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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】ホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/10 20060101AFI20240712BHJP
   A45C 13/30 20060101ALI20240712BHJP
   H01F 7/02 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
A47G29/10 B
A45C13/30 H
H01F7/02 U
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020108641
(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公開番号】P2022006430
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】516268437
【氏名又は名称】ROOT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100148518
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 薫央
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】三尋木 準
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-157285(JP,U)
【文献】登録実用新案第3116255(JP,U)
【文献】特開2000-325116(JP,A)
【文献】登録実用新案第3055446(JP,U)
【文献】特開昭51-096679(JP,A)
【文献】実開昭49-097755(JP,U)
【文献】特開2012-126377(JP,A)
【文献】特開2001-188539(JP,A)
【文献】特開昭62-011408(JP,A)
【文献】登録実用新案第3180392(JP,U)
【文献】特開2020-028512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/10
A45C 13/30
H01F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯物が取り付けられるストラップ又はキーリングが設けられた円環状の着脱部と、
前記着脱部が磁着により着脱自在に取り付けられる円環状の取付部、及び、被連結部に連結される連結部が設けられた本体部とを備え、
前記取付部には、前記取付部に前記着脱部が装着されているときに前記着脱部に当接する当接面が設けられるとともに、前記当接面には、N極の第1磁極部及びS極の第2磁極部が設けられ、
前記着脱部には、前記取付部に前記着脱部が装着されているときに前記当接面に当接する当接部及び前記当接面に当接せず露出する露出部が設けられるとともに、前記当接部には、前記第1磁極部に磁着するS極の第3磁極部及び前記第2磁極部に磁着するN極の第4磁極部が設けられていることを特徴とするホルダー。
【請求項2】
前記取付部には、前記取付部に前記着脱部が装着されているときに前記着脱部の周面の少なくとも一部を覆う周壁部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のホルダー。
【請求項3】
前記当接部及び前記露出部は、前記着脱部の表裏両面に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の携帯端末やアウトドア用具等の携帯物が取り付けられるホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の携帯端末やアウトドア用具等の携帯物が取り付けられるホルダーとして、例えば特許文献1に記載のホルダーがある。このホルダーは、ケースと、リールに巻き取られてケースに収容され、ケースからの引出しが可能な紐体と、かばんや衣服のベルトループ等への連結時に開閉するゲート(開閉部)が設けられたカラビナと、スマートフォン等の携帯端末やアウトドア用具等の携帯物が連結されるリングとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-028512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のホルダーでは、使用者がケースから紐体を引き出して携帯物を手繰り寄せることはできるが、例えば使用者が他人に貸すために携帯物を自身から離脱させようとすると、まずカラビナのゲートを開き、次にカラビナをかばんや衣服のベルトループ等から抜くという2アクションにより、携帯物をホルダーごと取り外す必要があった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、携帯物の着脱が容易なホルダーを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るホルダーは、携帯物が取り付けられるストラップ又はキーリングが設けられた円環状の着脱部と、前記着脱部が磁着により着脱自在に取り付けられる円環状の取付部、及び、被連結部に連結される連結部が設けられた本体部とを備え、前記取付部には、前記取付部に前記着脱部が装着されているときに前記着脱部に当接する当接面が設けられるとともに、前記当接面には、N極の第1磁極部及びS極の第2磁極部が設けられ、前記着脱部には、前記取付部に前記着脱部が装着されているときに前記当接面に当接する当接部及び前記当接面に当接せず露出する露出部が設けられるとともに、前記当接部には、前記第1磁極部に磁着するS極の第3磁極部及び前記第2磁極部に磁着するN極の第4磁極部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
このホルダーによれば、携帯物が取り付けられるストラップ又はキーリングが設けられた円環状の着脱部と、着脱部が磁着により着脱自在に取り付けられる円環状の取付部、及び、被連結部に連結される連結部が設けられた本体部とを備え、取付部には、取付部に着脱部が装着されているときに着脱部に当接する当接面が設けられるとともに、当接面には、N極の第1磁極部及びS極の第2磁極部が設けられ、着脱部には、取付部に着脱部が装着されているときに当接面に当接する当接部及び当接面に当接せず露出する露出部が設けられるとともに、当接部には、第1磁極部に磁着するS極の第3磁極部及び第2磁極部に磁着するN極の第4磁極部が設けられているので、第3磁極部が第1磁極部に磁着し、第4磁極部が第2磁極部に磁着して本体部の取付部に着脱自在に取り付けられた着脱部が、磁着力に抗する方向に露出部が押されることによって本体部から取り外され、着脱部に取り付けられた携帯物の着脱が容易である。
【0008】
また、着脱部は磁着により取付部に装着されるので、着脱部を取付部にある程度まで近づければ、その装着は磁力によりいわば自動的に行われるが、その際、磁着が、N極の第1磁極部及びS極の第3磁極部と、S極の第2磁極部及びN極の第4磁極部とにより行われ、S極の第3磁極部のS極の第2磁極部への磁着や、N極の第4磁極部のN極の第1磁極部への磁着が防止されるので、磁力を確保するために着脱部や取付部に複数の磁極部を設けながらも、円環状の着脱部が円環状の取付部に対して正しい位置に装着される。
【0009】
前記取付部には、前記取付部に前記着脱部が装着されているときに前記着脱部の周面の少なくとも一部を覆う周壁部が設けられていてもよい。これにより、使用者がストラップ又はキーリングに携帯物を取り付けて走ったり、着脱部に何かがぶつかったりして着脱部に不規則な強い外力が作用したとしても、着脱部の周面が周壁部に当たって着脱部が取付部から大きくずれて外れる事態が防止され、仮に、着脱部が取付部から多少ずれたとしても、外力が取り除かれれば磁力により元の装着位置に引き戻される。
【0010】
また、前記当接部及び前記露出部は、前記着脱部の表裏両面に設けられていてもよい。これにより、使用者は、表裏を気にすることなく着脱部を取付部に装着することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るホルダーによれば、携帯物の着脱が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】発明を実施するための形態に係るホルダーを示す説明図である。
図2図1のホルダーの本体部を示す説明図である。
図3】(a)は図1のホルダーの着脱部の表側を示す説明図、(b)は(a)の着脱部の裏側を示す説明図である。
図4図1のホルダーの断面を示す説明図である。
図5図3の着脱部の図2の本体部への取付けを示す説明図である。
図6図3の着脱部の図2の本体部からの取外しを示す説明図である。
図7】発明を実施するための他の形態に係るホルダーを示す説明図である。
図8図7のホルダーの着脱部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
【0014】
図1乃至図4に示すように、本実施の形態に係るホルダー1は、本体部2と、本体部2に着脱自在に装着される着脱部3とを備える。
【0015】
本体部2には、円環状の取付部4と、かばんや衣服のベルトループ等の被連結部に連結されるU字状のカラビナ部5とが設けられている。
【0016】
取付部4には、後述のように取付部4に着脱部3が装着されているときに着脱部3に当接する当接面6と、着脱部3の周面7を覆う周壁部8と、着脱部3の一部を上方から覆う爪部9,9が設けられている。当接面6には、N極の磁極部10,11と、S極の磁極部12,13とが同一円上で90度ずつ離間した位置に設けられている。
【0017】
カラビナ部5には、ホルダー1を被連結部に連結したり被連結部から取り外したりする際に開閉するゲート14が設けられている。ゲート14は、図示を略すばねの付勢力により、外力が作用していない状態では閉じている。
【0018】
着脱部3は円環状を呈し、着脱部3には、スマートフォン等の携帯端末やアウトドア用具等の携帯物が取り付けられるストラップ15がストラップ取付部16に設けられるとともに、取付部4に着脱部3が装着されているときに当接面6に当接する当接部17、及び、当接面6に当接せず取付部4の裏側(当接面6の反対側)に露出する露出部18が表裏両面に設けられている。当接部17には、磁極部10,11に磁着するS極の磁極部19,20と、磁極部12,13に磁着するN極の磁極部21,22が設けられている。
【0019】
着脱部3の本体部2への取付けに際し、使用者は、図5に示すように、着脱部3を取付部4に対して斜めに傾けた姿勢で、ストラップ15を爪部9,9の間を通しつつストラップ取付部16を当接面6と爪部9,9との間に(周壁部8に当たるまで)入れればよく(図5(a))、そうすると、S極の磁極部19がN極の磁極部10に、N極の磁極部22がS極の磁極部13に、S極の磁極部20がN極の磁極部11に、N極の磁極部21がS極の磁極部12にそれぞれ引き付けられて磁着し、着脱部3の取付け(装着)が完了する(図5(b))。
【0020】
一方、着脱部3の本体部2からの取外し際し、使用者は、図6に示すように、取付部4の裏側(図6の右側)から着脱部3の露出部18を磁着力に抗して取付部4の表側(図6の左側)の方向に押し(使用者は、円環状の着脱部3の穴に指を通すと、ストラップ取付部16の反対側に位置する露出部18に指が引っかかるので、その指を手前側(図6の左側)に引く。図6(a))、そのまま斜め上方に引き上げればよく(図6(b))、この動作は一連で行い得るから、着脱部3の取外し(離脱)は1アクションで完了する。
【0021】
図7及び図8は、本発明を実施するための他の形態に係るホルダーを示す。このホルダー1は、着脱部3にストラップ15ではなくキーリング取付部23を介してキーリング24が設けられている点以外は、図1乃至図6に示すホルダー1と同様である。
【0022】
本実施の形態に係るホルダー1は、携帯物が取り付けられるストラップ15又はキーリング24が設けられた円環状の着脱部3と、着脱部3が磁着により着脱自在に取り付けられる円環状の取付部4、及び、被連結部に連結されるカラビナ部5が設けられた本体部2とを備え、取付部4には、取付部4に着脱部3が装着されているときに着脱部3に当接する当接面6が設けられるとともに、当接面6には、N極の磁極部10,11及びS極の磁極部12,13が設けられ、着脱部3には、取付部4に着脱部3が装着されているときに当接面6に当接する当接部17及び当接面6に当接せず露出する露出部18が設けられるとともに、当接部17には、N極の磁極部10,11に磁着するS極の19,20磁極部及びS極の磁極部12,13に磁着するN極の磁極部19,20が設けられているので、磁極部19,20が磁極部10,11に磁着し、磁極部21,22が磁極部12,13に磁着して本体部2の取付部4に着脱自在に取り付けられた着脱部3が、磁着力に抗する方向に露出部18が押されることによって本体部2から取り外され、着脱部3に取り付けられた携帯物の着脱が容易である。
【0023】
また、着脱部3は磁着により取付部4に装着されるので、着脱部3を取付部4にある程度まで近づければ、その装着は磁力によりいわば自動的に行われるが、その際、磁着が、N極の磁極部10,11及びS極の磁極部19,20と、S極の磁極部12,13及びN極の磁極部21,22とにより行われ、S極の磁極部19,20のS極の磁極部12,13への磁着や、N極の磁極部21,22のN極の磁極部10,11への磁着が防止されるので、磁力を確保するために着脱部3や取付部4に複数の磁極部を設けながらも、円環状の着脱部3が円環状の取付部4に対して正しい位置に装着される。
【0024】
さらに、取付部4には、取付部4に着脱部3が装着されているときに着脱部3の周面7の少なくとも一部を覆う周壁部8が設けられているので、使用者がストラップ15又はキーリング24に携帯物を取り付けて走ったり、着脱部3に何かがぶつかったりして着脱部3に不規則な強い外力が作用したとしても、着脱部3の周面7が周壁部8に当たって着脱部3が取付部4から大きくずれて外れる事態が防止され、仮に、着脱部3が取付部4から多少ずれたとしても、外力が取り除かれれば磁力により元の装着位置に引き戻される。
【0025】
加えて、当接部17及び露出部18は、着脱部3の表裏両面に設けられているので、使用者は、表裏を気にすることなく着脱部3を取付部4に装着することができる。
【0026】
以上、本発明の実施の形態について例示したが、本発明の実施形態は上述したものに限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更等してもよい。
【0027】
例えば、着脱部や取付部に設ける磁極部の位置や数、取付部の周壁部が着脱部の周面を覆う態様や露出部の取付部の裏側に露出する態様も、上述したものに限られない。
【符号の説明】
【0028】
1 ホルダー
2 本体部
3 着脱部
4 取付部
5 カラビナ部(連結部)
6 当接面
7 周面
8 周壁部
10 磁極部(第1磁極部)
11 磁極部(第1磁極部)
12 磁極部(第2磁極部)
13 磁極部(第2磁極部)
15 ストラップ
17 当接部
18 露出部
19 磁極部(第3磁極部)
20 磁極部(第3磁極部)
21 磁極部(第4磁極部)
22 磁極部(第4磁極部)
24 キーリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8