(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】監視システム、情報システム、監視方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
(21)【出願番号】P 2020112122
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 大地
(72)【発明者】
【氏名】永利 英昭
(72)【発明者】
【氏名】一村 省互
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-044180(JP,A)
【文献】特開2004-252595(JP,A)
【文献】特開2003-216288(JP,A)
【文献】特開2013-073411(JP,A)
【文献】特開2009-230329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間の環境に関する環境情報を取得する第1取得部と、
前記対象空間に配置される機器の電力に関する電力情報を取得する第2取得部と、
前記環境情報及び前記電力情報に基づいて、前記対象空間で発生する異常の有無を判断する判断部と、
を備え
、
前記電力情報は、前記機器の瞬時電力の値を含み、
前記環境情報は、前記対象空間内の前記機器の温度を計測する温度計測システムで計測される温度の値を含み、
前記判断部は、
前記瞬時電力の値が瞬時電力閾値未満であり前記温度の値が温度閾値未満の場合、前記対象空間に異常が無いと判断し、
前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値以上であって前記温度の値が前記温度閾値未満の場合、前記対象空間に異常が無いと判断し、
前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値以上であって前記温度の値が前記温度閾値以上の場合、前記機器が異常に発熱していると判断して、前記対象空間に異常が有ると判断し、
前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値未満であって前記温度の値が前記温度閾値以上の場合、前記対象空間の温度が異常に上昇していると判断して、前記対象空間に異常が有ると判断する、
監視システム。
【請求項2】
前記第1取得部は、複数の取得単位にそれぞれ関連する複数の前記環境情報を取得し、
前記第2取得部は、前記複数の取得単位にそれぞれ関連する複数の前記電力情報を取得し、
前記判断部は、前記複数の環境情報及び前記複数の電力情報を、取得単位ごとに組み合わせて用いて、前記対象空間で発生する前記異常の有無を判断する、
請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記複数の取得単位は、互いに異なる複数のタイムスロットを含む、
請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記判断部は、前記環境情報と前記電力情報とのうちの少なくとも一方の変化に基づいて、前記異常の有無を判断する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項5】
前記判断部は、前記環境情報と前記電力情報とのうちの少なくとも一方の変化量に基づいて、前記異常の有無を判断する、
請求項4記載の監視システム。
【請求項6】
前記環境情報は、前記対象空間に配置されるセンサで検出されるセンサ情報を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項7】
前記環境情報は、前記対象空間に配置される前記機器の動作情報を含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項8】
前記判断部の判断結果を出力する出力部を更に備える、
請求項1~7のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項9】
前記出力部は、前記判断部が前記判断結果を生成してから前記判断結果を出力するまでに遅延時間を設定する、
請求項8に記載の監視システム。
【請求項10】
前記環境情報及び前記電力情報に基づいて前記異常の詳細を推定する推定部を更に備え、
前記異常の詳細は、前記異常が発生した場所及び前記異常が発生した時間の少なくとも一方を含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の監視システムと、
前記電力情報を計測する電力計測システムと、
を備える、
情報システム。
【請求項12】
対象空間の環境に関する環境情報を取得する第1取得処理と、
前記対象空間に配置される機器の電力に関する電力情報を取得する第2取得処理と、
前記環境情報及び前記電力情報に基づいて、前記対象空間で発生する異常の有無を判断する判断処理と、
を含み、
前記電力情報は、前記機器の瞬時電力の値を含み、
前記環境情報は、前記対象空間内の前記機器の温度を計測する温度計測システムで計測される温度の値を含み、
前記判断処理は、
前記瞬時電力の値が瞬時電力閾値未満であり前記温度の値が温度閾値未満の場合、前記対象空間に異常が無いと判断することと、
前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値以上であって前記温度の値が前記温度閾値未満の場合、前記対象空間に異常が無いと判断することと、
前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値以上であって前記温度の値が前記温度閾値以上の場合、前記機器が異常に発熱していると判断して、前記対象空間に異常が有ると判断することと、
前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値未満であって前記温度の値が前記温度閾値以上の場合、前記対象空間の温度が異常に上昇していると判断して、前記対象空間に異常が有ると判断することと、
を含む、
監視方法。
【請求項13】
1以上のプロセッサに、請求項12に記載の監視方法を実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、監視システム、情報システム、監視方法、及びプログラムに関する。本開示は、より詳細には、対象空間を監視する監視システム、情報システム、監視方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ラック内に収納される所謂ラックマウント型の、サーバやルータ等の情報機器の動作環境を監視するのに好適な環境監視装置が開示されている。
【0003】
この環境監視装置は、筐体と、少なくとも1つの送受信部と、時刻情報供給部と、制御部と、を備える。送受信部は、筐体の外部に配置される動作環境計測装置から送信される機器の動作環境の計測情報を受信する。筐体には例えば3つの送受信部が備えられ、それぞれ電力監視装置、温度監視装置、及び湿度監視装置と接続される。時刻情報供給部は、電池で駆動して時刻情報を出力する。制御部は、計測情報と時刻情報とを含む環境監視情報を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の環境監視装置は、環境監視情報として、個別の計測情報を時刻情報と紐付けた情報を作成するだけである。そのため、この環境監視装置では、ユーザ自身が、作成された環境監視情報から環境の状態を判断する必要があり、ユーザの利便性に向上の余地がある。
【0006】
本開示は、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る監視システムは、第1取得部と、第2取得部と、判断部と、を備える。第1取得部は、対象空間の環境に関する環境情報を取得する。前記第2取得部は、前記対象空間に配置される機器の電力に関する電力情報を取得する。前記判断部は、前記環境情報及び前記電力情報に基づいて、前記対象空間で発生する異常の有無を判断する。前記電力情報は、前記機器の瞬時電力の値を含む。前記環境情報は、前記対象空間内の前記機器の温度を計測する温度計測システムで計測される温度の値を含む。前記判断部は、前記瞬時電力の値が瞬時電力閾値未満であり前記温度の値が温度閾値未満の場合、前記対象空間に異常が無いと判断し、前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値以上であって前記温度の値が前記温度閾値未満の場合、前記対象空間に異常が無いと判断し、前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値以上であって前記温度の値が前記温度閾値以上の場合、前記機器が異常に発熱していると判断して、前記対象空間に異常が有ると判断し、前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値未満であって前記温度の値が前記温度閾値以上の場合、前記対象空間の温度が異常に上昇していると判断して、前記対象空間に異常が有ると判断する。
【0008】
本開示の一態様に係る情報システムは、前記監視システムと、電力計測システムと、を備える。前記電力計測システムは、前記電力情報を計測する。
【0009】
本開示の一態様に係る監視方法は、第1取得処理と、第2取得処理と、判断処理と、を含む。前記第1取得処理は、対象空間の環境に関する環境情報を取得することを含む。前記第2取得処理は、前記対象空間に配置される機器の電力に関する電力情報を取得することを含む。前記判断処理は、前記環境情報及び前記電力情報に基づいて、前記対象空間で発生する異常の有無を判断することを含む。前記電力情報は、前記機器の瞬時電力の値を含む。前記環境情報は、前記対象空間内の前記機器の温度を計測する温度計測システムで計測される温度の値を含む。前記判断処理は、前記瞬時電力の値が瞬時電力閾値未満であり前記温度の値が温度閾値未満の場合、前記対象空間に異常が無いと判断することと、前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値以上であって前記温度の値が前記温度閾値未満の場合、前記対象空間に異常が無いと判断することと、前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値以上であって前記温度の値が前記温度閾値以上の場合、前記機器が異常に発熱していると判断して、前記対象空間に異常が有ると判断することと、前記瞬時電力の値が前記瞬時電力閾値未満であって前記温度の値が前記温度閾値以上の場合、前記対象空間の温度が異常に上昇していると判断して、前記対象空間に異常が有ると判断することと、を含む。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、前記監視方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、利便性を向上させることが可能となる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る監視システムを備えた情報システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の監視システムの監視される対象空間の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、同上の監視システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態の監視システム10、及び監視システム10を備えた情報システム100について、図面を参照しながら説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0014】
(1)概要
本実施形態の監視システム10は、対象空間S1の状態を監視するシステムである。監視システム10で監視される対象空間S1の状態は、対象空間S1で発生する異常の有無を含み得る。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の監視システム10は、情報システム100に含まれる。情報システム100は、監視システム10に加えて、複数の検出システム20を備えている。
【0016】
複数の検出システム20は、環境情報検出システム30を含む。環境情報検出システム30は、対象空間S1の環境に関する環境情報を検出する。
【0017】
複数の検出システム20は、電力計測システム40を含む。電力計測システム40は、対象空間S1に配置される機器50の電力に関する電力情報を計測する。
【0018】
監視システム10は、第1取得部181と、第2取得部182と、判断部183と、を備えている。
【0019】
第1取得部181は、環境情報を取得する。第1取得部181は、環境情報検出システム30から、環境情報検出システム30で検出された環境情報を取得する。要するに、第1取得部181は、対象空間S1の環境に関する環境情報を取得する。
【0020】
第2取得部182は、電力情報を取得する。第2取得部182は、電力計測システム40から、電力計測システム40で計測された電力情報を取得する。要するに、第2取得部182は、対象空間S1に配置される機器50の電力に関する電力情報を取得する。
【0021】
判断部183は、取得された環境情報及び電力情報に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。対象空間S1で発生する異常は、例えば、対象空間S1で発生する火災、対象空間S1に配置されている機器50の異常等を含む。
【0022】
上述のように、本実施形態の監視システム10では、判断部183が、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。そのため、ユーザは、例えば監視システム10から報知を受けることで、対象空間S1で異常が発生していることを知ることができる。そのため、本実施形態の監視システム10によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0023】
(2)詳細
以下、本実施形態の監視システム10、及び監視システム10を備えた情報システム100について、
図1~
図3を参照しながらより詳細に説明する。監視システム10及び情報システム100は、対象空間S1の状態を監視するために用いられる。
【0024】
図2に示すように、対象空間S1には、電力を消費して動作する機器50が、1台以上(
図2には、1台のみ図示)配置される。電力を消費して動作する機器50は、例えばサーバであり、対象空間S1は、例えば複数台のサーバ(機器50)が配置されたサーバルームである。ただし、対象空間S1はサーバルームに限られず、任意の機器(電気機器)50が配置される任意の空間(住宅又は非住宅内の部屋、廊下、屋外等)であってよい。
【0025】
図2に示すように、対象空間S1には、機器50に加えて、複数の検出システム20が配置される。
【0026】
(2.1)検出システム
複数の検出システム20は、環境情報検出システム30と、電力計測システム40と、を含む。
【0027】
環境情報検出システム30の一例は、温度計測システム31を含む。温度計測システム31は、計測対象の温度を計測する。温度計測システム31の計測対象は、対象空間S1において温度計測システム31が配置された場所である。
【0028】
温度計測システム31は、温度センサと、通信インタフェースと、処理部と、を備える。温度センサは、温度計測システム31(温度センサ)が配置された場所の温度を計測する。温度センサは、例えば所定の時間間隔で(例えば1秒毎、10秒毎、1分毎等に)、温度を計測する。温度センサは、計測された温度に応じた電気信号を生成する。通信インタフェースは、監視システム10に接続されている通信ケーブル300と接続され、温度計測システム31と監視システム10との間の通信を可能とする。処理部は、温度センサで生成された電気信号を信号処理して温度計測値データを生成したり、生成した温度計測値データを通信ケーブル300を介して監視システム10に送信したり、監視システム10から通信ケーブル300を介してコマンドを受信したりする。
【0029】
対象空間S1には、複数台の温度計測システム31が配置され得る。複数台の温度計測システム31は、対象空間S1内の異なる場所に配置され、配置された場所(計測対象)の温度をそれぞれ計測する。
図2に示すように、複数台の温度計測システム31のうちの一部は、機器50(或いは機器50の電源ケーブル51)に近接或いは接触するように配置され得る。これにより、この温度計測システム31は、計測対象として、機器50(機器50の電源ケーブル51)の温度を計測する。また、別の温度計測システム31は、対象空間S1において機器50から離れて配置され得る。
【0030】
環境情報検出システム30の一例は、湿度計測システム32を含む。湿度計測システム32は、計測対象の湿度を計測する。湿度計測システム32の計測対象は、対象空間S1において湿度計測システム32が配置された場所である。
【0031】
湿度計測システム32は、湿度センサと、通信インタフェースと、処理部と、を備える。湿度センサは、湿度計測システム32(湿度センサ)が配置された場所の湿度を計測する。湿度センサは、例えば所定の時間間隔で(例えば1秒毎、10秒毎、1分毎等に)、湿度を計測する。湿度センサは、計測された湿度に応じた電気信号を生成する。通信インタフェースは、監視システム10に接続されている通信ケーブル300と接続され、湿度計測システム32と監視システム10との間の通信を可能とする。処理部は、湿度センサで生成された電気信号を信号処理して湿度計測値データを生成したり、生成した湿度計測値データを通信ケーブル300を介して監視システム10に送信したり、監視システム10から通信ケーブル300を介してコマンドを受信したりする。
【0032】
対象空間S1には、複数台の湿度計測システム32が配置され得る。湿度計測システム32が複数台の場合、複数台の湿度計測システム32は、対象空間S1内の異なる場所に配置され、配置された場所(計測対象)の湿度をそれぞれ計測する。
【0033】
環境情報検出システム30の一例は、状態検出センサ33を含む。状態検出センサ33は、検出対象の状態を検出する。状態検出センサ33の検出対象は、対象空間S1の種々の状態を含み得る。状態検出センサ33は、検出対象の状態を示す2値の信号(デジタル信号)を出力するセンサである。
【0034】
状態検出センサ33の例は、開閉センサ、警報出力センサ、煙センサ、一酸化炭素(CO)センサ、ほこりセンサ等を含む。
【0035】
開閉センサは、対象空間S1の出入り口を開閉するドアに取り付けられ、ドアの開閉を検出する。開閉センサは、機器50の筐体に取り付けられ、筐体の開閉を検出してもよい。
【0036】
警報出力センサは、例えば機器50に設けられている。警報出力センサは、機器50の動作に異常(例えば、機器50の故障、機器50の緊急停止等)が生じた場合に、この異常を検出する。
【0037】
煙センサは、対象空間S1に配置され、配置された場所での煙の発生を検出する。
【0038】
一酸化炭素センサは、対象空間S1に配置され、配置された場所での一酸化炭素の発生(一酸化炭素の濃度が濃度閾値以上であること)を検出する。
【0039】
ほこりセンサは、対象空間S1に配置され、配置された場所での過度のほこりの存在を検出する。
【0040】
状態検出センサ33は、通信ケーブル330を介して、監視システム10と接続される。状態検出センサ33は、通信ケーブル330を介して、検出対象の状態を示すデジタル信号を監視システム10へ送信する。
【0041】
電力計測システム40は、計測対象の電力に関する情報を計測する。電力計測システム40の計測対象は、対象空間S1に配置される機器50(機器50の電源ケーブル)である。
【0042】
電力計測システム40は、電力計測部と、通信インタフェースと、処理部と、を備える。電力計測部は、商用電源から機器50に供給される電力を計測する。電力計測部は、例えば、カレントトランス(CT)41により、機器50の電源ケーブル51(計測対象)に含まれる電線を流れる電流を計測する。また、電力計測部は、電圧計42により、機器50の電源ケーブル51(計測対象)に含まれる2本以上の電線の間の電圧を計測する。電力計測部は、例えば所定の時間間隔で(例えば1秒毎、10秒毎、1分毎等に)、電流及び電圧を計測する。処理部は、電力計測部の計測結果に基づいて電力関連データを生成したり、生成した電力関連データを通信ケーブル400を介して監視システム10に送信したり、監視システム10から通信ケーブル400を介してコマンドを受信したりする。電力関連データは、例えば、瞬時電力、積算電力量、電圧、電流、力率等を含み得る。
【0043】
対象空間S1には、複数台の電力計測システム40が配置され得る。複数台の電力計測システム40は、対象空間S1内の異なる場所に配置される。複数台の電力計測システム40の計測対象は、互いに異なる複数の機器50であってもよいし、互いに異なる複数の機器50それぞれの電源ケーブル51であってもよいし、同一の機器50(或いは同一の機器50の電源ケーブル51)の互いに異なる位置であってもよい。
【0044】
ここで、各電力計測システム40の計測対象(機器50の電源ケーブル51)の近傍或いは接触するように、対応する温度計測システム31が配置されている。すなわち、各電力計測システム40で計測される電力情報は、対応する温度計測システム31で計測される温度の値(環境情報)と、対応付けが可能である。
【0045】
(2.2)監視システム
図1に示すように、監視システム10は、情報システム100に含まれる。
図2に示すように、監視システム10は、基本的には対象空間S1以外の空間に配置される。ただし、これに限らず、監視システム10は対象空間S1に配置されてもよい。
【0046】
図1に示すように、監視システム10は、第1接続部11と、第2接続部12と、第3接続部13と、通信部14と、デジタル出力部15と、記憶部16と、電源部17と、制御部18と、を備えている。第1取得部181、第2取得部182、及び判断部183は、制御部18に含まれる。
【0047】
第1接続部11は、通信インタフェースを備えている。第1接続部11は、例えばRJ-45型のモジュラジャック等のコネクタを備えている。
【0048】
第1接続部11には、通信ケーブル300を介して、環境情報検出システム30のうちの温度計測システム31及び/又は湿度計測システム32が、接続される。以下、温度計測システム31と湿度計測システム32とを区別しない場合、「環境情報計測システム」ともいう。本実施形態では、第1接続部11には、複数の通信ケーブル300を介して複数の環境情報計測システムが接続される。例えば、各環境情報計測システムは、通信インタフェースとして2つのコネクタ(モジュラジャック等)を備えており、通信ケーブル300は、両端にコネクタ(モジュラプラグ等)を備えている。そして、通信ケーブル300の両端に設けられたコネクタを、2つの環境情報計測システムが備えるコネクタにそれぞれ接続することで、複数の環境情報計測システムが直列に接続される。つまり、複数の環境情報計測システムは、複数の通信ケーブル300によって、所謂バス配線の形式で第1接続部11に接続される。
【0049】
第1接続部11に温度計測システム31が接続される場合、制御部18の第1取得部181は、通信ケーブル300を介して、温度計測システム31から温度計測値データ(環境情報)を取得し得る。第1取得部181が取得する温度計測値データは、温度センサにより所定の時間間隔で計測された温度の値についての情報を含む。第1取得部181が取得する温度計測値データは、温度センサが温度の計測を行った時間についての情報を含み得る。監視システム10は、制御部18により、第1接続部11を介して取得された温度計測値データを処理する。制御部18は、計測された温度の値を、時系列で記憶部16に記憶させる。
【0050】
複数台の温度計測システム31から温度計測値データを取得する場合、監視システム10の制御部18は、温度計測システム31毎に(例えば、各温度計測システム31の識別情報と紐付けて)、温度の値を記憶部16に記憶させる。また、制御部18は、温度計測値データに含まれる温度の値を、温度が計測された時間(温度センサが温度を計測した時間、又は温度計測システム31から温度計測値データを取得した時間)と紐付けて、記憶部16に記憶させる。つまり、制御部18は、計測された温度の値を、温度計測システム31毎に、時系列で記憶部16に記憶させる。
【0051】
第1接続部11に湿度計測システム32が接続される場合、制御部18の第1取得部181は、通信ケーブル300を介して、湿度計測システム32から湿度計測値データ(環境情報)を取得し得る。第1取得部181が取得する湿度計測値データは、湿度センサにより所定の時間間隔で計測された湿度の値についての情報を含む。第1取得部181が取得する湿度計測値データは、湿度センサが湿度の計測を行った時間についての情報を含み得る。監視システム10は、制御部18により、第1取得部181で取得された湿度計測値データを処理する。制御部18は、計測された湿度の値を、時系列で記憶部16に記憶させる。
【0052】
複数台の湿度計測システム32から湿度計測値データを取得する場合、監視システム10の制御部18は、湿度計測システム32毎に(例えば、各湿度計測システム32の識別情報と紐付けて)、湿度の値を記憶部16に記憶させる。また、制御部18は、湿度計測値データに含まれる湿度の値を、湿度が計測された時間(湿度センサが湿度を計測した時間、又は湿度計測システム32から湿度計測値データを取得した時間)と紐付けて、記憶部16に記憶させる。つまり、制御部18は、計測された湿度の値を、湿度計測システム32毎に、時系列で記憶部16に記憶させる。
【0053】
第1接続部11には、温度計測システム31のみが接続されていてもよいし、湿度計測システム32のみが接続されていてもよいし、温度計測システム31と湿度計測システム32とが接続されていてもよい。言い換えれば、監視システム10の第1取得部181が取得する環境情報は、温度情報(温度計測値データ)のみを含んでもよいし、湿度情報(湿度計測値データ)のみを含んでもよいし、温度情報と湿度情報とを含んでもよい。
【0054】
また、第1接続部11に接続される温度計測システム31は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。第1接続部11に接続される湿度計測システム32は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0055】
また、監視システム10が複数の第1接続部11を備え、複数の第1接続部11の各々に1台以上の環境情報計測システムが接続されてもよい。
【0056】
ここで、温度計測システム31は、上述のように、配置された場所の温度を所定の時間間隔で計測する。また、対象空間S1に複数台の温度計測システム31が配置される場合、複数台の温度計測システム31の各々は、配置された場所の温度を計測する。
【0057】
湿度計測システム32は、上述のように、配置された場所の湿度を所定の時間間隔で計測する。また、対象空間S1に複数台の湿度計測システム32が配置される場合、複数台の湿度計測システム32の各々は、配置された場所の温度を計測する。
【0058】
要するに、第1取得部181は、複数の取得単位にそれぞれ関連する複数の環境情報(温度計測値データ/湿度計測値データ)を取得する。取得単位は、例えば、場所(環境情報計測システムの設置場所)、時間(計測が行われた時間)等であり得る。つまり、複数の取得単位は、互いに異なる複数の場所、及び/又は互いに異なる複数のタイムスロットを含み得る。
【0059】
図2に示すように、第1接続部11には、対象空間S1以外の空間(外部空間)に配置された環境情報計測システム(以下「外部環境情報計測システム39」ともいう)が、接続されてもよい。つまり、第1取得部181は、対象空間S1の環境に関する環境情報を取得し、オプションとして外部空間の環境に関する外部環境情報を取得する。
【0060】
第2接続部12は、通信インタフェースを備えている。第2接続部12は、例えばRS-485の規格に準拠したコネクタを備えている。
【0061】
第2接続部12には、通信ケーブル400を介して、電力計測システム40が接続される。本実施形態では、第2接続部12には、複数の通信ケーブル400を介して複数の電力計測システム40が接続される。例えば、各電力計測システム40は、通信インタフェースとして2つのコネクタを備えており、通信ケーブル400は、両端にコネクタを備えている。そして、通信ケーブル400の両端に設けられたコネクタを、2つの電力計測システム40が備えるコネクタにそれぞれ接続することで、複数の電力計測システム40が直列に接続される。つまり、複数の電力計測システム40は、複数の通信ケーブル400によって、所謂バス配線の形式で第2接続部12に接続される。
【0062】
第2接続部12に電力計測システム40が接続される場合、制御部18の第2取得部182は、通信ケーブル400を介して、電力計測システム40から電力関連データ(電力情報)を取得する。第2取得部182が取得する電力関連データは、電力計測システム40の処理部により生成された、瞬時電力、積算電力量、電圧、電流、力率等の値の情報を含み得る。監視システム10は、制御部18により、第2接続部12を介して取得された電力関連データを処理する。制御部18は、電力関連データを、時系列で記憶部16に記憶させる。
【0063】
複数台の電力計測システム40から電力関連データを取得する場合、監視システム10の制御部18は、電力計測システム40毎に(例えば、各電力計測システム40の識別情報と紐付けて)、電力関連データに含まれる各種情報の値を記憶部16に記憶させる。また、制御部18は、電力関連データに含まれる各種情報の値を、これらの情報が生成された時間(CT41により電流を計測した時間、電圧計42により電圧を計測した時間、処理部により各種情報の値を生成した時間、又は電力計測システム40から電力関連データを取得した時間等)と紐付けて、記憶部16に記憶させる。つまり、制御部18は、電力関連データを、電力計測システム40毎に、時系列で記憶部16に記憶させる。
【0064】
第2接続部12に接続される電力計測システム40は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。また、監視システム10が複数の第2接続部12を備え、複数の第2接続部12の各々に1台以上の電力計測システム40が接続されてもよい。
【0065】
ここで、電力計測システム40は、上述のように、計測対象(機器50)の電力に関する情報を所定の時間間隔で計測する。また、対象空間S1に複数台の電力計測システム40が配置される場合、複数台の電力計測システム40の各々は、計測対象の電力に関する情報を計測する。
【0066】
要するに、第2取得部182は、複数の取得単位にそれぞれ関連して得られる複数の電力情報(電力関連データ)を取得する。取得単位は、例えば、場所(計測対象の機器50の電源ケーブル)、機器50(計測対象の機器50)、時間(計測が行われた時間)等であり得る。つまり、複数の取得単位は、互いに異なる複数の場所、互いに異なる複数の機器50、及び/又は互いに異なる複数のタイムスロットを含み得る。
【0067】
図2に示すように、第2接続部12には、対象空間S1以外の空間(外部空間)に配置された機器の電力関連データを計測する電力計測システム(以下、「外部電力計測システム49」ともいう)が、接続されてもよい。つまり、第2取得部182は、対象空間S1に配置される機器50の電力に関する電力情報を取得し、オプションとして外部空間に配置される機器の電力に関する外部電力情報を取得する。
【0068】
第3接続部13は、通信インタフェースを備えている。第3接続部13は、例えば速結端子等のコネクタを備えている。
【0069】
第3接続部13には、通信ケーブル330を介して状態検出センサ33が接続される。監視システム10は、第3接続部13を複数(
図1では2つのみ図示)備えており、複数の第3接続部13に対して複数の状態検出センサ33が一対一に接続され得る。もちろん、複数の第3接続部13のうちの一つのみに状態検出センサ33が接続されていてもよいし、いずれの第3接続部13にも状態検出センサ33が接続されなくてもよい。
【0070】
第3接続部13は、例えばフォトカプラを備えており、無電圧接点の形式で、通信ケーブル330を介して接続されている状態検出センサ33からデジタル信号を取得する。
【0071】
第3接続部13に状態検出センサ33が接続される場合、制御部18の第1取得部181は、通信ケーブル330を介して、状態検出センサ33からデジタル信号の値(環境情報)を取得する。監視システム10は、制御部18により、第3接続部13で取得されたデジタル信号を処理する。制御部18は、デジタル信号の値を、時系列で記憶部16に記憶させる。要するに、環境情報は、対象空間S1に配置されるセンサで検出されるセンサ情報を含む。
【0072】
複数の第3接続部13に接続されている複数の状態検出センサ33からデジタル信号を取得する場合、監視システム10の制御部18は、状態検出センサ33毎に(例えば、各状態検出センサ33の識別情報と紐付けて)、デジタル信号の値を記憶部16に記憶させる。つまり、制御部18は、デジタル信号の値を、状態検出センサ33毎に、時系列で記憶部16に記憶させる。
【0073】
記憶部16は、監視システム10の各種の設定等の種々の情報を記憶する。記憶部16は、電力計測システム40(の識別情報)と対応して配置されている温度計測システム31(の識別情報)との対応関係も、記憶する。記憶部16は、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等を含み得る。記憶部16は、不揮発性のメモリ(Non-volatile memory)を含み得る。記憶部16は、制御部18の有するメモリであってもよい。
【0074】
また、記憶部16は、第1取得部181及び第2取得部182で取得した環境情報、電力情報等を記憶する。記憶部16は、判断部183の判断結果を示す情報を記憶する。記憶部16は、推定部184の推定結果を示す情報を記憶する。
【0075】
電源部17は、商用電源ACから供給される交流電力から、制御部18等の動作電力(例えば5Vの直流電力)を生成する。電源部17は、整流回路、レギュレータ回路等の周知の電源回路で構成される。
【0076】
通信部14は、通信インタフェースを備える。通信部14には、外部の設定用端末80及び管理端末90が接続される。通信部14は、例えば、設定用端末80を接続するためのRS-232Cの規格に準拠したコネクタと、イーサネット(登録商標)により管理端末90と通信するためのコネクタ(RJ-45型のモジュラジャック等)と、を備えている。
【0077】
設定用端末80は、監視システム10の基本設定を行うための端末である。設定用端末80は、基本的には対象空間S1以外の空間(外部空間)に配置される。設定用端末80は、例えば汎用の情報端末(パーソナルコンピュータ、携帯端末等)である。設定用端末80は、通信ケーブル800を介して、監視システム10の通信部14と接続される。設定用端末80により、例えば、監視システム10と管理端末90との間の通信設定、SNMP機能に関する設定、制御部18のプログラムの更新等が可能である。設定用端末80は、例えば監視システム10の基本設定を行う場合にのみ、通信部14と接続される。
【0078】
管理端末90は、監視システム10で生成された情報を受け取るための端末である。管理端末90は、基本的には対象空間S1以外の空間(外部空間)に配置される。管理端末90は、例えば汎用の情報端末(パーソナルコンピュータ、携帯端末等)である。管理端末90は、例えば通信ケーブル900及びネットワークNT1を介して、監視システム10の通信部14と接続される。管理端末90は、所定のプログラム(アプリケーション)を実行することで監視システム10から受け取った情報を処理し、この情報を表、グラフ等の形式で可視化して表示する。
【0079】
制御部18は、監視システム10の各部を制御する。制御部18は、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及びメモリを主構成とするコンピュータシステムである。この制御部18では、メモリに記録されたプログラムを1以上のプロセッサで実行することによって、種々の機能が実現される。プログラムは、制御部18のメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能な光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0080】
図1に示すように、制御部18は、第1取得部181、第2取得部182、判断部183、推定部184及び報知部185を備えている。ただし、第1取得部181、第2取得部182、判断部183、推定部184及び報知部185は、実体のある構成を示しているわけではなく、制御部18により実現される機能を示している。
【0081】
第1取得部181は、環境情報を取得する。第1取得部181は、環境情報として、第1接続部11に接続されている環境情報計測システム(温度計測システム31、湿度計測システム32)から、計測値データ(温度計測値データ、湿度計測値データ)を取得する。第1取得部181は、環境情報として、第3接続部13に接続されている状態検出センサ33から、デジタル信号の値を取得する。
【0082】
また、第1取得部181は、オプションとして、外部環境情報計測システム39から外部空間の環境に関する外部環境情報を取得する。
【0083】
第2取得部182は、電力情報を取得する。第2取得部182は、電力情報として、第2接続部12に接続されている電力計測システム40から、電力関連データを取得する。
【0084】
また、第2取得部182は、オプションとして、外部電力計測システム49から外部電力環境情報を取得する。
【0085】
判断部183は、取得した環境情報及び電力情報に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。
【0086】
判断部183は、第1判断処理を行う機能を少なくとも有している。第1判断処理は、環境情報と電力情報との組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する処理である。
【0087】
第1判断処理の一例において、判断部183は、電力計測システム40で計測された電力情報と、対応する温度計測システム31で計測された温度の値(温度計測値データ)と、の組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。「対応する温度計測システム31」とは、電力計測システム40の計測対象の機器50(の電源ケーブル51)の近傍或いは接触するように配置されている温度計測システム31を意味する。
【0088】
一具体例において、判断部183は、電力情報に含まれる瞬時電力の値と、計測された温度の値と、の組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。対象空間S1で発生する異常は、機器50の発熱と、火災等の原因による対象空間S1の異常な温度上昇と、を含み得る。例えば、判断部183は、電力情報に含まれる瞬時電力の値を瞬時電力閾値と比較し、計測された温度の値を温度閾値と比較する。瞬時電力閾値及び温度閾値は、記憶部16に記憶されている。判断部183は、例えば、瞬時電力及び温度が両方とも閾値未満の場合、対象空間S1に異常が無いと判断する。判断部183は、例えば、瞬時電力が瞬時電力閾値以上であって温度が温度閾値未満の場合も、対象空間S1に異常が無いと判断する。一方、判断部183は、例えば、瞬時電力が瞬時電力閾値以上であって温度が温度閾値以上の場合、電力計測システム40の計測対象である機器50が異常に発熱している(機器50の発熱)と判断して、対象空間S1に異常が有ると判断する。また、判断部183は、例えば、瞬時電力が瞬時電力閾値未満であって温度が温度閾値以上の場合、例えば火災等の原因で対象空間S1の温度が異常に上昇していると判断して、対象空間S1に異常が有ると判断する。要するに、判断部183は、環境情報と電力情報との相関に基づいて、異常の有無を判断する。なお、機器50の発熱を判断する場合の温度閾値と、火災の発生を判断する場合の温度閾値とは、互いに異なっていてもよい。
【0089】
判断部183は、第1取得部181で取得される環境情報(温度の値)及び第2取得部182で取得される電力情報を用いて、対象空間S1で発生する異常の有無の判定を随時行う。
【0090】
また、対象空間S1では、上述のように、複数の電力計測システム40の計測対象の近傍或いは接触するように、対応する温度計測システム31がそれぞれ配置されている。そして、監視システム10の記憶部16には、電力計測システム40と温度計測システム31との間の対応関係が記憶されている。そのため、複数の電力計測システム40から複数の計測対象の電力情報を取得し、複数の計測対象の場所にそれぞれ対応して配置された複数の温度計測システム31から温度の値(温度計測値データ)をそれぞれ取得する場合、判断部183は、電力情報及び温度の値を計測対象ごとに組み合わせて用いて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断することが可能である。例えば、複数の計測対象の場所のうちの一つのみについて、機器50の瞬時電力が瞬時電力閾値未満かつ温度が温度閾値以上である(つまり、火災の可能性がある)との結果が得られ、他の計測対象の場所では異常が無いとの結果が得られたとする。この場合、判断部183は、複数の計測対象の場所での判断結果を総合して判断を行い、対象空間S1では異常としての火災は発生しておらず、火災の可能性があるとの結果が得られたのは温度計測システム31の故障が原因であると判断してもよい。この場合、判断部183は、対象空間S1には、異常として、計測された温度の値が温度閾値以上となった温度計測システム31に異常が有る、と判断する。要するに、判断部183は、複数の環境情報及び複数の電力情報を、取得単位(場所等)ごとに組み合わせて用いて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断してもよい。
【0091】
第1判断処理において、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する場合、判断部183は、環境情報と電力情報とのうちの少なくとも一方の変化を用いてもよい。言い換えれば、判断部183は、環境情報と電力情報とのうちの少なくとも一方の変化に基づいて、異常の有無を判断してもよい。特に、判断部183は、環境情報と電力情報とのうちの少なくとも一方の変化量に基づいて、異常の有無を判断してもよい。
【0092】
例えば、判断部183は、計測された温度の値を温度閾値と比較する代わりに或いは比較することに加えて、所定時間内での温度の変化量を、温度変化量閾値と比較してもよい。温度変化量閾値は、例えば記憶部16に記憶されている。この場合、判断部183は、例えば、通常使用時の温度の値を常時(定期的に)取得しておき、現在計測された温度の値が通常使用時の温度の値よりも温度変化量閾値以上高いか否かを判定してもよい。
【0093】
なお、第1判断処理において判断部183が電力情報と組み合わせて用いる環境情報は、温度計測システム31で計測される温度の値に限られない。例えば、判断部183は、第1判断処理において、状態検出センサ33としての警報出力センサからのデジタル信号の値を、電力情報と組み合わせて用いてもよい。例えば、判断部183は、警報出力センサからのデジタル信号の値が機器50の異常を示し、かつ、この機器50を計測対象とする電力計測システム40で計測された瞬時電力の値が瞬時電力閾値以上の場合、対象空間S1に異常がある(機器50に異常がある)と判断してもよい。要するに、環境情報は、対象空間S1に配置される機器50の動作情報を含んでもよい。
【0094】
また、第1判断処理において判断部183が環境情報と組み合わせて用いる電力情報は、瞬時電力の値に限られず、電圧の値、電流の値等の他の値であってもよい。
【0095】
判断部183は、第2判断処理を行う機能を更に有している。第2判断処理は、環境情報のみに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する処理である。
【0096】
判断部183は、例えば、温度計測システム31で計測された温度の値(温度計測値データ)に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。
【0097】
判断部183は、例えば、温度計測システム31で計測された温度の値と温度閾値との比較に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。判断部183は、例えば、計測された温度の値を温度閾値と比較し、温度の値が温度閾値以上であれば、対象空間S1に異常(対象空間S1での環境温度の異常上昇)が有ると判断する。判断部183は、計測された温度の値の変化量と温度変化量閾値との比較に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断してもよい。
【0098】
判断部183は、例えば、湿度計測システム32で計測された湿度の値と湿度閾値との比較に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。判断部183は、例えば、計測された湿度の値を湿度閾値と比較し、湿度の値が湿度閾値以上であれば、対象空間S1に異常(対象空間S1での環境湿度の異常上昇)が有ると判断する。判断部183は、計測された湿度の値の変化量と湿度変化量閾値との比較に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断してもよい。
【0099】
判断部183は、例えば、状態検出センサ33としての警報出力センサからのデジタル信号の値に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。判断部183は、例えば、警報出力センサから機器50の動作の異常が報知された場合に、対象空間S1で異常(機器50の異常)が発生したと判断する。
【0100】
判断部183は、例えば、状態検出センサ33としての煙センサからのデジタル信号の値に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。判断部183は、例えば、煙センサから、対象空間S1内の煙の量が閾値を超えた旨の報知があった場合に、対象空間S1で異常(例えば火災)が発生したと判断する。
【0101】
判断部183は、例えば、状態検出センサ33としての開閉センサからのデジタル信号の値に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。例えば、対象空間S1が恒温恒湿室の場合において、対象空間S1の出入り口のドアが開いていることを示す信号が所定時間以上継続して開閉センサから送信された場合に、判断部183は、対象空間S1の恒温恒湿状態が確保されていないとして、対象空間S1に異常があると判断する。
【0102】
第2判断処理において、判断部183は、複数種類の環境情報の組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断してもよい。例えば、対象空間S1が恒温恒湿室の場合において、温度計測システム31により計測された温度の値の変化量が温度変化量閾値以上であり、湿度計測システム32により計測された湿度の値の変化量が湿度変化量閾値以上の場合、判断部183は、対象空間S1の恒温恒湿状態が確保されていないとして、対象空間S1に異常があると判断してもよい。
【0103】
第2判断処理において、判断部183は、同一種類の環境情報を検出する複数の装置(例えば、複数の温度計測システム31)の検出結果に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断してもよい。
【0104】
判断部183は、第3判断処理を行う機能をさらに有している。第3判断処理は、電力情報のみに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する処理である。
【0105】
判断部183は、例えば、電力計測システム40で計測された電力情報(電力関連データ)に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。
【0106】
判断部183は、例えば、電力計測システム40で計測された瞬時電力の値が、所定時間以上継続して瞬時電力閾値以上であった場合、この機器50で異常が発生していると判断する。もちろん、判断部183は、電圧の値、電流の値等の他の電力情報に基づいて、機器50の異常の有無を判断してもよい。
【0107】
第3判断処理において、判断部183は、複数種類の電力情報(例えば、瞬時電力の値と電圧の値と)の組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断してもよい。第3判断処理において、判断部183は、複数の電力計測システム40でそれぞれ計測された同一種類の複数の電力情報に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断してもよい。
【0108】
判断部183は、第4判断処理を行う機能を更に有している。第4判断処理は、環境情報と外部環境情報との組み合わせ、或いは電力情報と外部電力情報との組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する処理である。上述のように、外部環境情報は、対象空間S1以外の空間(外部空間)の環境に関する情報である。外部電力情報は、外部空間に配置される機器の電力に関する情報である。
【0109】
第4判断処理の一例において、判断部183は、環境情報と外部環境情報との組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。
【0110】
判断部183は、例えば、対象空間S1に配置された温度計測システム31で計測された温度の値(以下、「空間温度」ともいう)と、外部空間に配置された外部温度計測システムで計測された温度の値(以下、「外部温度」ともいう)と、の組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。
【0111】
判断部183は、例えば、空間温度と外部温度との差が所定の閾値以上の場合に、対象空間S1に異常があると判断する。
【0112】
判断部183は、例えば、対象空間S1に配置された湿度計測システム32で計測された湿度の値(以下、「空間湿度」ともいう)と、外部空間に配置された湿度計測システムで計測された湿度の値(以下、「外部湿度」ともいう)と、の組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。
【0113】
判断部183は、例えば、空間湿度と外部湿度との差が所定の閾値以上の場合に、対象空間S1に異常があると判断する。
【0114】
第4判断処理の一例において、判断部183は、電力情報と外部電力情報との組み合わせに基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する。
【0115】
このようにして得られた判断部183による判断結果(第1~第4判断処理の結果)は、記憶部16に時系列で記憶される。
【0116】
推定部184は、判断部183によって対象空間S1に異常が有ると判断された場合に、異常の詳細を推定する。推定部184が推定する異常の詳細は、例えば、異常が発生した場所、異常が発生した時間、異常の内容(例えば、火災、機器50の異常)等であり得る。
【0117】
推定部184は、取得した環境情報及び電力情報に基づいて、異常の詳細を推定する。推定部184は、基本的には、判断部183が異常の有無の判断に用いた環境情報及び電力情報に基づいて、異常の詳細を推定する。推定部184は、オプションとして、判断部183が異常の有無の判断に用いなかった環境情報及び電力情報更に用いて、異常の詳細を推定してもよい。
【0118】
報知部185は、判断部183による判断結果を、通信部14又はデジタル出力部15を介して外部に報知させる。また、報知部185は、推定部184による推定結果を、通信部14又はデジタル出力部15を介して外部に報知させる。
【0119】
報知部185は、判断部183による判断結果を、通信部14を介して管理端末90へ送信する。管理端末90では、通信部14を介して受け取った判断結果を、種々の形式(テキスト表示、画像表示、音声出力等)で提示する。また、報知部185は、推定部184による推定結果を、通信部14を介して管理端末90へ送信する。管理端末90では、通信部14を介して受け取った推定結果を、種々の形式(テキスト表示、画像表示、音声出力等)で提示する。
【0120】
報知部185は、デジタル出力部15を介して、対象空間S1での異常の発生を報知する。監視システム10は、例えば、判断部183が判断を行う複数の判断対象(火災の有無、機器50の異常の有無等)に対応付けて、複数のデジタル出力部15を備えている。
【0121】
デジタル出力部15は、2値の信号(デジタル信号)を出力する。デジタル出力部15が出力するデジタル信号の値は、「異常有り」を示す値と、「異常無し」を示す値と、であり得る。すなわち、デジタル出力部15は、「異常有り」と「異常無し」とのいずれか一方を報知する。
【0122】
デジタル出力部15は、通信インタフェース(例えば、速結端子等のコネクタ)を備えている。デジタル出力部15は、通信ケーブル600を介して、外部の報知器60に接続される。報知器60は、例えば、LED等の光源、或いはスピーカ等を備える。
【0123】
報知器60は、デジタル出力部15から出力されるデジタル信号の値に応じた報知内容を出力する。例えば、光源を備える報知器60は、デジタル信号の値に応じて、光源を点灯又は消灯させる。例えば、スピーカを備える報知器60は、デジタル信号の値に応じて、スピーカからの所定音の出力を実行又は停止させる。
【0124】
報知部185は、判断部183によって所定の異常が発生していると判断されると、複数のデジタル出力部15のうちでこの異常に対応付けられているデジタル出力部15から、「異常有り」を示す値を有するデジタル信号を出力させ、報知器60により異常の発生を報知させる。なお、報知器60は、デジタル出力部15と一体的に、監視システム10の筐体に設けられていてもよい。
【0125】
要するに、監視システム10は、判断部183の判断結果を出力する出力部(報知部185、通信部14、デジタル出力部15)を備えている。
【0126】
(3)動作例
以下、本実施形態の監視システム10の動作例を、
図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0127】
監視システム10は、環境情報検出システム30から、環境情報を取得する(ST1)。具体的には、監視システム10は、温度計測システム31から温度計測値データを取得し、湿度計測システム32から湿度計測値データを取得する。また、監視システム10は、状態検出センサ33から、デジタル信号を取得する。また、監視システム10は、外部環境情報計測システム39から、外部環境情報を取得する。
【0128】
監視システム10は、電力計測システム40から、電力情報を取得する(ST2)。具体的には、監視システム10は、電力計測システム40から電力関連データを取得する。また、監視システム10は、外部電力計測システム49から、外部電力情報を取得する。
【0129】
監視システム10は、取得した環境情報及び電力情報に基づいて、対象空間S1で発生する異常の有無を判断する(ST3)。対象空間S1で発生する異常は、対象空間S1で発生する火災、対象空間S1に配置されている機器50の異常等を含み得る。
【0130】
対象空間S1に異常が無いと判断されると(ST4:No)、監視システム10は処理ST1に戻って処理を継続する。対象空間S1に異常があると判断されると(ST4:Yes)、監視システム10は、異常の詳細を推定する(ST5)。そして、監視システム10は、通信部14及び/又はデジタル出力部15を介して、対象空間S1における異常の発生及び/又は異常の詳細を報知する(ST6)。
【0131】
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つにすぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、監視システム10と同様の機能は、監視方法の他に、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0132】
一態様に係る監視方法は、第1取得処理(ST1)と、第2取得処理(ST2)と、判断処理(ST3)と、を含む。第1取得処理(ST1)は、対象空間(S1)の環境に関する環境情報を取得することを含む。第2取得処理(ST2)は、対象空間(S1)に配置される機器(50)の電力に関する電力情報を取得することを含む。判断処理(ST3)は、環境情報及び電力情報に基づいて、対象空間(S1)で発生する異常の有無を判断することを含む。
【0133】
一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、1以上のプロセッサに、上記の監視方法を実行させるための、プログラムである。プログラムは、コンピュータ可読な非一時的記録媒体に記録されていてもよい。
【0134】
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0135】
本開示における監視システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における監視システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0136】
また、監視システム10における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは監視システム10に必須の構成ではない。監視システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、監視システム10の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0137】
一変形例において、出力部は、デジタル出力部15又は通信部14で判断結果を出力する態様に限られず、メモリに記憶させる態様を含んでもよい。
【0138】
一変形例において、デジタル出力部15は、電力供給無しで信号の状態を維持できる構成であってもよい。例えば、デジタル出力部15は、ラッチ型のリレーを備え、リレーのオンオフに応じたデジタル信号の値を出力する構成であってもよい。
【0139】
一変形例において、出力部は、判断部183が判断結果を生成してから判断結果を出力するまでに、遅延時間を設定してもよい。例えば、デジタル出力部15は、判断結果が生成された直後に報知器60にデジタル信号を送信するのではなく、所定の遅延時間の経過後にデジタル信号を送信する。また、デジタル出力部15は、遅延時間の計時中に、判断部183による判断結果が誤りであることが判明した場合には、報知器60へのデジタル信号の送信を取りやめてもよい。これにより、報知内容の信頼性が向上する。
【0140】
一変形例において、判断部183は、少なくとも第1判断処理を行う機能を有していればよく、第2~第4判断処理を行う機能を有していなくてもよい。
【0141】
一変形例において、通信部14は、判断部183の判断結果及び推定部184の推定結果以外の情報を、管理端末90に送信してもよい。この情報は、環境情報検出システム30から取得した環境情報、電力計測システム40から取得した電力情報を含み得る。
【0142】
(5)態様
以上説明した実施形態及び変形例等から以下の態様が開示されている。
【0143】
第1の態様の監視システム(10)は、第1取得部(181)と、第2取得部(182)と、判断部(183)と、を備える。第1取得部(181)は、対象空間(S1)の環境に関する環境情報を取得する。第2取得部(182)は、対象空間(S1)に配置される機器(50)の電力に関する電力情報を取得する。判断部(183)は、環境情報及び電力情報に基づいて、対象空間(S1)で発生する異常の有無を判断する。
【0144】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0145】
第2の態様の監視システム(10)では、第1の態様において、第1取得部(181)は、複数の取得単位にそれぞれ関連する複数の環境情報を取得する。第2取得部(182)は、複数の取得単位にそれぞれ関連する複数の電力情報を取得する。判断部(183)は、複数の環境情報及び複数の電力情報を、取得単位ごとに組み合わせて用いて、対象空間(S1)で発生する異常の有無を判断する。
【0146】
この態様によれば、複数の取得単位についての環境情報と電力情報との組み合わせに基づいて、対象空間(S1)における異常の発生の有無を判断することが可能となる。
【0147】
第3の態様の監視システム(10)では、第2の態様において、複数の取得単位は、互いに異なる複数のタイムスロットを含む。
【0148】
この態様によれば、複数のタイムスロット(時間帯)についての環境情報と電力情報との組み合わせに基づいて、対象空間(S1)における異常の発生の有無を判断することが可能となる。
【0149】
第4の態様の監視システム(10)では、第1~第3のいずれか1つの態様において、判断部(183)は、環境情報と電力情報との相関に基づいて、異常の有無を判断する。
【0150】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0151】
第5の態様の監視システム(10)では、第1~第4のいずれか1つの態様において、判断部(183)は、環境情報と電力情報とのうちの少なくとも一方の変化に基づいて、異常の有無を判断する。
【0152】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0153】
第6の態様の監視システム(10)では、第5の態様において、判断部(183)は、環境情報と電力情報とのうちの少なくとも一方の変化量に基づいて、異常の有無を判断する。
【0154】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0155】
第7の態様の監視システム(10)では、第1~第6のいずれか1つの態様において、環境情報は、対象空間(S1)に配置されるセンサで検出されるセンサ情報を含む。
【0156】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0157】
第8の態様の監視システム(10)では、第1~第7のいずれか1つの態様において、環境情報は、対象空間(S1)に配置される機器(50)の動作情報を含む。
【0158】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0159】
第9の態様の監視システム(10)は、第1~第8のいずれか1つの態様において、判断部(183)の判断結果を出力する出力部(報知部185、通信部14、デジタル出力部15)を更に備える。
【0160】
この態様によれば、ユーザが判断結果を容易に知ることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0161】
第10の態様の監視システム(10)では、第9の態様において、出力部は、判断部(183)が判断結果を生成してから判断結果を出力するまでに遅延時間を設定する。
【0162】
この態様によれば、誤報の可能性を低減することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0163】
第11の態様の監視システム(10)は、第1~第10のいずれか1つの態様において、異常が有ると判断された場合に、異常の詳細を推定する推定部(184)を更に備える。
【0164】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0165】
第12の態様の情報システムは、第1~第11のいずれか1つの態様の監視システム(10)と、電力情報を計測する電力計測システムと、を備える。
【0166】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0167】
第13の態様の監視方法は、第1取得処理(ST1)と、第2取得処理(ST2)と、判断処理(ST3)と、を含む。第1取得処理(ST1)は、対象空間(S1)の環境に関する環境情報を取得することを含む。第2取得処理(ST2)は、対象空間(S1)に配置される機器(50)の電力に関する電力情報を取得することを含む。判断処理(ST3)は、環境情報及び電力情報に基づいて、対象空間(S1)で発生する異常の有無を判断することを含む。
【0168】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0169】
第14の態様のプログラムは、1以上のプロセッサに、第13の態様の監視方法を実行させるための、プログラムである。
【0170】
この態様によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0171】
10 監視システム
14 通信部(出力部)
15 デジタル出力部(出力部)
181 第1取得部
182 第2取得部
183 判断部
184 推定部
185 報知部(出力部)
50 機器
S1 対象空間
ST1 第1取得処理
ST2 第2取得処理
ST3 判断処理