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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20240712BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022073425
(22)【出願日】2022-04-27
(65)【公開番号】P2023162787
(43)【公開日】2023-11-09
【審査請求日】2024-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505223034
【氏名又は名称】株式会社ピーアイエックス
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】龍至 岳夫
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-032274(JP,A)
【文献】特許第7037223(JP,B1)
【文献】特開平10-005413(JP,A)
【文献】特開2012-196546(JP,A)
【文献】特開2016-178977(JP,A)
【文献】特開2016-221258(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0095804(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
対象店舗における資源の稼働に関する、前記対象店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した第1時系列情報を含む、第1店舗情報を取得する手段、
前記対象店舗の競合店舗における資源の稼働に関する、前記競合店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した第2時系列情報を含む、第2店舗情報を取得する手段、
前記対象店舗における顧客の来店状況に関する、前記対象店舗に対する会員顧客の来店情報を一日よりも短い周期で蓄積した第3時系列情報を含む、顧客情報を取得する手段、
前記第1時系列情報を含む前記第1店舗情報と、前記第2時系列情報を含む前記第2店舗情報と、前記第3時系列情報を含む前記顧客情報とに基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用することで、モデル入力データによって表現される前記対象店舗の競争環境に対して相対的に最適化した、前記対象店舗の業績指標に関する計画を作成する手段、
として機能させ
前記業績指標に関する計画は、前記対象店舗における日毎の収益計画と、当該日毎の収益計画と対応する、前記対象店舗に設置されている遊戯機の機種別の収益計画と、当該遊技機の機種別の収益計画を達成可能と統計的に予想された各種設定値が定められる、前記対象店舗に設置されている遊戯機の遊戯設定計画を含む、プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、前記作成する手段によって作成された計画を提示する手段としてさらに機能させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記提示する手段は、前記計画を作成する手段によって作成された計画を、前記対象店舗の業績指標に関して過去に作成された計画と対比して提示する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記計画を作成する手段は、前記対象店舗、または前記競合店舗の所在地における天気情報、またはイベント情報の少なくとも1つにさらに基づくモデル入力データに前記学習済みモデルを適用する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記顧客情報は、前記対象店舗に来店している人の観察結果に基づく前記対象店舗の客層情報を含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記計画を作成する手段は、前記競合店舗に来店している人の観察結果に基づく前記競合店舗の客層情報にさらに基づくモデル入力データに前記学習済みモデルを適用する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記計画を作成する手段は、前記競合店舗のプロモーションの分析結果に基づくプロモーション情報にさらに基づくモデル入力データに前記学習済みモデルを適用する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記対象店舗および前記競合店舗は、遊戯を行うための施設を顧客に提供し、
前記対象店舗における資源は、当該対象店舗に設置された遊戯機を含み、
前記競合店舗における資源は、当該競合店舗に設置された遊戯機を含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2店舗情報は、前記競合店舗に設置された遊戯機の稼働状況の観察結果に基づく前記競合店舗に設置された遊戯機の遊戯設定情報を含む、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記顧客情報は、前記対象店舗の会員管理コンピュータから取得可能な、前記対象店舗に設置された遊戯機に備え付けられたカードリーダに挿入されている会員カードに対応する会員情報を含む、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記対象店舗の業績指標に関する計画は、前記対象店舗における日毎の収益計画、前記対象店舗に設置されている遊戯機の機種別の収益計画、または当該遊戯機の遊戯設定計画の少なくとも1つを含む、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項12】
対象店舗における資源の稼働に関する、前記対象店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した第1時系列情報を含む、第1店舗情報を取得する手段と、
前記対象店舗の競合店舗における資源の稼働に関する、前記競合店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した第2時系列情報を含む、第2店舗情報を取得する手段と、
前記対象店舗における顧客の来店状況に関する、前記対象店舗に対する会員顧客の来店情報を一日よりも短い周期で蓄積した第3時系列情報を含む、顧客情報を取得する手段と、
前記第1時系列情報を含む前記第1店舗情報と、前記第2時系列情報を含む前記第2店舗情報と、前記第3時系列情報を含む前記顧客情報とに基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用することで、前記対象店舗の業績指標に関する計画を作成する手段と
を具備し、
前記業績指標に関する計画は、前記対象店舗における日毎の収益計画と、当該日毎の収益計画と対応する、前記対象店舗に設置されている遊戯機の機種別の収益計画と、当該遊技機の機種別の収益計画を達成可能と統計的に予想された各種設定値が定められる、前記対象店舗に設置されている遊戯機の遊戯設定計画を含む、情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが、
対象店舗における資源の稼働に関する、前記対象店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した第1時系列情報を含む、第1店舗情報を取得するステップと、
前記対象店舗の競合店舗における資源の稼働に関する、前記競合店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した第2時系列情報を含む、第2店舗情報を取得するステップと、
前記対象店舗における顧客の来店状況に関する、前記対象店舗に対する会員顧客の来店情報を一日よりも短い周期で蓄積した第3時系列情報を含む、顧客情報を取得するステップと、
前記第1時系列情報を含む前記第1店舗情報と、前記第2時系列情報を含む前記第2店舗情報と、前記第3時系列情報を含む前記顧客情報とに基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用することで、前記対象店舗の業績指標に関する計画を作成するステップと、
を実行し、
前記業績指標に関する計画は、前記対象店舗における日毎の収益計画と、当該日毎の収益計画と対応する、前記対象店舗に設置されている遊戯機の機種別の収益計画と、当該遊技機の機種別の収益計画を達成可能と統計的に予想された各種設定値が定められる、前記対象店舗に設置されている遊戯機の遊戯設定計画を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、パチンコ、パチスロ、などの遊戯施設において、各店舗における収益等の業績指標に関する計画は、例えば店長などの責任者の経験知に基づいて決定されることが一般的であった。
【0003】
特許文献1には、機種別の台数、各機種一台あたり平均の稼働、売上げ玉数、景品玉数等の実績データを、年月日、曜日、天候、イベント、機種、台種等に対応して記録し、過去の特定期間の実績データを分類・整理することについて開示されている。また、特許文献1には、分類・整理により得られた曜日ごとの台粗利、台売上げを、売上げ予測期間の日々のデータ欄に曜日を対応させて当てはめ、粗利、売上げ、利益率を算出することについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-290532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、自店舗の過去の実績データに主に依拠して売上予測が行われる。しかしながら、自店舗の状況が変わらずとも外部環境が大きく変わっていたとすれば、かかる技術により妥当な売上を予測することは容易でない。
【0006】
本開示の目的は、外部環境を考慮した、店舗の業績指標に関する計画を非属人的なプロセスで決定する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、対象店舗における資源の稼働に関する第1店舗情報を取得する手段、対象店舗の競合店舗における資源の稼働に関する第2店舗情報を取得する手段、対象店舗における顧客の来店状況に関する顧客情報を取得する手段、少なくとも第1店舗情報と、第2店舗情報と、顧客情報とに基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用することで、対象店舗の業績指標に関する計画を作成する手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態の店舗計画作成サーバの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態の一態様の説明図である。
図5】本実施形態の対象店舗稼働ログデータベースのデータ構造を示す図である。
図6】本実施形態の来店会員ログデータベースのデータ構造を示す図である。
図7】本実施形態の競合店舗稼働ログデータベースのデータ構造を示す図である。
図8】本実施形態の計画作成処理のフローチャートである。
図9】本実施形態の計画作成処理において表示される画面例を示す図である。
図10】本実施形態の計画作成処理において表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、店舗計画作成サーバ30と、店舗情報共有サーバ50とを備える。
クライアント装置10および店舗計画作成サーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。店舗計画作成サーバ30及び店舗情報共有サーバ50は、ネットワークNWを介して接続される。
【0012】
クライアント装置10は、情報処理装置の一例である。クライアント装置10は、店舗計画作成サーバ30にリクエストを送信する。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。クライアント装置10のユーザは、例えば店舗(以下、「対象店舗」という)の店員、または店長もしくはその他の責任者である。
【0013】
店舗計画作成サーバ30は、情報処理装置の一例である。店舗計画作成サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供する。具体的には、店舗計画作成サーバ30は、対象店舗の業績指標に関する計画を作成し、当該計画をクライアント装置10のユーザに提示する。店舗計画作成サーバ30は、例えば、ウェブサーバである。
【0014】
店舗情報共有サーバ50は、情報処理装置の一例である。店舗情報共有サーバ50は、対象店舗を含む各店舗に関する情報を当該店舗間で共有する。特に、店舗情報共有サーバ50は、対象店舗の競合店舗における資源の稼働状況に関する情報を、店舗計画作成サーバ30に提供する。店舗情報共有サーバ50は、例えば、ウェブサーバである。
【0015】
一例として、情報処理システム1をパチンコ、パチスロ、などの遊戯施設に適用する場合に、店舗情報共有サーバ50は、各店舗のホールコンピュータに接続される。店舗情報共有サーバ50は、各店舗のホールコンピュータから収集した情報、またはその統計情報を提供するクラウドサービスを提供するサーバに相当する。
【0016】
(1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置の構成について説明する。図2は、本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。クライアント装置10は、ディスプレイ21に接続される。
【0018】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0019】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0020】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0021】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0022】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ21、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0023】
通信インタフェース14は、クライアント装置10と外部装置(例えば店舗計画作成サーバ30)との間の通信を制御するように構成される。
【0024】
ディスプレイ21は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0025】
(1-2)店舗計画作成サーバの構成
店舗計画作成サーバの構成について説明する。図3は、本実施形態の店舗計画作成サーバの構成を示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、店舗計画作成サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0027】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0028】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0029】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0030】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、店舗計画作成サーバ30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0031】
入出力インタフェース33は、店舗計画作成サーバ30に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、店舗計画作成サーバ30に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0032】
通信インタフェース34は、店舗計画作成サーバ30と外部装置(例えば、クライアント装置10、または店舗情報共有サーバ50)との間の通信を制御するように構成される。
【0033】
(1-3)店舗情報共有サーバの構成
店舗情報共有サーバの構成について説明する。店舗情報共有サーバ50は、店舗計画作成サーバ30と同一または類似の構成を備え得る。
【0034】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。図4は、本実施形態の一態様の説明図である。
【0035】
図4に示すように、店舗計画作成サーバ30は、対象店舗TP10における資源の稼働に関する情報(以下、「対象店舗情報」という)を取得する。ここで、対象店舗TP10がサービス業の店舗である場合に、資源は当該対象店舗TP10においてサービスの提供のために用いられる物品(例えば設備)または人的資源である。一例として、対象店舗TP10が遊戯施設である場合に、資源は当該対象店舗TP10に設置された遊戯機であり得る。或いは、対象店舗TP10が小売店である場合に、資源は当該対象店舗TP10において販売される物品、または物品の販売のために用いられる物品もしくは人的資源である。店舗計画作成サーバ30は、対象店舗TP10における顧客の来店状況に関する情報(以下、「対象顧客情報」という)を取得する。
【0036】
店舗情報共有サーバ50は、対象店舗TP10の競合店舗CP11-1,CP11-2,CP11-3における資源の稼働に関する情報(以下、「競合店舗情報」という)を収集する。一例として、競合店舗CP11-1,CP11-2,CP11-3が遊戯施設である場合に、資源は当該競合店舗CP11-1,CP11-2,CP11-3に設置された遊戯機であり得る。店舗情報共有サーバ50は、競合店舗情報を店舗計画作成サーバ30に提供する。
【0037】
店舗計画作成サーバ30は、対象店舗情報と、対象顧客情報と、競合店舗情報とに基づくモデル入力データに、学習済みモデルLM12を適用することで、対象店舗TP10の業績指標に関する計画を作成する。店舗計画作成サーバ30は、作成した計画を、クライアント装置10のユーザUS13に提示する。
【0038】
このように、店舗計画作成サーバ30は、対象店舗情報と、対象顧客情報と、競合店舗情報とに基づくモデル入力データに、学習済みモデルLM12を適用することで、対象店舗TP10の業績指標に関する計画を作成する。これにより、対象店舗TP10の業績指標に関する計画を、対象店舗情報に加えて対象顧客情報および競合店舗情報を考慮して、かつ非属人的なプロセスで決定することができる。つまり、経験知の乏しいユーザであっても、対象店舗TP10の置かれた競争環境を反映した計画を容易に立案することができる。
【0039】
(3)データベース
本実施形態のデータベースについて説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0040】
(3-1)対象店舗稼働ログデータベース
本実施形態の対象店舗稼働ログデータベースについて説明する。図5は、本実施形態の対象店舗稼働ログデータベースのデータ構造を示す図である。
【0041】
対象店舗稼働ログデータベースには、対象店舗稼働ログ情報が格納される。対象店舗稼働ログ情報は、対象店舗情報の一例である。対象店舗稼働ログ情報は、対象店舗における各資源の日時別の稼働状況のログに関する情報である。
【0042】
店舗計画作成サーバ30は、例えば対象店舗のホールコンピュータから情報を繰り返し取得し、単位期間(例えば30分)の情報として蓄積することで、対象店舗稼働ログデータベースの各レコードを生成する。つまり、対象店舗稼働ログ情報は、対象店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した時系列情報に相当する。
【0043】
図5に示すように、対象店舗稼働ログデータベースは、「ログID」フィールドと、「日時」フィールドと、「台ID」フィールドと、「投入」フィールドと、「払出」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0044】
「ログID」フィールドには、ログIDが格納される。ログIDは、対象店舗稼働ログ情報を識別する情報である。
【0045】
「日時」フィールドには、日時情報が格納される。日時情報は、対象店舗稼働ログ情報が表現するログに対応する日時に関する情報である。一例として、対象店舗稼働ログ情報は、当該情報に含まれる日時情報の示す日時を基準とする単位期間(例えば30分間)に亘るログに関する情報である。
【0046】
「台ID」フィールドには、台IDが格納される。台IDは、対象店舗稼働ログ情報が表現するログに対応する遊戯機(つまり資源)を識別する情報である。台IDは、図示しないデータベースにおいて、対応する遊戯機の機種情報または遊戯設定情報に関連付けられてよい。また、機種情報または遊戯設定情報は、対象店舗稼働ログ情報に含められてもよい。ここで、遊戯設定情報は、例えば以下の少なくとも1つの遊戯設定に関する情報を含むことができる。
・釘の状態
・スタート(単位時間あたりに図柄が変動した回数)
・ベース(遊び率/通常の場合の玉の返還率)
・TS(特賞に要する平均の回転数)
・TY(遊戯客が特賞で得られる平均の差玉)
・TO(特賞発生から終了までの平均打込数)
【0047】
「投入」フィールドには、投入情報が格納される。投入情報は、日時情報の示す期間内に、台IDによって特定される遊戯機が受け付けた(つまり、顧客から投入された)遊戯の提供対価の量に関する情報である。遊戯の提供対価は、例えば、パチンコ玉、またはメダルである。投入情報は、資源の稼働量に関する情報の一例である。
【0048】
「払出」フィールドには、払出情報が格納される。払出情報は、日時情報の示す期間内に、台IDによって特定される遊戯機が放出した(つまり、顧客に払い出した)遊戯の提供対価の量に関する情報である。払い出された提供対価は、遊戯の提供対価として再利用したり、景品と交換したりすることができる。払出情報は、資源の稼働量に関する情報の一例である。
【0049】
(3-2)来店会員ログデータベース
本実施形態の来店会員ログデータベースについて説明する。図6は、本実施形態の来店会員ログデータベースのデータ構造を示す図である。
【0050】
来店会員ログデータベースには、来店会員ログ情報が格納される。来店会員ログ情報は、対象顧客情報の一例である。来店会員ログ情報は、対象店舗における会員顧客の日時別の来店状況のログに関する情報である。ここで、会員顧客とは、対象店舗において会員登録を行い、会員カードを発行された顧客である。会員顧客が、会員カードを提示して(遊戯機に備え付けられたカードリーダ(サンド)に会員カードを挿入して)遊戯機を使用する場合に、当該会員カードに対応する会員情報(例えば会員ID、または会員の属性情報)と遊戯機の稼働情報とを紐づけることができる。
【0051】
店舗計画作成サーバ30は、例えば対象店舗の会員管理コンピュータから情報を繰り返し取得し、単位期間(例えば30分)の情報として整理することで、来店会員ログデータベースの各レコードを生成する。つまり、来店会員ログ情報は、対象店舗に対する会員顧客の来店情報を一日よりも短い周期で蓄積した時系列情報に相当する。
【0052】
図7に示すように、来店会員ログデータベースは、「ログID」フィールドと、「日時」フィールドと、「会員ID」フィールドと、「台ID」フィールドと、「投入」フィールドと、「払出」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0053】
「ログID」フィールドには、ログIDが格納される。ログIDは、来店会員ログ情報を識別する情報である。
【0054】
「日時」フィールドには、日時情報が格納される。日時情報は、来店会員ログ情報が表現するログに対応する日時に関する情報である。一例として、来店会員ログ情報は、当該情報に含まれる日時情報の示す日時を基準とする単位期間(例えば30分間)に亘るログに関する情報である。
【0055】
「会員ID」フィールドには、会員IDが格納される。会員IDは、来店会員ログ情報が表現するログに対応する会員顧客を識別する情報である。会員IDは、図示しないデータベースにおいて、対応する会員の属性に関する情報に関連付けられてよい。会員の属性は、例えば、会員の年齢、性別のほか、対象店舗にとっての顧客分類(例えば、常連客、新規顧客、等)を含み得る。対象店舗にとっての顧客分類は、例えばRFM分析等の顧客分析の結果に応じて決定され得る。また、会員情報は、来店会員ログ情報に含められてもよい。
【0056】
「台ID」フィールドには、台IDが格納される。台IDは、来店会員ログ情報が表現するログに対応する遊戯機(会員IDによって特定される会員顧客が使用した遊技機)を識別する情報である。なお、個人情報保護の観点から、来店会員ログ情報に、台IDが含められなくてもよい(つまり、会員IDによって特定される会員顧客がどの台を使用したかの情報を特定不可能としてもよい)。
【0057】
「投入」フィールドには、投入情報が格納される。投入情報は、日時情報の示す期間内に、台IDによって特定される遊戯機が受け付けた(つまり、会員IDによって特定される会員顧客から投入された)遊戯の提供対価の量に関する情報である。なお、個人情報保護の観点から、来店会員ログ情報に、投入情報が含められなくてもよい(つまり、会員IDによって特定される会員顧客が遊戯の提供対価をどれだけ投入したかの情報を特定不可能としてもよい)。
【0058】
「払出」フィールドには、払出情報が格納される。払出情報は、日時情報の示す期間内に、台IDによって特定される遊戯機が放出した(つまり、会員IDによって特定される会員顧客に払い出した)遊戯の提供対価の量に関する情報である。なお、個人情報保護の観点から、来店会員ログ情報に、投入情報が含められなくてもよい(つまり、会員IDによって特定される会員顧客に遊戯の提供対価をどれだけ払い出したかの情報を特定不可能としてもよい)。
【0059】
(3-3)競合店舗稼働ログデータベース
本実施形態の競合店舗稼働ログデータベースについて説明する。図7は、本実施形態の競合店舗稼働ログデータベースのデータ構造を示す図である。
【0060】
競合店舗稼働ログデータベースには、競合店舗稼働ログ情報が格納される。競合店舗稼働ログ情報は、競合店舗情報の一例である。競合店舗稼働ログ情報は、競合店舗における各資源の日時別の稼働状況のログに関する情報である。
【0061】
店舗計画作成サーバ30は、例えば店舗情報共有サーバ50から情報を繰り返し取得し、単位期間(例えば30分)の情報として整理することで、競合店舗稼働ログデータベースの各レコードを生成する。つまり、競合店舗稼働ログ情報は、競合店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した時系列情報に相当する。
【0062】
図7に示すように、競合店舗稼働ログデータベースは、「ログID」フィールドと、「日時」フィールドと、「店舗ID」フィールドと、「機種ID」フィールドと、「稼働率」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0063】
「ログID」フィールドには、ログIDが格納される。ログIDは、競合店舗稼働ログ情報を識別する情報である。
【0064】
「日時」フィールドには、日時情報が格納される。日時情報は、競合店舗稼働ログ情報が表現するログに対応する日時に関する情報である。一例として、競合店舗稼働ログ情報は、当該情報に含まれる日時情報の示す日時を基準とする単位期間(例えば30分間)に亘るログに関する情報である。
【0065】
「店舗ID」フィールドには、店舗IDが格納される。店舗IDは、競合店舗稼働ログ情報が表現するログに対応する競合店舗を識別する情報である。競合店舗は、例えばクライアント装置10のユーザからの指示に応じて特定されてよい。或いは、競合店舗は、例えば立地条件に基づいて所定のアルゴリズムに従って特定されてよい。
【0066】
「機種ID」フィールドには、機種IDが格納される。機種IDは、競合店舗稼働ログ情報が表現するログに対応する遊戯機の機種を識別する情報である。なお、店舗IDによって特定される競合店舗に、機種IDによって特定される機種の遊戯機が何台設置されているかの情報は、店舗情報共有サーバ50によって提供されてもよいし、人間(例えば対象店舗の店員)が競合店舗を視察することで取得されてもよい。
【0067】
「稼働率」フィールドには、稼働率情報が格納される。稼働率情報は、店舗IDによって特定される競合店舗に設置された、機種IDによって特定される遊戯機の、日時情報の示す期間内における稼働率に関する情報である。稼働率情報は、資源の稼働量に関する情報の一例である。
【0068】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。図8は、本実施形態の計画作成処理のフローチャートである。図9は、本実施形態の計画作成処理において表示される画面例を示す図である。図10は、本実施形態の計画作成処理において表示される画面例を示す図である。
【0069】
図8の計画作成処理は、以下の開始条件のいずれかの成立に応じて開始してもよい。
・他の処理によって計画作成処理が呼び出された。
・クライアント装置10のユーザが計画作成処理を呼び出すための操作を行った。
・所定の日時(例えば、予め定められた計画作成日時)が到来した。
・所定のイベント(例えば、計画作成処理の前回の実行)から所定の時間が経過した。
【0070】
図8に示すように、店舗計画作成サーバ30は、各種情報の取得(S130)を実行する。
具体的には、店舗計画作成サーバ30は、対象店舗情報、対象顧客情報、および競合店舗情報を取得する。一例として、店舗計画作成サーバ30は、指定期間内の日時に対応する日時情報を備える、対象店舗稼働ログ情報、来店会員ログ情報、および競合店舗稼働ログ情報を取得する。
【0071】
店舗計画作成サーバ30は、対象店舗稼働ログ情報に加えて、または対象店舗稼働ログ情報の代わりに、対象店舗の遊戯設定情報を対象店舗情報として取得してもよい。対象店舗の遊戯設定情報は、例えば対象店舗のホールコンピュータから取得可能な、対象店舗における遊戯設定に関する情報である。遊戯設定は、対象店舗に設置された個別の遊戯機の遊戯設定、または複数の遊戯機からなる集団(例えば特定の機種の遊戯機のグループ)の遊戯設定を意味し得る。
【0072】
店舗計画作成サーバ30は、来店会員ログ情報に加えて、または来店会員ログ情報の代わりに、対象店舗の客層情報を対象顧客情報として取得してもよい。対象店舗の客層情報は、対象店舗に来店している人の観察結果に基づく情報(客層の予想結果)である。客層は、個別の顧客の属性、または複数の顧客からなる集団の属性を意味し得る。かかる情報は、対象店舗を視察した人間(例えば対象店舗の店員)が判断してクライアント装置10に入力してもよいし、当該人間がカメラを用いて撮影した画像(動画を含み得る)または対象店舗に設置された監視カメラが撮影した画像をアルゴリズムにより解析(顔認識を含み得る)することで決定されてもよい。
【0073】
店舗計画作成サーバ30は、競合店舗稼働ログ情報に加えて、または競合店舗稼働ログ情報の代わりに、競合店舗の遊戯設定情報を競合店舗情報として取得してもよい。競合店舗の遊戯設定情報は、競合店舗に設置された遊戯機の稼働状況(例えば、各遊戯機でどのくらい顧客が遊んでいるか)の観察結果に基づく情報(競合店舗の遊戯設定の予想結果)である。遊戯設定は、競合店舗に設置された個別の遊戯機の遊戯設定、または複数の遊戯機からなる集団(例えば特定の機種の遊戯機のグループ)の遊戯設定を意味し得る。かかる情報は、競合店舗を視察した人間(例えば対象店舗の店員)が判断してクライアント装置10に入力してもよいし、当該人間がカメラを用いて撮影した画像(動画を含み得る)をアルゴリズムにより解析することで決定されてもよい。
【0074】
ステップS130の後に、店舗計画作成サーバ30は、計画の作成(S131)を実行する。
具体的には、店舗計画作成サーバ30は、ステップS130において取得した情報に基づいてモデル入力データを生成する。店舗計画作成サーバ30は、モデル入力データに学習済みモデルを適用することで、所定期間に亘る対象店舗の業績指標に関する計画を作成する。ここで、所定期間は、計画が作成される時間的範囲を意味し、基準日から当該基準日が属する月、週、または年の末日までの期間であってよい。基準日は、計画作成を行った日(以下、「計画作成日」という)であってもよいし、その翌日であってもよい。或いは、基準日は、計画作成日が属する月の翌月の初日、計画作成日が属する週の翌週の初日、または計画作成日が属する年の翌年の初日、であってもよい。
【0075】
学習済みモデルは、モデル入力データによって表現される対象店舗の競争環境に対して相対的に最適化した計画を出力するように構成されている。最適化とは、例えば対象店舗の利益の最大化に関する最適化であるが、これに限らず他の目的(例えば売上の最大化等)に関する最適化を含み得る。例えば、最適化とは、対象店舗の商圏における有限の潜在顧客(パチンコユーザ)に対し、対象店舗の状況および競合店舗の状況を考慮して、対象店舗の顧客を最大化(または、増加もしくは維持)することを意味し得る。学習済みモデルは、例えばある競争環境を表現する学習用のモデル入力データと、対応する学習用のモデル出力データ(つまり正解値)とを含む教師データに基づく教師あり学習により構築され得る。学習済みモデルは、学習により構築されたモデルそのものであってもよいし、当該モデルの派生モデルまたは蒸留モデルであってもよい。学習用のモデル出力データは、実績値であってもよいし、理論値であってもよい。
【0076】
対象店舗の業績に関する計画は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・対象店舗における日毎の収益計画
・対象店舗に設置されている遊戯機の機種別の収益計画
・対象店舗に設置されている遊戯機の遊戯設定計画
【0077】
対象店舗における日毎の収益計画は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・各日付の遊戯機1台あたりの平均売上
・各日付の遊戯機1台あたりの平均利益(例えば粗利)
・各日付の遊戯機1台あたりの平均利益率
・各日付の対象店舗全体の売上
・各日付の対象店舗全体の利益
・各日付の対象店舗全体の利益率
【0078】
対象店舗における機種別の収益計画は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・所定期間に亘る各機種の遊戯機の1台あたりの平均アウト(顧客による発射玉数)
・所定期間に亘る各機種の遊戯機の1台あたりの平均玉単価(つまり、1玉あたりの単価)
・所定期間に亘る各機種の遊戯機の1台あたりの平均玉利益(つまり、1玉あたりの利益)
・所定期間に亘る各機種の遊戯機の1台あたりの平均売上
・所定期間に亘る各機種の遊戯機の1台あたりの平均利益
対象店舗における機種別の収益計画は、各日付の対象店舗の収益計画の所定期間に亘る平均値を機種別に割り当てた結果に相当する。換言すれば、各日付の対象店舗の収益計画の所定期間に亘る平均値は、対象店舗における機種別の収益計画を集計した結果に相当する。
【0079】
対象店舗に設置されている遊戯機の遊戯設定計画は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・各日付の各遊戯機の釘の状態
・各日付の各遊戯機のスタート
・各日付の各遊戯機のベース
・各日付の各遊戯機のTS
・各日付の各遊戯機のTY
・各日付の各遊戯機のTO
対象店舗に設置されている遊戯機の遊戯設定計画には、モデル入力データによって表現される競争環境の下で、所定期間に亘って対象店舗における機種別の収益計画を達成可能と学習済みモデルにより統計的に予測された各種設定値が定めれられる。換言すれば、対象店舗における機種別の収益計画は、遊戯設定計画によって達成可能と予想される各遊戯機の業績指標を機種別に集約した結果に相当する。なお、遊戯設定計画において、同一機種の遊戯台に対する遊戯設定は共通であってもよく、この場合には遊戯設定は遊戯機毎ではなく機種毎に定められ得る。
【0080】
遊戯機の遊戯設定は、遊戯機の当たりやすさ、または当たったときの報酬の大きさ、に直結し、これらの要素が遊戯機ひいては店舗に対する顧客の印象を左右する。対象店舗の遊戯設定を、競合店舗に比べて顧客有利に調整することで、顧客は対象店舗に集中し、対象店舗における遊戯機の稼働率は向上する。他方、対象店舗の遊戯設定を、競合店舗に比べて顧客不利なままとしておくと、顧客は対象店舗から離れ、対象店舗における遊戯機の稼働率は低下する。
【0081】
ステップS131の後に、店舗計画作成サーバ30は、計画の提示(S132)を実行する。
具体的には、店舗計画作成サーバ30は、ステップS131において作成した計画をクライアント装置10のユーザに提示する。ステップS131において作成した計画は、例えばcsvファイルとしてクライアント装置10に提供され、記憶装置11に保存されてよい。
【0082】
計画の提示(S132)の第1例として、店舗計画作成サーバ30は、図9に示す画面を表示するための情報をクライアント装置10へ送信してもよい。クライアント装置10は、店舗計画作成サーバ30から取得した情報に基づいて図9の画面をディスプレイ21に表示する。
【0083】
図9の画面は、対象店舗における日毎の収益計画を表す。図9の画面では、各日付を表す情報と同一行に、対象店舗における当該日付の業績指標の計画値を表す情報が配置される。故に、クライアント装置10のユーザは、かかる画面を閲覧することで、対象店舗における各日付の業績指標の計画値を容易に把握することができる。
【0084】
計画の提示(S132)の第2例として、店舗計画作成サーバ30は、図10に示す画面を表示するための情報をクライアント装置10へ送信してもよい。クライアント装置10は、店舗計画作成サーバ30から取得した情報に基づいて図10の画面をディスプレイ21に表示する。
【0085】
図10の画面は、対象店舗における機種別の収益計画を表す。図10の画面では、各機種の名称を表す情報と同一行に、対象店舗における当該機種の業績指標の計画値を表す情報が配置される。故に、クライアント装置10のユーザは、かかる画面を閲覧することで、対象店舗における各機種の業績指標の計画値を容易に把握することができる。
【0086】
計画の提示(S132)の第3例として、店舗計画作成サーバ30は、対象店舗における遊戯機の遊戯設定計画を表す画面(図示しない)を表示するための情報をクライアント装置10に送信してもよい。クライアント装置10は、店舗計画作成サーバ30から取得した情報に基づいてかかる画面をディスプレイ21に表示する。クライアント装置10のユーザは、かかる画面を閲覧することで、対象店舗における遊戯機の遊戯設定計画(例えば、釘の状態、スタート、ベース、TS、TY、またはTOの計画値)を容易に把握することができる。
【0087】
計画の提示(S132)の第4例として、店舗計画作成サーバ30は、対象店舗における日毎の収益計画、対象店舗における機種別の収益計画、または対象店舗における遊戯機の遊戯設定計画の少なくとも1つを比較対象と並べて(つまり対比して)表示するための情報をクライアント装置10に送信してもよい。比較対象は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・店舗計画作成サーバ30が過去(例えば前日、先週、先月、または昨年)に作成した同一期間に亘る計画
・人間(例えばクライアント装置10のユーザ)が作成した同一期間に亘る計画
・同一期間に亘る対応する業績指標の実績値
クライアント装置10は、店舗計画作成サーバ30から取得した情報に基づいて、かかる画面をディスプレイ21に表示する。クライアント装置10のユーザは、かかる画面を閲覧することで、新たに作成された計画と比較対象との差を容易に把握することができる。
【0088】
(5)小括
以上説明したように、店舗計画作成サーバ30は、対象店舗情報と、対象顧客情報と、競合店舗情報とを取得し、少なくともこれらの情報に基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用することで、対象店舗の業績指標に関する計画を作成する。これにより、対象店舗の業績指標に関する計画を、対象店舗情報に加えて対象顧客情報および競合店舗情報を考慮して、かつ非属人的なプロセスで決定することができる。つまり、経験知の乏しいユーザであっても、対象店舗の置かれた競争環境を反映した計画を容易に立案することができる。
【0089】
店舗計画作成サーバ30は、作成した計画を提示してもよい。これにより、ユーザは、店舗計画作成サーバ30によって作成された計画の内容を確認することができる。店舗計画作成サーバ30は、作成した計画を、対象店舗の業績指標に関して過去に作成された計画と対比して提示してもよい。これにより、ユーザは、過去に作成された計画をどれだけ修正する必要があるかを、または修正されたかを容易に把握することができる。
【0090】
対象顧客情報は、対象店舗に来店している人の観察結果に基づく前記対象店舗の客層情報を含んでもよい。顧客の客層は、顧客1人あたりの売上に影響を及ぼすので、かかる情報を考慮することで、より妥当な計画を作成することができる。
【0091】
対象店舗情報は、対象店舗のホールコンピュータから取得可能な、対象店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した時系列情報を含んでもよく、競合店舗情報は、競合店舗のホールコンピュータが接続された外部装置から取得可能な、競合店舗に設置された遊戯機の稼働情報を一日よりも短い周期で蓄積した時系列情報を含んでもよい。これにより、対象店舗および競合店舗における遊戯機の稼働状況を詳細に分析することが可能となるので、作成する計画の精度を高めることができる。
【0092】
競合店舗情報は、競合店舗に設置された遊戯機の稼働状況の観察結果に基づく、当該競合店舗に設置された遊戯機の遊戯設定情報を含んでもよい。競合店舗の遊戯機の遊戯設定は、遊戯機の当たりやすさ、または当たったときの報酬の大きさ、に直結し、これらの要素が遊戯機ひいては競合店舗に対する顧客の印象を左右するので、かかる情報を考慮することで、より妥当な計画を作成することができる。
【0093】
対象顧客情報は、対象店舗の会員管理コンピュータから取得可能な、当該対象店舗に設置された遊戯機に備え付けられたカードリーダに挿入されている会員カードに対応する会員情報を含んでもよい。これにより、対象店舗における顧客の動向を詳細に分析することが可能となるので、作成する計画の精度を高めることができる。
【0094】
対象店舗の業績指標に関する計画は、当該対象店舗における日毎の収益計画、当該対象店舗に設置されている遊戯機の機種別の収益計画、または当該遊戯機の遊戯設定計画の少なくとも1つを含んでもよい。これにより、遊戯施設を提供する対象店舗の業績指標に関する計画を様々な観点から作成することができる。
【0095】
(6)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。ディスプレイ21は、クライアント装置10と一体化されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、店舗計画作成サーバ30と接続されてもよい。
【0096】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10、店舗計画作成サーバ30、および店舗情報共有サーバ50の何れでも実行可能である。また、実施形態の情報処理システムを、クライアント/サーバ型のシステムによって実装する例を示した。しかしながら、実施形態の情報処理システムは、スタンドアロン型のコンピュータ、またはピア・ツー・ピア型のシステムによって実装することもできる。
【0097】
上記説明では、対象店舗および競合店舗が、遊戯を行うための施設を顧客に提供することを前提とした説明を述べた。しかしながら、本実施形態は、様々な業種の店舗に適用可能である。
【0098】
上記説明では、店舗計画作成サーバ30は、対象店舗情報、対象顧客情報、および競合店舗情報を取得し、これらの情報に基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用する例を示した。しかしながら、店舗計画作成サーバ30は、さらなる情報を取得し、当該情報にさらに基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用してもよい。
第1例として、店舗計画作成サーバ30は、競合店舗に来店している人の観察結果に基づく競合店舗の客層情報(客層の予想結果)をさらに取得し、取得した情報にさらに基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用してもよい。かかる情報は、競合店舗を視察した人間(例えば対象店舗の店員)が判断してクライアント装置10に入力してもよいし、当該人間がカメラを用いて撮影した画像(動画を含み得る)をアルゴリズムにより解析(顔認識を含み得る)することで決定されてもよい。顧客の客層は、顧客1人あたりの売上に影響を及ぼすので、かかる情報を考慮することで、より妥当な計画を作成することができる。
第2例として、店舗計画作成サーバ30は、天気情報またはイベント情報をさらに取得し、取得した情報にさらに基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用してもよい。天気情報またはイベント情報は、過去の履歴の情報であってもよいし、将来の予測結果または予定の情報であってもよい。天気情報は、対象店舗または競合店舗の所在地域(例えば、市区町村、または都道府県)の情報に限られてもよい。他方、イベント情報は、対象店舗または競合店舗の所在地域に限られず全国の情報を含み得る。或いは、イベント情報は、対象店舗または競合店舗がプロモーションのために開催する(または開催した)イベントに関する情報を含み得る。天気、およびイベントは、対象店舗への来店客数に影響を及ぼすので、かかる情報を考慮することで、より妥当な計画を作成することができる。例えば、天候が悪いと業務が滞る職業に従事する人(例えば、漁業者、農業者、など)が多く住む地域では、雨天時の来店客数が増える傾向にある。
第3例として、店舗計画作成サーバ30は、競合店舗のプロモーション(一例として、広告)の内容の分析結果に基づくプロモーション情報をさらに取得し、当該プロモーション情報にさらに基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用してもよい。プロモーションの内容の分析は、例えば以下の観点について人間、またはアルゴリズムによって行われる。
・競合店舗が力を入れている機種(育成機種)は何か
・競合店舗が力を入れているのはどのレート(つまり、遊戯の提供対価)の遊戯機か
・競合店舗が力を入れているのは新台か旧台か
・競合店舗の遊戯設定(当たりやすさ)はどのくらいか
競合店舗によるプロモーションは、対象店舗への来店客数に影響を及ぼすので、このようにプロモーションの内容の分析結果を考慮することで、より妥当な計画を作成することができる。
第4例として、店舗計画作成サーバ30は、競合店舗に来店している人の数の情報(以下、「競合来客数情報」という)をさらに取得し、取得した情報にさらに基づくモデル入力データに学習済みモデルを適用してもよい。かかる情報は、店舗情報共有サーバ50から提供されてもよいし、競合店舗を視察した人間(例えば対象店舗の店員)が判断してクライアント装置10に入力してもよいし、当該人間がカメラを用いて撮影した画像(動画を含み得る)をアルゴリズムにより解析(顔認識を含み得る)することで決定されてもよい。競合店舗における来店客数は、対象店舗への来店客数に影響を及ぼすので、かかる情報を考慮することで、より妥当な計画を作成することができる。
【0099】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
21 :ディスプレイ
30 :店舗計画作成サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
50 :店舗情報共有サーバ
図1
図2
図3
図4
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図7
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図10