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特許7519631キシロースを含むキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置及び方法
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  • 特許-キシロースを含むキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】キシロースを含むキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C13K 13/00 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
C13K13/00 101
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020558457
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2019123825
(87)【国際公開番号】W WO2020125459
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2020-10-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】201811550349.7
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520401745
【氏名又は名称】浙江▲華▼康葯▲業▼股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG HUAKANG PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】515126422
【氏名又は名称】浙江工▲業▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 家星
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 国▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】廖 承▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】江 松涛
(72)【発明者】
【氏名】周 元
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 徳水
(72)【発明者】
【氏名】柳 志▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲曉▼健
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 裕国
(72)【発明者】
【氏名】李 勉
【合議体】
【審判長】加藤 友也
【審判官】磯貝 香苗
【審判官】天野 宏樹
(56)【参考文献】
【文献】中国特許第101643752(CN,B)
【文献】中国特許出願公開第101863737(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103409315(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102021251(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104437060(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101457261(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104805222(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
C13K
FSTA/CAplus/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キシロースを含むキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置であって、
アルカリ添加ユニット(1)、連続飽和充填ユニット(2)、排出制御ユニット(3)、CO供給ステーション(4)、蒸気ステーション(5)及び飽和充填済み缶(6)を備え、
前記アルカリ添加ユニット(1)において、Ca(OH)アルカリ液をキシロース母液に添加し、
前記連続飽和充填ユニット(2)において、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液に、CO供給ステーション(4)から供給されるCOを飽和充填し、混合し、前記Ca(OH)と前記COとでCaCO沈殿物を生成し、生成されたCaCO沈殿物にキシロース母液中のコロイド及び色素不純物を吸着させて除去し、
前記排出制御ユニット(3)において、前記連続飽和充填ユニット(2)から送られる、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、前記CO供給ステーション(4)から供給されたCO及び蒸気ステーション(5)から輸送された蒸気を混合し、前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpH値を制御して安定化し、
前記飽和充填済み缶(6)が、前記連続飽和充填ユニット(2)から送られる、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、および/または、前記排出制御ユニット(3)から送られる、pH値が制御された前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液とを貯蔵し、
前記排出制御ユニット(3)は、キシロース母液飽和充填缶(31)、インバーターミキサー(32)、缶温度センサー(33)缶温度コントローラー(34)CO 吸気流量コントローラー(36)CO 吸気調整バルブ(37)キシロース母液pHセンサー(38)キシロース母液pHコントローラー(39)、蒸気調整バルブ(310)及び排出スイッチングバルブ(311)を含み、
前記キシロース母液飽和充填缶(31)が、前記連続飽和充填ユニット(2)から輸送された、前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を収集し、前記CO供給ステーション(4)からCO前記CO 吸気調整バルブ(37)を介して前記キシロース母液飽和充填缶(31)に流入し、前記蒸気ステーション(5)から前記蒸気調整バルブ(310)を介して蒸気を前記キシロース母液飽和充填缶(31)に送り、
前記インバーターミキサー(32)が前記キシロース母液飽和充填缶(31)内の前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液、前記COと前記蒸気とを攪拌し、
前記缶温度センサー(33)が前記キシロース母液飽和充填缶(31)の温度を監視し、
前記キシロース母液pHセンサー(38)が前記キシロース母液飽和充填缶(31)から前記飽和充填済み缶(6)へ送られるキシロース母液のpH値を監視し、
前記缶温度コントローラー(34)が、前記キシロース母液pHセンサー(38)で測定されたキシロース母液のpH値に基づいて前記蒸気調整バルブ(310)の開度を調整するとともに、前記インバーターミキサー(32)の起動および撹拌を制御し、
前記キシロース母液pHコントローラー(39)が、前記キシロース母液pHセンサー(38)で測定されたキシロース母液のpH値に基づき、前記キシロース母液飽和充填缶(31)に送出される前記CO供給ステーション(4)からのCOの流量を前記CO 吸気調整バルブ(37)により制御するとともに、前記インバーターミキサー(32)の起動および撹拌を制御することを特徴とする、
装置。
【請求項2】
前記アルカリ添加ユニット(1)は、アルカリ液缶(11)、アルカリ液ポンプ(12)、キシロース母液缶(16)未飽和充填缶(17)、第一のpHセンサー(18)を含み、
前記Ca(OH)アルカリ液がアルカリ液缶(11)からアルカリ液ポンプ(12)によって未飽和充填缶(17)に輸送され、キシロース母液缶(16)からのキシロース母液と共に未飽和充填缶(17)内で攪拌及び混合し、混合されたキシロース母液が前記連続飽和充填ユニット(2)に流入し、前記第一のpHセンサー(18)は、前記連続飽和充填ユニット(2)に輸送された、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液のpH値を監視することを特徴とする
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記連続飽和充填ユニット(2)は、第一の連続飽和充填缶(21)、第一のスイッチングバルブ(22)、第一のCO 吸気調整バルブ(25)、第二のpHセンサー(26)を含み、
前記第一の連続飽和充填缶(21)において、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液が収集され、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液に、前記CO供給ステーション(4)から供給されるCOを飽和充填し、混合し、前記Ca(OH)と前記COとでCaCO沈殿物を生成し、生成されたCaCO沈殿物にキシロース母液中のコロイド及び色素不純物を吸着させて除去し、
前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液が第一のスイッチングバルブ(22)を流れて前記排出制御ユニット(3)に入り、前記第二のpHセンサー(26)は前記排出制御ユニット(3)に輸送された前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpH値の変化を監視することを特徴とする
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置には、前記連続飽和充填ユニット(2)である第1段連続飽和充填ユニットと第2段連続飽和充填ユニット(2’)からなる2段連続飽和充填ユニットが設けられ、
前記第2段連続飽和充填ユニット(2’)は、第二の連続飽和充填缶(21’)、第二のスイッチングバルブ(22’)、第二のCO 吸気調整バルブ(25’)、第三のpHセンサー(26’)を含み、第1段連続飽和充填ユニットで処理されたキシロース母液が第二のpHコントローラー(27)によって第2段連続飽和充填ユニット(2’)の第二の連続飽和充填缶(21’)に入り、前記CO供給ステーション(4)から供給されるCOを飽和充填し混合する、2回目のCO飽和充填処理と、CaCO沈殿物を生成し、生成されたCaCO沈殿物にキシロース母液中のコロイド及び色素不純物を吸着させて除去する、2回目の不純物吸着除去を実行し、
2回目のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液が第二のスイッチングバルブ(22’)を流れて前記排出制御ユニット(3)に入り、前記第三のpHセンサー(26’)は、前記排出制御ユニット(3)に輸送された、2回目のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpH値の変化を監視することを特徴とする
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1段連続飽和充填ユニットは、さらに、第一のスイッチングバルブ(22)が開かれている場合、第一の連続飽和充填缶(21)内のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を、第二のpHセンサー(26)が位置する管路を通らずに飽和充填済み缶(6)に直接流入させるための第一の排出直通バルブ(28)を含み、
前記第2段連続飽和充填ユニット(2’)は、さらに、第二のスイッチングバルブ(22’)が開かれている場合、第二の連続飽和充填缶(21’)内のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を、第三のpHセンサー(26’)が位置する管路を通らずに前記飽和充填済み缶(6)に直接流入させるための第2の排出直通バルブ(28’)を含むことを特徴とする
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記排出制御ユニット(3)は、さらに、排出スイッチングバルブ(312)が開かれている場合、前記キシロース母液飽和充填缶(31)内のpH値が制御されたCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を、キシロース母液pHセンサー(38)が位置する管路を通らずに前記飽和充填済み缶(6)に直接流入させるための排出直通バルブ(313)を含むことを特徴とする
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置を利用してキシロースを含むキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための方法であって、
キシロース母液がアルカリ添加ユニット(1)で、添加されたCa(OH)アルカリ液と混合した後、連続飽和充填ユニット(2)に入ってCO供給ステーション(4)から供給されたCOが飽和充填されて混合され、前記Ca(OH)と前記COとでCaCO沈殿物が生成され、生成されたCaCO沈殿物とキシロース母液中のコロイド及び色素不純物とが吸着されることで除去され、
次に、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液が排出制御ユニット(3)に入り、CO供給ステーション(4)から供給されたCO及び蒸気ステーション(5)から輸送された蒸気と混合され、キシロース母液のpH値を制御して安定化し、
その後、前記連続飽和充填ユニット(2)から送られる、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、および/または、前記排出制御ユニット(3)から送られる、pH値が制御されたCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を、飽和充填済み缶(6)に貯蔵するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記Ca(OH)アルカリを添加してキシロース母液のpH値を高めるステップであって、屈折率50%~65%のキシロース母液を未飽和充填缶(17)に添加し、流量が8m/h~12m/hであり、液位が未飽和充填缶(17)の容量の30%~35%に達すると、アルカリ液ポンプ(12)を起動し、前記Ca(OH)アルカリ液を未飽和充填缶(17)内に添加し、このとき前記Ca(OH)アルカリ液の流量が40L/h~55L/hになり、第一のpHセンサー(18)が9.5~10.5に設定され、未飽和充填缶(17)内のキシロース母液の液位が70%を超えると連続飽和充填ユニット(2)へ排出し始めるステップ1と、
キシロース母液のpH値を連続的且つ段階的に低くするステップであって、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液の液位が第1段連続飽和充填ユニット(2)の第一の連続飽和充填缶(21)の容量の30%~35%に達すると、第一のCO供給用調整バルブ(25)の開度を50%~65%に制御し、このときにCO流量が20L/h~25L/hであり、第二のpHセンサー(26)が8.0~8.5に設定され、第一のスイッチングバルブ(22)を開き、第一の連続飽和充填缶(21)内のキシロース母液の液位が70%を超えると、第2段連続飽和充填ユニット(2’)へ排出し始め、液位が第2段連続飽和充填ユニット(2’)の第二の連続飽和充填缶(21’)の容量の30%~35%に達すると、第二のCO 吸気調整バルブ(25’)の開度を25%~40%に制御し、このときにCO流量が2L/h~2.5L/hであり、第三のpHセンサー(26’)が6.5~7.0に設定され、第二のスイッチングバルブ(22’)を開き、第二の連続飽和充填缶(21’)の液位が70%を超えると、前記排出制御ユニット(3)へ排出し始めるステップ2と、
前記排出制御ユニット(3)においてキシロース母液のpHを安定化するステップであって、第二の連続飽和充填缶(21’)からキシロース母液飽和充填缶(31)へ排出すると、排出スイッチングバルブ(312)を開き、蒸気スイッチングバルブ(311)を開き、キシロース母液pHセンサー(38)が6.5~7.0に設定され、キシロース母液pHセンサー(38)がpHを連続的に監視し、キシロース母液のpH<6.5の場合、インバーターミキサー(32)を連動して起動して撹拌し、蒸気調整バルブ(310)を連動してその開度を調整し、キシロース母液の液体温度を50℃~55℃に制御し、キシロース母液のpH>7.0の場合、インバーターミキサー(32)を連動して起動して撹拌し、CO 吸気調整バルブ(37)から出力されたCO流量を0.5L/h~1L/hに連動して調整及び制御し、これによってpH値を6.5~7.0に安定化させ、処理されたキシロース母液が排出されて飽和充填済み缶(6)に貯蔵されるステップ3とを含むことを特徴とする
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、さらに、
正常に動作する時に、ステップ1からステップ3が確立された後、システムが連続的に動作し、
第一のpHセンサー(18)が前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液のpHを連続的に監視し、
pH値が設定された値より低い場合、Ca(OH)アルカリ液の流量を連動して調整及び制御し、55L/h~60L/hに増加させ、アルカリ液ポンプ(12)の流量を連動して調整及び制御し、その動作周波数を上げ、
pH値が設定された値より高い場合、Ca(OH)アルカリ液の流量を連動して調整及び制御し、35L/h~40L/hに減少させ、アルカリ液ポンプ(12)を連動して調整及び制御し、その動作周波数を下げ、これにより第1段連続飽和充填ユニット(2)に排出される前のキシロース母液のpH値が9.5~10.5に調整され、
第二のpHセンサー(26)が前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpHを連続的に監視し、
pH値が設定された値より低い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、17L/h~20L/hに減少させ、COの流量に基づいて第一のCO 吸気調整バルブ(25)を連動して調整及び制御し、その開度を下げ、
pH値が設定された値より高い場合、COの流量を連動して制御し、25L/h~28L/hに増加させ、COの流量に基づいて第一のCO 吸気調整バルブ(25)を連動して調整及び制御し、その開度を上げ、第2段連続飽和充填ユニット(2’)に排出される前のキシロース母液のpH値が8.0~8.5に調整され、
第三のpHセンサー(26’)が2回目のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpHを監視し、
pH値が設定された値より低い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、1.8L/h~2L/hに減少させ、COの流量に基づいて第二のCO 吸気調整バルブ(25’)を連動して調整及び制御し、その開度を下げ、
pH値が設定された値より高い場合、COの流量を連動して制御し、2.5L/h~2.7L/hに増加させ、COの流量に基づいて第二のCO 吸気調整バルブ(25’)を連動して調整及び制御し、その開度を上げ、排出制御ユニット(3)に排出される前のキシロース母液のpH値が6.5~7.0に調整され、
キシロース母液pHセンサー(38)が、pH値が制御されたCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpHを連続的に監視し、
キシロース母液のpH<6.5の場合、インバーターミキサー(32)を連動して起動して撹拌し、蒸気調整バルブ(310)の開度を連動して調整し、液体温度を50℃~55℃に制御し、
キシロース母液のpH>7.0の場合、インバーターミキサー(32)を連動して起動して撹拌し、CO 吸気調整バルブ(37)の流量を0.5L/h~1L/hに連動して調整及び制御し、これによりpH値を6.5~7.0に安定化させ、キシロース母液が排出されて飽和充填済み缶(6)に貯蔵されるステップ4を含むことを特徴とする
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、さらに、
製造が完了される場合、未飽和充填缶(17)内のキシロース母液原料が全て第一の連続飽和充填缶(21)に入り、第一の排出直通バルブ、第二の排出直通バルブと排出直通バルブが順次開かれ、第一の連続飽和充填缶(21)内のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、第二の連続飽和充填缶(21’)内のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、キシロース母液飽和充填缶(31)内のpH値が制御されたCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液とがそれぞれ、飽和充填済み缶(6)に移送され、次いで、ポンプにより後工程またはキシロース母液貯蔵缶へ送られるステップ5を含むことを特徴とする
請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キシロース母液回収利用技術分野に属し、キシロース結晶化精製後に残存するキシロースを含むキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キシロースは、トウモロコシの穂軸を原料として加水分解、結晶化、精製を経て作られた五炭糖であり、キシロースの結晶化された後に残したキシロース母液にキシロースが約50%含まれている。現在、中国国内のキシロースメーカーが多く、キシロースの製造量の増加に伴い、副産物であるキシロース母液も大量に増加し、結晶キシロースを1トン製造するたびに、約1トンのキシロース母液を得る。キシロース母液の成分を測定することにより、キシロース母液には、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトースなどの糖成分が主に含まれるとともに、いくつかのコロイド、色素などの不純物も含まれている。現在、多くのメーカーは、キシロース母液を低価格で販売してキャラメル色素、飼料用酵母などの製造に応用する。どのようにキシロース母液中のキシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトースなどの成分を効果的に分離し、キシロース母液中のコロイド色素類物質を効果的に除去するかは、キシロース産業の発展に対する挑戦及びチャンスとなっている。キシロース母液中の限られた成分を抽出して不純物を除去することができれば、キシロース母液の利用価値を大幅に向上させ、廃棄物を宝物に変えてメリットを生み出す。
【0003】
既存の糖工場で使用されている飽和充填装置は、基本的に飽和充填時間が長く、CO利用率が低く、反応が不均一であり、供給及び排出が不連続であり、糖液のpHが安定して制御できず、自動化程度が低い。したがって、現在まで、連続的に飽和充填して不純物を除去するための良い装置がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的問題は自動化制御システムを用い、pHを連続的に調整及び安定化し、連続的に供給及び排出し、装置の自動化程度が高く、連続的且つ途切れない製造を実現し、製造効率の向上に役立ち、非常に大規模な工業化製造に適する、キシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は次のように実現される。キシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置が提供される。前記装置は、アルカリ添加ユニット、連続飽和充填ユニット、排出制御ユニット、CO供給ステーション、蒸気ステーション及び処理済みキシロース母液を貯蔵するための飽和充填済み缶(6)を備える。前記アルカリ添加ユニットにおいて、Ca(OH)アルカリ液をキシロース母液に添加する。前記連続飽和充填ユニット(2)において、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液に、CO供給ステーション(4)から供給されるCOを飽和充填し、混合し、前記Ca(OH)と前記COとでCaCO沈殿物を生成し、生成されたCaCO沈殿物にキシロース母液中のコロイド及び色素不純物を吸着させて除去する。前記排出制御ユニット(3)において、前記連続飽和充填ユニット(2)から送られる、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、前記CO供給ステーション(4)から供給されたCO及び蒸気ステーション(5)から輸送された蒸気を混合し、前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpH値を制御して安定化する。前記飽和充填済み缶(6)が、前記連続飽和充填ユニット(2)から送られる、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、および/または、前記排出制御ユニット(3)から送られる、pH値が制御された前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液とを貯蔵する。前記排出制御ユニット(3)は、キシロース母液飽和充填缶(31)、インバーターミキサー(32)、缶温度センサー(33)缶温度コントローラー(34)、CO 吸気流量コントローラー(36)CO 吸気調整バルブ(37)キシロース母液pHセンサー(38)キシロース母液pHコントローラー(39)、蒸気調整バルブ(310)及び排出スイッチングバルブ(311)を含む。
前記キシロース母液飽和充填缶(31)が、前記連続飽和充填ユニット(2)から輸送された、前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を収集し、前記CO供給ステーション(4)からCOが前記CO 吸気調整バルブ(37)を介して前記キシロース母液飽和充填缶(31)に流入し、前記蒸気ステーション(5)から前記蒸気調整バルブ(310)を介して蒸気を前記キシロース母液飽和充填缶(31)に送り、前記インバーターミキサー(32)が前記キシロース母液飽和充填缶(31)内の前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液、前記COと前記蒸気とを攪拌し、前記缶温度センサー(33)が前記キシロース母液飽和充填缶(31)の温度を監視し、前記キシロース母液pHセンサー(38)が前記キシロース母液飽和充填缶(31)から前記飽和充填済み缶(6)へ送られるキシロース母液のpH値を監視し、前記缶温度コントローラー(34)が、前記キシロース母液pHセンサー(38)で測定されたキシロース母液のpH値に基づいて前記蒸気調整バルブ(310)の開度を調整するとともに、前記インバーターミキサー(32)の起動および撹拌を制御し、前記キシロース母液pHコントローラー(39)が、前記キシロース母液pHセンサー(38)で測定されたキシロース母液のpH値に基づき、前記キシロース母液飽和充填缶(31)に送出され前記CO供給ステーション(4)からのCOの流量を前記CO 吸気調整バルブ(37)により制御するとともに、前記インバーターミキサー(32)の起動および撹拌を制御する。
【0006】
さらに、前記アルカリ添加ユニット(1)は、アルカリ液缶(11)、アルカリ液ポンプ(12)、キシロース母液缶(16)未飽和充填缶(17)、第一のpHセンサー(18)を含み、前記Ca(OH)アルカリ液がアルカリ液缶(11)からアルカリ液ポンプ(12)によって未飽和充填缶(17)に輸送され、キシロース母液缶(16)からのキシロース母液と共に未飽和充填缶(17)内で攪拌及び混合し、混合されたキシロース母液が前記連続飽和充填ユニット(2)に流入し、前記第一のpHセンサー(18)は、前記連続飽和充填ユニット(2)に輸送された、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液のpH値を監視する。
【0007】
さらに、前記連続飽和充填ユニット(2)は、第一の連続飽和充填缶(21)、第一のスイッチングバルブ(22)、第一のCO 吸気調整バルブ(25)、第二のpHセンサー(26)を含み、前記第一の連続飽和充填缶(21)において、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液が収集され、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液に、前記CO供給ステーション(4)から供給されるCOを飽和充填し、混合し、前記Ca(OH)と前記COとでCaCO沈殿物を生成し、生成されたCaCO沈殿物にキシロース母液中のコロイド及び色素不純物を吸着させて除去し、前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液が第一のスイッチングバルブ(22)を流れて前記排出制御ユニット(3)に入り、前記第二のpHセンサー(26)は前記排出制御ユニット(3)に輸送された前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpH値の変化を監視する。
【0008】
さらに、前記装置には、前記連続飽和充填ユニット(2)である第1段連続飽和充填ユニットと第2段連続飽和充填ユニット(2’)からなる2段連続飽和充填ユニットが設けられ、前記第2段連続飽和充填ユニット(2’)は、第二の連続飽和充填缶(21’)、第二のスイッチングバルブ(22’)、第二のCO 吸気調整バルブ(25’)、第三のpHセンサー(26’)を含み、第1段連続飽和充填ユニットで処理されたキシロース母液が第二のpHコントローラー(27)によって第2段連続飽和充填ユニット(2’)の第二の連続飽和充填缶(21’)に入り、前記CO供給ステーション(4)から供給されるCOを飽和充填し混合する、2回目のCO飽和充填処理と、CaCO沈殿物を生成し、生成されたCaCO沈殿物にキシロース母液中のコロイド及び色素不純物を吸着させて除去する、2回目の不純物吸着除去を実行し、2回目のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液が第二のスイッチングバルブ(22’)を流れて前記排出制御ユニット(3)に入り、前記第三のpHセンサー(26’)は、前記排出制御ユニット(3)に輸送された、2回目のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpH値の変化を監視する。
【0009】
前記第1段連続飽和充填ユニットは、さらに、第一のスイッチングバルブ(22)が開かれている場合、第一の連続飽和充填缶(21)内のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を、第二のpHセンサー(26)が位置する管路を通らずに飽和充填済み缶(6)に直接流入させるための第一の排出直通バルブ(28)を含み、前記第2段連続飽和充填ユニット(2’)は、さらに、第二のスイッチングバルブ(22’)が開かれている場合、第二の連続飽和充填缶(21’)内のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を、第三のpHセンサー(26’)が位置する管路を通らずに前記飽和充填済み缶(6)に直接流入させるための第2の排出直通バルブ(28’)を含む。
【0010】
前記排出制御ユニット(3)は、さらに、排出スイッチングバルブ(312)が開かれている場合、キシロース母液飽和充填缶(31)内のpH値が制御されたCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を、キシロース母液pHセンサー(38)が位置する管路を通らずに前記飽和充填済み缶(6)に直接流入させるための排出直通バルブ(313)を含む。
【0011】
また、上述した装置を利用してキシロースを含むキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための方法は、キシロース母液がアルカリ添加ユニット(1)で、添加されたCa(OH)アルカリ液と混合した後、連続飽和充填ユニット(2)に入ってCO供給ステーション(4)から供給されたCOが飽和充填されて混合され、前記Ca(OH)と前記COとでCaCO沈殿物が生成され、生成されたCaCO沈殿物とキシロース母液中のコロイド及び色素不純物とが吸着されることで除去され、次に、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液が排出制御ユニット(3)に入り、CO供給ステーション(4)から供給されたCO及び蒸気ステーション(5)から輸送された蒸気と混合され、キシロース母液のpH値を制御して安定化し、その後、前記連続飽和充填ユニット(2)から送られる、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、および/または、前記排出制御ユニット(3)から送られる、pH値が制御されたCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を、飽和充填済み缶(6)に貯蔵するステップを含む。
【0012】
前記方法は、
前記Ca(OH)アルカリ液を添加してキシロース母液のpH値を高めるステップであって、屈折率50%~65%のキシロース母液を未飽和充填缶(17)に添加し、流量が8m/h~12m/hであり、液位が未飽和充填缶(17)の容量の30%~35%に達すると、アルカリ液ポンプ(12)を起動し、前記Ca(OH)アルカリ液を未飽和充填缶(17)内に添加し、このとき前記Ca(OH)アルカリ液の流量が40L/h~55L/hになり、第一のpHセンサー(18)が9.5~10.5に設定され、未飽和充填缶(17)内のキシロース母液の液位が70%を超えると連続飽和充填ユニット(2)へ排出し始めるステップ1と、
キシロース母液のpH値を連続的且つ段階的に低くするステップであって、前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液の液位が第1段連続飽和充填ユニット(2)の第一の連続飽和充填缶(21)の容量の30%~35%に達すると、第一のCO 吸気調整バルブ(25)の開度を50%~65%に制御し、このときにCO流量が20L/h~25L/hであり、第二のpHセンサー(26)が8.0~8.5に設定され、第一のスイッチングバルブ(22)を開き、第一の連続飽和充填缶(21)内のキシロース母液の液位が70%を超えると、第2段連続飽和充填ユニット(2’)へ排出し始め、液位が第2段連続飽和充填ユニット(2’)の第二の連続飽和充填缶(21’)の容量の30%~35%に達すると、第二のCO 吸気調整バルブ(25’)の開度を25%~40%に制御し、このときにCO流量が2L/h~2.5L/hであり、第三のpHセンサー(26’)が6.5~7.0に設定され、第二のスイッチングバルブ(22’)を開き、第二の連続飽和充填缶(21’)の液位が70%を超えると、前記排出制御ユニット(3)へ排出し始めるステップ2と、
前記排出制御ユニット(3)においてキシロース母液のpHを安定化するステップであって、第二の連続飽和充填缶(21’)からキシロース母液飽和充填缶(31)へ排出すると、排出スイッチングバルブ(312)を開き、蒸気スイッチングバルブ(311)を開き、キシロース母液pHセンサー(38)が6.5~7.0に設定され、キシロース母液pHセンサー(38)がpHを連続的監視し、キシロース母液のpH<6.5の場合、インバーターミキサー(32)を連動して起動して撹拌し、蒸気調整バルブ(310)を連動してその開度を調整し、キシロース母液の液体温度を50℃~55℃に制御し、キシロース母液のpH>7.0の場合、インバーターミキサー(32)を連動して起動して撹拌し、CO 吸気調整バルブ(37)から出力されたCO流量を0.5L/h~1L/hに連動して調整及び制御し、これによってpH値を6.5~7.0に安定化させ、処理されたキシロース母液が排出されて飽和充填済み缶(6)に貯蔵されるステップ3とを含む。
【0013】
前記方法は、さらに、
正常に動作する時に、ステップ1からステップ3が確立された後、システムが連続的に動作し、
第一のpHセンサー(18)が前記Ca(OH)アルカリ液が添加されたキシロース母液のpHを連続的に監視し、
pH値が設定された値より低い場合、Ca(OH)アルカリ液の流量を連動して調整及び制御し、55L/h~60L/hに増加させ、アルカリ液ポンプ(12)の流量を連動して調整及び制御し、その動作周波数を上げ、
pH値が設定された値より高い場合、Ca(OH)アルカリ液の流量を連動して調整及び制御し、35L/h~40L/hに減少させ、アルカリ液ポンプ(12)を連動して調整及び制御し、その動作周波数を下げ、これにより第1段連続飽和充填ユニット(2)に排出される前のキシロース母液のpH値が9.5~10.5に調整され、
第二のpHセンサー(26)が前記CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpHを連続的に監視し、
pH値が設定された値より低い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、17L/h~20L/hに減少させ、COの流量に基づいて第一のCO 吸気調整バルブ(25)を連動して調整及び制御し、その開度を下げ、
pH値が設定された値より高い場合、COの流量を連動して制御し、25L/h~28L/hに増加させ、COの流量に基づいて第一のCO 吸気調整バルブ(25)を連動して調整及び制御し、その開度を上げ、第2段連続飽和充填ユニット(2’)に排出される前のキシロース母液のpH値が8.0~8.5に調整され、
第三のpHセンサー(26’)が2回目のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpHを監視し、
pH値が設定された値より低い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、1.8L/h~2L/hに減少させ、COの流量に基づいて第二のCO 吸気調整バルブ(25’)を連動して調整及び制御し、その開度を下げ、
pH値が設定された値より高い場合、COの流量を連動して制御し、2.5L/h~2.7L/hに増加させ、COの流量に基づいて第二のCO 吸気調整バルブ(25’)を連動して調整及び制御し、その開度を上げ、排出制御ユニット(3)に排出される前のキシロース母液のpH値が6.5~7.0に調整され、
キシロース母液pHセンサー(38)が、pH値が制御されたCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液のpHを連続的に監視し、
キシロース母液のpH<6.5の場合、インバーターミキサー(32)を連動して起動して撹拌し、蒸気調整バルブ(310)の開度を連動して調整し、液体温度を50℃~55℃に制御し、
キシロース母液のpH>7.0の場合、インバーターミキサー(32)を連動して起動して撹拌し、CO 吸気調整バルブ(37)の流量を0.5L/h~1L/hに連動して調整及び制御し、これによりpH値を6.5~7.0に安定化させ、キシロース母液が排出されて飽和充填済み缶(6)に貯蔵されるステップ4を含む。
【0014】
前記方法は、さらに、
製造が完了される場合、未飽和充填缶(17)内のキシロース母液原料が全て第一の連続飽和充填缶(21)に入り、第一の排出直通バルブ、第二の排出直通バルブと排出直通バルブが順次開かれ、第一の連続飽和充填缶(21)内のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、第二の連続飽和充填缶(21’)内のCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、キシロース母液飽和充填缶(31)内のpH値が制御されたCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液とがそれぞれ、飽和充填済み缶(6)に移送され、次いで、ポンプにより後工程またはキシロース母液貯蔵缶へ送られるステップ5を含む。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べて、本発明のキシロースを含むキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置及び方法は次の特徴を有する。
【0016】
1、pHをオンライン監視して制御することにより、Ca(OH)アルカリ液の用量の正確を確保することができ、排出制御ユニットに対してpHを2回連続的にオンライン監視して飽和充填することにより、キシロース母液の最終pH値を正確に制御することができる。
【0017】
2、キシロース母液のpH値が連続的且つ段階的に低くなるため、COを十分に利用でき、CaCOの形成及び沈殿に役立つ。
【0018】
3、キシロース母液のpH値及び温度を安定化することにより、キシロース母液中のCa の含有量を効果的に制御し、後のイオン交換の負荷を低減させることができる。
【0019】
4、連続的に供給及び排出し、自動的に製造し、効率が向上し、キシロース母液中の不純物を連続的に除去して、大規模な自動化製造モードを実現することに役立つ。
【0020】
5、操作が簡単であり、原料の状況に応じてパラメーターを調整するだけで、起動して動作し、アルカリ液のpHに応じて母液中のアルカリ液の添加量を効果的に制御し、3回飽和充填された後の最終pHに応じてCOの用量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明のキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置の一つの好ましい実施形態の原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明が解決しようとする技術的問題、技術的解決策及び有益な効果をより明確にするために、以下に図面及び実施形態を組み合わせて本発明をさらに詳しく説明する。当然のことながら、ここで記載される具体的な実施形態が本発明を解釈するためのものだけであり、本発明を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0023】
図1に示すように、本発明のキシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための装置の好ましい実施形態は、アルカリ添加ユニット1、連続飽和充填ユニット2、排出制御ユニット3、CO供給ステーション4、蒸気ステーション5及び飽和充填済み缶6を備える。前記アルカリ添加ユニット1はCa(OH)アルカリ液をキシロース母液に添加することに用いられ、前記連続飽和充填ユニット2はCO供給ステーション4から供給されたCOをアルカリが添加されたキシロース母液に入れて飽和充填して混合してキシロース母液中のコロイド及び色素不純物を除去することに用いられる。前記排出制御ユニット3は、CO供給ステーション4から供給されたCO及び蒸気ステーション5から輸送された蒸気を飽和充填されたキシロース母液に入れ、飽和充填されたキシロース母液のpH値を制御して安定化することに用いられる。前記飽和充填済み缶6は次の工程のために、飽和充填されて不純物が除去されたキシロース母液を収集して一時的に貯蔵することに用いられる。
【0024】
前記アルカリ添加ユニット1は、アルカリ液缶11、アルカリ液ポンプ12、アルカリ液ポンプ周波数変換コントローラー13、アルカリ液流量計14、アルカリ液流量コントローラー15、キシロース母液缶16未飽和充填缶17、第一のpHセンサー18及び第一のpHコントローラー19を含む。Ca(OH)アルカリ液は、アルカリ液缶11からアルカリ液ポンプ12によって未飽和充填缶17に輸送され、キシロース母液缶16からのキシロース母液と共に未飽和充填缶17で攪拌及び混合し、混合されたキシロース母液が連続飽和充填ユニット2に流入する。前記アルカリ液ポンプ周波数変換コントローラー13は第一のpHセンサー18によって測定されたpH値に応じてアルカリ液の流量を制御する。前記アルカリ液流量計14は流れるアルカリ液の流量を監視する。前記第一のpHセンサー18は、連続飽和充填ユニット2に輸送された、アルカリが添加されたキシロース母液のpH値を監視する。前記アルカリ液ポンプ周波数変換コントローラー13、アルカリ液流量コントローラー15及び第一のpHコントローラー19が互いに連動し、前記第一のpHコントローラー19は第一のpHセンサー18によって監視された混合後のキシロース母液のpH値の変化に従うとともに、アルカリ液ポンプ周波数変換コントローラー13とアルカリ液流量コントローラー15を制御し、これにより、未飽和充填缶17に入る前のアルカリ液の流量を制御し、アルカリが添加されたキシロース母液のpH値を設定された値に調整する。
【0025】
前記連続飽和充填ユニット2は、第一の連続飽和充填缶21、第一のスイッチングバルブ22、第一のCO 吸気流量計23第一のCO 吸気流量コントローラー24第一のCO 吸気調整バルブ25、第二のpHセンサー26、第二のpHコントローラー27を含む。前記第一の連続飽和充填缶21は、アルカリ液を添加したキシロース母液を収集し、CO供給ステーション4のCO第一のCO 吸気流量計23第一のCO 吸気流量コントローラー24を流れて第一の連続飽和充填缶21に入って内のキシロース母液に飽和充填されて不純物が除去され、飽和充填されたキシロース母液が第一のスイッチングバルブ22を流れて排出制御ユニット3に入る。前記第二のpHセンサー26は、排出制御ユニット3に輸送された、飽和充填されたキシロース母液のpH値の変化を監視する。前記第二のpHコントローラー27、第一のCO 吸気流量コントローラー24、第一のCO 吸気調整バルブ25が互いに連動し、前記第二のpHコントローラー27は、第二のpHセンサー23によって監視された、飽和充填されたキシロース母液のpH値の変化に従うとともに、第一のCO 吸気調整バルブ25第一のCO 吸気流量コントローラー24を制御し、これにより連続飽和充填ユニット2に送出されるCO供給ステーション4のCO流量を制御する。
【0026】
本実施形態では前記装置には2段連続飽和充填ユニットが設けられ、第1段連続飽和充填ユニットは上記のとおりである。前記第2段連続飽和充填ユニット2’は、第二の連続飽和充填缶21’、第二のスイッチングバルブ22’、第二のCO 吸気流量計23’第二のCO 吸気流量コントローラー24’第二のCO 吸気調整バルブ25’、第三のpHセンサー26’、第三のpHコントローラー27’を含む。第1段連続飽和充填ユニット2の飽和充填されたキシロース母液が第二のpHセンサー26と第二のpHコントローラー27を流れて第2段連続飽和充填ユニット2’の第二の連続飽和充填缶21’に入って2回目で飽和充填されて不純物が除去され、2回目の飽和充填されたキシロース母液が第二のスイッチングバルブ22’を流れて排出制御ユニット3に入る。CO供給ステーション4のCO第二のCO 吸気流量計23’第二のCO 吸気流量コントローラー24’を流れて第二の連続飽和充填缶21’に入って内のキシロース母液と共に2回目で飽和充填されて混合する。前記第三のpHセンサー26’は、排出制御ユニット3に輸送された、2回目の飽和充填されたキシロース母液のpH値の変化を監視する。前記第三のpHコントローラー27’、第二のCO 吸気流量コントローラー24’第二のCO 吸気調整バルブ25’が互いに連動し、前記第三のpHコントローラー27’は、第三のpHセンサー26’によって監視された、飽和充填されたキシロース母液のpH値の変化に従うとともに、第二のCO 吸気調整バルブ25’第二のCO 吸気流量コントローラー24’を制御し、これにより第2段連続飽和充填ユニット2’に送出されるCO供給ステーション4のCOの流量を制御する。
【0027】
前記第1段連続飽和充填ユニット2はさらに、第一のスイッチングバルブ22が開かれる場合、第一の連続飽和充填缶21内の飽和充填されたキシロース母液を、第二のpHセンサー26、第二のpHコントローラー27が位置する管路を通らずに飽和充填済み缶6に直接流入させるための第一の排出直通バルブ28を含む。前記第2段連続飽和充填ユニット2’はさらに、第二のスイッチングバルブ22’が開かれる場合で第二の連続飽和充填缶21’内の飽和充填されたキシロース母液を、第三のpHセンサー26’、第三のpHコントローラー27’が位置する管路を通らずに飽和充填済み缶6に直接流入させるための第二の排出直通バルブ28’を含む。
【0028】
前記排出制御ユニット3は、キシロース母液飽和充填缶31、インバーターミキサー32、缶温度センサー33缶温度コントローラー34、CO 吸気流量計35CO 吸気流量コントローラー36CO 吸気調整バルブ37キシロース母液pHセンサー38キシロース母液pHコントローラー39、蒸気調整バルブ310、蒸気スイッチングバルブ311及び排出スイッチングバルブ312を含む。前記キシロース母液飽和充填缶31は第2段連続飽和充填ユニット2’から輸送された、飽和充填されたキシロース母液を収集する。CO供給ステーション4のCOがCO 吸気流量計35CO 吸気流量コントローラー36を流れてキシロース母液飽和充填缶31に入り、蒸気ステーション5は蒸気調整バルブ310、蒸気スイッチングバルブ311を介して蒸気をキシロース母液飽和充填缶31に送り、飽和充填されたキシロース母液のpH値を安定化させる。その後、処理されたキシロース母液は排出スイッチングバルブ312を流れて飽和充填済み缶6に入る。前記インバーターミキサー32はキシロース母液飽和充填缶31内のキシロース母液を攪拌する。前記缶温度センサー33キシロース母液飽和充填缶31の温度を監視する。前記キシロース母液pHセンサー38はキシロース母液のpH値を監視する。前記インバーターミキサー32、缶温度コントローラー34キシロース母液pHコントローラー39と蒸気調整バルブ310が互いに連動し、前記缶温度コントローラー34はキシロース母液のpH値に応じて蒸気調整バルブ310の開度を調整し、同時にインバーターミキサーを制御する。前記インバーターミキサー32、CO 吸気流量コントローラー36CO 吸気調整バルブ37キシロース母液pHコントローラー39が互いに連動し、前記キシロース母液pHコントローラー39はキシロース母液のpH値に応じて、キシロース母液飽和充填缶31に送出されるCO供給ステーション4のCOの流量を制御し、同時にインバーターミキサー32を制御する。
【0029】
前記排出制御ユニット3はさらに、排出スイッチングバルブ312が開かれる場合、キシロース母液飽和充填缶31内の処理済みのキシロース母液を、キシロース母液pHセンサー38キシロース母液pHコントローラー39が位置する管路を通らずに飽和充填済み缶6に直接流入させるための排出直通バルブ313を含む。
【0030】
本発明はさらに上述した装置を用いて、キシロースを含むキシロース母液にCOを飽和充填し不純物を除去する方法を開示する。前記方法は、キシロース母液がアルカリ添加ユニット1で、添加されたCa(OH)アルカリ液と混合した後、連続飽和充填ユニット2に入ってCO供給ステーション4から供給されたCOが飽和充填されて混合され、前記Ca(OH)と前記COとでCaCO沈殿物が生成され、生成されたCaCO沈殿物とキシロース母液中のコロイド及び色素不純物とが吸着されることで除去され、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液が排出制御ユニット3に入り、CO供給ステーション4から供給されたCO及び蒸気ステーション5から輸送された蒸気と混合され、キシロース母液のpH値を制御して安定化し、連続飽和充填ユニット2から送られる、CO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液と、および/または、前記排出制御ユニット3から送られる、pH値が制御されたCO飽和充填および不純物吸着除去済みのキシロース母液を、飽和充填済み缶6に貯蔵するステップを含む。
【0031】
本発明の方法の不純物除去原理は、Ca(OH)とCOがCaCO沈殿物を生成し、該沈殿物が正電荷を有しており、キシロース母液中のコロイド、色素などの不純物を同時に吸着することができることである。Ca(OH)とCOの反応中に、キシロース母液のpHを段階的に制御することは、CaCOの綿状の沈殿に有利である。キシロース母液が弱アルカリ性である場合、Ca からCaCOへの段階的な変換に有利であり、キシロース母液が中性で極めて弱酸性になる場合、Ca の大部分がCaCOに変換されて綿状に沈殿することを保証し、キシロース母液が極めて弱酸性である場合、COが非常に少なく過剰されることを保証し、ここでCa が完全にCaCOに変換されて沈殿され、さらには極めて少ない部分がCa(HCOに変換され、Ca(HCOの生成によるCaCOに包まれたコロイド不純物の再度放出が回避され、同時にキシロース母液中に大量のCa が現れず、キシロース母液中の不純物を除去する目的を達成し、且つ後の工程の負荷を増加させない。
【0032】
具体的には、キシロース母液を連続的に飽和充填して不純物を除去するための前記方法は、次のステップを含む。
【0033】
ステップ1において、アルカリを添加してキシロース母液のpH値を高める。屈折率50%~65%のキシロース母液を未飽和充填缶17に添加し、流量が8m/h~12m/hであり、液位が未飽和充填缶17の容量の30%~35%に達すると、攪拌し、アルカリ液ポンプ12を起動し、Ca(OH)アルカリ液を未飽和充填缶17内に添加し、アルカリ液ポンプ12の周波数を設定して30Hz~40Hzに制御し、この時にCa(OH)アルカリ液の流量が40L/h~55L/hになる。オンラインの第一のpHセンサーが9.5~10.5に設定され、未飽和充填缶17内のキシロース母液の液位が70%を超えると連続飽和充填ユニットへ排出し始める。第一のpHセンサー19はキシロース母液のpHをオンライン監視し、pH値が設定された値より低い場合、Ca(OH)アルカリ液の流量を連動して調整及び制御し、55L/h~60L/hに増加させ、アルカリ液ポンプ12の流量を連動して調整及び制御し、アルカリ液ポンプ12の周波数を上げ、pH値が設定された値より高い場合、Ca(OH)アルカリ液の流量を連動して調整及び制御し、35L/h~40L/hに減少させ、アルカリ液ポンプ12を連動して調整及び制御し、アルカリ液ポンプ12の周波数を下げ、これによりアルカリを添加したキシロース母液のpH値が調整され、設定された値に達する。
【0034】
ステップ2において、キシロース母液のpH値を連続的且つ段階的に低くする。
未飽和充填缶17のキシロース母液が第一の連続飽和充填缶21に排出される場合、アルカリが添加されたキシロース母液の液位が第1段連続飽和充填ユニット2の第一の連続飽和充填缶21の容量の30%~35%に達すると、攪拌を起動し、第一のCO 吸気調整バルブ25の開度を50%~65%に制御し、このときにCOの流量が20L/h~25L/hであり、第二のpHセンサー26が8.0~8.5に設定され、第一のスイッチングバルブ22を開き、第一の連続飽和充填缶21内のキシロース母液の液位が70%を超えると、第2段連続飽和充填ユニット2’へ排出し始める。第二のpHセンサー26はキシロース母液のpHをオンライン監視し、pH値が設定された値より低い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、17L/h~20L/hに減少させ、COの流量に基づいて第一のCO 吸気調整バルブ25を連動して調整及び制御し、その開度を下げ、pH値が設定された値より高い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、25L/h~28L/hに増加させ、COの流量に基づいて第一のCO 吸気調整バルブ25を連動して調整及び制御し、その開度を上げる。
【0035】
第一の連続飽和充填缶21のキシロース母液が第二の連続飽和充填缶21’に排出され、液位が第2段連続飽和充填ユニット2’の第二の連続飽和充填缶21’の容量の30%~35%に達すると、攪拌を起動し、第二のCO 吸気調整バルブ25’の開度を25%~40%に制御し、このときにCOの流量が2L/h~2.5L/hであり、オンラインの第三のpHセンサー26’が6.5~7.0に設定され、第二のスイッチングバルブ22’を開く。第二の連続飽和充填缶21’の液位が70%を超えると、排出制御ユニット3へ排出し始める。第三のpHセンサー26’はキシロース母液のpHをオンライン監視し、pH値が設定された値より低い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、1.8L/h~2L/hに減少させ、COの流量に基づいて第二のCO2吸気調整バルブ25’を連動して調整及び制御し、その開度を下げる。pH値が設定された値より高い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、2.5L/h~2.7L/hに増加させ、COの流量に基づいて第二のCO 吸気調整バルブ25’を連動して調整及び制御し、その開度を上げる。
【0036】
ステップ3において、飽和充填されたキシロース母液のpHを安定化する。第二の連続飽和充填缶21’のキシロース母液がキシロース母液飽和充填缶31へ排出されると、排出スイッチングバルブ312を開き、蒸気スイッチングバルブ311を開く。オンラインのキシロース母液pHセンサー38が6.5~7.0に設定される。キシロース母液pHセンサー38はキシロース母液のpHをオンライン検出し、キシロース母液のpH<6.5の場合、インバーターミキサー32を連動して起動して撹拌し、周波数が35Hz~45Hzであり、同時に蒸気調整バルブ310を連動してその開度を調整し、キシロース母液の液体温度を50℃~55℃に制御する。キシロース母液のpH>7.0の場合、インバーターミキサー32を連動して起動して撹拌し、周波数が35Hz~45Hzであり、同時にCO 吸気調整バルブ37から送出されたCOの流量を0.5L/h~1L/hに連動して調整及び制御し、これによりpH値を6.5~7.0に安定化させ、処理されたキシロース母液が排出されて飽和充填済み缶6に一時的に貯蔵される。ステップ4において、正常に動作する時に、ステップ1からステップ3が確立された後、システムが連続的に動作し、即ち連続的に供給及び排出する。第一のpHセンサー19はキシロース母液のpHをオンライン監視し、pH値が設定された値より低い場合、Ca(OH)アルカリ液の流量を連動して調整及び制御し、55L/h~60L/hに増加させ、アルカリ液ポンプ12の流量を連動して調整及び制御し、その動作周波数を上げ、pH値が設定された値より高い場合、Ca(OH)アルカリ液の流量を連動して調整及び制御し、35L/h~40L/hに減少させ、アルカリ液ポンプ12を連動して調整及び制御し、その動作周波数を下げ、これにより第1段連続飽和充填ユニット2に排出される前のキシロース母液のpH値が9.5~10.5に調整される。第二のpHセンサー26はキシロース母液のpHを連続的にオンライン監視し、pH値が設定された値より低い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、17L/h~20L/hに減少させ、COの流量に基づいて第一のCO 吸気調整バルブ25を連動して調整及び制御し、その開度を下げ、pH値が設定された値より高い場合、COの流量を連動して制御し、25L/h~28L/hに増加させ、COの流量に基づいて第一のCO 吸気調整バルブ25を連動して調整及び制御し、その開度を上げ、第2段連続飽和充填ユニット2’に排出される前のキシロース母液のpH値が8.0~8.5に調整される。第三のpHセンサー26’はキシロース母液のpHを連続的にオンライン監視し、pH値が設定された値より低い場合、COの流量を連動して調整及び制御し、1.8L/h~2L/hに減少させ、COの流量に基づいて第二のCO 吸気調整バルブ25’を連動して調整及び制御し、その開度を下げ、pH値が設定された値より高い場合、COの流量を連動して制御し、2.5L/h~2.7L/hに増加させ、COの流量に基づいて第二のCO 吸気調整バルブ25’を連動して調整及び制御し、その開度を上げ、排出制御ユニット3に排出される前のキシロース母液のpH値が6.5~7.0に調整される。キシロース母液pHセンサー38は、キシロース母液のpHを連続的にオンライン監視し、キシロース母液のpH<6.5の場合、インバーターミキサー32を連動して起動して撹拌し、周波数が35Hz~45Hzであり、蒸気調整バルブ310を連動してその開度を調整し、液体温度を50℃~55℃に制御し、キシロース母液のpH>7.0の場合、インバーターミキサー32を連動して起動して撹拌し、周波数が35Hz~45Hzであり、CO 吸気調整バルブ37の流量を0.5L/h~1L/hに連動して調整及び制御し、これによってpH値を6.5~7.0に安定化させ、キシロース母液が排出されて飽和充填済み缶6に一時的に貯蔵される。
【0037】
ステップ5において、製造が完了される場合、未飽和充填缶17内のキシロース母液原料が全て第一の連続飽和充填缶21に入り、第一の排出直通バルブ28、第二の排出直通バルブ28’と排出直通バルブ313が順次開かれ、第一の連続飽和充填缶21第二の連続飽和充填缶21’キシロース母液飽和充填缶31内のキシロース母液が飽和充填済み缶6にそれぞれ移送され、ポンプにより後工程またはキシロース母液貯蔵缶へ送られる。
以下に具体的な実施形態と組み合わせて本発明の装置及び方法をさらに説明する。
(実施形態1)
【0038】
pH3.5、屈折率60%、キシロース含有量52%、流量10m3/hのキシロース母液を例として本発明の方法に従って飽和充填する。
【0039】
ステップ1において、第一のpHセンサー18がオンライン監視することにより、Ca(OH)の流量を50L/hに連動して制御し、アルカリ液ポンプ12の周波数を36Hzに制御し、キシロース母液のpH値を9.5に連動して制御する。
【0040】
ステップ2において、第1段連続飽和充填ユニット2と第2段連続飽和充填ユニット2’により、キシロース母液のpH値が連続的且つ段階的に低くなる。第1段連続飽和充填ユニット2は、第二のpHセンサー26がオンライン監視することにより、CO 吸気調整バルブの開度を60%に連動して調整及び制御し、流量を22L/hにし、キシロース母液のpH値を8.0に連動して調整及び制御する。さらに、第2段連続飽和充填ユニット2’は、第三のpHセンサー26’がオンライン監視することにより、CO 吸気調整バルブの開度を35%に連動して調整及び制御し、流量を2L/hにし、キシロース母液のpH値を7.0に連動して調整及び制御する。
【0041】
ステップ3において、排出制御ユニット3は、キシロース母液のpH値を安定化する。キシロース母液pHセンサー38はCOの流量を1L/hに連動してオンライン制御することにより、この流量に応じてCO 吸気調整バルブ37の開度を15%に制御し、キシロース母液の最終pH値が6.5となる。
【0042】
以上の3つのステップにより、キシロース母液中の不純物を除去する効果を達成することができ、後の工程における供給要求を満たしている。
(実施形態2)
【0043】
pH4.0、屈折率65%、キシロース含有量55%、流量10m/hのキシロース母液を例として本発明の方法に従って飽和充填する。
【0044】
ステップ1において、第一のpHセンサー18がオンライン監視することにより、Ca(OH)の流量を40L/hに連動して制御し、アルカリ液ポンプ12の周波数を30Hzに制御し、キシロース母液のpH値を10に連動して制御する。
【0045】
ステップ2において、第1段連続飽和充填ユニット2と第2段連続飽和充填ユニット2’により、キシロース母液のpH値が連続的且つ段階的に低くなる。第1段連続飽和充填ユニット2は、第二のpHセンサー26がオンライン監視することにより、CO 吸気調整バルブの開度を70%に連動して調整及び制御し、流量を25L/hにし、キシロース母液のpH値を8.5に連動して調整及び制御する。さらに、第2段連続飽和充填ユニット2’は、第三のpHセンサー26’がオンライン監視することにより、CO 吸気調整バルブ37の開度を40%に連動して調整及び制御し、流量を2.5L/hにし、キシロース母液のpH値を6.5に連動して調整及び制御する。
【0046】
ステップ3において、排出制御ユニット3は、キシロース母液のpH値を安定化する。キシロース母液pHセンサー38に基づいて温度センサーを50℃に連動して制御し、温度コントローラーは蒸気調整バルブ310の開度を30%に連動して制御する。同時に、pHでインバーターミキサー32の撹拌周波数を45Hzに連動して制御するととともに、CO 吸気調整バルブ37の開度を0%に制御し、キシロース母液の最終pH値が6.5となる。
【0047】
以上の4つのステップにより、キシロース母液中の不純物を除去する効果を達成することができ、後の工程における供給要求を満たしている。
【0048】
上述したものは本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、本発明の精神と原則内で行われるいかなる変更、同等置換と改善などはいずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1