(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】転落検知装置、及び、転落検知方法
(51)【国際特許分類】
G01S 13/89 20060101AFI20240712BHJP
B61L 23/00 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
G01S13/89
B61L23/00 Z
(21)【出願番号】P 2020101697
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安木 慎
(72)【発明者】
【氏名】野口 浩
(72)【発明者】
【氏名】大野 耕祐
(72)【発明者】
【氏名】河合 慶士
(72)【発明者】
【氏名】植田 剛央
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-044530(JP,A)
【文献】特開2005-195470(JP,A)
【文献】特開2004-058737(JP,A)
【文献】国際公開第2018/168182(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/084943(WO,A1)
【文献】特開2012-056535(JP,A)
【文献】特開2005-231442(JP,A)
【文献】特開2004-017869(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0291754(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/51
13/00 - 13/95
17/00 - 17/95
G01C 3/00 - 3/32
B60R 21/00 - 21/13
21/34 - 21/38
B61B 1/00 - 15/00
B61L 1/00 - 99/00
E01F 1/00
13/00 - 15/14
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅のプラットホームの下方をセンシング領域に含む位置に設置されたセンサが
前記センシング領域において検知した点群データを取得する取得部と、
前記点群データのマッチング処理を用いて前記センシング領域における転落物に対応する転落検知点を推定する推定部と、
前記転落検知点と前記転落検知点に対応する点群データとに基づいて、前記転落物の状態に関する信頼度を決定する決定部と、
を備え
、
前記決定部は、前記点群データが示す反射レベル、速度、及び、位置の少なくとも1つに基づいて、前記転落物の状態が、前記転落物が前記プラットホームの下方の線路を含む第1の領域にある第1の状態、前記転落物が前記プラットホームの利用者が存在する面を含む第2の領域にある第2の状態、及び、前記転落物が前記第1の領域と前記第2の領域との間にある第3の状態の何れであるかを推定する、
転落検知装置。
【請求項2】
駅のプラットホームの下方をセンシング領域に含む位置に設置されたセンサが前記センシング領域において検知した点群データを取得する取得部と、
前記点群データのマッチング処理を用いて前記センシング領域における転落物に対応する転落検知点を推定する推定部と、
前記転落検知点と前記転落検知点に対応する点群データとに基づいて、前記転落物の状態に関する信頼度を決定する決定部と、
を備え、
前記推定部は、車両が前記プラットホームへ進入中では無いと判定された場合に、前記点群データのマッチング処理を実行する、
転落検知装置。
【請求項3】
前記信頼度に応じた警告度合いの情報を表示する表示部を備える、
請求項1に記載の転落検知装置。
【請求項4】
前期センサは、ミリ波レーダである、
請求項
1に記載の転落検知装置。
【請求項5】
転落検知装置が、
駅のプラットホームの下方をセンシング領域に含む位置に設置されたセンサが
前記センシング領域において検知した点群データを取得し、
前記点群データのマッチング処理を用いて前記センシング領域における転落物に対応する転落検知点を推定し、
前記転落検知点と前記転落検知点に対応する点群データとに基づいて、前記転落物の状態に関する信頼度を決定
し、
前記点群データが示す反射レベル、速度、及び、位置の少なくとも1つに基づいて、前記転落物の状態が、前記転落物が前記プラットホームの下方の線路を含む第1の領域にある第1の状態、前記転落物が前記プラットホームの利用者が存在する面を含む第2の領域にある第2の状態、及び、前記転落物が前記第1の領域と前記第2の領域との間にある第3の状態の何れであるかを推定する、
転落検知方法。
【請求項6】
転落検知装置が、
駅のプラットホームの下方をセンシング領域に含む位置に設置されたセンサが前記センシング領域において検知した点群データを取得し、
前記点群データのマッチング処理を用いて前記センシング領域における転落物に対応する転落検知点を推定し、
前記転落検知点と前記転落検知点に対応する点群データとに基づいて、前記転落物の状態に関する信頼度を決定し、
車両が前記プラットホームへ進入中では無いと判定された場合に、前記点群データのマッチング処理を実行する、
転落検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、転落検知装置、及び、転落検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ、レーザ、レーダ等のデバイスを使用した人物の検知は、様々な場面での適用が検討されている。
【0003】
例えば、レーダを使用して、駅のプラットホームから転落した転落物(例えば、人物)を検知する技術が検討されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば駅のプラットホームのような場所からの転落物の検知方法については検討の余地がある。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、転落物の検知精度を向上できる転落検知装置、及び、転落検知方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る転落検知装置は、センサがセンシング領域において検知した点群データを取得する取得部と、前記点群データのマッチング処理を用いて前記センシング領域における転落物に対応する転落検知点を推定する推定部と、前記転落検知点と前記転落検知点に対応する点群データとに基づいて、前記転落物の状態に関する信頼度を決定する決定部と、を備える。
【0008】
本開示の一実施例に係る転落検知方法は、転落検知装置が、センサがセンシング領域において検知した点群データを取得し、前記点群データのマッチング処理を用いて前記センシング領域における転落物に対応する転落検知点を推定し、前記転落検知点と前記転落検知点に対応する点群データとに基づいて、前記転落物の状態に関する信頼度を決定する。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、転落物の検知精度を向上できる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態に係る転落検知システムの構成例を示すブロック図
【
図2A】ホームの長手方向に沿った方向から見たセンサの設置例を示す図
【
図2B】ホームの長手方向と直交する方向から見たセンサの設置例を示す図
【
図3】状態判定処理の流れの例を示すフローチャート
【
図4】転落検知処理の流れの例を示すフローチャート
【
図5】
図4のS205の流れの例を示すフローチャート
【
図6】信頼度付与処理の流れの例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
(一実施の形態)
例えば、カメラ又はレーザ等のデバイスを使用して、駅のホームからホームの下に転落した転落物(例えば、人物が含まれてよい)を検知する技術が知られている。
【0015】
例えば、電車が在線時に、電車の乗降客が駅のプラットホーム(以下「ホーム」と略称する)と電車との間の隙間からホームの下に転落し得ることを想定した場合、カメラでは死角が発生することがあるため、線路上に転落した人物の検知が困難なことがある。
【0016】
また、レーザ、又は、圧力を感知する転落検知マットをホームの下に設置した場合、ホームの下に転落した人物の検知は、カメラよりも容易に行うことができる。しかしながら、ホームの下に設置したレーザ又は転落検知マットでは、人物がホームの下に転落しきらない状態を検知することは難しい。ホームの下に転落しきらない状態とは、例えば、人物が足を踏み外してホームと電車との間の隙間に片足が落ちた状態、あるいは、比較的体が小さい人物(例えば、子供)が隙間に体が挟まってしまう状態に相当してよい。例えば、直進性が高く、広がりが相対的に小さいレーザをホームの下に設置した場合、ホームの下に転落しきらない状態の人物を検知することは困難である。また、転落検知マットは、ホームの下へ転落した人物の転落検知マットへの接触を検知するため、ホームの下に転落しきらない状態の人物を検知することは困難である。
【0017】
そこで、電波の広がりにより、転落しきらない状態を検知可能なレーダを用いた転落検知システムが検討される。
【0018】
しかしながら、レーダを用いた転落検知システムでは、電波の広がりにより、ホームに存在する乗降客における電波の反射が生じるため、乗降客からの反射波と転落しきらない状態の乗降客からの反射波との区別が難しく、誤報の要因となり得る。
【0019】
そこで、本実施の形態では、誤報の要因を抑制し、例えば駅のホームにおいて発生する様々な状況、例えば、転落しきらない状態の乗降客に応じた検知を実行できる転落検知装置、及び、転落検知方法を説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る転落検知システム1の構成例を示すブロック図である。
図1に示す転落検知システム1は、例えば、複数のセンサ11と、転落検知装置12とを有する。なお、本実施の形態では、例示的に、駅の構内に導入される転落検知システム1を説明するが、本開示はこれに限定されない。例えば、本開示における転落検知システム1は、船舶の乗船場、飛行場、遊園地等の人物が乗り物に乗り降りする場所に導入され、乗り物への乗り降り時の転落検知に用いられてよい。また、本開示における転落検知システム1は、工場、建築現場等の足場が不安定で人物の転落の可能性がある場所に導入されてよい。
【0021】
センサ11は、例えば、ミリ波レーダのセンサである。センサ11は、例えば、ホームの下の線路脇に設けられる。センサ11は、ホームに設けられたホームドアに対応する位置に複数設けられてよい。センサ11は、ホームの長手方向に沿った方向に電波(送信信号)を放射する。センサ11は、放射した電波に対する反射波を受信し、受信した反射波に基づいて、検知点に関する情報を転落検知装置12へ出力する。検知点に関する情報は、ポイントクラウド情報(あるいは点群データ)と称されてよい。
【0022】
例えば、センサ11は、フレーム単位でポイントクラウド情報を出力する。例えば、フレームの間隔は、100ms程度であってよい。1フレームのポイントクラウド情報には、0個以上の点群(ポイントクラウド)が含まれる。1つのポイントクラウドは、1以上の検知点を含む。例えば、1つの検知点の情報は、位置に関する情報(センサ11からの距離及び角度)、速度に関する情報、検知点の反射レベルに関する情報を含んでよい。
【0023】
なお、本実施の形態におけるセンサ11は、検知点のうち、例えば、静止物に対応する検知点の情報を含まないポイントクラウド情報を出力してよい。別言すると、センサ11は、0より大きい速度を有する検知点を含むポイントクラウドの情報を出力してよい。
【0024】
なお、以下では、センサ11が、ミリ波レーダである例を示すが、本開示はこれに限定されない。例えば、センサ11は、ミリ波帯と異なる周波数帯を用いるレーダであってもよいし、レーザ、カメラ等の他のデバイスであってもよい。
【0025】
転落検知装置12は、例えば、状態判定処理部121と、転落検知処理部122と、信頼度付与部123と、情報表示部124と、を有する。
【0026】
状態判定処理部121は、ホームに電車が進入している状態(以下、「電車進入中状態」)か否かを判定する。電車進入中状態は、例えば、ホームに電車が進入しつつある状態を読み替えられてよい。また、電車進入中状態は、例えば、ホームから電車が出発しつつある状態、別言すると、ホームから電車が離れていく状態を含んでよい。なお、状態判定処理部121における判定の例については、後述する。
【0027】
転落検知処理部122は、センサ11から取得したポイントクラウド情報に基づく、ポイントクラウドのマッチング処理を用いて、センサ11の検知領域における転落物に対応する転落検知点を推定する。転落検知点は、ホームからホームの下に転落した検知対象、及び/又は、ホームからホームの下に転落しきらない状態の検知対象に相当するポイントクラウドであってよい。なお、以下の説明において、「転落物」は、ホームからホームの下に転落した検知対象であってもよいし、ホームからホームの下に転落しきらない状態の検知対象であってもよい。
【0028】
信頼度付与部123は、転落検知点に対して信頼度情報(以下「信頼度」と略称する)を決定し、決定した信頼度情報を転落検知点に付与し、信頼度情報に基づいて、後述する情報表示部124に表示させる発報情報を生成する。付与される信頼度は、検知物の状態の推定に対する信頼度であってよい。例えば、付与される信頼度は、「検知物状態推定信頼度情報」と称されてよい。
【0029】
信頼度は、例えば、転落検知点と関連付けられたポイントクラウドのポイントクラウド情報に基づいて決定される。例えば、信頼度は、ポイントクラウド情報に含まれる、ポイントクラウドの「反射レベル」と「速度情報」とをスコア化して足し合わせることによって決定されてよい。
【0030】
ここで、反射レベルのスコア化とは、例えば、反射レベルと複数の閾値とを比較することによって、反射レベルを所定の範囲の離散的な値に変換することに相当してよい。また、速度情報のスコア化とは、例えば、速度情報と複数の閾値とを比較することによって、速度情報を所定の範囲の離散的な値に変換することに相当してよい。例えば、信頼度は、反射レベルが大きいほど大きな値をとってよい。また、信頼度は、速度が大きいほど大きな値をとってよい。
【0031】
また、信頼度付与部123は、あらかじめ決められたフレーム分さかのぼって、さかのぼったフレーム分の反射レベルおよび速度情報をスコア化したものを足し合わせることによって得られる値を信頼度に決定してよい。例えば、過去10フレーム内の転落検知点に関連付けられたポイントクラウド情報から信頼度が決定されてよい。
【0032】
また、例えば、センサ11が3次元レーダの場合、ポイントクラウド情報に方位方向における位置の情報と高さ方向(仰角方向)における位置の情報が含まれる。この場合、信頼度付与部123は、方位方向における位置の情報と高さ方向における位置の情報をスコア化して足し合わせることによって得られる値を信頼度に決定してよい。例えば、信頼度付与部123は、ホーム下の面(例えば、線路が敷かれた面)に近い物体(転落物)を検知対象とするので、高さ方向において、ホーム下の面から遠いほど低い値を重みづけてよい。
【0033】
別言すると、転落検知点の信頼度は、当該転落検知点に関連付けられたポイントクラウドの速度、及び、反射レベルを用いて決定される値に相当してよい。なお、転落検知点の信頼度は、当該転落検知点に関連付けられたポイントクラウドの速度、及び、反射レベルの何れか一方を用いて決定されてもよい。
【0034】
情報表示部124は、例えば、転落検知結果を表示するディスプレイであってよい。情報表示部124における表示例については後述する。
【0035】
<センサ11の設置例>
次に、
図1に示したセンサ11の設置例を説明する。例示的に、センサ11は、ミリ波レーダであり、駅のホームの下の線路脇に設置され、駅のホームから転落した人等の検知に使用される。
【0036】
図2A及び
図2Bは、センサ11の設置例を示す図である。
図2Aは、ホームの長手方向(例えば、電車の進行方向)に沿った方向から見たセンサ11の設置例を示す図である。
図2Bは、ホームの長手方向と直交する方向から見たセンサ11の設置例を示す図である。
【0037】
センサ11は、例えば、駅のホームの下の線路脇に設けられ、転落者が退避可能な退避スペースと称されるスペースに設置される。そして、センサ11は、ホームの長手方向に沿った方向に指向性を有するビーム(電波又は送信波)を送信する。そして、センサ11は、送信波が、例えば、検知領域(例えば、ビームの範囲)に存在する検知対象において反射した場合に、反射波を受信する。センサ11は、反射波を信号処理して検知領域におけるポイントクラウドを決定する。センサ11は、決定したポイントクラウドの情報を転落検知装置12へ出力する。
【0038】
<状態判定処理部121における処理例>
図3は、状態判定処理の流れの例を示すフローチャートである。例えば、状態判定処理部121は、駅のホームの状態が、電車が駅のホームに進入している状態(電車進入中状態)であるか否かを規定する。例えば、
図3のフローは、ポイントクラウド情報を受信した場合に開始される。
【0039】
状態判定処理部121は、ポイントクラウドを受信する(S101)。
【0040】
状態判定処理部121は、「電車進入中状態」であるか否かを判定する(S102)。
【0041】
「電車進入中状態」ではない場合(S102にてNO)、状態判定処理部121は、電車が駅のホームへ進入してきたか否かを判定する(S103)。電車が駅のホームへ進入してきた場合、センサ11から出力されるポイントクラウド情報には、電車の車両において反射した反射波に対応する検知点が含まれる。そのため、状態判定処理部121は、受信したポイントクラウド情報に含まれる検知点の数が閾値以上か否かに基づいて、電車が駅のホームへ進入してきたか否かを判定してよい。
【0042】
電車が進入してきていない場合(S103にてNO)、例えば、検知点の数が閾値以上ではない場合、転落検知装置12は、転落検知処理を行う(S104)。
【0043】
電車が進入してきた場合(S103にてYES)、例えば、検知点の数が閾値以上の場合、状態判定処理部121は、駅のホームの状態を「電車進入中状態」に遷移し(S105)、フローは終了する。
【0044】
「電車進入中状態」である場合(S102にてYES)、状態判定処理部121は、電車が進入してきたか否かを判定する(S106)。S106における判定は、上述したS103の判定と同様であってよい。
【0045】
電車が進入してきた場合(S106にてYES)、状態判定処理部121は、「電車進入中状態」を継続し、フローは終了する。
【0046】
電車が進入してきていない場合(S106にてNO)、状態判定処理部121は、「電車進入中状態」を解除するか否かを判定する(S107)。例えば、状態判定処理部121は、検知点の数が閾値未満のポイントクラウド情報が所定のフレーム数分連続したか否かに基づいて、「電車進入中状態」を解除するか否かを判定してよい。
【0047】
「電車進入中状態」を解除する場合(S107にてYES)、例えば、検知点の数が閾値未満のポイントクラウド情報が所定のフレーム数分連続した場合、転落検知装置12は、「電車進入中状態」を解除する(S108)。
【0048】
そして、転落検知装置12は、転落検知処理を行う(S104)。
【0049】
「電車進入中状態」を解除しない場合(S107にてNO)、例えば、検知点の数が閾値未満のポイントクラウド情報が所定のフレーム数分連続していない場合、転落検知装置12は、「電車進入中状態」を継続し(S109)、フローは終了する。
【0050】
以上、状態判定処理部121では、電車進入中状態を判定し、電車進入中状態ではない状態において、後述する転落検知処理を実行する。ここで、電車進入中状態ではない状態とは、例えば、ホームに電車が停車している状態、および、ホームに電車が存在しない状態を含む。
【0051】
転落検知装置12が、状態判定処理部121を有し、ホームに電車が進入している状態を判定することによって、転落検知装置12は、駅に設けられる他のセンサ等とは独立して転落検知処理の開始を判断できる。また、転落検知装置12は、他のセンサ等と連動することなく動作できるので、簡易に導入することができる。
【0052】
なお、電車の進入を判定する他のセンサ等の情報が使用できる場合、転落検知装置12において、電車進入中状態を判定しなくてよい。この場合、状態判定処理部121は、転落検知装置12に含まれなくてよい。
【0053】
<転落検知処理部122における処理例>
次に、
図3に示した転落検知処理の例を説明する。
【0054】
図4は、転落検知処理の流れの例を示すフローチャートである。例えば、
図4のフローは、
図3のフローのS104において実行される。
【0055】
転落検知処理部122は、転落検知処理においては、転落検知点を規定し、転落検知点に関連付けられるポイントクラウドを決定する。例えば、転落検知処理部122は、ポイントクラウドが、「転落検知候補点」に対応するか、「転落検知点」に対応するか、または、「転落検知候補点」にも「転落検知点」にも該当しないか、の判定を行う。ここで、「転落検知点」は、転落した検知対象である可能性が高い点に相当し、「転落検知候補点」は、転落した検知対象である可能性が「転落検知点」よりも低い点に相当する。
【0056】
転落検知処理部122は、状態判定処理部121からポイントクラウドを受信する(S201)。
【0057】
転落検知処理部122は、ポイントクラウドと既存の転落検知点とのマッチング処理を行う(S202)。ここで、S202でのマッチング処理では、ポイントクラウドの位置、大きさ、速度と、転落検知点の位置、および/または、速度との類似度を計算する。例えば、類似度は、ポイントクラウドの位置と転落検知点の位置との差が小さいほど高くなってよい。また、類似度は、ポイントクラウドの速度と転落検知点の速度との差が小さいほど高くなってよい。
【0058】
なお、既存の転落検知点が存在しない場合、S202の処理はスキップされ、S205の処理に移行されてよい。また、既存の転落検知点が複数存在する場合、S202の処理は、複数の既存の転落検知点のそれぞれについて実行されてよい。
【0059】
転落検知処理部122は、マッチング処理の結果、類似度が所定レベル以上であるか否かを判定する(S203)。
【0060】
類似度が所定レベル以上の場合(S203にてYES)、すなわち、ポイントクラウドが既存の「転落検知点」に関連付けられる場合、転落検知処理部122は、「信頼度付与処理」を行う(S204)。「信頼度付与処理」については、後述する。
【0061】
類似度が所定レベル未満の場合(S203にてNO)、すなわち、ポイントクラウドが既存の「転落検知点」に対応しない場合、転落検知処理部122は、ポイントクラウドに対する「転落検知候補点」とのマッチング処理を行う(S205)。S205の処理については、後述する。
【0062】
そして、転落検知処理部122は、既存の転落検知点を消去するか否かを判定する(S206)。
【0063】
既存の転落検知点を消去する場合(S206にてYES)、転落検知処理部122は、転落検知点を消去する(S207)。そして、フローは終了する。
【0064】
既存の転落検知点を消去しない場合(S206にてNO)、転落検知処理部122は、既存の転落検知点について、「信頼度付与処理」を行う(S204)。
【0065】
なお、
図4には、S205の後に、S206以降の処理が実行される例が示されるが、例えば、S205の処理と、S206以降の処理とは、並行して実行されてよい。
【0066】
図5は、
図4のS205の流れの例を示すフローチャートである。
【0067】
転落検知処理部122は、ポイントクラウドと既存の転落検知候補点とのマッチング処理を行う(S301)。ここで、S301でのマッチング処理では、ポイントクラウドの位置、大きさ、速度と、転落検知候補点の位置、大きさ、速度との類似度を計算する。類似度の大きさについては、S202でのマッチング処理と同様であってよい。
【0068】
なお、既存の転落検知候補点が存在しない場合、S301の処理はスキップされ、S304の処理に移行されてよい。また、既存の転落検知候補点が複数存在する場合、S301では、それぞれの転落検知候補点とのマッチング処理を行ってよい。
【0069】
転落検知処理部122は、マッチング処理の結果、類似度が所定レベル以上であるか否かを判定する(S302)。
【0070】
類似度が所定レベル以上の場合(S302にてYES)、すなわち、ポイントクラウドが既存の「転落検知候補点」に関連付けられる場合、転落検知処理部122は、マッチング回数のスコアを更新する(例えば、「1」を加算する)(S303)。例えば、S303におけるマッチング回数のスコアは、転落検知候補点に関連付けられるポイントクラウドの数に相当してよい。
【0071】
類似度が所定レベル未満の場合(S302にてNO)、すなわち、ポイントクラウドが既存の「転落検知候補点」に対応しない場合、転落検知処理部122は、マッチング処理を行ったポイントクラウドを新たな転落検知候補点に設定する(S304)。
【0072】
そして、転落検知処理部122は、ポイントクラウドを受信したフレームが転落検知点を判断するフレームに到達したか否かを判定する(S305)。例えば、転落検知点を判断するフレームとは、一定間隔毎に予め設定されたフレームであってよい。例えば、10フレーム毎に、転落検知点を判断するフレームが設定されてよい。
【0073】
ポイントクラウドを受信したフレームが転落検知点を判断するフレームに到達していない場合(S305にてNO)、
図5のフローは終了する。
【0074】
ポイントクラウドを受信したフレームが転落検知点を判断するフレームに到達している場合(S305にてYES)、転落検知処理部122は、転落検知候補点が転落検知点に該当するか否かを判定する(S306)。例えば、転落検知処理部122は、マッチング回数のスコアが閾値以上か否かに基づいて、判定を行ってよい。
【0075】
転落検知候補点が転落検知点に該当しない場合(S306にてNO)、例えば、マッチング回数のスコアが閾値未満の場合、転落検知候補点が消去される(S307)。そして、
図5のフローは終了する。
【0076】
転落検知候補点が転落検知点に該当する場合(S306にてYES)、転落検知処理部122は、転落検知候補点を転落検知点に設定する(S308)。そして、転落検知処理部122は、設定した転落検知点についての「信頼度付与処理」を行う(S309)。そして、
図5のフローは終了する。
【0077】
<信頼度付与部123における処理例>
図6は、信頼度付与処理の流れの例を示すフローチャートである。例えば、
図6のフローは、
図4及び
図5に示した信頼度付与処理に対応する。
【0078】
信頼度付与部123は、転落検知点と転落検知点に関連付けられたポイントクラウドの情報を取得する(S401)。ここで、転落検知点に関連付けられたポイントクラウドとは、
図4及び
図5において、転落検知点とマッチング処理を行い、類似度が所定レベル以上となったポイントクラウドであってよい。また、転落検知候補点が転落検知点に設定された場合、当該転落検知候補点に関連付けられたポイントクラウドは、転落検知点に関連付けられてよい。
【0079】
信頼度付与部123は、転落検知点の座標情報と転落検知点の信頼度とを生成する(S402)。
【0080】
信頼度付与部123は、発報情報を生成するか否かを判定する(S403)。例えば、信頼度付与部123は、転落検知点の座標が、検知領域内か否かに基づいて、判定を行ってよい。例えば、車両の連結部の動き及び/又は車両の下に配置される付属機器の振動を捉えた検知点による誤りを防ぐため、検知領域(又はセンシング領域)は、車両ドアの近傍(例えば、車両ドアよりも下方の領域)であってもよい。この場合、検知領域は、車両ドアの近傍以外の領域(例えば、車両の側面の車両ドアと異なる領域よりも下方の領域)を含まないように制限されてもよい。例えば、駅のホームの下への転落した対象物を検知する場合、検知領域(又はセンシング領域)は、ホームの人が歩く面よりも下方の領域であってよい。あるいは、当該駅にホームドアが設けられる場合、検知領域は、ホームドアの開閉箇所よりも下方の領域(別言すると、電車のドアに対応するホームの乗車位置よりも下方の領域)であってよい。
【0081】
発報情報を生成する場合(S403にてYES)、例えば、転落検知点の座標が検知領域内の場合、信頼度付与部123は、発報情報を生成し、情報表示部124に出力する(S404)。そして、フローは終了する。
【0082】
発報情報を生成しない場合(S403にてNO)、例えば、転落検知点の座標が検知領域の外である場合、発報情報を生成することなくフローは終了する。
【0083】
<発報情報の例>
次に、信頼度付与部123が生成する発報情報について説明する。信頼度付与部123は、信頼度に基づいて、転落検知状態を想定する複数段階を生成する。
【0084】
例えば、信頼度付与部123は、信頼度と閾値とを比較し、3段階の発報状態を生成する。ここで、生成される3段階とは、例えば、「転落警報」、「転落要確認」、及び、「注意」の3つである。
【0085】
「転落警報」は、検知対象がホーム下まで転落した状態である可能性が極めて高いことを示す。
【0086】
「転落要確認」は、例えば、検知対象がホーム下まで転落しきっていない状態、又は、検知対象が人よりも小さい状態(例えば、小動物)を示す。
【0087】
「注意」は、誤報の可能性があるが、駅員への確認を促すことを示す。
【0088】
例えば、人物が転落した場合、人物に対応する速度が相対的に高く、かつ、複数フレームにわたって、転落検知点が発生する。そのため、信頼度には、人物が転落した状態の確からしさを反映することができる。
【0089】
また、人物が転落しきらない状態の場合、高い速度が得られても、反射レベルが落ちきった場合と比較して小さい。また、高さ情報が反映できるレーダであれば転落しきらない状態と転落した状態で信頼度の値に差が生じる。
【0090】
また、誤報要因となる電車の乗降客からの反射は、ホームの下に設置したセンサ11からスリット状の隙間を通じて得られる。そのため、複数のフレームにわたって継続して検知点が発生することは少なく、信頼度の値は小さくなる。
【0091】
以上から、信頼度付与部123では、信頼度情報の値で検知対象の状態を推定し、情報表示部124では、発報状態に応じて表示の仕方を変える。
【0092】
<情報表示部124における表示例>
図7A~
図7Cは、情報表示部124における表示例を示す図である。
図7Aは、上述した3段階のうち、「注意」の段階の表示例である。
図7Bは、上述した3段階のうち、「転落要確認」の段階の表示例である。
図7Cは、上述した3段階のうち、「転落警報」の段階の表示例である。
【0093】
発報情報には、検知対象の座標(例えば、ドア番号)が付与されている。情報表示部124では、付与された座標の情報が使用されてよい。例えば、
図7A~
図7Cに示す、「ドア:8-3」という表示が、検知対象の座標の一例である。
【0094】
例えば、情報表示部124においては、ホームに設置されたカメラから画像を取得しディスプレイに表示する(
図7A~
図7Cそれぞれの右側)。
【0095】
情報表示部124は、発報情報に付与されたドア番号を確認できるカメラから、カメラ画像を抽出し、ドア番号に該当する座標を矩形(
図7A~
図7Cの破線の矩形)で表示する。
【0096】
例えば、情報表示部124は、発報情報に付与されたドア番号のドアが撮像範囲に含まれるように、カメラをパン、チルト、ズームさせ、カメラ画像を抽出する。
【0097】
情報表示部124は、ドア番号に該当する位置のホーム側のドアを開き、警報音を鳴動させ、警報灯を点灯してもよい。
【0098】
情報表示部124においては、確認作業を迅速にするために、ドア番号に該当する位置のホーム下の非常ランプを点灯させて、転落者の周辺を明るくしてもよい。
【0099】
上述したように、情報表示部124が、信頼度に基づいて、転落物の状況を、複数の段階(上述の例では3段階)に区別し、区別した段階に応じた表示を行うことによって、駅のホームにおいて発生する様々な状況を考慮して、適切な表示を行うことができる。
【0100】
以上、本実施の形態によれば、転落検知装置12が、センサ11によって検知された情報に対して、転落物であるかどうか、および、転落物の状態についての信頼度を推定することによって、駅のホームにおいて発生する様々な状況を考慮して、転落物を精度よく検知できる。例えば、転落検知装置12は、駅のホームにおいて発生する、検知対象がホーム下まで転落した状態、検知対象がホーム下まで転落しきっていない状態、および、誤検知の状態を、信頼度に基づいて、区別できる。
【0101】
また、本実施の形態では、ミリ波レーダを用いる例を示した。ミリ波レーダを用いることにより、線路上に転落した人物及びホームの下に転落しきらない状態の人物の検知精度を向上できる。例えば、ミリ波レーダでは、降雨、気温等の環境の変化に対する耐性を備え、高い距離分解能を有するため、屋外、屋内に関わらず、駅のホームから転落した人の検知精度を向上できる。例えば、駅のホームの下は、鉄粉、粉塵が舞う暗い環境であるため、センサの検知精度が劣化してしまう可能性がある。また、鉄道車両が頻繁に通過する環境であるため、駅のホームの下に設けられるセンサには、油膜、泥等が付着する可能性がある。ミリ波レーダは、レーザー及びカメラと比較して、波長の長い電磁波を利用するため、このような環境の影響が少なく、検知精度の劣化を抑制できる。
【0102】
なお、上述した実施の形態では、転落検知システム1が駅の構内に導入され、転落検知装置12が、駅のホームから転落する転落物(例えば、人)の検出を行う例を示したが、本開示は、これに限定されない。例えば、転落検知システム1は駅の構内と異なる場所に導入され、転落検知装置12は、駅のホームと異なる場所において、転落物の検出を行ってもよい。この場合、例えば、センサ11のセンシング領域は、転落しきった状態の転落物が存在する第1の領域と、転落していない通常の状態の転落物が存在する第2の領域と、第1の領域と第2の領域と異なる第3の領域とを含む。そして、転落検知装置12は、センサ11によって検知された情報に基づいて、転落物の状態が、転落物が第1の領域に転落している第1の状態、転落物が第1の領域に転落していない第2の状態、及び、第1の状態と第2の状態と異なる第3の状態の何れであるかを推定してよい。例えば、転落物が第1の領域に転落していない第2の状態とは、転落物が第3の領域に存在している状態に対応してよい。
【0103】
本実施の形態の例では、センサ11のセンシング領域は、駅のホームの下方へ転落しきった状態の人が存在するホームの下方の第1の領域(例えば、線路を含む領域)と、駅のホームを利用する人が歩行する第2の領域(例えば、ホームで利用者が存在する面を含む領域)と、第1の領域と第2の領域と異なる第3の領域とを含む。例えば、第3の領域は、ホームの下方まで転落しきっていない状態の人が存在する領域に対応する。そして、この場合、第1の状態は、転落物がホームの下方に転落している状態に対応し、第2の状態は、転落物がホームの下方に転落していない状態に対応する。そして、第3の状態は、例えば、転落物がホームの下方まで転落しきっていない状態に対応する。
【0104】
本開示における転落検知システム1は、上述した電車へ乗り降りする人物の転落検知に限られず、船舶へ乗船及び下船する人物の転落検知、タラップから飛行機へ乗り降りする人物の転落検知、遊園地等の乗り物へ乗り降りする人物の転落検知に適用されてよい。また、本開示における転落検知システム1は、工場(例えば、廃棄物処理工場)、建築現場といった人物の通過する足場が不安定で、転落する可能性がある場所での転落検知に適用されてよい。
【0105】
なお、上記実施の形態における転落検知装置12、または、転落検知装置12に含まれる構成は、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信装置、入力装置、出力装置、バスなどを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0106】
なお、上記各実施の形態における「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0107】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0108】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0109】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0110】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0111】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0112】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0113】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0114】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0115】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0116】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0117】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本開示は、無線通信システムに好適である。
【符号の説明】
【0119】
1 転落検知システム
11 センサ
12 転落検知装置
121 状態判定処理部
122 転落検知処理部
123 信頼度付与部
124 情報表示部