(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】保持構造体及び保持構造体の設置方法
(51)【国際特許分類】
H02G 15/10 20060101AFI20240712BHJP
G02B 6/24 20060101ALI20240712BHJP
G02B 6/46 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
H02G15/10
G02B6/24
G02B6/46 333
(21)【出願番号】P 2024007038
(22)【出願日】2024-01-19
【審査請求日】2024-01-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524027558
【氏名又は名称】東近江ケーブルネットワーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004174
【氏名又は名称】弁理士法人エピファニー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 一浩
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-112094(JP,U)
【文献】特開2004-157484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/10
G02B 6/24
G02B 6/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信線の連結部分をワイヤーの周囲において保持するための保持構造体であって、
取付部材と、前記通信線の前記連結部分を収容する収容ケースと、前記取付部材に設けられた固定部材と、を備え、
前記取付部材は、前記通信線の前記連結部分を配置可能に構成されており、
前記収容ケースは、前記取付部材に取り付けられ、
前記固定部材は、前記取付部材を前記ワイヤーに固定可能に構成され、且つ、前記取付部材の前記ワイヤーへの固定角度が変更可能に構成され
、且つ、前記固定部材は、基台部と、固定部とを有し、
前記基台部は、前記ワイヤーが挿通するように構成され、
前記固定部は、前記基台部に前記ワイヤーを押し付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記固定部によって前記ワイヤーが前記基台部に押し付けられることで、前記ワイヤーに固定される、保持構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の保持構造体であって、
前記取付部材は、板状に構成され、且つ、本体部と、突出部とを有し、
前記本体部は、前記収容ケースが配置される部分であり、
前記突出部は、前記本体部の縁部から突き出すように設けられ、且つ、前記収容ケースに設けられた前記通信線の挿通口に付設されている、保持構造体。
【請求項3】
請求項2に記載の保持構造体であって、
前記突出部は、前記ワイヤーの延伸方向に対して予め定められた角度をなす方向に突出しており、
前記予め定められた角度は、10度以上、80度以下である、保持構造体。
【請求項4】
請求項2に記載の保持構造体であって、
前記本体部は、第1板状部と、前記第1板状部に接続された一対の第2板状部とを有し、
前記第1板状部には、前記固定部材が設けられ、
前記一対の第2板状部には、前記収容ケースが配置され、且つ、一方の前記第2板状部と他方の前記第2板状部との間には、隙間が形成されている、保持構造体。
【請求項5】
請求項4に記載の保持構造体であって、
前記ワイヤーの延伸方向における前記本体部の全幅を前記本体部の横幅と定義し、
前記延伸方向に直交する方向における前記本体部の全幅を前記本体部の縦幅と定義したときにおいて、
前記延伸方向における前記隙間の幅は、前記本体部の前記横幅の50%以上であり、且つ、前記延伸方向に直交する方向における前記隙間の幅は、前記本体部の前記縦幅の50%以上である、保持構造体。
【請求項6】
請求項
1~請求項5の何れか1つに記載の保持構造体であって、
前記固定部は、雌ねじ部を有する第1固定部品と、雄ねじ部を有する第2固定部品とを有し、
前記第2固定部品は、前記ワイヤーを挿通する隙間を有し、
前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とが螺合することで、前記第2固定部品が前記ワイヤーを前記基台部に押し付ける、保持構造体。
【請求項7】
請求項
6に記載の保持構造体であって、
前記第1固定部品は、緩止部を有し、
前記緩止部は、前記雄ねじ部が挿入される挿入口を有し、
前記挿入口の径は、前記雌ねじ部の径よりも小さい、保持構造体。
【請求項8】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の保持構造体であって、
前記通信線は、鋼線と、光ファイバー線とを有し、
前記鋼線は、前記通信線の強度を確保するための芯材であり、
前記光ファイバー線が連結される部分が、前記連結部分に対応し、
前記取付部材及び前記収容ケースのそれぞれには、前記鋼線を通す穴部が形成されている、保持構造体。
【請求項9】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の保持構造体であって、
前記取付部材は、上面と、下面とを有し、
前記上面の上側には、前記通信線の前記連結部分が配置され、
前記下面の下側には、前記ワイヤーが配置される、保持構造体。
【請求項10】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の保持構造体であって、
前記取付部材は、前記ワイヤーに固定されている状態において、水平面に対して20度以上、60度以下の角度をなしている、保持構造体。
【請求項11】
通信線の連結部分をワイヤーの周囲において保持する保持構造体の設置方法であって、
固定ステップを備え、
前記保持構造体は、取付部材と、前記通信線の前記連結部分を収容する収容ケースと、前記取付部材に設けられた固定部材と、を備え、
前記取付部材は、前記通信線の前記連結部分を配置可能に構成されており、
前記収容ケースは、前記取付部材に取り付けられ、
前記固定部材は、前記取付部材を前記ワイヤーに固定可能に構成され、且つ、前記取付部材の前記ワイヤーへの固定角度が変更可能に構成され、
前記固定ステップでは、前記取付部材が水平面に対して20度以上、60度以下の角度をなすように、前記固定部材を前記ワイヤーに固定する、設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持構造体及び保持構造体の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば光ファイバー線(光ファイバーケーブル)等の通信線の開通工事においては、例えば、高所に配置される通信線の収容ケースから光ファイバー線を引き出され、宅地等に配置される終端装置へ接続するといった作業が必要になっている(特許文献1参照)。なお、収容ケース内では、通信線同士の連結部分が収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信線を高所で引き回すために例えば、電柱等の構造物間には、ケーブルが張られている。そして、保持部品が電柱間に張られたワイヤーに取り付けられており、通信線をその保持部品に通すことで通信線がワイヤーに保持される。ここで、収容ケースについては、例えば、通信線から鋼線を取り出して鋼線を収容ケースに取り付けることで保持することが可能であるが、このような手段では、収容ケースが風を受けて動いてしまい、通信線が捻じれる等の不具合が発生する懸念がある。
【0005】
本発明は、通信線の連結部分における通信線の不具合の発生を抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、通信線の連結部分をワイヤーの周囲において保持するための保持構造体であって、取付部材と、前記通信線の前記連結部分を収容する収容ケースと、前記取付部材に設けられた固定部材と、を備え、前記取付部材は、前記通信線の前記連結部分を配置可能に構成されており、前記収容ケースは、前記取付部材に取り付けられ、前記固定部材は、前記取付部材を前記ワイヤーに固定可能に構成され、且つ、前記取付部材の前記ワイヤーへの固定角度が変更可能に構成されている、保持構造体が提供される。
【0007】
本発明によれば、固定部材が、取付部材をワイヤーに固定可能に構成されていることに加え、固定部材が、取付部材のワイヤーへの固定角度が変更可能に構成されている。このため、収容ケースの配置角度を風の抵抗が小さい角度に変更することができ、収容ケースが風の影響で動いてしまうことを抑制し、その結果、通信線に不具合が発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る保持構造体100がワイヤーWrに固定されている様子を模式的に示した図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す保持構造体100及びワイヤーWrの上面図である。
図2は、
図3に示す矢印Ar方向から保持構造体100等を見た図である。
図2では、光ファイバー線31a,32aの一部と連結部分33が収容ケース2内に収容されているため、破線で模式的に示している。
【
図3】
図3は、ワイヤーWrに取り付けられた保持構造体100の右側面図である。
【
図4】
図4は、保持構造体100の上側斜視図である。
【
図5】
図5は、保持構造体100から収容ケース2を取り除いた状態を示した上側斜視図である。
【
図7】
図7は、取付部材1及び固定部材3の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0010】
1.実施形態の全体構成説明
図1に示すように、実施形態に係る保持構造体100は、例えば構造物20に張られているワイヤーWrに固定される。ワイヤーWrは、通信線31,32を空中で引き回すために通信線31,32を保持する機能がある。保持構造体100は、例えば、光ファイバー線を建築物21に設けられる終端装置22へ接続する開通工事を行うときに活用することができる。なお、終端装置22とは、光ファイバー線の引き込み先の終端側に設置される装置であり、例えば、光信号を電気信号に変換する機能を有する。開通工事では、ワイヤーWr側の通信線31から光ファイバー線31a(
図2参照)を取り出し、この光ファイバー線31aを、建築物21側(終端装置22側)の通信線32の光ファイバー線32aに連結する。光ファイバー線31aと光ファイバー線32aとの連結部分33が露出していること、及び、連結部分33が非固定状態であることは好ましくないため、保持構造体100が連結部分33を収容して連結部分33を保護し、また、保持構造体100がワイヤーWrに固定されることで連結部分33も動かなくなり、風等で煽られてしまうことが回避されている。上述した連結部分33は、例えば、光ファイバー線同士を連結するコネクタで構成することができる。
【0011】
なお、
図1及び
図2に示すように、通信線31,32は、光ファイバー線31a,32aと、鋼線31b,32bと、を有する。鋼線31b,32bは、通信線31,32の強度を確保するための芯材である。通信線31,32では複数の光ファイバー線と鋼線が束ねられており、光ファイバー線の外周部は、例えば、樹脂部材等に覆われて保護されている。
【0012】
また、
図1において、通信線32の一部はワイヤーWrに沿って設けられているが、通信線32の他部は、例えばワイヤーWrに固定される吊下部材23に通されることで方向転換され、建築物21の終端装置22に向かう。
また、
図1に示す構造物20は、実施形態では電柱であるが、電柱に限定されるものではなく、その他の構造であってもよい。同様に、建築物21は、実施形態では戸建ての家屋であるがこれに限定されるものではなく、例えばアパート等の集合住宅であってもよいし、ビルであってもよい。
また、ワイヤーWrには、例えば、図示省略のハンガー部材を設けられており、そのハンガー部材に通信線31,32が通されることで、通信線31,32をワイヤーWrに沿って保持することが可能である。
【0013】
2.保持構造体100の詳細構成説明
保持構造体100は、取付部材1と、通信線31,32の連結部分33を収容する収容ケース2と、取付部材1に設けられた固定部材3と、連結部材4と、を備えており、通信線31,32の連結部分33をワイヤーWrの周囲において保持する機能を有する。
【0014】
2-1.取付部材1
図4~
図7に示すように、取付部材1は、板状に構成されている。具体的には、取付部材1は、金属製の板状部材であり、上面と、下面とを有する。
また、取付部材1は、通信線31,32の連結部分33を配置可能に構成されている。実施形態では、連結部分33を収容する収容ケース2が取付部材1に固定されることで、取付部材1の上面上に連結部分33が配置される。
【0015】
取付部材1の上面の上側には、通信線31,32の連結部分33が配置される。具体的には、取付部材1の上面の上側には、収容ケース2が配置され、収容ケース2内に連結部分33が収容される。取付部材1の下面の下側には、ワイヤーWrが配置される。このように、実施形態に係る保持構造体100では、取付部材1の上下を境にして、ワイヤーWrと連結部分33(収容ケース2)とが独立して配置されているため、作業者が連結部分33に関する工事をしているときに手がワイヤーWrに干渉しにくく、作業性が向上している。
【0016】
取付部材1は、例えば、ステンレスで構成することができる。なお、取付部材1を構成する素材は、これに限定されるものではなく、その他の金属素材で構成してもよい。なお、取付部材1は屋外に配置されるため、取付部材1の表面には、防錆加工が施されていることが好ましい。また、取付部材1は、樹脂製・カーボン素材製であってもよいが、金属で構成することが好適である。また、実施形態では、取付部材1は中実であるものとして説明するが、中空であってもよい。
なお、取付部材1や後述する固定部材3や連結部材4は、使用を終えたら別の場所に設置して再利用してもよい。
【0017】
取付部材1は、屋外といった風に晒さらされやすい環境に配置されることになる。このため、
図3に示すように、取付部材1は、ワイヤーWrに固定されている状態において、水平面に対して角度θをなしている。角度θは、具体的には例えば、20,25,30,35,40,45,50,55,60度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。例えば、取付部材1は、ワイヤーWrに固定されている状態において、水平面に対して20度以上、60度以下の角度をなしている。これにより、保持構造体100が風に晒されて位置がずれてしまうことを抑制することが可能である。また、角度θは、0度以上、20度未満の範囲を避けているため、塵埃や雪等が保持構造体100の上面に堆積することや、鳥獣が留まることも回避しやすくなっている。
【0018】
図5~
図7に示す取付部材1は、本体部1aと、一対の突出部1bとを有する。
【0019】
2-1-1.本体部1a
本体部1aは、収容ケース2、固定部材3及び連結部材4が配置される部分であり、板状に構成されている。
【0020】
本体部1aは、第1板状部1a1と、第1板状部1a1に接続された一対の第2板状部1a2とを有する。
図5~
図7に示すように、第1板状部1a1には、固定部材3が設けられている。第1板状部1a1には、一対の第2板状部1a2が接続されている。また、第1板状部1a1には、通信線31,32に内装される鋼線31b,32bを通す穴部1a11(実施形態では2つ)と、固定部材3を通す穴部(実施形態では4つ)とが形成されている。
一対の第2板状部1a2には、収容ケース2が配置されている。実施形態において、一対の第2板状部1a2の形状は、同じであるが、異なっていていてもよい。また、
図7に示すように、一対の第2板状部1a2が第1板状部1a1に接続される部分は、ワイヤーWrの延伸方向Dr1における第1板状部1a1の幅の中央線Cに対して対称に配置されているが、これに限定されるものではなく、非対称であってもよい。
【0021】
図7に示すように、一方の第2板状部1a2と他方の第2板状部1a2との間には、隙間1c(開放部分)が形成されている。取付部材1に隙間1cが形成されていることで、材料コストの抑制及び保持構造体100の重量が抑制される。
【0022】
ワイヤーWrの延伸方向Dr1における本体部1aの全幅を本体部1aの横幅W1と定義する。
また、ワイヤーWrの延伸方向Dr1に直交する方向Dr2における本体部1aの全幅を本体部1aの縦幅L1と定義する。
ワイヤーWrの延伸方向Dr1における隙間1cの幅W2は、本体部1aの横幅W1の50%以上であることが好ましい。また、幅W2は、具体的には例えば、横幅W1の50%,55%,60%,65%,70%,75%,80%,85%,90%,95%以上であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
ワイヤーWrの延伸方向Dr1に直交する方向Dr2における隙間1cの幅L2は、本体部1aの縦幅L1の50%以上であることが好ましい。また、幅L2は、具体的には例えば、縦幅L1の50%,55%,60%,65%,70%,75%,80%,85%,90%,95%以上であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0023】
図7に示すように、各第2板状部1a2には、穴部1a21が形成されている。穴部1a21は、後述する連結部材4が挿入可能である。
【0024】
2-1-2.突出部1b
図5~
図7に示すように、一対の突出部1bは、本体部1a(実施形態では第2板状部1a2)の縁部から突き出すように設けられている。突出部1bも、本体部1aと同様に、板状に構成されている。
図5に示す一方の突出部1bは、収容ケース2に設けられた通信線32の挿通口2c(
図4参照)に付設されている。同様に、他方の突出部1bは、収容ケース2に設けられた通信線31の挿通口2c(図示省略)に付設されている。
【0025】
図2に示すように、突出部1bは、通信線31,32の光ファイバー線31a,32aのうち収容ケース2に挿入される手前の部分40が動いて破損等してしまうことを抑制する機能を有する。具体的には、部分40及び突出部1bには、例えば、図示省略の粘着性を有するテープが巻き付けられ、これにより、部分40が突出部1bに固定される。これにより、部分40が、風等の影響で動かされることや、鳥獣によって動かされることが抑制される。
【0026】
図7に示すように、突出部1bは、基部1b1と、抜止部1b2とを有する。
基部1b1は、第2板状部1a2に接続されている。基部1b1は、本体部1aの横幅方向(ワイヤーWrの延伸方向Dr1)に対して予め定められた角度Φをなす方向に突出している。角度Φは、具体的には例えば、10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。例えば、角度Φは、10度以上、80度以下である。基部1b1が予め定められた角度Φをなしていることで、部分40を湾曲させた形態で収容ケース2内に導きやすい。これにより、部分40のテンションが抑制されやすく、部分40が破損等することを回避しやすくなっている。
【0027】
抜止部1b2は、基部1b1の先端部に設けられている。突出部1bの突出方向に直交する方向において、抜止部1b2の幅は、基部1b1の幅より大きくなっている。これにより、抜止部1b2は、上述した、部分40を突出部1bに固定するための粘着性を有するテープが外れてしまうことを防止する機能(抜け止め機能)を有する。なお、抜止部1b2の厚みが、基部1b1の厚みよりも大きくなっていて、これにより、抜け止め機能が発揮されてもよい。
【0028】
なお、
図7に示すように、一対の突出部1bは、ワイヤーWrの延伸方向Dr1における第1板状部1a1の幅の中央線Cに対して対称に配置されているが、これに限定されるものではない。収容ケース2の挿通口2cの位置に応じて変更可能である。
【0029】
本体部1aの厚みと突出部1bの厚みは、同じでもよいし、異なっていてもよい。本体部1aの厚み及び突出部1bの厚み(mm)は、具体的には例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0030】
2-2.収容ケース2
収容ケース2は、通信線31,32の連結部分33を収容するケースであり、また、取付部材1に取り付けられる。実施形態では、収容ケース2は、上収容ケース2aと、下収容ケース2bとを有し、上収容ケース2a及び下収容ケース2bが連結することで、連結部分33を収容する空間が形成される。上収容ケース2aは、下収容ケース2bの上に設けられており、上収容ケース2aと下収容ケース2bとは、例えば爪部材や凹凸構造等によって嵌合することで連結することができる。
【0031】
収容ケース2は、左右一対の挿通口2cと、通信線31,32が挿入される穴部2dと、連結部材4が挿入される穴部2eとを有する。
【0032】
挿通口2cは、例えば、上収容ケース2aに形成された切り欠きで構成することができる。そして、上収容ケース2a及び下収容ケース2bが連結して組合せられることで、通信線31,32を挿入するための開口部としての挿通口2cが形成される。なお、挿通口2cの形態は、切り欠きに限定されるものではなく、上収容ケース2a又は下収容ケースに形成された開口部そのもので構成してもよい。
【0033】
上述した取付部材1及び収容ケース2には、鋼線31b,32bを通す穴部1a11,2dが形成されている。穴部2dは、
図2に示すように、収容ケース2が取付部材1に取り付けられている状態において、穴部1a11に連通する(重なる)ように配置される。穴部2dは、穴部1a11と同様に、通信線31,32の鋼線31b,32bが通される開口(貫通穴)である。
図8に示すように、穴部2dは、下収容ケース2bに形成されている。延伸方向Dr1において、穴部2dの幅は、穴部1a11の幅よりも大きくなっている。これにより、収容ケース2の固定位置のずれや収容ケース2の寸法ずれ等があっても、穴部2dと穴部1a11とをより確実に連通させることが可能である。ここで、鋼線31b,32bは、穴部2dと穴部1a11に通された後に、自身に結ばれることで、環状に形成される。なお、
図2において、鋼線31b,32bのうち自身に結ばれた箇所は、結び部41として示されている。
【0034】
図8に示す穴部2eは、連結部材4が挿入可能に形成されており、実施形態では連結部材4の数に対応して4つの穴部2eが収容ケース2に形成されている。穴部2eは、上収容ケース2a及び下収容ケース2bを貫通するように形成されている。穴部2eは、収容ケース2が取付部材1に取り付けられている状態において、取付部材1の穴部1a21(
図7参照)に連通する(重なる)ように配置される。
【0035】
2-3.固定部材3
図2及び
図3に示す固定部材3は、取付部材1をワイヤーWrに固定可能に構成され、且つ、取付部材1のワイヤーWrへの固定角度が変更可能に構成されている。
図7に示すように、固定部材3は、取付部材1の本体部1aの第1板状部1a1に設けられている。実施形態では、2つの固定部材3が延伸方向Dr1に並ぶように配置されているがこの数に限定されるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上の固定部材3が延伸方向Dr1に並ぶように配置されていてもよい。
【0036】
図9~
図11に示すように、固定部材3は、第1固定部品3aと、ワッシャー部3bと、第2固定部品3cと、基台部3dとを有する。第1固定部品3a及び第2固定部品3cは、基台部3dにワイヤーWrを押し付ける機能を有しており、固定部の一例である。
【0037】
2-3-1.第1固定部品3a
図9~
図12Bに示すように、第1固定部品3aは、雌ねじ部3a11を有する胴部3a1と、開口部3a2と、突出部3a3と、緩止部3a4とを有する。第1固定部品3aは、例えば、ナットで構成することができる。
【0038】
図12Bに示すように、胴部3a1の中央部には、開口部3a2が形成されて筒状をなしており、胴部3a1の内周面には、雌ねじ部3a11が形成されている。
図9及び
図12Bに示すように、突出部3a3は、胴部3a1の上部から突き出るように形成されている。突出部3a3と胴部3a1の上端面との間には、環状部材である緩止部3a4が設けられている。
【0039】
図9、
図12B及び
図13に示す緩止部3a4は、胴部3a1の上端面上に設けられている。緩止部3a4は、例えば、胴部3a1の上端面上に配置された後に、突出部に対応する部分にカシメ加工(カシメ加工前の第1固定部品の突出部は不図示)が施されることで、
図12Bに示す突出部3a3が形成され、これにより、緩止部3a4が突出部3a3及び胴部3a1の上端面の間に挟み込まれて固定される。
【0040】
図13に示すように、緩止部3a4は、挿入口3a41と、環状部3a42と、突出片3a43と、切欠部3a44とを有する。
【0041】
環状部3a42は、環状に形成されており、また、挿入口3a41が形成されている。挿入口3a41には、第2固定部品3cの雄ねじ部3c1が挿入される。
図12B及び
図13に示すように、環状部3a42には、径方向において内側に突き出す突出片3a43と、径方向において外側に切り欠かれた切欠部3a44とが形成されている。このため、突出片3a43の形成部位における挿入口3a41の径d2は、切欠部3a44の形成部位における挿入口3a41の径よりも小さくなっている。ここで、
図13に示す突出片3a43の形成部位における挿入口3a41の径d2は、
図12Bに示すように、第2固定部品3cの雌ねじ部3a11の径d1よりも小さくなっている。このため、第1固定部品3aと第2固定部品3cとが締結するとき、第2固定部品3cが第1固定部品3aに圧入されることになり、第1固定部品3aと第2固定部品3cとの締結力が高まり、第2固定部品3cと第1固定部品3aとの締結が緩むことが抑制される。
【0042】
2-3-2.ワッシャー部3b
図9及び
図12Aに示すワッシャー部3bは、第1固定部品3aと取付部材1との間に配置される環状部材であり、第1固定部品3aと第2固定部品3cとの締結が緩むことを抑制する機能を有する。
【0043】
2-3-3.第2固定部品3c
図9、
図10及び
図12Aに示す第2固定部品3cは、雄ねじ部3c1と、接続部3c2とを有する。第2固定部品3cは、例えば、Uボルトで構成することができる。
【0044】
雄ねじ部3c1は、接続部3c2の両端部にそれぞれ設けられている。接続部3c2は、
図10及び
図12Aに示すように、ワイヤーWrを挿通する隙間Оpを有する。接続部3c2は、ワイヤーWrに沿うように湾曲しており、これにより、ワイヤーWrを軸として固定部材3を回転させやすく、取付部材1の角度を容易に調整することが可能である。第2固定部品3cの雄ねじ部3c1と第1固定部品3aの雌ねじ部3a11とが螺合することで、第2固定部品3cの接続部3c2がワイヤーWrを基台部3d(基部3d1の下面)に押し付け、これにより、取付部材1がワイヤーWrに固定される。換言すると、取付部材1は、第2固定部品3cによってワイヤーWrが基台部3d(基部3d1の下面)に押し付けられることで、ワイヤーWrに固定される。
【0045】
2-3-4.基台部3d
図9~
図11に示す基台部3dは、基部3d1と、突出脚部3d2と、挿通部3d3と、配置空間部3d4と、貫通穴3d5とを有する。
【0046】
基部3d1は、取付部材1の下面に配置され、また、基部3d1の下面は、第2固定部品3cの雄ねじ部3c1と第1固定部品3aの雌ねじ部3a11とが螺合したときにワイヤーWrが押し付けられる。基部3d1には、実施形態では4つの突出脚部3d2が設けられているが、例えば、2本であってもよいし、5本以上であってもよい。また、基部3d1には、雄ねじ部3c1が挿入される一対の貫通穴3d5が形成されている。
【0047】
基台部3dは、ワイヤーWrが挿通するように構成されている。具体的には、
図11に示すように、一対の突出脚部3d2の間には、挿通部3d3が形成されており、挿通部3d3にワイヤーWrを挿通させることが可能となっている。この一対の突出脚部3d2は、ワイヤーWrの延伸方向Dr1に直交する方向Dr2に並ぶように配置される。なお、
図11に示すように、この一対の突出脚部3d2の根本部分には、ワイヤーWrが配置される湾曲面3d21が形成されており、固定部材3(取付部材1)の角度調整をしやすくなっている。また、ワイヤーWrは突出脚部3d2によって動きが規制されることになるため、作業者は突出脚部3d2の間にワイヤーWrがくるように基台部3dをワイヤーWrに配置することで第2固定部品3cをワイヤーWrに容易に取り付ける(容易に位置決めする)ことができる。
【0048】
また、基台部3dは、第2固定部品3cの接続部3c2を配置することができるように構成されている。具体的には、
図11に示すように、ワイヤーWrの延伸方向Dr1に並ぶ突出脚部3d2の間には、接続部3c2を配置可能な空間としての配置空間部3d4が形成されている。貫通穴3d5は、配置空間部3d4に臨む位置に設けられている。
【0049】
2-4.連結部材4
図5、
図6及び
図14に示す連結部材4は、第1連結部品4aと、第2連結部品4bとを有する。連結部材4は、収容ケース2を取付部材1に固定する機能を有する。第1連結部品4aは、例えば、ナットで構成することができ、第2連結部品4bは、例えば、ボルトで構成することができる。
【0050】
第1連結部品4aは、基本的には第1固定部品3aと同様の機能を有する。第1連結部品4aは、胴部4a1と、緩止部4a2を有する。
胴部4a1の中央部には、開口部が形成されて筒状をなしており、胴部4a1の内周面には、雌ねじ部が形成されている。
緩止部4a2は、胴部4a1の上端面上に設けられており、第1固定部品3aと同様に例えばカシメ加工(カシメ加工前の第1固定部品の突出部は不図示)が施されることで、胴部4a1の上端面上に固定される。緩止部4a2には、第1固定部品3aの突出片3a43と同様に、突出片4a21が形成されている。なお、第1固定部品3aには突出片3a43が2つ形成されているが、第1連結部品4aには突出片4a21が3つ形成されている。これらの突出片の数は特に限定されるものではない。
連結部材4が緩止部4a2を有することで、第2連結部品4bが第1連結部品4aに圧入されることになり、第1連結部品4a及び第2連結部品4bの締結力が高まり、これらの締結が緩むことが抑制される。
【0051】
第2連結部品4bは、図示省略の雄ねじ部を有し、第1連結部品4aの胴部4a1の雌ねじ部に螺合可能に構成されている。
図6に示すように、第2連結部品4bの頭部は、取付部材1の下面に配置され、また、第2連結部品4bは、
図7に示す穴部1a21及び
図8に示す穴部2eに通される。
【0052】
3.保持構造体100の設置方法の一例
次に、保持構造体100の設置方法の一例について説明する。
当該設置方法は、通信線31,32の連結部分33をワイヤーWrの周囲において保持する保持構造体100の設置方法であって、固定ステップと、連結ステップと、収容ステップと、結束ステップと、固着ステップと、取付ステップと、を備えている。
なお、これらのステップの順番は、任意であり、適宜、状況に応じて変更可能である。
【0053】
固定ステップでは、取付部材1をワイヤーWrに固定する。固定ステップでは、基台部3dと第2固定部品3cとの間にワイヤーWrを通した後に、第1固定部品3aと第2固定部品3cとを締結する。これにより、取付部材1がワイヤーWrに固定される。なお、この段階では、仮止めにしておいておき、後段の連結ステップ等のステップの後に、本締めをしてもよい。固定ステップでは、取付部材1が水平面に対して、例えば、20度以上、60度以下の角度をなすように、固定部材3をワイヤーWrに固定する。これにより、保持構造体100が風に晒されて位置がずれてしまうことを抑制することが可能である。
【0054】
連結ステップでは、通信線31,32の光ファイバー線31a,32aを連結する。なお、通信線31,32については、予め、光ファイバー線31a,32aと鋼線31b,32bとに分離されている。
【0055】
収容ステップでは、光ファイバー線31a,32aを挿通口2cから取り出した状態で、上収容ケース2aと下収容ケース2bとを連結し、連結部分33を収容ケース2内に収容する。なお、連結ステップ及び収容ステップは、固定ステップよりも先に実施してもよいし、後述する結束ステップの後に実施してもよい。
【0056】
結束ステップでは、鋼線31b,32bを穴部2dと穴部1a11に通した後に自身に結んで結び部41を形成する。
【0057】
固着ステップでは、例えば粘着性を有するテープを突出部1b及び光ファイバー線31a,32aに巻きつけ、光ファイバー線31a,32aを突出部1bに固定する。なお、固着ステップは、結束ステップの前に実施してもよい。
【0058】
取付ステップでは、連結部材4を用いて収容ケース2を取付部材1に取り付ける。なお、取付ステップは、結束ステップや固着ステップの前に実施してもよい。
【0059】
4.実施形態の作用・効果
従来の施工例としては、保持構造体が上述した取付部材や固定部材を備えておらず、収容ケースのみを鋼線を用いてワイヤーへ取り付けるような手法がある。
この手法では、収容ケースが風にあおられて鋼線とともに収容ケースが回転してワイヤーに鋼線が巻き付いたり、光ファイバー線がねじれたりする等の不具合を招来しやすい。また、光ファイバー線の開通を急ぐ場合、一旦はこの手法を用いて収容ケース内で光ファイバー線の接続が完了した後に(仮開通工事が完了した後に)、本工事として、収容ケースを取り除き、光ファイバー線を家屋等に直に引き込むといった作業が行われており、作業時間や作業コストが増大するというデメリットがある。
【0060】
それに対し、実施形態に係る保持構造体100は、こういったデメリットがない。つまり、保持構造体100はワイヤーWrに強固に固定されることになるため、風にあおられても回転しにくく、光ファイバー線がねじれてしまうことが回避されるという効果がある。そして、実施形態では、風であおられにくくなるように取付部材1の角度調整が可能であるため、その効果はより高められている。
【0061】
また、保持構造体100はワイヤーWrに強固に固定されるため、保持構造体100を長期間にわたって放置しても差し支えがない。つまり、保持構造体100の設置を仮開通工事としてではなく、本工事として実施することができる。換言すると、実施形態に係る保持構造体100は、従来の施工例だと2段階(仮開通工事と本工事)で実施していた工事を1段階で済ますことができ、施工の省力化を実現することができ、作業時間や作業コストを効果的に抑制することが可能である。
【0062】
実施形態は、以下の付記1~12に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
[付記1]
通信線の連結部分をワイヤーの周囲において保持するための保持構造体であって、
取付部材と、前記通信線の前記連結部分を収容する収容ケースと、前記取付部材に設けられた固定部材と、を備え、
前記取付部材は、前記通信線の前記連結部分を配置可能に構成されており、
前記収容ケースは、前記取付部材に取り付けられ、
前記固定部材は、前記取付部材を前記ワイヤーに固定可能に構成され、且つ、前記取付部材の前記ワイヤーへの固定角度が変更可能に構成されている、保持構造体。
[付記2]
付記1に記載の保持構造体であって、
前記取付部材は、板状に構成され、且つ、本体部と、突出部とを有し、
前記本体部は、前記収容ケースが配置される部分であり、
前記突出部は、前記本体部の縁部から突き出すように設けられ、且つ、前記収容ケースに設けられた前記通信線の挿通口に付設されている、保持構造体。
[付記3]
付記2に記載の保持構造体であって、
前記突出部は、前記ワイヤーの延伸方向に対して予め定められた角度をなす方向に突出しており、
前記予め定められた角度は、10度以上、80度以下である、保持構造体。
[付記4]
付記2に記載の保持構造体であって、
前記本体部は、第1板状部と、前記第1板状部に接続された一対の第2板状部とを有し、
前記第1板状部には、前記固定部材が設けられ、
前記一対の第2板状部には、前記収容ケースが配置され、且つ、一方の前記第2板状部と他方の前記第2板状部との間には、隙間が形成されている、保持構造体。
[付記5]
付記4に記載の保持構造体であって、
前記ワイヤーの延伸方向における前記本体部の全幅を前記本体部の横幅と定義し、
前記延伸方向に直交する方向における前記本体部の全幅を前記本体部の縦幅と定義したときにおいて、
前記延伸方向における前記隙間の幅は、前記本体部の前記横幅の50%以上であり、且つ、前記延伸方向に直交する方向における前記隙間の幅は、前記本体部の前記縦幅の50%以上である、保持構造体。
[付記6]
付記1~付記5の何れか1つに記載の保持構造体であって、
前記固定部材は、基台部と、固定部とを有し、
前記基台部は、前記ワイヤーが挿通するように構成され、
前記固定部は、前記基台部に前記ワイヤーを押し付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記固定部によって前記ワイヤーが前記基台部に押し付けられることで、前記ワイヤーに固定される、保持構造体。
[付記7]
付記6に記載の保持構造体であって、
前記固定部は、雌ねじ部を有する第1固定部品と、雄ねじ部を有する第2固定部品とを有し、
前記第2固定部品は、前記ワイヤーを挿通する隙間を有し、
前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とが螺合することで、前記第2固定部品が前記ワイヤーを前記基台部に押し付ける、保持構造体。
[付記8]
付記7に記載の保持構造体であって、
前記第1固定部品は、緩止部を有し、
前記緩止部は、前記雄ねじ部が挿入される挿入口を有し、
前記挿入口の径は、前記雌ねじ部の径よりも小さい、保持構造体。
[付記9]
付記1~付記8の何れか1つに記載の保持構造体であって、
前記通信線は、鋼線と、光ファイバー線とを有し、
前記鋼線は、前記通信線の強度を確保するための芯材であり、
前記光ファイバー線が連結される部分が、前記連結部分に対応し、
前記取付部材及び前記収容ケースのそれぞれには、前記鋼線を通す穴部が形成されている、保持構造体。
[付記10]
付記1~付記9の何れか1つに記載の保持構造体であって、
前記取付部材は、上面と、下面とを有し、
前記上面の上側には、前記通信線の前記連結部分が配置され、
前記下面の下側には、前記ワイヤーが配置される、保持構造体。
[付記11]
付記1~付記10の何れか1つに記載の保持構造体であって、
前記取付部材は、前記ワイヤーに固定されている状態において、水平面に対して20度以上、60度以下の角度をなしている、保持構造体。
[付記12]
通信線の連結部分をワイヤーの周囲において保持する保持構造体の設置方法であって、
固定ステップを備え、
前記保持構造体は、取付部材と、前記通信線の前記連結部分を収容する収容ケースと、前記取付部材に設けられた固定部材と、を備え、
前記取付部材は、前記通信線の前記連結部分を配置可能に構成されており、
前記収容ケースは、前記取付部材に取り付けられ、
前記固定部材は、前記取付部材を前記ワイヤーに固定可能に構成され、且つ、前記取付部材の前記ワイヤーへの固定角度が変更可能に構成され、
前記固定ステップでは、前記取付部材が水平面に対して20度以上、60度以下の角度をなすように、前記固定部材を前記ワイヤーに固定する、設置方法。
【0063】
上記において、実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
100 :保持構造体
1 :取付部材
1a :本体部
1a1 :第1板状部
1a11 :穴部
1a2 :第2板状部
1a21 :穴部
1b :突出部
1b1 :基部
1b2 :抜止部
1c :隙間
2 :収容ケース
2a :上収容ケース
2b :下収容ケース
2c :挿通口
2d :穴部
2e :穴部
3 :固定部材
3a :第1固定部品
3a1 :胴部
3a11 :雌ねじ部
3a2 :開口部
3a3 :突出部
3a4 :緩止部
3a41 :挿入口
3a42 :環状部
3a43 :突出片
3a44 :切欠部
3b :ワッシャー部
3c :第2固定部品
3c1 :雄ねじ部
3c2 :接続部
Оp :隙間
3d :基台部
3d1 :基部
3d2 :突出脚部
3d21 :湾曲面
3d3 :挿通部
3d4 :配置空間部
3d5 :貫通穴
4 :連結部材
4a :第1連結部品
4a1 :胴部
4a2 :緩止部
4a21 :突出片
4b :第2連結部品
20 :構造物
21 :建築物
22 :終端装置
23 :吊下部材
31 :通信線
31a :光ファイバー線
31b :鋼線
32 :通信線
32a :光ファイバー線
32b :鋼線
33 :連結部分
40 :部分
41 :結び部
Wr :ワイヤー
【要約】
【課題】通信線の連結部分における通信線の不具合の発生を抑制することを目的としている。
【解決手段】通信線の連結部分をワイヤーの周囲において保持するための保持構造体であって、取付部材と、前記通信線の前記連結部分を収容する収容ケースと、前記取付部材に設けられた固定部材と、を備え、前記取付部材は、前記通信線の前記連結部分を配置可能に構成されており、前記収容ケースは、前記取付部材に取り付けられ、前記固定部材は、前記取付部材を前記ワイヤーに固定可能に構成され、且つ、前記取付部材の前記ワイヤーへの固定角度が変更可能に構成されている、保持構造体が提供される。
【選択図】
図1