍システムは、冷媒を圧縮する圧縮機、凝縮器、膨張機構、及び冷却器18(蒸発器)を配管で環状に接続して構成された冷凍サイクルであり、当該冷却システムには、冷媒が封入されている。
【0018】
本実施形態の製氷機10の内部には、機械室17と、製氷室19とが設けられる。機械室17の内部には、上述した圧縮機、凝縮器、及び膨張機構が収められている。
【0019】
製氷室19は、下面が開放され、同様に上面が開放された氷塊貯氷庫12に連通している。この製氷室19は、冷却器18が設けられており、当該冷却器18の下方には、複数の製氷セル21が設けられる。各製氷セル21は、いずれも下方に向かって開口した箱状に形成される。
【0020】
各製氷セル21の下端には、当該製氷セル21の下面全体を下方から覆う水皿22が設けられる。この水皿22の下端には、水タンク23が固定され、さらに水タンク23の下端には、水タンク23の内部に給水された製氷用水を水皿22の表面に形成された噴水口から各製氷セル21に噴射する循環ポンプ24が設けられる。
【0021】
水皿22は、幅方向における一方の端部を回動可能に支持されており、水皿22と、当該水皿22に固定された水タンク23と循環ポンプ24とは、水皿22の一端を軸に、一体となって上下方向に回動可能に設けられる。以下、水皿22が各製氷セル21を覆う位置にあるときを閉塞状態とし、水皿22が回動して各製氷セル21から離間した位置にあるときを開放状態という。なお、
図2において、水皿22は、開放状態となっており、
図3において、水皿22は、閉塞状態となっている。
水タンク23、及び循環ポンプ24の下方には、ドレンタンク25が設けられる。また、水皿22は、幅方向における一方の端部の上方には、水皿22の表面に散水する散水器26が設けられる。
【0022】
製氷機10は、作動すると、冷却システムを構成する圧縮機から冷媒が吐出され、凝縮器で凝縮された後に、膨張機構で減圧され、冷却器18に供給される。冷却器18で蒸発した冷媒は、圧縮機に還流する。また、循環ポンプ24が作動し、水タンク23の内部に給水された製氷用水が水皿22の表面に形成された噴水口から各製氷セル21に噴射される。このとき、水皿22は、閉塞状態となっている。各製氷セル21の内部に貯留された製氷用水は、冷却器18における冷媒の蒸発によって、冷却されて氷塊となる。
【0023】
水皿22は、製氷用水が氷塊となる所定時間が経過した後に、回動して解放状態となり、各製氷セル21から氷塊が脱落して氷塊貯氷庫12に落下する。これによって、製氷機10から氷塊貯氷庫12に氷塊が供給される。
【0024】
氷塊貯氷庫12は、上述の通り、内部に氷塊を貯留する空間が設けられた氷塊貯留部として機能する箱状体であり、上面が開放されて製氷機10に連通し、下面が同様に解放されて砕氷機14に連通している。また、氷塊貯氷庫12の前面は、開口しており、当該開口には、第一断熱扉30が設けられる。使用者は、この第一断熱扉30を開放することで、氷塊貯氷庫12から貯留された氷塊を取り出すことが可能となっている。第一断熱扉30には、当該第一断熱扉30の開閉を検知する第一扉開閉センサー32が設けられる。
【0025】
氷塊貯氷庫12の内部には、前面の開口の上端から、当該氷塊貯氷庫12の奥行方向に向かって延びる遮蔽板34が設けられる。遮蔽板34は、製氷機10から落下する氷塊を遮蔽し、使用者の手等を保護する。
【0026】
氷塊貯氷庫12の内部の背面には、氷塊貯氷庫12の貯留量を検知する氷塊貯留センサーとして機能する複数のスイッチ部材が設けられる。本実施形態では、第一氷塊量報知スイッチ40と、第二氷塊量報知スイッチ44の2つが設けられる。これら2つのスイッチ部材は略同一形状であり、氷塊によって前面側に突出する押圧子が押圧されることで、所定の検知信号を制御装置15に報知する。本実施形態の各スイッチ部材の押圧子は、前面である押圧面が、斜め上方に面するように設けられており、これによって、各スイッチ部材は、上方側、または前方側から押圧子が氷塊に押圧されることで、検知信号を制御装置15に報知する。
【0027】
第一氷塊量報知スイッチ40は、氷塊貯氷庫12の内部の背面において、上端に位置する箇所に設けられる。この第一氷塊量報知スイッチ40は、氷塊貯氷庫12に貯留されて堆積した氷塊が当該氷塊貯氷庫12の上端付近にまで達する、所謂満氷状態のときに、当該氷塊に押圧される。このため、第一氷塊量報知スイッチ40は、押圧されると、氷塊貯氷庫12が満氷状態にあることを報知する信号を制御装置15に報知する。
【0028】
第二氷塊量報知スイッチ44は、氷塊貯氷庫12の内部の背面において、下端に位置する箇所に設けられる。第二氷塊量報知スイッチ44が氷塊によって押圧されることで、当該第二氷塊量報知スイッチ44の配置された位置に、貯留されて堆積した氷塊が達したことを制御装置15に報知する。すなわち、第二氷塊量報知スイッチ44は、砕氷動作に適した氷塊が、氷塊貯氷庫12に貯留されたことを検知するセンサーとして機能する。
【0029】
具体的には、操作パネル72の切り替えスイッチ74において使用者が砕氷動作を自動でおこなうことを選択している場合、第二氷塊量報知スイッチ44が砕氷動作を開始させる役割を果たしてよい。
【0030】
図4は、砕氷機14の砕氷機構部52の斜視図である。
砕氷機14は、氷塊を砕いて砕氷にする砕氷部として機能するものであり、当該砕氷機14は、内部にホッパー50と砕氷機構部52とが収められた箱状体である。この砕氷機14は、上方、及び下方が開放されている。
【0031】
ホッパー50は、上端が開口し、氷塊貯氷庫12の下端に接続される。すなわち、氷塊貯氷庫12と、砕氷機14とは、ホッパー50によって連通されている。また、ホッパー50の上端の開口は、氷塊貯氷庫12の開放された下端の開口と略同一形状である。
【0032】
ホッパー50は、下端が開口し、砕氷機構部52に接続されている。すなわち、氷塊貯氷庫12に落下した氷塊は、ホッパー50と砕氷機構部52とによって下方から支持される。
【0033】
砕氷機構部52は、砕氷機14の幅方向に位置する一対の内壁に両端を支持された支持板54を備える。この支持板54の上面には、ハウジング56が設けられる。ハウジング56は、砕氷機14の幅方向に沿って長手方向が配置された箱状部材であり、当該ハウジング56は、上面と下面、及び前面と背面とが開放されている。
【0034】
ハウジング56の内部には、円筒状の回転部58が収められている。回転部58は、砕氷機14の幅方向に沿って長手方向が配置され、当該回転部58の長手方向の両端は、ハウジング56によって支持される。回転部58の周面には、外方に向かって所定の長さ寸法で突出する複数のピン60が設けられる。
【0035】
ハウジング56の前面と背面の上端には、いずれも回転部58に向かって延びる砕氷カバー66が設けられる。これらの砕氷カバー66は、ハウジング56の上端から回転部58に向かって延びる傾斜面を形成しており、各砕氷カバー66は、各ピン60が通過可能となるように、回転部58側に位置する先端が櫛状に形成される。
【0036】
ハウジング56の前面の下端には、当該ハウジング56の長手方向に沿って延びるカッター68が設けられる。このカッター68は、砕氷機14の前後方向に沿って移動自在となるようにハウジング56に設けられる。すなわち、カッター68は、回転部58に接近と離間とが自在となっている。カッター68は、各ピン60が通過可能となるように、回転部58側に位置する端部が櫛状に形成される。カッター68の回転部58の反対側に位置する端部には、連結部69が設けられる。この連結部69には、砕氷機14の前面に向かって延びる長板状のガイド部材70が設けられる。
【0037】
支持板54の上面には、モーター62が設けられる。モーター62は、駆動軸64を介して回転部58が連結されており、これによって、モーター62が回転駆動することで、回転部58がハウジング56の内部で回転する。支持板54の下方には、砕氷機構部52からのドレン水を受けるドレンパン55が設けられる。
【0038】
砕氷機14の前面には、操作パネル72が設けられる。操作パネル72には、切り替えスイッチ74と、砕氷スイッチ76が設けられる。切り替えスイッチ74は、砕氷機14の作動を自動、手動のいずれかに切り替えるスイッチである。砕氷スイッチ76は、切り替えスイッチ74によって、砕氷機14の作動が手動となっているときに押されることで、砕氷機14を作動させる。
【0039】
砕氷機14は、作動すると、回転部58が回転し、ホッパー50、及び砕氷カバー66に誘導された氷塊が各ピン60によってカッター68に押圧され砕かれる。これによって、砕氷機14で砕氷が生成される。生成された砕氷は、砕氷機構部52の下方に位置する砕氷貯氷庫16に落下する。
【0040】
砕氷貯氷庫16は、上方が開放され、内部に氷塊を貯留する空間が設けられた砕氷貯留部として機能する箱状体である。砕氷貯氷庫16の前面は、開口しており、当該開口には、第二断熱扉80が設けられる。使用者は、この第二断熱扉80を開放することで、砕氷貯氷庫16から貯留された砕氷を取り出すことが可能となっている。第二断熱扉80には、当該第二断熱扉80の開閉を検知する第二扉開閉センサー82が設けられる。
【0041】
砕氷貯氷庫16の内部には、前面の開口の上端から、当該砕氷貯氷庫16の奥行方向に向かって延びる遮蔽板84が設けられる。遮蔽板84は、砕氷機14から落下する砕氷を遮蔽し、使用者の手等を保護する。
【0042】
砕氷貯氷庫16の上端部、すなわち砕氷機の下端部には、砕氷量報知スイッチ86が設けられる。砕氷量報知スイッチ86は、砕氷によって突出する押圧子が押圧されることで、所定の検知信号を制御装置15に報知する。具体的には砕氷満氷を検知するアクチュエータ36が設けられ、そのアクチュエータ36が砕氷に押圧されることで、スイッチを押下する機構が望ましい。
【0043】
この砕氷量報知スイッチ86は、砕氷貯氷庫16に貯留されて堆積した砕氷が当該砕氷貯氷庫16の上端付近にまで達する、所謂満氷状態のときに当該砕氷に押圧される。このため、砕氷量報知スイッチ86は、押圧されると、砕氷貯氷庫16が満氷状態にあることを報知する信号を制御装置15に報知する。すなわち、砕氷量報知スイッチ86は、砕氷貯氷庫16における砕氷の貯留量を検知する砕氷貯留センサーとして機能する。
【0044】
図5は、実施の形態に係る製氷機1の機能ブロック図である。
制御装置15は、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスとを有したコンピュータを備え、製氷装置1の各部を制御する。制御装置15は、製氷機10と、砕氷機14とのそれぞれの運転を個別に制御する制御部として機能する。具体的には、制御装置15は、製氷機10の運転を制御する製氷機制御部92と、砕氷機14の運転を制御する砕氷機制御部94とを備える。
【0045】
制御装置15は、製氷装置1の各部に設けられたスイッチ部材や各種のセンサー等から報知された信号を受信する受信部96を備える。これによって、制御装置15は、第一氷塊量報知スイッチ40と、第二氷塊量報知スイッチ44と、砕氷量報知スイッチ86とからの信号とに基づき、製氷機10と、砕氷機14とのそれぞれの運転を開始、又は停止させる。
【0046】
制御装置15は、優先的に満氷にすることを設定された貯氷庫に応じて、第一氷塊量報知スイッチ40と、砕氷量報知スイッチ86とからの信号に対する製氷機10と、砕氷機14との運転方法を切り替えることが可能である。
制御装置15は、製氷機10と砕氷機14との運転方法等を記憶する記憶部98を備える。
【0047】
制御装置15は、第一断熱扉開閉センサー32と、第二断熱扉開閉センサー82と、第二氷塊量報知スイッチ44と、砕氷量報知スイッチ86等の信号を受信する受信部96を有する。
【0048】
制御装置15は、製氷装置1の運転状況、具体的には例えば第一断熱扉開閉センサー32と、第二断熱扉開閉センサー82と、第二氷塊量報知スイッチ44と、砕氷量報知スイッチ86からの信号に基づいて製氷機10と砕氷機14が庫内清掃状態であるかどうかの情報を管理サーバーに通知する通信部104を有する。具体的には通信部104がネットワークNWを介して管理サーバー108に接続され、製氷装置1と管理サーバー108の間で情報をやり取りする。
【0049】
[1-2.動作]
次に本実施形態に係る製氷装置1の動作について
図6~
図8を用いて詳細に説明する。
【0050】
図6は、製氷機1の動作を説明するフローチャートである。
【0051】
制御装置15は第一氷塊量報知スイッチ40から、氷塊貯氷庫12に第一規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知された場合に製氷機1の製氷動作を停止し、第二氷塊量報知スイッチ44から、氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知された場合に砕氷機14の動作を開始し、砕氷量報知スイッチ86から、砕氷貯氷庫16に第三規定量以上の砕氷が貯留されたことを報知された場合に砕氷機14の砕氷動作を停止し、第二氷塊量報知スイッチ44から、氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されていることを第一規定時間以上連続して報知された場合に砕氷機14の砕氷動作を停止する。
【0052】
具体的には、制御装置15は、第一氷塊量報知スイッチ40から氷塊貯氷庫12に第一規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知されたかどうかを判定する(ステップSA1)。第一規定量は、例えば氷塊貯氷庫12が氷塊で満氷になる量である。氷塊貯氷庫12に第一規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知されていなければ(ステップSA1:NO)、制御装置15は製氷機制御部92を制御して製氷機10を動作させ、氷塊を作る(ステップSA2)。氷塊貯氷庫12に第一規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知されていれば(ステップSA1:YES)、制御装置15は製氷機制御部92を制御して製氷機10による製氷を停止する(ステップSA8)。
【0053】
制御装置15は、砕氷量報知スイッチ86から砕氷貯氷庫16に第三規定量以上の砕氷が貯留されたと報知されたかどうかを判定する(ステップSA3)。ここで第三規定量は、例えば砕氷貯氷庫16が砕氷で満氷になる量である。砕氷貯氷庫16に第三規定量以上の砕氷が貯留されたことを報知されていなければ(ステップSA3:NO)、制御装置15は、第二氷塊量報知スイッチ44から氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知されたかどうかを判定する(ステップSA4)。ここで第二規定量は、氷塊貯氷庫12に砕氷機14が砕氷するため必要な氷塊の量であり、例えば氷塊貯氷庫12の容量の1/2である。
【0054】
制御装置15が、第二氷塊量報知スイッチ44から氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知されたならば(ステップSA4:YES)、制御装置15は砕氷機制御部94を制御して砕氷機14を動作させて砕氷を作る(ステップSA5)。
【0055】
さらに制御装置15は、第二氷塊量報知スイッチ44から氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されていることを第一規定時間以上連続して報知されたかどうかを判定する(ステップSA6)。
【0056】
ここで第一規定時間とは、例えば、氷塊貯氷庫12が氷塊で満氷であり、砕氷貯氷庫16に砕氷が全くない状態から砕氷機が砕氷動作をしたと仮定して、砕氷貯氷庫16が砕氷で満氷になるまでの時間である。
【0057】
制御装置15が、第二氷塊量報知スイッチ44から氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されていることを第一規定時間以上連続して報知されたと判定した場合(ステップSA6:YES)、砕氷機14による砕氷を停止する(ステップSA7)。
【0058】
制御装置15が、第二氷塊量報知スイッチ44から氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されていることを規定時間以上連続して報知されていないと判定した場合(ステップSA6:NO)、制御装置15は、第一氷塊量報知スイッチ40から氷塊貯氷庫12に第一規定量以上の氷塊が貯留されたと報知されたかどうかを再び判定する(ステップSA1に戻る)。
【0059】
制御装置15が、砕氷量報知スイッチ86から砕氷貯氷庫16に第三規定量以上の砕氷が貯留されたと報知されたかどうかを判定した場合には(ステップSA3:YES)、砕氷機14による砕氷を停止する(ステップSA7)。また、第二氷塊量報知スイッチ44から氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知されていない場合(ステップSA4:NO)、砕氷機14による砕氷を停止する(ステップSA7)。
【0060】
図7は、氷塊貯氷庫12における庫内清掃の有無を管理サーバー108へ通知する動作を説明するフローチャートである。
【0061】
本実施形態に係る製氷装置1は、氷塊貯氷庫12が有する第一断熱扉30の開閉状態を検知して、その開閉状態についての情報を制御装置15に報知する第一断熱扉開閉センサー32を備え、制御装置15が、第一断熱扉30が開状態であると第一断熱扉開閉センサー32から報知されている状態であり、且つ、第二規定量以上の氷塊が氷塊貯氷庫12に貯留されていないことを第二氷塊量報知スイッチ44から報知された状態である時間が第二規定時間以上連続した場合に、通信部104が、管理サーバー108に、氷塊貯氷庫12の庫内清掃がおこなわれた状態である旨の通知をする。
第二規定時間は、氷塊貯氷庫12を清掃するために標準的に必要とする時間であり、例えば30分である。
【0062】
また氷塊貯氷庫12が開状態にある時間を氷塊貯氷庫開状態時間T1と呼ぶ。
制御装置15は、T1をT1=0と初期化する(ステップSB1)。次に制御装置15は、第一断熱扉30が開状態であるかどうかを第一断熱扉開閉センサー32からの情報に基づいて判定する(ステップSB2)。第一断熱扉30が開状態であると第一断熱扉開閉センサー32から報知されている状態であれば(ステップSB2:YES)、制御装置15はさらに氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されていないかどうかを判定する(ステップSB3)。具体的には、第二規定量以上の氷塊が氷塊貯氷庫12に貯留されていないことを、制御装置15は第二氷塊量報知スイッチ44から報知される情報に基づいて判定する。氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されていないと報知されていたならば(ステップSB3:YES)、T1を積算し(ステップSB4)、第一断熱扉開閉センサー32からの情報を待つ(ステップSB2に戻る)。
【0063】
第一断熱扉30が開状態ではないと、制御装置15が第一断熱扉開閉センサー32から報知されている状態であるならば(ステップSB2:NO)、T1が第二規定時間以上かどうかを制御装置15は判定する(ステップSB5)。T1が第二規定時間以上であるならば(ステップSB5:YES)、制御装置15は通信部104から管理サーバー108へ氷塊貯氷庫12の清掃を行った旨を通知し(ステップSB6)、T1をT1=0と初期化する(ステップSB1に戻る)。T1が第二規定時間以上でなければ(ステップSB5:NO)、T1をT1=0と初期化する(ステップSB1に戻る)。
【0064】
氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されていると報知されていたならば(ステップSB3:NO)、T1が第二規定時間以上かどうかを制御装置15は判定する(ステップSB5)。T1が第二規定時間以上であるならば(ステップSB5:YES)、制御装置15は通信部104から管理サーバー108へ氷塊貯氷庫12の清掃を行った旨を通知し(ステップSB6)、T1をT1=0と初期化する(ステップSB1に戻る)。T1が第二規定時間以上でなければ(ステップSB5:NO)、T1をT1=0と初期化する(ステップSB1に戻る)。
【0065】
図8は、砕氷貯氷庫16における庫内清掃の有無を管理サーバー108へ通知する動作を説明するフローチャートである。
本実施形態に係る製氷装置1は、砕氷貯氷庫16が有する第二断熱扉80の開閉状態を検知して、その開閉状態についての情報を制御装置15に報知する第二断熱扉開閉センサー82を備え、制御装置15が、第二断熱扉80が開状態であると第二断熱扉開閉センサー82から報知されている状態であり、且つ、第三規定量以上の砕氷が砕氷貯氷庫16に貯留されていないことを砕氷量報知スイッチ86から報知された状態である時間が第三規定時間以上連続した場合に、通信部104が、管理サーバー108に、砕氷貯氷庫16の庫内清掃がおこなわれた状態である旨の通知をする。
【0066】
第三規定時間は、砕氷貯氷庫16を清掃するために標準的に必要とする時間であり、例えば30分である。
【0067】
また砕氷貯氷庫16が開状態にある時間を砕氷貯氷庫開状態時間T2と呼ぶ。
制御装置15は、T2をT2=0と初期化する(ステップSC1)。次に制御装置15は、第二断熱扉80が開状態であるかどうかを第二断熱扉開閉センサー82からの情報に基づいて判定する(ステップSC2)。第二断熱扉80が開状態であると第二断熱扉開閉センサー82から報知されている状態であれば(ステップSC2:YES)、制御装置15はさらに砕氷貯氷庫16に第三規定量以上の砕氷が貯留されていないかどうかを判定する(ステップSC3)。具体的には、第三規定量以上の砕氷が砕氷貯氷庫16に貯留されていないことを、制御装置15は砕氷量報知スイッチ86から報知される情報に基づいて判定する。砕氷貯氷庫16に第三規定量以上の砕氷が貯留されていないと報知されていたならば(ステップSC3:YES)、T2を積算し(ステップSC4)、第二断熱扉開閉センサー82からの情報を待つ(ステップSC2に戻る)。
【0068】
第二断熱扉80が開状態ではないと、制御装置15が第二断熱扉開閉センサー82から報知されている状態であるならば(ステップSC2:NO)、T2が第三規定時間以上かどうかを制御装置15は判定する(ステップSC5)。T2が第三規定時間以上であるならば(ステップSC5:YES)、制御装置15は通信部104から管理サーバー108へ砕氷貯氷庫16の清掃を行った旨を通知し(ステップSC6)、T2をT2=0と初期化する(ステップSC1に戻る)。T2が第三規定時間以上でなければ(ステップSC5:NO)、T2をT2=0と初期化する(ステップSC1に戻る)。
【0069】
砕氷貯氷庫16に第三規定量以上の砕氷が貯留されていると報知されていたならば(ステップSC3:NO)、T2が第三規定時間以上かどうかを制御装置15は判定する(ステップSC5)。T2が第三規定時間以上であるならば(ステップSC5:YES)、制御装置15は通信部104から管理サーバー108へ砕氷貯氷庫16の清掃を行った旨を通知し(ステップSC6)、T2をT2=0と初期化する(ステップSC1に戻る)。T2が第三規定時間以上でなければ(ステップSC5:NO)、T2をT2=0と初期化する(ステップSC1に戻る)。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、製氷装置1は、所定の形状の氷塊を製氷する製氷機10と、氷塊を貯留する氷塊貯氷庫12と、氷塊を砕いて砕氷を生成する砕氷機14と、砕氷を貯留する砕氷貯氷庫16とを備え、製氷装置1の各部の制御を行う制御装置15と、氷塊貯氷庫12に第一規定量以上の氷塊が貯留されたかどうかを制御装置15へ報知する第一氷塊量報知スイッチ40と、氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されたかどうかを制御装置15へ報知する第二氷塊量報知スイッチ44と、砕氷貯氷庫16に第三規定量以上の砕氷が貯留されたかどうかを制御装置15へ報知する砕氷量報知スイッチ86とを有し、制御装置15は、第一氷塊量報知スイッチ40から、氷塊貯氷庫12に第一規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知された場合に製氷機10の製氷動作を停止し、第二氷塊量報知スイッチ44から、氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されたことを報知された場合に砕氷機14の動作を開始し、砕氷量報知スイッチ86から、砕氷貯氷庫16に第三規定量以上の砕氷が貯留されたことを報知された場合に砕氷機14の砕氷動作を停止し、第二氷塊量報知スイッチ44から、氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されていることを第一規定時間以上連続して報知された場合に砕氷機14の砕氷動作を停止する。
【0070】
上記開示された実施の形態により、製氷装置1は砕氷量報知スイッチ86が故障した場合にも、第二氷塊量報知スイッチ44から、氷塊貯氷庫12に第二規定量以上の氷塊が貯留されていることを第一規定時間以上連続して報知された場合に、制御装置15は砕氷機14の砕氷動作を停止させる。したがって砕氷機14の運転を第一規定時間以上連続させないので砕氷機14のギアモーターに過度の負担を与えないようにすることができるという効果を奏する。
【0071】
本実施の形態において、製氷装置1は、製氷機10および砕氷機14の運転状態を、管理サーバー108に通知する通信部104を備える。
【0072】
上記開示された実施の形態により、製氷機10および砕氷機14の運転状態を遠隔で把握し、管理することができるという効果を奏する。
【0073】
本実施の形態において、製氷装置1は氷塊貯氷庫12が有する第一断熱扉30の開閉状態を検知して制御装置15に報知する第一断熱扉開閉センサー32を備え、制御装置15は、第一断熱扉30が開状態であり、且つ、第二規定量以上の氷塊が氷塊貯氷庫12に貯留されていない状態である時間が第二規定時間以上連続した場合に、氷塊貯氷庫12の庫内清掃がおこなわれた状態であると判断し、通信部104は、その旨を管理サーバー108に通知する。
【0074】
上記開示された実施の形態により、氷塊貯氷庫12の清掃の有無を客観的に判断し履歴を残すことが可能になり、製氷装置の衛生管理を省力化できるという効果を奏する。
【0075】
本実施の形態において、製氷装置1は、氷塊貯氷庫12が有する第二断熱扉80の開閉状態を検知して制御装置15に報知する第二断熱扉開閉センサー82を備え、制御装置15は、第二断熱扉80が開状態であり、且つ、第三規定量以上の氷塊が氷塊貯氷庫12に貯留されていない状態である時間が第三規定時間以上連続した場合に、砕氷貯氷庫16の庫内清掃がおこなわれた状態であると判断し、通信部104は、その旨を管理サーバー108に通知する。
【0076】
上記開示された実施の形態により、砕氷貯氷庫16の清掃の有無を客観的に判断し履歴を残すことが可能になり、製氷装置の衛生管理を省力化できるという効果を奏する。
【0077】
本開示における制御装置は、本開示における製氷装置を制御できるものであればよい。発明の主題を表現する際に、本開示の装置を制御するものとして、制御装置の他にも制御手段または制御部またはそれらに類似する文言で表記する場合がある。制御装置は様々な態様で実現可能である。例えば、制御装置としてプロセッサを用いてもよい。制御装置としてプロセッサを用いれば、プログラムを格納している記憶媒体からプログラムをプロセッサに読み込ませ、プロセッサによりプログラムを実行することで、各種処理を実行することが可能となる。このため、記憶媒体に格納されたプログラムを変更することで処理内容を変更できるので、制御内容の変更の自由度を高めることができる。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、及び、MPU(Micro-Processing Unit)などがある。記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、及び、光ディスクなどがある。また、コントローラとしてプログラムの書き換えが不可能なワイヤードロジックを用いてもよい。コントローラとしてワイヤードロジックを用いれば、処理速度の向上に有効である。ワイヤードロジックとしては、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などがある。また、制御装置として、プロセッサとワイヤードロジックとを組み合わせて実現してもよい。制御装置を、プロセッサとワイヤードロジックとを組み合わせて実現すれば、ソフトウェア設計の自由度を高めつつ、処理速度を向上することができる。また、制御装置と、制御装置と別の機能を有する回路とを、1つの半導体素子で構成してもよい。別の機能を有する回路としては、例えば、A/D・D/A変換回路などがある。また、コントローラは、1つの半導体素子で構成してもよいし、複数の半導体素子で構成してもよい。複数の半導体素子で構成する場合、特許請求の範囲に記載の各制御を、互いに異なる半導体素子で実現してもよい。さらに、半導体素子と抵抗またはコンデンサなどの受動部品とを含む構成によって制御装置を構成してもよい。
【0078】
本開示における通信部は、本開示の装置と外部機器との通信を可能にするものであればよい。通信部は様々な態様で実現可能である。例えば、通信部は、外部機器と有線で接続する態様であってもよいし、外部機器と無線で通信接続する態様であってもよい。本開示の装置と外部機器とを有線で接続する通信部であれば、通信のセキュリティ性、及び、通信の安定性において有効である。有線接続の通信部としては、例えば、Ethernet(イーサネット:登録商標)規格に基づく有線LAN、または、光ファイバーケーブルを用いた有線接続などがある。無線接続の通信部としては、基地局等を介しての外部機器との無線接続、または、外部機器との直接無線接続などがある。基地局等を介しての外部機器との無線接続としては、例えば、WiFi(ワイファイ:登録商標)ルータと無線通信するIEEE802.11対応の無線LAN、第3世代移動通信システム(通称3G)、第4世代移動通信システム(通称4G)、IEEE 802.16対応のWiMax(ワイマックス:登録商標)、または、LPWA(Low Power Wide Area)などがある。本開示の装置と外部機器とを直接無線接続する通信部を用いれば、通信のセキュリティ性の向上に有効であるとともに、WiFi(ワイファイ:登録商標)ルータなどの中継機器が存在しない場所でも、本開示の装置は外部機器と通信できる。本開示の装置と外部機器とを直接無線接続する通信部としては、例えば、Bluetooth(ブルートゥース:登録商標)による通信、ループアンテナを介したNFC(Near Field Communication)による通信、または、赤外線通信などがある。
【0079】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本開示は、砕氷機の運転を規定時間以上連続させないので砕氷機に過度の負担を与えないようにすることができる製氷機に適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 製氷装置
10 製氷機
12 氷塊貯氷庫
14 砕氷機
15 制御装置
16 砕氷貯氷庫
17 機械室
18 冷却器
19 製氷室
21 製氷セル
22 水皿
23 水タンク
24 循環ポンプ
25 ドレンタンク
26 散水器
30 第一断熱扉
32 第一断熱扉開閉センサー
34 遮蔽板
36 アクチュエータ
40 第一氷塊量報知スイッチ
44 第二氷塊量報知スイッチ
50 ホッパー
52 砕氷機構部
54 支持板
55 ドレンパン
56 ハウジング
58 回転部
60 ピン
62 モーター
64 駆動軸
66 砕氷カバー
68 カッター
69 連結部
72 操作パネル
74 切り替えスイッチ
76 砕氷スイッチ
80 第二断熱扉
82 第二断熱扉開閉センサー
84 遮蔽板
86 砕氷量報知スイッチ
92 製氷機制御部
94 砕氷機制御部
96 受信部
98 記憶部
104 通信部
108 管理サーバー
NW ネットワーク